説明

ワイヤフィラメントを有するハイブリッド糸で作製された保護スリーブ、および構成の方法

EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのスリーブの構成に使用されるファブリックスリーブおよびハイブリッド糸フィラメント、ならびにこのスリーブおよびハイブリッド糸フィラメントの構成方法である。スリーブは、非導電性フィラメントと、非導電性フィラメントの外面上に横たわる少なくとも1本の導電性ワイヤフィラメントとを有する少なくとも1本の織り合わされたハイブリッド糸フィラメントを含む。ハイブリッド糸フィラメントは、EMI、RFI、および/またはESDに対し、均一な遮蔽を提供するために、それ自体と、または他のハイブリッド糸フィラメントと電気的に通じるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は2006年3月29日に出願された米国仮出願連続番号第60/786,847号の優先権を主張する。当該仮出願はその全体がここに引用により援用される。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
この発明は一般に、細長い部材を保護するためのスリーブに関し、より特定的には、EMI/RFI/ESD遮蔽糸、およびそれから構成されるスリーブに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
電磁干渉(EMI)、無線周波数干渉(RFI)、および静電放電(ESD)が、電子部品の適正な働きに対し、近傍の導電体と伝搬電磁波との誘導結合に起因する干渉によって生じる潜在的な問題を呈する恐れがある、ということは公知である。電子システムは、回路内の電流の流れに起因して電磁エネルギを生成する。この電磁エネルギは、周囲の電子部品に対し、それらが回路と直接通じていようと、近傍に位置していようと、それらの性能に悪影響を与える恐れがある。たとえば、自動車の電力システムに関する導体における電流は、電子モジュールといったさまざまな電子部品において擬似信号を誘発する場合がある。そのような干渉は、車両における電子モジュールまたは他の部品の性能を劣化させる恐れがあり、それにより車両は所望したもの以外の作用を行なうようになる。同様に、コンピュータネットワークまたは他の通信システムにおいてデータを搬送するラインに比較的緊密に関連した電気配線間の誘導結合は、ネットワーク上で送信中のデータに悪影響を与える恐れがある。
【0004】
EMI、RFI、およびESDの悪影響は、EMI、RFI、およびESDに敏感な部品を適正に遮蔽し、接地することにより、効果的に排除され得る。たとえば、内部または外部で生じたEMI、RFI、およびESDからの望ましくない干渉を受ける恐れがある制御信号を搬送するワイヤは、保護スリーブを用いることによって遮蔽されてもよい。保護スリーブは概して平坦または円筒形であり得る。スリーブは導電性構成要素と非導電性構成要素とから形成され、導電性構成要素は、典型的には、スリーブの製造中に糸と織り合わされたドレインワイヤを介して接地される。公知の導電性構成要素は、銀などの導電性金属でコーティングされた、ナイロンなどの非導電性ファイバまたはフィラメントの形を取っている。他の公知の導電性構成要素は、非導電性樹脂に、ステンレス鋼、銅、または銀といった金属のマイクロファイバを、または炭素、グラファイト、ニッケル、銅、または銀のミクロンサイズの導電性パウダーを含浸させて、マイクロファイバおよび/またはパウダーが導通して結合されるようにすることによって作製される。
【0005】
コーティングされた導電性の糸で作られたそのようなRFI、EMI、およびESDのスリーブは一般に電気干渉の排除に効果的であるものの、このスリーブは、特に銀などの高価なコーティングが使用される場合、製造が比較的高価となり得る。加えて、導電性コーティングは磨り減る場合があり、導電性構成要素間の導電接続において効率低下をもたらし、それにより、最適なRFI、EMI、および/またはESD保護を提供するスリーブの能力に影響を与える。したがって、製造がより経済的で、使用がより効率的で、磨耗に対する信頼性がより高く、有用寿命が増加したRFI、EMI、ESD遮蔽が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明に従ったファブリックから製造されたスリーブは、少なくとも上述の先行技術の限界を克服するかまたはかなり最小限に抑え、それにより、互いに対して潜在的な悪影響を有する部品同士が、互いに近傍にある場合でも適正に機能できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのファブリックスリーブは、非導電性フィラメントと、非導電性フィラメントの外面上に横たわる少なくとも1本の連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントを有する。ワイヤフィラメントは、EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材に保護を提供するために、スリーブの一部に沿って、それ自体と、またはワイヤフィラメントのうちの他のワイヤフィラメントと電気的に通じるように配置されている。
【0008】
この発明の別の局面は、EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのファブリックスリーブを構成する方法を含む。この方法は、非導電性フィラメントと、前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる少なくとも1本の連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントを提供するステップと、スリーブまたはファブリックを形成するために、ハイブリッド糸フィラメントを、それ自体と、またはハイブリッド糸フィラメントのうちの他のハイブリッド糸フィラメントと電気的に通じるように織り合わせるステップと、ファブリックを、スリーブになるよう形成するステップとを含む。
【0009】
この発明のさらに別の局面は、EMI、RFI、および/またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのファブリックスリーブを構成するための導電性ハイブリッド糸を含む。ハイブリッド糸は、スリーブの長さに沿って、それ自体と、またはハイブリッド糸のうちの他のハイブリッド糸と織り合わされている。ハイブリッド糸は、細長い非導電性フィラメントと、非導電性フィラメントの外面上に横たわり、かつそこから外側に延在する少なくとも1本の細長い連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する。したがって、ワイヤフィラメントは互いとの電気的接触を確立可能である。そのため、ワイヤフィラメントは互いに電気的に通じるよう配置された連続するワイヤフィラメントであるので、スリーブには最適な導電性が与えられる。このため、スリーブ内に収容された細長い部材に、効果的で均一なEMI、RFI、および/またはESD保護が提供される。加えて、ハイブリッド糸は同様のデニールを有するように構成されているので、スリーブは、スリーブの有用寿命を高める、見た目に美しく滑らかな外見および感触を有し、一方、向上した耐摩耗性も有している。
【0010】
この発明のさらに別の局面は、スリーブを形成するために使用される導電性ハイブリッド糸を構成する方法であって、スリーブは、EMI、RFI、および/またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材に保護を提供する方法を含む。導電性ハイブリッド糸は、互いに電気的に通じるように織り合わされる。この方法は、細長い非導電性糸フィラメントと、連続する導電性ワイヤフィラメントとを提供するステップと、次に、非導電性フィラメントの外面上に連続する導電性ワイヤフィラメントを横たえるステップとを含む。
【0011】
したがって、この発明に従ったハイブリッド糸で少なくとも部分的に作成されたスリーブは、EMI、RFI、および/またはESDから細長い部材を遮蔽するのに有用であり
、スリーブは、平坦、円筒形、箱型、またはその他の形であれ、任意の所望の形状を有して構成可能である。加えて、スリーブは、製造時に作製幅、高さ、および長さを調節することにより、事実上どのパッケージサイズにも対処するよう作成可能であり、さまざまな閉鎖機構を装備可能である。さらに、スリーブは、それらの保護強度、導電性、ひいては遮蔽能力に影響を与えることなく、三次元において少なくとも幾分柔軟性があり、それにより、スリーブによって提供されるEMI、RFI、および/またはESD保護に影響を与えることなく、細長い部材を最良に引き回すために必要に応じてスリーブを曲げることが可能である。
【0012】
これらのおよび他の特徴および利点は、以下の現在好ましい実施例および最良の形態の詳細な説明、添付された請求項、および添付図面に鑑みて、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好ましい実施例の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、図1は、この発明の現在好ましい一実施例に従って構成された、以下ではハイブリッド糸部材12と呼ばれるハイブリッド糸またはフィラメントを少なくとも部分的に含む糸から構成されたスリーブ10を示す。フィラメントという用語はここでは、モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントを含むと意図されており、必要に応じて、フィラメントの種類に特に言及する。ハイブリッド糸部材12(図5〜図8)は、以下では単に非導電性部材14と呼ばれる非導電性モノフィラメント部材および/または非導電性マルチフィラメント部材が、以下では単にワイヤフィラメント16と呼ばれるミクロンサイズの連続する導電性ワイヤフィラメントの撚り糸と撚り合わされるか、またはともに供されることにより、形成される。個々のワイヤフィラメント16は、直径がたとえば約20〜100μmであり、スリーブ10内で束ねられた細長い部材13のための、電磁干渉(EMI)、無線周波数干渉(RFI)、および/または静電放電(ESD)保護のうちの1つをスリーブ10に提供する。一旦封入されると、ほぼ封入されたワイヤの束13は、誘導結合干渉または自己誘導内部反射干渉といった望ましくない干渉からの最適な保護を受け、それにより、ワイヤの束13に接続された電気部品に所望の動作効率を提供する。したがって、スリーブ10は、束ねられたワイヤ13が、それらが接続された電気部品に、自己誘導された悪影響を与えないようにし、一方、束ねられたワイヤ13の、それらと直接電気的に通じていない近傍の電気部品への干渉も防止する。
【0014】
図1および図2に示すように、スリーブ10は、非限定的な一例として、長手軸15を中心として自然に巻付くよう表わされており、この自己巻付きバイアスは、たとえば熱硬化を介して、横糸方向のフィラメントが張力をかけられることを介して、または縦糸方向のフィラメントが軸15を中心としてバイアスをかけることを介して付与可能であり、束ねられたワイヤ13を受けるための細長く封入された通路18を規定する。少なくとも1つ以上のハイブリッド糸部材12は、好ましくは横糸方向において互いに織り合わされ、非限定的な一例としてのポリエステルなどの熱可塑性物質で少なくとも部分的に構成可能であり、それにより、スリーブ10が管形状になるよう熱硬化され、または他の態様でバイアスをかけられるようになる。糸部材12で構成されたスリーブ10は、たとえば、自己閉鎖型であれ、またはフックおよびループファスナ17などにより補助されたものであれ、ほぼ平坦な形状(図3、ほぼ平坦となる前を図示)、もしくは、たとえば継ぎ目のない円筒形状(図4)といった任意の所望の保護スリーブ形状で構成可能である、ということが認識されるべきである。したがって、この発明はスリーブの外形に限定されず、このため、ワイヤハーネスといった細長い部材13を束ねてEMI、RFI、および/またはESDから保護するための安全で耐久性がある柔軟なカバーを提供するあらゆる外形のスリーブの製造および構成を意図している。
【0015】
望ましくないあらゆる干渉の排除を容易にするために、スリーブ10は好ましくは、少なくとも部分的に糸部材12と織り合わされた少なくとも1つの、好ましくは1対のドレインワイヤ20、21(図2)で構成されており、ドレインワイヤ20、21は地面(図示せず)への好適な接続のために配置されている。ドレインワイヤ20、21は好ましくは、互いに電気的に通じるよう、かつ導電性ワイヤフィラメント16と電気的に通じるように配置されている。ドレインワイヤ20、21は任意の好適な直径を有して提供可能であり、一般に約18〜24ゲージで提供され、たとえば、錫またはニッケルでめっきされた銅、もしくはステンレス鋼の1本の撚り糸または撚り合わされた多数の撚り糸といった任意の好適な金属でできている。ドレインワイヤ20、21はスリーブ10の長手軸15に沿って長さ方向に延在するよう配向されており、ドレインワイヤのうちの少なくとも一方20は好ましくは、地面と作動可能に電気的に通じるためにスリーブ10から離れて延在可能である。ドレインワイヤ20は、浮遊区間23を提供するよう、軸方向に間隔をおいた複数の場所で織り合わされているのが図示されており、浮遊区間23は、要望通りにスリーブ10から横に延ばされる能力を有する。他方のドレインワイヤ21はここでは、たとえば、スリーブ10の長さに沿って浮遊区間25を提供するよう、同様に軸方向に間隔をおいた複数の場所で織り合わされているのが図示されている。図2に示すように、ドレインワイヤ20、21は、以下ではスリーブ10の自由縁27と呼ばれるへりによって覆われ、保護されるようにカバーされ得るよう、スリーブ10の一部に沿って位置付けられ得る。ドレインワイヤ20、またはワイヤ20、21は、導電性ワイヤフィラメント16が非導電性部材14から外側に延在するように撚り合わされるかまたは供されることにより、導電性ワイヤフィラメント16と電気的に通じるように配置されている、ということが認識されるべきである。
【0016】
非導電性部材14は好ましくはマルチフィラメント糸として提供され、それはスリーブ10に、より軟らかい質感、改良されたドレープ、および改良された騒音減衰特性を提供する。しかしながら、上述のように、所望すればモノフィラメントも、意図された用途のために使用可能である。用途に依存して、非導電性部材14は、非限定的な一例として、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、綿、レーヨン、および、極度に高い温度定格が必要とはされない場合には前述の全素材の難燃(FR)バージョンから形成され得る。FR能力とともにより高い温度定格が望まれる場合には、非導電性部材14は、非限定的な一例として、m−アラミド(たとえばノーメックス(Nomex)、コーネックス(Conex)、カーメル(Kermel)という名称で販売)、p−アラミド(たとえばケブラー(Kevlar)、トワロン(Twaron)、テクノラ(Technora)という名称で販売)、PEI(たとえばウルテム(Ultem)という名称で販売)、PPS、LCP、TPFE、およびPEEKを含む材料から構成され得る。FR能力とともにさらにより高い温度定格が望まれる場合には、非導電性部材は、たとえば、ガラス繊維、玄武岩、シリカ、およびセラミックといった鉱物糸を含み得る。
【0017】
上述のように、連続する導電性ワイヤフィラメント16は、非導電性部材14がほぼ真直ぐな経路に沿って延在し、一方、導電性ワイヤフィラメント16が非導電性部材14を中心とするつる巻状経路に沿って延在するように、非導電性部材14とともに供され得る(図5)か、または、それらが互いに対して軸方向にずれたつる巻状経路を形成するように、非導電性部材14と撚り合わされ得る(図6)。構成の如何に関わらず、導電性ワイヤフィラメント16の少なくとも一部が、非導電性部材14の外面24(図5〜図8)の径方向外側に残ること、または延在することが好ましい。これは、ハイブリッド糸部材12から少なくとも部分的に構成されたスリーブ10の効果的なEMI、RFI、および/またはESD遮蔽特性の維持を容易にする。導電性ワイヤフィラメント16は好ましくは、高い耐腐食性を有するたとえばSS316Lといった低炭素ステンレス鋼などのステンレス鋼の連続する撚り糸として提供されるが、たとえば銅、錫またはニッケルでめっきさ
れた銅、アルミニウム、および他の導電性合金といった金属ワイヤの他の連続する導電性撚り糸が使用可能である。
【0018】
図5〜図8に示すように、連続する導電性ワイヤフィラメント16は、非導電性部材14を中心として撚られるかまたは供されることによって非導電性部材14の上に横たわって、実質的にハイブリッド糸部材12の長さに沿って延在する、導電性ワイヤフィラメント16の1本の撚り糸(図5および図6)、導電性ワイヤフィラメント16の2本の撚り糸(図7)、導電性ワイヤフィラメント16の3本の撚り糸(図8)、または要望通りのそれ以上の撚り糸を有するハイブリッド糸部材12を形成する。ハイブリッド糸部材12の長さに沿った導電性ワイヤの数が増加すると、ハイブリッド糸部材12の導電性が一般に高まるという考えを用いて、求められる導電性および遮蔽性に依存して、任意の所望の数の導電性ワイヤフィラメント16が使用され得る、ということが認識されるべきである。2本以上の導電性ワイヤフィラメント16が使用される場合、それらは、非限定的な一例として、ここに図示するように、異なるつる巻角度を有することにより、および/またはワイヤフィラメント16を反対のつる巻方向に撚るかまたは供することにより、互いに重なり合うように配置され得る。ハイブリッド糸部材12のEMI、RFI、および/またはESD遮蔽性を最大限にするには、導電性ワイヤフィラメント16が何本使われるかに関わらず、それらが非導電性部材14の外面24から外側に少なくとも部分的に露出されたままとなっていることが好ましい。
【0019】
ハイブリッド糸部材12を構成するのに使用されるワイヤフィラメント16の配置およびそれらの特定の構成は、導電性ワイヤ16が1本、2本、3本、またはそれ以上であろうとなかろうと、所望される遮蔽可能性を最大限にするよう選択される。織られたファブリックの構成では、スリーブ10の縦糸方向を横切るハイブリッド糸部材12は、図7および図8に最良に示されるように、少なくとも2本以上の導電性ワイヤフィラメント16を有することが一般的に好ましい。逆に、スリーブ10の横糸方向を横切るハイブリッド糸部材12は、図5および図6に最良に示されるように、1本の導電性ワイヤ16を有することが一般的に好ましい。この構成は、結果として生じるスリーブ10に、最適なEMI、RFI、およびESD遮蔽能力を提供し、一方、長手軸15を中心とする最大のドレープもスリーブ10に提供し、それは、平坦であれ略円筒形であれ所望の形状にスリーブ10を形成しやすくし得る。導電性ワイヤフィラメント16は好ましくは、それら自体と、またはフィラメント16のうちの他のフィラメントと電気的に通じた状態で保たれる、ということが認識されるべきである。そのため、たとえば、縦糸方向を横切るワイヤフィラメント16は、横糸方向を横切る導電性ワイヤフィラメント16と電気的に接触した状態で保たれ、それにより、スリーブ10の外面の周りにEMI、RFI、および/またはESD遮蔽の完全な格子または網を確立する。これは特に、導電性ワイヤフィラメント16が上述のように非導電性フィラメント14から径方向外側に延在することによって可能となる。
【0020】
ハイブリッド糸部材12の構成において行なわれる付加的な検討は、横糸方向および縦糸方向の双方におけるハイブリッド糸12にほぼ同様のデニールを最良に提供することである。そのため、横糸ハイブリッド糸部材12の各々が好ましくは1本の導電性ワイヤフィラメント16を有するならば、下に位置する関連する非導電性フィラメント14は好ましくは、上述のように好ましくは2本以上の導電性ワイヤフィラメント16を有する縦糸ハイブリッド糸部材12で使用される非導電性フィラメント14と比較して、より大きなデニールを有する。横糸および縦糸ハイブリッド糸12にほぼ同じデニールを提供することにより、結果として生じるスリーブファブリックは、より滑らかな外見および感触を有し、それにより、結果として生じるスリーブ10の耐摩耗性を高める。
【0021】
たとえば、横糸ハイブリッド糸部材12は、約1100デニールの非導電性PETマル
チフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、一例では直径が約50μm(我々の例におけるワイヤのこの直径は約140デニールに等しい)のステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する1本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約1240デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。また、縦糸ハイブリッド糸部材12は、約970デニールの非導電性PETマルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約50μmのステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する2本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約1250デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。このため、縦糸および横糸ハイブリッド糸12の、結果としてもたらされるデニールは、互いにほぼ等しい。
【0022】
別の例では、ハイブリッド横糸糸部材12は、約1100デニールの非導電性PETマルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約50μmのステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する1本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約1240デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。また、ハイブリッド縦糸糸部材12は、約830デニールのPET非導電性マルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約50μmのステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する3本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約1250デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。従ってここでも、結果として生じる縦糸および横糸ハイブリッド糸12は、ほぼ同じデニールである。
【0023】
さらに別の例では、ハイブリッド横糸糸部材12は、約530デニールの非導電性m−アラミドマルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約35μm(我々の例におけるワイヤのこの直径は約70デニールに等しい)のステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する1本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約600デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。また、ハイブリッド縦糸糸部材12は、約460デニールのm−アラミド非導電性マルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供されたステンレス鋼ワイヤフィラメント16の、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約35μmの連続する2本の端を有することが可能であり、それにより、約600デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。従って、結果として生じる縦糸および横糸ハイブリッド糸12は、ここでもほぼ同じデニールである。
【0024】
さらに別の例では、ハイブリッド横糸糸部材12は、約530デニールの非導電性m−アラミドマルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約35μmのステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する1本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約600デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。また、ハイブリッド縦糸糸部材12は、約390デニールのm−アラミド非導電性マルチフィラメント14を中心として撚られたかまたは供された、直径が約20〜100μmの、この例では直径が約35μmのステンレス鋼ワイヤフィラメント16の連続する3本の撚り糸を有することが可能であり、それにより、約600デニールのハイブリッド糸部材12がもたらされる。ここでも、縦糸および横糸ハイブリッド糸12の、結果としてもたらされるデニールは、ほぼ同じである。
【0025】
したがって、上述の例が示すように、横糸および縦糸ハイブリッド糸12の多数の構成および配置が無制限で可能である。さらに、上述のように、導電性ハイブリッド糸部材12の導電性を効果的に高めるために、より多くの縦糸導電性ワイヤフィラメント16が使用可能であり、それにより、EMI、RFI、および/またはESD遮蔽有効性を高め、縦糸および横糸ハイブリッド糸部材12の、結果としてもたらされるデニールは、好まし
くは互いにほぼ等しいままとなる。
【0026】
この発明の別の局面は、EMI、RFI、および/またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するための上述のファブリックスリーブ10を構成する方法を含む。この方法は、細長い非導電性フィラメント14と、非導電性フィラメント14の外面上に横たわる少なくとも1本の細長い連続する導電性ワイヤフィラメント16とを各々有する少なくとも1本以上のハイブリッド糸部材12を提供するステップと、次に、ファブリックを形成するために、ハイブリッド糸部材12を、例えば縦糸方向および横糸方向において互いに織り合わせるステップとを含み、縦糸方向に沿って延在するワイヤフィラメント16は、横糸方向に沿って延在するワイヤフィラメント16と直接電気的に導通するようにされる。ファブリックスリーブは、織り手法、編み手法、鉤針編み手法、または編組み手法を介して構成されるということが理解されるべきである。そのため、この方法は、上述の特定のスリーブ構成に所望通りに想到するために、必要に応じて追加のステップを含むということが認識されるべきである。さらに、結果として生じるスリーブが、編むという縦糸または横糸編み形態以外のものを用いて編組みされ、鉤針編みされ、または編まれた場合には、上述の縦糸方向および横糸方向の使用は、これらの構成方法から構成されたスリーブには当てはまらないかもしれない、ということが理解されるべきである。にも関わらず、ハイブリッド糸部材12は、保護スリーブを形成するために、事実上あらゆる布地構成方法を用いて織り合わされ得るということが理解されるべきである。加えて、ハイブリッド糸部材12から構成されたスリーブ10は、さまざまな用途における使用のために、多数の幅、高さ、および長さ、ならびに構造に適合するよう構成され得る。
【0027】
上述の教示に鑑みて、この発明の多くの修正および変形が明らかに可能である。したがって、この発明が、添付された特許請求の範囲内で、具体的に記載されたもの以外のやり方で実践されてもよいということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の現在好ましい一実施例に従った糸で構成された自己巻付きスリーブの斜視図である。
【図2】図1のスリーブの概略部分破断斜視図である。
【図3】現在好ましい別の一実施例に従って構成されたスリーブの概略部分斜視図である。
【図4】この発明の現在好ましいさらに別の一実施例に従って構成されたスリーブの概略部分斜視図である。
【図5】現在好ましい一実施例に従って構成された糸の拡大概略図である。
【図6】現在好ましい別の一実施例に従って構成された糸の拡大概略図である。
【図7】現在好ましい別の一実施例に従って構成された糸の拡大概略図である。
【図8】現在好ましいさらに別の一実施例に従って構成された糸の拡大概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのファブリックスリーブであって、
非導電性フィラメントと、前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる少なくとも1本の連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントを備え、
前記ワイヤフィラメントは、EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材に保護を提供するために、前記スリーブの一部に沿って、それ自体と、または前記ワイヤフィラメントのうちの他のワイヤフィラメントと電気的に通じるように織り合わされている、ファブリックスリーブ。
【請求項2】
複数の糸フィラメントが、スリーブの長さに対応する縦糸方向に沿って延在し、前記縦糸方向の糸フィラメントのうちの少なくとも一部は、前記少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントとして提供されており、複数の糸フィラメントが、前記縦糸方向と略垂直な横糸方向に沿って延在し、前記横糸方向の糸フィラメントのうちの少なくとも一部は、前記少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントとして提供されており、前記縦糸方向の非導電性フィラメント上に横たわる前記ワイヤフィラメントは、前記横糸方向の非導電性フィラメント上に横たわる前記ワイヤフィラメントと電気的に通じている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項3】
前記縦糸方向の糸フィラメントの各々は、前記非導電性フィラメントと、前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる前記少なくとも1本の連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する、請求項2に記載のファブリックスリーブ。
【請求項4】
前記横糸方向の糸フィラメントの各々は、前記非導電性フィラメントと、前記横糸方向の非導電性フィラメントの外面上に横たわる前記少なくとも1本の連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する、請求項3に記載のファブリックスリーブ。
【請求項5】
前記縦糸方向における前記導電性ワイヤフィラメントの各々は、前記横糸方向における前記導電性ワイヤフィラメントの各々と電気的に通じている、請求項4に記載のファブリックスリーブ。
【請求項6】
前記縦糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部、または前記横糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部のうちの少なくとも一方は、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの少なくとも2本を有する、請求項2に記載のファブリックスリーブ。
【請求項7】
連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの前記少なくとも2本は、互いに逆のつる巻方向に配置されている、請求項6に記載のファブリックスリーブ。
【請求項8】
前記横糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部のうちの各々は、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの1本を有する、請求項7に記載のファブリックスリーブ。
【請求項9】
前記縦糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部における前記非導電性フィラメントは、前記横糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部における前記非導電性フィラメントよりも小さいデニールを有する、請求項8に記載のファブリックスリーブ。
【請求項10】
前記縦糸方向の糸は、前記横糸方向の糸と実質的に同じデニールである、請求項9に記載のファブリックスリーブ。
【請求項11】
前記縦糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部、または前記横糸方向の糸フィラメントのうちの前記少なくとも一部のうちの少なくとも一方は、前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの少なくとも3本を有する、請求項2に記載のファブリックスリーブ。
【請求項12】
前記横糸方向の糸フィラメントは、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの1本を有する、請求項11に記載のファブリックスリーブ。
【請求項13】
前記縦糸方向の糸フィラメントは、前記横糸方向の糸フィラメントと実質的に同じデニールである、請求項12に記載のファブリックスリーブ。
【請求項14】
前記3本の連続するワイヤフィラメントのうちの少なくとも1本は、残りの連続するワイヤフィラメントとは異なるつる巻角度を有する、請求項11に記載のファブリックスリーブ。
【請求項15】
前記縦糸方向の糸フィラメントは、前記横糸方向の糸フィラメントと実質的に同じデニールである、請求項2に記載のファブリックスリーブ。
【請求項16】
前記少なくとも1本の導電性ワイヤフィラメントと電気的に通じるように配置された少なくとも1本の織り合わされたドレインワイヤをさらに含む、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項17】
前記少なくとも1本のドレインワイヤは、前記ドレインワイヤの浮遊区間を形成するよう、前記スリーブの長さに沿って、軸方向に間隔をおいた場所で織り合わされている、請求項16に記載のファブリックスリーブ。
【請求項18】
前記非導電性フィラメントはマルチフィラメントである、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項19】
前記少なくとも1本の導電性ワイヤフィラメントは、直径が約20〜100μmである、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項20】
前記スリーブは、前記スリーブの長さに沿って延在する対向し合う自由縁を有し、前記スリーブは、前記縁同士が互いに重なり合うように、自己巻付き形状になるようバイアスをかけられる、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項21】
前記スリーブは、前記自己巻付き形状になるよう熱硬化される熱硬化可能な糸を含む、請求項20に記載のファブリックスリーブ。
【請求項22】
前記熱硬化可能な糸は、熱可塑性物質のモノフィラメントである、請求項21に記載のファブリックスリーブ。
【請求項23】
前記スリーブは、前記自己巻付き形状になるよう前記スリーブにバイアスをかけるために張力をかけられた糸を有する、請求項20に記載のファブリックスリーブ。
【請求項24】
前記対向し合う縁同士を、互いに解除可能に取付けられた関係に保つよう配置された少なくとも1つのファスナをさらに含む、請求項20に記載のファブリックスリーブ。
【請求項25】
前記少なくとも1つのファスナは、前記自由縁のうちの一方の近傍に取付けられたフックと、前記自由縁のうちの他方の近傍に取付けられたループとを含む、請求項24に記載のファブリックスリーブ。
【請求項26】
前記スリーブは、前記スリーブを中心として円周方向に延在する継ぎ目のない壁を有する、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項27】
前記スリーブは織られている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項28】
前記スリーブは編まれている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項29】
前記スリーブは編組みされている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項30】
前記スリーブは鉤針編みされている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項31】
前記少なくとも1本の導電性ワイヤフィラメントは、前記非導電性フィラメントと撚り合わされている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項32】
前記少なくとも1本の導電性ワイヤフィラメントは、前記非導電性フィラメントを中心として供されている、請求項1に記載のファブリックスリーブ。
【請求項33】
EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのファブリックスリーブを構成する方法であって、
非導電性フィラメントと、前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる少なくとも1本の連続する導電性ワイヤフィラメントとを有する少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントを提供するステップと、
ファブリックを形成するために、前記少なくとも1本のハイブリッド糸フィラメントを、それ自体と、または前記ハイブリッド糸フィラメントのうちの他のハイブリッド糸フィラメントと電気的に通じるように織り合わせるステップと、
前記ファブリックを、前記スリーブになるよう形成するステップとを備える、方法。
【請求項34】
複数の前記ハイブリッド糸フィラメントを提供するステップと、前記スリーブの長さに沿って延在する縦糸方向の糸フィラメントと、前記スリーブの幅にほぼ沿って延在する横糸方向の糸フィラメントとを有する前記ファブリックを形成するために、前記複数のハイブリッド糸フィラメントを縦糸方向および横糸方向において互いに織り合わせるステップとをさらに含み、縦糸方向に沿って延在する前記連続する導電性ワイヤフィラメントは、横糸方向に沿って延在する前記連続する導電性ワイヤフィラメントと電気的に通じるようにされる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記縦糸方向の糸フィラメントまたは前記横糸方向の糸フィラメントのうちの少なくとも一方を、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの少なくとも2本で形成するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの前記少なくとも2本を、互いに逆のつる巻方向に配置するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記横糸方向の糸フィラメントを、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの1本で形成するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記縦糸方向の糸フィラメントにおける前記非導電性フィラメントに、前記横糸方向の糸フィラメントにおける前記非導電性フィラメントよりも小さいデニールを提供するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記横糸方向の糸と実質的に同じデニールを有する前記縦糸方向の糸を形成するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記縦糸方向の糸フィラメントまたは前記横糸方向の糸フィラメントのうちの少なくとも一方を、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの少なくとも3本で形成するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記横糸方向の糸フィラメントを、前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの1本で形成するステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記横糸方向の糸フィラメントと実質的に同じデニールを有する前記縦糸方向の糸フィラメントを形成するステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記3本の連続するワイヤフィラメントのうちの少なくとも1本を、残りの連続するワイヤフィラメントとは異なるつる巻角度を有するように配置するステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記縦糸方向の糸フィラメントに、前記横糸方向の糸フィラメントと実質的に同じデニールを提供するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記ファブリックにおいて、ドレインワイヤを、前記スリーブの長さに沿って、かつ前記導電性ワイヤフィラメントと電気的に通じるように織り合わせるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1本のドレインワイヤを、前記スリーブの長さに沿って、軸方向に間隔をおいた場所で前記ファブリックと織り合わせるステップと、前記ドレインワイヤの浮遊区間を形成するステップとをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記非導電性フィラメントをマルチフィラメント糸として提供するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
約20〜100μmの直径を有する前記少なくとも1本の導電性ワイヤフィラメントを提供するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項49】
前記スリーブの長さに沿って延在する対向し合う自由縁を有する前記スリーブを形成するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記自由縁同士が互いに重なり合うように、自己巻付き形状になるよう前記スリーブにバイアスをかけるステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記自己巻付き形状になるよう前記スリーブを熱硬化するステップをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記スリーブに、熱硬化可能な熱可塑性物質のモノフィラメントを提供するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記自己巻付き形状になるよう前記スリーブにバイアスをかけるために、前記横糸方向の糸フィラメントのうちの少なくとも一部に張力をかけるステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項54】
前記自由縁同士を互いに重なり合った関係に解除可能に保つために、前記対向し合う自由縁同士の近傍にファスナを取付けるステップをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
フックが前記自由縁のうちの一方の近傍に取付けられ、ループが前記自由縁のうちの他方の近傍に取付けられたフックおよびループファスナとして、前記ファスナを提供するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記スリーブを中心として円周方向に延在する継ぎ目のない壁を有する前記ファブリックを形成するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項57】
前記ファブリックを織るステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項58】
前記ファブリックを編むステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項59】
前記ファブリックを編組みするステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項60】
前記ファブリックを鉤針編みするステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項61】
EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、細長い部材を保護するためのファブリックスリーブを構成するための導電性ハイブリッド糸フィラメントであって、前記導電性ハイブリッド糸フィラメントのうちの少なくとも1本はスリーブの長さに沿って織り合わされており、前記ハイブリッド糸フィラメントは、
細長い非導電性フィラメントと、
前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる細長い連続する導電性ワイヤフィラメントとを備える、導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項62】
前記ワイヤフィラメントは、前記非導電性フィラメントと撚り合わされている、請求項61に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項63】
前記ワイヤフィラメントは、前記非導電性フィラメントを中心として供されている、請求項61に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項64】
前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる前記連続する導電性ワイヤフィラメントのうちの少なくとも2本をさらに備える、請求項61に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項65】
前記ワイヤフィラメントのうちの前記少なくとも2本は、互いに逆のつる巻方向に配置されている、請求項64に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項66】
前記非導電性フィラメントの外面上に横たわる少なくとも3本の細長い連続する導電性ワイヤフィラメントをさらに備える、請求項61に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項67】
前記3本のワイヤフィラメントのうちの少なくとも1本は、残りのワイヤフィラメントとは逆のつる巻方向に配置されている、請求項66に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項68】
前記3本のワイヤフィラメントのうちの少なくとも1本は、残りのワイヤフィラメントとは異なるつる巻角度を有するように配置されている、請求項66に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項69】
前記非導電性フィラメントは、マルチフィラメントとして形成される、請求項61に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項70】
前記非導電性フィラメントは、熱硬化可能なポリマー材料から形成される、請求項61に記載の導電性ハイブリッド糸フィラメント。
【請求項71】
ファブリックスリーブを形成するための柔軟な導電性ハイブリッド糸フィラメントを構成する方法であって、スリーブは、EMI、RFI、またはESDのうちの少なくとも1つに対し、その内部で受ける細長い部材に保護を提供し、導電性ハイブリッド糸フィラメントは、それ自体と、または前記ハイブリッド糸フィラメントのうちの他のハイブリッド糸フィラメントと電気的に通じるように織り合わされることができ、前記方法は、
細長い非導電性フィラメントを提供するステップと、
細長い導電性ワイヤフィラメントを提供するステップと、
前記非導電性フィラメントの外面上に前記導電性ワイヤフィラメントを横たえるステップとを備える、方法。
【請求項72】
前記導電性フィラメントと前記非導電性フィラメントとがつる巻経路において延在するように、前記導電性フィラメントを前記非導電性フィラメントと撚り合わせるステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記導電性フィラメントがつる巻経路において延在し、前記非導電性フィラメントがほぼ真直ぐな経路において延在するように、前記非導電性フィラメントを中心として前記導電性フィラメントを供するステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記ワイヤフィラメントのうちの少なくとも2本を提供するステップと、前記非導電性フィラメントの外面上に前記少なくとも2本のワイヤフィラメントを横たえるステップとをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも2本のワイヤフィラメントを、互いに逆のつる巻方向に配置するステップをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
少なくとも3本のワイヤフィラメントを提供するステップと、前記非導電性フィラメントの外面上に前記少なくとも3本のワイヤフィラメントを横たえるステップとをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記少なくとも3本のワイヤフィラメントのうちの少なくとも1本を、残りのワイヤフィラメントとは逆のつる巻方向に配置するステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記少なくとも3本のワイヤフィラメントのうちの少なくとも1本を、残りのワイヤフィラメントとは異なるつる巻角度を有するように配置するステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記非導電性フィラメントを、マルチフィラメントとして提供するステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
前記非導電性フィラメントを、熱硬化可能なポリマー材料として提供するステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−532015(P2009−532015A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503151(P2009−503151)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/064351
【国際公開番号】WO2007/117883
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】