三角形状に動くツインドラムワインダー
【課題】1つのトラバース部を用いて設置空間を大きく増加させずに巻取効率を2倍に増加させることにある。
【解決手段】胴体と、胴体の前方に設けられた一双のガイドレールと、一双のガイドレールに結合されて昇降するスライド部と、スライド部の両側に設けられた一双の摩擦部と、スライド部の中央として摩擦部の間に設けられた1つのトラバース部と、胴体の前方として一双の摩擦部の下部に設けられ、上部及び下部にそれぞれボビンホルダーが設けられた一双のドラムと、ドラムを円弧運動させて上部のボビンホルダーが下部に位置されるようにし、下部のボビンホルダーが上部に位置されるようにするドラム回転部からなる三角形状に動くツインドラムワインダーを開始する。
【解決手段】胴体と、胴体の前方に設けられた一双のガイドレールと、一双のガイドレールに結合されて昇降するスライド部と、スライド部の両側に設けられた一双の摩擦部と、スライド部の中央として摩擦部の間に設けられた1つのトラバース部と、胴体の前方として一双の摩擦部の下部に設けられ、上部及び下部にそれぞれボビンホルダーが設けられた一双のドラムと、ドラムを円弧運動させて上部のボビンホルダーが下部に位置されるようにし、下部のボビンホルダーが上部に位置されるようにするドラム回転部からなる三角形状に動くツインドラムワインダーを開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角形状に動くツインドラムワインダーに関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、従来ワインダーの正面図が示されている。
図1に示すように、従来の糸を巻取するワインダー100’(winder)は、各種構造物が付着される胴体110’と、上記胴体110’の前方に結合された一双のガイドレール120’(guide rail)と、上記ガイドレール120’に結合して昇降されるスライド部130’(slide member)と、上記スライド部130’の左側に結合された摩擦部140’(friction member)と、上記スライド部130’の右側に結合されたトラバース部150’(traverse member)と、上記スライド部130’の下端に設けられた円形ドラム160’(drum)と、上記円形ドラム160’の上部及び下部にそれぞれ設けられたボビンホルダー161'、162'(bobbin holder)からなる。勿論、上記ドラム160’の上部及び下部に設けられたボビンホルダー161'、162'にはそれぞれ複数のボビンが結合される。
【0003】
図面中未説明符号1'はボビンに巻取された糸であり、図面中未説明符号163'は円形ドラム160’の回転ピントである。
このような従来のワインダー100’は、上部に位置されたゴデットローラ(godet roller)(図示せず)から糸が供給される。引き継いで、上記ワインダー100’は上記糸がトラバース部150’を介して円形ドラム160’の上端に設けられた同時に高速回転するボビンホルダー170’、すなわち、それに結合されたボビンに供給されるようにすることで、上記ボビンに糸が巻取されるようにする。このとき、上記スライド部130’は、ガイドレール120’によって一定距離を下降することで、上記摩擦部140’が上記ボビンに巻取される糸を加圧するようになる。よって、上記ボビンに糸が堅く巻取される。
【0004】
以後、上記ワインダー100’は、上記ドラム160’の上端に設けられたボビンホルダー161’、すなわち、ボビンが満ボビンになれば、上記ドラム160’をほぼ180゜回転することで、満ボビンがドラム160’の下端に位置されて空ボビンがドラム160’の上端に位置されるようにする。つまり、上記ワインダー100’は上部にあったボビンホルダー161’が下部に位置されるようにし、下部にあったボビンホルダー162’が上部に位置されるようにする。
【0005】
一方、このようなワインダーは、糸の巻取効率を向上させるためにボビンホルダーの回転速度を増加させるか、またはより多いボビンを結合するためにボビンホルダーの長さを増加させる方向に発展している。しかし、上記のようにボビンホルダーの回転速度を一定速度以上にしたり、その長さを一定長さ以上にしたりすれば、糸の切れ及び震動現象がひどくなって巻取不良が発生する問題がある。よって、ボビンホルダーの回転速度を増加させたりボビンホルダーの長さを増加させたりするには限界がある。
【0006】
また、糸の巻取効率を向上させるためにワインダーの設置数を増加させる方法があるが、この場合にはそれほどワインダーが占める空間が大きくなり、また維持補修費用が増加して管理が難しくなる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、1つのトラバース部を利用して設置空間を大きく増加させずに巻取効率を2倍に増加させることができる三角形状に動くツインドラムワインダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために本発明は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーは、胴体と、上記胴体の前方に設けられた一双のガイドレールと、上記一双のガイドレールに結合されて昇降するスライド部と、上記スライド部の両側に設けられた一双の摩擦部と、上記スライド部の中央として上記摩擦部の間に設けられた1つのトラバース部と、上記胴体の前方として上記一双の摩擦部の下部に設けられ、上部及び下部にそれぞれボビンホルダーが設けられた一双のドラム及び上記ドラムを円弧運動させて上部のボビンホルダーが下部に位置されるようにし、下部のボビンホルダーが上部に位置されるようにするドラム回転部とを含む。
【0009】
上記摩擦部は、下端に上記トラバース部に向けて摩擦ローラがさらに設けられることを特徴とする。
上記トラバース部は、上記スライド部に結合されたトラバースプレートと、上記トラバースプレートに結合されてあらかじめ指定された方向に回転するトラバースカム及び上記トラバースカムの両側に結合されてトラバースカムの回転運動を水平往復運動に変換するトラバースガイドとを含むことができる。
【0010】
上記ドラム回転部は、上記胴体に設けられて回転される駆動プーリーを有するモーターと、上記モーターの駆動プーリーにチェーンで連結されたテンションプーリーと、上記モーターの駆動プーリー及び上記テンションプーリーに上記チェーンで連結されて上記ドラムの中央に結合された被動プーリー及び上記ドラムの上端と下端がそれぞれ結合されて上記ドラムが円弧運動をするようにする曲線型LMレールとを含むことができる。
【0011】
上記ドラムは、長さ方向の運動軌跡が三角形態であることができる。
上記ドラムに設けられた被動プーリーの運動軌跡は、三角形態であることができる。
上記曲線型LMレールは、第1曲率を有する3つの第1曲面部と、上記3つの第1曲面部の間に位置されて第2曲率を有する3つの第2曲面部からなり、上記それぞれの第1曲面部及び第2曲面部は両端が自身の曲率半径の原点を向けて60゜の角度に形成されることを特徴とする。
【0012】
上記曲線型LMレールの内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡を沿って正三角形の軌跡が形成され、上記正三角形の頂点から一番遠く位置された第1曲面部までの距離が第1曲面部の曲率半径になり、上記正三角形の頂点から一番近く位置された第2曲面部までの距離が第2曲面部の曲率半径になることができる。
【0013】
上記ドラムは、上端と下端にそれぞれLMブロックが設けられ、上記LMブロックが上記曲線型LMレールに結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーには、1つのトラバース部を中心に2つの摩擦部及び2つのドラムが設けられることで、従来に比べて糸巻取効率がほぼ2倍に増加する。
【0015】
また、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーは、単純に従来のワインダーを2つ結合した構造に比べて占める空間がより少なく、また用いられた部品数(例えば、トラバース部が1つのみ用いられた)を節減することができる。
【0016】
また、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーは、ドラムが円弧運動をする曲線型LMレールにLMブロックを介して結合されることで、ドラムの移動軌跡が最小化されることのみならず、2つのドラムが同時に回転するときに相互干渉せず、これによってワインダーの設置空間がより最小化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者が容易に実施できるように、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図2は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーの正面図である。
【0018】
図2に示すように、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダー100は、胴体110と、一双のガイドレール120と、1つのスライド部130と、一双の摩擦部140と、1つのトラバース部150と、一双のドラム160と、上記ドラム160を所定方向に回転させるドラム回転部170とを含む。
【0019】
上記胴体110は、各種構造物が設けられることと同時に、このような各種構造物が地面から安定的に位置されるようにする役割を有する。勿論、このような胴体110の内部には図示してないが、モーター、各種ギアー器具及び各種電気制御回路が設けられている。
【0020】
上記一双のガイドレール120は、上記胴体110の前方に設けられている。すなわち、上記一双のガイドレール120は、相互間所定距離が離隔された状態で垂直方向に設けられている。
【0021】
上記1つのスライド部130は、上記一双のガイドレール120に機械的に結合されている。よって、上記スライド部130は、上記一双のガイドレール120に沿って上、下方向に昇降することができる。
【0022】
上記一双の摩擦部140は、上記スライド部130の両側に設けられている。すなわち、上記一双の摩擦部140は、上記スライド部130の左、右側にそれぞれお互いに一定距離離隔して設けられている。また、上記一双の摩擦部140は、糸の巻取動作中にボビンに密着されて回転されることで、ボビンに糸が堅く巻取されるように摩擦ローラ141がさらに設けられている。このような摩擦ローラ141は、中央に設けられたトラバース部150に向ける。すなわち、トラバース部150を中心に左、右側にそれぞれ摩擦部140が設けられているが、このような摩擦部140に設けられた摩擦ローラ141は上記中央のトラバース部150に向ける。
【0023】
上記トラバース部150は、上記スライド部130の中央として上記2つの摩擦部140の間に設けられている。また、上記トラバース部150は、スライド部130に結合されたトラバースプレート151と、上記トラバースプレート151に結合された同時に所定方向に回転するトラバースカム152と、上記トラバースカム152の両側に結合されて上記トラバースカム152の回転運動を水平往復運動に変換するトラバースガイド153からなっている。すなわち、上記トラバースカム152の左、右側にそれぞれ設けられたトラバースガイド153は摩擦ローラ141に向ける。勿論、ゴデットローラ(図示せず)からの糸は上記トラバースガイド153によって所定方向に往復案内されることで、上記ボビンホルダー161に結合されたボビンに水平方向に巻取される。ここで、上記トラバースカム152とトラバースガイド153の結合構造は、既に当業者に周知されたので、これ以上の説明は省略する。
【0024】
上記一双のドラム160は、上記胴体110の前方として上記一双の摩擦部140の下部に設けられている。すなわち、上記ドラム160は摩擦部140のうち摩擦ローラ141の下端にそれぞれ設けられている。また、上記ドラム160は、水平方向より垂直方向に長さが長い形態をして上端と下端にそれぞれボビンホルダー161、162が設けられている。すなわち、上記ドラム160のうち上端に摩擦ローラ141と近接したボビンホルダー161が設けられ、上記ドラム160のうち下端にボビンホルダー162が設けられている。尚、このようなドラム160は、ボビンホルダー161に挟まれたボビンに糸が満巻されれば、ほぼ180゜回転されるようになっている。例えば、図2で、左側に設けられたドラム160は満巻時に反時計方向に180゜回転し、右側に設けられたドラムは満巻時に時計方向に180゜回転する。
【0025】
上記ドラム回転部170は、対向して設けられた2つのドラム160が相互間干渉されず最小空間を占めながら回転するようにする役割を有する。すなわち、上記ドラム回転部170は、被動プーリー175及び曲線型LMレール176などを含み、これは上部のボビンホルダー161が下部に位置されるようにし、また下部のボビンホルダー162が上部に位置されるようにする役割を有する。これによって上部のボビンホルダー161に結合された満ボビンが下部に位置され、下部のボビンホルダー162に結合されたゴングボビンが上部に位置される。図面中未説明符号T1は、長さ方向のドラム160に対する軌跡を示したものである。
【0026】
図3は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラム回転部の構成及び動作を示した概路図である。
図示されたように、ドラム回転部170はモーター171、駆動プーリー172、チェーン173、テンションプーリー174、被動プーリー175及び曲線型LMレール176を含む。
【0027】
上記モーター171は、通常の電動モーターであることができるが、このような種類で本発明が限定されるものではない。
上記駆動プーリー172は、上記モーター171の回転軸に結合されて所定方向に回転する。
【0028】
上記チェーン173は、上記駆動プーリー172に結合されて所定方向に移動する。勿論、このようなチェーン173の代わりに通常のベルト及びその等価物が利用できるが、ここでその種類が限定されるものではない。
【0029】
上記テンションプーリー174は、上記チェーン173に結合されて所定方向に回転し、これは上記被動プーリー175の位置によって上部及び下部方向に一定距離を動くことができるように設けられている。例えば、上記テンションプーリー174には、スプリングなどを設けてチェーン173に作用する張力によって上部及び下部方向に一定距離を動くことができる。このようなテンションプーリー174がチェーン173に作用する張力によって上部または下部方向に移動するようにする構成は、既に当業者に知られた通常の技術なので、その構成についてこれ以上の説明は省略する。
【0030】
上記被動プーリー175は、上記ドラム160のほぼ中央またはその近所に結合されている。すなわち、上記被動プーリー175は上部に設けられたボビンホルダー161と下部に設けられたボビンホルダー162との間のほぼ中間またはその近所である上記ドラム160に固定される。
【0031】
上記曲線型LMレール176は、以下でより詳細に説明するが、ほぼ三角の閉曲線形態を有する。尚、上記曲線型LMレール176は、それぞれの辺及びそれぞれの頂点が全部所定曲率半径を有して折曲された形態を有する。
【0032】
一方、上記曲線型LMレール176の内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡に沿って正三角形の軌跡(T1)が形成される。図3に示されたドラム回転部170は、トラバース部150を基準として左側に設けられたものとして、満巻時のドラム160はほぼ反時計方向に動く。勿論、トラバース部150を基準として右側に設けられたドラム160は満巻時にほぼ時計方向に動く。
【0033】
また、上記ドラム160の中央に設けられた被動プーリー175は、満巻時に三角の軌跡(T2)を描いて所定方向に動く。しかし、上記軌跡(T2)をなす三角形の各辺は所定曲率を有する。尚、図3に示された被動プーリー175は、トラバース部150を基準として左側に設けられたものとして、満巻時にほぼ時計方向に動く。勿論、トラバース部150を基準として右側に設けられた被動プーリー175は満巻時にほぼ反時計方向に移動する。このような曲線型LMレール176でのドラム160の移動状態は、以下でより詳しく説明する。
【0034】
図4は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラムの円弧運動ができるようにする曲線型LMレールを示した概略平面図である。
図4に示すように、曲線型LMレール176は、第1曲率(R1)を有する3つの第1曲面部176aと、上記3つの第1曲面部176aの間に位置されて第2曲率(R2)を有する3つの第2曲面部176bからなり、上記それぞれの第1曲面部176a及び第2曲面部176bは両端が自身の曲率半径R1、R2の原点を向けて60゜の角度に形成されている。ここで、第1曲面部176aの曲率半径(R1)が2曲面部176bの曲率半径(R2)に比べて相対的にさらに大きい。すなわち、第1曲面部176aの長さが第2曲面部176bの長さより相対的に長い。
【0035】
また、上記曲線型LMレール176の内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡に沿って正三角形の軌跡T1が形成されるが、上記正三角形の頂点から一番遠く位置された第1曲面部176aまでの距離が第1曲面部176aの曲率半径R1になり、上記正三角形の頂点から一番近く位置された第2曲面部176bまでの距離が第2曲面部176bの曲率半径R2になる。このような構成によって、上記曲線型LMレール176は各頂点及び各辺が所定曲率を有するほぼ三角レール形態を有するようになる。
【0036】
図5aは、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を市した平面図であり、図5bは断面図であり、図5cは側面図であり、図5dは斜視図である。
【0037】
図5aに示すように、曲線型LMレール176は所定半径を有して形成され、上記曲線型LMレール176にはLMブロック177が移動可能に結合される。勿論、上記LMブロック177は、上記曲線型LMレール176上に2つが結合され、その上部にそれぞれドラム160の上端と下端が結合される。つまり、ドラム160の上端と下端にそれぞれLMブロック177が結合され、このような2つのLMブロック177はまた1つの曲線型LMレール176に結合される。
【0038】
また、図5bないし図5dに示すように、曲線型LMレール176とLMブロック177との間には、複数のボール178が介在されていることで、上記LMブロック177は上記曲線型LMレール176に沿って柔らかく動くようになる。
【0039】
このような構成を有する三角形状に動くツインドラムワインダーの全般的な動作を説明する。
三角形状に動くツインドラムワインダー100の上部に位置されたゴデットローラ(図示せず)から下部の左、右方向にそれぞれ糸が供給される。このような糸は、トラバース部150のトラバースカム152及びトラバースガイド153によってガイドされ、上記トラバース部150の左、右側に設けられた各ボビンホルダー161にボビンに巻取される。すなわち、糸は、トラバース部150の左、右側に設けられたドラム160のうち相対的に上部に位置するボビンホルダー161に結合されたボビンに巻取される。このとき、上記トラバース部150は、上述のようにトラバースカム152の回転運動をトラバースガイド153が水平往復運動に変換することで、糸が水平方向に往復移動しながらボビンに供給される。
【0040】
また、このような巻取動作中にスライド部130は、ガイドレール120に沿って一番低い位置に下降する。よって、上記スライド部130に結合された摩擦部140及びトラバース部150も一番低い位置に下降する。更に、上記摩擦部140に設けられた摩擦ローラ141は、上記ボビンに巻取される糸に密着されて回転することで、上記ボビンに糸が細かく且つ堅く巻取されるようにする。図面ではトラバース部150のうちトラバースプレート151がドラム160に干渉されるように示されているが、実際にトラバースプレート151はスライド部130に密着された板形態であり、ドラム160は胴体110から一定距離離隔して設けられていることから相互間の干渉現象はない。
【0041】
引き継いで、糸がボビンに継続に巻取されば、上記ボビンに巻取される糸の巻取厚さがあらかじめ指定された厚さに到達して満巻状態になる。そうしたら、上記スライド部130はガイドレール120に沿って上部に一定距離上昇する。よって、上記スライド部130に結合された2つの摩擦部140及び1つのトラバース部150も上部に上昇する。このような状態になれば、上記ドラム160のそれぞれはほぼ180゜回転する準備をする。すなわち、上部に満ボビンが結合されたボビンホルダー161は下部に位置され、下部に空ボビンが結合されたボビンホルダー162は上部に位置される。
【0042】
添付された図6aないし図6dを参照して、より詳しく説明する。ここで、図面に示されたドラムは図2を基準として左側に設けられたものを例にする。
先ず、図6aに示すように垂直方向に立てられた形態のドラム160のうち上端に設けられたボビンホルダー161、すなわち、それに結合されたボビンに糸が満巻される。図面で、この状態をハッチングとして表示した。勿論、ドラム160のうち下端に設けられたボビンホルダー162には空ボビンが結合された状態である。また、図面符号T1はドラム160の移動軌跡を示したものであり、図面符号T2はドラム160に結合された被動プーリー175の移動軌跡を示したものである。
【0043】
図6bに示すように、先に下部のボビンホルダー162を中心に上部のボビンホルダー161がほぼ左側下部に移動する。
すなわち、図示されないモーター171が動作してチェーン173をほぼ反時計方向に回転させることで(図3参照)、上記ドラム160に結合された被動プーリー175がほぼ左側の下部に移動する。同時に、下部のボビンホルダー162は固定された状態で上部のボビンホルダー161のみが曲線型LMレール176に沿ってほぼ左側下部に移動する。
【0044】
引き継いで、図6cに示すように、ボビンホルダー161を中心にボビンホルダー162がほぼ右側の上部に移動する。
すなわち、図示されないモーター171が動作してチェーン173をほぼ反時計方向にさらに回転させることで(図3参照)、上記ドラム160に結合された被動プーリー175がほぼ上部に移動する。同時に、上部のボビンホルダー161は固定された状態で下部のボビンホルダー162のみが曲線型LMレール176に沿ってほぼ上部に移動する。
【0045】
最後に、図6dに示すように、ボビンホルダー162を中心にボビンホルダー161がほぼ右側下部に移動することで、下部にあったボビンホルダー162が上部に移動し、上部にあったボビンホルダー161は下部に移動する。
【0046】
すなわち、図示されないモーター171が動作してチェーン173をほぼ反時計方向にさらに回転させることで(図3参照)、上記ドラム160に結合された被動プーリー175がほぼ右側上部に移動する。同時に、上部のボビンホルダー161は固定された状態で下部のボビンホルダー162のみが曲線型LMレール176に沿ってほぼ下部右側に移動する。
【0047】
このようなドラム160の回転後には、再び上記ボビンホルダー162に結合された空ボビンに糸が供給されることで、糸の巻取が切られずに連続的に進行される。勿論、上記ボビンホルダー161に結合された満巻ボビンは、別途に図示してないボビン分離装置によってボビンホルダー161から分離される。
【0048】
以上、本発明に係る三角形状に動くツインドラムワインダーを実施するための1つの実施例として、本発明は、上述した特定の好適な実施例に限定されるものではなく、特許請求範囲から請求する本発明の基本概念に基づき、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、様々な実施変形が可能であり、そのような変形は本発明の特許請求範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】従来のワインダーを示した正面図である。
【図2】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーを示した正面図である。
【図3】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラム回転部の構成及び動作を示した概路図である。
【図4】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラムの円弧運動を可能にする曲線型LMレールを示した概略平面図である。
【図5a】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した平面図である。
【図5b】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した断面図である。
【図5c】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した側面図である。
【図5d】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した斜視図である。
【図6a−6d】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラムの運動状態を順次に示した概念図である。
【符号の説明】
【0050】
100…本発明による三角形状に動くツインドラムワインダー
110…胴体
120…ガイドレール
130…スライド部
140…摩擦部
141…摩擦ローラ
150…トラバース部
151…トラバースプレート
152…トラバースカム
153…トラバースガイド
160…ドラム
161、162…ボビンホルダー
170…ドラム回転部
171…モーター
172…駆動プーリー
173…チェーン
174…テンションプーリー
175…被動プーリー
176…曲線型LMレール
176a…第1曲面部
176b…第2曲面部
177…LMブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角形状に動くツインドラムワインダーに関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、従来ワインダーの正面図が示されている。
図1に示すように、従来の糸を巻取するワインダー100’(winder)は、各種構造物が付着される胴体110’と、上記胴体110’の前方に結合された一双のガイドレール120’(guide rail)と、上記ガイドレール120’に結合して昇降されるスライド部130’(slide member)と、上記スライド部130’の左側に結合された摩擦部140’(friction member)と、上記スライド部130’の右側に結合されたトラバース部150’(traverse member)と、上記スライド部130’の下端に設けられた円形ドラム160’(drum)と、上記円形ドラム160’の上部及び下部にそれぞれ設けられたボビンホルダー161'、162'(bobbin holder)からなる。勿論、上記ドラム160’の上部及び下部に設けられたボビンホルダー161'、162'にはそれぞれ複数のボビンが結合される。
【0003】
図面中未説明符号1'はボビンに巻取された糸であり、図面中未説明符号163'は円形ドラム160’の回転ピントである。
このような従来のワインダー100’は、上部に位置されたゴデットローラ(godet roller)(図示せず)から糸が供給される。引き継いで、上記ワインダー100’は上記糸がトラバース部150’を介して円形ドラム160’の上端に設けられた同時に高速回転するボビンホルダー170’、すなわち、それに結合されたボビンに供給されるようにすることで、上記ボビンに糸が巻取されるようにする。このとき、上記スライド部130’は、ガイドレール120’によって一定距離を下降することで、上記摩擦部140’が上記ボビンに巻取される糸を加圧するようになる。よって、上記ボビンに糸が堅く巻取される。
【0004】
以後、上記ワインダー100’は、上記ドラム160’の上端に設けられたボビンホルダー161’、すなわち、ボビンが満ボビンになれば、上記ドラム160’をほぼ180゜回転することで、満ボビンがドラム160’の下端に位置されて空ボビンがドラム160’の上端に位置されるようにする。つまり、上記ワインダー100’は上部にあったボビンホルダー161’が下部に位置されるようにし、下部にあったボビンホルダー162’が上部に位置されるようにする。
【0005】
一方、このようなワインダーは、糸の巻取効率を向上させるためにボビンホルダーの回転速度を増加させるか、またはより多いボビンを結合するためにボビンホルダーの長さを増加させる方向に発展している。しかし、上記のようにボビンホルダーの回転速度を一定速度以上にしたり、その長さを一定長さ以上にしたりすれば、糸の切れ及び震動現象がひどくなって巻取不良が発生する問題がある。よって、ボビンホルダーの回転速度を増加させたりボビンホルダーの長さを増加させたりするには限界がある。
【0006】
また、糸の巻取効率を向上させるためにワインダーの設置数を増加させる方法があるが、この場合にはそれほどワインダーが占める空間が大きくなり、また維持補修費用が増加して管理が難しくなる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、1つのトラバース部を利用して設置空間を大きく増加させずに巻取効率を2倍に増加させることができる三角形状に動くツインドラムワインダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために本発明は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーは、胴体と、上記胴体の前方に設けられた一双のガイドレールと、上記一双のガイドレールに結合されて昇降するスライド部と、上記スライド部の両側に設けられた一双の摩擦部と、上記スライド部の中央として上記摩擦部の間に設けられた1つのトラバース部と、上記胴体の前方として上記一双の摩擦部の下部に設けられ、上部及び下部にそれぞれボビンホルダーが設けられた一双のドラム及び上記ドラムを円弧運動させて上部のボビンホルダーが下部に位置されるようにし、下部のボビンホルダーが上部に位置されるようにするドラム回転部とを含む。
【0009】
上記摩擦部は、下端に上記トラバース部に向けて摩擦ローラがさらに設けられることを特徴とする。
上記トラバース部は、上記スライド部に結合されたトラバースプレートと、上記トラバースプレートに結合されてあらかじめ指定された方向に回転するトラバースカム及び上記トラバースカムの両側に結合されてトラバースカムの回転運動を水平往復運動に変換するトラバースガイドとを含むことができる。
【0010】
上記ドラム回転部は、上記胴体に設けられて回転される駆動プーリーを有するモーターと、上記モーターの駆動プーリーにチェーンで連結されたテンションプーリーと、上記モーターの駆動プーリー及び上記テンションプーリーに上記チェーンで連結されて上記ドラムの中央に結合された被動プーリー及び上記ドラムの上端と下端がそれぞれ結合されて上記ドラムが円弧運動をするようにする曲線型LMレールとを含むことができる。
【0011】
上記ドラムは、長さ方向の運動軌跡が三角形態であることができる。
上記ドラムに設けられた被動プーリーの運動軌跡は、三角形態であることができる。
上記曲線型LMレールは、第1曲率を有する3つの第1曲面部と、上記3つの第1曲面部の間に位置されて第2曲率を有する3つの第2曲面部からなり、上記それぞれの第1曲面部及び第2曲面部は両端が自身の曲率半径の原点を向けて60゜の角度に形成されることを特徴とする。
【0012】
上記曲線型LMレールの内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡を沿って正三角形の軌跡が形成され、上記正三角形の頂点から一番遠く位置された第1曲面部までの距離が第1曲面部の曲率半径になり、上記正三角形の頂点から一番近く位置された第2曲面部までの距離が第2曲面部の曲率半径になることができる。
【0013】
上記ドラムは、上端と下端にそれぞれLMブロックが設けられ、上記LMブロックが上記曲線型LMレールに結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーには、1つのトラバース部を中心に2つの摩擦部及び2つのドラムが設けられることで、従来に比べて糸巻取効率がほぼ2倍に増加する。
【0015】
また、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーは、単純に従来のワインダーを2つ結合した構造に比べて占める空間がより少なく、また用いられた部品数(例えば、トラバース部が1つのみ用いられた)を節減することができる。
【0016】
また、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーは、ドラムが円弧運動をする曲線型LMレールにLMブロックを介して結合されることで、ドラムの移動軌跡が最小化されることのみならず、2つのドラムが同時に回転するときに相互干渉せず、これによってワインダーの設置空間がより最小化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者が容易に実施できるように、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図2は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーの正面図である。
【0018】
図2に示すように、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダー100は、胴体110と、一双のガイドレール120と、1つのスライド部130と、一双の摩擦部140と、1つのトラバース部150と、一双のドラム160と、上記ドラム160を所定方向に回転させるドラム回転部170とを含む。
【0019】
上記胴体110は、各種構造物が設けられることと同時に、このような各種構造物が地面から安定的に位置されるようにする役割を有する。勿論、このような胴体110の内部には図示してないが、モーター、各種ギアー器具及び各種電気制御回路が設けられている。
【0020】
上記一双のガイドレール120は、上記胴体110の前方に設けられている。すなわち、上記一双のガイドレール120は、相互間所定距離が離隔された状態で垂直方向に設けられている。
【0021】
上記1つのスライド部130は、上記一双のガイドレール120に機械的に結合されている。よって、上記スライド部130は、上記一双のガイドレール120に沿って上、下方向に昇降することができる。
【0022】
上記一双の摩擦部140は、上記スライド部130の両側に設けられている。すなわち、上記一双の摩擦部140は、上記スライド部130の左、右側にそれぞれお互いに一定距離離隔して設けられている。また、上記一双の摩擦部140は、糸の巻取動作中にボビンに密着されて回転されることで、ボビンに糸が堅く巻取されるように摩擦ローラ141がさらに設けられている。このような摩擦ローラ141は、中央に設けられたトラバース部150に向ける。すなわち、トラバース部150を中心に左、右側にそれぞれ摩擦部140が設けられているが、このような摩擦部140に設けられた摩擦ローラ141は上記中央のトラバース部150に向ける。
【0023】
上記トラバース部150は、上記スライド部130の中央として上記2つの摩擦部140の間に設けられている。また、上記トラバース部150は、スライド部130に結合されたトラバースプレート151と、上記トラバースプレート151に結合された同時に所定方向に回転するトラバースカム152と、上記トラバースカム152の両側に結合されて上記トラバースカム152の回転運動を水平往復運動に変換するトラバースガイド153からなっている。すなわち、上記トラバースカム152の左、右側にそれぞれ設けられたトラバースガイド153は摩擦ローラ141に向ける。勿論、ゴデットローラ(図示せず)からの糸は上記トラバースガイド153によって所定方向に往復案内されることで、上記ボビンホルダー161に結合されたボビンに水平方向に巻取される。ここで、上記トラバースカム152とトラバースガイド153の結合構造は、既に当業者に周知されたので、これ以上の説明は省略する。
【0024】
上記一双のドラム160は、上記胴体110の前方として上記一双の摩擦部140の下部に設けられている。すなわち、上記ドラム160は摩擦部140のうち摩擦ローラ141の下端にそれぞれ設けられている。また、上記ドラム160は、水平方向より垂直方向に長さが長い形態をして上端と下端にそれぞれボビンホルダー161、162が設けられている。すなわち、上記ドラム160のうち上端に摩擦ローラ141と近接したボビンホルダー161が設けられ、上記ドラム160のうち下端にボビンホルダー162が設けられている。尚、このようなドラム160は、ボビンホルダー161に挟まれたボビンに糸が満巻されれば、ほぼ180゜回転されるようになっている。例えば、図2で、左側に設けられたドラム160は満巻時に反時計方向に180゜回転し、右側に設けられたドラムは満巻時に時計方向に180゜回転する。
【0025】
上記ドラム回転部170は、対向して設けられた2つのドラム160が相互間干渉されず最小空間を占めながら回転するようにする役割を有する。すなわち、上記ドラム回転部170は、被動プーリー175及び曲線型LMレール176などを含み、これは上部のボビンホルダー161が下部に位置されるようにし、また下部のボビンホルダー162が上部に位置されるようにする役割を有する。これによって上部のボビンホルダー161に結合された満ボビンが下部に位置され、下部のボビンホルダー162に結合されたゴングボビンが上部に位置される。図面中未説明符号T1は、長さ方向のドラム160に対する軌跡を示したものである。
【0026】
図3は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラム回転部の構成及び動作を示した概路図である。
図示されたように、ドラム回転部170はモーター171、駆動プーリー172、チェーン173、テンションプーリー174、被動プーリー175及び曲線型LMレール176を含む。
【0027】
上記モーター171は、通常の電動モーターであることができるが、このような種類で本発明が限定されるものではない。
上記駆動プーリー172は、上記モーター171の回転軸に結合されて所定方向に回転する。
【0028】
上記チェーン173は、上記駆動プーリー172に結合されて所定方向に移動する。勿論、このようなチェーン173の代わりに通常のベルト及びその等価物が利用できるが、ここでその種類が限定されるものではない。
【0029】
上記テンションプーリー174は、上記チェーン173に結合されて所定方向に回転し、これは上記被動プーリー175の位置によって上部及び下部方向に一定距離を動くことができるように設けられている。例えば、上記テンションプーリー174には、スプリングなどを設けてチェーン173に作用する張力によって上部及び下部方向に一定距離を動くことができる。このようなテンションプーリー174がチェーン173に作用する張力によって上部または下部方向に移動するようにする構成は、既に当業者に知られた通常の技術なので、その構成についてこれ以上の説明は省略する。
【0030】
上記被動プーリー175は、上記ドラム160のほぼ中央またはその近所に結合されている。すなわち、上記被動プーリー175は上部に設けられたボビンホルダー161と下部に設けられたボビンホルダー162との間のほぼ中間またはその近所である上記ドラム160に固定される。
【0031】
上記曲線型LMレール176は、以下でより詳細に説明するが、ほぼ三角の閉曲線形態を有する。尚、上記曲線型LMレール176は、それぞれの辺及びそれぞれの頂点が全部所定曲率半径を有して折曲された形態を有する。
【0032】
一方、上記曲線型LMレール176の内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡に沿って正三角形の軌跡(T1)が形成される。図3に示されたドラム回転部170は、トラバース部150を基準として左側に設けられたものとして、満巻時のドラム160はほぼ反時計方向に動く。勿論、トラバース部150を基準として右側に設けられたドラム160は満巻時にほぼ時計方向に動く。
【0033】
また、上記ドラム160の中央に設けられた被動プーリー175は、満巻時に三角の軌跡(T2)を描いて所定方向に動く。しかし、上記軌跡(T2)をなす三角形の各辺は所定曲率を有する。尚、図3に示された被動プーリー175は、トラバース部150を基準として左側に設けられたものとして、満巻時にほぼ時計方向に動く。勿論、トラバース部150を基準として右側に設けられた被動プーリー175は満巻時にほぼ反時計方向に移動する。このような曲線型LMレール176でのドラム160の移動状態は、以下でより詳しく説明する。
【0034】
図4は、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラムの円弧運動ができるようにする曲線型LMレールを示した概略平面図である。
図4に示すように、曲線型LMレール176は、第1曲率(R1)を有する3つの第1曲面部176aと、上記3つの第1曲面部176aの間に位置されて第2曲率(R2)を有する3つの第2曲面部176bからなり、上記それぞれの第1曲面部176a及び第2曲面部176bは両端が自身の曲率半径R1、R2の原点を向けて60゜の角度に形成されている。ここで、第1曲面部176aの曲率半径(R1)が2曲面部176bの曲率半径(R2)に比べて相対的にさらに大きい。すなわち、第1曲面部176aの長さが第2曲面部176bの長さより相対的に長い。
【0035】
また、上記曲線型LMレール176の内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡に沿って正三角形の軌跡T1が形成されるが、上記正三角形の頂点から一番遠く位置された第1曲面部176aまでの距離が第1曲面部176aの曲率半径R1になり、上記正三角形の頂点から一番近く位置された第2曲面部176bまでの距離が第2曲面部176bの曲率半径R2になる。このような構成によって、上記曲線型LMレール176は各頂点及び各辺が所定曲率を有するほぼ三角レール形態を有するようになる。
【0036】
図5aは、本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を市した平面図であり、図5bは断面図であり、図5cは側面図であり、図5dは斜視図である。
【0037】
図5aに示すように、曲線型LMレール176は所定半径を有して形成され、上記曲線型LMレール176にはLMブロック177が移動可能に結合される。勿論、上記LMブロック177は、上記曲線型LMレール176上に2つが結合され、その上部にそれぞれドラム160の上端と下端が結合される。つまり、ドラム160の上端と下端にそれぞれLMブロック177が結合され、このような2つのLMブロック177はまた1つの曲線型LMレール176に結合される。
【0038】
また、図5bないし図5dに示すように、曲線型LMレール176とLMブロック177との間には、複数のボール178が介在されていることで、上記LMブロック177は上記曲線型LMレール176に沿って柔らかく動くようになる。
【0039】
このような構成を有する三角形状に動くツインドラムワインダーの全般的な動作を説明する。
三角形状に動くツインドラムワインダー100の上部に位置されたゴデットローラ(図示せず)から下部の左、右方向にそれぞれ糸が供給される。このような糸は、トラバース部150のトラバースカム152及びトラバースガイド153によってガイドされ、上記トラバース部150の左、右側に設けられた各ボビンホルダー161にボビンに巻取される。すなわち、糸は、トラバース部150の左、右側に設けられたドラム160のうち相対的に上部に位置するボビンホルダー161に結合されたボビンに巻取される。このとき、上記トラバース部150は、上述のようにトラバースカム152の回転運動をトラバースガイド153が水平往復運動に変換することで、糸が水平方向に往復移動しながらボビンに供給される。
【0040】
また、このような巻取動作中にスライド部130は、ガイドレール120に沿って一番低い位置に下降する。よって、上記スライド部130に結合された摩擦部140及びトラバース部150も一番低い位置に下降する。更に、上記摩擦部140に設けられた摩擦ローラ141は、上記ボビンに巻取される糸に密着されて回転することで、上記ボビンに糸が細かく且つ堅く巻取されるようにする。図面ではトラバース部150のうちトラバースプレート151がドラム160に干渉されるように示されているが、実際にトラバースプレート151はスライド部130に密着された板形態であり、ドラム160は胴体110から一定距離離隔して設けられていることから相互間の干渉現象はない。
【0041】
引き継いで、糸がボビンに継続に巻取されば、上記ボビンに巻取される糸の巻取厚さがあらかじめ指定された厚さに到達して満巻状態になる。そうしたら、上記スライド部130はガイドレール120に沿って上部に一定距離上昇する。よって、上記スライド部130に結合された2つの摩擦部140及び1つのトラバース部150も上部に上昇する。このような状態になれば、上記ドラム160のそれぞれはほぼ180゜回転する準備をする。すなわち、上部に満ボビンが結合されたボビンホルダー161は下部に位置され、下部に空ボビンが結合されたボビンホルダー162は上部に位置される。
【0042】
添付された図6aないし図6dを参照して、より詳しく説明する。ここで、図面に示されたドラムは図2を基準として左側に設けられたものを例にする。
先ず、図6aに示すように垂直方向に立てられた形態のドラム160のうち上端に設けられたボビンホルダー161、すなわち、それに結合されたボビンに糸が満巻される。図面で、この状態をハッチングとして表示した。勿論、ドラム160のうち下端に設けられたボビンホルダー162には空ボビンが結合された状態である。また、図面符号T1はドラム160の移動軌跡を示したものであり、図面符号T2はドラム160に結合された被動プーリー175の移動軌跡を示したものである。
【0043】
図6bに示すように、先に下部のボビンホルダー162を中心に上部のボビンホルダー161がほぼ左側下部に移動する。
すなわち、図示されないモーター171が動作してチェーン173をほぼ反時計方向に回転させることで(図3参照)、上記ドラム160に結合された被動プーリー175がほぼ左側の下部に移動する。同時に、下部のボビンホルダー162は固定された状態で上部のボビンホルダー161のみが曲線型LMレール176に沿ってほぼ左側下部に移動する。
【0044】
引き継いで、図6cに示すように、ボビンホルダー161を中心にボビンホルダー162がほぼ右側の上部に移動する。
すなわち、図示されないモーター171が動作してチェーン173をほぼ反時計方向にさらに回転させることで(図3参照)、上記ドラム160に結合された被動プーリー175がほぼ上部に移動する。同時に、上部のボビンホルダー161は固定された状態で下部のボビンホルダー162のみが曲線型LMレール176に沿ってほぼ上部に移動する。
【0045】
最後に、図6dに示すように、ボビンホルダー162を中心にボビンホルダー161がほぼ右側下部に移動することで、下部にあったボビンホルダー162が上部に移動し、上部にあったボビンホルダー161は下部に移動する。
【0046】
すなわち、図示されないモーター171が動作してチェーン173をほぼ反時計方向にさらに回転させることで(図3参照)、上記ドラム160に結合された被動プーリー175がほぼ右側上部に移動する。同時に、上部のボビンホルダー161は固定された状態で下部のボビンホルダー162のみが曲線型LMレール176に沿ってほぼ下部右側に移動する。
【0047】
このようなドラム160の回転後には、再び上記ボビンホルダー162に結合された空ボビンに糸が供給されることで、糸の巻取が切られずに連続的に進行される。勿論、上記ボビンホルダー161に結合された満巻ボビンは、別途に図示してないボビン分離装置によってボビンホルダー161から分離される。
【0048】
以上、本発明に係る三角形状に動くツインドラムワインダーを実施するための1つの実施例として、本発明は、上述した特定の好適な実施例に限定されるものではなく、特許請求範囲から請求する本発明の基本概念に基づき、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、様々な実施変形が可能であり、そのような変形は本発明の特許請求範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】従来のワインダーを示した正面図である。
【図2】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーを示した正面図である。
【図3】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラム回転部の構成及び動作を示した概路図である。
【図4】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラムの円弧運動を可能にする曲線型LMレールを示した概略平面図である。
【図5a】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した平面図である。
【図5b】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した断面図である。
【図5c】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した側面図である。
【図5d】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズング曲線型LMレールとLMブロックの結合状態を示した斜視図である。
【図6a−6d】本発明による三角形状に動くツインドラムワインダーズングドラムの運動状態を順次に示した概念図である。
【符号の説明】
【0050】
100…本発明による三角形状に動くツインドラムワインダー
110…胴体
120…ガイドレール
130…スライド部
140…摩擦部
141…摩擦ローラ
150…トラバース部
151…トラバースプレート
152…トラバースカム
153…トラバースガイド
160…ドラム
161、162…ボビンホルダー
170…ドラム回転部
171…モーター
172…駆動プーリー
173…チェーン
174…テンションプーリー
175…被動プーリー
176…曲線型LMレール
176a…第1曲面部
176b…第2曲面部
177…LMブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、
前記胴体の前方に設けられた一双のガイドレールと、
前記一双のガイドレールに結合されて昇降するスライド部と、
前記スライド部の両側に設けられた一双の摩擦部と、
前記スライド部の中央として前記摩擦部の間に設けられた1つのトラバース部と、
前記胴体の前方として前記一双の摩擦部の下部に設けられ、上部及び下部にそれぞれボビンホルダーが設けられた一双のドラム及び、
前記ドラムを円弧運動させて上部のボビンホルダーが下部に位置されるようにし、下部のボビンホルダーが上部に位置されるようにするドラム回転部と、
を含んでなることを特徴とする三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項2】
前記摩擦部は、下端に前記トラバース部に向けて摩擦ローラがさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項3】
前記トラバース部は、前記スライド部に結合されたトラバースプレートと、
前記トラバースプレートに結合されてあらかじめ指定された方向に回転するトラバースカム及び、
前記トラバースカムの両側に結合されてトラバースカムの回転運動を水平往復運動に変換するトラバースガイドを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項4】
前記ドラム回転部は、前記胴体に設けられ、回転される駆動プーリーを有するモーターと、
前記モーターの駆動プーリーにチェーンで連結されたテンションプーリーと、
前記モーターの駆動プーリー及び前記テンションプーリーに前記チェーンで連結され、
前記ドラムの中央に結合された被動プーリー及び、
前記ドラムの上端と下端がそれぞれ結合され、前記ドラムが円弧運動をするようにする曲線型LMレールを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項5】
前記ドラムは、長さ方向の運動軌跡が三角形態であることを特徴とする請求項4に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項6】
前記ドラムに設けられた被動プーリーの運動軌跡は、三角形態であることを特徴とする三角形状に動く請求項4に記載のツインドラムワインダー。
【請求項7】
前記曲線型LMレールは、第1曲率を有する3つの第1曲面部と、前記3つの第1曲面部の間に位置されて第2曲率を有する3つの第2曲面部からなり、前記それぞれの第1曲面部及び第2曲面部は両端が自身の曲率半径の原点を向けて60゜の角度に形成されることを特徴とする請求項4に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項8】
前記曲線型LMレールの内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡に付いて正三角形の軌跡が形成され、前記正三角形の頂点から一番遠く位置された第1曲面部までの距離が第1曲面部の曲率半径になり、前記正三角形の頂点から一番近く位置された第2曲面部までの距離が第2曲面部の曲率半径になることを特徴とする三角形状に動く請求項7に記載のツインドラムワインダー。
【請求項9】
前記ドラムは、上端と下端にそれぞれLMブロックが設けられ、前記LMブロックが前記曲線型LMレールに結合されることを特徴とする請求項4に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項1】
胴体と、
前記胴体の前方に設けられた一双のガイドレールと、
前記一双のガイドレールに結合されて昇降するスライド部と、
前記スライド部の両側に設けられた一双の摩擦部と、
前記スライド部の中央として前記摩擦部の間に設けられた1つのトラバース部と、
前記胴体の前方として前記一双の摩擦部の下部に設けられ、上部及び下部にそれぞれボビンホルダーが設けられた一双のドラム及び、
前記ドラムを円弧運動させて上部のボビンホルダーが下部に位置されるようにし、下部のボビンホルダーが上部に位置されるようにするドラム回転部と、
を含んでなることを特徴とする三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項2】
前記摩擦部は、下端に前記トラバース部に向けて摩擦ローラがさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項3】
前記トラバース部は、前記スライド部に結合されたトラバースプレートと、
前記トラバースプレートに結合されてあらかじめ指定された方向に回転するトラバースカム及び、
前記トラバースカムの両側に結合されてトラバースカムの回転運動を水平往復運動に変換するトラバースガイドを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項4】
前記ドラム回転部は、前記胴体に設けられ、回転される駆動プーリーを有するモーターと、
前記モーターの駆動プーリーにチェーンで連結されたテンションプーリーと、
前記モーターの駆動プーリー及び前記テンションプーリーに前記チェーンで連結され、
前記ドラムの中央に結合された被動プーリー及び、
前記ドラムの上端と下端がそれぞれ結合され、前記ドラムが円弧運動をするようにする曲線型LMレールを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項5】
前記ドラムは、長さ方向の運動軌跡が三角形態であることを特徴とする請求項4に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項6】
前記ドラムに設けられた被動プーリーの運動軌跡は、三角形態であることを特徴とする三角形状に動く請求項4に記載のツインドラムワインダー。
【請求項7】
前記曲線型LMレールは、第1曲率を有する3つの第1曲面部と、前記3つの第1曲面部の間に位置されて第2曲率を有する3つの第2曲面部からなり、前記それぞれの第1曲面部及び第2曲面部は両端が自身の曲率半径の原点を向けて60゜の角度に形成されることを特徴とする請求項4に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【請求項8】
前記曲線型LMレールの内側には、ドラムの長さ方向が位置される軌跡に付いて正三角形の軌跡が形成され、前記正三角形の頂点から一番遠く位置された第1曲面部までの距離が第1曲面部の曲率半径になり、前記正三角形の頂点から一番近く位置された第2曲面部までの距離が第2曲面部の曲率半径になることを特徴とする三角形状に動く請求項7に記載のツインドラムワインダー。
【請求項9】
前記ドラムは、上端と下端にそれぞれLMブロックが設けられ、前記LMブロックが前記曲線型LMレールに結合されることを特徴とする請求項4に記載の三角形状に動くツインドラムワインダー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【公開番号】特開2009−126710(P2009−126710A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8352(P2008−8352)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(502323793)一津エイテク株式会社 (2)
【氏名又は名称原語表記】ILJIN A−TECH.,LTD.
【住所又は居所原語表記】756−1 Yochun−dong Nam−gu Ulsan−shi Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(502323793)一津エイテク株式会社 (2)
【氏名又は名称原語表記】ILJIN A−TECH.,LTD.
【住所又は居所原語表記】756−1 Yochun−dong Nam−gu Ulsan−shi Korea
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]