説明

ワイヤ電極の消耗を抑えるワイヤ放電加工機の放電加工電源装置

【課題】ピーク電流を小さくすることによりワイヤ電極の消耗を抑え、かつ、加工速度の低下を防ぐことが可能な放電加工機の放電加工電源装置を提供する。
【解決手段】第1のパルスS1a,S1bの出力を停止した後、第2のパルスS2を所定の時間間隔をもって出力する第1の回路と、第1のパルスS1a,S1bがスイッチング素子18,20のゲートに出力されている間、主直流電源10から電流i1を流す第2の回路と、第2のパルスS2が第3のスイッチング素子22に出力されている間、第2の回路中のインダクタ30,32によって蓄積された誘導エネルギーによる電流i2を流すと共に、主直流電源10による電流ピーク値に応じた電圧を副直流電源12により印加する第3の回路と、第2のパルス出力S2が停止すると、第2の回路中のインダクタ30,32によって蓄積された誘導エネルギーによる電流i3を主直流電源10に帰還させる第4の回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤ放電加工機の放電加工電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の放電装置は放電発生時に電源電圧を電極と被加工物間に印加した後に、スイッチング素子をオフした瞬間のインダクタに蓄えられた電流(電気エネルギー)によって加工電流を維持する。この時、インダクタに蓄えられた電流は、抵抗成分とアーク電圧のために一定の値を示すのではなく、時間の経過とともに減少する。その後、電源に回生するようにスイッチングし急速に被加工物の電流の流れを止める。
特許文献1に開示される技術では、直流電源に電圧の高い主直流電源と電圧の低い副直流電源を用い、2つの電源からそれぞれの電源電圧を同時に印加し、放電開始直後は主直流電源によって急速に放電電流を立ち上げ、その後、主直流電源による電圧印加を止めて、副主直流電源からの電流で放電電流を一定に保つようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−48039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放電加工装置において放電加工電流のピーク値は主電源の電圧印加時間に比例する。加工速度を上げるためには、大きなエネルギーを投入する必要がある。ピークが大きいほど加工速度が速くなるが、ワイヤ電極の消耗も激しくなる。
従来技術では、ワイヤ電極の消耗が大きくなり、フィルタの負荷が大きくなるため、フィルタの寿命も短くなる。これによって、フィルタの交換時間が短くなり、ランニングコストがアップする。放電加工電流のパルスのピークを小さくすることで、ワイヤ電極の消耗を抑えることができるが加工速度が遅くなる。
そこで、本発明の目的は、ピーク電流を小さくすることによりワイヤ電極の消耗を抑え、かつ、加工速度の低下を防ぐことが可能な放電加工機の放電加工電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1に係る発明は、主直流電源と、電圧可変の副直流電源と、設定された第1の幅をもつ第1のパルスを所定の時間間隔をもって出力し、該第1のパルスの出力を停止した後、設定された第2の幅をもつ第2のパルスを所定の時間間隔をもって出力する第1の回路と、前記第1の回路から前記第1のパルスが出力されている間、前記主直流電源から電圧をワイヤ電極と被加工物との間に印加する第2の回路と、前記第2のパルスが出力されている間、ワイヤ電極と被加工物との間に、前記第2の回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を流すと共に、前記主直流電源による電流ピーク値に応じた電圧を前記副直流電源により印加する第3の回路と、前記第2のパルス出力が停止すると、前記第2の回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を前記主直流電源に帰還させる第4の回路と、を有することを特徴とする放電加工機の電源装置である。
請求項2に係る発明は、主直流電源による電流ピーク値が低くなるに従って副直流電源による電圧を高く印加することを特徴とする請求項1に記載の放電加工機の電源装置である。
【0006】
請求項3に係る発明は、主直流電源と、電圧可変の副直流電源と、設定された第1の幅をもつ第1のパルスを所定の時間間隔をもって出力し、該第1のパルスの出力を停止した後、設定された第2の幅をもつ第2のパルスを所定の時間間隔をもって出力する第1の回路と、前記第1の回路から前記第1のパルスが出力されている間、前記主直流電源から電圧を加工電源と被加工物との間に印加する第2の回路と、前記主直流電源による電流ピーク値に応じた時間、前記第2のパルスを出力し、前記第2のパルスが出力されている間、ワイヤ電極と被加工物との間に、前記第2のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を流すと共に、前記副直流電源により電圧を印加する第3の回路と、前記第2のパルス出力が停止すると、前記第2の回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を前記主直流電源に帰還させる第4の回路と、を有することを特徴とする放電加工機の電源装置である。
請求項4に係る発明は、主直流電源による電流ピーク値が低くなるに従って副直流電源から電圧印加時間を長くする請求項3に記載の放電加工機の電源装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、ピーク電流を小さくすることによりワイヤ電極の消耗を抑え、かつ、加工速度の低下を防ぐことが可能な放電加工機の放電加工電源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態である放電加工機の電源装置の要部を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態である放電加工機の電源装置の制御部を説明する図である。
【図3】放電発生後の主直流電源と副直流電源による電圧印加のタイミングと被加工物とワイヤ電極の極間に流れる電流を説明する図である。
【図4】本発明と従来技術の放電加工電流の波形を説明する図である。
【図5】本発明に係る被加工物とワイヤ電極の極間に流れる電流の波形を説明する図である。
【図6】主直流電源によるピークが25%減る毎に副直流電源の電圧値をアーク電圧分上げる例を説明する図である。
【図7】本発明に係る被加工物とワイヤ電極の極間に流れる電流の波形を説明する図である。
【図8】主直流電源によるピークが減る前と同等の電流の面積値となる副直流電源の印加時間にそのピークに応じた係数を加えた値を副直流電源の印加時間とした例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は、本発明の実施形態である放電加工機の電源装置の要部を説明する図である。また、図2は、本発明の実施形態である放電加工機の電源装置を制御する回路の要部を説明する図である。
符号10は主直流電源である。符号12は該主直流電源の出力電圧より低くかつ電圧可変の副直流電源である。副直流電源12は可変直流電圧源14とコンデンサ16を有する。符号18,20,22はトランジスタやFETなどで構成されるスイッチング素子であり、図1ではFETで構成する例を示している。
主直流電源10のプラス側端子は、第1のスイッチング素子18、第1のインダクタ30を介して被加工物36に接続され、また、副直流電源12のプラス側端子は、第3のスイッチング素子22、第1のインダクタ30を介して被加工物36に接続されている。主直流電源10のマイナス側端子は、第2のスイッチング素子20、第2のインダクタ32を介してワイヤ電極34に接続されている。副直流電源12のマイナス側端子は、ダイオード28、第2のインダクタ32を介してワイヤ電極34に接続されている。第1,第2のインダクタ30,32には、配線などにより生じる浮遊インダクタンスも含まれ、これらは誘導エネルギーを蓄えることができる。
【0010】
第1のダイオード24は、一方の端子を主直流電源10のプラス側端子と第1のスイッチング素子18の間の接続点13と、他方の端子を第2のスイッチング素子20と第2のインダクタ32の間の接続点11に接続されている。そして、該第1のダイオード24は、接続点11から接続点13の方向が順方向となるように接続されている。
第2のダイオード26は、一方の端子を主直流電源10のマイナス側端子と第2のスイッチング素子20の間の接続点15と、他方の端子を第1のスイッチング素子18と第1のインダクタ30の間の接続点17に接続されている。そして、該第2のダイオード26は、接続点15から接続点17の方向が順方向となるように接続されている。
【0011】
第3のダイオード28は、一方の端子を第2のスイッチング素子20と第2のインダクタ32の間の接続点19と、他方の端子を副直流電源12のマイナス側端子の接続点21に接続されている。そして、該第3のダイオード28は、接続点19から接続点21の方向が順方向となるように接続されている。
第1,第2のスイッチング素子18,20のゲートに、それぞれドライブ回路46(図2参照)の出力S1a,S1bが接続されている。また、第3のスイッチング素子22のゲートに、ドライブ回路48の出力S2が接続されている。各ドライブ回路46,48は、パルス分配回路44から出力されるパルスによって、各スイッチング素子18,20,22をON/OFF制御する。なお、第1のスイッチング素子18を制御する出力S1aと第2のスイッチング素子20を制御する出力S1bとは同じ波形の信号である。
【0012】
パルス分配回路44は、単安定マルチバイブレータなどで構成され、放電発生時に放電タイミング発生回路42から出力されるタイミング信号を契機として、放電加工機を全体的に制御する制御装置40から出力される電流ピーク値設定用データ(data1),パルス幅設定用データ(data2)に基づいて予め決められたパルス幅(t1,t2)のパルスをドライブ回路46,48に出力する。ドライブ回路46,48は、パルス幅t1とパルス幅t2を持つパルスの出力S1a,S1b,S2を第1,第2,第3のスイッチング素子18,20,22のゲートに送ることによってスイッチング素子18,20,22をON/OFF制御する。なお、図2に示されるパルスを出力する回路が、請求項中の第1の回路に相当する。
【0013】
なお、電流ピーク値の大きさは、主直流電源10からのワイヤ電極34と被加工物36の間に印加される極間電圧の印加時間だけでなく、主直流電源10の印加電圧によっても変化する。図1では、主直流電源の電圧の大きさは別途設定されるものとし、図2のパルス分配回路44には制御装置40から、主直流電源10から極間に電圧を印加するためにスイッチング素子18,20をONするパルスの幅を規定するデータ(t1)が、電流値ピーク値設定用データdata1として渡される。同様に、副直流電源12から極間に電圧を印加するためにスイッチング素子22をONするパルスの幅を規定するデータ(t2)が、パルス幅設定用データdata2として渡される。
【0014】
次に、第1,第2,第3のスイッチング素子18,20,22をON/OFF制御することによって生じるワイヤ電極34と被加工物36の極間に流れる放電電流の3つの状態を説明する。
ドライブ回路46からの出力S1a,S1bをONにすることによって第1,第2のスイッチング素子18,20をONにし、主直流電源10から被加工物36とワイヤ電極34との間に電圧を印加して放電電流を急峻に流す(図1の電流i1)。
【0015】
その後、ドライブ回路46からの出力S1a,S1bをOFFにすることによって第1,第2のスイッチング素子18,20をOFFにし、主直流電源10からの電圧印加を停止するとともに、ドライブ回路48からの出力S2をONすることによって第3のスイッチング素子22をONにし副直流電源12から被加工物36とワイヤ電極34との間に電圧を印加する。主直流電源10からの電圧印加を停止した時に回路内のインダクタ30,32に蓄積された誘導エネルギーに由来する電流と副直流電源12からの立ち上がりの電流とによって、ワイヤ電極34と被加工物36との間に流れる放電電流は一定に維持、もしくは、徐々に大きくなっていく(図1の電流i2)。なお、副直流電源12に対し並列にコンデンサ16を接続することによって、副直流電源12の浮遊インダクタンスによる影響を少なくして電流を上昇させやすくする。
【0016】
その後、ドライブ回路48からの出力S2をOFFにすることによってスイッチング素子22をOFFにし、回路内に残留する誘導エネルギーによって生じる電流を主直流電源10に回生させて放電を急峻に停止する(図1の電流i3)。
なお、電流i1が流れる回路の経路が、請求項中の第2の回路に相当する。電流i2が流れる回路の経路が、請求項中の第3の回路に相当する。電流i3が流れる回路の経路が、請求項中の第4の回路に相当する。
【0017】
図3に放電発生後の電圧印加のタイミングとワイヤ電極と被加工物の極間に流れる電流を図示する。図3(a)の幅t1の電圧は、第1,第2のスイッチング素子をONにするとともに第3のスイッチング素子をOFFにすることによって主直流電源10から印加される電圧を表し、幅t2の電圧は、第1,第2のスイッチング素子18,20をOFFにするとともに第3のスイッチング素子をONにすることによって副直流電源12から印加される電圧を表す。‘t1’は主直流電源10による電圧印加時間を表し、‘t2’は副直流電源12による電圧印加時間を表す。‘t1’を長くするほど‘t1’での放電加工電流(図3(b)参照)のピークが大きくなり加工速度が速くなるが、放電加工では放電発生時から間もない時間ほどワイヤ電極34への衝撃が大きくなるため、ワイヤの消耗が多くなる。‘t2’では副直流電源12の電圧値によって放電加工電流が減少していく際の傾きが決まる。
図4のように、副直流電源12の電圧値をアーク電圧以上にして‘t2’の間で放電加工電流を徐々に上げていくことで、最初の‘t1’を短くしてピークを低くしても、ピークが高い時と同等のエネルギー量を投入することができる。ここで、被加工物36とワイヤ電極34の材質によってアーク電圧が変わるため、材質に応じた副直流電源12の電圧値を印加する必要がある。なお、図4中において、破線は従来技術により発生する極間電流、実線は本発明により発生する極間電流を表す。
【0018】
図5,図6のように‘t1’の値を小さくして主直流電源10による放電加工電流のピークを小さくし、副直流電源12の電圧値を大きくすることで‘t2’により生じる極間電流の傾きを大きくして、加工速度を落とさずにワイヤ電極34の消耗を抑える放電加工電流パルスを生成することができる。図5では符号100から符号300になるに従ってt1の値は小さく(つまり短い時間)になっている。‘t1’を極端に短くすると‘t2’で傾きを大きくしても加工速度を得ることができなくなる。主直流電源10からの電圧の印加時間とそれに応じた副直流電源12の電圧値をデータテーブルに記憶させて、それを参照することでワイヤ消耗の少ないパルスを生成することができる。図6では、主直流電源10によるピークが25%減る毎に副直流電源12の電圧値をアーク電圧分上げるようにしている。
【0019】
また、図7,図8のように副直流電源12の電圧値をアーク電圧と同等にして放電加工電流を一定に保った時に、‘t1’を小さくして‘t2’を大きくすることで、加工速度を落とさずにワイヤ電極の消耗を抑えることができる放電加工電流パルスを生成することができる。この時、‘t2’を極端に長くすると被加工物36へのワイヤ電極34の付着が起こる。主直流電源10の電圧の印加時間とそれに応じた副直流電源12の印加時間をデータテーブルに記憶させて、それを参照することでワイヤ消耗の少ないパルスを生成することができる。図8では、主直流電源10によるピークが減る前と同等の電流の面積値となる副直流電源12の印加時間にそのピークに応じた係数を足した値を副直流電源12の電圧の印加時間としている。
【0020】
図6は被加工物をSKD11、黄銅で径0.25mmのワイヤを使用し加工した時のt1に対する加工速度が同等となる副直流電源12の電圧値によるワイヤの消耗量の表である。図8は被加工物をSKD11、黄銅で径0.25mmのワイヤを使用し加工した時のt1に対する加工速度が同等なるt2の長さによるワイヤ電極の消耗量の表となる。
【0021】
上記のように、副直流電源12の電圧値を可変とすることで、被加工物36やワイヤ電極34の材質、主直流電源10の印加時間に合わせて適切な副直流電源12の電圧に変更することができる。ワイヤ電極34の消耗が小さいパルスを生成することで、フィルタの寿命も長くなりコストを抑えることができる。
【0022】
ワイヤ放電加工機では、放電発生直後に大電流を流すと、ワイヤ電極の消耗が大きくなる。放電発生から遅れて大電流を流すことで、投入エネルギー量を維持したままワイヤ電極の消耗を抑えることができる。従来のワイヤ放電加工機では、放電時間が長くなるにつれて、図4の破線のように放電加工電流の値が徐々に小さくなる、もしくは、一定に推移するため、放電発生時に大きな電流を流す必要がある。そこで、本発明では、図4の実線のように放電加工電流を徐々に大きくすることで、放電発生時には小さな電流でも同等以上のエネルギーを投入することができる効果を奏する。
【0023】
また、放電加工電流を徐々に大きくするには、副直流電源の電圧値を被加工物とワイヤ電極の極間に発生するアーク電圧以上にする必要があるが、被加工物の材質とワイヤ電極の材質が変わるとアーク電圧も変化することになるため、副直流電源の電圧が可変でないと、一組の材質にしか対応できない。そこで、主直流電源と副直流電源を備えた放電加工機の電源装置において、副直流電源の電圧を可変として、主直流電源によるピークを小さく設定した時に副直流電源の電圧値や印加時間を変更してパルスを生成することにより、複数組の材質に対応できる。
【符号の説明】
【0024】
10 主直流電源
12 副直流電源
14 可変直流電圧源
16 コンデンサ
18 スイッチング素子
20 スイッチング素子
22 スイッチング素子
24 ダイオード
26 ダイオード
28 ダイオード
30 インダクタ
32 インダクタ
34 ワイヤ電極
36 被加工物


40 制御装置
42 放電タイミング発生回路
44 パルス分配回路
46 スイッチング素子ドライブ回路
48 スイッチング素子ドライブ回路

i1,i2,i3 電流
sv 副直流電源電圧
av アーク電圧
data1 電流ピーク値設定用データ
data2 パルス幅設定用データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主直流電源と、
電圧可変の副直流電源と、
設定された第1の幅をもつ第1のパルスを所定の時間間隔をもって出力し、該第1のパルスの出力を停止した後、設定された第2の幅をもつ第2のパルスを所定の時間間隔をもって出力する第1の回路と、
前記第1の回路から前記第1のパルスが出力されている間、前記主直流電源から電圧をワイヤ電極と被加工物との間に印加する第2の回路と、
前記第2のパルスが出力されている間、ワイヤ電極と被加工物との間に、前記第2の回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を流すと共に、前記主直流電源による電流ピーク値に応じた電圧を前記副直流電源により印加する第3の回路と、
前記第2のパルス出力が停止すると、前記第2の回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を前記主直流電源に帰還させる第4の回路と、
を有することを特徴とするワイヤ放電加工機の電源装置。
【請求項2】
主直流電源による電流ピーク値が低くなるに従って副直流電源による電圧を高く印加することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機の電源装置。
【請求項3】
主直流電源と、
電圧可変の副直流電源と、
設定された第1の幅をもつ第1のパルスを所定の時間間隔をもって出力し、該第1のパルスの出力を停止した後、設定された第2の幅をもつ第2のパルスを所定の時間間隔をもって出力する第1の回路と、
前記第1の回路から前記第1のパルスが出力されている間、前記主直流電源から電圧を加工電源と被加工物との間に印加する第2の回路と、
前記主直流電源による電流ピーク値に応じた時間、前記第2のパルスを出力し、前記第2のパルスが出力されている間、ワイヤ電極と被加工物との間に、前記第2のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を流すと共に、前記副直流電源により電圧を印加する第3の回路と、
前記第2のパルス出力が停止すると、前記第2の回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流を前記主直流電源に帰還させる第4の回路と、
を有することを特徴とするワイヤ放電加工機の電源装置。
【請求項4】
主直流電源による電流ピーク値が低くなるに従って副直流電源から電圧印加時間を長くする請求項3に記載のワイヤ放電加工機の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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