説明

下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着

【課題】内転筋をはじめとする下半身の筋肉の活動量を増大させることのできる運動補助着を提供する。
【解決手段】ボトム1には、脚が前に出された状態において同脚を外側に開く外転方向への力を同脚に付与する前出脚外転生地30が設けられている。また、脚が後ろに出された状態において同脚を内側に閉じる内転方向への力を同脚に付与する後出脚内転生地50が設けられている。ボトム1の着用者が歩行するとき、前出脚外転生地30に生じる張力により外転方向への力が脚に付与される。また、後出脚内転生地50に生じる張力により内転方向への力が脚に付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、脚を内側に向けて締め付けることにより、すなわち脚に対して内転方向への力を常に付与することにより、O脚を改善するボトムが記載されている。このボトムを着用した着用者においては、右半身または左半身のそれぞれに対応して設けられた緊締力の強い生地により内転筋の活動が補助されるため、O脚が改善されることを期待することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再公表特許2004/096105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の段落[0007]には、同文献のボトムを着用することにより内転筋が鍛えられる旨が記載されている。しかし、特許文献1のボトムは上記のとおり内転筋の動作を補助するものであるため、同ボトムを着用することにより内転筋を積極的に活動させることができるとは考えにくい。
【0005】
一方、内転筋は日常の動作では鍛えられにくい筋肉の1つに含まれるため、その筋力を増大させるためには、内転筋の鍛錬に適した運動を継続することが必要になる。しかし、そのような運動を継続することには大きな負担がともなうため、日常の動作により内転筋をはじめとする下半身の筋肉の活動量を増大させることができる運動補助着が求められている。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内転筋をはじめとする下半身の筋肉の活動量を増大させることのできる運動補助着を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための手段を以下に記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、脚が前に出された状態において同脚を外側に開く外転方向への力を同脚に付与する前出脚外転部が設けられていること、前記脚が後ろに出された状態において同脚を内側に閉じる内転方向への力を同脚に付与する後出脚内転部が設けられていること、前記前出脚外転部に生じる張力により前記外転方向への力が前記脚に付与されること、ならびに、前記後出脚内転部に生じる張力により前記内転方向への力が前記脚に付与されることを要旨としている。
【0008】
上記発明によれば、脚が前に出された状態において同脚に外転方向への力を付与する前出脚外転部が設けられているため、着用者が脚を前に出したときには、外転方向の力が前出脚外転部から脚に付与されることにより同脚が外転方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で脚が外転方向に動作しようとする。このため、着用者は外転方向に動作しようとする脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、外転方向への力に抗する力を脚に生じさせるために内転筋を動作させる。
【0009】
脚が後に出された状態において同脚に内転方向への力を付与する後出脚内転部が設けられているため、着用者が脚を後ろに出したときには、内転方向の力が後出脚内転部から脚に付与されることにより同脚が内転方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で脚が内転方向に動作しようとする。このため、着用者は内転方向に動作しようとする脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、内転方向への力に抗する力を脚に生じさせるために外転筋(主に大臀筋)を動作させる。
【0010】
このように、上記発明によれば、前出脚外転部および後出脚内転部のそれぞれの働きにより、内転筋および大臀筋をはじめとする下半身の筋肉の活動量を増大させることのできる運動補助着を提供することができる。
【0011】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、大腿の背面から前面までにわたり前記前出脚外転部が設けられていること、ならびに、前記前出脚外転部とは異なる位置において大腿の背面から前面までにわたり前記後出脚内転部が設けられていることを要旨としている。
【0012】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、大腿の背面において臀部付近に対応する位置を第1外転位置とし、大腿の側面に対応する位置かつ同第1外転位置よりも下方の位置を第2外転位置とし、大腿の前面に対応する位置かつ同第2外転位置よりも下方の位置を第3外転位置として、前記第1外転位置から前記第2外転位置を経由して前記第3外転位置までにわたり前記前出脚外転部が設けられていることを要旨としている。
【0013】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、大腿の背面において臀部付近に対応する位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第1内転位置とし、大腿の側面に対応する位置かつ同第1内転位置よりも下方の位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第2内転位置とし、大腿の前面に対応する位置かつ同第2内転位置よりも下方の位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第3内転位置として、前記第1内転位置から前記第2内転位置を経由して前記第3内転位置までにわたり前記後出脚内転部が設けられていることを要旨としている。
【0014】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項3を引用する請求項4に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記第1内転位置が前記第1外転位置よりも内股側の位置であること、前記第2内転位置が前記第2外転位置よりも下方の位置であること、ならびに、前記第3内転位置が前記第3外転位置よりも下方の位置であることを要旨としている。
【0015】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項3、または請求項3を引用する請求項4、または請求項5に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、下腿に対応する位置を第4外転位置として、前記第1外転位置から前記第2外転位置および前記第3外転位置を経由して前記第4外転位置までにわたり前記前出脚外転部が設けられていることを要旨としている。
【0016】
上記発明では、第3外転位置から第4外転位置までに対応する部分を含めて前出脚外転部が構成されているため、前出脚外転部に同部分が含まれない場合と比較して、前出脚外転部から脚に付与される外転方向の力がより大きくなる。
【0017】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項3、または請求項3を引用する請求項4、または請求項5、または請求項6に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、ウエストと対応する位置を第5外転位置として、この第5外転位置から前記第1外転位置および前記第2外転位置を経由して前記第3外転位置までにわたり前記前出脚外転部が設けられていることを要旨としている。
【0018】
上記発明では、第5外転位置から第1外転位置までに対応する部分を含めて前出脚外転部が構成されているため、前出脚外転部に同部分が含まれない場合と比較して、前出脚外転部から脚に付与される外転方向の力がより大きくなる。
【0019】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項4、または請求項5、または請求項4を引用する請求項6、または請求項5を引用する請求項6、または請求項4を引用する請求項7、または請求項5を引用する請求項7、または請求項4を引用する請求項6を引用する請求項7に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、ウエストと対応する位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第4内転位置として、この第4内転位置から前記第1内転位置および前記第2内転位置を経由して前記第3内転位置までにわたり前記後出脚内転部が設けられていることを要旨としている。
【0020】
上記発明では、第4内転位置から第1内転位置までに対応する部分を含めて後出脚内転部が構成されているため、後出脚内転部に同部分が含まれない場合と比較して、後出脚内転部から脚に付与される内転方向の力がより大きくなる。
【0021】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記脚が前に出された状態において前記後出脚内転部により前記外転方向への力が同脚に付与されることを要旨としている。
【0022】
上記構成によれば、脚が前に出された状態において外転方向への力が後出脚内転部から脚に付与されるため、脚が前に出された状態において前出脚外転部から脚に付与される外転方向の力が後出脚内転部により低減されることが抑制される。
【0023】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記脚が後ろに出された状態において前記前出脚外転部から同脚に付与される前記外転方向への力が「0」となることを要旨としている。
【0024】
脚が後ろに出された状態において運動補助着から脚に付与される内転方向の力の大きさは、主に後出脚内転部から脚に付与される内転方向の力と前出脚外転部から脚に付与される外転方向の力との差により定められる。
【0025】
上記発明によれば、脚が後ろに出された状態において前出脚外転部から同脚に付与される外転方向への力が「0」となるため、同力が「0」よりも大きい場合と比較して、脚が後ろに出された状態において脚に付与される内転方向の力が大きくなる。このため、内転方向の力を脚に付与することにより外転筋の活動量を増大させる効果が高められる。
【0026】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記脚が前に出された状態において同脚を外側に旋回させる外旋方向への力を同脚に付与する前出脚外旋部が設けられていること、ならびに、前記前出脚外旋部に生じる張力により前記外旋方向への力が前記脚に付与されることを要旨としている。
【0027】
上記発明によれば、脚が前に出された状態において同脚に外旋方向への力を付与する前出脚外旋部が設けられているため、着用者が脚を前に出したときには、外旋方向の力が前出脚外旋部から脚に付与されることにより同脚が外旋方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で脚が外旋方向に動作しようとする。このため、着用者は外旋方向に動作しようとする脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、外旋方向への力に抗する力を脚に生じさせるために内旋筋を動作させる。このように、上記発明によれば、内旋筋の活動量を増大させることができる運動補助着を提供することができる。
【0028】
(12)請求項12に記載の発明は、請求項11に記載される下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、内股に対応する位置を第1外旋位置とし、大腿の背面に対応する位置を第2外旋位置として、前記第1外旋位置から前記第2外旋位置までにわたり前記前出脚外旋部が設けられていること、ならびに、前記前出脚外旋部と前記前出脚外転部とが互いに連結されていることを要旨としている。
【0029】
(13)請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、この運動補助着がボトムとして形成されていること、前記前出脚外転部および前記後出脚内転部に縫い合わせられる基礎部が設けられていること、ならびに、前記前出脚外転部および前記後出脚内転部が前記基礎部よりも緊締力の強い生地で構成されていることを要旨としている。
【0030】
(14)請求項14に記載の発明は、請求項11を引用する請求項13、または請求項12を引用する請求項13に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記前出脚外転部よりも緊締力が弱い生地を含めて前記前出脚外旋部が構成されていることを要旨としている。
【0031】
上記発明によれば、前出脚外旋部を構成する生地の少なくとも一部の緊締力が前出脚外転部の生地の緊締力よりも小さい。このため、前出脚外旋部を構成する生地の全てについて、その緊締力が前出脚外転部の生地の緊締力と同じ場合と比較して、着用者が運動補助着を着用したときに着用者に付与される締め付け感を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、内転筋をはじめとする下半身の筋肉の活動量を増大させることのできる運動補助着を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態の運動補助着について、その正面構造を示す正面図。
【図2】同実施形態の運動補助着について、その背面構造を示す背面図。
【図3】同実施形態の運動補助着について、その機能を模式的に示す作用図。
【図4】同実施形態の運動補助着について、その機能を模式的に示す作用図。
【図5】本発明のその他の実施形態としての運動補助着について、その正面構造を示す正面図。
【図6】同実施形態の運動補助着について、その背面構造を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態では、人体に密着するインナーウェアとして本発明の運動補助着を具体化した一例を示している。なお、図1および図2においては、ボトム1を構成する各生地同士の縫い目を実線で示している。また、生地の裏側に設けられた別の生地を破線で示している。
【0035】
ここで、身体の部位について以下のように用語を定義する。
・「前方」は、身体の背面から前面に向かう方向を示す。
・「後方」は、身体の前面から背面に向かう方向を示す。
・「上方」は、足から頭に向かう方向を示す。
・「下方」は、頭から足に向かう方向を示す。
・「左方」は、右半身から左半身に向かう方向を示す。
・「右方」は、左半身から右半身に向かう方向を示す。
・「内側」は、左右方向においての身体の中心側を示す。
・「外側」は、左右方向においての身体の中心側とは反対側を示す。
・「脇腹」は、腹部のうちの外側に対応する部分を示す。
・「下腹部」は、腹部のうちのウエストよりも下方の部分を示す。
・「臀部」は、体幹の背面においての骨盤およびその付近の部分を示す。
・「膝部」は、下肢においての膝関節およびその付近の部分を示す。
・「内股」は、大腿の内側の側面の部分を示す。
・「外股」は、大腿の外側の側面の部分を示す。
・「下腿」は、下肢においての膝関節よりも下方の部分を示す。
・「脛」は、下腿のうちの前面の部分を示す。
・「脹脛」は、下腿のうちの背面の部分を示す。
【0036】
また、脚の動作について以下のように用語を定義する。
・「外転」は、外側に開く方向への脚の動作を示す。
・「内転」は、内側に閉じる方向への脚の動作を示す。
・「外旋」は、前面が外側に向けて旋回する脚の動作を示す。
・「内旋」は、前面が内側に向けて旋回する脚の動作を示す。
・「遊脚期」は、歩行周期において足が地面から離れている期間を示す。
・「立脚期」は、歩行周期において足が地面に接触している期間を示す。
【0037】
また、下肢の動作に関わる筋肉について以下のように用語を定義する。
・「内転筋」は、下肢の内転に関わる筋肉を示す。
・「外転筋」は、下肢の外転に関わる筋肉を示す。
・「内旋筋」は、下肢の内旋に関わる筋肉を示す。
【0038】
また、下肢の状態について以下のように用語を定義する。
・「右脚接地状態」は、立脚期の右脚の状態を示す。
・「左脚接地状態」は、立脚期の左脚の状態を示す。
・「右脚直立状態」は、右脚接触状態において膝関節が伸びている右脚の状態を示す。
・「左脚直立状態」は、左脚接触状態において膝関節が伸びている左脚の状態を示す。
・「右脚離間状態」は、遊脚期の右脚の状態を示す。
・「左脚離間状態」は、遊脚期の左脚の状態を示す。
・「右脚後方離間状態」は、右脚離間状態において右脚が後方側にある状態を示す。
・「右脚前方離間状態」は、右脚離間状態において右脚が前方側にある状態を示す。
・「左脚後方離間状態」は、左脚離間状態において左脚が後方側にある状態を示す。
・「左脚前方離間状態」は、左脚離間状態において左脚が前方側にある状態を示す。
【0039】
また、脚に付与される力について以下のように用語を定義する。
・「外転力」は、脚を外転させる力を示す。
・「内転力」は、脚を内転させる力を示す。
・「外旋力」は、脚を外旋させる力を示す。
【0040】
図1および図2を参照して、ボトム1の構成について説明する。
ボトム1には、ボトム右11とボトム左12とウエスト部13と股布14と裾15とが設けられている。ボトム右11およびボトム左12は、右半身と左半身との境界に対応する部分において互いに縫い合わせられている。
【0041】
ボトム右11は、右半身においてウエストから右脚の下腿までを覆う部分として設けられている。ボトム左12は、左半身においてウエストから左脚の下腿までを覆う部分として設けられている。ウエスト部13は、ウエストの周囲を覆う部分として設けられている。股布14は、股間を覆う部分として設けられている。裾15は、下腿に対応して設けられている。
【0042】
ボトム右11およびボトム左12は、基礎生地20と前出脚外転生地30と前出脚外旋生地40と後出脚内転生地50とにより構成されている。これらの各生地は、隣り合う部分が互いに縫い合わせられている。
【0043】
基礎生地20は、身体の各部分を覆う一般的な生地として設けられている。また、ボトム右11およびボトム左12のそれぞれにおいては、基礎生地20を構成する生地として、下腹部基礎生地21と脇腹基礎生地22と臀部基礎生地23と大腿基礎生地24と膝基礎生地25と膝下基礎生地26とが設けられている。
【0044】
下腹部基礎生地21は、下腹部および大腿の前面の股関節付近の部分に対応している。また脇腹基礎生地22は、脇腹に対応している。また臀部基礎生地23は、臀部に対応している。また大腿基礎生地24は、大腿の背面かつ臀部の下方の部分に対応している。また膝基礎生地25は、膝部の前面および下腿背面の内側の部分に対応している。
【0045】
ボトム右11の前出脚外転生地30は、右脚が前に出された状態において右脚に外転力を付与する部分として設けられている。ボトム左12の前出脚外転生地30は、左脚が前に出された状態において左脚に外転力を付与する部分として設けられている。また、ボトム右11およびボトム左12のそれぞれにおいては、前出脚外転生地30を構成する生地として、大腿前出脚外転生地31と下腿前出脚外転生地32と臀部前出脚外転生地33とが設けられている。
【0046】
前出脚外転生地30においては、臀部前出脚外転生地33の下縁と大腿前出脚外転生地31の上縁とが互いに縫い合わせられている。また、大腿前出脚外転生地31の下縁と下腿前出脚外転生地32の上縁とが互いに縫い合わせられている。また、前出脚外転生地30とこれに隣り合う各生地とは、前出脚外転生地30の張力が「0」になるように互いに縫い合わせられている。
【0047】
ボトム右11の前出脚外旋生地40は、右脚が前に出された状態において右脚に外旋力を付与する部分として設けられている。ボトム左12の前出脚外旋生地40は、左脚が前に出された状態において左脚に外旋力を付与する部分として設けられている。また、ボトム右11およびボトム左12のそれぞれにおいては、前出脚外旋生地40を構成する生地として、内側前出脚外旋生地41と外側前出脚外旋生地42と背面支持生地43とが設けられている。
【0048】
前出脚外旋生地40においては、内側前出脚外旋生地41の右端と背面支持生地43の左端とが互いに縫い合わせられている。また、背面支持生地43の左端と外側前出脚外旋生地42の右端とが互いに縫い合わせられている。
【0049】
ボトム右11の後出脚内転生地50は、右脚が後ろに出された状態において右脚に内転力を付与する部分として設けられている。ボトム左12の後出脚内転生地50は、左脚が後ろに出された状態において左脚に内転力を付与する部分として設けられている。また、ボトム右11およびボトム左12のそれぞれにおいては、後出脚内転生地50を構成する生地として、大腿後出脚内転生地51と臀部後出脚内転生地52とが設けられている。
【0050】
後出脚内転生地50においては、臀部後出脚内転生地52の下端と大腿後出脚内転生地51の上端とが互いに縫い合わせられている。また、後出脚内転生地50の長辺の部分とこれに隣り合う別の生地とは、大腿の背面の外側から内側に向かう張力(以下、「基礎張力」)が後出脚内転生地50に常に生じるように互いに縫い合わせられている。すなわち、後出脚内転生地50に隣り合う生地が縮れさせられた状態でに縫い付けられている。
【0051】
ボトム右11およびボトム左12は、緊締力の強さが互いに異なる3種類の生地により構成されている。すなわち、緊締力が最も大きい強緊締力生地、緊締力が最も小さい弱緊締力生地、および緊締力が強緊締力生地と弱緊締力生地との間の大きさとなる中緊締力生地により構成されている。
【0052】
基礎生地20の各生地すなわち、下腹部基礎生地21、脇腹基礎生地22、臀部基礎生地23、大腿基礎生地24、膝基礎生地25、および膝下基礎生地26は、弱緊締力生地により構成されている。基礎生地20の弱緊締力生地としては、一般の下着に用いられる生地と同程度の伸縮性を有するものが用いられている。
【0053】
前出脚外転生地30の各生地すなわち、大腿前出脚外転生地31、下腿前出脚外転生地32、および臀部前出脚外転生地33は、強緊締力生地により構成されている。前出脚外転生地30の強緊締力生地としては、展開された状態において長手方向の伸縮性よりも短手方向の伸縮性が小さい帯状の生地が用いられている。
【0054】
前出脚外旋生地40の内側前出脚外旋生地41および外側前出脚外旋生地42は、中緊締力生地により構成されている。前出脚外旋生地40の背面支持生地43は、強緊締力生地により構成されている。背面支持生地43の強緊締力生地としては、前出脚外転生地30の強緊締力生地と同じものが用いられている。
【0055】
後出脚内転生地50の各生地すなわち、大腿後出脚内転生地51および臀部後出脚内転生地52は、強緊締力生地により構成されている。後出脚内転生地50の強緊締力生地としては、前出脚外転生地30の強緊締力生地と同じものが用いられている。
【0056】
ボトム1においてのボトム右11およびボトム左12以外の各部分は、それぞれ次のように構成されている。すなわち、ウエスト部13は、平ゴムにより構成されている。また、股布14は、2種類の生地すなわち、弱緊締力生地と伸縮性の小さい生地とが重ね合わせられることにより構成されている。また、裾15は、膝基礎生地25および下腿前出脚外転生地32により構成されている。また、裾15の裏側には、弱緊締力生地、中緊締力生地および強緊締力生地よりも摩擦の大きなテープが縫い付けられている。
【0057】
各生地30,40,50と身体の部位との対応について説明する。
ここで、右半身および左半身においての各所定の位置を以下のように定義する。
・「外転位置EA」は、臀部においてのウエスト付近かつ側面付近の位置を示す。
・「外転位置EB」は、大腿の背面においての股関節付近の位置を示す。
・「外転位置EC」は、大腿の外股においての上方の位置を示す。
・「外転位置ED」は、大腿の前面においての左右方向中央付近の位置を示す。
・「外転位置EE」は、大腿の内股においての下方の位置を示す。
・「外転位置EF」は、膝部の背面においての左右方向中央の位置を示す。
・「外転位置EG」は、下腿の側面においての上方の位置を示す。
・「外転位置EH」は、脛においての左右方向中央付近の位置を示す。
・「外旋位置XA」は、大腿の前面においての左右方向中央の位置を示す。
・「外旋位置XB」は、大腿の内股においての上下方向の上方の位置を示す。
・「外旋位置XC」は、大腿の背面においての左右方向中央付近の位置を示す。
・「外旋位置XD」は、大腿の外股においての膝部の上方の位置を示す。
・「外旋位置XE」は、膝部の前面においての左右方向中央よりも外側の位置を示す。
・「内転位置NA」は、臀部においてのウエスト付近かつ内側付近の位置を示す。
・「内転位置NB」は、大腿の背面においての股関節付近かつ内股付近の位置を示す。
・「内転位置NC」は、大腿の背面においての上方かつ左右方向中央付近の位置を示す。
・「内転位置ND」は、大腿の外股においての上方の位置を示す。
・「内転位置NE」は、大腿の前面においての左右方向中央付近の位置を示す。
【0058】
なお、外転位置EAは、第5外転位置に相当する。また、外転位置EBは、第1外転位置に相当する。また、外転位置ECは、第2外転位置に相当する。また、外転位置EDは、第3外転位置に相当する。また、外転位置EGおよび外転位置EHは、第4外転位置に相当する。また、外旋位置XBは、第1外旋位置に相当する。また、外旋位置XCは、第2外旋位置に相当する。また、内転位置NAは、第4内転位置に相当する。また、内転位置NBは、第1内転位置に相当する。また、内転位置NDは、第2内転位置に相当する。また、内転位置NEは、第3内転位置に相当する。
【0059】
上記各位置の相対的な関係を以下に示す。
・各外転位置は、上下方向において外転位置EA〜EHの順に下方の位置となる。
・各外旋位置は、上下方向において外旋位置XA〜XEの順に下方の位置となる。
・各内転位置は、上下方向において内転位置NA〜NEの順に下方の位置となる。
・内転位置NAは、外転位置EAよりも内側の位置となる。
・内転位置NBは、左右方向において外転位置EBよりも内側の位置となる。
・内転位置NCは、上下方向において外転位置EBよりも下方の位置となる。
・内転位置NDは、上下方向において外転位置ECよりも下方の位置となる。
・外旋位置XAは、上下方向において外転位置EDよりも上方の位置となる。
・外旋位置XBは、上下方向において内転位置NBよりも下方の位置となる。
・外旋位置XBは、上下方向において外転位置EEよりも上方の位置となる。
・外旋位置XCは、上下方向において内転位置NCよりも下方の位置となる。
・外旋位置XCは、上下方向において外転位置EFよりも上方の位置となる。
・外旋位置XDは、上下方向において内転位置NDよりも下方の位置となる。
・外旋位置XDは、上下方向において外転位置EGよりも上方の位置となる。
【0060】
前出脚外転生地30は、外転位置EAから外転位置EHまでを順に通過する帯状の生地として構成されている。また、前出脚外転生地30のうちの外転位置EBから外転位置EHまでに対応する部分は、下肢に巻きつく螺旋状の部分として構成されている。
【0061】
臀部前出脚外転生地33は、ウエスト付近の部分、および臀部のうちの側面付近の部分に対応している。また大腿前出脚外転生地31は、大腿の背面においての股関節付近の部分、外股、大腿の前面、内股、および膝部背面の左右方向の中央よりも内側の部分に対応している。また下腿前出脚外転生地32は、膝部背面の左右方向の中央よりも外側の部分、脹脛の中央よりも外側の部分、下腿の外側の側面、および脛に対応している。
【0062】
大腿前出脚外転生地31は、互いに重ね合わせられた同じ種類の生地、すなわち表側生地31Aおよび裏側生地31Bにより構成されている。表側生地31Aと裏側生地31Bとは、大腿の背面においての股関節付近の部分、および大腿の前面において互いに縫い合わせられている。
【0063】
表側生地31Aは、大腿の背面においての股関節付近の部分、外股、大腿の前面、内股、および膝部背面の左右方向の中央よりも内側の部分に対応している。また裏側生地31Bは、大腿の背面においての股関節付近の部分、外股、大腿の前面に対応している。
【0064】
前出脚外旋生地40は、外旋位置XAから外旋位置XEまでを順に通過する生地として構成されている。また、前出脚外旋生地40の外旋位置XAから外旋位置XEまでに対応する部分は、下肢に巻きつく螺旋状の部分として構成されている。
【0065】
内側前出脚外旋生地41は、大腿の前面の中央よりも内側の部分、内股、および大腿の背面においての中央よりも内側の部分に対応している。また背面支持生地43は、大腿の背面の左右方向の中央、膝部背面の左右方向の中央、および脹脛の左右方向の中央に対応している。また外側前出脚外旋生地42は、大腿の背面においての中央よりも外側の部分、外股、および大腿の前面においての中央よりも外側の部分に対応している。
【0066】
後出脚内転生地50は、内転位置NAから内転位置NEまでを順に通過する帯状の生地として構成されている。また、後出脚内転生地50のうちの内転位置NBから内転位置NEまでに対応する部分は、下肢に巻きつく螺旋状の部分として構成されている。
【0067】
臀部後出脚内転生地52は、ウエスト付近の部分、および臀部の内側の部分に対応している。また大腿後出脚内転生地51は、大腿の背面においての股関節付近かつ内股付近の部分、大腿の背面、外股、および大腿の前面においての左右方向の中央よりも外側の部分に対応している。
【0068】
前出脚外転生地30と後出脚内転生地50との相対的な位置関係について説明する。
後出脚内転生地50において、内転位置NBから内転位置NDまでに対応する部分は、前出脚外転生地30の外転位置EBから外転位置EDまでに対応する部分の下方に設けられている。また、内転位置NDから内転位置NEまでに対応する部分の上縁は、前出脚外転生地30の外転位置ECからEDまでに対応する部分の下縁に縫い付けられている。
【0069】
前出脚外旋生地40において、背面に対応する部分かつ外旋位置XBから外旋位置XDまでに対応する部分は、後出脚内転生地50と前出脚外転生地30との間に設けられている。また、前出脚外旋生地40の外旋位置XBから外旋位置XEまでに対応する部分の上縁は、後出脚内転生地50の内転位置NBから内転位置NEまでに対応する部分の下縁に縫い付けられている。また、前出脚外旋生地40の外旋位置XAから外旋位置XDまでに対応する部分の下縁は、前出脚外転生地30の外転位置EDから外転位置EGまでに対応する部分の上縁に縫い付けられている。
【0070】
図3を参照して、後出脚内転生地50の機能について説明する。なお、同図においては、右脚の動作にともない同脚に付与される内転力を示している。左脚については、右脚の動作に準じた態様で内転力が付与されるため、左脚に付与される内転力の図示は省略している。
【0071】
右脚後方離間状態においては、以下のように右脚の外転筋が使用される。
後出脚内転生地50には、右脚接地状態および右脚離間状態の双方において、図中の矢印PNで示される基礎張力が生じている。このため、上記の各状態において、右脚には後出脚内転生地50の基礎張力により内転力が付与されている。なお、前出脚外転生地30は、右脚後方離間状態において外転力が「0」となるように構成されているため、右脚後方離間状態において後出脚内転生地50の基礎張力による内転力が前出脚外転生地30の外転力により低減されることはない。
【0072】
一方、右脚接地状態においては、基礎張力に基づく内転力が右脚を内転させようとする力よりも、右足と地面との摩擦により生じる抵抗の方が大きいため、着用者が同内転力に抗する力を右脚に生じさせなくとも右脚の内転が抑制される。すなわち、右脚接地状態においては、着用者が右脚の内転筋を働かせなくとも内転が抑制される。
【0073】
他方、右脚後方離間状態においては、右足と地面との摩擦力が生じなくなるため、基礎張力に基づく右脚の内転力により右脚が内転方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で右脚が内転方向に動作しようとする。このため、着用者は内転方向に動作しようとする右脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、内転力に抗する力を右脚に生じさせるために外転筋(主に大臀筋)を動作させる。
【0074】
左脚後方離間状態においては、以下のように左脚の外転筋が使用される。
後出脚内転生地50には、左脚接地状態および左脚離間状態の双方において、基礎張力が生じている。このため、上記の各状態において、左脚には後出脚内転生地50の基礎張力により内転力が付与されている。なお、前出脚外転生地30は、左脚後方離間状態において外転力が「0」となるように構成されているため、左脚後方離間状態において後出脚内転生地50の基礎張力による内転力が前出脚外転生地30の外転力により低減されることはない。
【0075】
一方、左脚接地状態においては、基礎張力に基づく内転力が左脚を内転させようとする力よりも、左足と地面との摩擦により生じる抵抗の方が大きいため、着用者が同内転力に抗する力を左脚に生じさせなくとも左脚の内転が抑制される。すなわち、左脚接地状態においては、着用者が左脚の内転筋を働かせなくとも内転が抑制される。
【0076】
他方、左脚後方離間状態においては、左足と地面との摩擦力が生じなくなるため、基礎張力に基づく左脚の内転力により左脚が内転方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で左脚が内転方向に動作しようとする。このため、着用者は内転方向に動作しようとする左脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、内転力に抗する力を左脚に生じさせるために外転筋(主に大臀筋)を動作させる。
【0077】
図4を参照して、前出脚外転生地30の機能について説明する。なお、同図においては、右脚の動作にともない同脚に付与される外転力を示している。左脚については、右脚の動作に準じた態様で外転力が付与されるため、左脚に付与される外転力の図示は省略している。
【0078】
右脚前方離間状態においては、以下のように右脚の内転筋および内旋筋が使用される。
右脚直立状態においての前出脚外転生地30に対応する部分の体表面の長さと、右脚前方離間状態においての前出脚外転生地30に対応する部分の体表面の長さとを比較したとき、前者よりも後者の方が長い。すなわち、右脚前方離間状態においては右脚直立状態よりも前出脚外転生地30および後出脚内転生地50が伸びた状態にある。また、前出脚外転生地30が伸長することにともない、前出脚外旋生地40が内側から外側に向けて伸びた状態にある。
【0079】
このため、前出脚外転生地30が伸長した状態から伸長する前の状態に戻ろうとすることにより、前出脚外転生地30には図中の矢印PEで示されるように張力が生じる。そして、前出脚外転生地30にこのように張力が生じることにともない、図中の矢印REで示されるように前出脚外転生地30から右脚に外転力が付与される。
【0080】
また、後出脚内転生地50が伸長した状態から伸長する前の状態に戻ろうとすることにより、後出脚内転生地50には図中のPNで示されるように張力が生じる。そして、後出脚内転生地50にこのように張力が生じることにともない、図中の矢印REで示されるように後出脚内転生地50から右脚に外転力が付与される。
【0081】
また、前出脚外旋生地40が伸長した状態から伸長する前の状態に戻ろうとすることにより、前出脚外旋生地40には図中の矢印PXで示されるように張力が生じる。そして、前出脚外旋生地40にこのように張力が生じることにともない、図中の矢印RXで示されるように前出脚外旋生地40から右脚に外旋力が付与される。なお、この外旋力は、外旋位置XEから右脚の背面を介して外旋位置XAに向けて作用する力となる。
【0082】
右脚前方離間状態においては、上記のとおり前出脚外転生地30、後出脚内転生地50、および前出脚外旋生地40の各生地から外転力および外旋力が右脚に付与されるため、右脚が外転方向および外旋方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で右脚が外転方向および外旋方向に動作しようとする。このため、着用者は外転方向および外旋方向に動作しようとする右脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、外転力に抗する力を右脚に生じさせるために内転筋を動作させる。また、外旋力に抗する力を右脚に生じさせるために内旋筋を動作させる。
【0083】
左脚前方離間状態においては、以下のように左脚の内転筋および内旋筋が使用される。
左脚直立状態においての前出脚外転生地30に対応する部分の体表面の長さと、左脚前方離間状態においての前出脚外転生地30に対応する部分の体表面の長さとを比較したとき、前者よりも後者の方が長い。すなわち、左脚前方離間状態においては左脚直立状態よりも前出脚外転生地30および後出脚内転生地50が伸びた状態にある。また、前出脚外転生地30が伸長することにともない、前出脚外旋生地40が内側から外側に向けて伸びた状態にある。
【0084】
このため、前出脚外転生地30が伸長した状態から伸長する前の状態に戻ろうとすることにより、前出脚外転生地30には張力が生じる。そして、前出脚外転生地30にこのように張力が生じることにともない、前出脚外転生地30から左脚に外転力が付与される。
【0085】
また、後出脚内転生地50が伸長した状態から伸長する前の状態に戻ろうとすることにより、後出脚内転生地50には張力が生じる。そして、後出脚内転生地50にこのように張力が生じることにともない、後出脚内転生地50から左脚に外転力が付与される。
【0086】
また、前出脚外旋生地40が伸長した状態から伸長する前の状態に戻ろうとすることにより、前出脚外旋生地40には張力が生じる。そして、前出脚外旋生地40にこのように張力が生じることにともない、前出脚外旋生地40から左脚に外旋力が付与される。なお、この外旋力は、外旋位置XEから左脚の背面を介して外旋位置XAに向けて作用する力となる。
【0087】
左脚前方離間状態においては、上記のとおり前出脚外転生地30、後出脚内転生地50、および前出脚外旋生地40の各生地から外転力および外旋力が左脚に付与されるため、左脚が外転方向および外旋方向に動作しようとする。すなわち、通常の歩行時とは異なる態様で左脚が外転方向および外旋方向に動作しようとする。このため、着用者は外転方向および外旋方向に動作しようとする左脚を通常歩行時の動作に近づけるための動作を行う。すなわち、外転力に抗する力を左脚に生じさせるために内転筋を動作させる。また、外旋力に抗する力を左脚に生じさせるために内旋筋を動作させる。
【0088】
本実施形態のボトム1によれば以下の効果が得られる。
(1)ボトム1には、脚を前に出した状態において脚を外側に開く外転方向への力を脚に付与する前出脚外転生地30と、脚を後ろに出した状態において脚を内側に閉じる内転方向への力を脚に付与する後出脚内転生地50とが設けられている。この構成によれば、前出脚外転生地30および後出脚内転生地50のそれぞれの働きにより、内転筋および大臀筋をはじめとする下半身の筋肉の活動量を増大させることができる。
【0089】
(2)また、ボトム1を着用した着用者が脚を上げたとき、後出脚内転生地50の基礎張力が同脚の動作に対する負荷となる。このため、着用者が脚を上げるときに大腿四頭筋の活動量を増大させることができる。
【0090】
(3)ボトム1においては、外転位置EDから外転位置EHまでに対応する部分を含めて前出脚外転生地30が構成されている。このため、前出脚外転生地30に同部分が含まれない場合と比較して、前出脚外転生地30から脚に付与される外転力が大きくなる。
【0091】
(4)ボトム1においては、外転位置EAから外転位置EBまでに対応する部分を含めて前出脚外転生地30が構成されている。このため、前出脚外転生地30に同部分が含まれない場合と比較して、前出脚外転生地30から脚に付与される外転力が大きくなる。
【0092】
(5)ボトム1においては、内転位置NAから内転位置NBまでに対応する部分を含めて後出脚内転生地50が構成されている。このため、後出脚内転生地50に同部分が含まれない場合と比較して、後出脚内転生地50から脚に付与される内転力が大きくなる。
【0093】
(6)ボトム1においては、脚が前に出された状態のときに後出脚内転生地50から脚に外転力が付与される。このため、脚が前に出された状態において前出脚外転生地30から脚に付与される外転力が後出脚内転生地50により低減されることが抑制される。
【0094】
(7)脚が後ろに出された状態において運動補助着から脚に付与される内転力の大きさは、主に後出脚内転生地50から脚に付与される内転力と前出脚外転生地30から脚に付与される外転力との差により定められる。
【0095】
ボトム1においては、脚が後ろに出された状態において前出脚外転生地30から同脚に付与される外転力が「0」となるため、同力が「0」よりも大きい場合と比較して、脚が後ろに出された状態において脚に付与される内転力が大きくなる。このため、内転力を脚に付与することにより外転筋の活動量を増大させる効果が高められる。
【0096】
(8)ボトム1には、脚を外側に旋回させる外旋方向への力を脚に付与する前出脚外旋生地40が設けられている。この構成によれば、前出脚外旋生地40の働きにより、内旋筋の活動量を増大させることができる。
【0097】
(9)ボトム1においては、前出脚外転生地30よりも緊締力が弱い生地を含んで前出脚外旋生地40が構成されている。すなわち、前出脚外旋生地40を構成する生地の一部の緊締力が前出脚外転生地30の生地の緊締力よりも小さい。このため、前出脚外旋生地40を構成する生地の全てについて、その緊締力が前出脚外転生地30の生地の緊締力と同じ場合と比較して、着用者が運動補助着を着用したときに着用者に付与される締め付け感を小さくすることができる。
【0098】
(10)ボトム1においては、大腿前出脚外転生地31として表側生地31Aおよび裏側生地31Bにより構成される2重の生地が設けられている。この構成によれば、裏側生地31Bが設けられていない場合と比較して、外転位置EBから外転位置EDまでに対応する部分の生地の緊締力が大きくなる。このため、脚が前に出された状態において脚に付与される外転力をより大きくすることができる。
【0099】
(11)ボトム1の前出脚外旋生地40には、外旋位置XCに対応する部位に強緊締力生地により構成される背面支持生地43が設けられている。背面支持生地43は、上下方向において、大腿の背面の左右方向中央から膝部の背面の左右方向中央を経由して脹脛の左右方向中央までにわたり設けられている。このため、ボトム1を着用した着用者が脚を後ろから前に振り出すとき、背面支持生地43の張力が同脚の動作に対する負荷となる。このため、脚が後ろから前に振り出されるときに働く筋肉の活動量を増大させることができる。
【0100】
(12)ボトム1を着用した着用者においては、右脚接地状態および左脚接地状態のときに右脚および左脚の内転筋を働かせなくとも脚の内転が抑制される。すなわち、右脚接地状態および左脚接地状態において、脚が過度に内転方向に動くことが抑制される。このため、後出脚内転生地50の内転力に起因して着用者の姿勢が悪くなることを抑制することができる。
【0101】
(13)ボトム1においては、弱緊締力生地、中緊締力生地、および強緊締力生地よりも摩擦の大きなテープが裾15の裏側に縫い付けられている。この構成によれば、脚が動かされたとき、脚に対するボトム1のずれが裾15の裏側に縫い付けられたテープにより抑制される。このため、脚に付与される外転力および内転力がボトム1のずれに起因して小さくなることを抑制することができる。
【0102】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0103】
・上記実施形態では、脚が後ろに出された状態において張力が「0」となるように前出脚外転生地30を構成しているが、脚が後ろに出された状態において張力が「0」よりも大きくなるように前出脚外転生地30を構成することもできる。この場合、前出脚外転生地30としては、脚が後ろに出された状態において、前出脚外転生地30により脚に付与される外転力よりも後出脚内転生地50により脚に付与される内転力が大きくなるものが用いられる。
【0104】
・上記実施形態では、脚が後ろに出された状態において同脚に内転力を付与するための構成として、後出脚内転生地50を縮れさせた状態で隣り合う生地に縫い付ける構成を採用しているが、内転力を付与するための構成はこれに限られるものではない。例えば、後出脚内転生地50としてその長手方向に沿うようにギャザーが形成されたものを用い、この後出脚内転生地50を隣り合う別の生地に縫い付ける構成に変更することもできる。この場合、後出脚内転生地50の長手方向の緊締力がギャザーにより増大するため、脚が後ろに出された状態において同脚に内転力が付与される。また、後出脚内転生地から内転力が付与される態様であれば、後出脚内転生地50を縮れさせない状態で縫い付けることもできる。
【0105】
・上記実施形態では、表側生地31Aおよび裏側生地31Bにより大腿前出脚外転生地31を構成しているが、裏側生地31Bを省略することもできる。
・上記実施形態では、表側生地31Aの一部に対応するように裏側生地31Bを構成しているが、表側生地31Aの裏側全体に対応するように裏側生地31Bを構成することもできる。
【0106】
・上記実施形態では、表側生地31Aおよび裏側生地31Bを同じ種類の生地により構成しているが、互いに異なる種類の生地を用いて表側生地31Aおよび裏側生地31Bを構成することもできる。
【0107】
・上記実施形態では、基礎生地20と前出脚外転生地30と前出脚外旋生地40と後出脚内転生地50とを互いに縫い合わせることによりボトム1を構成しているが、ボトム1の構成を次のように変更することもできる。すなわち、基礎生地のみから構成されるボトム右およびボトム左の表側または裏側に前出脚外転生地30、前出脚外旋生地40、および後出脚内転生地50を縫い付けることにより、上記実施形態のボトム1と同様の機能を有するボトムを構成することもできる。なお、この場合において、ボトム右およびボトム左を構成する基礎生地は、上記実施形態の基礎生地20に対応する部分と、前出脚外転生地30、前出脚外旋生地40、および後出脚内転生地50に対応する部分とを含むものとなる。
【0108】
・上記実施形態では、摩擦の大きなテープを裾15の裏側に縫い付けることによりボトム1のずれを抑制する構成を採用しているが、これに加えてまたは代えて、以下の(A)〜(D)の少なくとも1つの構成を採用することもできる。
【0109】
(A)裾15に通される紐によりボトム1のずれを抑制する構成を採用する。この構成においては、紐が結ばれることにより裾15が絞られる。そして、裾15が絞られることによりボトム1のずれが抑制される。
【0110】
(B)裾15に設けられる面ファスナによりボトム1のずれを抑制する構成を採用する。この構成においては、面ファスナが張り合わされることにより裾15が絞られる。そして、裾15が絞られることによりボトム1のずれが抑制される。
【0111】
(C)裾15の一部を延長して形成された環状の部分によりボトム1のずれを抑制する構成を採用する。この構成においては、足裏が環状の部分に引っ掛けられることによりボトム1のずれが抑制される。
【0112】
(D)摩擦の大きな生地を裾15の裏側に縫い付けることによりボトム1のずれを抑制する構成を採用する。この構成によれば、摩擦の大きな生地と下腿との摩擦によりボトム1のずれが抑制される。
【0113】
・上記実施形態では、前出脚外転生地30を構成する各生地の全部を強緊締力生地により構成したが、同各生地の少なくとも1つを中緊締力生地により構成することもできる。
・上記実施形態では、後出脚内転生地50を構成する各生地の全部を強緊締力生地により構成したが、同各生地の少なくとも1つを中緊締力生地により構成することもできる。
【0114】
・上記実施形態では、前出脚外旋生地40の内側前出脚外旋生地41を中緊締力生地により構成したが、内側前出脚外旋生地41を強緊締力生地により構成することもできる。
・上記実施形態では、前出脚外旋生地40の外側前出脚外旋生地42を中緊締力生地により構成したが、外側前出脚外旋生地42を強緊締力生地により構成することもできる。
【0115】
・上記実施形態では、前出脚外旋生地40の背面支持生地43を強緊締力生地により構成したが、背面支持生地43を中緊締力生地により構成することもできる。
・上記実施形態では、前出脚外転生地30を強緊締力生地により構成したが、強緊締力生地に代えて同等の緊締力を有するゴムにより前出脚外転生地30に相当する部分を構成することもできる。
【0116】
・上記実施形態では、後出脚内転生地50を強緊締力生地により構成したが、強緊締力生地に代えて同等の緊締力を有するゴムにより前出脚外転生地30に相当する部分を構成することもできる。
【0117】
・上記実施形態では、前出脚外旋生地40の内側前出脚外旋生地41を中緊締力生地により構成したが、中緊締力生地に代えて、同等の緊締力を有するゴムまたは紐により内側前出脚外旋生地41に相当する部分を構成することもできる。
【0118】
・上記実施形態では、前出脚外旋生地40の外側前出脚外旋生地42を中緊締力生地により構成したが、中緊締力生地に代えて、同等の緊締力を有するゴムまたは紐により外側前出脚外旋生地42に相当する部分を構成することもできる。
【0119】
・上記実施形態では、前出脚外旋生地40の背面支持生地43を強緊締力生地により構成したが、強緊締力生地に代えて、同等の緊締力を有するゴムまたは紐により背面支持生地43に相当する部分を構成することもできる。
【0120】
・上記実施形態では、前出脚外転生地30および後出脚内転生地50を各別の生地として構成しているが、前出脚外転生地30および後出脚内転生地50を一枚の生地により構成することもできる。
【0121】
・上記実施形態では、ボトム1の丈をウエストから脛までとして構成しているが、膝丈のボトム1に変更することもできる。
・上記実施形態では、下着としてのボトム1に対して本発明を適用したが、スポーツ用の被服(例えば水着)に本発明を適用することもできる。また、以下に説明するとおり、サポーターとして本発明を実施することもできる。
【0122】
図5および図6に示されるように、本発明の一実施形態としてのサポーターには、脚が前に出された状態において同脚に外転力を付与する前出脚外転ベルト130と、脚が後ろに出された状態において同脚に内転力を付与する後出脚内転ベルト150とが設けられている。またこの他に、前出脚外転ベルト130および後出脚内転ベルト150の上端をウエストに固定するウエストベルト113と、前出脚外転ベルト130の下端を膝部に固定する膝ベルト115とが設けられている。
【0123】
前出脚外転ベルト130は、ウエスト付近から内股までにわたり設けられている。また、大腿の背面かつ臀部の下方の部分、外股、および大腿の前面を経由して設けられている。後出脚内転ベルト150は、ウエスト付近から大腿の前面の中央よりも外側の部分までにわたり設けられている。また、大腿の背面の股関節付近かつ内股付近の部分、大腿の背面、および外股を経由して設けられている。
【0124】
・上記実施形態では、外転位置EAから外転位置EHまでの部分に対応するように前出脚外転生地30を構成しているが、脚が前に出された状態において同脚に外転力を付与することのできる構成であれば、前出脚外転生地30の形成位置は上記実施形態において例示された形成位置に限られるものではない。例えば、外股から膝部の前面を経由して下腿の内側にまでにわたり形成された前出脚外転生地を用いることもできる。
【0125】
・上記実施形態では、外旋位置XAから外旋位置XEまでの部分に対応するように前出脚外旋生地40を構成しているが、脚が前に出された状態において同脚に外旋力を付与することのできる構成であれば、前出脚外旋生地40の形成位置は上記実施形態において例示された形成位置に限られるものではない。例えば、前出脚外転生地30についての上記変形例において、前出脚外転生地の下方かつ外股から下腿の前面を経由して下腿の内側の部分までにわたり形成された前出脚外旋生地を用いることもできる。
【0126】
・上記実施形態では、内転位置NAから内転位置NEまでの部分に対応するように後出脚内転生地50を構成しているが、脚が後ろに出された状態において同脚に内転力を付与することのできる構成であれば、後出脚内転生地50の形成位置は上記実施形態において例示された形成位置に限られるものではない。例えば、下腿の側面から下腿の背面または前面を経由して内股までにわたり形成された後出脚内転生地を用いることもできる。また、大腿の側面から大腿の前面を経由して内股までにわたり形成された後出脚内転生地を用いることもできる。これらの変形例においては、脚が前に出された状態において前出脚外転生地により付与される外転力よりも後出脚内転生地により付与される内転力が小さくなるように後出脚内転生地が構成される。
【符号の説明】
【0127】
1…ボトム、11…ボトム右、12…ボトム左、13…ウエスト部、14…股布、15…裾、20…基礎生地(基礎部)、21…下腹部基礎生地、23…脇腹基礎生地、22…臀部基礎生地、24…大腿基礎生地、25…膝基礎生地、26…膝下基礎生地、30…前出脚外転生地(前出脚外転部)、31…大腿前出脚外転生地、31A…表側生地、31B…裏側生地、32…下腿前出脚外転生地、33…臀部前出脚外転生地、40…前出脚外旋生地(前出脚外旋部)、41…内側前出脚外旋生地、42…外側前出脚外旋生地、43…背面支持生地、50…後出脚内転生地(後出脚内転部)、51…大腿後出脚内転生地、52…臀部後出脚内転生地、113…ウエストベルト、115…膝ベルト、130…前出脚外転ベルト、150…後出脚内転ベルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
脚が前に出された状態において同脚を外側に開く外転方向への力を同脚に付与する前出脚外転部が設けられていること、
前記脚が後ろに出された状態において同脚を内側に閉じる内転方向への力を同脚に付与する後出脚内転部が設けられていること、
前記前出脚外転部に生じる張力により前記外転方向への力が前記脚に付与されること、
ならびに、前記後出脚内転部に生じる張力により前記内転方向への力が前記脚に付与されること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項2】
請求項1に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
大腿の背面から前面までにわたり前記前出脚外転部が設けられていること、
ならびに、前記前出脚外転部とは異なる位置において大腿の背面から前面までにわたり前記後出脚内転部が設けられていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項3】
請求項2に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
大腿の背面において臀部付近に対応する位置を第1外転位置とし、大腿の側面に対応する位置かつ同第1外転位置よりも下方の位置を第2外転位置とし、大腿の前面に対応する位置かつ同第2外転位置よりも下方の位置を第3外転位置として、前記第1外転位置から前記第2外転位置を経由して前記第3外転位置までにわたり前記前出脚外転部が設けられていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
大腿の背面において臀部付近に対応する位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第1内転位置とし、大腿の側面に対応する位置かつ同第1内転位置よりも下方の位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第2内転位置とし、大腿の前面に対応する位置かつ同第2内転位置よりも下方の位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第3内転位置として、前記第1内転位置から前記第2内転位置を経由して前記第3内転位置までにわたり前記後出脚内転部が設けられていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項5】
請求項3を引用する請求項4に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記第1内転位置が前記第1外転位置よりも内股側の位置であること、
前記第2内転位置が前記第2外転位置よりも下方の位置であること、
ならびに、前記第3内転位置が前記第3外転位置よりも下方の位置であること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項6】
請求項3、または請求項3を引用する請求項4、または請求項5に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
下腿に対応する位置を第4外転位置として、前記第1外転位置から前記第2外転位置および前記第3外転位置を経由して前記第4外転位置までにわたり前記前出脚外転部が設けられていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項7】
請求項3、または請求項3を引用する請求項4、または請求項5、または請求項6に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
ウエストと対応する位置を第5外転位置として、この第5外転位置から前記第1外転位置および前記第2外転位置を経由して前記第3外転位置までにわたり前記前出脚外転部が設けられていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項8】
請求項4、または請求項5、または請求項4を引用する請求項6、または請求項5を引用する請求項6、または請求項4を引用する請求項7、または請求項5を引用する請求項7、または請求項4を引用する請求項6を引用する請求項7に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
ウエストと対応する位置かつ前記前出脚外転部が通過する位置とは異なる位置を第4内転位置として、この第4内転位置から前記第1内転位置および前記第2内転位置を経由して前記第3内転位置までにわたり前記後出脚内転部が設けられていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記脚が前に出された状態において前記後出脚内転部により前記外転方向への力が同脚に付与されること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記脚が後ろに出された状態において前記前出脚外転部から同脚に付与される前記外転方向への力が「0」となること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記脚が前に出された状態において同脚を外側に旋回させる外旋方向への力を同脚に付与する前出脚外旋部が設けられていること、
ならびに、前記前出脚外旋部に生じる張力により前記外旋方向への力が前記脚に付与されること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項12】
請求項11に記載される下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
内股に対応する位置を第1外旋位置とし、大腿の背面に対応する位置を第2外旋位置として、前記第1外旋位置から前記第2外旋位置までにわたり前記前出脚外旋部が設けられていること、
ならびに、前記前出脚外旋部と前記前出脚外転部とが互いに連結されていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
この運動補助着がボトムとして形成されていること、
前記前出脚外転部および前記後出脚内転部に縫い合わせられる基礎部が設けられていること、
ならびに、前記前出脚外転部および前記後出脚内転部が前記基礎部よりも緊締力の強い生地で構成されていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項14】
請求項11を引用する請求項13、または請求項12を引用する請求項13に記載の下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記前出脚外転部よりも緊締力が弱い生地を含めて前記前出脚外旋部が構成されていること
を特徴とする下半身の運動により消費カロリーを増加させる運動補助着。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−149364(P2012−149364A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10635(P2011−10635)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【特許番号】特許第4834181号(P4834181)
【特許公報発行日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000131555)株式会社シャルレ (16)
【Fターム(参考)】