説明

ワイヤーハーネス分岐クランプ及びワイヤーハーネス分岐構造

【課題】ワイヤーハーネスの電線群から枝線を分岐させて配索する際に分岐の中心位置に配置することができかつ分岐数に制約されることなくあらゆる分岐形態に適応できるワイヤーハーネス分岐クランプを提供する。
【解決手段】ワイヤーハーネスの分岐部を固定するワイヤーハーネス分岐クランプであって、第1のクランプ12と第2のクランプ13を有し、第1のクランプは、分岐部の下側に配置される基板15と基板の上面に垂設されワイヤーハーネスの分岐部の略中心を貫通する支柱16と支柱の外周面に先端側から基端側に向かってテーパー状に拡径しかつ弾性変形可能な先端側から基端側に複数形成された係止部17とを有し、第2のクランプは、支柱が係止部を弾性変形させながら貫通する貫通孔13aを有する板状部材であって第1のクランプの係止部を係止可能とされている構造としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーハーネスの主線と枝線との分岐部をクランプするワイヤーハーネス分岐クランプ及びワイヤーハーネス分岐構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に配索するワイヤーハーネスの組立は、作業台上にワイヤーハーネスの配索経路に沿ってハーネス冶具を立設しておき、ワイヤーハーネスを構成する電線群を順次ハーネス冶具に通して配索し、配索終了後に粘着テープ等を巻き付けて結束している。このワイヤーハーネス組立時において主線(幹線)のワイヤーハーネスの電線群から枝線(支線)のワイヤーハーネスを分岐させて配索しているが、分岐位置ではハーネス冶具を通して枝線端末側のハーネス冶具まで枝線を分岐させて配索しているだけであり、主線と枝線との分岐位置が固定されていない。従って、この分岐位置を固定しておく必要がある。
【0003】
従来、ワイヤーハーネスの分岐部を固定する場合ハーネス分岐処理後、例えば図10に示すように専用の分岐バンドクランプ1の配線方向の両側部のバンド2,3によりワイヤーハーネス10の主線10a側と各枝線10b,10c,10d,10e側とを分岐して収束したり、図11に示すように両持ち板クランプ5の配線方向両端部にテープ6,6により主線10aと枝線10b,10c,10d,10e側とを分岐して収束したり、図12に示すようにバンドクランプ7により主線10a側と枝線10d、10e,10f側とを分岐して結束したり、図13に示すように片持ち板クランプ8の配線方向の一側端にテープ9により主線10a側と枝線10d、10e,10f側とを分岐して結束したりしている。
【0004】
また、両持ちのクランプ部材として基部に伸設されてワイヤーハーネスに巻き付ける2本の分岐巻着バンドを、基部の挿通係止孔に通して係止する電線分岐部分に取り付けるワイヤーハーネス用バンド型クランプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、片持ちのクランプ部材として垂直板からなる中央仕切板と、該中央仕切板の配線方向先端側の一端面より突設する分岐保持部と、中央仕切板の両側面により分岐保持部とは直交方向にコ字状枠或いは結束バンドからなる幹線保持部と支線係止部とを備え、ワイヤーハーネスの幹線と支線とは幹線保持部材を通して保持し、幹線保持部で保持した幹線を幹線配線方向に配線していると共に支線は中央仕切板の先端面に設けた分岐保持部を通して折り返し、支線保持部で保持した後に支線配線方向に配線する分岐位置決め材が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平6−65683号公報(6乃至7ページ、図1)
【特許文献1】特開平11−34141号公報(4乃至6ページ、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記図10に示す分岐バンドクランプ1は、樹脂成型構造であるため図14に示すように分岐を出す幅寸法W1が制限され分岐数が制約される。また、図10、図11に示す両持ち板クランプ5は、樹脂成形構造であるため配線方向の長さL1,L2が制限されている。また、図12に示すバンドクランプ7及び図13に示す片持ち板クランプは、図15に示すように分岐中心Oから幅寸法W2だけ離れた位置に固定しなければクランプの固定ができないため、分岐中心Oとクランプ中心O’とが同一位置にならず分岐の中心に配置することができず、所定の方向に分岐して見栄え良く延伸することが困難である。
【0007】
また、図10乃至図13に示すクランプは、何れもクランプの配線方向の長さを確保する必要があり、他の部品と干渉したり、ハーネス分岐部のバラツキが生じたりすることもある。特許文献1及び2に開示されているクランプについても上述と同様の問題がある。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、ワイヤーハーネス組立時において主線のワイヤーハーネスの電線群から枝線のワイヤーハーネスを分岐させて配索する際に分岐の中心位置に配置することができかつ分岐数に制約されることなくあらゆる分岐形態に適応できるワイヤーハーネス分岐クランプ及びワイヤーハーネス分岐構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明に係わるワイヤーハーネス分岐クランプは、ワイヤーハーネスの分岐部を固定するワイヤーハーネス分岐クランプであって、第1のクランプと第2のクランプを有し、前記第1のクランプは、前記分岐部の下側に配置される基板と、前記基板の上面に垂設され前記ワイヤーハーネスの分岐部の略中心を貫通する支柱と、前記支柱の外周面に先端側から基端側に向かってテーパー状に拡径しかつ弾性変形可能な、先端側から基端側に複数形成された係止部とを有し、前記第2のクランプは、前記支柱が前記係止部を弾性変形させながら貫通する貫通孔を有する板状部材であって、前記第1のクランプの係止部を係止可能とされていることを特徴としている。
【0010】
ワイヤーハーネスの配索経路に沿ってハーネス冶具を立設し、分岐位置に配置したハーネス冶具の略中央(分岐の中心)に第1のクランプの基板を載置して支柱を垂設する。そして、ワイヤーハーネスを構成する電線群を順次ハーネス冶具に通して配策し、分岐部に配置された第1のクランプの支柱を中心として枝線を所定の方向に分岐する。次いで、ワイヤーハーネスの分岐の略中心から突出している支柱の先端側に第2のクランプを装着する。支柱は、先端側から基端側に向かってテーパー状に拡径する係止部を弾性変形させながら挿通孔を挿通し、係止部は、挿通孔を挿通した後元の形状に復帰して第2クランプに固定される。これにより、ワイヤーハーネスの分岐部が固定される。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載のワイヤーハーネス分岐クランプは、請求項1に記載のワイヤーハーネス分岐クランプにおいて、前記第2のクランプの挿通孔の内周面には、前記第1のクランプの係止部を係止する係止爪を有することを特徴としている。
【0012】
第1のクランプの支柱に先端側から基端側に向かってテーパー状に形成された係止部は、第2のクランプの挿通孔の内周面に形成された係止爪により弾性変形されながら挿通し、係止爪を挿通した後元の形状に復帰して該係止爪に係止される。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載のワイヤーハーネス分岐構造は、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス分岐クランプをワイヤーハーネスの分岐部に取り付けてなるワイヤーハーネス分岐構造であって、前記ワイヤーハーネスの分岐部は、その略中心を前記第1のクランプの支柱が貫通するように形成され、前記ワイヤーハーネスの分岐部から突出した前記第1のクランプの支柱の先端から前記第2のクランプが挿通され、前記第2のクランプの係止爪により前記第1のクランプの係止部が抜け止め状態に固定されていることを特徴としている。
【0014】
ワイヤーハーネスの配索経路に沿ってハーネス冶具を立設し、分岐位置に配置したハーネス冶具の略中央(分岐の中心)に第1のクランプの基板を載置して支柱を垂設する。そして、ワイヤーハーネスを構成する電線群を順次ハーネス冶具に通して配策し、分岐部に配置された第1のクランプの支柱を中心として枝線を所定の方向に分岐する。次いで、ワイヤーハーネスの分岐の略中心から突出している支柱の先端側から第2のクランプの挿通孔に挿通し、支柱の先端側から基端側に向かってテーパー状に拡径する係止部を挿通孔の内周面に形成されている係止爪により弾性変形させながら挿通する。係止部は、係止爪を挿通した後元の形状に復帰して当該係止爪に係止されて抜け止め状態に固定される。これにより、ワイヤーハーネスの分岐部が固定される。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載のワイヤーハーネス分岐構造は、請求項3に記載のワイヤーハーネス分岐構造において、前記ワイヤーハーネスの分岐部上に突出した前記第1のクランプの支柱の先端側が、所定長、切断除去されてなることを特徴としている。
【0016】
第2のクランプから突出した第1のクランプの支柱の先端側を所定長さに切断して除去し、支柱の先端部が他部品と干渉することを無くすと共に見栄えの向上を図る。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載のワイヤーハーネス分岐構造は、請求項3または請求項4に記載のワイヤーハーネス分岐構造において、前記第2のクランプの上から突出した前記第1のクランプの支柱がアンカー部とされ、車両ボディに形成されているワイヤーハーネス取り付け用の穴に挿入して固定されていることを特徴としている。
【0018】
ワイヤーハーネス径が細く分岐部の第2のクランプから突出する支柱の上部の長さが長い場合には係止部を複数残した位置で切断してアンカー部とし、車両ボディに形成されたワイヤーハーネス取り付け用の穴に挿入して係止部により係止固定する。ワイヤーハーネス径が太く分岐部の第2のクランプから突出する支柱の上部の長さが短い場合は特に切断することなくそのままアンカー部として使用する。
【0019】
また、本発明の請求項6に記載のワイヤーハーネス分岐構造は、請求項3乃至請求項5の何れかに記載のワイヤーハーネス分岐構造において、前記ワイヤーハーネスの分岐部はテープ巻きで分岐状態が保持されていることを特徴としている。
【0020】
第1のクランプ及び第2のクランプにより分岐したワイヤーハーネスの分岐部をテープで巻回してワイヤーハーネスとこれらの第1及び第2のクランプを一体に固定する。これにより、ワイヤーハーネスの分岐部の分岐状態を保持する。また、テープを巻回することで第1のクランプ及び第2のクランプが外部から見えなくなり見栄えが向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、第1のクランプの基板の上面略中央に円柱状の支柱を垂設したことにより分岐の中心に容易に貫通させて配置することができるために所望の方向に見栄え良く枝線を分岐することができる。また、分岐数に制約されることが無くあらゆる分岐形態に適応することができ、しかもクランプが容易である。また、簡素な形状であるために金型抜き方向が単純であり製造が容易である。
【0022】
また、分岐部を固定した後で第2のクランプから突出した第1のクランプの支柱をカットすることができるため、支柱の長さを長く形成することができ小径から大径までの種々のハーネス径に適応することができる。更に、第1のクランプの支柱を適宜の長さで容易にカットして短くすることができ、見栄えが良くなると共に他の部品と干渉することも防止することができる。
【0023】
また、分岐部を固定した後に第2のクランプから突出した第1のクランプの支柱の上部をアンカー部として車両ボディに形成されたワイヤーハーネス取付用の穴に挿入して係止することができ、車体ボディに簡単にかつ見栄え良く固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係わるワイヤーハーネス分岐クランプの組立斜視図を示し、ワイヤーハーネス分岐クランプ11は、第1のクランプ12と第2のクランプ13とからなる。第1のクランプ12は、四角形状の基板15の上面中央位置に円柱状の支柱16が垂設されており、その長さは、ある程度のワイヤーハーネス径に適用できる長さに設定されている。そして、支柱16の外周面に先端部16a近傍から基端部16b近傍まで係止部17が軸方向に沿って所定の間隔(ピッチ)を存して多数形成されている。
【0025】
係止部17は、支柱16よりも大径の円形をなしかつ支柱16と同心円をなし、図1に示すように支柱16の先端部16a側から基端部16b側に向かってテーパー状に拡径し横方向から見て傾斜する(図2参照)円形のフィン状(傘状)をなしている。また、係止部17は、図2に示すようにその肉厚が付け根部(円柱16との連設部)17aから外周縁部(先端部)17bに向かってテーパー状をなして徐々に薄くなるように形成されている。この第1のクランプ12は、樹脂部材により一体に形成されている。従って、係止部17は、弾性を有しており外周縁部17bがテーパー方向に弾性変形(傘をすぼめるように変形)可能とされている。この第1のクランプ12は、簡素な形状であり型抜き方向が単純であり、製造が容易である。
【0026】
第2のクランプ13は、図1に示すように第1のクランプ12の基板15よりも僅かに大きい略四角形状の板状部材であり、中央部に支柱16に形成されている係止部17の外径よりも僅かに大径の挿通孔13aが形成され、図2に示すように両側の開口端13b、13bが面取されて何れの開口端側からも支柱16及び係止部17の挿入が容易とされている。そして、挿通孔13aの内周面略中央位置に係止爪18が周方向に沿って内側(中心方向)に同心状に張り出して形成されている。
【0027】
係止爪18は、図2に示すように断面形状が略二等辺三角形状の山形をなし、その尖った先端(稜)の内径が支柱16の外径よりも僅かに大径をなしており、付け根部の厚みが支柱16に軸方向に多数形成されている係止部17の間隔(ピッチ)と略同じ寸法とされている。この第1のクランプ13も樹脂部材により一体に形成されている。
【0028】
そして、第2のクランプ13を第1のクランプ12に嵌め合わせた際、第1のクランプ12の支柱16が第2のクランプ13の挿通孔13aに図2の矢印A方向に挿入されるときには第2のクランプ13の係止爪18が挿入方向にテーパー状をなす(傘状をなす)係止部17をすぼめるように作用して容易に挿入可能とされる。しかしながら、矢印B方向に対しては係止爪18が挿入方向にテーパー状をなす係止部17を反り返らせるように作用するが、係止部17が反り返り難くいために抜け難くなる。即ち、第1のクランプ12の係止部17は、第2のクランプ13が支柱12に装着し易くかつ外れ難い構造とされている。
【0029】
クランプ11は、ワイヤーハーネスの分岐の中心位置に配置するものであり、第1のクランプ12の基板15、第2のクランプ13は、ワイヤーハーネスの外径に対して小さい形状とされ、分岐の中心に位置する第1のクランプ12の支柱16も小径とされている。尚、第1のクランプ12の基板15及び第2のクランプ13の形状は、上述した四角形状に限るものではなく、他の形状例えば円形でも良い。
【0030】
以下に上記構成のクランプの使用例を説明する。ワイヤーハーネスの組立は、作業台上にワイヤーハーネスの配索経路に沿ってハーネス冶具を立設しておき、ワイヤーハーネスを構成する電線群を順次ハーネス冶具に通して配索する。そして、ワイヤーハーネスの分岐部を固定する場合、図3に示すように分岐位置に配置したハーネス冶具21の載置台22の略中央位置、即ち分岐の中心位置に第1のクランプ12の基板15を載置し支柱16を垂設する。支柱16は、棒状(円柱形状)であるため、分岐の中心位置に容易に配置することができる。
【0031】
次いで、図4に示すようワイヤーハーネス10を構成する電線群を順次ハーネス冶具21の載置台22及び第1のクランプ12の基板15(図3参照)上に配索し、支柱16を中心として例えば枝線(支線)10b,10c,10d,10eを所定の方向に分岐して延伸する。係止部17は、先端側から基端側に向かって(下方に向かって)テーパー状(傘上)に傾斜していることで支柱16の上方から電線群を配策する際に係止部17上を滑り落ち、容易に配策することが可能である。
【0032】
支柱16は、前述したように長く形成されており、ある程度のワイヤーハーネス径に適用することができる。この状態において支柱16は、上部がワイヤーハーネス10から突出している。次に、図5に示すようにワイヤーハーネス10と共に第1のクランプ12をテープ23で収束して分岐部10gを形成する。従って、基板15は、テープ23により巻回されて外部から見えなくなっている。また、支柱16の上部は、テープ23から上方に突出している。
【0033】
次に、図6に示すように支柱16に第2のクランプ13を装着してテープ23に押し付ける。第2のクランプ13は、図2に示すように係止爪18が支柱16に形成されている係止部17により係止されて当該位置に逸脱不能に係止固定される。これにより、ワイヤーハーネス10の分岐部10gが固定される。次に、図7に示すように第2のクランプ13から突出している支柱16の上部を適当な位置例えば図3に示すように係止部17を1つ位残して余裕を持って切断する。これにより、分岐部10gの突出部が短くなり、見栄えが良くなると共に他の部品との干渉も防止することができる。
【0034】
また、支柱16が円柱状をなし、係止部17が支柱16と同心円形状をなしており、挿通孔13aが円形をなしその両側の開口端13bが面取されかつ係止爪18の断面形状が略二等辺三角形状をなしていることで、第2のクランプ13は、上下の区別及び前後左右等の方向性が無く何れの向きにも支柱16に装着可能であり、作業性の向上が図られる。
【0035】
また、図8及び図9に示すように第2のクランプ13から突出する支柱16の先端部を係止部17を複数例えば4つ位残した位置で切断してアンカー部とし、車両ボディ25に形成されているワイヤーハーネス取付用の穴26に挿入して係止部17により固定しても良い。このようにして車両ボディ25にワイヤーハーネス10を取り付けると、第1、第2のクランプ12,13即ちワイヤーハーネス分岐クランプ11が外部から全く見えなくなり見栄えが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係わるワイヤーハーネス分岐クランプの組立斜視図である。
【図2】図1に示したワイヤーハーネス分岐クランプを組み付けた状態の要部断面図である。
【図3】ワイヤーハーネスの分岐部に配置したハーネス冶具上に図1に示した第1のクランプを載置した状態の斜視図である。
【図4】図3に示したハーネス冶具及び第1のクランプ上にワイヤーハーネスを配策して分岐した状態の斜視図である。
【図5】図4に示したワイヤーハーネスと共に第1のクランプを収束した状態の斜視図である。
【図6】図5に示したワイヤーハーネスの分岐部中心から突出した第1のクランプの支柱に第2のクランプを装着した状態の斜視図である。
【図7】図6に示したハーネス冶具から取り外して分岐部の第2クランプから突出した第1のクランプの支柱の上部を短く切断した状態の斜視図である。
【図8】図6に示したハーネス冶具から取り外して分岐部の第2クランプから突出した第1のクランプの支柱を適宜の長さに切断してアンカー部として車両ボディのワイヤーハーネス取付用穴に取り付ける場合の説明図である。
【図9】図8に示したワイヤーハーネス分岐部をアンカー部を介して車両ボディのワイヤーハーネス取付穴に取り付けた状態の要部断面図である。
【図10】従来の専用の分岐バンドクランプによりワイヤーハーネスの主線側と枝線側とを分岐して収束したワイヤーハーネスの分岐部の説明図である。
【図11】従来の両持ち板クランプとテープとによりワイヤーハーネスの主線側と枝線側とを分岐して収束したワイヤーハーネスの分岐部の説明図である。
【図12】従来のバンドクランプによりワイヤーハーネスの主線側と枝線側とを分岐して結束したワイヤーハーネスの分岐部の説明図である。
【図13】従来の片持ち板クランプとテープとによりワイヤーハーネスの主線側と枝線側とを分岐して結束したワイヤーハーネスの分岐部の説明図である。
【図14】図10及び図11に示したクランプによる分岐部の配線方向の長さの説明図である。
【図15】図12及び図13に示したクランプによる分岐部の分岐中心とクランプの中心との位置ずれの説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 分岐バンドクランプ
2,3 バンド
5 両持ち板クランプ
6 テープ
7 ハンドクランプ
8 片持ち板クランプ
9 テープ
10 ワイヤーハーネス
10a 主線(幹線)
10b,10c,10d,10e,10f 枝線(支線)
10g 分岐部
11 ワイヤーハーネス分岐クランプ
12 第1のクランプ
13 第2のクランプ
13a 挿通孔
13b 開口端
15 基板
16 支柱
16a 先端部
16b 基端部
17 係止部
17a 付け根部
17b 外周縁部(先端部)
18 係止爪
21 ハーネス冶具
22 載置台
23 テープ
25 車両ボディ
26 ワイヤーハーネス取付用の穴
O 分岐中心
O’ クランプ中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーハーネスの分岐部を固定するワイヤーハーネス分岐クランプであって、
第1のクランプと第2のクランプを有し、
前記第1のクランプは、
前記分岐部の下側に配置される基板と、
前記基板の上面に垂設され前記ワイヤーハーネスの分岐部の略中心を貫通する支柱と、
前記支柱の外周面に先端側から基端側に向かってテーパー状に拡径しかつ弾性変形可能な、先端側から基端側に複数形成された係止部とを有し、
前記第2のクランプは、前記支柱が前記係止部を弾性変形させながら貫通する貫通孔を有する板状部材であって、前記第1のクランプの係止部を係止可能とされていることを特徴とするワイヤーハーネス分岐クランプ。
【請求項2】
前記第2のクランプの挿通孔の内周面には、前記第1のクランプの係止部を係止する係止爪を有することを特徴とする、請求項1に記載のワイヤーハーネス分岐クランプ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス分岐クランプをワイヤーハーネスの分岐部に取り付けてなるワイヤーハーネス分岐構造であって、
前記ワイヤーハーネスの分岐部は、その略中心を前記第1のクランプの支柱が貫通するように形成され、
前記ワイヤーハーネスの分岐部から突出した前記第1のクランプの支柱の先端から前記第2のクランプが挿通され、
前記第2のクランプの係止爪により前記第1のクランプの係止部が抜け止め状態に固定されていることを特徴とするワイヤーハーネス分岐構造。
【請求項4】
前記ワイヤーハーネスの分岐部上に突出した前記第1のクランプの支柱の先端側が、所定長、切断除去されてなることを特徴とする、請求項3に記載のワイヤーハーネス分岐構造。
【請求項5】
前記第2のクランプの上から突出した前記第1のクランプの支柱がアンカー部とされ、車両ボディに形成されているワイヤーハーネス取り付け用の穴に挿入して固定されていることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のワイヤーハーネス分岐構造。
【請求項6】
前記ワイヤーハーネスの分岐部はテープ巻きで分岐状態が保持されていることを特徴とする、請求項3乃至請求項5の何れかに記載のワイヤーハーネス分岐構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−215386(P2007−215386A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35827(P2006−35827)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】