不均一な溶液を均一溶液に混合する方法及び装置
本発明は、少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、
a)不均一溶液の全部または一部を、縦軸を有する少なくとも一つの容器に配置すること、
b)前記容器を回転軸のまわりを駆動する支持体に配置し、縦軸を回転軸に対して傾けること、及び
c)前記容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかけるために、支持体に運動を受けさせ、これにより前記不均一溶液を撹拌して均質化する工程を含む方法に関する。本発明は、上記の方法を実装する装置にも関する。本発明の好ましい応用分野は、医学診断法の分野である。
a)不均一溶液の全部または一部を、縦軸を有する少なくとも一つの容器に配置すること、
b)前記容器を回転軸のまわりを駆動する支持体に配置し、縦軸を回転軸に対して傾けること、及び
c)前記容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかけるために、支持体に運動を受けさせ、これにより前記不均一溶液を撹拌して均質化する工程を含む方法に関する。本発明は、上記の方法を実装する装置にも関する。本発明の好ましい応用分野は、医学診断法の分野である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と固体物、又は少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、不均一溶液は容器内に置かれている方法に関する。本方法は、対称軸自体が重力方向に傾いた対称軸を有する容器の円形又は非円形の軌道移動の組合せを提案するので、特に有利である。
さらに、本発明は上記の方法を実行するための装置を提供する。
【0002】
実験室の液状化学品または生物標本の処理は、さまざまな反応(特に検出反応)を実施するために、これらの液体が混合されること及び/又は化合物と混合されることが必要である。従って、反応を起こすために、容器内でこれらのさまざまな混合物の混合が最適となることは重要である。混合は、生物標本または反応性化合物を含む溶液が
・異なる密度、及び/又は
・さまざまな粘性、及び/又は
・非常に異なる相互混和性、
・小さい溶液量等を有する場合に得るのがいっそう困難である。
【0003】
さらに、混合物は、混合される溶液の望ましくない懸濁液を作りうる激しい力によって作られてはならないし、また、例えば核酸が処理されている場合に、後の診断操作の信頼性に害を与える交差汚染を生じうるエアゾールまたはエマルジョン形態で、相分離を伴う遠心によって作られてはならない。最後に、特定の場合、混合物は、混合される溶液が温度変化を受けることを防ぐために、又は副反応の発生を妨げるために、定められた時間内で作られなければならない。
【0004】
実験室において使用する混合技術は、実施が比較的複雑である。
混合技術の1つは、容器に存在する第1の溶液に第2の溶液を付加する間に、ピペットのピストンの動きにより、コーンを使用して、容器から取り上げ、続いて吐き出すことを数回交替に実施することから成る。この方法の欠点は、実施する際に、ユーザ側の確実な器用さと繊細さを必要とするということである。上記の操作の繰り返しは、ユーザと彼の疲労、緊張感などの状態に依存しており疑わしい。とりわけ、取り上げ/吐き出しのあまりに高い頻度は、容器でのコーンのまずい位置どりにより、混合物中に気泡を出現させる場合がある。さらに、吐き出しが高速で実施される場合、従って量はとても高い力によって放出される。それによって、容器の壁に対して跳ねることによって液飛びのリスクとある程度の液滴がおそらくそこから除かれるリスクが増大する。これは、混合される溶液の量の減失に結果としてなる場合がある。さらに、この減失は、ユーザがコーンから液体を放出するためにピストンを完全に作動させない不完全な吐出し段階の結果である場合もある。さらに、この技術では高粘性溶液の混合が可能でない。最後に、コーンを混合される媒体に繰り返し挿入することは、混入物を導入するリスクをかなり増大させる。
【0005】
混合物を作る非常に一般的な実験室技術は、2つの溶液が容器に導入された直後に、「ボルテックスする」と呼ばれる動作により、渦を生み出すことからなる。米国特許第4555183A号は、この技術を実施する装置を記載する。装置は、チューブとロータハウジングとの間に接触があった場合、モーターをオンにして、非常に高回転速度でローターを駆動することを可能にする。チューブに含まれる溶液は回転と上昇運動を受けて、それらが合わさって渦動を引き起こし、溶液が混合されることを可能にする。しかしながら、この技術には以下の2つの大きな欠点がある。第1に、ユーザがロータハウジングからチューブを引き出す場合に、渦は中断され、溶液の一部は重力下で引き下がって落ちるが、溶液の他の部分はチューブの内壁と接触して残り、渦の高さに対応する高さ以上にそれらを濡らす。従って、チューブの内壁と接触した溶液の一部を回収するために、追加的な遠心工程を実施することが必要である。さらに、高回転速度のために、残りの1つの溶液の液滴の形態のエマルジョンがつくられた時から、この技術は2つの不混和溶液を互いに独立に混合することを可能にしない。しかしながら、特定の場合に、このエマルジョンは望ましくない。これは、生物標本が調製される場合に、例えば増幅反応、酵素、バッファー及び増幅反応に役立つ他の反応物が、少量の油と共に生物標本に加えられるためである。この油の量は、増幅混合物を覆って、増幅過程にわたってさまざまな加熱サイクルの間、増幅反応物の蒸発を妨げる。良好な増幅収率を得るために、保護油膜を破壊することなしに、水相のさまざまな反応物が完全に混合されることが必要である。しかしながら、増幅反応のための混合物に、米国特許第4555183B号に記載されている技術を適用することによって、高回転速度のために油相は水相と混合されてエマルジョンを作り、酵素が働くことを妨げる。
【0006】
米国特許第5921676A号も、水平および/または垂直軌道運動を受けるプラットフォームを含んで成る混合装置を使用する混合技術を開示する。この装置は、多量又はやや多量(すなわち1ミリリットルのオーダーの中で)を混合することに役に立つ。しかしながら、1ミリリットル未満の量を効果的に混合できない。これは混合される溶液を含む容器の直径が軌道運動の直径より大きい限り、溶液の混合は有効であるためである。容器の中心はプラットフォームの軌道距離に相当する軌道距離を通過し、したがって遠心力を生み出し、各々の半回転で方向を正反対に変えて、溶液を混合することができる。しかしながら、容器の直径が軌道運動の直径より小さい場合に、例えばエッペンドルフチューブの場合に、溶液は遠心力にさらされ、軌道運動の継続を通して壁に対して押しつけられる。遠心力の方向を変えるための制約がなく、そのため混合は起らず、これらの溶液は容器が配置されるプラットフォームと同じ経路をたどる。加えて、運動の繰り返し状態は、完全に推測に基づく。
【0007】
仏国特許第2436624A号は、容器中の流動物質を混合する装置に関連し、容器が第1の軸について回転することを可能にする第1の容器支持手段;第1の軸と垂直でない第2の軸について容器が回転することを可能にする第2の容器支持手段;前記第2の軸について容器を回転させるための、前記第2の支持手段に接続された第1の駆動手段;及び容器が前記第2の軸について回転すると共に前記第1の軸について容器を回転させるための、前記第1の支持手段に接続された第2の駆動手段を含む。この型の装置が有する問題は、2つの回転軸が常に交差するということである。従って、この交差点の近くに、実際に運動を受けない領域がある。従って、この交差点から最も近い点と最も遠い点との間は他と異なって混合され、従って液体中で不均質に混合されることがある。
【0008】
加えて、従来技術の装置は均一溶液に少量の不均一溶液を混合できないが、その一方で成形からエマルジョンおよび/またはエアゾールを妨げて、容器の全ての壁がぬらされることを妨げる。従って、従来技術の欠点を解決する新規な混合装置へのニーズが依然としてある。
【0009】
このニーズを満たすために、出願人は、均一溶液を得るために、不均一溶液を混合するための新規装置を提案する。本発明に係る装置によって、容器に含まれる溶液は連続的加速と減速を受けて、その正弦波強度は溶液を穏やかに攪拌することが可能であり、容器の壁の全てが濡らされることを防ぎ、および/またはさまざまな溶液の相が分散することを妨げる。また、本装置は混合後の遠心工程を省くことを可能にする。
【0010】
本発明に関する「不均一溶液」なる用語は、水相において混合できて、異なる特性と粘性を有する少なくとも2つの液体(liquids or fluids)を意味すると理解される。これらの液体は、懸濁液の固体物または粒子を含んでもよい。これらの液体とこれらの液体に含まれる場合により固体物は、それらを含む容器において、不均一且つ不規則に分布する。
【0011】
本発明に関する「均一溶液」なる用語は、その成分が一様且つ規則的に、それらを含む容器において分布する溶液を意味すると理解される。
【0012】
本発明に関する「混合する」なる用語は、容器において、異なる特性を有する少なくとも2つの液体が合わせられ、それにより成分が一様且つ均一に分布した単一液体だけが形成されることを意味すると理解される。また、少なくとも一つの液体は、懸濁液の少なくとも一つの種類の固体物または粒子と関係している場合がある。「分散させる」及び「均質にする」なる用語は「混合」なる用語の代わりに差別なく使用する場合がある。
【0013】
本発明に関する「固体物」なる用語は、ラテックス粒子、ガラス(CPG)粒子、シリカ粒子、ポリスチレン粒子、アガロース粒子、セファロース粒子、ナイロン粒子等であってもよい粒子を意味する。
これらの材料は、おそらく磁性物閉じこめを可能にしてもよく、またフィルタ、フィルム、膜またはストリップを形成してもよい。これらの材料は、当業者にとって周知である。
【0014】
本発明に関する「回転」なる用語は、運動間、物体の中心以外の全ての点が同じ幾何学的形状を有する経路を描き、中心が相互に平行である、物体の平面運動と定義される。経路は円形をとる場合があり、物体が回転移動を受ける。本発明の他の実施態様によれば、経路は楕円である場合があり、物体が楕円移動を受ける。例えば、物体が初めに以下の様式で配置されるエッペンドルフ(登録商標)チューブである場合、キャップの末端は回転運動の軸からの距離L1(軸に最も近い位置と呼ばれる)にあり、チューブの底の末端が回転運動の軸からの距離L2(軸からの最も遠い位置と呼ばれる)に位置する。回転運動がその軸について起こる場合に、キャップの末端と底の末端はこの軸について平行な形態で動く弓形を形成し、例えば弓形は円軌道を記載する。弓形が円の4分の1の距離を進んだ場合、キャップの末端と底の末端が運動の軸から同じ距離L3に位置する。弓形が初期位置から半円の距離を進んだ場合、弓形のこの平行移動のため、キャップの末端が運動の軸からの距離L2に位置すると、チューブの底の末端が運動軸からの距離L1に位置する。したがって、初めに軸に最も近いチューブの部分は、半回転後にこの軸から最も遠く離れた位置にあり、その逆も同じである。
【0015】
「十分量の空気」なる表現は、回転運動の間、容器内部で液体の自由な移動を可能にする、空気で占められる容器のスペースの部分を示す。
【0016】
本発明の「実質的に垂直な位置」なる表現は、重力方向から角度0°から2°で変化した任意の位置を意味する。
【0017】
本発明は、少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、
a)不均一溶液の全部または一部を、縦軸を有する少なくとも一つの容器に置くこと、
b)前記容器を回転軸のまわりを駆動する支持体に配置し、縦軸を回転軸に対して傾けること、及び
c)前記容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかけるために、支持体を運動にかけ、それにより前記不均一溶液を撹拌して均質化する工程を含む方法に関する。
【0018】
更に、本方法は少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を混合することに適用されてもよい。
【0019】
この方法の異なる実施態様によれば、工程c)の間に、前記容器が立っている支持体の運動きは、半回転後に回転軸から最も遠く離れた位置に、前記回転軸に最も近かった容器の部分がくるようにすること、及び半回転後に回転軸に最も近い位置に、前記回転軸から最も遠く離れていた容器の部分がくるようにすることを可能にする。
【0020】
実施態様が何であろうと、支持体の運動の間、容器の縦軸が、前記支持体の回転軸を、1回転に付き2回横切る。
【0021】
実施態様が何であろうと、容器が、混合中に、前記不均一溶液の全部又は部分が前記容器に残ることがなく撹拌することができる十分な空気の量を、不均一溶液とは別に含む。
【0022】
前の段落の異なった実施態様によれば、容器が、混合中に前記容器に前記不均一溶液の全部又は部分が残ることができないように撹拌することができる十分な空気の量を不均一容液とは別に含み、栓により閉じられている。
【0023】
実施態様が何であろうと、容器の縦軸の傾斜角が、回転の間に回転速度に従って及び/又は前記容器の位置に従って変化する。
【0024】
上記実施態様が何であろうと、支持体の運動が円を描く。
前の段落の異なった実施態様によれば、支持体の運動が楕円を描く。
【0025】
更に、本発明は、少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する装置であって、
i)場合により台にまたは他の任意の表面に配置されてもよい、固定枠、
ii)縦軸を有する少なくとも一つの容器を受けることができる、可動支持体、
iii)回転運動を生み出すことができ且つ枠に固定された、モーター駆動手段、及び
iv)可動支持体にモーター駆動手段の回転運動を伝達して容器に含有される溶液を正弦波強度の連続的加速と減速にかける、伝達手段を含む装置に関する。
【0026】
装置の一実施態様によれば、伝達手段の動きは、半回転後に回転軸から最も遠く離れた位置に前記回転軸に最も近い容器の部分がくるようにし、半回転後に回転軸に最も近い位置に前記回転軸から最も遠く離れた容器の部分がくるように容器を配置する。
装置の実施態様が何であろうと、支持体の回転軸が本質的に垂直位置にあり、容器の縦軸が本質的に垂直位置にない。
実施態様が何であろうと、容器の縦軸が支持体の回転軸に対して傾斜した角度にあり、2本の軸が交差する場合、角度が1°から60°に、好ましくは20°から50°に、より好ましくは25°から45°である。
【0027】
実施態様が何であろうと、容器は閉じられる。
我々が開発した方法は、上記の欠点のいずれによっても損なわれない。現在利用可能な混合方法に対して、本発明の有利な点は、以下の通りである。
1.容器の内部表面の限られた領域だけがぬれる。
2.厳密に定義された振動振幅/振動数の組合せの代わりに、より幅広い軌道振動数と振幅が使用されてもよい。
3.容器の縦軸と回転軸との間の角度は比較的幅広く使用され、これらのパラメータの最適化が容易であり、使用がより簡単でより順応性がある。
4.従来技術に記載されているボルテックス混合又は軌道混合の場合よりも、本方法は液体、したがって混合物を十分に穏やかに滑らかに移動させて、エアゾール形成のリスクをそれほど重大なものにしないか、存在しないようにする。
5.容器が閉じられていない場合でさえも効率的に混合することが可能であり、混入のリスクを非常に減少させる。
【0028】
本発明のミキサーは基本的に既知の「軌道」混合装置を使用するが、対称軸を有するチューブを回転軸に対し平行に配置する代わりに、ある角度にチューブの対称軸を配置することにより、装置の回転軸及び重力方向に平行ではない。
混合性能の改良点は、0より大きい任意の角度について達成される(0は2つの平行軸に相当する)。もちろん、この角度は
・容器またはチューブの形状、及び
・混合される液体の特性(限定的な角度範囲が必要である場合がある)
に基づいて、使用する特異的な組合せに従って変化してもよい。
【0029】
本方法が実際に任意の形状の反応容器で使用されてもよく、従来方法(軌道振動またはボルテックス)が適していない場合に最も有利である。
【0030】
添付の実施例及び図面は特定の実施態様を代表するものであり、本発明の範囲を制限するものとは考慮されることができない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術の軌道ミキサーを示す。
【図2】本発明のミキサーを示す。
【図3】本発明の軌道ミキサーによって作動される場合に、その運動の2つの異なる位置の容器、更には液体にかけられる力の強度を示す。
【図4】図3に示される減速の間、液体が受ける最大の運動の表示を提供する。
【図5】ミキサーの回転の間、混合を向上させる主要な液流を示す。
【図6】発明者が使用した2つの異なる種類の容器を示す。
【図7】x軸に示す毎分回転数の振動数に対応するモーター速度の関数として、y軸にプロットした軌道回転振幅をミリメートル(mm)で表したグラフである。
【図8】x軸に示す垂直線に対する度数で測定された容器の傾斜角の関数として、y軸にプロットした図6bの円筒容器で均質性を得るための混合時間(MT、秒で表す)のグラフである。
【図9】x軸に示す垂直線に対する度数で測定された容器の傾斜角の関数として、y軸にプロットされた図6のエッペンドルフ(登録商標)チューブで均質性を得るための混合時間を秒数(MT)で示すグラフである。
【図10】油膜の有無及び粘性のある産物の様々な濃度について、x軸に示す垂直線に対して45°の固定傾斜角を有する円筒容器の回転運動の周波数の関数として、y軸にプロットした 図6bの円筒容器で均質性を得るための混合時間を秒数(MT)で示すグラフである。
【0032】
(作動原理)
軌道運動のための通常の機械的配置:
液体を混合するのための手段としての軌道運動のための通常の機械的配置を図1に示す。これは、固体支持体(例えば水平台1)、小円に制限された運動または半径5を有する回転2、及び好ましくは重力方向と平行である台1の対称/回転軸3を示す。各容器7(その内容物が混合されることになる)は、前記容器の対称軸4が回転軸3に平行に、前記台1に垂直に配置される。この同じ配置が、本出願人が確認した従来技術の軌道ミキサーに使われる。
この配置において、機械装置は、渦を生み出すために作用する。したがって、液体(実際には、2つの液体が一緒に混合されることが要求される)が、振動運動の中で、軌道の外側に液体の重力の中央を有する容器の垂直壁に沿って同調して移動し始める。
この方法論の基本となる仮定は液体が実際に振動運動を受けることを強制されるということであり、それは直径と液体特性(例えば粘性、密度と液面張力)の組合せに対応するミキサー振幅/振動数の組合せを必要とする。非円筒状反応容器(分子生物学においてよく使われる)については、最適となる一つの振幅/振動数の組合せはないと仮定される可能性がある:固定された振幅の場合に、狭い底部分は、容器のより広い上部より高い振動数を必要とする。これは実験により完全に示され、容器の最も狭い部分で混合は完全に得られず、トレーサによる染色がない。
この混合を向上するための1つの解決案は単純であるが、多くの欠点で損なわれる。したがって、容器の内容物とは独立に、液体が混合される程度まで、軌道運動の振動数は増大されなければならない。このアプローチの主要な欠点は、必然的に、ストッパー(前記容器を閉じる)が濡らされて、医学診断法の分野では損害である液体の減失となることである。さらに、薄い油膜が液体に存在した場合、水性液体を混合することは、明らかに回避が望ましいエマルジョンに結果としてなるだろう。
このために、本願は軌道ミキサーを使用する異なる方法を見いだした。渦を導入する方法を追求する代わりに、本願は混合を誘導するように液体を移動するための別のモデルを追求することに決めた。
【0033】
混合装置の好適な配置:
ミキサー9の回転軸3と平行である対称軸4を有する容器7を配置する代わりに、本願は、図2に明示されているように、特定の角度6で容器7を配置した。
使用に応じて、本発明の軌道ミキサー9が用いられ、混合される液体8を含む容器7は回転軸3に角度6で配置され、回転軸3自体は重力方向と平行である。さらに図3に示すように、水平位置に対する又は垂直線に対する容器7の傾斜角は、外部観察者にとって側方の位置で依然として同じである。言いかえれば、この位置の観察者は容器7が一定傾斜角のままで、交替に左と右に、その逆に動いている感覚がある。
高速ビデオカメラを使用する容器7の内容物の目視検査は、従来の軌道混合と傾斜混合方法との間に2つの顕著な違いを明らかに示す:
1.移動なしに、液体表面の対称性は失われ、半月の円周と接触角度は、容器7の角度で異なる。
2.支持体1の矢2に沿った運動については、液体8の表面の変化は波のものと似ており、混合の間に空間再分布を追跡するためにトレーサー染料を用いて、回転方向の違いに従って、図5aと5bに示すように液体運動を観察することは容易である。
それは、液体8の非対称分布と前記液体8の増大した表面積と正弦波加速の組合せであり、矢9aに沿った加速と矢9bに沿った減速によって変化し(図3)、それは流れ、還流、従って混合を促進する。これらの矢9aに沿った加速と矢9bに沿った減速は、それぞれ図5bと5aにおいて観察される運動に対応する。液体中での従来の軌道混合の場合のように渦を形成する代わりに、及び容器7の内部表面上をコートする液体を見いだす代わりに、本方法は液体を可能な限り集めるように保つ一方で、前記容器7の底に置かれた液体も運動を受けるように十分にバランスをとる。液体の内部変化は、実際には、他の2つの軸(すなわち、重力方向と容器7の対称軸4)に垂直な軸についての回転である。
【実施例】
【0034】
1 オペレーティング・モード:
我々は、異なる幾何学的な形状を有する2つの容器またはチューブ、まずエッペンドルフチューブ10(図6a)と次に従来のチューブ(すなわち、円筒チューブ11(図6b))を使用して試験した。従って、これらの実験で使用するチューブは、5ミリメートル(mm)の最大内径を有した。さらに:
1.粘性を増加させた3つの異なる液体(0または1Mまたは1.5Mの何れかのソルビトールを含む)が使われた。
2.各々の濃度ごとに、水相上の油の有無がある。
3.ソルビトールを含む溶液と油との間に水性色素溶液を加えた。
従って、目的は以下を調べることである。
1.どの傾斜角で混合が向上されるか。
2.どの振動数の範囲内で混合が向上するか。
3.どの粘性の効果および/または油膜の効果は、混合時間に応じているか。
混合の質は、約5ミリ秒(ms)の時間解像度を提供する高速ビデオ画像(1秒につき200の画像で記録される)を使用して視覚的に判断された。
【0035】
2 容器の形状、液体の粘性と油膜の有無の影響:
装置9の振幅が一定の場合、台1の振幅は、常に回転速度の設定に関係なく一定であった。これは、図7において、x軸上のモーター速度(振動数に対応する)の関数として、y軸にプロットされる軌道回転振幅で明らかに示される。
従って、図8は、円筒チューブの角度を0°(従来の軌道混合での用途に従って)から50°まで変えることによって、液体を混合するために必要な時間の減少を示す。
図8において、一定半径の円筒チューブ11が使われた。この場合、非常に少量の低粘性液体は、角度が約0付近であっても混合された。しかしながら、粘性および/または量が増大した場合、又は油が加えられた場合、ゼロ度での混合はずっと難しくなる。円筒チューブ11中の60μlの水性液体を使用すると、混合の向上は小さい角度であっても検出可能である(図8)。小さい変化であっても混合時間を減らすことを助けるが、最高のパフォーマンスが20°を超える角度及びより大きい角度の場合に得られるということが理解されうる。そして、少量の場合に混合時間が最も短いレベル近くまで減少される。
これは、0°での水に類似した液体の混合時間に近づくように混合時間を最適化する場合、円筒チューブ11において、0°で混合できない液体が0°を超える角度で完全に混合できることを意味する。
最も良い混合能力のための角度は、容器の量によって決まり、液体8(または液体)の粘性によって特徴的に増大して、水性液体上の油の存在によって決まる。約30°を超える角度において、調べられた構造の大部分は、2、3秒、通常は一般の5秒で混合することが可能であった。これが、
・40μlの水のみ(H2O=曲線A)、又は
・油と40μlの水のみ(H2O+油=曲線B)、又は
・60μlの1.5Mソルビトール(SORB.=曲線C)、又は最後に
・油と60μlの1.5Mソルビトール(SORB.+油=曲線D)を含む液体の場合について証明されたことに注目されたい。
【0036】
3 容器の形状と油膜の存在の影響:
図9によれば、混合時間に関するチューブ11の角度の効果は、油膜で覆われた2つの層化された液体、すなわち異なる粘性の2つの水性液体(2mPa.s(ミリパスカル/秒)に対応する曲線Eと20mPa.sに対応する曲線F)について研究された。
この場合、容器10(円錐エッペンドルフチューブの形)の角度を最適化することによって、我々は、油膜が液体に加えて使われる場合に、低速の混合と高速の混合との間により急な移行があることを見いだした。この場合28°と30°との間の角度、更にはより大きい角度の場合に、混合時間はかなり減少される。実際のところ、水の粘性が高くなれば、角度をより高くしなければならないが、本発明では、粘性が増加した場合に(油の量を10倍に増大することによって:2mPa.sは正方形で示される曲線、20mPa.sは三角形で示される曲線)角度が28°から30°に増加することで良好な混合結果を得ることか可能になる。
【0037】
4 粘性と一定形状の油膜の存在と容器のための位置決めの角度の影響:
図10の場合に、角度45°を有する円筒容器11にかける必要があり且つ良好な混合を可能にする能力のために選択された振動数を考慮すると、最適振動数は20Hzを超える。この振動数は、チューブの配置によって決まり、従って、各構造のために最適化されなければならない。粘性の増加させた「単純な」液体についての混合時間における容器の振動数(rpm)のこの効果は、3つの異なる粘性の三層化された水性液体系の油膜によって覆われたもの又は覆われなかったもので得られた。
・小円によって示された曲線(曲線G)に対応する40μlの水(0M)
・クロスによって示された曲線(曲線H)に対応する、1Mのソルビトールを有する40μlの水(1M)
・大きな正方形によって示された曲線(曲線I)に対応する、1.5Mのソルビトールを有する40μlの水(1.5M)
・三角形によって示された曲線(曲線J)に対応する、40μlの水(0M)と油(0M+油)
・小さい正方形によって示された曲線(曲線K)に対応する、1Mのソルビトールを有する40μlの水(1M)と油(1M+油)
・ダイアモンド形によって示された曲線(曲線L)に対応する、1.5Mのソルビトールを有する40μlの水(1.5M)と油(1.5M+油)
【符号の説明】
【0038】
1 固体支持体または台
2 支持体1上の容器7の回転運動
3 ミキサーの回転軸
4 容器7の対称軸
5 回転の半径
6 回転軸3と対称軸4との間の角度
7 液体8を含む容器
8 容器7に含まれる液体
9 ミキサー装置
10 エッペンドルフ(登録商標)チューブ
11 従来の円筒チューブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と固体物、又は少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、不均一溶液は容器内に置かれている方法に関する。本方法は、対称軸自体が重力方向に傾いた対称軸を有する容器の円形又は非円形の軌道移動の組合せを提案するので、特に有利である。
さらに、本発明は上記の方法を実行するための装置を提供する。
【0002】
実験室の液状化学品または生物標本の処理は、さまざまな反応(特に検出反応)を実施するために、これらの液体が混合されること及び/又は化合物と混合されることが必要である。従って、反応を起こすために、容器内でこれらのさまざまな混合物の混合が最適となることは重要である。混合は、生物標本または反応性化合物を含む溶液が
・異なる密度、及び/又は
・さまざまな粘性、及び/又は
・非常に異なる相互混和性、
・小さい溶液量等を有する場合に得るのがいっそう困難である。
【0003】
さらに、混合物は、混合される溶液の望ましくない懸濁液を作りうる激しい力によって作られてはならないし、また、例えば核酸が処理されている場合に、後の診断操作の信頼性に害を与える交差汚染を生じうるエアゾールまたはエマルジョン形態で、相分離を伴う遠心によって作られてはならない。最後に、特定の場合、混合物は、混合される溶液が温度変化を受けることを防ぐために、又は副反応の発生を妨げるために、定められた時間内で作られなければならない。
【0004】
実験室において使用する混合技術は、実施が比較的複雑である。
混合技術の1つは、容器に存在する第1の溶液に第2の溶液を付加する間に、ピペットのピストンの動きにより、コーンを使用して、容器から取り上げ、続いて吐き出すことを数回交替に実施することから成る。この方法の欠点は、実施する際に、ユーザ側の確実な器用さと繊細さを必要とするということである。上記の操作の繰り返しは、ユーザと彼の疲労、緊張感などの状態に依存しており疑わしい。とりわけ、取り上げ/吐き出しのあまりに高い頻度は、容器でのコーンのまずい位置どりにより、混合物中に気泡を出現させる場合がある。さらに、吐き出しが高速で実施される場合、従って量はとても高い力によって放出される。それによって、容器の壁に対して跳ねることによって液飛びのリスクとある程度の液滴がおそらくそこから除かれるリスクが増大する。これは、混合される溶液の量の減失に結果としてなる場合がある。さらに、この減失は、ユーザがコーンから液体を放出するためにピストンを完全に作動させない不完全な吐出し段階の結果である場合もある。さらに、この技術では高粘性溶液の混合が可能でない。最後に、コーンを混合される媒体に繰り返し挿入することは、混入物を導入するリスクをかなり増大させる。
【0005】
混合物を作る非常に一般的な実験室技術は、2つの溶液が容器に導入された直後に、「ボルテックスする」と呼ばれる動作により、渦を生み出すことからなる。米国特許第4555183A号は、この技術を実施する装置を記載する。装置は、チューブとロータハウジングとの間に接触があった場合、モーターをオンにして、非常に高回転速度でローターを駆動することを可能にする。チューブに含まれる溶液は回転と上昇運動を受けて、それらが合わさって渦動を引き起こし、溶液が混合されることを可能にする。しかしながら、この技術には以下の2つの大きな欠点がある。第1に、ユーザがロータハウジングからチューブを引き出す場合に、渦は中断され、溶液の一部は重力下で引き下がって落ちるが、溶液の他の部分はチューブの内壁と接触して残り、渦の高さに対応する高さ以上にそれらを濡らす。従って、チューブの内壁と接触した溶液の一部を回収するために、追加的な遠心工程を実施することが必要である。さらに、高回転速度のために、残りの1つの溶液の液滴の形態のエマルジョンがつくられた時から、この技術は2つの不混和溶液を互いに独立に混合することを可能にしない。しかしながら、特定の場合に、このエマルジョンは望ましくない。これは、生物標本が調製される場合に、例えば増幅反応、酵素、バッファー及び増幅反応に役立つ他の反応物が、少量の油と共に生物標本に加えられるためである。この油の量は、増幅混合物を覆って、増幅過程にわたってさまざまな加熱サイクルの間、増幅反応物の蒸発を妨げる。良好な増幅収率を得るために、保護油膜を破壊することなしに、水相のさまざまな反応物が完全に混合されることが必要である。しかしながら、増幅反応のための混合物に、米国特許第4555183B号に記載されている技術を適用することによって、高回転速度のために油相は水相と混合されてエマルジョンを作り、酵素が働くことを妨げる。
【0006】
米国特許第5921676A号も、水平および/または垂直軌道運動を受けるプラットフォームを含んで成る混合装置を使用する混合技術を開示する。この装置は、多量又はやや多量(すなわち1ミリリットルのオーダーの中で)を混合することに役に立つ。しかしながら、1ミリリットル未満の量を効果的に混合できない。これは混合される溶液を含む容器の直径が軌道運動の直径より大きい限り、溶液の混合は有効であるためである。容器の中心はプラットフォームの軌道距離に相当する軌道距離を通過し、したがって遠心力を生み出し、各々の半回転で方向を正反対に変えて、溶液を混合することができる。しかしながら、容器の直径が軌道運動の直径より小さい場合に、例えばエッペンドルフチューブの場合に、溶液は遠心力にさらされ、軌道運動の継続を通して壁に対して押しつけられる。遠心力の方向を変えるための制約がなく、そのため混合は起らず、これらの溶液は容器が配置されるプラットフォームと同じ経路をたどる。加えて、運動の繰り返し状態は、完全に推測に基づく。
【0007】
仏国特許第2436624A号は、容器中の流動物質を混合する装置に関連し、容器が第1の軸について回転することを可能にする第1の容器支持手段;第1の軸と垂直でない第2の軸について容器が回転することを可能にする第2の容器支持手段;前記第2の軸について容器を回転させるための、前記第2の支持手段に接続された第1の駆動手段;及び容器が前記第2の軸について回転すると共に前記第1の軸について容器を回転させるための、前記第1の支持手段に接続された第2の駆動手段を含む。この型の装置が有する問題は、2つの回転軸が常に交差するということである。従って、この交差点の近くに、実際に運動を受けない領域がある。従って、この交差点から最も近い点と最も遠い点との間は他と異なって混合され、従って液体中で不均質に混合されることがある。
【0008】
加えて、従来技術の装置は均一溶液に少量の不均一溶液を混合できないが、その一方で成形からエマルジョンおよび/またはエアゾールを妨げて、容器の全ての壁がぬらされることを妨げる。従って、従来技術の欠点を解決する新規な混合装置へのニーズが依然としてある。
【0009】
このニーズを満たすために、出願人は、均一溶液を得るために、不均一溶液を混合するための新規装置を提案する。本発明に係る装置によって、容器に含まれる溶液は連続的加速と減速を受けて、その正弦波強度は溶液を穏やかに攪拌することが可能であり、容器の壁の全てが濡らされることを防ぎ、および/またはさまざまな溶液の相が分散することを妨げる。また、本装置は混合後の遠心工程を省くことを可能にする。
【0010】
本発明に関する「不均一溶液」なる用語は、水相において混合できて、異なる特性と粘性を有する少なくとも2つの液体(liquids or fluids)を意味すると理解される。これらの液体は、懸濁液の固体物または粒子を含んでもよい。これらの液体とこれらの液体に含まれる場合により固体物は、それらを含む容器において、不均一且つ不規則に分布する。
【0011】
本発明に関する「均一溶液」なる用語は、その成分が一様且つ規則的に、それらを含む容器において分布する溶液を意味すると理解される。
【0012】
本発明に関する「混合する」なる用語は、容器において、異なる特性を有する少なくとも2つの液体が合わせられ、それにより成分が一様且つ均一に分布した単一液体だけが形成されることを意味すると理解される。また、少なくとも一つの液体は、懸濁液の少なくとも一つの種類の固体物または粒子と関係している場合がある。「分散させる」及び「均質にする」なる用語は「混合」なる用語の代わりに差別なく使用する場合がある。
【0013】
本発明に関する「固体物」なる用語は、ラテックス粒子、ガラス(CPG)粒子、シリカ粒子、ポリスチレン粒子、アガロース粒子、セファロース粒子、ナイロン粒子等であってもよい粒子を意味する。
これらの材料は、おそらく磁性物閉じこめを可能にしてもよく、またフィルタ、フィルム、膜またはストリップを形成してもよい。これらの材料は、当業者にとって周知である。
【0014】
本発明に関する「回転」なる用語は、運動間、物体の中心以外の全ての点が同じ幾何学的形状を有する経路を描き、中心が相互に平行である、物体の平面運動と定義される。経路は円形をとる場合があり、物体が回転移動を受ける。本発明の他の実施態様によれば、経路は楕円である場合があり、物体が楕円移動を受ける。例えば、物体が初めに以下の様式で配置されるエッペンドルフ(登録商標)チューブである場合、キャップの末端は回転運動の軸からの距離L1(軸に最も近い位置と呼ばれる)にあり、チューブの底の末端が回転運動の軸からの距離L2(軸からの最も遠い位置と呼ばれる)に位置する。回転運動がその軸について起こる場合に、キャップの末端と底の末端はこの軸について平行な形態で動く弓形を形成し、例えば弓形は円軌道を記載する。弓形が円の4分の1の距離を進んだ場合、キャップの末端と底の末端が運動の軸から同じ距離L3に位置する。弓形が初期位置から半円の距離を進んだ場合、弓形のこの平行移動のため、キャップの末端が運動の軸からの距離L2に位置すると、チューブの底の末端が運動軸からの距離L1に位置する。したがって、初めに軸に最も近いチューブの部分は、半回転後にこの軸から最も遠く離れた位置にあり、その逆も同じである。
【0015】
「十分量の空気」なる表現は、回転運動の間、容器内部で液体の自由な移動を可能にする、空気で占められる容器のスペースの部分を示す。
【0016】
本発明の「実質的に垂直な位置」なる表現は、重力方向から角度0°から2°で変化した任意の位置を意味する。
【0017】
本発明は、少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、
a)不均一溶液の全部または一部を、縦軸を有する少なくとも一つの容器に置くこと、
b)前記容器を回転軸のまわりを駆動する支持体に配置し、縦軸を回転軸に対して傾けること、及び
c)前記容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかけるために、支持体を運動にかけ、それにより前記不均一溶液を撹拌して均質化する工程を含む方法に関する。
【0018】
更に、本方法は少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を混合することに適用されてもよい。
【0019】
この方法の異なる実施態様によれば、工程c)の間に、前記容器が立っている支持体の運動きは、半回転後に回転軸から最も遠く離れた位置に、前記回転軸に最も近かった容器の部分がくるようにすること、及び半回転後に回転軸に最も近い位置に、前記回転軸から最も遠く離れていた容器の部分がくるようにすることを可能にする。
【0020】
実施態様が何であろうと、支持体の運動の間、容器の縦軸が、前記支持体の回転軸を、1回転に付き2回横切る。
【0021】
実施態様が何であろうと、容器が、混合中に、前記不均一溶液の全部又は部分が前記容器に残ることがなく撹拌することができる十分な空気の量を、不均一溶液とは別に含む。
【0022】
前の段落の異なった実施態様によれば、容器が、混合中に前記容器に前記不均一溶液の全部又は部分が残ることができないように撹拌することができる十分な空気の量を不均一容液とは別に含み、栓により閉じられている。
【0023】
実施態様が何であろうと、容器の縦軸の傾斜角が、回転の間に回転速度に従って及び/又は前記容器の位置に従って変化する。
【0024】
上記実施態様が何であろうと、支持体の運動が円を描く。
前の段落の異なった実施態様によれば、支持体の運動が楕円を描く。
【0025】
更に、本発明は、少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する装置であって、
i)場合により台にまたは他の任意の表面に配置されてもよい、固定枠、
ii)縦軸を有する少なくとも一つの容器を受けることができる、可動支持体、
iii)回転運動を生み出すことができ且つ枠に固定された、モーター駆動手段、及び
iv)可動支持体にモーター駆動手段の回転運動を伝達して容器に含有される溶液を正弦波強度の連続的加速と減速にかける、伝達手段を含む装置に関する。
【0026】
装置の一実施態様によれば、伝達手段の動きは、半回転後に回転軸から最も遠く離れた位置に前記回転軸に最も近い容器の部分がくるようにし、半回転後に回転軸に最も近い位置に前記回転軸から最も遠く離れた容器の部分がくるように容器を配置する。
装置の実施態様が何であろうと、支持体の回転軸が本質的に垂直位置にあり、容器の縦軸が本質的に垂直位置にない。
実施態様が何であろうと、容器の縦軸が支持体の回転軸に対して傾斜した角度にあり、2本の軸が交差する場合、角度が1°から60°に、好ましくは20°から50°に、より好ましくは25°から45°である。
【0027】
実施態様が何であろうと、容器は閉じられる。
我々が開発した方法は、上記の欠点のいずれによっても損なわれない。現在利用可能な混合方法に対して、本発明の有利な点は、以下の通りである。
1.容器の内部表面の限られた領域だけがぬれる。
2.厳密に定義された振動振幅/振動数の組合せの代わりに、より幅広い軌道振動数と振幅が使用されてもよい。
3.容器の縦軸と回転軸との間の角度は比較的幅広く使用され、これらのパラメータの最適化が容易であり、使用がより簡単でより順応性がある。
4.従来技術に記載されているボルテックス混合又は軌道混合の場合よりも、本方法は液体、したがって混合物を十分に穏やかに滑らかに移動させて、エアゾール形成のリスクをそれほど重大なものにしないか、存在しないようにする。
5.容器が閉じられていない場合でさえも効率的に混合することが可能であり、混入のリスクを非常に減少させる。
【0028】
本発明のミキサーは基本的に既知の「軌道」混合装置を使用するが、対称軸を有するチューブを回転軸に対し平行に配置する代わりに、ある角度にチューブの対称軸を配置することにより、装置の回転軸及び重力方向に平行ではない。
混合性能の改良点は、0より大きい任意の角度について達成される(0は2つの平行軸に相当する)。もちろん、この角度は
・容器またはチューブの形状、及び
・混合される液体の特性(限定的な角度範囲が必要である場合がある)
に基づいて、使用する特異的な組合せに従って変化してもよい。
【0029】
本方法が実際に任意の形状の反応容器で使用されてもよく、従来方法(軌道振動またはボルテックス)が適していない場合に最も有利である。
【0030】
添付の実施例及び図面は特定の実施態様を代表するものであり、本発明の範囲を制限するものとは考慮されることができない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術の軌道ミキサーを示す。
【図2】本発明のミキサーを示す。
【図3】本発明の軌道ミキサーによって作動される場合に、その運動の2つの異なる位置の容器、更には液体にかけられる力の強度を示す。
【図4】図3に示される減速の間、液体が受ける最大の運動の表示を提供する。
【図5】ミキサーの回転の間、混合を向上させる主要な液流を示す。
【図6】発明者が使用した2つの異なる種類の容器を示す。
【図7】x軸に示す毎分回転数の振動数に対応するモーター速度の関数として、y軸にプロットした軌道回転振幅をミリメートル(mm)で表したグラフである。
【図8】x軸に示す垂直線に対する度数で測定された容器の傾斜角の関数として、y軸にプロットした図6bの円筒容器で均質性を得るための混合時間(MT、秒で表す)のグラフである。
【図9】x軸に示す垂直線に対する度数で測定された容器の傾斜角の関数として、y軸にプロットされた図6のエッペンドルフ(登録商標)チューブで均質性を得るための混合時間を秒数(MT)で示すグラフである。
【図10】油膜の有無及び粘性のある産物の様々な濃度について、x軸に示す垂直線に対して45°の固定傾斜角を有する円筒容器の回転運動の周波数の関数として、y軸にプロットした 図6bの円筒容器で均質性を得るための混合時間を秒数(MT)で示すグラフである。
【0032】
(作動原理)
軌道運動のための通常の機械的配置:
液体を混合するのための手段としての軌道運動のための通常の機械的配置を図1に示す。これは、固体支持体(例えば水平台1)、小円に制限された運動または半径5を有する回転2、及び好ましくは重力方向と平行である台1の対称/回転軸3を示す。各容器7(その内容物が混合されることになる)は、前記容器の対称軸4が回転軸3に平行に、前記台1に垂直に配置される。この同じ配置が、本出願人が確認した従来技術の軌道ミキサーに使われる。
この配置において、機械装置は、渦を生み出すために作用する。したがって、液体(実際には、2つの液体が一緒に混合されることが要求される)が、振動運動の中で、軌道の外側に液体の重力の中央を有する容器の垂直壁に沿って同調して移動し始める。
この方法論の基本となる仮定は液体が実際に振動運動を受けることを強制されるということであり、それは直径と液体特性(例えば粘性、密度と液面張力)の組合せに対応するミキサー振幅/振動数の組合せを必要とする。非円筒状反応容器(分子生物学においてよく使われる)については、最適となる一つの振幅/振動数の組合せはないと仮定される可能性がある:固定された振幅の場合に、狭い底部分は、容器のより広い上部より高い振動数を必要とする。これは実験により完全に示され、容器の最も狭い部分で混合は完全に得られず、トレーサによる染色がない。
この混合を向上するための1つの解決案は単純であるが、多くの欠点で損なわれる。したがって、容器の内容物とは独立に、液体が混合される程度まで、軌道運動の振動数は増大されなければならない。このアプローチの主要な欠点は、必然的に、ストッパー(前記容器を閉じる)が濡らされて、医学診断法の分野では損害である液体の減失となることである。さらに、薄い油膜が液体に存在した場合、水性液体を混合することは、明らかに回避が望ましいエマルジョンに結果としてなるだろう。
このために、本願は軌道ミキサーを使用する異なる方法を見いだした。渦を導入する方法を追求する代わりに、本願は混合を誘導するように液体を移動するための別のモデルを追求することに決めた。
【0033】
混合装置の好適な配置:
ミキサー9の回転軸3と平行である対称軸4を有する容器7を配置する代わりに、本願は、図2に明示されているように、特定の角度6で容器7を配置した。
使用に応じて、本発明の軌道ミキサー9が用いられ、混合される液体8を含む容器7は回転軸3に角度6で配置され、回転軸3自体は重力方向と平行である。さらに図3に示すように、水平位置に対する又は垂直線に対する容器7の傾斜角は、外部観察者にとって側方の位置で依然として同じである。言いかえれば、この位置の観察者は容器7が一定傾斜角のままで、交替に左と右に、その逆に動いている感覚がある。
高速ビデオカメラを使用する容器7の内容物の目視検査は、従来の軌道混合と傾斜混合方法との間に2つの顕著な違いを明らかに示す:
1.移動なしに、液体表面の対称性は失われ、半月の円周と接触角度は、容器7の角度で異なる。
2.支持体1の矢2に沿った運動については、液体8の表面の変化は波のものと似ており、混合の間に空間再分布を追跡するためにトレーサー染料を用いて、回転方向の違いに従って、図5aと5bに示すように液体運動を観察することは容易である。
それは、液体8の非対称分布と前記液体8の増大した表面積と正弦波加速の組合せであり、矢9aに沿った加速と矢9bに沿った減速によって変化し(図3)、それは流れ、還流、従って混合を促進する。これらの矢9aに沿った加速と矢9bに沿った減速は、それぞれ図5bと5aにおいて観察される運動に対応する。液体中での従来の軌道混合の場合のように渦を形成する代わりに、及び容器7の内部表面上をコートする液体を見いだす代わりに、本方法は液体を可能な限り集めるように保つ一方で、前記容器7の底に置かれた液体も運動を受けるように十分にバランスをとる。液体の内部変化は、実際には、他の2つの軸(すなわち、重力方向と容器7の対称軸4)に垂直な軸についての回転である。
【実施例】
【0034】
1 オペレーティング・モード:
我々は、異なる幾何学的な形状を有する2つの容器またはチューブ、まずエッペンドルフチューブ10(図6a)と次に従来のチューブ(すなわち、円筒チューブ11(図6b))を使用して試験した。従って、これらの実験で使用するチューブは、5ミリメートル(mm)の最大内径を有した。さらに:
1.粘性を増加させた3つの異なる液体(0または1Mまたは1.5Mの何れかのソルビトールを含む)が使われた。
2.各々の濃度ごとに、水相上の油の有無がある。
3.ソルビトールを含む溶液と油との間に水性色素溶液を加えた。
従って、目的は以下を調べることである。
1.どの傾斜角で混合が向上されるか。
2.どの振動数の範囲内で混合が向上するか。
3.どの粘性の効果および/または油膜の効果は、混合時間に応じているか。
混合の質は、約5ミリ秒(ms)の時間解像度を提供する高速ビデオ画像(1秒につき200の画像で記録される)を使用して視覚的に判断された。
【0035】
2 容器の形状、液体の粘性と油膜の有無の影響:
装置9の振幅が一定の場合、台1の振幅は、常に回転速度の設定に関係なく一定であった。これは、図7において、x軸上のモーター速度(振動数に対応する)の関数として、y軸にプロットされる軌道回転振幅で明らかに示される。
従って、図8は、円筒チューブの角度を0°(従来の軌道混合での用途に従って)から50°まで変えることによって、液体を混合するために必要な時間の減少を示す。
図8において、一定半径の円筒チューブ11が使われた。この場合、非常に少量の低粘性液体は、角度が約0付近であっても混合された。しかしながら、粘性および/または量が増大した場合、又は油が加えられた場合、ゼロ度での混合はずっと難しくなる。円筒チューブ11中の60μlの水性液体を使用すると、混合の向上は小さい角度であっても検出可能である(図8)。小さい変化であっても混合時間を減らすことを助けるが、最高のパフォーマンスが20°を超える角度及びより大きい角度の場合に得られるということが理解されうる。そして、少量の場合に混合時間が最も短いレベル近くまで減少される。
これは、0°での水に類似した液体の混合時間に近づくように混合時間を最適化する場合、円筒チューブ11において、0°で混合できない液体が0°を超える角度で完全に混合できることを意味する。
最も良い混合能力のための角度は、容器の量によって決まり、液体8(または液体)の粘性によって特徴的に増大して、水性液体上の油の存在によって決まる。約30°を超える角度において、調べられた構造の大部分は、2、3秒、通常は一般の5秒で混合することが可能であった。これが、
・40μlの水のみ(H2O=曲線A)、又は
・油と40μlの水のみ(H2O+油=曲線B)、又は
・60μlの1.5Mソルビトール(SORB.=曲線C)、又は最後に
・油と60μlの1.5Mソルビトール(SORB.+油=曲線D)を含む液体の場合について証明されたことに注目されたい。
【0036】
3 容器の形状と油膜の存在の影響:
図9によれば、混合時間に関するチューブ11の角度の効果は、油膜で覆われた2つの層化された液体、すなわち異なる粘性の2つの水性液体(2mPa.s(ミリパスカル/秒)に対応する曲線Eと20mPa.sに対応する曲線F)について研究された。
この場合、容器10(円錐エッペンドルフチューブの形)の角度を最適化することによって、我々は、油膜が液体に加えて使われる場合に、低速の混合と高速の混合との間により急な移行があることを見いだした。この場合28°と30°との間の角度、更にはより大きい角度の場合に、混合時間はかなり減少される。実際のところ、水の粘性が高くなれば、角度をより高くしなければならないが、本発明では、粘性が増加した場合に(油の量を10倍に増大することによって:2mPa.sは正方形で示される曲線、20mPa.sは三角形で示される曲線)角度が28°から30°に増加することで良好な混合結果を得ることか可能になる。
【0037】
4 粘性と一定形状の油膜の存在と容器のための位置決めの角度の影響:
図10の場合に、角度45°を有する円筒容器11にかける必要があり且つ良好な混合を可能にする能力のために選択された振動数を考慮すると、最適振動数は20Hzを超える。この振動数は、チューブの配置によって決まり、従って、各構造のために最適化されなければならない。粘性の増加させた「単純な」液体についての混合時間における容器の振動数(rpm)のこの効果は、3つの異なる粘性の三層化された水性液体系の油膜によって覆われたもの又は覆われなかったもので得られた。
・小円によって示された曲線(曲線G)に対応する40μlの水(0M)
・クロスによって示された曲線(曲線H)に対応する、1Mのソルビトールを有する40μlの水(1M)
・大きな正方形によって示された曲線(曲線I)に対応する、1.5Mのソルビトールを有する40μlの水(1.5M)
・三角形によって示された曲線(曲線J)に対応する、40μlの水(0M)と油(0M+油)
・小さい正方形によって示された曲線(曲線K)に対応する、1Mのソルビトールを有する40μlの水(1M)と油(1M+油)
・ダイアモンド形によって示された曲線(曲線L)に対応する、1.5Mのソルビトールを有する40μlの水(1.5M)と油(1.5M+油)
【符号の説明】
【0038】
1 固体支持体または台
2 支持体1上の容器7の回転運動
3 ミキサーの回転軸
4 容器7の対称軸
5 回転の半径
6 回転軸3と対称軸4との間の角度
7 液体8を含む容器
8 容器7に含まれる液体
9 ミキサー装置
10 エッペンドルフ(登録商標)チューブ
11 従来の円筒チューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、
a)不均一溶液の全部または一部を、縦軸を有する少なくとも一つの容器に配置すること、
b)前記容器を回転軸のまわりを駆動する支持体に配置し、縦軸を回転軸に対して傾けること、及び
c)前記容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかけるために、支持体に運動を受けさせ、それにより前記不均一溶液を撹拌して均質化する工程を含む方法。
【請求項2】
工程c)の間に、前記容器が立っている支持体の運動は、半回転後に回転軸に最も近かった容器の部分が前記回転軸から最も遠く離れた位置にくるようにすること、及び半回転後に回転軸から最も遠く離れていた容器の部分が前記回転軸に最も近い位置にくるようにすることを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持体の運動の間、運動容器の縦軸が、前記支持体の回転軸を1回転に付き2回横切ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が、混合中に、前記容器に前記不均一溶液の全部又は一部が残ることなく撹拌することができる十分な空気の量を、不均一溶液とは別に含むことを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記容器が、混合中に前記容器に前記不均一溶液の全部又は部分が残ることができないように撹拌することができる十分な空気の量を不均一溶液とは別に含み、栓により閉じられていることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記容器の縦軸の傾斜角が、回転の間に回転速度に従って及び/又は前記容器の位置に従って変化することを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記支持体の運動が円を描くことを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記支持体の運動が楕円を描くことを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する装置であって、
i)場合により台にまたは他の任意の表面に配置されてもよい、固定枠;
ii)縦軸を有する少なくとも一つの容器を受けることができる、可動支持体;
iii)回転運動を生み出すことができ且つ枠に固定された、モーター駆動手段、及び
iv)可動支持体にモーター駆動手段の回転運動を伝達して容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかける、伝達手段を含む装置。
【請求項10】
伝達手段の動きは、半回転後に回転軸に最も近かった容器の部分が前記回転軸から最も遠く離れた位置がくるようにし、及び半回転後に回転軸から最も遠く離れていた容器の部分が前記回転軸に最も近い位置にくるように容器を配置することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
支持体の回転軸が本質的に垂直な位置にあり、容器の縦軸が本質的に垂直な位置にないことを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
容器の縦軸が支持体の回転軸に対して傾斜した角度にあり、2本の軸が交差する場合、角度が1°から60°に、好ましくは20°から50°に、より好ましくは25°から45°であることを特徴とする、請求項9から11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
容器が閉じることを特徴とする、請求項9から12の何れか一項に記載の装置。
【請求項1】
少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する方法であって、
a)不均一溶液の全部または一部を、縦軸を有する少なくとも一つの容器に配置すること、
b)前記容器を回転軸のまわりを駆動する支持体に配置し、縦軸を回転軸に対して傾けること、及び
c)前記容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかけるために、支持体に運動を受けさせ、それにより前記不均一溶液を撹拌して均質化する工程を含む方法。
【請求項2】
工程c)の間に、前記容器が立っている支持体の運動は、半回転後に回転軸に最も近かった容器の部分が前記回転軸から最も遠く離れた位置にくるようにすること、及び半回転後に回転軸から最も遠く離れていた容器の部分が前記回転軸に最も近い位置にくるようにすることを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持体の運動の間、運動容器の縦軸が、前記支持体の回転軸を1回転に付き2回横切ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が、混合中に、前記容器に前記不均一溶液の全部又は一部が残ることなく撹拌することができる十分な空気の量を、不均一溶液とは別に含むことを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記容器が、混合中に前記容器に前記不均一溶液の全部又は部分が残ることができないように撹拌することができる十分な空気の量を不均一溶液とは別に含み、栓により閉じられていることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記容器の縦軸の傾斜角が、回転の間に回転速度に従って及び/又は前記容器の位置に従って変化することを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記支持体の運動が円を描くことを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記支持体の運動が楕円を描くことを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの異なる液体と場合により少なくとも一つの固体物を含むか、あるいは少なくとも一つの液体と少なくとも一つの固体物を含む不均一溶液を、均一溶液を得るために混合する装置であって、
i)場合により台にまたは他の任意の表面に配置されてもよい、固定枠;
ii)縦軸を有する少なくとも一つの容器を受けることができる、可動支持体;
iii)回転運動を生み出すことができ且つ枠に固定された、モーター駆動手段、及び
iv)可動支持体にモーター駆動手段の回転運動を伝達して容器に含有される溶液に正弦波強度の連続的加速と減速をかける、伝達手段を含む装置。
【請求項10】
伝達手段の動きは、半回転後に回転軸に最も近かった容器の部分が前記回転軸から最も遠く離れた位置がくるようにし、及び半回転後に回転軸から最も遠く離れていた容器の部分が前記回転軸に最も近い位置にくるように容器を配置することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
支持体の回転軸が本質的に垂直な位置にあり、容器の縦軸が本質的に垂直な位置にないことを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
容器の縦軸が支持体の回転軸に対して傾斜した角度にあり、2本の軸が交差する場合、角度が1°から60°に、好ましくは20°から50°に、より好ましくは25°から45°であることを特徴とする、請求項9から11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
容器が閉じることを特徴とする、請求項9から12の何れか一項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−505821(P2013−505821A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530320(P2012−530320)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052008
【国際公開番号】WO2011/039453
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(304043936)ビオメリュー (26)
【氏名又は名称原語表記】BIOMERIEUX
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052008
【国際公開番号】WO2011/039453
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(304043936)ビオメリュー (26)
【氏名又は名称原語表記】BIOMERIEUX
【Fターム(参考)】
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