不織布加工装置及び方法
【課題】不織布生地の両側縁を内側へ折り畳んで重畳させ、この状態で幅方向の切取線を一定間隔で形成すると共に、不織布生地の中央部位を長手方向に沿って選択的にスリッティングして、所望の一定の大きさの不織布生地ロール製品を製造する装置及び方法を提供する。
【解決手段】不織布生地2が巻き付けられた生地ロールを回転させ、生地をほぐして移送し、速度比を調節することで不織布生地の張力を調節する動力伝達部と、ほぐれた不織布生地の移送を案内して生地のほぐれる量を一定に補正するガイド部と、移送される不織布生地の全体幅のうち両側縁寄りの一定幅を中央部側に折り畳んで不織布生地の幅を調整する折畳部4と、折り畳まれた状態の不織布生地上に幅方向に一定間隔の切取線を形成する切取線加工部6,7と、切取線が形成された不織布生地製品を一定の直径のロールに巻き付けるワインディング部を含む不織布加工装置。
【解決手段】不織布生地2が巻き付けられた生地ロールを回転させ、生地をほぐして移送し、速度比を調節することで不織布生地の張力を調節する動力伝達部と、ほぐれた不織布生地の移送を案内して生地のほぐれる量を一定に補正するガイド部と、移送される不織布生地の全体幅のうち両側縁寄りの一定幅を中央部側に折り畳んで不織布生地の幅を調整する折畳部4と、折り畳まれた状態の不織布生地上に幅方向に一定間隔の切取線を形成する切取線加工部6,7と、切取線が形成された不織布生地製品を一定の直径のロールに巻き付けるワインディング部を含む不織布加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不織布加工装置及び方法に関し、特に不織布生地の両側縁を内側に折り畳むことで生地が重畳されるようにし、折畳み状態下で幅方向の切取線を一定の間隔に形成すると共に、不織布生地の中央部位を長手方向に沿って選択的に切断(スリッティング)することにより、所望の一定の大きさをもった不織布生地ロール製品を、より容易に製造することができる不織布加工装置及び加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロール形態に巻き付けられた形態の不織布生地ロール上に点線状の切取線を形成するに際し、従来は切取線加工部機械の回転軸の直径に沿って点線の長さが定められており、従って、点線の長さの調節は軸径の異なる回転軸を取り替えるか、ギアを取り替えなければならないという不具合を伴う。
【0003】
さらに、ギア比の限界により不織布生地上に形成された横方向の切取線間の精緻な長さの調節が難しいため、多様な大きさの不織布製品の製造が困難であり、加工工程中には切取線の間隔調整等がなされずより精密な製造が困難であるといった問題点がある。
【0004】
併せて、単に一重の不織布生地を用いてこれを切り取ることになるので、より広い幅を有する不織布生地の加工が困難であるという問題点もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の従来の問題点を解決するため案出されたものであり、本発明は不織布生地の両側縁の一定の幅を両側から内側へ折り畳んで重畳させ、折り畳まれた状態で切取線を形成し、多様な大きさの不織布を形成することにより使用上の利便性を高めることができる不織布加工装置を提供することに目的がある。
【0006】
さらに、本発明は前記の従来の問題点を解決するため一次切取線が形成された状態の不織布生地をその中央部を長手方向に沿ってスリッティングし、2つの分離された不織布製品を製造できるようにした不織布加工装置を提供することに目的がある。
【0007】
併せて、本発明は前記の従来の問題点を解決するため切取線の形成と、選択的なスリッティング作業により多様な大きさの切取線が形成された不織布を製造する不織布加工方法、及び前記不織布加工方法により製造された不織布を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る不織布加工装置は、不織布生地上に長手方向に沿って一定の間隔で幅方向の切取線を形成する不織布加工装置であって、以下に示す構成要素を備えたことを特徴とする。
【0009】
・不織布生地が巻き付けられた生地ロールの底部面に一定の圧力が印加される状態下で接触し、回転により生地をほぐして移送するためのアンワインドベルト。
・前記アンワインドベルトの回転速度を制御して、移送される不織布生地の張力の大きさを調節する動力伝達部。
・ほぐれた不織布生地の移送を案内し不織布生地のほぐれる量を一定に補正する不織布生地ガイド部。
・前記移送される不織布生地の全体幅中で両側の側縁寄りの一定幅を中央部側に折り畳んで全体の不織布生地の幅を調整する折畳部。
・前記折り畳まれた状態の不織布生地上に幅方向に一定の間隔の切取線を形成する切取線加工部。
・前記切取線が入った不織布生地製品を一定の直径のロールに巻くワインディング部。
【0010】
本発明に係る前記動力伝達部は、不織布生地が巻き付けられた生地ロールの内側中心部に取り付けられたアンワインダーと、前記生地ロールの下に位置し、前記アンワインドベルトを上下方向に移動させて不織布生地ロールに一定の圧力を加える加圧部材と、前記アンワインダーの回転軸と前記アンワインドベルトに回転力を付与する動力伝達手段を含む構成とされる。
【0011】
前記動力伝達手段としては主動力モーターから動力を伝達され、前記アンワインドベルトに連結されてアンワインドベルトの回転速度を制御する第1の回転ローターと、主動力モーターに連結されて主動力を前記第1の回転ローターに伝達し、前記第1の回転ローターと中間の動力伝達ベルトに連結されている第2の回転ローターとを含むことが好ましい。
【0012】
前記第1及び第2の回転ローターはコーン(Cone)型の円錐台状をした構造に形成され、直径の小さい側または直径の大きい側への前記中間の動力伝達ベルトの移動によりアンワインドベルトの回転速度が調節されるように構成することが好ましい。
【0013】
本発明に係る前記回転ローターの側方には位置調節レバーを設け、コーン型の前記構造を有する前記回転ローター上で前記中間の動力伝達ベルトが移動して位置調整が行なわれるようにする。
【0014】
本発明に係る前記不織布生地のガイド部は、不織布生地の移送を案内し張力を調節してほぐれを補正するフィードローラーと、上部及び下部での生地の移送をガイドする多数のガイドローラーを含む構成とされる。
【0015】
さらに、本発明に係る前記折畳部は、不織布生地が内部に挿入され移送方向に沿って進みながら、折畳板により不織布生地の両側縁の一定の幅(W3)が不織布の中央部側に折り畳まれるように構成する。
【0016】
併せて、本発明に係る前記折畳部は、上側端が不織布生地の幅よりさらに大きく形成され、下部へ行くほどその幅が狭くなるように形成された折畳板と、前記折畳板を通過して折り畳まれた状態の不織布生地が安着される折畳上板と、前記折畳板全体を左右方向に移動させる第1の調節ネジと、不織布生地の折り畳まれる左右幅を調節する第2の調節ネジと、前記折畳上板間の間隔を調節する間隔調節ネジとで構成されることが好ましい。
【0017】
さらに、前記折畳板は、折畳板調節ネジにより、不織布生地の左右対称性についての可否、及び折畳み後の不織布生地の中央部にセッティングがなされた否かについて位置調節を行えるように構成する。
【0018】
さらに、本発明に係る前記切取線加工部は、上刃が挿入されている上部切取組立体と、不織布生地が上部に安着され下刃が取り付けられた下刃回転軸を含み、前記下刃は下刃回転軸上で斜めに取り付けられ、切取線の形成時に上刃と下刃の合致(刃合い)が鋏みのように漸進的になされるようにするのが好ましい。
【0019】
さらに、前記不織布生地の長手方向に沿った切取線間の間隔調整を、モニター上で入力する方式により行えるように構成すことで、作業者の操作上便利になる。このとき、前記切取線間の間隔調整は0.1mm〜1.0mm単位で行えるようにすることが好ましい。
【0020】
前記切取線の間隔調整は、サーボモーターとエンコーダーを用いて下刃回転軸の位置移動と回転速度を制御することにより行なわれるようにするのが好ましい。
【0021】
さらに、本発明に係る不織布加工方法は、不織布生地上に幅方向の切取線を形成する不織布生地の加工方法であり、以下に示す段階を有する。
【0022】
・不織布生地が巻き付けられた生地ロールを下部の加圧部材から一定の圧力で不織布生地ロールの外側を支持しながらアンワインドベルトを回転させて生地がほぐれて移送されるようにする段階。
・移送される不織布生地が折畳部を経ることで両側縁の一定の幅(W3)が内側に折り畳まれ不織布生地の全体幅が狭くなるように調整する段階。
・前記折り畳まれた状態の不織布生地が切取線加工部を経ることで幅方向の切取線を形成する段階。
・前記切取線が形成された不織布生地を、ベッドロールにより紙管棒に取り付けられた紙管に巻き付ける段階。
【0023】
本発明に係る前記不織布生地上に切取線が形成された段階の後、折り畳まれた状態の不織布生地の中央部をスリッティングしてスリッティング線が形成された2つの不織布生地ロール製品を形成する段階を選択的にさらに含めることができる。
【0024】
前記不織布生地が巻き付けられた生地ロールから生地がほぐれて移送される過程で、フィードローラーを利用して移送される不織布生地の移送をガイドし、主動力を伝達して一定の速度で回転させることにより、生地のほぐれる量を一定に補正して、移送される不織布生地の張力を調節することが好ましい。
【0025】
さらに、前記不織布生地が最終段のベッドロールに巻き付けられる段階で、ベッドロールに安着されている紙管棒の両側へプレスによる加圧力を与え、切取線が形成された不織布生地ロール製品の全体直径を調整できるようにすることが好ましい。
【0026】
ロールに巻き付けられた不織布生地の幅を「W1」とする場合に、折畳部を経て両側縁の一定の幅(W3)が中央に折り畳まれた後における不織布生地の全体幅が(W1)/2となり、不織布生地の両側縁から中央へと折り畳まれる生地の幅が(W1)/4になるようにする。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る不織布加工装置及び加工方法によれば、不織布生地の両側縁で一定の幅を中央部に折り畳んで重畳させ、折畳み状態の下で切取線を形成することにより、製造された不織布の幅について多様化を実現し、使用時に利便性を高めることができるという効果を奏する。
【0028】
併せて、本発明は切取線の加工時にモニター上で入力する方式により長手方向の切取線間の間隔調整を0.1mm〜1.0mm単位で自在に調節することができるので、製造工程上の効率が向上するという効果を奏する。
【0029】
さらに、本発明は不織布生地の移送速度の差に伴う点線の長さの偏差を無くすことができ、補償値を与えて一定の間隔の点線を維持し、動力伝達手段の1つとしてタイミングベルトを用いることにより切取線間の間隔の偏差をより減少させ、製品の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図を参照しながら本発明に係る不織布加工装置の好適な実施形態について詳しく説明する。
【0031】
図1a〜図1cは、本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立図であり、図1aは側面図で、図1bは平面図であり、図1cは正面図をそれぞれ示した図である。
【0032】
さらに、図2a〜図2fは本発明に係る不織布加工装置の主要構成部位を示した図である。図2gと図2hは、不織布生地の折畳みによる幅の変化状態を示した図である。
【0033】
図示されているように、本発明に係る不織布加工装置50は不織布生地2の両側縁を中央部側に一定の幅で折り畳んで重畳させ、折り畳まれた状態にて一定の長さの間隔で幅方向の切取線(図4aと図4bの24)を形成し多様な大きさの不織布を製造することができ、使用に便利であり、加工工程の容易さと高効率性を図る不織布加工装置である。
【0034】
即ち、本発明に係る不織布加工装置50は、不織布生地2が巻き付けられた生地ロール20の底部面に一定の圧力が印加される状態下で接触し、回転により生地2をほぐして移送するためのアンワインドベルト21と、前記アンワインドベルト21の回転速度を制御し移送される不織布生地2の張力の大きさを調節する動力伝達部と、ほぐれた不織布生地2の移送を案内し不織布生地2のほぐれる量を一定に補正する不織布生地ガイド部3と、前記移送される不織布生地2の全体幅のうち両側の側縁寄りの一定幅を中央部側に折り畳み全体不織布生地2の幅を調整する折畳部4と、前記折り畳まれた状態の不織布生地2上に幅方向に一定の間隔の切取線24を形成する切取線加工部と、前記切取線24が入った一定の直径の不織布生地ロール製品20´に巻くワインディング部を含む構成をもつ。
【0035】
このとき、本発明は必要に応じて、前記切取線が形成された不織布生地の中央部を長手方向に切断(スリッティング)して分割するスリッティング部8を選択的にさらに含むことができる。
【0036】
図2a〜図2dは、本発明に係る不織布加工装置50において、巻き付けられた状態の不織布生地2をほぐす送給器のアンワインダー(unwinder)1と、不織布生地2の移送のためのフィードローラー3cとガイドローラー3a、3bからなるローラー3、アンワインドベルト21、前記アンワインドベルト21に圧力を印加して作動させる加圧部材23、及び不織布生地2が巻き付けられた生地ロール20の設置状態を示した図である。
【0037】
さらに、図2e〜図2hは本発明に係る不織布加工装置において、設置板(折畳板)4aと折畳上板4bにより不織布生地2の折り畳まれる状態を示した図である。
【0038】
前記図を共に参照すれば、不織布生地2を移送させる動力伝達部は、図2a〜図2cに示されているように、不織布生地2が巻き付けられた生地ロール20の内側中心部に取り付けられたアンワインダー1と、前記不織布生地ロール20の下に位置し、前記アンワインドベルト21を上下方向に移動させて不織布生地ロール20に空圧により一定の圧力を加える加圧部材23と、前記アンワインダー1の回転軸と前記アンワインドベルト21に回転力を付与する動力伝達手段を含む構成からなる。
【0039】
前記アンワインダー1は前記アンワインドベルト21から動力を伝達され、内部にベアリング(図示省略)が取り付けられ前記アンワインドベルト21の回転時に空回転が行なわれることになる。
【0040】
前記動力伝達手段は主動力モーターから動力を伝達され、前記アンワインドベルト21に連結されてアンワインドベルト21の回転速度を制御する第1の回転ローター27と、主動力モーター12に連結されて主動力を前記第1の回転ローター27に伝達し、前記第1の回転ローター27と中間の動力伝達ベルト29に連結されている第2の回転ローター28とを含む構成からなる(図7aを参照)。前記第1の回転ローター27と第2の回転ローター28の構成及び作動に対しては後で再度説明する。
【0041】
前記不織布生地ロール20から一重ずつほぐれて移動される不織布生地2を所望の移送方向に沿って移動されるよう案内するガイド部3は、上部と下部にそれぞれ位置するガイドローラー3a、3bと、前記ガイドローラー3a、3bを介して移送される不織布生地のほぐれる量が一定になるよう補正するフィードローラー3cからなる(図2aと図2dを参照)。
【0042】
本発明に係る折畳部4は、その内側に不織布生地2が挿入されていくに伴い、不織布生地2の全体幅(W1)のうち両側の側縁寄りの一定の幅(W3)が中央部側に折られて重畳されるようにする部分であり、折畳部の上側端は最初の不織布生地2の幅であるW1以上の大きさに形成され、下部へ行くほどその幅が狭くなるように形成された折畳板4aと、前記折畳板4aを通過して折り畳まれた状態の不織布生地2が安着される折畳上板4bと、前記折畳板4aと折畳上板4b全体を左右方向に移動させる第1の調節ネジ4dと、不織布生地2の折り畳まれる左右幅を自在に調節する第2の調節ネジ4cと、折畳上板4bとの間の間隔(幅)を調節する間隔調節ネジ4eとを含む構成からなる。
【0043】
従って、本発明では前記第1の調節ネジ4d及び第2の調節ネジ4cを利用して不織布生地2の加工工程が進められる最中でも不織布生地2の両側縁の折り幅を自在に調整することができ、調整作業を速やかに行えるので、作業に伴う不良率を低減できるようになる(図2e〜図2hを参照)。
【0044】
さらに、フィードローラー3cに巻き付けられた不織布生地2は元来の幅W1が維持され、折畳板4aを通過して折畳上板4bを経由する折り畳まれた状態の不織布生地2の幅はW2に縮小されることになる。例えば、前記不織布生地2の幅W1が48cmであれば、折り畳まれた状態の不織布生地2の幅W2は24cmとなる。併せて、不織布生地の両側縁における折り畳まれた幅W3は12cmとなる。前記幅W1とW2、及びW3は不織布の種類及び用途に従い数値が幾らでも異なり得る(図2gと図2hを参照)。
【0045】
図3a〜図3dは、本発明に係る切取線加工部6、7の構成を示す図である。
【0046】
図示されているように、本発明に係る切取線加工部6、7は前記折畳部4を通過して折り畳まれた状態の不織布生地2上に幅方向に点線形態の切取線24を形成する部位である。
【0047】
前記切取線加工部6、7は上部刃(以下、「上刃」という)と下部刃(以下、「下刃」という)を含む構成からなり、前記上刃6bは上部切取組立体6a内に取り付けられており、下刃7bは下部回転軸7a上にそれぞれ取り付けられている。
【0048】
前記上刃6bは、上部切取組立体6aに脱着可能な形態で結紮され、エアシリンダーの作用により上部切取組立体6から上下に移動することになり、切取線加工の切取りと解除を選択的に行なうことができる。
【0049】
下刃7bは下部の回転軸7a内に取り付けられており、取り付けられた状態で下刃7bは回転軸7aの中心軸に対し一定の角度をもって傾斜して結紮されている。従って、上刃6bと下刃7bが互いに交差し不織布を切断する動作は、恰も鋏みのように、切断される部位が一度に行なわれず、一の側から側方向に移動する形態で切取線24の形成がなされることになる。
【0050】
従って、点線形態の切取線24を形成する上刃6bの刃の深さと刃の長さに亘って一定の間隔で形成された上刃溝6cにより切取線24が形成された不織布製品の切取強度が決められる。
【0051】
即ち、前記上刃6bは図3bに示されているように、刃が形成された下端部に一定の間隔の溝6cが形成され不織布生地2の切断時に点線形態の切取線24を形成することになる。これに伴い、前記上刃溝6cの間隔(d)が長い場合には不織布生地2上に切断される部位が増えて不織布生地2の強度が低下し、前記上刃溝6cの間隔(d)が狭くなると不織布生地2上の切断される部位が縮小することになるので、不織布生地2の強度が増加することになる。
【0052】
前記上刃底部に形成された溝6cの間隔(d)は上刃6bの種類に従い固定され、切取線の溝6cの間隔(d)を調整しようとするときは上刃6b自体を取り替えなければならない。さらに、上刃に形成された溝6cの深さによっても不織布生地2の強度が決定付けられ、上刃の溝6cの深さは上刃組立体6aに締結されたボルトを調節し、上刃6bと下刃7bが噛み合う程度を調節して溝の深さを決定し、これをもって不織布生地2の強度を調節することになる。
【0053】
次に、前記上刃組立体6の上刃結紮部6aは内部空間に上刃を結紮させるためのボルト等の結紮手段が自ら備えられ、このとき、上刃6bは上刃結紮部6aの下端に一定の長さで突出して出るようにし、エアシリンダー5の作動により上刃組立体6の全体が上下に往復移動し切取線24の加工の有無を選択することになる。
【0054】
図3cと図3dは、本発明に係る下刃組立体7の構成を示した図である。図示されているように、下刃組立体7は前記上刃組立体6の下部に位置し、前記上刃組立体6と対応して下刃組立体7の上部を経由する不織布生地2上に切取線24を形成することになる。
【0055】
本発明に係る下刃組立体7は回転軸に形成された下刃結紮部7aと、前記下刃結紮部7aに結紮される下刃7bで構成され、このとき前記下刃7bは前記下刃結紮部7a上に斜めに結紮される。即ち、図3dに示されているように、回転軸となる下刃結紮部7aの軸方向に沿って一直線形態に結紮されず、一定の角度で傾斜した形態に結紮される。従って、前記で説明したように、上刃6bと下刃7bは恰も鋏みの作動のように2つの刃が一度に交差されず漸進的に交差して作動する。
【0056】
一方、上刃組立体6にはエアシリンダーが取り付けられており、上刃組立体6を上方向に持ち上げれば切取線加工を行わない状態になるので、前記エアシリンダーの操作により不織布生地2上で切取線の加工有無を選択的に行なうことができる。
【0057】
図4a〜図4cは、本発明に係る不織布生地2のスリッティング部の構造を示した図である。
【0058】
本発明に係るスリッティング部8は、不織布生地2の中央部位を長手方向に沿って切断する刃が形成されたスリッティングローラー8aと、前記スリッティングローラー8aを上端に結紮させるスリッティングローラー結紮具8bからなり、前記スリッティングローラー結紮具8bは横方向に設けられたローラー据置台81に結紮される。
【0059】
従って、不織布生地2の中央を切断するスリッティング作業は前記スリッティング部8を脱紮させることにより選択的に行なわれる。
【0060】
例えば、スリッティングローラー8aによる作業が行われると2つの製品が生産され、スリッティングローラー8a作業が行われないと、この2つの製品に比べて幅が2倍大きい1つの不織布ロール製品が形成される。
【0061】
図5は、前記図4に示したスリッティングローラー8aによりスリッティングが行なわれた2つの不織布生地ロール製品20´が形成された状態を示した図である。図6は、本発明に係る紙管棒加圧用プレス14の構造を示した図である。
【0062】
前記図2を共に参照すれば、スリッティングされた不織布生地2は回転軸の紙管棒10に取り付けられた紙管10aに巻き付けられ、工程の進行に伴い前記紙管10aに巻き付けられる不織布生地2は設定された長さになるまで進められる。
【0063】
このとき、前記移送される不織布生地2の底部に位置するベッドロール9は不織布生地2の移送状態に合わせて速度を調節することにより不織布生地2の張力を調節することができる。
【0064】
さらに、本発明に係る前記紙管棒10は両端にベアリング(図示省略)が挿入されており、プレス14が押えても紙管棒10が回転しながら切取線24が形成された不織布生地2を巻き付けることになる。
【0065】
併せて、不織布生地2が直接的に巻き付けられる紙管10aはスリッティング作業が行われる場合、図示されているように、2つの不織布生地ロール製品20´が形成されて出るので2つがセッティングされ、不織布生地2の中央スリッティング作業が行われない場合は、1つの紙管10aのみをセッティングすればよい。
【0066】
図示のように、本発明に係る紙管10aに巻き付けられる不織布生地2には上部に設けられたプレス14により加圧されることにより、加工された不織布生地ロール製品20´に一定の圧力が印加されることによって不織布生地ロール製品20´の直径の大きさを調節する。
【0067】
即ち、上部のエアシリンダー16の圧力を調節してプレス14の加圧部14bが加圧力の強度を決定し、その力は紙管棒10が回転しながら不織布生地2を巻くとき一定の圧力を加えて不織布生地ロール製品20´の大きさを決定する。
【0068】
例えば、プレス14の上部に位置したエアシリンダー16の圧力を高く設定すれば、加圧力が増加し不織布生地2が巻き付けられる不織布生地ロール製品20´に大きい力が伝えられ全体の直径が縮小することになる。
【0069】
前記プレス14は、上側のエアシリンダー16に連結された加圧棒14aと、前記加圧棒14aの端部に連結され一定の圧力を紙管棒10に印加する加圧部14bと、前記加圧部14bの両側端と接触し加圧棒14aの上下移動時に案内するガイド部14cを含む構成からなる。
【0070】
一方、前記のように紙管10aに巻き付けられる不織布生地ロール製品20´の直径の大きさを、プレス14を利用して調節する理由は次の通りである。
【0071】
本発明に係る不織布生地2を用いて製造された製品の1つである不織布タオルの場合、不織布タオルは自動お絞り製造機に取り付けられ即座にお絞りを製造するとき用いられる。
【0072】
自動お絞り製造機で不織布タオルが取り付けられる空間は製造会社別に差がある。例えば、タオルの全体の長さを40mに仮定すれば、この構造のタオルが取り付けられる自動お絞り製造機がある反面、取付けが不可能な自動お絞り製造機もあることになる。このような場合に鑑み、本発明では不織布生地ロール製品20´の直径に関して、プレス14機を利用して消費者が望む直径に調節できるようにする。
【0073】
併せて、不織布生地2の使用目的、例えば産業用とするか家庭用とするか等の目的に応じて生地の厚さにおいて差があり、さらに同じ目的であっても同一の不織布生地2における厚さの偏差があるので、最終の不織布生地ロール製品20´の直径を望む許容範囲内で生産するのが困難であるので、前記プレス14で加圧することにより製品の直径の調節が必要になる。
【0074】
図7aと図7bは本発明に係る不織布加工装置の側面部に取り付けられた動力伝達手段の構成を概略的に示した図である。図7bは前記図7aのA部の拡大図である。
【0075】
図示されているように、動力伝達手段を形成する2つの回転ローター27、28が本発明に係る加工装置50の側面に備えられている。
【0076】
図示された図面で、第1の回転ローター27は主動力モーター(図1aの符号12参照)から動力を伝えられた第2の回転ローター28から動力を伝えられ、前記アンワインドベルト21に連結されアンワインドベルト21の回転速度を制御する役割を果たす。
【0077】
併せて、前記第1の回転ローター27と第2の回転ローター28との間には中間の動力伝達ベルト29に連結されており、相互回転力が伝えられる構成になっている。
【0078】
特に、前記第1の回転ローター27と前記第2の回転ローター28はその形状がコーン(Cone)型の円錐台状をした構造で形成され、直径の小さい側または直径の大きい側への前記中間動力伝達ベルト29の移動によりアンワインドベルト21の回転速度が調節される。
【0079】
さらに、前記回転ローター27、28の側方向には位置調節レバー30が設けられており、コーン型の前記構造を有する回転ローター27、28上で前記中間動力伝達ベルト29が移動し位置調整が行なわれ得る。
【0080】
一方、図7aと図7bに示されているように、駆動源により動力を各回転軸に伝える動力伝達手段として本発明では図示されているようなタイミングベルト18を用い、サーボモーター17の作動で下刃回転軸7aの回転速度を調節し不織布生地2上に形成される切取線24間の間隔を調節することになる。
【0081】
図示された前記サーボモーター17とエンコーダー19の使用により切取線24間の間隔を調節するだけでなく、速度に従い切取線24間の間隔誤差を最小化させることができる。
【0082】
参考に、前記不織布生地2上に形成される切取線24の間隔調節のため本発明の各構成部品の作動原理について説明する。
【0083】
不織布生地2の移送速度を線速度に定義すれば、前記線速度は主動力部の移送速度になる。さらに、前記線速度を基準に比較し不織布生地2の移送時に下刃回転軸7aの回転速度を面速度として定義する。
【0084】
本発明の図7aと図7bに示されているエンコーダー19とサーボモーター17装置において、エンコーダー19は線速度を読み取り、面速度を決定する装置であり、サーボモーター17は前記エンコーダー19から収集され命令された面速度データにより下刃回転軸7aを所定速度で回転させる装置である。
【0085】
従って、不織布生地2が移送される速度である線速度を本発明に係る不織布加工装置50に取り付けられたエンコーダー19(図7aと図7bを参照)が読み取り、不織布生地2の移送速度を基準に比較しモニター上に設定された切取線間隔(生地の長手方向の間隔)を加工するため下刃回転軸7aの回転速度(面速度)をエンコーダー19が決定することになると、決定された面速度データをエンコーダー19はサーボモーター17に命令することになり、この命令値によりサーボモーター17は面速度を実現することになる。
【0086】
即ち、線速度に比べ面速度を制御することにより線速度の緩急に拘らず常に一定の間隔を維持することができ、切取線間の間隔を0.1mm〜1.0mm単位で精密に制御することができる。
【0087】
前記のような構成を有する本発明に係る不織布加工装置における動作及び作用について説明する。
【0088】
先ず、不織布生地2を巻き付けている生地ロール20の外側面をアンワインドベルト21が加圧部材23の作動による空圧で一定の圧力を印加しながら回転することにより不織布生地2をほぐす。このとき、加工する不織布生地2をフィードローラー3により生地のほぐれる量が一定になるよう補正する(前記フィードローラー3は主駆動部とベルトで連結されており、主駆動部の回転速度と同じ速度で回転するため、生地のほぐれる量が一定に調整される)。
【0089】
不織布生地2は折畳板4aにより幅の調整が行なわれ、前記折畳板4aはネジ式になっているので装置の運転中にも両側それぞれの折られる幅の調整を自在に行なうことができるようになる。これにより、生地の折り畳まれる幅の調整が速やかに行われ、工程上の不良率を減少させることができるようになる。
【0090】
さらに、不織布生地の折畳板4a全体を左右側方向に移動することができるので、スリッティング工程が行なわれる場合、不織布生地2の中央を切断して使用するとき、両側の大きさを正確に生産することができる。
【0091】
即ち、折畳板4aで生地を両側に折って切取線加工部6、7を通過すれば、点線形態の切取線24の形成作業が行われ、切取線24が入った状態で移動する不織布生地2の中央部を本発明に係るスリッティングローラー8aを用いて不織布生地2の長手方向に沿ってその中央を切断する。この場合、刃が形成されたスリッティングローラー8aにより生地製品が2つに分けられ、前記スリッティングローラー8aは着脱することができる構造であるので、スリッティングローラー8aを構造物から分離させてスリッティング工程が省かれると、生産される生地製品はその幅が2倍に増加することになる。
【0092】
不織布生地2の最終加工段階で、紙管10aの上部に巻き付けられる不織布生地2製品は、その底部に位置するベッドロール9の回転速度の調節により、生地2が巻き付けられる張力の調節が可能であり、紙管棒10の回転により紙管10aの上部に巻き付けられる。
【0093】
前記巻き付けられる不織布生地2製品の上部にはプレス14が備えられており、プレスの加圧部14bはプレス14の上側に設けられたエアシリンダー16の作動により上下部に移動し、紙管棒10を加圧することで、製品の大きさを調節できるようになる。
【0094】
一方、前記方式と別に、前記プレスの加圧部14bは不織布生地ロール製品20´の外側面を加圧することもでき、この場合はロールシャフト、シャフト固定台等の追って必要な部品の設置に伴う費用が増大することになる。
【0095】
従って、前記プレス14を利用した加圧で紙管10aに巻き付けられる不織布生地ロール製品20´の外側面を加圧して製品の大きさを調節することができるようになる。これと共に、紙管10aに巻き付けられる生地ロール製品20´の外径が一定であって、外観が綺麗な状態で巻き付け作業を行えるようになる。
【0096】
併せて、本発明はサーボモーター17とエンコーダー19等の部品を用いた最新の作動メカニズムにより不織布生地2上に形成される切取線24の間隔をより精密に制御することができ、さらに紙管10aに巻き付けられる不織布生地ロール製品20´において、プレス14の作動で外径の大きさを精緻に調整することができるので、多様な製品に適用可能になる。
【0097】
以上で説明した本発明に係る不織布加工装置は、前記で記載された実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び範囲を外れない限り多様に修正及び変更できることは当業者に明らかであると言えるので、そのような変形例または修正例等は本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1a】本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立構造を示した図である。
【図1b】本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立構造を示した図である。
【図1c】本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立構造を示した図である。
【図2a】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2b】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2c】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2d】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2e】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図2f】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図2g】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図2h】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図3a】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図3b】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図3c】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図3d】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図4a】本発明に係る不織布生地のスリッティング部の構造を示した図である。
【図4b】本発明に係る不織布生地のスリッティング部の構造を示した図である。
【図4c】本発明に係る不織布生地のスリッティング部の構造を示した図である。
【図5】図4に示したスリッティングローラーによりスリッティングが行なわれた2つの不織布生地ロール製品が形成された状態を示した図である。
【図6】本発明に係る紙管棒加圧用のプレス構造を示した図である。
【図7a】本発明に係る不織布加工装置の側面部に取り付けられた動力伝達装置の構成を概略的に示した図である。
【図7b】本発明に係る不織布加工装置の側面部に取り付けられた動力伝達装置の構成を概略的に示した図である。
【符号の説明】
【0099】
1 アンワインダー
2 不織布生地
3 不織布生地ガイド部
4 折畳部
5、16 エアシリンダー
6、7 切取線加工部
8 スリッティング加工部
9 ベッドロール
10 ワインダー(紙管棒)
12 主動力モーター
14 プレス
16 プレス用エアシリンダー
17 サーボモーター
18 タイミングベルト
19 エンコーダー
20 不織布生地ロール
20´ 不織布生地ロール製品
21 アンワインドベルト
23 加圧部材
24 切取線
26 スリッティング線
27 第1の回転ローター
28 第2の回転ローター
29 中間動力伝達ベルト
【技術分野】
【0001】
本発明は不織布加工装置及び方法に関し、特に不織布生地の両側縁を内側に折り畳むことで生地が重畳されるようにし、折畳み状態下で幅方向の切取線を一定の間隔に形成すると共に、不織布生地の中央部位を長手方向に沿って選択的に切断(スリッティング)することにより、所望の一定の大きさをもった不織布生地ロール製品を、より容易に製造することができる不織布加工装置及び加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロール形態に巻き付けられた形態の不織布生地ロール上に点線状の切取線を形成するに際し、従来は切取線加工部機械の回転軸の直径に沿って点線の長さが定められており、従って、点線の長さの調節は軸径の異なる回転軸を取り替えるか、ギアを取り替えなければならないという不具合を伴う。
【0003】
さらに、ギア比の限界により不織布生地上に形成された横方向の切取線間の精緻な長さの調節が難しいため、多様な大きさの不織布製品の製造が困難であり、加工工程中には切取線の間隔調整等がなされずより精密な製造が困難であるといった問題点がある。
【0004】
併せて、単に一重の不織布生地を用いてこれを切り取ることになるので、より広い幅を有する不織布生地の加工が困難であるという問題点もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の従来の問題点を解決するため案出されたものであり、本発明は不織布生地の両側縁の一定の幅を両側から内側へ折り畳んで重畳させ、折り畳まれた状態で切取線を形成し、多様な大きさの不織布を形成することにより使用上の利便性を高めることができる不織布加工装置を提供することに目的がある。
【0006】
さらに、本発明は前記の従来の問題点を解決するため一次切取線が形成された状態の不織布生地をその中央部を長手方向に沿ってスリッティングし、2つの分離された不織布製品を製造できるようにした不織布加工装置を提供することに目的がある。
【0007】
併せて、本発明は前記の従来の問題点を解決するため切取線の形成と、選択的なスリッティング作業により多様な大きさの切取線が形成された不織布を製造する不織布加工方法、及び前記不織布加工方法により製造された不織布を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る不織布加工装置は、不織布生地上に長手方向に沿って一定の間隔で幅方向の切取線を形成する不織布加工装置であって、以下に示す構成要素を備えたことを特徴とする。
【0009】
・不織布生地が巻き付けられた生地ロールの底部面に一定の圧力が印加される状態下で接触し、回転により生地をほぐして移送するためのアンワインドベルト。
・前記アンワインドベルトの回転速度を制御して、移送される不織布生地の張力の大きさを調節する動力伝達部。
・ほぐれた不織布生地の移送を案内し不織布生地のほぐれる量を一定に補正する不織布生地ガイド部。
・前記移送される不織布生地の全体幅中で両側の側縁寄りの一定幅を中央部側に折り畳んで全体の不織布生地の幅を調整する折畳部。
・前記折り畳まれた状態の不織布生地上に幅方向に一定の間隔の切取線を形成する切取線加工部。
・前記切取線が入った不織布生地製品を一定の直径のロールに巻くワインディング部。
【0010】
本発明に係る前記動力伝達部は、不織布生地が巻き付けられた生地ロールの内側中心部に取り付けられたアンワインダーと、前記生地ロールの下に位置し、前記アンワインドベルトを上下方向に移動させて不織布生地ロールに一定の圧力を加える加圧部材と、前記アンワインダーの回転軸と前記アンワインドベルトに回転力を付与する動力伝達手段を含む構成とされる。
【0011】
前記動力伝達手段としては主動力モーターから動力を伝達され、前記アンワインドベルトに連結されてアンワインドベルトの回転速度を制御する第1の回転ローターと、主動力モーターに連結されて主動力を前記第1の回転ローターに伝達し、前記第1の回転ローターと中間の動力伝達ベルトに連結されている第2の回転ローターとを含むことが好ましい。
【0012】
前記第1及び第2の回転ローターはコーン(Cone)型の円錐台状をした構造に形成され、直径の小さい側または直径の大きい側への前記中間の動力伝達ベルトの移動によりアンワインドベルトの回転速度が調節されるように構成することが好ましい。
【0013】
本発明に係る前記回転ローターの側方には位置調節レバーを設け、コーン型の前記構造を有する前記回転ローター上で前記中間の動力伝達ベルトが移動して位置調整が行なわれるようにする。
【0014】
本発明に係る前記不織布生地のガイド部は、不織布生地の移送を案内し張力を調節してほぐれを補正するフィードローラーと、上部及び下部での生地の移送をガイドする多数のガイドローラーを含む構成とされる。
【0015】
さらに、本発明に係る前記折畳部は、不織布生地が内部に挿入され移送方向に沿って進みながら、折畳板により不織布生地の両側縁の一定の幅(W3)が不織布の中央部側に折り畳まれるように構成する。
【0016】
併せて、本発明に係る前記折畳部は、上側端が不織布生地の幅よりさらに大きく形成され、下部へ行くほどその幅が狭くなるように形成された折畳板と、前記折畳板を通過して折り畳まれた状態の不織布生地が安着される折畳上板と、前記折畳板全体を左右方向に移動させる第1の調節ネジと、不織布生地の折り畳まれる左右幅を調節する第2の調節ネジと、前記折畳上板間の間隔を調節する間隔調節ネジとで構成されることが好ましい。
【0017】
さらに、前記折畳板は、折畳板調節ネジにより、不織布生地の左右対称性についての可否、及び折畳み後の不織布生地の中央部にセッティングがなされた否かについて位置調節を行えるように構成する。
【0018】
さらに、本発明に係る前記切取線加工部は、上刃が挿入されている上部切取組立体と、不織布生地が上部に安着され下刃が取り付けられた下刃回転軸を含み、前記下刃は下刃回転軸上で斜めに取り付けられ、切取線の形成時に上刃と下刃の合致(刃合い)が鋏みのように漸進的になされるようにするのが好ましい。
【0019】
さらに、前記不織布生地の長手方向に沿った切取線間の間隔調整を、モニター上で入力する方式により行えるように構成すことで、作業者の操作上便利になる。このとき、前記切取線間の間隔調整は0.1mm〜1.0mm単位で行えるようにすることが好ましい。
【0020】
前記切取線の間隔調整は、サーボモーターとエンコーダーを用いて下刃回転軸の位置移動と回転速度を制御することにより行なわれるようにするのが好ましい。
【0021】
さらに、本発明に係る不織布加工方法は、不織布生地上に幅方向の切取線を形成する不織布生地の加工方法であり、以下に示す段階を有する。
【0022】
・不織布生地が巻き付けられた生地ロールを下部の加圧部材から一定の圧力で不織布生地ロールの外側を支持しながらアンワインドベルトを回転させて生地がほぐれて移送されるようにする段階。
・移送される不織布生地が折畳部を経ることで両側縁の一定の幅(W3)が内側に折り畳まれ不織布生地の全体幅が狭くなるように調整する段階。
・前記折り畳まれた状態の不織布生地が切取線加工部を経ることで幅方向の切取線を形成する段階。
・前記切取線が形成された不織布生地を、ベッドロールにより紙管棒に取り付けられた紙管に巻き付ける段階。
【0023】
本発明に係る前記不織布生地上に切取線が形成された段階の後、折り畳まれた状態の不織布生地の中央部をスリッティングしてスリッティング線が形成された2つの不織布生地ロール製品を形成する段階を選択的にさらに含めることができる。
【0024】
前記不織布生地が巻き付けられた生地ロールから生地がほぐれて移送される過程で、フィードローラーを利用して移送される不織布生地の移送をガイドし、主動力を伝達して一定の速度で回転させることにより、生地のほぐれる量を一定に補正して、移送される不織布生地の張力を調節することが好ましい。
【0025】
さらに、前記不織布生地が最終段のベッドロールに巻き付けられる段階で、ベッドロールに安着されている紙管棒の両側へプレスによる加圧力を与え、切取線が形成された不織布生地ロール製品の全体直径を調整できるようにすることが好ましい。
【0026】
ロールに巻き付けられた不織布生地の幅を「W1」とする場合に、折畳部を経て両側縁の一定の幅(W3)が中央に折り畳まれた後における不織布生地の全体幅が(W1)/2となり、不織布生地の両側縁から中央へと折り畳まれる生地の幅が(W1)/4になるようにする。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る不織布加工装置及び加工方法によれば、不織布生地の両側縁で一定の幅を中央部に折り畳んで重畳させ、折畳み状態の下で切取線を形成することにより、製造された不織布の幅について多様化を実現し、使用時に利便性を高めることができるという効果を奏する。
【0028】
併せて、本発明は切取線の加工時にモニター上で入力する方式により長手方向の切取線間の間隔調整を0.1mm〜1.0mm単位で自在に調節することができるので、製造工程上の効率が向上するという効果を奏する。
【0029】
さらに、本発明は不織布生地の移送速度の差に伴う点線の長さの偏差を無くすことができ、補償値を与えて一定の間隔の点線を維持し、動力伝達手段の1つとしてタイミングベルトを用いることにより切取線間の間隔の偏差をより減少させ、製品の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図を参照しながら本発明に係る不織布加工装置の好適な実施形態について詳しく説明する。
【0031】
図1a〜図1cは、本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立図であり、図1aは側面図で、図1bは平面図であり、図1cは正面図をそれぞれ示した図である。
【0032】
さらに、図2a〜図2fは本発明に係る不織布加工装置の主要構成部位を示した図である。図2gと図2hは、不織布生地の折畳みによる幅の変化状態を示した図である。
【0033】
図示されているように、本発明に係る不織布加工装置50は不織布生地2の両側縁を中央部側に一定の幅で折り畳んで重畳させ、折り畳まれた状態にて一定の長さの間隔で幅方向の切取線(図4aと図4bの24)を形成し多様な大きさの不織布を製造することができ、使用に便利であり、加工工程の容易さと高効率性を図る不織布加工装置である。
【0034】
即ち、本発明に係る不織布加工装置50は、不織布生地2が巻き付けられた生地ロール20の底部面に一定の圧力が印加される状態下で接触し、回転により生地2をほぐして移送するためのアンワインドベルト21と、前記アンワインドベルト21の回転速度を制御し移送される不織布生地2の張力の大きさを調節する動力伝達部と、ほぐれた不織布生地2の移送を案内し不織布生地2のほぐれる量を一定に補正する不織布生地ガイド部3と、前記移送される不織布生地2の全体幅のうち両側の側縁寄りの一定幅を中央部側に折り畳み全体不織布生地2の幅を調整する折畳部4と、前記折り畳まれた状態の不織布生地2上に幅方向に一定の間隔の切取線24を形成する切取線加工部と、前記切取線24が入った一定の直径の不織布生地ロール製品20´に巻くワインディング部を含む構成をもつ。
【0035】
このとき、本発明は必要に応じて、前記切取線が形成された不織布生地の中央部を長手方向に切断(スリッティング)して分割するスリッティング部8を選択的にさらに含むことができる。
【0036】
図2a〜図2dは、本発明に係る不織布加工装置50において、巻き付けられた状態の不織布生地2をほぐす送給器のアンワインダー(unwinder)1と、不織布生地2の移送のためのフィードローラー3cとガイドローラー3a、3bからなるローラー3、アンワインドベルト21、前記アンワインドベルト21に圧力を印加して作動させる加圧部材23、及び不織布生地2が巻き付けられた生地ロール20の設置状態を示した図である。
【0037】
さらに、図2e〜図2hは本発明に係る不織布加工装置において、設置板(折畳板)4aと折畳上板4bにより不織布生地2の折り畳まれる状態を示した図である。
【0038】
前記図を共に参照すれば、不織布生地2を移送させる動力伝達部は、図2a〜図2cに示されているように、不織布生地2が巻き付けられた生地ロール20の内側中心部に取り付けられたアンワインダー1と、前記不織布生地ロール20の下に位置し、前記アンワインドベルト21を上下方向に移動させて不織布生地ロール20に空圧により一定の圧力を加える加圧部材23と、前記アンワインダー1の回転軸と前記アンワインドベルト21に回転力を付与する動力伝達手段を含む構成からなる。
【0039】
前記アンワインダー1は前記アンワインドベルト21から動力を伝達され、内部にベアリング(図示省略)が取り付けられ前記アンワインドベルト21の回転時に空回転が行なわれることになる。
【0040】
前記動力伝達手段は主動力モーターから動力を伝達され、前記アンワインドベルト21に連結されてアンワインドベルト21の回転速度を制御する第1の回転ローター27と、主動力モーター12に連結されて主動力を前記第1の回転ローター27に伝達し、前記第1の回転ローター27と中間の動力伝達ベルト29に連結されている第2の回転ローター28とを含む構成からなる(図7aを参照)。前記第1の回転ローター27と第2の回転ローター28の構成及び作動に対しては後で再度説明する。
【0041】
前記不織布生地ロール20から一重ずつほぐれて移動される不織布生地2を所望の移送方向に沿って移動されるよう案内するガイド部3は、上部と下部にそれぞれ位置するガイドローラー3a、3bと、前記ガイドローラー3a、3bを介して移送される不織布生地のほぐれる量が一定になるよう補正するフィードローラー3cからなる(図2aと図2dを参照)。
【0042】
本発明に係る折畳部4は、その内側に不織布生地2が挿入されていくに伴い、不織布生地2の全体幅(W1)のうち両側の側縁寄りの一定の幅(W3)が中央部側に折られて重畳されるようにする部分であり、折畳部の上側端は最初の不織布生地2の幅であるW1以上の大きさに形成され、下部へ行くほどその幅が狭くなるように形成された折畳板4aと、前記折畳板4aを通過して折り畳まれた状態の不織布生地2が安着される折畳上板4bと、前記折畳板4aと折畳上板4b全体を左右方向に移動させる第1の調節ネジ4dと、不織布生地2の折り畳まれる左右幅を自在に調節する第2の調節ネジ4cと、折畳上板4bとの間の間隔(幅)を調節する間隔調節ネジ4eとを含む構成からなる。
【0043】
従って、本発明では前記第1の調節ネジ4d及び第2の調節ネジ4cを利用して不織布生地2の加工工程が進められる最中でも不織布生地2の両側縁の折り幅を自在に調整することができ、調整作業を速やかに行えるので、作業に伴う不良率を低減できるようになる(図2e〜図2hを参照)。
【0044】
さらに、フィードローラー3cに巻き付けられた不織布生地2は元来の幅W1が維持され、折畳板4aを通過して折畳上板4bを経由する折り畳まれた状態の不織布生地2の幅はW2に縮小されることになる。例えば、前記不織布生地2の幅W1が48cmであれば、折り畳まれた状態の不織布生地2の幅W2は24cmとなる。併せて、不織布生地の両側縁における折り畳まれた幅W3は12cmとなる。前記幅W1とW2、及びW3は不織布の種類及び用途に従い数値が幾らでも異なり得る(図2gと図2hを参照)。
【0045】
図3a〜図3dは、本発明に係る切取線加工部6、7の構成を示す図である。
【0046】
図示されているように、本発明に係る切取線加工部6、7は前記折畳部4を通過して折り畳まれた状態の不織布生地2上に幅方向に点線形態の切取線24を形成する部位である。
【0047】
前記切取線加工部6、7は上部刃(以下、「上刃」という)と下部刃(以下、「下刃」という)を含む構成からなり、前記上刃6bは上部切取組立体6a内に取り付けられており、下刃7bは下部回転軸7a上にそれぞれ取り付けられている。
【0048】
前記上刃6bは、上部切取組立体6aに脱着可能な形態で結紮され、エアシリンダーの作用により上部切取組立体6から上下に移動することになり、切取線加工の切取りと解除を選択的に行なうことができる。
【0049】
下刃7bは下部の回転軸7a内に取り付けられており、取り付けられた状態で下刃7bは回転軸7aの中心軸に対し一定の角度をもって傾斜して結紮されている。従って、上刃6bと下刃7bが互いに交差し不織布を切断する動作は、恰も鋏みのように、切断される部位が一度に行なわれず、一の側から側方向に移動する形態で切取線24の形成がなされることになる。
【0050】
従って、点線形態の切取線24を形成する上刃6bの刃の深さと刃の長さに亘って一定の間隔で形成された上刃溝6cにより切取線24が形成された不織布製品の切取強度が決められる。
【0051】
即ち、前記上刃6bは図3bに示されているように、刃が形成された下端部に一定の間隔の溝6cが形成され不織布生地2の切断時に点線形態の切取線24を形成することになる。これに伴い、前記上刃溝6cの間隔(d)が長い場合には不織布生地2上に切断される部位が増えて不織布生地2の強度が低下し、前記上刃溝6cの間隔(d)が狭くなると不織布生地2上の切断される部位が縮小することになるので、不織布生地2の強度が増加することになる。
【0052】
前記上刃底部に形成された溝6cの間隔(d)は上刃6bの種類に従い固定され、切取線の溝6cの間隔(d)を調整しようとするときは上刃6b自体を取り替えなければならない。さらに、上刃に形成された溝6cの深さによっても不織布生地2の強度が決定付けられ、上刃の溝6cの深さは上刃組立体6aに締結されたボルトを調節し、上刃6bと下刃7bが噛み合う程度を調節して溝の深さを決定し、これをもって不織布生地2の強度を調節することになる。
【0053】
次に、前記上刃組立体6の上刃結紮部6aは内部空間に上刃を結紮させるためのボルト等の結紮手段が自ら備えられ、このとき、上刃6bは上刃結紮部6aの下端に一定の長さで突出して出るようにし、エアシリンダー5の作動により上刃組立体6の全体が上下に往復移動し切取線24の加工の有無を選択することになる。
【0054】
図3cと図3dは、本発明に係る下刃組立体7の構成を示した図である。図示されているように、下刃組立体7は前記上刃組立体6の下部に位置し、前記上刃組立体6と対応して下刃組立体7の上部を経由する不織布生地2上に切取線24を形成することになる。
【0055】
本発明に係る下刃組立体7は回転軸に形成された下刃結紮部7aと、前記下刃結紮部7aに結紮される下刃7bで構成され、このとき前記下刃7bは前記下刃結紮部7a上に斜めに結紮される。即ち、図3dに示されているように、回転軸となる下刃結紮部7aの軸方向に沿って一直線形態に結紮されず、一定の角度で傾斜した形態に結紮される。従って、前記で説明したように、上刃6bと下刃7bは恰も鋏みの作動のように2つの刃が一度に交差されず漸進的に交差して作動する。
【0056】
一方、上刃組立体6にはエアシリンダーが取り付けられており、上刃組立体6を上方向に持ち上げれば切取線加工を行わない状態になるので、前記エアシリンダーの操作により不織布生地2上で切取線の加工有無を選択的に行なうことができる。
【0057】
図4a〜図4cは、本発明に係る不織布生地2のスリッティング部の構造を示した図である。
【0058】
本発明に係るスリッティング部8は、不織布生地2の中央部位を長手方向に沿って切断する刃が形成されたスリッティングローラー8aと、前記スリッティングローラー8aを上端に結紮させるスリッティングローラー結紮具8bからなり、前記スリッティングローラー結紮具8bは横方向に設けられたローラー据置台81に結紮される。
【0059】
従って、不織布生地2の中央を切断するスリッティング作業は前記スリッティング部8を脱紮させることにより選択的に行なわれる。
【0060】
例えば、スリッティングローラー8aによる作業が行われると2つの製品が生産され、スリッティングローラー8a作業が行われないと、この2つの製品に比べて幅が2倍大きい1つの不織布ロール製品が形成される。
【0061】
図5は、前記図4に示したスリッティングローラー8aによりスリッティングが行なわれた2つの不織布生地ロール製品20´が形成された状態を示した図である。図6は、本発明に係る紙管棒加圧用プレス14の構造を示した図である。
【0062】
前記図2を共に参照すれば、スリッティングされた不織布生地2は回転軸の紙管棒10に取り付けられた紙管10aに巻き付けられ、工程の進行に伴い前記紙管10aに巻き付けられる不織布生地2は設定された長さになるまで進められる。
【0063】
このとき、前記移送される不織布生地2の底部に位置するベッドロール9は不織布生地2の移送状態に合わせて速度を調節することにより不織布生地2の張力を調節することができる。
【0064】
さらに、本発明に係る前記紙管棒10は両端にベアリング(図示省略)が挿入されており、プレス14が押えても紙管棒10が回転しながら切取線24が形成された不織布生地2を巻き付けることになる。
【0065】
併せて、不織布生地2が直接的に巻き付けられる紙管10aはスリッティング作業が行われる場合、図示されているように、2つの不織布生地ロール製品20´が形成されて出るので2つがセッティングされ、不織布生地2の中央スリッティング作業が行われない場合は、1つの紙管10aのみをセッティングすればよい。
【0066】
図示のように、本発明に係る紙管10aに巻き付けられる不織布生地2には上部に設けられたプレス14により加圧されることにより、加工された不織布生地ロール製品20´に一定の圧力が印加されることによって不織布生地ロール製品20´の直径の大きさを調節する。
【0067】
即ち、上部のエアシリンダー16の圧力を調節してプレス14の加圧部14bが加圧力の強度を決定し、その力は紙管棒10が回転しながら不織布生地2を巻くとき一定の圧力を加えて不織布生地ロール製品20´の大きさを決定する。
【0068】
例えば、プレス14の上部に位置したエアシリンダー16の圧力を高く設定すれば、加圧力が増加し不織布生地2が巻き付けられる不織布生地ロール製品20´に大きい力が伝えられ全体の直径が縮小することになる。
【0069】
前記プレス14は、上側のエアシリンダー16に連結された加圧棒14aと、前記加圧棒14aの端部に連結され一定の圧力を紙管棒10に印加する加圧部14bと、前記加圧部14bの両側端と接触し加圧棒14aの上下移動時に案内するガイド部14cを含む構成からなる。
【0070】
一方、前記のように紙管10aに巻き付けられる不織布生地ロール製品20´の直径の大きさを、プレス14を利用して調節する理由は次の通りである。
【0071】
本発明に係る不織布生地2を用いて製造された製品の1つである不織布タオルの場合、不織布タオルは自動お絞り製造機に取り付けられ即座にお絞りを製造するとき用いられる。
【0072】
自動お絞り製造機で不織布タオルが取り付けられる空間は製造会社別に差がある。例えば、タオルの全体の長さを40mに仮定すれば、この構造のタオルが取り付けられる自動お絞り製造機がある反面、取付けが不可能な自動お絞り製造機もあることになる。このような場合に鑑み、本発明では不織布生地ロール製品20´の直径に関して、プレス14機を利用して消費者が望む直径に調節できるようにする。
【0073】
併せて、不織布生地2の使用目的、例えば産業用とするか家庭用とするか等の目的に応じて生地の厚さにおいて差があり、さらに同じ目的であっても同一の不織布生地2における厚さの偏差があるので、最終の不織布生地ロール製品20´の直径を望む許容範囲内で生産するのが困難であるので、前記プレス14で加圧することにより製品の直径の調節が必要になる。
【0074】
図7aと図7bは本発明に係る不織布加工装置の側面部に取り付けられた動力伝達手段の構成を概略的に示した図である。図7bは前記図7aのA部の拡大図である。
【0075】
図示されているように、動力伝達手段を形成する2つの回転ローター27、28が本発明に係る加工装置50の側面に備えられている。
【0076】
図示された図面で、第1の回転ローター27は主動力モーター(図1aの符号12参照)から動力を伝えられた第2の回転ローター28から動力を伝えられ、前記アンワインドベルト21に連結されアンワインドベルト21の回転速度を制御する役割を果たす。
【0077】
併せて、前記第1の回転ローター27と第2の回転ローター28との間には中間の動力伝達ベルト29に連結されており、相互回転力が伝えられる構成になっている。
【0078】
特に、前記第1の回転ローター27と前記第2の回転ローター28はその形状がコーン(Cone)型の円錐台状をした構造で形成され、直径の小さい側または直径の大きい側への前記中間動力伝達ベルト29の移動によりアンワインドベルト21の回転速度が調節される。
【0079】
さらに、前記回転ローター27、28の側方向には位置調節レバー30が設けられており、コーン型の前記構造を有する回転ローター27、28上で前記中間動力伝達ベルト29が移動し位置調整が行なわれ得る。
【0080】
一方、図7aと図7bに示されているように、駆動源により動力を各回転軸に伝える動力伝達手段として本発明では図示されているようなタイミングベルト18を用い、サーボモーター17の作動で下刃回転軸7aの回転速度を調節し不織布生地2上に形成される切取線24間の間隔を調節することになる。
【0081】
図示された前記サーボモーター17とエンコーダー19の使用により切取線24間の間隔を調節するだけでなく、速度に従い切取線24間の間隔誤差を最小化させることができる。
【0082】
参考に、前記不織布生地2上に形成される切取線24の間隔調節のため本発明の各構成部品の作動原理について説明する。
【0083】
不織布生地2の移送速度を線速度に定義すれば、前記線速度は主動力部の移送速度になる。さらに、前記線速度を基準に比較し不織布生地2の移送時に下刃回転軸7aの回転速度を面速度として定義する。
【0084】
本発明の図7aと図7bに示されているエンコーダー19とサーボモーター17装置において、エンコーダー19は線速度を読み取り、面速度を決定する装置であり、サーボモーター17は前記エンコーダー19から収集され命令された面速度データにより下刃回転軸7aを所定速度で回転させる装置である。
【0085】
従って、不織布生地2が移送される速度である線速度を本発明に係る不織布加工装置50に取り付けられたエンコーダー19(図7aと図7bを参照)が読み取り、不織布生地2の移送速度を基準に比較しモニター上に設定された切取線間隔(生地の長手方向の間隔)を加工するため下刃回転軸7aの回転速度(面速度)をエンコーダー19が決定することになると、決定された面速度データをエンコーダー19はサーボモーター17に命令することになり、この命令値によりサーボモーター17は面速度を実現することになる。
【0086】
即ち、線速度に比べ面速度を制御することにより線速度の緩急に拘らず常に一定の間隔を維持することができ、切取線間の間隔を0.1mm〜1.0mm単位で精密に制御することができる。
【0087】
前記のような構成を有する本発明に係る不織布加工装置における動作及び作用について説明する。
【0088】
先ず、不織布生地2を巻き付けている生地ロール20の外側面をアンワインドベルト21が加圧部材23の作動による空圧で一定の圧力を印加しながら回転することにより不織布生地2をほぐす。このとき、加工する不織布生地2をフィードローラー3により生地のほぐれる量が一定になるよう補正する(前記フィードローラー3は主駆動部とベルトで連結されており、主駆動部の回転速度と同じ速度で回転するため、生地のほぐれる量が一定に調整される)。
【0089】
不織布生地2は折畳板4aにより幅の調整が行なわれ、前記折畳板4aはネジ式になっているので装置の運転中にも両側それぞれの折られる幅の調整を自在に行なうことができるようになる。これにより、生地の折り畳まれる幅の調整が速やかに行われ、工程上の不良率を減少させることができるようになる。
【0090】
さらに、不織布生地の折畳板4a全体を左右側方向に移動することができるので、スリッティング工程が行なわれる場合、不織布生地2の中央を切断して使用するとき、両側の大きさを正確に生産することができる。
【0091】
即ち、折畳板4aで生地を両側に折って切取線加工部6、7を通過すれば、点線形態の切取線24の形成作業が行われ、切取線24が入った状態で移動する不織布生地2の中央部を本発明に係るスリッティングローラー8aを用いて不織布生地2の長手方向に沿ってその中央を切断する。この場合、刃が形成されたスリッティングローラー8aにより生地製品が2つに分けられ、前記スリッティングローラー8aは着脱することができる構造であるので、スリッティングローラー8aを構造物から分離させてスリッティング工程が省かれると、生産される生地製品はその幅が2倍に増加することになる。
【0092】
不織布生地2の最終加工段階で、紙管10aの上部に巻き付けられる不織布生地2製品は、その底部に位置するベッドロール9の回転速度の調節により、生地2が巻き付けられる張力の調節が可能であり、紙管棒10の回転により紙管10aの上部に巻き付けられる。
【0093】
前記巻き付けられる不織布生地2製品の上部にはプレス14が備えられており、プレスの加圧部14bはプレス14の上側に設けられたエアシリンダー16の作動により上下部に移動し、紙管棒10を加圧することで、製品の大きさを調節できるようになる。
【0094】
一方、前記方式と別に、前記プレスの加圧部14bは不織布生地ロール製品20´の外側面を加圧することもでき、この場合はロールシャフト、シャフト固定台等の追って必要な部品の設置に伴う費用が増大することになる。
【0095】
従って、前記プレス14を利用した加圧で紙管10aに巻き付けられる不織布生地ロール製品20´の外側面を加圧して製品の大きさを調節することができるようになる。これと共に、紙管10aに巻き付けられる生地ロール製品20´の外径が一定であって、外観が綺麗な状態で巻き付け作業を行えるようになる。
【0096】
併せて、本発明はサーボモーター17とエンコーダー19等の部品を用いた最新の作動メカニズムにより不織布生地2上に形成される切取線24の間隔をより精密に制御することができ、さらに紙管10aに巻き付けられる不織布生地ロール製品20´において、プレス14の作動で外径の大きさを精緻に調整することができるので、多様な製品に適用可能になる。
【0097】
以上で説明した本発明に係る不織布加工装置は、前記で記載された実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び範囲を外れない限り多様に修正及び変更できることは当業者に明らかであると言えるので、そのような変形例または修正例等は本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1a】本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立構造を示した図である。
【図1b】本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立構造を示した図である。
【図1c】本発明に係る不織布生地加工装置の全体組立構造を示した図である。
【図2a】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2b】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2c】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2d】本発明に係る不織布加工装置において、巻き付けられた状態の不織布生地をほぐして移送する関連部品の設置状態を示した図である。
【図2e】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図2f】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図2g】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図2h】本発明に係る不織布加工装置において、生地を折り畳む折畳部の構成と不織布生地が折り畳まれる状態を示した図である。
【図3a】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図3b】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図3c】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図3d】本発明に係る切取線加工部の構成を示した図である。
【図4a】本発明に係る不織布生地のスリッティング部の構造を示した図である。
【図4b】本発明に係る不織布生地のスリッティング部の構造を示した図である。
【図4c】本発明に係る不織布生地のスリッティング部の構造を示した図である。
【図5】図4に示したスリッティングローラーによりスリッティングが行なわれた2つの不織布生地ロール製品が形成された状態を示した図である。
【図6】本発明に係る紙管棒加圧用のプレス構造を示した図である。
【図7a】本発明に係る不織布加工装置の側面部に取り付けられた動力伝達装置の構成を概略的に示した図である。
【図7b】本発明に係る不織布加工装置の側面部に取り付けられた動力伝達装置の構成を概略的に示した図である。
【符号の説明】
【0099】
1 アンワインダー
2 不織布生地
3 不織布生地ガイド部
4 折畳部
5、16 エアシリンダー
6、7 切取線加工部
8 スリッティング加工部
9 ベッドロール
10 ワインダー(紙管棒)
12 主動力モーター
14 プレス
16 プレス用エアシリンダー
17 サーボモーター
18 タイミングベルト
19 エンコーダー
20 不織布生地ロール
20´ 不織布生地ロール製品
21 アンワインドベルト
23 加圧部材
24 切取線
26 スリッティング線
27 第1の回転ローター
28 第2の回転ローター
29 中間動力伝達ベルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布生地上に長手方向に沿って一定の間隔で幅方向の切取線を形成する不織布加工装置であって、
不織布生地が巻き付けられた生地ロールの底部面に一定の圧力が印加される状態下で接触し、回転により生地をほぐして移送するためのアンワインドベルトと、
前記アンワインドベルトの回転速度を制御して、移送される不織布生地の張力の大きさを調節する動力伝達部と、
ほぐれた不織布生地の移送を案内し不織布生地のほぐれる量を一定に補正する不織布生地ガイド部と、
前記移送される不織布生地の全体幅中で両側の側縁寄りの一定の幅を中央部側へ折り畳んで全体の不織布生地の幅を調整する折畳部と、
前記折り畳まれた状態の不織布生地上に幅方向に一定の間隔の切取線を形成する切取線加工部と、
前記切取線が入った不織布生地を一定の直径のロール製品に巻くワインディング部と、を含むことを特徴とする不織布加工装置。
【請求項2】
前記動力伝達部は、
不織布生地が巻き付けられた生地ロールの内側中心部に取り付けられたアンワインダーと、
前記生地ロールの下に位置し、前記アンワインドベルトを上下方向に移動させて不織布生地ロールに一定の圧力を加える加圧部材と、
前記アンワインダーの回転軸と前記アンワインドベルトに回転力を付与する動力伝達手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項3】
前記動力伝達手段は、
前記アンワインドベルトに連結されて該アンワインドベルトの回転速度を制御する第1の回転ローターと、
主動力モーターに連結されて主動力を前記第1の回転ローターに伝達し、前記第1の回転ローターと中間の動力伝達ベルトに連結されている第2の回転ローターと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の不織布加工装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の回転ローターは、コーン(Cone)型の円錐台状をした構造をもつように形成され、直径の小さい側または直径の大きい側への前記中間の動力伝達ベルトの移動により前記アンワインドベルトの回転速度が調節されることを特徴とする請求項3に記載の不織布加工装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の回転ローターの側方に位置調節レバーが設けられ、コーン型の前記構造を有する回転ローター上で前記中間の動力伝達ベルトの位置調整が行なえるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の不織布加工装置。
【請求項6】
前記不織布生地のガイド部は、
不織布生地の移送を案内し、張力を調節してほぐれを補正するフィードローラーと、
上部及び下部での生地の移送をガイドする多数のガイドローラーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項7】
前記折畳部は、不織布生地が内部に挿入され移送方向に沿って進みながら、折畳板により不織布生地の両側縁の一定の幅(W3)が不織布の中央部側へ折り畳まれるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項8】
前記折畳部は、
上側端が不織布生地の幅よりさらに大きく形成され、かつ下部へ行くほどその幅が狭くなるよう形成された折畳板と、
前記折畳板を通過して折り畳まれた状態の不織布生地が安着される折畳上板と、
前記折畳板全体を左右方向に移動させるための第1の調節ネジと、
前記不織布生地の折り畳まれる左右幅を調節する第2の調節ネジと、
前記折畳上板間の間隔を調節する間隔調節ネジと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の不織布加工装置。
【請求項9】
前記折畳板は、折畳板調節ネジにより、前記不織布生地の左右対称性についての可否、及び折畳み後の不織布生地の中央部にセッティングがなされたか否かについて位置調節可能とされたことを特徴とする請求項8に記載の不織布加工装置。
【請求項10】
前記切取線加工部は、上刃が挿入されている上部切取組立体と、不織布生地が上部に安着され下刃が取り付けられた下刃回転軸と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項11】
前記下刃は下刃回転軸上で斜めに取り付けられ、切取線の形成時に上刃と下刃の合致が鋏みのように漸進的になされるようにしたことを特徴とする請求項10に記載の不織布加工装置。
【請求項12】
前記不織布生地の長手方向に沿った切取線間の間隔を、モニター上で入力する方式により任意に調整できるようにしたことを特徴とする請求項11に記載の不織布加工装置。
【請求項13】
前記切取線間の間隔調整が0.1mm〜1.0mm単位で行なわれるようにしたことを特徴とする請求項12に記載の不織布加工装置。
【請求項14】
前記切取線の間隔調整は、サーボモーターとエンコーダーを用いて、下刃回転軸の位置移動と回転速度を制御することにより行なわれるようにしたことを特徴とする請求項12または13に記載の不織布加工装置。
【請求項15】
不織布生地上に幅方向の切取線を形成する不織布生地の加工方法であって、
不織布生地が巻き付けられた生地ロールを下部の加圧部材から一定の圧力で不織布生地ロールの外側を支持しながらアンワインドベルトを回転させ生地がほぐれて移送されるようにする段階と、
移送される不織布生地が折畳部を経ることで両側縁の一定の幅が内側へ折り畳まれ、不織布生地の全体幅が狭くなるように調整する段階と、
前記折り畳まれた状態の不織布生地が切取線加工部を経ることで幅方向の切取線を形成する段階と、
前記切取線が形成された不織布生地を、ベッドロールにより紙管棒に取り付けられた紙管に巻き付ける段階と、を含むことを特徴とする不織布加工方法。
【請求項16】
前記不織布生地上に切取線が形成された段階の後、折り畳まれた状態の不織布生地の中央部をスリッティングして2つの不織布生地ロール製品を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の不織布加工方法。
【請求項17】
前記不織布生地が巻き付けられた生地ロールから生地がほぐれて移送される過程で、フィードローラーを利用して移送される不織布生地の移動をガイドし、主動力を伝達して一定の速度で回転させることにより、生地のほぐれる量を一定に補正して、移送される不織布生地の張力を調節することを特徴とする請求項15に記載の不織布生地加工方法。
【請求項18】
前記不織布生地が最終段のベッドロールに巻き込まれる段階で、ベッドロールに安着されている紙管棒の両側へプレスによる加圧力を与え、切取線が形成された不織布生地ロール製品の全体直径を調整できるようにしたことを特徴とする請求項15に記載の不織布生地加工方法。
【請求項19】
ロールに巻き付けられた不織布生地の幅を「W1」とする場合に、折畳部を経て両側縁の一定の幅が中央に折り畳まれた後における不織布生地の全体幅が(W1)/2となり、不織布生地の両側縁から中央へと折り畳まれる生地の幅が(W1)/4であることを特徴とする請求項15に記載の不織布加工方法。
【請求項20】
前記切取線の間隔調整は、サーボモーターとエンコーダーを用いて下刃回転軸の位置移動と回転速度を制御することにより行なわれることを特徴とする請求項15に記載の不織布加工方法。
【請求項21】
前記切取線の間隔調整は、0.1mm〜1.0mm単位で行なわれることを特徴とする請求項20に記載の不織布加工方法。
【請求項22】
請求項15に記載の不織布加工方法により製造されたロール形態の不織布。
【請求項23】
請求項16に記載の不織布加工方法により製造されたロール形態の不織布。
【請求項1】
不織布生地上に長手方向に沿って一定の間隔で幅方向の切取線を形成する不織布加工装置であって、
不織布生地が巻き付けられた生地ロールの底部面に一定の圧力が印加される状態下で接触し、回転により生地をほぐして移送するためのアンワインドベルトと、
前記アンワインドベルトの回転速度を制御して、移送される不織布生地の張力の大きさを調節する動力伝達部と、
ほぐれた不織布生地の移送を案内し不織布生地のほぐれる量を一定に補正する不織布生地ガイド部と、
前記移送される不織布生地の全体幅中で両側の側縁寄りの一定の幅を中央部側へ折り畳んで全体の不織布生地の幅を調整する折畳部と、
前記折り畳まれた状態の不織布生地上に幅方向に一定の間隔の切取線を形成する切取線加工部と、
前記切取線が入った不織布生地を一定の直径のロール製品に巻くワインディング部と、を含むことを特徴とする不織布加工装置。
【請求項2】
前記動力伝達部は、
不織布生地が巻き付けられた生地ロールの内側中心部に取り付けられたアンワインダーと、
前記生地ロールの下に位置し、前記アンワインドベルトを上下方向に移動させて不織布生地ロールに一定の圧力を加える加圧部材と、
前記アンワインダーの回転軸と前記アンワインドベルトに回転力を付与する動力伝達手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項3】
前記動力伝達手段は、
前記アンワインドベルトに連結されて該アンワインドベルトの回転速度を制御する第1の回転ローターと、
主動力モーターに連結されて主動力を前記第1の回転ローターに伝達し、前記第1の回転ローターと中間の動力伝達ベルトに連結されている第2の回転ローターと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の不織布加工装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の回転ローターは、コーン(Cone)型の円錐台状をした構造をもつように形成され、直径の小さい側または直径の大きい側への前記中間の動力伝達ベルトの移動により前記アンワインドベルトの回転速度が調節されることを特徴とする請求項3に記載の不織布加工装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の回転ローターの側方に位置調節レバーが設けられ、コーン型の前記構造を有する回転ローター上で前記中間の動力伝達ベルトの位置調整が行なえるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の不織布加工装置。
【請求項6】
前記不織布生地のガイド部は、
不織布生地の移送を案内し、張力を調節してほぐれを補正するフィードローラーと、
上部及び下部での生地の移送をガイドする多数のガイドローラーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項7】
前記折畳部は、不織布生地が内部に挿入され移送方向に沿って進みながら、折畳板により不織布生地の両側縁の一定の幅(W3)が不織布の中央部側へ折り畳まれるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項8】
前記折畳部は、
上側端が不織布生地の幅よりさらに大きく形成され、かつ下部へ行くほどその幅が狭くなるよう形成された折畳板と、
前記折畳板を通過して折り畳まれた状態の不織布生地が安着される折畳上板と、
前記折畳板全体を左右方向に移動させるための第1の調節ネジと、
前記不織布生地の折り畳まれる左右幅を調節する第2の調節ネジと、
前記折畳上板間の間隔を調節する間隔調節ネジと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の不織布加工装置。
【請求項9】
前記折畳板は、折畳板調節ネジにより、前記不織布生地の左右対称性についての可否、及び折畳み後の不織布生地の中央部にセッティングがなされたか否かについて位置調節可能とされたことを特徴とする請求項8に記載の不織布加工装置。
【請求項10】
前記切取線加工部は、上刃が挿入されている上部切取組立体と、不織布生地が上部に安着され下刃が取り付けられた下刃回転軸と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布加工装置。
【請求項11】
前記下刃は下刃回転軸上で斜めに取り付けられ、切取線の形成時に上刃と下刃の合致が鋏みのように漸進的になされるようにしたことを特徴とする請求項10に記載の不織布加工装置。
【請求項12】
前記不織布生地の長手方向に沿った切取線間の間隔を、モニター上で入力する方式により任意に調整できるようにしたことを特徴とする請求項11に記載の不織布加工装置。
【請求項13】
前記切取線間の間隔調整が0.1mm〜1.0mm単位で行なわれるようにしたことを特徴とする請求項12に記載の不織布加工装置。
【請求項14】
前記切取線の間隔調整は、サーボモーターとエンコーダーを用いて、下刃回転軸の位置移動と回転速度を制御することにより行なわれるようにしたことを特徴とする請求項12または13に記載の不織布加工装置。
【請求項15】
不織布生地上に幅方向の切取線を形成する不織布生地の加工方法であって、
不織布生地が巻き付けられた生地ロールを下部の加圧部材から一定の圧力で不織布生地ロールの外側を支持しながらアンワインドベルトを回転させ生地がほぐれて移送されるようにする段階と、
移送される不織布生地が折畳部を経ることで両側縁の一定の幅が内側へ折り畳まれ、不織布生地の全体幅が狭くなるように調整する段階と、
前記折り畳まれた状態の不織布生地が切取線加工部を経ることで幅方向の切取線を形成する段階と、
前記切取線が形成された不織布生地を、ベッドロールにより紙管棒に取り付けられた紙管に巻き付ける段階と、を含むことを特徴とする不織布加工方法。
【請求項16】
前記不織布生地上に切取線が形成された段階の後、折り畳まれた状態の不織布生地の中央部をスリッティングして2つの不織布生地ロール製品を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の不織布加工方法。
【請求項17】
前記不織布生地が巻き付けられた生地ロールから生地がほぐれて移送される過程で、フィードローラーを利用して移送される不織布生地の移動をガイドし、主動力を伝達して一定の速度で回転させることにより、生地のほぐれる量を一定に補正して、移送される不織布生地の張力を調節することを特徴とする請求項15に記載の不織布生地加工方法。
【請求項18】
前記不織布生地が最終段のベッドロールに巻き込まれる段階で、ベッドロールに安着されている紙管棒の両側へプレスによる加圧力を与え、切取線が形成された不織布生地ロール製品の全体直径を調整できるようにしたことを特徴とする請求項15に記載の不織布生地加工方法。
【請求項19】
ロールに巻き付けられた不織布生地の幅を「W1」とする場合に、折畳部を経て両側縁の一定の幅が中央に折り畳まれた後における不織布生地の全体幅が(W1)/2となり、不織布生地の両側縁から中央へと折り畳まれる生地の幅が(W1)/4であることを特徴とする請求項15に記載の不織布加工方法。
【請求項20】
前記切取線の間隔調整は、サーボモーターとエンコーダーを用いて下刃回転軸の位置移動と回転速度を制御することにより行なわれることを特徴とする請求項15に記載の不織布加工方法。
【請求項21】
前記切取線の間隔調整は、0.1mm〜1.0mm単位で行なわれることを特徴とする請求項20に記載の不織布加工方法。
【請求項22】
請求項15に記載の不織布加工方法により製造されたロール形態の不織布。
【請求項23】
請求項16に記載の不織布加工方法により製造されたロール形態の不織布。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図2h】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図2h】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【公開番号】特開2009−102784(P2009−102784A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281744(P2007−281744)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(507358413)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(507358413)
【Fターム(参考)】
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