説明

ワークの液処理方法及び液処理工程用液槽

【課題】ワークに表面処理等を施す際に、ワークを液内に浸漬させる工程の時間の短縮を図ると共に、ワークの精度の悪化を防ぐ。
【解決手段】処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に生ずる、振幅の大きな波を、液槽内を波が伝播する方向に位置する液槽16の縦壁16a、16bに設けた波消しブロック18に衝突させ、反射させる。そして、波消しブロック18によって反射した波が、後続の波を打消すことで、波の振幅を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液が貯留された液槽にワークを浸漬させて、ワークに表面処理等を施すための、液槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、水槽内の水にワークを浸漬させて、ワークの機密性を検査する手法が開発されている。かかる機密性検査は、水没したワークを目視観察し、気泡の発生の有無を検査するものである。したがって、水が波立っていると、正確な気泡観察ができないことから、ワークを水に投入する際に生じる波立ちを速やかに静め、ワークの水没後、目視検査を開始するまでに要する時間を短縮させる工夫がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−250671号公報(〔0011〕、〔0012〕、〔0018〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、以上のようにワークを液体に浸漬させる作業は、例えば、自動車のボデーの電着塗装工程に先立ち、ボデー表面に防錆処理を施したり、電着塗料の密着力を向上させるための皮膜を形成する前処理工程等においても実施されている。この場合には、前処理加工用の処理液が貯留された液槽に、ボデーを浸漬させることによって、ボデー全体に対し同時に前処理を行なうことが可能となる。かかる前処理工程では、従来は、処理液を貯留する液漕の壁面を緩やかな傾斜面として、この傾斜面に沿うようにボデーを処理液へと投入し、処理液から引き上げる際にも、緩やかな傾斜面に沿って引き上げる手法が一般的であった。
しかしながら、従来の前処理工程では、処理に要する時間の短縮が困難であり、なおかつ、液槽の容積が必然的に大きくなる等、設備構成が大掛りとなり、液槽に貯留すべき処理液の量も増大する等、製造コストを増大させる一因となっていた。
【0005】
本発明者らは、かかる課題を解決するため、図5に示されるように、ボデー10の投入及び引き上げが可能な範囲内で、液槽12を極力小さく構成し、この液槽に貯留された処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入し、処理液14内で矢印Aで示されるように、ボデー10に振動を与えた後、投入時と同様に処理液からボデー10を引き上げる液処理工程を開発した。この液処理工程では、ボデー10は天地方向を逆転した状態で、液槽12に貯留された処理液14の液面14aに対し垂直に投入される。ボデー10の処理液14への投入作業には、ロボット等が用いられる(なお、この液処理工程は、未公開技術である。)。ところが、この液処理工程によると、処理液14にボデー10を投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に生じる、振幅の大きな波のエネルギーがボデ10に作用し、ボデー精度が悪化してしまうことが、新たな問題として浮上することとなった。かかる液処理工程は、通常、ボデー本体に蓋状部品(エンジンフード、ラゲージフード、ドア)を装着した状態で行なわれるが、この蓋状部品が最も波の影響を受け易く、許容範囲を越える変形を受けることとなった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワークに表面処理等を施す際に、ワークを液内に浸漬させる工程の時間の短縮を図ると共に、ワークの精度の悪化を防ぐことにある。又、ワークを液内に浸漬させる工程の設備構成の簡略化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための、本発明に係るワークの液処理方法は、処理液を貯留する液漕に、波の発生が不可避となる速度でワークを投入し、処理液内でワークに振動を与え、この間、液槽の液面下において、液槽壁面の少なくとも一部に設けられた波消しブロックに処理液の波を衝突させ、ブロックからの反射波を発生させ、該反射波で後続の波を打消すことを特徴とするものである。
本発明によれば、処理液にワークを投入することにより発生する波を、液槽の液面下において効果的に打消し、波の振幅を小さくすることで、処理液の波のエネルギーが処理液に投入されたワークに作用し、ワークの精度が悪化してしまうという不具合を解消することができる。
【0007】
又、上記課題を解決するための、本発明に係る液処理工程用液槽は、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入し、処理液内でワークに振動を与えた後、処理液からワークを引き上げる液処理工程用の液漕であって、液槽を構成する壁面のうち、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際、又は処理液内でワークに振動を与える際に発生する波が伝播する方向に位置する縦壁に、波消しブロックが設けられているものである。
本発明によれば、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際、又は処理液内でワークに振動を与える際に生ずる、振幅の大きな波を、液槽内を波が伝播する方向に位置する液槽の縦壁に設けた波消しブロックに衝突させ、反射させる。そして、波消しブロックによって発生した反射波が、後続の波を打消すことで、波の振幅を小さくすることができる。
【0008】
又、本発明においては、前記波消しブロックは、四角錐状の凸片であり、四角形の底辺を水平方向と垂直方向に向けて、上下左右に複数並べて設置されることが望ましい。
この構成によれば、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際や、処理液内でワークに振動を与える際に生ずる、上下方向に揺れる振幅の大きな波を、波消しブロックの三角形の各面で反射させることができる。又、波の水平方向成分も、同様に反射させ、後続の波を打消すことが可能となる。
【0009】
又、本発明においては、前記波消しブロックは、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際、又は処理液内でワークに振動を与える際に、処理液の液面が到達する範囲の全域に渡って設けられていることが望ましい。
この構成によれば、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際、又は処理液内でワークに振動を与える際に生ずる、振幅の大きな波を、必ず波消しブロックに衝突させ、反射させることが可能となる。
【0010】
又、本発明においては、前記波消しブロックは、液槽を構成する壁面に対し着脱自在であることが望ましい。
この構成により、必要に応じ波消しブロックの形状や材質を変更することが容易となる。又、波消しブロックを持たない既存の液槽の縦壁に、波消しブロックを容易に設置することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明はこのように構成したので、ワークに表面処理等を施す際に、ワークを液内に浸漬させる工程の時間の短縮を図ると共に、ワークの精度の悪化を防ぐことが可能となる。又、ワークを液内に浸漬させる工程の設備構成の簡略化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る液処理工程用液槽16(以下、単に「液槽」ともいう。)は、図5に示す従来の液槽を用いた液処理工程と同様に、液槽16に貯留された処理液14に対し、ボデー10の天地方向を逆転した状態で、波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入し、処理液内でボデー10に振動を与えた後、処理液からボデー10を引き上げる液処理工程に用いられるものである。
そして、液槽16を構成する壁面のうち、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に発生する波が伝播する方向に位置する縦壁に、波消しブロック18が設けられている。図示の液槽16では、ボデー10を処理液に投入する際、及び、ボデー10に液槽16の前後方向(図1の左右方向)へと振動を与える際に、波は、主として液槽16の長手方向へと伝播する。そこで、この波を効果的に減衰させるために、波消しブロック18は、液槽16の前後に位置する縦壁16a、16bに設けられている。
【0013】
この波消しブロック18は、図2に示されるように、四角錐状の凸片であり、四角形の底辺を水平方向と垂直方向に向けて、上下左右に複数並べるようにして、縦壁16a、16bに設置されている。又、波消しブロック18は、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液内14でボデーに振動を与える際に生じる、振幅の大きい波を反射するに適した大きさを有している。更に、波消しブロック18は、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に、処理液14の液面が到達する範囲の全域に渡って設けられている。
なお、波消しブロック18を四角錐状の凸片とすることで、その製造コストを抑えることが可能であるが、必要に応じ、この四角錐状に限らず、円錐状、四角錐台状、円錐台状等、様々な形状の凸状片を、一種類若しくは複数種類混合して用いることも可能である。更に、椀の凹片を組み合わせることによって、凸状片と同様の凹凸面を構成することで、同様の作用効果を得ることも可能である。
【0014】
更に、本実施の形態に係る波消しブロック18は、図2に示されるように、フレーム20を介して液槽16の縦壁16a、16bに対し固定されており、フレーム20ごと、波消しブロック18を縦壁16a、16bから取外すことも可能である。フレーム20は、複数に分割されることで、着脱時の取扱い性を向上させることも可能である。フレーム20に対する波消しブロック18の固定方法は、ねじ止め、接着等、適切な方法が用いられる。一方、縦壁16a、16bに対しするフレーム20の固定方法は、ねじ止め等でも良いが、例えば、壁面にハンガー等を設置し、ハンガーにフレームを掛けるような構造とすることで、固定の確実性と着脱性とが何れも確保される。
波消しブロック18の材質には、使用される処理液14に対する耐食性を有するものが用いられることで、波消しブロック18の耐久性を確保している。波消しブロック18の材料の一例として、ステンレススチール等の金属や、塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられる。
【0015】
又、液槽16は、液槽16に貯留された処理液14に対するボデー10の投入、引き上げ又は振動の付与が可能な範囲内で、極力小さく形成されており、ボデー10の2台分の容積以下に納めることが望ましい。図示の例では、液槽16の長手方向の長さL(縦壁16a、16b間の距離)は6300mm、深さDは2850mm、幅W(図1の紙面と直交する方向の寸法)は3000mmとなっている。そして、床16cと、縦壁16a及び縦壁16bとをつなぐ傾斜面16d、16eを設けることで、液槽の床のコーナー部にゴミ溜りが生じることを防止すると共に、不都合の生じない範囲内で、液槽16の容積を減少させている。
【0016】
なお、図1において、符号14aは、ボデー10が未投入のときの液面を示し、符号14bはボデー10を投入した後の液面を示している。又、液面14aの上方に引かれた平行線Sは、100mmの等間隔を表したものであり、ボデー10投入後に生じる波の高さの把握を容易とするために、説明的に付されたものである。
【0017】
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。まず、本発明の実施の形態では、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に生ずる、振幅の大きな波を、液槽16の液面下において、液槽壁面の少なくとも一部、具体的には液槽内を波が伝播する方向に位置する液槽16の縦壁16a、16bに設けた波消しブロック18に衝突させ、反射させるものである。そして、波消しブロック18によって発生した反射波が、後続の波を打消すことで、波の振幅を小さくすることができる。
【0018】
図3には、波の振幅を小さくする仕組みが、模式的に示されている。まず、図3(a)は、液槽16の縦壁16a、16bに波消しブロック18を設けない場合を示しているが、速度ベクトルWV0を持った振幅の大きな波が縦壁16a、16bに衝突することで、縦壁16a、16bに沿って、波Waは大きく盛り上がりを生じることとなる。
一方、図3(b)は、本実施の形態にかかる波消しブロック18を、液槽16の縦壁16a、16bに設けた場合を示している。この場合には、速度ベクトルWV0を持った振幅の大きな波が波消しブロック18に衝突し、速度ベクトルWV1の波として反射し、この反射した波が後続の速度ベクトルWV0を持った波を打消すことにより、波の振幅を小さくする。よって、縦壁16a、16bに沿った波Waの盛り上がりは、低く抑え込まれることとなる。波消しブロック18は、四角錐状の凸片であり、四角形の底辺を水平方向と垂直方向に向けて、上下左右に複数並べて設置されることから、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際や、処理液14内でボデー10に振動を与える際に生ずる、上下方向に揺れる振幅の大きな波を、波消しブロックの三角形の各面で反射させ、効果的に波を打消すことが可能となる。したがって、本発明の実施の形態によれば、処理液14へのボデー10の投入時や、処理液14内でのボデー10の振動時に生ずる振幅の大きな波エネルギーは、縦壁16a、16bに波が到達した時点で相当に減少し、ボデー精度に悪影響を与えることを防ぐことが可能となる。
【0019】
以下に、本発明の実施の形態により得られる波の振幅の減少効果を例示する。ここで、図1と比較参照する図4は、液槽16の縦壁16a、16bに波消しブロック18を設けない場合を示すものである。
まず、処理液14へのボデー10の投入時には、図4に示される例では、ボデー一般部に生じる波Wa1の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+100mm、縦壁16a、16b近傍に生じる波Wa2の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+200mm、ボデーのホイールアーチ部近傍に生じる波Wa3の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+200mmであったのに対し、図1に示される例では、夫々、波Wa1の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+50mm、波Wa2の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+80mm、波Wa3の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+80mmへと減少した。
【0020】
又、処理液14内でのボデー10の振動時(揺動ストローク500mm。)には、図4に示される例では、ボデー一般部に生じる波Wa1の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+50mmであったのに対し、図1に示される例では、波Wa1の高さは、ボデー10が未投入のときの液面14a+30mmへと減少した。
しかも、発生した波が目立たない程度まで減衰するのに要する時間は、図4に示される例では、処理液14へのボデー10の投入後180秒であったのに対し、図1に示される例では10秒に短縮された。
そして、液処理工程の前後におけるボデー10の、エンジンフード10a全体の精度変化を比較すると、図4に示される例では、±1.0mmの精度の悪化が生じたのに対し、図1に示される例では、精度の悪化は±0.5mm以内へと減少した。
【0021】
なお、本発明の実施の形態では、波消しブロック18は、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデーを投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に生じる、振幅の大きい波を反射するに適した大きさを有していることから、振幅の大きな波を効果的に反射させ、上記のような波の振幅の減少効果を得ることが可能となる。
又、波消しブロック18は、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液14内でボデー10に振動を与える際に、処理液14の液面が到達する範囲の全域に渡って設けられていることから、振幅の大きな波を、必ず波消しブロック18に衝突させ、反射させることが可能となり、上記のような波の振幅の減少効果を得ることが可能となる。
【0022】
更に、本発明の実施の形態では、フレーム20によって波消しブロック18を指示することによって、波消しブロック18は、液槽16の縦壁16a、16bに対し着脱自在となっている。よって、必要に応じ波消しブロック18の形状や材質を変更することが容易となる。又、波消しブロック18を持たない既存の液槽の縦壁に、波消しブロックを容易に設置することが可能となる。
なお、必要に応じ、液槽16の縦壁16a、16bに対し直接的に波消しブロック18を形成することとしても、上記のような波の振幅の減少効果を得ることが可能となる。
【0023】
しかも、液槽16は、ボデー10の投入、引き上げ又は振動の付与が可能な範囲内で、極力小さく形成されていることから、液槽16の容積が小さくなって設備構成が簡略化され、液槽16に貯留すべき処理液14の量も必要最小限に抑えることができる。なお、液槽16を小型化することで、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でボデー10を投入する際、又は処理液内でボデー10に振動を与える際に生ずる波の高さは増大するが、波消しブロック18によって、その波の振幅を減少させることが可能である。したがって、ボデーの精度の悪化を抑えることが可能である。
なお、本発明の実施の形態では、波消しブロック18を液槽16の前後に位置する縦壁16a、16bにのみ設けたが、必要に応じ、波消しブロック18を液槽16の長手方向の縦壁にも設けることとしても良い。又、液処理対象ワークを自動車のボデー10としたが、処理液14に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入し、処理液14内でワークに振動を与えた後、処理液からでワークを引き上げる液処理工程に係る他のワークのための液槽にも、当然に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る液処理工程用液槽に、ボデーを投入した状態を示す模式図である。
【図2】図1に示される液処理工程用液槽の、波消しブロックの設置例を示す斜視図である。
【図3】図1に示される液処理工程用液槽の波消しブロックにより、波の振幅を小さくする仕組みを説明する模式図である。
【図4】図1に示される液処理工程用液槽との比較例として、波消しブロックを備えない液槽に、ボデーを投入した状態を示すを示す模式図である。
【図5】従来の、処理時間の短縮とコスト低減を企図して開発された液処理工程の説明図である。
【符号の説明】
【0025】
10:ボデー、10a:エンジンフード、14:処理液、 14a、14b:液面、16:液槽、 16a、16b:縦壁、18:波消しブロック、Wa1:ボデー一般部に生じる波、Wa2:縦壁近傍に生じる波、Wa3:ボデーのホイールアーチ部近傍に生じる波


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液を貯留する液漕に、波の発生が不可避となる速度でワークを投入し、処理液内でワークに振動を与え、この間、液槽の液面下において、液槽壁面の少なくとも一部に設けられた波消しブロックに処理液の波を衝突させ、ブロックからの反射波を発生させ、該反射波で後続の波を打消すことを特徴とするワークの液処理方法。
【請求項2】
処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入し、処理液内でワークに振動を与えた後、処理液からワークを引き上げる液処理工程用の液漕であって、
液槽を構成する壁面のうち、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際、又は処理液内でワークに振動を与える際に発生する波が伝播する方向に位置する縦壁に、波消しブロックが設けられていることを特徴とする液処理工程用液槽。
【請求項3】
前記波消しブロックは、四角錐状の凸片であり、四角形の底辺を水平方向と垂直方向に向けて、上下左右に複数並べて設置されることを特徴とする請求項2記載の液処理工程用液槽。
【請求項4】
前記波消しブロックは、処理液に対し波の発生が不可避となる速度でワークを投入する際、又は処理液内でワークに振動を与える際に、処理液の液面が到達する範囲の全域に渡って設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の液処理工程用液槽。
【請求項5】
前記波消しブロックは、液槽を構成する壁面に対し着脱自在であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の液処理工程用液槽。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−105674(P2007−105674A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300536(P2005−300536)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】