説明

上腕骨用釘

肩関節の上腕骨の上腕骨近位端に骨片を再び取り付ける方法および装置。方法は、上腕骨の骨髄管に上腕骨用釘(10)の遠位端部を差し込むステップを含む。第1の近位ネジ(26A)が骨片および上腕骨用釘の近位端部の第1の近位ボア(18A)に係合して、骨片を上腕骨近位端の方へ動かす。上腕骨用釘および取り付けられた骨片は、上腕骨の骨髄管に対して回転されて、骨片を解剖学的に最適な位置に位置決めする。骨片は好ましくは、上腕骨近位端の大結節または小結節の一方である。この方法および装置を使用して骨片を様々な他の関節に再び取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により援用される2008年5月7日出願の米国仮特許出願第61/051,320号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、上腕骨近位端骨折を固定する方法および装置に関する。特に、本発明は、上腕骨の骨折部位において結節を整復しかつ向きを整えるための上腕骨用釘に関する。
【背景技術】
【0003】
図1に示すように、上腕の上腕骨100は、肩部102において「球窩」関節の一部をなす。上腕骨近位端102は、大きくて丸みを帯びた上腕骨頭106を含み、上腕骨頭106は、上腕骨頚部108ならびに2つの隆起である大結節110および小結節112によって上腕骨幹116に接合している。
【0004】
上腕骨近位端骨折は上腕骨骨折のなかで最も一般的な骨折である。上腕骨近位端骨折は、腕をついて転び、上腕骨100に軸方向の負荷を生じさせて上腕骨頭106の骨折を引き起こした患者に見られることが多い。2部位の骨折では、上腕骨頭106または骨頭の一部分と上腕骨幹116との間を骨折する。よりひどい骨折では、上腕骨頭106と結節110、112の一方または双方との間も骨折する傾向を示す。図1に示すように、骨折が発生すると、結節110、112および上腕骨幹116に結合する筋肉104が上腕骨頭106、結節110、112、および上腕骨幹116を、図示の方向に、解剖学的に正しい位置から離すように引っ張る。
【0005】
図1に示すような複雑骨折を修復するために、別個の整復装置を使用して、上腕骨頭106、結節110、112、および上腕骨幹116の1つ以上を解剖学的に正しい位置に位置決めして保持する。本願明細書では、「整復(reduceまたはreduction)」は、骨片を解剖学的に最適な位置に位置決めすることを指す。
【0006】
次いで、上腕骨頭106、結節110、112、および上腕骨幹116を、外部固定、経皮的ピン止め、平板固定、髄内釘固定、肩部関節形成、その他などの従来の技術を使用して固定する。しかしながら、これらの方法は、より複雑な骨折の処置には、または疾病によって組織が弱まっているときにはあまり好適ではない。これらの場合には、外科手術による肩関節置換が必要とされることが多い。
【0007】
特許文献1(Huebnerら)には、上腕骨近位端骨折を固定するための上腕骨用釘の使用が開示されている。Huebnerは、細長い本体を有する細長い先細釘またはロッドを提供しており、その細長い本体は、上腕骨幹の近位部分内に固定し得る湾曲した先細軸部と、上腕骨頭片を固定し得るしっかりとした土台を提供するように、軸部から近位に延在する釘の隣接近位部分とを備える。近位部分は、骨片に取り付けられる締結具を収容するために、選択された角度に向けられた横穴を有する。しかしながら、Huebnerは、骨折を整復して固定中に骨片を保持するメカニズムは提供していない。同様に、Huebnerは、骨片でネジが正しい位置に配置されない場合に、上腕骨頭に対して骨片の位置を調整するメカニズムを提供していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,472,444号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、解剖学的に正しい位置への骨片の整復およびその保持の双方を行うために、上腕骨用釘を使用して上腕骨近位端骨折を修復するシステムおよび方法に関する。このシステムおよび方法は、上腕骨頭に対する骨片の位置を調整するために骨髄管内の上腕骨用釘の回転を制限する。
【0010】
好ましい実施形態では、処置は、整復装置を使用せずに完全に経皮的に行われる。肩関節全体を曝す必要はなく、皮膚の選択個所を小さく切開する。回旋筋腱板に対する損傷の危険性を最小限にして上腕骨用釘を経皮的に挿入できる。近位ネジの位置決めにより、上腕骨頭の関節面への干渉が制限される。好ましい実施形態では、上腕骨頭をその解剖学的位置に保持するためにネジを必要とすることはない。むしろ、上腕骨頭は関節窩によって内側に、回旋筋腱板の筋肉および結節によって腹側におよび背側に、および回旋筋腱板の筋肉によって上方に保持される。
【0011】
上腕骨用釘の対応するボアと係合するようにネジを位置決めするためには照準装置が必要である。一実施形態では、照準装置を上腕骨用釘に取り付ける。照準装置は、好ましくは放射線透過性材料で構成して、骨折を再構成して釘およびネジを配置するときに撮像できるようにする。別の実施形態では、照準装置は様々な撮像技術を伴う。本願明細書では、「撮像」はx線、MRI、CATスキャン、超音波、蛍光透視などを指す。本願明細書では、「照準装置」は機械的装置および撮像装置の双方を指す。
【0012】
上腕骨用釘を上腕骨の骨髄管に位置決めする。上腕骨用釘は好ましくは実質的に直線であり、骨髄管への挿入後に回転できるようにしてあり、かつ腱板の挿入によって釘を挿入する必要がないようにする。第1の近位ネジを使用して、上腕骨から破砕した大結節または小結節の一方を上腕骨用釘の方へ動かす。第1の近位ネジの遠位先端部は好ましくは実質的に上腕骨用釘を越えては前に出ない。それゆえ、上腕骨用釘に取り付けられた大結節または小結節の骨片および上腕骨用釘自体を、周辺の骨構造および軟組織を損傷させることなく回転させることができる。初めに大結節または小結節の骨片を第1の近位ネジによって動かした後、大結節または小結節の取り付けられた骨片を、上腕骨用釘と共に解剖学的に最適な位置まで回転させることによって整復する。
【0013】
本発明はまた、肩関節の上腕骨近位端から分離した骨片を再び取り付ける方法にも関する。この方法は、上腕骨の骨髄管に上腕骨用釘の遠位端部を差し込むステップを含む。第1の近位ネジが骨片および上腕骨用釘の近位端部の第1の近位ボアに係合して、骨片を上腕骨用釘に取り付ける。上腕骨用釘および取り付けられた骨片を、上腕骨の骨髄管に対して回転させて、骨片を解剖学的に最適な位置に位置決めする。骨片は好ましくは結節の一方である。
【0014】
上腕骨用釘は、第1の近位ネジの係合前に、骨片に対して任意に回転させて向きを決定する。上腕骨用釘に対して第1の近位ネジを配置するために、任意に照準装置を使用する。一実施形態では、照準装置は上腕骨用釘の近位端部に取り付けられる。
【0015】
第1の近位ネジを好ましくは、第1の近位ネジの遠位端部が実質的に上腕骨用釘を越えて延出しないように、第1の近位ボア内で前に進ませる。第2の近位ネジが上腕骨近位端および上腕骨用釘の近位端の第2の近位ボアに係合して、上腕骨用釘がさらに回転しないようにする。この全処置が好ましくは経皮的に行われる。上腕骨頭は好ましくは、ネジを使用せずに、結節によって横方向および下方に、肩関節の関節窩によって内側に、および肩関節の回旋筋腱板の腱によって上方に、腹側におよび背側に保持される。すなわち、上腕骨頭は、肩関節の解剖学的特徴を有して上腕骨近位端にのみ保持される。
【0016】
本発明はまた、上腕骨近位端に骨片を再び取り付ける方法に関する。この方法は、実質的に直線の上腕骨用釘の近位端部に照準装置を取り付けることを含む。上腕骨用釘の遠位端部を上腕骨の骨髄管に差し込む。照準装置を使用して、骨片を通して上腕骨近位端に、および上腕骨用釘の近位端部の第1の近位ボアに第1の近位ネジを配置する。第1の近位ネジを第1の近位ボアへ進めて上腕骨用釘に対して骨片を安定させ、かつ一部の実施形態では、骨片を上腕骨近位端と係合させる。第1の近位ネジの遠位端部は好ましくは、実質的に上腕骨用釘を越えて延出しない。次いで、上腕骨用釘は上腕骨の骨髄管内で回転するので、骨片が解剖学的に最適な位置に整復される。第2の近位ネジが上腕骨近位端および上腕骨用釘の近位端部の第2の近位ボアに係合して、上腕骨用釘がさらに回転しないようにする。
【0017】
一実施形態では、第1の近位ネジは従来の固定ネジよりも短いので、実質的に上腕骨用釘を越えて延出せず、取り付けられた骨片および上腕骨用釘の回転に干渉しない。すなわち、ネジは、皮質性の壁(cortical wall)から上腕骨用釘までの距離を横断するのに適切な長さである。別の実施形態では、第1の近位ネジを、上腕骨用釘の第1の近位ボアへ部分的にのみ進める。上腕骨用釘を回転させることによる解剖学的に最適な位置への骨片の整復後にのみ、第1の近位ネジの残りの長さを前に進ませる。
【0018】
次いで、照準装置を使用して、上腕骨頭の他の骨片を整復しかつ上腕骨用釘に保持するために、追加的なネジを配置する。照準装置はまた、好ましくは上腕骨用釘の遠位に配置されたボアにネジを配置するために使用される。一実施形態では、前腕を回転中立位置にした少なくとも1つの遠位ネジを供給する。照準装置は、上腕骨用釘に対して固定されるまたは回転可能である、任意の様々な構造とし得る。
【0019】
本発明の一実施形態は、近位端部および遠位端部を有する実質的に線形の細長シャフト、細長シャフトの遠位端部における遠位ボア、および細長シャフトの近位端部における複数の近位ボアを含む上腕骨用釘である。
【0020】
一部の実施形態では、中立軸は、上腕骨用釘の中心軸を含む前頭面と水平面との交線である。そのようなものとして、腕が回転中立位置にある場合、中立軸は前腕に対して実質的に垂直である。一部の実施形態では、中立軸に対して角度の付けられた近位ネジの位置を測定する。
【0021】
1つの近位ボアは任意に、中立位置とも称する中立軸に対して約30度〜約40度に位置決めされる。別の近位ボアが中立位置に対して約90度〜約100度に位置決めされる。さらに別の第3の近位ボアが中立位置に対して約50度〜約60度に位置決めされる。
【0022】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、ここでは、説明の特定の構成要素を指すために使用される。ここで説明する実施形態の様々な構成要素を、いくつもの異なる向きおよびいくつもの異なる順序で位置決めできるため、この用語は、説明のために使用し、限定として解釈されることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例示的な上腕骨近位端骨折の斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態による上腕骨用釘の斜視図である。
【図2B】本発明の別の実施形態による上腕骨用釘を示す、図2Aと同様の図である。
【図3】本発明の実施形態による、上腕骨に埋め込まれた上腕骨用釘の概略的な上面図である。
【図4A】本発明の実施形態による上腕骨用釘の近位端部の概略図である。
【図4B】本発明の実施形態による上腕骨用釘の第2の近位ボアの位置の図4Aの線A−Aを通る水平断面図である。
【図4C】本発明の実施形態による上腕骨用釘の第3の近位ボアの位置の図4Aの線B−Bを通る水平断面図である。
【図4D】本発明の実施形態による上腕骨用釘の第1の近位ボアの位置の図4Aの線C−Cを通る水平断面図である。
【図4E】本発明の実施形態による上腕骨用釘の第4の近位ボアの位置の図4Aの線D−Dを通る水平断面図である。
【図5】本発明の実施形態による複数の近位ネジの各角度のオフセットを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2A、図2B、図3、図4A〜図4Eおよび図5は上腕骨用釘10を示す。図3に示すように、この上腕骨用釘は、上述の図1に示す、患者の上腕骨100に埋め込んで、上腕骨近位端の大結節110および小結節112においてまたはそれらの近傍に骨折部Fを固定するためのものである。上腕骨用釘10は、近位部分14および遠位部分16を有する実質的に線形のシャフト12を含む。上腕骨用釘10は上腕骨100の上腕骨頭106を通して差し込まれ、上腕骨用釘10の遠位端部16を上腕骨幹116の骨髄管内に位置決めするように上腕骨幹116に延出する。
【0025】
図示の上腕骨用釘10は、患者の右上腕骨に埋め込まれるように設計されていることに留意されたい。患者の左上腕骨に埋め込まれる上腕骨用釘は、図に示す上腕骨用釘とは鏡像となる。
【0026】
好ましい実施形態では、肩関節全体を曝す必要はなく、皮膚の選択個所を小さく切開する。経皮的処置では様々な寸法が考慮されるが、好ましくは約3.81センチメートル未満、一層好ましくは約2.54センチメートル未満、最も好ましくは約1.27センチメートル未満切開する必要がある。回旋筋腱板に対する損傷を最小限にして上腕骨用釘10を経皮的に挿入できる。
【0027】
上腕骨近位端骨折を固定するために患者の腕に埋め込むものとしてまず上腕骨用釘10を説明したが、本方法および装置は、本発明の意図する範囲から逸脱することなく、患者の体の他の個所の骨折にも同様に適用される。例えば、上腕骨用釘10を、大腿骨近位または遠位端骨折、橈骨近位または遠位端骨折などを修復するために修正し得る。
【0028】
好ましい実施形態では、上腕骨用釘10は、回旋筋腱板広範囲断裂を修復するための装置と同様に機能し、かつ、上腕骨頭106を安定させるのではなく、骨折部Fを固定するために、大結節110および小結節112を再び取り付けることに基づいている。上腕骨用釘10は水平面に基づくので、上腕骨頭106の関節面106Aを通してネジを差し込むことなく骨折部Fを固定することができる。これは、1つには両結節110、112を整復することによって、および上腕骨頭106のための安定性の高いプラットフォームを設けることによって成し遂げられる。この方法論を使用することによって、上腕骨用釘10を、単純かつ再現性のある外科技術を使用して、水平面において多部位骨折(例えば、2部位、3部位、4部位など)を処置するように設計する。さらに、上腕骨用釘10を経皮的に、上腕骨頭106が結節110、112と交わる個所に差し込むことができ、外科手術の侵襲性を最小限にする。骨折部Fを、上腕骨用釘10の特定の高さおよび角度の仕様を使用して固定する。
【0029】
図2Aおよび図2Bは、本発明の2つの実施形態による上腕骨用釘10の斜視図を示す。図3は、上腕骨100に埋め込まれた上腕骨用釘10の概略的な上面図を示す。図2A、図2Bおよび図3を併せて説明する。
【0030】
上腕骨用釘10のシャフト12は実質的に線形であり、かつ上腕骨用釘10の長さにわたって延在する中心軸CAを有する。シャフト12が実質的に線形の形状であることによって、周辺の骨および軟組織を損傷させることなく、骨髄管内で上腕骨用釘10を回転させることができる。上腕骨用釘10の近位部分14は、第1の近位ボア18A、第2の近位ボア18B、第3の近位ボア18C、および任意選択的に第4の近位ボア18Dを含む。近位ボア18A〜18Dは、上腕骨用釘10の近位端部23から離間しており、かつ互いに特定の高さおよび角度をなして離間しており、上腕骨頭106で骨折部Fを固定できるようにしている。第3の近位ボア18Cを第2の近位ボア18Bの下側に位置決めし、第1の近位ボア18Aを第3の近位ボア18Cの下側に位置決めし、および第4の近位ボア18Dを第1の近位ボア18Aの下側に位置決めするが、それぞれの高さおよび間隔を様々に考慮する。
【0031】
一実施形態では、上腕骨用釘10を、ポリラクチドなどの生体再吸収性材料で形成するので、骨折部Fの治癒後に上腕骨用釘10を除去する必要がない。上腕骨用釘10を、任意に、細胞増殖および細胞移動を促進するために、ヒアルロン酸塩などの、骨内部成長に適したコーティングで、または抗生物質を含むセメントなどの殺菌性コーティングで被覆し得る。
【0032】
上腕骨用釘10はまた、第1の近位ボア18Aと係合可能な第1の近位ネジ26A、第2の近位ボア18Bと係合可能な第2の近位ネジ26B、第3の近位ボア18Cと係合可能な第3の近位ネジ26Cおよび第4の近位ボア18Dと係合可能な第4の近位ネジ26Dを含む。ネジ26A〜26Dの各々は頭部分および本体部分を含む。図示の実施形態では、頭部分の直径は、本体部分の直径よりも約2倍大きく、および頭部分は、本体部分に接続する実質的に平らな表面を有する。この設計によって、上腕骨100にかかる圧力をより均一に分散させる。近位ネジ26A〜26Dの各々の本体部分は、任意に、ネジ26A〜26Dの各々を各近位ボア18A〜18D内に維持するのを助けるように、ネジ切りされている。
【0033】
特に図3から分かるように、ネジ26A〜26Dの本体部分の長さを、患者の解剖学的構造に依存して変え得る。第1の近位ネジ26Aの本体部分は、骨折部Fの位置に依存して大結節110または小結節112に入り、かつ好ましくは、上腕骨用釘10に十分に挿入される場合に、第1の近位ネジ26Aの遠位端部28の本体部分が実質的に上腕骨用釘10を越えて延出しないような長さを有する。それゆえ、第1の近位ネジ26Aは大結節110または小結節112の骨片を上腕骨用釘10に固定するが、上腕骨用釘10の他方の側には延出しない。
【0034】
第1の近位ネジ26Aの遠位端部28が上腕骨用釘10を越えて延出する場合、上腕骨用釘10を上腕骨100内で回転させると本体部分が軟組織および骨に当たる。一般的に、第1の近位ネジ26Aの本体部分の長さは、大結節110または小結節112の皮質性の壁から上腕骨用釘10の中心軸CAまで延在するのに十分な長さである。一実施形態では、第1の近位ネジ26Aの長さは約25ミリメートル(mm)〜約40mmである。上腕骨用釘10は実質的に線形であり、および第1の近位ネジ26Aの本体部分は実質的に上腕骨用釘10を越えて延出しないので、追加的なネジ、例えば、近位ネジ26B〜26Dおよび遠位ネジ38、40を上腕骨用釘10に挿入する前に、大結節110または小結節112の骨片が取り付けられた上腕骨用釘10を骨髄管M内で回転させることができる。
【0035】
第2、第3および第4の近位ネジ26B〜26Dの本体部分の各々は、各ボア18B〜18Dを貫通して上腕骨用釘10の反対側まで至るのに十分な長さを有する。第2、第3および第4の近位ネジ26A〜26Dの本体部分の長さは可変とし得るが、一般的に第1の近位ネジ26Aよりも長い。
【0036】
第1の近位ネジ26Aおよび第2の近位ネジ26Bは、大結節110または小結節112の骨片を通して位置決めされ、および大結節110または小結節112の骨片を整復するように機能して骨折部Fをつなぎ合わせるようにする。同時に、上腕骨用釘10の近位端部23および第1、第2および第3の近位ネジ26A〜26Cは結節110、112を維持して骨折部Fを安定させる。
【0037】
一実施形態では、上腕骨用釘10の近位端部23ならびに第2の近位ネジ26Bおよび第3の近位ネジ26Cを、三角形構成に位置決めして、骨折部Fを次の三点:上腕骨用釘10の近位端部23、大結節110または小結節112の後部に位置決めされた第2の近位ネジ26B、および大結節110または小結節112の前部に位置決めされた第3の近位ネジ26Cで安定させるようにする。この構成では、骨折部Fは、第4の近位ネジ26Dを必要とすることなく、結節110、112によって横方向におよび下方に;関節窩によって内側に;および回旋筋腱板の腱によって上方に、腹側におよび背側に維持される。さらに、大結節110を通る第1の近位ネジ26Aと小結節112との間の角度が、大結節110または小結節112を整復し、かつ周辺の骨構造や軟組織に損傷を与えることなく上腕骨用釘10を回転させるのに十分な広さとなる。この角度はまた、上腕骨用釘10を上腕骨100に挿入するときに腱板の挿入を回避し、かつ大結節110および小結節112をそれぞれの中心でとらえるのに十分な広さとなる。
【0038】
第4の近位ネジ26Dは、上腕骨頭106を支持するように機能し、かつ上腕骨頭106を適所に固定する。上腕骨用釘10を、第4の近位ボア18Dおよび第4の近位ネジ26Dを含むものとして説明したが、第4の近位ボア18Dおよび第4のネジ26Dは、上腕骨用釘10が適切に機能するのには必要ではないため、オプションである。好ましい実施形態では、上腕骨頭106の固定にネジを使用しない。特に、上腕骨頭106は、結節110、112によって横方向におよび下方に、関節窩によって内側におよび回旋筋腱板の腱によって上方に、腹側におよび背側に保持される(図1参照)。
【0039】
図2Aおよび図2Bに戻ると、上腕骨用釘10の遠位部分16は、第1の遠位ボア34または34’と第2の遠位ボア36とを含む。図2Aの実施形態では、遠位ボア34および36は互いに離間しているが、同じ軸線に沿って存在している。図2Bの好ましい実施形態では、遠位ボア34’および36は同じ軸線に沿っていない。一部の実施形態では、中立軸Aは、水平面と、上腕骨用釘10の中心軸CAを含む前頭面との交線である。そのようなものとして、患者の腕が回転中立位置にあるとき、中立軸Aは前腕に対して実質的に垂直である。図2Aおよび図2Bの実施形態では、中立軸Aは、遠位ボア34および36の各々を通る軸と実質的に平行であり、かつ中心軸CAに対して実質的に垂直である一方、遠位ボア34’の軸は、背腹方向(後前方向)または腹背方向(前後方向)のいずれにおいても中立軸に対してゼロ度の角度にはない。好ましい実施形態では、遠位ボア軸の一方が好ましくは中立軸に対して平行である。遠位ボア軸は、垂直面において中心軸CAに対して角度が付けられている。別の好ましい実施形態では、遠位ボア軸は、垂直面において好ましくは中心軸CAに対して垂直である。上述したように、ネジ26A〜26Dの角度位置を中立軸Aに対して示す。
【0040】
第1の遠位ネジ38または38’は遠位ボア軸に沿って第1の遠位ボア34または34’と係合することができる。第2の遠位ネジ40は、遠位ボア軸に沿って第2の遠位ボア36と係合することができる。遠位ネジ38または38’と40とは、好ましくは、一方が固定され、他方が動かせるように設計される。第1の遠位ネジ38または38’と第2の遠位ネジ40とを図3Aおよび図3Bに点線で示すので、第1の遠位ボア34または34’と第2の遠位ボア36とが分かる。
【0041】
図4Aは、上腕骨用釘10の近位部分14の概略図を示し、図4B、図4C、図4D、図4E、および図5と併せて説明する。図4Bは、第2の近位ボア18Bの位置の図4Aの線A−Aを通る水平断面図を示し、図4Cは、第3の近位ボア18Cの位置の図4Aの線B−Bを通る水平断面図を示し、図4Dは、第1の近位ボア18Aの位置の図4Aの線C−Cを通る水平断面図を示し、および図4Eは、第4の近位ボア18Dの位置の図4Aの線D−Dを通る水平断面図を示す。上述のように、近位ボア18A〜18Dを、中立軸Aに対して特定の高さおよび角度に位置決めする。特定の高さおよび角度によって、上腕骨用釘10が、上腕骨幹116および周辺の軟組織を損傷することなく、上腕骨100の大結節110または小結節112をその解剖学的位置に戻すことができる。近位ボア18A〜18Dを、上腕骨用釘10の中立軸Aに対して内側または外側のいずれかで説明したように、背腹または腹背方向に位置決めする。近位ボア18A〜18Dを中立軸Aに対して内向きに位置決めする場合、近位ボア18A〜18Dを中立軸Aから第1の方向に配置する。近位ボア18A〜18Dを中立軸Aに対して外向きに位置決めする場合、近位ボア18A〜18Dは中立軸Aから第2の方向に配置される。
【0042】
図5に示す実施形態では、第2の近位ボア18Bを上腕骨用釘10の近位端部23から約7ミリメートル(mm)〜約11mmおよび中立軸Aに対して約30度および40度の角度で、特に上腕骨用釘10の近位端部23から約9mmおよび約35度の内側回転で配置する。一実施形態では、第3の近位ボア18Cを、上腕骨用釘10の近位端部23から約13mm〜約17mmおよび約90度〜100度の外側回転で、特に上腕骨用釘10の近位端部23から約15mmおよび約95度の外側回転で配置する。一実施形態では、第1の近位ボア18A上腕骨用釘10の近位端部23から約19mm〜約23mmおよび約50度〜60度の内側回転で、特に上腕骨用釘10の近位端部23から約21mmおよび約55度の内側回転で配置する。一実施形態では、第4の近位ボア18Dを上腕骨用釘10の近位端部23から約24mm〜約28mmおよび約25度〜35度の外側回転で、特に上腕骨用釘10の近位端部23から約26mmおよび約30度の外側回転で配置する。加えて、遠位ボア34’の軸は中立軸Aに対して15度〜25度外側に回転させた位置にある。
【0043】
一部の実施形態では、上述の角度によって、ネジの軸が結節だけでなく、結節上の回旋筋腱板の挿入部にもあるようにする。これは、そうでなければ保持されることなくネジが骨を貫通するような骨の弱い患者の場合にネジが骨にのみ挿入され、特に有用とし得る。あるいは、および本願明細書で説明する一部の実施形態によれば、ネジの角度のオフセットおよびネジの相対位置によって、ネジがより固い骨および筋肉自体によって保持されるような筋肉挿入位置における挿入が容易になる。
【0044】
上腕骨の骨折部位において結節110、112を整復しかつそれらの向きを整える方法を以下詳細に説明する。
【0045】
上腕骨用釘10を、上腕骨頭106を通って上腕骨100の骨髄管まで差し込む。上腕骨用釘10を、好ましくは関節面106Aからオフセットした、上腕骨頭106の領域に挿入する。一実施形態では、上腕骨用釘10を経皮的に、または小さく優れたトランスデルタ形進入路(small superior trans-deltoid approach)を使用して上腕骨100に差し込む。上腕骨用釘10は好ましくは実質的に直線であり、骨髄管への挿入後に回転できるようになっている。
【0046】
上腕骨用釘10を上腕骨100内に位置決めした後、照準装置を使用して、第1の近位ネジ26Aを大結節110または小結節112の一方におよび第1の近位ボア18A内に配置する。一実施形態では、照準装置を上腕骨用釘10に取り付ける。回転式照準装置を使用し得るが、照準装置を好ましくは上腕骨用釘の中心軸CAに対して固定する。一実施形態では、照準装置は、放射線透過性材料で作製されるので、外科医は骨折の再構成、上腕骨用釘10の位置ならびに近位ネジ26A〜26Dおよび遠位ネジ38、40の位置を見ることができる。別の実施形態では、上腕骨用釘を骨髄管に差し込んだ後で照準装置を上腕骨用釘に取り付ける。あるいは、照準装置は撮像装置である。
【0047】
第1の近位ネジ26Aを使用して、上腕骨近位端102に向かって、骨折した結節110、112の一方を動かす。第1の近位ネジ26Aの遠位先端部28(図3および図5参照)は、好ましくは実質的に上腕骨用釘10を越えては前に出ない。第1の近位ネジ26Aは、上腕骨頭106までではなく、上腕骨頭106の境界まで届くようにしたものである。
【0048】
次に、大結節110または小結節112の取り付けられた骨片を、上腕骨用釘10と共に回転させることによって解剖学的に最適な位置に整復する。上腕骨用釘10に取り付けられた大結節110または小結節112の骨片は、周辺の骨構造および軟組織を損傷させることなく、中心軸CAの周りを時計回りまたは反時計回りに回転させることができる。周辺の骨構造の状態に依存して、大結節110または小結節112の骨片および上腕骨用釘10を約ゼロ〜約20度、好ましくは約ゼロ〜約40度の間で回転させることができる。一実施形態では、大結節110または小結節112の骨片は、同時に、上腕骨近位端102に向かって動かされ、かつ解剖学的に最適な位置に向かって回転される。
【0049】
別の実施形態では、第1の近位ネジ26Aを、上腕骨用釘10の第1の近位ボア18へ部分的にのみ進める。上腕骨用釘10を回転させることによって解剖学的に最適な位置へ大結節110または小結節112の骨片を整復した後にのみ、第1の近位ネジ26Aのその残りの長さ分を前に進ませる。第1の近位ネジ26Aを上腕骨頭106まで進めたら、上腕骨用釘10をさらに回転させないようにされたい。十分に係合した位置にある場合でも、第1の近位ネジ26Aの遠位端部28は好ましくは関節面106Aの皮質骨には侵入しない。
【0050】
照準装置を使用して残りの近位ネジ26B〜26Dを上腕骨ボア18B、18C、18Cに差し込む。近位ネジ26A〜26Dが各近位ボア18A〜18Dによって固定されたら、照準装置を使用して、上腕骨用釘10の遠位部分14に第1の遠位ネジ38および第2の遠位ネジ40をそれぞれ第1の遠位ボア34および第2の遠位ボア36によって固定する。
【0051】
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の例示的な実施形態に様々な修正および追加をなすことができる。例えば、上記で凹状関節面について説明した実施形態は、特定の特徴について述べているが、本発明の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および説明された凹状関節面の特徴の全てを含まない実施形態も含む。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲内にあるそのような代替例、修正例、および変形例を、それらの全等価物と共に全て包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肩関節の上腕骨の上腕骨近位端から分離した骨片を再び取り付ける方法であって、
上腕骨の骨髄管に上腕骨用釘の遠位端部を差し込むステップ;
骨片と上腕骨用釘の近位端部での第1の近位ボアに第1の近位ネジを係合させ、取り付けられた骨片を釘へ固定するステップ;および
骨片を解剖学的に最適な位置に位置決めするように、上腕骨の骨髄管に対して上腕骨用釘と取り付けられた骨片を回転させるステップ;
を備えて構成される方法。
【請求項2】
さらに、第1の近位ネジの係合前に、骨片に対して上腕骨用釘を回転させて向きを決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、照準装置を使用して上腕骨用釘に対して第1の近位ネジを配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらに、上腕骨用釘の近位端部に照準装置を取り付けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、第1の近位ネジの遠位端部が実質的に上腕骨用釘を越えて延出しないように、第1の近位ネジを第1の近位ボア内で前に進ませるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、上腕骨近位端と上腕骨用釘の近位端部での第2の近位ボアに第2の近位ネジを係合させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上腕骨用釘と第1の近位ネジを経皮的に埋め込む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
さらに、上腕骨近位端と上腕骨用釘の近位端部での複数の近位ボアに複数の近位ネジを係合させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
さらに、上腕骨と上腕骨用釘の遠位端部での遠位ボアに少なくとも1つの遠位ネジを係合させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の近位ネジを係合させるステップが、第1の近位ネジを上腕骨近位端の大結節と係合させ、上腕骨近位端へ係合させ、および上腕骨用釘の近位端部での第1の近位ボアへ係合させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1の近位ネジを係合させるステップが、第1の近位ネジを上腕骨近位端の小結節と係合させ、上腕骨近位端へ係合させ、および上腕骨用釘の近位端部での第1の近位ボアへ係合させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、上腕骨近位端と上腕骨用釘の近位端部での近位ボアに別の近位ネジを係合させ、この別の近位ネジが中立軸に対して約30度〜約40度に配置されているステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
さらに、上腕骨近位端と上腕骨用釘の近位端部での近位ボアに別の近位ネジを係合させ、この別の近位ネジが中立軸に対して約90度〜約100度に配置されているステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1の近位ネジが中立軸に対して約50度〜約60度に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
上腕骨の骨髄管内で上腕骨用釘と取り付けられた骨片を回転させるステップが、第2の近位ネジを上腕骨用釘と係合させる前に、上腕骨用釘と取り付けられた骨片を約ゼロ度〜約40度回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
上腕骨近位端の上腕骨頭が、関節窩によって正中線近くに、回旋筋腱板の筋肉と結節によって腹側におよび背側に、ならびに上腕骨用釘によって上方に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
上腕骨近位端の上腕骨頭が、肩関節の解剖学的特徴のみによって上腕骨近位端に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
上腕骨用釘が実質的に線形のシャフトを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
近位ネジの角度的なオフセットと相対位置によって、ネジが実質的に固い骨や筋肉に保持される筋肉挿入位置でネジを挿入することが容易になる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
近位部分(14)、遠位部分(16)、および中心軸(CA)を有し、かつ中心軸に対して中立軸(A)を規定するように構成された実質的に線形の細長シャフト(12);
遠位ボア軸を有する、細長シャフトの遠位部分における少なくとも1つの遠位ボア(34、34’、36);
背腹方向において中立軸に対して約50度〜約60度に位置決めされた、細長シャフトの近位部分における第1の近位ボア(18A);
背腹方向において中立軸に対して約30度〜約40度に位置決めされた、細長シャフトの近位部分における第2の近位ボア(18B);
腹背方向において中立軸に対して約90度〜約100度に位置決めされた、細長シャフトの近位部分における第3の近位ボア(18C);
第1の遠位ボアと係合する第1の遠位ネジ(38、38’、40);
第1の近位ボアと係合する第1の近位ネジ(26A);
第2の近位ボアと係合する第2の近位ネジ(26B);および
第3の近位ボアと係合する第3の近位ネジ(26C)
を含み、
第1の近位ネジの長さが第2および第3の近位ネジの長さよりも短い、上腕骨用釘(10)。
【請求項21】
第2の近位ボア(18B)と第3の近位ボア(18C)の双方とも、細長シャフト(12)に沿って第1の近位ボア(18A)の片側に位置決めされる、請求項20に記載の上腕骨用釘。
【請求項22】
さらに、細長シャフト(12)の近位部分(14)に腹背方向において中立軸(A)に対して約20〜約40度で位置決めされた第4の近位ボア(18D)を備える、請求項20または21に記載の上腕骨用釘。
【請求項23】
第2の近位ボア(18B)と第3の近位ボア(18C)の双方とも、細長シャフト(12)に沿って第1の近位ボア(18A)の片側に位置決めされる一方、第4の近位ボア(18D)が第1の近位ボアの反対側に位置決めされる、請求項22に記載の上腕骨用釘。
【請求項24】
さらに、第4の近位ボア(18D)と係合する第4の近位ネジ(26D)を備え、第1の近位ネジ(26A)の長さが第4の近位ネジの長さよりも短い、請求項22または23に記載の上腕骨用釘。
【請求項25】
少なくとも1つの遠位ボア(34、36)の遠位ボア軸が、中立軸(A)に対して実質的に平行である、請求項20〜24のいずれか一項に記載の上腕骨用釘。
【請求項26】
少なくとも1つの遠位ボア(34’)の遠位ボア軸が、腹背方向において中立軸(A)に対して約15度〜約25度の角度にある、請求項20〜25のいずれか一項に記載の上腕骨用釘。
【請求項27】
細長シャフト(12)の遠位部分(16)に少なくとも2つの遠位ボア(34、36;34’、36)が設けられる、請求項20〜26のいずれか一項に記載の上腕骨用釘。
【請求項28】
第1の近位ネジ(26A)、第2の近位ネジ(26B)、第3の近位ネジ(26C)および第4の近位ネジ(26D)の少なくとも1つが、頭部分と本体部分を含み、頭部分の直径は本体部分の直径の約2倍で、さらに、頭部分は、本体部分に接続する実質的に平らな表面を有する、請求項20〜27のいずれか一項に記載の上腕骨用釘。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−519658(P2011−519658A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508047(P2011−508047)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053468
【国際公開番号】WO2009/136386
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510294036)
【Fターム(参考)】