説明

ワイヤレスコミュニケーションシステム中、ユーザー装置からの測定報告をネットワークに提供する方法

【課題】ユーザー装置(UE)からの測定報告をワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供する方法と装置を提供する。
【解決手段】ユーザー装置(UE)からの測定報告をネットワークに提供する方法は、ワイヤレスコミュニケーションシステム中に適用し、配置を利用して、測定報告中に、対応する追加の測定結果があるかないかを示すステップと、配置を利用して、一種以上の追加の測定結果を示すステップと、からなる。別の具体例によるUEからの測定報告をネットワークに提供する方法は、測定報告をトリガーするステップと、測定報告がRAT間測定(inter-RAT measurement)によりトリガーされる場合、測定報告中の追加の測定結果を省略するステップと、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレスコミュニケーションネットワークに関するものであって、特に、ワイヤレスコミュニケーションシステム中、ユーザー装置(UE)からの測定報告をネットワークに提供する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置で、大量のデータを通信する必要が急増するにつれて、公知の携帯音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットと通信するネットワークに進化している。このようなIPデータパケット通信は、移動通信装置のユーザーに、ボイスオーバーIP、マルチメディア、マルチキャスト、及び、オンデマンド通信サービスを提供することができる。
【0003】
進化型地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)は、制定されつつある標準化ネットワーク構造である。E-UTRANシステムは、高データスループットを提供して、上記のボイスオーバーIPとマルチメディアサービスを実現することができる。3GPP規格組織は、E-UTRANシステムの標準化作業を実行する。よって、3GPP規格組織の規格は、現在、不断に発展し、整えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ワイヤレスコミュニケーションシステム中、ユーザー装置(UE)からの測定報告をネットワークに提供する方法と装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によると、UEからネットワークに測定報告を提供する方法は、ワイヤレスコミュニケーションシステム中に適用され、配置を利用して、測定報告中に、対応する追加の測定結果があるかどうか示すステップと、配置を利用して、一種以上の追加の測定結果を示すステップと、からなる。
【0006】
別の態様によると、通信装置は、ワイヤレスコミュニケーションシステム中に適用し、制御回路、制御回路にインストールされるプロセッサ、及び、制御回路にインストールされ、プロセッサに結合されるメモリを含む。プロセッサは、メモリに保存されるプログラムコードを実行し、UEからの測定報告を、ワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供し、方法は、配置を利用して、測定報告中に、対応する追加の測定結果があるかどうか示すステップと、配置を利用して、一種以上の追加の測定結果を示すステップと、からなる。
【0007】
別の態様によると、UEからネットワークへ測定報告を提供する方法は、ワイヤレスコミュニケーションシステムに適用し、測定報告をトリガーするステップと、測定報告がRAT間測定(inter-RAT measurement)によりトリガーされる場合、測定報告中の追加の測定結果を省略するステップと、からなる。
【0008】
別の態様によると、通信装置は、ワイヤレスコミュニケーションシステムに適用し、制御回路、制御回路にインストールされるプロセッサ、及び、制御回路にインストールされ、プロセッサに結合されるメモリからなる。プロセッサは、メモリに保存されるプログラムコードを実行し、UEからの測定報告を、ワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供し、測定報告をトリガーするステップと、測定報告がRAT間測定(inter-RAT measurement)によりトリガーされる場合、測定報告中の追加の測定結果を省略するステップと、からなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一具体例によるワイヤレスコミュニケーションシステムを示す図である。
【図2】一具体例による図1のワイヤレスコミュニケーションシステムのユーザープレーンプロトコルスタックを示す図である。
【図3】一具体例による図1のワイヤレスコミュニケーションシステムの制御プレーンプロトコルスタックを示す図である。
【図4】一具体例による伝送システム(アクセスネットワークとして知られる)と受信システム(ユーザー装置、又は、UEとして知られる)を示す図である。
【図5】一具体例によるUEの機能ブロックを示す図である。
【図6】一具体例によるワイヤレスコミュニケーションシステム中、UEからネットワークに測定報告を提供する方法を示す図である。
【図7】別の具体例によるワイヤレスコミュニケーションシステム中、UEからネットワークに測定報告を提供する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下のワイヤレスコミュニケーションシステムと装置は、ブロードキャストサービスをサポートするワイヤレスコミュニケーションシステムを採用する。ワイヤレスコミュニケーションシステムは幅広く、多種の通信、例えば、音声、データなどを提供するのに用いられる。これらのシステムは、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)、3GPP LTE (Long Term Evolution)無線アクセス、3GPP LTE-A (Long Term Evolution Advanced)、3GPP2 UMB (Ultra Mobile Broadband)、WiMax、又は、別の変調技術に基づく。
【0011】
特に、以下のワイヤレスコミュニケーションシステムと装置は、一つ、又は、それ以上の規格、例えば、3GPPと称される"第3世代(3G)移動体通信システムの標準化プロジェクト(3rd Generation Partnership Project)"組織により制定された規準をサポートし、文献 3GPP TS 36.331 v9.3.0、R2-105223、R2-106031を含む。上述の規格と文献は、明確に、本案中に組み込まれる。
【0012】
図1は、一具体例による移動通信システムとなる進化型地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)100のネットワーク構造を示す図である。E-UTRANシステムは、LTE(Long-Term Evolution)システム、又は、LTE-A(Long-Term Evolution Advanced)としても参照される。E-UTRANは、一般に、eNodeB、又は、eNB102を含み、その作用は、携帯音声通信ネットワークの基地局に類似する。各eNBの間は、X2インターフェースにより接続される。eNBsは、無線インターフェースにより、端子、又は、ユーザー装置(UE)104に接続され、S1インターフェースにより、移動性管理エンティティ(MME)、又は、サービングゲートウェイ(S-GW)106に接続される。
【0013】
図2と図3を参照すると、LTEシステムは、制御プレーン108プロトコルスタック(図3で示される)とユーザープレーン110プロトコルスタック(図2で示される)に分けられる。制御プレーンは、UEとeNB間の制御信号の交換機能を実行し、ユーザープレーンは、UEとeNB間のユーザーデータ伝送機能を実行する。図2と図3を参照すると、制御プレーンとユーザープレーンはどちらも、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、媒体アクセス制御(MAC)層、及び、物理(PHY)層を含む。制御プレーンは、更に、無線リソース制御(RRC)層を含む。制御プレーンは、ネットワークアクセス基底(NAS)層も含み、進化パケットシステム(EPS)ベアラー管理、認証、機密管理を含むその他のことを実行する。
【0014】
PHY層は、無線伝送技術を用いて、情報伝送サービスを提供し、開放型システム間相互接続(OSI)層の第一層に対応する。PHY層は、輸送チャネルにより、MAC層に接続される。MAC層とPHY層間のデータ交換は、輸送チャネルにより実行される。輸送チャネルは、特定データがPHY層で処理されるスキームにより定義される。
【0015】
MAC層は、論理チャネルにより、RLC層から伝送されるデータを、適切な輸送チャネルによりPHY層に伝送する機能を実行し、更に、輸送チャネルにより、PHY層から伝送されるデータを、適切な論理チャネルにより、RLC層に伝送する機能を実行する。この他、MAC層は、追加情報を、論理チャネルにより受信されたデータに挿入し、輸送チャネルにより受信されたデータから挿入された追加情報を分析し、これにより、正しい操作を実行し、ランダムアクセス操作を制御する。
【0016】
MAC層とRLC層は、論理チャネルにより、互いに接続される。RLC層は、論理チャネルの設定とリリースを制御し、確認モード(AM)操作モード、未確認モード(UM)操作モード、及び、透過モード(TM)操作モードの一つで操作する。一般に、RLC層は、上層から伝送されたサービスデータユニット(SDU)を、適当なサイズに分割する。更に、RLC層は、自動再送要求(ARQ)により、エラー訂正機能の責任を負う。
【0017】
PDCP層がRLC層上方に設置され、その功能は、IP パケットフォームで伝送されるデータのヘッダー圧縮機能を実行することである。
【0018】
RRC層は、制御プレーンだけで定義される。RRC層は、無線ベアラー(RBs)の構築、再配置、及び、リリースに関する論理チャネル、輸送チャネル、及び、物理チャネルを制御する。ここで、RBは、OSI層の第二層により提供されるサービスで、端子とE-UTRAN間のデータ伝送を意味する。RRC接続が、UEのRRC層と無線ネットワークのRRC層間で構築される場合、UEはRRC接続モードである。そうでなければ、UEはRRCアイドルモードである。
【0019】
図4は、MIMOシステム200中の伝送システム210(アクセスネットワークとしても知られる)と受信システム250(アクセス端子、又は、UEとしても知られる)の具体例を示す図である。伝送システム210で、データストリームのトラフィックデータは、データソース212から、伝送(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0020】
一具体例中、各データストリームは、各自の伝送アンテナにより伝送される。TXデータプロセッサ214は、データストリームに選択された特定の符号化スキームに基づいて、各データストリームのトラフィックデータをフォーマット化、符号化、インターリーブして、符号化データを提供する。
【0021】
各データストリームの符号化データは、OFDM技術を用いて多重化される。パイロットデータは、既知の方式により処理される既知のデータパターンで、受信システムで用いられて、チャネル応答を推定する。続いて、データストリームに選択された特定の変調スキーム(BPSK、QPSK、M-PSK、又は、M-QAM)に基づいて、各データストリームの多重化パイロットと符号化データ(マップされた符号)は変調され、変調符号を提供する。各データストリームのデータ伝送速度、符号化、及び、変調は、プロセッサ230により実行される指令により決定される。
【0022】
その後、全データストリームの変調符号が、TX MIMOプロセッサ220に提供され、更に、変調符号を処理する(例えば、OFDM)。その後、TX MIMOプロセッサ220は、NT個の変調符号ストリームを、NT個の伝送器(TMTR)222a〜222tに提供する。ある具体例中、TX MIMOプロセッサ220は、データストリームの符号と伝送される符号経由のアンテナ上で、ビームフォーミングの重みを使用する。
【0023】
各伝送器222が、各自符号ストリームを受信、処理して、一つ、又は、それ以上のアナログ信号を提供し、更に、アナログ信号を処理(増幅、ろ過、及び、アップコンバート)して、MIMOチャネルにより、伝送に適する変調信号を提供する。その後、伝送器222a〜222tからのNT個の変調信号は、それぞれ、NTアンテナ224a〜224tから伝送される。
【0024】
受信システム250で、伝送された変調信号は、NR個のアンテナ252a〜252rにより受信され、各アンテナ252からの受信信号は、各自受信器(RCVR)254a〜254rに提供される。各受信器254は、各自受信信号を処理(ろ過、増幅、及び、ダウンコンバート)し、処理された信号をデジタル化して、サンプルを提供し、更に、サンプルを処理して、対応する“受信される”符号ストリームを提供する。
【0025】
その後、RXデータプロセッサ260は、特定の受信器処理技術に基づいて、NR個の受信器254からのNR個の受信された符号ストリームを受信、処理して、NT個の“検出される”符号ストリームを提供する。その後、RXデータプロセッサ260は、各検出された符号ストリームを復調、デインタリーブ、復号して、データストリームのトラフィックデータを還元する。RXデータプロセッサ260による処理と、伝送システム210で、TX MIMOプロセッサ220とTX データプロセッサ214により実行される処理は相補的である。
【0026】
プロセッサ270は、周期的に、どのプレコードマトリクスを使用するか判断する(以下で討論する)。プロセッサ270は、マトリクスインデックス部分とランク値部分からなる逆方向リンクメッセージを公式化する。
【0027】
逆方向リンクメッセージは、通信リンク、及び/又は、受信されたデータストリームに関連する多種の情報を含む。その後、逆方向リンクメッセージは、TXデータプロセッサ238により処理され、データソース236からの数個のデータストリームのトラフィックデータを受信し、変調器280により変調され、伝送器254a〜254rにより処理され、伝送システム210に戻される。
【0028】
伝送システム210で、受信システム250からの変調信号は、アンテナ224により受信され、受信器222により処理され、復調器240により復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信システム250により伝送される逆方向リンクメッセージを抽出する。その後、プロセッサ230は、ドンプレコードマトリクスを使用するかを決定し、ビームフォーミングの重みを決定して、抽出されたメッセージを処理する。
【0029】
図5は、一具体例による通信装置の機能ブロックを示す図である。ワイヤレスコミュニケーションシステム中の通信装置300は、図1中のUE104を実現するのに用いられ、ワイヤレスコミュニケーションシステムは、好ましくは、LTEシステム、LTE-Aシステム等である。通信装置300は、入力装置302、出力装置304、制御回路306、中央処理ユニット(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、及び、トランシーバー314を含む。プログラムコード312は、上述のPHY層が含まれないことを除いて、応用層、制御プレーン108の層、ユーザープレーン110の層を含む。制御回路306は、CPU308により、メモリ310中のプログラムコード312を実行し、これにより、通信装置300の操作を制御する。通信装置300は、入力装置302、例えば、キーボードやキーパッドにより、ユーザーにより入力される信号を受信し、出力装置304、例えば、モニターやスピーカーにより、イメージや音声を出力する。トランシーバー314は、無線信号を送受信し、受信信号を制御回路306に伝送し、無線で、制御回路306により生成された信号を出力するのに用いられる。
【0030】
ハンドオーバーは、eNBにより、UEを、ソースセルからターゲットセルにハンドオーバするのを制御する。サービングセルは、UEが接続されるセルを意味し、隣接セルは、同じ周波数(intra-frequency 隣接セル)、又は、異なる周波数(inter-frequency 隣接セル)に隣接する別のセルである。隣接セルも、異なる無線アクセス技術(inter-RAT 隣接セル)を使用する。ハンドオーバーはUE支援ハンドオーバーで、UEはeNBを支援して、ハンドオーバーを決定することを意味する。これは、UEにより、隣接セルに関する測定報告をeNBに伝送することにより完成する。測定報告は、UEで、受信信号強度等のサービングと隣接セルに関する情報を含む。eNBは、サービングセルと隣接セルに関する測定報告中の情報を使用し、UEに命令するかどうか最終決定して、ハンドオーバーを実行する。
【0031】
測定配置は、eNBにより制御される。言い換えると、eNBは、UEに、いつ測定を実行するか、何を測定するか、どのように報告するかを告知する。eNBからUEに伝送されるこのような制御情報は、例えば、どのように測定がろ過されるか、どのように、異なるスレショルドにより測定報告をトリガーするか、何を測定するか、どのように報告するか、測定報告中にどの情報が含まれるに関する情報を含む。
【0032】
LTE-Aは、DLとUL方向両方で、高いバンド幅要求を満たすように設計される。高いバンド幅要求を提供するため、LTE-Aは、コンポーネントキャリアアグリゲーションを利用する。キャリアアグリゲーション(CA)の受信、及び/又は、伝送能力を有するユーザー装置(UE)は、複数のコンポーネントキャリア(CCs)上で、同時に、受信、及び/又は、伝送することができる。キャリアは、バンド幅と中心周波数により定義される。
【0033】
CAが配置された各UEにとって、CCはそのプライマリーセル(PCell)として定義される。異なるUEsは、必ずしも、同じCCを使用して、それらのPCellとする必要がない。PCellはUEのアンカーキャリア(anchor carrier)となり、よって、無線リンク失効監視等の基本機能に用いられる。一つ以上のCCがUEに配置される場合、追加のCCsはUEのセカンダリーセル(SCell)とみなされる。SCellが用いられて、追加のダウンリンクと任意のアップリンク無線リソースを提供する。
【0034】
LTE-A中、ハンドオーバーメッセージがUEに伝送される前、ソース eNBは、一つ、又は、それ以上のターゲットセルを準備する。ソースeNBは、ターゲットPCellを選択する。ソースeNBは、ターゲットeNBに、セルのリストを提供し、無線品質により、よいものから排列し、セルリストは、測定情報が利用可能な各周波数の最適セルを含む。ソースは、利用可能な測定情報も含む。ターゲットeNBは、ハンドオーバー後、どのSCellを使用するかを決定し、これらのSCellは、ソース eNBにより指定されるものと別のセルを含む。
【0035】
CAが配置されるUEにとって、UE測定報告中に含まれるサービングセル品質が延伸されて、全ての配置されたサービングセルを含む。この他、測定報告中、UEは、追加の利用可能な測定も含み、それは、測定識別によるオブジェクトの参照のキャリア以外のキャリア上の最適な非サービングセルに関する。また、追加の測定報告は、配置された測定識別と配置されたSCellを有するキャリアに制限される。
【0036】
R2-104991(3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #7, Madrid, Spain, 23-27 August 2010)中、CAに対する追加の測定報告のメッセージ構造の例が示され、本発明に盛り込まれる。追加の測定報告は、配置されたSCell(s)の測定結果を含み、その構造は、IE measResultSCellList-r10により示され、及び/又は、配置されたSCell(s)のキャリア上の最適な非サービングセルの測定結果を含み、その構造は、IE addMeasResultListEUTRA-r10により示される。追加の制限は、addMeasResultListEUTRA-r10に含まれる測定結果に適用され、例えば、測定結果は、配置された測定識別に対応するキャリア、及び/又は、測定報告の測定識別により対応するオブジェクトと異なるキャリアに制限される。UEに配置されるSCellの数量がnであると仮定すると、追加の測定結果の推定サイズは(6+n*43)ビット(measResultSCellList-r10:(3+n*16)ビットとaddMeasResultListEUTRA-r10:(3+n*27)ビット)である。本発明に組み込まれるR2-104314(GPP TSG-RAN WG2 meeting #71, Madrid, Spain, August 23−27,2010)によると、Rel-9(LTE Release 9)中の移動性増強研究に対し、測定報告のサイズは128ビットである。CA(LTE Rel-10)にとって、通常、一個のUEは、1、又は、2個のSCellを配置し、よって、n=1の時、追加のオーバーヘッドは49ビット(負荷38%)で、n=2の時、92ビット(負荷72%)である。
【0037】
シグナリングオーバーヘッドを減少させるため、本発明は、シグナリング減少メカニズムを提供する。ここで記述される方法は、追加の測定結果、例えば、Rel-9の後に加えられる測定結果の適用性を制限するステップを含む。追加の測定結果のあるタイプはSCellの測定結果である。追加の測定結果の別のタイプは、最適な非サービングセルの測定結果である。追加の制限は、追加の測定結果に応用される。この二種の測定結果は、同じ測定報告メッセージに含まれる。
【0038】
第一具体例によると、最適な非サービングセルの測定結果の配置、例えば、ある事象トリガーの測定報告が、最適な非サービングセルの測定結果を含むべきかが、別の追加の測定結果、例えば、SCellの測定結果等に応用されて、シグナリングオーバーヘッドを減少する。
【0039】
図6は、本発明の第一具体例によるUEからの測定報告をワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供する方法400を示す図で、ステップ402中、配置を利用して、測定報告中に、対応する追加の測定結果が含まれるかどうか示す。方法は、更に、ステップ404で、配置を利用して、一種以上の追加の測定結果を示す。よって、追加の測定結果は、インジケーターにより示される時だけ含まれるので、これにより、CAの測定報告に関連するシグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0040】
追加の測定結果のこのタイプは、SCellの測定結果である。SCellの測定結果は、全ての配置されたUEのSCellの測定結果である。追加の測定結果のタイプは、最適な非サービングセルの測定結果である。最適な非サービングセルの測定結果は、測定報告中、測定識別によるオブジェクトの参照のキャリア以外のキャリア上の最適な非サービングセルの測定結果である。最適な非サービングセルの測定結果は、配置された測定識別と配置されたSCellを有するキャリアに制限される。
【0041】
具体例中で使用される配置は、トリガー事象に関連し、測定報告をトリガーする。更に、配置は、測定報告配置(IEreportConfig)、測定配置(IEmeasConfig)、及び/又は、RRC接続再配置メッセージに含まれる。
【0042】
第二具体例によると、追加の測定結果は、UEがある状況中で省略されて、シグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0043】
図7は、本発明の第二具体例による、UEからの測定報告を、ワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供する方法500を示す図で、ステップ502で、測定報告をトリガーし、ステップ504で、測定報告がRAT間測定によりトリガーされる場合、測定報告中の追加の測定結果を省略する。測定報告中に追加の測定結果を含むので、測定報告のサイズが増加する。RAT間測定によりトリガーされる測定報告中の追加の測定結果の省略は、各測定報告が全ての追加の測定結果を搭載する必要をなくし、よって、RAT間測定によりトリガーされる測定報告のシグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0044】
追加の測定結果のタイプは、SCellの測定結果である。SCellの測定結果は、全ての配置されたSCellのUEの測定結果である。追加の測定結果のタイプは、最適な非サービングセルの測定結果である。最適な非サービングセルの測定結果は、測定報告中、測定識別によるオブジェクトの参照のキャリア以外のキャリア上の最適な非サービングセルの測定結果である。最適な非サービングセルの測定結果は、配置された測定識別と配置されたSCellを有するキャリアに制限される。
【0045】
RAT間測定は、UTRA/GERAN/CDMA2000周波数に関連する測定である。測定報告中の測定識別は、E-UTRキャリア以外の測定オブジェクトに関連する。あるinter-RAT 隣接セルの測定結果が、所定のスレショルドよりもよくなる時、測定報告がトリガーされる。トリガーする事象は、事象B1:Inter-RAT隣接セルがスレショルドよりもよくなると定義される。測定報告も、サービング PCellの測定結果が、所定のスレショルドより悪くなり、あるinter-RAT隣接セルの測定結果が、別の所定のスレショルドよりよくなる時、トリガーされる。トリガーする事象は、事象B2:サービングがスレショルド1より悪くなり、inter-RAT隣接セルがスレショルド2よりよくなると定義される。事象B1と事象B2の詳細は、それぞれ、3GPP TS 36.331 v9.3.0 5.5.4.7 と 5.5.4.8で示されている。第二具体例によると、事象に、追加の測定結果が、事象によりトリガーされる測定報告に含まれるかを示す配置がない。第二具体例によると、キャリアアグリゲーションがUEに配置される。更に、少なくとも一つのSCellがUEに配置される。
【0046】
図5は、一具体例によるUEの機能ブロックを示す図で、UE300は、メモリ310に保存されるプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述の第一具体例の方法のステップ、又は、第二具体例の方法のステップを実行する。
【0047】
以上の段落は、様々な態様を開示している。本文の教示は、多種の方式で実現され、範例中で開示される特定の構造、機能、又は、両方は、代表的なものであることが理解できる。本文の教示に基づくと、当業者なら、本文中の各態様で、実行することができる、又は、二種以上の態様を合併して実行することが出来ることが理解できる。例えば、装置や方法は、前述の態様により実行、実現する。この他、このような装置の実行、方法は、別の構造、機能性、又は、構造、及び、機能性を、前述の一つ、又は、それ以上の態様に加える、又は、前述の一つ、又は、それ以上の態様と異なることにより実行される。更に例を挙げて、上述の概念を説明すると、ある態様で、並列チャネルは、パルス繰り返し周波数に基づいて構築される。ある態様で、並列チャネルは、パルス位置かオフセットに基づいて構築される。ある態様で、並列チャネルは、時間ホッピングシーケンスに基づいて構築される。ある態様で、並列チャネルは、パルス繰り返し周波数、パルス位置、又は、オフセット、及び、時間ホッピングシーケンスに基づいて構築される。
【0048】
当業者なら分かるように、情報と信号は、多種の異なる技巧と技術により表現される。例えば、上述で引用されるデータ、指令、命令、情報、信号、ビット、符号、及び、チップは、電圧、電流、電磁波、電界、磁性粒子、光場、又は、光粒子、又は、それらの組み合わせにより表わされる。
【0049】
当業者なら更に理解できることは、各種説明性の論理ブロック、モジュール、プロセッサ、装置、回路、及び、アルゴリズムステップと上述で開示される各種状況は、電子ハードウェア(例えば、ソースコード、又は、別の技術を用いて設計されるデジタル実現、アナログ実現、又は、二個の組み合わせ)、指令と連結する多種の形式のプログラムや設計コード(ここでは、便宜上、“ソフトウェア”、又は、“ソフトウェアモジュール”とする)、又は、二種の組み合わせとして実行される。ハードウェアとソフトウェアの互換性をはっきりと説明するため、多種の説明性のコンポーネンツ、ブロック、モジュール、回路、及び、ステップは、以上の描写では、概して、それらの機能性を主とする。このような機能性は、全体のシステム上の特定のアプリケーションと設計制約に基づいて、ハードウェア、又は、ソフトウェアとして実行される。熟練した職人は、各特定のアプリケーションに、記述された機能性を各種方式で実行するが、このような実行の決定は、本文で開示される範囲から逸脱すると解釈されてはならない。
【0050】
この他、各種説明性の論理ブロック、モジュール、及び、回路、及び、ここで開示される各種態様は、集積回路(“IC”)、アクセス端子、又は、アクセスポイント内で実施されるか、又は、集積回路(“IC”)、アクセス端子、又は、アクセスポイントにより実施される。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は、別のプログラム可能論理回路、離散ゲート、又は、トランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネンツ、電気部品、光学部品、機械部品、又は、上述の組み合わせの設計を含み、記述される機能を実行し、IC内、IC外、又は、両方に存在するコードや指令を実行する。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであるが、別の方法では、プロセッサは、公知のプロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、又は、状態機械である。プロセッサは、コンピュータデバイスの組み合わせとして実行され、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、一つ、又は、それ以上のマイクロプロセッサ、及び、DSPコア、又は、その他の類似の配置である。
【0051】
ここで開示されたプロセス中の特定順序、又は、階層のステップは、例の方式であることが理解できる。デザイン嗜好に基づくと、プロセスの特定順序、又は、階層のステップは再編成できるが、ここで開示される範囲内に含まれる。付随の方法の特許請求は、例の順序で、各種ステップの素子を示し、よって、示される特定順序、又は、階層に制限されるべきではない。
【0052】
ここで開示される形式に関連する方法やアルゴリズムは、直接、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール、又は、両者の組み合わせで実施される。ソフトウェアモジュール(例えば、実行可能な指令と相関データを含む)と別のデータは、データメモリ、例えば、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル・ディスク、CD-ROM、又は、その他の形式の既知のコンピュータ-可読ストレージ媒体に存在する。サンプルストレージ媒体は、機械、例えば、コンピュータ/プロセッサ(ここでは、便宜上、“プロセッサ”とする)に結合され、このようなプロセッサは、ストレージ媒体から、情報(例えば、コード)を読み取り、ストレージ媒体に情報を書き込む。サンプルストレージ媒体は前記プロセッサに整合される。プロセッサとストレージ媒体は、ASICに存在する。ASICはユーザー装置に存在する。別の方法で、プロセッサとストレージ媒体は、ユーザー装置中の個別部品として存在する。更に、ある態様で、適当なコンピュータ-プログラム製品は、一つ、又は、それ以上の態様に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体からなる。ある態様で、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料からなる。
【0053】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を規格とする。
【符号の説明】
【0054】
100 E-UTRANのネットワーク構造
102、eNB 進化型基地局
104、UE ユーザー装置
106 移動性管理エンティティ (MME)、又は、サービングゲートウェイ (S-GW)
108 制御プレーン
110 ユーザープレーン
200 MIMO システム
210 伝送システム
212、236 データソース
214、238 伝送データプロセッサ
220 TX MIMO プロセッサ
222a、222t 伝送器/受信器
224a、224t、252a、252r アンテナ
230、270 プロセッサ
232、272、310 メモリ
240 復調器
242、260 RX データプロセッサ
250 受信システム
254a、254r 受信器/伝送器
280 変調器
300 通信装置
302 入力装置
304 出力装置
306 制御回路
308 中央処理ユニット
312 プログラムコード
314 トランシーバ
400、500 方法
E-UTRAN 進化型地上無線アクセスネットワーク
MAC 媒体アクセス制御層
MME 移動性管理エンティティ
NAS ネットワークアクセス基底
PDCP パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル
PHY 物理層
RLC 無線リンク制御層
RRC 無線リソース制御
S1、X2 インターフェース
S-GW サービングゲートウェイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー装置(UE)からの測定報告を、ネットワークに提供する方法であって、ワイヤレスコミュニケーションシステム中に適用し、前記方法は、
配置を用いて、前記測定報告中に、対応する追加の測定結果が含まれるかを示すステップと、
前記配置を用いて、一種以上の追加の測定結果を示すステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記の一種以上の追加の測定結果は、セカンダリーセル(SCells)の前記測定結果を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SCellの測定結果は、前記UEの全ての配置されたSCellの前記測定結果であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の一種以上の前記追加の測定結果は、前記最適な非サービングセルの測定結果を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最適な非サービングセルの前記測定結果は、前記測定報告中、前記測定識別によるオブジェクトの参照のキャリア以外のキャリア上の最適な非サービングセルの測定結果であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記最適な非サービングセルの測定結果は、配置された測定識別と配置されたSCellを有する前記キャリアに制限されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記配置は、測定報告をトリガーすることができるトリガー事象に関連することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記配置は、前記測定報告配置(IE reportConfig)に含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記配置は、前記測定配置(IE measConfig)に含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記配置は、無線リソース制御接続再配置メッセージに含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
通信装置であって、ワイヤレスコミュニケーションシステムに適用し、前記通信装置は、
制御回路と、
前記制御回路にインストールされるプロセッサと、
前記制御回路にインストールされ、プロセッサに結合されるメモリと、
からなり、
前記プロセッサが配置されて、前記メモリに保存されるプログラムコードを実行して、以下のステップを実行し、ユーザー装置(UE)からの測定報告を、ワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供し、前記ステップは、
配置を用いて、前記測定報告中に、対応する追加の測定結果が含まれるかどうかを示すステップと、
前記配置を用いて、一種以上の追加の測定結果を示すステップと、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項12】
ユーザー装置(UE)からの測定報告を、ネットワークに提供する方法であって、ワイヤレスコミュニケーションシステム中に適用し、前記方法は、
測定報告をトリガーするステップと、
前記測定報告が、RAT間測定(inter-RAT measurement)によりトリガーされる場合、前記測定報告中の追加の測定結果を省略するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記追加の測定結果は、セカンダリーセル(SCells)の前記測定結果を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記SCellの測定結果は、前記UEの全ての配置されたSCellの前記測定結果であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記追加の測定結果は、前記最適な非サービングセルの測定結果を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記最適な非サービングセルの前記測定結果は、前記測定報告中、前記測定識別によるオブジェクトの参照のキャリア以外のキャリア上の前記最適な非サービングセルの測定結果であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記最適な非サービングセルの測定結果は、配置された測定識別と配置されたSCellを有する前記キャリアに制限されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記RAT間測定は、UTRA/GERAN/CDMA2000周波数に関する測定であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記測定報告中の前記測定識別は、E-UTRAキャリア以外の前記測定オブジェクトに関連することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記測定報告は、事象B1:Inter-RAT隣接セルがスレショルドよりよくなることによりトリガーされることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記事象に、前記追加の測定結果が、前記事象によりトリガーされる前記測定報告に含まれるかを示す配置がないことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記測定報告は、事象B2:サービングがスレショルド1より悪くなり、inter-RAT 隣接セルがスレショルド2よりよくなることによりトリガーされることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記事象に、前記追加の測定結果が、前記事象によりトリガーされる前記測定報告に含まれるかを示す配置がないことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記測定報告がRAT間測定によりトリガーされず、前記UEが、前記測定報告中、前記追加の測定結果を含むように配置される場合、前記追加の測定結果は、測定報告に含まれることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項25】
キャリアアグリゲーションは、前記UEに配置されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも一つのSCellは、前記UEに配置されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項27】
通信装置であって、ワイヤレスコミュニケーションシステムに適用され、前記通信装置は、
制御回路と、
前記制御回路にインストールされるプロセッサと、
前記制御回路にインストールされ、プロセッサに結合されるメモリと、
からなり、
前記プロセッサが配置されて、前記メモリに保存されるプログラムコードを実行して、以下のステップを実行し、ユーザー装置(UE)からの測定報告を、ワイヤレスコミュニケーションシステム中のネットワークに提供し、前記ステップは、
前記測定報告をトリガーするステップと、
前記測定報告が、RAT間測定(inter-RAT measurement)によりトリガーされる場合、前記測定報告中の追加の測定結果を省略するステップと、
を有することを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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