説明

不揮発性メモリのデイジーチェイン配置

【課題】組み込みフラッシュメモリおよび他のデバイスに関連した短所のいくつかを克服するメモリシステムを提供する。
【解決手段】フラッシュメモリシステムは、システム・イン・パッケージ(SIP)容器310の中に実装されている。前記システムは、フラッシュメモリコントローラ320と複数のフラッシュメモリデバイス330a〜330nとを有する。単一パッケージまたはモジュールに適用されるSIPは、多数の集積回路(チップ)を有する。フラッシュメモリコントローラは、SIP内の複数のメモリデバイスと外部システムとをインタフェースするように構成されている。メモリデバイスは、デイジーチェインカスケード接続に構成されており、前記デイジーチェインカスケードを通じて転送されたコマンドを介してフラッシュメモリコントローラに制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリのデイジーチェイン配置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリは、フラッシュカード、ディジタルオーディオ&ビデオプレーヤ、携帯電話、USBフラッシュドライバおよびHDDの置換のためのソリッドステートディスクなど、民生用アプリケーションおよびモバイルストレージアプリケーションの実現技術の鍵となるものである。より高密度の記憶装置が需要増大されるにしたがって、フラッシュメモリ手段は、開発され続けており、より高密度でかつより低い製造コストで提供されている。
【0003】
2つの一般的なフラッシュメモリ手段としては、NORフラッシュおよびNANDフラッシュがある。NORフラッシュは、比較的長い削除時間および書込み時間で動作するが、いかなる位置についてもランダムアクセスを可能にするフルアドレスおよびデータインタフェースを持っている。NORフラッシュのメモリセルは、NANDフラッシュセルに相当するサイズのほぼ2倍である。NORフラッシュは、コード記憶装置についてランダムアクセス機能を必要とするアプリケーションに最も適している。対照的に、NANDフラッシュは、通常、NORフラッシュよりも、比較的速い削除時間および書込み時間で動作し、比較的高密度であるとともに、ビット当たりのコストが低い。しかし、その入出力インタフェースは、データのシーケンシャルアクセスのみが可能であり、音楽ファイルおよび画像ファイルのようなアプリケーションをデータ記憶することに適している。
【0004】
多くのアプリケーションがデータについて高速なランダムアクセス機能を要求するので、NORフラッシュメモリとNANDフラッシュメモリの両方の利点を結合するための製品が開発されている。そのような製品の一つは、NANDフラッシュメモリが単一集積回路(IC)上に組み込まれたフラッシュコントローラを具備している。このデバイスは、コストおよびサイズを削減しつつ高速でデータを記憶するためにNANDフラッシュアレイを使用する。さらに、制御ロジックは、外部コマンドに対応して前記フラッシュアレイにアクセスおよび書込みをするとともに、データについてより優れたアクセス機能のインタフェースを提供しており、従来のNORフラッシュデバイスのインタフェースに相当する。したがって、NANDフラッシュメモリは、NANDフラッシュのスピードおよび性能とNORフラッシュのアクセス機能とを併せ持つ組み込みフラッシュコントローラを具備している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フラッシュメモリデバイスは、多くの短所がある組み込みメモリコントローラを具備している。そのようなデバイスでは、いくつかの構成要素が単一シリコンダイ上に結合されている。通常、単一ダイの記憶容量は、プロセス技術によって、特に最小機能サイズによって決定される。同一のプロセス技術を使用してメモリ容量を増大させるために、MCP(マルチ・チップ・パッケージ)が多くの場合に適用される。例えば、2つまたは4つのチップがメモリ容量を増大させるために同一のパッケージに集積されることがある。
【0006】
組み込みコントローラは、チップ内に含まれたメモリアレイへのアクセスを制御することに使用され、通常、チップサイズを15%から30%まで増加させる。メモリ容量を増加させるために複数のデバイスがパッケージ内に集積された場合、コントローラ回路が前記複数のデバイスのそれぞれで繰り返し配置されるので、メモリコントローラ回路に関連したサイズのオーバヘッドが重大になり得る。さらに、ウエハの歩留まり(ウエハ上に形成されたチップにおける動作するチップの数)は、チップサイズの関数となる傾向がある。1つ以上の組み込みコントローラによって要求された追加スペースは、チップサイズを増加させるので、総合的なウエハ歩留まりを低下させる。
【0007】
また、組み込みコントローラによって増加されたフラッシュメモリの複雑性は、製品多様化と、開発時間およびコストと、デバイス性能とに有害な影響を与える。そのようなデバイスは、ディスクリート・フラッシュメモリと対照して、より複雑な回路配置を必要としており、より長い開発サイクルを招いている。さらにまた、デザインの変更はチップ全体を改変させる必要があるので、製品の再設計が妨げられる。また、効率がこのデザインによって低下される場合もある。例えば、典型的なフラッシュメモリは、プログラムおよび削除動作に対応して高電圧トランジスタを必要とする。メモリコントローラは、高速トランジスタを利用することで利点を得る。しかしながら、単一ダイ上に高電圧かつ高速の両方のトランジスタを実装することは、製造コストをかなり増加させることとなる。したがって、組み込みコントローラは、フラッシュメモリによって要求された高電圧トランジスタを利用しない場合があるので、そのコントローラの動作を遅くさせる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、組み込みフラッシュメモリおよび他のデバイスに関連した短所のいくつかを克服するメモリシステムを提供する。前記メモリシステムは、デイジーチェインカスケードに配置された複数の不揮発性メモリデバイスであって、前記デイジーチェインカスケードを通じて送信されたコマンドを介してメモリコントローラデバイスによって制御される複数の不揮発性メモリデバイスを有する。前記メモリコントローラデバイスは、外部システムとのインタフェースになるとともに、前記前記デイジーチェインカスケード配置を通じて通信することによってメモリデバイスについての読取りと、書込みと、他の動作とを制御する。そのような構成において、通信は、第1メモリデバイスによって受信されるとともに、いかなる応答通信についても、第2メモリデバイスへ転送される。そのプロセスは、前記デイジーチェインカスケードにおける全てのメモリデバイスで繰り返され、その結果、前記デイジーチェインカスケードにおいてメモリデバイスを制御することをメモリコントローラに可能にしている。
【0009】
メモリシステムの更なる実施形態は、メモリコントローラおよびメモリデバイスを収納しているシステム・イン・パッケージ(SIP)容器のような共通支持体アセンブリに実装されていることとしてもよい。SIPは、多数の集積回路(チップ)を有する単一パッケージまたはモジュールである。本明細書に記載された実施形態において、SIP内のフラッシュメモリコントローラは、外部システムとSIP内の複数のメモリデバイスとをインタフェースするように構成されている。あるいはまた、メモリシステムは、回路基板のような、他の単一フォームファクタ・デバイスに実装されていることとしてもよい。
【0010】
本発明の更なる実施形態は、単方向デイジーチェインカスケードを有しており、コマンドおよびメモリデータがコントローラから送信されて、メモリデバイスの前記チェインを単方向に通る。前記単方向カスケードは、制御動作に関連する信号を伝送する第1信号パスと、前記制御動作に応答して複数の不揮発性メモリデバイスによって生成された信号を伝送する第2信号パスとを有している。双方向デイジーチェインカスケードが実装されていることとしてもよく、ここで、コマンドおよびメモリデータはメモリデバイスを通じて単方向に送信される。前記双方向デイジーチェインカスケードは、カスケードを通じて双方向に信号を伝送するように構成されたリンクをさらに有することとしてもよい。コマンドは、特定のメモリデバイスを識別するアドレスフィールドに伴って、シリアルモードで前記デイジーチェインカスケードを通じて送信されることとしてもよい。コマンド、データおよびアドレス信号は、シリアル構成の共通信号パスによって伝送されることとしてもよい。
【0011】
本発明の実施形態は、フラッシュメモリシステムとして実装されることとしてもよく、ここで、メモリデバイスがフラッシュメモリを有している。メモリコントローラは、フラッシュメモリの1ブロックの消去、1ページへのプログラミング、および1ページへの書込みのような、フラッシュ制御動作を実行することとしてもよい。メモリコントローラは、各メモリデバイスについて物理アドレスに論理アドレスをマッピングすることを提供するコントロールロジックを有することとしてもよい。また、提供されたマッピングは、メモリデバイスにおいてウェアレベリング(wear-leveling)を提供する動作を有することとしてもよい。また、メモリコントローラは、NORまたは他のインタフェースを通じて外部システムと通信するとともに、不揮発性メモリインタフェースを通じて複数のNANDメモリデバイスを制御することとしてもよい。また、メモリコントローラデバイスは、メモリアレイを有することとしてもよく、その結果、マスタフラッシュメモリとして動作する。
【0012】
前記デイジーチェインカスケードを通じて送信されたコマンドとデータは、複数のメモリデバイスの一つに対応するアドレスを伴っていることとしてもよい。各デバイスは、そのデバイスに設定されたデバイスIDとアドレスとを比較することによってコマンドを識別する。コマンドを受信する前に、メモリデバイスは、デイジーチェインカスケードを通じて送信された関連信号に対応してデバイスIDを生成することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】埋め込みフラッシュコントローラを有する従来のメモリデバイスのブロック図である。
【図2】単方向のデイジーチェインカスケードに構成された複数のメモリデバイスを有するシステム・イン・パッケージ(SIP)容器の中のメモリシステムのブロック図である。
【図3】双方向のデイジーチェインカスケードに構成された複数のメモリデバイスを有するシステム・イン・パッケージ(SIP)容器の中のメモリシステムのブロック図である。
【図4A】フラッシュメモリコントローラのブロック図である。
【図4B】CPUを有するフラッシュメモリコントローラのブロック図である。
【図5】マスタフラッシュメモリと単方向のデイジーチェインカスケード構成の複数のメモリデバイスとを有するSIPのブロック図である。
【図6】マスタフラッシュメモリと双方向のデイジーチェインカスケード構成の複数のメモリデバイスとを有するSIPのブロック図である。
【図7】SIPレイアウト内に実装されたメモリシステムのブロック図である。
【図8】複式接続を有する単方向のデイジーチェインカスケードに構成された複数のメモリデバイスを有するSIP容器の中のメモリシステムのブロック図である。
【図9】コモンポートを共有する双方向のデイジーチェインカスケードに構成された複数のメモリデバイスを有するSIP容器の中のメモリシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記は、本発明の一例実施形態についての以下のより詳細な説明から明らかにされる。本発明の一例実施形態を示す添付の図面においては、複数の図面を通じて、同一の構成部分には同様の参照符号が付されている。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本発明の実施形態を図示するために強調されている部分を有する。
【0015】
本発明の一例実施形態の詳細が以下に説明される。
【0016】
図1は、単一集積回路に組み込まれたフラッシュメモリ135とコントロールロジックとを有する集積フラッシュデバイス100を示している。コントロールロジックは、外部システムと通信するホストインタフェース110と、メモリバッファ115と、メモリ135とのインタフェースをする状態マシン125と、内部レジスタ120と、誤り訂正ロジック130とを有している。例えば、読み込み動作中に、内部レジスタ120は、ホストインタフェース110からコマンドおよびアドレスデータを受信する。状態マシン125は、このデータを受信して、前記読み込み動作に従ってフラッシュメモリ135にアクセスする。状態マシン125はフラッシュメモリ135から逐次データを受信し、それは要求されたデータを取り出すこととなる。誤り訂正ロジック130による検査の後に、要求されたデータは、外部システムに伝送されるためにメモリバッファ115に送信される。コントローラに組み込まれたフラッシュメモリデバイスの動作の詳細は、三星電子株式会社によって2005年12月23日に発行された「OneNANDTM Specification」、バージョン1.2によって理解することができる。
【0017】
図2は、デイジーチェインカスケードに構成された複数のメモリデバイス230a−nを有するシステム・イン・パッケージ(SIP)容器210の中のメモリシステム200を示すブロック図である。SIPは、多くの集積回路(チップ)を有する単一パッケージまたはモジュールである。SIPは、独立システムまたはシステム構成要素として動作するように設計されていることとしてもよく、携帯電話、パーソナルコンピュータまたはデジタル音楽プレイヤのような電子回路システムの多くまたは全てを実行することとしてもよい。前記チップは、パッケージまたはモジュールの内部で、垂直に積み重ねられていることとしてもよく、互いに並んで水平に配置されていることとしてもよい。前記チップは、パッケージ内に入れられたワイヤによって通常接続されている。あるいはまた、前記チップは、「フリップチップ」技術でそれらを結合させるようにハンダバンプを使用して接続されていることとしてもよい。
【0018】
SIPは、同一基板にマウントされたいくつかの回路要素および受動要素を有することとしてもよい。例えば、SIPは、特定用途向けIC(ASIC)に実装されたプロセッサと、別々の回路ダイに実装されたメモリと、回路に関連した抵抗およびコンデンサとを有することができる。構成要素のそのような組合せは、機能システムを形成するために多くの外部要素を追加する必要性を排除し、単一パッケージの中に形成される完全な機能ユニットを可能にする。SIPデバイスを使用した設計は、SIPの外付けシステムの複雑さを軽減するので、ラップトップコンピュータ、MP3および携帯電話のようなスペースが限定された環境では特に有益である。
【0019】
図2に示すフラッシュメモリシステム200は、SIP容器210の中に実装されているとともに、フラッシュメモリコントローラ220と複数のフラッシュメモリデバイス230a−nとを有する。SIPアーキテクチャに基づき、フラッシュメモリコントローラ220とフラッシュメモリデバイス230a−nとは、ディスクリート回路ダイ(チップ)で実装されているとともに、その設計に従って接続されており、例えば、パッケージ内に入れられたワイヤまたはフリップチップ接合点に接続されている。フラッシュコントローラ220は、システムインタフェースを通じてコンピュータシステムのような外部システム(図示せず)と通信する。システムインタフェースは、フラッシュコントローラ220と外部システムとの間で複数の信号パスを提供し、前記信号パスは、メモリシステム200の制御に関連したメモリデータと、コマンドと、クロック信号と、その他の信号とを送受信する。
【0020】
外部システムとの通信または他の命令に対応して、フラッシュコントローラ220は、単方向デイジーチェインカスケード接続に配置されたフラッシュメモリデバイス230a−nの一つ以上と通信することとしてもよい。単方向デイジーチェインカスケード接続構成において、前記デイジーチェインカスケード接続の各デバイスは、次のデバイスへ、生成した信号に加えて、受信した信号を転送し、その結果、デバイスを通じての単一通信パス235を提供している。信号パス235はデバイス間の複数のリンク235a−nを有しているので、単一を表し、フラッシュコントローラ220からデイジーチェインカスケード接続のフラッシュメモリデバイス230a−nを通じて単方向に通信が流れ、フラッシュコントローラ220に戻る。あるいはまた、リンク235a−nは、各デバイスでドライバおよび受信回路に接続して、双方向であってもよい。
【0021】
本実施形態では、フラッシュコントローラ220は、信号パス235aを通じてデイジーチェインカスケード接続のフラッシュメモリデバイス230a(「フラッシュメモリA」)にコマンドおよびデータ信号を送信する。フラッシュメモリ230aは、受信したコマンドに従った対応を行い、記憶されたデータを取り出す機能、データ書込み機能、または他の動作を実行する機能を有することとしてもよい。そして、フラッシュメモリ230aは、受信したコマンドに伴った、前記対応に関連したあらゆるデータを、次のメモリデバイス230bに出力する。逆に、受信したコマンドがフラッシュメモリ230aに宛てられたものでない場合、前記デバイス230aは更なる動作を実行することなく前記受信したコマンドを出力する。フラッシュメモリ230aは、前記コマンドに関連したアドレスフィールドとメモリ230aに記憶されたデバイス識別子とを比較することによって、前記コマンドが自身に宛てられたものか否かを判断することができる。
【0022】
フラッシュメモリ230bは、前記メモリ230aによって生成されたあらゆるデータを伴って、前記メモリ230aから前記コマンドを受信する。前のメモリ230aのように、フラッシュメモリ230bは、自身に宛てられたあらゆるコマンドに対応するとともに、次のデバイス230cへコマンドおよびあらゆる生成されたデータを出力する。この通信の引き継ぎは、前記コマンドが最後のフラッシュメモリ230nによって受信されるまで、信号パス235の全てのデバイスで繰り返される。フラッシュメモリ230nは、前記コマンドに従って応答するとともに、メモリデバイス230a−nによって生成されたあらゆるデータを伴って、フラッシュコントローラ220へ信号パス235nを通じて、前記コマンドを出力する。その結果、メモリシステム200の通信は、デイジーチェインカスケード接続された全てのデバイスに信号パス235を通じて転送される。信号パス235は、前記デバイス間に1つ以上のピンまたはワイヤ接続部を有していることとしてもよく、直列または並列に信号を伝送することとしてもよい。メモリデバイスシリアル通信とデイジーチェインカスケード接続構成とに関する例示的技術である米国特許出願11/324,023号(「複数の独立シリアルリンク・メモリ」)、米国特許出願11/495,2781号(「デイジーチェインのカスケード接続デバイス」)、米国特許出願11/521,734号(「非同期ID生成」)および米国仮出願60/802,645号(シリアル内部接続メモリデバイス)を参照する。上記出願の全ての技術が本明細書に完全に示されていることを通じて参照されてここに組み込まれている。
【0023】
本実施形態では、メモリシステム200は、フラッシュコントローラ220からの入力信号が第1フラッシュデバイスに転送されるとともに最後のデバイス230nからの出力信号がフラッシュコントローラ220に転送される、ように構成された複数のフラッシュメモリデバイス230a−nを有する。一例実施形態において、全ての信号(フラッシュコントローラ220からの入力データおよびコマンドを含む)が第1メモリデバイス230aから最後のメモリデバイス230nへ流れ落ちる。したがって、全ての入力および出力信号が単方向に信号パス235上で伝送される。入力コマンドは、メモリデバイス230a−nの一つのようなターゲットデバイスのアドレスを有することとしてもよい。システム初期化中またはパワーアップ中に、各フラッシュデバイス230a−nについて固有のデバイスアドレスがフラッシュコントローラ220またはフラッシュデバイス230a−n自身によって割り当てられていることとしてもよく、または1回だけプログラム可能(OTP)なアレイのようなハードウェアプログラミングによって事前に割り当てられていることとしてもよい。フラッシュコントローラ220がターゲットデバイスのアドレスを伴ってコマンドを出力するとき、対応するフラッシュデバイス(デバイス230a−nの一つ)は受信したコマンドを実行する。フラッシュデバイス230a−nの残りは、受信したコマンドに関して「バイパス」モードで動作し、更なる動作をせずにデイジーチェインカスケード接続に配置された次のデバイスにコマンドを通過させる。
【0024】
ターゲットデバイスのアドレスは、識別子(ID)生成プロセッサによって各メモリデバイス230a−nにつき設定固定されていることとしてもよい。米国特許出願11/521,734号(「非同期ID生成」)は、全体として参照されることによって援用されており、デイジーチェインカスケード接続に配置された複数のメモリデバイスにつきIDを生成する例示的技術を有している。一例実施形態において、デイジーチェインカスケード接続における各デバイス230a−nは、発生回路(図示せず)を有している。コントローラ220がデバイス230a−nへ「ID生成」コマンドを転送するとき、第1デバイス230aの前記発生回路は、コントローラ220から第1の値を受信し、この値からデバイスIDを生成する。前記デバイスIDは、第1デバイス230aのレジスタに記憶されることとしてもよく、コマンドおよびデータがデバイス230aに宛てられたものか否かを判断することに使用されることとしてもよい。また、この発生回路は、第1デバイス230aから次のデバイス230bへ通る、前記第1の値を増加して変更された第2の値を生成する。第2デバイス230bの発生回路は、前記第2の値からデバイスIDを生成して、第3デバイス230cへ変更された値を転送する。このプロセスは、デイジーチェインカスケード接続における最後のデバイス230nがデバイスIDを設定するまで繰り返される。
【0025】
あるいはまた、フラッシュデバイス230a−nは、各デバイス230a−nとフラッシュメモリコントローラ220を接続している信号パスを通るデバイス選択信号(図示せず)によってアドレス指定されることもできる。そのような実施形態では、フラッシュメモリコントローラ220は、アドレス指定されたコマンドについてのフラッシュデバイス230aに、デバイス選択信号を送信することとしてもよく、その結果、デバイス230aが受信したコマンドに対応した実行をすることが可能となる。残りのフラッシュデバイス230b−nは、デバイス選択信号を受信しないこととしてもよく、したがって、更なる動作をせずに、デイジーチェインカスケード接続における次のデバイスへ受信したコマンドを渡す。
【0026】
フラッシュメモリは、電源供給および頻繁なリフレッシュ動作をせずに記憶データを維持できる不揮発性メモリの一種である。他の実施形態としては、他のタイプの不揮発性メモリが、1つ以上のフラッシュメモリデバイス230a−nに代わって利用されることとしてもよく、またはフラッシュメモリデバイス230a−nの中に組み込まれることとしてもよい。同様に、スタティックRAM(SRAM)やダイナミックRAM(DRAM)などの揮発性メモリがフラッシュメモリデバイス230a−nの中に組み込まれることとしてもよい。また、そのような代替的実施形態は、メモリの規格通りに動作するコントローラ220を必要とすることとしてもよく、または追加または置換メモリコントローラを必要とすることとしてもよい。フラッシュメモリコントローラの動作は、図4を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0027】
図3は、デイジーチェインカスケード接続に構成された複数のフラッシュメモリデバイス330a−nを有するシステム・イン・パッケージ(SIP)容器310の中のメモリシステム300のブロック図である。メモリシステム300は、フラッシュコントローラ320およびフラッシュメモリデバイス330a−nが図2を参照して説明されたコントローラ220およびデバイス230a−nと同様に構成することができる限りにおいて、図2のシステム200に対応していると見ることができる。しかしながら、本システム300のコントローラ320およびデバイス330a−nは、双方向デイジーチェインカスケード接続において、信号を入力ポートおよび出力ポートでデバイスを接続している複数のリンク334a−n,335a−nを有する信号パス334,335介して通信する。この信号パス334,335は、フラッシュコントローラ320からの通信信号の流れを表すとともに、信号パス334を介してデイジーチェインカスケードに接続されたフラッシュメモリデバイス330a−nを通り、信号パス335を介してフラッシュコントローラ320に戻っている。
【0028】
フラッシュコントローラ320は、システムインタフェースを通じて、コンピュータシステムのような、外部システム(図示せず)と通信する。システムインタフェースは、フラッシュコントローラ320と外部システムとの間で複数の信号パスを提供し、前記信号パスは、メモリシステム300の制御に関連したメモリデータと、コマンドと、クロック信号と、その他の信号とを送受信する。
【0029】
外部システムとの通信または他の命令に対応して、フラッシュコントローラ320は、双方向デイジーチェインカスケード接続に配置されたフラッシュメモリデバイス330a−nの一つ以上と通信することとしてもよい。ここに表された双方向デイジーチェインカスケード接続構成では、フラッシュコントローラ320がデイジーチェインカスケード接続における第1メモリデバイス330a(「フラッシュメモリA」)へ信号パス334aを通じてコマンドおよびデータ信号を送信する。デイジーチェインカスケード接続における各フラッシュメモリデバイス330a−nは、イジーチェインカスケード接続における最後のデバイスがその信号を受信するまで、受信した信号を次のデバイスに信号パス334を介して転送する。
【0030】
各デバイス330a−nは、自身にアドレス指定された受信した信号に応答し、信号パス335を介してフラッシュコントローラ320へ応答として生成した信号を送信する。例えば、フラッシュコントローラは、デバイスに記憶されたデータを取り出すために、フラッシュメモリデバイスB 330bにアドレス指定した「読取り」コマンドを送信することとしてもよい。前記コマンドは、フラッシュメモリA 330a(リンク334a-bを介して)を通ってフラッシュメモリB 330bに受信される。フラッシュメモリBは、リンク335a-bを介してフラッシュコントローラ320に要求されたデータを送信することによって前記コマンドに応答する。また、フラッシュメモリBはフラッシュメモリC 330cへ前記コマンドを送信し、続いてフラッシュメモリC 330cは最後のデバイスであるフラッシュメモリN 300nへカスケード接続を通じてさらに前記コマンドを送信する。
【0031】
ある条件下において、フラッシュコントローラ320は、特定のコマンドについて複数のメモリデバイスをアドレス指定することとしてもよい。また、上記実施形態に加えて、コマンドはフラッシュメモリデバイスC 330cからデータを要求することとしてもよい。このような場合、そのデバイスは、フラッシュメモリB 330bからコマンドを受信して、リンク335cを通じてデータを出力することによってフラッシュコントローラ320に要求されたデータを送信する。その結果、フラッシュコントローラ320は、信号パス335を通じてフラッシュメモリデバイスBおよびC 330b,330cの両方から要求したデータを受信する。
【0032】
したがって、フラッシュメモリコントローラ320は、双方向デイジーチェインカスケード接続における第1方向(すなわち、信号パス334)にデバイス330a−nを通じて転送される制御信号およびデータ信号を送信することによってフラッシュメモリデバイス330a−nを制御することができる。また、応答通信が、双方向デイジーチェインカスケード接続における第2方向(すなわち、信号パス335)に転送された信号を通じてコントローラ320へ返信される。また、メモリデバイス330a−nは、フラッシュコントローラ320へ制御信号およびデータ信号を返信するように構成されていることとしてもよい。ここで、カスケード接続における最後のデバイス(フラッシュメモリデバイス330n)は、信号パス335を通じて制御信号およびデータ信号を送信する。
【0033】
メモリシステム300の双方向デイジーチェインカスケード接続は、デイジーチェインカスケード接続されたデバイスに接続されている信号パス334,335を伝わる入道リンクおよび出道リンクの両方を各メモリデバイス330a−nに提供する。代替的実施形態としては、デバイスが他の構成を通じて通信することとしてもよい。例えば、デイジーチェインカスケード接続における最後のデバイス以外のメモリデバイスは、前のデバイスに応答通信を転送する構成となっていることとしてもよい。フラッシュメモリB 330bは、前のデバイス330aからコマンドおよびデータを受信するとともに、後のデバイス330cへ通信を転送することに換えて(または加えて)、フラッシュコントローラ320に受信させるために前のデバイス330aに戻る応答通信を転送することとしてもよい。フラッシュメモリBは、高優先度のコマンドまたはデータのような、特定タイプの通信を受信しているときに、この動作を実行するようにさらに構成されていることとしてもよい。そのような構成は、デイジーチェインカスケード接続における1つ以上のデバイスに実装されていることとしてもよく、メモリシステム300における特定動作の待ち時間を削減させることに好適である。
【0034】
図4Aは、フラッシュメモリコントローラ400の実施形態のブロック図である。コントローラ400の実施形態は、上記および下記の図2,3,8,9に関するメモリシステム200,300,800,900それぞれのメモリコントローラ220,320,820,920としてSIP内の個々の集積回路ダイの上で実装されていることとしてもよい。また、コントローラ400は、フラッシュメモリチップに組み込まれていることとしてもよく、マスタフラッシュメモリとして動作するコントローラ400およびメモリは、下記の図5,6に関するメモリシステム500,600それぞれのマスタフラッシュメモリとして実装されていることとしてもよい。
【0035】
フラッシュメモリコントローラ400は、フラッシュメモリデバイスを制御する特定動作のいくつかまたは全てを実行することとしてもよい。例えば、典型的なフラッシュメモリは、所定数のメモリビットを有する個々のページ単位で読み取られるとともにプログラミングされるとともに、数ページを有するブロック単位で消去される。そのような動作に対応するコマンドがデバイスコントローラによって検索されるフラッシュメモリに記憶されていることとしてもよい。NANDフラッシュメモリは、個々のページにアクセスされる。検索されたページは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような外部メモリにさらにコピーされることとしてもよい。ここで、ページの中の特定のデータが取り出されることとしてもよい。また、何らかの書込みおよびアクセス動作がフラッシュメモリデバイス自体の中で実行されることとしてもよく、その結果、フラッシュメモリコントローラ400で必要とされた何らかの機能を除去することができる。
【0036】
フラッシュメモリコントローラ400は、システムインタフェース480と、コントロールロジック410と、フラッシュメモリインタフェース490とを有する。システムインタフェース480は、外部ホストシステムとの通信に使用されるとともに、ダブルデータレート(DDR)ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ラムバスDRAMインタフェース、シリアルATA(SATA)インタフェース、IEEE1394、MMCインタフェース、またはユニバーサル・シリアルバス(USB)など、NORフラッシュインタフェースまたは他のメモリデバイスとともに利用されたインタフェースとして構成されていることとしてもよい。あるいはまた、システムインタフェース480は、コントロールロジック410とは別個に配置されていることとしてもよく、別個のデバイスとして、またはフラッシュコントローラ400と通信するシステムの内部に、実装されることとしてもよい。コントロールロジック410は、バッファRAM420と、モード・タイミング・データ・コントローラ425と、内部レジスタ430と、エラー訂正符号(ECC)ロジック435とを有している。
【0037】
コントロールロジック410は、システムインタフェース480およびフラッシュメモリインタフェース490を介して外部システムおよびフラッシュメモリデバイスのそれぞれと通信する。バッファRAM420は、システムインタフェース480とやり取りされる入力データおよび出力データについて内部バッファを提供する。内部レジスタ430は、アドレスレジスタ、コマンドレジスタ、構成レジスタ、およびステータスレジスタを有することとしてもよい。モード・タイミング・データ・コントローラ425は、フラッシュメモリインタフェース490と、ECCロジック435と、内部レジスタ430と、バッファRAM420とから入力を受信している状態マシンによって駆動されることとしてもよい。ECCロジック435は、モード・タイミング・データ・コントローラ425に誤り検出と訂正を提供する。
【0038】
フラッシュメモリインタフェース490は、がデイジーチェインカスケード接続構成に配置された1つ以上のフラッシュメモリデバイスと通信するための物理的フラッシュインタフェースである。一例フラッシュインタフェースは、米国仮出願第60/839,329号(NANDフラッシュメモリデバイス)に記載されており、本明細書に完全に示されていることを通じて全体として参照されてここに組み込まれている。さらに、フラッシュメモリインタフェース490とコントロールロジック410は、上述のNOR,DRAMまたは他のインタフェースを提供している間、NANDフラッシュメモリデバイスを制御するように構成されていることとしてもよい。したがって、フラッシュメモリコントローラ400は、NORまたは他のインタフェースでの外部ホストシステムとの通信を介してのNANDフラッシュメモリの制御を提供する、「ハイブリッド」コントローラとして動作することができる。
【0039】
本発明の実施形態として実施されるフラッシュメモリコントローラ400は、カスケード接続を通じて送信されたコマンドおよびデータを介してメモリデバイスを制御する、システムコントローラとして動作することができる。そのようなコマンドおよびデータは、各メモリデバイス(図示せず)のデバイスコントローラによって受信される。前記デバイスコントローラは、各メモリアレイを制御するための前記コマンドに応答したアルゴリズムを順次実行する。
【0040】
コントロールロジック410は、図4Bにおけるフラッシュコントローラ495に示すような、ファイル記憶管理を提供する。前記ファイル記憶管理は、要求されたデータの物理アドレスを判断し、論理アドレスを物理アドレスにマッピングすることを提供する。前記マッピングは、性能を向上させるために、またはウェアレベリング(wear-leveling)を実行するために、デバイスに記憶された分散データおよび再分散データのアルゴリズムをさらに有することとしてもよい。
【0041】
「読取り」動作の一実施形態として、フラッシュメモリコントローラ400は、外部ホストシステム(図示せず)からのデータ要求をシステムインタフェース480で受信する。前記データ要求は、メモリコントローラ400によって制御される1つ以上のメモリデバイスに記憶されたデータの論理アドレスを示すものである。コントロールロジック410は、対応する物理アドレスを決定する。フラッシュメモリインタフェースを通して、コントローラ400は、要求されたデータの物理アドレスを伴って、メモリデバイスのカスケード接続を通じて「読取りコマンド」を出力する。ターゲットメモリデバイスは、要求されたデータを取り出すために「読取り」アルゴリズムを実行する。前記「読取り」アルゴリズムは、デバイスページバッファに1ページだけロードすることを有する。前記ターゲットメモリデバイスは、フラッシュメモリインタフェース490を介してフラッシュメモリコントローラ400に要求されたデータを転送する。コントロールロジック410は、受信データを検査するとともに、エラー訂正符号(ECC)モジュール435でエラーを修正する。そして、コントロールロジック410は、要求されたデータをバッファRAM420にロードする。その要求されたデータは、システムインタフェース480を介して外部ホストシステムに転送される。
【0042】
プログラム動作は、上述の読取り動作に比較できる。ここで、フラッシュメモリコントローラ400は、外部ホストシステムから、1つ以上のメモリデバイスに記憶されたデータを受信する。コントロールロジック410は、データマッピングと、分布と、ウェアレベリング・スキーマとのうちの1つ以上に基づいて、データを記憶するための物理アドレスを決定する。物理アドレスに基づいて、フラッシュメモリコントローラ400は、メモリデバイスのカスケード接続を通じて、データと決定した物理アドレスとを伴った「プログラムコマンド」を転送する。ターゲットメモリデバイスは、ページバッファにデータをロードするとともに、メモリコントローラ400によって決定された物理アドレスにデータを書き込むための「プログラム」アルゴリズムを開始する。この書込み動作に続いて、前記ターゲットデバイスは、書込みが成功したか否かを示す「プログラムベリファイ」信号を出力する。前記ターゲットメモリデバイスは、「プログラムベリファイ」が書込み動作の成功を示すまで、「プログラム」と「プログラムベリファイ」のこのサイクルを繰り返す。
【0043】
上述のように、複数のカスケード接続されたメモリデバイスを制御するとき、メモリコントローラ400は、単一のメモリデバイスまたは分岐配置された複数のデバイスを制御するプロトコルとは異なる通信プロトコルを使用する。例えば、ターゲットメモリデバイスを選択しているメモリコントローラ400は、前記メモリデバイスに対応するアドレスを出力しなければならない。このアドレス(または前述のターゲットデバイスID)は、制御コマンドの構造の中に統合されていることとしてもよく、その結果、カスケード接続における特定デバイスが選択されることを可能にしている。
【0044】
図4Bは、フラッシュメモリコントローラ401の第2実施形態を示しているブロック図である。フラッシュメモリコントローラ401は、フラッシュコントローラ400を参照して上記で説明されたものの1つ以上の構成で構成することができる。フラッシュコントローラ401は、より複雑な処理に有用なプロセッサユニット(CPU)470を有する点で、コントローラ400と区別されるものとしてもよい。
【0045】
図4Aを参照して上記で説明された構成要素に加えて、フラッシュメモリコントローラ401は、水晶発振器(Xtal)476を有している。水晶発振器476は、クロック発生および制御ブロックに接続されており、基準クロック信号を出力する。クロック発生および制御ブロック475は、CPU470と、フラッシュコントローラ495と、システムインタフェース465とに様々なクロック信号を出力する。CPU470は、共通バス485を通じて他のサブシステムと通信する。また、共通バス485に接続されるものには、RAMおよびROM回路496がある。RAMおよびROM回路496は、バッファメモリを提供するRAMと実行コードを記憶するROMとを有する。フラッシュコントローラ495は、物理フラッシュインタフェースと、ECCブロックと、ファイル&メモリ管理ブロックとを有する。フラッシュデバイスは、物理フラッシュインタフェースを通じてアクセスされる。フラッシュデバイスからのアクセスデータは、ECCブロックによって検査および修正される。ファイル&メモリ管理ブロックは、論理−物理アドレス転換と、ウェアレベリングアルゴリズムと、他の機能とを提供する。
【0046】
図5は、SIP容器に内蔵されたメモリシステム500の他の実施形態を示すブロック図である。前記システムは、SIP容器に内蔵された多数のデバイスを有している。前記容器は、フラッシュメモリデバイス520と、信号パス535に沿って単方向デイジーチェインカスケード接続に構成された複数のフラッシュメモリデバイス530a−nとを収容している。信号パス535は、前記デバイスを接続している複数のリンク535a−nを有している。マスタフラッシュメモリデバイス520は、第1メモリデバイス530aへリンク535aでコマンドおよびデータを転送するとともに、デイジーチェインカスケード接続における最後のメモリデバイス530nからリンク535nで応答通信を受信する。
【0047】
システム500は、上記で図2および図3を参照してシステム200,300に関して説明された機能を組み込んでいることとしてもよい。マスタフラッシュメモリ520は、単一の集積回路ダイの上にフラッシュメモリと共に組み込まれたフラッシュメモリコントローラを有している。埋め込みフラッシュコントローラは、図4A−Bを参照して上記で説明されたフラッシュコントローラ400,401の機能が組み込まれていることとしてもよい。マスタフラッシュデバイス520は、システムインタフェースを通じて外部システムと通信するとともに、単方向デイジーチェインカスケード接続に構成されたフラッシュメモリデバイス53Oa−nを制御する。さらにまた、マスタフラッシュデバイスは、内部フラッシュメモリを制御し、その結果、外部システムによってユーザに追加メモリを提供している。したがって、ディスクリートなフラッシュメモリよりもむしろマスタフラッシュメモリ520を利用することによって、システム500内により大きなメモリ容量を構成することができる。
【0048】
図6は、SIP容器610内の代替フィラッシュメモリシステム600のブロック図である。システム600は、複数のフラッシュメモリデバイス620aーnを制御しているマスタフラッシュメモリ620を具備している。前記デバイスは、該デバイスに接続されているリンク634A−n,635a−nを有する信号パス634,635に沿った双方向デイジーチェインカスケード接続に構成されている。システム600は、図2,3,5のシステム200,300,500に関して上記で説明された機能を組み込んでいることとしてもよい。
【0049】
図7は、SIPレイアウトに実装されたメモリシステム700の一実施形態のブロック図である。前記システムは、配線基板730上に実装された垂直スタックとして、メモリコントローラ720および複数のメモリデバイス730aーnを有する、複数のチップを有しているとともに、SIP容器710内に収容されている。SIP容器710は、四方でシステム構成要素を包む密封媒体または樹脂を有することとしてもよく、その結果、構成要素が固定された硬質パッケージを提供している。また、チップ720,730aーcは、容器710内に入れられたワイヤによって接続されている。あるいはまた、チップ720,730a−cは、設計条件に応じて容器710内で相互に並んで水平に配置されていてもよく、またはフリップチップ技術でそれらを共通に接続するためにハンダバンプを使用して接続されていることとしてもよい。
【0050】
メモリデバイス730cは、複数の端子(例えば、端子755)によって配線基板750に接続されている。前記端子を通じて、メモリデバイス730cは信号を送受信することができる。端子755は、配線基板750の裏面にある外部端子(例えば、端子745)に接続されており、外部システムとの通信を可能にしている。同様に、メモリコントローラ720は、1つ以上の外部端子745に続いて接続する端子740に接続されたワイヤ735を有する信号パスを通じて外部システムと通信することとしてもよい。
【0051】
図7のブロック図は、SIP容器710に実装されたメモリシステム700の図示例を提供している。上記で説明されたシステム700の構成要素および接続は、特定の実施形態の設計要求に従い異なって構成されることができる。例えば、図2,3,5,6,8,9のメモリシステム200,300,500,600,800,900は、図7のシステム700に匹敵するメモリシステムとして実装されることとしてもよい。したがって、そのようなメモリシステムは、メモリコントローラとデイジーチェインカスケード接続に配置された複数のメモリデバイスとを収納しているSIP容器を提供し、前記コントローラは、前記カスケード接続を通じてメモリデバイスを制御している。
【0052】
システム・イン・パッケージ(SIP)は、メモリシステム200,300,500,600,800,900が実装され得る単一のフォームファクタの一実施形態である。また、前記メモリシステムは、他の適当なデバイスに実装されていることとしてもよく、前記の構成要素のメモリコントローラおよびメモリデバイスが外部システムと通信するように構成される共通支持体アセンブリに実装されていることとしてもよい。例えば、メモリシステムは、メモリカードのような、回路基板として実現されてもよい。ここで、前記コントローラおよびメモリデバイスは、前記基板に結合されたチップを有しているとともに、前記回路基板において信号パスを介して通信する。
【0053】
図8は、複式接続を有する単方向のデイジーチェインカスケード接続に構成された複数のメモリデバイス830a−nを有するSIP容器810内のメモリシステム800のブロック図である。デバイス830a−nは、各メモリデバイス830a−n間のリンクを有する信号パス834,835を通じて転送されたコマンドを介してフラッシュコントローラ820によって制御される。この構成は、各デバイス830a−nが1つではなく2つの単方向パスによって接続されていることを除いて、図2のシステム200の構成に匹敵している。また、前記メモリシステムは、図2,図3のシステム200,300を参照して上記で説明された機能を組み込んでいることとしてもよく、複数のフラッシュメモリデバイス830a−nをアドレス指定するフラッシュコントローラ820を有している。この実施形態では、リンク834aを通じてフラッシュコントローラ820によって送信されたコマンドおよびデータがリンク834b−dによって信号パス834を通じて転送される。コマンドに応答したデータは、リンク835b−nを有する信号パス835を通じて転送されるとともに、フラッシュコントローラ820によって受信される。また、フラッシュコントローラによって送信されたコマンドおよびデータが、リンク835nを介してフラッシュコントローラに返信されることとしてもよい。したがって、単方向デイジーチェインカスケード接続を有する信号パス835は、フラッシュコントローラ820からのコマンドおよびデータの伝送に専用される第1パス834a−d(上側)と、各メモリデバイス830a−nによって生成された応答データの伝送に専用される第2パス835b−n(下側)とに分割される。
【0054】
代替の実施形態として、メモリシステム800は、上記で説明されたようにマスタフラッシュメモリを実装するように改変されることとしてもよい。このような場合、フラッシュコントローラ820は、マスタフラッシュメモリに置換されることとしてもよく、図5を参照して説明されたようにフラッシュメモリデバイス830a−nを制御している。
【0055】
図9は、コモン入出力ポートを共有する双方向のデイジーチェインカスケード接続に構成された複数のメモリデバイス930a−nを有するSIP容器910の中のメモリシステム900のブロック図である。デバイス930a−nは、各メモリデバイス930a−n間のリンクを有する信号パス935を通じて転送されたコマンドを介してフラッシュコントローラ920によって制御される。この構成は、リンク935b−nのそれぞれが2つの単方向リンクではなく双方向リンクであることを除き、図3のシステム300の構成に匹敵している。リンク935b−nは、各デバイス930a−nにおいてコモン入出力ポートに接続されていることとしてもよく、その結果、各リンク935b−nを通じて双方向通信を可能にしている。フラッシュコントローラ920によって送信されたコマンドおよびデータは、各メモリデバイス930a−nへ信号パス935a−nを通じて転送される。また、コマンドに応答したデータは、信号パス935b−nを通じて転送されるとともに、リンク935aでフラッシュコントローラ935aに転送される。したがって、前記双方向デイジーチェインカスケード接続が、コモン入出力ポートを共有している複数のリンク935a−nを有する信号パス935上で有効にされる。
【0056】
代替の実施形態として、メモリシステム900は、上記で説明されたマスタフラッシュメモリを実装するように改変されることとしてもよい。このような場合、フラッシュコントローラ920は、マスタフラッシュメモリに置換されることとしてもよく、図6を参照して説明されたようにフラッシュメモリデバイス930a−nを制御している。
【0057】
本発明は、具体的実施形態を参照して特定的に示されるとともに説明されたが、添付された特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、表現形式および詳細につき様々な変更が行われ得ることが、当業者にとって理解される。
【符号の説明】
【0058】
200 フラッシュメモリシステム
210 SIP容器
220 フラッシュメモリコントローラ
230a−n フラッシュメモリデバイスA−N
235a−n リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロックを有する不揮発性メモリアレイであって、各ブロックは複数のページと、ページのデータを読み取るために構成された前記不揮発性メモリアレイと、プログラムデータと、ブロックの削除データとを有する不揮発性メモリアレイと、
コントローラからコマンドを受信するために構成される第1ポートであって、前記コマンドはアドレス情報を有することを特徴とする第1ポートと、
別の不揮発性メモリデバイスの入力ポートへ結合するために構成される第2ポートと、
前記別の不揮発性メモリデバイスから第1出力を受信するように構成される第3ポートと、
前記コントローラへ第2出力を提供するように構成される第4ポートと、
前記コマンドのアドレス情報が前記不揮発性メモリデバイスを識別するかどうか決定するように構成されるデバイス決定器であって、
一致しない決定に応じて、前記不揮発性メモリデバイスへ前記第2ポートを通じて前記受信コマンドが出力され、
一致した決定に応じて、
データ読取りのための前記コマンドだった場合、前記コマンドは前記不揮発性メモリアレイにアクセスするために処理され、読み取りコマンドに応じてアドレス指定されたページの不揮発性メモリアレイが読取られ、
プログラミングのための前記コマンドだった場合、前記コマンドは前記不揮発性メモリアレイにアクセスするために処理され、プログラムコマンドに応じてアドレス指定されたページの不揮発性メモリアレイがプログラムされ、
削除のための前記コマンドだった場合、前記コマンドは前記不揮発性メモリアレイにアクセスするために処理され、プログラムコマンドに応じてアドレス指定された不揮発性メモリアレイのブロックが削除されるデバイス決定器と
を有することを特徴とする不揮発性メモリデバイス。
【請求項2】
前記読取りデータは、前記第2出力ポートを通じて前記別の不揮発性メモリデバイスへ送信される、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項3】
前記読取りデータは、第2出力として前記第4ポートを通じて前記コントローラへ送信される、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイスであって;
前記第3ポートはさらに、前記第1出力として別の不揮発性メモリデバイスからプログラムデータを受信するように構成され、
前記第4ポートはさらに、前記コントローラへ受信したプログラムデータを提供するように構成される不揮発性メモリデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイスであって;
前記第1ポートはさらに、前記コントローラからコマンドとプログラムを受信するように構成され、
前記第4ポートはさらに、前記不揮発性メモリアレイから前記コントローラへ前記読取りデータを提供するように構成される不揮発性メモリデバイス。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、及び第4ポートはシリアル又はパラレルポートである請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項7】
前記デバイス決定器は、前記システム初期化のデバイスアドレスを決定するように構成される、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項8】
前記デバイス決定器は、電源投入時に前記デバイスアドレス決定を実行するように構成される、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項9】
前記デバイス決定器は、前記第1ポートのコントローラから値を含む前記コマンドの受信で前記デバイスアドレス決定を実行するように構成される、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項10】
前記デバイス決定器は、さらに前記受信した値に基づきデバイス識別子を生成するように構成される、請求項9に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項11】
前記デバイスアドレスを記憶するように構成されたレジスタをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項12】
前記デバイス決定器は、ハードウェアプログラミングに基づいて前記デバイスアドレスを決定するように構成される、請求項1に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項13】
前記デバイス決定器は、1度だけプログラム可能なアレイに基づいて前記デバイスアドレスを決定するように構成される、請求項12に記載の前記不揮発性メモリデバイス。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1つに記載の前記不揮発性メモリデバイスを含む不揮発性メモリデバイスを有するチップ。
【請求項15】
コントローラと請求項1から請求項13のいずれか1つに記載の1つか複数の不揮発性メモリデバイスを含むパッケージであって、前記コントローラは、1つか複数の不揮発性メモリデバイスの前記第1ポートへコマンドとプログラムデータを提供するための前記第1ポートと、1つか複数の不揮発性メモリデバイスの前記第4ポートからリードデータを読み込むための第2ポートとを含む前記パッケージ。
【請求項16】
配線基板上で1つか複数の不揮発性メモリデバイスと前記コントローラがともに互いにマウントされる、請求項15に記載の前記パッケージ。
【請求項17】
配線基板上で1つか複数の不揮発性メモリデバイスと前記コントローラが垂直スタック内でマウントされる、請求項15に記載の前記パッケージ。
【請求項18】
はんだバンプか配線によって少なくとも1つの1つか複数の不揮発性メモリデバイスと前記コントローラが接続される、請求項17に記載の前記パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−37712(P2013−37712A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210614(P2012−210614)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2009−501797(P2009−501797)の分割
【原出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(508034325)モサイド・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (106)
【Fターム(参考)】