説明

ワイパ装置

【課題】ワイパブレードの曲げ強度を高め、かつ、ウィンドシールドに対するワイパブレードの追従性を維持することのできるワイパ装置を提供する。
【解決手段】ワイパアームに取り付けられ、かつ、付着物を払拭するワイパブレード17aを有し、ワイパブレード17aが、ブレードラバーと保持部材20とバーティブラ24と連結部材とを有しているワイパ装置であって、バーティブラ24の長手方向における連結部材の取り付け箇所の両側のうちの少なくとも両側に補強部材25が取り付けられており、補強部材25は、ワイパブレード17aをウィンドシールドに押し付ける方向に沿って弾性変形が可能に構成されているとともに、補強部材25は、払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、ワイパブレード17aをウィンドシールドに押し付ける方向における曲げ強度の方が弱く構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパブレードを移動体のウィンドシールド上で往復動作させることにより、ウィンドシールドに付着している付着物を払拭するように構成されたワイパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体、例えば車両には、ウィンドシールドに付着した付着物、例えば雪、雨水、埃等を払拭して、運転者の視界を確保するワイパ装置が搭載されている。ワイパ装置は、電動モータにより揺動駆動されるワイパアームと、ワイパアームに取り付けられた長尺形状のワイパブレードとを備えている。このワイパブレードは、ウィンドシールドに接触する長尺形状のブレードラバーと、ブレードラバーを保持する保持部材と、保持部材に取り付けられ、かつ、ワイパブレードをウィンドシールドに押し付ける力を生じるバーティブラと、ワイパブレードをワイパアームの先端に回動自在に連結する連結部材とを有している。そして、電動モータを駆動してワイパアームを揺動運動させると、ワイパブレードが幅方向(長手方向に対して直交する方向)に、かつ、所定角度範囲内で往復動作してウィンドシールドが払拭される。
【0003】
このようなワイパ装置としては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載されたワイパ装置のワイパブレードには、細長いばね弾性的なワイパ条片(ブレードラバー)が設けられている。このワイパ条片は、細長いばね弾性的な支持エレメント(バーティブラ)により、ほぼ長手方向に沿って保持されている。また、支持エレメントにおけるウィンドガラス(ウィンドシールド)とは反対側の中央部分に、ワイパアームが接続される接続装置(連結部材)が固定されている。
【0004】
この接続装置は、支持エレメントとは別個の部分として構成されており、接続装置は溶接結合部によって支持エレメントに固定されている。さらに、ワイパアームの自由端部にはフックが設けられており、フックは接続装置のジョイントピンに係合されている。この接続装置を用いて、ワイパブレードがワイパアームに結合されている。そして、ワイパアームはウィンドガラスに対して負荷されて(押圧力を受けて)おり、ワイパ条片に設けられたワイパリップが、その全長に亘ってガラス表面に押し付けられる。この特許文献1に記載されたワイパ装置によれば、各構成部分(支持エレメントおよび接続装置)に課せられた要求に応えられる材料選択をおこなうことができるとともに、両構成部分の相互結合は、少なくとも1つの溶接結合部によって問題なく、廉価に行われるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2000−513677号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたワイパ装置によりウィンドガラス上の付着物を払拭する際に、雪が大量にウィンドガラスに積もっていたり、付着物がウィンドガラスに強固に付着していたりすると、ワイパブレードにより付着物を払拭する際に、接続装置と支持エレメントとの結合部分に作用する荷重が相対的に大きくなる。その結果、接続装置と支持エレメントとの結合部分に応力が集中して、ワイパブレードが折れ曲がる(折損)不具合があった。ここで、ワイパブレードに補強部材を取り付けて、ワイパブレードの強度を高めることも可能であるが、ウィンドガラスの表面形状に対するワイパブレードの追従性が低下するため実用的ではなかった。
【0007】
本発明の目的は、ウィンドシールドに付着している付着物をワイパブレードで払拭する際に、ワイパブレードが折れ曲がることを抑制できるとともに、ウィンドシールドに対するワイパブレードの追従性を維持することのできるワイパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワイパ装置は、移動体に揺動自在に設けられるワイパアームに取り付けられ、かつ、前記移動体に設けられたウィンドシールド上を往復動作して、前記ウィンドシールドの付着物を払拭するワイパブレードを有し、前記ワイパブレードが、前記ウィンドシールドに接触して付着物を払拭する長尺形状のブレードラバーと、前記ブレードラバーを保持する長尺形状の保持部材と、前記保持部材により支持され、かつ、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける力を生じる長尺形状のバーティブラと、このバーティブラに取り付けられ、かつ、前記ワイパブレードと前記ワイパアームとを回動自在に連結する連結部材とを有しているワイパ装置であって、前記バーティブラの前記長手方向で前記連結部材が取り付けられている箇所の両側のうちの少なくとも片側に、前記払拭動作に沿った方向における前記バーティブラの曲げ強度を高くする補強部材が取り付けられており、この補強部材は、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向に沿って弾性変形が可能に構成されているとともに、前記補強部材は、前記払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における曲げ強度の方が弱く構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のワイパ装置は、前記補強部材は、前記払拭動作に沿った方向における寸法よりも、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における寸法の方が短く構成されていることにより、前記払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における曲げ強度の方が弱く構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明のワイパ装置は、前記補強部材と前記連結部材とが前記ワイパブレードの長手方向に相対移動可能であることを特徴とする。
【0011】
本発明のワイパ装置は、前記補強部材は、前記バーティブラの長手方向に所定間隔をおいて設けられた第1補強部および第2補強部と、前記第1補強部と前記第2補強部とを接続する接続部とを備えており、前記第1接続部および前記第2接続部が、前記バーティブラで前記連結部材が取り付けられている箇所の両側に設けられており、前記補強部材は、ブレードラバーを前記ウィンドシールドに押し付ける方向で、前記第1補強部および前記第2補強部の寸法よりも、前記接続部の寸法の方が短く構成されていることにより、前記補強部材は、前記ブレードラバーを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における強度が弱められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のワイパ装置によれば、ワイパアームが揺動してワイパブレードが幅方向に沿って往復動作すると、ブレードラバーによってウィンドシールドに付着している付着物が払拭される。ここで、バーティブラの長手方向で、連結部材が取り付けられている箇所の両側のうち、少なくとも片側におけるバーティブラの曲げ強度が、補強部材により高められている。つまり、ウィンドシールドに付着している付着物をブレードラバーにより払拭する際の荷重を、バーティブラおよび補強部材の両方で受けることができる。したがって、ワイパブレードが払拭動作方向に沿って折れ曲がることを抑制できる。
【0013】
また、補強部材は、払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、ブレードラバーをウィンドシールドに押し付ける方向における強度の方が弱く構成されている。したがって、ワイパブレードの動作時に、ウィンドシールドの表面形状の変化に合わせて、ワイパブレードを弾性変形させることができ、ウィンドシールドに対するワイパブレードの追従性を維持することができる。すなわち、ワイパブレードが付着物を払拭する性能を維持することができる。
【0014】
本発明のワイパ装置によれば、補強部材は、払拭動作に沿った方向の寸法よりも、ブレードラバーをウィンドシールドに押し付ける方向の寸法の方が短く構成されていることにより、払拭動作に沿った方向における補強部材の強度よりも、ブレードラバーをウィンドシールドに押し付ける方向における補強部材の強度の方が弱く構成されている。したがって、ウィンドシールドに対するワイパブレードの追従性を維持することができる。
【0015】
本発明のワイパ装置によれば、補強部材は、ワイパブレードの長手方向で、補強部材と連結部材とが相対移動可能に構成されている。したがって、バーティブラがウィンドシールドに押し付けられる方向に沿って弾性変形し易くなり、ウィンドシールドに対するワイパブレードの追従性を維持することができる。
【0016】
本発明のワイパ装置によれば、補強部材は、ワイパブレードをウィンドシールドに押し付ける方向で、第1補強部および第2補強部の寸法よりも、接続部の寸法の方が短く構成されていることにより、補強部材は、ワイパブレードをウィンドシールドに押し付ける方向における強度が弱められている。したがって、ウィンドシールドに対するワイパブレードの追従性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のワイパ装置が設けられた移動体としての車両を前方から見た説明図である。
【図2】図1に示すワイパブレードの全体を示す斜視図である。
【図3】図1に示すワイパブレードの要部を示す拡大斜視図である。
【図4】図1に示すワイパブレードの要部を示す斜視図である。
【図5】図1に示すワイパブレードに取り付けられる補強部材単体を示す斜視図である。
【図6】図4のVI−VI線におけるワイパブレードの側面断面図である。
【図7】図4のVII −VII 線におけるワイパブレードの側面断面図である。
【図8】図4のVIII−VIII線におけるワイパブレードの側面断面図である。
【図9】図2に示すワイパブレードの組み立て前における分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、ワイパ装置が設けられた移動体としての車両を前方から見た説明図、図2は、ワイパ装置を構成するワイパブレードの斜視図、図3は、ワイパブレードの要部を示す拡大斜視図、図4は、ワイパブレードの要部を示す斜視図、図5は、ワイパブレードに取り付けられる補強部材単体を示す斜視図、図6は、図4のVI−VI線における部分的な側面断面図、図7は、図4のVII −VII 線における部分的な側面断面図、図8は、図4のVIII−VIII線における部分的な側面断面図、図9は、ワイパブレードの組立前における分解斜視図である。
【0019】
図1に示すように、移動体としての車両10の室内の前方に、ウィンドシールドとしてのフロントガラス11が取り付けられている。車両10の室外、具体的には、フロントガラス11の上面側(前面側)にワイパ装置12が設けられている。ワイパ装置12は、フロントガラス11に付着した付着物、例えば、雪、雨水、埃、鳥の糞等(いずれも図示せず)を払拭して、運転者の視界を確保する(クリアにする)ための装置である。
【0020】
ワイパ装置12は、車両10の室内に設けられたワイパスイッチ(図示せず)を操作することで駆動・停止される電動モータとしてのワイパモータ13と、車両10にブラケット(図示せず)を介在させて回転自在に設けられた運転席側(DR側)のピボット軸14a、および助手席側(AS側)のピボット軸14bとを有する。ピボット軸14a,14bは、共にフロントガラス11の前方に設けられている。さらに、ワイパ装置12は、ピボット軸14aを中心として、フロントガラス11の上方を所定角度の範囲内で揺動運動するDR側のワイパアーム15aと、ピボット軸14bを中心として、フロントガラス11の上方を所定角度の範囲内で揺動運動するAS側のワイパアーム15bと、ワイパモータ13の回転運動を各ワイパアーム15a,15bの揺動運動に変換するリンク機構16とを備えている。
【0021】
この図1では、車両10を外側の前方から見て右側を運転席側とし、左側を助手席として説明している。これらの構成要素のうち、ワイパモータ13、リンク機構16は、車両10のエンジンルームを形成するバルクヘッドの内部等(図示せず)に設けられており、ワイパアーム15a,15bは、バルクヘッドの外部に設けられている。
【0022】
ワイパアーム15aの先端側には、DR側のワイパブレード17aが取り付けられ、ワイパアーム15aの先端側には、AS側のワイパブレード17bが取り付けられている。ワイパブレード17aは、ワイパアーム15aに設けられたスプリング(図示せず)によりフロントガラス11に向けて押し付けられている。また、ワイパブレード17bは、ワイパアーム15bに設けられたスプリング(図示せず)によりフロントガラス11に向けて押し付けられている。
【0023】
そして、ワイパモータ13が駆動してワイパアーム15aが揺動運動すると、ワイパブレード17aはフロントガラス11上を、図中二点鎖線で示す払拭範囲18a内で往復動作する。ここで、ワイパアーム15aがピボット軸を14aを中心として揺動するため、ワイパブレード17aの往時における動作領域と、復時における動作領域とは同じとなる。一方、ワイパモータ13が駆動してワイパアーム15bが揺動運動すると、ワイパブレード17bはフロントガラス11上を、図中二点鎖線で示す払拭範囲18b内で往復動作する。ここで、ワイパアーム15bがピボット軸14bを中心として揺動するため、ワイパブレード17bの往時における動作領域と、復時における動作領域とは同じとなる。このように、払拭範囲18a,18bにおける下反転位置(ワイパアームの停止位置)LRPと上反転位置URPとの間で、各ワイパブレード17a,17bが往復動作するようになっている。
【0024】
つぎに、ワイパブレード17a,17bの構成を具体的に説明する。ワイパブレード17a,17bは同様に構成されているため、以下、主としてワイパブレード17aについて構成を説明し、ワイパブレード17bの構成の説明を省略する。図6ないし図8は、ワイパブレード17aの長手方向の異なる3箇所における幅方向の側面断面図である。なお、各図において、ワイパブレード17aの一部の部品が、便宜上省略されている。ワイパブレード17aは長尺形状に構成されており、ワイパブレード17aは、フロントガラス11に接触するブレードラバー19と、ブレードラバー19を保持するホルダ部材20とを有している。ブレードラバー19は長尺形状に構成されており、ホルダ部材20は長尺形状を有しているが、図9のように、ワイパブレード17aの長手方向に沿って2分割されている。
【0025】
また、ワイパブレード17aは、ワイパブレード17aをワイパアーム15aに連結するために設けられたアーム連結部材21と、アーム連結部材21を覆うカバー22と、ホルダ部材20の長手方向の両端部にそれぞれ別個に装着された一対のエンドキャップ23とを備えている。
【0026】
前記ブレードラバー19は、本体部19aと、本体部19aに連続して形成された細幅部19bと、細幅部19bに連続して形成された鍔部19cと、鍔部19cにネック部19dを介在させて形成されたリップ部19eとを備えている。ブレードラバー19は、ゴム等の弾性材料を押出成形することで長尺形状に構成されており、その幅方向の平面内における断面形状は、長手方向の全域で同一の形状となっている。また、細幅部19bの幅は、本体部19aの幅よりも狭く設定されている。さらに、ネック部19dの幅よりも、リップ部19eの最大幅の方が広く設定されている。この構成により、ワイパブレード17aが往復動してブレードラバー19がフロントガラス11の上面に接触して摺動するときに、リップ部19eが、ネック部19dを支点としてワイパブレード17aの動作方向の後ろ側に向けて傾斜し、フロントガラス11の表面に付着した付着物を確実に払拭する。
【0027】
つぎに、ホルダ部材20の構成を、図8に基づいて説明する。2つに分割して構成されたホルダ部材20は、ワイパブレード17aの長手方向で所定の間隔をおいて設けられている。各ホルダ部材20は、支持部20aと、支持部20aの上側に設けられたフィン部20bとを備えている。支持部20aおよびフィン部20bは、互いに硬度の異なる材料を二色成形(押出成形)することで、長尺形状のホルダ部材20を一体的に構成している。
【0028】
支持部20aは、ブレードラバー19を保持し得る充分な強度を維持しつつ、ブレードラバー19をフロントガラス11に追従可能とする柔軟性および可撓性を維持するために、プラスチック等の樹脂材料により形成されている。支持部20aの幅方向における中間部分(図8における左右方向の中間部分)には、支持部20aの長手方向に沿って延びる保持溝20cが形成されている。保持溝20cは、フロントガラス11側に開口部20dを有している。その保持溝20cによりブレードラバー19が保持されている。具体的には、本体部19aが保持溝20c内に配置されており、細幅部19bが開口部20dに配置されており、鍔部19cおよびネック部19dおよびリップ部19eは、保持溝20cの外に露出している。そして、開口部20dの幅は、本体部19aの幅よりも狭く構成されている。このような構成により、ブレードラバー19はホルダ部材20から脱落すること無く確実に保持される。また、リップ部19eの先端がフロントガラス11の表面に接触されている。
【0029】
支持部20aの幅方向において、保持溝20cの両側(図8において、保持溝20cの左右)には、一対の収容部20eが設けられている。一対の収容部20eは、ホルダ部材20の幅方向における断面形状が、ほぼ長方形に構成されている。各収容部20eは、支持部20aを長手方向に貫通するように形成された孔である。
【0030】
各収容部20eには、バネ性を有する金属材料、例えばステンレス鋼よりなるバーティブラ24がそれぞれ収容されている。バーティブラ24は、フロントガラス11に向けてワイパブレード17aを押し付ける力を生じる金具であり、バーティブラ24は、ワイパブレード17aの長手方向に沿って長尺形状に構成されている。2本のバーティブラ24は、収容部20e内に配置されていることにより、ワイパブレード17aの幅方向においてバーティブラ24同士が位置決めされ、2本のバーティブラ24同士の間隔が決定されている。すなわち、2本のバーティブラ24は平行に配置された状態で、ホルダ部材20により保持されている。バーティブラ24は、幅方向の断面形状がほぼ長方形に構成された板状体であり、バーティブラ24は、その厚さ方向に沿って、予め定められた曲率で湾曲されている。バーティブラ24の湾曲方向は、ワイパブレード17aをフロントガラス11に押し付ける方向に設定されている。そして、各バーティブラ24は、外力を負荷しない自然状態において、フロントガラス11の表面の曲率よりも大きい曲率で湾曲されている。
【0031】
このようなバーティブラ24の機械的特性、バーティブラ24の形状、バーティブラ24の取り付け状態などの条件により、各バーティブラ24の弾性力に対応する押圧力が、ホルダ部材20を介してブレードラバー19に伝えられる。すなわち、ホルダ部材20およびブレードラバー19がフロントガラス11の表面の曲率に合わせて弾性変形し、リップ部19eの先端が、長手方向に沿う全域でフロントガラス11の表面に密着するようになっている。
【0032】
前記フィン部20bの構成について説明する。ワイパモータ13が停止すると、ワイパブレード17aは、図1の下反転位置LRPで停止する。このように、ワイパブレード17aが停止した状態において、支持部20aにおける幅方向の一端側、具体的には、車両10の前後方向における最も後端側にフィン部20bが設けられている。このフィン部20bは、ゴム等の弾性材料により構成されており、支持部20aの長手方向の全域に亘って設けられている。また、フィン部20bは、支持部20aの幅方向とは直角な平面方向に沿って突出されている。さらに、ワイパブレード17aが停止した状態で、フィン部20bにおける車両10の前方側が湾曲された形状を有している。なお、フィン部20bの硬度は、支持部20aの硬度よりも低い硬度に設定されている。
【0033】
一方、ワイパブレード17aは、図4、図5に示すような補強部材25を備えている。補強部材25は、フロントガラス11の表面に沿った方向、具体的には、ワイパブレード17aの往復動作方向に沿った方向における曲げ強度、具体的にはバーティブラ24の曲げ強度を相対的に高めるための部品である。補強部材25は、金属材料、例えば、ステンレス鋼をプレス加工して板状に構成したものである。ワイパブレード17aの長手方向において、補強部材25の長さは、ホルダ部材20同士の間隔よりも短く設定されており、ホルダ部材20同士の間に補強部材25が設けられている。補強部材25は、ワイパブレード17aの長手方向に沿って設けられた第1補強部25aおよび第2補強部25bと、第1補強部25aと第2補強部25bとを接続する接続部25cとを備えている。
【0034】
第1補強部25aおよび第2補強部25bは、いずれも、ワイパブレード17aの幅方向の中央に位置するプレート部25dと、プレート部25dから、ワイパブレード17aの幅方向で外側に向けて張り出された一対の係止部25eとを有している。一対の係止部25eは、第1補強部25aおよび第2補強部25bを、2本のバーティブラ24に取り付けるための構成である。本実施形態において、一対の係止部25eはワイパブレード17aの幅方向の断面内でC字形状に折り曲げられている。そして、図4、図6に示すように、ワイパブレード17aの幅方向における側面断面内で、各係止部25eが各バーティブラ24を取り囲むように係止されている。
【0035】
また、接続部25cは、プレート部25d同士を接続する長尺形状のプレート25fと、プレート25fに連続して、ワイパブレード17aの幅方向で外側に向けて張り出された複数の係止部25gとを有している。図5の実施形態では、係止部25gを4箇所に設けた例が示されている。各係止部25gは、プレート25fを、2本のバーティブラ24に取り付けるための構成である。本実施形態において、各係止部25gはワイパブレード17aの幅方向の側面断面内でC字形状に折り曲げられている。この各係止部25gが、図4に示すようにバーティブラ24を取り囲むように係止されている。このように、全ての係止部25g,25eが、バーティブラ24に係止されることで、バーティブラ24と補強部材25とが、ワイパブレード17aの幅方向、およびワイパブレード17aがフロントガラス11に押し付けられる方向において、位置決めされている。
【0036】
また、図6のように、ワイパブレード17aの幅方向における断面内において、補強部材25の寸法(幅)L1よりも、ワイパブレード17aをフロントガラス11に押し付ける方向における補強部材25の寸法(厚さ)L2の方が短く構成されている。さらに、ワイパブレード17aをフロントガラス11に押し付ける方向(図6の上下方向)で、第1補強部25aおよび第2補強部25bの寸法(厚さ)L2よりも、プレート25fの厚さT1の方が短く(薄く)構成されている。また、補強部材25がバーティブラ24に取り付けられた状態において、本体部19aの上面が、補強部材25のプレート部25dおよびプレート25fに接触している。なお、プレート25fを厚さ方向に貫通する位置決め孔25hが設けられている。
【0037】
さらに、ワイパブレード17aとワイパアーム15aとを連結するアーム連結部材21の構成を、図3、図7、図9に基づいて説明する。ワイパブレード17aの長手方向で、2つのホルダ部材20同士の間にアーム連結部材21が設けられている。ワイパブレード17aの長手方向において、アーム連結部材21の長さは、ホルダ部材20同士の間隔よりも短く設定されている。アーム連結部材21は、鋼板をプレス加工することにより形成されており、このアーム連結部材21にワイパアーム15aの先端が回転可能に連結されるように構成されている。アーム連結部材21には、4つの係止片21aが設けられている。この係止片21aは、アーム連結部材21を、2本のバーティブラ24に固定するための要素である。この実施形態において、各係止片21aはワイパブレード17aの幅方向で外側から内側に向けてC字形状に屈曲した形状を有する。2つの係止片21aが1つのバーティブラ24に係止されて、アーム連結部材21が2本のバーティブラ24に固定されている。
【0038】
すなわち、各バーティブラ24の長手方向において、2つの係止片21aが取り付けられている領域(範囲、位置)が、本発明における「連結部材が取り付けられている箇所」に相当する。そして、各バーティブラ24にアーム連結部材21が固定された状態において、各バーティブラ24の長手方向で2つの係止片12aの両側に、前記第1補強部25aおよび第2補強部25bがそれぞれ設けられている。より具体的には、各バーティブラ24の長手方向で、2つの係止片21aの真近に、第1補強部25aおよび第2補強部25bがそれぞれ設けられている。つまり、各バーティブラ24の長手方向において、ワイパブレード17aを動作させてブレードラバー19により付着物を払拭したときに、ホルダ部材20を経由してバーティブラ24に伝達される曲げ荷重が、最大となる部分を含む箇所に、第1補強部25aおよび第2補強部25bが設けられている。なお、バーティブラ24に伝達される曲げ荷重が最大となる部分は、実験またはシミュレーションによって求めることが可能である。
【0039】
さらに、アーム連結部材21の下面には、図7に示すように位置決めピン21bが形成されており、その位置決めピン21bが位置決め孔25hに挿入されている。この構成により、アーム連結部材21と補強部材25とが、ワイパブレード17aの長手方向および幅方向において位置決めされている。また、ワイパブレード17aの長手方向において、位置決めピン21bと位置決め孔25hの内面との間に所定の隙間が形成されており、隙間に相当する分、アーム連結部材21と補強部材25とが、ワイパブレード17aの長手方向に相対移動することが可能に構成されている。
【0040】
また、ワイパブレード17aのうち、主としてアーム連結部材21の取り付け部分を覆うカバー22が設けられている。このカバー22は、ホルダ部材20同士の間の空間、アーム連結部材21、補強部材25などを覆い隠すことにより、ワイパブレード17aの見栄えを良くするとともに、ゴミや埃などの異物が、これらの部品同士のすき間に侵入することを防止するために設けられている。このカバー22は、樹脂材料により構成されており、カバー22に設けられた係止爪22aをアーム連結部材21に係止することにより、カバー22がアーム連結部材21に取り付けられている。
【0041】
さらにまた、ワイパブレード17aにおけるホルダ部材20同士の間において、アーム連結部材21が取り付けられている側とは反対側には、図4、図7、図9に示すように2個のカバー26が取り付けられている。各カバー26は、ワイパブレード17aにおけるフロントガラス11側から、異物がワイパブレード17a内に侵入することを防止するとともに、ワイパブレード17aが動作したときに空気の乱流が形成されることを防止するために設けられている。カバー26は、ワイパブレード17aの幅方向に2分割して構成されており、2つのカバー26は、ワイパブレード17aの幅方向で左右対称の構成を有している。そして、2つのカバー26は、共に樹脂材料により一体成型されたものであり、2つのカバー26は、ワイパブレード17aの幅方向でブレードラバー19の両側に配置されている。また、ワイパブレード17aの長さ方向において、カバー26の長さは、ホルダ部材20同士の間隔よりも長く構成されている。
【0042】
また、各カバー26はプレート26bを有しており、プレート26bには、ワイパブレード17aの厚さ方向に向けて突出された2個一組の係止爪26aが複数組、図9の例では4組設けられている。複数組の係止爪26aのうち、一組目の係止爪26aは、一方のホルダ部材20と一対の係止部25eとの間に位置している。複数組の係止爪26aのうち、二組目の係止爪26aは、他方のホルダ部材20と一対の係止部25eとの間に位置している。三組目および四組目の係止爪26aは、係止部25g同士の間に位置している。そして、一方のカバー26に設けられた4組の係止爪26aが、一方のバーティブラ24に幅方向の両側から係止することにより、一方のカバー26が一方のバーティブラ24に固定されている。また、他方のカバー26に設けられた4組の係止爪26aは、他方のバーティブラ24に幅方向の両側から係止することにより、他方のカバー26が他方のバーティブラ24に固定されている。また、プレート26bには、2個一組の突起部26cが4組設けられている。各組の突起部26cは、係止爪26a同士の間に設けられており、突起部26cの先端が、バーティブラ24の下面に接触している。
【0043】
このように、バーティブラ24の幅方向の両端に一対の係止爪26aが接触することにより、バーティブラ24とカバー26とが幅方向に位置決めされている。また、バーティブラ24の上部に係止爪26aに接触し、かつ、バーティブラ24の下面に突起部26cが接触することにより、バーティブラ24とカバー26とが、バーティブラ24の厚さ方向に位置決めされている。さらに、カバー26がバーティブラ24に取り付けられた状態においては、図7に示すように、プレート26bの幅方向の端部が、ブレードラバー19の鍔部19cと本体部19aとの間に位置している。
【0044】
つぎに、ワイパブレード17aを組み立てる工程を説明する。ワイパブレード17aを組み立てる前の工程において、図9に示すように、アーム連結部材21の係止片21aは下方に向けて延ばされており、C字形状には屈曲していない。一方、図5のように補強部材25の全ての係止部25e,25gは予め曲げられており、係止部25e,25gに2本のバーティブラ24を挿入する。このとき、補強部材25は、バーティブラ24の長手方向において略中間部に配置される。
【0045】
また、組み立て途中にあるワイパブレード17aの上側からアーム連結部材21を被せて、係止片21aを係止部25eと係止部25gとの間に位置させ、かつ、係止片21aをバーティブラ24の上面に接触させる。ここで、位置決めピン21bを位置決め孔25hに挿入することで、バーティブラ24の長手方向において、アーム連結部材21と補強部材25とが相対的に位置決めされる。そして、4個の係止片21aにカシメ加工を施してC字形状に屈曲させると、アーム連結部材21がバーティブラ24に取り付けられる。
【0046】
その後、バーティブラ24の両端をホルダ部材20の収容部20eにそれぞれ挿入する。なお、図9においては、便宜上、アーム連結部材21をバーティブラ24に取り付ける前に、バーティブラ24にホルダ部材20が取り付けられた状態を示してある。そして、組み立て途中にあるワイパブレード17aの下側から、カバー26をバーティブラ24に近づけるとともに、中央にある2組の係止爪26aを、2個の係止部25g同士の間に位置させ、一端にある1組の係止爪26aを、一方のホルダ部材20と係止部25eとの間に位置させ、他端にある1組の係止爪26aを、他方のホルダ部材20と係止部25eとの間に位置させる。さらに、カバー26をバーティブラ24に押し付けると、係止爪26aがバーティブラ24に接触して相互に離れる向きで弾性変形し、ついで、係止爪26aが元の形状に復元すると、係止爪26aが全てバーティブラ24に係止され、かつ、突起部26cがバーティブラ24に接触して、カバー26の取り付けが完了する。
【0047】
ついで、ブレードラバー19と、2個のホルダ部材20とを長手方向に相対移動させて、ブレードラバー19の本体部19aを、ホルダ部材20の収容部20eに挿入した後、エンドキャップ23をバーティブラ24の両端に取り付ける。なお、カバー22をアーム連結部材21に取り付ける工程は、カバー26をバーティブラ24に取り付ける前または後の何れで行ってもよい。このようにして、ワイパブレード17aを組み立てた後、アーム連結部材21にワイパアーム15aの先端を連結する。なお、本実施形態において、ワイパブレード17bはワイパブレード17aと同様に構成されているため、前述した「ワイパブレード17a」の記載を「ワイパブレード17b」と読み替えれば、ワイパブレード17bの構成および組立工程となる。
【0048】
上記のように構成されたワイパ装置12において、前述のようにワイパモータ13が駆動してワイパアーム15a,15aが揺動運動すると、フロントガラス11表面の付着物が、ブレードラバー19により払拭除去されて、車両10の運転者の視界が確保される。なお、付着物が水の場合は、フロントガラス11の表面から水を完全に除去するのではなく、フロントガラス11の表面に水の薄膜を均一に形成することで、運転者の視界が確保される。
【0049】
本実施形態におけるワイパ装置12によれば、バーティブラ24の長手方向において、アーム連結部材21が取り付けられている箇所の両側に第1補強部25aおよび第2補強部25bが設けられており、ワイパブレード17a,17bの曲げ強度、具体的には、バーティブラ24の曲げ強度が相対的に高められている。このため、ワイパブレード17aが往復動作して、フロントガラス11に付着している付着物をブレードラバー19により払拭した際に、ブレードラバー19からホルダ部材20を経由して伝達される曲げ荷重は、バーティブラ24および第1補強部25aおよび第2補強部25bにより受け止められる。つまり、バーティブラ24で受ける曲げ荷重を相対的に少なくすることができる。
【0050】
これは、図6に示すワイパブレード17a,17bの幅方向における側面断面内において、曲げ荷重を受けるバーティブラ24の断面積が、バーティブラ24単体の場合に比べて見かけ上拡大されたことと同じ効果である。したがって、フロントガラス11に付着している付着物をワイパブレード17a,17bで払拭する際に生じる曲げ荷重で、ワイパブレード17a,17bが折れ曲がること、具体的にはバーティブラ24が折れ曲がること(塑性変形すること)を抑制できる。
【0051】
また、補強部材25は、ワイパブレード17a,17bの払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、ブレードラバー19をフロントガラス11に押し付ける方向における強度の方が弱く構成されている。したがって、ワイパブレード17a,17bの動作時に、フロントガラス11の表面形状に合わせて、ブレードラバー19を弾性変形させることができ、フロントガラス11に対するワイパブレード17a,17bの追従性を維持することができる。すなわち、ブレードラバー19が付着物を払拭する性能が低下することを回避することができる。
【0052】
さらに、補強部材25は、ワイパブレード17a,17bの払拭動作に沿った方向の寸法(長さL1)よりも、ブレードラバー19をフロントガラス11に押し付ける方向の寸法(長さL2)の方が短く構成されていることにより、ワイパブレード17a,17bの払拭動作に沿った方向における補強部材25の強度よりも、ブレードラバー19をフロントガラス11に押し付ける方向における補強部材25の強度の方が弱く構成されている。したがって、フロントガラス11に対するワイパブレード17a,17bの追従性を維持することができる。
【0053】
さらにまた、ワイパブレード17a,17bの長手方向において、位置決めピン21bと位置決め孔25hとの隙間に相当する分、補強部材25とアーム連結部材21とが相対移動することが可能である。したがって、ワイパブレード17a,17bの往復動時に、バーティブラ24がフロントガラス11の形状に沿って弾性変形し易くなり、フロントガラス11に対するワイパブレード17a,17bの追従性を維持することができる。
【0054】
さらにまた、補強部材25は、ワイパブレード17a,17bをフロントガラス11に押し付ける方向で、第1補強部25aおよび第2補強部25bの寸法(厚さL2)よりも、接続部25cのプレート25fの寸法(厚さT1)の方が短く(薄く)構成されていることにより、補強部材25は、ワイパブレード17a,17bをフロントガラス11に押し付ける方向における強度が弱められている。したがって、フロントガラス11に対するワイパブレード17a,17bの追従性を維持することができる。
【0055】
ここで、本実施形態において説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、フロントガラス11が、本発明のウィンドシールドに相当し、アーム連結部材21が、本発明の連結部材に相当し、ホルダ部材20が、本発明の保持部材に相当する。
【0056】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、単数のワイパモータの動力を、リンク機構を介して2本のワイパアームに伝達するタンデム式のワイパ装置が示されている。これに対して、一方のワイパモータの動力を一方のワイパアームに伝達し、かつ、他方のワイパモータの動力を他方のワイパアームに伝達するように構成されたオポジット式のワイパ装置に、本発明を適用することもできる。また、ワイパブレードを、ウィンドシールドとしてのフロントガラスを払拭するワイパ装置に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ウィンドシールドとしてのリヤガラスを払拭するワイパ装置に適用することもできる。また、ワイパブレードの往時における動作領域と、復時における動作領域とが異なるように構成されたワイパ装置に、本発明を適用することもできる。
【0057】
さらに、ウィンドシールドとして、ガラスではなく、透明または半透明なプラスチックを有する移動体のワイパ装置に、本発明を適用することもできる。さらに、ワイパブレードを2本有するワイパ装置に限らず、ワイパブレードを1本有するワイパ装置、ワイパブレードを3本以上有するワイパ装置に本発明を適用することもできる。さらに、ピボット軸がウィンドシールドの後方に設けられている構成のワイパ装置に、本発明を適用することもできる。さらに、本発明の移動体には、地上を移動(走行)する車両、例えば、乗用車、バス、トラックなどが含まれる。
【0058】
また、本発明の移動体には、海上を移動する船舶、空中を移動(飛行)する航空機、軌道上を移動(走行)する鉄道車両、地上を移動するパワーショベルおよびブルドーザなども含まれる。さらにまた、本発明において、補強部材およびバーティブラの材質は共に同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらにまた、係止爪26aの数、係止部25e,25gの数、係止片21aの数、およびこれらの要素の屈曲形状は、各要素の機能が損なわれない範囲で、任意に設計変更可能である。さらに、ワイパブレードの長手方向において、連結部材をバーティブラに取り付ける箇所の片側だけに補強部材を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 車両
11 フロントガラス
12 ワイパ装置
13 ワイパモータ
14a,14b ピボット軸
15a,15b ワイパアーム
16 リンク機構
17a,17b ワイパブレード
18a,18b 払拭範囲
19 ブレードラバー
19a 本体部
19b 細幅部
19c 鍔部
19d ネック部
19e リップ部
20 ホルダ部材
20a 支持部
20b フィン部
20c 保持溝
20d 開口部
20e 収容部
21 アーム連結部材
21a 係止片
21b 位置決めピン
22,26 カバー
22a,26a 係止爪
23 エンドキャップ
24 バーティブラ
25 補強部材
25a 第1補強部
25b 第2補強部
25c 接続部
25d プレート部
25e 係止部
25f,26b プレート
25g 係止部
25h 位置決め孔
26c 突起部
LRP 下反転位置
URP 上反転位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に揺動自在に設けられるワイパアームに取り付けられ、かつ、前記移動体に設けられたウィンドシールド上を往復動作して、前記ウィンドシールドの付着物を払拭するワイパブレードを有し、
前記ワイパブレードが、前記ウィンドシールドに接触して付着物を払拭する長尺形状のブレードラバーと、前記ブレードラバーを保持する長尺形状の保持部材と、前記保持部材により支持され、かつ、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける力を生じる長尺形状のバーティブラと、このバーティブラに取り付けられ、かつ、前記ワイパブレードと前記ワイパアームとを回動自在に連結する連結部材とを有しているワイパ装置であって、
前記バーティブラの前記長手方向で前記連結部材が取り付けられている箇所の両側のうちの少なくとも片側に、前記払拭動作に沿った方向における前記バーティブラの曲げ強度を高くする補強部材が取り付けられており、この補強部材は、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向に沿って弾性変形が可能に構成されているとともに、前記補強部材は、前記払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における曲げ強度の方が弱く構成されていることを特徴とするワイパ装置。
【請求項2】
請求項1記載のワイパ装置において、前記補強部材は、前記払拭動作に沿った方向における寸法よりも、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における寸法の方が短く構成されていることにより、前記払拭動作に沿った方向における曲げ強度よりも、前記ワイパブレードを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における曲げ強度の方が弱く構成されていることを特徴とするワイパ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のワイパ装置において、前記補強部材と前記連結部材とが、前記ワイパブレードの長手方向に相対移動可能であることを特徴とするワイパ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパ装置において、前記補強部材は、前記バーティブラの長手方向に所定間隔をおいて設けられた第1補強部および第2補強部と、前記第1補強部と前記第2補強部とを接続する接続部とを備えており、前記第1接続部および前記第2接続部が、前記バーティブラで前記連結部材が取り付けられている箇所の両側に設けられており、
前記補強部材は、ブレードラバーを前記ウィンドシールドに押し付ける方向で、前記第1補強部および前記第2補強部の寸法よりも、前記接続部の寸法の方が短く構成されていることにより、前記補強部材は、前記ブレードラバーを前記ウィンドシールドに押し付ける方向における強度が弱められていることを特徴とするワイパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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