説明

ワイパブレード

【課題】ワイパブレードのウィンドシールドからの浮き上がりを抑制しつつ、負圧に起因する水引現象の発生を抑える。
【解決手段】ラバーホルダ21にフロントガラスの払拭面に対して平行となった平面部23を設け、平面部23に直線状の案内壁部24aを設け、案内壁部24aにより走行風Wをラバーホルダ21の正面側から背面側に案内させる。ラバーホルダ21の正面側および背面側における走行風Wとフロントガラスとの離間距離を同じ長さにでき、ラバーホルダ21の背面側での大きな負圧(カルマン渦)の発生を抑えて水引現象の発生を抑制できる。ラバーホルダ21の正面側から流れてくる走行風Wの流れ方向を、案内壁部24aにより略直角方向に変化させるので、このときの走行風Wの流れ抵抗によりブレードラバー22をフロントガラスへ押し付けるダウンフォースが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源により揺動駆動されるアームの先端側に設けられ、払拭面を払拭するワイパブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、ウィンドシールドの払拭面に付着した雨水や埃等の付着物を払拭し、運転者の視界を確保するワイパ装置が搭載されている。ワイパ装置は、駆動源であるワイパモータ(電動モータ)と、リンク機構を介して揺動駆動されるワイパアーム(アーム)と、ウィンドシールドの払拭面を払拭するワイパブレードとを備えている。ワイパブレードはワイパアームの先端側に設けられており、ウィンドシールドの払拭面に摺接するブレードラバーと、ブレードラバーを保持するラバーホルダとを備えている。そして、車室内のワイパスイッチを操作してワイパモータを回転駆動することで、リンク機構を介してワイパアームが揺動駆動され、これによりワイパブレードがウィンドシールド上を往復払拭動作して、ウィンドシールドの払拭面に付着した付着物を払拭することができる。
【0003】
車両に搭載されるワイパ装置はウィンドシールドの前端部分に設けられ、車両の外部にあるワイパブレードは、車両走行時に走行風を受けることになる。特に、車両が高速で走行する場合においては、ワイパブレードをウィンドシールドから浮き上がらせる揚力が発生し、これによりワイパブレードの払拭性能が低下するという問題が生じる。そこで、ワイパブレードに作用する揚力を抑えるようにした種々の形状のワイパブレードの開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたワイパブレードは、ブレードラバーの長手方向に沿うよう傾斜面を有するフィン部を備えている。また、ブレードラバーを保持するホルダ部(ラバーホルダ)にもブレードラバーのフィン部と同様の形状のフィン部が設けられている。そして、車両が高速で走行する等して、フィン部の傾斜面側(正面側)から走行風を受けると、ブレードラバーをウィンドシールド側に押し付けるダウンフォースが発生する。このダウンフォースの発生により、ブレードラバーのウィンドシールドからの浮き上がりを抑制して、ひいてはワイパブレードの払拭性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−231499号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたワイパブレードによれば、走行風が、ワイパブレードの短手方向一側(正面側)から短手方向他側(背面側)に向けてフィン部の傾斜面に沿って流れると、ワイパブレードの背面側では、正面側に比して、走行風とウィンドシールドの払拭面との離間距離が長くなる。これにより、フィン部の傾斜面に沿って流れた走行風は、ワイパブレードの背面側で比較的大きなカルマン渦(負圧)となる。このカルマン渦は、特にワイパブレードのウィンドシールドに対する揺動方向が上反転位置から下反転位置に向けて切り替わる際に、ワイパブレードが下反転位置から上反転位置に到達するまでに払拭した雨水等を、ウィンドシールドの払拭範囲内に引き込んでしまうという問題(水引現象)を引き起こす。
【0007】
ここで、水引現象についてより詳しく説明する。図12は、従来技術のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図を表している。
【0008】
図12に示すワイパブレード1は、上述の特許文献1に記載されたワイパブレードのように、その長手方向に沿う略全域にフィン部2を備えている。フィン部2は、ワイパブレード1の正面側(図中左側)から背面側(図中右側)に向けてその高さ寸法が徐々に大きくなるよう傾斜している。図12に示す状態は、ワイパブレード1が上反転位置にある状態、つまりワイパブレード1の長手方向と図示しない車両の前後方向(基準線C)とが20°〜30°ずれた状態を示している。
【0009】
この状態のもとで、車両が高速で走行する等して、ワイパブレード1が図中白抜矢印の方向から走行風Wを受けると、ワイパブレード1の背面側には、破線矢印に示すようにカルマン渦が発生する。これにより、ワイパブレード1の背面側では、特にワイパアーム3側の部分で大きい負圧(図中濃色網掛部分)が発生する。これは、ワイパアーム3の部分を通過する走行風Wが乱流となってワイパブレード1の背面側に導かれることも原因の一つとなっている。
【0010】
このように、ワイパブレード1の背面側には比較的広い範囲で大きい負圧部分(図中濃色網掛部分)が発生するため、ワイパブレード1の上反転位置から下反転位置への切り替わりの際に、ワイパブレード1が下反転位置から上反転位置に到達するまでに払拭した雨水等を、ウィンドシールドの払拭範囲内に引き込み易くなっている。つまり、ワイパブレード1は、水引現象を発生し易い形状であることが判る。
【0011】
本発明の目的は、ワイパブレードのウィンドシールドからの浮き上がりを抑制しつつ、負圧に起因する水引現象の発生を抑えることができるワイパブレードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のワイパブレードは、駆動源により揺動駆動されるアームの先端側に設けられ、払拭面を払拭するワイパブレードであって、前記アームの先端部に回動自在に取り付けられるホルダと、前記ホルダの長手方向に沿うよう前記ホルダに取り付けられ、前記払拭面に摺接するブレードと、前記ホルダの前記ブレード側とは反対側に設けられ、前記払拭面に対して平行となった平面部と、前記平面部に前記ホルダの短手方向一側から他側に向けて直線状に設けられ、前記ホルダの短手方向一側からの風を、前記ホルダの短手方向他側に案内する案内壁部とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明のワイパブレードは、前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿って複数設けることを特徴とする。
【0014】
本発明のワイパブレードは、前記ホルダを当該ホルダの短手方向から見たときに、前記各案内壁部を、隣り合う他の前記案内壁部に対して部分的に重なるよう設けることを特徴とする。
【0015】
本発明のワイパブレードは、前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設けることを特徴とする。
【0016】
本発明のワイパブレードは、前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けることを特徴とする。
【0017】
本発明のワイパブレードは、前記ホルダの前記アームとの取り付け位置から前記アーム側の前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設け、前記ホルダの前記アームとの取り付け位置から前記アーム側とは反対側の前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けることを特徴とする。
【0018】
本発明のワイパブレードは、前記案内壁部を、前記ホルダの前記アームとの取り付け位置から少なくとも前記アーム側に設けることを特徴とする。
【0019】
本発明のワイパブレードは、前記案内壁部を、前記ホルダの前記平面部から前記ブレード側とは反対側に突出するフィンにより形成することを特徴とする。
【0020】
本発明のワイパブレードは、前記案内壁部を、前記ホルダの前記平面部から前記ブレード側に窪んだスリットにより形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のワイパブレードによれば、ホルダのブレード側とは反対側に払拭面に対して平行となった平面部を設け、平面部にホルダの短手方向一側から他側に向けて直線状に案内壁部を設け、案内壁部によりホルダの短手方向一側からの風をホルダの短手方向他側に案内させる。したがって、ホルダの短手方向一側から流れてくる風と払拭面との離間距離と、ホルダの短手方向他側へ流れていく風と払拭面との離間距離とを同じ長さにでき、ホルダの短手方向他側での大きな負圧(カルマン渦)の発生を抑えて、負圧に起因する水引現象の発生を抑制できる。また、ホルダの短手方向一側から流れてくる風の流れ方向を案内壁部により変化させるので、このときの風の流れ抵抗によりブレードを払拭面へ押し付けるダウンフォースが得られる。ワイパブレードの浮き上がりを抑制しつつ水引現象の発生を抑えることができるので、払拭面に雨水等を残すことなく払拭面を良好に払拭することができる。さらに、ホルダには平面部と直線状の案内壁部とを設けるだけなので、成形性を向上させることができ、成形に用いる金型を簡素化して製造コストを低減することができる。
【0022】
本発明のワイパブレードによれば、案内壁部を、ホルダの長手方向に沿って複数設けるので、ホルダの短手方向一側から流れてくる風をホルダの短手方向他側へ分散させ易くすることができる。よって、風の整流性能を高めてホルダの短手方向他側における負圧の発生をより抑えることができる。また、必要とされる整流性能やダウンフォースに応じて、案内壁部の間隔や設ける個数を任意に設定でき、これにより種々のニーズに対応することができる。さらに、案内壁部を複数設けるので、ワイパブレードの見栄えを良くすることができる。
【0023】
本発明のワイパブレードによれば、ホルダを当該ホルダの短手方向から見たときに、各案内壁部を、隣り合う他の案内壁部に対して部分的に重なるよう設けるので、ワイパブレードの見栄えを良くすることができる。
【0024】
本発明のワイパブレードによれば、案内壁部を、ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設けるので、ワイパブレードの長手方向と風向きとが略同一方向となる場合、例えば、ワイパブレードを車両等に用いてワイパブレードが上反転位置にある場合に、風の整流性能を確保しつつ充分な大きさのダウンフォースを得ることができる。
【0025】
本発明のワイパブレードによれば、案内壁部を、ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けるので、ワイパブレードの長手方向と風向きとが略同一方向となる場合、例えば、ワイパブレードを車両等に用いてワイパブレードが上反転位置にある場合に、風の整流性能を確保しつつダウンフォースが過大になるのを抑えることができる。
【0026】
本発明のワイパブレードによれば、ホルダのアームとの取り付け位置からアーム側の案内壁部を、ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設け、ホルダのアームとの取り付け位置からアーム側とは反対側の案内壁部を、ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けるので、ホルダのアーム側で風の整流性能を確保しつつ充分な大きさのダウンフォースを得ることができ、ホルダのアーム側とは反対側で風の整流性能を確保しつつダウンフォースが過大になるのを抑えることができる。
【0027】
本発明のワイパブレードによれば、案内壁部を、ホルダのアームとの取り付け位置から少なくともアーム側に設けるので、アーム部分を通過する風の乱流に起因するホルダの短手方向他側での負圧の発生を抑えることができる。
【0028】
本発明のワイパブレードによれば、案内壁部を、ホルダの平面部からブレード側とは反対側に突出するフィンにより形成するので、案内壁部の風が衝突する部分の面積を大きく採ることができ、充分な整流性能を確保できるとともに、充分なダウンフォースを得ることができる。
【0029】
本発明のワイパブレードによれば、案内壁部を、ホルダの平面部からブレード側に窪んだスリットにより形成するので、ホルダの平面部からブレード側とは反対側に突出する突出部分を無くして、ワイパブレードの外観をすっきりさせることができる。また、突出部分を無くしてスリットを設けるので、ホルダを成形するための材料を少なくして、ワイパブレードの軽量化や製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るワイパブレードを備えたワイパ装置を説明する説明図である。
【図2】第1実施の形態に係るワイパブレードを拡大して示す斜視図である。
【図3】(a)は図2の破線円A部を矢印(1)方向から見た部分拡大図であり、(b)は図2の破線円A部を矢印(2)方向から見た部分拡大図である。
【図4】図2のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図である。
【図5】(a),(b)は、図3に対応する第2実施の形態を示す部分拡大図である。
【図6】(a),(b)は、図3に対応する第3実施の形態を示す部分拡大図である。
【図7】(a),(b)は、図2の破線円A部および破線円B部に対応する第4実施の形態に係るワイパブレードの部分拡大図である。
【図8】図7のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図である。
【図9】(a),(b)は、図2の破線円A部および破線円B部に対応する第5実施の形態に係るワイパブレードの部分拡大図である。
【図10】図9のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図である。
【図11】第6実施の形態に係るワイパブレードを拡大して示す斜視図である。
【図12】従来技術のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の第1実施の形態に係るワイパブレードについて、図面を用いて詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明に係るワイパブレードを備えたワイパ装置を説明する説明図を、図2は第1実施の形態に係るワイパブレードを拡大して示す斜視図を、図3(a)は図2の破線円A部を矢印(1)方向から見た部分拡大図を、図3(b)は図2の破線円A部を矢印(2)方向から見た部分拡大図を、図4は図2のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図をそれぞれ表している。
【0033】
図1に示すように、自動車等の車両10の前方側には、ウィンドシールドとしてのフロントガラス11が設けられ、車両10におけるフロントガラス11の前端部分には、フロントガラス11の払拭面に付着した雨水や埃等を払拭するワイパ装置12が搭載されている。ワイパ装置12は、運転席側および助手席側で対となったワイパ部材13を備え、さらに一のワイパモータ(駆動源)14を備えている。また、各ワイパ部材13とワイパモータ14との間には、ワイパモータ14の回転運動を各ワイパ部材13の揺動運動に変換するリンク機構15が設けられている。
【0034】
各ワイパ部材13は、ワイパブレード20とワイパアーム(アーム)16とを備えており、各ワイパアーム16の基端部は、車両10に回動自在に設けられた各ピボット軸17にそれぞれ固定されている。各ワイパアーム16の先端部には、各ワイパブレード20の長手方向に沿う略中央部分が回動自在に取り付けられている。これにより、運転者等によりワイパスイッチ(図示せず)を操作することでワイパモータ14を回転駆動し、リンク機構15を介して各ピボット軸17が揺動駆動され、ひいては各ワイパアーム16およびその先端側に設けた各ワイパブレード20が揺動駆動される。
【0035】
各ワイパブレード20は、ワイパモータ14の回転駆動により図中矢印R1およびR2の方向に繰り返し移動して、上反転位置URPおよび下反転位置LRPとの間に形成されたフロントガラス11上の払拭範囲11aをそれぞれ往復払拭動作する。そして、各ワイパブレード20の往復払拭動作により払拭された雨水等は、上反転位置URPおよび下反転位置LRPの近傍の水溜まり部Pに集められ、水溜まり部Pに集められた雨水等は、フロントガラス11の傾斜面に沿って流れ落ちて車両10の外部に排出される。
【0036】
次に、ワイパブレード20の構造について、図2および図3を用いて詳細に説明する。なお、運転席側および助手席側の各ワイパブレード20は、それぞれ同様に形成されるため、運転席側のワイパブレード20のみについて説明する。
【0037】
ワイパブレード20は、ワイパアーム16の先端部に回動自在に取り付けられた長尺形状のラバーホルダ(ホルダ)21と、ラバーホルダ21の長手方向に沿うよう当該ラバーホルダ21に取り付けられ、フロントガラス11の払拭面に弾性接触して摺接するブレードラバー(ブレード)22とを備えている。
【0038】
ラバーホルダ21は、その長手方向に沿って3分割構造となっており、ワイパアーム16の先端部に回動自在に取り付けられる中間部21aと、中間部21aの先端側に取り付けられる先端部21bと、中間部21aの基端側に取り付けられる基端部21cとを備えている。中間部21a,先端部21bおよび基端部21cは、それぞれ溶融したプラスチック材料を射出成形することにより所定形状に形成され、先端部21bおよび基端部21cは、中間部21aを挟んで鏡像対称となるよう形成されている。
【0039】
中間部21aには、回動ピン(図示せず)が固定され、さらに回動ピンにはアーム装着部材(図示せず)が回動自在に取り付けられている。アーム装着部材には、ワイパアーム16の先端部に略U字形状に形成されたU字状部16aが装着され、これにより、中間部21aはワイパアーム16の先端部に回動自在に取り付けられている。先端部21bおよび基端部21cは、中間部21aに対してフロントガラス11側に向けて所定角度傾斜可能に取り付けられ、これにより、フロントガラス11の曲率形状に沿わせてブレードラバー22を摺動させることができる。
【0040】
ラバーホルダ21(中間部21a,先端部21b,基端部21c)のブレードラバー22側とは反対側には、フロントガラス11の払拭面に対して略平行となった平面部23が形成され、当該平面部23には、ラバーホルダ21の長手方向に沿うよう複数のフィン部(フィン)24が一体に設けられている。各フィン部24は、ラバーホルダ21の短手方向一側(ワイパアーム16側)から、ラバーホルダ21の短手方向他側に向けて、真っ直ぐに延びるよう直線状に設けられている。
【0041】
各フィン部24は、ラバーホルダ21の平面部23からブレードラバー22側とは反対側に突出して設けられている。各フィン部24は、ラバーホルダ21の短手方向一側から他側に向けて、徐々にその高さが高くなるよう略三角形形状に形成され、各フィン部24の平面部23からの最も高い高さ寸法はh1に設定されている。これによりワイパブレード20の見栄えを良くしている。ただし、各フィン部24は三角形形状に限らず、半円形状や四角形形状等、ワイパブレード20のデザイン性を考慮して変更しても良い。
【0042】
各フィン部24には、車両10の走行時において走行風(風)W(図4参照)を受ける案内壁部24aが設けられている。各案内壁部24aは、ワイパブレード20のフロントガラス11の位置(下反転位置LRP,上反転位置URP)に関わらず、ワイパアーム16側に向けられている。つまり、各フィン部24は、ラバーホルダ21の平面部23に対して、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線C(図4参照)から所定角度傾斜して設けられている。具体的には、図4に示すように、ラバーホルダ21が上反転位置URPにある状態において、基準線Cから20°〜30°傾斜した走行風Wの風向きに対して、各案内壁部24aが略直交するよう各フィン部24の平面部23に対する傾斜角度を設定している。
【0043】
また、各フィン部24の各案内壁部24aは、図3(b)に示すように、ラバーホルダ21をその短手方向一側から見たときに、隣り合う他のフィン部24の案内壁部24aに対して部分的に重なっており、これによりワイパブレード20の見栄えを良くしている。
【0044】
次に、以上のように形成した第1実施の形態に係るワイパブレード20の動作について、図4に示す流体解析図(CAE解析図)を用いて詳細に説明する。
【0045】
図4に示す状態は、ワイパブレード20が上反転位置URPにある状態、つまりワイパブレード20の長手方向と車両10の前後方向とが20°〜30°ずれた状態を示している。この状態のもとで車両10が高速で走行すると、ワイパブレード20は、基準線Cに対して20°〜30°ずれた方向から走行風Wを受ける。走行風Wは、各フィン部24の各案内壁部24aに衝突して、その一部が略直角に屈曲される。
【0046】
このとき、走行風Wは各案内壁部24aを介してワイパブレード20をフロントガラス11に向けて押し付ける。つまり、走行風Wの各案内壁部24aへの衝突によりダウンフォースが発生し、ワイパブレード20のフロントガラス11に対する浮き上がりが抑制される。一方、各案内壁部24aにより屈曲された走行風Wの一部は各案内壁部24aに沿って流れ、ワイパブレード20の正面側(短手方向一側)から背面側(短手方向他側)に案内される。これにより、走行風Wは、各案内壁部24aによりワイパブレード20の長手方向に沿って背面側で分散される。
【0047】
走行風Wは、ラバーホルダ21の平面部23に沿って流れるため、ワイパブレード20の背面側での走行風Wとフロントガラス11との離間距離は、ワイパブレード20の正面側での走行風Wとフロントガラス11との離間距離と同じ長さで短くなっている。したがって、従前のワイパブレード(図12参照)に比して、ワイパブレード20の背面側における大きなカルマン渦の発生(図中破線矢印)を抑制でき、大きな負圧の発生箇所(図中網掛部分)の範囲を狭くできる。各案内壁部24aは、ワイパアーム16の部分を通過する走行風Wの乱流についても整流するので、走行風Wの乱流に起因するワイパブレード20の背面側でのカルマン渦の発生も抑制できる。
【0048】
このように、ワイパブレード20における走行風Wの流れ状態を解析したところ、大きな負圧の発生箇所の範囲を狭くできることが判った。これは、ワイパブレード20が上反転位置URPから下反転位置LRPに向けて反転動作する際に、水溜まり部P(図1参照)に集められた雨水等を、フロントガラス11の払拭範囲11a内に引き込み難くなっていることを意味する。したがって、ワイパブレード20は、従前のワイパブレードに比して水引現象の発生を抑制でき、運転者の視界を充分に確保することができる。
【0049】
以上詳述したように、第1実施の形態に係るワイパブレード20によれば、ラバーホルダ21のブレードラバー22側とは反対側に、フロントガラス11の払拭面に対して平行となった平面部23を設け、平面部23にラバーホルダ21の短手方向一側から他側に向けて直線状に案内壁部24aを設け、案内壁部24aによりラバーホルダ21の短手方向一側からの走行風Wをラバーホルダ21の短手方向他側に案内させる。
【0050】
したがって、ラバーホルダ21の短手方向一側から流れてくる走行風Wとフロントガラス11との離間距離と、ラバーホルダ21の短手方向他側へ流れていく走行風Wとフロントガラス11との離間距離とを同じ長さにでき、ラバーホルダ21の短手方向他側での大きな負圧(カルマン渦)の発生を抑えて、負圧に起因する水引現象の発生を抑制できる。
【0051】
また、ラバーホルダ21の短手方向一側から流れてくる走行風Wの流れ方向を、案内壁部24aにより略直角方向に変化させるので、このときの走行風Wの流れ抵抗によりブレードラバー22をフロントガラス11へ押し付けるダウンフォースが得られる。ワイパブレード20の浮き上がりを抑制しつつ水引現象の発生を抑えることができるので、フロントガラス11に雨水等を残すことなくフロントガラス11の払拭面を良好に払拭することができる。さらに、ラバーホルダ21には平面部23と直線状の案内壁部24aとを設けるだけなので、成形性を向上させることができ、成形に用いる金型(図示せず)を簡素化して製造コストを低減することができる。
【0052】
さらに、第1実施の形態に係るワイパブレード20によれば、案内壁部24aを、ラバーホルダ21の長手方向に沿って複数設けたので、ラバーホルダ21の短手方向一側から流れてくる走行風Wをラバーホルダ21の短手方向他側へ分散させ易くすることができる。よって、走行風Wの整流性能を高めてラバーホルダ21の短手方向他側における負圧の発生をより抑えることができる。また、必要とされる整流性能やダウンフォースに応じて、案内壁部24aの間隔や設ける個数を任意に設定でき、これにより種々のニーズに対応することができる。さらに、案内壁部24aを複数設けるので、ワイパブレード20の見栄えを良くすることができる。
【0053】
また、第1実施の形態に係るワイパブレード20によれば、ラバーホルダ21を当該ラバーホルダ21の短手方向から見たときに、各案内壁部24aを、隣り合う他の案内壁部24aに対して部分的に重なるよう設けたので、ワイパブレード20の見栄えを良くすることができる。
【0054】
さらに、第1実施の形態に係るワイパブレード20によれば、案内壁部24aを、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線Cから20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設けたので、ワイパブレード20の長手方向と風向きとが略同一方向となる場合、例えば、ワイパブレード20を車両10等に用いてワイパブレード20が上反転位置にある場合に、走行風Wの整流性能を確保しつつ充分な大きさのダウンフォースを得ることができる。
【0055】
また、第1実施の形態に係るワイパブレード20によれば、案内壁部24aを、ラバーホルダ21の平面部23からブレードラバー22側とは反対側に突出するフィン部24により形成したので、案内壁部24aの走行風Wが衝突する部分の面積を大きく採ることができる。したがって、充分な整流性能を確保できるとともに、充分なダウンフォースを得ることができる。
【0056】
次に、本発明の第2実施の形態に係るワイパブレードについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0057】
図5(a),(b)は図3に対応する第2実施の形態を示す部分拡大図を表している。
【0058】
図5に示すように、第2実施の形態のワイパブレード30は、第1実施の形態のワイパブレード20に比して、隣り合う各フィン部24の間隔を広くして各フィン部24間に隙間Sを形成するようにし、ラバーホルダ21をその短手方向一側から見たときの見栄えを変更している。また、各フィン部24の平面部23からの最も高い高さ寸法をh2に設定して、第1実施の形態のワイパブレード20における各フィン部24の高さ寸法h1よりも大きくしている(h2>h1)。
【0059】
以上のように形成した第2実施の形態に係るワイパブレード30においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第2実施の形態においては、各フィン部24間に隙間Sを形成しているので、第1実施の形態に比してワイパブレード30の背面側に走行風Wを流れ易くでき、カルマン渦の発生をより抑制することができる。その一方で、走行風Wが流れ易くなる分、ダウンフォースの低下が懸念されるが、第2実施の形態においては、各フィン部24の高さ寸法h2として走行風Wが衝突する部分の面積を大きくしている。したがって、第1実施の形態と同等の充分なダウンフォースの発生を確保できる。
【0060】
次に、本発明の第3実施の形態に係るワイパブレードについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0061】
図6(a),(b)は図3に対応する第3実施の形態を示す部分拡大図を表している。
【0062】
図6に示すように、第3実施の形態のワイパブレード40は、第1実施の形態のワイパブレード20に比して、各フィン部24に換えて、ワイパブレード40の正面側から背面側に向けて貫く複数のスリット部(スリット)41を備えた点が異なっている。各スリット部41においても、ラバーホルダ21の短手方向一側から他側に向けて、真っ直ぐに延びるよう直線状に設けられている。ここで、ラバーホルダ21の長手方向に沿って設けるスリット部41の個数は、ワイパブレード40に必要とされる整流性能やダウンフォースに応じて、例えば、第2実施の形態のワイパブレード30と同様に少なくすることもできる。
【0063】
各スリット部41は、ラバーホルダ21の平面部23からブレードラバー22側に窪んで設けられている。各スリット部41の深さ寸法は、ラバーホルダ21の長手方向中央部分から基端側(および先端側)に向かうにつれて徐々に浅くなるよう設定されている。つまり、図中左側(中央寄り)の深さ寸法はd1となっており、図中右側(基端寄り)の深さ寸法はd2(d1>d2)となっている。
【0064】
各スリット部41には、車両10の走行時において走行風Wを受ける案内壁部41aが設けられている。各案内壁部41aは、ワイパブレード40のフロントガラス11の位置(下反転位置LRP,上反転位置URP)に関わらず、ワイパアーム16側に向けられている。つまり、各スリット部41においても、第1実施の形態の各フィン部24と同様に、ラバーホルダ21の平面部23に対して、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線Cから所定角度傾斜して設けられている。具体的には、ラバーホルダ21が上反転位置URPにある状態において、基準線Cから20°〜30°傾斜した走行風Wの風向きに対して、各案内壁部41aが略直交するよう各スリット部41の平面部23に対する傾斜角度を設定している(図4参照)。
【0065】
以上のように形成した第3実施の形態に係るワイパブレード40においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第3実施の形態においては、各案内壁部41aを、ラバーホルダ21の平面部23からブレードラバー22側に窪んだ各スリット部41により形成するので、ラバーホルダ21の平面部23からブレードラバー22側とは反対側に突出する突出部分を無くして、ワイパブレードの外観をすっきりさせることができる。また、突出部分を無くして各スリット部41を設けるので、ラバーホルダ21を成形するための材料を少なくして、ワイパブレードの軽量化や製造コストの低減を図ることができる。
【0066】
次に、本発明の第4実施の形態に係るワイパブレードについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
図7(a),(b)は図2の破線円A部および破線円B部に対応する第4実施の形態に係るワイパブレードの部分拡大図を、図8は図7のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図をそれぞれ表している。
【0068】
図7および図8に示すように、第4実施の形態のワイパブレード50は、第1実施の形態のワイパブレード20に比して、各フィン部(フィン)51の傾斜角度が異なっている。
【0069】
各フィン部51には、車両10の走行時において走行風Wを受ける案内壁部51aが設けられている。各案内壁部51aは、ワイパブレード50のフロントガラス11の位置(下反転位置LRP,上反転位置URP)に関わらず、ワイパブレード50の背面側に向けられている。つまり、各フィン部51は、ラバーホルダ21の平面部23に対して、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線Cから所定角度傾斜して設けられている。具体的には、図8に示すように、ラバーホルダ21が上反転位置URPにある状態において、基準線Cから20°〜30°傾斜した走行風Wの風向きに沿うよう、各案内壁部51aの傾斜角度を設定している。ここで、走行風Wの一部を各案内壁部51aに衝突させて所定のダウンフォースを得るために、各案内壁部51aの延出方向と走行風Wの流入方向とが直線状とならないよう、例えば、両者のなす角度が略150°の鈍角となるよう設定する。
【0070】
なお、必要とされる整流性能やダウンフォースに応じて、第2実施の形態および第3実施の形態と同様に、各フィン部51間に隙間Sを形成したり、各フィン部51に換えてスリット部を設けたりすることもできる。
【0071】
図8に示すように、ワイパブレード50においても、従前のワイパブレード(図12参照)に比して、ワイパブレード50の背面側における大きなカルマン渦の発生(図中破線矢印)を抑制でき、大きな負圧の発生箇所(図中網掛部分)の範囲を狭くできる。各案内壁部51aは、ワイパアーム16の部分を通過する走行風Wの乱流についても整流するので、走行風Wの乱流に起因するワイパブレード50の背面側でのカルマン渦の発生も抑制できる。
【0072】
以上のように形成した第4実施の形態に係るワイパブレード50においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第4実施の形態においては、各案内壁部51aを、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けたので、ワイパブレード50の長手方向と風向きとが略同一方向となる場合、例えば、ワイパブレード50を車両10等に用いてワイパブレード50が上反転位置URPにある場合に、走行風Wの整流性能を確保しつつダウンフォースが過大になるのを抑えることができる。
【0073】
次に、本発明の第5実施の形態に係るワイパブレードについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0074】
図9(a),(b)は図2の破線円A部および破線円B部に対応する第5実施の形態に係るワイパブレードの部分拡大図を、図10は図9のワイパブレードにおける負圧の発生状態を説明する流体解析図をそれぞれ表している。
【0075】
図9および図10に示すように、第5実施の形態のワイパブレード60は、第1実施の形態のワイパブレード20に比して、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置から先端部21b側に設けられる各フィン部(フィン)61の傾斜角度が異なっている。具体的には、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置から基端部21c側に設ける案内壁部24aを有する各フィン部24の傾斜角度は、第1実施の形態のワイパブレード20と同じ角度とし、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置から先端部21b側に設ける案内壁部61aを有する各フィン部61の傾斜角度は、第4実施の形態のワイパブレード50と同じ角度としている。
【0076】
なお、必要とされる整流性能やダウンフォースに応じて、第2実施の形態および第3実施の形態と同様に、各フィン部61間および各フィン部24間に隙間Sを形成したり、各フィン部61および各フィン部24に換えてスリット部を設けたりすることもできる。
【0077】
図10に示すように、ワイパブレード60においても、従前のワイパブレード(図12参照)に比して、ワイパブレード60の背面側における大きなカルマン渦の発生(図中破線矢印)を抑制でき、大きな負圧の発生箇所(図中網掛部分)の範囲を狭くできる。
【0078】
以上のように形成した第5実施の形態に係るワイパブレード60においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第5実施の形態においては、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置からワイパアーム16側の各案内壁部24aを、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線Cから20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設け、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置からワイパアーム16側とは反対側の各案内壁部61aを、ラバーホルダ21の長手方向に沿う基準線Cから20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けたので、ラバーホルダ21のワイパアーム16側で走行風Wの整流性能を確保しつつ充分な大きさのダウンフォースを得ることができ、ラバーホルダ21のワイパアーム16側とは反対側で走行風Wの整流性能を確保しつつダウンフォースが過大になるのを抑えることができる。
【0079】
次に、本発明の第6実施の形態に係るワイパブレードについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0080】
図11は第6実施の形態に係るワイパブレードを拡大して示す斜視図を表している。
【0081】
図11に示すように、第6実施の形態のワイパブレード70は、第1実施の形態のワイパブレード20に比して、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置から先端側、つまり中間部71の先端側および先端部72の各フィン部24を省略した点が異なっている。ここで、図4,8,10の流体解析図に示すように、ワイパブレードの先端側においては走行風Wによるカルマン渦の発生が弱く、したがって大きな負圧の発生箇所の範囲が狭いことが判る。本実施の形態においては、大きな負圧が発生する側(ワイパアーム16側)に着目して、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置から基端側のみに、各フィン部24を設けている。
【0082】
なお、必要とされる整流性能やダウンフォースに応じて、第2実施の形態および第3実施の形態と同様に、各フィン部24間に隙間Sを形成したり、各フィン部24に換えてスリット部を設けたりすることもできる。さらには、第4実施の形態のワイパブレード50の各フィン部51(図7参照)と同じように、各フィン部24の傾斜角度を設定することもできる。
【0083】
以上のように形成した第6実施の形態に係るワイパブレード70においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第6実施の形態においては、各案内壁部24aを、ラバーホルダ21のワイパアーム16との取り付け位置からワイパアーム16側のみに設けたので、ワイパアーム16の部分を通過する走行風Wの乱流に起因するラバーホルダ21の短手方向他側での負圧の発生を抑えつつ、ワイパブレード70の先端側の外観をすっきりさせることができる。
【0084】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記第1,第4,第5実施の形態においては、各フィン部24,51,61をラバーホルダ21に一体に設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、各フィン部24,51,61を別体として着脱自在に設けるようにしても良い。この場合、複数の仕様の異なるフィン部(例えば、フィン部の高さや色違い等)を準備することで、使用者の好みに応じてワイパブレードをチューニングしたりワイパブレードの見栄えを変更したりすることができる。
【0085】
また、上記各実施の形態においては、ワイパブレードを、自動車等の車両10に搭載されるワイパ装置に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、より高速の条件下で使用される鉄道車両や航空機等のワイパ装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 ワイパブレード
2 フィン部
3 ワイパアーム
10 車両
11 フロントガラス
11a 払拭範囲
12 ワイパ装置
13 ワイパ部材
14 ワイパモータ(駆動源)
15 リンク機構
16 ワイパアーム(アーム)
16a U字状部
17 ピボット軸
20 ワイパブレード
21 ラバーホルダ(ホルダ)
21a 中間部
21b 先端部
21c 基端部
22 ブレードラバー(ブレード)
23 平面部
24 フィン部(フィン)
24a 案内壁部
30 ワイパブレード
40 ワイパブレード
41 スリット部(スリット)
41a 案内壁部
50 ワイパブレード
51 フィン部(フィン)
51a 案内壁部
60 ワイパブレード
61 フィン部(フィン)
61a 案内壁部
70 ワイパブレード
71 中間部
72 先端部
C 基準線
P 水溜まり部
S 隙間
W 走行風
LRP 下反転位置
URP 上反転位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源により揺動駆動されるアームの先端側に設けられ、払拭面を払拭するワイパブレードであって、
前記アームの先端部に回動自在に取り付けられるホルダと、
前記ホルダの長手方向に沿うよう前記ホルダに取り付けられ、前記払拭面に摺接するブレードと、
前記ホルダの前記ブレード側とは反対側に設けられ、前記払拭面に対して平行となった平面部と、
前記平面部に前記ホルダの短手方向一側から他側に向けて直線状に設けられ、前記ホルダの短手方向一側からの風を、前記ホルダの短手方向他側に案内する案内壁部とを備えることを特徴とするワイパブレード。
【請求項2】
請求項1記載のワイパブレードにおいて、前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿って複数設けることを特徴とするワイパブレード。
【請求項3】
請求項2記載のワイパブレードにおいて、前記ホルダを当該ホルダの短手方向から見たときに、前記各案内壁部を、隣り合う他の前記案内壁部に対して部分的に重なるよう設けることを特徴とするワイパブレード。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設けることを特徴とするワイパブレード。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けることを特徴とするワイパブレード。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記ホルダの前記アームとの取り付け位置から前記アーム側の前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに対して直交するよう設け、前記ホルダの前記アームとの取り付け位置から前記アーム側とは反対側の前記案内壁部を、前記ホルダの長手方向に沿う基準線から20°〜30°傾斜した風向きに沿うよう設けることを特徴とするワイパブレード。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記案内壁部を、前記ホルダの前記アームとの取り付け位置から少なくとも前記アーム側に設けることを特徴とするワイパブレード。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記案内壁部を、前記ホルダの前記平面部から前記ブレード側とは反対側に突出するフィンにより形成することを特徴とするワイパブレード。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記案内壁部を、前記ホルダの前記平面部から前記ブレード側に窪んだスリットにより形成することを特徴とするワイパブレード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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