ワーク整列装置
【課題】 コンベア上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを1列に整列させることができ、その過程でワーク詰まりが発生しにくいワーク整列装置を提供する。
【解決手段】 不規則な配置で載せられた多数のワークWを搬送するコンベア2を有する。制御装置30により、コンベア2の正転と逆転とを制御する。コンベア2上に、ワークガイド6、ストッパ7、および当り部材8を設ける。ワークガイド6は、狭まり部6bにより、コンベア2上のワークWの通行可能幅を、搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて1個だけが通行可能な幅にする。ストッパ7は、コンベア2の逆転時に、狭まり部6bにより1列に整列させられたワーク群を整列状態を維持して受け止める。当り部材8は、コンベア2の逆転時に、上流側へ逆流するワークを幅方向に逃がして各ワークWの幅方向の位置関係を変化させる。
【解決手段】 不規則な配置で載せられた多数のワークWを搬送するコンベア2を有する。制御装置30により、コンベア2の正転と逆転とを制御する。コンベア2上に、ワークガイド6、ストッパ7、および当り部材8を設ける。ワークガイド6は、狭まり部6bにより、コンベア2上のワークWの通行可能幅を、搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて1個だけが通行可能な幅にする。ストッパ7は、コンベア2の逆転時に、狭まり部6bにより1列に整列させられたワーク群を整列状態を維持して受け止める。当り部材8は、コンベア2の逆転時に、上流側へ逆流するワークを幅方向に逃がして各ワークWの幅方向の位置関係を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンベア上に不規則に置かれる多数のワークを、工作機械またはその搬送装置等の供給先に1個単位で供給するために1列に整列させるワーク整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベア上に不規則に置かれる多数のワークを1列に整列させるワーク整列装置の1例が、特許文献1に開示されている。このワーク整列装置は、コンベア上に設けた幅寄せガイドにより、搬送されるワークの通行可能幅を徐々に狭めてワーク1個分とすることで、ワークを1列に整列させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平4−32341号公報
【特許文献2】特許第2621572号公報
【特許文献3】特開2006−8296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ワーク整列装置は、コンベアの幅(幅寄せガイドのない上流側)がワーク2、3個分程度であるため、幅寄せガイドでワークの幅方向の位置を変化させるのに、幅寄せガイド付近のワークに対し後方のワークが押す圧力が小さく、ワークに無理な力がかからない。そのため、ワークが円滑に搬送され、幅寄せガイドの位置でワーク詰まりが発生する可能性は比較的少ないと思われる。
【0005】
しかし、図18のワーク整列装置1のように、コンベア2の幅が広く、多数列で搬送されるワークWをワークガイド6の狭まり部6bによって1列に幅寄せさせる場合、狭まり部6bの下流端付近のワークWに対して後方のワークWから大きな圧力が加わり、図示のように、狭まり部6bの下流端でワーク詰まりが生じやすい。
【0006】
その対策として、コンベア2を逆転させることでワーク詰まりを解消することを考えついた。そこで、ワーク詰まりが発生するたびにコンベア2を逆転させて効果を確かめてみたところ、初めの数回はワーク詰まりが解消されてワークWが流れるようになるが、コンベア2の正転と逆転を何回も繰り返すと、各ワークWが互いに密集し規則正しく整列することで、ワーク群全体が同じ動きをするようになり、ついには図19のように、狭まり部6bの下流端よりも上流側の位置で、ワーク群の最前列がアーチ状または直線状になった状態でワーク詰まりが発生することが分かった。
【0007】
この発明の目的は、コンベア上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを1列に整列させることができ、その過程でワーク詰まりが発生しにくいワーク整列装置を提供することである。
この発明の他の目的は、さらにワーク詰まりを発生しにくくすることである。
この発明のさらに他の目的は、ワーク詰まりが発生したときに迅速に適正な対応がとれるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のワーク整列装置は、円形のワークが複数並ぶことが可能な幅を有し、多数のワークを不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で搬送するコンベアと、このコンベアの上方に配置され、コンベアにより搬送されるワークのコンベア上の通行可能幅を、コンベアの搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて、狭まり端で1個だけが通行可能な幅にする狭まり部、およびこの狭まり部の下流側に設けられて前記狭まり端と略同じ幅のまま続く整列部を有するワークガイドと、前記コンベアを、ワークを搬送する方向の回転である正転とその反対方向の回転である逆転とに切り替える制御を行う制御手段と、前記コンベアの上方で前記ワークガイドの前記狭まり部の領域内に配置され、前記コンベアの逆転時に、前記狭まり部および整列部により1列に整列させられたワーク群を、下流側を向くストッパ面で整列状態を維持して受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止するストッパと、このストッパの前記ストッパ面よりも上流側で前記ストッパの側方に隣接し、前記コンベアの逆転時に、上流側へ逆流するワーク群を幅方向に逃がして各ワークの幅方向の位置関係を変化させる当り部材とを備える。
【0009】
この構成によると、コンベアの上流側において、多数のワークが不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態でコンベア上に供給される。各ワークは、コンベアの正転により下流側へ搬送される。ワークがワークガイドの狭まり部の位置へ達すると、この狭まり部によりワークが狭まり端の側へ幅寄せされて、狭まり端で1列に整列させられる。整列させられたワークは、ワークガイドの整列部からなるワーク通路を通って、例えば工作機械またはその搬送装置等の供給先に1個ずつ供給される。
【0010】
ワーク詰まり発生時または予め定めたタイミングで、制御手段によりコンベアを逆転させる。コンベアを逆転させることで、コンベア上のワークは全体的に上流側へ逆流する。しかし、ワークガイドの狭まり部の狭まり端を通過して1列に整列させられたワークは、ストッパのストッパ面で整列状態を維持して受け止められて、上流側への逆流が阻止される。また、狭まり部の狭まり端付近に位置していた各ワークは、当り部材に沿って逆流することで、幅方向の位置関係が変化させられる。
【0011】
一定時間または一定距離だけコンベアを逆転させた後、制御手段によりコンベアを正転に戻す。これにより、各ワークが下流側に搬送される。ストッパに受け止められていたワークは、整列状態のまま下流側へ搬送される。また、コンベアの逆転開始時に狭まり部の狭まり端付近に位置していた各ワークは、コンベアの逆転時に幅方向の位置関係が変化させられたため、コンベアを正転させても元の位置関係とはならない。つまり、コンベアの逆転開始時に狭まり部の狭まり端付近でワーク詰まりが生じていた場合、そのワーク詰まりの原因が解消される。よって、次回にコンベアを正転させたときに、狭まり部の狭まり端を各ワークが詰まらずに通過して1列に整列させられる。
【0012】
この発明において、前記コンベアの上方で前記当り部材よりも上流側に位置し、前記コンベアの逆転時に、逆流するワーク群をコンベアの幅方向に分散させる分散促進部材を設けるのが望ましい。分散促進部材は、1箇所だけに設けても良く、あるいは複数箇所に設けても良い。
当り部材の作用により、ワークガイドの狭まり部の狭まり端付近のワークはコンベアを逆転させるたびに幅方向の位置関係が変化させられて、前記狭まり部でのワーク詰まりが生じにくい。しかし、コンベアの正転と逆転とを繰り返すと、次第に各ワークが密集して個々のワークの自由な移動が拘束され、各ワークが全体で一つの塊となって同じ動きをするようになってくる。それにより、塊状のワーク群の下流側部分が、当り部材の上流端とこの上流端と対向するワークガイドの箇所とにそれぞれ引っ掛かって詰まりやすくなる。この場合、ワーク群の最前列の形状が、上流側に凹んだアーチ状または直線状になる。分散促進部材が設けられていれば、コンベアの逆転時に逆流する各ワークがコンベアの幅方向に分散させられるため、各ワークが密集することが防がれ、上記ワーク詰まりの発生を回避できる。
【0013】
この発明において、前記ワークガイドの前記狭まり部の狭まり端よりも下流側の位置であるワーク通過位置でワークを検出するワーク検出手段と、このワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合にワーク詰まりであると判定する判定手段とを有するワーク詰まり検出装置を設けるのが良い。
ワークガイドの狭まり部においてワーク詰まりが生じた場合、ワーク通過位置にワークが到達しなくなる。そのため、ワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合、ワーク詰まりであると判定することができる。ワーク検出手段と判定手段とが設けられていると、ワーク詰まりを検出することができ、ワーク詰まりが生じた場合に迅速に適正な対応をとることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明のワーク整列装置は、円形のワークが複数並ぶことが可能な幅を有し、多数のワークを不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で搬送するコンベアと、このコンベアの上方に配置され、コンベアにより搬送されるワークのコンベア上の通行可能幅を、コンベアの搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて、狭まり端で1個だけが通行可能な幅にする狭まり部、およびこの狭まり部の下流側に設けられて前記狭まり端と略同じ幅のまま続く整列部を有するワークガイドと、前記コンベアを、ワークを搬送する方向の回転である正転とその反対方向の回転である逆転とに切り替える制御を行う制御手段と、前記コンベアの上方で前記ワークガイドの前記狭まり部の領域内に配置され、前記コンベアの逆転時に、前記狭まり部および整列部により1列に整列させられたワーク群を、下流側を向くストッパ面で整列状態を維持して受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止するストッパと、このストッパの前記ストッパ面よりも上流側で前記ストッパの側方に隣接し、前記コンベアの逆転時に、上流側へ逆流するワーク群を幅方向に逃がして各ワークの幅方向の位置関係を変化させる当り部材とを備えるため、コンベア上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを1列に整列させることができ、その過程でワーク詰まりが発生しにくい。
【0015】
前記コンベアの上方で前記当り部材よりも上流側に位置し、前記コンベアの逆転時に、逆流するワーク群をコンベアの幅方向に分散させる分散促進部材を設けることで、さらにワーク詰まりを発生しにくくすることができる。
【0016】
前記ワークガイドの前記狭まり部の狭まり端よりも下流側の位置であるワーク通過位置でワークを検出するワーク検出手段と、このワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合にワーク詰まりであると判定する判定手段とを有するワーク詰まり検出装置を設けることで、ワーク詰まりを検出することができ、ワーク詰まりが発生した場合に迅速に適正な対応がとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】同ワーク整列装置の部分拡大図である。
【図5】図4のV矢視図である。
【図6】(a)〜(g)は同ワーク供給設備のワーク1個送り装置のそれぞれ異なる状態を示す平面図である。
【図7】同ワーク整列装置のコンベアの動作状態と第1および第2のワーク検出手段の検出状態とワーク1個送り装置の遮断板の進退位置との関係を示すタイムチャートである。
【図8】(A)は同ワーク整列装置の一動作時におけるコンベアの逆転前の平面図、(B)は逆転後の平面図である。
【図9】(A)は同ワーク整列装置の異なる動作時におけるコンベアの逆転前の平面図、(B)は逆転後の平面図である。
【図10】(A)〜(F)は同ワーク整列装置のそれぞれ異なる状態を示す平面図である。
【図11】(A)〜(C)は異なるワーク整列装置のそれぞれ異なる状態を示す平面図である。
【図12】この発明の異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図13】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図14】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図15】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図16】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図17】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図18】従来のワーク整列装置におけるワーク詰まりの1状態を示す平面図である。
【図19】同ワーク整列装置におけるワーク詰まりの異なる状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1は、この発明にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。このワーク供給設備は、工作機械またはその搬送装置等の供給先に円形のワークWを1個ずつ供給する設備であり、ワーク整列装置1と、ワーク1個送り装置20と、これらワーク整列装置1およびワーク1個送り装置20を制御する制御装置30とでなる。ワークWは、例えば円柱状の鋼材である。
【0019】
ワーク整列装置1は、人手等により載せられたワークWを所定の搬送方向Xに搬送するコンベア2を備える。コンベア2は、フレーム3と、このフレーム3に無端軌道に沿って移動自在に支持されワークWが複数並ぶことが可能な幅を有する帯状の無端搬送体4と、この無端搬送体4を駆動する電動モータ等の搬送駆動源5とを備える。搬送駆動源5は、制御装置30の制御により、正転・逆転両方向に切り替え可能である。正転は無端搬送体4でワークWを搬送する方向の回転であり、逆転は正転と反対方向の回転である。コンベア2は、ベルトコンベアまたはスラットコンベアであって、コンベア2の両端にありフレーム3に支持されたローラ(図示せず)に前記無端搬送体4が掛装されており、前記搬送駆動源5によりいずれかのローラを回転させるようになっている。
【0020】
コンベア2には、搬送されるワークWのコンベア2上の通行可能幅を規制するワークガイド6が設けられている。図1および図2に示すように、ワークガイド6は、搬送方向Xを向いて左側の左ワークガイド6Lと右側の右ワークガイド6Rとで構成される。これら左右ワークガイド6L,6Rはフレーム3に固定されて、無端搬送体4の搬送面となる上面から少し離れた高さに設けられている。ワークガイド6におけるコンベア2の上流端から中間部過ぎまでの部分は、左右ワークガイド6L,6Rの内側縁が無端搬送体4の左右両端の近傍に位置し、無端搬送体4の幅とほぼ同じ通行可能幅を有する全幅部6aとされている。全幅部6aの下流側に続く狭まり部6bは、左ワークガイド6Lの内側端が幅方向の内側に一定寸法分入り込み、かつ右ワークガイド6Rの内側縁が下流側に行くに従い徐々に左側へ変化する形状、すなわち例えば搬送方向に対して斜めに延びる直線となる形状となっている。その結果、狭まり部6bは、下流側へ行くに従い徐々に通行可能幅が狭まっている。狭まり部6bの狭まり端では、ワークWが1個だけが通行可能な幅である。狭まり部6bから先は、上記狭まり端と同じ幅のまま続く整列部6cである。
【0021】
前記狭まり部6bにおける上流位置に、左ワークガイド6Lから幅方向の内側へ突出したストッパ7が設けられている。図4はストッパ7等の拡大平面図、図5はそのV矢視図である。図4に示すように、このストッパ7の幅方向の突出長さAは、ワークWの直径D以下で、半径Rよりも大きい寸法とされている(R<A≦D)。R<A≦R+Dでも良い。また、ストッパ7の下流側を向くストッパ面7aの平面形状は、左ワークガイド6Lから離れるほど下流側に位置する斜め形状とされている。
【0022】
上記ストッパ7には、このストッパ7のストッパ面7aの下流端の先端から案内面8aが幅方向内側に向き上流側に至るほど内側に位置するように斜めに延びる傾斜ガイド(当り部材)8が取付けられている。傾斜ガイド8の案内面8aの角度θは、前後方向(コンベア2の長さ方向)に対し例えば約30度に設定されている。図例の傾斜ガイド8は、2本のボルト9A,9Bによってストッパ7に固定され、一方のボルト9Aはストッパ7の円弧状長孔7bの任意の位置に締付け固定することができるようになっている。そのため、ボルト9Aの位置を円弧状長孔7bの範囲内で変更することにより、傾斜ガイド8の案内面8aの角度θを調整可能である。傾斜ガイド8は、必ずしも案内面8aの角度θが調整できなくてもよい。また、ストッパ7と傾斜ガイド8が一体に形成されていてもよい。
【0023】
さらに、傾斜ガイド8よりも上流側に、コンベア2の逆転時に逆流するワーク群をコンベア2の幅方向に分散させる役割をする第1および第2の分散促進部材11,12が設けられている。図2に示すように、これら第1および第2の分散促進部材11,12は、フレーム3に両端が固定された支持部材13に垂下支持されて、下端が無端搬送体4の上面から少し離れた高さになるように設けられている
【0024】
第1の分散促進部材11は、平面形状が狭まり部6bの右ワークガイド6Rの側面の傾斜と逆向きに傾斜した細長い板状部材であり、一端が左ワークガイド6Lの近傍に位置し、他端がコンベア2の幅方向のほぼ中央付近に位置している。第1の分散促進部材11の他端は、狭まり部6bの手前に位置する。これにより、コンベア2の逆転時にワークWを分散させるだけでなく、正転時においても一気に多くのワークWを流さないようにせき止める役割を持つ。
【0025】
第2の分散促進部材12は、平面形状が第1の分散促進部材12と比べて短い板状部材であって、第1の分散促進部材11よりも上流側で、かつ第1の分散促進部材11よりも右側に、第1の分散促進部材11と幅方向に重ならずに配置されている。第2の分散促進部材12も、第1の分散促進部材11と同じ向きに傾斜させてあり、その傾斜の勾配は第1の分散促進部材11よりも若干強くしてある。
【0026】
前記ワークガイド6の整列部6cよりも下流側には、上流側を向く面が平面形状でV字形をし、整列部6cを通過したワークWを受け止めるワーク受け14が設けられている。このワーク受け14も間接的にフレーム3に固定されて、無端搬送体4の上面から少し離れた高さに設けられている。このワーク受け14により受け止められたワークWは、搬送装置(図示せず)により工作機械(図示せず)に搬入され加工される。
【0027】
ワーク整列装置1には、ワークガイド6の整列部6cの定められたワーク通過位置PにワークWが存在するか否かを検出する第1のワーク検出手段15と、ワーク受け14にワークWが存在するか否かを検出する第2のワーク検出手段16とが設けられている。これらワーク検出手段15,16はいずれも光電スイッチ等の光電式の検出手段であって、フレーム3の左側に設置された投光部15a,16aと、右側に設置された受光部15b,16bとで構成される。投光部15a,16aからの検出光を受光部15b,16bが受光した場合は、ワークWが無い状態であるOFFになり、受光しない場合は、ワークWが有る状態であるONになる。第1のワーク検出手段15を設けるワーク通過位置Pは、整列部6cにおける前後方向のどの位置であってもよい。図例では、ワーク通過位置Pが、整列部6cのほぼ中央とされている。
【0028】
ワーク1個送り装置20は、ワークガイド6の整列部6cに整列する複数のワークWを、先頭のものから順に1個ずつ切り離して下流側へ送る切り離し装置であり、前記ワーク通過位置Pを挟んで上流側と下流側とに設けられた一対の通路遮断手段21,22からなる。図6(a)〜(g)に示すように、通路遮断手段21,22は、直動型のアクチュエータ21a,22aに遮断板21b,22bを取付けたものであって、アクチュエータ21a,22aの駆動により、遮断板21b,22bをワーク通路23を遮る遮断位置と遮らない退避位置とに進退させる。一対の遮断板21b,22bのピッチpは、ワークWが1個だけ入る寸法にしてある。
【0029】
制御装置30は、コンピュータによる数値制御式のものであり、ワーク整列装置1を制御する整列制御部31と、ワーク1個送り装置20を制御する1個送り制御部32とを有する。また、整列制御部31は判定手段33を有し、この判定手段33は、前記第1のワーク検出手段15と共にワーク詰まり検出装置34を構成する。
【0030】
整列制御部31は、第2のワーク検出手段16がONのときコンベア2を停止させ、第2のワーク検出手段16がONからOFFに切り替わると、予め定めた逆転時間t1だけコンベア2を逆転させた後、コンベア2を正転させるように、搬送駆動源5に出力する。逆転時間t1の長さは、コンベア2の逆転により、少なくとも無端搬送体4が整列部6cの入口付近からストッパ7の下流端までの距離だけ移動する時間とされている。より具体的には、コンベア2の逆転により、無端搬送体4がワーク1個送り装置20付近にあるワークWをストッパ7のストッパ面7aの位置まで逆流させる時間とされている。
【0031】
判定手段33は、第1のワーク検出手段15がOFFである状態が一定時間T以上継続した場合、ワーク詰まりが生じていると判定する。その場合、整列制御部31は、コンベア2が正転中であってもコンベア2を逆転させるように、搬送駆動源5に出力する。この場合の逆転時間t2も、前記定期的な逆転のときの逆転時間t1と同じ長さである。上記一定時間Tは、任意の定めた時間である。なお、コンベア2の運転を開始してから少なくとも一度、第1のワーク検出手段15がONになるまでは、判定手段33がワーク詰まりの判定をしないように設定されている。
【0032】
1個送り制御部32は、第1および第2のワーク検出手段15,16の検出信号およびコンベア2の動作状態等に応じて、各通路遮断手段21,22の遮断板21b,22bが後で説明する一連の進退動作を行うように、アクチュエータ21a,22aに出力する。
【0033】
このワーク供給設備の動作を説明する。
ワーク整列装置1のコンベア2の上流側において、人手等によりワークWがコンベア2の無端搬送体4の上に載せられる。各ワークWは、不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態となっている。コンベア2の正転により、各ワークWが下流側へ搬送される。ワークWがワークガイド6の狭まり部6bの位置へ達すると、この狭まり部6bによりワークWが狭まり端の側へ幅寄せされて、狭まり端で1列に整列させられる。1列に整列させられたワークWは、ワークガイド6の整列部6cからなるワーク通路23を通って下流側へ搬送される。ワーク通路23の途中のワーク通過位置Pで、整列した複数のワークWのうち先頭のものがワーク1個送り装置20により後続のワークWから切り離される。ワーク1個送り装置20の動作については、後で説明する。切り離された先頭のワークWは、下流側へ搬送されて、ワーク受け14に受け止められる。ワーク受け14のワークWは、図示しないワーク搬入装置により取り上げられて工作機械等に搬入される。
【0034】
図7は、コンベア2の運転状態と第1および第2のワーク検出手段15,16の検出状態とワーク1個送り装置20の遮断板21b,22bの進退位置との関係を示すタイムチャートの一例である。上記ワーク供給設備の動作において、整列制御部31の制御により、ワーク受け14にワークWが受け止められて第2の検出手段16がONである時は、コンベア2を停止させ、ワーク受け14からワークWが取り上げられて第2の検出手段16がOFFになると、コンベア2を定められた逆転時間t1だけ逆転させた後、正転させる。
【0035】
このように定期的にコンベア2を逆転させることで、狭まり部6bの狭まり端付近に位置するワークWが、傾斜ガイド8に沿って逆流し、互いの位置関係が変化させられる。これらのワークWが狭まり部6bの狭まり端でワーク詰まりの原因となっていた場合、ワークWの互いの位置関係が変化させられることによりワーク詰まりの原因が解消され、狭まり部6bの狭まり端でのワーク詰まりが防がれる。
【0036】
コンベア2の逆転前の状態と逆転後の状態の一例を図8(A),(B)に示す。図8(A)に示すように、コンベア2の逆転する前の時点では、狭まり部6bの狭まり端付近に位置するワークW(同図において番号3,4を付したワーク)が、傾斜ガイド8の下流端と狭まり部6bの右ワークガイド6Rとの間に挟まってワーク詰まりの原因となっている。この状態からコンベア2を逆転させると、番号3のワークWは、傾斜ガイド8からの摩擦抵抗と番号4のワークWからの干渉とを受けつつ逆流する。そのため、他のワークWに比べて、前後方向の移動距離が短い。番号4のワークWは、番号3のワークWに押されながら斜めに逆流する。その結果、コンベア2の逆転後には、番号4のワークWは、番号3のワークWから少しだけ右側に離れ、かつ番号3のワークWよりも上流側に位置するようになる。それにより、詰まりの原因が解消される。
【0037】
コンベア2を逆転させても、ワークガイド6の整列部6cで1列に整列していたワークW(同図において番号1,2を付したワーク)は、ストッパ7により整列状態を維持したまま受け止められて、上流側へ逆流するのを阻止される。そのため、次回にコンベア2を正転させたときに、ストッパ7に受け止められていたワークWが、整列状態のまま円滑に整列部6cへ移動する。
【0038】
また、図9(A)の逆転前の平面図および図9(B)の逆転後の平面図に示すように、定期的にコンベア2を逆転させれば、コンベア2の逆転時に、ワークガイド6の全幅部6aと狭まり部6bとの境界部から上流側にかけて位置するワークW(同図において番号1〜20を付したワーク)が、第1および第2の分散促進部材11,12により幅方向に分散させられる。そのため、コンベア2が正転と逆転とを繰り返しても、各ワークWが規則正しく整列せず、各ワークWが互い密集してワーク群全体が同じ動きをすることに起因するワーク詰まりを防げる。
【0039】
例えば、図11(A)〜(C)のように分散促進部材11,12が設けられていない場合、コンベア2が正転(図11(A),(C))と逆転(図11(B))とを繰り返すと、各ワークWが密集して規則正しく整列してくる。各ワークWが密集すると、個々のワークWの自由な移動が拘束されて各ワークWが全体で一つの塊となって同じ動きをするようになっていく。それにより、図11(C)に示すように、塊状のワーク群W,…の下流側部分が、傾斜ガイド8の上流端とこの上流端と対向する狭まり部6bの右ワークガイド6Rとにそれぞれ引っ掛かってワーク詰まりが生じする。この場合、ワーク群W,…の最前列の形状が、上流側に凹んだアーチ状または直線状になる。分散促進部材11,12が設けられていれば、上記ワーク詰まりの発生を回避できる。
【0040】
図7のタイムチャートにおいて、コンベア2を正転させてから一定時間Tが経過しても第1の検出手段15がOFFのままである場合は、判定手段33がワーク詰まりであると判定し、整列制御部31の制御により、コンベア2を定められた逆転時間t2だけ逆転させた後、正転に戻す。この制御による作用を図10(A)〜(F)と共に説明する。図10(A)〜(F)は、図7においてA〜Fで示す時点のワーク整列装置1のそれぞれの状態を示したものである。
【0041】
図10(A)は、コンベア2の正転中に、狭まり部6bの狭まり端付近でワーク詰まりが発生した状態を示す。この状態から、コンベア2を定められた逆転時間t2だけ逆転させることで、傾斜ガイド8の前記作用により、詰まりの原因となっていた番号1,2のワークWの位置関係が変化させられる(図10(B))。それにより、コンベア2を次回に正転させたとき、上記ワークWが狭まり部6bの狭まり端を詰らずに通過して、整列状態でワークガイド6の整列部6cからなるワーク通路23に送られる(図10(C))。
【0042】
図10(D)は、番号1〜3のワークWは狭まり部6bの狭まり端を通過したが、後続の番号4,5のワークWが、前記同様、狭まり部6bの狭まり端付近で詰まった状態を示す。この状態から、コンベア2を定められた逆転時間t2だけ逆転させることで、詰まりの原因が解消される。整列部6cで整列していた番号1〜3のワークWは、整列状態のままストッパ7に受け止められて、逆流しない(図10(E))。そのため、コンベア2を次回に正転させた時に、ストッパ7に受け止められていたワークWが、整列状態のまま円滑に整列部6cへ移動する(図10(F))。
【0043】
ワーク1個送り装置20の動作を図6と共に説明する。図6(a)〜(g)は、図7においてa〜gで示す時点のワーク1個送り装置20のそれぞれの状態を示したものである。
先頭のワークWがワーク通過位置Pに達すると、ワーク通路23を遮る遮断位置(IN)にある下流側の通路遮断手段22の遮断板22bにより、先頭のワークWが停止させられる。第1の検出手段15はONになる(図6(a))。次いで、アクチュエータ21aの駆動で上流側の遮断板21bを遮断位置(IN)に進出させて、後続のワークWをせき止める(図6(b))。さらに、アクチュエータ22aの駆動で下流側の遮断板22bを退避位置(OUT)に退避させることで、ワーク通過位置Pにあった先頭のワークWだけがワーク受け14に向けて1個送りされる。第1のワーク検出手段15はOFFになる(図6(c))。
【0044】
ワークWが1個送りされてから、アクチュエータ21aの駆動で上流側の遮断板21bを退避位置(OUT)に退避させると共に、アクチュエータ22aの駆動で下流側の遮断板22bを遮断位置(IN)に進出させる。それにより、ワーク通路23内の先頭のワークWがワーク通過位置Pまで移動して、下流側の遮断板22bにせき止められる。第1の検出手段15はONになる(図6(d))。
【0045】
先に1個送りされたワークWがワーク受け14に到達して、第2の検出手段16がONになると、コンベア2を停止させる(図6(e))。その後、ワーク受け14に受け止められているワークWがワーク搬入装置(図示せず)によって取り上げられて、第2の検出手段16がOFFになる(図6(f))。このとき第1の検出手段15がONである場合、アクチュエータ21aの駆動で上流側の遮断板21bを遮断位置(IN)に進出させて、ワーク通過位置PのワークWの逆流を防止してから、コンベア2を定められた逆転時間t1だけ逆転させる(図6(g))。
【0046】
逆転時間t1が経過したなら、コンベア2を正転に切り替えると共に、アクチュエータ22aの駆動で下流側の遮断板22bを退避位置(OUT)に退避させる。これにより、ワーク通過位置PにあったワークWが下流側へ1個送りされて、第1の検出手段15がOFFになる。すなわち、図6(c)と同じ状態に戻る。以後、図6(c)〜(g)の動作を繰り返す。
【0047】
このワーク供給設備は、ワーク整列装置1とワーク1個送り装置20とを組み合わせて構成したことにより、ワーク整列装置1のコンベア2上に不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で載せられる多数のワークWを、工作機械等の供給先に1個ずつ供給することができる。ワーク整列装置1は、コンベア2の正転開始に先行して定期的にコンベア2を逆転させることにより、傾斜ガイド8の作用でワーク詰まりの原因が解消されるため、ワーク詰まりが生じ難い。また、ワーク詰まり発生時にもコンベア2を逆転させることにより、仮にワーク詰まりが生じても、そのワーク詰まりを解消することができる。そのため、確実にワークの供給が可能である。
【0048】
上記実施形態は、第1および第2の分散促進部材11,12が設けられているが、場合によっては、図11のように分散促進部材11,12が設けられていなくても良い。分散促進部材11,12が無くても、傾斜ガイド8の作用により、ワークガイド6の狭まり部6bの狭まり端でのワーク詰まりを防止する効果は期待できる。しかし、先に説明したように、コンベア2の正転と逆転とを繰り返すと、傾斜ガイド8の上流端と狭まり部6bのワークガイド6間でワーク詰まりが起きやすくなるため、分散促進部材11,12が設けられていることが望ましい。
【0049】
以下、この発明の異なる実施形態について説明する。
図12に示すワーク整列装置1は、ワークガイド6が、搬送行程の全範囲に設けられた左右ワークガイド6L,6R、および搬送行程の中間部過ぎから下流部にかけて設けられた中央ワークガイド6Cでなり、左ワークガイド6Lと中央ワークガイド6C間に左ワーク通路23Lが形成され、かつ右ワークガイド6Rと中央ワークガイド6C間に右ワーク通路23Rが形成されている。ワークW(図示せず)は、搬送行程の中間部過ぎから、左ワーク通路23Lと右ワーク通路23Rとに分かれて搬送され、各ワーク通路23,23Rに対応して設置された左右のワーク受け14L,14Rに受け止められる。
【0050】
この場合も、各ワーク通路23L,23Rに対応して、ワークガイド6に前記同様の狭まり部6bおよび整列部6cを設ける。それにより、コンベア2上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを、各ワーク通路23L,23Rで1列に整列させることができる。また、ワークガイド6の狭まり部6bの領域内に、前記同様のストッパ7および傾斜ガイド(当り部材)8を設ける。そして、ワーク詰まり発生時または予め定めたタイミングでコンベア2を逆転させることにより、ワーク詰まりが発生しにくくできる。
【0051】
図13に示すワーク供給設備は、ワーク1個送り装置20が1つの通路遮断手段22だけを有するものとされ、ワーク受け14がワーク通路23の受け位置Q1とこの受け位置Q1に対し側方にスライドしたスライド位置Q2とに位置切換可能とされている。この構成であっても、工作機械またはその搬送装置等の供給先にワークWを1個ずつ供給することができる。
【0052】
図14に示すワーク整列装置1は、第1および第2の分散促進部材11,12が、分散促進部材位置変更駆動源41,42の駆動により、それぞれ搬送方向と直交する方向に位置変更自在とされている。それにより、ワークWの種類の違いや搬送条件の違い等に応じて、第1および第2の分散促進部材11,12を位置変更することができる。図例では、第1および第2の分散促進部材11,12を、長手方向が搬送方向と直交するように設けられているが、搬送方向に対し傾斜させて設けても良い。
【0053】
図15に示すワーク整列装置1は、ストッパ7および傾斜ガイド8が、ストッパ位置変更駆動源43の駆動により、搬送方向と直交する方向に位置変更自在とされている。それにより、ワークWの種類の違いや搬送条件の違い等に応じて、ストッパ7および傾斜ガイド8を位置変更することができる。
【0054】
図16に示すワーク整列装置1は、ストッパ7のストッパ面7aが、搬送方向と直交する面とされている。このストッパ7によっても、コンベア2の逆転時に、ワーク通路23のワーク群を整列状態を維持したまま受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止することができる。なお、図例では、傾斜ガイド8は設けられていない。
【0055】
図17に示すワーク整列装置1は、ストッパ7が、上下方向に延びるピン44を複数本並べて構成したものとされている。各ピン44は、左ワークガイド6Lから離れるものほど下流側に位置するように配置されている。このストッパ7によっても、コンベア2の逆転時に、ワーク通路23のワーク群を整列状態を維持したまま受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止することができる。なお、図例では、傾斜ガイド8は設けられていない。
【符号の説明】
【0056】
1…ワーク整列装置
2…コンベア
5…搬送駆動源
6…ワークガイド
6b…狭まり部
7…ストッパ
7a…ストッパ面
8…傾斜ガイド(当り部材)
8a…案内面
11…第1の分散促進部材
12…第2の分散促進部材
15…第1のワーク検出手段
16…第2のワーク検出手段
20…ワーク1個送り装置
30…制御装置
33…判定手段
34…ワーク検出装置
W…ワーク
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンベア上に不規則に置かれる多数のワークを、工作機械またはその搬送装置等の供給先に1個単位で供給するために1列に整列させるワーク整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベア上に不規則に置かれる多数のワークを1列に整列させるワーク整列装置の1例が、特許文献1に開示されている。このワーク整列装置は、コンベア上に設けた幅寄せガイドにより、搬送されるワークの通行可能幅を徐々に狭めてワーク1個分とすることで、ワークを1列に整列させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平4−32341号公報
【特許文献2】特許第2621572号公報
【特許文献3】特開2006−8296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ワーク整列装置は、コンベアの幅(幅寄せガイドのない上流側)がワーク2、3個分程度であるため、幅寄せガイドでワークの幅方向の位置を変化させるのに、幅寄せガイド付近のワークに対し後方のワークが押す圧力が小さく、ワークに無理な力がかからない。そのため、ワークが円滑に搬送され、幅寄せガイドの位置でワーク詰まりが発生する可能性は比較的少ないと思われる。
【0005】
しかし、図18のワーク整列装置1のように、コンベア2の幅が広く、多数列で搬送されるワークWをワークガイド6の狭まり部6bによって1列に幅寄せさせる場合、狭まり部6bの下流端付近のワークWに対して後方のワークWから大きな圧力が加わり、図示のように、狭まり部6bの下流端でワーク詰まりが生じやすい。
【0006】
その対策として、コンベア2を逆転させることでワーク詰まりを解消することを考えついた。そこで、ワーク詰まりが発生するたびにコンベア2を逆転させて効果を確かめてみたところ、初めの数回はワーク詰まりが解消されてワークWが流れるようになるが、コンベア2の正転と逆転を何回も繰り返すと、各ワークWが互いに密集し規則正しく整列することで、ワーク群全体が同じ動きをするようになり、ついには図19のように、狭まり部6bの下流端よりも上流側の位置で、ワーク群の最前列がアーチ状または直線状になった状態でワーク詰まりが発生することが分かった。
【0007】
この発明の目的は、コンベア上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを1列に整列させることができ、その過程でワーク詰まりが発生しにくいワーク整列装置を提供することである。
この発明の他の目的は、さらにワーク詰まりを発生しにくくすることである。
この発明のさらに他の目的は、ワーク詰まりが発生したときに迅速に適正な対応がとれるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のワーク整列装置は、円形のワークが複数並ぶことが可能な幅を有し、多数のワークを不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で搬送するコンベアと、このコンベアの上方に配置され、コンベアにより搬送されるワークのコンベア上の通行可能幅を、コンベアの搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて、狭まり端で1個だけが通行可能な幅にする狭まり部、およびこの狭まり部の下流側に設けられて前記狭まり端と略同じ幅のまま続く整列部を有するワークガイドと、前記コンベアを、ワークを搬送する方向の回転である正転とその反対方向の回転である逆転とに切り替える制御を行う制御手段と、前記コンベアの上方で前記ワークガイドの前記狭まり部の領域内に配置され、前記コンベアの逆転時に、前記狭まり部および整列部により1列に整列させられたワーク群を、下流側を向くストッパ面で整列状態を維持して受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止するストッパと、このストッパの前記ストッパ面よりも上流側で前記ストッパの側方に隣接し、前記コンベアの逆転時に、上流側へ逆流するワーク群を幅方向に逃がして各ワークの幅方向の位置関係を変化させる当り部材とを備える。
【0009】
この構成によると、コンベアの上流側において、多数のワークが不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態でコンベア上に供給される。各ワークは、コンベアの正転により下流側へ搬送される。ワークがワークガイドの狭まり部の位置へ達すると、この狭まり部によりワークが狭まり端の側へ幅寄せされて、狭まり端で1列に整列させられる。整列させられたワークは、ワークガイドの整列部からなるワーク通路を通って、例えば工作機械またはその搬送装置等の供給先に1個ずつ供給される。
【0010】
ワーク詰まり発生時または予め定めたタイミングで、制御手段によりコンベアを逆転させる。コンベアを逆転させることで、コンベア上のワークは全体的に上流側へ逆流する。しかし、ワークガイドの狭まり部の狭まり端を通過して1列に整列させられたワークは、ストッパのストッパ面で整列状態を維持して受け止められて、上流側への逆流が阻止される。また、狭まり部の狭まり端付近に位置していた各ワークは、当り部材に沿って逆流することで、幅方向の位置関係が変化させられる。
【0011】
一定時間または一定距離だけコンベアを逆転させた後、制御手段によりコンベアを正転に戻す。これにより、各ワークが下流側に搬送される。ストッパに受け止められていたワークは、整列状態のまま下流側へ搬送される。また、コンベアの逆転開始時に狭まり部の狭まり端付近に位置していた各ワークは、コンベアの逆転時に幅方向の位置関係が変化させられたため、コンベアを正転させても元の位置関係とはならない。つまり、コンベアの逆転開始時に狭まり部の狭まり端付近でワーク詰まりが生じていた場合、そのワーク詰まりの原因が解消される。よって、次回にコンベアを正転させたときに、狭まり部の狭まり端を各ワークが詰まらずに通過して1列に整列させられる。
【0012】
この発明において、前記コンベアの上方で前記当り部材よりも上流側に位置し、前記コンベアの逆転時に、逆流するワーク群をコンベアの幅方向に分散させる分散促進部材を設けるのが望ましい。分散促進部材は、1箇所だけに設けても良く、あるいは複数箇所に設けても良い。
当り部材の作用により、ワークガイドの狭まり部の狭まり端付近のワークはコンベアを逆転させるたびに幅方向の位置関係が変化させられて、前記狭まり部でのワーク詰まりが生じにくい。しかし、コンベアの正転と逆転とを繰り返すと、次第に各ワークが密集して個々のワークの自由な移動が拘束され、各ワークが全体で一つの塊となって同じ動きをするようになってくる。それにより、塊状のワーク群の下流側部分が、当り部材の上流端とこの上流端と対向するワークガイドの箇所とにそれぞれ引っ掛かって詰まりやすくなる。この場合、ワーク群の最前列の形状が、上流側に凹んだアーチ状または直線状になる。分散促進部材が設けられていれば、コンベアの逆転時に逆流する各ワークがコンベアの幅方向に分散させられるため、各ワークが密集することが防がれ、上記ワーク詰まりの発生を回避できる。
【0013】
この発明において、前記ワークガイドの前記狭まり部の狭まり端よりも下流側の位置であるワーク通過位置でワークを検出するワーク検出手段と、このワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合にワーク詰まりであると判定する判定手段とを有するワーク詰まり検出装置を設けるのが良い。
ワークガイドの狭まり部においてワーク詰まりが生じた場合、ワーク通過位置にワークが到達しなくなる。そのため、ワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合、ワーク詰まりであると判定することができる。ワーク検出手段と判定手段とが設けられていると、ワーク詰まりを検出することができ、ワーク詰まりが生じた場合に迅速に適正な対応をとることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明のワーク整列装置は、円形のワークが複数並ぶことが可能な幅を有し、多数のワークを不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で搬送するコンベアと、このコンベアの上方に配置され、コンベアにより搬送されるワークのコンベア上の通行可能幅を、コンベアの搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて、狭まり端で1個だけが通行可能な幅にする狭まり部、およびこの狭まり部の下流側に設けられて前記狭まり端と略同じ幅のまま続く整列部を有するワークガイドと、前記コンベアを、ワークを搬送する方向の回転である正転とその反対方向の回転である逆転とに切り替える制御を行う制御手段と、前記コンベアの上方で前記ワークガイドの前記狭まり部の領域内に配置され、前記コンベアの逆転時に、前記狭まり部および整列部により1列に整列させられたワーク群を、下流側を向くストッパ面で整列状態を維持して受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止するストッパと、このストッパの前記ストッパ面よりも上流側で前記ストッパの側方に隣接し、前記コンベアの逆転時に、上流側へ逆流するワーク群を幅方向に逃がして各ワークの幅方向の位置関係を変化させる当り部材とを備えるため、コンベア上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを1列に整列させることができ、その過程でワーク詰まりが発生しにくい。
【0015】
前記コンベアの上方で前記当り部材よりも上流側に位置し、前記コンベアの逆転時に、逆流するワーク群をコンベアの幅方向に分散させる分散促進部材を設けることで、さらにワーク詰まりを発生しにくくすることができる。
【0016】
前記ワークガイドの前記狭まり部の狭まり端よりも下流側の位置であるワーク通過位置でワークを検出するワーク検出手段と、このワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合にワーク詰まりであると判定する判定手段とを有するワーク詰まり検出装置を設けることで、ワーク詰まりを検出することができ、ワーク詰まりが発生した場合に迅速に適正な対応がとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】同ワーク整列装置の部分拡大図である。
【図5】図4のV矢視図である。
【図6】(a)〜(g)は同ワーク供給設備のワーク1個送り装置のそれぞれ異なる状態を示す平面図である。
【図7】同ワーク整列装置のコンベアの動作状態と第1および第2のワーク検出手段の検出状態とワーク1個送り装置の遮断板の進退位置との関係を示すタイムチャートである。
【図8】(A)は同ワーク整列装置の一動作時におけるコンベアの逆転前の平面図、(B)は逆転後の平面図である。
【図9】(A)は同ワーク整列装置の異なる動作時におけるコンベアの逆転前の平面図、(B)は逆転後の平面図である。
【図10】(A)〜(F)は同ワーク整列装置のそれぞれ異なる状態を示す平面図である。
【図11】(A)〜(C)は異なるワーク整列装置のそれぞれ異なる状態を示す平面図である。
【図12】この発明の異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図13】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図14】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図15】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図16】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図17】この発明のさらに異なる実施形態にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。
【図18】従来のワーク整列装置におけるワーク詰まりの1状態を示す平面図である。
【図19】同ワーク整列装置におけるワーク詰まりの異なる状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1は、この発明にかかるワーク整列装置を備えたワーク供給設備の平面図である。このワーク供給設備は、工作機械またはその搬送装置等の供給先に円形のワークWを1個ずつ供給する設備であり、ワーク整列装置1と、ワーク1個送り装置20と、これらワーク整列装置1およびワーク1個送り装置20を制御する制御装置30とでなる。ワークWは、例えば円柱状の鋼材である。
【0019】
ワーク整列装置1は、人手等により載せられたワークWを所定の搬送方向Xに搬送するコンベア2を備える。コンベア2は、フレーム3と、このフレーム3に無端軌道に沿って移動自在に支持されワークWが複数並ぶことが可能な幅を有する帯状の無端搬送体4と、この無端搬送体4を駆動する電動モータ等の搬送駆動源5とを備える。搬送駆動源5は、制御装置30の制御により、正転・逆転両方向に切り替え可能である。正転は無端搬送体4でワークWを搬送する方向の回転であり、逆転は正転と反対方向の回転である。コンベア2は、ベルトコンベアまたはスラットコンベアであって、コンベア2の両端にありフレーム3に支持されたローラ(図示せず)に前記無端搬送体4が掛装されており、前記搬送駆動源5によりいずれかのローラを回転させるようになっている。
【0020】
コンベア2には、搬送されるワークWのコンベア2上の通行可能幅を規制するワークガイド6が設けられている。図1および図2に示すように、ワークガイド6は、搬送方向Xを向いて左側の左ワークガイド6Lと右側の右ワークガイド6Rとで構成される。これら左右ワークガイド6L,6Rはフレーム3に固定されて、無端搬送体4の搬送面となる上面から少し離れた高さに設けられている。ワークガイド6におけるコンベア2の上流端から中間部過ぎまでの部分は、左右ワークガイド6L,6Rの内側縁が無端搬送体4の左右両端の近傍に位置し、無端搬送体4の幅とほぼ同じ通行可能幅を有する全幅部6aとされている。全幅部6aの下流側に続く狭まり部6bは、左ワークガイド6Lの内側端が幅方向の内側に一定寸法分入り込み、かつ右ワークガイド6Rの内側縁が下流側に行くに従い徐々に左側へ変化する形状、すなわち例えば搬送方向に対して斜めに延びる直線となる形状となっている。その結果、狭まり部6bは、下流側へ行くに従い徐々に通行可能幅が狭まっている。狭まり部6bの狭まり端では、ワークWが1個だけが通行可能な幅である。狭まり部6bから先は、上記狭まり端と同じ幅のまま続く整列部6cである。
【0021】
前記狭まり部6bにおける上流位置に、左ワークガイド6Lから幅方向の内側へ突出したストッパ7が設けられている。図4はストッパ7等の拡大平面図、図5はそのV矢視図である。図4に示すように、このストッパ7の幅方向の突出長さAは、ワークWの直径D以下で、半径Rよりも大きい寸法とされている(R<A≦D)。R<A≦R+Dでも良い。また、ストッパ7の下流側を向くストッパ面7aの平面形状は、左ワークガイド6Lから離れるほど下流側に位置する斜め形状とされている。
【0022】
上記ストッパ7には、このストッパ7のストッパ面7aの下流端の先端から案内面8aが幅方向内側に向き上流側に至るほど内側に位置するように斜めに延びる傾斜ガイド(当り部材)8が取付けられている。傾斜ガイド8の案内面8aの角度θは、前後方向(コンベア2の長さ方向)に対し例えば約30度に設定されている。図例の傾斜ガイド8は、2本のボルト9A,9Bによってストッパ7に固定され、一方のボルト9Aはストッパ7の円弧状長孔7bの任意の位置に締付け固定することができるようになっている。そのため、ボルト9Aの位置を円弧状長孔7bの範囲内で変更することにより、傾斜ガイド8の案内面8aの角度θを調整可能である。傾斜ガイド8は、必ずしも案内面8aの角度θが調整できなくてもよい。また、ストッパ7と傾斜ガイド8が一体に形成されていてもよい。
【0023】
さらに、傾斜ガイド8よりも上流側に、コンベア2の逆転時に逆流するワーク群をコンベア2の幅方向に分散させる役割をする第1および第2の分散促進部材11,12が設けられている。図2に示すように、これら第1および第2の分散促進部材11,12は、フレーム3に両端が固定された支持部材13に垂下支持されて、下端が無端搬送体4の上面から少し離れた高さになるように設けられている
【0024】
第1の分散促進部材11は、平面形状が狭まり部6bの右ワークガイド6Rの側面の傾斜と逆向きに傾斜した細長い板状部材であり、一端が左ワークガイド6Lの近傍に位置し、他端がコンベア2の幅方向のほぼ中央付近に位置している。第1の分散促進部材11の他端は、狭まり部6bの手前に位置する。これにより、コンベア2の逆転時にワークWを分散させるだけでなく、正転時においても一気に多くのワークWを流さないようにせき止める役割を持つ。
【0025】
第2の分散促進部材12は、平面形状が第1の分散促進部材12と比べて短い板状部材であって、第1の分散促進部材11よりも上流側で、かつ第1の分散促進部材11よりも右側に、第1の分散促進部材11と幅方向に重ならずに配置されている。第2の分散促進部材12も、第1の分散促進部材11と同じ向きに傾斜させてあり、その傾斜の勾配は第1の分散促進部材11よりも若干強くしてある。
【0026】
前記ワークガイド6の整列部6cよりも下流側には、上流側を向く面が平面形状でV字形をし、整列部6cを通過したワークWを受け止めるワーク受け14が設けられている。このワーク受け14も間接的にフレーム3に固定されて、無端搬送体4の上面から少し離れた高さに設けられている。このワーク受け14により受け止められたワークWは、搬送装置(図示せず)により工作機械(図示せず)に搬入され加工される。
【0027】
ワーク整列装置1には、ワークガイド6の整列部6cの定められたワーク通過位置PにワークWが存在するか否かを検出する第1のワーク検出手段15と、ワーク受け14にワークWが存在するか否かを検出する第2のワーク検出手段16とが設けられている。これらワーク検出手段15,16はいずれも光電スイッチ等の光電式の検出手段であって、フレーム3の左側に設置された投光部15a,16aと、右側に設置された受光部15b,16bとで構成される。投光部15a,16aからの検出光を受光部15b,16bが受光した場合は、ワークWが無い状態であるOFFになり、受光しない場合は、ワークWが有る状態であるONになる。第1のワーク検出手段15を設けるワーク通過位置Pは、整列部6cにおける前後方向のどの位置であってもよい。図例では、ワーク通過位置Pが、整列部6cのほぼ中央とされている。
【0028】
ワーク1個送り装置20は、ワークガイド6の整列部6cに整列する複数のワークWを、先頭のものから順に1個ずつ切り離して下流側へ送る切り離し装置であり、前記ワーク通過位置Pを挟んで上流側と下流側とに設けられた一対の通路遮断手段21,22からなる。図6(a)〜(g)に示すように、通路遮断手段21,22は、直動型のアクチュエータ21a,22aに遮断板21b,22bを取付けたものであって、アクチュエータ21a,22aの駆動により、遮断板21b,22bをワーク通路23を遮る遮断位置と遮らない退避位置とに進退させる。一対の遮断板21b,22bのピッチpは、ワークWが1個だけ入る寸法にしてある。
【0029】
制御装置30は、コンピュータによる数値制御式のものであり、ワーク整列装置1を制御する整列制御部31と、ワーク1個送り装置20を制御する1個送り制御部32とを有する。また、整列制御部31は判定手段33を有し、この判定手段33は、前記第1のワーク検出手段15と共にワーク詰まり検出装置34を構成する。
【0030】
整列制御部31は、第2のワーク検出手段16がONのときコンベア2を停止させ、第2のワーク検出手段16がONからOFFに切り替わると、予め定めた逆転時間t1だけコンベア2を逆転させた後、コンベア2を正転させるように、搬送駆動源5に出力する。逆転時間t1の長さは、コンベア2の逆転により、少なくとも無端搬送体4が整列部6cの入口付近からストッパ7の下流端までの距離だけ移動する時間とされている。より具体的には、コンベア2の逆転により、無端搬送体4がワーク1個送り装置20付近にあるワークWをストッパ7のストッパ面7aの位置まで逆流させる時間とされている。
【0031】
判定手段33は、第1のワーク検出手段15がOFFである状態が一定時間T以上継続した場合、ワーク詰まりが生じていると判定する。その場合、整列制御部31は、コンベア2が正転中であってもコンベア2を逆転させるように、搬送駆動源5に出力する。この場合の逆転時間t2も、前記定期的な逆転のときの逆転時間t1と同じ長さである。上記一定時間Tは、任意の定めた時間である。なお、コンベア2の運転を開始してから少なくとも一度、第1のワーク検出手段15がONになるまでは、判定手段33がワーク詰まりの判定をしないように設定されている。
【0032】
1個送り制御部32は、第1および第2のワーク検出手段15,16の検出信号およびコンベア2の動作状態等に応じて、各通路遮断手段21,22の遮断板21b,22bが後で説明する一連の進退動作を行うように、アクチュエータ21a,22aに出力する。
【0033】
このワーク供給設備の動作を説明する。
ワーク整列装置1のコンベア2の上流側において、人手等によりワークWがコンベア2の無端搬送体4の上に載せられる。各ワークWは、不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態となっている。コンベア2の正転により、各ワークWが下流側へ搬送される。ワークWがワークガイド6の狭まり部6bの位置へ達すると、この狭まり部6bによりワークWが狭まり端の側へ幅寄せされて、狭まり端で1列に整列させられる。1列に整列させられたワークWは、ワークガイド6の整列部6cからなるワーク通路23を通って下流側へ搬送される。ワーク通路23の途中のワーク通過位置Pで、整列した複数のワークWのうち先頭のものがワーク1個送り装置20により後続のワークWから切り離される。ワーク1個送り装置20の動作については、後で説明する。切り離された先頭のワークWは、下流側へ搬送されて、ワーク受け14に受け止められる。ワーク受け14のワークWは、図示しないワーク搬入装置により取り上げられて工作機械等に搬入される。
【0034】
図7は、コンベア2の運転状態と第1および第2のワーク検出手段15,16の検出状態とワーク1個送り装置20の遮断板21b,22bの進退位置との関係を示すタイムチャートの一例である。上記ワーク供給設備の動作において、整列制御部31の制御により、ワーク受け14にワークWが受け止められて第2の検出手段16がONである時は、コンベア2を停止させ、ワーク受け14からワークWが取り上げられて第2の検出手段16がOFFになると、コンベア2を定められた逆転時間t1だけ逆転させた後、正転させる。
【0035】
このように定期的にコンベア2を逆転させることで、狭まり部6bの狭まり端付近に位置するワークWが、傾斜ガイド8に沿って逆流し、互いの位置関係が変化させられる。これらのワークWが狭まり部6bの狭まり端でワーク詰まりの原因となっていた場合、ワークWの互いの位置関係が変化させられることによりワーク詰まりの原因が解消され、狭まり部6bの狭まり端でのワーク詰まりが防がれる。
【0036】
コンベア2の逆転前の状態と逆転後の状態の一例を図8(A),(B)に示す。図8(A)に示すように、コンベア2の逆転する前の時点では、狭まり部6bの狭まり端付近に位置するワークW(同図において番号3,4を付したワーク)が、傾斜ガイド8の下流端と狭まり部6bの右ワークガイド6Rとの間に挟まってワーク詰まりの原因となっている。この状態からコンベア2を逆転させると、番号3のワークWは、傾斜ガイド8からの摩擦抵抗と番号4のワークWからの干渉とを受けつつ逆流する。そのため、他のワークWに比べて、前後方向の移動距離が短い。番号4のワークWは、番号3のワークWに押されながら斜めに逆流する。その結果、コンベア2の逆転後には、番号4のワークWは、番号3のワークWから少しだけ右側に離れ、かつ番号3のワークWよりも上流側に位置するようになる。それにより、詰まりの原因が解消される。
【0037】
コンベア2を逆転させても、ワークガイド6の整列部6cで1列に整列していたワークW(同図において番号1,2を付したワーク)は、ストッパ7により整列状態を維持したまま受け止められて、上流側へ逆流するのを阻止される。そのため、次回にコンベア2を正転させたときに、ストッパ7に受け止められていたワークWが、整列状態のまま円滑に整列部6cへ移動する。
【0038】
また、図9(A)の逆転前の平面図および図9(B)の逆転後の平面図に示すように、定期的にコンベア2を逆転させれば、コンベア2の逆転時に、ワークガイド6の全幅部6aと狭まり部6bとの境界部から上流側にかけて位置するワークW(同図において番号1〜20を付したワーク)が、第1および第2の分散促進部材11,12により幅方向に分散させられる。そのため、コンベア2が正転と逆転とを繰り返しても、各ワークWが規則正しく整列せず、各ワークWが互い密集してワーク群全体が同じ動きをすることに起因するワーク詰まりを防げる。
【0039】
例えば、図11(A)〜(C)のように分散促進部材11,12が設けられていない場合、コンベア2が正転(図11(A),(C))と逆転(図11(B))とを繰り返すと、各ワークWが密集して規則正しく整列してくる。各ワークWが密集すると、個々のワークWの自由な移動が拘束されて各ワークWが全体で一つの塊となって同じ動きをするようになっていく。それにより、図11(C)に示すように、塊状のワーク群W,…の下流側部分が、傾斜ガイド8の上流端とこの上流端と対向する狭まり部6bの右ワークガイド6Rとにそれぞれ引っ掛かってワーク詰まりが生じする。この場合、ワーク群W,…の最前列の形状が、上流側に凹んだアーチ状または直線状になる。分散促進部材11,12が設けられていれば、上記ワーク詰まりの発生を回避できる。
【0040】
図7のタイムチャートにおいて、コンベア2を正転させてから一定時間Tが経過しても第1の検出手段15がOFFのままである場合は、判定手段33がワーク詰まりであると判定し、整列制御部31の制御により、コンベア2を定められた逆転時間t2だけ逆転させた後、正転に戻す。この制御による作用を図10(A)〜(F)と共に説明する。図10(A)〜(F)は、図7においてA〜Fで示す時点のワーク整列装置1のそれぞれの状態を示したものである。
【0041】
図10(A)は、コンベア2の正転中に、狭まり部6bの狭まり端付近でワーク詰まりが発生した状態を示す。この状態から、コンベア2を定められた逆転時間t2だけ逆転させることで、傾斜ガイド8の前記作用により、詰まりの原因となっていた番号1,2のワークWの位置関係が変化させられる(図10(B))。それにより、コンベア2を次回に正転させたとき、上記ワークWが狭まり部6bの狭まり端を詰らずに通過して、整列状態でワークガイド6の整列部6cからなるワーク通路23に送られる(図10(C))。
【0042】
図10(D)は、番号1〜3のワークWは狭まり部6bの狭まり端を通過したが、後続の番号4,5のワークWが、前記同様、狭まり部6bの狭まり端付近で詰まった状態を示す。この状態から、コンベア2を定められた逆転時間t2だけ逆転させることで、詰まりの原因が解消される。整列部6cで整列していた番号1〜3のワークWは、整列状態のままストッパ7に受け止められて、逆流しない(図10(E))。そのため、コンベア2を次回に正転させた時に、ストッパ7に受け止められていたワークWが、整列状態のまま円滑に整列部6cへ移動する(図10(F))。
【0043】
ワーク1個送り装置20の動作を図6と共に説明する。図6(a)〜(g)は、図7においてa〜gで示す時点のワーク1個送り装置20のそれぞれの状態を示したものである。
先頭のワークWがワーク通過位置Pに達すると、ワーク通路23を遮る遮断位置(IN)にある下流側の通路遮断手段22の遮断板22bにより、先頭のワークWが停止させられる。第1の検出手段15はONになる(図6(a))。次いで、アクチュエータ21aの駆動で上流側の遮断板21bを遮断位置(IN)に進出させて、後続のワークWをせき止める(図6(b))。さらに、アクチュエータ22aの駆動で下流側の遮断板22bを退避位置(OUT)に退避させることで、ワーク通過位置Pにあった先頭のワークWだけがワーク受け14に向けて1個送りされる。第1のワーク検出手段15はOFFになる(図6(c))。
【0044】
ワークWが1個送りされてから、アクチュエータ21aの駆動で上流側の遮断板21bを退避位置(OUT)に退避させると共に、アクチュエータ22aの駆動で下流側の遮断板22bを遮断位置(IN)に進出させる。それにより、ワーク通路23内の先頭のワークWがワーク通過位置Pまで移動して、下流側の遮断板22bにせき止められる。第1の検出手段15はONになる(図6(d))。
【0045】
先に1個送りされたワークWがワーク受け14に到達して、第2の検出手段16がONになると、コンベア2を停止させる(図6(e))。その後、ワーク受け14に受け止められているワークWがワーク搬入装置(図示せず)によって取り上げられて、第2の検出手段16がOFFになる(図6(f))。このとき第1の検出手段15がONである場合、アクチュエータ21aの駆動で上流側の遮断板21bを遮断位置(IN)に進出させて、ワーク通過位置PのワークWの逆流を防止してから、コンベア2を定められた逆転時間t1だけ逆転させる(図6(g))。
【0046】
逆転時間t1が経過したなら、コンベア2を正転に切り替えると共に、アクチュエータ22aの駆動で下流側の遮断板22bを退避位置(OUT)に退避させる。これにより、ワーク通過位置PにあったワークWが下流側へ1個送りされて、第1の検出手段15がOFFになる。すなわち、図6(c)と同じ状態に戻る。以後、図6(c)〜(g)の動作を繰り返す。
【0047】
このワーク供給設備は、ワーク整列装置1とワーク1個送り装置20とを組み合わせて構成したことにより、ワーク整列装置1のコンベア2上に不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で載せられる多数のワークWを、工作機械等の供給先に1個ずつ供給することができる。ワーク整列装置1は、コンベア2の正転開始に先行して定期的にコンベア2を逆転させることにより、傾斜ガイド8の作用でワーク詰まりの原因が解消されるため、ワーク詰まりが生じ難い。また、ワーク詰まり発生時にもコンベア2を逆転させることにより、仮にワーク詰まりが生じても、そのワーク詰まりを解消することができる。そのため、確実にワークの供給が可能である。
【0048】
上記実施形態は、第1および第2の分散促進部材11,12が設けられているが、場合によっては、図11のように分散促進部材11,12が設けられていなくても良い。分散促進部材11,12が無くても、傾斜ガイド8の作用により、ワークガイド6の狭まり部6bの狭まり端でのワーク詰まりを防止する効果は期待できる。しかし、先に説明したように、コンベア2の正転と逆転とを繰り返すと、傾斜ガイド8の上流端と狭まり部6bのワークガイド6間でワーク詰まりが起きやすくなるため、分散促進部材11,12が設けられていることが望ましい。
【0049】
以下、この発明の異なる実施形態について説明する。
図12に示すワーク整列装置1は、ワークガイド6が、搬送行程の全範囲に設けられた左右ワークガイド6L,6R、および搬送行程の中間部過ぎから下流部にかけて設けられた中央ワークガイド6Cでなり、左ワークガイド6Lと中央ワークガイド6C間に左ワーク通路23Lが形成され、かつ右ワークガイド6Rと中央ワークガイド6C間に右ワーク通路23Rが形成されている。ワークW(図示せず)は、搬送行程の中間部過ぎから、左ワーク通路23Lと右ワーク通路23Rとに分かれて搬送され、各ワーク通路23,23Rに対応して設置された左右のワーク受け14L,14Rに受け止められる。
【0050】
この場合も、各ワーク通路23L,23Rに対応して、ワークガイド6に前記同様の狭まり部6bおよび整列部6cを設ける。それにより、コンベア2上に不規則に配置されて搬送される多数のワークを、各ワーク通路23L,23Rで1列に整列させることができる。また、ワークガイド6の狭まり部6bの領域内に、前記同様のストッパ7および傾斜ガイド(当り部材)8を設ける。そして、ワーク詰まり発生時または予め定めたタイミングでコンベア2を逆転させることにより、ワーク詰まりが発生しにくくできる。
【0051】
図13に示すワーク供給設備は、ワーク1個送り装置20が1つの通路遮断手段22だけを有するものとされ、ワーク受け14がワーク通路23の受け位置Q1とこの受け位置Q1に対し側方にスライドしたスライド位置Q2とに位置切換可能とされている。この構成であっても、工作機械またはその搬送装置等の供給先にワークWを1個ずつ供給することができる。
【0052】
図14に示すワーク整列装置1は、第1および第2の分散促進部材11,12が、分散促進部材位置変更駆動源41,42の駆動により、それぞれ搬送方向と直交する方向に位置変更自在とされている。それにより、ワークWの種類の違いや搬送条件の違い等に応じて、第1および第2の分散促進部材11,12を位置変更することができる。図例では、第1および第2の分散促進部材11,12を、長手方向が搬送方向と直交するように設けられているが、搬送方向に対し傾斜させて設けても良い。
【0053】
図15に示すワーク整列装置1は、ストッパ7および傾斜ガイド8が、ストッパ位置変更駆動源43の駆動により、搬送方向と直交する方向に位置変更自在とされている。それにより、ワークWの種類の違いや搬送条件の違い等に応じて、ストッパ7および傾斜ガイド8を位置変更することができる。
【0054】
図16に示すワーク整列装置1は、ストッパ7のストッパ面7aが、搬送方向と直交する面とされている。このストッパ7によっても、コンベア2の逆転時に、ワーク通路23のワーク群を整列状態を維持したまま受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止することができる。なお、図例では、傾斜ガイド8は設けられていない。
【0055】
図17に示すワーク整列装置1は、ストッパ7が、上下方向に延びるピン44を複数本並べて構成したものとされている。各ピン44は、左ワークガイド6Lから離れるものほど下流側に位置するように配置されている。このストッパ7によっても、コンベア2の逆転時に、ワーク通路23のワーク群を整列状態を維持したまま受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止することができる。なお、図例では、傾斜ガイド8は設けられていない。
【符号の説明】
【0056】
1…ワーク整列装置
2…コンベア
5…搬送駆動源
6…ワークガイド
6b…狭まり部
7…ストッパ
7a…ストッパ面
8…傾斜ガイド(当り部材)
8a…案内面
11…第1の分散促進部材
12…第2の分散促進部材
15…第1のワーク検出手段
16…第2のワーク検出手段
20…ワーク1個送り装置
30…制御装置
33…判定手段
34…ワーク検出装置
W…ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形のワークが複数並ぶことが可能な幅を有し、多数のワークを不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で搬送するコンベアと、
このコンベアの上方に配置され、コンベアにより搬送されるワークのコンベア上の通行可能幅を、コンベアの搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて、狭まり端で1個だけが通行可能な幅にする狭まり部、およびこの狭まり部の下流側に設けられて前記狭まり端と略同じ幅のまま続く整列部を有するワークガイドと、
前記コンベアを、ワークを搬送する方向の回転である正転とその反対方向の回転である逆転とに切り替える制御を行う制御手段と、
前記コンベアの上方で前記ワークガイドの前記狭まり部の領域内に配置され、前記コンベアの逆転時に、前記狭まり部および整列部により1列に整列させられたワーク群を、下流側を向くストッパ面で整列状態を維持して受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止するストッパと、
このストッパの前記ストッパ面よりも上流側で前記ストッパの側方に隣接し、前記コンベアの逆転時に、上流側へ逆流するワーク群を幅方向に逃がして各ワークの幅方向の位置関係を変化させる当り部材と、
を備えるワーク整列装置。
【請求項2】
前記コンベアの上方で前記当り部材よりも上流側に位置し、前記コンベアの逆転時に、逆流するワーク群をコンベアの幅方向に分散させる分散促進部材を設けた請求項1に記載のワーク整列装置。
【請求項3】
前記ワークガイドの前記狭まり部の狭まり端よりも下流側の位置であるワーク通過位置でワークを検出するワーク検出手段と、このワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合にワーク詰まりであると判定する判定手段とを有するワーク詰まり検出装置を設けた請求項1または請求項2に記載のワーク整列装置。
【請求項1】
円形のワークが複数並ぶことが可能な幅を有し、多数のワークを不規則な配置でかつ隣合うもの同士が互いに接触する状態で搬送するコンベアと、
このコンベアの上方に配置され、コンベアにより搬送されるワークのコンベア上の通行可能幅を、コンベアの搬送方向の途中部から下流側へ行くに従い徐々に狭めて、狭まり端で1個だけが通行可能な幅にする狭まり部、およびこの狭まり部の下流側に設けられて前記狭まり端と略同じ幅のまま続く整列部を有するワークガイドと、
前記コンベアを、ワークを搬送する方向の回転である正転とその反対方向の回転である逆転とに切り替える制御を行う制御手段と、
前記コンベアの上方で前記ワークガイドの前記狭まり部の領域内に配置され、前記コンベアの逆転時に、前記狭まり部および整列部により1列に整列させられたワーク群を、下流側を向くストッパ面で整列状態を維持して受け止めて、上流側へ逆流するのを阻止するストッパと、
このストッパの前記ストッパ面よりも上流側で前記ストッパの側方に隣接し、前記コンベアの逆転時に、上流側へ逆流するワーク群を幅方向に逃がして各ワークの幅方向の位置関係を変化させる当り部材と、
を備えるワーク整列装置。
【請求項2】
前記コンベアの上方で前記当り部材よりも上流側に位置し、前記コンベアの逆転時に、逆流するワーク群をコンベアの幅方向に分散させる分散促進部材を設けた請求項1に記載のワーク整列装置。
【請求項3】
前記ワークガイドの前記狭まり部の狭まり端よりも下流側の位置であるワーク通過位置でワークを検出するワーク検出手段と、このワーク検出手段がワークを検出しない状態が一定時間以上継続した場合にワーク詰まりであると判定する判定手段とを有するワーク詰まり検出装置を設けた請求項1または請求項2に記載のワーク整列装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−225356(P2011−225356A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98780(P2010−98780)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]