不織布の製造方法及び不織布
【課題】 揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することのできる不織布の製造方法、及び不織布を提供すること。
【解決手段】 本発明の不織布の製造方法は、繊維ウエブを複数本のニードルにより絡合する不織布の製造方法であり、前記ニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在している。特に、向きの異なるバーブをもつニードルの組み合わせにより絡合作用が異なると、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が明確に異なる不織布を製造しやすく、表面と裏面とを識別しやすい。本発明の不織布は前記製造方法により製造したものである。
【解決手段】 本発明の不織布の製造方法は、繊維ウエブを複数本のニードルにより絡合する不織布の製造方法であり、前記ニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在している。特に、向きの異なるバーブをもつニードルの組み合わせにより絡合作用が異なると、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が明確に異なる不織布を製造しやすく、表面と裏面とを識別しやすい。本発明の不織布は前記製造方法により製造したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は不織布の製造方法及び不織布に関する。特には、自動車内装表皮材として好適に使用できる不織布の製造方法及び不織布に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、自動車シートの底面又は左右側面を被覆するマチ材や、自動車シートの背面側側面を被覆するシートバック材として、ニードルパンチ不織布の裏面にバインダー加工した表皮材が使われていた。このバインダー加工は難燃性を付与すると同時に、マチ材やシートバック材としての強度を付与するために行われていた。なお、マチ材やシートバック材は互いに縫製して使用する。
【０００３】
近年、環境問題から自動車室内における揮発性有機化合物（ＶＯＣ）の低減や、環境負荷物質削減の必要性から、バインダー加工に替えて、融着繊維を融着させることで十分な強度を確保するとともに、難燃繊維を配合することで難燃性を付与した不織布が、マチ材やシートバック材として使用されている。このようなマチ材やシートバック材は強度、難燃性に優れているばかりでなく、ＶＯＣを低減できるものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、このマチ材やシートバック材として使用される不織布は表裏面の区別がつきにくいため、縫製作業現場において、左側面を被覆するマチ材と右側面を被覆するマチ材とを間違えて使用するなど、作業性の新たな問題が発生した。
【０００５】
そこで、不織布の表裏面を識別できるように、不織布の裏面に対してバインダー加工を線状に行い、表面と裏面の意匠性に差をつけることも検討されているが、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）の低減や環境負荷物質削減という流れに逆行するばかりでなく、不織布の重量が増加し、自動車の燃費悪化につながるという問題、更には、バインダーの手配やバインダー加工工程が必要になるという問題があった。
【０００６】
また、本発明者らは不織布の裏面のみにヒートロールを接触させ、裏面のみを平滑とし、表面と裏面の意匠性に差異をつけることも試みたが、容易に表面と裏面の識別を行うことは困難であった。
【０００７】
このような問題はマチ材やシートバック材として使用する不織布に限らず、プリント加工する不織布や裁断して加工する不織布、例えば、自動車天井表皮材、リヤパッケージ材などの自動車内装表皮材、布団、枕などの寝具、衣服、下着、ブラジャーカップ、肩パッド、帽子などの被服、クッション、座布団、畳、壁紙などのインテリア用品、買い物袋、手袋などの袋類、マスクなどの衛生用品、土嚢などの土木用品、フィルタなどの分離材、靴の中敷、ブックカバーとして使用する不織布においても同様の問題が懸念された。
【０００８】
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することのできる不織布の製造方法、及び不織布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の請求項１にかかる発明は、「繊維ウエブを複数本のニードルにより絡合する不織布の製造方法であり、前記ニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在していることを特徴とする、不織布の製造方法。」である。
【００１０】
本発明の請求項２にかかる発明は、「請求項１に記載の製造方法により製造した不織布。」である。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の請求項１にかかる発明は、ニードルにより絡合して不織布を製造する際に使用するニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在しているため、表面又は裏面に繊維の毛羽立ちによる模様を有する不織布を製造できる。そのため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することができ、作業性良く使用できる不織布を製造できる。つまり、絡合作用の異なるニードルが混在していることによって、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造でき、バインダー等を付与しないため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減できるとともに、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することができる不織布を製造できる。
【００１２】
本発明の請求項２にかかる発明は、前記製造方法により製造した不織布からなるため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質が削減された、従来と同程度の重量を有する、容易に表面と裏面とを識別することができる不織布である。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】ニードルの配置状態を表す上視説明図
【図２】実施例１におけるニードルの配置状態を表す上視説明図
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明の不織布の製造方法によると、絡合作用の異なるニードルが混在しているため、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できる。そのため、容易に表面と裏面とを識別することができ、作業性の良い不織布を製造することができる。また、バインダー等を付与しないため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した不織布を製造できる。更に、不織布の重量を増加させることもない。
【００１５】
本発明の絡合作用の異なるニードルの組み合わせは、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できるのであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、向きの異なるバーブをもつニードルの組み合わせ、バーブをもつニードルとフォークニードルの組み合わせ、先端から第１バーブまでの長さの異なるバーブをもつニードルの組み合わせ、バーブの深さ及び／又は高さの異なるバーブをもつニードルの組み合わせ、番手(太さ)の異なるニードルの組み合わせ、長さの異なるニードルの組み合わせなどを挙げることができ、これら２つ以上の条件を満たすニードルの組み合わせであっても良い。これらの中でも、向きの異なるバーブをもつニードルの組み合わせであると、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が明確に異なる不織布を製造しやすいため好適である。なお、絡合作用の異なるニードルは２種類である必要はなく、３種類以上であっても良いが、２種類で十分である。
【００１６】
本発明における絡合作用の異なるニードルの混在状態は、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できるのであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、図１にニードルの配置状態を表す上視説明図を示すように、２種類の絡合作用の異なるニードルＡ、Ｂを固定したニードルボードＮＢの場合、ニードルボードＮＢの繊維ウエブＦＷの流れ方向ＦＤにおける最下流に位置する列Ｒｄのみで混在し、前記列Ｒｄ以外の列ではいずれか一方のみのニードル（図１においてはニードルＡのみ）が固定されているのが好ましい。このような複数本のニードルによって繊維ウエブを絡合する場合、最下流に位置する列Ｒｄの前の列までは１種類のニードルによって繊維ウエブ全体が均一に絡合するが、最下流に位置する列Ｒｄにおいて、ニードルＡ１〜Ａ１０により絡合した部分とニードルＢ１〜Ｂ９により絡合した部分とでは、絡合作用が異なることによって、表面と裏面とで繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できる。例えば、ニードルＡ１〜Ａ１０として突き刺す際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルを使用し、ニードルＢ１〜Ｂ９として引き抜く際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルを使用した場合、突き刺し面にニードルＢ１〜Ｂ９の作用による繊維の毛羽立ちを有する不織布を製造できる。なお、突き刺し面と反対面は、突き刺し深さによって、ニードルＡ１〜Ａ１０の作用による繊維の毛羽立ちを有する不織布を製造できる。
【００１７】
なお、図１におけるニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９の配置は最下流に位置する列Ｒｄにおいて交互であるが、交互である必要はなく、１つおき、２おきなど規則的、或いは不規則であっても良い。
【００１８】
また、図１におけるニードルボードＮＢにおいては、最下流に位置する列ＲｄにおいてニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９が混在しているが、最下流に位置する列Ｒｄに替えて、最下流に位置する列Ｒｄ以外の列においてニードルＡ、Ｂが混在していても良い。しかしながら、最下流に位置する列Ｒｄが１種類のニードルからなると、最下流に位置する列Ｒｄのニードルによって繊維の毛羽立ち状態が均一化されるため、最下流に位置する列ＲｄにおいてニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９が混在しているのが好ましい。
【００１９】
更に、図１におけるニードルボードＮＢにおいては、最下流に位置する列ＲｄにおいてのみニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９が混在しているが、最下流に位置する列Ｒｄに加えて、最下流に位置する列Ｒｄ以外においてもニードルが混在していても良い。
【００２０】
本発明においては、絡合作用の異なるニードルが混在している複数のニードルで繊維ウエブを絡合すること以外は、従来と同様の条件でニードルにより絡合することができる。例えば、貫通深さ−２０〜２０ｍｍ、針密度１０〜３００本／ｃｍ２で絡合することができる。
【００２１】
また、繊維ウエブの両面からニードルを突き刺して絡合させることができるが、最後のニードルボードにおいて、絡合作用の異なるニードルが混在しているのが好ましい。最後のニードルボード以外のニードルボードにおいて絡合作用の異なるニードルが混在していても、最後のニードルボードで繊維の毛羽立ち状態が均一化される傾向があるためである。なお、最後のニードルボードに加えて、最後のニードルボード以外のニードルボードにおいて絡合作用の異なるニードルが混在していても良い。この場合、繊維ウエブ全体が均一な毛羽立ち状態とならないように、絡合作用の異なるニードルの混在状態を調整する必要がある。
【００２２】
本発明の不織布構成繊維は特に限定するものではないが、例えば、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維（ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等）、ポリウレタン繊維などの合成繊維を１種類、又は２種類以上使用することができる。また、上記のような繊維構成樹脂を２種類以上含む、繊維横断面が芯鞘型、貼合わせ型、海島型、オレンジ型、多層積層型の複合繊維を使用することもできる。特に、ポリエステル原着繊維は変色しにくいため好適に使用することができる。また、繊維横断面が芯鞘型の熱融着性繊維は融着力に優れ、不織布の耐摩耗性や強度を高めることができるため好適に使用できる。この熱融着性繊維を含む場合、ニードルにより絡合させた後に融着させる。特に、熱融着性繊維が顔料で着色されていると、意匠性に優れる不織布を製造することができる。
【００２３】
なお、不織布を自動車用途に使用する場合のように、難燃性を必要とする場合には、難燃性繊維を含んでいるのが好ましい。このような難燃性繊維としては、例えば、アクリロニトリルと塩化ビニルを共重合したモダアクリル繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリフッ化ビニリデン繊維、ノボロイド繊維、ポリクラール繊維、リン化合物を共重合したポリエステル繊維、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル繊維、アラミド繊維などの繊維構成ポリマー自体を難燃性にした繊維、又はハロゲン系、リン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込み、又は後加工により付与した難燃性繊維を挙げることができる。これらの中でも、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）の低減や環境負荷物質削減に寄与しやすい、繊維構成ポリマー自体を難燃性にした繊維が好ましい。なお、難燃性繊維も熱融着性繊維と同様に、顔料で着色されていると、意匠性に優れる不織布を製造しやすい。
【００２４】
このような不織布構成繊維の繊度、繊維長は特に限定するものではないが、繊度は１〜２０ｄｔｅｘであるのが好ましく、１．４〜２０ｄｔｅｘであるのがより好ましい。また、繊維長は３８〜１５２ｍｍであるのが好ましい。
【００２５】
なお、繊維の配合は任意であるが、熱融着性繊維と難燃性繊維を配合することによりＶＯＣを低減させることができるため、自動車内装用途に使用する場合に好適である。なお、熱融着性繊維と難燃性繊維を配合する場合、熱融着性繊維と難燃性繊維の質量比率は、特に限定するものではないが、難燃性及び強度に優れているように、（難燃性繊維）：（熱融着性繊維）＝１０〜９５：９０〜５であるのが好ましい。
【００２６】
本発明の不織布のもととなる繊維ウエブは、例えば上述のような繊維からなるが、その形成方法として、例えば、カード機やエアレイによる乾式法、湿式法、スパンボンド法などを挙げることができる。
【００２７】
このような繊維ウエブを前述のような方法によりニードルで絡合して不織布を製造することができるが、ニードルで絡合した後に、更に繊維同士を結合することもできる。例えば、エマルジョン接着剤を絡合繊維ウエブに付与し、乾燥して繊維の交点を接着するケミカルボンド法、繊維ウエブ構成繊維として熱融着性繊維を含ませておき、絡合後に熱の作用により熱融着性繊維の融着力を発現させるサーマルボンド法、などを挙げることができる。これらの結合方法を更に組み合わせることもできる。これらの中でも、ニードルにより絡合させた後に熱融着性繊維の融着力を発現させると、繊維同士の接点が多い状態で熱融着性繊維を融着することになるため、耐久性に優れた不織布を製造できる。
【００２８】
なお、本発明においては、ニードルで絡合した後に、不織布の厚さ調整や強度を高めるために、ヒートロール等により加熱加圧することもできる。但し、この加熱加圧によって、繊維の毛羽立ち状態が変化し、表面と裏面とを区別することが困難になることがないように、その条件は適宜設定する必要がある。
【００２９】
本発明の製造方法によると、表面又は裏面に繊維の毛羽立ちによる、他面とは異なる模様を有する不織布を製造することができる。本発明においては、絡合作用の異なるニードルを利用して模様を形成しているため、一般的には、微視的に見ると点状模様であり、巨視的に見ると線状模様を有する不織布を製造することができる。しかしながら、絡合作用の異なるニードルを適宜移動させることによって、文字、図形、記号、絵、或いはこれらの組み合わせからなる、繊維の毛羽立ち模様を有する不織布を製造することも可能である。
【００３０】
このように製造した不織布は、繊維の毛羽立ち模様を有する面を表面として使用することも、裏面として使用することもできる。「表面」とは不織布の面の中で最も面積が広く、しかも不織布使用時に視覚上認識できる面であり、「裏面」は表面に対向する面である。
【００３１】
本発明の製造方法により製造できる不織布の目付は特に限定するものではないが、ニードルにより絡合できる目付であり、２５〜４０００ｇ／ｍ２程度であるのが好ましい。
【００３２】
また、本発明の製造方法により製造できる不織布の厚さは特に限定するものではないが、絡合作用の異なるニードルにより繊維の毛羽立ちによる模様を形成しやすいように、１〜５０ｍｍ程度であるのが好ましい。この「厚さ」は前田式圧縮弾性測定器を用い、圧接子５ｃｍ２、圧接荷重１００ｇ／ｃｍ２で測定した値をいう。
【００３３】
このように、本発明の製造方法により製造した不織布は繊維の毛羽立ちによる模様を有することができるため、不織布を加工する際に、表面と裏面を間違うことなく加工することができる。そのため、不織布の表面と裏面とを識別して加工する用途に対して好適に使用できる。例えば、模様をプリントする前の不織布として、又は縫製加工前の不織布として好適に使用できる。
【００３４】
特に、自動車内装表皮材においては、表面側で意匠性を付与するため、表裏面の間違いは重大であるが、本発明の製造方法により製造した不織布は、そのような間違いを起すことなく、不織布を加工して自動車内装材を製造することができるものである。自動車内装表皮材としては、例えば、マチ材、シートバック材、天井表皮材、リヤパッケージ材として好適に使用することができる。特に、マチ材やシートバック材として使用する場合には、不織布を所望形状に裁断した後に縫製するため、所望形状に裁断した際に表裏面の識別が困難になる傾向があるが、本発明の製造方法により製造した不織布は毛羽立ちによる模様を有するため、表裏面を確実に識別することができる。
【実施例】
【００３５】
以下に、本発明の不織布の具体的態様について記載するが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
【００３６】
（実施例１）
繊度６．６ｄｔｅｘ、繊維長７６ｍｍの難燃ポリエステルグレー原着色繊維８０ｍａｓｓ％と、４．４ｄｔｅｘ、繊維長５１ｍｍの芯鞘型熱融着性ポリエステルグレー原着色繊維（芯成分：ポリエチレンテレフタレート、鞘成分：変性ポリエステル樹脂、融点：１１０℃）２０ｍａｓｓ％を均一に混合した。
【００３７】
他方、突き刺す際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルＡ（オルガン４０番手、図２における白抜き円）と、引き抜く際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルＢ（オルガン３２番手、マルチタイプ２稜のリバースバーブ、ノーバーブ側をＦＤ方向に配向、図２における黒塗り円）とを用意した。そして、図２に示すように、ニードルボードＮＢの繊維ウエブＦＷの流れ方向ＦＤにおける最下流に位置する列Ｒｄ、その前列Ｒｄ−１、及び更にその前列Ｒｄ−２において、ニードルＢをニードルＡの３つ飛ばしで固定し、それ以外の列においては、ニードルＡをニードルボードＮＢに固定した。
【００３８】
次いで、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、前記ニードルボードＮＢを上下動させることにより、針密度３００本／ｃｍ２、貫通深さ６ｍｍの条件で絡合して、ニードルパンチウエブを得た。
【００３９】
次いで、前記ニードルパンチウエブを温度１６０℃に設定したドライヤーにより芯鞘型熱融着性ポリエステルグレー原着色繊維を溶融させて繊維の結合を行い、不織布（目付：２２０ｇ／ｍ２、厚さ：２．３ｍｍ）を製造した。この不織布は片面に巨視的に見ると３．３ｃｍの等ピッチで、直線状に繊維の毛羽立ち模様を６９本有するものであった。そのため、表面と裏面を間違えることなく、次の加工に供することができるものであった。
【産業上の利用可能性】
【００４０】
本発明の不織布は、プリント加工する不織布や裁断して加工する不織布、例えば、自動車天井表皮材、リヤパッケージ材などの自動車内装表皮材、布団、枕などの寝具、衣服、下着、ブラジャーカップ、肩パッド、帽子などの被服、クッション、座布団、畳、壁紙などのインテリア用品、買い物袋、手袋などの袋類、マスクなどの衛生用品、土嚢などの土木用品、フィルタなどの分離材、靴の中敷、ブックカバーとして使用する不織布として使用することができ、特に、自動車内装表皮材として好適に使用できる。
【符号の説明】
【００４１】
ＮＢ ニードルボード
ＦＷ 繊維ウエブ
ＦＤ 繊維ウエブの流れ方向
Ｒｄ 最下流に位置する列
Ｒｄ１ 最下流に位置する列の前列
Ｒｄ２ 最下流に位置する列の前々列
Ａｎ、Ｂｍ ニードル
【技術分野】
【０００１】
本発明は不織布の製造方法及び不織布に関する。特には、自動車内装表皮材として好適に使用できる不織布の製造方法及び不織布に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、自動車シートの底面又は左右側面を被覆するマチ材や、自動車シートの背面側側面を被覆するシートバック材として、ニードルパンチ不織布の裏面にバインダー加工した表皮材が使われていた。このバインダー加工は難燃性を付与すると同時に、マチ材やシートバック材としての強度を付与するために行われていた。なお、マチ材やシートバック材は互いに縫製して使用する。
【０００３】
近年、環境問題から自動車室内における揮発性有機化合物（ＶＯＣ）の低減や、環境負荷物質削減の必要性から、バインダー加工に替えて、融着繊維を融着させることで十分な強度を確保するとともに、難燃繊維を配合することで難燃性を付与した不織布が、マチ材やシートバック材として使用されている。このようなマチ材やシートバック材は強度、難燃性に優れているばかりでなく、ＶＯＣを低減できるものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、このマチ材やシートバック材として使用される不織布は表裏面の区別がつきにくいため、縫製作業現場において、左側面を被覆するマチ材と右側面を被覆するマチ材とを間違えて使用するなど、作業性の新たな問題が発生した。
【０００５】
そこで、不織布の表裏面を識別できるように、不織布の裏面に対してバインダー加工を線状に行い、表面と裏面の意匠性に差をつけることも検討されているが、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）の低減や環境負荷物質削減という流れに逆行するばかりでなく、不織布の重量が増加し、自動車の燃費悪化につながるという問題、更には、バインダーの手配やバインダー加工工程が必要になるという問題があった。
【０００６】
また、本発明者らは不織布の裏面のみにヒートロールを接触させ、裏面のみを平滑とし、表面と裏面の意匠性に差異をつけることも試みたが、容易に表面と裏面の識別を行うことは困難であった。
【０００７】
このような問題はマチ材やシートバック材として使用する不織布に限らず、プリント加工する不織布や裁断して加工する不織布、例えば、自動車天井表皮材、リヤパッケージ材などの自動車内装表皮材、布団、枕などの寝具、衣服、下着、ブラジャーカップ、肩パッド、帽子などの被服、クッション、座布団、畳、壁紙などのインテリア用品、買い物袋、手袋などの袋類、マスクなどの衛生用品、土嚢などの土木用品、フィルタなどの分離材、靴の中敷、ブックカバーとして使用する不織布においても同様の問題が懸念された。
【０００８】
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することのできる不織布の製造方法、及び不織布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の請求項１にかかる発明は、「繊維ウエブを複数本のニードルにより絡合する不織布の製造方法であり、前記ニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在していることを特徴とする、不織布の製造方法。」である。
【００１０】
本発明の請求項２にかかる発明は、「請求項１に記載の製造方法により製造した不織布。」である。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の請求項１にかかる発明は、ニードルにより絡合して不織布を製造する際に使用するニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在しているため、表面又は裏面に繊維の毛羽立ちによる模様を有する不織布を製造できる。そのため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することができ、作業性良く使用できる不織布を製造できる。つまり、絡合作用の異なるニードルが混在していることによって、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造でき、バインダー等を付与しないため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減できるとともに、不織布の重量を増加させることなく、容易に表面と裏面とを識別することができる不織布を製造できる。
【００１２】
本発明の請求項２にかかる発明は、前記製造方法により製造した不織布からなるため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質が削減された、従来と同程度の重量を有する、容易に表面と裏面とを識別することができる不織布である。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】ニードルの配置状態を表す上視説明図
【図２】実施例１におけるニードルの配置状態を表す上視説明図
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明の不織布の製造方法によると、絡合作用の異なるニードルが混在しているため、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できる。そのため、容易に表面と裏面とを識別することができ、作業性の良い不織布を製造することができる。また、バインダー等を付与しないため、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）や環境負荷物質を削減した不織布を製造できる。更に、不織布の重量を増加させることもない。
【００１５】
本発明の絡合作用の異なるニードルの組み合わせは、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できるのであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、向きの異なるバーブをもつニードルの組み合わせ、バーブをもつニードルとフォークニードルの組み合わせ、先端から第１バーブまでの長さの異なるバーブをもつニードルの組み合わせ、バーブの深さ及び／又は高さの異なるバーブをもつニードルの組み合わせ、番手(太さ)の異なるニードルの組み合わせ、長さの異なるニードルの組み合わせなどを挙げることができ、これら２つ以上の条件を満たすニードルの組み合わせであっても良い。これらの中でも、向きの異なるバーブをもつニードルの組み合わせであると、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が明確に異なる不織布を製造しやすいため好適である。なお、絡合作用の異なるニードルは２種類である必要はなく、３種類以上であっても良いが、２種類で十分である。
【００１６】
本発明における絡合作用の異なるニードルの混在状態は、表面と裏面の繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できるのであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、図１にニードルの配置状態を表す上視説明図を示すように、２種類の絡合作用の異なるニードルＡ、Ｂを固定したニードルボードＮＢの場合、ニードルボードＮＢの繊維ウエブＦＷの流れ方向ＦＤにおける最下流に位置する列Ｒｄのみで混在し、前記列Ｒｄ以外の列ではいずれか一方のみのニードル（図１においてはニードルＡのみ）が固定されているのが好ましい。このような複数本のニードルによって繊維ウエブを絡合する場合、最下流に位置する列Ｒｄの前の列までは１種類のニードルによって繊維ウエブ全体が均一に絡合するが、最下流に位置する列Ｒｄにおいて、ニードルＡ１〜Ａ１０により絡合した部分とニードルＢ１〜Ｂ９により絡合した部分とでは、絡合作用が異なることによって、表面と裏面とで繊維の毛羽立ち状態が異なる不織布を製造できる。例えば、ニードルＡ１〜Ａ１０として突き刺す際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルを使用し、ニードルＢ１〜Ｂ９として引き抜く際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルを使用した場合、突き刺し面にニードルＢ１〜Ｂ９の作用による繊維の毛羽立ちを有する不織布を製造できる。なお、突き刺し面と反対面は、突き刺し深さによって、ニードルＡ１〜Ａ１０の作用による繊維の毛羽立ちを有する不織布を製造できる。
【００１７】
なお、図１におけるニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９の配置は最下流に位置する列Ｒｄにおいて交互であるが、交互である必要はなく、１つおき、２おきなど規則的、或いは不規則であっても良い。
【００１８】
また、図１におけるニードルボードＮＢにおいては、最下流に位置する列ＲｄにおいてニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９が混在しているが、最下流に位置する列Ｒｄに替えて、最下流に位置する列Ｒｄ以外の列においてニードルＡ、Ｂが混在していても良い。しかしながら、最下流に位置する列Ｒｄが１種類のニードルからなると、最下流に位置する列Ｒｄのニードルによって繊維の毛羽立ち状態が均一化されるため、最下流に位置する列ＲｄにおいてニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９が混在しているのが好ましい。
【００１９】
更に、図１におけるニードルボードＮＢにおいては、最下流に位置する列ＲｄにおいてのみニードルＡ１〜Ａ１０、Ｂ１〜Ｂ９が混在しているが、最下流に位置する列Ｒｄに加えて、最下流に位置する列Ｒｄ以外においてもニードルが混在していても良い。
【００２０】
本発明においては、絡合作用の異なるニードルが混在している複数のニードルで繊維ウエブを絡合すること以外は、従来と同様の条件でニードルにより絡合することができる。例えば、貫通深さ−２０〜２０ｍｍ、針密度１０〜３００本／ｃｍ２で絡合することができる。
【００２１】
また、繊維ウエブの両面からニードルを突き刺して絡合させることができるが、最後のニードルボードにおいて、絡合作用の異なるニードルが混在しているのが好ましい。最後のニードルボード以外のニードルボードにおいて絡合作用の異なるニードルが混在していても、最後のニードルボードで繊維の毛羽立ち状態が均一化される傾向があるためである。なお、最後のニードルボードに加えて、最後のニードルボード以外のニードルボードにおいて絡合作用の異なるニードルが混在していても良い。この場合、繊維ウエブ全体が均一な毛羽立ち状態とならないように、絡合作用の異なるニードルの混在状態を調整する必要がある。
【００２２】
本発明の不織布構成繊維は特に限定するものではないが、例えば、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維（ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等）、ポリウレタン繊維などの合成繊維を１種類、又は２種類以上使用することができる。また、上記のような繊維構成樹脂を２種類以上含む、繊維横断面が芯鞘型、貼合わせ型、海島型、オレンジ型、多層積層型の複合繊維を使用することもできる。特に、ポリエステル原着繊維は変色しにくいため好適に使用することができる。また、繊維横断面が芯鞘型の熱融着性繊維は融着力に優れ、不織布の耐摩耗性や強度を高めることができるため好適に使用できる。この熱融着性繊維を含む場合、ニードルにより絡合させた後に融着させる。特に、熱融着性繊維が顔料で着色されていると、意匠性に優れる不織布を製造することができる。
【００２３】
なお、不織布を自動車用途に使用する場合のように、難燃性を必要とする場合には、難燃性繊維を含んでいるのが好ましい。このような難燃性繊維としては、例えば、アクリロニトリルと塩化ビニルを共重合したモダアクリル繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリフッ化ビニリデン繊維、ノボロイド繊維、ポリクラール繊維、リン化合物を共重合したポリエステル繊維、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル繊維、アラミド繊維などの繊維構成ポリマー自体を難燃性にした繊維、又はハロゲン系、リン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込み、又は後加工により付与した難燃性繊維を挙げることができる。これらの中でも、揮発性有機化合物（ＶＯＣ）の低減や環境負荷物質削減に寄与しやすい、繊維構成ポリマー自体を難燃性にした繊維が好ましい。なお、難燃性繊維も熱融着性繊維と同様に、顔料で着色されていると、意匠性に優れる不織布を製造しやすい。
【００２４】
このような不織布構成繊維の繊度、繊維長は特に限定するものではないが、繊度は１〜２０ｄｔｅｘであるのが好ましく、１．４〜２０ｄｔｅｘであるのがより好ましい。また、繊維長は３８〜１５２ｍｍであるのが好ましい。
【００２５】
なお、繊維の配合は任意であるが、熱融着性繊維と難燃性繊維を配合することによりＶＯＣを低減させることができるため、自動車内装用途に使用する場合に好適である。なお、熱融着性繊維と難燃性繊維を配合する場合、熱融着性繊維と難燃性繊維の質量比率は、特に限定するものではないが、難燃性及び強度に優れているように、（難燃性繊維）：（熱融着性繊維）＝１０〜９５：９０〜５であるのが好ましい。
【００２６】
本発明の不織布のもととなる繊維ウエブは、例えば上述のような繊維からなるが、その形成方法として、例えば、カード機やエアレイによる乾式法、湿式法、スパンボンド法などを挙げることができる。
【００２７】
このような繊維ウエブを前述のような方法によりニードルで絡合して不織布を製造することができるが、ニードルで絡合した後に、更に繊維同士を結合することもできる。例えば、エマルジョン接着剤を絡合繊維ウエブに付与し、乾燥して繊維の交点を接着するケミカルボンド法、繊維ウエブ構成繊維として熱融着性繊維を含ませておき、絡合後に熱の作用により熱融着性繊維の融着力を発現させるサーマルボンド法、などを挙げることができる。これらの結合方法を更に組み合わせることもできる。これらの中でも、ニードルにより絡合させた後に熱融着性繊維の融着力を発現させると、繊維同士の接点が多い状態で熱融着性繊維を融着することになるため、耐久性に優れた不織布を製造できる。
【００２８】
なお、本発明においては、ニードルで絡合した後に、不織布の厚さ調整や強度を高めるために、ヒートロール等により加熱加圧することもできる。但し、この加熱加圧によって、繊維の毛羽立ち状態が変化し、表面と裏面とを区別することが困難になることがないように、その条件は適宜設定する必要がある。
【００２９】
本発明の製造方法によると、表面又は裏面に繊維の毛羽立ちによる、他面とは異なる模様を有する不織布を製造することができる。本発明においては、絡合作用の異なるニードルを利用して模様を形成しているため、一般的には、微視的に見ると点状模様であり、巨視的に見ると線状模様を有する不織布を製造することができる。しかしながら、絡合作用の異なるニードルを適宜移動させることによって、文字、図形、記号、絵、或いはこれらの組み合わせからなる、繊維の毛羽立ち模様を有する不織布を製造することも可能である。
【００３０】
このように製造した不織布は、繊維の毛羽立ち模様を有する面を表面として使用することも、裏面として使用することもできる。「表面」とは不織布の面の中で最も面積が広く、しかも不織布使用時に視覚上認識できる面であり、「裏面」は表面に対向する面である。
【００３１】
本発明の製造方法により製造できる不織布の目付は特に限定するものではないが、ニードルにより絡合できる目付であり、２５〜４０００ｇ／ｍ２程度であるのが好ましい。
【００３２】
また、本発明の製造方法により製造できる不織布の厚さは特に限定するものではないが、絡合作用の異なるニードルにより繊維の毛羽立ちによる模様を形成しやすいように、１〜５０ｍｍ程度であるのが好ましい。この「厚さ」は前田式圧縮弾性測定器を用い、圧接子５ｃｍ２、圧接荷重１００ｇ／ｃｍ２で測定した値をいう。
【００３３】
このように、本発明の製造方法により製造した不織布は繊維の毛羽立ちによる模様を有することができるため、不織布を加工する際に、表面と裏面を間違うことなく加工することができる。そのため、不織布の表面と裏面とを識別して加工する用途に対して好適に使用できる。例えば、模様をプリントする前の不織布として、又は縫製加工前の不織布として好適に使用できる。
【００３４】
特に、自動車内装表皮材においては、表面側で意匠性を付与するため、表裏面の間違いは重大であるが、本発明の製造方法により製造した不織布は、そのような間違いを起すことなく、不織布を加工して自動車内装材を製造することができるものである。自動車内装表皮材としては、例えば、マチ材、シートバック材、天井表皮材、リヤパッケージ材として好適に使用することができる。特に、マチ材やシートバック材として使用する場合には、不織布を所望形状に裁断した後に縫製するため、所望形状に裁断した際に表裏面の識別が困難になる傾向があるが、本発明の製造方法により製造した不織布は毛羽立ちによる模様を有するため、表裏面を確実に識別することができる。
【実施例】
【００３５】
以下に、本発明の不織布の具体的態様について記載するが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
【００３６】
（実施例１）
繊度６．６ｄｔｅｘ、繊維長７６ｍｍの難燃ポリエステルグレー原着色繊維８０ｍａｓｓ％と、４．４ｄｔｅｘ、繊維長５１ｍｍの芯鞘型熱融着性ポリエステルグレー原着色繊維（芯成分：ポリエチレンテレフタレート、鞘成分：変性ポリエステル樹脂、融点：１１０℃）２０ｍａｓｓ％を均一に混合した。
【００３７】
他方、突き刺す際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルＡ（オルガン４０番手、図２における白抜き円）と、引き抜く際に繊維が引っ掛かるバーブを有するニードルＢ（オルガン３２番手、マルチタイプ２稜のリバースバーブ、ノーバーブ側をＦＤ方向に配向、図２における黒塗り円）とを用意した。そして、図２に示すように、ニードルボードＮＢの繊維ウエブＦＷの流れ方向ＦＤにおける最下流に位置する列Ｒｄ、その前列Ｒｄ−１、及び更にその前列Ｒｄ−２において、ニードルＢをニードルＡの３つ飛ばしで固定し、それ以外の列においては、ニードルＡをニードルボードＮＢに固定した。
【００３８】
次いで、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、前記ニードルボードＮＢを上下動させることにより、針密度３００本／ｃｍ２、貫通深さ６ｍｍの条件で絡合して、ニードルパンチウエブを得た。
【００３９】
次いで、前記ニードルパンチウエブを温度１６０℃に設定したドライヤーにより芯鞘型熱融着性ポリエステルグレー原着色繊維を溶融させて繊維の結合を行い、不織布（目付：２２０ｇ／ｍ２、厚さ：２．３ｍｍ）を製造した。この不織布は片面に巨視的に見ると３．３ｃｍの等ピッチで、直線状に繊維の毛羽立ち模様を６９本有するものであった。そのため、表面と裏面を間違えることなく、次の加工に供することができるものであった。
【産業上の利用可能性】
【００４０】
本発明の不織布は、プリント加工する不織布や裁断して加工する不織布、例えば、自動車天井表皮材、リヤパッケージ材などの自動車内装表皮材、布団、枕などの寝具、衣服、下着、ブラジャーカップ、肩パッド、帽子などの被服、クッション、座布団、畳、壁紙などのインテリア用品、買い物袋、手袋などの袋類、マスクなどの衛生用品、土嚢などの土木用品、フィルタなどの分離材、靴の中敷、ブックカバーとして使用する不織布として使用することができ、特に、自動車内装表皮材として好適に使用できる。
【符号の説明】
【００４１】
ＮＢ ニードルボード
ＦＷ 繊維ウエブ
ＦＤ 繊維ウエブの流れ方向
Ｒｄ 最下流に位置する列
Ｒｄ１ 最下流に位置する列の前列
Ｒｄ２ 最下流に位置する列の前々列
Ａｎ、Ｂｍ ニードル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
繊維ウエブを複数本のニードルにより絡合する不織布の製造方法であり、前記ニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在していることを特徴とする、不織布の製造方法。
【請求項２】
請求項１に記載の製造方法により製造した不織布。
【請求項１】
繊維ウエブを複数本のニードルにより絡合する不織布の製造方法であり、前記ニードルとして、絡合作用の異なるニードルが混在していることを特徴とする、不織布の製造方法。
【請求項２】
請求項１に記載の製造方法により製造した不織布。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１２−７２４９（Ｐ２０１２−７２４９Ａ）
【公開日】平成２４年１月１２日（２０１２．１．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１４１１９６（Ｐ２０１０−１４１１９６）
【出願日】平成２２年６月２２日（２０１０．６．２２）
【出願人】（０００２２９５４２）日本バイリーン株式会社 (378)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月１２日（２０１２．１．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月２２日（２０１０．６．２２）
【出願人】（０００２２９５４２）日本バイリーン株式会社 (378)
【Ｆターム（参考）】
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