下敷き板付き入力デバイス
【課題】設置した筆記用紙への記入中でも再度の筆記用紙設置時でも、上記筆記用紙の位置ずれが生じないようにすることができる下敷き板付き入力デバイスを提供する。
【解決手段】四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の入力デバイスAの裏面に、この入力デバイスAの一端縁を軸として回動自在となるよう、下敷き板51が取り付けられている。入力デバイスAは、入力用中空部Sを有する四角枠状の光導波路Wを備えている。下敷き板51の表面には、筆記用紙の位置決め手段(突起部51a等)が設けられており、下敷き板51の表面と入力デバイスAの裏面との間は、筆記用紙70を挟持する挟持部となっている。
【解決手段】四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の入力デバイスAの裏面に、この入力デバイスAの一端縁を軸として回動自在となるよう、下敷き板51が取り付けられている。入力デバイスAは、入力用中空部Sを有する四角枠状の光導波路Wを備えている。下敷き板51の表面には、筆記用紙の位置決め手段(突起部51a等)が設けられており、下敷き板51の表面と入力デバイスAの裏面との間は、筆記用紙70を挟持する挟持部となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的な位置検出手段を備えた下敷き板付き入力デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力デバイスとして、複数の発光素子および受光素子を備えた光学的位置検出装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。このものは、四角枠状に形成され、その四角枠を構成する一対のL字状部分の一方に、発光素子を複数並設し、他方に、上記発光素子に対向する受光素子を複数並設したものとなっている。そして、その四角枠状の光学的位置検出装置は、四角形のディスプレイの周縁に沿って設置され、その四角枠内でペンや指等を移動させることにより、文字等の情報を入力し、上記ディスプレイに表示することができるようになっている。すなわち、上記四角枠内でペンや指等を移動させると、上記発光素子からの光がペン先や指先等により遮光され、その遮光を、上記発光素子に対向する受光素子が感知することにより、上記ペン先や指先等の軌跡(文字等の入力情報)を検知するようになっている。そして、その軌跡を信号として上記ディスプレイに出力するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3682109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記光学的位置検出装置は、四角枠状であるため、その下に紙を設置し、その紙の一部分を枠内から露呈させ、その露呈した紙の部分に直接、ペン等の筆記具で文字等を記入しながら、その文字等を上記ディスプレイに表示することもできる。
【0005】
しかしながら、記入中に、光学的位置検出装置と紙との相対的な位置がずれると、紙に記入した文字等の位置(アナログデータ)とディスプレイに表示された文字等の位置(デジタルデータ)とが合わなくなる(アナログデータとデジタルデータに差がでる)。また、紙への記入を一時中断し、その紙を光学的位置検出装置から取り出した後、再記入するために、光学的位置検出装置の下に上記紙を再度設置すると、前回の紙位置とずれが生じる。その状態で紙に記入すると、紙上では前回と位置がずれないように記入できるものの、ディスプレイ上では位置がずれて表示される(アナログデータとデジタルデータに差がでる)。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、設置した筆記用紙への記入中でも再度の筆記用紙設置時でも、上記筆記用紙の位置ずれが生じないようにすることができる下敷き板付き入力デバイスの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの一端縁を軸として回動自在に上記入力デバイスの裏面に取り付けられた下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段が設けられているとともに、上記下敷き板の表面と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているという構成をとる。
【0008】
さらに、本発明の第2の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に着脱自在に係合する下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙を載置する載置台が形成され、その載置台の周縁部に対応する上記入力デバイスの裏面の部分が、その載置台の周縁部に対応する形状に形成され、それら載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分とが着脱自在に係合可能になっており、上記載置台の外周側面が上記筆記用紙の外周縁に対応し、上記載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているという構成をとる。
【0009】
また、本発明の第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に固定された下敷き板とからなり、上記入力用中空部の内周縁の一辺が、筆記用紙の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺に形成されているとともに、その位置決め基準辺の両端の隅部に、固定片が架設され、それら固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間が、上記筆記用紙の隣り合う2個所の角部の挟持部に形成されているという構成をとる。
【0010】
すなわち、本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイスを用いて、筆記用紙に記入する際には、まず、入力デバイスと下敷き板とを、その入力デバイスの一端縁を軸として相対的に回動させて開く。ついで、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段を利用して、筆記用紙を適正な位置に位置決めして載置する。つぎに、入力デバイスと下敷き板とを相対的に回動させて閉じる。これにより、筆記用紙が、下敷き板の表面と入力デバイスの裏面との間で挟持され固定される。この状態で、筆記用紙に記入する。筆記用紙を取り出す際には、再度、入力デバイスと下敷き板とを相対的に回動させて開き、筆記用紙を取り出す。
【0011】
また、本発明の第2の要旨の下敷き板付き入力デバイスを用いて、筆記用紙に記入する際には、まず、入力デバイスと下敷き板とが係合されていない状態で、その下敷き板に形成された載置台の外周側面に筆記用紙の外周縁を沿わせるよう、その筆記用紙を上記載置台に載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めする。ついで、載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分と係合する。これにより、筆記用紙の周縁部が、載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間で挟持され固定される。この状態で、筆記用紙に記入する。筆記用紙を取り出す際には、再度、入力デバイスと下敷き板との係合を解き、筆記用紙を取り出す。
【0012】
さらに、本発明の第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスを用いて、筆記用紙に記入する際には、筆記用紙の隣り合う2個所の角部を、入力用中空部の2個所の隅部に架設した固定片と下敷き板との間にスライドさせるように入れるとともに、筆記用紙の上記2個所の角部の間の一辺を、入力用中空部の上記2個所の固定片の間の一辺(位置決め基準辺)に当接させる。これにより、筆記用紙の上記2個所の角部が、固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間に挟持され、筆記用紙が固定されるとともに、筆記用紙の一辺が入力用中空部の位置決め基準辺に当接し、筆記用紙が適正な位置に位置決めされる。この状態で、筆記用紙に記入する。筆記用紙を取り出す際には、筆記用紙の上記2個所の角部を、固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間から引き抜いて、筆記用紙を取り出す。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、入力デバイスの裏面に、下敷き板が、入力デバイスの一端縁を軸として回動自在に取り付けられているため、上記入力デバイスと上記下敷き板とを相対的に回動させて開いても、両者の相対的な位置ずれは発生しない。そして、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段が設けられているため、筆記用紙を再度設置する場合でも、その位置決め手段を利用して、適正な位置に載置することができ、しかも、上記のように入力デバイスと下敷き板との相対的な位置ずれが発生しないことから、上記筆記用紙と入力デバイスとの相対的な位置ずれも発生しない。さらに、上記下敷き板の表面と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているため、その筆記用紙への記入中でも、筆記用紙の位置ずれが生じない。また、上記入力デバイスには、上記のように下敷き板が取り付けられているため、上記入力デバイスは、枠状であっても、剛性を高めることができ、より精度良く、筆記具の先端部(ペン先等)の移動軌跡を検知することができる。
【0014】
特に、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙に予め形成されている複数の貫通孔に挿入する複数の突起部である場合には、上記筆記用紙に予め形成されている複数の貫通孔に、上記複数の突起部を挿入することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができるとともに、上記筆記用紙が位置ずれしないようにすることができる。
【0015】
また、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁を示す目印線である場合には、上記筆記用紙の外周縁を上記目印線に沿わせるよう、上記筆記用紙を載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができる。
【0016】
さらに、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応して配置された滑り止め材である場合には、上記筆記用紙の外周縁を上記滑り止め材の配置に対応させるよう、上記筆記用紙を載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができるとともに、上記筆記用紙が位置ずれし難くなっている。
【0017】
そして、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応する外周側面を有する、上記筆記用紙を載置する載置台である場合には、上記筆記用紙の外周縁を上記載置台の外周側面に沿わせるよう、上記筆記用紙を上記載置台に載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができる。しかも、上記載置台の外周側面は、手や指の感触により認識可能であるため、筆記用紙の位置決めが容易になっている。
【0018】
なかでも、上記載置台が形成されて厚くなっている下敷き板の部分の内部が、上記入力デバイスの駆動用電池を収容する収容部に形成されている場合には、上記載置台の内部を有効利用できるため、本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイス全体の厚みを薄くすることができる。
【0019】
本発明の第2の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板の表面に、筆記用紙を載置する載置台が形成され、その載置台の周縁部に対応する上記入力デバイスの裏面の部分が、その載置台の周縁部に対応する形状に形成されているため、それら載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分とを着脱自在に係合することにより、入力デバイスと下敷き板とが、相対的な位置ずれを発生することなく、着脱自在に係合可能となっている。また、上記載置台の外周側面が上記筆記用紙の外周縁に対応しているため、上記筆記用紙の外周縁を上記載置台の外周側面に沿わせるよう、上記筆記用紙を上記載置台に載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができる。さらに、上記載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているため、その筆記用紙への記入中でも、筆記用紙の位置ずれが生じない。
【0020】
本発明の第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、入力デバイスの裏面に、下敷き板が固定されているため、上記入力デバイスと上記下敷き板との相対的な位置ずれはない。そして、上記入力デバイスの入力用中空部の内周縁の一辺が、筆記用紙の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺に形成されているとともに、その位置決め基準辺の両端の隅部に、固定片が架設され、それら固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間が、上記筆記用紙の隣り合う2個所の角部の挟持部に形成されている。そのため、上記筆記用紙の位置決めおよび固定は、筆記用紙の隣り合う2個所の角部を、上記固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間で挟持させるとともに、筆記用紙の上記2個所の角部間の一辺を上記入力用中空部の内周縁の位置決め基準辺に当接させることにより、行うことができる。すなわち、筆記用紙への記入中でも再度の筆記用紙設置時でも、筆記用紙の位置ずれが生じない。さらに、上記入力デバイスには、上記のように下敷き板が固定されているため、上記入力デバイスは、枠状であっても、剛性を高めることができ、より精度良く、筆記具の先端部(ペン先等)の移動軌跡を検知することができる。
【0021】
特に、本発明の第1〜第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスにおいて、上記発光手段が、発光素子と、この発光素子に接続された、光導波路の複数の光出射用コアとからなり、上記受光手段が、受光素子と、この受光素子に接続された、光導波路の複数の光入射用コアとからなり、上記光出射用コアの先端部と上記光入射用コアの先端部とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している場合には、上記枠状板上に上記光導波路が形成され、その光導波路は薄く形成することができるため、ペン等の筆記具で入力する際に、上記入力デバイスが、その入力の妨げにならず、入力し易くなっている。
【0022】
一方、本発明の第1〜第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスにおいて、上記発光手段が、複数の発光素子からなり、上記受光手段が、複数の受光素子からなり、上記複数の発光素子と上記複数の受光素子とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している場合には、上記発光素子および上記受光素子がある程度厚みを有するため、上記入力デバイスも全体的にある程度厚く形成され、その入力デバイスを剛性および強度のあるものとすることができる。
【0023】
また、本発明の第1〜第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスにおいて、上記発光手段と受光手段とが、発光素子と受光素子とを上下に重ねたモジュールからなり、そのモジュールが上記枠状板の一つの辺の両側の角部にそれぞれ配置され、これらモジュールの間の上記一つの辺を除く辺の内側面に、テープ状の再帰性光反射体が配置され、一方のモジュールの発光素子から投射された光が、上記再帰性光反射体に反射されて、この一方のモジュールの受光素子で受光されるようになっている場合には、少ない部品点数で、三角測量により、筆記具の先端部(ペン先等)の移動軌跡を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第1の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】上記下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙を挟持した状態を模式的に示す断面巣である。
【図3】(a)は、上記下敷き板付き入力デバイスにおける入力デバイスの部分を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)のX1−X1断面の拡大図であり、(c)は、(a)のX2−X2断面の拡大図である。
【図4】(a)〜(c)は、入力デバイスの作製方法の一例を模式的に示す説明図である。
【図5】(a)〜(c)は、上記図4に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図である。
【図6】(a)〜(b)は、上記図5に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図である。
【図7】(a)は、上記図6に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図であり、(b)は、(a)のX4−X4断面図である。
【図8】上記図7に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第2の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第3の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第4の実施の形態を模式的に示し、(a)はその斜視図、(b)はそれを閉じた状態の断面図である。
【図12】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第5の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図13】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第6の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図14】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第7の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図15】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第8の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図16】本発明の第2の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第9の実施の形態)を模式的に示し、(a)はその斜視図、(b)はそれを係合した状態の断面図である。
【図17】本発明の第3の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第10の実施の形態)を模式的に示す斜視図である。
【図18】本発明の下敷き板付き入力デバイスの入力デバイスの部分の他の形態を模式的に示す平面図である。
【図19】本発明の下敷き板付き入力デバイスの入力デバイスの部分のさらに他の形態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第1の実施の形態を示す斜視図であり、図2は、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態を示す断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、四角形状の入力用中空部(窓部)Sを有する四角枠状の入力デバイスAの裏面に、この入力デバイスAの一端縁を軸として回動自在となるよう、下敷き板51を一体的に取り付けたものである。この下敷き板51は、入力デバイスAの裏面から、入力用中空部Sの全体を覆うことができるよう、入力用中空部Sの領域よりも大きく形成されており、この実施の形態では、入力デバイスAの外周縁と同じ形状に形成されている。また、下敷き板51の表面には、その表面に載置する筆記用紙70を位置決めするための手段が設けられており、この実施の形態では、その位置決め手段として、対向する一対の端縁部に、筆記用紙70に予め形成されている複数の貫通孔71に挿入する複数の突起部51aが列をなして形成されている。さらに、この実施の形態では、入力デバイスAの裏面に、上記突起部51aが挿入する挿入穴31が形成されている。そして、筆記用紙70の周縁部分を、入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面と下敷き板51の表面との間で挟持するようになっている。このように、上記入力デバイスAの裏面に、上記下敷き板51を取り付けたことが、本発明の大きな特徴である。
【0027】
そして、下敷き板付き入力デバイスに筆記用紙70を設置する際は、この実施の形態では、その筆記用紙70として、その一端縁部に、その筆記用紙70を綴じる際に利用する上記複数の貫通孔71が市販状態で形成されているものを準備する。そして、入力デバイスAと下敷き板51とを、その入力デバイスAの一端縁を軸として相対的に回動させて開く。ついで、上記筆記用紙70の複数の貫通孔71に、下敷き板51の複数の突起部51aを挿入し、筆記用紙70を下敷き板51の表面に載置する。これより、筆記用紙70を適正に位置決めすることができるとともに、筆記用紙70が位置ずれしないようにすることができる。つぎに、入力デバイスAと下敷き板51とを相対的に回動させて閉じる。これにより、筆記用紙70の貫通孔71の周辺部分が、下敷き板51の表面の突起部51aの周辺部分と入力デバイスAの裏面の挿入穴31の周辺部分との間で挟持されるとともに、上記貫通孔71が形成されている部分以外の筆記用紙70の周縁部も、下敷き板51の表面と入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面との間で挟持され、筆記用紙70が固定される。そのため、この状態で、入力デバイスAの入力用中空部Sから露呈する筆記用紙70にペンPで記入しても、その筆記用紙70は位置ずれしない。筆記用紙70を取り出す際には、再度、入力デバイスと下敷き板51とを相対的に回動させて開き、筆記用紙70を取り出す。そして、再度、筆記用紙70を設置する際は、上記と同様にして設置されるため、前回と同じ位置に載置することができ、位置ずれが生じない。
【0028】
しかも、上記下敷き板51は、入力デバイスAの一端縁を軸として回動自在に取り付けられているため、入力デバイスAと下敷き板51とを相対的に回動させて開いても、両者の相対的な位置ずれは発生しない。そのため、上記のようにして下敷き板51の表面に位置決め載置された筆記用紙70と入力デバイスAとの相対的な位置ずれも発生しない。
【0029】
また、この実施の形態では、上記複数の突起部51aが、対向する両端縁部に形成されているため、筆記用紙70の表面に記入するときは、一方の端縁部の突起部51aを利用して位置決めし、筆記用紙70の裏面に記入するときは、他方の端縁部の突起部51aを利用して位置決めすることができ、筆記用紙70の両面に記入することができる。
【0030】
なお、上記下敷き板51を回動自在とする構造は、例えば、入力デバイスAの一端縁と下敷き板51の一端縁とに、軸体(図示せず)を挿入する挿入孔(図示せず)を形成し、これら挿入孔にその軸体を挿入した構造にすることがあげられる。このような構造により、入力デバイスAと下敷き板51とが、その一端縁を軸として相対的に回動自在になっている。なお、上記回動の軸は、入力デバイスAのいずれの一端縁でもよい。
【0031】
また、下敷き板51の突起部51aの高さは、1枚の筆記用紙70が挿入される程度に形成され、例えば、0.5〜5.0mm程度に設定される。この突起部51aが挿入される、上記入力デバイスAの挿入穴31の深さは、上記突起部51aの全体が挿入される深さに設定する。
【0032】
ここで、上記入力デバイスAについて詳しく説明する。その入力デバイスAは、その平面図を図3(a)に、そのX1−X1断面の拡大図を図3(b)に、図3(a)のX2−X2断面の拡大図を図3(c)に示すように、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の光導波路Wと、この光導波路Wの一辺の外側に設けられた制御手段Cとを備えており、これらは、上記入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板(枠状板)30の表面に設けられているとともに、上記入力用中空部Sを有する四角枠状の保護板40で覆われている。上記制御手段Cは、上記光導波路Wの複数の光出射用のコア2aの端部に接続される発光素子5と、上記光導波路Wの複数の光入射用のコア2bの端部に接続される受光素子6とを備えている。
【0033】
上記四角枠状の光導波路Wは、図3(a),(b)に示すように、その四角枠形状の各辺の帯状の光導波路部分を個別に作製し、それを四角枠状に接続したものとなっている。この実施の形態では、上記帯状の各光導波路部分の両端縁が段部に形成されており、その段部を利用して位置決めした状態で、隣接し合う光導波路部分と光導波路部分とが接続されている。また、上記帯状の各光導波路部分は、アンダークラッド層1と、このアンダークラッド層1の表面に所定パターンに形成されたコア2a,2bと、このコア2a,2bを被覆した状態で、上記アンダークラッド層1の表面に形成されたオーバークラッド層3とからなっている。なお、上記アンダークラッド層1は、上記四角枠状の保持板30の表面に貼着されている。
【0034】
そして、四角枠状に形成された上記光導波路Wは、そのアンダークラッド層1の四角枠を構成する一対のL字状部分の一方の表面に、光出射用のコア2aが複数に分岐された状態で形成され、他方の表面に、光入射用の複数のコア2bが並列状態で形成されている。各コア2a,2bの先端部は、上記一対のL字状部分の内側縁(四角枠の内周縁)に位置決めされ、光出射用のコア2aの先端部と光入射用のコア2bの先端部とが対向した状態に形成されている。さらに、上記光出射用のコア2aおよび光入射用のコア2bを被覆した状態で、上記アンダークラッド層1の表面に、オーバークラッド層3が四角枠状に形成されている。この実施の形態では、上記四角枠の内周縁に位置決めされているコア2a,2bの先端部が、平面視形状が略1/2円弧状の曲面を有する凸状のレンズ部に形成され、そのレンズ部を被覆するオーバークラッド層3の先端部が、側断面形状が略1/4円弧状の曲面を有する凸状のレンズ部3aに形成されている。なお、図3(a)では、コア2a,2bを鎖線で示しており、鎖線の太さがコア2a,2bの太さを示している。また、図3(a),(b)では、コア2a,2bの数を略して図示している。
【0035】
また、上記制御手段Cは、図3(a),(c)に示すように、先に述べた発光素子5および受光素子6に加え、上記入力デバイスAを制御するCPU(中央処理装置)(図示せず),上記光導波路Wの入力用中空部S内の領域に入力した情報(ペン先等の移動軌跡の情報)を出力する出力モジュール(図示せず),その情報を記憶する記憶手段(図示せず),電源となる電池(図示せず)等も備えている。そして、上記発光素子5,上記受光素子6,上記CPU,上記出力モジュール,上記記憶手段,上記電池等は、回路基板8に搭載され、電気的に適正に接続されている。
【0036】
このような入力デバイスAでは、上記発光素子5からの光Hは、上記光出射用のコア2aを通り、その先端のレンズ部を経て、それを被覆するオーバークラッド層3のレンズ部3aの表面から出射される。これにより、その光Hは、上記四角枠状の光導波路Wの入力用中空部S内の領域において、格子状に走った状態となる。その格子状に走る光Hは、上記光出射用のコア2aの先端のレンズ部およびそれを被覆するオーバークラッド層3のレンズ部3aの屈折作用により、発散が抑制されている。そして、上記光Hは、受光側のオーバークラッド層3のレンズ部3aを透過し、光入射用のコア2bの先端のレンズ部を経て、上記光入射用のコア2bを通り、上記受光素子6に到達する。上記光入射用のコア2bに入射した光は、上記オーバークラッド層3のレンズ部3aおよび上記光入射用のコア2bの先端のレンズ部の屈折作用により、絞られて収束されている。
【0037】
そして、前記下敷き板付き入力デバイスに、前記のようにして筆記用紙70(図2参照)を位置決め固定し、その筆記用紙70に情報を記入する際には、上記のように光Hが格子状に走る上記入力用中空部Sから露呈する上記筆記用紙70の部分に、ペンPで、文字,図,印等を記入する。これにより、上記格子状に走る光Hは、上記ペンPのペン先により遮光され、その遮光が上記受光素子6により感知されることにより、上記ペン先の軌跡が検知される。そのペン先の軌跡が文字,図,印等の入力情報となる。なお、上記格子状に走る光Hの高さは、ペン先を検知する観点から、筆記用紙70の表面から0.2〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
【0038】
また、上記下敷き板付き入力デバイスは、例えば、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)とともに使用される。すなわち、上記パソコンのディスプレイに資料等の情報を表示し、その表示された情報に、文字,図,印等の情報を加える場合、上記のように、上記入力デバイスAの入力用中空部S内の領域で、上記文字等の情報をペンPで入力する。これにより、そのペン先の軌跡が、上記入力デバイスAにより、検知されるとともに、信号として上記パソコンに無線または接続ケーブルで伝達され、上記ディスプレイに表示することができる。これにより、上記ディスプレイには、上記資料等の情報に、上記入力デバイスAで入力した文字等の情報が重ね合わさった状態で表示される。
【0039】
ここで使用される上記パソコンには、上記入力デバイスAの入力用中空部Sで入力した文字等を、その入力した位置に対応するディスプレイの位置に表示させるために、入力デバイスAの入力用中空部S内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスAで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が組み込まれている。
【0040】
なお、上記資料等の情報は、通常、上記パソコン内のハードディスクや外部のUSBメモリ等の情報記憶媒体に予め記憶させておき、その情報記憶媒体から出力される。そして、上記ディスプレイに表示された、上記資料等の情報と上記入力デバイスAで入力した文字等の情報とが重ね合わさった情報は、上記情報記憶媒体に記憶することができる。
【0041】
また、この第1の実施の形態では、筆記用紙70の位置決めに利用する複数の突起部51aを、図1に示すように回動軸に直角な両端縁部に形成したが、回動軸に平行な両端縁部に形成してもよい。また、上記複数の突起部51aは、下敷き板51の表面の一端縁部のみに形成してもよい。
【0042】
〔下敷き板51の作製〕
つぎに、上記下敷き板51の作製方法の一例について説明する。この下敷き板51の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,木,ガラス等があげられる。そして、その形成材料に応じた製法により、上記下敷き板51が作製される。例えば、形成材料として金属を用いる場合は、金属板のプレス加工等により作製され、樹脂を用いる場合は、射出成形等により作製される。
【0043】
〔入力デバイスAの作製〕
つぎに、上記入力デバイスAの作製方法の一例について説明する。この実施の形態では、四角枠状の光導波路Wの作製は、その四角枠形状の各辺の帯状の光導波路部分を個別に作製し、それを四角枠状に接続することにより行われる。なお、光導波路Wの作製方法の説明に引用する図4(a)〜(c),図5(a)〜(c)は、図3(a)のX1−X1断面に相当する部分を図示している。
【0044】
まず、帯状の光導波路部分を形成するための基板10〔図4(a)参照〕を準備する。この基板10の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。
【0045】
ついで、図4(a)に示すように、上記基板10の表面に、帯状のアンダークラッド層1を形成する。このアンダークラッド層1は、感光性樹脂を形成材料として、フォトリソグラフィ法により形成することができる。アンダークラッド層1の厚みは、例えば、5〜50μmの範囲内に設定される。
【0046】
つぎに、図4(b)に示すように、上記アンダークラッド層1の表面に、フォトリソグラフィ法により前記パターンの光出射用のコア2aおよび光入射用のコア2bを形成する。これらコア2a,2bの形成材料としては、上記アンダークラッド層1および下記オーバークラッド層3〔図5(b)参照〕の形成材料よりも屈折率が高い感光性樹脂が用いられる。
【0047】
ここで、図4(c)に示すように、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する成形型20を準備する。この成形型20には、オーバークラッド層3〔図5(b)参照〕の表面形状に対応する型面を有する凹部21が形成されている。そして、その凹部21を上にして、成形型20を成形ステージ(図示せず)の上に設置し、その凹部21に、オーバークラッド層3の形成材料である感光性樹脂3Aを充填する。
【0048】
ついで、図5(a)に示すように、上記アンダークラッド層1の表面にパターン形成したコア2a,2bを、上記成形型20の凹部21に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層1を上記成形型20に押圧し、上記オーバークラッド層3の形成材料である感光性樹脂3A内に、上記コア2a,2bを浸す。そして、この状態で、紫外線等の照射線を、上記成形型20を透して上記感光性樹脂3Aに照射し、その感光性樹脂3Aを露光する。これにより、上記感光性樹脂3Aが硬化し、コア2a,2bの先端部に対応するオーバークラッド層3の部分がレンズ部3aに形成されたオーバークラッド層3が形成される。
【0049】
つぎに、図5(b)〔図5(a)とは上下を逆に図示している〕に示すように、上記成形型20〔図5(a)参照〕から、上記オーバークラッド層3を、上記基板10,アンダークラッド層1およびコア2a,2bと共に脱型する。
【0050】
そして、図5(c)に示すように、上記基板10〔図4(b)参照〕をアンダークラッド層1から剥離し、アンダークラッド層1,コア2a,2bおよびオーバークラッド層3からなる帯状の光導波路部分を得る。
【0051】
つぎに、図6(a)に平面図で示すように、回路基板8を準備し、それに、発光素子5,受光素子6,上記入力デバイスA(図1参照)を制御するCPU(図示せず),上記光導波路W(図1参照)の入力用中空部S内の領域に入力した情報を出力する出力モジュール(図示せず),上記記憶手段(図示せず),電池(図示せず)等を搭載し、前記制御手段Cを作製する。
【0052】
ここで、図6(b)に平面図で示すように、入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板30を準備する。この保持板30の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。なかでも、平面性の保持に優れている点で、ステンレスが好ましい。そして、保持板30の裏面に、前記挿入穴31(図1参照)を、切削加工,エッチング等により、形成する。
【0053】
そして、図7(a)に平面図で示し,図7(b)に断面図〔図7(a)のX4−X4断面図〕で示すように、上記四角枠状の保持板30の表面に、上記帯状の光導波路部分を貼着し、四角枠状の光導波路Wを作製する。このとき、上記発光素子5を光出射用のコア2aに接続し、上記受光素子6を光入射用のコア2bに接続する。
【0054】
その後、図8に断面図で示すように、上記オーバークラッド層3のレンズ部3aを除く頂面および外周側面と、上記制御手段Cの全体とを、保護板40で覆う。この保護板40の形成材料としては、例えば、樹脂,金属,ガラス,石英,シリコン等があげられる。保護板40の厚みは、例えば、金属製であれば、0.5mm程度、樹脂製であれば、0.8mm程度に設定される。このようにして、上記入力デバイスAを作製することができる。
【0055】
〔下敷き板付き入力デバイスの作製〕
最後に、前記下敷き板51の一端縁と上記入力デバイスAの一端縁とに、軸体(図示せず)を挿入する挿入孔(図示せず)を形成し、これら挿入孔にその軸体を挿入する。これにより、上記入力デバイスAと上記下敷き板51とを、その一端縁を軸として相対的に回動自在に組み立てる。このようにして、前記下敷き板付き入力デバイスを作製することができる。
【0056】
図9は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第2の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板52の表面における筆記用紙70(図1参照)の位置決め手段として、上記第1の実施の形態における突起部51a(図1参照)に代えて、下敷き板52の表面に、筆記用紙70の外周縁を示す目印線52aが印されている。そのため、入力デバイスAの裏面に上記突起部51aが挿入する挿入穴31(図1参照)は形成されていない。また、上記目印線52aで囲まれる領域(筆記用紙70の領域)は、入力デバイスAの入力用中空部Sの領域よりも大きく、その入力用中空部Sの領域外に位置する筆記用紙70の周縁部分を、下敷き板52の表面と入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面との間で挟持するようになっている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0057】
この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスに筆記用紙70を設置する際は、入力デバイスAと下敷き板52とを相対的に回動させて開いた後、筆記用紙70の外周縁を上記目印線52aに沿わせるよう、上記筆記用紙70を載置する。これより、上記筆記用紙70を適正に位置決めすることができる。つぎに、入力デバイスAと下敷き板52とを相対的に回動させて閉じることにより、入力用中空部Sの領域外に位置する筆記用紙70の部分が、下敷き板52の表面と入力デバイスAの裏面との間で挟持され、上記筆記用紙70が固定される。そのため、この状態で、筆記用紙70に記入しても、その筆記用紙70は位置ずれしない。そして、上記下敷き板付き入力デバイスから筆記用紙70を取り出し、再度、筆記用紙70を設置しても、前回と同じ位置に載置することができ、位置ずれが生じない。
【0058】
なお、この第2の実施の形態における上記目印線52aは、塗料で描いてもよいし、印刷してもよいし、溝で形成してもよい。また、図9では、上記目印線52aを四角形に図示したが、その四角形の4個の角部だけを印してもよい。
【0059】
また、この第2の実施の形態において使用される上記筆記用紙70は、上記第1の実施の形態と同様の、綴じるために利用する複数の貫通孔71が形成された筆記用紙70でもよいし、その貫通孔71が形成されていない通常の筆記用紙70でもよい。
【0060】
図10は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第3の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板の表面における筆記用紙70(図1参照)の位置決め手段として、上記第2の実施の形態における下敷き板の目印線52a(図9参照)に代えて、下敷き板の表面に、筆記用紙70の外周縁に対応して四角枠状に滑り止め材53aが配置されている。この四角枠状の滑り止め材53aの外縁で囲まれる領域(筆記用紙70の領域)は、上記第2の実施の形態と同様、入力デバイスAの入力用中空部Sの領域よりも大きく、その入力用中空部Sの領域外に位置する筆記用紙70の周縁部分を、下敷き板の表面と入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面との間で挟持するようになっている。そのため、上記滑り止め材53aにより、筆記用紙70がより位置ずれし難くなっている。それ以外の部分は、上記第2の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0061】
なお、この第3の実施の形態では、上記滑り止め材53aを四角枠状に配置したが、筆記用紙70と同形状の四角形に配置してもよい。
【0062】
図11(a)は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第4の実施の形態を示す斜視図であり、図11(b)は、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板53の表面における筆記用紙70の位置決め手段として、上記第2の実施の形態における目印線52a(図9参照)に代えて、その目印線52aで囲まれる領域(筆記用紙70の載置部分)が盛り上がった状態に形成されている。すなわち、下敷き板53の表面のその盛り上がった部分は、筆記用紙70を載置する載置台54aであり、その外周側面54bは、傾斜面に形成され、その外周側面54bの上端縁は、筆記用紙70の外周縁に対応したものとなっている。このように、載置台54aが盛り上がっているため、手や指の感触で載置台54aの外周側面54bを認識することができ、筆記用紙70の位置決めが容易になっている。また、入力デバイスAは、下敷き板付き入力デバイスが閉じた状態で、上記載置台54aの周りを囲むよう、底の保持板30が段部を有するように形成されている。それ以外の部分は、上記第2の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0063】
さらに、この第4の実施の形態では、図11(b)に示すように、入力デバイスAの段部を利用して、その入力デバイスAを構成する発光素子5,受光素子6等を、上記段部の下段部分にずらした状態で配置することができる。これにより、載置台54aを形成しても、閉じた状態の下敷き板付き入力デバイスの厚みを、それ程厚くならないようにすることができる。
【0064】
図12は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第5の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第4の実施の形態〔図11(a),(b)参照〕において、下敷き板58に形成された載置台58aの外周側面58bが、上記下敷き板58に対し直角に起立した状態になっている。そして、その載置台58aの外周部形状に対応するよう、入力デバイスAの底の保持板30に、段部30aが形成されている。そのため、上記筆記用紙70を位置決めした状態で固定し易くなっている。それ以外の部分は、上記第4の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0065】
図13は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第6の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第4の実施の形態〔図11(a),(b)参照〕と同様に、下敷き板59に載置台59aが形成されている。そして、その載置台59aの傾斜した外周部形状に対応するよう、入力デバイスAの底の保持板30に、傾斜部30bが形成されている。また、この実施の形態では、上記載置台59aの外周側面59bの下端縁が、筆記用紙70の外周縁に対応したものとなっている。そのため、下敷き板付き入力デバイスが閉じた状態(筆記用紙70を挟持した状態)では、筆記用紙70の外周部が、入力デバイスAの底の保持板30の傾斜部30bとの当接により、外側に引っ張られた状態となり、載置台59a上の筆記用紙70の部分を、皺や弛みがない平面状態とすることができる。これにより、入力用中空部S内を格子状に走る光H(図3参照)が上記筆記用紙70の皺や弛みの部分で遮光されるというエラーを、防止することができる。
【0066】
図14は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第7の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第4の実施の形態〔図11(a),(b)参照〕と同様に、下敷き板55に載置台55aが形成されており、その載置台55aにより厚くなっている部分の内部が、入力デバイスAの駆動用電池Eを収容する収容部55bに形成されている。これにより、入力デバイスAを構成する、厚みのある上記駆動用電池Eの配置場所として、上記載置台55aの内部を有効利用できるため、閉じた状態の下敷き板付き入力デバイスの厚みを薄くすることができる。それ以外の部分は、上記第4の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0067】
図15は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第8の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板56の全体が、筆記用紙70を載置する載置台56aに形成され、電池Eの収容部56bが、下敷き板56の内部に全体的に形成されている。そのため、下敷き板付き入力デバイスを閉じた状態では、下敷き板56を全体的に入力デバイスAの外枠内に収容することができる。そして、上記第7の実施の形態(図14参照)と同様、薄形化することができる。それ以外の部分は、上記第7の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0068】
図16(a)は、本発明の第2の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第9の実施の形態)を示す斜視図であり、図16(b)は、その断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第5の実施の形態(図12参照)において、入力デバイスAと下敷き板58とが、それらの一端縁を軸として回動自在に一体的になっているのではなく、着脱自在に係合するものとなっている。すなわち、上記下敷き板58に形成された載置台58aの周縁部と、上記入力デバイスAの底の保持板30に形成された段部30aとの、着脱自在な係合により、上記入力デバイスAと下敷き板58との着脱自在な係合が可能になっている。そして、上記係合により、入力デバイスAと下敷き板58との相対的な位置ずれは発生せず、上記第5の実施の形態と同様にして、筆記用紙70(図12参照)を位置決めした状態で固定することができる。それ以外の部分は、上記第5の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0069】
この実施の形態の変形例として、上記第6の実施の形態(図13参照)と同様の入力デバイスAと下敷き板59を用いてもよい。すなわち、下敷き板に59に形成した載置台59aの外周側面59bを傾斜させ、それに対応して、入力デバイスAの底の保持板30に傾斜部30bを形成してもよい。そして、上記第6の実施の形態と同様にして、筆記用紙70を固定することができる。
【0070】
さらに、この実施の形態の他の変形例として、上記第7および第8の実施の形態(図14,図15参照)と同様の入力デバイスAと下敷き板55,56を用いてもよい。すなわち、下敷き板55,56に形成した載置台55a,56aの内部を駆動用電池Eを収容する収容部55b,56bに形成してもよい。
【0071】
なお、以上の各実施の形態において、入力デバイスAのうち、筆記用紙70と接触する部分に、その筆記用紙70に対して滑り難いゴム素材を用いてもよい。
【0072】
図17は、本発明の第3の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第10の実施の形態)を示す斜視図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の入力デバイスAの裏面に、下敷き板57が積層状態で固定されている。そして、入力デバイスAの入力用中空部Sの内周縁の一辺が、筆記用紙70(図1参照)の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺61になっている。さらに、その位置決め基準辺61の両端の隅部に、樹脂や金属等からなる固定片62が、接着剤による接着等により架設されている。そして、それら固定片62の裏面と上記下敷き板57の表面との間で、上記筆記用紙70の隣り合う2個所の角部を挟持するようになっている。また、下敷き板57は、表面が平面状になっている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0073】
この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスに筆記用紙70を設置する際は、筆記用紙70の隣り合う2個所の角部を、入力用中空部Sの2個所の固定片62と下敷き板57との間にスライドさせるように入れるとともに、筆記用紙70の上記2個所の角部の間の一辺を、入力用中空部Sの上記2個所の固定片62の間の一辺(位置決め基準辺61)に当接させる。これにより、筆記用紙70の上記2個所の角部が、固定片62の裏面と上記下敷き板57の表面との間に挟持され、筆記用紙70が固定されるとともに、筆記用紙70の一辺が入力用中空部Sの位置決め基準辺61に当接し、筆記用紙70が適正な位置に位置決めされる。この状態で、筆記用紙70に記入しても、その筆記用紙70は位置ずれしない。筆記用紙70を取り出す際には、筆記用紙70の上記2個所の角部を、固定片62の裏面と上記下敷き板57の表面との間から引き抜いて、筆記用紙70を取り出す。そして、再度、筆記用紙70を設置する際は、上記と同様にして設置されるため、前回と同じ位置に載置することができ、位置ずれが生じない。
【0074】
なお、以上の各実施の形態では、入力デバイスAの四角枠状の光導波路Wにおいて、入力用中空部S内での光伝送効率を向上させるために、光出射用のコア2aの先端部および光入射用のコア2bの先端部をレンズ部に形成するとともに、それを被覆するオーバークラッド層3の先端部もレンズ部3aに形成したが、入力用中空部S内での光伝送効率が充分であれば、上記レンズ部は、コア2a,2bまたはオーバークラッド層3の一方のみに形成してもよいし、両方とも形成しなくてもよい。また、上記レンズ部を形成しない場合、別体のレンズ体を準備し、上記光導波路Wの入力用中空部S内の周縁に沿って設置してもよい。
【0075】
図18は、以上の各実施の形態における入力デバイスの部分の他の実施の形態を示している。この実施の形態の入力デバイスBは、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板の、上記入力用中空部Sの対向する一方の周縁に、複数の発光ダイオード(発光手段)11が並設され、他方の周縁に、複数のフォトダイオード(受光手段)12が並設され、上記発光ダイオード11の発光部と、上記フォトダイオード12の受光部とが対向している。この入力デバイスBには、光導波路W(図3参照)は設けられていない。なお、上記発光ダイオード11およびフォトダイオード12は、上記保持板の表面に設けられた四角枠状の回路基板8に搭載されている。また、前記第1の実施の形態と同様に、上記回路基板8には、入力デバイスBを制御するCPU,上記入力用中空部S内の領域に入力した情報を出力する出力モジュール,記憶手段,電池等が搭載され、さらに、保護板40も設けられている。なお、図18では、発光ダイオード11,フォトダイオード12の数を略して図示している。
【0076】
この実施の形態でも、上記複数の発光ダイオード11により、上記入力用中空部S内の領域において、光Hが格子状に走った状態となる。そして、その入力用中空部S内の領域でペンP(図2参照)を移動させると、上記格子状に走る光Hが、上記ペンPのペン先により遮光され、その遮光が上記フォトダイオード12により感知されることにより、上記ペン先の軌跡が検知される。すわなち、この実施の形態の入力デバイスBを、上記第1〜第10の実施の形態の入力デバイスAに代えて使用することができる。
【0077】
図19は、上記第1〜第10の各実施の形態における入力デバイスの部分のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態の入力デバイスB2は、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板の、上記入力用中空部Sの一つの辺の両側の角部に、発光ダイオード(発光手段)とCMOSイメージセンサ(受光素子)とを上下(上記保持板と直交する方向)に重ねた測定モジュール13がそれぞれ配置され、残りの3辺の内側面に、再帰性光反射テープ14が貼着されている。上記発光ダイオードは、約90°の広がり角度で光Hが投射されるものであり、上記入力用中空部S全体に光Hを行きわたらせるものとなっている。また、上記再帰性光反射テープ14は、入射した光を同じ方向に反射する機能をもっているものである。なお、上記2個の測定モジュール13は、上記保持板の表面の一部に設けられた回路基板に搭載されている。
【0078】
この実施の形態では、上記各測定モジュール13の発光ダイオードから投射された光が上記再帰性光反射テープ14で反射され、投射元の測定モジュール13のCMOSイメージセンサで受光されるようになっている。このため、上記入力用中空部Sにおいて、上記2個の測定モジュール13を中心とした扇状に光Hが走った状態となる。そして、その入力用中空部S内の領域でペンPを移動させると、上記扇状に走る光Hが、上記ペンPのペン先により遮光され、その遮光が上記2個の測定モジュール13のCMOSイメージセンサにより感知される。その遮光位置(上記ペン先の位置)は、三角測量を利用して特定される。すわなち、この実施の形態の入力デバイスB2を、上記第1〜第10の実施の形態の入力デバイスAに代えて使用することができる。
【0079】
なお、上記各実施の形態では、下敷き板付き入力デバイスをパソコンとともに使用し、上記入力デバイスA,B,B2への入力情報を上記パソコンのディスプレイに表示したが、上記各実施の形態におけるパソコンの機能と同様の機能を、上記入力デバイスA,B,B2または上記ディスプレイに付与し、パソコンを使用することなく、ディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0080】
また、上記各実施の形態において、下敷き板51〜59の、筆記用紙70と接触する面に、筆記用紙70を吸着する手段を設けてもよい。その手段としては、例えば、静電チャック方式,エア吸着方式,微粘着のシリコーンシート等があげられる。
【0081】
つぎに、実施例について説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0082】
〔実施例1〕
〔下敷き板の作製〕
下敷き板の形成材料としてアルミニウム板を準備し、それを切削加工することにより、図1に示す、複数の円柱状の突起部が形成された下敷き板を作製した。上記突起部の外径を5mm、高さを5mmとした。
【0083】
〔アンダークラッド層の形成材料〕
成分A:脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、EHPE3150)75重量部。
成分B:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0150M)25重量部。
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−200K)4重量部。
これら成分A〜Cを、紫外線吸収剤(チバジャパン社製、TINUVIN479)5重量部とともに、シクロヘキサノン(溶剤)に溶解することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
【0084】
〔コアの形成材料〕
成分D:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、157S70)85重量部。
成分E:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)5重量部。
成分F:エポキシ基含有スチレン系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0250SP)10重量部。
これら成分D〜Fと上記成分C4重量部とを、乳酸エチルに溶解することにより、コアの形成材料を調製した。
【0085】
〔オーバークラッド層の形成材料〕
成分G:脂環骨格を有するエポキシ樹脂(アデカ社製、EP4080E)100重量部。
この成分Gと上記成分C2重量部とを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
【0086】
〔光導波路の作製〕
ステンレス製基板(厚み50μm)の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料を塗布した後、160℃×2分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。ついで、上記感光性樹脂層に対し、紫外線を照射して積算光量1000mJ/cm2 の露光を行い、厚み10μmのアンダークラッド層(波長830nmにおける屈折率1.510)を形成した。
【0087】
ついで、上記アンダークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を塗布した後、170℃×3分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。つぎに、フォトマスクを介して(ギャップ100μm)、紫外線を照射し、積算光量3000mJ/cm2 の露光を行った。つづいて、120℃×10分間の加熱処理を行った。その後、現像液(γ−ブチロラクトン)を用い現像することにより、未露光部分を溶解除去した後、120℃×5分間の乾燥処理を行い、幅30μm×高さ50μmのコア(波長830nmにおける屈折率1.570)をパターン形成した。
【0088】
ここで、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する成形型を準備した。この成形型には、オーバークラッド層の表面形状に対応する型面を有する凹部が形成されている。そして、その凹部を上にして、成形型を成形ステージの上に設置し、その凹部に、上記オーバークラッド層の形成材料を充填した。
【0089】
ついで、上記アンダークラッド層の表面にパターン形成したコアを、上記成形型の凹部に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層を上記成形型に押圧し、上記オーバークラッド層の形成材料内に、上記コアを浸した。そして、この状態で、紫外線を、上記成形型を透して上記オーバークラッド層の形成材料に照射して積算光量8000mJ/cm2 の露光を行い、コアの先端部に対応するオーバークラッド層の部分が凸状のレンズ部に形成されたオーバークラッド層を形成した。その凸状のレンズ部は、側断面形状が略1/4円弧状のレンズ曲面(曲率半径1.4mm)を有するものであった。
【0090】
つぎに、上記成形型から、上記オーバークラッド層を、上記基板,アンダークラッド層およびコアと共に脱型した。
【0091】
そして、上記基板をアンダークラッド層から剥離し、アンダークラッド層,コアおよびオーバークラッド層からなる帯状の光導波路部分(総厚1mm)を得た。
【0092】
〔入力デバイスの作製〕
つぎに、回路基板を準備し、それに、発光素子(Optowell社製、SM85−2N001),受光素子(浜松ホトニクス社製、S−10226),CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,リチウムイオン電池(3.7V)等を搭載し、制御手段を作製した。
【0093】
ここで、四角枠状のステンレス製保持板(厚み0.50mm)を準備した。この保持板の入力用中空部は、縦30cm×横30cmの四角形とした。そして、上記保持板の裏面に、放電加工することにより、上記下敷き板の突起部が挿入される挿入穴を形成した。この挿入穴の内径を5.5mmとした。また、上記保持板の表面のうち、上記入力用中空部の外側部分に、上記帯状の光導波路部分を貼着し、四角枠状の光導波路を作製するとともに、上記制御手段を固定した。このとき、上記発光素子を光出射用のコアに接続し、上記受光素子を光入射用のコアに接続した。その後、上記オーバークラッド層のレンズ部を除く頂面と、上記制御手段の固定部分とを、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、図1に示す入力デバイスを得た。
【0094】
〔下敷き板付き入力デバイスの作製〕
最後に、前記下敷き板の一端縁と上記入力デバイスの一端縁とに、軸体を挿入する挿入孔を形成し、これら挿入孔にその軸体を挿入した。これにより、上記入力デバイスと上記下敷き板とを、その一端縁を軸として相対的に回動自在に組み立て、図1に示す下敷き板付き入力デバイスを得た。
【0095】
〔実施例2〕
〔入力デバイスの作製〕
上記実施例1と同様の四角枠状の保持板を形成し、その入力用中空部の対向する一方の周縁に、複数の発光ダイオード(シャープ社製、GL4800E0000F)を並設し、他方の周縁に、複数のフォトダイオード(シャープ社製、PD411PI2E00P)を並設した。また、上記実施例1と同様に、回路基板に、CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,2個のコイン型リチウム電池等を搭載して制御手段を作製し、それを上記保持板に固定した。ここで、上記発光ダイオード,フォトダイオード,制御手段を、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、図18に示す入力デバイスを得た。
【0096】
〔下敷き板付き入力デバイスの作製〕
上記実施例1と同様の下敷き板を形成し、その下敷き板と上記入力デバイスとを、上記実施例1と同様にして、回動自在に組み立て、下敷き板付き入力デバイスを得た。
【0097】
〔入力デバイスの作動確認〕
資料等の情報を記憶したUSBメモリとパソコンとを準備し、そのUSBメモリの記憶情報を、上記パソコンを利用して、そのパソコンのディスプレイに表示した。なお、上記パソコンには、上記入力デバイスの四角枠状の光導波路の入力用中空部内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が、組み込まれている。また、上記パソコンは、上記入力デバイスの無線モジュールからの電波(情報)を受信できるよう受信手段を備えており、上記パソコンと入力デバイスとを、無線で情報伝達可能に接続した。
【0098】
そして、筆記用紙として、その一端縁部に複数の貫通孔が形成されているものを準備した。つぎに、上記実施例1,2の下敷き板付き入力デバイスを開き、上記筆記用紙の貫通孔に、上記下敷き板の複数の突起部を挿入し、上記筆記用紙を上記下敷き板の表面に載置した。その後、上記下敷き板付き入力デバイスを閉じ、上記筆記用紙の貫通孔の周辺部分を、上記下敷き板の表面の上記突起部の周辺部分と上記入力デバイスの裏面の上記挿入穴の周辺部分との間で挟持し、上記筆記用紙を固定した。ついで、上記入力用中空部内の領域から露呈する上記筆記用紙に、ペンで文字を記入した。その結果、その文字が、上記ディスプレイに表示されている資料等の情報に重ね合わさった状態で、表示された。しかも、上記筆記用紙は、位置ずれしなかった。そして、上記下敷き板付き入力デバイスを開き、上記筆記用紙を取り出した後、再度、その筆記用紙を、上記と同様にして、上記下敷き板付き入力デバイスに設置し、上記入力用中空部内の領域から露呈する上記筆記用紙に、ペンで文字を記入した。その結果、上記筆記用紙の記入情報と上記ディスプレイの表示情報とに位置ずれは生じなかった。
【0099】
また、図9〜図17に示す下敷き板付き入力デバイスを作製し、それを用いても、上記実施例1と同様の結果を得た。さらに、上記実施例2のように、図9〜図17に示す下敷き板に対応する入力デバイスを作製し、その入力デバイスを取り付けた下敷き板付き入力デバイスを用いても、上記実施例2と同様の結果を得た。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板と入力デバイスとの間に筆記用紙を挟持して固定し、その筆記用紙に記入した文字,図,印等の新たな情報を、ディスプレイに表示することに利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
A 入力デバイス
S 入力用中空部
W 光導波路
51 下敷き板
51a 突起部
70 筆記用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的な位置検出手段を備えた下敷き板付き入力デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力デバイスとして、複数の発光素子および受光素子を備えた光学的位置検出装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。このものは、四角枠状に形成され、その四角枠を構成する一対のL字状部分の一方に、発光素子を複数並設し、他方に、上記発光素子に対向する受光素子を複数並設したものとなっている。そして、その四角枠状の光学的位置検出装置は、四角形のディスプレイの周縁に沿って設置され、その四角枠内でペンや指等を移動させることにより、文字等の情報を入力し、上記ディスプレイに表示することができるようになっている。すなわち、上記四角枠内でペンや指等を移動させると、上記発光素子からの光がペン先や指先等により遮光され、その遮光を、上記発光素子に対向する受光素子が感知することにより、上記ペン先や指先等の軌跡(文字等の入力情報)を検知するようになっている。そして、その軌跡を信号として上記ディスプレイに出力するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3682109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記光学的位置検出装置は、四角枠状であるため、その下に紙を設置し、その紙の一部分を枠内から露呈させ、その露呈した紙の部分に直接、ペン等の筆記具で文字等を記入しながら、その文字等を上記ディスプレイに表示することもできる。
【0005】
しかしながら、記入中に、光学的位置検出装置と紙との相対的な位置がずれると、紙に記入した文字等の位置(アナログデータ)とディスプレイに表示された文字等の位置(デジタルデータ)とが合わなくなる(アナログデータとデジタルデータに差がでる)。また、紙への記入を一時中断し、その紙を光学的位置検出装置から取り出した後、再記入するために、光学的位置検出装置の下に上記紙を再度設置すると、前回の紙位置とずれが生じる。その状態で紙に記入すると、紙上では前回と位置がずれないように記入できるものの、ディスプレイ上では位置がずれて表示される(アナログデータとデジタルデータに差がでる)。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、設置した筆記用紙への記入中でも再度の筆記用紙設置時でも、上記筆記用紙の位置ずれが生じないようにすることができる下敷き板付き入力デバイスの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの一端縁を軸として回動自在に上記入力デバイスの裏面に取り付けられた下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段が設けられているとともに、上記下敷き板の表面と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているという構成をとる。
【0008】
さらに、本発明の第2の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に着脱自在に係合する下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙を載置する載置台が形成され、その載置台の周縁部に対応する上記入力デバイスの裏面の部分が、その載置台の周縁部に対応する形状に形成され、それら載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分とが着脱自在に係合可能になっており、上記載置台の外周側面が上記筆記用紙の外周縁に対応し、上記載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているという構成をとる。
【0009】
また、本発明の第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に固定された下敷き板とからなり、上記入力用中空部の内周縁の一辺が、筆記用紙の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺に形成されているとともに、その位置決め基準辺の両端の隅部に、固定片が架設され、それら固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間が、上記筆記用紙の隣り合う2個所の角部の挟持部に形成されているという構成をとる。
【0010】
すなわち、本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイスを用いて、筆記用紙に記入する際には、まず、入力デバイスと下敷き板とを、その入力デバイスの一端縁を軸として相対的に回動させて開く。ついで、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段を利用して、筆記用紙を適正な位置に位置決めして載置する。つぎに、入力デバイスと下敷き板とを相対的に回動させて閉じる。これにより、筆記用紙が、下敷き板の表面と入力デバイスの裏面との間で挟持され固定される。この状態で、筆記用紙に記入する。筆記用紙を取り出す際には、再度、入力デバイスと下敷き板とを相対的に回動させて開き、筆記用紙を取り出す。
【0011】
また、本発明の第2の要旨の下敷き板付き入力デバイスを用いて、筆記用紙に記入する際には、まず、入力デバイスと下敷き板とが係合されていない状態で、その下敷き板に形成された載置台の外周側面に筆記用紙の外周縁を沿わせるよう、その筆記用紙を上記載置台に載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めする。ついで、載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分と係合する。これにより、筆記用紙の周縁部が、載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間で挟持され固定される。この状態で、筆記用紙に記入する。筆記用紙を取り出す際には、再度、入力デバイスと下敷き板との係合を解き、筆記用紙を取り出す。
【0012】
さらに、本発明の第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスを用いて、筆記用紙に記入する際には、筆記用紙の隣り合う2個所の角部を、入力用中空部の2個所の隅部に架設した固定片と下敷き板との間にスライドさせるように入れるとともに、筆記用紙の上記2個所の角部の間の一辺を、入力用中空部の上記2個所の固定片の間の一辺(位置決め基準辺)に当接させる。これにより、筆記用紙の上記2個所の角部が、固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間に挟持され、筆記用紙が固定されるとともに、筆記用紙の一辺が入力用中空部の位置決め基準辺に当接し、筆記用紙が適正な位置に位置決めされる。この状態で、筆記用紙に記入する。筆記用紙を取り出す際には、筆記用紙の上記2個所の角部を、固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間から引き抜いて、筆記用紙を取り出す。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、入力デバイスの裏面に、下敷き板が、入力デバイスの一端縁を軸として回動自在に取り付けられているため、上記入力デバイスと上記下敷き板とを相対的に回動させて開いても、両者の相対的な位置ずれは発生しない。そして、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段が設けられているため、筆記用紙を再度設置する場合でも、その位置決め手段を利用して、適正な位置に載置することができ、しかも、上記のように入力デバイスと下敷き板との相対的な位置ずれが発生しないことから、上記筆記用紙と入力デバイスとの相対的な位置ずれも発生しない。さらに、上記下敷き板の表面と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているため、その筆記用紙への記入中でも、筆記用紙の位置ずれが生じない。また、上記入力デバイスには、上記のように下敷き板が取り付けられているため、上記入力デバイスは、枠状であっても、剛性を高めることができ、より精度良く、筆記具の先端部(ペン先等)の移動軌跡を検知することができる。
【0014】
特に、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙に予め形成されている複数の貫通孔に挿入する複数の突起部である場合には、上記筆記用紙に予め形成されている複数の貫通孔に、上記複数の突起部を挿入することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができるとともに、上記筆記用紙が位置ずれしないようにすることができる。
【0015】
また、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁を示す目印線である場合には、上記筆記用紙の外周縁を上記目印線に沿わせるよう、上記筆記用紙を載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができる。
【0016】
さらに、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応して配置された滑り止め材である場合には、上記筆記用紙の外周縁を上記滑り止め材の配置に対応させるよう、上記筆記用紙を載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができるとともに、上記筆記用紙が位置ずれし難くなっている。
【0017】
そして、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応する外周側面を有する、上記筆記用紙を載置する載置台である場合には、上記筆記用紙の外周縁を上記載置台の外周側面に沿わせるよう、上記筆記用紙を上記載置台に載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができる。しかも、上記載置台の外周側面は、手や指の感触により認識可能であるため、筆記用紙の位置決めが容易になっている。
【0018】
なかでも、上記載置台が形成されて厚くなっている下敷き板の部分の内部が、上記入力デバイスの駆動用電池を収容する収容部に形成されている場合には、上記載置台の内部を有効利用できるため、本発明の第1の要旨の下敷き板付き入力デバイス全体の厚みを薄くすることができる。
【0019】
本発明の第2の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板の表面に、筆記用紙を載置する載置台が形成され、その載置台の周縁部に対応する上記入力デバイスの裏面の部分が、その載置台の周縁部に対応する形状に形成されているため、それら載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分とを着脱自在に係合することにより、入力デバイスと下敷き板とが、相対的な位置ずれを発生することなく、着脱自在に係合可能となっている。また、上記載置台の外周側面が上記筆記用紙の外周縁に対応しているため、上記筆記用紙の外周縁を上記載置台の外周側面に沿わせるよう、上記筆記用紙を上記載置台に載置することにより、上記筆記用紙を適正に位置決めすることができる。さらに、上記載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されているため、その筆記用紙への記入中でも、筆記用紙の位置ずれが生じない。
【0020】
本発明の第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスは、入力デバイスの裏面に、下敷き板が固定されているため、上記入力デバイスと上記下敷き板との相対的な位置ずれはない。そして、上記入力デバイスの入力用中空部の内周縁の一辺が、筆記用紙の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺に形成されているとともに、その位置決め基準辺の両端の隅部に、固定片が架設され、それら固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間が、上記筆記用紙の隣り合う2個所の角部の挟持部に形成されている。そのため、上記筆記用紙の位置決めおよび固定は、筆記用紙の隣り合う2個所の角部を、上記固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間で挟持させるとともに、筆記用紙の上記2個所の角部間の一辺を上記入力用中空部の内周縁の位置決め基準辺に当接させることにより、行うことができる。すなわち、筆記用紙への記入中でも再度の筆記用紙設置時でも、筆記用紙の位置ずれが生じない。さらに、上記入力デバイスには、上記のように下敷き板が固定されているため、上記入力デバイスは、枠状であっても、剛性を高めることができ、より精度良く、筆記具の先端部(ペン先等)の移動軌跡を検知することができる。
【0021】
特に、本発明の第1〜第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスにおいて、上記発光手段が、発光素子と、この発光素子に接続された、光導波路の複数の光出射用コアとからなり、上記受光手段が、受光素子と、この受光素子に接続された、光導波路の複数の光入射用コアとからなり、上記光出射用コアの先端部と上記光入射用コアの先端部とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している場合には、上記枠状板上に上記光導波路が形成され、その光導波路は薄く形成することができるため、ペン等の筆記具で入力する際に、上記入力デバイスが、その入力の妨げにならず、入力し易くなっている。
【0022】
一方、本発明の第1〜第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスにおいて、上記発光手段が、複数の発光素子からなり、上記受光手段が、複数の受光素子からなり、上記複数の発光素子と上記複数の受光素子とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している場合には、上記発光素子および上記受光素子がある程度厚みを有するため、上記入力デバイスも全体的にある程度厚く形成され、その入力デバイスを剛性および強度のあるものとすることができる。
【0023】
また、本発明の第1〜第3の要旨の下敷き板付き入力デバイスにおいて、上記発光手段と受光手段とが、発光素子と受光素子とを上下に重ねたモジュールからなり、そのモジュールが上記枠状板の一つの辺の両側の角部にそれぞれ配置され、これらモジュールの間の上記一つの辺を除く辺の内側面に、テープ状の再帰性光反射体が配置され、一方のモジュールの発光素子から投射された光が、上記再帰性光反射体に反射されて、この一方のモジュールの受光素子で受光されるようになっている場合には、少ない部品点数で、三角測量により、筆記具の先端部(ペン先等)の移動軌跡を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第1の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】上記下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙を挟持した状態を模式的に示す断面巣である。
【図3】(a)は、上記下敷き板付き入力デバイスにおける入力デバイスの部分を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)のX1−X1断面の拡大図であり、(c)は、(a)のX2−X2断面の拡大図である。
【図4】(a)〜(c)は、入力デバイスの作製方法の一例を模式的に示す説明図である。
【図5】(a)〜(c)は、上記図4に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図である。
【図6】(a)〜(b)は、上記図5に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図である。
【図7】(a)は、上記図6に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図であり、(b)は、(a)のX4−X4断面図である。
【図8】上記図7に示す工程に続く入力デバイスの作製方法を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第2の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第3の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第4の実施の形態を模式的に示し、(a)はその斜視図、(b)はそれを閉じた状態の断面図である。
【図12】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第5の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図13】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第6の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図14】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第7の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図15】本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第8の実施の形態を模式的に示す、閉じた状態の断面図である。
【図16】本発明の第2の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第9の実施の形態)を模式的に示し、(a)はその斜視図、(b)はそれを係合した状態の断面図である。
【図17】本発明の第3の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第10の実施の形態)を模式的に示す斜視図である。
【図18】本発明の下敷き板付き入力デバイスの入力デバイスの部分の他の形態を模式的に示す平面図である。
【図19】本発明の下敷き板付き入力デバイスの入力デバイスの部分のさらに他の形態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第1の実施の形態を示す斜視図であり、図2は、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態を示す断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、四角形状の入力用中空部(窓部)Sを有する四角枠状の入力デバイスAの裏面に、この入力デバイスAの一端縁を軸として回動自在となるよう、下敷き板51を一体的に取り付けたものである。この下敷き板51は、入力デバイスAの裏面から、入力用中空部Sの全体を覆うことができるよう、入力用中空部Sの領域よりも大きく形成されており、この実施の形態では、入力デバイスAの外周縁と同じ形状に形成されている。また、下敷き板51の表面には、その表面に載置する筆記用紙70を位置決めするための手段が設けられており、この実施の形態では、その位置決め手段として、対向する一対の端縁部に、筆記用紙70に予め形成されている複数の貫通孔71に挿入する複数の突起部51aが列をなして形成されている。さらに、この実施の形態では、入力デバイスAの裏面に、上記突起部51aが挿入する挿入穴31が形成されている。そして、筆記用紙70の周縁部分を、入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面と下敷き板51の表面との間で挟持するようになっている。このように、上記入力デバイスAの裏面に、上記下敷き板51を取り付けたことが、本発明の大きな特徴である。
【0027】
そして、下敷き板付き入力デバイスに筆記用紙70を設置する際は、この実施の形態では、その筆記用紙70として、その一端縁部に、その筆記用紙70を綴じる際に利用する上記複数の貫通孔71が市販状態で形成されているものを準備する。そして、入力デバイスAと下敷き板51とを、その入力デバイスAの一端縁を軸として相対的に回動させて開く。ついで、上記筆記用紙70の複数の貫通孔71に、下敷き板51の複数の突起部51aを挿入し、筆記用紙70を下敷き板51の表面に載置する。これより、筆記用紙70を適正に位置決めすることができるとともに、筆記用紙70が位置ずれしないようにすることができる。つぎに、入力デバイスAと下敷き板51とを相対的に回動させて閉じる。これにより、筆記用紙70の貫通孔71の周辺部分が、下敷き板51の表面の突起部51aの周辺部分と入力デバイスAの裏面の挿入穴31の周辺部分との間で挟持されるとともに、上記貫通孔71が形成されている部分以外の筆記用紙70の周縁部も、下敷き板51の表面と入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面との間で挟持され、筆記用紙70が固定される。そのため、この状態で、入力デバイスAの入力用中空部Sから露呈する筆記用紙70にペンPで記入しても、その筆記用紙70は位置ずれしない。筆記用紙70を取り出す際には、再度、入力デバイスと下敷き板51とを相対的に回動させて開き、筆記用紙70を取り出す。そして、再度、筆記用紙70を設置する際は、上記と同様にして設置されるため、前回と同じ位置に載置することができ、位置ずれが生じない。
【0028】
しかも、上記下敷き板51は、入力デバイスAの一端縁を軸として回動自在に取り付けられているため、入力デバイスAと下敷き板51とを相対的に回動させて開いても、両者の相対的な位置ずれは発生しない。そのため、上記のようにして下敷き板51の表面に位置決め載置された筆記用紙70と入力デバイスAとの相対的な位置ずれも発生しない。
【0029】
また、この実施の形態では、上記複数の突起部51aが、対向する両端縁部に形成されているため、筆記用紙70の表面に記入するときは、一方の端縁部の突起部51aを利用して位置決めし、筆記用紙70の裏面に記入するときは、他方の端縁部の突起部51aを利用して位置決めすることができ、筆記用紙70の両面に記入することができる。
【0030】
なお、上記下敷き板51を回動自在とする構造は、例えば、入力デバイスAの一端縁と下敷き板51の一端縁とに、軸体(図示せず)を挿入する挿入孔(図示せず)を形成し、これら挿入孔にその軸体を挿入した構造にすることがあげられる。このような構造により、入力デバイスAと下敷き板51とが、その一端縁を軸として相対的に回動自在になっている。なお、上記回動の軸は、入力デバイスAのいずれの一端縁でもよい。
【0031】
また、下敷き板51の突起部51aの高さは、1枚の筆記用紙70が挿入される程度に形成され、例えば、0.5〜5.0mm程度に設定される。この突起部51aが挿入される、上記入力デバイスAの挿入穴31の深さは、上記突起部51aの全体が挿入される深さに設定する。
【0032】
ここで、上記入力デバイスAについて詳しく説明する。その入力デバイスAは、その平面図を図3(a)に、そのX1−X1断面の拡大図を図3(b)に、図3(a)のX2−X2断面の拡大図を図3(c)に示すように、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の光導波路Wと、この光導波路Wの一辺の外側に設けられた制御手段Cとを備えており、これらは、上記入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板(枠状板)30の表面に設けられているとともに、上記入力用中空部Sを有する四角枠状の保護板40で覆われている。上記制御手段Cは、上記光導波路Wの複数の光出射用のコア2aの端部に接続される発光素子5と、上記光導波路Wの複数の光入射用のコア2bの端部に接続される受光素子6とを備えている。
【0033】
上記四角枠状の光導波路Wは、図3(a),(b)に示すように、その四角枠形状の各辺の帯状の光導波路部分を個別に作製し、それを四角枠状に接続したものとなっている。この実施の形態では、上記帯状の各光導波路部分の両端縁が段部に形成されており、その段部を利用して位置決めした状態で、隣接し合う光導波路部分と光導波路部分とが接続されている。また、上記帯状の各光導波路部分は、アンダークラッド層1と、このアンダークラッド層1の表面に所定パターンに形成されたコア2a,2bと、このコア2a,2bを被覆した状態で、上記アンダークラッド層1の表面に形成されたオーバークラッド層3とからなっている。なお、上記アンダークラッド層1は、上記四角枠状の保持板30の表面に貼着されている。
【0034】
そして、四角枠状に形成された上記光導波路Wは、そのアンダークラッド層1の四角枠を構成する一対のL字状部分の一方の表面に、光出射用のコア2aが複数に分岐された状態で形成され、他方の表面に、光入射用の複数のコア2bが並列状態で形成されている。各コア2a,2bの先端部は、上記一対のL字状部分の内側縁(四角枠の内周縁)に位置決めされ、光出射用のコア2aの先端部と光入射用のコア2bの先端部とが対向した状態に形成されている。さらに、上記光出射用のコア2aおよび光入射用のコア2bを被覆した状態で、上記アンダークラッド層1の表面に、オーバークラッド層3が四角枠状に形成されている。この実施の形態では、上記四角枠の内周縁に位置決めされているコア2a,2bの先端部が、平面視形状が略1/2円弧状の曲面を有する凸状のレンズ部に形成され、そのレンズ部を被覆するオーバークラッド層3の先端部が、側断面形状が略1/4円弧状の曲面を有する凸状のレンズ部3aに形成されている。なお、図3(a)では、コア2a,2bを鎖線で示しており、鎖線の太さがコア2a,2bの太さを示している。また、図3(a),(b)では、コア2a,2bの数を略して図示している。
【0035】
また、上記制御手段Cは、図3(a),(c)に示すように、先に述べた発光素子5および受光素子6に加え、上記入力デバイスAを制御するCPU(中央処理装置)(図示せず),上記光導波路Wの入力用中空部S内の領域に入力した情報(ペン先等の移動軌跡の情報)を出力する出力モジュール(図示せず),その情報を記憶する記憶手段(図示せず),電源となる電池(図示せず)等も備えている。そして、上記発光素子5,上記受光素子6,上記CPU,上記出力モジュール,上記記憶手段,上記電池等は、回路基板8に搭載され、電気的に適正に接続されている。
【0036】
このような入力デバイスAでは、上記発光素子5からの光Hは、上記光出射用のコア2aを通り、その先端のレンズ部を経て、それを被覆するオーバークラッド層3のレンズ部3aの表面から出射される。これにより、その光Hは、上記四角枠状の光導波路Wの入力用中空部S内の領域において、格子状に走った状態となる。その格子状に走る光Hは、上記光出射用のコア2aの先端のレンズ部およびそれを被覆するオーバークラッド層3のレンズ部3aの屈折作用により、発散が抑制されている。そして、上記光Hは、受光側のオーバークラッド層3のレンズ部3aを透過し、光入射用のコア2bの先端のレンズ部を経て、上記光入射用のコア2bを通り、上記受光素子6に到達する。上記光入射用のコア2bに入射した光は、上記オーバークラッド層3のレンズ部3aおよび上記光入射用のコア2bの先端のレンズ部の屈折作用により、絞られて収束されている。
【0037】
そして、前記下敷き板付き入力デバイスに、前記のようにして筆記用紙70(図2参照)を位置決め固定し、その筆記用紙70に情報を記入する際には、上記のように光Hが格子状に走る上記入力用中空部Sから露呈する上記筆記用紙70の部分に、ペンPで、文字,図,印等を記入する。これにより、上記格子状に走る光Hは、上記ペンPのペン先により遮光され、その遮光が上記受光素子6により感知されることにより、上記ペン先の軌跡が検知される。そのペン先の軌跡が文字,図,印等の入力情報となる。なお、上記格子状に走る光Hの高さは、ペン先を検知する観点から、筆記用紙70の表面から0.2〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
【0038】
また、上記下敷き板付き入力デバイスは、例えば、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)とともに使用される。すなわち、上記パソコンのディスプレイに資料等の情報を表示し、その表示された情報に、文字,図,印等の情報を加える場合、上記のように、上記入力デバイスAの入力用中空部S内の領域で、上記文字等の情報をペンPで入力する。これにより、そのペン先の軌跡が、上記入力デバイスAにより、検知されるとともに、信号として上記パソコンに無線または接続ケーブルで伝達され、上記ディスプレイに表示することができる。これにより、上記ディスプレイには、上記資料等の情報に、上記入力デバイスAで入力した文字等の情報が重ね合わさった状態で表示される。
【0039】
ここで使用される上記パソコンには、上記入力デバイスAの入力用中空部Sで入力した文字等を、その入力した位置に対応するディスプレイの位置に表示させるために、入力デバイスAの入力用中空部S内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスAで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が組み込まれている。
【0040】
なお、上記資料等の情報は、通常、上記パソコン内のハードディスクや外部のUSBメモリ等の情報記憶媒体に予め記憶させておき、その情報記憶媒体から出力される。そして、上記ディスプレイに表示された、上記資料等の情報と上記入力デバイスAで入力した文字等の情報とが重ね合わさった情報は、上記情報記憶媒体に記憶することができる。
【0041】
また、この第1の実施の形態では、筆記用紙70の位置決めに利用する複数の突起部51aを、図1に示すように回動軸に直角な両端縁部に形成したが、回動軸に平行な両端縁部に形成してもよい。また、上記複数の突起部51aは、下敷き板51の表面の一端縁部のみに形成してもよい。
【0042】
〔下敷き板51の作製〕
つぎに、上記下敷き板51の作製方法の一例について説明する。この下敷き板51の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,木,ガラス等があげられる。そして、その形成材料に応じた製法により、上記下敷き板51が作製される。例えば、形成材料として金属を用いる場合は、金属板のプレス加工等により作製され、樹脂を用いる場合は、射出成形等により作製される。
【0043】
〔入力デバイスAの作製〕
つぎに、上記入力デバイスAの作製方法の一例について説明する。この実施の形態では、四角枠状の光導波路Wの作製は、その四角枠形状の各辺の帯状の光導波路部分を個別に作製し、それを四角枠状に接続することにより行われる。なお、光導波路Wの作製方法の説明に引用する図4(a)〜(c),図5(a)〜(c)は、図3(a)のX1−X1断面に相当する部分を図示している。
【0044】
まず、帯状の光導波路部分を形成するための基板10〔図4(a)参照〕を準備する。この基板10の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。
【0045】
ついで、図4(a)に示すように、上記基板10の表面に、帯状のアンダークラッド層1を形成する。このアンダークラッド層1は、感光性樹脂を形成材料として、フォトリソグラフィ法により形成することができる。アンダークラッド層1の厚みは、例えば、5〜50μmの範囲内に設定される。
【0046】
つぎに、図4(b)に示すように、上記アンダークラッド層1の表面に、フォトリソグラフィ法により前記パターンの光出射用のコア2aおよび光入射用のコア2bを形成する。これらコア2a,2bの形成材料としては、上記アンダークラッド層1および下記オーバークラッド層3〔図5(b)参照〕の形成材料よりも屈折率が高い感光性樹脂が用いられる。
【0047】
ここで、図4(c)に示すように、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する成形型20を準備する。この成形型20には、オーバークラッド層3〔図5(b)参照〕の表面形状に対応する型面を有する凹部21が形成されている。そして、その凹部21を上にして、成形型20を成形ステージ(図示せず)の上に設置し、その凹部21に、オーバークラッド層3の形成材料である感光性樹脂3Aを充填する。
【0048】
ついで、図5(a)に示すように、上記アンダークラッド層1の表面にパターン形成したコア2a,2bを、上記成形型20の凹部21に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層1を上記成形型20に押圧し、上記オーバークラッド層3の形成材料である感光性樹脂3A内に、上記コア2a,2bを浸す。そして、この状態で、紫外線等の照射線を、上記成形型20を透して上記感光性樹脂3Aに照射し、その感光性樹脂3Aを露光する。これにより、上記感光性樹脂3Aが硬化し、コア2a,2bの先端部に対応するオーバークラッド層3の部分がレンズ部3aに形成されたオーバークラッド層3が形成される。
【0049】
つぎに、図5(b)〔図5(a)とは上下を逆に図示している〕に示すように、上記成形型20〔図5(a)参照〕から、上記オーバークラッド層3を、上記基板10,アンダークラッド層1およびコア2a,2bと共に脱型する。
【0050】
そして、図5(c)に示すように、上記基板10〔図4(b)参照〕をアンダークラッド層1から剥離し、アンダークラッド層1,コア2a,2bおよびオーバークラッド層3からなる帯状の光導波路部分を得る。
【0051】
つぎに、図6(a)に平面図で示すように、回路基板8を準備し、それに、発光素子5,受光素子6,上記入力デバイスA(図1参照)を制御するCPU(図示せず),上記光導波路W(図1参照)の入力用中空部S内の領域に入力した情報を出力する出力モジュール(図示せず),上記記憶手段(図示せず),電池(図示せず)等を搭載し、前記制御手段Cを作製する。
【0052】
ここで、図6(b)に平面図で示すように、入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板30を準備する。この保持板30の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。なかでも、平面性の保持に優れている点で、ステンレスが好ましい。そして、保持板30の裏面に、前記挿入穴31(図1参照)を、切削加工,エッチング等により、形成する。
【0053】
そして、図7(a)に平面図で示し,図7(b)に断面図〔図7(a)のX4−X4断面図〕で示すように、上記四角枠状の保持板30の表面に、上記帯状の光導波路部分を貼着し、四角枠状の光導波路Wを作製する。このとき、上記発光素子5を光出射用のコア2aに接続し、上記受光素子6を光入射用のコア2bに接続する。
【0054】
その後、図8に断面図で示すように、上記オーバークラッド層3のレンズ部3aを除く頂面および外周側面と、上記制御手段Cの全体とを、保護板40で覆う。この保護板40の形成材料としては、例えば、樹脂,金属,ガラス,石英,シリコン等があげられる。保護板40の厚みは、例えば、金属製であれば、0.5mm程度、樹脂製であれば、0.8mm程度に設定される。このようにして、上記入力デバイスAを作製することができる。
【0055】
〔下敷き板付き入力デバイスの作製〕
最後に、前記下敷き板51の一端縁と上記入力デバイスAの一端縁とに、軸体(図示せず)を挿入する挿入孔(図示せず)を形成し、これら挿入孔にその軸体を挿入する。これにより、上記入力デバイスAと上記下敷き板51とを、その一端縁を軸として相対的に回動自在に組み立てる。このようにして、前記下敷き板付き入力デバイスを作製することができる。
【0056】
図9は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第2の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板52の表面における筆記用紙70(図1参照)の位置決め手段として、上記第1の実施の形態における突起部51a(図1参照)に代えて、下敷き板52の表面に、筆記用紙70の外周縁を示す目印線52aが印されている。そのため、入力デバイスAの裏面に上記突起部51aが挿入する挿入穴31(図1参照)は形成されていない。また、上記目印線52aで囲まれる領域(筆記用紙70の領域)は、入力デバイスAの入力用中空部Sの領域よりも大きく、その入力用中空部Sの領域外に位置する筆記用紙70の周縁部分を、下敷き板52の表面と入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面との間で挟持するようになっている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0057】
この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスに筆記用紙70を設置する際は、入力デバイスAと下敷き板52とを相対的に回動させて開いた後、筆記用紙70の外周縁を上記目印線52aに沿わせるよう、上記筆記用紙70を載置する。これより、上記筆記用紙70を適正に位置決めすることができる。つぎに、入力デバイスAと下敷き板52とを相対的に回動させて閉じることにより、入力用中空部Sの領域外に位置する筆記用紙70の部分が、下敷き板52の表面と入力デバイスAの裏面との間で挟持され、上記筆記用紙70が固定される。そのため、この状態で、筆記用紙70に記入しても、その筆記用紙70は位置ずれしない。そして、上記下敷き板付き入力デバイスから筆記用紙70を取り出し、再度、筆記用紙70を設置しても、前回と同じ位置に載置することができ、位置ずれが生じない。
【0058】
なお、この第2の実施の形態における上記目印線52aは、塗料で描いてもよいし、印刷してもよいし、溝で形成してもよい。また、図9では、上記目印線52aを四角形に図示したが、その四角形の4個の角部だけを印してもよい。
【0059】
また、この第2の実施の形態において使用される上記筆記用紙70は、上記第1の実施の形態と同様の、綴じるために利用する複数の貫通孔71が形成された筆記用紙70でもよいし、その貫通孔71が形成されていない通常の筆記用紙70でもよい。
【0060】
図10は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第3の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板の表面における筆記用紙70(図1参照)の位置決め手段として、上記第2の実施の形態における下敷き板の目印線52a(図9参照)に代えて、下敷き板の表面に、筆記用紙70の外周縁に対応して四角枠状に滑り止め材53aが配置されている。この四角枠状の滑り止め材53aの外縁で囲まれる領域(筆記用紙70の領域)は、上記第2の実施の形態と同様、入力デバイスAの入力用中空部Sの領域よりも大きく、その入力用中空部Sの領域外に位置する筆記用紙70の周縁部分を、下敷き板の表面と入力デバイスAの入力用中空部Sの周縁部分の裏面との間で挟持するようになっている。そのため、上記滑り止め材53aにより、筆記用紙70がより位置ずれし難くなっている。それ以外の部分は、上記第2の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0061】
なお、この第3の実施の形態では、上記滑り止め材53aを四角枠状に配置したが、筆記用紙70と同形状の四角形に配置してもよい。
【0062】
図11(a)は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第4の実施の形態を示す斜視図であり、図11(b)は、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板53の表面における筆記用紙70の位置決め手段として、上記第2の実施の形態における目印線52a(図9参照)に代えて、その目印線52aで囲まれる領域(筆記用紙70の載置部分)が盛り上がった状態に形成されている。すなわち、下敷き板53の表面のその盛り上がった部分は、筆記用紙70を載置する載置台54aであり、その外周側面54bは、傾斜面に形成され、その外周側面54bの上端縁は、筆記用紙70の外周縁に対応したものとなっている。このように、載置台54aが盛り上がっているため、手や指の感触で載置台54aの外周側面54bを認識することができ、筆記用紙70の位置決めが容易になっている。また、入力デバイスAは、下敷き板付き入力デバイスが閉じた状態で、上記載置台54aの周りを囲むよう、底の保持板30が段部を有するように形成されている。それ以外の部分は、上記第2の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0063】
さらに、この第4の実施の形態では、図11(b)に示すように、入力デバイスAの段部を利用して、その入力デバイスAを構成する発光素子5,受光素子6等を、上記段部の下段部分にずらした状態で配置することができる。これにより、載置台54aを形成しても、閉じた状態の下敷き板付き入力デバイスの厚みを、それ程厚くならないようにすることができる。
【0064】
図12は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第5の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第4の実施の形態〔図11(a),(b)参照〕において、下敷き板58に形成された載置台58aの外周側面58bが、上記下敷き板58に対し直角に起立した状態になっている。そして、その載置台58aの外周部形状に対応するよう、入力デバイスAの底の保持板30に、段部30aが形成されている。そのため、上記筆記用紙70を位置決めした状態で固定し易くなっている。それ以外の部分は、上記第4の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0065】
図13は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第6の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第4の実施の形態〔図11(a),(b)参照〕と同様に、下敷き板59に載置台59aが形成されている。そして、その載置台59aの傾斜した外周部形状に対応するよう、入力デバイスAの底の保持板30に、傾斜部30bが形成されている。また、この実施の形態では、上記載置台59aの外周側面59bの下端縁が、筆記用紙70の外周縁に対応したものとなっている。そのため、下敷き板付き入力デバイスが閉じた状態(筆記用紙70を挟持した状態)では、筆記用紙70の外周部が、入力デバイスAの底の保持板30の傾斜部30bとの当接により、外側に引っ張られた状態となり、載置台59a上の筆記用紙70の部分を、皺や弛みがない平面状態とすることができる。これにより、入力用中空部S内を格子状に走る光H(図3参照)が上記筆記用紙70の皺や弛みの部分で遮光されるというエラーを、防止することができる。
【0066】
図14は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第7の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第4の実施の形態〔図11(a),(b)参照〕と同様に、下敷き板55に載置台55aが形成されており、その載置台55aにより厚くなっている部分の内部が、入力デバイスAの駆動用電池Eを収容する収容部55bに形成されている。これにより、入力デバイスAを構成する、厚みのある上記駆動用電池Eの配置場所として、上記載置台55aの内部を有効利用できるため、閉じた状態の下敷き板付き入力デバイスの厚みを薄くすることができる。それ以外の部分は、上記第4の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0067】
図15は、本発明の第1の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの第8の実施の形態を示し、その下敷き板付き入力デバイスが閉じ、筆記用紙70を挟持した状態の断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板56の全体が、筆記用紙70を載置する載置台56aに形成され、電池Eの収容部56bが、下敷き板56の内部に全体的に形成されている。そのため、下敷き板付き入力デバイスを閉じた状態では、下敷き板56を全体的に入力デバイスAの外枠内に収容することができる。そして、上記第7の実施の形態(図14参照)と同様、薄形化することができる。それ以外の部分は、上記第7の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0068】
図16(a)は、本発明の第2の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第9の実施の形態)を示す斜視図であり、図16(b)は、その断面図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、上記第5の実施の形態(図12参照)において、入力デバイスAと下敷き板58とが、それらの一端縁を軸として回動自在に一体的になっているのではなく、着脱自在に係合するものとなっている。すなわち、上記下敷き板58に形成された載置台58aの周縁部と、上記入力デバイスAの底の保持板30に形成された段部30aとの、着脱自在な係合により、上記入力デバイスAと下敷き板58との着脱自在な係合が可能になっている。そして、上記係合により、入力デバイスAと下敷き板58との相対的な位置ずれは発生せず、上記第5の実施の形態と同様にして、筆記用紙70(図12参照)を位置決めした状態で固定することができる。それ以外の部分は、上記第5の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0069】
この実施の形態の変形例として、上記第6の実施の形態(図13参照)と同様の入力デバイスAと下敷き板59を用いてもよい。すなわち、下敷き板に59に形成した載置台59aの外周側面59bを傾斜させ、それに対応して、入力デバイスAの底の保持板30に傾斜部30bを形成してもよい。そして、上記第6の実施の形態と同様にして、筆記用紙70を固定することができる。
【0070】
さらに、この実施の形態の他の変形例として、上記第7および第8の実施の形態(図14,図15参照)と同様の入力デバイスAと下敷き板55,56を用いてもよい。すなわち、下敷き板55,56に形成した載置台55a,56aの内部を駆動用電池Eを収容する収容部55b,56bに形成してもよい。
【0071】
なお、以上の各実施の形態において、入力デバイスAのうち、筆記用紙70と接触する部分に、その筆記用紙70に対して滑り難いゴム素材を用いてもよい。
【0072】
図17は、本発明の第3の要旨に係る下敷き板付き入力デバイスの実施の形態(第10の実施の形態)を示す斜視図である。この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスは、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の入力デバイスAの裏面に、下敷き板57が積層状態で固定されている。そして、入力デバイスAの入力用中空部Sの内周縁の一辺が、筆記用紙70(図1参照)の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺61になっている。さらに、その位置決め基準辺61の両端の隅部に、樹脂や金属等からなる固定片62が、接着剤による接着等により架設されている。そして、それら固定片62の裏面と上記下敷き板57の表面との間で、上記筆記用紙70の隣り合う2個所の角部を挟持するようになっている。また、下敷き板57は、表面が平面状になっている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0073】
この実施の形態の下敷き板付き入力デバイスに筆記用紙70を設置する際は、筆記用紙70の隣り合う2個所の角部を、入力用中空部Sの2個所の固定片62と下敷き板57との間にスライドさせるように入れるとともに、筆記用紙70の上記2個所の角部の間の一辺を、入力用中空部Sの上記2個所の固定片62の間の一辺(位置決め基準辺61)に当接させる。これにより、筆記用紙70の上記2個所の角部が、固定片62の裏面と上記下敷き板57の表面との間に挟持され、筆記用紙70が固定されるとともに、筆記用紙70の一辺が入力用中空部Sの位置決め基準辺61に当接し、筆記用紙70が適正な位置に位置決めされる。この状態で、筆記用紙70に記入しても、その筆記用紙70は位置ずれしない。筆記用紙70を取り出す際には、筆記用紙70の上記2個所の角部を、固定片62の裏面と上記下敷き板57の表面との間から引き抜いて、筆記用紙70を取り出す。そして、再度、筆記用紙70を設置する際は、上記と同様にして設置されるため、前回と同じ位置に載置することができ、位置ずれが生じない。
【0074】
なお、以上の各実施の形態では、入力デバイスAの四角枠状の光導波路Wにおいて、入力用中空部S内での光伝送効率を向上させるために、光出射用のコア2aの先端部および光入射用のコア2bの先端部をレンズ部に形成するとともに、それを被覆するオーバークラッド層3の先端部もレンズ部3aに形成したが、入力用中空部S内での光伝送効率が充分であれば、上記レンズ部は、コア2a,2bまたはオーバークラッド層3の一方のみに形成してもよいし、両方とも形成しなくてもよい。また、上記レンズ部を形成しない場合、別体のレンズ体を準備し、上記光導波路Wの入力用中空部S内の周縁に沿って設置してもよい。
【0075】
図18は、以上の各実施の形態における入力デバイスの部分の他の実施の形態を示している。この実施の形態の入力デバイスBは、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板の、上記入力用中空部Sの対向する一方の周縁に、複数の発光ダイオード(発光手段)11が並設され、他方の周縁に、複数のフォトダイオード(受光手段)12が並設され、上記発光ダイオード11の発光部と、上記フォトダイオード12の受光部とが対向している。この入力デバイスBには、光導波路W(図3参照)は設けられていない。なお、上記発光ダイオード11およびフォトダイオード12は、上記保持板の表面に設けられた四角枠状の回路基板8に搭載されている。また、前記第1の実施の形態と同様に、上記回路基板8には、入力デバイスBを制御するCPU,上記入力用中空部S内の領域に入力した情報を出力する出力モジュール,記憶手段,電池等が搭載され、さらに、保護板40も設けられている。なお、図18では、発光ダイオード11,フォトダイオード12の数を略して図示している。
【0076】
この実施の形態でも、上記複数の発光ダイオード11により、上記入力用中空部S内の領域において、光Hが格子状に走った状態となる。そして、その入力用中空部S内の領域でペンP(図2参照)を移動させると、上記格子状に走る光Hが、上記ペンPのペン先により遮光され、その遮光が上記フォトダイオード12により感知されることにより、上記ペン先の軌跡が検知される。すわなち、この実施の形態の入力デバイスBを、上記第1〜第10の実施の形態の入力デバイスAに代えて使用することができる。
【0077】
図19は、上記第1〜第10の各実施の形態における入力デバイスの部分のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態の入力デバイスB2は、四角形状の入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板の、上記入力用中空部Sの一つの辺の両側の角部に、発光ダイオード(発光手段)とCMOSイメージセンサ(受光素子)とを上下(上記保持板と直交する方向)に重ねた測定モジュール13がそれぞれ配置され、残りの3辺の内側面に、再帰性光反射テープ14が貼着されている。上記発光ダイオードは、約90°の広がり角度で光Hが投射されるものであり、上記入力用中空部S全体に光Hを行きわたらせるものとなっている。また、上記再帰性光反射テープ14は、入射した光を同じ方向に反射する機能をもっているものである。なお、上記2個の測定モジュール13は、上記保持板の表面の一部に設けられた回路基板に搭載されている。
【0078】
この実施の形態では、上記各測定モジュール13の発光ダイオードから投射された光が上記再帰性光反射テープ14で反射され、投射元の測定モジュール13のCMOSイメージセンサで受光されるようになっている。このため、上記入力用中空部Sにおいて、上記2個の測定モジュール13を中心とした扇状に光Hが走った状態となる。そして、その入力用中空部S内の領域でペンPを移動させると、上記扇状に走る光Hが、上記ペンPのペン先により遮光され、その遮光が上記2個の測定モジュール13のCMOSイメージセンサにより感知される。その遮光位置(上記ペン先の位置)は、三角測量を利用して特定される。すわなち、この実施の形態の入力デバイスB2を、上記第1〜第10の実施の形態の入力デバイスAに代えて使用することができる。
【0079】
なお、上記各実施の形態では、下敷き板付き入力デバイスをパソコンとともに使用し、上記入力デバイスA,B,B2への入力情報を上記パソコンのディスプレイに表示したが、上記各実施の形態におけるパソコンの機能と同様の機能を、上記入力デバイスA,B,B2または上記ディスプレイに付与し、パソコンを使用することなく、ディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0080】
また、上記各実施の形態において、下敷き板51〜59の、筆記用紙70と接触する面に、筆記用紙70を吸着する手段を設けてもよい。その手段としては、例えば、静電チャック方式,エア吸着方式,微粘着のシリコーンシート等があげられる。
【0081】
つぎに、実施例について説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0082】
〔実施例1〕
〔下敷き板の作製〕
下敷き板の形成材料としてアルミニウム板を準備し、それを切削加工することにより、図1に示す、複数の円柱状の突起部が形成された下敷き板を作製した。上記突起部の外径を5mm、高さを5mmとした。
【0083】
〔アンダークラッド層の形成材料〕
成分A:脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、EHPE3150)75重量部。
成分B:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0150M)25重量部。
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−200K)4重量部。
これら成分A〜Cを、紫外線吸収剤(チバジャパン社製、TINUVIN479)5重量部とともに、シクロヘキサノン(溶剤)に溶解することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
【0084】
〔コアの形成材料〕
成分D:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、157S70)85重量部。
成分E:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)5重量部。
成分F:エポキシ基含有スチレン系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0250SP)10重量部。
これら成分D〜Fと上記成分C4重量部とを、乳酸エチルに溶解することにより、コアの形成材料を調製した。
【0085】
〔オーバークラッド層の形成材料〕
成分G:脂環骨格を有するエポキシ樹脂(アデカ社製、EP4080E)100重量部。
この成分Gと上記成分C2重量部とを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
【0086】
〔光導波路の作製〕
ステンレス製基板(厚み50μm)の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料を塗布した後、160℃×2分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。ついで、上記感光性樹脂層に対し、紫外線を照射して積算光量1000mJ/cm2 の露光を行い、厚み10μmのアンダークラッド層(波長830nmにおける屈折率1.510)を形成した。
【0087】
ついで、上記アンダークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を塗布した後、170℃×3分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。つぎに、フォトマスクを介して(ギャップ100μm)、紫外線を照射し、積算光量3000mJ/cm2 の露光を行った。つづいて、120℃×10分間の加熱処理を行った。その後、現像液(γ−ブチロラクトン)を用い現像することにより、未露光部分を溶解除去した後、120℃×5分間の乾燥処理を行い、幅30μm×高さ50μmのコア(波長830nmにおける屈折率1.570)をパターン形成した。
【0088】
ここで、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する成形型を準備した。この成形型には、オーバークラッド層の表面形状に対応する型面を有する凹部が形成されている。そして、その凹部を上にして、成形型を成形ステージの上に設置し、その凹部に、上記オーバークラッド層の形成材料を充填した。
【0089】
ついで、上記アンダークラッド層の表面にパターン形成したコアを、上記成形型の凹部に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層を上記成形型に押圧し、上記オーバークラッド層の形成材料内に、上記コアを浸した。そして、この状態で、紫外線を、上記成形型を透して上記オーバークラッド層の形成材料に照射して積算光量8000mJ/cm2 の露光を行い、コアの先端部に対応するオーバークラッド層の部分が凸状のレンズ部に形成されたオーバークラッド層を形成した。その凸状のレンズ部は、側断面形状が略1/4円弧状のレンズ曲面(曲率半径1.4mm)を有するものであった。
【0090】
つぎに、上記成形型から、上記オーバークラッド層を、上記基板,アンダークラッド層およびコアと共に脱型した。
【0091】
そして、上記基板をアンダークラッド層から剥離し、アンダークラッド層,コアおよびオーバークラッド層からなる帯状の光導波路部分(総厚1mm)を得た。
【0092】
〔入力デバイスの作製〕
つぎに、回路基板を準備し、それに、発光素子(Optowell社製、SM85−2N001),受光素子(浜松ホトニクス社製、S−10226),CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,リチウムイオン電池(3.7V)等を搭載し、制御手段を作製した。
【0093】
ここで、四角枠状のステンレス製保持板(厚み0.50mm)を準備した。この保持板の入力用中空部は、縦30cm×横30cmの四角形とした。そして、上記保持板の裏面に、放電加工することにより、上記下敷き板の突起部が挿入される挿入穴を形成した。この挿入穴の内径を5.5mmとした。また、上記保持板の表面のうち、上記入力用中空部の外側部分に、上記帯状の光導波路部分を貼着し、四角枠状の光導波路を作製するとともに、上記制御手段を固定した。このとき、上記発光素子を光出射用のコアに接続し、上記受光素子を光入射用のコアに接続した。その後、上記オーバークラッド層のレンズ部を除く頂面と、上記制御手段の固定部分とを、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、図1に示す入力デバイスを得た。
【0094】
〔下敷き板付き入力デバイスの作製〕
最後に、前記下敷き板の一端縁と上記入力デバイスの一端縁とに、軸体を挿入する挿入孔を形成し、これら挿入孔にその軸体を挿入した。これにより、上記入力デバイスと上記下敷き板とを、その一端縁を軸として相対的に回動自在に組み立て、図1に示す下敷き板付き入力デバイスを得た。
【0095】
〔実施例2〕
〔入力デバイスの作製〕
上記実施例1と同様の四角枠状の保持板を形成し、その入力用中空部の対向する一方の周縁に、複数の発光ダイオード(シャープ社製、GL4800E0000F)を並設し、他方の周縁に、複数のフォトダイオード(シャープ社製、PD411PI2E00P)を並設した。また、上記実施例1と同様に、回路基板に、CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,2個のコイン型リチウム電池等を搭載して制御手段を作製し、それを上記保持板に固定した。ここで、上記発光ダイオード,フォトダイオード,制御手段を、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、図18に示す入力デバイスを得た。
【0096】
〔下敷き板付き入力デバイスの作製〕
上記実施例1と同様の下敷き板を形成し、その下敷き板と上記入力デバイスとを、上記実施例1と同様にして、回動自在に組み立て、下敷き板付き入力デバイスを得た。
【0097】
〔入力デバイスの作動確認〕
資料等の情報を記憶したUSBメモリとパソコンとを準備し、そのUSBメモリの記憶情報を、上記パソコンを利用して、そのパソコンのディスプレイに表示した。なお、上記パソコンには、上記入力デバイスの四角枠状の光導波路の入力用中空部内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が、組み込まれている。また、上記パソコンは、上記入力デバイスの無線モジュールからの電波(情報)を受信できるよう受信手段を備えており、上記パソコンと入力デバイスとを、無線で情報伝達可能に接続した。
【0098】
そして、筆記用紙として、その一端縁部に複数の貫通孔が形成されているものを準備した。つぎに、上記実施例1,2の下敷き板付き入力デバイスを開き、上記筆記用紙の貫通孔に、上記下敷き板の複数の突起部を挿入し、上記筆記用紙を上記下敷き板の表面に載置した。その後、上記下敷き板付き入力デバイスを閉じ、上記筆記用紙の貫通孔の周辺部分を、上記下敷き板の表面の上記突起部の周辺部分と上記入力デバイスの裏面の上記挿入穴の周辺部分との間で挟持し、上記筆記用紙を固定した。ついで、上記入力用中空部内の領域から露呈する上記筆記用紙に、ペンで文字を記入した。その結果、その文字が、上記ディスプレイに表示されている資料等の情報に重ね合わさった状態で、表示された。しかも、上記筆記用紙は、位置ずれしなかった。そして、上記下敷き板付き入力デバイスを開き、上記筆記用紙を取り出した後、再度、その筆記用紙を、上記と同様にして、上記下敷き板付き入力デバイスに設置し、上記入力用中空部内の領域から露呈する上記筆記用紙に、ペンで文字を記入した。その結果、上記筆記用紙の記入情報と上記ディスプレイの表示情報とに位置ずれは生じなかった。
【0099】
また、図9〜図17に示す下敷き板付き入力デバイスを作製し、それを用いても、上記実施例1と同様の結果を得た。さらに、上記実施例2のように、図9〜図17に示す下敷き板に対応する入力デバイスを作製し、その入力デバイスを取り付けた下敷き板付き入力デバイスを用いても、上記実施例2と同様の結果を得た。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の下敷き板付き入力デバイスは、下敷き板と入力デバイスとの間に筆記用紙を挟持して固定し、その筆記用紙に記入した文字,図,印等の新たな情報を、ディスプレイに表示することに利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
A 入力デバイス
S 入力用中空部
W 光導波路
51 下敷き板
51a 突起部
70 筆記用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの一端縁を軸として回動自在に上記入力デバイスの裏面に取り付けられた下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段が設けられているとともに、上記下敷き板の表面と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されていることを特徴とする下敷き板付き入力デバイス。
【請求項2】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙に予め形成されている複数の貫通孔に挿入する複数の突起部である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項3】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁を示す目印線である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項4】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応して配置された滑り止め材である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項5】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応する外周側面を有する、上記筆記用紙を載置する載置台である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項6】
上記載置台が形成されて厚くなっている下敷き板の部分の内部が、上記入力デバイスの駆動用電池を収容する収容部に形成されている請求項5記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項7】
枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に着脱自在に係合する下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙を載置する載置台が形成され、その載置台の周縁部に対応する上記入力デバイスの裏面の部分が、その載置台の周縁部に対応する形状に形成され、それら載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分とが着脱自在に係合可能になっており、上記載置台の外周側面が上記筆記用紙の外周縁に対応し、上記載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されていることを特徴とする下敷き板付き入力デバイス。
【請求項8】
枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に固定された下敷き板とからなり、上記入力用中空部の内周縁の一辺が、筆記用紙の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺に形成されているとともに、その位置決め基準辺の両端の隅部に、固定片が架設され、それら固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間が、上記筆記用紙の隣り合う2個所の角部の挟持部に形成されていることを特徴とする下敷き板付き入力デバイス。
【請求項9】
上記発光手段が、発光素子と、この発光素子に接続された、光導波路の複数の光出射用コアとからなり、上記受光手段が、受光素子と、この受光素子に接続された、光導波路の複数の光入射用コアとからなり、上記光出射用コアの先端部と上記光入射用コアの先端部とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している請求項1〜8のいずれか一項に記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項10】
上記発光手段が、複数の発光素子からなり、上記受光手段が、複数の受光素子からなり、上記複数の発光素子と上記複数の受光素子とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している請求項1〜8のいずれか一項に記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項11】
上記発光手段と受光手段とが、発光素子と受光素子とを上下に重ねたモジュールからなり、そのモジュールが上記枠状板の一つの辺の両側の角部にそれぞれ配置され、これらモジュールの間の上記一つの辺を除く辺の内側面に、テープ状の再帰性光反射体が配置され、一方のモジュールの発光素子から投射された光が、上記再帰性光反射体に反射されて、この一方のモジュールの受光素子で受光されるようになっている請求項1〜8のいずれか一項に記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項1】
枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの一端縁を軸として回動自在に上記入力デバイスの裏面に取り付けられた下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙の位置決め手段が設けられているとともに、上記下敷き板の表面と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されていることを特徴とする下敷き板付き入力デバイス。
【請求項2】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙に予め形成されている複数の貫通孔に挿入する複数の突起部である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項3】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁を示す目印線である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項4】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応して配置された滑り止め材である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項5】
上記筆記用紙の位置決め手段が、上記筆記用紙の外周縁に対応する外周側面を有する、上記筆記用紙を載置する載置台である請求項1記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項6】
上記載置台が形成されて厚くなっている下敷き板の部分の内部が、上記入力デバイスの駆動用電池を収容する収容部に形成されている請求項5記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項7】
枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に着脱自在に係合する下敷き板とからなり、上記下敷き板の表面に、筆記用紙を載置する載置台が形成され、その載置台の周縁部に対応する上記入力デバイスの裏面の部分が、その載置台の周縁部に対応する形状に形成され、それら載置台の周縁部と入力デバイスの裏面の部分とが着脱自在に係合可能になっており、上記載置台の外周側面が上記筆記用紙の外周縁に対応し、上記載置台の周縁部と上記入力デバイスの裏面との間が、上記筆記用紙を挟持する挟持部に形成されていることを特徴とする下敷き板付き入力デバイス。
【請求項8】
枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、この枠状板において互いに対向する一方の部分に設けられた発光手段と、上記枠状板の他方の部分に設けられ上記発光手段からの出射光を受光する受光手段とを有する入力デバイスと、この入力デバイスの裏面に固定された下敷き板とからなり、上記入力用中空部の内周縁の一辺が、筆記用紙の外周縁の一辺を位置決めする位置決め基準辺に形成されているとともに、その位置決め基準辺の両端の隅部に、固定片が架設され、それら固定片の裏面と上記下敷き板の表面との間が、上記筆記用紙の隣り合う2個所の角部の挟持部に形成されていることを特徴とする下敷き板付き入力デバイス。
【請求項9】
上記発光手段が、発光素子と、この発光素子に接続された、光導波路の複数の光出射用コアとからなり、上記受光手段が、受光素子と、この受光素子に接続された、光導波路の複数の光入射用コアとからなり、上記光出射用コアの先端部と上記光入射用コアの先端部とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している請求項1〜8のいずれか一項に記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項10】
上記発光手段が、複数の発光素子からなり、上記受光手段が、複数の受光素子からなり、上記複数の発光素子と上記複数の受光素子とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している請求項1〜8のいずれか一項に記載の下敷き板付き入力デバイス。
【請求項11】
上記発光手段と受光手段とが、発光素子と受光素子とを上下に重ねたモジュールからなり、そのモジュールが上記枠状板の一つの辺の両側の角部にそれぞれ配置され、これらモジュールの間の上記一つの辺を除く辺の内側面に、テープ状の再帰性光反射体が配置され、一方のモジュールの発光素子から投射された光が、上記再帰性光反射体に反射されて、この一方のモジュールの受光素子で受光されるようになっている請求項1〜8のいずれか一項に記載の下敷き板付き入力デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−33444(P2013−33444A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−96014(P2012−96014)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
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