説明

ワイパ制御装置

【課題】運転者の意志を反映して、ワイパの作動制御を運転者毎に学習可能なワイパ制御装置を提供すること。
【解決手段】雨滴量を検出する雨滴量検出手段300と、雨滴を拭うワイパ10と、運転者を認証する認証手段200と、雨滴量に対応づけてワイパの制御情報を運転者毎に記憶する個人別記憶部101と、雨滴量検出手段により検出された雨滴量及び個人別記憶部に記憶された制御情報に基づきワイパの作動又は停止を制御する制御装置100と、ワイパが操作された場合、該ワイパの操作情報と雨滴量検出手段により検出された雨滴量を対応づけて、制御情報に記憶するか否かを入力する入力手段600と、を有することを特徴とするワイパ制御装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のワイパを制御するワイパ制御装置に関し、特に、雨滴量に基づきワイパを自動的に作動又は停止制御するワイパ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雨天走行時には運転者がワイパをマニュアル操作してフロントガラスの雨滴を除去し、また、雨量や走行速度に応じてワイパの作動速度の選択、間欠動作時における動作間隔の設定等の作動操作を行う。このようなワイパの作動制御を、雨量等に応じて自動的に行うワイパ制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1記載のワイパ制御装置は、雨滴量及び車速とに対応づけて運転者のワイパの作動速度、間欠作動時の作動間隔をICカードに記憶させることにより、記憶後は運転者の操作を模してワイパの自動的な作動制御が可能となる。
【0004】
また、車速、照度、雨量、エンジン回転数、車間距離及びウィンカー方向を学習パラメータとして用いて、運転者毎のワイパの作動タイミングや間欠周期等のワイパ制御を学習するワイパ制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2記載のワイパ制御装置によれば、運転者毎の作動タイミングを学習して各運転者に適したワイパ作動タイミングの制御が可能となるとされている。
【特許文献1】特開平6−171469号公報
【特許文献2】特開平9−240433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のワイパ制御装置はマニュアル操作した場合の雨量等を学習するものであるため、学習に適さない状況の操作まで学習対象としてしまうという問題がある。例えば、誤って操作した場合や試しに操作したような場合は学習すべきでないが、特許文献1のワイパ制御装置では降雨量とワイパの作動条件がどのように対応づけて記憶されたかが意識できずまた記憶をキャンセルすることもできない。すなわち、運転者の好みが反映されてない学習となる場合がある。
【0006】
また、特許文献2記載のワイパ制御装置は、ニューラルネットワークによりワイパ作動タイミングを学習するため、仮に未学習データが入力された場合の学習結果(出力)が不確定である。また、ニューラルネットワークによる学習では、学習パラメータに対して観測データの数が十分でないと学習結果が不完全になってしまうので運転者の操作という教師信号により学習するまで時間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、運転者の意志を反映して、ワイパの作動制御を運転者毎に学習可能なワイパ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、雨滴を拭うワイパと、運転者を認証する認証手段と、雨滴量に対応づけてワイパの制御情報を運転者毎に記憶する個人別記憶部と、雨滴量検出手段により検出された雨滴量及び個人別記憶部に記憶された制御情報に基づきワイパの作動又は停止を制御する制御装置と、ワイパが操作された場合、該ワイパの操作情報(例えば、ワイパSWの位置、ワイパアームの直立)と雨滴量検出手段により検出された雨滴量を対応づけて、制御情報に記憶するか否かを入力する入力手段(例えば、意志確定SW)と、を有することを特徴とするワイパ制御装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、入力手段から運転者の意志が入力された場合に、ワイパの操作情報と雨滴量を対応づけた学習するので、運転者の意志を反映して、ワイパの作動制御を運転者毎に学習することができる。
【発明の効果】
【0010】
運転者の意志を反映して、ワイパの作動制御を運転者毎に学習可能なワイパ制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、ワイパ制御装置のブロック図の一例を示す。図1(a)はワイパ制御装置1を構成する各装置やセンサが専用線で接続された場合を、図1(b)はCAN(Controller Area Network)等のボディ系LANにより接続された場合を示す。いずれの構成を使用してもよく、また、各装置やセンサの作用は同じである。
【0012】
ワイパ制御装置1は制御装置100により制御される。制御装置100はCPU、RAM、ROM、NV−RAM(Non Volatile RAM)、通信部等がバスにより接続されたマイコンである。CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することで以下で説明するワイパ作動制御が実現される。
【0013】
制御装置100のNV−RAM又はHDDには個人別記憶部101が設けられており、車両のユーザ(ここでは運転者)毎に、運転者を認証するための個人認証情報、ユーザの氏名・アバター等のユーザ情報及びワイパの制御情報が記憶されている。
【0014】
また、制御情報は、ワイパの作動速度、間欠動作時における動作間隔等が雨適量及び車速と対応づけて記憶された環境情報、ワイパの操作に連動して操作される車載装置の操作内容を示す連動履歴情報を有する。
【0015】
ワイパ&ウォシャーSW500(以下、単にワイパSW500という)はフロントワイパ&ウォッシャ10(以下、単にフロントワイパ10という)及びリアワイパ&ウォッシャ20(以下、単にリアワイパ20という)を操作するためのスイッチである。以下ではフロントワイパ10とリアワイパ20を含めて単にワイパという場合がある。
【0016】
ワイパSW500はステアリングコラムに取り付けられ、取り付け部を中心に揺動して操作されるレバースイッチである。「OFF」位置から運転者がワイパSW500を上方向に揺動して戻すと1回のみフロントワイパが作動し、下方向に揺動して「AUTO」に合わせると、レインセンサ300が検出した雨滴量に応じた速度又は時間間隔で自動的に作動又は停止し、更に下方向に揺動して「INT」にあわせると間欠動作で、「LO」に合わせると低速で、「HI」に合わせれば高速でワイパが連続して作動する。なお、間欠動作時の動作間隔も調整できる。
【0017】
また、ワイパSW500が「OFF」又は「AUTO」位置の場合に、運転者側に(手前に)ワイパSW500を引くと、ウォッシャ液を噴射すると共にフロントワイパ10が連動して作動する。
【0018】
ワイパスイッチSW500の先端501を回転すると、リアワイパ20が回転位置に応じて間欠作動し、また、回転位置に応じてリアガラスにウォッシャ液を噴射させるとともにリアワイパ20が連動して作動する。
【0019】
また、ワイパ制御装置1には意志確定SW600が備えられている。意志確定SW600は好ましくはワイパSW500の周囲に配置されており、図1ではステアリングホイールの左側に押下型のスイッチとして設けられている。意志確定SW600は、運転者がワイパの制御情報を個人別記憶部に学習させたい場合に押下される入力手段である。
【0020】
なお、音声入力により運転者の学習の意志を入力してもよい。車両には音声認識装置が搭載されており、運転者の発した音声はマイクロフォンにより電気信号に変換され、音声認識装置に出力される。電気信号はフーリエ変換等の処理を施され音声の認識に有効な特徴量として抽出される。音声認識装置は、特徴量の音響と発音記号(音素)とが対応する確率を対応づけた音響モデルデータベース、及び、語彙や文法、言語統計などにより、発声内容を規定する単語の辞書とを参照して、車内で使用する単語など入力された特徴量にもっとも合致する音素列を選び出し、認識結果として出力する。認識された単語は、単語に応じて予め定められた信号に変換され制御装置100に出力される。
【0021】
レインセンサ300は、例えば、フロントガラスに向けて赤外線を出射する出射部とフロントガラスにより反射された赤外線を受光する受光部とを有し、検出領域に雨滴が付着した場合に受光部が受ける赤外線の受光量が変化することで雨滴量を検出する。なお、水滴の付着による静電容量の変化や温度低下を検出し、雨滴量に応じた電圧を出力するセンサ等どのように構成してもよい。
【0022】
車速センサ301は、各輪に設けられた車速を検出するセンサであり各輪の回転速度を検出する。車速センサ301は、例えば、各輪に備えられたロータの円周上に定間隔で設置された凸部が通過する際の磁束の変化をパルスとして検出する。
【0023】
個人特定装置200は、運転者を特定するための装置である。個人を特定する手段はどのような構成であってもよいが例えばスマートキーシステムを利用できる。
【0024】
スマートキーシステムは、スマートキー201と通信してマニュアルによる施錠/解錠操作なしにドアのロック/アンロックを可能とするキーシステムである。また、ロック/アンロックボタンを備えボタン操作により識別コードを送信しドアがロック/アンロックされるワイヤレスロック制御機能を備える。
【0025】
スマートキーシステムはリクエスト信号を発信することでスマートキー201の検知エリアを形成し、検知エリアに入ったスマートキー201がリクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する。レスポンス信号に含まれる識別コードがスマートシステムに登録された識別コードと一致すると、ドアのアンロック/ロックを許可する状態となる。
【0026】
車室外の検知エリアは、例えば運転席ドア、助手席ドア及びバックドアから1〜2mの範囲に形成され、駐車中にスマートキー201を携帯した者がこの検知エリアに入りドアノブのタッチキーに触れるとドアがアンロックされる。
【0027】
車室内の検知エリアは、所定条件(例えば、ドアの開閉等)が成立した場合に、例えば運転席、助手席、後席右、後席左のそれぞれについて形成され、それぞれのどの席にスマートキー201が存在するか否かが判定される。スマートキー201が車室内に存在せず車室外に存在する場合にはドアをロックすることができる。また、所定の操作によりスマートシステムの機能を停止させることができ、スマートキー201を携帯しない者の閉じこめが防止される。
【0028】
スマートキー201は複数存在し、それぞれが異なる識別コードを付与されているため、個々のスマートキー201を特定できる。各スマートキー201の識別コードに対応づけて個人別記憶部101を記憶すれば、スマートキー201を認証することで当該運転者の個人別記憶部101を特定できる。
【0029】
また、個人特定装置200は、顔、指紋、虹彩、静脈配置等の生体認証情報に基づき運転者を特定する構成であってもよい。顔により認証する場合、運転者の顔を含む画像を撮影する撮影カメラを備えることとし、運転席ドアの閉鎖を検出したら運転者の顔を撮影する。制御装置100は、顔が撮影された顔画像から瞳、鼻、目がしら,目じり,口端などの特徴点の幾何学関係をパラメータ化したものや、顔全体を濃淡パターンとしてとらえ,これをベクトルに展開したものを特徴量として、予め格納してある特徴量と比較する。画像のパラメータは,特徴空間のある1 点で表されるので、制御装置100は,入力パターンと予め格納してある各運転者のパターンとの距離を求め,所定の距離以内でもっとも近い分布に該当するパラメータの人を運転者であると認証する。
【0030】
ドア開閉検出SW(スイッチ)700は運転席ドア等の各ドアの開閉を検出するカーテシスイッチである。上記のようにドアの開閉に連動して検知エリアが形成される場合がある。
【0031】
フロントデフロスタ30は、車両のフロントガラスの曇りや氷、霧を蒸発させる装置であり、ヒータを通過させた温風をフロントガラスに吹きつけたり、ガラス内に電気を通してガラスを温めてこれらを実現する。
【0032】
コンライト40は、照度センサにより車外の照度を検出して自動的に車両の前照灯や尾灯を点消灯制御する装置であり、運転者による点消灯の操作負担を軽減して、夕暮れ時の点灯遅れを防止したり、トンネル通過後の消灯忘れを防止する。照度センサには集積化光センサが用いられ、車両の周囲の光をフォトダイオードなどの光電変換素子により電圧に変換し、センサ内で演算処理を行い信号に変換して出力する。
【0033】
オートウィンドウ50は、運転席、助手席、後席等のウィンドウを運転席のスイッチから開放又は閉鎖可能なウィンドウ制御装置である。
【0034】
表示器400は、液晶や有機EL、HUD(Head Up Display)等であり、制御装置100が出力するメッセージ、グラフィック、画像、映像等を表示する。また、スピーカを表示器400に連動させ、表示したメッセージを読み上げたり、注意を促したり、また、表示した画像の説明等を出力してもよい。
【0035】
ワイパ制御装置1を搭載した車両はカーナビゲーションシステム(以下、単にカーナビという)を搭載しており、車両の現在位置をGPS(Global Positioning System)により検出し車両の地図上の現在地を取得できる。カーナビの地図表示、テレビやDVD(Digital Versatile Disk)プレーヤの出力に表示器400は使用される。
【0036】
〔運転者の特定〕
始めに運転者の特定について説明する。本実施の形態のワイパ制御装置1では運転者毎に適切な条件及び作動速度でワイパを作動させるため運転席に着座したユーザを特定し、運転者毎にワイパの制御情報を記憶する。
【0037】
図2はワイパ制御装置1の状態遷移図を示す。初期状態では車両は駐車中であり、エンジン始動までの過程で運転者を認証し特定する。本実施の形態では、個人特定装置200はスマートシステムである。
【0038】
個人特定装置200は車室外に検知エリアを形成し、スマートキー201を携帯した者がかかる検知エリアに侵入するまで待機している(S11)。個人特定装置200のリクエスト信号に応答してスマートキー201がレスポンス信号を送信すると、個人特定装置200はレスポンス信号に含まれる識別コードが個人特定装置200に登録された識別コードと一致するか否かを判定し、ドアのアンロックを待機する状態となる。ドアのアンロックを待機する状態でユーザがドアノブのタッチキーに触れるとドアがアンロックされ、ユーザが実際にドアが開放することができる状態となる。
【0039】
ついで、ユーザがドアを開放すればドア開閉検出SW700が運転席ドアの開放を検出しうるので、個人特定装置200はユーザが運転席に着座したことを検出するため、スマートキー201が運転席にあるか、すなわち、車室外の検知エリアで検出されたスマートキー201が車室内に入った否かを判定する。
【0040】
ドアが閉鎖されたら個人特定装置200は運転席の空間に検知エリアを形成しスマートキー201が検出されたら、その識別コードが車室外にあったスマートキーか否かを判定する。
【0041】
スマートキー201が運転席で検出されるとエンジンが始動可能となり、運転者がIGオンの操作をすると、ワイパ制御装置1は当該スマートキー201の識別コードで登録されているユーザのユーザ情報や制御情報を個人別記憶部101から読み込む(S14)。
【0042】
また、エンジンが停止されたら、後述するようにRAMやNV−RAMに一時的に保存した制御情報を個人別記憶部101に書き込む(S13)。
【0043】
ところで、特定された運転者のユーザ情報は表示器400に表示されることが好適である。図3(a)は表示器400に表示されたユーザ情報の一例を示す。図3(a)では「識別コードxxxのスマートキーを検出しました。○○様、こんにちわ」と表示されている。「○○様」がユーザ情報の一形態であり、検出したスマートキー201の識別コードに対応づけられていたものである。
【0044】
また、図3(b)に示すように、特定した運転者のニックネーム、顔写真、アバター(運転者のプロフィールが入力されたコンピュータ内の自分の分身)若しくはエージェント(コンピュータで合成された男性もしくは女性。人工知能により運転者に操作の案内をする)を表示してもよい。画像等で表示することで特定された運転者を視覚で確認できる。
【0045】
ところで、運転者が複数のスマートキー201を携帯している場合、運転席から複数の識別コードが検出される。例えば、通常のスマートキー201に加え、腕時計型のスマートキーや携帯電話型のスマートキーを携行している場合である。このような場合は、どのスマートキーを指定するか運転者が選択できることとしてもよいし、予め定めた優先順位でスマートキー201を選択することができるようにしてもよい。
【0046】
図3(c)は選択のために表示された複数のスマートキー201の一例を示す。図3(c)では通常のスマートキー201と腕時計型のスマートキー201が回転しながら表示されており、交互に一方が枠に囲まれると共に、「意志確定SWを押して選択してください。」と表示されている。このような表示を認識することで運転者は所望のスマートキー201を選択できる。また、音声によりいずれかを選択することもできる。
【0047】
〔フロントワイパ10の操作の学習〕
続いて、図2の状態遷移図に基づきフロントワイパ10が操作された場合に、雨滴量及び車速に対応づけて制御情報を学習する手順を説明する。制御情報には、雨滴量及び車速に対応づけて、フロントワイパ10が、低速、高速、間欠動作又は停止したことが記憶される。なお、リアワイパ20の作動速度を細やかに制御することは比較的少ないので以下ではフロントワイパ10を対象に説明するが、リアワイパ20の制御情報についても同様に学習できる。
【0048】
状態遷移図に示すように、ワイパSW500を「OFF」に操作すると学習モードに、「AUTO」に操作すると自動的にワイパを作動又は停止するAUTOモードになる。エンジンの始動中、運転者はワイパSW500を操作してワイパを作動させることができ、運転者のワイパSW500の操作をトリガに制御装置100が制御情報を記憶する。
【0049】
ワイパ制御装置1は雨滴量に応じてフロントワイパ10を自動的に作動又は停止するように制御する。このため、制御装置100は、まずレインセンサ300が雨滴を検出したか否かを判定する(S21)。
【0050】
雨滴を検出するとワイパ制御装置1はワイパスイッチSW500の操作待ち状態となる(S22)。レインセンサ300が雨滴を検出した場合に、ワイパSW500が操作されると(S23)、制御装置100は運転者の操作内容及びセンサ類が検出する検出値を蓄積する(S24)。このように蓄積される情報が環境情報である。
【0051】
操作内容として蓄積されるのは、例えば次のような内容である。
・操作されたワイパ(フロントワイパ10又はリアワイパ20の少なくとも一方)
・ワイパSW500の操作位置(「MIST」「INT」「LO」「Hi」、「INT」の場合は更に間欠時間)
・ウォッシャ液の噴射の有無(フロントの噴射時間、リアの噴射時間)
センサ類が検出する検出値は例えば次のような内容である。
・雨滴量
・車速
・車両位置
図4は雨滴量及び車速に対応づけて当該運転者によるワイパSW500の操作位置を学習して記憶された環境情報の一例を示す図である。図4では横軸に車速、縦軸に雨滴量を取り、ワイパSW500の操作位置を異なるシンボルで示した(「INT」=「△」、「LO」=「○」、「Hi」=「□」、「OFF」=「×」)。例えば、車速Sa、雨滴量Raの場合に、ワイパSW500を「INT」に操作するとその交点に「△」のシンボルがプロットされる。このようなプロットを蓄積すると、雨滴量及び車速に対する運転者のワイパSW500の操作傾向が取得できる。
【0052】
図4は一例であるが、この運転者は雨滴量が多いほどワイパSW500の作動速度を高速に操作し、また車速が大きいほど少ない雨滴量でワイパSW500の作動速度を高速に操作する傾向がある。制御装置100は図4のような学習結果からワイパSW500の操作位置の境界を検出する。
【0053】
図4では、a.間欠速度 高/低 境界、b.間欠/LO 境界、c.LO/HI 境界、の3つの境界により4つの領域AREA1〜AREA4が得られている。すなわち、「AUTO」モードにおいて雨滴量及び車速に基づきワイパを自動的に作動する場合、AREA3に相当する雨滴量及び車速が検出されると、「LO」の作動速度でフロントワイパ10が作動する。
【0054】
なお、図4では横軸に略平行に境界を定めているが、境界はある縦軸と略平行に設けてもよいし、領域だけを浮島状に区切ってもよい。
【0055】
図2に戻り、制御装置100が雨滴量、車速及びワイパSW500の操作位置に関する制御情報を蓄積した後又は蓄積している間、制御装置100の車載装置操作検出手段は運転者又は乗員により操作される他の車載装置を検出する(S25)。
【0056】
他の車載装置は、フロントワイパ10の利用に伴い連動して操作される機器であり、例えば、フロントワイパ10を利用する場合、必ず又は高い頻度で次のように利用される。
・フロントワイパ10を利用する場合、リアワイパ20も同時に利用する。
・フロントワイパ10を利用する場合、フロントデフロスタ30も同時に利用する。
・雨天時は自車をアピールするため前照灯又は車幅灯を点灯する。
・寒冷地では駐車中はフロント及びリアのワイパ−アームを立てる。
・雨天時にウィンドウが開いていたら自動で閉じる。
【0057】
図5はワイパSW500の操作に続いて操作される車載装置及びその操作内容を記録した連動履歴の一例を示す図である。制御装置100は、このようなワイパSW500の操作に続いて操作される他の車載装置及びその操作内容を検出し蓄積する(S26)。なお、検出結果は連動履歴情報として個人別記憶部101に記憶される。
【0058】
「AUTO」モードにおいて制御装置100は、雨滴量及び車速に基づき図5の連動履歴の制御情報を参照し、他の車載装置を自動的に制御する。
【0059】
なお、雨滴量、車速及びワイパSW500の操作位置に関する制御情報を蓄積した後、連動履歴が検出されない場合(タイムアウトした場合)又は更にワイパSW500を操作した場合、連動履歴を蓄積しない。ワイパSW500を更に操作した場合、後の操作について連動履歴を検出すればよいからである。
【0060】
連動履歴の蓄積の有無に関わらず、制御装置100はワイパSW500の操作による一連の学習が完了したか否かを判定する(S27)。学習が完了したか否かの判定は、既に学習された内容と異なる学習があったか否かにより判定される。
【0061】
雨滴量及び車速に対し、これまでのAREAに含まれないワイパSW500の操作位置が検出された場合には既に学習された内容と異なる学習があったと判定される。逆に、これまでのAREAに含まれるワイパSW500の操作位置が検出された場合、そのまま図4へのプロットを増やす。
【0062】
連動履歴に対しては、雨滴量、車速及びワイパSW500の操作位置に対し、他の車載装置の操作が検出された場合、既に学習された内容と異なる学習があったと判定される。学習が完了されていない場合(S27のNo)、制御装置100はワイパSW500の操作待ち状態に戻る。
【0063】
学習が完了された場合(S27のYes)、制御装置100は運転者に環境情報を学習するか否かを確認する確認モードに入る(S28)。
【0064】
図6(a)は確認モードにおいて制御装置100が運転者に意思を確認する手順を示す。確認モードになると制御装置100は環境情報と連動履歴とを学習するか否かの入力を運転者に促すメッセージを表示器400に表示する(S281)。
【0065】
図6(b)は表示器400に表示されるメッセージの一例を示す。運転者は「ワイパ操作や付随した操作を学習しますか?」というメッセージを見て学習させたい場合には、意志確定SW600を押下し、学習させたくない場合には意志確定SW600を押下しない。音声認識装置により意志を入力する場合、運転者は「学習する」又は「学習しない」と発声する。また、メッセージを表示する際は、メッセージの内容を読み上げてスピーカから出力してもよいし、表示器400に注意を促すように短い音楽を出力してもよい。
【0066】
また、学習させる意思を確認するメッセージには環境情報と連動履歴(ある場合には)の内容を表示してもよい。図6(c)は連動履歴がある場合に表示器400に表示されるメッセージの一例を示す。運転者は、「ワイパ操作や付随した操作を学習しますか?学習内容は、雨滴量:中、車速:40〜60km/hの場合、ワイパSW操作位置:HIです。また、付随してフロントデフロスタが作動します。」のメッセージを読むことでどのような環境情報と連動履歴が学習されるのか理解して意志確定SW600を操作することができる。なお、雨滴量、車速、ワイパ作動速度及び連動履歴の車載装置をアニメーションで表示してより視覚的に学習内容を表示してもよい。
【0067】
制御装置100は所定期間意志確定SW600の入力を待機した後(S282)、表示器400のメッセージを消去する(S283)。
【0068】
図2に戻り、制御装置100は意志確定SW600の入力結果に基づき、環境情報と連動履歴を自動化するか(学習するか)否かを判定する(S29)。運転者が学習しないと判断した場合(S29のNo)、ワイパSW操作待ち状態に戻る(S22)。
【0069】
運転者が、学習するとして意思確定SW600を操作した場合(S29のYes)、制御装置100は環境情報と連動履歴情報を個人別記憶部101に記憶する(S30)。
【0070】
これまでに学習したAREAに含まれないワイパSW500の操作位置が検出された場合、雨滴量、車速及びワイパSW500の操作位置を図4へプロットし、必要であれば新たに境界を算出し領域を形成しなおす。また、新たに検出された連動履歴を記憶する。なお、すでに同じ「ワイパSW500の操作位置、雨滴量及び車速」に対し所定の連動履歴を学習している状態で、運転者が競合する連動履歴を学習すると意志確定SW600を操作した場合、最後に学習した内容が有効になる。競合する連動履歴を学習する場合には、メッセージにより注意を促してもよい。
【0071】
以上のように、制御装置100はフロントワイパの作動条件及びワイパに続いて操作される車載装置及びその操作内容を学習する。
【0072】
なお、図2の説明ではフロントワイパ10の作動の開始条件に応じて学習したが、フロントワイパ10を停止する際も同様に学習できる。ステップS23においてフロントワイパ10を「OFF」にした場合、雨滴量と車速を検出しそれらの関係が図4のようにプロットして学習される。したがって、例えば、雨滴量に関わらず停止する際にワイパを「OFF」にする運転者ではその環境情報が学習される。
【0073】
停止してもすぐに走行するような場合(ウィンカ操作、再走行開始等)はワイパを停止すべきでないので、車両の停止におけるワイパの停止の学習は、他の車載装置の連動履歴がないことや所定時間再走行しないことを条件としてもよい。このような学習によりAUTOモードでは、車両が停止する場合でも、単なる停止の場合にはワイパも自動的に停止し、一時停止の場合にはワイパを作動したままとすることができる。
【0074】
続いて、「AUTO」モード時における制御装置100によるワイパの自動制御について説明する。運転者がワイパSW500を「AUTO」に設定すると、ワイパ制御装置1は「AUTO」モードになり、制御装置100は制御情報に基づき自動的にワイパを作動/停止させる。
【0075】
「AUTO」モードでは制御装置100は所定のサンプリング間隔で、雨滴量及び車速を検出し、既に学習されている環境情報に適合する環境か否かを判定する(S41)。例えば、図4のAREA1〜4にいずれに該当する雨量及び車速かを判定する。
【0076】
環境情報に適合するワイパの作動内容が抽出された場合(S41のYes)、制御装置100はフロントワイパ10を作動又は停止する(S42)。すなわち、AREA2の雨滴量及び車速が検出された場合、制御装置100はフロントワイパ10を低速で間欠作動させ、AREA3の雨滴量及び車速が検出された場合、制御装置100はフロントワイパ10を「LO」の速度で作動させ、AREA4の雨滴量及び車速が検出された場合、制御装置100はフロントワイパ10を「HI」の速度で作動させる。また、フロントワイパ10が既に作動している状態で、AREA1の雨滴量及び車速が検出された場合、制御装置100はフロントワイパ10を停止させる。
【0077】
ついで、制御装置100は、環境情報に連動する連動履歴が記憶されているか否かを判定する(S43)。環境情報に連動する連動履歴が記憶されてない場合(S43のNo)、制御装置100は他の車載装置を制御せずに待機状態に戻る(S40)。
【0078】
環境情報に連動する連動履歴情報が記憶されている場合(S43のYes)、制御装置100は連動して車載装置を制御するか否かを運転者に確認する(S44)。制御装置100は表示器400に確認のためのメッセージを表示する。メッセージは例えば「フロントワイパが作動しました。続いてフロントデフロスタを作動させますか?」等である。運転者が意志確定SW600を押下したり、音声により「作動」等と発声したら制御装置100は連動履歴を実行する情報として取得する。なお、運転者が意志確定SW600の押下等所定の操作をしない場合、所定の時間の経過を待って制御装置100は待機状態に戻る。
【0079】
ついで、制御装置100は連動履歴の車載装置を制御するか否かを判定する(S45)。連動履歴を実行する場合は(S45のYes)、制御装置100はワイパの作動/停止に連動して記憶されている車載装置を制御し(S46)、連動履歴を実行しない場合は(S45のNo)、制御装置100は待機状態に戻る(S40)。
【0080】
なお、ステップS44のように、車載装置を制御するか否かを運転者に確認せずに、連動履歴が記憶されている場合、ワイパの作動/停止に連動してそのまま車載装置を制御してもよい。マニュアルモードにおいて運転者の意思を確認しているため、再度確認せずに制御することで、運転者が煩わしさを感じることが防止できる。
【0081】
以上のように本実施の形態のワイパ制御装置1は、運転者に意思を確認した後にワイパの作動又は停止を学習できるので、運転者の認識しない間に自動的に学習されることがない。すなわち、運転者が自動的に制御されることを望むワイパの操作のみを学習させることができる。
【0082】
また、ワイパの操作に連動する連動履歴を学習しておき、オートモードで自動的にワイパの作動又は停止の制御があった場合、連動して操作されると学習されている車載装置を自動的に作動又は停止するので、運転者はいつも決まった操作を連続して行う必要がなく便利である。なお、連動して作動する車載装置は1つに限られず、フロントワイパ10の作動に伴い複数の車載装置を次々に作動させることができる。
【0083】
〔車両駐車後のワイパの制御〕
運転者がワイパを操作するのは走行中だけでなく、駐車中にワイパを立てる操作をする場合がある。例えば、寒冷地であれば駐車中にワイパとフロントガラスとが凍結したり雪の重みで損傷する場合があり、熱帯地方ではフロントガラスにワイパブレードが融解するおそれがあるからである。
【0084】
そこで、車両を駐車後のワイパ又はワイパアームの操作を学習しておき、AUTOモードでは車両の駐車時に自動的にワイパ又はワイパアームを直立させるワイパ制御装置について説明する。
【0085】
図7は車両のフロントワイパの概略図の一例を示す。フロントワイパには1対のワイパブレード10b及びワイパアーム10aから成るワイパが左右に設けられ、左右のワイパーアーム10aの一端がリンクロッド10cにより相互に連結されている。連結部はワイパアーム10aがフロントガラスに沿って揺動自在なように相互に接続している。一方のワイパアーム10aはリンクアーム10dを介してモータ61と歯合するギアに接続される。このような構造により1つのモータ61により左右のワイパアームが連動して作動する。また、リンクロッド10cはクラッチ機構63を介してモータ62に接続可能である。ワイパアームが所定位置(好ましくは略垂直方向)を向いた状態でクラッチ機構63が連結され、連結された状態でモータ62が回転すると左右のワイパアーム10aがフロントガラス面から離間して直立する。
【0086】
図8は、ワイパアームの直立の学習及び自動的な直立制御の状態遷移図の一例を示す。制御装置100はワイパSW500の操作を待機した状態であり(S22)、この状態でシフトポジションがニュートラルかつサイドブレーキがオンになったか否かを判定する(S51)。この判定は、車両が駐車するか否かを判定するものでありIGオフを判定条件としてもよい。
【0087】
シフトポジションがニュートラルかつサイドブレーキがオンの場合(S51のYes)、制御装置100は車外の気温が所定以下又は所定以上か否かを判定する(S52)。このような温度でなければ(S52のNo)制御装置100は学習しない。
【0088】
車外の気温が低温であったり高温である場合(S52のYes)、運転者がワイパーアームを直立したか否かを判定する(S53)。直立した場合にはS281〜S283と同様の確認モードに入る。すなわち、例えば、「駐車中にワイパアームを直立する操作を学習しますか?」というメッセージを表示して、意思確認SW500により運転者の意志を確認する。運転者により学習するという意志が入力された場合(S55のYes)、制御装置100は所定より低温又は高温の気温の場合、駐車中にワイパアームを直立するという制御を学習し、個人別記憶部101に環境情報として記憶する(S56)。
【0089】
「AUTO」モードにおいて、制御装置100はシフトポジションがニュートラルかつサイドブレーキがオンか否かを判定する(S57)。シフトポジションがニュートラルかつサイドブレーキがオンの場合(S57のYes)、車両が駐車する可能性があるため制御装置100は車外の気温が所定より低温か又は高温かを判定する(S58)。気温が所定より低温又は高温でなければ、ワイパブレード等が損傷するおそれがないものとして、待機状態に戻る(S40)。
【0090】
車外の気温が所定より低温か又は高温の場合(S58のYes)、制御装置100は確認モードになり、駐車中にワイパアームを直立するか否か運転者の意志を確認する(S59)。運転者により直立するという意志が入力された場合(S60のYes)、制御装置100はIGオフを待って(S61)、IGオフになったらワイパアームを直立する(S62)。
【0091】
以上のように、本実施の形態のワイパ制御装置1は、寒冷地や熱帯地方で車両を駐車する場合に、自動的にワイパアームを直立することができるため、駐車時にワイパーアームを立て忘れることが防止できる。なお、駐車した車両でIGオンとすると、制御装置100はワイパアームを自動的に傾倒すると共に、所定の位置に収納する。収納する際にフロントガラスに積雪があるような場合、レインセンサ300によりそれを検知し積雪を払うようにメッセージを表示するので、収納時にワイパが積雪と干渉して損傷することも防止される。
【0092】
〔位置情報に基づくワイパの作動又は停止制御〕
車外は雨天であるが車両が何らかの建築物に入っている場合、レインセンサ300が雨滴を検出しないためフロントワイパ10は停止し、外に出た場合に雨滴を検出して制御情報に応じてフロントワイパ10が作動する。しかしながら、建築物から出た場合にフロントワイパ10を作動させる条件が整っていれば、雨滴を検出する直前からフロントワイパ10が作動した方が便利である。例えば、トンネルを通過中であれば、トンネルを通過後はフロントワイパ10を作動させることが明らかであるので、レインセンサ300により雨滴量を検出する前からフロントワイパ10を作動させれば運転者がマニュアル操作によりフロントワイパ10を作動させたり、「AUTO」モードによる作動までの若干のタイムラグを回避できる。
【0093】
そこで制御装置100は自車両の位置情報を取得してワイパの作動/停止を学習する。すんわち、学習時には、制御装置100はカーナビにより自車両の位置情報を推定すると共に、周知の自律航法やマップマッチングにより地図上のトンネルと車両の位置の関係を検出し制御装置100に送出する。
【0094】
制御装置100は、トンネルに入り雨滴量が検出されなくなった場合に運転者が「OFF」した操作、及び、トンネルから出て雨滴量が検出されてから運転者が「Lo」等に作動させた操作を検出する。そして、制御装置100は、トンネルと対応づけたワイパSW500の操作を学習するか否かを運転者に確認し、学習すると意志確定が入力された場合、位置情報、ワイパSW500の操作位置、を個人別記憶部101に記憶する。
【0095】
個人別記憶部に記憶される学習は、学習した際に走行した所定のトンネルであってもよいし、全てのトンネルであってもよい。所定のトンネルについて学習した場合、運転者が一度走行したことのあるトンネルでのみ学習結果が利用されるし、全てのトンネルについて学習した場合、未走行のトンネルであっても学習結果を利用できる。
【0096】
「AUTO」モードにおいて、走行中、制御装置100はカーナビから位置情報を検出する。トンネルの入り口で雨滴が検出されなくなると、制御装置100はフロントワイパ10を停止させ、また、トンネル外では降雨があることを記憶しておく。そして、車両がトンネルの出口にさしかかると、フロントワイパ10を自動的に作動させるので、レインセンサ300が雨滴を検出する前にフロントワイパ10を作動させることができる。
【0097】
また、トンネル内でも例えば間欠動作でワイパを作動させたい運転者の場合、トンネルの位置情報とワイパの操作情報を記憶しておけば、雨滴量がほとんどゼロであってもトンネル内で自動的に間欠動作させることができる。
【0098】
以上のように、位置情報を利用することで雨滴量だけでなく位置に応じてワイパを制御することが可能となり、運転者の好みのワイパ操作が自動的に実行され、運転者はより快適に走行することができる。
【0099】
以上のように、本実施の形態のワイパ制御装置1は、運転者の意志を反映して、ワイパの制御内容を運転者毎に記憶でき、ワイパの自動的な作動又は停止、更に連動して車載装置を作動させることができる。また、走行中だけでなく駐車した場合は、自動的にワイパーアームを直立することができる。また、車両の走行位置に応じてワイパを自動的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1a】ワイパ制御装置のブロック図の一例である。
【図1b】ワイパ制御装置のブロック図の一例である。
【図2】ワイパ制御装置の状態遷移図を示す。
【図3】表示器に表示されたユーザ情報の一例を示す図である。
【図4】雨滴量及び車速に対応づけて当該運転者によるワイパSW500の操作位置を学習して記憶された環境情報の一例を示す図である。
【図5】ワイパSWの操作に続いて操作される車載装置及びその操作内容を記録した連動履歴の一例を示す図である。
【図6】確認モードにおいて制御装置が運転者に意思を確認する手順を示す図である。
【図7】車両のフロントワイパの概略図の一例である。
【図8】ワイパアームの直立の学習及び自動的な直立制御の状態遷移図の一例である。
【符号の説明】
【0101】
1 ワイパ制御装置
10 フロントワイパ&ウォッシャ
20 リアワイパ&ウォッシャ
30 フロントデフロスタ
40 コンライト
50 オートウィンドウ
100 制御装置
101 個人別記憶部
200 個人特定装置
201 スマートキー
300 レインセンサ
301 車速センサ
400 表示器
500 ワイパSW
600 意志確定SW
700 ドア開閉検出SW




【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、
雨滴を拭うワイパと、
運転者を認証する認証手段と、
前記雨滴量に対応づけて前記ワイパの制御情報を運転者毎に記憶する個人別記憶部と、
前記雨滴量検出手段により検出された雨滴量及び前記個人別記憶部に記憶された前記制御情報に基づき前記ワイパの作動又は停止を制御する制御装置と、
前記ワイパが操作された場合、該ワイパの操作情報と前記雨滴量検出手段により検出された前記雨滴量を対応づけて、前記制御情報に記憶するか否かを入力する入力手段と、
を有することを特徴とするワイパ制御装置。
【請求項2】
前記ワイパの操作の後、所定時間内の車載装置の操作を検出する車載装置操作検出手段を有し、
前記入力手段により該ワイパの前記操作情報を前記制御情報に記憶すると入力された場合、
前記制御装置は、前記ワイパの前記操作情報と共に、前記車載装置操作検出手段により検出された前記車載装置の操作内容を示す連動履歴情報を前記運転者毎に前記個人別記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載のワイパ制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記制御情報に基づき前記ワイパを制御した場合、前記連動履歴情報に基づき前記車載装置を制御する、
ことを特徴とする請求項2記載のワイパ制御装置。
【請求項4】
前記車載装置は、リアワイパ、デフロスタ、照明装置又はウィンドウの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項2又は3記載のワイパ制御装置。
【請求項5】
車外の気温を検出する気温検出手段と、
前記ワイパのワイパアームを直立させるワイパアーム直立制御手段と、
前記気温検出手段により検出された前記気温が所定より低いか又は高い場合であって、前記入力手段により該ワイパアームを直立させる前記操作情報を前記個人別記憶部に記憶すると入力された場合、
前記制御装置は、前記ワイパアームの前記操作情報を前記個人別記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載のワイパ制御装置。
【請求項6】
前記車両が駐車される場合、
前記制御装置は、前記気温検出手段により検出された気温が所定より低いか又は高い場合、前記個人別記憶部に記憶された該ワイパアームの前記操作情報に基づき該ワイパアームを直立に制御する、
ことを特徴とする請求項5記載のワイパ制御装置。



【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−307992(P2007−307992A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138255(P2006−138255)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】