説明

不活化キメラワクチン及び関連する使用方法

本発明の実施形態は、一般的には、ウイルス感染症の治療又は予防用の不活化キメラウイルスワクチン及び/又は免疫原性組成物を提供する。さらに、本発明の様々な他の実施形態は、一般的には、不活化されたワクチン及び/又は免疫原性組成物を用いて、このような動物中のウイルス感染を予防及び治療する方法に関する。他の実施形態は、このような動物におけるウイルス感染症の治療又は予防用ワクチン又は免疫原性組成物を調製する方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条に基づき、2005年6月24日に出願された米国仮出願第60/693,629号(その全体が、参照により、本明細書に組み込まれる。)の利益を主張する。
【0002】
本発明は、動物におけるフラビウイルス及び他の近縁ウイルス感染症を予防及び治療する新規及び改善された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
フラビウイルスは、世界中で、多くの医学及び獣医学の分野において関心が寄せられている、外被に覆われた小さなプラス鎖RNAウイルスである。例えば、フラビウイルス科に属する西ナイルウイルス(WN又はWNV)は、節足動物によって媒介される感染性の非伝染性ウイルス疾患であるWN脳炎の原因因子である(In Virology, Fields (ed.),Raven−Lippincott, New York, 1996, pp. 961−1034)。本ウイルスは、アフリカ、西アジア、中東、ヨーロッパの地中海地域に見出されており、最近では、アメリカで見出されている。感染した野鳥から血を吸った後に、蚊はウイルスに感染した状態となり、次いで、ヒト、トリ、並びにウマ、ヒツジ、ウマ及びブタなどの動物を刺して、これらにウイルスを伝達する。
【0004】
西ナイルウイルスは、新興の感染性疾患である。西ナイルウイルスは、1937年に、ウガンダで最初に単離された。今日では、アフリカ、西アジア、ヨーロッパ及び中東で、最も一般的に見出される。しかしながら、1999年に、アメリカで初めて出現が確認された。2004年までに、本ウイルスは、アラスカ及びハワイを除く全ての州で、トリ及び蚊の中に発見されている。
【0005】
フラビウイルスによって引き起こされる他の周知の疾病には、黄熱病、日本脳炎、デング熱及びセントルイス脳炎が含まれる。フラビウイルス感染症は、ダニ及び/又は蚊によって一般的に伝達される。
【0006】
西ナイル熱の一次宿主は、蚊及びトリのみである。ヒト並びにウマ、ヒツジ、ウシ及びブタなどの動物のような他の動物種は、感染した雌の蚊が偶発的宿主を刺したときに感染状態となった偶発的宿主に過ぎないと考えられている。
【0007】
西ナイルウイルスに罹患したヒトは、通常、発熱、頭痛、身体痛、皮膚の発疹及びリンパ腺の腫れなど、穏やかな症候を体験するに過ぎない。しかしながら、西ナイルウイルスが脳に侵入すると、命を脅かす脳炎又は髄膜炎を引き起こし得る。命を脅かす症例は、主として、高齢者で発生する。最近の研究は、西ナイルウイルスが、輸血及び臓器移植を通じて伝達され得ることを示している。医療専門家の中には、西ナイルウイルスが母親から出生前の子供に伝達され、及び母乳を通じて伝達される可能性もあると考えている。
【0008】
生キメラワクチン(2以上のウイルスから得られる遺伝子を、単一のワクチン中に組み合わせる。)、裸のDNAワクチン及び各西ナイルタンパク質のカクテルを含有するワクチンなど、西ナイルウイルスワクチンアプローチに対する多くの開発プロジェクトが存在する。しかしながら、不活化キメラワクチンを使用するアプローチは存在しない。
【0009】
フラビウイルスタンパク質は、単一の長い読み取り枠を翻訳してポリタンパク質を生成することによって産生されるが、ここでは、宿主及びウイルスのプロテアーゼの組み合わせによる一連の複雑な翻訳後タンパク質分解切断を経て、成熟したウイルスタンパク質が産生される。ウイルスの構造タンパク質は、C−prM−E(「C」はキャプシドであり、「prM」はウイルス外被に結合されたM(膜)タンパク質の前駆体であり、「E」は外被タンパク質である。)の順序でポリタンパク質中に配置される。これらのタンパク質は、ポリタンパク質のN末端領域中に存在するが、非構造タンパク質(NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B及びNS5)は、ポリペプチドのC末端領域中に位置する。
【0010】
2003年に、西ナイル生弱毒化ウイルスワクチンのヒト臨床試験が、Acambis(Cambridge、MA)で開始された。Acambis生弱毒化ワクチンは、異なるフラビウイルスによって引き起こされる疾病である黄熱病を予防するために既に使用されているワクチンを基礎としている。
【0011】
1つのAcambis生弱毒化ワクチンは、黄熱病と西ナイルという2つの異なるウイルスに由来する遺伝子を含有しており、キメライウルスの一例である。このAcambis生弱毒化ワクチンは、数個の遺伝子が西ナイルウイルスの表面タンパク質に対する遺伝子で置換された黄熱病ウイルスを含む。
【0012】
本生弱毒化キメラAcambisワクチンの作製の詳細は、例えば、U.S. Patent Nos.6,962,708及び6,696,281並びにChambers et al., J. Virol.73:3095−3101,1999(これらは、各々、参照により、その全体が本明細書中に組み込まれる。)に記載されている。Acambis生弱毒化キメラワクチンのさらなる使用及び診断方法は、US Pat.Nos.6,682,883及び6,878,372(これらは、各々、参照により、その全体が本明細書中に組み込まれる。)に記載されている。
【0013】
このような生弱毒化ワクチンの結果は、有効であることが明らかとなっており、試験が継続している。しかしながら、生弱毒化ウイルスワクチンの使用には、ある種のリスクが伴い得る。これらのリスクは、免疫無防備状態の対象、高齢者、妊婦及び弱化した免疫系又はストレスを受けた免疫系を有するその他の対象において、さらに顕著である。極めて頻繁に、生弱毒化ウイルスワクチンは、弱毒化が十分でないか(疾病を引き起こす。)、又は過度に弱毒化される(免疫化できない。)ことが示されている。最適に弱毒化された生ウイルスワクチンが、変異を通じて、病原性(疾病を引き起こす)形態へ復帰する可能性もある。しかしながら、Acambis由来のYF−WNは、病原性への復帰の徴候を示さなかったことに注目すべきである。生弱毒化ワクチンには、さらなる懸念が存在する。例えば、生デングウイルスは、熱に対しても感受性があり、ワクチンが最も必要とされ得る熱帯及び亜熱帯諸国でワクチンを保管することが困難であり、コストを要する。従って、これら又は他の類似のリスクを有する対象において、西ナイルなどのフラビウイルス感染症を安全に治療及び/又は予防するためのワクチンが、本分野で必要とされている。特に、免疫無防備状態又はその他の最もリスクが高い対象において、このようなワクチンが必要とされている。
【0014】
しかしながら、従来技術では、不活化キメラウイルスワクチンは望ましくなく、有効でない。US Patent No.6,432,411は、死滅させたフラビウイルスワクチンを作製する試みは、限定的な成功を収めたに過ぎないことを報告した。主に、本研究は、細胞培養系から十分なウイルス収量を取得できないことによって制約された。昆虫細胞から得られるウイルス収量は、一般的には、10から10pfu/mlの範囲であり、費用対効果に優れた死菌ワクチンを作製するのに必要なレベルを大きく下回っている。LLC−MK2及びVero細胞などの哺乳動物細胞からの収量はより高いが、最高の収量はユニークなVero細胞株から得られる約10pfu/mLであり、真に費用対効果に優れたワクチン製品を実現するために必要なレベルをなお下回っている。
【0015】
従って、従来技術は、生菌ワクチンの候補としての不活化フラビウイルスの使用を教示していない。さらに、何れかのフラビウイルス感染症を治療又は予防するための不活化キメラワクチンの教示は存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の様々な実施形態は、動物におけるフラビウイルス感染症の治療又は予防用ワクチン又は免疫原性組成物を含む。
【0017】
本発明は、対象に、不活化キメラフラビウイルスを投与することを含む、感受性動物中のフラビウイルス感染症を予防又は治療する方法も提供する。本発明は、このような方法において使用するための医薬並びにワクチン及び/又は免疫原性組成物の調製における不活化キメラフラビウイルスの使用も提供する。本発明の一実施形態において、不活化キメラフラビウイルスは、例えば、第一のフラビウイルスのキャプシド及び非構造タンパク質並びに第二のフラビウイルスのprM及び外被タンパク質を含み得る。
【0018】
一実施形態において、本発明は、プレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、第二のフラビウイルスのプレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列で置換されている第一のフラビウイルスを含む、不活化キメラフラビウイルスに関する。第一のフラビウイルスは、17D株に由来する黄熱病ウイルスなどの黄熱病ウイルスであり得る。キメラウイルスは、プレメンブレンタンパク質のアミノ酸末端に位置するシグナル配列を含むことができ、シグナル配列は黄熱病ウイルスのシグナル配列であり得る。第二のフラビウイルスは、西ナイルウイルスであり得る。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、プレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、第二のフラビウイルスのプレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列で置換されている第一のフラビウイルスを含む不活化キメラフラビウイルスを含む免疫原性組成物に関する。
【0020】
別の実施形態において、本発明は、プレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、第二のフラビウイルスのプレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列で置換されている第一のフラビウイルスを含む不活化キメラフラビウイルスを含むワクチンに関する。ワクチンは、i)1つ若しくはそれ以上の改変された生ワクチン、ii)1つ若しくはそれ以上の不活性なウイルス、又はiii)1つ若しくはそれ以上の細菌抗原をさらに含むことが可能である。ワクチンは、不活性な東部脳脊髄炎ウイルス、不活性な西部脳脊髄炎ウイルス、不活性なベネズエラ脳脊髄炎ウイルス、不活性なウマヘルペスウイルス1型、不活性なウマヘルペスウイルス4型、不活性なウマインフルエンザウイルス株ケンタッキー1993/A2、不活性なウマインフルエンザウイルス株ケンタッキー2002/A2、不活性なウマインフルエンザウイルス株ニューマーケット/2/93/A2及び破傷風トキソイド画分の1つ又はそれ以上をさらに含むことが可能である。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、プレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、第二のフラビウイルスのプレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列で置換されている第一のフラビウイルスを含む不活化キメラフラビウイルス(又はその免疫原性組成物若しくはワクチン)を動物に投与することを含む、動物中のフラビウイルス感染症を予防又は治療する方法に関する。第一のフラビウイルスは、黄熱病ウイルスであり得る。黄熱病ウイルスは、17D株に由来し得る。第二のフラビウイルスは、西ナイルウイルスであり得る。
【0022】
本発明の何れの実施形態において、不活化キメラウイルスは、10と10プラーク形成単位(pfu)の間の濃度で存在し得る。あるいは、キメラフラビウイルスは、10と10pfuの間の用量で投与され得る。あるいは、キメラフラビウイルスは、1から10の間の相対抗原投薬単位の範囲の用量で投与され得る。
【0023】
本発明の何れの実施形態においても、不活化キメラウイルスは、皮下、筋肉内、粘膜下、粘膜又は皮内経路によって投与され得る。本発明の一実施形態において、不活化キメラフラビウイルスは経口投与される。
【0024】
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の記載から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本明細書において使用される「ワクチン」という用語は、その投与が、1つ又はそれ以上の感染性疾患を予防し、及び/又はその重度を低下させることができる免疫応答を惹起することを目的とする製品を意味し、表す。ワクチンは、以下のうちの1つ又はそれ以上であり得る。細菌、ウイルス若しくは寄生生物の生弱毒化若しくは不活化された調製物、不活化(死滅された)完全な生物、放射線照射された生きた細胞、宿主細胞中の組換えDNAに由来するものなどの未精製画分若しくは精製された免疫原、成分の共有結合によって形成される抱合体、合成抗原、ポリヌクレオチド(プラスミドDNAワクチンなど)、特異的な異種免疫原を発現する、ベクターが導入された生きた細胞、又は免疫原がパルスされた細胞。
【0026】
本明細書において使用される「キメラウイルス」とは、異なるウイルス株などの2つ又はそれ以上の異なるウイルス由来の配列を含有するゲノムを有するウイルスを表す。別段の記載がなければ、「キメラ」とはキメラウイルスを表す。キメラウイルスの非限定的な例は、キメラフラビウイルスであるYF/WNキメラである。
【0027】
本明細書において使用される「キメラフラビウイルス」とは、異なるフラビウイルス株などの2つ又はそれ以上の異なるフラビウイルス由来の配列を含有するゲノムを有するウイルスを表す。上述のように、キメラフラビウイルスの非限定的な例は、YF/WNキメラである。
【0028】
本明細書において使用される「西ナイルキメラウイルス」、「西ナイルキメラ」、「YF/WNウイルス」及び「YF/WNキメラ」は、西ナイルウイルスのprM及びEタンパク質が発現され、及びキメラウイルスのキャプシドタンパク質が黄熱病ウイルスに由来するように、プレメンブレン(prM)及び外被(E)タンパク質をコードするヌクレオチド配列が西ナイルウイルス(WNV)のprM及びEタンパク質をコードするヌクレオチド配列によって置換されている黄熱病ウイルス(YFN)の17Dワクチン株を含むキメラ生弱毒化ウイルスを表す。本パラグラフに記載されている特定のキメラフラビウイルス以外に、黄熱病ウイルス及び西ナイルウイルスの成分を含むキメラフラビウイルスを作製できることが、当業者に自明である。
【0029】
西ナイルキメラウイルス(又はYF/WNウイルス)は、当業者に周知の技術を用いて不活化することが可能である。例えば、西ナイルキメラウイルス(又はYF/WNウイルス)は、化学的な不活化剤又は熱などの他の物理的手段で不活化することが可能である。化学的な不活化剤の非限定的な例には、バイナリーエチレンイミン(BEI)又はホルマリン(ホルムアルデヒドの37%溶液)が含まれる。
【0030】
生ウイルスは、まず、バイナリーエチレンアミン(BEA)粉末を、水酸化ナトリウム溶液と混合することによって、BEIを用いて不活化することが可能である。塩基性環境中でBEIが生成された後、BEI溶液は、0.5mMから10mMの最終BEI濃度を与えるために、生ウイルスを含有する溶液に添加される。次いで、4から37℃で、24から96時間、この溶液を温置することができる。次いで、全ての残存するBEIを中和するためにウイルスを不活化した後に、チオ硫酸ナトリウムを添加することが可能である。
【0031】
生ウイルスは、ホルマリン(ホルムアルデヒドの37%溶液)で不活化することも可能である。ここで、ホルマリンは、0.05から2%v:v(ホルマリン:生ウイルス溶液)の最終ホルマリン濃度を与えるために、生ウイルスを含有する溶液に添加される。次いで、4から37℃で、24から96時間、この溶液を温置することができる。
【0032】
本明細書において使用される「抗原」という用語は、動物中の免疫系を刺激するように作用する、ウイルス、細菌、ウイルス若しくは細菌の一部又は外来タンパク質を意味し、表す。白血球に抗原を攻撃及び破壊させ、又は抗原に付着し、抗原を死滅させるか、若しくは抗原を不活性とするタンパク質分子を産生するように、免疫系を刺激することができる。本明細書において、「抗体」という用語は、抗原と反応して、抗原を不活性にする、動物の免疫系が作製するタンパク質含有分子を意味し、表す。
【0033】
本明細書で使用される「動物」という用語は、ヒト及びヒト以外の動物の両方を意味し、表す。
【0034】
本明細書において使用される「ワクチン株」という用語は、免疫原性組成物又はウイルス中での使用に適したウイルス株を意味し、表す。「ワクチン株」は、非病原性株若しくは相対的に非病原性の株、死滅された株及び/又は弱毒化された株を含むことができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0035】
本明細書で使用される「凍結乾燥する」という用語及びその連結語は、フリーズドライを意味し、表す。本明細書で使用される「動物起源」という用語は、動物に由来することを意味し、表す。同様に、「非動物起源」という用語は、動物に直接又は間接に由来しないことを意味し、表す。
【0036】
本明細書において「安定化する」という用語及びその連結語は、安定、強固、不動にすること又は保つこと、並びに概ね所定の又は実質的に変動しないレベル、概ね所定の又は実質的に変動しない品質及び概ね所定の又は実質的に変動しない量に維持することを意味し、表す。しかしながら、安定化された組成物のレベル、品質及び/又は量の若干の変動に遭遇し得ることが理解される。本発明の実施形態は、このような変動を許容する安定化剤を包含するものとする。限定されるものではないが、安定化剤には、乾燥した安定化剤、バルク安定化剤、凍結保護剤、熱安定化剤、浸透圧保護剤、乾燥保護剤などが含まれる。このような用語は、本発明の安定化剤の中に具体的に含まれるものとする。
【0037】
本明細書で使用される「タンパク質」という用語は、アミノ酸の分子鎖を意味し、表す。タンパク質は、特定の長さを有するものではなく、必要であれば、例えば、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化又はリン酸化によって、インビボ又はインビトロで修飾され得る。とりわけ、ペプチド、オリゴペプチド及びポリペプチドは、タンパク質の定義の中に含まれる。タンパク質又はペプチドは、生物及び/又は合成起源のものであり得る。
【0038】
本明細書で使用される「核酸」という用語は、リボ核酸又はデオキシリボ核酸の分子鎖を意味し、表す。核酸は特定の長さを有するものではなく、従って、ポリヌクレオチド、遺伝子、読み取り枠(ORF)、プローブ、プライマー、リンカー、スペーサー及びアダプターが本定義の中に含まれる。核酸は、生物及び/又は合成起源のものであり得る。核酸は、一本鎖又は二本鎖形態であり得る。一本鎖は、センス又はアンチセンス配位であり得る。修飾されたRNA又はDNAも定義の中に含まれる。核酸の塩基中に修飾を施すことができ、イノシンなどの塩基を取り込ませ得る。他の修飾は、例えば、骨格の修飾を含み得る。
【0039】
本明細書において使用される、医薬として許容される担体は、ワクチン接種されるべき動物又は生物の健康に有害な影響を与えない化合物であると理解され、この場合の「有害な」とは、少なくとも動物がワクチン接種されていない場合に見られる有害さの程度に比べれば悪くない程度を意味する。医薬として許容される担体の非限定的な例には、無菌水又は無菌生理的塩溶液が含まれる。より複雑な形態において、担体は緩衝液であり得る。
【0040】
本明細書で使用される「炭水化物」という用語は、単糖、二糖、オリゴ糖及び多糖を意味し、表す。
【0041】
本明細書において、「ネコ」とい用語は、ネコ、ライオン、トラ、マウンテンライオン、ピューマ、ジャガー、ボブキャット、オセロットなど、ネコ属、又はネコ科、ネコ科の全ての動物又はネコ属、ネコ科、ネコ科に属する全ての動物を意味し、表す。
【0042】
本明細書において、「イヌ」とい用語は、イヌ、オオカミなど(但し、これらに限定されない)、イヌ属、イヌ科の全ての動物又はイヌ属、イヌ科に属する全ての動物を意味し、表す。
【0043】
本明細書において、「ウマ」とい用語は、ウマ、ラバ、ロバ、シマウマなど(但し、これらに限定されない)、ウマ属、若しくはウマ科、ウマ科の全ての動物又はウマ属、若しくはウマ科、ウマ科に属する全ての動物を意味し、表す。
【0044】
本発明は、一般的には、動物中のフラビウイルス感染を予防及び治療するための組成物及び方法に関する。本発明の方法は、フラビウイルス感染症を発症するリスクがある動物又はフラビウイルス感染症を有する動物に、不活化キメラフラビウイルスで予防接種することを含む。本発明の他の態様は、動物におけるフラビウイルス感染症の治療又は予防ための、不活化キメラフラビウイルスを含むワクチン又は免疫原性組成物を調製する方法に関する。
【0045】
しかしながら、本発明によって記載された不活化キメラウイルスを用いて治療又は予防することが可能な、その他の十分に性質決定されたフラビウイルス及びフラビウイルスの近縁ウイルスが存在することが、当業者に自明である。従って、本発明は、フラビウイルス科又はトガウイルス科のウイルスと関連し、又はこれらによって引き起こされる疾病又は病気を治療又は予防するための不活化キメラウイルスにも関する。これらの科に含まれるウイルスの属の非限定的な例には、フラビウイルス、ペスチウイルス、ヘパシウイルス又はアルファウイルス属に属するウイルスが含まれる。これらの科又は属に属するウイルス又はウイルスによって引き起こされる疾病の非限定的な例には、脳炎ウイルス、東部ウマ脳炎、西部ウマ脳炎、ベネズエラウマ脳炎、クンジン、マレー渓谷脳炎、跳躍病ウイルス、日本脳炎、デング(血清型1から4)、黄熱病、マレー渓谷脳炎、セントルイス脳炎、ロシオ脳炎、ウェセルスブロン、イレウス脳炎;中央ヨーロッパ脳炎、シベリア脳炎、ロシア春夏脳炎、キャサヌール森林病、オムスク出血熱、ポワッサン、根岸、アブセットアローブ、ハンサロバ(Hansalova)、アポイ及びHyprウイルスなどのダニ媒介性フラビウイルス;並びにヘパシウイルス属から得られるウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス)が含まれる。本発明の不活化キメラウイルスを用いて治療又は予防することが可能なさらなるウイルスには、ペスチウイルス属(例えば、ウシ下痢ウイルス)に属するウイルス並びにラッサ、エボラ及びマールブルグウイルスなどのその他のウイルス又はキメラ中への取り込みと適合性があるゲノム構築を有するその他のRNAウイルスが含まれる。
【0046】
上記ウイルスの何れかによる感染(又はこれによって引き起こされる疾病)は、本明細書に記載されている不活化キメラウイルスを用いて予防又は治療することが可能である。特に、第一のウイルスの1つ又はそれ以上の構造タンパク質が、保護又は治療が求められている第二のウイルスの対応する構造タンパク質で置換されている第一のウイルスを含む不活化キメラウイルスを用いる。
【0047】
本発明の好ましい態様は、不活化キメラフラビウイルス、不活化キメラフラビウイルスを作製する方法、不活化キメラフラビウイルスを含むワクチン及びこのようなワクチンを使用する方法に関する。本発明の本態様は、第一のフラビウイルスの1つ又はそれ以上の構造タンパク質が、免疫が求められている第二のフラビウイルスの1つ又はそれ以上の対応する構造タンパク質で置換されているフラビウイルスを含む不活化キメラフラビウイルスに関する。本発明の一実施形態において、キメラは、prM及びEタンパク質が、第二のフラビウイルスのprM及びEタンパク質で置換されている第一のフラビウイルスの骨格からなる。
【0048】
本発明において使用される不活化キメラウイルスは、ウイルスのあらゆる組み合わせからなり得るが、但し、上述のように、免疫が望まれているウイルスは、挿入される構造タンパク質の源である。例えば、ウマなどの動物を西ナイルウイルス感染に対してワクチン接種するためには、キメラフラビウイルスは、黄熱病(YF)ウイルスのものなど、その中にprM及びEタンパク質などの西ナイルウイルス構造タンパク質を挿入することが可能なフラビウイルス骨格からなる。このキメラにおいて、YFprM及びEタンパク質は、WNのprM及びEタンパク質と置換されている。同様に、日本脳炎(JE)ウイルスに対する免疫が望まれるのであれば、対応する骨格タンパク質の代わりに、黄熱病ウイルスなどの骨格フラビウイルス中にJEウイルスのprM及びEタンパク質を挿入することが可能である。ウマに疾病を引き起こす他のフラビウイルス及び保護を誘導するためにキメラウイルスを使用することができる他のフラビウイルスには、クンジン、マレー渓谷脳炎及び跳躍病ウイルスが含まれる。本発明の全ての実施形態において、キメラウイルス、その後不活化される。本発明の不活化キメラウイルスで予防接種及び/又は治療され得る動物の例には、ヒト、ウマ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ネコ及びイヌなどのペット並びに家庭用の鳥が含まれる。しかしながら、一般的には、保護が求められているフラビウイルスからの感染に対して感受性がある全ての動物に予防接種することができる。
【0049】
従って、骨格ウイルス又は構造タンパク質挿入物の源として、本発明において使用可能なフラビウイルスの非限定的な例には、日本脳炎、デング(血清型1から4)、黄熱病、マレー渓谷脳炎、セントルイス脳炎、西ナイル、クンジン、ロシオ脳炎、ウェセルスブロン及びイレウスウイルスなどの蚊によって媒介されるフラビウイルス;中央ヨーロッパ脳炎、シベリア脳炎、ロシア春夏脳炎、キャサヌール森林病、オムスク出血熱、跳躍病、ポワッサン、根岸、アブセットアローブ、ハンサロバ(Hansalova)、アポイ及びHyprウイルスなどのダニ媒介性フラビウイルス;並びにヘパシウイルス属から得られるウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス)が含まれる。挿入される構造タンパク質の源として使用可能なさらなるウイルスには、ペスチウイルス属由来のウイルス(例えば、ウシ下痢ウイルス)並びにラッサ、エボラ及びマールブルグウイルスなどの他のウイルスが含まれる。
【0050】
一般的に、U.S. Patent Nos.6,962,708及び6,696,281に開示されているように、西ナイルフラビウイルス感染の予防又は治療のための実施形態において、このような方法は、黄熱病17Dワクチンウイルスの2つの構造タンパク質[prM及びE]をコードする遺伝子を、西ナイルウイルスの対応する遺伝子で置換すること、及びキメラウイルスを不活化することを含む。得られた不活化されたビリオンは西ナイルの外被を有し、ウイルス細胞の付着及びウイルスの内部移行に関連する構造、中和のための全て抗原性決定基及び細胞毒性Tリンパ球に対するエピトープを含有する。ウイルス複製のために必要とされるヌクレオカプシド(C)タンパク質、非構造タンパク質及び非翻訳末端は、元の黄熱病17Dウイルスのものである。
【0051】
本発明の好ましい一実施形態は、西ナイル感染に対して感受性のある動物における西ナイル感染の治療又は予防用不活化キメラワクチン及び/又は免疫原性組成物に関する。次いで、不活化して、本発明の様々な実施形態において使用可能なWN/YFキメラウイルスなどのキメラウイルスを作製する詳細は、例えば、U.S. Patent Nos.6,962,708及び6,696,281及びChambers et al, J. Virol.73:3095−3101, 1999(これらは全て、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。)に記載されている。しかしながら、U.S. Patent Nos.6,962,708及び6,696,281は、生弱毒化キメラウイルス、ワクチン及び関連する使用方法に限定される。不活化キメラウイルスの使用、ワクチンにおける不活化キメラウイルスの使用又は何らかの関連する方法における不活化キメラウイルスの使用の教示又は示唆が存在する。これらの特許とは異なり、本発明の全ての実施形態は、不活化キメラウイルスに関する。
【0052】
本発明の様々な実施形態に係るワクチン及び免疫原性組成物は、液体、凍結された懸濁液の形態で、又は凍結乾燥された形態で調製され、及び/又は市販され得る。典型的には、本発明に従って調製されたワクチン及び/又は免疫原性組成物は、このような組成物に対して慣用的に使用される医薬として許容される担体又は希釈剤を含有する。担体には、安定化剤、防腐剤及び緩衝剤が含まれるが、これらに限定されない。適切な安定化剤は、例えば、SPGA,Tween組成物(A.G. Scientific, Inc., San Diego, CAから購入できるものなど)、炭水化物(ソルビトール、マニトール、デンプン、スクロース、デキストラン、グルタマート又はグルコースなど)、タンパク質(乾燥された乳血清、アルブミン又はカゼインなど)又はその分解産物である。適切な緩衝液の非限定的な例には、アルカリ金属ホスファートが含まれる。適切な防腐剤は、チメロサール、メルチオラート及びゲンタマイシンである。希釈剤には、水、水性緩衝液(緩衝化された生理的食塩水など)、アルコール及びポリオール(グリセロールなど)が含まれる。
【0053】
所望であれば、本発明の不活化ワクチンは、アジュバントを含有し得る。この目的のために適切な化合物又は組成物には、HAVLOGEN(R)(アクリル酸ポリマーをベースとしたアジュバント、Intervet Inc., Millsboro, DE)、ポリアクリル酸、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム若しくは酸化アルミニウム、水中油又は油中水エマルジョンをベースとした、例えば、鉱物油(BAYOLTM又はMARCOLTMなど(Esso Imperial Oil Limited, Canada))又はビタミンEアセタート及びサポニンなどの植物油が含まれる。しかしながら、アジュバント活性を有する成分は広く公知であり、一般的には、ワクチン及び/又は免疫原性組成物の効力又は安全性を有害に妨害しない全てのアジュバントを使用し得る。
【0054】
一般的には、ワクチンは、目的のフラビウイルスからの感染を予防し、及び/又はフラビウイルスからの感染を治療するのに有効な量で、皮下、皮内、粘膜下又は筋肉内に投与され得る。有効量は、予防接種された動物中に、病原性ウイルスによる攻撃に対して免疫を誘導する不活化キメラ材料を免疫する量として定義される。様々な他の実施形態において、有効量は、病原性ウイルスによる攻撃に対して、予防接種された動物又はそれらの子孫中に免疫を誘導する。本明細書において、免疫とは、予防接種されていない群に比較して、予防接種後に動物の集団における保護の有意に高いレベルの誘導として定義される。
【0055】
さらに、本発明の不活化ワクチン及び/又は免疫原性の様々な製剤において、適切な賦形剤、安定化剤などを添加し得る。
【0056】
不活化キメラウイルスは、10と1012の間の感染単位を含有する無菌水溶液(不活化の前に測定される。)として調合され得る。一実施形態において、不活化キメラウイルスは、10と1010の間の感染単位を含有する無菌水溶液(不活化の前に測定される。)として調合され得る。感染単位には、プラーク形成単位(pfu)又は組織培養感染量(tcid)が含まれる。あるいは、不活化キメラウイルスは、1から10の間の相対抗原量単位を含有する無菌水溶液として調合され得る。調合された不活化キメラウイルスは、例えば、皮下、筋肉内、粘膜下又は皮内経路によって投与するために、0.1から1.0mLの用量容積で提供することが可能である。さらなる実施形態は、経口経路などの粘膜経路によって投与され得る。投与するためのキメラの適切な量の選択は、当業者によって決定することが可能であり、この量は、キメラが投与されるべき動物のサイズ、種類及び一般的な健康など(これらに限定されない。)の多数の要因により変動し得る。
【0057】
本発明をより深く理解するために、以下の実施例及び特許請求の範囲を参照すべきである。
【実施例1】
【0058】
実験のデザイン:
動物:
PRESTIGE(R)V+VEEワクチン(Intervet Inc, Millsboro, DEから入手可能)の不活化されたウイルス成分及び不活化された黄熱病−西ナイル(YF−WN)キメラ(全て、ポリアクリル酸アジュバントと組み合わされる。)を含有する組み合わせワクチンを用いて、西ナイルウイルス(WNV)に対して血清陰性である、6匹の雑種の一年子のウマ(雄及び雌の両方)を予防接種した。PRESTIGE(R)V+VEEワクチンは、不活化された東部脳髄膜炎ウイルス、不活化された西部脳髄膜炎ウイルス、不活性化されたベネズエラ脳髄膜炎ウイルス、不活化されたウマヘルペスウイルス1型及び4型(鼻肺炎)、不活化されたインフルエンザウイルス(ケンタッキー株1993)、ケンタッキー株2002及びNew Market−2−93)並びに破傷風トキソイド画分を含有する。
【0059】
YF−WN生弱毒化キメラは、Cambridge、MAのAcambis から入手し、バイナリーエチレンイミン(BEI)で不活化した。まず、バイナリーエチレンアミン(BEA)粉末を、水酸化ナトリウム溶液と混合することによって、不活化を行った。混合すると、BEAはBEIへ転化する。このBEI液体溶液を、生キメラウイルスの溶液に添加して、2mMの最終BEI濃度を与える。BEI/キメラ溶液を、約18から25℃で、約3日間温置した。
【0060】
PRESTIGE(R)V+VEEワクチン(Intervet Inc, Millsboro, DEから入手可能)の不活化されたウイルス成分及びホルマリンで不活化された黄熱病−西ナイル(YF−WN)キメラを含有する組み合わせワクチンを用いて、西ナイルウイルス(WNV)に対して血清陰性である、6匹の雑種の一年子の別のウマ(雄及び雌の両方)を予防接種した。
【0061】
YF−WN生弱毒化キメラは、Cambridge、MAのAcambisから入手し、ホルマリン(ホルムアルデヒドの37%溶液)で不活化した。生キメラウイルスの溶液にホルマリン溶液を混合して、生キメラウイルスの溶液に関して、0.1%v:vの最終ホルマリン濃度を与えることによって不活化を達成した。ホルマリン/キメラ溶液を、約18から25℃で、約3日間温置した。
【0062】
西ナイルウイルス(WNV)に対して血清陰性である、別の6匹の雑種の一年子のウマ(雄及び雌の両方)を予防接種せず、対照として用いた。
【0063】
予防接種:
ウマに、3から4週を隔てて、ワクチンの2×1mL用量を筋肉内投与した。
【0064】
攻撃ウイルス:
第二の予防接種から4週後の時点で、髄腔内経路によって、ウマごとに、西ナイルウイルス(WNV)、5log10PFU/1mL用量を投与した。
【0065】
結果:
【0066】
【表1】

【0067】
実施例1から得られた血清学的結果は、以下のとおりである。
【0068】
【表2】

【0069】
結果:
実施例1から得られた血清学的結果は、本発明の不活化西ナイルキメラワクチンの予測されない結果を示している。Acambisの生弱毒化YF−WNキメラなどの生ウイルスは、細胞媒介性応答と液性応答(抗体応答)の両方を生成することが知られている。しかしながら、不活化されたウイルスは、液性応答を生成するのみであると一般的に認められている。ここで、不活化されたYF−WNは、血清学的データから明らかであるように、高い液性応答を生成する。従って、予想外のことに、不活化されたYF−WNは、液性応答の惹起において、生YF−WNと同等に優れている。生ワクチンではなく、不活化ワクチンを使用するという上記利点に加えて、本発明の不活化ワクチンの利点は予想できないものである。
【実施例2】
【0070】
実験のデザイン:
動物:ウマ
PRESTIGE(R)V+VEEワクチン(Intervet Inc, Millsboro, DEから入手可能)の不活化されたウイルス成分及び不活化された黄熱病−西ナイル(YF−WN)キメラを含有する組み合わせワクチンを用いて、西ナイルウイルス(WNV)に対して血清陰性である、6匹の雑種の一年子のウマ(雄及び雌の両方)を予防接種した。ワクチンは、ポリアクリル酸アジュバントも含有した。PRESTIGE(R)V+VEEワクチンは、不活化された東部脳髄膜炎ウイルス、不活化された西部脳髄膜炎ウイルス、不活化されたベネズエラ脳髄膜炎ウイルス、不活化されたウマヘルペスウイルス1型及び4型(鼻肺炎)、不活化されたインフルエンザウイルス(ケンタッキー株1993)、ケンタッキー株2002及びNew Market−2−93)並びに破傷風トキソイド画分を含有する。
【0071】
YF−WN生弱毒化キメラは、Cambridge、MAのAcambisから入手した。BEIでキメラウイルスを不活化し、実施例1に上記されているように、PRESTIGE(R)V+VEEワクチンに添加した。
【0072】
西ナイルウイルス(WNV)に対して血清陰性である、別の6匹の雑種の一年子のウマ(雄及び雌の両方)を予防接種せず、対照として用いた。
【0073】
予防接種
ウマに、3から4週を隔てて、ワクチンの2×1mL用量を筋肉内投与した。
【0074】
攻撃ウイルス
各ウマの上に、WNVに感染した8から17匹の蚊を置き、10から15分間、蚊に血を吸わせることによって、ウマを攻撃した。
【0075】
結果:
【0076】
【表3】

【実施例3】
【0077】
I.実験の概要
本実験の目的は、PRESTIGE(R)V+VEEワクチンの抗原成分(Intervet Inc,Millsboro,DE;すなわち、不活化された東部脳髄膜炎ウイルス、不活化された西部脳髄膜炎ウイルス、不活化されたベネズエラ脳髄膜炎ウイルス、不活化されたウマヘルペスウイルス1型及び4型(鼻肺炎)、不活化されたインフルエンザウイルス(ケンタッキー株1993)、ケンタッキー株2002及びNew Market−2−93株)並びに破傷風トキソイド画分)(全て、ポリアクリル酸アジュバントと組み合わされる。)を含む組み合わせワクチン中に含有される不活化された西ナイルキメラウイルスの免疫原性を確立することであった。
【0078】
特に、本実験の1つの目的は、他のワクチン画分が、不活化された西ナイルキメラウイルスを妨害しないことを確立することであった。
【0079】
不活性化された西ナイルキメラウイルス、不活化された東部脳髄膜炎ウイルス、不活化された西部脳髄膜炎ウイルス、不活化されたベネズエラ脳髄膜炎ウイルス、不活化されたウマヘルペスウイルス1型及び4型(鼻肺炎)、不活化されたインフルエンザウイルス(ケンタッキー株93、ケンタッキー株2002及びNew Market−2−93株)並びに破傷風トキソイド(全て、ポリアクリル酸アジュバントと組み合わされる。)を含む組み合わせワクチンの1.0mL用量を用いて、3から4週を隔てて、筋肉内(IM)経路により、20匹の雄及び雌の馬に予防接種を2回行った。10匹のさらなるウマを、予防接種されていない対照として用いた。2回目の予防接種から21日後に、予防接種されたウマ及び予防接種されていない対照ウマを、髄膜内(IT)経路によって、病原性WNVで攻撃した。10匹の予防接種されたウマ及び5匹の対照ウマの別個の2つの群に、順次、予防接種及び攻撃を行った。予防接種前、予防接種後及び攻撃後に、血清学的評価のための血液試料を収集し、WNVに対するウイルス中和(VN)抗体力価について検査した。WNVの単離のために、攻撃後に、血液試料を収集した。組織学的検査のために、剖検の時点で、神経組織を収集した。
【0080】
髄腔内経路による病原性WNVでのウマの攻撃は、天然のフィールド条件下で感染されたウマにおいて観察されたものと合致する神経疾患の徴候をもたらした。攻撃後、予防接種されたウマは、予防接種されていない対照に比べて、WNVによって引き起こされた神経疾患の臨床徴候の統計学的に有意な低下を示し、ワクチン接種個体と対照間で、ウイルスの脱粒の統計学的に有意な低下を示した。これらの結果は、死菌フラビウイルスキメラ画分に対して、他のワクチン画分が妨害しないことを確定した。さらなるデータは、他のワクチン画分に対して、死菌フラビウイルスキメラ画分が妨害しないことを確定した。
【0081】
II.材料及び方法
A.動物
6月齢から9月齢の、雑種の雌雄の馬30匹を使用した。ウマは、フリーズブランドによって特定した。50%プラーク減少中和試験によって測定した場合に、WNVに対して5以下のウイルス中和(VN)抗体力価を有するウマのみを使用した。予防接種期間の間、予防接種及び対照ウマは、虫及びげっ歯類が存在しない施設で一緒に飼育し、病原性WNVでの攻撃のために別の施設に移した。
【0082】
B.ワクチン
ワクチンは、東部脳脊髄炎(EE)ウイルス、西部脳脊髄炎(WE)ウイルス、ベネズエラ脳脊髄炎ウイルス、ウマヘルペスウイルス1型(EHV−1)、ウマヘルペスウイルス4型(EHV−4)、ウマインフルエンザウイルス(EIV)株ケンタッキー1993/A2、EIV株ケンタッキー2002/A2及びEIV株ニューマーケット/2/93/A2及び破傷風トキソイド画分と組み合わせて、YF/WNキメラを含有した。ワクチンは、ポリアクリル酸アジュバントを含有した。
【0083】
妨害しないことを示すために2つのワクチンを使用した。一方のワクチンは、不活化されたYF/WNキメラの最小免疫化量及び残りの不活化されたウイルス又はテタヌストキソイド画分の標準的な放出量を含有した。他方のワクチンは、不活化されたYF/WNキメラの標準放出量及び残りの不活化されたウイルス又は破傷風トキソイド画分の最小免疫化量を含有した。各事例において、標準放出量で存在する成分は、最小免疫化量レベルで存在する成分を妨害しなかった。
【0084】
C.予防接種
ウマは、最初の予防接種の時点で6から9月齢であった。乱数発生器の使用によって、無作為にウマを群に割り当て、最小7日間、環境に適応させた。3週を隔てて、ワクチンの1mL用量を2回、12匹のウマの首に、筋肉内から予防接種した。10匹のウマを、予防接種されていない対照として用いた。ウマの2つの群(それぞれ、10匹のワクチン接種個体と5匹の対照を含有する。)に、順次、予防接種を行った。
【0085】
D.盲検化
臨床的徴候を観察し、臨床試料に対して研究室検査を行うプロジェクト担当者には、ウマが何れの群に属するかを知らされなかった。
【0086】
F.予防接種後の観察及び試料の収集
直腸体温を測定し、予防接種の−1から10日後に、注射部位反応を観察した。102.5°F以上の体温を、上昇した温度と考える。注射部位反応は、スコア付け法に従って、スコア付けした。全ての全身反応又は異常な健康の観察を記録した。最初の予防接種から0日、7日及び21日後、並びに2回目の予防接種から21日後に、血清用の血液を集めた。ウマから得た血清試料中のWNVに対する中和抗体力価は、50%プラーク減少中和試験の使用によって測定した。
【0087】
G.病原性WNVによるウマの攻撃
2回目の予防接種から21日後に、病原性WNV株NY99を含有する1mLの髄膜内投与によって、ウマを攻撃した。攻撃材料の5つの反復滴定の結果は、それぞれ、攻撃群1及び2について、5.0、5.1、5.1、5.0及び5.0、平均は5.0であり、並びに5.1、5.1、5.0、5.0及び5.1、平均は5.1log10PFU/mL用量であった。攻撃の−1日から21日後に、直腸体温を記録した。髄腔内経路によるWNVでの非予防接種対照ウマの攻撃は、フィールド条件下でWNVに天然に感染したウマにおいて観察されたものと合致する疾患の臨床徴候をもたらした。以下のカテゴリーで、神経疾患の臨床徴候について、攻撃後の21日の間、ウマを観察した。精神作用、麻痺、繊維束性攣縮及び運動失調/横伏の変化。各カテゴリーに対して、0=なし、1=極めて弱い、気づかない場合がある、2=中度及び3=重度として、臨床徴候にスコアを割り振った。
【0088】
重度の臨床的疾患が確認されたら、24時間以内に動物を安楽死させるように試みた。2004年4月1日付け、Center for Veterinary Biologies Notice No.04−09に従って、西ナイル病の持続的な徴候のために、又は横伏及び/又は補助なしに運動できない状態を伴った突然の急性徴候のために、人道的理由により、ウマを安楽死させた。他の全ての異常な健康上の観察を記録した。攻撃の時点で、並びに攻撃から7、14及び21日目に、血清学用血液試料を採取した。攻撃の−1日から10日後に、ウイルス単離用の血液試料を採取した。血清学用の血液、ウイルスの単離及び組織病理学用の組織は、剖検の時点で採取した。神経組織中の組織病理学的病変には、0=なし、1=極めて弱い/弱い、2=中度及び3=重度のスコアを割り振った。
【0089】
III.結果
A.動物及び予防接種
3匹の予防接種ウマについては、最初の予防接種後1日間、1匹の対照ウマについては2日間、102.5°F以上の体温を記録した。2回目の予防接種後には、全ての予防接種したウマ又は対照ウマについて、102.5°F以上の体温を記録しなかった。研究開始の時点では、全てのウマは良好な全般的健康状態であった。予防接種部位の反応は、スコア付け法(0(反応なし)から5(全身反応))に従って評価した。最初の予防接種後、2又はそれ以下のスコアの穏やかな注射部位反応が、3匹のウマに対して、1日目又は2日目に記録された。別の予防接種ウマは、最初の予防接種後10日を通じて持続する穏やかな反応を有していたが、一切の痛みを引き起こさず、又は運動を嫌がることはなかった。予防接種の1日後から6日後にわたって持続する2回目の予防接種後に、2又はそれ以下のスコアの穏やかな注射部位反応も観察された。最初の予防接種又は二回目の予防接種後の注射部位反応は何れも、痛みを伴うものと認められなかった。最初の予防接種又は二回目の予防接種後に、何れのウマにおいても、全身反応は観察されなかった。
【0090】
B.予防接種後及びWNVでの攻撃後の血清学
予防接種されたウマ及び対照ウマに対する血清学的データは、下表に要約されている。
【0091】
【表4】

【0092】
【表5】

【0093】
全ての予防接種及び対照ウマは、予防接種の時点及び最初の予防接種から7日後に、WNVに対して血清陰性であった。最初の予防接種後、予防接種個体において、WNVに対する既往応答が存在しなかったことは、以前に、WNVに対して曝露されなかったことを示した。WNVに対するプラーク減少ウイルス中和抗体力価が、最初の予防接種後の1匹の予防接種個体中に検出され、2回目の予防接種から21日後に、20匹の予防接種個体のうち14匹に検出された。全ての非予防接種対照ウマは、1回目及び2回目の予防接種期間を通じて、血清陰性のままであった。これらの結果は、予防接種期間の間、対照ウマがWNVに曝露されなかったことを示しており、これは、本研究の妥当性を確立する。WNVに対するウイルス中和抗体の高いレベルが、攻撃後の予防接種ウマ及び対照ウマの両方で検出された。
【0094】
C.病原性WNVでの攻撃後のウマにおける直腸体温及び神経学的徴候
攻撃後のウマの各体温を観察した。予防接種された20匹のウマのうち6匹が、攻撃後の各1又は2日間、102.5°F以上の体温を示し、これら6匹の予防接種個体のうち3匹が、2日又はそれ以上連続して、102.5°F以上の体温を示した。予防接種されなかった対照ウマ10匹のうち7匹が、攻撃後の何れの日においても、102.5°F以上の体温を示し、これら対照の7匹全てが、2日又はそれ以上連続して、102.5°F以上の体温を示した。治療の効果、日、並びに治療と日の相互作用を含むモデルを用いた反復測定分散分析によって、攻撃後の体温を比較した。攻撃から8から10日後に、予防接種ウマと対照ウマの間に、有意な体温の差(P<0.05)が存在した。疾病の臨床徴候が重度であったために、攻撃後10日までに、10匹の対照のうち4匹を安楽死させた。
【0095】
髄腔内(IT)経路によるWNVでの非予防接種対照ウマの攻撃は、フィールド条件下でWNVに天然に感染したウマにおいて観察されたものと合致する疾病の臨床徴候をもたらした。精神作用、麻痺、繊維束性攣縮及び運動失調/横伏の変化を含む臨床徴候も観察された。攻撃後、10匹の非予防接種対照ウマのうち7匹(70%)が、2日若しくはそれ以上連続して、WNV神経疾患の中度もしくは重度の徴候を示し、又は人道的理由のために安楽死が正当化されるように、WNV感染による重度の総合的健康状態を示した。
【0096】
西ナイル病の持続的な徴候のために、又は横伏及び/又は補助なしに運動できない状態を伴った突然の急性徴候のために、人道的理由により、ウマを安楽死させた。
【0097】
WNVによって引き起こされる疾病を実証するためのWNVによる感染及び第一義的転帰(治療成績)の症例定義は、精神作用、麻痺、繊維束性攣縮及び運動失調/横伏の変化又はWNV感染の結果、動物の全般的な重度の健康状態のために安楽死が必要となった何れかの動物というカテゴリーのうち何れかで、2日又はそれ以上連続して、疾病の中度又は重度の徴候を有するウマとして定義した。第一義的転帰が不成功であるためには、これらの基準が充足されなければならず、それ以外、ウマは成功したと考えた。
【0098】
対照の10匹のうち7匹(70%)と比べて、予防接種された20匹のウマのうち僅か5匹(25%)が、攻撃後、2日間連続して、WNV神経疾患の中度若しくは重度の徴候を示すか、又は安楽死した。第一義的転帰に対する解析は、FREQ手法を用いて、SASで行った。症例定義に合致するウマの割合の分析によって、予防接種個体と対照の間には、有意な(P<0.02)差が存在することが示された。オッズ比は、予防接種されたウマが、WNV病の神経学的徴候に対して保護される可能性が6倍高いことを示した。対照に比べたWNV病の徴候のために、対照の統計学的に(P<0.05)より高い割合が安楽死された。
【0099】
D.病原性WNVによる攻撃後の血清からのウイルスの単離
攻撃後のウマの血清から単離されたWNVの結果も観察された。攻撃後1から4日目に、20匹の予防接種個体のうち6匹から得た血清から、及び10匹の対照ウマのうち10匹から得た血清からWNVが回収された。予防接種個体に比べて、有意に(P<0.05)より多くの対照がウイルス血症であり、対照は、予防接種個体に比べて、より多くの日数、有意に(P<0.01)ウイルス血症であった。
【0100】
E.病原性WNVでの攻撃後の予防接種個体及び対照中の神経組織の組織病理学
剖検の時点で、橋、延髄及び視床下部/視床から得た神経組織を集め、ウイルス脳炎による組織病理学について分析した。一般に、対照に比べて、予防接種個体では、減少した組織病理学が存在したが、統計的に有意な差は存在しなかった。
【0101】
IV.結論
髄腔内経路による病原性WNVでのウマの攻撃は、天然のフィールド条件下で感染されたウマにおいて観察されたものと合致する神経疾患の徴候をもたらし、WNVに対する一価ワクチンを用いた研究で観察された神経疾患と合致する。攻撃後、予防接種されたウマは、予防接種されていない対照に比べて、WNVによって引き起こされた神経疾患の臨床徴候の統計学的に有意な低下を示し、予防接種個体と対照間で、ウイルスの脱粒の統計学的に有意な低下を示した。これらの結果は、PRESTIGE(R)V+VEEワクチン(Intervet Inc,Millsboro,DEから購入;すなわち、東部脳脊髄炎(EE)ウイルス、西部脳脊髄炎(WE)ウイルス、ベネズエラ脳脊髄炎(VE)ウイルス、ウマヘルペスウイルス1型(EHV−1)、ウマヘルペスウイルス4型(EHV−4)、ウマインフルエンザウイルス(EIV)株ケンタッキー1993/A2、EIV株ケンタッキー2002/A2及びEIV株ニューマーケット/2/93/A2及び破傷風トキソイド画分)の成分を含む組み合わせワクチン中に含有される西ナイルウイルス、死菌フラビウイルスキメラ画分の免疫原性の首尾よく実証するための基準に合致する。これらの結果は、死菌フラビウイルスキメラ画分に対して、他のワクチン画分が妨害しないことを確定した。
【0102】
本発明の具体的な実施形態及び実施例に関連して本発明を記載してきたが、さらなる改変が可能であり、添付の特許請求の範囲は、一般的に、本発明の原理に従う、本発明のあらゆる改変、使用又は適合を包含するものであり、本発明が属する分野における公知の慣例又は慣行内にあり、及び現存しているか、又は将来発生するか否かに関わらず、本明細書に前記されている本質的な特徴に該当し得る本発明の開示からの逸脱を含むことが理解される。さらに、本発明の実施形態は、具体的な大きさの特徴及び/又は測定値及び/又は成分を用いて記載されてきたが、本発明の実施形態は、本発明の原理から逸脱することなく、異なる大きさの特徴及び/又は測定値及び/又は成分を採り得ること、並びに添付の特許請求の範囲は、このような差を包含するものであることが理解される。さらに、本明細書に挙げられた全ての特許、印刷された公報などは、参照により、本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、第二のフラビウイルスのプレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列で置換されている第一のフラビウイルスを含む、不活化キメラフラビウイルス。
【請求項2】
第一のフラビウイルスが黄熱病ウイルスである、請求項1に記載の不活化キメラウイルス。
【請求項3】
黄熱病ウイルスが17D株に由来する、請求項2に記載の不活化キメラウイルス。
【請求項4】
キメラウイルスが、プレメンブレンタンパク質のアミノ酸末端に位置するシグナル配列を含み、及び前記シグナル配列が黄熱病ウイルスのシグナル配列である、請求項1に記載の不活化キメラウイルス。
【請求項5】
第二のフラビウイルスが西ナイルウイルスである、請求項1に記載の不活化キメラウイルス。
【請求項6】
請求項1に記載の不活化キメラウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項7】
不活化キメラウイルスが10と10プラーク形成単位(pfu)の間の濃度で存在する、請求項1に記載の不活化キメラウイルス。
【請求項8】
請求項1に記載の不活化キメラウイルスを含むワクチン。
【請求項9】
不活化キメラウイルスが10と10プラーク形成単位(pfu)の間の濃度で存在する、請求項8に記載のワクチン。
【請求項10】
プレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、第二のフラビウイルスのプレメンブレン及び外被タンパク質をコードするヌクレオチド配列で置換されている第一のフラビウイルスを含む不活化キメラフラビウイルスを動物に投与することを含む、動物中のフラビウイルス感染症を予防又は治療する方法。
【請求項11】
第一のフラビウイルスが黄熱病ウイルスである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
黄熱病ウイルスが17D株に由来する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第二のフラビウイルスが西ナイルウイルスである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
キメラフラビウイルスが10と10プラーク形成単位(pfu)の間の用量で投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
キメラフラビウイルスが10と10pfuの間の用量で投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
不活化キメラフラビウイルスが、皮下、筋肉内、粘膜下、粘膜又は皮内経路によって投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
不活化キメラフラビウイルスが経口投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
i)1つ若しくはそれ以上の改変された生ワクチン;
ii)1つ若しくはそれ以上の不活性なウイルス;又は
iii)1つ若しくはそれ以上の細菌抗原をさらに含む、請求項8に記載のワクチン。
【請求項19】
不活性な東部脳脊髄炎ウイルス、不活性な西部脳脊髄炎ウイルス、不活性なベネズエラ脳脊髄炎ウイルス、不活性なウマヘルペスウイルス1型、不活性なウマヘルペスウイルス4型、不活性なウマインフルエンザウイルス株KY93/A2、不活性なウマインフルエンザウイルス株KY02/A2、不活性なウマインフルエンザウイルス株NM/2/93/A2及び破傷風トキソイド画分の1つ又はそれ以上をさらに含む、請求項8に記載のワクチン。
【請求項20】
不活性なキメラフラビウイルスが、不活性な東部脳脊髄炎ウイルス、不活性な西部脳脊髄炎ウイルス、不活性なベネズエラ脳脊髄炎ウイルス、不活性なウマヘルペスウイルス1型、不活性なウマヘルペスウイルス4型、不活性なウマインフルエンザウイルス株KY93/A2、不活性なウマインフルエンザウイルス株KY02/A2、不活性なウマインフルエンザウイルス株NM/2/93/A2及び破傷風トキソイド画分の1つ又はそれ以上も含むワクチン中に与えられる、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2008−546416(P2008−546416A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518461(P2008−518461)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/024584
【国際公開番号】WO2007/002470
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】