説明

不織布基体用の水性印刷インキ

不織布物品用の印刷インキとして使用することができる、水性ポリウレタン、水および着色剤を含む水性組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
開示は、不織布基体用の水性印刷インキに関する。
【0002】
背景
おむつ、トレーニング用アンダーパンツおよび一時的な水着をはじめとして、市場には様々な失禁用の使い捨ての子供および成人用のケア製品が存在する。これらの製品の多くは、不織布のポリエチレンまたは不織布のポリプロピレンフィルムを包含するが、これらには限定されない不織布の基体で構成される。単なる装飾のような外観、または湿分表示のような利用のために、これらの不織布基体上にグラフィックスを印刷することに対する市場内の要望がある。これらの基体は典型的にはこれらの製品のために、フレキソ印刷または輪転グラビア印刷で印刷される。しかし、印刷されたインキは低い色移り抵抗性を有し、衣類、カーペットおよび家具のような、不織布の基体と接触するすべての物を変色させる。不織布の基体は紙のように多孔性ではない。また、したがって、印刷されたインキは、容易に接触する基体/物体上に基体から移る。したがって、色移り抵抗特性を向上させた、不織布の基体上に印刷されたグラフィックスに対する要求がある。
【0003】
様々なインキはこの数年にわたって不織布の基体上に印刷するために使用されてきたが、基体のためその成功は制限されたものであった。不織布の基体は非多孔性である。また、したがって、印刷されたインキは、容易に接触された基体またはオブジェクト上に不織布の基体から移ることができる。従来の印刷されたインキは低い色移り抵抗を有していて、したがって衣類、カーペットおよび家具のような不織布の基体が接触するものをすべて変色させる傾向がある。
【0004】
米国特許5,458,590は、不織布上に印刷される、溶剤ベースのブロックウレタンインキを開示する。ブロックウレタンインキシステムは、ブロックウレタン樹脂、ビニル樹脂、ワックスおよびエポキシ化大豆油、並びにピグメントから構成され、使用される特定のブロックウレタンのため、人間の衣服との接触は許容されない。米国特許5,695,855は、不織布製品上で使用される接着性のインキを開示する。米国特許5,853,859は、2−13のpHの液体にさらされた時に色あせない性質を改善するために、硬化促進剤とラテックスポリマーおよびピグメントの組み合わせを記載する。国際公開WO 02/051644 Alは、不織布の基体上に使用するための、架橋されたコーティングと架橋されたインキを開示する。
【0005】
しかしながら、不織布の基体上に印刷するための先行技術は、特別の印刷法に依存することにより特徴づけられるか、または摩耗にさらされる用途での不織布基体上の印刷に必要とされる優れた色移り抵抗特性を示さない。不織布の基体は、それらが過度の摩擦および摩耗にさらされる、おむつ、トレーニング用アンダーパンツおよび一時的な水着をはじめとする、市場における様々な失禁用の使い捨てのパーソナルケア製品に典型的に使用される。単なる装飾のような外観、または湿分表示のような機能的な利用のために、印刷されたグラフィックスが優れた色移り抵抗特性を有するように、不織布基体上に印刷することに対する市場内の要望がある。さらに、先行技術技術のどれもが、不織布基体に印刷するための水性インキ技術を使用していない。溶剤ベースの印刷インキは多量の揮発性有機化合物(VOC)を含んでいる。それは、それらの使用を、大気にVOCを放出することが許されている印刷業者か、または溶剤焼却装置を設置している印刷業者に制限する。多くの印刷業者については、これらの制限は、水性の印刷インキを使用することを要求する。
【0006】
これらのニーズおよび他の多くのものが、水性ポリウレタン樹脂、水および着色剤で構成された不織布の基体上で使用される印刷インキによって満たされる。本発明の組成物の他の利点は以下の記載から明らかになる。
【0007】
詳細な説明
本明細書に記載された印刷インキが不織布の基体上に印刷される場合、それは優れた色移り抵抗特性、つまり少なくとも6の摩擦抵抗を示し維持する。印刷インキは、水のポリウレタン樹脂、水および着色剤で構成される。さらに、それは、最大約10%の量の相溶性の有機溶媒を含むことができる。水性のポリウレタン、すなわち水性のポリウレタン、ポリウレタン−尿素樹脂、および分散物は、不織布基体上で水性の印刷インキの中で使用された時、水性ポリウレタンおよび水性ポリウレタン−尿素を使用しないで配合された水性インキシステムと比較して、改善された抵抗特性を提供することが発見された。ポリウレタンは、約20重量%から約70重量%までの量で存在することができる。ポリウレタン樹脂が、約40重量%から約60重量%までの量で存在することが好ましい。
【0008】
水性のポリウレタン樹脂は、1つ以上のイソシアネート類、たとえば脂肪族ジイソシアネートおよび/または芳香族ジイソシアネートの混合物と、1つ以上の活性水素化合物、すなわちイソシアネート反応性化合物、好ましくはジオール類である、および任意に1つ以上のジアミン類とを反応させることにより得ることができる。本明細書で使用される「水性ポリウレタン」は、水溶性であるか又は水分散可能であり、水性のインキ組成物と相溶性を有するポリウレタンであり、すなわち、約20%またはそれ以下のVOCを含むシステムである。相溶性であるとは、混合直後または1時間程度以内に、組成物の残りの成分から着色剤が分離しないことをいう。
【0009】
用語「脂肪族ジイソシアネート」は、直鎖または分岐鎖の脂肪族鎖を含むジイソシアネート、並びに脂環式ジイソシアネートを含むものと理解される。好ましくは、ジイソシアネートは1から約10の炭素原子を有する。好ましいジイソシアネートの例としては、1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートヘキサン、l,5−ジイソシアネート−2,2−ジメチルペンタン、4−トリメチル−l,6−ジイソシアネートヘキサン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,3−および1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1−イソシアネート−5−イソシアネートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソフォロンジイソシアネート(IPDI))、2,3−、2,4−および2,6−ジイソシアネート−1−メチルシクロヘキサン、4,4’−および2,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、1−イソシアネート−3−(4)−イソシアネートメチル−1−メチルシクロヘキサン、4,4’−、および2,4’−ジイソシアネートジフェニルメタンおよびそれらの混合物、あるいは2,2,4−または2,4,4 トリメチルジイソシアネートヘキサン(TMDI)があげられる。
【0010】
用語「芳香族ジイソシアネート」は、芳香族ジイソシアネートと、脂肪族部分をも含むシクロ芳香族ジイソシアネートの両方を含むものとして理解される。好ましくは、ジイソシアネートは1から約10の炭素原子を有する。好ましいジイソシアネートの例は、1,1’−メチレンビス [4−イソシアネート−ベンゼン(MDI)、1、6−ジイソシアネート−ヘキサン(HDI)、および1,3−ジイソシアネートメチル−ベンゼン(TDI)である。
【0011】
本発明のポリウレタン樹脂を形成するために使用されるジオールは、構造式R(OH)(式中、Rは直鎖または分岐鎖炭化水素基である)によって一般に定義される。好ましいジオールの例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PoIy−THF)、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコール、並びにそれらの混合物があげられる。本発明によれば、DMPAおよびPoIy−THFの使用は特に好ましい。利用されることができる他のジオール成分としては、ポリエステルジオールおよびポリカプロラクトンジオールがあげられる。
【0012】
任意に、少なくとも1つのモノアミンまたはジアミンが、さらなるイソシアネート反応成分として使用できる。モノアミンまたはジアミンは、1つ以上の1級または2級のアミノ基を有する任意の脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環のアミンであることができる。例としては、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(イソフォロンジアミン)、m−キシリレンジアミン、ヒドラジンまたは1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンがあげられる。
【0013】
水性のポリウレタンおよび/またはポリウレタン−尿素は、液体物質として提供され、水、水酸化アンモニウムまたはトリエチルアミンのようなアルカリ性物質、および任意に加工溶剤、たとえば、しかしこれに制限されるものではないが、ジメチルホルムアミド(DMF)を含むことができる。
【0014】
所望の場合、他の相溶性の樹脂が、それらの存在自体が、またはそれらの存在量が色移り抵抗性に悪影響を与えない限りにおいてさらに存在できる。たとえば、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂およびエマルション、ポリエステル、スチレン―無水マレイン酸樹脂およびハーフエステル、および他の水相溶性ポリマーを使用できる。ただしアクリル樹脂は、通常濃度に依存して色移り抵抗性に悪影響を与える傾向がある。他の樹脂は、一般に、存在する場合には、一般に約15重量%以下、好ましくは約1重量%から約10重量%までの量で存在する。
【0015】
水に加えて、1つまたは複数のアルコール溶剤がさらに存在できる。そのようなアルコール溶剤としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリコールエーテル、l−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコール、n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール、n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジアセトンアルコール、メチルアミルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等およびそれらの組み合わせがあげられるが、これらに制限されるものではない。存在する場合、アルコール溶剤はプロパノール、より好ましくはエタノールである。アルコール溶剤は約0重量%から約10重量%までの量であることができる。アルコール溶剤が、約0重量%から約5重量%まで、より好ましくは約0重量%から約2重量%の量で存在することが好ましい。
【0016】
好適な着色剤としては、染料、有機または無機顔料があげられるが、これらに制限されるものではない。染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料など、およびそれの組み合わせがあげられるが、これらに制限されるものではない。有機顔料は1つのピグメントまたはピグメントの組み合わせであることができ、例えばピグメントイエロー、ナンバー12、13、14、17、74、83;ピグメントレッド ナンバー2、22、23、48:1、48:2、52、53、57:1、122、166、170、266;ピグメントオレンジ ナンバー5、16、34、36;ピグメントブルー ナンバー、15、15:3、15:4;ピグメントバイオレット ナンバー3、23、27;および/またはピグメントグリーン ナンバー7であることができる。無機顔料は次の非制限的ピグメントのうちの1つであることができる:酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロム、鉄アンモニウムフェロシアニド、酸化第二鉄ブラック、ピグメントブラック ナンバー7および/またはピグメントホワイト ナンバー6および7。他の有機・無機顔料および染料も、所望の色を達成する組み合わせと同様に使用できる。着色剤は、通常約0.1重量%から約40重量%までの量で存在する。着色剤が、約0.1重量%から約20重量%までの量で存在することが好ましい。これらは異なる分散剤を使用する分散物としてテストインキに組み入れられることができる。
【0017】
印刷インキはさらにワックスを含むことができる。ワックスとしては、アミドワックス、エルカミドワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、テフロン、カルナバワックスおよび類似物があげられるが、これらに制限されるものではない。ワックスは前記のワックスの組み合わせであることができる。ワックスはアミドとエルカミドワックスのブレンドであることが好ましい。ワックスは存在する場合、約4重量%以内の量である。ワックスが、約0重量%から約2重量%までの量であることが好ましい。
【0018】
多くの印刷インキのように、他の添加剤が単独でまたは組み合わせて使用できる。この添加剤としては、アンモニア、消泡剤、安定剤、シリコーン類、可塑剤とその他同種のものがあげられるが、これらに制限されるものではない。
【0019】
印刷インキの成分は、任意の順で混合されることができる。典型的には、ピグメント分散物は、樹脂と溶剤を含むインキビヒクルと組み合わされる。別の例では、ピグメントと界面活性剤および溶剤を組み合わせることによりピグメント分散物が形成され、次にこの分散物とポリウレタン樹脂と組み合わされる。
【0020】
不織布の基体上に印刷された時、水性の印刷インキは優れた色移り抵抗性を与える。不織布の基体としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンおよびその他同種のもの、並びにこれらの組み合わせのような基体で構成されることができる。不織布の基体は、ポリマー、コポリマー、天然繊維から構成されることができ、エアーレイド、ウェットレイド、溶液スパンファイバーウエブ等であることができ、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムの形であることができる。
【0021】
印刷されたインキを組込む物品の製造は、おむつ、躾トレーニング用パンツ、ふきん、女性用ナプキン、成人の失禁衣服などのパーソナルケア製品、並びに医療ガウン、診察着および関連商品、並びに仕事着、清掃着のような衣服などがあげられるが、これらに限定されない様々な製品に見い出すことができる。印刷インキは不織布基体上に、任意の確立している直接または間接の印刷方法で印刷されることができる。これらの方法としては、たとえばフレキソ印刷、輪転グラビア印刷、ジェット、リソグラフィーがあげられるが、これらに制限されるものではない。
【0022】
本発明の印刷インキは以下の非制限的な例により詳細に説明されるが、特記のない限り、すべての部およびパーセントは重量基準であり、すべての温度は摂氏度である。
【0023】
実施例1
不揮発分36%、酸価42の、脂肪族鎖で延長されたポリウレタン−尿素(サンケミカル社製、ニュージャージー州、パーシパニー)を40部、ピグメントブルー15:3の界面活性剤に基づいた分散物(サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナチ)を50部、9.8部の水、および0.2部の消泡剤(DC62、ダウコーニング社製、ミシガン州、ミッドランド)を組み合わせて印刷インキを調整した。
【0024】
実施例2
実施例1のインキおよび、他の樹脂および消泡剤、安定剤、可塑剤、チタン酸塩、シリコーンおよび/またはクレーを始めとする添加剤を含む公知のグラビア/フレキソ印刷インキを試験して、それらが耐色移り性を有するかどうかを評価した。組成物と格付けは、以下の表1に示される。実施例2Aから2Cは公知のインキ配合物であり、実施例1と同じポリウレタンを含んでいる。実施例2Dは現在不織布基体に使用されている公知のインキである。
【0025】
印刷インキは、色移り抵抗性について視覚的に観察された。色移り抵抗性は、ポリエチレン/ポリプロピレン不織布基体の複合物の上にインキを印刷して、視覚的に観察されて試験された。印刷された不織布基体は、サザーランド摩擦試験装置(KVPサザーランドペーパー社製、ミシガン州、カラマズー)にセットされ、白リネン布見本に対してこすられ、10人により、どれだけの色が印刷された不織布基体からリネンに移ったかを視覚的に評価した。その後、インキは1から10までにランク付けされた。10は最も高い評価で、白リネン布見本上に移った色が視覚的に見られないことを典型的には意味する。1は、白リネン布見本上への完全な色移りが見られた目視観測のランクを示す。10人のランク付けは平均され、最も近い整数に丸められた。丸める前に6以上のランクは、組成物が色移り抵抗性を有することを意味する。
【0026】
【表1】

【0027】
a SMA 17352H
サルトマー社製 ペンシルバニア州、エクストン
b TV94−5991
サンケミカル社製、ニュージャージー州、フォートリー
c R2764−133
サンケミカル社製、ニュージャージー州、フォートリー
d VR4015W
サンケミカル社製、英国、ロックデール
e B15:3/アクリル/界面活性剤
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
f B15:3/界面活性剤
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
g Profita Blue (B15:3/スチレン化アクリル分散物)
プロフィタ デベロップメント プロダクト社製、中国
h Nalco 2303
ナルコケミカル社製、イリノイ州、ネイパービル
i Dapro DF−975
エレメントスペシャリティ社製、ニュージャージー州、ハイストーン
j ソルビトール溶液
ユニバー社製、WA カークランド
k ASP 600
A.E.フレミング、ミシガン州、ワレン
l DC62
ダウコーニング社製
m Tego Foamex 3062
デグサ社製、英国 ゴールドシュミット
n VR4911W
サンケミカル社製、英国、ロックデール
o VR5382W
サンケミカル社製、英国、ロックデール
p Acticide MBS
トア ケミカルズ社製
【0028】
実施例3
実施例1で使用されたポリウレタンを含む追加のインキが調製され、異なる樹脂を含んでいる他のインキと比較された。インキはそれぞれ、実施例2のテスト方法に準じて、ポリエチレン/ポリプロピレン不織布基体複合物上に印刷され、色移転が視覚的に観察された。結果は以下の表2中に示される。
【0029】
【表2】

【0030】
a Jonwax26
ジョンソンポリマー社製、ウィスコンシン州、スチュアートバント
b RD10
コーツ社製、英国、ロックデール
c Joncryl
ジョンソンポリマー社製、ウィスコンシン州、スチュアートバント
d Casamid SP1914
e 12010BCH
f Arolon 01
g BHD−6000
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
h TPQ2074、
コーツ社製、英国、ロックデール
i YHD−6020
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ(界面活性剤)
j BGD−2015
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ(樹脂化)
k BAD−7560
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
l BPD−9777
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ(APE非含有)
m DC62
ダウコーニング社製、ミシガン州、ミッドランド
【0031】
実施例4
実施例1で使用されたポリウレタンを含む追加のインキが調製され、異なる着色剤分散物を含んでいる他のインキと比較された。 インキはそれぞれ、実施例2のテスト方法に準じて、ポリエチレン/ポリプロピレン不織布基体複合物上に印刷され、色移転が視覚的に観察された。 結果は以下の表3中に示される。
【0032】
【表3】

【0033】
a DC62
ダウコーニング社製、ミシガン州、ミッドランド
b Flexiverse III
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
c Aquasurf
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
d BWD−1164
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
e BHD−6015
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
f APE−Free
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
g BCD09749
サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ
h Decosperse EP
デコラティブカラーアンドケミカル社製、ペンシルバニア州、デイルストン
【0034】
実施例5
水性の印刷インキが、Hybridur 580(アクリルウレタンハイブリッドブレンド)またはHybridur 570(アクリルウレタンハイブリッドブレンド)の49.2部、50部のグリコールを含まないピグメントブルー15:3界面活性剤に基づいた分散物(サンケミカル社製、オハイオ州、シンシナティ)、および0.2部の消泡剤(DC62、ダウコーニング社製、ミシガン州、ミッドランド)を組み合わせて水性印刷インキを調整した。
【0035】
本発明の組成物並びにその調製と使用について様々な変更および改良が本発明の精神と範囲を離れることなく可能である。
本明細書に示された実施態様は、例示のためであり、制限するものとしては意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性ポリウレタン、水および着色剤の色移り抵抗性の組み合わせを含む水性組成物。
【請求項2】
ポリウレタンは約20から70%、着色剤は約0.1から40%である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ポリウレタンは約40から60%、着色剤は約0.1から20%である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
ポリウレタンはポリウレタン−尿素である、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
約10%までのアルコールをさらに含む、請求項1から4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
約5%までのアルコールをさらに含む、請求項1から4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
約2%までのアルコールをさらに含む、請求項1から4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
着色剤はピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー83、ピグメントレッド2、ピグメントレッド22、ピグメントレッド23、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド52、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド122、ピグメントレッド166、ピグメントレッド170、ピグメントレッド266、ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ16、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ36、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット27、ピグメントグリーン7、酸化鉄、ピグメントホワイト6、ピグメントホワイト7、およびピグメントブラック7、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるピグメントである、請求項1から7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
着色剤がアゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される染料である、請求項1から7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも6の摩擦レーティングを有する、請求項1から9のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の水性組成物と少なくとも1つのさらなるインキ成分を含む、インキ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項記載の水性組成物と組み合わされた基体を含む物品。
【請求項13】
基体が不織布である、請求項12記載の物品。
【請求項14】
該組成物が基体表面にパターンとして配置された、請求項13記載の物品。
【請求項15】
インキが基体に適用される印刷方法であって、該インキとして請求項10記載のインキを使用する印刷方法。
【請求項16】
基体が不織布である、請求項15記載の印刷方法。
【請求項17】
水性のポリウレタン、水および着色剤の色移り抵抗性の組成物を組み合わることを含む、請求項1記載の水性組成物の調製方法。
【請求項18】
組成物の構成要素がインキ成分とも組み合わされ、得られた組み合わせがインキである、請求項17記載の方法。

【公表番号】特表2010−509460(P2010−509460A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536390(P2009−536390)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/083098
【国際公開番号】WO2008/060855
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(596024024)サン・ケミカル・コーポレーション (39)
【Fターム(参考)】