説明

不揮発性半導体記憶装置及び相変化メモリ

【課題】 相変化メモリ素子を高集積化して十分な書込み電流を確保し、平面レイアウトや動作制御の面において有利な相変化メモリを提供する。
【解決手段】 本発明の不揮発性半導体記憶装置は、複数のワード線3と複数のビット線4がマトリクス状に配列され、ワード線3とビット線4の各交点に設けられた選択トランジスタ1と、一端が選択トランジスタ1に共通に接続されるとともに他端がそれぞれ異なる素子選択線5に接続され、情報の書込みと読出しが可能な所定数のメモリ素子2からなるメモリ素子群とを備える。制御対象の選択トランジスタ1を介して、メモリ素子群の中から選択されたメモリ素子2に接続された素子選択線5を経由して所定の電流を供給することにより、選択されたメモリ素子2に対する書込み動作と読出し動作を制御する。そして、半導体基板上では素子選択線5がビット線4と平行に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、十分な書込み電流を確保できる大きなゲート幅を持つ選択トランジスタとメモリ素子を用いて構成された不揮発性半導体記憶装置に関し、特にメモリ素子として相変化メモリ素子を用いて構成された相変化メモリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な情報を扱う携帯機器の普及が広く進み、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリの重要性が増している。将来的に主流となる不揮発性メモリには、大容量かつ高速で安価などの特徴が求められ、その候補としてはFeRAM、MRAMなどが代表的なものである。その中でも、相変化材料の構造変化を利用した不揮発性メモリである相変化メモリは、有望な技術として研究開発が進められている。この相変化メモリは、例えばカルコゲナイド系の相変化材料(Ge、Sb、Te)に熱を加えることにより、高抵抗のアモルファス状態と低抵抗の結晶状態とを遷移させ、これにより情報を書き換え可能に保持して不揮発性メモリとするものである。相変化メモリへの書込みを行う場合、所定のパルスを印加することで流れる電流により、ジュール熱を発生させて相変化材料の温度を変化させる。このときの電流レベルやパルス印加時間を適切に制御することにより、アモルファス状態と結晶状態の間を自在に遷移させることができる。一般に、相変化メモリに対する書込み時間は、数10〜100ns程度を要する。
【0003】
このような相変化メモリの高集積化を図ることを目的として、ワード線とビット線の交点(クロスポイント)にメモリセルをマトリクス状に配置するクロスポイントメモリセルアレイ方式を採用した相変化メモリが提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたクロスポイントメモリセルアレイ方式では、書込み時の電流を十分に確保できるよう、メモリセルに選択トランジスタを用いずにバイポーラトランジスタやダイオード素子を用いる構成を採用している。通常、バイポーラトランジスタを用いてメモリセルを形成すると、書込み時に必要なジュール熱を発生させるだけの電流を確実に確保することができる。
【特許文献1】US6590807B2
【特許文献2】US6567296B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のように、バイポーラトランジスタを用いたメモリセルを形成する構成は、一般的なMOSトランジスタを用いる構成に比べて、メモリセルの面積が大きくなることが避けられない。一方、MOSトランジスタを用いてメモリセルを形成する構成では、メモリセル面積を小さくする上では有効であるが、書込み時に十分な電流を流す上で問題がある。すなわち、相変化メモリの書込み電流は800μA程度必要であることが報告されており、それだけの電流をMOSトランジスタに流すには、そのゲート幅を大きくする必要がある。この場合のMOSトランジスタのゲート幅は、最近の一般的なプロセスで用いられるMOSトランジスタのゲート幅に比べ、4倍程度必要となる。このように書込み電流を確保するためにMOSトランジスタのゲート幅を増大させるのでは、相変化メモリの高集積化を図ることは困難となる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、半導体基板上に多数の相変化メモリ素子を高集積化して構成しつつ、大きなゲート幅を持つ選択トランジスタを用いて十分な書込み電流を確保し、平面レイアウトや動作制御の面において有利な不揮発性半導体記憶装置としての相変化メモリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上で複数のワード線と複数のビット線がマトリクス状に配列された不揮発性半導体記憶装置であって、前記ワード線と前記ビット線の各交点に設けられ、前記ワード線の電位により前記ビット線を経由して流れる電流を制御する選択トランジスタと、一端が前記選択トランジスタに共通に接続されるとともに他端がそれぞれ異なる素子選択線に接続され、情報の書込みと読出しが可能な所定数のメモリ素子からなるメモリ素子群と、制御対象の前記選択トランジスタを介して、当該選択トランジスタに接続された前記メモリ素子群の中から選択されたメモリ素子に接続された前記素子選択線を経由して所定の電流を供給することにより、前記選択されたメモリ素子に対する書込み動作と読出し動作を制御する電流制御手段とを備え、前記半導体基板上で前記素子選択線が前記ビット線と平行に配置されることを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明によれば、複数のワード線と複数のビット線の各交点には、一の選択トランジスタと所定数のメモリ素子からなる単位回路が配置され、擬似的なクロスポイントメモリセルアレイが構成される。そして、ワード線、ビット線、各々のメモリ素子に接続される素子選択線のそれぞれに対する適切な制御を行って、書込み動作や読出し動作の際、対象となるメモリ素子に対し選択的に所望の電流を供給することができる。この場合、メモリ素子に比べて選択トランジスタの個数が少なくて済むので容易にゲート幅を大きくすることができ、十分な書込み電流を供給することができるとともに、高集積化に適した構成を実現できる。また、半導体基板上で素子選択線とビット線を平行に配置するようにしたので、ワード線に関連する回路とそれ以外の回路を区分して配置するなど、平面レイアウトの面や動作制御の面で有利な構成を実現できる。
【0008】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、前記メモリ素子は、低抵抗の結晶状態と高抵抗のアモルファス状態とを遷移させることにより情報を書き換え可能に記憶する相変化メモリ素子であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、前記相変化メモリ素子は、カルコゲナイド系の相変化材料であるGe、Sb、Teを用いて形成されることを特徴とする。
【0010】
以上のように、メモリ素子として相変化メモリ素子(例えば、Ge、Sb、TeからなるGST素子)を採用する場合には、特に大きな書込み電流が必要とされるので、一の選択トランジスタに所定数(例えば、4個)の相変化メモリ素子を組合せることで、選択トランジスタに大きなゲート幅を持たせる配置が容易で、これにより十分な書込み電流を確保することができる。
【0011】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、前記所定数のメモリ素子は、前記選択トランジスタのゲート幅の範囲内で、前記ワード線方向に沿って一列に配置されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、前記電流制御手段は、前記選択されたメモリ素子に対する書込み動作の際、当該メモリ素子をアモルファス状態に遷移させるリセットパルスと当該メモリ素子を結晶状態に遷移させるセットパルスとを選択的に出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、前記電流制御手段は、前記選択されたメモリ素子に対する読出し動作の際、当該メモリ素子に接続される前記素子選択線の電位を接地レベルに切り替えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、前記電流制御手段は、前記選択されたメモリ素子に接続される前記素子選択線以外の素子選択線を所定のプリチャージレベルに切り替えることを特徴とする。
【0015】
一方、本発明の相変化メモリは、半導体基板上で複数のワード線と複数のビット線がマトリクス状に配列された相変化メモリであって、前記ワード線と前記ビット線の各交点に設けられ、前記ワード線の電位により前記ビット線を経由して流れる電流を制御する選択トランジスタと、一端が前記選択トランジスタに共通に接続されるとともに他端がそれぞれ異なる素子選択線に接続され、低抵抗の結晶状態と高抵抗のアモルファス状態とを遷移させることにより情報を書き換え可能に記憶する所定数の相変化メモリ素子からなる相変化メモリ素子群と、制御対象の前記選択トランジスタを介して、当該選択トランジスタに接続された前記相変化メモリ素子群の中から選択された相変化メモリ素子に接続された前記素子選択線を経由して所定の電流を供給することにより、前記選択された相変化メモリ素子に対する書込み動作と読出し動作を制御する電流制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の相変化メモリにおいて、前記相変化メモリ素子は、カルコゲナイド系の相変化材料であるGe、Sb、Teを用いて形成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の相変化メモリにおいて、前記電流制御手段は、前記選択された相変化メモリ素子に対する書込み動作の際、当該相変化メモリ素子をアモルファス状態に遷移させるリセットパルスと当該相変化メモリ素子を結晶状態に遷移させるセットパルスとを選択的に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、選択トランジスタと所定数のメモリ素子を組み合せて擬似的なクロスポイントメモリセルアレイを構成し、選択されたメモリ素子の書込み動作時や読出し動作時に素子選択線を制御して必要な電流を供給可能としたので、複数のメモリ素子が大きなゲート幅を持つ選択トランジスタを共有する構造としている。これにより、特に相変化メモリ素子を用いる場合は、高集積化と十分な書込み電流の供給を両立することができる。また、半導体基板上で素子選択線とビット線を平行に配置したので、チップ上の平面レイアウトや動作制御の面で有利な不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、相変化メモリ素子を用いて情報の書込みと読出しを行うように構成された不揮発性半導体記憶装置としての相変化メモリに対し本発明を適用する場合を説明する。
【0020】
図1は、本発明の擬似クロスポイントメモリセルアレイを採用した相変化メモリの基本的な回路構成を示す図である。図1においては、選択トランジスタ1とそのソースに共通に接続された4つのGST素子2により単位回路UCが構成されている。なお、4つのGST素子2は、選択トランジスタ1に近い側からGST素子2a、2b、2c、2dの順に配置されるものとする。相変化メモリの全体回路は、同一の構成を備えた多数の単位回路UCを規則的に配置することにより構成される。なお、図1では、相変化メモリの全体回路のうち、4つの単位回路UCを含む回路部分を図示している。
【0021】
選択トランジスタ1は、ゲート電位によってソースドレイン間に流れる電流を制御可能なMOSトランジタであり、ゲートにはワード線3が接続されるとともに、ドレインにはビット線4が接続されている。半導体基板上に形成された相変化メモリの全体では、例えばn本のワード線3とm本のビット線4がマトリクス状に配置され、その交点に全部でn×m個の単位回路UCが配置されて全体のメモリアレイが構成される。
【0022】
GST素子2は、カルコゲナイド系の相変化材料であるGe、Sb、Teを用いて形成された相変化メモリ素子であり、高抵抗と低抵抗の状態に応じた1ビットの情報を書き換え可能に記憶するメモリ素子(抵抗素子)として機能する。よって、1つの選択トランジスタ1に接続された4つのGST素子2a〜2dは、4ビットの情報を担うことになる。GST素子2に保持される情報を書き換える場合は、高抵抗のアモルファス状態と低抵抗の結晶状態とを遷移させるための所定のパルスを印加する必要があるが、詳細については後述する。
【0023】
4つのGST素子2a〜2dは、いずれも一端が選択トランジスタ1のソースに共通に接続されているが、他端がそれぞれ異なる素子選択線5に接続されている。すなわち、GST素子2aと素子選択線5a、GST素子2bと素子選択線5b、GST素子2cと素子選択線5c、GST素子2dと素子選択線5dがそれぞれ接続されている。これにより、各々の素子選択線5a〜5dの電位を別々に制御することで、各々のGST素子2a〜2dに対して個別に書込み動作と読出し動作を行うことができる。
【0024】
次に、本実施形態の相変化メモリの平面レイアウトについて、図2を用いて説明する。図2では、半導体プロセスにより半導体基板上に形成された相変化メモリの平面レイアウトのうち、図1の回路部分に対応して4つの単位回路UCを含む範囲を示している。まず、半導体基板上の矩形領域に拡散層6が形成される。図2においては、2つの拡散層6が示されているが、1つの拡散層6は、2つの単位回路UCにおける各選択トランジスタ1に対応している。また、隣接する拡散層6どうしは素子分離領域で隔てられ、所定間隔をおいて配置される。
【0025】
拡散層6の上部には、絶縁膜を介して2本のワード線3が配置される。各ワード線3は、各選択トランジスタ1のゲート電極として機能する。そして、ワード線3と直交する方向には、メタル配線を用いたビット線4が配置される。ビット線4は、拡散層6のドレインの位置(2本のワード線3の間の位置)とスルーホール7を介して接続される。
【0026】
また、拡散層6とビット線4の上部には、1つの拡散層6に重なる範囲のうち2本のワード線3を挟んだ両側にそれぞれ4つのGST素子2a〜2dが形成される。4つのGST素子2a〜2dの下部には、共通の下部電極8が形成され、拡散層6のソースの位置(2本のワード線3を挟んだ両側の位置)と2つのプラグ9を介して接続される。1つの拡散層6の範囲では2本のワード線3を挟んで対称構造となるので、全部で8つのGST素子2、2つの下部電極8、4つのプラグ9が形成されることになる。
【0027】
4つのGST素子2a〜2dの上部には、4本の素子選択線5a〜5dが配置される。素子選択線5aには、2本のワード線3を挟んで対象位置にある一対のGST素子2aがそれぞれプラグ(不図示)を介して接続される。同様に、素子選択線5bには一対のGST素子2bが、素子選択線5cには一対のGST素子2cが、素子選択線5dに一対のGST素子2dが、それぞれプラグを介して接続される。
【0028】
ここで、4本の素子選択線5a〜5dは、ビット線4と平行に配置されている。よって、相変化メモリの平面レイアウト全体では、一定の方向にビット線4と4つの素子選択線5a〜5dが交互に配置され、それと直交する方向にワード線3が配置される。また、拡散層6内でワード線3方向に規定されるゲート幅に対し、その範囲内で4つのGST素子2a〜2dがワード線3の方向に沿って一列に配置される。これにより、拡散層6により形成されるMOSトランジスタは、4つのGST素子2a〜2dに十分な書込み電流を供給できる程度に大きなゲート幅を確保することができる。
【0029】
次に図3は、図1の基本的な回路構成を用い、半導体基板上で複数のワード線3と複数のビット線4をマトリクス状に配置してメモリアレイを構成した相変化メモリの全体構成図である。メモリアレイ中に含まれる複数の単位回路UCは、複数のワード線3と複数のビット線4の交点に配置される。複数のワード線3が図3の横方向に配列され、その一端に行デコーダ/ワードドライバ等を含む回路部C1が設けられる。また、複数のビット線4と4本1組の複数の素子選択線5は図3の縦方向に配列され、その一端にセンスアンプ部/ライトアンプ部/電流制御部等を含む回路部C2が設けられる。なお、回路部C2に含まれるセンスアンプ、ライトアンプ等の具体的動作については後述する。
【0030】
本実施系形態の構成によれば、ビット線4と素子選択線5を平行に配置するとともに、それらに対しワード線3を直交して配置するようにしたので、ワード線3に対応する回路部C1をそれ以外の回路部C2と分けて構成でき、適正な回路規模を保つことができる。また、ワード線3を選択駆動する制御では、ビット線4及び素子選択線5に電流を供給する制御を別々に行うことで、相変化メモリ等の半導体記憶装置に対する書込み動作と読出し動作を迅速に行うことができる。
【0031】
次に、本実施形態の相変化メモリの動作について説明する。図4は、一般的なGST素子2に対して書込みを動作行う場合の印加パルスのシミュレーション波形を示す図である。図4においては、GST素子2を高抵抗のアモルファス状態に遷移させるためのリセットパルスと、GST素子2を低抵抗の結晶状態に遷移させるためのセットパルスを、それぞれ印加したときのGST素子2の温度変化を示している。
【0032】
リセットパルスは、GST素子2を融解できるだけの大電流を短い時間に印加するパルス波形を有している。GST素子2の書込み時にリセットパルスを印加すると、大電流による発熱でGST素子2が温度Tm以上に加熱された後、時間t1内で急冷される。これにより、GST素子2はアモルファス状態に対応するリセット抵抗値を持つ状態となる。
【0033】
一方、セットパルスは、GST素子2を緩やかに加熱できる中程度の電流を比較的長い時間印加するパルス波形を有している。GST素子2の書込み時にセットパルスを印加すると、GST素子2が温度Tx以上の状態を時間t2だけ保ち続ける。これにより、GST素子2の結晶化が進行していき、結晶状態に対応するセット抵抗値を持つ状態となる。
【0034】
図4に示されるように、セットパルスとリセットパルスを印加する際のGST素子2の発熱量、すなわち電流値とその冷却時間t1と保温時間t2を適切に制御することにより、相変化に基づきGST素子2の抵抗状態を変化させることができる。この場合、GST素子2の発熱量を最適化するため、GST素子2を接続するプラグ等のヒーター(加熱手段)を適切な抵抗値に設計する必要がある。
【0035】
次に、本実施形態の相変化メモリに対する書込み動作について説明する。図5は、図1の回路構成を基本として書込み動作に必要な要素を付加した回路図である。図5においては、任意の選択回路UCにおける一のGST素子2aを書込み対象としてビット情報を書込む際、書込み電流Ipが流れる状態を示している。図5において、書込み電流Ipの電流経路には、図1の構成要素のうち素子選択線5aと、GST素子2aと、ワード線3により選択される選択トランジスタ1と、ビット線4が存在することがわかる。このときの書込み電流Ipは、素子選択線5aを介してライトアンプ10から供給される。また、書込み電流Ipが流れるビット線4は、ビット線選択トランジスタ11により選択される。
【0036】
なお、ライトアンプ10は、素子選択線5aに限られず、他の素子選択線5b〜5dにも接続される。図3の全体構成において、複数のライトアンプ10が回路部C2に設けられる。また、ビット線選択トランジスタ11も回路部C2に設けられる。
【0037】
図5において、ビット線選択トランジスタ11のゲートには、ビット線選択信号BSSが入力されている。このビット線選択信号BSSをハイレベルにすると、ビット線選択トランジスタ11を介してビット線4の電位が接地レベルになる。接地レベルとなったビット線4が接続される選択トランジスタ1は、ワード線3がローレベルのときはオフを保ち、ワード線3がハイレベルのときはオンして選択状態なる。また、素子選択線5aには、ライトアンプ10から書込み電圧Vpが印加される。この書込み電圧Vpは、書込み対象のGST素子2aに対するセット動作又はリセット動作のいずれかに適合する書込み電流Ipを確保できるように電圧値と印加時間が制御される。
【0038】
なお、書込み対象の素子選択線5aに隣接する書込み対象以外の3本の素子選択線5b、5c、5dについては、オープン状態を保つか、あるいは書込み対象以外の3つのGST素子2b、2c、2dが相変化を生じないように、所定のプリチャージレベルが印加される。
【0039】
ワード線3がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングで選択トランジスタ1がオンになると、図5に点線で示す経路に沿って書込み電流Ipが流れ始める。この書込み電流Ipは、素子選択線5aを経由してGST素子2a及び選択トランジスタ1を通り、ビット線4に流れ込む。このとき、書込み電流Ipが流れて発生したジュール熱によりGST素子2aが加熱されて相変化を起こし、高抵抗のアモルファス状態又は低抵抗の結晶状態に遷移させることにより書込みを行うことができる。
【0040】
図6は、図5の相変化メモリの回路構成に対応する動作波形図である。図6においては、セット動作とリセット動作を含む書込み動作として、最初にリセット動作を行った後、続いてセット動作を行う場合の各部の動作波形を示している。まず、リセット動作に際しては、タイミングtrに先行してライトアンプ10から出力される書込み電圧Vpがリセット動作に必要な電圧値Vresetに立ち上がる。このときの電圧値Vresetは、図4に対応して定まる電流値Iresetに基づいて、GST素子2aの特性とともに選択トランジスタ1やビット線4の寄生抵抗等の損失を考慮して電流経路全体の抵抗値を算出し、これに適合するように設定する必要がある。
【0041】
タイミングtrにおいては、ビット線選択信号BSSがハイレベルに変化し、ビット線選択トランジスタ11を介してビット線4が接地レベルに引き下げられる。それと同時に、選択されたワード線3に対応する選択ワード線出力Waがリセットパルスに対応する短いパルス幅で立ち上がり、選択トランジスタ1がオンになって上述の電流値Iresetの書込み電流Ipが流れる。なお、図6に示すように、選択されたワード線3に隣接する他のワード線3に対応する非選択ワード線出力Wbは、ローレベルを保ち続けることがわかる。
【0042】
GST素子2aは、書込み電流Ipによって発生したジュール熱により融解する。その直後にワード線3がハイレベルからローレベルに変化することにより、選択トランジスタタ1がオフになって書込み電流Ipの電流経路が遮断される。これにより、融解された状態のGST素子2aが急冷されて高抵抗のアモルファス状態に遷移し、リセット動作が完了する。
【0043】
次に、セット動作に際しては、タイミングtsに先行してライトアンプ10から出力される書込み電圧Vpがセット動作に必要な電圧値Vsetに立ち上がる。このときの電圧値Vsetは、上述の電流値Vresetの場合と同様に図4の特性に対応して定まる電流値Isetに基づいて設定する必要がある。なお、図6の例では、タイミングtrからタイミングts以降まで、ビット線選択信号BSSがハイレベルを常に保持している。
【0044】
タイミングtsにおいては、選択ワード線出力Waがセットパルスに対応して比較的長いパルス幅で立ち上がり、選択トランジスタ1がオンになって上述の電流値Isetの書込み電流Ipが流れる。GST素子2aは、書込み電流Ipによって発生したジュール熱を時間t2(図4)だけ保持し、その後にワード線3がハイレベルからローレベルに変化することにより、選択トランジスタ1がオフになって書込み電流Ipの電流経路が遮断される。これにより、GST素子2aが加熱されて低抵抗の結晶状態に遷移し、セット動作が完了する。
【0045】
なお、書込み対象のGST素子2aと共通の選択トランジスタ1に接続される他のGST素子2b〜2dに対する書込み動作を行う場合は、各々に接続される素子選択線5b〜5dに対して上述と同様の制御を行えばよい。すなわち、各素子選択線5b〜5dに書込み電圧Vpを印加し、各々のGST素子2b〜2dと選択トランジスタ1を経由して流れる書込み電流Ipによってジュール熱を発生させることにより各々のGST素子2b〜2dに対し個別に書込み動作を実行することができる。
【0046】
また、同一のワード線3に接続される複数の選択トランジスタ1を書込み対象として選択しない場合は、対応する各素子選択線5a〜5dを上述したようにオープン又は接地レベルの状態を保つように制御する。この状態で選択トランジスタ1がオンになったとしても、GST素子2a〜2dは電流が流れない状態に保たれる。
【0047】
相変化メモリに多ビット書込みや高速書込み、あるいはページ書込みなど機能を持たせる場合は、同一のワード線3上で多数の選択トランジスタ1を同時に選択する状況が生じる。この場合は、書込み対象のGST素子2a〜2dが接続された素子選択線5a〜5dに同時に書込み電圧Vpを印加し、一括してデータ書込みを行うことも可能である。
【0048】
以上の書込み動作に関しては、上述した回路構成及び動作に限られず様々な変形例を適用することができる。図7は、図6の動作波形図において、選択ワード線出力Waとビット線選択信号BSSを変更した場合の変形例である。書込み電流Ipを供給するためのパルスの印加時間については、図6の例では選択ワード線出力Waに依存して制御されるのに対し、図7の例ではビット線選択信号BSSに依存して制御される。よって、図7において、選択ワード線出力Waは、図6のビット線選択信号BSSと同様、タイミングtr以降ハイレベルを保持する状態になる。この場合、書込み電圧Vp、書込み電流Ipの波形は、図6と同様になる。
【0049】
次に図8は、図5の回路構成において、書込み電流Ipが逆方向に流れるように構成した変形例である。図8においては、ライトアンプ20がビット線4に接続され、書込み対象のGST素子2aに書込み電流Ipを供給する。また、素子選択線5aには、素子選択信号SSaがゲートに入力された素子選択トランジスタ21aが接続される。なお、図8では省略しているが、他の素子選択線5b〜5dにも、同様に素子選択信号SSb〜SSdがゲートに入力された素子選択トランジスタ21b〜21dがそれぞれ接続される。
【0050】
図9は、本変形例について図8の回路構成に対応する動作波形図である。図9においては、図8のGST素子2aに対するリセット動作に際し、素子選択信号SSaが図6のビット線選択信号BSSと同様に変化する。すなわち、タイミングtrで素子選択信号SSaがハイレベルに変化し、素子選択トランジスタ21aを介して素子選択線5aが接地レベルに引き下げられ、その状態が保持される。これにより、ワード線3がローレベルになった状態で、図8に示すように書込み電流Ipが図5の場合と逆方向に流れる。なお、それ以外の制御については、図6の場合と同様に行えばよい。
【0051】
図10は、本変形例の図9の動作波形図において、図7の場合と同様の観点から、選択ワード線出力Wa及び素子選択信号SSaの制御を変更した場合の動作波形図である。このように制御する場合であっても、図9の場合と同様の書込み電流Ipを供給することができる。
【0052】
次に、本実施形態の相変化メモリに対する読出し動作について説明する。図11は、図1の回路構成を基本として読出し動作に必要な要素を付加した回路図である。図11においては、一のGST素子2aを読出し対象としてビット情報を読出す際、読出し対象のGST素子2(図11の例ではGST素子2a)に流れるセル電流Ice11と、それ以外のGST素子2に流れる回り込み電流Isn(図11の例では2通りの回り込み電流Isn1、Isn2)をそれぞれ示している。図11の回路構成中では、ビット線4に接続されるセンスアンプ30と、各々の素子選択線5a〜5dに接続されるスイッチ31a〜31dが付加されているが、それ以外の構成要素については図8の回路構成と共通になっている。
【0053】
図11において、既に書込み済みのGST素子2aを選択して読出す際、ワード線3をハイレベルにした状態で、素子選択信号SSaをハイレベルに変化させると、素子選択線5aが接地レベルに引き下げられる。この状態で、GST素子2aは、センスアンプ30からセル電流Icellを供給される。このセル電流Icellは、図11に示す電流経路に沿って、ビット線4、選択トランジスタ1を経て読出し対象のGST素子2aに流れ込む。そして、センスアンプ30によってGST素子2aの抵抗状態に応じた異なる情報ビットを読出すことができる。
【0054】
ここで、読出し対象以外のGST素子2b〜2dがそれぞれ接続される素子選択線5b〜5dにはスイッチ31b〜31dが接続され、スイッチ31b〜31dをオンとしてビット線4の電位と同電位のプリチャージレベルVpreが印加される。なお、素子選択線5aに接続されるスイッチ31aはオフとなっている。このプリチャージレベルVpreの印加は、GST素子2b〜2dが低抵抗のセット抵抗値の状態になるときにビット線4の電位の低化によって回り込み電流Isn1が発生し、読出し動作が困難になることを防止する役割がある。
【0055】
また、いずれかの素子選択線5a〜5d上で、非選択状態の選択トランジスタ1に接続されたGST素子2a〜2dが低抵抗のセット抵抗値の状態にあるときも、回り込み電流Isn2が発生することにより読出し動作が困難になることを防止する必要がある。そのため、GST素子2の抵抗値の最適化を行うことが求められ、その抵抗値とセル電流、特にアモルファス状態に対応するリセット抵抗値とセル電流Icellとの関係に基づいて最適な設計を行うことが望ましい。
【0056】
図12は、GST素子2の抵抗値についての設計条件を導くため、相変化メモリ全体に設定された各GST素子2の抵抗値と、読出し動作時に選択状態の選択トランジスタ1を経由して流れるセル電流Icell及び回り込み電流Isnの関係を示す図である。図12では、読出し対象のGST素子2が低抵抗のセット抵抗値(結晶状態)あるいは高抵抗のリセット抵抗値(アモルファス状態)である場合について、セル電流Icellの変化を比較して示している。同様の比較条件で、読出し対象以外の隣接するGST素子2を流れる回り込み電流Isnの変化を比較して示している。
【0057】
なお、図12においては、回り込み電流Isnが最大となる場合を想定し、読出し対象のGST素子2を除く全てのGST素子2がセット抵抗値を持つ状態にあるものと仮定する。また、セット抵抗値については、読出し対象であるか否かを問わず全てのGST素子2に同一に設定されるが、読出し対象のGST素子2がリセット抵抗値を持つ場合は、500kΩのリセット抵抗値に設定されるものとする。
【0058】
まず、読出し対象のGST素子2がリセット抵抗値を持つ状態を考える。この場合、選択トランジスタ1を介して読出し対象のGST素子2に流れるセル電流Icellの変化を実線L1に示すとともに、セット抵抗値を持つ隣接するGST素子2に流れる回り込み電流Isnの変化を点線L2に示している。図12の実線L1を参照すると、セット抵抗値を小さく設定するほど、セル電流Icellが低化する傾向にある。このとき、点線L2の回り込み電流Isnは、セット抵抗値が概ね130kΩを超える範囲では比較的小さく保たれる。よって、回り込み電流Isnからの影響を考慮しても、GST素子2がリセット抵抗値を持つ場合、センスアンプ30によりセル電流Icellを検出することが可能となる。これに対し、回り込み電流Isnは、セット抵抗値が概ね130kΩを下回る範囲では、センスアンプ30が誤検出を起こす程度に増加し、リセット抵抗値を持つ読出し対象のGST素子2の記憶情報を正確に読出すことが困難になる。以上の点を踏まえ、約130kΩの抵抗値をセット抵抗値の許容下限と考え、図12に示す最小セット抵抗値Rminとして設定する。
【0059】
次に、読出し対象のGST素子2がセット抵抗値を持つ状態を考える。この場合、選択トランジスタ1を介して読出し対象のGST素子2に流れる電流の変化を実線L3に示すとともに、セット抵抗値を持つ隣接するGST素子2に流れる電流の変化を点線L4に示している。図12の実線L3を参照すると、セット抵抗値を小さく設定するほど、セル電流Icellが増加する傾向にある。セット抵抗値が20kΩでは2.5μAの大きなセル電流Icellを確保でき、セット抵抗値が300kΩになっても1μA程度のセル電流Icellを確保できる。しかし、セット抵抗値が300kΩのときは、読出し対象のGST素子2が、リセット抵抗値を持つ場合のセル電流Icellに対する電流マージンが0.5μA程度になる。よって、これ以上セット抵抗値を大きくすると、電流マージンがさらに不足し、セット抵抗値とリセット抵抗値の識別が困難となって読出しに支障を来たす。以上の点を踏まえ、約300kΩの抵抗値をセット抵抗値の許容上限と考え、図12に示す最大セット抵抗値Rmaxとして設定する。
【0060】
上述したように、GST素子2の抵抗値は、書込み電流Ipにより発生するジュール熱と冷却時間t1と保温時間t2に依存して定まる。よって、高抵抗のリセット抵抗値と低抵抗のセット抵抗値の2つの状態に対応するパルス印加条件を設定すれば、いずれか所望の抵抗値に制御することが可能である。従って、上記の検討を反映して、リセット抵抗値500kΩに対し、セット抵抗値がおおよそ150kΩ〜300kΩの範囲となるようにパルス印加条件を設定すればよい。
【0061】
以上、本実施形態に基づいて本発明について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、本実施形態の相変化メモリの単位回路UCは、4つのGST素子2により構成されるが、GST素子2の個数は4つに限られず、8、16、32と増加させて構成することも可能である。この場合、回り込み電流の増加等に起因して読出し速度の低化などを発生する恐れがあるため、相変化メモリを適用するシステムに対して最適な構成を採用することができる。また、回り込み電流が問題となる場合は、アモルファスシリコンなどを用いてGST素子2と素子選択線5の間にダイオードを配置する構成とすれば、回り込み電流の影響を無視することができる。また、図1に示す回路構成や図2に示す平面レイアウトを採用する場合、メモリ素子としてGST素子2に限られることなく、他の相変化メモリ素子、あるいは他の抵抗素子などを採用する場合であっても本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の擬似クロスポイントメモリセルアレイを採用した相変化メモリの要部の回路構成を示す図である。
【図2】半導体プロセスにより形成された相変化メモリの平面レイアウトを示す図である。
【図3】図1の基本的な回路構成を用い、半導体基板上で複数のワード線と複数のビット線をマトリクス状に配置してメモリアレイを構成した相変化メモリの全体構成図である。
【図4】一般的なGST素子に対して書込みを動作行う場合の印加パルスのシミュレーション波形を示す図である。
【図5】本実施形態の相変化メモリに対する書込み動作について説明するための図1の回路構成を基本として書込み動作に必要な要素を付加した回路図である。
【図6】図5の相変化メモリの回路構成に対応する動作波形図である。
【図7】図6の動作波形図において、選択ワード線出力Waとビット線選択信号BSSを変更した場合の変形例である。
【図8】図5の回路構成において、書込み電流Ipが逆方向に流れるように構成した変形例である。
【図9】図8の回路構成に対応する動作波形図である。
【図10】図9の動作波形図において、選択ワード線出力Wa及び素子選択信号SSaの制御を変更した場合の動作波形図である。
【図11】本実施形態の相変化メモリに対する読出し動作について説明するための図1の回路構成を基本として読出し動作に必要な要素を付加した回路図である。
【図12】相変化メモリ全体に設定された各GST素子の抵抗値と、読出し動作時に選択状態の選択トランジスタを経由して流れるセル電流Icell及び回り込み電流Isnの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1…選択トランジスタ
2…GST素子
3…ワード線
4…ビット線
5…素子選択線
6…拡散層
7…スルーホール
8…下部電極
9…プラグ
10、20…ライトアンプ
11…ビット線選択トランジスタ
21…素子選択トランジスタ
30…センスアンプ
31…スイッチ
UC…単位回路
C1、C2…回路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上で複数のワード線と複数のビット線がマトリクス状に配列された不揮発性半導体記憶装置であって、
前記ワード線と前記ビット線の各交点に設けられ、前記ワード線の電位により前記ビット線を経由して流れる電流を制御する選択トランジスタと、
一端が前記選択トランジスタに共通に接続されるとともに他端がそれぞれ異なる素子選択線に接続され、情報の書込みと読出しが可能な所定数のメモリ素子からなるメモリ素子群と、
制御対象の前記選択トランジスタを介して、当該選択トランジスタに接続された前記メモリ素子群の中から選択されたメモリ素子に接続された前記素子選択線を経由して所定の電流を供給することにより、前記選択されたメモリ素子に対する書込み動作と読出し動作を制御する電流制御手段と、
を備え、前記半導体基板上で前記素子選択線が前記ビット線と平行に配置されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記メモリ素子は、低抵抗の結晶状態と高抵抗のアモルファス状態とを遷移させることにより情報を書き換え可能に記憶する相変化メモリ素子であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記相変化メモリ素子は、カルコゲナイド系の相変化材料であるGe、Sb、Teを用いて形成されることを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記所定数のメモリ素子は、前記選択トランジスタのゲート幅の範囲内で、前記ワード線方向に沿って一列に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記電流制御手段は、前記選択されたメモリ素子に対する書込み動作の際、当該メモリ素子をアモルファス状態に遷移させるリセットパルスと当該メモリ素子を結晶状態に遷移させるセットパルスとを選択的に出力することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記電流制御手段は、前記選択されたメモリ素子に対する読出し動作の際、当該メモリ素子に接続される前記素子選択線の電位を接地レベルに切り替えることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記電流制御手段は、前記選択されたメモリ素子に接続される前記素子選択線以外の素子選択線を所定のプリチャージレベルに切り替えることを特徴とする請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
半導体基板上で複数のワード線と複数のビット線がマトリクス状に配列された相変化メモリであって、
前記ワード線と前記ビット線の各交点に設けられ、前記ワード線の電位により前記ビット線を経由して流れる電流を制御する選択トランジスタと、
一端が前記選択トランジスタに共通に接続されるとともに他端がそれぞれ異なる素子選択線に接続され、低抵抗の結晶状態と高抵抗のアモルファス状態とを遷移させることにより情報を書き換え可能に記憶する所定数の相変化メモリ素子からなる相変化メモリ素子群と、
制御対象の前記選択トランジスタを介して、当該選択トランジスタに接続された前記相変化メモリ素子群の中から選択された相変化メモリ素子に接続された前記素子選択線を経由して所定の電流を供給することにより、前記選択された相変化メモリ素子に対する書込み動作と読出し動作を制御する電流制御手段と、
を備えたことを特徴とする相変化メモリ。
【請求項9】
前記相変化メモリ素子は、カルコゲナイド系の相変化材料であるGe、Sb、Teを用いて形成されることを特徴とする請求項8に記載の相変化メモリ。
【請求項10】
前記電流制御手段は、前記選択された相変化メモリ素子に対する書込み動作の際、当該相変化メモリ素子をアモルファス状態に遷移させるリセットパルスと当該相変化メモリ素子を結晶状態に遷移させるセットパルスとを選択的に出力することを特徴とする請求項8又は9に記載の相変化メモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−127583(P2006−127583A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311610(P2004−311610)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】