万能Cアームのテープドレープ
ドレープ、例えば限定されないものの、医療デバイスのCアームを被覆するために使用されうるドレープが提供される。ドレープは、材料と、少なくとも1つのカフと、少なくとも1つの接着性ストリップとを備える。材料は、選択される特性及び選択される形状を有する。少なくとも1つのカフは、材料の少なくとも一縁に沿って形成される。少なくとも1つのカフは、使用者によるドレープの操作が可能であるように構成される。少なくとも1つの接着性ストリップは、ドレープを該ドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
患者のケアに使用される医療機器は汚染物質、例えば体液にさらされうる。体液を機器の表面から除去することは、設備を比較的無菌の状態に維持するために必要である。このことは、患者及び医療従事者が、それら体液によって広まりうる望ましくない伝染性の病気にさらされることを防止するのを補助する。機器を被覆するドレープの使用が利用されうるが、ドレープを付与することによって、望ましくない汚染につながりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
前述した理由と、本明細書を読み、理解することで当業者にとって明らかになる後述する他の理由とにより、医療機器が体液にさらされることから保護し、機器を無菌状態に維持するための効率的かつ効果的な方法に対するニーズが当業界において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
既存のシステムの前記問題は本発明の実施形態によって対処され、以下の明細書を読み、検討することにより理解されるであろう。以下の概要は、限定のためではなく例示のために作成されたものである。それらは、読み手が本発明の複数の態様を理解するのを補助するために単に提供される。
【0004】
一実施形態において、ドレープが提供される。ドレープは、材料と、少なくとも1つのカフと、少なくとも1つの接着性ストリップと、を備える。材料は、選択される特性及び選択される形状を有している。少なくとも1つのカフは材料の少なくとも1つの縁部に沿って形成される。少なくとも1つのカフは、使用者によるドレープの操作が可能になるように構成される。少なくとも1つの接着性ストリップは、ドレープをドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される。
【0005】
別の実施形態において、ドレープは、不浸透性材料層と、端部カフと、第1及び第2の側部カフと、複数の接着性ストリップとを備える。不浸透性材料層は、第1の端部と、第1の側部と、第2の側部と、を有している。端部カフは、材料層の第1の端部に沿って形成される。端部カフには、使用者の少なくとも一方の手を端部カフ内に受容できるように端部開口が形成されていて、被覆されるべき表面における材料層の初期位置決めを可能にする。第1の側部カフは材料層の第1の側部に沿って形成されており、第1の側部カフには、使用者の手を第1の側部カフ内に受容できるように第1の開口が形成される。第2の側部カフは材料層の第2の側部に沿って形成されており、第2の側部カフには、使用者の手を第2の側部カフ内に受容できるように第2の開口が形成される。第1の側部カフ及び第2の側部カフは、被覆されるべき表面における材料層の位置決めを可能にする。接着性ストリップは、ドレープをドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される。
【0006】
さらに別の実施形態において、ドレープを構造体に取付ける取付方法が提供される。この取付方法は、ドレープの第1の部分を展開し、ドレープの展開された第1の部分におけるドレープの端部に沿って少なくとも一方の手を端部カフ内に配置し、第1の端部カフ内の使用者の少なくとも一方の手によってドレープの第1の部分を所望の位置に位置決めするとともに、ドレープに連結された接着性ストリップを構造体の表面に押し当てて、ドレープの第1の部分を構造体に取付けることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態のドレープの正面図である。
【図2】図1のドレープによって被覆されたCアームを備える医療用画像デバイスの側面図である。
【図3A】本発明の一実施形態のドレープパッケージを表す図である。
【図3B】本発明の一実施形態のドレープパッケージから取出されたドレープを保持するスリーブを表す図である。
【図3C】スリーブから取出された図1のドレープを表す図である。
【図4A】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4B】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4C】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4D】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4E】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4F】図1のドレープの第1の部分の操作及び付与を表す図である。
【図4G】図1のドレープの第1の部分の操作及び付与を表す図である。
【図4H】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【図4I】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【図4J】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【図4K】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明及び添付図面を考慮すれば、本発明がより容易に理解されうるとともに、本発明の追加の利点及び用途がより容易に明らかになるであろう。
慣例に従って、記載される種々の特徴部分は縮尺通りに図示されておらず、本発明に関連する特定の特徴部分を強調するように図示されている。参照符号は図面及び明細書の全体を通して同様の要素を示している。
【0009】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を構成する添付図面が参照される。図面には、本発明が実施されうる特定の実施形態を図示したものが例として示される。これら実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載される。そして、他の実施形態も採用されうるし、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更がなされうることが理解されるであろう。したがって、以下の詳細な説明は限定する意味に解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等の範囲のみによって確定される。
【0010】
本発明の実施形態は、表面、例えば限定されないものの、医療機器の表面を保護するドレープを提供する。複数の実施形態のドレープは、飛散する流体、例えば限定されないものの、体液又は不衛生な物体との接触から表面を保護する。これにより、清浄化するのが困難なアクセスし難い領域に汚染物質が進入するのを防止する。また、複数の実施形態のドレープは、迅速かつ容易な清浄化作用に加えて迅速かつ容易な導入作用を提供する。また、複数の実施形態は、導入の際に使用者が使用者の手袋を汚染するのを防止する。したがって、使用者の手袋はドレープを無菌状態に維持するとともに、ドレープは使用者の手袋を無菌状態に維持する。一実施形態において、ドレープは、医療デバイス、例えばX線デバイスのC形アームを被覆するのに使用される。
【0011】
或る実施形態のドレープ100の例が図1に示される。この実施形態におけるドレープ100は概ね矩形の形状を有しており、第1の端縁101と、第2の端縁103と、第1の側縁105と、第2の側縁107と、によって形成される。ドレープ100は、第1の保護側部109と、該第1の保護側部109の反対側に在る第2の係合側部111と、をさらに備えている。開始用カフ102(又は開始用ポケット)は、第1の保護側部109の上方において、ドレープ100の第1の端縁101から選択される距離にわたって延在している。一実施形態において、開始用ポケットの深さは約7.62センチメートル〜10.16センチメートル(約3インチ〜4インチ)の範囲である。さらに、一実施形態において、開始用ポケットの深さは約10.16センチメートル(約4インチ)である。さらに、一実施形態において、開始用カフ102は封止部121A及び封止部121Bを備えている。封止部121A及び封止部121Bは、手の配置動作を補助し、手袋が装着された手を、無菌化処理されていない機器との接触から保護する。図1の実施形態は、第1の側部カフ104A(又は第1の側部ポケット)及び第2の側部カフ104B(又は第2の側部ポケット)をさらに備えている。第1の側部カフ104Aは、第1の保護側部109の上方において、ドレープ100の第1の側縁105から選択される距離にわたって延在している。同様に、第2の側部カフ104Bは、第1の保護側部109の上方において、ドレープ100の第2の側縁107から選択される距離にわたって延在している。一実施形態において、第1の側部カフ104Aが第1の側部105から延在する選択される距離、及び第2の側部カフ104Bが第2の側部107から延在する選択される距離は、それぞれ約7.62センチメートル(約3インチ)である。したがって、この実施例において、側部カフ104A及び側部カフ104Bは約7.62センチメートル(約3インチ)の深さを有する。別の実施形態において、第1の側部カフ及び第2の側部カフの深さは、約5.08センチメートル〜7.62センチメートル(約2インチ〜3インチ)の深さを有する。一実施形態において、開始用カフ102、側部カフ104A及び側部カフ104B(又はポケット)は、材料の第1の端縁101、第2の端縁103、第1の側縁105及び第2の側縁107の近傍に在る材料を選択される量だけ折返すことによって形成される。一実施形態において、側部カフ104A及び側部カフ104B(又はポケット)は、それら側部カフの上に第1の開始用カフ102を折畳むことによって最初に形成される。開始用カフ102、側部カフ104A及び側部カフ104Bは、さらに後述するようにドレープ100を表面の所定位置まで操作するのに使用される。ドレープ100の全体の形状、長さ及び幅は適用に応じて定まる。図1の実施形態の例において、第1の端縁101と第2の端縁103との間の長さは、概ね215.5825センチメートル(概ね84・7/8インチ)であり、第1の側縁105と第2の側縁107との間の幅は、概ね35.56センチメートル(概ね14インチ)である。これら寸法は、さらに後述するようにCアームの適用に望ましい。
【0012】
第2の係合側部111は複数の接着性ストリップ106A〜106Gを備えている。接着性ストリップ106A〜106Gは、図1において破線で表されている。図示されるように、この実施形態において、接着性ストリップ106A〜106Gは、第1の側縁105と第2の側縁107との間においてドレープ100の幅にわたって延在している。さらに、この実施形態の例において、接着性ストリップ106Aはドレープ100の第1の端縁101の近傍に位置決めされ、接着性ストリップ106Gはドレープ100の第2の端縁103の近傍に位置決めされる。接着性ストリップ106B〜106Eは、ドレープ100の第2の係合側部111において、接着性ストリップ106Aと接着性ストリップ106Gとの間に間隔を空けて位置している。接着性ストリップ106A〜106Gは、ドレープ100の第2の係合側部111を保護される表面に接着するために使用される。接着性ストリップ106A〜106Gの幅に加えて接着性ストリップ106A〜106Gの間隔は、適用に基づいて決定される。図1において、例示的な間隔が所定の距離によって示されている。或る実施形態における接着性ストリップ106A〜106Gの幅の例は、1.905センチメートル(3/4インチ)である。また、(図1に示されるように)接着性ストリップ106A〜106Gの間隔及び接着性ストリップ106A〜106Gの幅は、さらに後述する万能Cアームにおける適用に基づいて選択される。
【0013】
複数の実施形態におけるドレープ100は、流体の通過を防止する材料の層から形成される。一実施形態において、ドレープ100は、非ラテックス材料、例えば限定されないものの、ポリエチレンから形成される。任意の適切な非透過性材料又は不浸透性材料が使用されうる。他の実施形態において、ドレープは2以上の材料の層から形成され、各材料層は、特定の適用において有利な特有の特性のためにそれぞれ選択される。例えば、1つの材料層は流体を吸収する材料から形成されうるとともに、別の層は流体の通過を防止する材料から形成される。さらに別の実施形態において、吸収性材料の単一の層が使用される。したがって、本発明の実施形態は、ドレープ100を形成するための特定の材料に限定されない。一実施形態において、ドレープ100は透明な材料から形成される。他の実施形態において、ドレープ100は選択される色から形成される。追加の実施形態において、ドレープ100のために選択される色は、ドレープ100の望ましい用途又は適用の識別を補助するカラースキームに基づいている。
【0014】
ドレープ100の一適用例は、医療デバイスのCアーム、例えば図2の医療デバイス200のCアーム202を保護するためのものである。この実施例における医療デバイス200は、患者治療施設で使用される画像デバイス、例えばX線マシンである。図示されるように、ドレープ100はCアーム202を保護するため、及びCアームによって接触されうる患者を保護するためにCアーム202の側部を被覆するように連結される。ドレープ100の寸法は、前述したように、図2に表されるような医療デバイス200の典型的なCアーム202において使用されうるドレープの実施形態に対応している。適用に基づいて他の寸法も使用されうること、及び本発明は特定の寸法又は適用には限定されないことが理解されるであろう。
【0015】
図3A〜図3Cは、実施形態におけるドレープパッケージ300及び該ドレープパッケージ300からのドレープ100の取出動作の態様を表している。図3Aにおいて、密閉して封止されるドレープパッケージ300が表されている。ドレープパッケージ300はドレープ100のための無菌容器を提供する。この実施形態におけるドレープパッケージ300は、識別されるべき製品(すなわち万能「C」アームドレープ)の識別を可能にする透明側部302を有している。特に、識別印301は、ドレープパッケージ300内の保護スリーブ304に配置されており、該保護スリーブはドレープパッケージ300はドレープパッケージ300の透明側部302を通して視認されうる。ドレープパッケージ300を用意する際に、無菌ドレープ100が折畳まれて無菌スリーブ304内に配置され、次いで無菌ドレープパッケージ300内に配置されて封止される。ドレープ100を取出す際に、ドレープパッケージ300の端部が開放され、スリーブ304がパッケージ300から滑り出される。このことは図3Bに表されている。図3Bに表されるように、ドレープへの開口が形成されるスリーブ304の端部が、パッケージ300から取出されるべきスリーブ304の最後の部分となるように位置決めされる。スリーブ304は次いで展開され、図3Cに表されるように無菌ドレープ100にアクセスできるようになる。患者治療施設において、使用者は、望ましい無菌環境を維持するためにドレープ100を取出して、付与する際に手袋を使用しうる。
【0016】
図4A〜図4Kはドレープ100を付与する1つの方法を表している。図4Aを参照すると、ドレープパッケージ300及びスリーブ304から取出されたドレープ100を図示したものが示される。ドレープ100は、ドレープ100を望ましい表面に取付けるのを補助するように選択される態様で折畳まれている。さらに、表示部は、ドレープ100を展開して付与する際に使用者を補助するように、ドレープ100において巧みに配置されている。例えば、図4Aにおける矢印402は、矢印の方向に展開するように、ドレープ100の第1の折畳み部位403を使用者に対して表している。図4Bは、ドレープ100の第2の折畳み部位405における次の矢印404を表しており、この矢印404は展開方向を示している。図4Cは、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405が展開された後のドレープ100を表している。この実施形態において、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405は、ドレープ100の幅部に沿って展開される。したがって、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405を展開することによって、ドレープの幅部が展開される。
【0017】
前述したように、図4Cは、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405が展開されており、したがって構造体の表面に接触するように配列された後のドレープ100を表している。図示されるように、印(2つの矢印408,406)は、次に取られるべき動作を使用者に対して示している。特に、矢印406は、ドレープ100の第1の端縁101の近傍に位置決めされる接着性ストリップ106Aを被覆する裏材410の除去を示している。図4Dを参照すると、裏材410が接着性ストリップ106Aから部分的に除去された状態を表したものが示されている。裏材がいったん除去されると、第3の折畳み部位407が展開される。これによって、矢印408によって方向が示されるように、折畳まれたドレープ100の長手方向における展開が開始される。ドレープ100の第1の展開部位が図4Eに表されている。図4Eに表される第1の展開部位に至るために、図4Dに表される第3の展開部位407が展開される。このとき、図4Eに表されるように、開始用カフ102、側部カフ104A及び側部カフ104Bがアクセス可能になっている。矢印412が一緒に付された手は、使用者の手が開始カフ102に配置されるべきことを使用者に対して表すために使用される。開始カフ102における一対の手418A,418Bが図4Fに表されている。開始カフ102内の使用者の手418A,418Bによって、ドレープ100の第1の端縁101は、ドレープ100が保護されるべき表面の開始位置に位置決めされる。図示されるように、開始カフ102における封止部121A及び封止部121Bは、使用者の手418A,418Bの配置動作を補助する。テープ部分414A及びテープ部分414Bを備えるテープは、ドレープ100の残りの折畳み部分を展開されないように保持するとともに、ドレープ100の第1の端縁101を表面に位置決めして取付ける。残りの折畳み部分を所定の位置に維持することによって、ドレープ100の表面に対する付与動作の制御を補助するとともに、付与処理が進むに従っても依然として表面に連結されないドレープ100の一部に生じうる汚染を防止する。
【0018】
図4Gは、ドレープ100の第1の部分の第1の端縁101を構造体の表面に取付ける取付動作を表している。第1の端縁101を表面に取付ける際において、使用者の手418A,418Bは、前述したように開始用カフ102内に配置されており、ドレープの第1の端縁101を表面上の所望の開始位置に位置決めする。ドレープ100の中央幅部分の近傍に在る開始用カフ102における使用者の手418A,418Bによって、第1の接着性ストリップ106Aが前面420に押当てられる。そして、この実施形態において、使用者の手418A,418Bは、ドレープ100を構造体の両側面421,423に沿って取付けるために、第1の接着性ストリップ106Aに依然として押当てながら、開始用カフ102におけるドレープ100の側縁105,107及び側部カフ104A,104Bに向かって丁寧に摺動される。したがって、ドレープ100の第1の端縁101は、この実施例において、第1の接着性ストリップ106Aを介して構造体の3つの表面420,421,423に取付けられる。このことは、デバイス、例えば前述したCアームにおけるドレープ100の導入動作の開始を表している。
【0019】
図4Hを参照すると、構造体に取付けられたドレープ100の第1の部分を表したものが図示されている。前述したように、テープ部分414A,414Bは展開されたドレープ100の残りを所定位置に保持し、ドレープ取付動作を容易にするとともに、汚染された表面に接触するドレープの非取付部分によって引き起こされる望ましくない汚染を防止する。図4Hがさらに表すように、別の矢印424は、使用者が裏材422を接着性ストリップ106Bから次に除去すべきことを表している。裏材422が接着性ストリップ106Bからいったん除去されると、テープ部分414A,414Bが、図4Iに表されるように穿孔ライン416に沿って分離される。このことによって、図4Jに表されるように第4の折畳み部位425が展開されうるようになる。また、図4Jは、ドレープを機器又は構造体に接着するために、接着性ストリップ106Bを表面420,421,423に対して押当てている使用者の手418A,418Bを表している。図示されるように、使用者は、側部カフ104A,104Bを使用して、ドレープ100のこの第2の部分を表面に対して所望の位置に位置決めする。また、側部カフ104A,104Bは、構造体の隅部の周りにおいてドレープ100の容易な操作を可能にする。そして、第5の折畳み部位427が展開される。図4Kは、第5の折畳み部位427が展開された後のドレープ100を表している。図4Kに表されるように、第1の部分426A及び第2の部分426Bを有していて、それら第1の部分426Aと第2の部分426Bとの間に穿孔ライン428が形成された別のテープが第6の折畳み部位429を保持するのに使用される。また、テープ部分426A,426Bが第6の折畳み部位を展開するために分離される前に、裏材430が接着性ストリップ106Cから除去されることを表すのに矢印432が用いられている。この処理は、前述したようにドレープ100のすべての部分が完全に展開されて構造体に接着されるまで続けられる。
【0020】
以上、図示されるように、ドレープ100は、ドレープ100を所望の表面に使用者一人によって最小限の労力で付与できるように形成されるとともにパッケージ化される。さらに前述したように、ドレープ100を付与する付与方法は、ドレープが導入されるときにドレープが汚染されるリスクを最小限に抑える。複数の実施形態において、接着性ストリップ106A〜106Gは、ドレープが何らの残留物を残すことなく除去されるときに、機器又は構造体の表面から容易に係合解除されるように形成される。以上の例示的な実施形態は医療デバイスのCアームに付与されるものとして記載されるものの、ドレープはいかなるタイプのデバイス又は構造体のためにも形成されうるし、付与されうる。
【0021】
本明細書において特定の実施形態が図示されるとともに記載されたものの、同一の目的を達成するために考えられうるいかなる配列体も、ここで示される特定の実施形態のために置換されうることが当業者によって認識されるであろう。本願は、いかなる適用物又は変形物にも及ぶことが意図されている。したがって、本発明は特許請求の範囲及びその均等物のみによって制限されることが明白に意図されている。
【背景技術】
【0001】
患者のケアに使用される医療機器は汚染物質、例えば体液にさらされうる。体液を機器の表面から除去することは、設備を比較的無菌の状態に維持するために必要である。このことは、患者及び医療従事者が、それら体液によって広まりうる望ましくない伝染性の病気にさらされることを防止するのを補助する。機器を被覆するドレープの使用が利用されうるが、ドレープを付与することによって、望ましくない汚染につながりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
前述した理由と、本明細書を読み、理解することで当業者にとって明らかになる後述する他の理由とにより、医療機器が体液にさらされることから保護し、機器を無菌状態に維持するための効率的かつ効果的な方法に対するニーズが当業界において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
既存のシステムの前記問題は本発明の実施形態によって対処され、以下の明細書を読み、検討することにより理解されるであろう。以下の概要は、限定のためではなく例示のために作成されたものである。それらは、読み手が本発明の複数の態様を理解するのを補助するために単に提供される。
【0004】
一実施形態において、ドレープが提供される。ドレープは、材料と、少なくとも1つのカフと、少なくとも1つの接着性ストリップと、を備える。材料は、選択される特性及び選択される形状を有している。少なくとも1つのカフは材料の少なくとも1つの縁部に沿って形成される。少なくとも1つのカフは、使用者によるドレープの操作が可能になるように構成される。少なくとも1つの接着性ストリップは、ドレープをドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される。
【0005】
別の実施形態において、ドレープは、不浸透性材料層と、端部カフと、第1及び第2の側部カフと、複数の接着性ストリップとを備える。不浸透性材料層は、第1の端部と、第1の側部と、第2の側部と、を有している。端部カフは、材料層の第1の端部に沿って形成される。端部カフには、使用者の少なくとも一方の手を端部カフ内に受容できるように端部開口が形成されていて、被覆されるべき表面における材料層の初期位置決めを可能にする。第1の側部カフは材料層の第1の側部に沿って形成されており、第1の側部カフには、使用者の手を第1の側部カフ内に受容できるように第1の開口が形成される。第2の側部カフは材料層の第2の側部に沿って形成されており、第2の側部カフには、使用者の手を第2の側部カフ内に受容できるように第2の開口が形成される。第1の側部カフ及び第2の側部カフは、被覆されるべき表面における材料層の位置決めを可能にする。接着性ストリップは、ドレープをドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される。
【0006】
さらに別の実施形態において、ドレープを構造体に取付ける取付方法が提供される。この取付方法は、ドレープの第1の部分を展開し、ドレープの展開された第1の部分におけるドレープの端部に沿って少なくとも一方の手を端部カフ内に配置し、第1の端部カフ内の使用者の少なくとも一方の手によってドレープの第1の部分を所望の位置に位置決めするとともに、ドレープに連結された接着性ストリップを構造体の表面に押し当てて、ドレープの第1の部分を構造体に取付けることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態のドレープの正面図である。
【図2】図1のドレープによって被覆されたCアームを備える医療用画像デバイスの側面図である。
【図3A】本発明の一実施形態のドレープパッケージを表す図である。
【図3B】本発明の一実施形態のドレープパッケージから取出されたドレープを保持するスリーブを表す図である。
【図3C】スリーブから取出された図1のドレープを表す図である。
【図4A】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4B】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4C】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4D】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4E】図1のドレープの第1の部分の展開動作を表す図である。
【図4F】図1のドレープの第1の部分の操作及び付与を表す図である。
【図4G】図1のドレープの第1の部分の操作及び付与を表す図である。
【図4H】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【図4I】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【図4J】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【図4K】図1のドレープの別の部分の用意、操作及び付与を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明及び添付図面を考慮すれば、本発明がより容易に理解されうるとともに、本発明の追加の利点及び用途がより容易に明らかになるであろう。
慣例に従って、記載される種々の特徴部分は縮尺通りに図示されておらず、本発明に関連する特定の特徴部分を強調するように図示されている。参照符号は図面及び明細書の全体を通して同様の要素を示している。
【0009】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を構成する添付図面が参照される。図面には、本発明が実施されうる特定の実施形態を図示したものが例として示される。これら実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載される。そして、他の実施形態も採用されうるし、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更がなされうることが理解されるであろう。したがって、以下の詳細な説明は限定する意味に解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等の範囲のみによって確定される。
【0010】
本発明の実施形態は、表面、例えば限定されないものの、医療機器の表面を保護するドレープを提供する。複数の実施形態のドレープは、飛散する流体、例えば限定されないものの、体液又は不衛生な物体との接触から表面を保護する。これにより、清浄化するのが困難なアクセスし難い領域に汚染物質が進入するのを防止する。また、複数の実施形態のドレープは、迅速かつ容易な清浄化作用に加えて迅速かつ容易な導入作用を提供する。また、複数の実施形態は、導入の際に使用者が使用者の手袋を汚染するのを防止する。したがって、使用者の手袋はドレープを無菌状態に維持するとともに、ドレープは使用者の手袋を無菌状態に維持する。一実施形態において、ドレープは、医療デバイス、例えばX線デバイスのC形アームを被覆するのに使用される。
【0011】
或る実施形態のドレープ100の例が図1に示される。この実施形態におけるドレープ100は概ね矩形の形状を有しており、第1の端縁101と、第2の端縁103と、第1の側縁105と、第2の側縁107と、によって形成される。ドレープ100は、第1の保護側部109と、該第1の保護側部109の反対側に在る第2の係合側部111と、をさらに備えている。開始用カフ102(又は開始用ポケット)は、第1の保護側部109の上方において、ドレープ100の第1の端縁101から選択される距離にわたって延在している。一実施形態において、開始用ポケットの深さは約7.62センチメートル〜10.16センチメートル(約3インチ〜4インチ)の範囲である。さらに、一実施形態において、開始用ポケットの深さは約10.16センチメートル(約4インチ)である。さらに、一実施形態において、開始用カフ102は封止部121A及び封止部121Bを備えている。封止部121A及び封止部121Bは、手の配置動作を補助し、手袋が装着された手を、無菌化処理されていない機器との接触から保護する。図1の実施形態は、第1の側部カフ104A(又は第1の側部ポケット)及び第2の側部カフ104B(又は第2の側部ポケット)をさらに備えている。第1の側部カフ104Aは、第1の保護側部109の上方において、ドレープ100の第1の側縁105から選択される距離にわたって延在している。同様に、第2の側部カフ104Bは、第1の保護側部109の上方において、ドレープ100の第2の側縁107から選択される距離にわたって延在している。一実施形態において、第1の側部カフ104Aが第1の側部105から延在する選択される距離、及び第2の側部カフ104Bが第2の側部107から延在する選択される距離は、それぞれ約7.62センチメートル(約3インチ)である。したがって、この実施例において、側部カフ104A及び側部カフ104Bは約7.62センチメートル(約3インチ)の深さを有する。別の実施形態において、第1の側部カフ及び第2の側部カフの深さは、約5.08センチメートル〜7.62センチメートル(約2インチ〜3インチ)の深さを有する。一実施形態において、開始用カフ102、側部カフ104A及び側部カフ104B(又はポケット)は、材料の第1の端縁101、第2の端縁103、第1の側縁105及び第2の側縁107の近傍に在る材料を選択される量だけ折返すことによって形成される。一実施形態において、側部カフ104A及び側部カフ104B(又はポケット)は、それら側部カフの上に第1の開始用カフ102を折畳むことによって最初に形成される。開始用カフ102、側部カフ104A及び側部カフ104Bは、さらに後述するようにドレープ100を表面の所定位置まで操作するのに使用される。ドレープ100の全体の形状、長さ及び幅は適用に応じて定まる。図1の実施形態の例において、第1の端縁101と第2の端縁103との間の長さは、概ね215.5825センチメートル(概ね84・7/8インチ)であり、第1の側縁105と第2の側縁107との間の幅は、概ね35.56センチメートル(概ね14インチ)である。これら寸法は、さらに後述するようにCアームの適用に望ましい。
【0012】
第2の係合側部111は複数の接着性ストリップ106A〜106Gを備えている。接着性ストリップ106A〜106Gは、図1において破線で表されている。図示されるように、この実施形態において、接着性ストリップ106A〜106Gは、第1の側縁105と第2の側縁107との間においてドレープ100の幅にわたって延在している。さらに、この実施形態の例において、接着性ストリップ106Aはドレープ100の第1の端縁101の近傍に位置決めされ、接着性ストリップ106Gはドレープ100の第2の端縁103の近傍に位置決めされる。接着性ストリップ106B〜106Eは、ドレープ100の第2の係合側部111において、接着性ストリップ106Aと接着性ストリップ106Gとの間に間隔を空けて位置している。接着性ストリップ106A〜106Gは、ドレープ100の第2の係合側部111を保護される表面に接着するために使用される。接着性ストリップ106A〜106Gの幅に加えて接着性ストリップ106A〜106Gの間隔は、適用に基づいて決定される。図1において、例示的な間隔が所定の距離によって示されている。或る実施形態における接着性ストリップ106A〜106Gの幅の例は、1.905センチメートル(3/4インチ)である。また、(図1に示されるように)接着性ストリップ106A〜106Gの間隔及び接着性ストリップ106A〜106Gの幅は、さらに後述する万能Cアームにおける適用に基づいて選択される。
【0013】
複数の実施形態におけるドレープ100は、流体の通過を防止する材料の層から形成される。一実施形態において、ドレープ100は、非ラテックス材料、例えば限定されないものの、ポリエチレンから形成される。任意の適切な非透過性材料又は不浸透性材料が使用されうる。他の実施形態において、ドレープは2以上の材料の層から形成され、各材料層は、特定の適用において有利な特有の特性のためにそれぞれ選択される。例えば、1つの材料層は流体を吸収する材料から形成されうるとともに、別の層は流体の通過を防止する材料から形成される。さらに別の実施形態において、吸収性材料の単一の層が使用される。したがって、本発明の実施形態は、ドレープ100を形成するための特定の材料に限定されない。一実施形態において、ドレープ100は透明な材料から形成される。他の実施形態において、ドレープ100は選択される色から形成される。追加の実施形態において、ドレープ100のために選択される色は、ドレープ100の望ましい用途又は適用の識別を補助するカラースキームに基づいている。
【0014】
ドレープ100の一適用例は、医療デバイスのCアーム、例えば図2の医療デバイス200のCアーム202を保護するためのものである。この実施例における医療デバイス200は、患者治療施設で使用される画像デバイス、例えばX線マシンである。図示されるように、ドレープ100はCアーム202を保護するため、及びCアームによって接触されうる患者を保護するためにCアーム202の側部を被覆するように連結される。ドレープ100の寸法は、前述したように、図2に表されるような医療デバイス200の典型的なCアーム202において使用されうるドレープの実施形態に対応している。適用に基づいて他の寸法も使用されうること、及び本発明は特定の寸法又は適用には限定されないことが理解されるであろう。
【0015】
図3A〜図3Cは、実施形態におけるドレープパッケージ300及び該ドレープパッケージ300からのドレープ100の取出動作の態様を表している。図3Aにおいて、密閉して封止されるドレープパッケージ300が表されている。ドレープパッケージ300はドレープ100のための無菌容器を提供する。この実施形態におけるドレープパッケージ300は、識別されるべき製品(すなわち万能「C」アームドレープ)の識別を可能にする透明側部302を有している。特に、識別印301は、ドレープパッケージ300内の保護スリーブ304に配置されており、該保護スリーブはドレープパッケージ300はドレープパッケージ300の透明側部302を通して視認されうる。ドレープパッケージ300を用意する際に、無菌ドレープ100が折畳まれて無菌スリーブ304内に配置され、次いで無菌ドレープパッケージ300内に配置されて封止される。ドレープ100を取出す際に、ドレープパッケージ300の端部が開放され、スリーブ304がパッケージ300から滑り出される。このことは図3Bに表されている。図3Bに表されるように、ドレープへの開口が形成されるスリーブ304の端部が、パッケージ300から取出されるべきスリーブ304の最後の部分となるように位置決めされる。スリーブ304は次いで展開され、図3Cに表されるように無菌ドレープ100にアクセスできるようになる。患者治療施設において、使用者は、望ましい無菌環境を維持するためにドレープ100を取出して、付与する際に手袋を使用しうる。
【0016】
図4A〜図4Kはドレープ100を付与する1つの方法を表している。図4Aを参照すると、ドレープパッケージ300及びスリーブ304から取出されたドレープ100を図示したものが示される。ドレープ100は、ドレープ100を望ましい表面に取付けるのを補助するように選択される態様で折畳まれている。さらに、表示部は、ドレープ100を展開して付与する際に使用者を補助するように、ドレープ100において巧みに配置されている。例えば、図4Aにおける矢印402は、矢印の方向に展開するように、ドレープ100の第1の折畳み部位403を使用者に対して表している。図4Bは、ドレープ100の第2の折畳み部位405における次の矢印404を表しており、この矢印404は展開方向を示している。図4Cは、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405が展開された後のドレープ100を表している。この実施形態において、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405は、ドレープ100の幅部に沿って展開される。したがって、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405を展開することによって、ドレープの幅部が展開される。
【0017】
前述したように、図4Cは、第1の折畳み部位403及び第2の折畳み部位405が展開されており、したがって構造体の表面に接触するように配列された後のドレープ100を表している。図示されるように、印(2つの矢印408,406)は、次に取られるべき動作を使用者に対して示している。特に、矢印406は、ドレープ100の第1の端縁101の近傍に位置決めされる接着性ストリップ106Aを被覆する裏材410の除去を示している。図4Dを参照すると、裏材410が接着性ストリップ106Aから部分的に除去された状態を表したものが示されている。裏材がいったん除去されると、第3の折畳み部位407が展開される。これによって、矢印408によって方向が示されるように、折畳まれたドレープ100の長手方向における展開が開始される。ドレープ100の第1の展開部位が図4Eに表されている。図4Eに表される第1の展開部位に至るために、図4Dに表される第3の展開部位407が展開される。このとき、図4Eに表されるように、開始用カフ102、側部カフ104A及び側部カフ104Bがアクセス可能になっている。矢印412が一緒に付された手は、使用者の手が開始カフ102に配置されるべきことを使用者に対して表すために使用される。開始カフ102における一対の手418A,418Bが図4Fに表されている。開始カフ102内の使用者の手418A,418Bによって、ドレープ100の第1の端縁101は、ドレープ100が保護されるべき表面の開始位置に位置決めされる。図示されるように、開始カフ102における封止部121A及び封止部121Bは、使用者の手418A,418Bの配置動作を補助する。テープ部分414A及びテープ部分414Bを備えるテープは、ドレープ100の残りの折畳み部分を展開されないように保持するとともに、ドレープ100の第1の端縁101を表面に位置決めして取付ける。残りの折畳み部分を所定の位置に維持することによって、ドレープ100の表面に対する付与動作の制御を補助するとともに、付与処理が進むに従っても依然として表面に連結されないドレープ100の一部に生じうる汚染を防止する。
【0018】
図4Gは、ドレープ100の第1の部分の第1の端縁101を構造体の表面に取付ける取付動作を表している。第1の端縁101を表面に取付ける際において、使用者の手418A,418Bは、前述したように開始用カフ102内に配置されており、ドレープの第1の端縁101を表面上の所望の開始位置に位置決めする。ドレープ100の中央幅部分の近傍に在る開始用カフ102における使用者の手418A,418Bによって、第1の接着性ストリップ106Aが前面420に押当てられる。そして、この実施形態において、使用者の手418A,418Bは、ドレープ100を構造体の両側面421,423に沿って取付けるために、第1の接着性ストリップ106Aに依然として押当てながら、開始用カフ102におけるドレープ100の側縁105,107及び側部カフ104A,104Bに向かって丁寧に摺動される。したがって、ドレープ100の第1の端縁101は、この実施例において、第1の接着性ストリップ106Aを介して構造体の3つの表面420,421,423に取付けられる。このことは、デバイス、例えば前述したCアームにおけるドレープ100の導入動作の開始を表している。
【0019】
図4Hを参照すると、構造体に取付けられたドレープ100の第1の部分を表したものが図示されている。前述したように、テープ部分414A,414Bは展開されたドレープ100の残りを所定位置に保持し、ドレープ取付動作を容易にするとともに、汚染された表面に接触するドレープの非取付部分によって引き起こされる望ましくない汚染を防止する。図4Hがさらに表すように、別の矢印424は、使用者が裏材422を接着性ストリップ106Bから次に除去すべきことを表している。裏材422が接着性ストリップ106Bからいったん除去されると、テープ部分414A,414Bが、図4Iに表されるように穿孔ライン416に沿って分離される。このことによって、図4Jに表されるように第4の折畳み部位425が展開されうるようになる。また、図4Jは、ドレープを機器又は構造体に接着するために、接着性ストリップ106Bを表面420,421,423に対して押当てている使用者の手418A,418Bを表している。図示されるように、使用者は、側部カフ104A,104Bを使用して、ドレープ100のこの第2の部分を表面に対して所望の位置に位置決めする。また、側部カフ104A,104Bは、構造体の隅部の周りにおいてドレープ100の容易な操作を可能にする。そして、第5の折畳み部位427が展開される。図4Kは、第5の折畳み部位427が展開された後のドレープ100を表している。図4Kに表されるように、第1の部分426A及び第2の部分426Bを有していて、それら第1の部分426Aと第2の部分426Bとの間に穿孔ライン428が形成された別のテープが第6の折畳み部位429を保持するのに使用される。また、テープ部分426A,426Bが第6の折畳み部位を展開するために分離される前に、裏材430が接着性ストリップ106Cから除去されることを表すのに矢印432が用いられている。この処理は、前述したようにドレープ100のすべての部分が完全に展開されて構造体に接着されるまで続けられる。
【0020】
以上、図示されるように、ドレープ100は、ドレープ100を所望の表面に使用者一人によって最小限の労力で付与できるように形成されるとともにパッケージ化される。さらに前述したように、ドレープ100を付与する付与方法は、ドレープが導入されるときにドレープが汚染されるリスクを最小限に抑える。複数の実施形態において、接着性ストリップ106A〜106Gは、ドレープが何らの残留物を残すことなく除去されるときに、機器又は構造体の表面から容易に係合解除されるように形成される。以上の例示的な実施形態は医療デバイスのCアームに付与されるものとして記載されるものの、ドレープはいかなるタイプのデバイス又は構造体のためにも形成されうるし、付与されうる。
【0021】
本明細書において特定の実施形態が図示されるとともに記載されたものの、同一の目的を達成するために考えられうるいかなる配列体も、ここで示される特定の実施形態のために置換されうることが当業者によって認識されるであろう。本願は、いかなる適用物又は変形物にも及ぶことが意図されている。したがって、本発明は特許請求の範囲及びその均等物のみによって制限されることが明白に意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択される形状を有していて選択される特性を有する材料を有するドレープであって、
該材料の少なくとも1つの縁部に沿って形成されていて使用者による当該ドレープの操作を可能にするように構成される、少なくとも1つのカフと、
当該ドレープを当該ドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される、少なくとも1つの接着性ストリップとを備える、ドレープ。
【請求項2】
前記材料の選択される形状が矩形である、請求項1に記載のドレープ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのカフが、被覆されるべき表面における開始適用位置まで、当該ドレープの操作を可能にするように構成されるとともに配列される開始用カフをさらに備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのカフが、
当該ドレープの第1の側部に沿って形成される第1の側部カフと、
当該ドレープの第2の側部に沿って形成される第2の側部カフとをさらに備え、
前記第1の側部カフ及び前記第2の側部カフは、当該ドレープが被覆すべき表面周りにおける当該ドレープの操作を可能にするように構成されるとともに配列される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項5】
前記材料の適切な展開動作及び前記材料の適切な取扱いのうちの少なくとも一方を指示するように前記材料に位置決めされる表示部をさらに備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項6】
前記材料の色が意図される適用に基づいて選択される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項7】
前記材料の部分を折畳むようにして選択的に保持する複数のテープ部分をさらに備えるとともに、前記材料の操作を補助し、かつ前記材料を無菌状態に維持するのを補助するように、前記材料が被覆されるべき表面に付与される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記テープ部分には、該少なくとも1つのテープ部分を分離して、前記材料の折畳み部分を解放できるように穿孔ラインがさらに形成される、請求項7に記載のドレープ。
【請求項9】
前記穿孔ラインを示す表示部を前記少なくとも1つのテープ部分にさらに備える、請求項8に記載のドレープ。
【請求項10】
前記材料が1つよりも多い材料層から形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項11】
前記1つよりも多い材料層が、流体を吸収する材料から形成される層と、流体の吸収を防止する材料からなる1つの層とを含む、請求項10に記載のドレープ。
【請求項12】
第1の端部、第1の側部及び第2の側部を有する不浸透性材料層と、
該材料層の前記第1の端部に沿って形成される開始用ポケットと、を備えるドレープであって、該開始用ポケットには、使用者の少なくとも一方の手を該開始用ポケット内に受容できるように構成される開始用開口が形成されていて、被覆されるべき表面における前記材料層の初期位置決めが可能になっており、
さらに、
前記材料層の前記第1の側部に沿って形成される第1の側部ポケットを備え、該第1の側部ポケットには、使用者の手を該第1の側部ポケット内に受容できる第1の開口が形成されており、
さらに、
前記材料層の前記第2の側部に沿って形成される第2の側部ポケットを備え、該第2の側部ポケットには、使用者の手を該第2の側部ポケット内に受容できる第2の開口が形成されており、前記第1の側部ポケット及び前記第2の側部ポケットは、被覆されるべき前記表面における前記材料層の位置決めが可能になっており、
さらに、
当該ドレープを当該ドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される、複数の接着性ストリップを備える、ドレープ。
【請求項13】
前記材料の部分を折畳むようにして選択的に保持するテープ部分をさらに備えるとともに、前記材料の操作を補助し、かつ前記材料を無菌状態に維持するのを補助するように前記材料が被覆されるべき表面に付与される、請求項12に記載のドレープ。
【請求項14】
前記材料の適切な展開動作及び前記材料の適切な取扱いのうちの少なくとも一方を指示するように前記材料に位置決めされる表示部をさらに備える、請求項12に記載のドレープ。
【請求項15】
当該ドレープが医療デバイスのCアームの表面を被覆するように構成される形状を有する、請求項12に記載のドレープ。
【請求項16】
およそ7.62センチメートルから10.16センチメートル(およそ3インチから4インチ)の範囲の深さを有する開始用ポケットと、
およそ5.08センチメートルから7.62センチメートル(およそ2インチから3インチ)の範囲の深さを有する第1の側部ポケット及び第2の側部ポケットと、をさらに備える、請求項12に記載のドレープ。
【請求項17】
ドレープを構造体に取付ける取付方法であって、
前記ドレープの第1の部分を展開し、
前記ドレープの展開された前記第1の部分において、前記ドレープの端部に沿って、少なくとも一方の手を開始用カフ内に配置し、
前記開始用カフ内の使用者の前記少なくとも一方の手によって、前記ドレープの前記第1の部分を所望の位置に位置決めし、
前記ドレープに連結された接着性ストリップを前記構造体の表面に押当てて、前記ドレープの前記第1の部分を前記構造体に取付けることを含む、取付方法。
【請求項18】
前記ドレープの第2の部分を展開し、
前記ドレープの前記第2の部分における前記ドレープの第1の側縁に沿って、使用者の第1の手を第1の側部カフ内に配置し、
前記ドレープの前記第2の部分における前記ドレープの第2の側縁に沿って、使用者の第2の手を第2の側部カフ内に配置し、
前記第1のカフ及び前記第2のカフ内の使用者の手によって、前記ドレープの前記第2の部分を所望の位置に位置決めし、
前記ドレープに連結された接着性ストリップを前記構造体の表面に押当てて、前記ドレープの前記第2の部分を前記構造体に取付けることをさらに含む、請求項17に記載の取付方法。
【請求項19】
前記ドレープの第3の部分を展開し、
前記ドレープの前記第3の部分における前記ドレープの第1の側縁に沿って、使用者の前記第1の手を前記第1の側部カフ内に配置し、
前記ドレープの前記第3の部分における前記ドレープの第2の側縁に沿って、使用者の前記第2の手を第2の側部カフ内に配置し、
前記第1のカフ及び前記第2のカフ内の使用者の手によって、前記ドレープの前記第2の部分を所望の位置に位置決めし、
前記ドレープに連結された接着性ストリップを前記構造体の表面に押当てて、前記ドレープの前記第3の部分を前記構造体に取付けることをさらに含む、請求項18に記載の取付方法。
【請求項20】
テープ部分を分離して、前記第1の部位から前記第2の部位を展開することをさらに含む、請求項18に記載の取付方法。
【請求項1】
選択される形状を有していて選択される特性を有する材料を有するドレープであって、
該材料の少なくとも1つの縁部に沿って形成されていて使用者による当該ドレープの操作を可能にするように構成される、少なくとも1つのカフと、
当該ドレープを当該ドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される、少なくとも1つの接着性ストリップとを備える、ドレープ。
【請求項2】
前記材料の選択される形状が矩形である、請求項1に記載のドレープ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのカフが、被覆されるべき表面における開始適用位置まで、当該ドレープの操作を可能にするように構成されるとともに配列される開始用カフをさらに備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのカフが、
当該ドレープの第1の側部に沿って形成される第1の側部カフと、
当該ドレープの第2の側部に沿って形成される第2の側部カフとをさらに備え、
前記第1の側部カフ及び前記第2の側部カフは、当該ドレープが被覆すべき表面周りにおける当該ドレープの操作を可能にするように構成されるとともに配列される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項5】
前記材料の適切な展開動作及び前記材料の適切な取扱いのうちの少なくとも一方を指示するように前記材料に位置決めされる表示部をさらに備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項6】
前記材料の色が意図される適用に基づいて選択される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項7】
前記材料の部分を折畳むようにして選択的に保持する複数のテープ部分をさらに備えるとともに、前記材料の操作を補助し、かつ前記材料を無菌状態に維持するのを補助するように、前記材料が被覆されるべき表面に付与される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記テープ部分には、該少なくとも1つのテープ部分を分離して、前記材料の折畳み部分を解放できるように穿孔ラインがさらに形成される、請求項7に記載のドレープ。
【請求項9】
前記穿孔ラインを示す表示部を前記少なくとも1つのテープ部分にさらに備える、請求項8に記載のドレープ。
【請求項10】
前記材料が1つよりも多い材料層から形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項11】
前記1つよりも多い材料層が、流体を吸収する材料から形成される層と、流体の吸収を防止する材料からなる1つの層とを含む、請求項10に記載のドレープ。
【請求項12】
第1の端部、第1の側部及び第2の側部を有する不浸透性材料層と、
該材料層の前記第1の端部に沿って形成される開始用ポケットと、を備えるドレープであって、該開始用ポケットには、使用者の少なくとも一方の手を該開始用ポケット内に受容できるように構成される開始用開口が形成されていて、被覆されるべき表面における前記材料層の初期位置決めが可能になっており、
さらに、
前記材料層の前記第1の側部に沿って形成される第1の側部ポケットを備え、該第1の側部ポケットには、使用者の手を該第1の側部ポケット内に受容できる第1の開口が形成されており、
さらに、
前記材料層の前記第2の側部に沿って形成される第2の側部ポケットを備え、該第2の側部ポケットには、使用者の手を該第2の側部ポケット内に受容できる第2の開口が形成されており、前記第1の側部ポケット及び前記第2の側部ポケットは、被覆されるべき前記表面における前記材料層の位置決めが可能になっており、
さらに、
当該ドレープを当該ドレープによって被覆されるべき表面に選択的に接着するように構成される、複数の接着性ストリップを備える、ドレープ。
【請求項13】
前記材料の部分を折畳むようにして選択的に保持するテープ部分をさらに備えるとともに、前記材料の操作を補助し、かつ前記材料を無菌状態に維持するのを補助するように前記材料が被覆されるべき表面に付与される、請求項12に記載のドレープ。
【請求項14】
前記材料の適切な展開動作及び前記材料の適切な取扱いのうちの少なくとも一方を指示するように前記材料に位置決めされる表示部をさらに備える、請求項12に記載のドレープ。
【請求項15】
当該ドレープが医療デバイスのCアームの表面を被覆するように構成される形状を有する、請求項12に記載のドレープ。
【請求項16】
およそ7.62センチメートルから10.16センチメートル(およそ3インチから4インチ)の範囲の深さを有する開始用ポケットと、
およそ5.08センチメートルから7.62センチメートル(およそ2インチから3インチ)の範囲の深さを有する第1の側部ポケット及び第2の側部ポケットと、をさらに備える、請求項12に記載のドレープ。
【請求項17】
ドレープを構造体に取付ける取付方法であって、
前記ドレープの第1の部分を展開し、
前記ドレープの展開された前記第1の部分において、前記ドレープの端部に沿って、少なくとも一方の手を開始用カフ内に配置し、
前記開始用カフ内の使用者の前記少なくとも一方の手によって、前記ドレープの前記第1の部分を所望の位置に位置決めし、
前記ドレープに連結された接着性ストリップを前記構造体の表面に押当てて、前記ドレープの前記第1の部分を前記構造体に取付けることを含む、取付方法。
【請求項18】
前記ドレープの第2の部分を展開し、
前記ドレープの前記第2の部分における前記ドレープの第1の側縁に沿って、使用者の第1の手を第1の側部カフ内に配置し、
前記ドレープの前記第2の部分における前記ドレープの第2の側縁に沿って、使用者の第2の手を第2の側部カフ内に配置し、
前記第1のカフ及び前記第2のカフ内の使用者の手によって、前記ドレープの前記第2の部分を所望の位置に位置決めし、
前記ドレープに連結された接着性ストリップを前記構造体の表面に押当てて、前記ドレープの前記第2の部分を前記構造体に取付けることをさらに含む、請求項17に記載の取付方法。
【請求項19】
前記ドレープの第3の部分を展開し、
前記ドレープの前記第3の部分における前記ドレープの第1の側縁に沿って、使用者の前記第1の手を前記第1の側部カフ内に配置し、
前記ドレープの前記第3の部分における前記ドレープの第2の側縁に沿って、使用者の前記第2の手を第2の側部カフ内に配置し、
前記第1のカフ及び前記第2のカフ内の使用者の手によって、前記ドレープの前記第2の部分を所望の位置に位置決めし、
前記ドレープに連結された接着性ストリップを前記構造体の表面に押当てて、前記ドレープの前記第3の部分を前記構造体に取付けることをさらに含む、請求項18に記載の取付方法。
【請求項20】
テープ部分を分離して、前記第1の部位から前記第2の部位を展開することをさらに含む、請求項18に記載の取付方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図4K】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図4K】
【公表番号】特表2013−502286(P2013−502286A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525709(P2012−525709)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/046094
【国際公開番号】WO2011/022599
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(510250467)イーコラブ ユーエスエー インコーポレイティド (16)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/046094
【国際公開番号】WO2011/022599
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(510250467)イーコラブ ユーエスエー インコーポレイティド (16)
【Fターム(参考)】
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