説明

一日に一回のオキシコドン製剤

【課題】患者に定常状態での経口投与後0.6から1.0又は0.7から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与える、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を含む徐放性製剤及びそれらの使用。
【解決手段】オキシコドンと、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される徐放性材料とで処理したマトリックスを含むゼラチンカプセル又は錠剤よりなる徐放性経口製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2001年5月2日出願の米国仮出願第60/288,211号の利益を
主張する。この開示は参照によりここに含まれる。
【0002】
本発明は、患者への投与に適したオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を含む
徐放性配合物に関する。
【背景技術】
【0003】
一日一回の徐放性オピオイド配合物(sustained release opioid formulation)は、米
国特許第5,478,577号;第5,672,360号;第5,958,459号;第6,1
03,261号;第6,143,332号;第5,965,161号;第5,958,452号
及び第5,968,551号において開示されている。上記を含むここに挙げたすべての公
報については、すべての目的に対してそれらの全文が参照によりここに含まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、効果的に痛みを管理するための、日に一回の投与に適したオキコドン
配合物(oxcodon formulation)を提供することである。
【0005】
本発明の好ましい実施の形態の目的は、長時間にわたってその相対的に短い半減期を超
えて鎮痛治療を提供するため、及びに少なくとも24時間の痛みの解放時間を有する、オ
キシコドンを経口投与するための医薬上許容できる製剤(dosage form)を提供すること
である。
【0006】
上記及び他の目的は、鎮痛的に有効量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩
と、徐放性材料とを含み、定常状態でヒト患者に経口投与した後少なくとも約24時間鎮
痛効果を与え、定常状態で患者に経口投与した後に0.6から1.0の平均C24/Cmax
オキシコドン比を与える製剤に関する本発明により達成される。
【0007】
本発明のある実施の形態において、患者への投与後の製剤は、定常状態での製剤の投与
後約2時間から約17時間(例えば、約2時間から約8時間)で起こる生体内(in-vivo
)でのオキシコドンの平均Tmaxを与える。
【0008】
本発明のある実施の形態において、生体内でのオキシコドンの平均Tmaxは、定常状態
での製剤の投与後約6.5時間から約17時間、約8時間から約16時間、約10時間か
ら約16時間又は約12時間から約16時間で起こる。
【0009】
本発明のある実施の形態において、製剤は、定常状態でヒト患者に製剤を投与した後少
なくとも約24時間鎮痛効果を与え、定常状態で患者に投与した後に0.60から1.0
の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与える。
【0010】
本発明のある実施の形態において、製剤は、定常状態でヒト患者に投与した後少なくと
も約24時間鎮痛効果を与え;定常状態で患者に投与した後に0.60から1.0又は0
.7から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与える。本発明のある実施の形態に
おいて、100rpmでのUSPバスケット法(Basket Method)により、pH1.6か
ら7.2の間で37℃で水系緩衝液900mlにおいて、1時間で0%から約40%、4
時間約8%から約70%、8時間約20%から約80%、12時間約30%から約95%
、18時間約35%から約95%及び24時間約50%を超える条件で測定されたとき、
製剤は、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の生体外(in-vitro)放出速度を
与える。
【0011】
ある好ましい実施の形態において、本発明の徐放性経口製剤は、定常状態で投与した後
4から24時間のオキシコドンに対するW50により特徴づけられた、24時間投与に効果
的であるオキシコドン血漿濃度を与える。ある実施の形態において、W50は、定常状態で
投与した後、少なくとも4時間、好ましくは少なくとも12時間、より好ましくは18時
間である。
【0012】
ある実施の形態において、本発明の徐放性経口製剤は、徐放性材料と、オキシコドン又
は医薬上許容できるそれらの塩とを含むマトリクスを有する。ある実施の形態において、
マトリクスは、錠剤に圧縮され、徐放性材料のマトリクスに加えて、血中濃度の有効成分
が長時間にわたり治療範囲内に維持されるように、配合物からのオキシコドン又は医薬上
許容できるそれらの塩の放出を制御し得るコーティングで任意にオーバーコートされても
良い。ある別の実施の形態において、マトリクスがカプセル化される。
【0013】
ある実施の形態において、本発明の徐放性経口製剤は、オキシコドン又は医薬上許容で
きるそれらの塩を含む複数の医薬上許容できる徐放性マトリクスを有し、患者に投与した
ときに長時間にわたり治療範囲内でオキシコドンの血漿濃度を維持する。
【0014】
好ましくは、本発明にしたがって調製された配合物は、錠剤、カプセル又は他のいずれ
かの好適な単位製剤で提供され得る。
【0015】
ある実施の形態において、本発明の徐放性経口製剤は、患者に投与したときに有効成分
の血中レベルが長時間にわたって治療範囲内に維持されるように、オキシコドン又は医薬
上許容できるそれらの塩を含む単層又は二層コア(core);発泡性ポリマー;コアを囲繞
する半浸透性膜;及びオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の徐放のための半浸
透性膜に配置された通路を含む浸透性製剤である。
【0016】
ある実施の形態において、本発明の徐放性経口製剤は、患者に投与したときに有効成分
の血中レベルが長時間にわたって治療範囲内に維持されるように、オキシコドン又は医薬
上許容できるそれらの塩と発泡性ポリマーとを含む実質的に均質なコア;コアを囲繞する
半浸透性膜;並びにオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の徐放のための半浸透
性膜に配置された通路を有する。
【0017】
本発明のある実施の形態において、そのような処置を必要とする患者における痛みを伴
う状態を取り扱う方法を提供する。その方法はここに記載されたような徐放性製剤におけ
る有効量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を患者に投与することを含む。
【0018】
ある実施の形態において、本発明は、定常状態で患者に投与した後少なくとも約24時
間鎮痛効果を与え、0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与えるために
、一日に一回基準でヒト患者に経口投与するための鎮痛医薬品の製造において、オキシコ
ドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む医薬上許容できるマトリク
スを有する徐放性製剤の使用に関する。
【0019】
ある実施の形態において、本発明は、定常状態でヒト患者に経口投与した後少なくとも
約24時間鎮痛効果を与え、定常状態で患者に投与した後0.6から1.0の平均C24
maxオキシコドン比を与えるために、ヒト患者に経口投与するための鎮痛医薬品の製造
において、鎮痛有効量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を含む薬剤層;及
び浸透性ポリマー(osmopolymer)を有する置換(displacement)層を有する二層コアと
、オキシドン又は医薬上許容できるそれらの塩の放出のためにそこに配置された通路を有
し、二層コアを囲繞する半浸透性壁とを包含する徐放経口製剤の使用に関する。
【0020】
ある実施の形態において、本発明は、定常状態でヒト患者に経口投与した後少なくとも
約24時間鎮痛効果を与え、定常状態でその患者に投与した後0.6から1.0の平均C
24/Cmaxオキシコドン比を与えるために、一日に一回基準で患者に経口投与するための
鎮痛医薬品の製造において、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と徐放性材料
とを含む複数の徐放性マトリクスを有する徐放性製剤の使用に関する。
【0021】
ここで使われる用語「Cmax」は、投与間隔内で得られる薬剤の最大血漿濃度である。
【0022】
ここで使われる用語「C24」は、投与後24時間での薬剤の血漿濃度である。
【0023】
ここで使われる用語「Tmax」は、薬剤の血漿濃度が投与間隔内で最大血漿濃度に達す
るまでの製剤の投与後に経過した時間である。
【0024】
本発明のための用語「W50」は、血漿濃度がピーク濃度の50%と等しいか又はそれ以
上である期間である。このパラメータは、観察データの線形補間により決定され、血漿プ
ロファイルにおいて最初の(又はそれのみ)上り勾配での交差と最後の(又はそれのみ)
下り勾配での交差との間の時間差を表す。
【0025】
用語「C24/Cmax比」は、投与間隔内で達した薬剤の最大血漿濃度に対する投与後2
4時間での薬剤の血漿濃度の比として本発明のために定義される。
【0026】
用語「米国薬局方バスケット法」は、米国薬局方XXII(1990)で記述されるバスケット
法であり、参照によりここに含まれる。
【0027】
用語「定常状態」は、系に達している薬剤の量が系を離れている薬剤の量とほぼ同じで
あることを意味する。したがって、「定常状態」では、薬剤が血流への吸収を通じて患者
の系に使用できるようになるのとほぼ同じ速度で患者の体が薬剤を除去する。
【0028】
本発明のための用語「半浸透性壁」は、壁が胃腸管を含む周囲環境において水や生体液
のような外部流体を通路に浸透可能だが薬剤に対して浸透不可能であることを意味する。
【0029】
本発明のための用語「発泡性ポリマー」は、水又は生体液に晒され、液を吸収してより
大きい質量になるポリマーを意味する。
【0030】
本発明のための用語「平均」は、薬物動態学の値(例えば、Tmax)を規定するために
使用されるとき、患者個体数にわたって測定された算術的平均値を表す。
【0031】
語句「医薬上許容できる塩」は、限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウ
ム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属;トリエチル
アミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジ
シクロヘキシルアミン塩、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩;
塩化水素、臭化水素、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;蟻酸塩、酢酸塩、トリフルオロ
酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;アルギン酸塩、ア
スパルギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明のある実施の形態において、100rpmでのUSPバスケット法により、37
℃で、1.6と7.2との間のpHで、900mlの緩衝液において、1時間で0%から
約40%、4時間で約8%から約70%、8時間で約20%から約80%、12時間で約
30%から約95%、18時間で約35%から約95%及び24時間で約50%を超える
条件で測定したとき、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の生体外(in vitro
)の放出速度を与える。
【0033】
本発明のある実施の形態において、オキシコドン血液レベル(定常状態での投与後)が
最大血液レベルの75%より大きいか又は等しい間の期間(T≧0.75Cmax)は、4時間又
はそれ以上、好ましくは6時間又はそれ以上でも良い。
【0034】
ある実施の形態において、オキシコドン血液レベルがそれらの最大濃度(Tmax)に到
達する時間は、製剤の定常状態での投与後約2時間から約17時間であり、好ましくは約
6.5時間から約17時間であり、より好ましくは約8時間から約16時間であり、さら
により好ましくは約10時間から約16時間又は約12時間から約16時間である。
【0035】
本発明のある実施の形態において、製剤は、0.6から1.0、0.7から0.99又
は0.8から0.95の定常状態での投与後のC24/Cmax比を与える。本発明の他の実
施の形態において、製剤は、0.7から1.0、0.72から0.99又は0.74から
0.95の定常状態での投与後のC24/Cmax比を与える。
【0036】
本発明のある実施の形態において、製剤は、0.6から1.0、0.7から0.99、
又は0.8から0.95の定常状態での投与後のC24/Cmax比と、約6.5時間から約
17時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間又は約12時間から約1
6時間の(Tmax)とを与える。本発明の他の実施の形態において、製剤は、0.7から
1.0、0.72から0.99又は0.74から0.95の定常状態での投与後のC24
max比と、約2時間から約17時間の(Tmax)とを与える。
【0037】
本発明のある実施の形態において、食物との一緒の服用は、オキシコドン吸収の程度を
著しく増加又は減少させない。
【0038】
本発明の徐放性経口製剤は、約1から約640mgのオキシコドン又は医薬上許容され
るそれらの塩(例えば、オキシコドン塩化水素)を含む。好ましくは、本発明の徐放性経
口製剤は、約5から約500mgのオキシコドン又は医薬上許容されるそれらの塩、より
好ましくは約10から約320mgのオキシコドン又は医薬上許容されるそれらの塩、さ
らにより好ましくは約10から約160mgのオキシコドン又は医薬上許容されるそれら
の塩を含む。
【0039】
他の好ましい実施の形態において、本発明の徐放性製剤は、約10から約160mgの
オキシコドン塩化水素又は等量のオキシコドン又は塩化水素塩以外の医薬上許容されるそ
れらの塩を有する。
【0040】
本発明は、ここに開示された薬理動的パラメータにしたがって、痛みを解放する必要の
ある患者に、一日一回基準で約1から約640mgのオキシコドン又は医薬上許容できる
それらの塩を投与する方法を含む。好ましくは、その方法は、約5から約500mgのオ
キシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を投与することを含む。
【0041】
本発明に係る投与方法は、急性及び慢性の痛み、特に、癌、慢性的な背中の痛み(back
pain)及び術後の痛みのようなターミナルディジーズ(terminal disease)に関連する痛
みの処置に特に適用できる。
【0042】
製剤

ある実施の形態において、経口製剤は、オキシコドンの徐放的に与えるためにオキシコ
ドン又は医薬上許容できるそれらの塩とともにマトリクスに含められた徐放性材料を含む
。徐放性材料は、望ましくは疎水性又は親水性でも良い。本発明の経口製剤は、錠剤に圧
縮され得るか又はカプセル化され得る徐放性マトリクスにオキシコドン又は医薬上許容で
きるそれらの塩を含む、顆粒、スフェロイド(spheroids)、マトリクスマルチ微粒子(m
ultiparticulates)などとして調製され得る。本発明の経口製剤は、任意に、他の医薬上
許容できる成分(例えば、希釈剤、バインダー、着色剤、滑剤など)を含んでも良い。
【0043】
ある実施の形態において、本発明の経口製剤は、製剤からオキシコドン又は医薬上許容
できるそれらの塩を押し出すための二層コアの層の一つとしてのプッシュ又は置換組成物
と、コアを囲繞する半浸透性壁組成物とを有する浸透性製剤であっても良い。その壁は、
製剤からオキシコドンを移送する少なくとも一つの出口手段又は通路を有する。あるいは
、浸透性製剤のコアが、放出制御ポリマーと、オキシコドン又は医薬上許容できるそれら
の塩とを含む単層コアを含んでも良い。
【0044】
好ましくは、本発明の製剤は、投与後少なくとも約24時間、鎮痛効果を与える。
【0045】
徐放性マトリクス配合物

本発明のある好ましい実施の形態において、徐放性キャリアは、オキシコドン又は医薬
上許容できるそれらの塩を有するマトリクスに組み込まれても良い。そのマトリクスは、
オキシコドンを徐放的に与える。
【0046】
本発明に係る徐放性マトリクスに含まれ得る好適な徐放性材料の非制限的なリストは、
ゴム、セルロースエーテル、アクリル樹脂、タンパク質誘導材料、ワックス、シェラック
、並びに水素化ひまし油及び水素化ベジタブルオイルのようなオイルなどの疎水性及び/
又は親水性材料を含む。しかしながら、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩に
徐放性を加えることができる任意の医薬上許容できる疎水性又は親水性徐放性材料は、本
発明にしたがって使用され得る。好ましい徐放性ポリマーは、エチルセルロース、アクリ
ル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーのようなアルキルセルロースと、セルロー
スエーテル、特にヒドロキシアルキルセルロース(特に、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース)及びカルボキシルアルキルセルロースとを含む。好ましいアクリル酸及びメタク
リル酸ポリマー及びコポリマーは、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリ
マー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチ
ルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリ
マー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリ
マー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレー
トポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレート
コポリマーを含む。ある好ましい実施の形態は、本発明のマトリクスにおいて前述の任意
の徐放性材料の混合物を使用する。
【0047】
マトリクスはまたバインダーを含んでも良い。そのような実施の形態において、バイン
ダーは好ましくは、徐放性マトリクスからオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩
を徐放することに寄与する。
追加の疎水性バインダー材料が含まれるならば、好ましくは、天然及び合成ワックス、
脂肪酸、脂肪アルコール、並びにそれらの混合物から選択される。例としては、ビーズワ
ックス、カーノーバワックス(carnauba wax)、ステアリン酸及びステアリルアルコール
を含む。このリストは、排他的であることを意味しない。ある好ましい実施の形態におい
て、2つ又はそれ以上の疎水性バインダー材料の組み合わせをマトリクス配合物に含める

【0048】
本発明にしたがって使用され得る好ましい疎水性バインダー材料は、脂肪酸、脂肪アル
コール、脂肪酸のグリセリルエステル、無機及びベジタブルオイル、天然及び合成ワック
ス、並びにポリアルキレングリコールのような消化し易い長鎖(C8−C50、特にC12
40)の置換又は無置換の炭化水素を含む。25℃から90℃の間の融点を有する炭化水
素が好ましい。ある実施の形態において、長鎖の炭化水素バインダー材料の中で、脂肪(
脂肪族)アルコールが好ましい。経口製剤は、80(重量)%までの少なくとも一つの消
化し易い長鎖炭化水素を含んでも良い。
【0049】
ある実施の形態において、疎水性バインダー材料は、天然及び合成ワックス、脂肪族ア
ルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル、又は好ましくはセトステアリル
アルコール)、脂肪酸を含んでも良く、限定はされないが、脂肪酸エステル、脂肪酸グリ
セライド(モノ−、ジ−及びトリ−グリセライド)、水素化脂肪、炭化水素、ノーマルワ
ックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、並びに炭化水素骨格を有する疎水性及び
親水性材料を含む。好適なワックスは、例えばビーズワックス、グリコワックス、カスタ
ーワックス及びカーノーバワックスを含む。本発明の目的では、ワックス様物質は、室温
で通常固体であり、約30℃から約100℃の融点を有する任意の材料で規定される。あ
る好ましい実施の形態において、製剤は、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩
と、少なくとも一つの水溶性ヒドロキシアルキルセルロース、少なくとも一つのC12−C
36、好ましくはC14−C22脂肪族アルコール及び任意に少なくとも一つのポリアルキレン
グリコールとを含む徐放性マトリクスを有する。ヒドロキシアルキルセルロースは、好ま
しくはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び特にヒ
ドロキシエチルセルロースのようなヒドロキシ(C1−C6)アルキルセルロースである。
本経口製剤における少なくとも一つのヒドロキシアルキルセルロースの量は、とりわけ、
必要とされるオキシコドン又はオキシコドン塩放出の正確な速度により決定され得る。脂
肪族アルコールは、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール又はステアリルア
ルコールでも良い。しかしながら、本経口製剤の特に好ましい実施の形態において、その
少なくとも一つの脂肪族アルコールは、セチルアルコール又はセトステアリルアルコール
である。本経口製剤における脂肪族アルコールの量は、上述のように、必要とされるオキ
シコドン又はオキシコドン塩放出の正確な速度により決定され得る。それはまた、少なく
とも一つのポリアルキレングリコールが経口製剤にあるかないかどうかに依存し得る。少
なくとも一つのポリアルキレングリコールの存在しない場合において、経口製剤は、好ま
しくは約20(重量)%から約50(重量)%の脂肪族アルコールを含む。ポリアルキレ
ングリコールが経口製剤に存在するとき、そのとき脂肪族アルコールとポリアルキレング
リコールとの合わせた重量は、好ましくは総製剤の約20(重量)%と約50(重量)%
との間である。
【0050】
ある好ましい実施の形態において、例えば少なくとも一つの脂肪族アルコール/ポリア
ルキレングリコールに対する少なくとも一つのヒドロキシアルキルセルロース又はアクリ
ル樹脂の比は、かなりの程度で、配合物からのオキシコドン又はオキシコドン塩の放出速
度を決定する。ある実施の形態において、1:1から1:4の間の脂肪族アルコール/ポ
リアルキレングリコールに対するヒドロキシアルキルセルロースの放出比が好ましい。特
に、1:2から1:3の間の比が好ましい。
【0051】
ある実施の形態において、ポリアルキレングリコールは、例えばポリプロピレングリコ
ール又はポリエチレングリコールでも良く、それらが好ましい。少なくとも一つのポリア
ルキレングリコールの平均分子量は、好ましくは1,000から15,000の間、特に
1,500から12,000の間である。
【0052】
別の好適な徐放性マトリクスは、アルキルセルロース(特に、エチルセルロース)、C
12−C36の脂肪族アルコール及び任意にポリアルキレングリコールを含む。
【0053】
上記成分に加えて、徐放性マトリクスはまた、好適量の他の材料、例えば医薬分野で慣
習的である希釈剤、滑剤、バインダー、粒状化剤(granulating aids)、着色剤、フレー
バランツ(flavorants)及びグリダンツ(glidants)を含んでも良い。
【0054】
本発明に係る固形徐放性経口製剤の調製を容易にするために、本発明のさらなる態様に
おいて、徐放性マトリクスにオキシコドン又はそれらの塩を組み込むことを含む本発明に
係る固形徐放性経口製剤の調製方法が提供される。マトリクスへの組み入れは、例えば、
(a)オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩とともに、上記に示すような少な
くとも一つの疎水性及び/又は親水性材料(例えば、水溶性ヒドロキシアルキルセルロー
ス)を含む顆粒を形成し、
(b)顆粒を含む少なくとも一つの疎水性及び/又は親水性材料と少なくとも一つのC
12−C36脂肪族アルコールとを混合し、
(c)任意に、顆粒を圧縮し及び成型する
ことによりなされ得る。
【0055】
顆粒は、医薬配合物の当業者に良く知られている任意の手順により形成され得る。例え
ば、一つの好ましい方法において、顆粒は、粒状化したヒドロキシアルキルセルロース/
オキシコドン又はオキシコドン塩を湿式で粒状化することにより形成され得る。このプロ
セスの特に好ましい実施の形態において、湿式粒状化ステップ中に加えられる水の量は、
好ましくはオキシコドン又はオキシコドン塩の乾燥重量の1.5から5倍の間、特に1.
75から3.5倍の間である。
【0056】
徐放性マトリクスはまた、例えば溶融粒状化又は溶融押出成型技術により調製され得る
。一般的に、溶融粒状化技術は、通常の固体の疎水性バインダー材料、例えばワックスを
溶かすこと、及びその中に粉末状の薬剤を入れることを伴う。徐放性製剤を得るために、
疎水性徐放性材料、例えばエチルセルロース又は水不溶性アクリルポリマーを溶融ワック
ス疎水性バインダー材料に入れることを必要とし得る。メルト−グラニュレーション技術
によって介して調製された徐放性配合物の例は、例えば米国特許第4,861,598号
にある。
【0057】
追加の疎水性バインダー材料は、一つ又はそれ以上の水不溶性ワックス様物質よりも疎
水性の小さい一つ又はそれ以上のワックス様熱可塑性物質とどうにかして混合される一つ
又はそれ以上の水不溶性のワックス様熱可塑性物質を含んでも良い。徐放性を達成するた
めに、配合物における個々のワックス様物質は、初期の放出フェーズ中に胃腸液において
実質的に分解されず、不溶であるべきである。有用な水不溶性ワックス様バインダー物質
は、約1:5000(W/W)よりも低い水溶性を有するもので良い。
【0058】
本発明に係る好適な溶融押出成型マトリクスの調製は、均質な混合物を得るために、例
えば、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料及び好ましくはバイ
ンダー材料とをブレンドするステップを含む。均質な混合物は、それから混合物を成型す
るために少なくとも混合物を十分に軟化させるに十分な温度に加熱される。得られた均質
な混合物は、それから、例えばツインスクリュー押出成型機を用いて押出成型して、スト
ランドを形成する。押出成型は、好ましくは従来技術において既知である任意の手段によ
り冷却され、マルチ微粒子に切断される。マトリクスマルチ微粒子は、それから単位服用
量に分けられる。押出成型物は、好ましくは約0.1から約5mmの直径を有し、少なく
とも約24時間の間にオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の徐放性を与える。
【0059】
本発明の溶融押出成型配合物を調製する任意のプロセスは、疎水性徐放性材料と、オキ
シコドン又はそれらの塩と、任意のバインダー材料とを押出成型機に直接計量して入れ;
均質な混合物を加熱し;均質な混合物を押出成型してそれによりストランドを形成し;均
質な混合物を含むストランドを冷却し;ストランドを約0.1から約12mmのサイズを
有するマトリクスマルチ微粒子に切断し;並びにその粒子を単位服用量に分けることを含
む。本発明のこの態様において、相対的に連続する製造操作が行われる。
【0060】
上述したような可塑剤が溶融押出成型マトリクスに含まれていても良い。可塑剤は、好
ましくはマトリクスの約0.1から約30重量%で含まれる。他の医薬上のエクスシピエ
ンツ(excipients)、例えばタルク、モノ又はポリサッカライド(saccharides)、着色
剤、フレーバランツ、滑剤などが、所望により本発明の徐放性マトリクスに含まれていて
も良い。含まれる量は、達成される所望の特性による。
【0061】
押出成型機の開口又は出口ポートの直径を調整して、押出成型されたストランドの厚さ
を変化させることができる。さらに、押出成型機の出口部は丸である必要はなく;楕円や
矩形などであっても良い。出てきたストランドは、ホットワイヤカッタ、ギロチンなどを
用いて粒子に縮小される。
【0062】
溶融押出成型マトリクスマルチ微粒子系は、押出成型機出口の開口部に依存して例えば
顆粒、スフェロイド又はペレットの形でも良い。本発明の目的のために、用語「溶融押出
成型マトリクスマルチ微粒子」及び「溶融押出成型マトリクスマルチ微粒子系」及び「溶
融押出成型マトリクス微粒子」は、好ましくは類似のサイズ及び/又は形の範囲内で、好
ましくはここで記述された疎水性徐放性材料を含む一つ又はそれ以上の活性剤と、一つ又
はそれ以上のエクスシピエンツとを含む複数のユニットを指す。好ましくは、溶融押出成
型マトリクスマルチ微粒子は、約0.1から約12mmの範囲の長さであり、約0.1か
ら約5mmの直径を有する。さらに、溶融押出成型マトリクスマルチ微粒子は、このサイ
ズ範囲内で任意の幾何学的形状でも良いことが分かる。ある実施の形態において、押出成
型機は、簡単に所望の長さに切断し、小球化(spheronization)ステップの必要なしに治
療上の単位服用量の活性剤に分ける。
【0063】
ある好ましい実施の形態において、カプセル内に有効量の溶融押出成型マトリクスマル
チ微粒子を含む経口製剤が調製される。例えば、複数の溶融押出成型マトリクスマルチ微
粒子は、胃腸液に摂取され接触したときに有効な徐放性服用を提供するために、十分な量
のゼラチンカプセルに入れられても良い。
【0064】
別の実施の形態において、有効量のマルチ微粒子押出成型物は、標準技術を用いて従来
の錠剤装置を用いて経口錠剤に圧縮される。錠剤を(圧縮及びモールド)、カプセル(硬
質及び軟質ゼラチン)及びピルを作製するための技術及び組成はまた、Remington's Phar
maceutical Science, (Aethur Osol, editor), 1553-1593 (1980)に記述されている。
【0065】
さらに別の好ましい実施の形態において、押出成型機は、米国特許第4,957,68
1号 (クリメッシュ他(Klimesch et al))に示すようにして錠剤に成型され得る。
【0066】
任意に、徐放性マトリクスマルチ微粒子系、錠剤又はカプセルは、ここで記述した徐放
性コーティングのような徐放性コーティングで被覆され得る。例えば所望の放出速度に依
存してオーバーコートが厚くなるかもしれないが、そのようなコーティングは、好ましく
は約2から約25パーセントの重量ゲインレベルを得るために十分な量の疎水性及び/又
は親水性徐放性材料を含む。
【0067】
本発明の製剤は、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を含有する溶融押出成
型マトリクスマルチ微粒子をさらに含む。さらに、製剤はまた、迅速な治療効果のために
、速放性で治療的に活性になる量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を含む
。速放性オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩は、例えばマルチ微粒子を分ける
ようにしてゼラチンカプセル内に入れられても良く、例えば溶融押出成型マトリクスマル
チ微粒子の表面に被覆されても良い。
【0068】
本発明の溶融押出成型配合物の徐放プロファイルは、例えば徐放性材料の量を変えるこ
とにより、他のマトリクス成分に対して可塑剤の量を変えることにより、疎水性材料の量
を変えることにより、追加成分又はエクスシピエンツの導入により、製造方法の変更によ
りなどで変更され得る。
【0069】
本発明の他の実施の形態において、溶融押出成型配合物は、押出成型物のためにその後
に加えられるオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の導入なしで調製される。そ
のような配合物は典型的には、押出成型されたマトリクス材料とともにブレンドされたオ
キシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を有し、それから混合物は、遅放性配合物を
提供するために錠剤化される。そのような配合物は、例えば配合物に含まれる治療上の活
性剤が疎水性材料及び/又は抑制材料を軟化させるために必要とされる温度に敏感である
ときに有利であり得る。
【0070】
本発明にしたがう使用に好適である典型的な溶融押出成型製造システムは、可変速度及
び定トルク制御、スタート−ストップ制御、並びに電流計を有する好適な押出成型機駆動
モータを含む。さらに、製造システムは、押出成型機の長さにわたっていたるところにあ
る、温度センサ、冷却手段及び温度インジケータを含む温度制御装置を有する。さらに、
製造システムは、出口で開口部あるいは型を有するシリンダ又はバレル内に囲繞された2
つの反転インターメッシングスクリューからなるツイン−スクリュー押出成型機のような
押出成型機を含む。導入材料は、導入ホッパーに入り、スクリューによりバレルを通して
動かされ、連続可動ベルトなどによりその後運ばれるストランドに型を通って押し込まれ
、冷却され、押出成型ロープをマトリクスマルチ微粒子系にするためのペレット化機又は
他の好適なデバイスに向けられる。ペレット化機は、ローラ、固定ナイフ、回転カッター
などからなり得る。好適な器具及びシステムは、サウスハッケンサック、ニュージャージ
ー(South Hackensack, New Jersey)のシー・ダブリュー・ブラベンダーインスツルメン
ツ社(C.W.Brabender Instruments, Inc.)のような販売業者から入手できる。他の好適
な装置は、当業者から明らかであろう。
【0071】
本発明のさらなる態様は、押出成型物に含まれるエアの量を制御する方法で上記に示す
ような溶融押出成型マトリクスマルチ微粒子の調製に関する。押出成型物に含まれるエア
の量を制御することにより、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の放出速度が
変更され得る。
【0072】
このように、本発明のさらなる態様において、溶融押出成型物は、プロセスの押出成型
フェーズ中に空気を実質的に除く方法で調製される。これは、例えば真空アタッチメント
を有するライストリッツ(Leistritz)成型機を用いることにより達成され得る。真空下
でライストリッツ成型機を用いた本発明により調製された押出成型マトリクスマルチ微粒
子は、異なる物理的特性を有する溶融押出成型物を与える。特に、押出成型物は、例えば
SEM(走査電子顕微鏡写真)を与える走査電子顕微鏡を用いて拡大されたときに、実質的
に非ポーラスである。そのような実質的に非孔質である配合物は、真空下でなく調製され
た同じ配合物に比べて治療上の活性剤の放出をより早くし得る。真空下で押出成型機を用
いて調製されたマトリクスマルチ微粒子のSEMはとてもなめらかに現れ、マルチ微粒子は
、真空下でなく調製されたそれらのマルチ微粒子よりもより頑強になる傾向がある。少な
くともある配合物において、真空下での押出成型の使用は、真空下でなく調製されたその
対照の配合物よりもよりpH依存性である押出成型マトリクスマルチ微粒子生成物を提供
する。
【0073】
あるいは、溶融押出成型物は、ワーナ−プフライダラー(Werner-Pfleiderer)ツイン
スクリュー押出成型機を用いて調製される。
【0074】
ある実施の形態において、スフェロナイジング剤(spheronizig agent)は、顆粒又は
マトリクスマルチ微粒子に加えられ、その後徐放性スフェロイド(spheroids)を生成す
るためにスフェロナイズ(spheronize)される。その後、スフェロイドは、上述のような
方法により徐放性コーティングで任意にオーバーコートされる。
【0075】
本発明のマトリクスマルチ微粒子配合物を調製するために使用され得るスフェロナイジ
ング剤は、任意の既知のスフェロナイジング剤(spheronizing agent)をも含む。セルロ
ース誘導体が好ましく、微結晶セルロースが特に好ましい。好適な微結晶セルロースは、
例えばAvice PH 101(商標、FMC Corporation)として市販されている材料である。小球
化剤は、好ましくはマトリクスマルチ微粒子の約1から約99重量%で含まれる。
【0076】
ある実施の形態において、活性成分及び小球化剤に加えて、スフェロイドはバインダー
を含んでも良い。低粘度、水溶性ポリマーのような好適なバインダーは、医薬分野の当業
者に良く知られている。しかしながら、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性ヒ
ドロキシ低級アルキルセルロースが好ましい。加えて(又はあるいは)スフェロイドは、
水不溶性ポリマー、特にアクリルポリマー、メタクリル酸−エチルアクリレートコポリマ
ーのようなアクリルコポリマー又はエチルセルロースを含んでも良い。
【0077】
ある実施の形態において、徐放性コーティングは、徐放性スフェロイド、顆粒又はマト
リクスマルチ微粒子に塗布される。そのような実施の形態において、徐放性コーティング
は、(a)ワックス単独もしくは脂肪アルコールとの混合物;又は(b)シェラックもし
くはゼイン、のような水不溶性材料を含んでも良い。これらのコーティングは、好ましく
は疎水性徐放性材料の分散液から誘導される。
【0078】
ある実施の形態において、徐放性配合物を得るために、約2から約50%、例えば約2
から約25%の重量ゲインレベルを得るために、オキシコドン又は医薬上許容できるそれ
らの塩と徐放性キャリアとを含む徐放性スフェロイド、顆粒又はマトリクスマルチ微粒子
を十分な量の分散液、例えばアルキルセルロース又はアクリルポリマーでオーバーコート
する必要がある。オーバーコートは、例えば所望の放出速度、分散液への可塑剤の導入、
及びその導入方法に依存してより少なく又はより多くしても良い。アルキルセルロースを
含むセルロース材料及びポリマーは、本発明に係る徐放性スフェロイド、顆粒又はマトリ
クスマルチ微粒子をコーティングするために良く適する徐放性材料である。単に例として
、ある好ましいアルキルセルロースポリマーは、他のセルロース及び/又はアルキルセル
ロースポリマーが容易に使用され得ることを当業者は認識しているが、本発明に係る疎水
性コーティングの全部又は一部ととして単独で又は任意の組み合わせでのエチルセルロー
スである。
【0079】
一つの市販されているエチルセルロース分散液は、アクアコート(Aquacoat)(登録商
標)(FMC社、フィラデルフィア、ペンシルベニア、米国)である。アクアコート(登録
商標)は、水と混合しない有機溶剤中にエチルセルロースを溶解させ、その後界面活性剤
及び安定剤の存在下で水中でそれを乳濁化させることにより調製される。サブミクロンの
液滴を生成するための均質化の後、有機溶媒は真空下で蒸発して擬ラテックスを形成する
。可塑剤は、製造フェーズ中に擬ラテックスに入れられない。このように、コーティング
として同じものを使用する前に、アクアコート(登録商標)と好適な可塑剤とを使用前に
密に混合することが必要である。
【0080】
エチルセルロースの別の分散液は、シュアリース(Surelease)(登録商標)(カラー
コン(Colorcon)社、ウェストポイント、ペンシルベニア、米国)として市販されている
。この製品は、製造プロセス中に分散液の中に可塑剤を入れることにより調製される。ポ
リマー、可塑剤(ジブチルセバケート)、及び安定剤(オレイン酸)のホットメルトが均
質混合物として調製され、その後徐放性スフェロイド、顆粒又はマトリクスマルチ微粒子
に直接塗布され得る分散液を得るためにアルカリ溶液で希釈される。
【0081】
本発明の他の好ましい実施の形態において、徐放性コーティングを有する徐放性材料は
、制限されないが、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポ
リマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、ポリ(アクリル
酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメ
タクリレート)、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ
アクリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物
)並びにグリシジルメタクリレートコポリマーを含む医薬上許容できるアクリルポリマー
である。
【0082】
ある実施の形態において、アクリルポリマーは、一つ又はそれ以上のアンモニオメタク
リレートコポリマーを含む。アンモニオメタクリレートコポリマーは当該技術分野におい
て良く知られており、低含有量の第4級アンモニア基を有する十分にポリマー化されたア
クリル及びメタクリル酸エステルのコポリマーとしてNational Formulary (NF) XVIIに記
載されている。所望の溶解プロファイルを得るために、中性(メタ)アクリルエステルに
対する第4級アンモニウム基の異なるモル比のように種々の物理的特性を有する2つ又は
それ以上のアンモニオメタクリレートコポリマーを入れる必要があり得る。
【0083】
あるメタクリル酸エステルタイプのポリマーは、本発明にしたがって使用され得るpH
依存コーティングを調製するために有用である。例えば、ロームゲーエムベーハー(Rohm
GMBH)及びKgダルムスタッド(Darnstadt)、ドイツからオイドラギット(Eudragit)
(登録商標)として市販されているメタクリル酸コポリマーや高分子メタクリレートとし
て知られているジエチルアミノエチルメタクリレート及び他の中性メタクリルエステルか
ら合成されたコポリマーの一群がある。例えば、オイドラギットEは、酸性媒体において
膨潤し溶解するメタクリル酸コポリマーの例である。オイドラギットLは、pH<約5.
7で膨潤せず、pH>約6で可溶性であるメタクリル酸コポリマーである。オイドラギッ
トSは、pH<約6.5で膨潤せず、pH>約7で可溶性である。オイドラギットRL及
びオイドラギットRSは水膨潤性であり、これらのポリマーにより吸収される水の量はp
Hに依存するが、オイドラギットRL及びRSで被覆された製剤はpHに依存しない。
【0084】
ある好ましい実施の形態において、アクリルコーティングは、それぞれ商標名オイドラ
ギット(登録商標)RL30D、オイドラギット(登録商標)RS30Dでロームから市
販されている2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。オイドラギット(登録商標)
RL30D及びオイドラギット(登録商標)RS30Dは、アクリル及びメタクリルエス
テルと低含有量の第4級アンモニウム基とのコポリマーであり、残りの中性(メタ)アク
リルエステルに対するアンモニウム基のモル比は、オイドラギット(登録商標)RL30
Dで1:20、オイドラギット(登録商標)RS30Dで1:40である。平均分子量は
約150000である。コード指定RL(高浸透性)及びRS(低浸透性)は、これらの
試薬の浸透特性に関係する。オイドラギット(登録商標)RL/RS混合物は水に及び消
化液中で不溶性である。しかしながら、これらから形成されたコーティングは、水溶液及
び消化液において膨潤可能であり、浸透可能である。
【0085】
本発明のオイドラギット(登録商標)RL/RS分散液は、所望の溶解プロファイルを
有する徐放性配合物を最後に得るために、任意の所望の比でともに混合され得る。所望の
徐放性配合物は、例えばオイドラギット(登録商標)RL100%、オイドラギット(登
録商標)RL50%及びオイドラギット(登録商標)RS50%、並びにオイドラギット
(登録商標)RL10%及びオイドラギット(登録商標)RS90%から誘導された抑制
コーティングから得られ得る。もちろん、当業者は、例えばオイドラギット(登録商標)
のような他のアクリルポリマーも使用され得ることを認識するであろう。コーティングが
疎水性徐放性材料の分散物を含む本発明の実施の形態において、疎水性材料の分散液中の
有効量の可塑剤の導入により、徐放性コーティングの物理的性質をさらに改良する。例え
ば、エチルセルロースが相対的に高いガラス転移温度を有し、通常のコーティング条件下
でフレキシブルな膜を形成しないので、コーティング材料として同じものを使用する前に
徐放性コーティングを含むエチルセルロースコーティングに可塑剤を入れることが好まし
い。通常、コーティング溶液に含まれる可塑剤の量は、フィルム−フォーマー(film-for
mer)の濃度、例えば多くの場合フィルム−フォーマーの約1から約50重量%に基づく
。しかしながら、可塑剤の濃度は、特定のコーティング溶液及び塗布方法を用いての慎重
な実験の後に単に適切に決定され得る。
【0086】
エチルセルロース用の好適な可塑剤の例は、他の水不溶性可塑剤(アセチル化モノグリ
セライド、フタレートエステル、ひまし油など)が使用され得るが、ジブチルセバケート
、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート及びトリアセチン
のような水不溶性可塑剤を含む。トリエチルシトレートは、本発明のエチルセルロースの
分散液用の特に好ましい可塑剤である。
【0087】
本発明のアクリルポリマー用の好適な可塑剤の例は、制限されないが、トリエチルシト
レートNF XVI、トリブチルシトレート、ジブチルフタレート及びことによると1,2−プ
ロピレングリコールのようなクエン酸エステルを含む。オイドラギット(登録商標)RL
/RSラッカー溶液のようなアクリルフィルムから形成されるフィルムの弾性を高めるた
めに好適であることがわかっている他の可塑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチルフタレート、ひまし油及びトリアセチンを含む。トリエチルシトレ
ートは、本発明のエチルセルロースの分散液用の特に好ましい可塑剤である。
【0088】
ある実施の形態において、オキシコドン又はオキシコドン塩を含有する被覆されない/
被覆された徐放性スフェロイド、顆粒又はマトリックスマルチ微粒子は、徐放性スフェロ
イド、顆粒又はマルチ微粒子が安定した溶解を提供するところに終点が達するまで硬化さ
れる。硬化終点は、促進貯蔵条件、例えば温度40℃、相対湿度75%で少なくとも一月
に晒した後、製剤の溶解プロファイル(曲線)に対して硬化直後の製剤の溶解プロファイ
ル(曲線)とを比較することにより決定され得る。硬化配合物は、米国特許第5,273
,760号、第5,286,493号、第5,500,227号、5,580,578号
、5,639,476号、5,681,585号及び第6,024,982号に詳細に記
載されている。本発明にしたがって使用され得る徐放性配合物及びコーティングの他の例
は、米国特許第5,324,351号、第5,356,467号及び第5,472,71
2号を含む。
【0089】
上述の成分に加えて、スフェロイド、顆粒又はマトリックスマルチ微粒子はまた、好適
量の他の材料、例えば所望により配合物の約50重量%までの量で医薬技術分野で慣習的
である希釈剤、滑剤、バインダー、造粒剤、着色剤、フレーバランツ及びグリダンツを含
んでも良い。これらの追加の材料の量は、所望の配合物に所望の効果を与えるために十分
な量である。
【0090】
経口製剤を配合するために使用され得る医薬上許容できるキャリア及びエクスシピエン
ツの具体的な例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients, American Pharmaceutical
Association (1986)に記載されている。これは参照によりここに含まれる。
徐放性コーティングへの少量のタルクの付加は、処理中に分散液のくっつく傾向を減少
させ、研磨剤として働くことがわかっている。
【0091】
徐放性浸透投薬

本発明に係る徐放性製剤(sustained release dosage forms)はまた、浸透性投薬配合
物(osmotic dosage formulation)として調製されても良い。当該浸透性製剤(osmotic
dosage forms)は、好ましくは薬剤層と移送及びプッシュ層とを有する二層コアを含む。
この二層コアは、その中に少なくとも一つの通路を任意で有する半浸透性壁により囲繞さ
れる。
【0092】
本発明の目的で使用されるような語句「通路」は、オキシコドン又はオキシコドン塩が
ファイバ、キャピラリー管、多孔質オーバーレイ、多孔質インサート、微孔質部材又は多
孔質組成物を通って注入され、拡散され、又は移動され得る開口、オリフィス、穴、孔、
多孔質エレメントを含む。通路はまた、少なくとも一つの通路を作るために、使用する液
環境において壁を侵食し又は壁から浸出される化合物を含む。通路を形成する代表的な化
合物は、壁において侵食可能なポリ(グリコール)酸又はポリ(乳酸);ゼラチンフィラ
メント;水除去可能なポリ(ビニルアルコール);流体除去可能な孔形成多糖類、酸、塩
又は酸化物のような浸出可能な化合物を含む。通路は、徐放性規模の孔通路を形成するた
めに、ソルビトール、ショ糖、乳糖、麦芽糖又は果糖のような化合物を壁から浸出するこ
とにより形成され得る。通路は、製剤からオキシコドン又はオキシコドン塩を計量して徐
放することを助けるために、丸、三角形、四角形及び楕円のようないかなる形状をも有し
得る。製剤は、製剤の一つ又はそれ以上の表面で離隔関係で一つ又はそれ以上の通路を有
して製造され得る。通路及び通路を形成する装置は、米国特許第3,845,770号、
第3,916,899号、第4,063,064号及び第4,088,864号に開示さ
れている。放出孔の徐放速度を与えるために水浸出することにより形成された放出孔とし
て合わせられ、形作られ、適合される徐放規模を有する通路は、米国特許第4,200,
098号及び第4,285,987号に開示されている。
【0093】
ある実施の形態において、二層コアは、オキシコドン又はそれらの塩を有する薬剤層と
、置換又はプッシュ層とを有する。ある実施の形態において、薬剤層はまた、少なくとも
一つのポリマーハイドロゲルを含んでも良い。ポリマーハイドロゲルは、約500から約
6000000の間の平均分子量を有し得る。ポリマーハイドロゲルの例は、限定はされ
ないが、式(C6125n・H2O(nは3から7,500)を有し、500から1,2
50,000の数平均分子量を有するマルトデキストリンポリマー;例えば50,000
から750,000の重量平均分子量を有する、例えばポリ(エチレンオキサイド)及び
ポリ(プロピレンオキサイド)により代表され、100,000、200,000、30
0,000又は400,000の重量平均分子量の少なくとも一つのポリ(エチレンオキ
サイド)により特に代表されるポリ(アルキレンオキサイド);アルカリがナトリウムや
カリウムであり、アルキルがメチル、エチル、プロピル又はブチルである10,000か
ら175,000の重量平均分子量のアルカリカルボキシアルキルセルロース;並びに1
0,000から500,000の数平均分子量のメタクリル及びエタクリル酸を含むエチ
レン−アクリル酸のコポリマーを含む。
【0094】
本発明のある実施の形態において、移送又はプッシュ層は浸透性ポリマーを含む。浸透
性ポリマーの例は、限定はされないが、ポリアルキレンオキサイド及びカルボキシアルキ
ルセルロースからなる群より選ばれたものを含む。ポリアルキレンオキサイドは、100
0,000から10,000,000の重量平均分子量を持つ。ポリアルキレンオキサイ
ドは、ポリメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、
1,000,000の平均分子量を有するポリエチレンオキサイド、5,000,000
の平均分子量を有するポリエチレンオキサイド、7,000,000の平均分子量を有す
るポリエチレンオキサイド、1,000,000の平均分子量を持つ架橋ポリメチレンオ
キサイド及び1,200,000の平均分子量のポリプロピレンオキサイドからなる群よ
り選ばれたものであり得る。典型的な浸透性ポリマーカルボキシアルキルセルロースは、
アルカリカルボキシアルキルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カリ
ウムカルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシエチルセルロース、リチウムカ
ルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシエチルセルロース、カルボキシアルキ
ルヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシエチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルヒドロキシプロピルセル
ロースからなる群より選ばれたものを含む。置換層のために使用される浸透性ポリマーは
、半浸透性壁を横切って浸透圧傾斜を示す。浸透性ポリマーは液を製剤に吸収させ、それ
により浸透性ハイドロゲル(浸透性ゲルとしても知られる)として膨潤し膨張し、それに
より浸透性製剤からオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を押し出す。
【0095】
プッシュ層はまた、浸透剤として及び浸透効果のある溶質として既知でもある一つ又は
それ以上の浸透効果化合物を含む。それらは、例えば胃腸管からの周囲流体を製剤に吸収
させ、置換層の移送運動に寄与する。浸透活性化合物の例は、浸透性塩及び浸透性炭水化
物からなる群より選ばれたものを含む。特定の浸透剤の例は、限定はされないが、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸リチウム、塩化リチウム、リン酸ナ
トリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、リン酸カリウム、ブドウ糖、果糖及び麦芽糖
からなる群より選ばれたものを含む。
【0096】
プッシュ層は、9,000から450,000の数平均分子量を持つヒドロキシプロピ
ルアルキルセルロースを任意に含んでも良い。ヒドロキシプロピルアルキルセルロースは
、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルイソプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース及びヒドロ
キシプロピルペンチルセルロースからなる群より選ばれたものにより代表される。
【0097】
プッシュ層は、任意に無毒の着色剤や染料を含んでも良い。着色剤や染料の例は、限定
はされないが、FD&C No.1 青染料、FD&C No.4 赤染料、赤酸化鉄、黄酸化鉄、二酸化チタ
ン、カーボンブラック及びインジゴのようなFood and Drug Administration Colorant (F
D&C)を含む。
【0098】
プッシュ層はまた、成分の酸化を抑制するために抗酸化剤を任意で含む。抗酸化剤のい
くつかの例は、限定はされないが、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル
化ヒドロキシアニソール、2と3のターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソールの混
合物、ブチル化ヒドロキシトルエン、ナトリウムイソアスコルベート、ジハイドログアレ
ティック酸(dihydroguaretic acid)、カリウムソルベート、二硫酸ナトリウム、メタ二
硫酸ナトリウム、ソルビン酸、カリウムアスコルベート、ビタミンE、4−クロロ−2,
6−ジターシャリーブチルフェノール、アルファトコフェロール及びプロピルガレートか
らなる群から選ばれたものを含む。
【0099】
ある別の実施の形態において、製剤は、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩
を含む均質コア、医薬上許容できるポリマー(例えば、ポリエチレンオキサイド)、任意
にディスインテグラント(disintegrant)(例えば、ポリビニルピロリドン)、任意に吸
収増強剤(例えば、脂肪酸、界面活性剤、キレート剤、バイル塩(bile salt)など)を
含む。均質コアは、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の放出のための通路(
上記に規定したように)を有する半浸透性壁により囲繞される。
【0100】
ある実施の形態において、半浸透性壁は、セルロースエステルポリマー、セルロースエ
ーテルポリマー及びセルロースエステル−エーテルポリマーからなる群より選ばれたもの
を含む。代表的な壁ポリマーは、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セル
ローストリアシレート、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルロースト
リアセテート、モノ−,ジ−及びトリセルロースアルケニレート並びにモノ−,ジ−及びト
リセルロースアルキニレートからなる群より選ばれたものを含む。本発明のために使用さ
れたポリ(セルロース)は、20,000から7,500,000の数平均分子量を有す
る。
【0101】
本発明の目的のさらなる半浸透性ポリマーは、アセトアルデヒドジメチルセルロースア
セテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートメチルカル
バメート、セルロースジアセテート、プロピルカルバメート、セルロースアセテートジエ
チルアミノアセテート;半浸透性ポリアミド;半浸透性ポリウレタン;半浸透性スルホン
化ポリスチレン;米国特許第3,173,876号、第3,276,586号、第3,5
41,005号、第3,541,006号及び第3,546,876号に開示されたよう
なポリアニオン及びポリカチオンの共沈物により形成された半浸透性架橋ポリマー;米国
特許第3,133,132号でローブ(Loeb)及びソーリラジャン(Sourirajan)により
開示された半浸透性ポリマー;半浸透性架橋ポリスチレン;半浸透性架橋ポリ(ナトリウ
ムスチレンスルホネート);半浸透性架橋ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド);並びに半浸透性壁にわたる静水圧差又は浸透圧差の雰囲気毎に表現された
2.5×10-8から2.5×10-2の(cm2/hr・atm)流体浸透性を持つ半浸透性ポリ
マーを含む。本発明において有用な他のポリマーは、米国特許第3,845,770号、
第3,916,899号及び4,160,020号;並びにHandbook of Common Polymer
s, Scott, J.R.及びW.J.Roff, 1971, CRC Press, Cleveland, Ohioにおいて従来技術で既
知である。
【0102】
ある実施の形態において、好ましくは半浸透性壁は、無毒で不活性であり、薬剤の投与
ライフ中にその物理的及び化学的に完全な状態を維持する。ある実施の形態において、製
剤はバインダーを含む。バインダーの例は、限定されないが、ポリ−n−ビニルアミド、
ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ−n−ビニルピロリドン,ポリ−n−ビニルカプロ
ラクトン,及びポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンとして既知であるポリ(
ビニルピロリドン)、並びにビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルクロライド、
ビニルフルオライド、ビニルブチレート、ビニルラウレート及びビニルステアレートから
なる群より選ばれたものを有するポリ−n−ビニル−ピロリドンコポリマーからなる群よ
り選ばれたものにより代表される5,000から350,000の粘度平均分子量を有す
る治療上許容できるビニルポリマーを含む。他のバインダーは、例えば9,200から2
50,000の平均分子量のアカシア(acacia)、でんぷん、ゼラチン及びヒドロキシプ
ロピルアルキルセルロースを含む。
【0103】
ある実施の形態において、製剤は、ダイ壁又はパンチ面に対してくっつくことを防止す
るために製剤の製造中に使用され得る滑剤を含む。滑剤の例は、限定されないが、マグネ
シウムステアレート、ナトリウムステアレート、ステアリン酸、カルシウムステアレート
、マグネシウムオレアート、オレイン酸、カリウムオレアート、カプリル酸、ナトリウム
ステアリルフマレート及びマグネシウムパルミテートを含む。
【0104】
ある好ましい実施の形態において、本発明は、1から640mgのオキシコドン又は
医薬上許容できるそれらの塩、25から500mgの150,000から500,000
の平均分子量を有するポリ(アルキレンオキサイド)、1から50mgの40,000の
平均分子量を有するポリ(ビニルピロリドン)及び0から約7.5mgの滑剤を含む。
【0105】
ある実施の形態において、本発明はまた、生体液に対して浸透可能でありオキシコドン
又は医薬上許容できるそれらの塩を通路に通さない半浸透性壁を有する製剤から投与され
る患者に対して1から640mgのオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を経口
的に導くことにより1から640mgのオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩を
投与する方法を提供する。半浸透性壁は、オキシコドン薬剤組成物及びプッシュ組成物を
含む内部スペースを囲繞する。このオキシコドン薬剤組成物は、1から640mgのオキ
シコドン又は医薬上許容できるそれらの塩、25から500mgの150,000から5
00,000の平均分子量を有するポリ(アルキレンオキサイド)、1から50mgの4
0,000の平均分子量を有するポリ(ビニルピロリドン)及び0から7.5mgの滑剤
を含む。このプッシュ組成物は、15から250mgの3,000,000から7,50
0,000の平均分子量を有するポリ(アルキレンオキサイド)、0から75mgの浸透
剤、1から50mgのヒドロキシアルキルセルロース、0から10mgの酸化鉄、0から
10mgの滑剤及び0から10mgの抗酸化剤を含む。製剤からオキシコドン又は医薬上
許容できるそれらの塩を移送するための半浸透性壁の通路は、半浸透性壁を通して液を製
剤に吸収することにより、オキシコドン又オキシコドン塩組成物を投与可能としプッシュ
組成物を膨張させ、通路を通してオキシコドン又はオキシコドンの塩を押し出させる。そ
れにより、製剤の混合作用を通して、持続時間にわたって制御された速度でオキシコドン
又はオキシコドン塩は治療上効果的な投薬で移送される。
【0106】
本発明の製剤は、任意に、配合物の放出の調整のため又は配合物の保護のために好適な
一つ又はそれ以上のコーティングで被覆され得る。一つの実施の形態において、コーティ
ングは、例えば胃腸液(GI)に晒されるとき、pH−依存又はpH−非依存の放出のい
ずれかを可能とするために与えられる。pH−依存コーティングが望ましいとき、コーテ
ィングは周囲流体、例えばGI管においてpH−変化にかかわらず適切な放出を達成する
ように設計される。他の好ましい実施の形態は、少なくとも約12時間、好ましくは約2
4時間又はそれ以上で患者に対して鎮痛できるような吸収プロファイルを与えるように、
GI管、例えば胃又は小腸の所望の領域でオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩
を放出するpH−依存コーティングを含む。GI管、例えば胃のある所望の領域における
一部の投薬を解放する及びGI系、例えば小腸の別の領域で残りの投薬を解放する組成物
を配合することも可能である。
【0107】
pH−依存nコーティングを使用する本発明に係る配合物はまた、繰り返し作用効果を
与えても良く、それにより保護されない薬剤が腸コートで被覆され胃で放出され、一方腸
のコーティングにより保護された残りが胃腸管よりさらに下で放出される。pH−依存で
あり、本発明にしたがって使用され得るコーティングは、シェラック、セルロースアセテ
ートフタレート(CAP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート及びメタクリル酸エステルポリマー、ゼインなどの
ような徐放性材料を含む。
【0108】
本発明のある実施の形態において、速放形の有効量のオキシコドン又は医薬上許容でき
るそれらの塩が、配合物に含まれる。速放形のオキシコドン又はオキシコドン塩は、Tma
xが減少するように、血液(例えば血漿)でのオキシコドン濃度を最大にする時間を減少
させるために効果的である量で含まれる。単位投薬においてそのような有効量の速放性オ
キシコドン又はオキシコドン塩を含むことにより、患者における相対的に高いレベルの痛
みが軽減され得る。そのような実施の形態において、速放形における有効量のオキシコド
ン又はオキシコドン塩は、本発明の錠剤に被覆されても良い。例えば、配合物からの増量
の放出オキシコドン又はオキシコドン塩が徐放性コーティングによるとき、速放性層は、
徐放性コーティングの上にオーバーコートされる。一方、速放性層は、錠剤の表面上に被
覆されても良く、オキシコドン又はオキシコドン塩が徐放性マトリクスに組み入れられる
。当業者は、速放性オキシコドン又はオキシコドン塩部分を配合物に組み入れるさらに別
の方法を認識するであろう。そのような代替方法は、添付した請求項により包含されると
思われる。
【0109】
さらなる実施の形態において、オキシコドン又はオキシコドン塩に加えて本発明の徐放
性製剤は、さらにオキシコドン又はオキシコドン塩と共同に作用し得る又はし得ない非オ
ピオイド薬剤を含んでも良い。そのような非オピオイド薬剤は、好ましくは、さらなる鎮
痛を与え、例えばアスピリン;アセトアミノフェン;例えばイブプロフェン、ケトプロフ
ェンなどの非ステロイド系抗炎症剤("NSAIDS");N−メチル−D−アスパルテート(NM
DA)拮抗受容体、例えばデキストロメトロフェンもしくはデキストロファンのようなモノ
フィナン、又はケタミン;シクロオキシゲナーゼ−II抑制剤("COX-II抑制剤");及び/
又はグリシン拮抗受容体を含む。
【0110】
本発明のある実施の形態において、本発明は、NSAID又はCOX-2抑制剤のような追加の非
オピオイド鎮痛効果を導入するためにオキシコドン又はオキシコドン塩をより低い投薬で
使用させる。少量のいずれかの薬剤又は両方の薬剤を使用することにより、ヒトにおける
効果的な痛み管理に関連するサイドイッフェクト(side effect)が減少され得る。
【0111】
好適な非ステロイド系抗炎症剤は、イブプロフェン、ジクロフェナック、ナプロクセン
、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプ
ロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラ
モプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェ
ン、チアプロフェニル酸、フルプロフェン、ブクロキシル酸、インドメタシン、サリンダ
ック、トルメチン、ゾメピラック、チオピナック、ジドメタシン、アセメタシン、フェン
チアザック、クリダナック、オキシピナック、メフェナミル酸、メクロフェナミル酸、フ
ルフェナミル酸、ニフルミル酸、トルフェナミル酸、ジフルリザル、フルフェニザル、ピ
ロキシカム、サドキシカム、イソキシカム、それらの医薬上許容できるそれらの塩、それ
らの混合物などを含む。これらの薬剤の有用な投薬は、当業者に良く知られている。
【0112】
N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)拮抗受容体は、当該技術において良く知られ
ており、例えばデキストロメトロファンもしくはデキストロファン、ケタミン又は医薬上
許容できるそれらの塩であるモロフィナンスを包含する。本発明のために、用語「NMDA拮
抗」はまた、NMDA−受容体活性、例えばGM1又はGM1bのようなガングリオサイド、ト
リフルオペラジンのようなフェノチアジン、N−(6−アミノテキシル)−5−クロロ−
1−ナフタレンスルフォンアミドのようなナフタレンスルフォンアミドの主な細胞内結果
を少なくとも部分的に抑制する薬剤を包含すると思われる。これらの薬剤は、習慣性の薬
剤、例えば米国特許第5,321,012号及び第5,556,838号(ともにMayer
et alによる)におけるモルフィン、コデインなどのような麻酔性鎮痛剤に対する耐久力
及び/又は依存の展開を抑制すること、並びに米国特許第5,502,058号(Mayer
et al)における慢性の痛みを治療することに言及する。NMDA拮抗剤は、単独で、又はこ
れらのMayer et al特許で記載されいているリドカインのような局所麻酔剤と組み合わせ
て含まれても良い。
【0113】
グリシン拮抗受容体の使用及びそのような薬剤の同定(identification)を介しての慢
性の痛みの治療は、米国特許第5,514,680号、ウェーバー(Weber et al)に記
載されている。
【0114】
COX-2抑制剤は当該技術において報告されており、多くの化学的構造がシクロオキシゲ
ナーゼ−2の抑制剤を製造するために知られている。COX-2抑制剤は、例えば米国特許第5
,616,601号;第5,604,260号;第5,593,994号;第5,550
,142号;第5,536,752号;第5,521,213号;第5,475,995
号;第5,639,780号;第5,604,253号;第5,552,422号;第5
,510,368号;第5,436,265号;第5,409,944号及び第5,13
0,311号に記載されている。ある好ましいCOX-2抑制剤は、セレコキシブ(SC-58635
)、DUP-697、フロスリド(CGP-28238)、メロキシカム、6−メトキシ−2−ナフチルア
セチル酸(6−MNA)、MK-966(Vioxxとしても知られている)、ナブメトン(6−MNAの
プロドラッグ)、ニメスリド、NS-398、SC-5766、SC-58215、T-614;又はそれらの組み合
わせを含む。一日に体重のキログラム当たり約0.005mgから約140mgのオーダ
ーでの投薬レベルのCOX-2抑制剤は、オキシコドン又はオキシコドン塩との組み合わせで
治療上有効である。あるいは、一日で患者当たり約0.25mgから約7gのCOX-2抑制
剤がオキシコドン又はオキシコドン塩と組み合わせて投与される。
【0115】
さらなる実施の形態において、非オピオイド薬剤は、例えばアンチチューシブ、去痰薬
、鼻つまり薬、抗ヒスタミン薬、局所麻酔などの鎮痛以外の所望の効果を与えるように含
み得る。
【0116】
追加(非オピオイド)の治療上の活性剤は、徐放性形又は速放性で含まれ得る。追加の
薬剤は、オキシコドン又はオキシコドン塩とともに徐放性マトリクスに組み込まれても良
い、粉末、粒状などとして製剤に組み込まれても良く、又は分離された徐放性層あるいは
速放性層として組み込まれても良い。
【0117】
本発明の徐放性経口固体製剤は、オピオイドなしであり得る。本発明の徐放性経口固体
製剤は、鎮痛効果において著しい違いなしで、従来の速放性製品に比べてかなり少ない日
ごとの投薬で投薬され得る。匹敵する日ごとの投薬で、従来の速放性製品に比べて本発明
の徐放性経口固形製剤の使用でより大きい効き目が得られる。
【0118】
本発明は、添付の例に関してより十分に記載される。しかしながら、以下の記述は例証
のみであり、上記に明示された本発明の概要に制限されるようにいかなる場合にもとられ
るべきではない。
【実施例1】
【0119】
オキシコドン徐放性マトリクス錠剤は、以下の表1に示す配合成分で製造される:
【表1】

【0120】
以下の手順にしたがう:
1.粒状化:流動床式粉砕機を用いてオイドラギット/トリアセチン分散物をオキシコ
ドン塩化水素、 スプレー乾燥したラクトース及びポビドンにスプレーする。
2.ミリング:粒状体を取り出し、約1mmの開口(18メッシュスクリーン)を有す
るミルを通す。
3.ワックシング(Waxing):約50℃でステアリルアルコールを溶かし、高せん断ミ
キサーを用いて 粉砕した粒状体に加える。トレイ上又は流動床で室温に冷却する

4.ミリング:冷却した粒状体を約18メッシュッスクリーンを有するミルに通す。
5.潤滑化:ミキサーを使用してタルク及びマグネシウムステアレートを用いて粒状体
を潤滑化する。
6.圧縮化:キリアン(Kilian(登録商標))錠剤プレスを使用して粒状体を錠剤に圧
縮する。
7.フィルムコーティング:ロータリーパンを使用して錠剤に水系フィルムコートを塗
布する。
【実施例2】
【0121】
オキシコドン徐放浸透性錠剤は、以下の表2に示す配合成分で製造される:

【表2】

【0122】
上記配合物を有する製剤は、以下の手順にしたがって調製される:
まず、175gのオキシコドン塩化水素、647.5gの平均分子量200,000を
持つポリ(エチレンオキサイド)及び43.75gの平均分子量40,000を有するポ
リ(ビニルピロリドン)をミキサーに加えて、10分間混合する。その後、続けて10分
間混合しながら331gの変性無水アルコールを、混合された材料に加える。その後、ウ
ェットな粒状体を20メッシュスクリーンに通し、20時間室温で乾燥し、その後16メ
ッシュスクリーンに通す。次に、粒状体をミキサーに移し、混合し、8.75gのマグネ
シウムステアレートで潤滑化する。
【0123】
その後、製剤からオキシコドン塩化水素を押し出すための置換又はプッシュ組成物は、
次のように調製される:まず、3,910gの平均分子量11,200を持つヒドロキシ
プロピルメチルセルロースを45,339gの水に溶解させる。その後、101gのブチ
ル化ヒドロキシトルエンを650gの変性無水アルコールに溶解させる。次に、連続して
混合しながら2.5kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液をブチル化ヒドロ
キシトルエンアルコール溶液に加える。その後、連続して混合しながら残りのヒドロキシ
プロピルメチルセルロース水溶液をブチル化ヒドロキシトルエンアルコール溶液に加える
ことによりバインダー溶液の調製が完了する。
【0124】
次に、21メッシュスクリーンを備えたクゥワドロコミル(Quadro Comil)(登録商標
)ミルを使用して36,000gの塩化ナトリウムを分粒する。その後、1,200gの
酸化鉄を40メッシュスクリーンに通す。その後、選別された材料、76,400gの平
均分子量7,500,000を持つ医薬上許容できるポリ(エチレンオキサイド)、2,
500gの平均分子量11,200を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースをグラ
ット(Glatt)(登録商標)流動床式造粒用ボウルに加える。ボウルを造粒機に取り付け
、造粒を達成するために造粒プロセスを開始する。次に、乾燥した粉体を空気浮遊させ、
10分間混合する。その後、バインダー溶液を3つのノズルから粉体にスプレーする。造
粒は、プロセス中、次のように、すなわち総溶液スプレー速度800g/分;導入口温度
43℃;及び空気流4,300m3/時でモニタされる。溶液スプレーの終わりで、45
,033gの得られた被覆造粒粒子を35分間の乾燥プロセスに供する。
【0125】
8メッシュスクリーンを有するクゥワドロコミル(Quadro Comil)(登録商標)ミルを
使用して被覆顆粒を分粒する。トート(Tote)(登録商標)タンブラーに造粒物を移し、
混合し及び281.7gのマグネシウムステアレートで潤滑化する。
【0126】
次に、オキシコドン塩化水素を含む薬剤組成物と、プッシュ組成物とをキリアン(Kili
an)(登録商標)錠剤プレスで二層錠剤に圧縮する。まず、176mgのオキシコドン塩
化水素組成物をダイキャビティに入れてプレ圧縮し、その後135mgのプッシュ組成物
を加え、3メートルトンの加圧ヘッド下で層をプレスして、層構造が接触した直径11/
32インチ(0.873cm)にする。
【0127】
二層構造は半浸透性壁で被覆される。壁を形成する組成物は、39.8%のアセチル含
有量を有する100%セルロースアセテートを含む。壁形成組成物をアセトン:水(95
:5 重量:重量)の共溶剤に溶解して4%の固溶体を作る。24インチ(60cm)の
ベクター(Vector)(登録商標)ハイ−コーターで二層体の上及び回りに壁形成組成物を
スプレーする。次に、薬剤オキシコドン層と製剤の外側とを接続するために半浸透性壁に
一つの20ミル(0.508mm)の導出通路をドリル形成する。45℃、湿度45%で
72時間乾燥することにより残りの溶剤を除去する。次に、浸透投与系を45℃で4時間
乾燥して余剰の水分を除去する。この製造により得られた製剤は、35.20mgのオキ
シコドン塩化水素、130.24mgの平均分子量200,000のポリ(エチレンオキ
サイド)、8.80mgの平均分子量40,000のポリ(ビニルピロリドン)及び1.
76mgのマグネシウムステアレートを含む。プッシュ組成物は、85.96mgの平均
分子量7,500,000のポリ(エチレンオキサイド)、40.50mgの塩化ナトリ
ウム、6.75mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、1.35mgの赤酸化鉄、
0.34mgのマグネシウムステアレート及び0.10mgのブチル化ヒドロキシトルエ
ンを含む。半浸透性壁は、39.8%のアセチル含有量を有する38.6mgのセルロー
スアセテートを含む。製剤は、20ミル(0.508mm)の一つの通路を有する。
【実施例3】
【0128】
オキシコドン徐放浸透性錠剤は以下の表3に示す配合成分で製造される:
【表3】

【0129】
上記配合物を有する製剤は、以下の手順にしたがって調製される:
まず、1728gのオキシコドン塩化水素、3852gの平均分子量200,000を
持つポリ(エチレンオキサイド)及び360gの平均分子量40,000を有するポリ(
ビニルピロリドン)を遊星混合ボウルに加える。次に、その乾燥材料を10分間混合する
。その後、続けて15分間混合しながら1616gの変性無水エチルアルコールを、混合
された材料にゆっくり加える。次に、新たに調製したウェットな粒状体を20メッシュス
クリーンに通し、20.5時間室温で乾燥させ、その後16メッシュスクリーンに通す。
次に、粒状体を遊星ミキサー(planetary mixer)に移し、混合し、59.8gのマグネ
シウムステアレートで潤滑化する。
【0130】
次に、プッシュ組成物は、次のように調製される:まず、3,910gの平均分子量1
1,200を持つヒドロキシプロピルメチルセルロースを45,339gの水に溶解させ
ることによりバインダー溶液を調製する。次に、101gのブチル化ヒドロキシトルエン
を650gの変性無水アルコールに溶解させる。連続して混合しながら約2.5kgのヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース/水溶液をブチル化ヒドロキシトルエン/アルコール
溶液に加える。次に、再び連続して混合しながら残りのヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース/水溶液をブチル化ヒドロキシトルエン/アルコール溶液に加えることによりバイン
ダー溶液の調製が完了する。
【0131】
次に、塩化ナトリウムの粒径を減少させるために使われるクゥワドロコミル(Quadro C
omil)(登録商標)ミルを使用して36,000gの塩化ナトリウムを分粒する。流動エ
アミル(fluid air mill)は、21メッシュスクリーンを用いて材料を分粒するために使
用される別のミルである。次に、1,200gの酸化鉄を40メッシュスクリーンに通す
。その後、すべての選別された材料、76,400gの平均分子量7,000,000を
持つ医薬上許容できるポリ(エチレンオキサイド)、2,520gの平均分子量11,2
00を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースをグラット流動床式造粒用ボウルに加
える。ボウルを造粒機に取り付け、造粒を達成するために造粒プロセスを開始する。次に
、乾燥した粉体を空気浮遊させ、10分間混合する。その後、バインダー溶液を3つのノ
ズルから粉体にスプレーする。
【0132】
バインダー溶液をスプレーする間、予想されるすべての粉状被着物をはがすために1.
5分ごとに10秒間フィルターバッグを振とうする。溶液スプレーの終わりで、45,0
33gの得られた被覆造粒粒子を35分間の乾燥プロセスに供する。装置をOFFにし、
被覆された顆粒を造粒機から除去する。8メッシュスクリーンを有するクゥワドロコミル
を使用して被覆顆粒を分粒する。トートタンブラーに造粒物を移し、混合し及び281.
7gのマグネシウムステアレートで潤滑化する。第2センテンスを見て明らかにされたい

【0133】
次に、オキシコドン塩化水素薬剤組成物と、プッシュ組成物とをキリアン(Kilian)(
登録商標)錠剤プレスで二層錠剤に圧縮する。まず、434mgのオキシコドン塩化水素
組成物をダイキャビティに入れてプレ圧縮し、その後260mgのプッシュ組成物を加え
、約3メートルトンの加圧ヘッド下で層をプレスして、層構造が接触した0.700" (
1.78cm)×0.375"(0.95cm)の楕円形にする。
【0134】
二層構造は半浸透性壁で被覆される。壁を形成する組成物は、39.8%のアセチル含
有量を有する95%セルロースアセテート及び3,350の分子量を有する5%のポリエ
チレングリコールを含む。壁形成組成物をアセトン:水(95:5 重量:重量)の共溶
剤に溶解して4%の固溶体を作る。24"のベクターハイ(Vector Hi)(登録商標)コー
ターで二層体の上及び回りに壁形成組成物をスプレーする。
【0135】
次に、薬剤層と投薬系(dosage system)の外側とを接続するために半浸透性壁に二つ
の30ミル(0.762mm)の導出通路をドリル形成する。50℃、湿度50%で48
時間乾燥することにより残りの溶剤を除去する。次に、浸透性製剤を50℃で4時間乾燥
して余剰の水分を除去する。この製造により得られた製剤は、28.8%のオキシコドン
塩化水素、64.2%の平均分子量200,000を持つポリ(エチレンオキサイド)、
6%の平均分子量40,000を持つポリ(ビニルピロリドン)及び1%のマグネシウム
ステアレートを含む。プッシュ組成物は、63.675%の平均分子量7,000,00
0を有するポリ(エチレンオキサイド)、30%の塩化ナトリウム、5%の平均分子量1
1,200を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース、1%の酸化鉄、0.075%
のブチル化ヒドロキシトルエン及び0.25%のマグネシウムステアレートを含む。半浸
透性壁は、95重量%の39.8%のアセチル含有量を有するセルロースアセテート及び
5重量%の平均分子量3,350を有するポリエチレングリコールを含む。製剤は、30
ミル(0.762mm)の二つの通路を有し、約5mg/時のオキシコドン塩化水素の平
均放出速度を有する。
【0136】
さらなる実施の形態における製剤は、65重量%から100重量%のセルロースポリマ
ーを有しても良い。そのポリマーは、セルロースエステル、セルロースジエステル、セル
ローストリエステル、セルロースエーテル、セルロースエステル−エーテル、セルロース
アシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテー
トブチレートなどからなる群より選ばれたものを含む。壁はまた、ヒドロキシプロピルセ
ルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選ばれたセルロースエ
ーテルの0重量%から40重量%と、0重量%から20重量%のポリエチレングリコール
とを含んでも良い。壁を含むすべての構成部分の総量は100重量%に等しい。製剤の壁
を製造するために有用な半浸透性ポリマーは、米国特許第3,845,770号;第3,
916,899号;第4,008,719号;第4,036,228号;及び第4,11
1,201号に開示されている。
【0137】
他の好ましいプロセスにおける壁は、選択的浸透性セルロースエーテル、エチルセルロ
ースを含む。エチルセルロースは、40%から50%のエトキシ含有量と等価である約1
.4から3の置換度を有するエトキシ基と、7から100センチポイズの範囲又はそれ以
上粘度とを有する。さらに明確には、壁は、45重量%から80重量%のエチルセルロー
ス、5重量%から30重量%のヒドロキシプロピルセルロース及び5重量%から30重量
%のポリエチレングリコールを含む。この場合、壁を含むすべての構成部分の総重量パー
セントが100重量%と等しい。別の実施の形態において、壁は、45重量%から80重
量%のエチルセルロース、5重量%から30重量%のヒドロキシプロピルセルロース及び
2重量%から20重量%のポリビニルピロリドンを含む。この場合、壁を含むすべての構
成部分の総重量パーセントが100重量%と等しい。
【実施例4】
【0138】
オキシコドン10mgの徐放性カプセルは、以下の表4に示す配合成分で調製された:

【表4】

【0139】
上記配合物は以下の手順にしたがって調製された:
1.ステアリルアルコール片をインパクトミルに通す。
2.オキシコドン塩化水素、ステアリン酸、ステアリルアルコール及びオイドラギット
RSPOを好適 なブレンダー/ミキサーでブレンドする。
3.高められた温度でブレンドした材料をツインスクリュー押出成形機に連続的に送り
込み、得られた ストランドをコンベア上に集める。
4.ストランドをコンベア上で冷却させる。
5.ペレット化機を用いてストランドを1mmペレットに切断する。
6.顆粒の集まりのペレット及び大きすぎるペレットを約0.8−1.4mmの許容で
きる範囲のサイ ズに選別する。
7.120mg/カプセル(サイズ2カプセルに充填)の充填重量でカプセルに充填す
る。
【0140】
その後、ペレットを以下の操作で溶解のための試験を行った:
282nmでモニタリングする900mlの擬似胃液(SGF)において及び900ml
の擬似腸液(SIF)において100rpmでUSP装置1(バスケット)を使用した光
ファイバUV溶解。
溶解パラメータは、以下の表4Aに示す:

【表4A】

【実施例5】
【0141】
オキシコドン160mgの徐放性カプセルは、以下の表5に示す配合成分で調製された

【表5】

【0142】
上記配合物は以下の手順にしたがって調製された:
1.ステアリルアルコール片をインパクトミルに通す。
2.オキシコドン塩化水素、ステアリン酸、ステアリルアルコール及びオイドラギット
RSPOを好適 なブレンダー/ミキサーでブレンドする。
3.高められた温度でブレンドした材料をツインスクリュー押出成形機に連続的に送り
込み、得られた ストランドをコンベア上に集める。
4.ストランドをコンベア上で冷却させる。
5.ペレット化機を用いてストランドを1mmペレットに切断する。
6.顆粒の集まりのペレット及び大きすぎるペレットを約0.8−1.4mmの許容で
きる範囲のサイ ズに選別する。
7.400mg/カプセル(サイズ00カプセルに充填)の充填重量でカプセルに充填
する。
【0143】
溶解方法:
その後、ペレットを以下の操作で溶解のための試験を行った:
282nmでモニタリングする900mlの擬似胃液(SGF)において及び900ml
の擬似腸液(SIF)において100rpmでUSP装置1(バスケット)を使用した光
ファイバUV溶解。
溶解パラメータは、以下の表5Aに示す:
表5Aがエラーメッセージを有しないことを確認されたい。

【表5A】

【0144】
本発明の多くの他の変形例は、当業者により明らかであり、ここに添付する請求項の範
囲内であることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一日に一回の投与のための徐放性経口製剤であって、鎮痛効果量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む医薬上許容できるマトリクスを含み、前記製剤は、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、前記製剤は、前記患者に対する定常状態経口投与後に0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤。
【請求項2】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1記載の製剤。
【請求項4】
前記患者への定常状態での投与後2から17時間でオキシコドンの平均Tmaxを与える請求項1記載の製剤。
【請求項5】
前記患者への定常状態での投与後8から16時間でオキシコドンの平均Tmaxを与える請求項1記載の製剤。
【請求項6】
前記患者への定常状態での投与後4から24時間のオキシコドンに対する平均W50を与える請求項1記載の製剤。
【請求項7】
前記患者への定常状態での投与後少なくとも12時間のオキシコドンに対する平均W50を与える請求項6記載の製剤。
【請求項8】
前記マトリクスが均質である請求項1記載の製剤。
【請求項9】
前記マトリクスがゼラチンカプセル内に含まれた請求項1記載の製剤。
【請求項10】
前記マトリクスが錠剤に成型された請求項1記載の製剤。
【請求項11】
前記患者への定常状態での投与後12から16時間で平均Tmaxを与える請求項1記載の製剤。
【請求項12】
前記オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩が5から640mgの量である請求項1記載の製剤。
【請求項13】
前記医薬上許容できるオキシコドンの塩がオキシコドン塩酸塩である請求項1記載の製剤。
【請求項14】
前記患者への定常状態での投与後0.7から0.99の平均C24/Cmax比を与える請求項1記載の製剤。
【請求項15】
前記患者への定常状態での投与後0.8から0.95の平均C24/Cmax比を与える請求項1記載の製剤。
【請求項16】
100rpmでのUSPバスケット法により、37℃で、1.6と7.2との間のpHで、900mlの緩衝液において、1時間で0%から40%、4時間で8%から70%、8時間で20%から80%、12時間で30%から95%、18時間で35%から95%及び24時間で50%を超える条件で測定したとき、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の生体外の放出速度を与える請求項1記載の製剤。
【請求項17】
一日に一回の投与のための徐放性経口製剤であって、
鎮痛効果量のオキシコドン又はそれらの塩と、徐放性材料とを含む複数の医薬上許容できるマトリクスを有し、
前記製剤は、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、 前記製剤は、前記患者に対する定常状態経口投与後に0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤。
【請求項18】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項17記載の製剤。
【請求項19】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項17記載の製剤。
【請求項20】
前記患者への定常状態での投与後2から17時間でオキシコドンの平均Tmaxを与える請求項17記載の製剤。
【請求項21】
前記患者への定常状態での投与後8から16時間でオキシコドンの平均Tmaxを与える請求項17記載の製剤。
【請求項22】
前記患者への定常状態での投与後4から24時間のオキシコドンのW50を与える請求項17記載の製剤。
【請求項23】
前記患者への定常状態での投与後少なくとも12時間のオキシコドンのW50を与える請求項17記載の製剤。
【請求項24】
前記複数のマトリクスがゼラチンカプセル内に含まれた請求項17記載の製剤。
【請求項25】
前記複数のマトリクスが錠剤に成型された請求項17記載の製剤。
【請求項26】
前記患者への定常状態での投与後12から16時間で平均Tmaxを与える請求項17記載の製剤。
【請求項27】
前記オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩が5から640mgの量である請求項17記載の製剤。
【請求項28】
前記医薬上許容できるオキシコドンの塩がオキシコドン塩酸塩である請求項17記載の製剤。
【請求項29】
前記患者への定常状態での投与後0.7から0.99の平均C24/Cmax比を与える請求項17記載の製剤。
【請求項30】
前記患者への定常状態での投与後0.8から0.95の平均C24/Cmax比を与える請求項17記載の製剤。
【請求項31】
100rpmでのUSPバスケット法により、37℃で、1.6と7.2との間のpHで、900mlの緩衝液において、1時間で0%から40%、4時間で8%から70%、8時間で20%から80%、12時間で30%から95%、18時間で35%から95%及び24時間で50%を超える条件で測定したとき、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩の生体外の放出速度を与える請求項17記載の製剤。
【請求項32】
一日に一回の投与のための徐放性経口製剤であって、
鎮痛効果量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む医薬上許容できるマトリクスを含み、
前記製剤は、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、
前記製剤は、前記患者に対する定常状態経口投与後に0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比及び6時間よりも長く17時間まででのオキシコドンのTmaxを与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤。
【請求項33】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項32記載の製剤。
【請求項34】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項32記載の製剤。
【請求項35】
一日に一回の投与のための徐放性経口製剤であって、
鎮痛効果量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む医薬上許容できるマトリクスを含み、
前記製剤は、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、
前記製剤は、前記患者に対する定常状態経口投与後に0.7から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤。
【請求項36】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項35記載の製剤。
【請求項37】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項35記載の製剤。
【請求項38】
一日に一回の投与のための徐放性経口製剤であって、
鎮痛効果量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む複数の医薬上許容できるマトリクスを含み、
前記製剤は、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、
前記製剤は、前記患者に対する定常状態経口投与後に0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比及び6時間よりも長く17時間までのオキシコドンのTmaxを与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤。
【請求項39】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項38記載の製剤。
【請求項40】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項38記載の製剤。
【請求項41】
一日に一回の投与のための徐放性経口製剤であって、
鎮痛効果量のオキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む複数の医薬上許容できるマトリクスを含み、
前記製剤は、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、
前記製剤は、前記患者に対する定常状態経口投与後に0.7から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤。
【請求項42】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項41記載の製剤。
【請求項43】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項41記載の製剤。
【請求項44】
ヒト患者に一日に一回基準で経口投与するための鎮痛医薬品の製造において、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む医薬上許容できるマトリクスを含む徐放性経口製剤であって、前記患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果及び0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤の使用。
【請求項45】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項44記載の製剤。
【請求項46】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項44記載の製剤。
【請求項47】
ヒト患者に一日に一回基準で患者に経口投与するための鎮痛医薬品の製造において、オキシコドン又は医薬上許容できるそれらの塩と、徐放性材料とを含む複数の徐放性マトリクスを含む徐放性経口製剤であって、ヒト患者に定常状態での経口投与後少なくとも24時間鎮痛効果を与え、前記患者に定常状態での経口投与後0.6から1.0の平均C24/Cmaxオキシコドン比を与え、前記徐放性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロースエーテルからなる群より選択される、前記徐放性経口製剤の使用。
【請求項48】
前記アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマーが、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸)(無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーからなる群より選択される、請求項47記載の製剤。
【請求項49】
前記アルキルセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項47記載の製剤。

【公開番号】特開2009−108083(P2009−108083A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291933(P2008−291933)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【分割の表示】特願2002−584864(P2002−584864)の分割
【原出願日】平成14年5月2日(2002.5.2)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】