説明

ワイパブレード

【課題】往復払拭動作における反転動作時に払拭で掻き集められた雨滴等を再び払拭領域内に引き込んでしまうのを低減でき、良好な払拭性能を発揮できるワイパブレードを提供する。
【解決手段】ブレードラバー16の払拭面Gへの接触配置状態において、払拭面Gと略平行な正面視で、ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間にその正面側から背面側に空気流を挿通させるための隙間Sが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両フロントガラス表面等を払拭するワイパブレードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のフロントガラス等の表面(払拭面)を払拭するワイパブレードにおいては、従来より様々な構成のものが提案されている。
例えば特許文献1にて開示のものでは、ワイパアームに連結されるメインレバーの両端にヨークレバーが回動可能に連結され、該ヨークレバーの両端に設けた把持部にて、払拭面を払拭すべく払拭面に接触配置されるブレードラバーがその長手方向の所定箇所で把持される。また、このワイパブレードでは、ヨークレバーに可動カバー部材の基端部が回動可能に連結され、メインレバーから長手方向に突出したヨークレバーの一部を覆うとともにその把持部から外側に突出したブレードラバーの追従端部が可動カバー部材の先端部の把持部にて把持される。そして、ヨークレバー及び可動カバー部材は、払拭面の曲面形状によるブレードラバーの払拭面直交方向の屈曲変形に伴って回動し、その払拭面の曲面形状に倣ったブレードラバーの屈曲を妨げないようにしつつ支持している。
【0003】
また、特許文献1のワイパブレードは、同文献の第5図の(a)にて示されるように、メインレバーと回動可能に連結するヨークレバーに対して可動カバー部材が回動可能に連結する構成であるため、ブレードラバーの屈曲変形に伴いヨークレバーと可動カバー部材とが段階的に可動するものである。つまり、ヨークレバーと可動カバー部材とが可動しても、ブレードラバーの屈曲変形に倣ってメインレバーから可動カバー部材にかけて滑らかに連続する外観形状が維持されるため、良好な外観性能(見栄え)が得られるものとなっている。尚、同5図の(a)では、ワイパブレード単体でヨークレバーと可動カバー部材とを単に可動させた状態が描かれたものと推察できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/035794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のワイパブレードのように、ブレードラバーの追従端部の上部に可動カバー部材が配置されるものにおいては、払拭面からワイパブレードの頂点までの高さが長手方向全体で高い構成となっている。そのため、払拭動作中のワイパブレードには、払拭方向前面側の空気がそのワイパブレードの上部を乗り越えるように大きく立ち上がった空気流となるため、ワイパブレードの払拭方向後面側では比較的大きな負圧が生じてしまう。結果、ワイパブレードの往復払拭動作における反転動作時に、払拭により掻き集められた雨滴等がそのワイパブレードの動作とともに再び払拭領域内に引き込まれてしまう事象が発生することが懸念される。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、往復払拭動作における反転動作時に払拭で掻き集められた雨滴等を再び払拭領域内に引き込んでしまうのを低減でき、良好な払拭性能を発揮することができるワイパブレードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワイパアームに連結されるメインレバーと該メインレバーに直接又は間接的に回動可能に連結されるヨークレバーとを含んで構成されたレバー部材と、前記ヨークレバーの少なくとも一部を覆うとともに該ヨークレバーに対して基端部が回動可能に連結された可動カバー部材とを備え、払拭面を払拭するブレードラバーを前記ヨークレバーの把持部にて把持するとともに、長手方向端部に位置する前記把持部から同方向外側に突出した前記ブレードラバーの追従端部を前記可動カバー部材の先端部の把持部にて把持し、前記ブレードラバーの払拭面直交方向の屈曲変形に伴い前記ヨークレバー及び前記可動カバー部材が回動するワイパブレードであって、前記ブレードラバーの前記払拭面への接触配置状態において、前記払拭面と略平行な正面視で、前記ブレードラバーの上縁部と前記可動カバー部材の下縁部との間にその正面側から背面側に空気流を挿通させる隙間が形成されていることをその要旨とする。
【0008】
この発明では、ブレードラバーの払拭面への接触配置状態において、払拭面と略平行な正面視で、ブレードラバーの上縁部と可動カバー部材の下縁部との間にその正面側から背面側に空気流を挿通させるための隙間が形成される。つまり、ヨークレバーと可動カバー部材とが段階的に可動する態様のその可動カバー部材の背面側では払拭動作時に負圧が生じ易い構造となるが、ブレードラバーの上縁部と可動カバー部材の下縁部との間に積極的に隙間を形成することで、その隙間を介してワイパブレードの背面側に空気流が生じ、背面側に生じ得る負圧が十分に低減される。これにより、ワイパブレードの往復払拭動作における反転動作時に、払拭で掻き集められた雨滴等がそのワイパブレードの動作とともに再び払拭領域内に引き込まれてしまう事象が十分に低減され、良好な払拭性能を得ることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワイパブレードにおいて、前記隙間は、前記可動カバー部材の下縁部を切り欠いたことで形成されていることをその要旨とする。
この発明では、ブレードラバーの上縁部と可動カバー部材の下縁部との間の隙間は、可動カバー部材の下縁部を切り欠いて形成される。つまり、ブレードラバーの形状変更を伴わないので、容易に対応可能であり、また拭き性能への影響を小さくすることが可能である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のワイパブレードにおいて、前記隙間を形成すべく、前記可動カバー部材の下縁部を滑らかに連続する曲線にて切り欠かれていることをその要旨とする。
【0011】
この発明では、隙間の形成のために、可動カバー部材の下縁部が滑らかに連続する曲線にて切り欠かれる。これにより、隙間を形成することによるワイパブレードの外観性能の低下を抑制できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記隙間は、前記ヨークレバーの把持部から外側に突出した前記ブレードラバーの追従端部において前記可動カバー部材に設けられていることをその要旨とする。
【0013】
この発明では、隙間は、ヨークレバーの把持部から外側に突出したブレードラバーの追従端部において可動カバー部材に設けられる。つまり、ヨークレバーの把持部から外側のブレードラバーの追従端部では、可動カバー部材内にヨークレバーが存在しないことから、隙間を介した正面から背面側への空気流の抜けが良好で、払拭動作時にワイパブレードの背面側に生じ得る負圧の低減効果は大きい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、往復払拭動作における反転動作時に払拭で掻き集められた雨滴等を再び払拭領域内に引き込んでしまうのを低減でき、良好な払拭性能を発揮することができるワイパブレードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態のワイパを示す斜視図である。
【図2】(a)はワイパブレードの平面図、(b)は正面図である。
【図3】(a)は払拭面への接触配置状態におけるワイパブレードの側面拡大図、(b)はワイパブレード端部の拡大図、(c)は隙間部分の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す本実施形態のワイパ10は、車両のフロントガラスの表面(払拭面G)に付着した雨滴等を払拭する車両用ワイパであり、ワイパアーム11と、該アーム11の先端部に支持され払拭面Gに接触配置されるワイパブレード12とを備えて構成されている。ワイパ10は、ワイパモータ(図示略)によるワイパアーム11の所定角度の回動作動にてワイパブレード12が往復揺動し、揺動するワイパブレード12にて払拭面G上の払拭を行うものである。
【0017】
図2(a)(b)に示すように、ワイパブレード12は、メインレバー13と、2つのヨークレバー14と、2つの可動カバー部材15と、ブレードラバー16とを備えている。メインレバー13は、その中央部にて連結部材20を介してワイパアーム11の先端部と回動可能且つ着脱可能に連結されている。メインレバー13の長手方向両端部にはそれぞれ回動軸部13aが設けられ、ヨークレバー14の中央部が各回動軸部13aに組み付けられて、メインレバー13の両端部のそれぞれにヨークレバー14が回動可能に支持されている。
【0018】
各ヨークレバー14の中央部の回動連結部分よりも若干外側には、可動カバー部材15の基端部がそれぞれ回動軸部15aにて組み付けられており、各ヨークレバー14に対して可動カバー部材15がそれぞれ回動可能に支持されている。各ヨークレバー14の両端部、及び各可動カバー部材15の先端部にはそれぞれ幅方向で対をなす把持部14a,15bが設けられ、ブレードラバー16を長手方向所定間隔で把持している。
【0019】
ここで、メインレバー13にはワイパアーム11から払拭面G側への押圧力が作用するが、その押圧力はメインレバー13を介して実質的に各ヨークレバー14の両端部に設けられる合計4つの把持部14aからブレードラバー16に伝達される。ブレードラバー16にヨークレバー14の各把持部14aから伝達された押圧力は、該ブレードラバー16に装着される金属製板バネ材のバッキング17(図3(c)参照)にて長手方向に分散される。そして、各ヨークレバー14は、払拭面Gの曲面形状に倣うべくブレードラバー16の払拭面Gと直交する方向(払拭面直交方向)の屈曲変形に伴って回動し、その払拭面Gの曲面形状に倣ったブレードラバー16の屈曲を妨げないように該ブレードラバー16を支持している。また、各ヨークレバー14の把持部14aから外側に所定長さ突出するブレードラバー16の端部部分は、払拭面直交方向の屈曲変形に自由に追従する追従端部16xとして構成されている。
【0020】
各可動カバー部材15は、メインレバー13から長手方向に突出したヨークレバー14の一部を覆い、メインレバー13とともに一体的な外観形状を構成している。この可動カバー部材15はヨークレバー14に回動可能に連結していることから、可動カバー部材15の把持部15bはワイパアーム11からの払拭面G側への押圧力を伝達するよりは寧ろ、ブレードラバー16の端部側、即ち追従端部16xでの払拭面直交方向の屈曲変形に追従するようにブレードラバー16の端部と係止している。
【0021】
この場合、可動カバー部材15は、メインレバー13と回動可能に連結するヨークレバー14に対して更に回動可能に連結する構成であるため、図3(a)に示すように、ブレードラバー16の屈曲変形に伴いヨークレバー14と可動カバー部材15とが段階的に回動するようになっている。つまり、ヨークレバー14と可動カバー部材15とが可動しても、ブレードラバー16の屈曲変形に倣ってメインレバー13から可動カバー部材15にかけて滑らかに連続する外観形状が維持されるため、良好な外観性能が得られるようになっている。
【0022】
反面、上記のようにブレードラバー16の屈曲変形と追従性の高い可動カバー部材15の可動態様とすることは、ワイパブレード12の正面視で(払拭面Gと平行方向から見て)、ブレードラバー16の上縁部と可動カバー部材15の下縁部との間の隙間を無くしてしまうことに繋がる。この隙間が無くなると、ワイパブレード12の払拭動作時に生じる払拭面Gと平行な空気流は、上流側から下流側に向けてワイパブレード12がその流れを堰き止める状態となって、払拭面Gから可動カバー部材15の上部を乗り越えるように大きく立ち上がった流れとなり、ワイパブレード12の背面側(下流側)が負圧になり易い。つまり、ワイパブレード12の往復払拭動作における反転動作時に、払拭で掻き集められた雨滴等がそのワイパブレード12の動作とともに再び払拭領域内に引き込まれてしまう事象が発生し易くなる。また、往復払拭動作の反転位置では、通常、ワイパブレード12が車両の前後方向に沿った姿勢となるため、走行風の影響やワイパブレード12が払拭する時の遠心力等を受けて、ワイパブレード12の一方の端部側(先端側)に払拭後の雨滴等が集まり易くなっている。そのため、反転動作時の払拭後の雨滴等の引き込みが特にワイパブレード12の一方側端部に備えられる可動カバー部材15の部分で生じ易くなっている。
【0023】
本実施形態ではこれらを考慮し、上記のような可動カバー部材15の可動態様としてワイパブレード12全体の外観を向上させながらも、ブレードラバー16の上縁部と可動カバー部材15の下縁部との間に積極的に隙間が生じる構成としている。
【0024】
具体的には図3(b)に示すように、可動カバー部材15の正面側の下縁部15cは、該カバー部材15の基端部から先端の把持部15bに亘って滑らかに連続する曲線にて上方側に切り欠かれている。尚、背面側の下縁部15dについては、正面側と同様の切り欠き形状、若しくは正面側の下縁部15cよりも高い位置に設定される。つまり、ワイパブレード12の正面視で(ワイパブレード12を払拭面Gと平行に空気流の上流側から見て)、ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間にその正面側から背面側に向けて空気流が挿通する隙間Sが生じる構成とされている。隙間Sは、可動カバー部材15の基端部から先端の把持部15bに亘って形成され、特にヨークレバー14の把持部14aから外側のブレードラバー16の追従端部16xでは、可動カバー部材15内にヨークレバー14が存在しないことから、隙間Sを介した正面から背面側への空気流の抜けが良好である。また、この隙間Sは、ワイパブレード12が払拭面Gの払拭領域内のいずれに位置していても生じるようになっている。
【0025】
これにより、ワイパブレード12の払拭動作時に生じる払拭面Gと平行な空気流は、図3(c)に示すように、ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間の隙間Sを介してワイパブレード12の背面側に良好に抜けるようになるため、ワイパブレード12の背面側に生じ得る負圧が十分に低減される。そのため、ワイパブレード12の往復払拭動作における反転動作時においては、払拭で掻き集められた雨滴等がそのワイパブレード12の動作とともに再び払拭領域内に引き込まれてしまう事象が十分に低減され、良好な払拭性能が得られるものとなる。尚、本実施形態では、両側の可動カバー部材15の部分で同様、即ち正面視で左右対称な形状として外観見栄えを良好とし、また左右対称構成とすることで右ハンドル車用、左ハンドル車用での共通化が可能となる。
【0026】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)ブレードラバー16の払拭面Gへの接触配置状態において、図3(a)(b)にて示す払拭面Gと略平行な正面視で、ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間にその正面側から背面側に空気流を挿通させるための隙間Sが形成されている。つまり、ヨークレバー14と可動カバー部材15とが段階的に可動する態様のその可動カバー部材15の背面側では払拭動作時に負圧が生じ易い構造となるが、ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間に積極的に隙間Sを形成することで、その隙間Sを介してワイパブレード12の背面側に空気流が生じ、背面側に生じ得る負圧を十分に低減することができる。これにより、ワイパブレード12の往復払拭動作における反転動作時に、払拭で掻き集められた雨滴等がそのワイパブレード12の動作とともに再び払拭領域内に引き込まれてしまう事象を十分に低減でき、良好な払拭性能を得ることができる。
【0027】
(2)ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間の隙間Sは、可動カバー部材15の下縁部15c,15dを切り欠いて形成されている。つまり、ブレードラバー16の形状変更を伴わないので、容易に対応でき、また拭き性能への影響を小さくすることができる。
【0028】
(3)隙間Sの形成のために、可動カバー部材15の下縁部15c,15dが滑らかに連続する曲線にて切り欠かれている。これにより、隙間Sを形成することによるワイパブレード12の外観性能の低下を抑制することができる。
【0029】
(4)隙間Sは、可動カバー部材15の基端部から先端の把持部15bに亘って構成され、ヨークレバー14の把持部14aから外側に突出したブレードラバー16の追従端部16xを含んで設けられている。つまり、ヨークレバー14の把持部14aから外側のブレードラバー16の追従端部16xでは、可動カバー部材15内にヨークレバー14が存在しないことから、隙間Sを介した正面から背面側への空気流の抜けが良好で、払拭動作時にワイパブレード12の背面側に生じ得る負圧の低減効果は大きい。
【0030】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ブレードラバー16の上縁部16aと可動カバー部材15の下縁部15c,15dとの間の隙間Sを可動カバー部材15の下縁部15c,15dを切り欠いて形成した。このように可動カバー部材15の形状変更にて対応するのが好ましいが、ブレードラバー16側の形状を変更させて隙間Sを形成してもよい。また、可動カバー部材15とブレードラバー16の両者で形状変更して隙間Sを形成するようにしてもよい。
【0031】
・上記実施形態では、可動カバー部材15の下縁部15c(15d)を滑らかに連続する曲線にて切り欠かいて隙間Sを形成したが、直線的に切り欠く等、切り欠く形状を適宜変更してもよい。また、隙間Sを可動カバー部材15の基端部から先端の把持部15bに亘って形成したが、隙間Sの形成範囲を適宜変更してもよい。この場合、ブレードラバー16の追従端部16xにおいては可動カバー部材15内にヨークレバー14が存在せず空気流の抜けが良好となるため、隙間Sを追従端部16xに対応する部分に設定するのが好ましい。
【0032】
・上記実施形態では、隙間Sをワイパブレード12の両端の可動カバー部材15のいずれにも設けるようにしたが、一方側端部、即ち往復払拭動作の反転位置でワイパブレード12が車両の前後方向に沿った姿勢となった時に走行風の影響や払拭時の遠心力等を受けて払拭で掻き集められた雨滴等が集まり易いワイパブレード12の先端部側にのみ隙間Sを設定してもよい。隙間Sの形成を極力小さくすることが可能である。
【0033】
・上記実施形態では、ワイパブレード12をメインレバー13、2つのヨークレバー14、2つの可動カバー部材15を用いて構成したが、レバーの数やその連結態様等を適宜変更してもよい。
【0034】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 前記可動カバー部材は、前記ワイパブレードの長手方向両端に備えられるものであり、
前記隙間は、前記ワイパブレードの両端の前記可動カバー部材を備える部分のいずれにも設けられていることを特徴とするワイパブレード。
【0035】
本構成では、隙間は、ワイパブレードの両端の可動カバー部材を備える部分のいずれにも設けられるため、正面視で左右対称な形状として外観見栄えが良好で、また左右対称構成とすることで右ハンドル車用、左ハンドル車用での共通化が可能となる。
【0036】
(ロ) 前記可動カバー部材は、前記ワイパブレードの長手方向両端に備えられるものであり、
前記隙間は、前記ワイパブレードの一方側端部の前記可動カバー部材を備える部分に設けられていることを特徴とするワイパブレード。
【0037】
本構成では、隙間は、ワイパブレードの一方側端部、この場合往復払拭動作の反転位置でワイパブレードが車両の前後方向に沿った姿勢となった時に走行風の影響や払拭時の遠心力等を受けて払拭で掻き集められた雨滴等が集まり易い先端部側の可動カバー部材を備える部分に設けられるため、隙間の形成を極力小さくすることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
11…ワイパアーム、12…ワイパブレード、13…メインレバー(レバー部材)、14…ヨークレバー(レバー部材)、14a,15b…把持部、15…可動カバー部材、15c,15d…下縁部、16…ブレードラバー、16a…上縁部、16x…追従端部、G…払拭面、S…隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパアームに連結されるメインレバーと該メインレバーに直接又は間接的に回動可能に連結されるヨークレバーとを含んで構成されたレバー部材と、前記ヨークレバーの少なくとも一部を覆うとともに該ヨークレバーに対して基端部が回動可能に連結された可動カバー部材とを備え、
払拭面を払拭するブレードラバーを前記ヨークレバーの把持部にて把持するとともに、長手方向端部に位置する前記把持部から同方向外側に突出した前記ブレードラバーの追従端部を前記可動カバー部材の先端部の把持部にて把持し、前記ブレードラバーの払拭面直交方向の屈曲変形に伴い前記ヨークレバー及び前記可動カバー部材が回動するワイパブレードであって、
前記ブレードラバーの前記払拭面への接触配置状態において、前記払拭面と略平行な正面視で、前記ブレードラバーの上縁部と前記可動カバー部材の下縁部との間にその正面側から背面側に空気流を挿通させる隙間が形成されていることを特徴とするワイパブレード。
【請求項2】
請求項1に記載のワイパブレードにおいて、
前記隙間は、前記可動カバー部材の下縁部を切り欠いたことで形成されていることを特徴とするワイパブレード。
【請求項3】
請求項2に記載のワイパブレードにおいて、
前記隙間を形成すべく、前記可動カバー部材の下縁部を滑らかに連続する曲線にて切り欠かれていることを特徴とするワイパブレード。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、
前記隙間は、前記ヨークレバーの把持部から外側に突出した前記ブレードラバーの追従端部において前記可動カバー部材に設けられていることを特徴とするワイパブレード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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