説明

ワーク搬送装置

【課題】プレス機のベッドとスライドの隙間に挿入される部分の薄型化及びワーク搬送の高速化に適したワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】本発明のワーク搬送装置1は、被加工材であるワークの搬送方向に延びたキャリア2と、キャリア2を搬送方向に移動可能に支持する本体部3と、キャリア2に沿って移動可能に配置されたサブキャリア4と、サブキャリア4をキャリア2に沿って移動させるサブキャリア駆動機構5と、キャリア2を搬送方向に移動させるキャリア駆動機構6と、本体部3を上下に移動させる昇降機構7と、サブキャリア4に接続されるワーク把持部8と、少なくとも各ワーク把持部8への給電線を有するケーブルガイド9と、ワークの搬送方向に延びたレール10と、レール10に沿って本体部3を移動させる本体部駆動機構11と、を備え、キャリア2、サブキャリア4及びケーブルガイド9は略同一平面内に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工材であるワークをプレス機間で搬送するワーク搬送装置に関し、特に、ワーク搬送の高速化に適したワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車用パネルのように複雑な形状をなした製品は、複数の成形工程を必要とするため、複数のプレス機が一列に配置されたトランスファプレスやタンデムプレスにより成形されることが多い。かかるトランスファプレスやタンデムプレスでは、プレス機間に配置されたワーク搬送装置により被加工材であるワークを順次搬送している。かかるワーク搬送装置には、種々の形式のものが存在するが、各プレス機間に渡って配置されて同一モーションでワークを搬送するユニット式のものと、各プレス機間に個別に配置されて独立してワークを搬送する単独式のものとに大別することができる。また、単独式のワーク搬送装置には、多間接ロボットを利用したもの、リンク機構を利用したもの、直動機構(昇降機構及び水平移動機構)を利用したもの等が既に実用化されている。
【0003】
多間接ロボットを利用したワーク搬送装置では、制御軸数が多く制御が複雑である、剛性が低く振動が大きい、水平軸周りの回転に大きなトルクを要する等の理由からワーク搬送の高速化やコストダウンが困難である。また、リンク機構を利用したワーク搬送装置では、リンク機構内で相殺される内力が生じる、アームの稼動域が広いためプレス機との干渉の制約が大きい等の理由からワーク搬送の高速化やコストダウンが困難である。一方、直動機構(昇降機構及び水平移動機構)を利用したワーク搬送装置(例えば、特許文献1参照)では、キャリアの上下移動及び水平移動が直動式であるため、制御が容易である、振動が少ない、水平軸周りの回転に大きなトルクを要しない、機構内で相殺される内力が生じない、プレス機との干渉の制約が少ない等の利点を有し、ワーク搬送の高速化やコストダウンに適している。また、本願出願人は、かかる利点に鑑み、直動機構を利用したワーク搬送装置に倍速機構を採用して高速化を図ったワーク搬送装置を既に提案している(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特許3902012号公報
【特許文献2】特願2007−234064号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した種々のワーク搬送装置により移動されるキャリアには、一般に吸着機構を備えたクロスバーが接続されており、このクロスバーをプレス機のベッドとスライドの隙間に挿入してワークを搬出及び搬入している。近年、ワーク搬送の高速化に伴い、スライドのストロークが小さくなったり、スライドが上昇している途中からクロスバーをプレス機の隙間に侵入させる運転を求められたりしており、ベッドとスライドの隙間が狭くなる傾向にある。かかるプレス機の場合、水平にキャリアを移動することができる直動機構を利用したワーク搬送装置が適している。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されたワーク搬送装置では、キャリアとクロスバーが上下に配置されていることから、ベッドとスライドの隙間に挿入されるキャリアの挿入部の薄型化に限界があり、より狭い隙間にワークを搬送したいというニーズに対応することが困難であるという問題があった。また、ワークを把持して水平移動される部分の高さが高い場合には、ワーク搬送装置に生じるモーメントの関係からワーク搬送の高速化が困難であるという問題もあった。
【0007】
本発明は上述した問題点に鑑み創案されたものであり、プレス機のベッドとスライドの隙間に挿入される部分の薄型化及びワーク搬送の高速化に適したワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、被加工材であるワークの搬送方向に延びたキャリアと、該キャリアを搬送方向に移動可能に支持する本体部と、前記キャリアに沿って移動可能に配置されたサブキャリアと、該サブキャリアを前記キャリアに沿って移動させるサブキャリア駆動機構と、前記キャリアを搬送方向に移動させるキャリア駆動機構と、前記本体部を上下に移動させる昇降機構と、前記サブキャリアに接続されるワーク把持部と、少なくとも該ワーク把持部への給電線を支持及び案内するケーブルガイドと、を備えたワーク搬送装置であって、前記キャリア、前記サブキャリア及び前記ケーブルガイドは、略同一平面内に配置されていることを特徴とするワーク搬送装置が提供される。
【0009】
前記サブキャリア駆動機構は、前記キャリアの両端に配置され水平面内で回転可能に配置された回転体と、該回転体に掛け回された無端状索体と、該無端状索体の一部を前記本体部に連結する固定部と、を有し、前記サブキャリアは、前記無端状索体に連結されており、前記ケーブルガイドは、前記無端状索体に沿って連動可能に配置されている、ことが好ましい。
【0010】
前記キャリアは、前記ケーブルガイドを支持するケーブルガイド支持部を有し、該ケーブルガイド支持部は、前記キャリアの下部に配置され前記ケーブルガイドを摺動可能に載置する支床材又は前記無端状索体に接続され前記ケーブルガイドを吊り下げる連結材で構成するようにしてもよい。
【0011】
前記キャリア駆動機構は、前記キャリアの上部に搬送方向に沿って配置された従動部と、前記本体部に配置され前記従動部を介して前記キャリアを移動させる駆動部と、を有するように構成してもよい。また、前記キャリア駆動機構は、ベルト駆動機構により構成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記ワーク搬送装置は、前記ワークの搬送方向に延びたレールと、該レールに沿って前記本体部を移動させる本体部駆動機構と、を有していてもよい。
【0013】
さらに、前記ワーク搬送装置は、隣接して配置された一対の前記キャリアと、各キャリアの外側に配置される前記ワーク把持部と、を有し、これらのワーク把持部を連動させてワークを搬送するように構成してもよいし、離間して配置された一対の前記キャリアと、各キャリアの内側に配置される前記ワーク把持部と、を有し、これらのワーク把持部を連動させてワークを搬送するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明のワーク搬送装置によれば、キャリア、サブキャリア及びケーブルガイドを水平方向に並列に配置して略同一平面内に配置したことにより、プレス機のベッドとスライドの隙間に挿入されるキャリアの挿入部の薄型化を図ることができ、ワーク搬送の高速化を図ることができる。したがって、プレス機のベッドとスライドの隙間が従来よりも狭い場合であっても、高速なワーク搬送を実現することができる。また、サブキャリア駆動機構に倍速機構を採用することにより、効果的にワーク搬送の高速化を図ることができる。
【0015】
また、ケーブルガイドを支床材又は連結材により無端状索体に沿って連動可能に配置することにより、ケーブルガイドの横置きを容易に行うことができ、効果的にキャリアの挿入部の薄型化を図ることができる。
【0016】
また、キャリアの上部はサブキャリア駆動機構と干渉しないため、この位置にキャリア駆動機構を配置することにより、効率的に構成部品を配置することができ、装置の小型化・軽量化等を図ることができる。
【0017】
また、本体部を搬送方向に移動できる構成にすることにより、ワーク搬送の距離が長い場合であっても容易に対応することができる。特に、本発明のワーク搬送装置を採用することにより、搬送距離が長い場合であってもワークを高速に搬送することができる。
【0018】
また、一対のキャリアを用いてそれぞれのワーク把持部を連動させることにより、ワークが大きい場合であっても容易に対応することができる。特に、本発明のワーク搬送装置を採用することにより、ワークが大きい場合であってもワークを高速に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図1〜図9を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係るワーク搬送装置の第一実施形態を示す外観図である。
【0020】
図1に示した本発明のワーク搬送装置1は、被加工材であるワークの搬送方向に延びた一対のキャリア2,2と、キャリア2,2を搬送方向に移動可能に支持する本体部3と、各キャリア2に沿って移動可能に配置されたサブキャリア4,4と、各サブキャリア4をキャリア2に沿って移動させるサブキャリア駆動機構5,5と、各キャリア2を搬送方向に移動させるキャリア駆動機構6と、本体部3を上下に移動させる昇降機構7と、各サブキャリア4に接続されるワーク把持部8,8と、少なくとも各ワーク把持部8への給電線を支持及び案内するケーブルガイド9,9と、ワークの搬送方向に延びたレール10と、レール10に沿って本体部3を移動させる本体部駆動機構11と、を備え、キャリア2,2、サブキャリア4,4及びケーブルガイド9,9は略同一平面内に配置されている。
【0021】
前記ワーク搬送装置1は、図1に示すように、ベッド121及びスライド122を有するプレス機12,12の間に配置される。なお、搬送方向下流側(図の手前側)のプレス機12におけるスライド122は、説明の便宜上、図を省略してある。また、ワーク搬送装置1は、鋼材を門型に組んだ支柱13,13に懸架されている。なお、図示した支柱13に替えて、プレス機12の支柱や側面部、プレス機12及びワーク搬送装置1を含む装置全体の天井部等にワーク搬送装置1を懸架するようにしてもよい。
【0022】
上述したワーク搬送装置1の各構成部品について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。ここで、図2は、キャリア周辺の上面図である。また、図3は、キャリア周辺の側面図及び正面図であり、(A)は側面図、(B)は正面図を示している。なお、図3(B)におけるケーブルガイド9の一部は、説明の便宜上、切り欠いて図示してある。
【0023】
前記キャリア2は、図2及び図3に示すように、搬送方向に延びた鋼材により構成されている。キャリア2の搬送方向長さは、本体部3が最もプレス機12寄りに配置された位置(本体部3が移動しない場合はその固定位置)から、プレス機12にワークを搬出入することができる長さに設定される。また、キャリア2の下部には、ケーブルガイド9を摺動可能に載置する支床材21(ケーブルガイド支持部)が配置されている。かかる支床材21は、ケーブルガイド9がジョイントで連続して結合されている部品である場合に、ケーブルガイド9の中間部が重力により撓んでジョイントの動きが低下することを防止する機能を有する。支床材21は、例えば、ステンレスの板材により構成されたトレイにより構成される。また、ケーブルガイド9が支床材21上を円滑に移動できるように、支床材21の表面に樹脂コーティング層を形成したり、ローラーを配置したりするようにしてもよい。
【0024】
前記キャリア駆動機構6は、図2及び図3に示すように、キャリア2の上部に搬送方向に沿って配置されたベルト61(従動部)と、本体部3に配置されベルト61を介してキャリア2を移動させる駆動モータ62(駆動部)と、を有する。なお、各図において、ベルト61を識別し易くするために網掛けして表示している。ベルト61の両端は、キャリア2の両端部近傍にそれぞれ固定されており、ベルト61の中間部はキャリア2の上面から離間できるように構成されている。そして、ベルト61は駆動モータ62により駆動されるプーリー63に掛け回されている。プーリー63の両脇にはベルト61の流れを規制する補助プーリー64,64が配置されている(図3(A)参照)。なお、図2及び図3(B)では、補助プーリー64の図を省略してある。このように、キャリア駆動機構6をベルト駆動機構により構成することにより、油飛散がなく軽量なキャリア駆動機構6を構成することができる。
【0025】
かかる構成により、駆動モータ62によりプーリー63を回転させると、プーリー63とベルト61が噛み合って又は摩擦力によってベルト61がプーリー63及び補助プーリー64に沿って移動し、それに伴ってキャリア2も移動する。また、図2に示すように、キャリア2を隣接して配置した場合には、駆動モータ62の回転軸に両方のプーリー63を配置することによって、キャリア2を連動して移動させることができるとともに、キャリア駆動機構6の小型化を図ることができる。勿論、各キャリア2のそれぞれに個別にキャリア駆動機構6を配置するようにしてもよい。また、図3(B)に示したように、駆動モータ62とプーリー63との間に減速機65を配置してもよいし、駆動モータ62の先端部を軸受66で支持するようにしてもよい。なお、従動部及び駆動部の組み合わせは、図示したものに限定されず、チェーン駆動機構、ラック・ピニオン機構、リニアモータ機構等であってもよい。
【0026】
前記サブキャリア4は、図2及び図3に示すように、キャリア2の一側面に沿って略同一平面内に配置されている。かかるサブキャリア4は、後述するサブキャリア駆動機構5により、キャリア2の側面に沿って移動する。すなわち、サブキャリア4は、キャリア4と水平面内で並列に配置されており、鉛直方向の上下に配置されていない。そして、このサブキャリア4に後述するワーク把持部8が接続される。かかるサブキャリア4の配置により、プレス機12への挿入部を薄型化することができる。また、サブキャリア4は、搬送方向に往復移動することが好ましい。したがって、サブキャリア4は、キャリア2の片側の側面に沿って移動するように配置される。また、図2に示すように、キャリア2,2を隣接して配置した場合には、キャリア2,2を挟んだ両側にサブキャリア4,4が配置される。なお、サブキャリア4の脱落防止を考慮して、キャリア2の側面にレールを形成して滑動又は転動可能にサブキャリア4を係合させるようにしてもよい。
【0027】
前記サブキャリア駆動機構5は、図2及び図3に示すように、キャリア2の両端に配置され水平面内で回転可能に配置されたプーリー51,51(回転体)と、プーリー51,51に掛け回された無端状索体52と、無端状索体52の一部を前記本体部に連結する固定部53と、を有している。プーリー51,51は、水平面内で回転可能に横置きされているため、無端状索体52をキャリア2の水平面内の外周に沿って配置することができる。この無端状索体52には、上述したようにサブキャリア4が接続される。したがって、サブキャリア4及びサブキャリア駆動機構5は、キャリア2の厚さの範囲内に収納される。すなわち、キャリア2、サブキャリア4及びサブキャリア駆動機構5は、略同一平面内に配置されることになる。かかる構成により、プレス機12への挿入部をキャリア2の厚さ程度まで薄型化することができる。無端状索体52には、ワイヤ、ベルト、チェーン等が採用される。回転体には、プーリー51の他に、スプロケットを採用してもよい。なお、上述したサブキャリア駆動機構5の構成は単なる一例であり、キャリア2とサブキャリア4を並列に配置した状態でサブキャリア4をキャリア2に沿って移動できる駆動機構であれば、ラック・ピニオン機構、リニアモータ機構等であってもよい。
【0028】
前記各ワーク把持部8は、例えば、図2及び図3に示すように、キャリア2から水平方向に延出されたクロスバー81と、クロスバー81から搬送方向に延出されて配置された複数の吸着部82と、を有する。クロスバー81は、サブキャリア4に固定される。吸着部82は、クロスバー81の延出方向及び搬送方向に並んで配置される。クロスバー81の長さや太さ及び吸着部82の個数や配置は、ワークの大きさ・重量、クロスバー81の剛性、吸着部82の吸着力等の条件により任意に定められる。また、吸着部82には、例えば、バキュームカップ、マグネット、クリップ等を採用することができるが、いずれも所定のタイミングでワークを吸着・解放することができるものである。図2及び図3(B)に示したように、一対のキャリア2,2を隣接して配置した場合には、キャリア2,2の外側に配置された一対のワーク把持部8,8は、サブキャリア駆動機構5により連動されて一つのワークを把持して搬送するように構成される。また、サブキャリア4には、クロスバー81を回動させるチルトモーターを内蔵させるようにしてもよい。
【0029】
前記ケーブルガイド9は、キャリア2の外部からワーク把持部8まで、吸着部82やチルトモーター等の給電線や制御信号線等を一纏めにして連絡するための部品である。ケーブルガイド9は、例えば、樹脂製で屈曲可能に構成されている。具体的には、プラスチック製の小型のガイド部材をケーブルの延設方向に複数配置して各々をピン結合した構成を有するケーブルベア(登録商標)を使用することが好ましい。従来のワーク搬送装置では、キャリアが搬送方向に移動するため、例えば、リンクを多段に形成した形状の給電コネクタや、上下方向に湾曲可能に配置したケーブルガイド等が採用されていた。したがって、本体部3とキャリア2の間に一定の間隔が必要であり、その分だけワーク搬送装置の移動部の高さが高くなり、ワーク搬送の高速化を阻害していた。本発明では、ケーブルガイド9を横置きにして水平面内でキャリア2の移動に伴う変形を吸収できるようにしたことにより、ワーク搬送装置1の移動部の高さを低くすることができ、ワーク搬送を従来よりも高速化することができる。また、ケーブルガイド9を無端状索体52に沿って連動可能に配置したことにより、キャリア2、サブキャリア4、サブキャリア駆動機構5及びケーブルガイド9は、略同一平面内に配置される。上述したように、キャリア2、無端状索体52及びサブキャリア4は、略同一平面上に配置されており、キャリア2と無端状索体52が連結され、無端状索体52とサブキャリア4が連結されている。そして、ケーブルガイド9の一端は無端状索体52に接続され、他端はサブキャリア4に接続される。また、キャリア2とケーブルガイド9の干渉を避ける必要がある。その結果、ケーブルガイド9は、無端状索体52に沿ってキャリア2の周囲を連動するように配置され、略同一平面内に配置されることになる。かかる構成により、プレス機12への挿入部をキャリア2の厚さ程度まで薄型化することができる。なお、ケーブルガイド9の中間部分はキャリア2の支床材21上に載置されている。
【0030】
前記レール10は、図3に示したように、本体部3を移動可能に係止する一対のレール部101,101と、レール部101の間に配置されたラック部102と、を有する。レール部101は、例えば、H型鋼等の鋼材により構成される。ラック部102は、本体部3に配置された本体部駆動機構11と噛合するように配置されている。本体部駆動機構11は、図3に示したように、駆動モータ111と、駆動モータ111の回転軸に連結されたピニオン112と、を有している。また、駆動モータ111とピニオン112との間には減速機113を配置してもよい。したがって、本体部駆動機構11の駆動モータ111を作動させると、ピニオン112とラック部102とが噛合して、本体部3はレール10に沿って移動することとなる。なお、ここではラック・ピニオン機構により本体部3を移動させる場合について説明したが、ベルト駆動機構、チェーン駆動機構、リニアモータ機構等を採用してもよい。また、本体部3とレール部101との係止部分にラック・ピニオン機構やローラー駆動機構等を配置して係止部分で本体部3を移動させるようにしてもよい。
【0031】
前記昇降機構7は、図1に示したように、支柱13,13の上部にそれぞれ配置されており、レール10を昇降させることにより本体部3を昇降することができるように構成されている。昇降機構7は、例えば、駆動モータ71と、レール10に連結され昇降方向に延びたラック部72と、駆動モータ71を介して駆動されるピニオン(図示せず)と、駆動モータ71を連動させる同調軸73と、を有している。また、駆動モータ71とピニオンとの間には減速機74を配置してもよい。また、駆動モータ71の小型化を図るために、レール10、本体部3、キャリア2等の重量を支える空圧シリンダ75を配置してもよい。空圧シリンダ75には、タンク76から常時空圧が供給されており、空圧シリンダ75はレール10等を持ち上げるように作用する。勿論、空圧シリンダ75に替えて油圧シリンダを採用してもよい。なお、ここでは昇降機構7にラック・ピニオン機構を採用した場合について説明したが、ベルト駆動機構、チェーン駆動機構、ピストン駆動機構等を採用してもよい。
【0032】
前記本体部3は、上述したキャリア駆動機構6及び本体部駆動機構11を搭載し、キャリア2を搬送方向に移動可能に支持する機能を有する。本体部3は、例えば、鋼材により形成された枠体である。なお、図2及び図3において、本体部3の形状を一点鎖線で表示したが、かかる形状は単なる一例であり、これに限定されるものではない。
【0033】
続いて、サブキャリア駆動機構5の作用について説明する。ここで、図4は、サブキャリア駆動機構の作用を示す図であり、(A)はサブキャリアが位置X1にある場合、(B)はサブキャリアが位置X0にある場合、(C)はサブキャリアが位置X2にある場合、を示している。
【0034】
図4(A)に示した状態は、サブキャリア4がキャリア2に対して一端の側に寄っている場合(サブキャリアが位置X1にある場合)を示している。また、図4(C)に示した状態は、サブキャリア4がキャリア2に対して他端の側に寄っている場合(サブキャリアが位置X2にある場合)を示している。今、サブキャリア4を位置X1から位置X2まで移動させる場合を考えることとする。このとき、サブキャリア4はキャリア2の中間部である位置X0を通過する。位置X0は、サブキャリア駆動機構5を構成する無端状索体52が本体部3に連結された固定部53の位置でもある。位置X1→位置X0におけるサブキャリア4の挙動と、位置X0→位置X2のサブキャリア4の挙動は同じ動作であるため、まず、サブキャリア4が位置X1から位置X0に到達するまでの挙動について説明する。
【0035】
図4(A)に示した状態から図4(B)に示した状態になるまでに、キャリア2は図の矢印の方向に距離Xcだけ移動したものとする。このとき、無端状索体52は、固定部53により固定されているため、キャリア2の移動に伴ってプーリー51の作用によりキャリア2の外周を矢印の方向に距離Xwだけ周回する。そして、サブキャリア4は、キャリア2上に存在するとともに無端状索体52に接続されているため、距離Xcと距離Xwを足した距離Xsだけ矢印の方向に移動する。ここで、キャリア2の移動する距離Xc=無端状索体52の移動する距離Xwの関係が成立する。したがって、サブキャリア4の移動する距離Xsはキャリア2の移動する距離Xcの2倍となる。すなわち、サブキャリア駆動機構5は倍速機構を構成している。同様にして、サブキャリア4は、図4(B)に示した状態から図4(C)に示した状態になるまでキャリア2に対して倍速で移動する。かかるサブキャリア駆動機構5の作用により、サブキャリア4を位置X1から位置X2に移動させる場合に、キャリア2をその半分の距離だけ移動させればよく、効率よくサブキャリア4を移動させることができ、ワーク搬送を高速化することができる。また、倍速機構を採用することにより、サブキャリア4の移動量に対するキャリア2の移動量を半分にすることができ、滑車の原理によりケーブルガイド9の移動量もキャリア2と同様に半分にすることができ、ケーブルガイド9をプーリー51と干渉させることなく配置することができる。すなわち、ケーブルガイド9の横置きは、倍速機構に好適な配置であるということができる。
【0036】
次に、上述したワーク搬送装置1によりプレス機12A,12B間でワークwを搬送する場合について説明する。ここで、図5は、上流側のプレス機からワークを搬出する工程を示し、(A)は挿入工程、(B)は吸着工程、(C)は上昇工程を示している。また、図6は、下流側のプレス機にワークを搬入する工程を示し、(A)は移動工程、(B)挿入工程、(C)は載置工程を示している。なお、各図においてワーク搬送装置1及びプレス機12A,12Bの図は簡略化してある。
【0037】
まず、図5を参照しつつ、上流側のプレス機12Aからワークwを搬出する工程について説明する。図5(A)に示すように、上流側のプレス機12Aにおいてワークwのプレス加工が終了すると、スライド122が上昇し、ベッド121との間に隙間gが形成される。ここで、隙間gは、スライド122の最下部とベッド121の最上部との間隔である。隙間gがワーク把持部8を挿入できる間隔になったら、本体部駆動機構11により本体部3をプレス機12A側に水平移動させつつ、キャリア駆動機構6によりキャリア2をプレス機12A側に水平移動させながらサブキャリア駆動機構5によりサブキャリア4に接続されたワーク把持部8を隙間gに挿入する。本発明では、キャリア2のプレス機12への挿入部が薄型化されているため、従来よりも狭い隙間gであってもワーク把持部8をプレス機12Aのベッド121とスライド122の隙間gに容易に挿入することができる。したがって、本発明のワーク搬送装置1は、ワークwの形状が複雑化し、隙間gが狭いプレス機12Aにも対応することができる。なお、プレス機12Aに挿入する前のキャリア2及びワーク把持部8の位置が隙間gに挿入できる高さにない場合には、昇降機構7を作動させて高さ調整しつつ、キャリア2及びワーク把持部8を水平方向に移動させるようにすればよい。
【0038】
図5(B)に示すように、ワーク把持部8の挿入が終了したら、昇降機構7を作動させてレール10とともに本体部3、キャリア2及びワーク把持部8を下降させる。ワーク把持部8がワークwを吸着できる高さになったら昇降機構7を停止させ、ワーク把持部8によりワークwを吸着する。なお、図5(A)及び(B)の説明では、ワーク把持部8の挿入と下降を分離して説明したが、昇降機構7、本体部駆動機構11及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の挿入及び下降を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。
【0039】
図5(C)に示すように、ワークwの吸着が終了したら、再び昇降機構7を作動させてレール10とともに本体部3、キャリア2、ワーク把持部8及びワークwを上昇させる。そして、プレス機12Aのベッド121とスライド122の隙間gからワークwを搬出できる高さに到達したら昇降機構7を停止させる。なお、昇降機構7は、予め設定したタイミングで作動及び停止するようにプロミングしておいてもよいし、プレス機12Aに配置されたセンサ等の出力に基づいて作動及び停止するように構成してもよい。
【0040】
次に、図6を参照しつつ、下流側のプレス機12Bにワークwを搬入する工程について説明する。図6(A)に示すように、図5(C)の工程終了後、本体部駆動機構11を作動させて本体部3をプレス機12B側に水平移動させる。また、同時に、キャリア駆動機構6を作動させて、キャリア2を本体部3に対して相対的にプレス機12B側に水平移動させる。キャリア2を移動させると、サブキャリア駆動機構5の作用により、サブキャリア4及びワーク把持部8がキャリア2に沿ってプレス機12B側に倍速で移動する。また、本発明では、ワーク搬送装置1の移動部分の高さを低くすることができるため、従来よりも高速にワークwを搬送することができる。なお、図5(C)及び図6(A)の説明では、ワーク把持部8の上昇と水平移動を分離して説明したが、昇降機構7、本体部駆動機構11及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の上昇及び水平移動を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。
【0041】
図6(B)に示すように、キャリア2及びワーク把持部8は、図6(A)の水平移動のままプレス機12Bのベッド121とスライド122の隙間gに挿入される。このとき、プレス機12Bの隙間gに対してワークwの高さ位置が適切でない場合には、本体部3等を水平移動させながら昇降機構7を作動させてワーク把持部8を隙間gに挿入できる高さとなるように制御する。そして、ワークwがプレス機12Bのベッド121上に載置できる位置に到達すると、ワーク搬送装置1は、本体部3及びキャリア2の水平移動を停止させ、サブキャリア4及びワーク把持部8の水平移動を停止させる。
【0042】
図6(C)に示すように、ワークwをプレス機12Bの隙間gに挿入したら、昇降機構7を作動させてレール10とともに本体部3、キャリア2、ワーク把持部8及びワークwを下降させる。ワークwがベッド121上に載置されると昇降機構7が停止し、ワーク把持部8の吸着を解除してワークwを解放する。なお、図6(B)及び(C)の説明では、ワーク把持部8の挿入と下降を分離して説明したが、昇降機構7、本体部駆動機構11及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の挿入及び下降を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。
【0043】
その後の工程は図示していないが、昇降機構7を作動させてレール10とともに本体部3、キャリア2及びワーク把持部8を上昇させて、ワーク把持部8を引き抜くことができる高さに到達したら昇降機構7を停止させ、本体部駆動機構11及びキャリア駆動機構6により本体部3、キャリア2をプレス機12A側に水平移動させる。この場合も、昇降機構7、本体部駆動機構11及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の上昇及び水平移動を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。そして、図5(A)の状態へと移行し、以下、上述した工程を繰り返してワークwの搬送を行う。
【0044】
次に、本発明に係るワーク搬送装置の第二実施形態によりプレス機12A,12B間でワークwを搬送する場合について説明する。ここで、図7は、第二実施形態のワーク搬送装置により上流側のプレス機からワークを搬出する工程を示し、(A)は挿入工程、(B)は吸着工程、(C)は上昇工程を示している。また、図8は、第二実施形態のワーク搬送装置により下流側のプレス機にワークを搬入する工程を示し、(A)は移動工程、(B)挿入工程、(C)は載置工程を示している。なお、各図においてワーク搬送装置14及びプレス機12A,12Bの図は簡略化してある。
【0045】
図7及び図8に示すように、第二実施形態のワーク搬送装置14は、本体部3を水平移動させない場合に使用されるワーク搬送装置である。したがって、第二実施形態のワーク搬送装置14は、第一実施形態のワーク搬送装置1から、レール10及び本体部駆動機構11を除外した構成になっており、昇降機構7は本体部3に接続された構成になっている。かかる第二実施形態は、上流側のプレス機12Aと下流側のプレス機12Bの間隔が狭い場合や、第一実施形態に示したワーク搬送装置の部品点数を削減したい場合等に使用することができる。なお、その他の構成については、第一実施形態のワーク搬送装置1と同じ構成であるため、ここでは重複した説明を省略する。
【0046】
まず、図7を参照しつつ、上流側のプレス機12Aからワークwを搬出する工程について説明する。図7(A)に示すように、上流側のプレス機12Aにおいてワークwのプレス加工が終了すると、スライド122が上昇し、ベッド121との間に隙間gが形成される。隙間gがワーク把持部8を挿入できる間隔になったら、キャリア駆動機構6によりキャリア2をプレス機12A側に水平移動させながらサブキャリア駆動機構5によりサブキャリア4に接続されたワーク把持部8を隙間gに挿入する。なお、プレス機12Aに挿入する前のキャリア2及びワーク把持部8の位置が隙間gに挿入できる高さにない場合には、昇降機構7を作動させて高さ調整しつつ、キャリア2及びワーク把持部8を水平方向に移動させるようにすればよい。
【0047】
図7(B)に示すように、ワーク把持部8の挿入が終了したら、昇降機構7を作動させて本体部3、キャリア2及びワーク把持部8を下降させる。ワーク把持部8がワークwを吸着できる高さになったら昇降機構7を停止させ、ワーク把持部8によりワークwを吸着する。なお、図7(A)及び(B)の説明では、ワーク把持部8の挿入と下降を分離して説明したが、昇降機構7及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の挿入及び下降を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。
【0048】
図7(C)に示すように、ワークwの吸着が終了したら、再び昇降機構7を作動させて本体部3、キャリア2、ワーク把持部8及びワークwを上昇させる。そして、プレス機12Aのベッド121とスライド122の隙間gからワークwを搬出できる高さに到達したら昇降機構7を停止させる。なお、昇降機構7は、予め設定したタイミングで作動及び停止するようにプロミングしておいてもよいし、プレス機12Aに配置されたセンサ等の出力に基づいて作動及び停止するように構成してもよい。
【0049】
次に、図8を参照しつつ、下流側のプレス機12Bにワークwを搬入する工程について説明する。図8(A)に示すように、図7(C)の工程終了後、キャリア駆動機構6を作動させてキャリア2を本体部3に対して相対的にプレス機12B側に水平移動させる。キャリア2を移動させると、サブキャリア駆動機構5の作用により、サブキャリア4及びワーク把持部8がキャリア2に沿ってプレス機12B側に倍速で移動する。なお、図7(C)及び図8(A)の説明では、ワーク把持部8の上昇と水平移動を分離して説明したが、昇降機構7及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の上昇及び水平移動を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。
【0050】
図8(B)に示すように、キャリア2及びワーク把持部8は、図8(A)の水平移動のままプレス機12Bのベッド121とスライド122の隙間gに挿入される。このとき、プレス機12Bの隙間gに対してワークwの高さ位置が適切でない場合には、キャリア2を水平移動させながら昇降機構7を作動させてワーク把持部8を隙間gに挿入できる高さとなるように制御する。そして、ワークwがプレス機12Bのベッド121上に載置できる位置に到達すると、ワーク搬送装置1は、キャリア2の水平移動を停止させ、サブキャリア4及びワーク把持部8の水平移動を停止させる。
【0051】
図8(C)に示すように、ワークwをプレス機12Bの隙間gに挿入したら、昇降機構7を作動させて本体部3、キャリア2、ワーク把持部8及びワークwを下降させる。ワークwがベッド121上に載置されると昇降機構7が停止し、ワーク把持部8の吸着を解除してワークwを解放する。なお、図8(B)及び(C)の説明では、ワーク把持部8の挿入と下降を分離して説明したが、昇降機構7及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の挿入及び下降を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。
【0052】
その後の工程は図示していないが、昇降機構7を作動させて本体部3、キャリア2及びワーク把持部8を上昇させて、ワーク把持部8を引き抜くことができる高さに到達したら昇降機構7を停止させ、キャリア駆動機構6により本体部3、キャリア2をプレス機12A側に水平移動させる。この場合も、昇降機構7及びキャリア駆動機構6を適宜制御することにより、ワーク把持部8の上昇及び水平移動を滑らかな曲線上で移動させるようにしてもよい。そして、図7(A)の状態へと移行し、以下、上述した工程を繰り返してワークwの搬送を行う。
【0053】
最後に、本発明に係るワーク搬送装置の他の実施形態及び変形例について説明する。ここで、図9は、本発明に係るワーク搬送装置の他の実施形態及び変形例を示す図であり、(A)は第三実施形態、(B)は第四実施形態、(C)はケーブルガイド支持部の変形例、を示している。なお、各図において、第一実施形態のワーク搬送装置1と同じ構成部品については同じ符号を付し、重複して説明を省略する。
【0054】
図9(A)に示す第三実施形態のワーク搬送装置15は、キャリア2を1本で構成したものである。したがって、ワーク把持部8は、キャリア2の片側に片持ち状態に配置される。かかるワーク搬送装置15は、ワークwの大きさが小さい場合や重量が軽い場合に適している。なお、かかる第二実施形態において、第一実施形態と同様に本体部駆動機構11を本体部3に配置してもよいし、第二実施形態と同様に本体部駆動機構11を除外してもよい。
【0055】
図9(B)に示す第四実施形態のワーク搬送装置16は、一対のキャリア2,2を離間して配置し、各キャリア2の内側にワーク把持部8を配置したものである。この場合、キャリア2,2が離間しているため、キャリア駆動機構6は図示したように個別に配置するようにしてもよい。また、各キャリア2に接続されたワーク把持部8は、1本のクロスバー81を構成するように連結され、連動して移動するように制御される。かかるワーク搬送装置16は、ワークwの大きさが大きい場合や重量が重い場合であって、特に剛性や安定性が要求される場合に適している。一方、第一実施形態のワーク搬送装置1は、ワーク把持部8の両側にワーク搬送装置1の構成部品が存在しないため、ワーク搬送装置1と他の機器との隙間が狭いような場合に適している。なお、かかる第三実施形態において、第一実施形態と同様に本体部駆動機構11を本体部3に配置してもよいし、第二実施形態と同様に本体部駆動機構11を除外してもよい。
【0056】
図9(C)に示すケーブルガイド支持部の変形例は、無端状索体52に接続されケーブルガイド9を吊り下げる連結材17で構成したものである。この連結材17は、第一実施形態のワーク搬送装置1で説明したケーブルガイド9の支床材21の代替品である。連結材17は、例えば、ワイヤ、プラスチック等により構成される部品である。連結材17の一端は、無端状索体52に接着又は係止される。また、連結材17に無端状索体52を挿通させるようにしてもよい。連結材17の他端は、フック状又は筒状に形成され、ケーブルガイド9が固定される。かかるケーブルガイド支持部の変形例は、上述した第一実施形態〜第四実施形態の全てのワーク搬送装置1,14,15,16に適用することができる。なお、連結材17を採用した場合には、ケーブルガイド9がキャリア2及びサブキャリア4よりも若干下方に配置されることになるが、ケーブルガイド9とキャリア2及びサブキャリア4とが水平方向に重複する部分を有する限りにおいて、略同一平面であると同一視することができる。
【0057】
本発明は上述した実施形態に限定されず、キャリア2を多段に形成してもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係るワーク搬送装置の第一実施形態を示す外観図である。
【図2】キャリア周辺の上面図である。
【図3】キャリア周辺の側面図及び正面図であり、(A)は側面図、(B)は正面図を示している。
【図4】サブキャリア駆動機構の作用を示す図であり、(A)はサブキャリアが位置X0にある場合、(B)はサブキャリアが位置X0にある場合、(C)はサブキャリアが位置X2にある場合、を示している。
【図5】上流側のプレス機からワークを搬出する工程を示し、(A)は挿入工程、(B)は吸着工程、(C)はリフト工程を示している。
【図6】下流側のプレス機にワークを搬入する工程を示し、(A)は移動工程、(B)挿入工程、(C)は載置工程を示している。
【図7】第二実施形態のワーク搬送装置により上流側のプレス機からワークを搬出する工程を示し、(A)は挿入工程、(B)は吸着工程、(C)は上昇工程を示している。
【図8】第二実施形態のワーク搬送装置により下流側のプレス機にワークを搬入する工程を示し、(A)は移動工程、(B)挿入工程、(C)は載置工程を示している。
【図9】本発明に係るワーク搬送装置の他の実施形態及び変形例を示す図であり(A)は第三実施形態、(B)は第四実施形態、(C)はケーブルガイド支持部の変形例、を示している。
【符号の説明】
【0059】
1,14,15,16 ワーク搬送装置
2 キャリア
3 本体部
4 サブキャリア
5 サブキャリア駆動機構
6 キャリア駆動機構
7 昇降機構
8 ワーク把持部
9 ケーブルガイド
10 レール
11 本体部駆動機構
12,12A,12B プレス機
13 支柱
17 連結材(ケーブルガイド支持部)
21 支床材(ケーブルガイド支持部)
51 プーリー(回転体)
52 無端状索体
53 固定部
61 ベルト(従動部)
62 駆動モータ(駆動部)
63 プーリー
64 補助プーリー
65 減速機
66 軸受
71 駆動モータ
72 ラック部
73 同調軸
74 減速機
75 空圧シリンダ
76 タンク
81 クロスバー
82 吸着部
101 レール部
102 ラック部
111 駆動モータ
112 ピニオン
113 減速機
121 ベッド
122 スライド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材であるワークの搬送方向に延びたキャリアと、該キャリアを搬送方向に移動可能に支持する本体部と、前記キャリアに沿って移動可能に配置されたサブキャリアと、該サブキャリアを前記キャリアに沿って移動させるサブキャリア駆動機構と、前記キャリアを搬送方向に移動させるキャリア駆動機構と、前記本体部を上下に移動させる昇降機構と、前記サブキャリアに接続されるワーク把持部と、少なくとも該ワーク把持部への給電線を支持及び案内するケーブルガイドと、を備えたワーク搬送装置であって、
前記キャリア、前記サブキャリア及び前記ケーブルガイドは、略同一平面内に配置されている、ことを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項2】
前記サブキャリア駆動機構は、前記キャリアの両端に配置され水平面内で回転可能に配置された回転体と、該回転体に掛け回された無端状索体と、該無端状索体の一部を前記本体部に連結する固定部と、を有し、前記サブキャリアは、前記無端状索体に連結されており、前記ケーブルガイドは、前記無端状索体に沿って連動可能に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記キャリアは、前記ケーブルガイドを支持するケーブルガイド支持部を有し、該ケーブルガイド支持部は、前記キャリアの下部に配置され前記ケーブルガイドを摺動可能に載置する支床材又は前記無端状索体に接続され前記ケーブルガイドを吊り下げる連結材である、ことを特徴とする請求項2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記キャリア駆動機構は、前記キャリアの上部に搬送方向に沿って配置された従動部と、前記本体部に配置され前記従動部を介して前記キャリアを移動させる駆動部と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記キャリア駆動機構は、ベルト駆動機構により構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記ワークの搬送方向に延びたレールと、該レールに沿って前記本体部を移動させる本体部駆動機構と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
隣接して配置された一対の前記キャリアと、各キャリアの外側に配置される前記ワーク把持部と、を有し、これらのワーク把持部を連動させてワークを搬送する、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
離間して配置された一対の前記キャリアと、各キャリアの内側に配置される前記ワーク把持部と、を有し、これらのワーク把持部を連動させてワークを搬送する、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−46706(P2010−46706A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215227(P2008−215227)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】