説明

上水道、下水道等の蓋構造。

【課題】道路等に設置された上水道の仕切弁保護カバー及び下水道の小型マンホール等で使用される蓋が、将来の道路面の嵩上げ、嵩下げにより必要となる蓋の高さ調整を専用の副資材を使用しないで容易に施工出来るようにすると共に、長年の使用により生ずる沈下、傾斜、横滑りが発生しにくい蓋構造にすることである。
【解決手段】蓋受枠庇の上下方向に合成樹脂製などの円筒外径よりも大きな内径を有するストレートの円筒を一体的に延長形成する、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付け可能とした円筒部材を形成するとともに、合成樹脂などの円筒と互いに重なり合うように設置し、延長形成した蓋受枠円筒下部先端は、底版中心部を貫通させ土中に差込む蓋構造とすることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道仕切弁、下水道小型マンホール等の操作又は点検のために設置される合成樹脂製などの円筒上部を保護する蓋構造。
【背景技術】
【0002】
従来の下水道小型マンホール及び水道仕切弁保護カバー(特許第3899226号で登録済である)に使用される蓋構造は、一般的には図13に示すように、合成樹脂製などの円筒1の廻りを必要な高さまで土砂で埋戻し、その地盤面2に底版3を設置し、その底版3上に蓋受枠4を覆い被せる様に設置し、蓋5を道路面6に合致させるが、将来道路面の嵩上げ嵩下げ時に必要となる蓋の高さ調整は、上げ下げに必要な厚さの副資材(ドーナツ形状の厚みのある板)を蓋受枠庇部7とそれに密着する底版凹部8の間に挿入又は撤去取替を行なうことで調整している。例えば、嵩上げを行なう場合、嵩上げに必要な厚さのリング板を用意する必要がある。又、一般的には1cmから3cm程度はリング板で高さ調整が可能であるがリング板厚以上の高さを調整する場合、新たに合成樹脂製などの円筒を同質の部材を用意し円筒上部9に継ぎ足す必要が生じるなどの不便がある。特開平08―291545号にもあるように蓋構造をネジ式にする事により微調整を行なう形式の構造も発明されているが、長年土中内に埋設されていることにより、ネジ部が雨水、地下水等の浸入により生じる錆や、微粒子の土砂くい込み等により調整に手間取るなどの問題が生じている。又、道路面6に作用した車輌の輪荷重は、道路面6から近い所に設置された底版3で受け持つ形態であることから、沈下、傾斜、横滑りが生じやすい構造となっている。
【特許文献1】特許第3899226号
【特許文献2】特開平08−291545号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、将来の道路面の嵩上げ、嵩下げにより必要となる蓋の高さ調整を、副資材を使用しないで容易に施工できる蓋構造を提供することと、設置された蓋が長年の使用による沈下、傾斜、横滑りが生じにくい構造にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、垂直に設置された合成樹脂製などの円筒(第一円筒管)上部と、それを保護する蓋受枠とが互いに重なり合い設置される蓋構造とすることである。すなわち蓋受枠に垂直に設置された合成樹脂製などの円筒外径より大きな内径を有する円筒(第二円筒部)を、上下方向もしくは下方向に延長形成、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込む等して取付け可能な、いわば、ハットを逆さにし、円筒部の底をくり抜いた形態をしたものを形成し、互いに重なり合うように設置するのである。又、蓋受枠の庇部分より上方向には、合成樹脂製などの円筒上部と重なり合う空間を有すれば良く、現在使用されている蓋受枠の庇より下方にのみ合成樹脂製などの円筒外径よりも大きな内径を有する円筒を延長形成、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付け可能な円筒部材を形成すれば良い。また、底版に同様の機能を有する円筒部を設けたものでも良い。すなわち、合成樹脂などの円筒上部と形成された円筒部が互いに重なり合い、荷重を受け持つ底版より下方に形成した円筒部を押込む形態にする事により、蓋全体の横ズレ防止効果及び高さ調整を容易にする事が可能となる。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において蓋受枠庇部下方に延長形成、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付け可能な円筒(第二円筒部)を形成し、その円筒先端が、荷重を受け持つ底版の中心部を貫通せしめ、土中に差込むようにして設置される蓋構造にする事である。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記請求項1乃至2記載の蓋構造において、蓋受枠庇部下方に延長形成した円筒(第二円筒部)の内径、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付け可能な円筒形態を形成したその円筒(第二円筒部)内径を、適切な箇所から下方向に漸次小さく形成すると共に、例えば、櫛の歯の様な排水の隙間を設けることである。
【0007】
請求項4記載の発明は、前記請求項1乃至3の蓋受枠に作用する荷重を受け持つ底版において、底版の中心部に前記記載の形成された円筒部(第二円筒部)先端が貫通する大きさの穴を設けることである。又、底版底面には、例えば波板形状の様な凹凸溝を同心円状に底版中心部から外周縁の方向に多数設け、地盤との接地面積を増加させる(沈下及び横ずれ抵抗を増加させる)ものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓋の高さ調整が副資材を使用しないで埋戻しの土砂だけで可能となり、施工性が向上し、経済効果も得られる。蓋受枠に延長形成された円筒(第二円筒部)先端、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付けられた庇部より下方の円筒(第二円筒部)先端が、底版中心部を貫通し土中に押込むように設置されることにより蓋自体の横ずれ防止に役立つと共に、底版底面に凹凸溝を設けることにより、接地面積が増加し安定性を向上させる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の具体的な課題(副資材を使用しないで高さ調整を簡単に行なう)を達成するための蓋構造は、蓋受枠に底版と接面する庇部の内側縁部分より上下方向もしくは下方向に、垂直に設置された合成樹脂製などの円筒管(第一円筒管)外径よりも少し大きな内径を有する同心の円筒部(第二円筒部)を一体的に延長形成、もしくは蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付け可能な形態で、合成樹脂製等の円筒管外径よりも大きな内径を有する同心円筒部(第二円筒部)を形成し、垂直に設置された合成樹脂製等の円筒管上部と形成した円筒部とが互いに重なり合う構造にすることである。さらに蓋受枠に作用する荷重を受け持つ底版の中心部に、上記記載の形成された円筒部先端が貫通することの出来るくり抜き部を設け、設置された状態では前記円筒先端部が底版を貫通し土中内にくい込むような構造形態にすることである。この様な構造形態にする方法として、底版自体を鋳鉄製などの、強度があり肉厚を薄く出来る材質を使用し、底版中心部に合成樹脂製等の円筒管上部外径より大きな内径を有する円筒部を一体的に形成しても良い。又、もう一つの課題(長年の使用で沈下、傾斜、横滑り等が生じない蓋構造にする。)を達成するため、底版底面に、前記記載のくり抜き部から外周縁方向に、例えば波板状の凹凸溝を同心円を描くように多数設けることが好ましい。地盤面と底版底面の凹凸部を密着させることが必要なことから、水を加えない砂とセメントとを混ぜた空練りモルタルを数センチ地盤面に敷き均した上に、底版底面をモルタル面に押し付け回転させるようにして設置するのが最良である。蓋部材(蓋、蓋受枠)については、鋳鉄もしくは、レジンコンクリートなどの強度のある材質で形成すれば良い。蓋受枠と底版との間に挟み込むなどして取付け可能な円筒部材は、鋳鉄の他、合成樹脂製でも良い。部材厚は補強用のリブを付ける事により薄くする事が可能で、蓋受枠に縦状に配したリブを取巻くように横方向のリブを形成することにより、設置時の取手の役目も備える事が出来る。底版に作用する力は、圧縮力として働く力が主であるから鋳鉄、レジンコンクリート、コンクリートさらには循環型社会の構築の一環としてプラスチック等のリサイクル品で形成されても良い。これらの部材、即ち蓋、蓋受枠、底版さらには土中内に垂直に設置される合成樹脂製などの円筒全ての部材が、完全な固着結合とすることは必ずしも必要とせず、結合部に偏荷重が集中して作用しない様に自由度を有する連結構造が好ましい。以下、これらの蓋構造に関し実施例1及び2、3、4において説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施例1は、図1乃至図5を参照して説明する。本実施例は、水道仕切弁保護カバー(第一円筒管)11との組合せを考慮した蓋構造であるが、図1の様に蓋受枠庇の内側縁部7aより上下方向に、合成樹脂製などの円筒(第一円筒管)1の外径よりも大きな内径を有するストレートの円筒(第二円筒部)12を一体的に延長形成する。図1の様に設置された合成樹脂製などの円筒1とそれを覆い被せるように設置される蓋受枠4形態において、互いに重なり合う範囲内で、蓋受枠4及び底版3を上下に移動させることにより高さ調整を可能にしたものである。その重なり合う部分の長さは、施工性、経済性を考えれば20cm程度あれば良い。図4のように蓋受枠庇の内側縁部7aより下方に一体的に延長形成した円筒12に櫛の歯状に欠損部13を設けるよう形成する。これは、蓋受枠4内に浸入する雨水や泥水又蓋裏面等に発生する結露を合成樹脂製などの円筒1外の土中に排水するための排水穴であり、この欠損部の形状は幅を狭くし縦方向に長くした櫛の歯状が良い。これは、水道仕切弁保護カバー11のように合成樹脂製などの円筒1上部に設置された固定ゴムカバー14の凸部15(図5)が、欠損部13に嵌り込まなくする必要があるからである。又、欠損部の縦方向の長さは、合成樹脂製などの円筒内部に雨水や泥水が浸入しない様に、前記円筒と延長形成した蓋受枠円筒との重なりが最も短い時、即ち蓋受枠を移動可能な最高位に持ち上げた時、合成樹脂製円筒と重なり合う部分とするのが良い。固定ゴムカバー14を取付けない場合などでは排水穴の形状にこだわる必要はない。さらに、蓋受枠庇の内側縁部7aより下方に延長形成した円筒12の下端部の内径を下方向に漸次小さくすることにより、将来蓋受枠4を持ち上げたときに、仕切弁保護カバー11の上端部に取付けられた固定ゴムカバーの凸部15が抵抗となり、高さ調整可能な範囲の目安となる。又、蓋部材(蓋、蓋受枠)については、鋳鉄、レジンコンクリート、強化プラスチックなどの強度のある材質で形成すれば良く、部材厚については図2に示すように補強用のリブをつける事により薄くする事が可能で、縦状に配したリブ16を取巻くように横方向のリブ17を形成することにより、設置時の取手の役目も備えることが出来る。蓋5に作用する荷重は蓋受枠4に伝達され、底版3でその荷重を受け持つことになるが、底版3の形状は図3に示すように円形でも良いし四角形などでも良いが、中心部に蓋受枠庇の内側縁部7a下方に延長形成された円筒12外径より大きい、必要最小限な円形のくり抜き部18を設け、材質に応じた必要とする強度を満足する厚みのある底版3を形成する。また、地盤面2と接する部分、即ち底版底面19には凹凸溝を形成し、接地面積の増加を図るのが好ましい。凹凸溝はどの様な形状でも良いが、例えば波板形状の様な凹凸又は、同じ直径の半円の凹部と凸部を交互に底版中心部から外周縁に向かって同心円を描くように形成するのが良い。底版の材質は、鋳鉄、レジンコンクリート、コンクリート、プラスチック、ポリプロピレン等で形成すれば良いが、材質に応じて形成可能な取手部を設けるのが好ましい。例えば、図5に示すように肉厚を薄く出来る材質(例えば鋳鉄等であるが。)では、肉厚全体を底面から上面方向に取手として利用可能な凸部25を設けるのが良い。コンクリートなど厚みを必要とする材質ならば、その外側縁部7b肉厚断面内に凹部26を設ければ良い。底版3を設置する時には、設置する箇所の地盤面2と底版底面19の凹凸溝とを密着させる必要があり、水を加えない砂とセメントを混ぜ合わせた空練りモルタルを数センチ地盤面2に敷き均した上で底版3をモルタル面に回転させながら押し付けるようにして設置するのが最良である。さらには、底版3と蓋受枠4との接合部は、単に置くだけの構造でも受枠の庇部下方に延長形成された円筒12が、底版中心部に設けた円形のくり抜き部18を貫通し、土中内に差し込むように設置される事から、底版3と蓋受枠4とは一体化する事になるが、図2の様に蓋受枠庇の外側縁部7bに数ヶ所の凸部20を設け、図3のように底版3にその凸部20と合致する凹部21を同数設ける事により、噛み合わせ部を回動自在に挿着できることが可能となる。底版に形成される凹部21は、使用する材質により肉厚内にその機能を持たせる、あるいは図3のように底版上面に突出した形態での凹部21を設けても良い。これらの凹凸形状はどの様な形状でも良いがゆとりのある凹凸関係を有し単純な形状なのが好ましい。又、図3に示すように肉厚全体を底面から上面方向に凸部25を形成し取手を設けるのが好ましい。これらの蓋構造は、下水道の小型マンホール他にも利用できる。
【実施例2】
【0011】
本発明の実施例2が図6乃至図9に示されている。本実施例の蓋構造は、現在利用されている蓋構造において、蓋受枠下部口径、即ち底版凹部8と密着せしめる蓋受枠庇の内側縁部7aの内径を、合成樹脂製などの円筒(第一円筒管)1の上部9外径よりも少し大きな内径になるまで、例えば、漏斗口の様に漸次下方に傾斜をつけながら口径を内側に縮小していき、必要最小限の口径に縮まった所から下方に垂直に円筒部(第二円筒部)12を一体的に延長形成するのが好ましい。蓋受枠庇の内側縁部7aより下方に伸びた円筒の内周面22と重なり合う合成樹脂製などの円筒の外周面23との隙間24を利用して、道路面6の傾斜に合わせて蓋5が設置出来るよう改良したものである。例えば、道路面6の傾斜に蓋5を合致させる必要がある場合、底版設置地盤面2を道路の傾斜に合致させる事により、蓋受枠庇の内側縁部7aより下方に延長形成した円筒内周面22と、重なり合う合成樹脂製などの円筒の外周面23との隙間24の範囲内で底版3即ち、蓋受枠4を傾斜させることが可能となる。又、蓋受枠庇の内側縁部7aより下方に延長形成した円筒部12には、図9に示すように縦方向に櫛の歯状に欠損部13を設けてある。荷重を受ける底版3は、図7乃至図8に示すように中心部に、蓋受枠庇の内側縁部7aより下方に延長形成した円筒部12が貫通せしめる大きさの円形くり抜きを部18設ければ良い。底版3との連結は、実施例1と同様でも良いが、図8乃至図9に示すように蓋受枠の庇部7の形状及び厚みに合致する底版凹部8を底版上面に設ける形態でも良く、底版外周縁の肉厚断面内に取手用の凹部26を形成するのが好ましい。これらの蓋構造は、下水道小型マンホール、水道仕切弁BOX等に利用できる。
【実施例3】
【0012】
本発明の実施例3は、図10を参照して説明する。本実施例は、水道仕切弁保護カバー(第一円筒管)11に蓋構造物を組合せた例であるが図10に示すように、現在一般的に使用されている蓋受枠4と実施例1及び2で説明した中心部にくり抜き部を設けた底版27との間に挟み込むようにして取付け可能な、いわばハットを逆にして円筒部先端の底を無くした形態で、垂直に設置された合成樹脂製等の円筒(第一円筒管)上部9外周径より少し大きな内周径を有する円筒部(第二円筒部)28と、その円筒上部に連続してハットの庇状の蓋受枠4と底版27との間に密着するような形状にした平板部29とを一体形成したものを取付けた事例である。垂直に設置された仕切弁保護カバー11の円筒廻りを必要な高さまで埋戻し、埋戻した表面を均一に整形し前記円筒28の外径よりも少し大きなくり抜き部を設けた底版27を円筒上部9を覆い被せるように設置した後、ハットを逆さにしたような形態の平板部29と円筒部28とを一体形成された円筒先端部32が前記底版27を貫通し土中内に差込み、円筒上部9と前記の一体形成された円筒部28とが、互いに重なり合うように設置する。この時、仕切弁保護カバー11上部に取付けられた固定ゴムカバーの凸部15が、下方に湾曲しながら前記の一体形成された円筒内周面をスライドし設置されることになり、設置された後は仕切弁保護カバー11とそれを保護する蓋とは一体感を持たせることが可能となる。又、合成樹脂製等の円筒上部9には土砂等の流入を防止する合成樹脂製、ポリエステル等の軟質な材質で形成されたキャップ30を取付けるのが望ましい。軟質な材質を利用することにより、点検時等キャップ30を蓋を開けて取り外す必要が生じた時にキャップ30を変形させて取り出し易くするためである。前記記載の平板部29と円筒部28とを一体形成された部材を取付ける方法としては、図10のように蓋5及び蓋受枠4の自重により押さえ付けられるような構造でも良いし、蓋受枠4、平板29と円筒部28とが一体形成されたもの、及び底版27とをボルトで固着させる構造でも良い。材質は鋳鉄、塩化ビニル、合成樹脂など作用する荷重に耐えうる強度を有する材質であれば良い。これらは、下水道の小型マンホール等にも利用できる。
【実施例4】
【0013】
本発明の実施例4は、図11を参照して説明する。本実施例は、下水道の小型マンホールに蓋構造物を組合せた事例である。蓋受枠に作用する荷重を受け持つ底版3を、図11に示すように垂直に設置された合成樹脂製などの円筒1(第一円筒管)外径より少し大きな内径を有する円筒(第二円筒部)31を、底版中心部から下方に一体的に延長形成した事例である。材質は鋳鉄製とするのが好ましいが、合成樹脂製等で形成する場合には、荷重を受ける平板部29と円筒部31との厚みに変化を持たせることで対応は可能である。すなわち、直接荷重を受ける平板部29を作用する荷重に耐えうる必要な肉厚を確保し、荷重の作用しない円筒部31は肉厚を薄くするなどである。この実施例は、現在各メーカーから市販されている底版に、底版中心部に下方向に必要な口径の円筒部を設けることにより可能となることから、形成上においても、経済性においても最良である。これらを設置する場合には、垂直に設置された合成樹脂製等の円筒1廻りを必要な高さまで土砂にて埋戻し、埋戻し表面を均一にした後、前記記載の一体形成された円筒部先端32から合成樹脂等の円筒上部9を覆いかぶせるようにして、設置された合成樹脂等の円筒上部9と、底版3と一体形成した円筒31とが互いに10cmから20cm程度重なるように設置すれば良い。円筒部31には、実施例1及び2で説明した機能を持たせるのが好ましい。また、土中内に差込み易くするため図11に示すように、円筒先端部32を尖らす形状にするのが最良である。例えば、将来高さ調整が必要となった場合、底版を撤去し必要な高さまで土砂等で埋戻した後、再度同様にして設置すれば副資材なく施工が完了する。合成樹脂製等の円筒上部9には土砂浸入防止用のキャップ30を取付けておくのが最良の形態である。これらは、上水道の仕切弁BOXなどにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1の全体の断面説明図である。
【図2】図1の蓋及び蓋受枠の平面図である。
【図3】図1の底版透視図である。
【図4】図1の蓋受枠の拡大側面図である。
【図5】図1の固定ゴムカバーの透視説明図である。
【図6】実施例2の全体の断面説明図である。
【図7】図6の底版の平面図である。
【図8】図6の底版の断面図である。
【図9】図6の蓋受枠の拡大側面図である。
【図10】実施例3の全体の断面説明図である。
【図11】実施例4の全体の断面図である。
【図12】図11の底版透視図である。
【図13】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 合成樹脂製などの円筒(第一円筒管)
2 地盤面
3 底版
4 蓋受枠
5 蓋
6 道路面
7 蓋受枠庇部
7a 蓋受枠庇の内側縁部
7b 蓋受枠庇の外側縁部
8 底版凹部
9 円筒上部
10 埋戻し土の表面
11 水道仕切弁保護カバー(第一円筒管)
12 蓋受枠庇の内側縁部より下方に延長形成した円筒(第二円筒部)
13 欠損部
14 固定ゴムカバー
15 固定ゴムカバーの凸部
16 縦状に配したリブ
17 横方向のリブ
18 底版の円形のくり抜き部
19 底版底面
20 蓋受枠庇の外側縁部の凸部
21 蓋受枠庇の外側縁部の凸部と合致する底版凹部
22 蓋受枠庇の内側縁部より下方に伸びた円筒(第二円筒部)の内周面
23 合成樹脂製などの円筒(第一円筒管)の外周面
24 蓋受枠庇の内側縁部より下方に延長形成した円筒(第二円筒部)の内周面と重なり合う合成樹脂製などの円筒(第一円筒管)の外周面との隙間
25 肉厚全体を底面から上面方向に形成した凸部
26 肉厚断面内に設けた凹部
27 中心部にくり抜き部を設けた底版
28 円筒(第一円筒管)上部9の外周径より少し大きな内周径を有する円筒(第二円筒部)
29 平板部
30 キャップ
31 円筒部(第二円筒部)
32 円筒部(第二円筒部)先端


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上水道の仕切弁BOX又は下水道の小型マンホール等で、地中に埋設される導管の点検や操作を行なうため、垂直に設置される合成樹脂製等の円筒管(第一円筒管)と、その円筒管上部を保護するために取付けられる蓋を有する受枠とその受枠を支持する底版との構造形態において、前記第一円筒管部を覆い被せることのできる第二円筒部を有する形態、すなわち第一円筒管部と第二円筒部とが互いに重なり合う部分を有する形態で且つ、設置時には前記底版よりも下方にその重なり合う部分を確保することを特徴とした蓋構造。
【請求項2】
第二円筒部下方先端が、蓋に作用する荷重を受け持つ前項記載の底版の中心部もしくは、その近辺を貫通し土中内に押え込むようにして設置されることを特徴とした請求項1記載の蓋構造。
【請求項3】
第二円筒部に、必要な箇所から内径を下方向に漸次小さく形成すると共に、蓋枠内に浸入する雨水や結露による水を排水するための排水機能を有することを特徴とした請求項1乃至2いずれか1項に記載の蓋構造。
【請求項4】
上水道の仕切弁BOX又は下水道の小型マンホール等で、地中に埋設される導管の点検や操作を行なうため、垂直に設置される合成樹脂製等の円筒管と、その円筒管上部(第一円筒管部)を保護するために取付けられる蓋を有する受枠とその受枠を支持する底版との構造形態において、前記底版は底版中心部に前記記載の第二円筒部を貫通せしめる開口部を有し、底版底面に凹凸などを形成して、沈下、滑動を軽減させる機能を持たせた蓋構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−274747(P2008−274747A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97300(P2008−97300)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(300080559)有限会社M&Kサービス (2)
【Fターム(参考)】