説明

一段階カミアリ防除

本発明は、餌と放出制御性処理組成物との組合せの単一段階適用によるカミアリの防除方法、および本発明の方法に用いられる新規の餌/放出制御性処理組成物の組合せに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餌と放出制御性処理組成物との組合せの一段階の適用によるカミアリ(fire ants)防除方法、および本発明の方法において使用される新規の餌/放出制御性処理組成物の組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
(37CFR1.97および1.98下で開示された情報を含む関連技術の記載)
カミアリは、米国の多くの地域および他の場所で広範に存在し、根絶の難しい害虫であり、カミアリ防除のための方法、化合物および組成物に多くの努力が注がれてきた。
【0003】
現在、カミアリ防除には二段階法が採用されており、消費者は、以下のように2つの別々の適用を行う必要がある。
【0004】
第一の適用は、カミアリ用餌の適用である。本明細書において、用語「餌」は食物および殺虫剤を含む組成物を指す。餌は、広範な面積、例えばカミアリが観察される住宅または他の建物の周囲の庭全体に散布される。コロニーの働きアリ(worker ants)が餌を集め、それをコロニーへ運び、女王およびカミアリコロニーの他の階層のアリとそれを分け合って摂食する。それゆえ一般に、害虫をすぐには殺してしまわないことが餌の特性であり、さもなければ餌がコロニーの中へ運ばれる前に害虫は死んでしまうであろう。一般に、餌は遅効性の殺虫機構であり、それにより害虫に餌をコロニーの中まで運ばせ、その個体および他の個体に餌を摂食させ、しばらく経った時点で餌に接触した害虫すべてに殺虫作用を及ぼすことが可能である。
【0005】
第二段階は、餌散布後にカミアリのアリ塚そのものの場所を見つけ、化学的または非化学的方法によって数日間処理する。化学的方法は、化合物を直接アリ塚の中/上に導入することを含む。非化学的方法は、掘削または他の機材によってアリ塚を破壊することを含む。
【0006】
上述のように、第一段階の目的は、コロニーの中に餌を導入し、コロニー破壊を始めることである。しかしながら、第一段階は作業の時間がかかるため、また第一段階だけではしばしばコロニーを根絶するのに十分な効果が得られないため、第二段階では、コロニーが破壊される効率の向上を目的としている。
【0007】
この二段階法は、カミアリを長期間防除し、抑制することが分かっている。
【0008】
しかしながら、この二段階法にはいくつかの制限がある。第一に、二つの異なる適用を行うために時間および材料の点でコストがかかることである。それぞれの適用が時間のかかる方法であり、二つの方法を行わなければならないことは実質的な時間の負担である。
【0009】
第二に、時間追跡を行う負担である。二段階法から最大の効果を得るために、誰かが第二段階の適用に対して第一段階の適用を行った日を追跡しなければならず、特に、平均的な世帯主、ビル所有者、消費者または他の専門でない害虫防除者によっては、この追跡が適切になされていない場合が多い。タイミングは重要である。なぜなら、第二段階の遂行が早すぎると害虫の多くは塚の表面で死んでしまい、餌の十分な量がアリ塚中に運ばれないためである。一方、第二段階の遂行が遅すぎると、塚表面の害虫が咬んだり刺したりする期間が長くなる。結果として、第二段階が早すぎたり、または遅すぎたりすると、アリの侵入を処理する能力が無効になる、または著しく低下するという結果になり得る。
【0010】
第三に、時間追跡に加えて、第二段階は最適な時期に実行されなければならない。しかしながら、時期が正確に追跡され記録される場合でも、生活の要件のために、第二段階が、第一段階後早すぎたり遅すぎたりして行われるなど、最適な時期に行われない場合が多く、そのため第二段階の有効性が又しても厳しく損なわれることになる。さらに悪いことには、第二段階が全く行われず、カミアリの防除を望む世帯主、ビル所有者、または他の個人もしくは実行者が、第一段階の適用だけに頼って終わらせてしまう場合が多い。
【0011】
第四に、カミアリは一つの単位区域内にいくつかのアリ塚を造るため、処理を行う区域内のアリ塚すべての場所を突き止めることはしばしば難しい。アリ塚が様々な発達段階にある可能性を考慮すると、処理区域内に認識するのが難しい、未発達なアリ塚が存在し得ること、そしてこのようなアリ塚は処理されない可能性があることは明瞭である。
【0012】
第五に、二段階法がカミアリを効果的に防除する能力を示していても、なお処理区域中のコロニーおよびアリが効果的に破壊されるまでにはいくらか時間のかかる方法である。処理期間中であっても、カミアリが動物および人を咬んだり刺したりすることがまだ実際に可能であり、このような咬んだり刺したりすることの痛みや、人によってはカミアリに重度のアレルギー反応を起こすという事実を考えると、処理区域から実現可能なかぎり速やかにカミアリを根絶することは本当に望ましい。
【0013】
これらの制限の結果として、該方法は効果的であり得る一方で、時間および材料の点からコストがかかり、また第一、第二段階の間の時間の追跡を行い、第二段階を効果的に実施する必要があるという点でやや複雑であり、結果として第二段階法は、しばしばカミアリが二段階法によって全く防除されない、またはカミアリに最小の効果しか与えないという適切な結果を伴わないことがよくある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
当該技術分野において、より簡便でよりコスト効率の良いカミアリ防除方法が必要とされている。平均的な世帯主、ビル所有者、消費者または他の専門でない害虫防除を行う個人または実行者が使用するのに特によく適した方法であれば、特に有利であろう。二段階法の替わりに一段階法が採用できれば、最も有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
本発明は、餌と放出制御性処理組成物との組合せの単一段階の適用を用いるカミアリを防除するための方法、および本発明の方法で使用される新規な餌/放出制御性処理組成物の組合せに関する。
【0016】
カミアリ用餌は、カミアリにとって誘引性であるかまたは少なくとも可食であることが分かっている食物、および殺虫剤を含む。
【0017】
放出制御性処理組成物は、殺虫剤、および放出制御性処理組成物の殺虫剤を含むためのおよび殺虫剤を制御可能に放出するための機構を含み、それにより、いつおよび/またはどういう条件下で放出制御性処理組成物の殺虫剤が包含機構から放出されるかということに関して制御することができる。
【0018】
操作に関して、本発明の方法は、以下のようにして操作を行う。カミアリが観察される場所、でなければ防除が望まれる場所において、本発明の餌/放出制御性処理組成物の組合せが、処理が望まれる地面または他の区域全体に散布される。
【0019】
行軍カミアリは餌をコロニーまで持ち帰る。カミアリ用餌はコロニー中の女王および/または他のアリに摂食され、それらの害虫が死ぬことになる。
【0020】
放出制御性処理組成物の一部は行軍アリによりコロニーまで持ち帰られる、または持ち帰られない場合があり、コロニーに保存または摂食される、またはされない場合があるが、放出制御性処理組成物の大部分は摂食されずに散布区域に残る。その後、放出制御性機構が放出制御性処理組成物中の殺虫剤のすべてまたは一部を、1つまたはそれ以上の所定の時点で放出する。殺虫剤は1つまたはそれ以上の選択された放出機構に従って放出され、放出機構は温度、水分、日光、pH、他の機構、またはこれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。
【0021】
コロニー中に放出された場合、次に放出制御性処理組成物の殺虫剤の放出によって、従来技術の二段階法の第二段階と同様に、コロニーに残ったアリを死滅させる。しかしながら、本発明の重要なさらなる利点は、放出制御性処理組成物中の殺虫剤が散布区域中のどこにおいて放出されても、散布区域中の、コロニーの外にいるカミアリも根絶するように作用することである。
【0022】
本発明はアリ塚処理、散布処理またはその両方として使用することができる。
【0023】
本発明の利点は数多くある。それは、従来技術の二段階法よりも、時間および材料の点でより低コストである。第二段階をいつ適用するべきかを知るために時間追跡を行う必要がなく、最適な時期に第二段階を実施する必要がない。単一の適用でコロニーを破壊するように作用し、その結果一段階の適用でカミアリを完全に防除することになる。散布区域上で放出制御性処理組成物の殺虫剤を制御可能に放出することにより、殺虫剤がアリ塚中に放出される場合にアリ塚中のカミアリを死滅させることができるだけでなく、散布処理区域中のアリ塚の外にいるカミアリを死滅させる結果にもなり、従来技術の二段階法の第二段階では観察されなかったであろうアリ塚でさえ処理するように作用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
本明細書中の全ての図、特に一つまたはそれ以上の被覆を有する核物質の例示に関しては概略的なものであって、縮尺が比例的または相対的なものではない。層の厚さは単に概念を例示するものであり、本発明の核、層、または他の部材の相対的な厚さまたは大きさを示すものではない。
【0025】
上述したように、本発明は、餌および放出制御性処理組成物の組合せの一段階の適用によるカミアリを防除するための方法、および本発明の方法において使用される新規の餌/放出制御性処理組成物の組合せに関する。
【0026】
本発明のカミアリ用餌は、カミアリにとって誘引性であるかまたは少なくとも可食であることが分かっている食物、および殺虫剤を含む。
【0027】
放出制御性処理組成物は、殺虫剤、および放出制御性処理組成物の殺虫剤を含むためのおよび殺虫剤を制御可能に放出するための機構を含み、それにより、いつおよび/またはどういう条件下で放出制御性処理組成物の殺虫剤が包含機構から放出されるかということに関して、制御することができる。包含機構および放出機構は、本発明に従って殺虫剤を含むおよび放出するよう作用するものであれば、それらが同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0028】
操作に関して、本発明の方法は、以下のようにして操作を行う。カミアリが観察される場所、でなければ防除が望まれる場所において、本発明の餌/放出制御性処理組成物の組合せが、処理が望まれる地面または他の区域全体に散布される。
【0029】
行軍カミアリは餌をコロニーまで持ち帰る。カミアリ用餌はコロニー中の女王および/または他のアリに摂食され、それらの害虫が死ぬことになる。
【0030】
放出制御性処理組成物の一部は行軍アリによりコロニーまで持ち帰られる、または持ち帰られない場合があり、コロニーに保存または摂食される、またはされない場合があるが、放出制御性処理組成物の大部分は摂食されずに散布区域に残る。その後、放出制御性機構が放出制御性処理組成物中の殺虫剤のすべてまたは一部を、1つまたはそれ以上の所定の時点および/または所定の一連の条件下で放出する。代替的に、放出制御性機構は殺虫剤の一部を、1つまたはそれ以上の所定の期間および/または1つまたはそれ以上の所定の条件で放出する。
【0031】
放出機構は温度、水分、日光、pH、他の機構、またはこれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。
【0032】
コロニー中に放出された場合、次に放出制御性処理組成物の殺虫剤の放出によって、従来技術の二段階法の第二段階と同様に、コロニーに残ったアリを死滅させる。しかしながら、上述したように、本発明の重要なさらなる利点は、放出制御性処理組成物の殺虫剤がアリ塚に入ることが可能な場所ではなく、散布区域中のどこにおいて放出されても、散布区域中のコロニーの外にいるカミアリも根絶するように作用することである。
【0033】
好ましい実施形態の操作において、カミアリ用餌は、放出制御性処理組成物の殺虫剤よりも害虫の殺虫速度が遅く、それにより餌中の殺虫剤によってコロニーが死滅する前に、行軍アリが餌をコロニーの中まで運ぶ時間を十分に与えることになる。また、本発明のこの好ましい実施形態において、放出制御性処理組成物の殺虫剤は比較的即効性の殺虫剤であり、放出されると放出制御性処理組成物の殺虫剤が放出された区域に接触した地表の/行軍のアリを迅速に殺虫する作用がある。本発明のこの実施形態の1つの重要な利点は、単一適用段階でコロニーに対して最適な効果を与えるようにカミアリ用餌が分散される一方で、即効性の殺虫剤はすぐには行軍アリに作用を及ぼさないのでカミアリの行軍がすぐには死んでしまわず、コロニーに餌を運ぶことが可能なことである。コロニーが餌により効果的に毒が盛られると、放出制御性処理組成物の即効性の殺虫剤が放出され、生きていたら処理領域中の動物または人を咬んだり刺したりすることが可能であったであろう、塚の表面に生き残っているアリを迅速に死滅させるように作用する。放出制御性処理組成物の即効性の殺虫剤がカミアリ用餌/放出制御性処理組成物の散布後すぐに作用すれば、行軍アリをすぐに死なせてしまい、またそうなると行軍アリが餌をコロニーに運ぶこともできなくなるであろうことが理解されるであろう。
【0034】
本発明のカミアリ用餌はいくつかの形状をとってよく、本発明に限定されるものではない。本発明に従って使用できるカミアリ用餌の1つの型には、顆粒または他の支持体に噴霧された大豆油が含まれ、大豆油はさらに大豆油中に殺虫剤を含む。カミアリ用餌における使用に適するいずれの殺虫剤も、本発明の範囲内で使用することができる。好ましい殺虫剤には、ピリプロキシフェン、ヒドラメチルノン、アベメクチン(abemectin)、フィプロニル、メトプレン、スピノサド、イミダクロプリド、およびこれらの組合せが含まれる。カミアリは、大豆油を摂取することによって殺虫剤を摂取する。カミアリ用餌の大きさは、カミアリが通常摂取する小片の食物の大きさの範囲であれば、本発明に限定されるものではない。適用されるカミアリ用餌の濃度は、女王およびコロニーの他の階層のアリを効果的に毒するために十分であることが必要であり、一般に1000平方フィートあたり約2から5オンスの濃度で適用される。本発明に関連して使用することができるカミアリ用餌の一つは、ミネソタ州ミネアポリスのMGK社製の0.05%の濃度のカミアリ用餌「NYLAR(登録商標)」が入手可能であり、これは殺虫剤としてピリプロキシフェンを使用しているもので、1000平方フィートあたり約3.6オンスの割合で適用される。
【0035】
本発明の放出制御性処理組成物20の概略を図1に例示する。この組成物は放出制御性被覆24内に包含された放出制御性処理殺虫剤22を含む。殺虫剤22は、固体、半固体、液体、微粒子、懸濁物、溶解物、分散物、凝集物もしくはこれらの組み合わせ、または当業者に既知の他の形態との組合せであってもよい。
【0036】
図示されていない1つの代替の実施形態において、放出制御性処理組成物は、放出制御性基質内にランダムにまたは非ランダムに埋め込まれた、包含された、でなければ分散された殺虫剤の離散した、または実質的に離散した部分を含むことができる。そのような基質中で、殺虫剤は、固体、半固体、液体、微粒子、懸濁物、溶解物、分散物、凝集物もしくはこれらの組み合わせ、または当業者に既知の他の形態との組合せであってもよい。
【0037】
本明細書中に記載されているように、カミアリ用餌およびいずれの上記の放出制御性処理組成物も、例えば放出制御性処理組成物20と前述のカミアリ用餌「NYLAR(登録商標)」との組合せのように、別の粒子として散布、でなければ分配することができる。
【0038】
図2に例示したようなさらに1つの代替の実施形態において、カミアリ用餌および放出制御性処理組成物は単一のまたは単位の顆粒内に組合せることができる。餌部分28と放出制御性処理組成物部分30との組合せを含む単位の顆粒26が図2に示される。放出制御性処理組成物30は、放出制御性層34で上被覆された放出制御性処理殺虫剤32を含む。
【0039】
単位の顆粒のなおもう1つの実施形態において、図3に例示されるように、カミアリ用餌と放出制御性処理組成物との組合せは、それ自身は餌層40で上被覆された放出制御性層38により包囲含された殺虫剤核36を含むことができる。
【0040】
図4に例示されるように、放出制御性処理組成物の殺虫剤は、支持材の間隙および/または表面の内側および/または上側に分散することができる。支持材42を図4に示すが、この支持材42はポリマー支持材、粘土、または硫酸アンモニウム、または顆粒状の肥料、またはこの目的に適した任意の有機もしくは無機の支持材などのいかなる適した支持材であってもよい。支持材42は、図示されていないが殺虫剤で含浸されており、殺虫剤で含浸された支持材42は放出制御性層44で被覆される。理解されると思われるが、殺虫剤で含浸された、でなければ殺虫剤を支持する支持材42のこの実施形態は、図2および図3で開示した本発明の実施形態においても同様に用いることができる。
【0041】
本発明のなおもう1つの実施形態において、図示されていないが、放出制御性処理組成物は基材の表面、基材全体、またはこれらを組合せた部分に配置されたカミアリ用殺虫剤を含むことができる。その場合、放出制御性層は存在しないが、殺虫剤は、浸出するように、でなければ放出機構によりそれ自体を基材から分離するように構成され、それによって殺虫剤は放出事象/分離が起こるまではカミアリを殺すようには作用しない。
【0042】
要約すると、放出制御性被膜または基質に対する殺虫剤の精密な配置は本発明に限定されるものではなく、それらが本発明と一致する制御された方法で殺虫剤を放出するように作用するかぎり、他の代替方法が本発明の範囲内であると構想される。
【0043】
いずれの前記の実施形態における放出制御性処理組成物の殺虫剤も、カミアリ処理に適したものであればいかなる殺虫剤でもよい。本発明において、放出制御性処理組成物中に使用する好ましい殺虫剤は、ピレスロイド類、カルバメート類、有機リン酸塩類、代謝阻害剤、(クロロニコチニル類を含む)ニコチノイド類、フィプロール類(fiproles)、ピロール類およびこれらの組合せから選択される。特に好ましい放出制御性処理殺虫剤は、ビフェントリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、ラムダ‐シハロトリン、フィプロニルまたはこれらの組合せから選択される。放出制御性処理殺虫剤は好ましくは固体の形状である。
【0044】
放出制御性被覆、層または基質は、本発明による放出制御性処理組成物の殺虫剤の制御された放出を提供するように作用するものであればいかなる被覆、層または基質であってもよい。好ましい被覆には、ワックス、デンプンおよびポリマー材料が含まれる。また、カミアリが被覆、層または基質により少なくとも攻撃されない/それらを回避しないことが好ましく、餌ほどではないにしても、少なくとも放出制御性処理組成物から殺虫剤が放出されるときにカミアリがその区域にいて、それによってその放射を受けるように、カミアリを放出制御性被覆、層、または基質に惹きつけられることが、なおより好ましい。
【0045】
放出制御性被覆または基質が放出制御性処理組成物の殺虫剤を放出する機構は、温度、水分、日光、紫外線光または光の他の形態またはそれらの欠如、pH、他の機構またはそれらの全部もしくは一部の範囲内、それらの全部もしくは一部の範囲外、または範囲内外の両方で起こる組合せ、を含むがこれらに限定されない放出制御性処理組成物の任意の複数の機構から選択することができる。
【0046】
放出機構が温度である場合、放出制御性処理組成物は、温度が約60から約100°Fの範囲、好ましくは約75°Fから約90°Fの範囲にあるときに殺虫剤を放出することが好ましい。
【0047】
放出機構が水分である場合、理解され得るように、1つまたはそれ以上の表面を濡らすことによる水分の存在が殺虫剤の放出を起こすことができる。あるいは、被覆または他の層が時間とともに乾燥し、乾燥の進行が殺虫剤を開放し、でなければ放出するというように、水分の欠如が殺虫剤を放出するように作用することができる。また、水分またはいずれの上記の他の放出機構の問題に関しても理解されるように、放出層、被覆または基質の内部の、外部の、を横断してのまたはこれらの組合せの条件が殺虫剤の放出を活性化すために用いることができる。言い換えれば、例えば放出機構が水分である場合、この水分は、殺虫剤の放出を起こさせる放出制御性処理組成物顆粒または他の部分の内部の、放出制御性処理組成物顆粒または他の部分の外部の、またはそれらの組合せの部分の水分であることができる。水分が放出機構である場合、この水分は、雨水、露、大気中の湿度、芝生の散水機から散布される水分またはこれらの組合せを含むがこれらに限定されない任意の形態のものであってよい。殺虫剤の放出を起こさせるのに必要な水分量が、殺虫剤を含有するために選択された機構に非常に大きく依存する一方で、多くの含有機構にとって、放出制御性処理組成物が単位面積あたり約1/10から約1/2インチの降雨に近似する水準の水分に曝される場合に、含有機構が殺虫剤を放出することが好ましい。
【0048】
放出機構が日光、紫外線光または光の他の形態、またはこれらの欠如への暴露である場合、通常、散布または他の分配方法の開始から2から3日以内に機構が殺虫剤を放出することが好ましい。
【0049】
放出機構がpHである場合、pHが約5から約9であるときに機構が殺虫剤を放出することが好ましい。
【0050】
好ましい放出機構は、単位面積あたり1/4インチの降雨に近似する大気水分を利用して、放出制御性処理組成物の殺虫剤の放出を起こさせる。これが好ましいという数多い理由の中の1つは、カミアリの防除を探求する家主、専門の害虫管理技術者または他の実行者によって容易に操作される、ということである。
【0051】
より詳細に本発明を説明するために散布後の日数を上記で用いたが、防除が望まれる地面または他の場所に組合せを適用後、特定の日数以内の放出が必ずしも望ましいというわけではないという点から、放出事象は必ずしも特定の「日」ではないということが理解されるだろう。むしろ、放出制御性処理組成物中の殺虫剤の放出が、コロニーがコロニーを根絶するための餌によって十分に毒された後できるだけ速やかに起こり、それにより殺虫剤放出後できるだけ速やかに、処理区域内のアリ塚の表面上の生き残った行軍カミアリを、それらが人または動物を咬んだり、刺したり、でなければ傷つけたりする前に殺せるようにすることが望ましい。しかしながら一般に、本発明の使用の大部分の用途において、放出制御性処理組成物の殺虫剤の放出は、散布開始後約1から約5日、より好ましくは約2から約3日以内であることが望ましい。
【0052】
もう一度述べると、中に放出制御性処理組成物が形成される顆粒または他の部分の大きさは本発明に限定されるものではないが、ただしこれは放出制御性処理組成物が本発明に従って殺虫剤を放出するという条件つきである。それゆえ、放出制御性処理殺虫剤22核およびその上に被覆された放出制御性被覆24の相対的な大きさ/厚さは、放出制御性被覆24が上述の望ましい放出率を提供するために十分な厚さであるという条件付きで、例えば図1に概略的に例示されるように、本発明に限定されるものではない。限定されるものではないが、本発明者は約10から約20篩メッシュを通る、約0.1重量%から約20重量%、好ましくは約0.5重量%から約3重量%のポリマー被覆で被覆された顆粒が効果的な放出制御性被覆を提供することを見出した。
【0053】
放出制御性処理組成物の適用割合は、カミアリの侵襲の度合い、選択された殺虫剤の詳細および例えば散布対アリ塚処理などの組成物の適用方法により変動することが予期される。例えば、散布による適用に対しては一般に、1000平方あたり約1/2ポンドから約6ポンド、好ましくは約2ポンドから約4ポンドの適用割合が望ましい。アリ塚処理に対しては、例えば、約小さじ1杯から約1カップ、より好ましくは約小さじ1杯から約1/4カップの適用割合を用いることができる。
【0054】
範囲および種類が本発明の範囲内であることは前述しているが、本発明の特に好ましい形態には以下のようなカミアリ用餌と放出制御性処理組成物との組合せが含まれる。
【0055】
カミアリ用餌は、ミネソタ州ミネアポリスのMGK社から「カミアリ用餌“.05%NYLAR(登録商標)”」という商品名で入手可能であり、このカミアリ用餌は殺虫剤としてピリプロキシフェンを使用し、約10から約20篩メッシュの大きさの顆粒状で、1000平方フィートあたり約3.6オンスの割合で適用され、および
放出制御性処理組成物は約10から約20篩メッシュの大きさを有し、約0.2%までの濃度のビフェントリンで被覆され更にその上を約0.5重量%のポリマー放出制御性層で上被覆された硫酸アンモニウム顆粒を有する顆粒状であり、ビフェントリンを水分による放出機構で放出するように作用し、その放出機構が約1/4インチの降雨に近似する水分によって活性化され、理想的には散布開始から約2日から約3日後に殺虫剤を放出する。
【0056】
本発明の方法は、散布機、噴霧機または当該技術分野で既知であり、餌および/または処理組成物の調合物の形状に適した他の方法を用いた、カミアリの防除が必要である/望ましい地面または他の場所全体への、先に記載したカミアリ用餌/放出制御性処理組成物の散布を提供し、またそれによりカミアリ防除がこの組合せの一段階の適用によって達成される。
【0057】
例えば、カミアリ用餌および放出制御性処理組成物の両方が顆粒状または液状である場合、またはこれらが上記の図2または図3のように単位構造の部分である場合、組み合わせは単一容器中の単一実施形態で提供される。あるいは、組み合わせは別々の容器に提供することが可能であり、その場合例えば、カミアリ防除のために組合せが適用されるべき場所、またはその近くの場所で混合されるなど使用前に混合される。あるいは、2つの容器を用いる場合、当該技術分野で知られているそのような目的のために設計された装置から適当な濃度で、各容器の内容物を同時に、またはほぼ同時に両容器から散布、でなければ分配することができる。
【0058】
次に本発明の実施例を参照する。
【0059】
(実施例)
【実施例1】
【0060】
選択試験‐カミアリが本発明の新規な餌/放出制御性処理組成物を回避しないという実証
有効性および実際にカミアリが本発明の新規の組合せに誘引されるかどうかを決定するために選択試験(ここにおいて、代替物をカミアリに提示し、カミアリの行動を監視し、カミアリの代替物に対する反応を決定する)がカミアリに行われた。具体的にはこの試験では、カミアリに、餌のみおよび本発明の餌/放出制御性処理組成物の組合せを選択させた。
【0061】
この実験では、下の表1に示す4つの処理のそれぞれについて、4つの衣類箱形容器を用いた。各衣類箱容器にはおよそ1インチの厚さの土が敷き詰められ、それから2つのペトリ皿(60x15mm)が衣類箱形容器の両端の土の上に置かれた。
【0062】
表1に示す1番目の処理では、4つの衣類箱形容器のそれぞれにおいて、予め計量した重量(約2グラム)のピリプロキシフェン餌(ミズーリ州、セントルイスのUnited Industries社からカミアリ用餌Spectracide(登録商標)という商品名で市販されている)を両方のペトリ皿に入れた。Spectracide(登録商標)カミアリベイドのピリプロキシフェンは、約0.05%である。
【0063】
表1に示す2番目の処理では、各衣類箱において、第1のペトリ皿にはピリプロキシフェン餌を入れ、一方第2のペトリ皿には予め計量した重量(約2グラム)のピリプロキシフェン餌と放出制御性処理組成物との組合せを入れた。放出制御性処理組成物は顆粒状の被覆されたシフルトリン0.1%硫酸アンモニウムであった。被覆は放出制御性ポリマー被覆であった。より詳細には、各4つの衣類箱形容器の第2のペトリ皿には、5%ポリマー被覆シフルトリン0.1%顆粒に加えてピリプロキシフェン餌を入れた。
【0064】
表1に示す3番目の処理では、各衣類箱形容器の第1のペトリ皿にはピリプロキシフェン餌を入れた。第2のペトリ皿には、10%ポリマー被覆シフルトリン0.1%顆粒とピリプロキシフェン餌との組合せを入れた。
【0065】
表1に示す4番目の処理では、各衣類箱形容器の第1のペトリ皿にはピリプロキシフェン餌を入れた。第2のペトリ皿には0.5%カーボワックス被覆シフルトリン0.1%顆粒とピリプロキシフェン餌との組合せを入れた。
【0066】
約2グラムのカミアリの1種であるソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)(またはワグネリ(wagneri))を、表1に示す各4つの処理を行った各4つの衣類箱形容器の中へ放って24時間後、各ペトリ皿の内容物の重量を測り、カミアリに暴露する前の最初の重量と比較した。
【0067】
その結果によると、ピリプロキシフェン餌がカミアリに対する唯一の選択肢である(衣類箱の両方のペトリ皿に餌のみが提供されている。)場合、アリは9.3%から17.3%の範囲の餌を採取したことが実証された。
【0068】
一方の餌のみのペトリ皿に対して、もう一方のペトリ皿に本発明の組合せ(カミアリ用餌に加えて放出制御性処理組成物)がカミアリに対して提供された場合、本発明の組合せを含むペトリ皿から摂取された餌の割合は14.5%から約29.4%に及び、一方、餌のみのペトリ皿から採取された割合ははるかに少なく、約2.0から17.6%の範囲であった。
【0069】
これらの結果から、放出制御性処理組成物(例えば、ポリマー被覆殺虫剤顆粒)を餌に添加することにより採取される餌の割合は減少しなかったが、いくつかの例において、驚くべきことに摂取される餌量の予期しなかった増加をもたらし、アリが実際に本発明の組合せを好むことが示された。以下の表1に試験結果を示す:
【0070】
【表1】

【実施例2】
【0071】
有効性試験‐本発明の有効性の実証
放出制御性層で被覆されたシフルトリンの顆粒状の放出制御性処理組成物を土を敷き詰めたペトリ皿(表面積0.165平方フィート)に、推奨濃度(2ポンド/1000平方フィート)で適用した。
【0072】
次のような処理を行った:1)非処理;2)被覆なしのシフルトリン0.1%顆粒;3)5%の、ポリマーに基づく放出制御性層で被覆されたシフルトリン0.1%顆粒(以下、「ポリマー被覆シフルトリン」と称する);4)10%ポリマー被覆シフルトリン0.1%顆粒;および5)0.5%カーボワックスシフルトリン0.1%顆粒。顆粒は、1)水無し、2)水1/32インチ、3)水1/16インチを使用して、軽く水で湿らせた。0から1/16インチまで水の量を変えた目的は放出率における含水量の効果を実証することであった。
【0073】
適用から1時間以内に、10個体のハタラキカミアリをペトリ皿に導入し、蓋を閉じた。この試験で使用したアリは試験の約1週間前に採集し、試験室の環境に順応させた。アリは試験の間中処理した土に継続して接触させたままにした。処理から1、6、および24時間後(以下「HAT」と称す)、観察を行って死んだアリの数を決定した。各処理は4回繰り返した。
【0074】
次に図5を見ると、これらの試験結果をグラフで示しているが、1HATでは、水をまいた被覆なしのシフルトリン顆粒およびカーボワックス被覆シフルトリン顆粒がもっとも高い死亡率を示した一方、水をまいていない被覆なしのシフルトリン顆粒およびカーボワックス被覆シフルトリン顆粒はそれぞれ0%および10%の死亡率を示した。もっとも多量(1/16インチ)の水をまいた10%ポリマー被覆シフルトリン顆粒は20%より高い死亡率を示した一方、他のすべてのポリマー被覆処理では5%より低い死亡率を示した。
【0075】
6HATでは、水をまいた被覆なしおよびカーボワックスの処理が85%を超えるもっとも高い死亡率を示した。6HATでは、水をまいていない被覆なしおよびカーボワックスの処理がそれぞれ88%および37.5%の死亡率を示した。ポリコート処理は1HATでの測定値と同様の死亡率を示した。
【0076】
24HATでは、被覆なしおよびカーボワックスの処理のすべてにおいて90%より高い死亡率を示した。
【0077】
すべてのポリマー被覆処理において、7.5から52.5%の間の範囲の死亡率という、被覆なしまたはカーボワックスの処理よりも大幅に低い死亡率を示した。
【0078】
これらの結果をふまえると、シフルトリン顆粒の周囲に備えられたポリマー被覆という形態の放出制御性層では、比較した製剤に比べて24HAT後に死ぬアリの数が少ないことが明らかであり、したがって、本発明がカミアリの殺虫において遅効性または時限放出性であることを実証している。比較例のより高い殺虫率は、それらの殺虫剤がアリに対してはるかに速やかに作用したことを実証している。それは上述しているように、行軍アリをあまりに早く殺してしまうと、そのような行軍アリが本発明の餌成分をカミアリのコロニーに運び込めなくなるため、望ましいことではない。
【実施例3】
【0079】
カミアリ塚処理における、ポリマー被覆シフルトリン/ビフェントリン+ピリプロキシフェン餌の組合せの実地評価を行った。後述のように各処理に対して3つのアリ塚が使用され、均等な大きさのアリ塚を選択した。
【0080】
アリ塚に以下のような割合の処理を行った:1)非処理試験;2)ピリプロキシフェン0.05%‐大さじ2杯;3)0.5%ポリマー被覆シフルトリン0.1%+ピリプロキシフェン0.05%‐1/4カップ;4)3.0%ポリマー被覆シフルトリン0.1%+ピリプロキシフェン0.05%‐1/4カップ;5)被覆なしビフェントリン0.2%+ピリプロキシフェン0.05%‐1/4カップ;6)0.5%ポリマー被覆ビフェントリン0.2%+ピリプロキシフェン0.05%‐1/4カップ;7)3.0%ポリマー被覆ビフェントリン0.2%+ピリプロキシフェン0.05%‐1/4カップ;および7)ヒドラメチルノン0.73%‐大さじ2杯。殺虫剤顆粒+餌処理に対しては:a)ポリマー被覆シフルトリン+ピリプロキシフェン‐シフルトリン顆粒13重量部+ピリプロキシフェン顆粒1重量部を適用直前に混合、およびb)被覆なしおよびポリマー被覆ビフェントリン+ピリプロキシフェン‐ビフェントリン顆粒10重量部+ピリプロキシフェン顆粒1重量部を適用直前に混合した。
【0081】
処理の適用から2.5日後、約1/4インチの降雨があった。
【0082】
処理の0、3、8、および14日後(DAT)にアリ塚の活性を評価した。アリ塚を最小限に壊す方法(先の尖った物体でアリ塚をそっと壊しアリの反応を観察する)を用いて、アリ塚の活性を測定し、0=活性なし、および10=十分に活性があるとして、0から10の間まで評価した。カミアリの餌に対する反応も記録された。
【0083】
結果:
図6を見ると、
・アリ塚に適用後すぐ(〜処理後3時間)カミアリはピリプロキシフェン餌を摂取し、ポリマー被覆および被覆なしのシフルトリン/ビフェントリン顆粒を放置した。
・3DATで、すべての組合せの処理において、対照試験のそれの半分を下回るまでアリ塚の活性が著しく低下した。
・8および14DATまでに、被覆なしのビフェントリン+ピリプロキシフェンおよび0.5%ポリマー被覆ビフェントリン+ピリプロキシフェン処理において、処理を行ったアリ塚でカミアリ塚の活性がなくなった。
・残りの組合せの処理において、14DATでカミアリ塚活性が著しく低下し、カミアリ塚活性の平均が1.4を下回る評価だった。
・予測どおり、カミアリ用餌、ピリプロキシフェンおよびヒドラメチルノンは、単独で投与された場合最も遅効性の処理であり、カミアリ塚活性の測定値は3.6より高かった。
・要約すると、ポリマー被覆コートおよび被覆なしのシフルトリン/ビフェントリン顆粒と混合されたピリプロキシフェン餌は、カミアリ用餌誘引性であり、次から3HATまでの短時間で速やかに摂取されることがわかった。ポリマー被覆および被覆なしのシフルトリン/ビフェントリン+ピリプロキシフェンを組合せた処理のすべてにおいて、14DATの測定によってカミアリ塚の効果的で速やかな防除が提供された。被覆なしのビフェントリン+ピリプロキシフェンおよび0.5%ポリマー被覆ビフェントリン+ピリプロキシフェン処理によって、14DATで最も効果的なカミアリ塚の防除が提供された。
【0084】
上述のように、本発明の利点は多大なものである。それは、従来技術の二段階法よりも時間および材料の点でコストがかからない。いつ第二段階を適用すればよいのか知るために時間追跡を行う必要がなく、また第二段階を最適な時期に実施しなければならない必要もない。単一の適用でコロニーを破壊する作用があり、結果的に単一適用段階でカミアリを完全に防除することになる。散布区域全体で放出制御性処理組成物の殺虫剤を制御可能に放出することによって、殺虫剤がアリ塚中に放出される場合、そのアリ塚内のカミアリを根絶できるようになるだけでなく、散布処理区域中のアリ塚の外にいるカミアリも根絶できることになり、また従来技術の二段階法の第二段階では観察されなかったであろうアリ塚さえも処理するように作用する。
【0085】
前述において例示の目的で本発明を詳細に記述してきたが、そのような詳細な記述はその目的のためだけにすぎず、特許請求の範囲に限定され得る場合を除き、本発明の精神と範囲から逸脱することなく当業者によってその中で変更がなされうることが理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、放出制御性被覆層で被覆された殺虫剤核を有する放出制御性処理組成物の概略図である。
【図2】図2は、一つの部分に一体化されたカミアリ用餌/放出制御性処理組成物の組合せの概略図である。
【図3】図3は、カミアリ用餌で上被覆した放出制御性処理組成物の代替の実施形態の概略図である。
【図4】図4は、核材料を含浸している放出制御性処理組成物殺虫剤を示す本発明の代替の実施形態の概略図である。
【図5】図5は、本発明の新規な組合せを用いた処理後の時間に対するパーセント死亡率を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の新規な組合せを用いた処理後の日数に対する死亡率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0087】
20.放出制御性処理組成物
22.放出制御性処理殺虫剤
24.放出制御性被覆
26.顆粒単位
28.餌部分
30.放出制御性処理組成物部分
32.放出制御性処理殺虫剤
34.放出制御性層
36.殺虫剤核
38.放出制御性層
40.餌層
42.支持材
44.放出制御性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一適用段階によりカミアリ用餌と放出制御性処理組成物との組合せの効果的量を適用すること
を含み、
前記カミアリ用餌は、カミアリ用食物および/またはカミアリ嗜好品および殺虫剤を含み、および
前記放出制御性処理組成物は、殺虫剤、および前記殺虫剤を制御可能に放出する手段を含む、カミアリ防除の方法。
【請求項2】
カミアリ用餌の殺虫剤がピリプロキシフェン、ヒドラメチルノン、アべメクチン(abemectin)、フィプロニル、メトプレン、スピノサド、イミダクロプリドおよびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カミアリ用餌の殺虫剤がピリプロキシフェンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記放出制御性処理組成物の殺虫剤が1つまたはそれ以上のピレスロイド類、カルバメート類、有機リン酸塩類、代謝阻害剤類、(クロロニコチニル類を含む)ニコチノイド類、フィプロール類(fiproles)、ピロール類およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
放出制御性処理組成物の殺虫剤がビフェントリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、ラムダ−シハロトリン、フィプロニルまたはこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記殺虫剤を制御可能に放出する前記手段が放出制御性被覆、層または基質であり、前記被覆、層または基質がワックス、デンプン、ポリマーおよびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記殺虫剤を制御可能に放出する前記手段が水分、温度、日光、紫外線光、pHまたはこれらの組合せの変化に応答して放出制御性処理殺虫剤を放出する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記放出制御性処理殺虫剤がカミアリの防除を行おうとする場所への前記組合せの適用開始から約1日から約5日後の範囲内で放出される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
a)カミアリ用餌、および
b)放出制御性処理組成物
を含む、カミアリ処理のための新規組成物。
【請求項10】
前記放出制御性処理組成物が殺虫剤および前記殺虫剤を制御可能に放出するための手段を含む、請求項9に記載の新規組成物。
【請求項11】
前記放出制御性処理組成物の前記殺虫剤が1つまたはそれ以上のピレスロイド類、カルバメート類、有機リン酸塩類、代謝阻害剤類、(クロロニコチニル類を含む)ニコチノイド類、フィプロール類、ピロール類およびこれらの組合せから選択される、請求項10に記載の新規組成物。
【請求項12】
前記放出制御性処理組成物がビフェントリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、ラムダ‐シハロトリン、フィプロニルまたはこれらの組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の新規組成物。
【請求項13】
前記殺虫剤が顆粒の形状で提供され、前記殺虫剤を制御可能に放出するための前記手段が前記殺虫剤顆粒の表面を覆う放出制御性被覆を含む、請求項12に記載の新規組成物。
【請求項14】
前記放出制御性被覆がワックス、デンプン、ポリマー被覆およびこれらの組合せから選択される、請求項13に記載の新規組成物。
【請求項15】
支持材を更に含み、前記放出制御性処理組成物の殺虫剤が、前記支持材の1つまたはそれ以上の表面上、前記支持材の内部および/またはこれらの組合せに配置される、請求項12に記載の新規組成物。
【請求項16】
前記殺虫剤を制御可能に放出するための前記手段が、前記殺虫剤を支持する前記支持材の表面上に被覆された放出制御性被覆を含む、請求項15に記載の新規組成物。
【請求項17】
前記放出制御性被覆がワックス、デンプン、ポリマー被覆およびこれらの組合せから選択される、請求項16に記載の新規組成物。
【請求項18】
前記殺虫剤を制御可能に放出するための前記手段が、前記殺虫剤を形成して放出制御性被覆がない場合に制御された放出を起こすことを含む、請求項15に記載の新規組成物。
【請求項19】
前記カミアリ用餌が殺虫剤を更に含み、前記殺虫剤がピリプロキシフェン、ヒドラメチルノン、アベメクチン、フィプロニル、メトプレン、スピノサド、イミダクロプリドおよびこれらの組合せからなる群より選択される、請求項9に記載の新規組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−514715(P2008−514715A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534714(P2007−534714)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/034659
【国際公開番号】WO2006/039289
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(506018237)バイエル・クロツプサイエンス・エル・ピー (16)
【Fターム(参考)】