説明

両面印刷データの分割

両面印刷のためのデータを分割するための方法および装置。一実施形態においては、両面プリンタの第1および第2のプリント・ヘッドにより印刷するためのデータを分割する方法が提供される。この方法は、印刷のための情報を含んでいない印刷方向を横切るデータの一部を識別するステップと、第1のプリント・ヘッドにより印刷するための識別部分の前のデータの一部を指定するステップと、第2のプリント・ヘッドにより印刷するための識別部分の後のデータの一部を指定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面印刷データの分割に関する。
【背景技術】
【0002】
文書の表裏、すなわち両面印刷は、文書の第1の面上での印刷データの第1の部分の印刷、および第1の面に対向する文書の第2の面上での印刷データの第2の部分の印刷を含む。その内容を参照により本明細書に組み込むものとする米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に取引レシートのような文書の両面直接熱印刷が開示されている。
【0003】
一実施形態においては、両面プリンタの第1および第2の各プリント・ヘッドにより、印刷媒体の第1および第2の面に印刷するための情報を含むデータを分割するための方法が提供される。この方法は、情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応するデータの一部を識別するステップと、情報が印刷されない領域に対応する部分の前のデータの一部を、第1のデータ部分として識別するステップと、情報が印刷されない領域に対応する部分の後のデータの一部を第2のデータ部分として識別するステップと、第1のプリント・ヘッドにより印刷するための第1のデータ部分を指定するステップと、第2のプリント・ヘッドにより印刷するための第2のデータ部分を指定するステップとを含む。他の実施形態においては、データの1つまたは複数の識別した部分が、第1および第2のプリント・ヘッドにより印刷するための第1および第2のデータ部分を指定する前の条件として1つまたは複数の所定の基準に適合しなければならない場合がある。
【0004】
両面印刷データの分割は、両面プリンタ、または関連するホスト・コンピュータ上で稼働しているアプリケーション・プログラムおよび/または印刷ドライバにより行うことができる。他の方法も使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,784,906号公報
【特許文献2】米国特許第6,759,366号公報
【特許文献3】米国特許出願第11/675,649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
両面直接熱印刷の場合には、両面ダイレクト・サーマル・プリンタは、プリンタ内をフィード・パスに沿って移動する両面感熱媒体の両面に同時に印刷することができるように構成されている。このようなプリンタの場合には、サーマル・プリント・ヘッドは、その各面上の1つまたは複数の感熱コーティングを選択的に加熱するために媒体の両面のそれぞれの上に配置されている。熱が加わると、コーティングが変色し、それにより各面に「印刷」が行われる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本発明は、両面プリンタの第1および第2の各プリント・ヘッドにより、印刷媒体の第1および第2の面に印刷するための情報を含むデータを分割するための方法であって、前記情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応する前記データの一部を識別するステップと、前記情報が印刷されない前記領域に対応する前記部分の前の前記データの一部を第1のデータ部分として識別するステップと、前記情報が印刷されない前記領域に対応する前記部分の後の前記データの一部を第2のデータ部分として識別するステップと、前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第1のデータ部分を指定するステップと、前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第2のデータ部分を指定するステップと、を含む方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】取引レシート、チケットおよび他の文書のような媒体を両面印刷するために使用することができる両面プリンタの略図である。
【図2】その第1の面に印刷されているヘッダ情報および取引情報を含む片面レシートである。
【図3】Aは、その第1の面に印刷されている図2の片面レシートからのヘッダ情報および取引情報の第1の部分を含む両面レシートである。Bは、その第2の面に印刷されている図2の片面レシートからの取引情報の第2の部分を含むAの両面レシートである。
【図4】Aは、その第1の面に印刷されている図2の片面レシートからのヘッダ情報および取引情報の第1の部分を含む両面レシートである。Bは、ヘッダ情報のコピーおよび追加の(クーポン)情報と一緒に、その第2の面に印刷されている図2の片面レシートからの取引情報の第2の部分を含むAの両面レシートである。
【図5】両面ダイレクト・サーマル・プリンタにより印刷するためのデータを分割するための第1の方法である。
【図6】両面ダイレクト・サーマル・プリンタにより印刷するためのデータを分割するための第2の方法である。
【図7】図2の片面レシートからの取引情報の一部を表すビットマップである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照しながら、下記の明細書に本発明の種々の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【0010】
図1は、例えば、発行時に取引レシートまたはチケットに両面印刷するために使用することができる両面プリンタ10の略図を示す。図1に示すように、両面プリンタ10は、媒体フィード・パス45に沿って移動する媒体40の対向面に印刷するための第1および第2のプリント・ヘッド20、30を有することができる。さらに、第1および第2のプラテン50、60を、例えば、第1および第2のプリント・ヘッド20、30と媒体40の第1および第2の各面との間で接触を維持するために、第1および第2のプリント・ヘッド20、30に近接した媒体40および媒体フィード・パス45の対向面上に設置することができる。
【0011】
プリンタの設計および/または用途により、第1および/または第2のプリント・ヘッド20、30の一方または両方は、媒体40の第1および/または第2の各面の印刷および/または画像形成に適している、感熱、インクジェット、インパクトおよび/または任意の他のプリント・ヘッドまたは印刷手段(例えば、レーザ)を備えることができる。さらに、媒体40は、例えば、商品券、クーポン、レシート、チケットまたは他の物品または文書を提供するために、その片面または両面上に、情報をテキストおよび/またはグラフィックの形で印刷することができる、ロール、扇状に折り畳んだストック、個々の(カット)シート等の形で供給することができる。
【0012】
一実施形態においては、両面プリンタ10は、NCR社によりRealPOSの商標で市販されている7168型両面多機能プリンタのようなプリンタ10を通して媒体フィード・パス45に沿って移動する両面感熱媒体40の片面または両面上での印刷を容易にするための第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド20、30、および第1および第2の回転プラテン50、60を有する両面ダイレクト・サーマル・プリンタを備える。
【0013】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタ10は、とりわけ、その両面のそれぞれが1つまたは複数の感熱色素でコーティングされている、例えば、セルロースまたはポリマー基材を備える印刷媒体40上で動作することができる。両面直接熱印刷は、米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に開示されているように、媒体40の一方の面上の熱印刷が、媒体40の対向面上の色素の変色に影響を与えるのを防止するのに十分な耐熱性を有する基材の対向面上に感熱色素を含む媒体40を使用することによりさらに容易に行うことができる。
【0014】
図1に示すように、両面プリンタ10は、さらに、関連するホスト・コンピュータ、または販売時点情報管理(POS)端末(図示せず)、現金自動預け払い機(ATM)(図示せず)、セルフ・チェックアウト・システム(図示せず)、パーソナル・コンピュータ(図示せず)等のような端末へ/から、印刷コマンドおよび/またはデータを受信および/または送信するための通信コントローラ70を含むことができる。通信コントローラ70は、とりわけ、1つまたは複数の有線(例えば、パラレル、シリアル/USB、イーサネット等)通信プロトコル、および/または無線(例えば、802.11、802.15、IR等)通信プロトコルにより、プリンタ10へデータを入力し、プリンタ10からデータを出力するために設置することもできる。
【0015】
図1にさらに示すように、両面プリンタ10は、さらに、受信印刷コマンドおよび/またはデータを格納するための1つまたは複数のバッファまたはメモリ素子80を含むことができる。このような1つまたは複数のバッファまたはメモリ素子は、1つまたは複数の揮発性メモリ素子(例えば、ダイナミックまたはスタティックRAM)、および/または不揮発性メモリ素子(例えば、EEPROM、フラッシュ・メモリ等)を備えることができる。
【0016】
一実施形態においては、両面プリンタ10は、第1および第2のメモリ素子または格納領域80を含む。第1のメモリ素子80は、第1および第2のプリント・ヘッド20、30の一方により印刷するために識別されたデータを格納することができ、一方、第2のメモリ素子80は、第1および第2のプリント・ヘッド20、30の他方により印刷するために識別されたデータを格納することができる。
【0017】
他の実施形態においては、両面プリンタ10は、さらに、例えば、通信コントローラ70により第1および/または第2のプリント・ヘッド20、30により印刷するためのプリンタ10が受信したデータを格納することができる受信印刷データ格納バッファの形をしている第3のメモリ素子または格納領域80を含むことができる。次に、受信印刷データ格納バッファ80から、データを、例えば、第1のプリント・ヘッド20により印刷媒体40の第1の面に印刷するための第1のデータ部分と、第2のプリント・ヘッド30により印刷媒体40の第2の面に印刷するための第2のデータ部分とに分割するために、プリンタ10に関連するプロセッサ90により検索し、処理することができる。分割が決定すると、このような第1および第2のデータ部分を、今度は、第1および第2の各プリント・ヘッド20、30による印刷の準備中に、第1および第2の各メモリ素子または格納領域80内に格納することができる。
【0018】
さらに他の実施形態においては、両面プリンタ10は、さらに、例えば、クーポン、ロゴ、連載漫画、販売条件、グラフィックまたは他の画像、広告、セキュリティ機能、割引またはコンテスト情報、チケット情報、放棄または保証などの法的情報等のうちの1つまたは複数を含む予め定義した印刷データを格納するための1つまたは複数の予め定義したメモリ素子または格納領域80を含むことができる。格納した予め定義した印刷データを、両面プリンタ10に関連するPOS端末(図示せず)からの取引データのような任意の受信印刷データと一緒に、または別々に、両面媒体の片面または両面に印刷するために選択することができる。
【0019】
印刷のための予め定義した印刷データの選択は、例えば、両面プリンタ10に関連するスイッチ100により行うことができる。媒体40の第1および/または第2の面に印刷するための予め定義したおよび/または他の受信印刷データの選択の他に、このようなスイッチ100は、その内容を参照により本明細書に組み込むものとする、「Two−Sided Thermal Print Switch」という名称の米国特許出願第11/675,649号公報に開示されているように、片面印刷モード、片面コマンドによる両面モード、両面コマンドによる両面モード、および所定のデータによる両面印刷モードのうちの1つまたは複数のような、プリンタ10が供給する1つまたは複数の印刷モードまたは機能を動作可能および/または動作不能にすることができる。
【0020】
両面印刷機能スイッチ100は、両面プリンタ10内または上の機械的に作動するスイッチであってもよいし、または関連するホスト・コンピュータ上で実行されるプリンタ・ドライバにより、またはプリンタ10上に常駐するファームウェアまたはソフトウェアにより作動する電子またはソフトウェア・スイッチ等であってもよい。スイッチ100は、例えば、プリンタ10に送信されたコマンド・メッセージまたはエスケープ・シーケンスに応答して電子的に作動することもできる。プリンタ制御語または、プリンタ・ジョブ語(「PCL/PJL」)またはエスケープ・コマンド等を使用することができる。例えば、関連するホスト・コンピュータ上で実施されるソフトウェア制御ユーティリティ・ページによる設定のようなプリンタ設定構成プログラムの設定も、両面プリンタ10のスイッチ100を電子的に作動することができる。
【0021】
両面プリンタ10の両面印刷機能スイッチ100は、(1)印刷のためのデータ(例えば、内部に格納している予め定義したデータ、外部から受信した取引データ等)、(2)第1および第2のプリント・ヘッド20、30のどちらを印刷するために使用するのか、および/または選択したデータの特定の部分を印刷するために使用するのか、(3)媒体40が第1の方向(例えば、順方向)または第2の方向(例えば、逆方向)に移動している際に、印刷のために選択したデータを印刷すべきか否か、(4)どの媒体面上の相対的および/または絶対的媒体位置内に特定のデータを印刷するのか、(5)どの向きに(例えば、右側を上、上下逆、ある角度で等)、媒体40上に特定のデータを印刷するのか、(6)第1および第2のプリント・ヘッド20、30により印刷するために選択したデータをどこで分割するのか等を選択し、または他の方法で識別するために、構成し、プログラムし、または他の方法で設定することができる。
【0022】
例えば、一実施形態においては、両面印刷機能スイッチ100を設定すれば、媒体40の第1の面(例えば、表面)に印刷するために選択した印刷データの約半分を含む第1のデータ部分、および媒体40の第2の面(例えば、裏面)に印刷するために選択した印刷データのほぼ残り半分を含む第2のデータ部分をマーシャリング(marshal)することができる。すでに説明したように、このような選択印刷データは、POS端末(図示せず)、ATM(図示せず)、セルフ・チェックアウト・システム(図示せず)、パーソナル・コンピュータ(図示せず)等、および/またはプリンタ10の1つまたは複数のメモリまたはバッファ位置80に格納している予め定義したデータのような、ホスト・コンピュータからプリンタ10が受信したデータを含むことができる。このようにして、選択したデータの第1の部分が、レシートの第1の面に印刷され、選択したデータの残りを含む第2の部分が、レシートの第2の面に印刷される取引レシートのような文書を生成することができ、選択したデータを印刷するために必要な媒体40の量を節約することができる。
【0023】
両面プリンタ10に関連する両面印刷機能スイッチ100を使用する他に、他の実施形態においては、選択した印刷データの一部または全部を、例えば、関連するホスト端末またはコンピュータ(図示せず)上で稼働しているアプリケーション・プログラムまたは印刷ドライバにより、両面プリンタ10に供給する前に、第1および/または第2のプリント・ヘッド20、30により印刷するために分割および/または指定することができる。いずれにせよ、例えば、両面プリンタ10に関連する第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド20、30により印刷するために選択したデータをどこで分割するのかの決定は、最終印刷出力に対してこのような決定がどのような影響を及ぼすかを考慮に入れて行わなければならない。
【0024】
例えば、数行の文字(例えば、ASCII、漢字、ハンジ(Hanzi)、ヘブライ語、アラビア語等)データを、両面プリンタ10に関連する第1および第2の各プリント・ヘッド20、30により媒体40の第1および第2の面に印刷するために分割する場合には、媒体40の第1および/または第2の各面に、全面文字より少ない文字が(垂直方向および/または水平方向に)印刷されるようなデータの割当てまたは分割は避けることが望ましい。同様に、グラフィック・データ(例えば、ラスタ、ビットマップ、ベクトル等)を供給する場合には、同様に、図形的に表示された文字データ等を含む完全なグラフィック要素より少ないグラフィック要素が、第1および/または第2の各プリント・ヘッド20、30により、媒体40の第1および/または第2の面に印刷されるような割当てまたは他の分割は避けることが望ましい。
【0025】
一実施形態においては、個々の文字データ列の形をしている印刷データを供給する場合には、例えば、このようなデータの1つまたは複数の完全な行の間の区切りを表すキャリッジ・リターンまたは他の関連する行の終わり指定に従って、個別文字列の単位で、例えば、両面媒体の第1および第2の面に印刷するために、このようなデータを分割または他の方法で配分することができる。しかし、グラフィック・データ(例えば、ラスタ、ビットマップ、ベクトル等)の形をしている印刷データを供給する場合には、例えば、1つまたは複数の個別印刷要素に悪影響を与えないように分割して、両面媒体の第1および第2の面に印刷するために、このようなデータを分割しようとすると他の問題が発生する場合がある。このような場合、グラフィック・データを分割する際の問題は、1つまたは複数の予め定義した基準に適合する印刷データ内の1つまたは複数の領域を識別するためにデータを処理し、次に、識別した領域のところで、または領域内で、例えば、第1および第2のプリント・ヘッド20、30により印刷するためのデータを分割または他の方法で配分することにより解決することができる。
【0026】
例えば、一実施形態においては、印刷するためにグラフィック・データを分割するための方法は、印刷方向を横切って個別グラフィック印刷要素内またはその間の1つまたは複数の空白または他の適切なほぼ空白の領域(例えば、印刷するためのデータの許容できる最小量を含む領域)を識別し、次に、1つまたは複数の識別された空白またはほぼ空白の領域内のところのまたは領域内の印刷のためのデータを分割または他の方法で配分するステップを含むことができる。同様に、グラフィック印刷データを分割または他の方法で配分する前に、1つまたは複数の空白またはほぼ空白の領域を識別しなければならない他に、このような識別した空白またはほぼ空白の領域が、1つまたは複数の追加の予め定義した基準に適合した場合だけ、印刷データをそこでまたはその内部で分割することができる。例えば、空白またはほぼ空白の領域が、印刷媒体40に印刷する最終画像に関して、所定の物理高さ(例えば、ドット、mm、インチ等)、面積(例えば、平方ミリメートル、平方インチ等)等のような所定の物理サイズに適合した場合だけ、識別した空白またはほぼ空白の領域のところでまたはその領域内で分割できる。
【0027】
図2は、図1の両面プリンタ10のようなプリンタにより、その第1の面202(片面)に印刷されているヘッダ情報210および取引情報220を有するレシート200の形をしている印刷媒体40を示す。図2のレシート200は、さらに、頂部マージン230、底部マージン232、左マージン234および右マージン236を含む。他の実施形態においては、レシート200のような文書は、さらに、1つまたは複数のロゴ、クーポン、広告、割引、保証、コンテストおよび/または法的情報等を含むが、これら以外のものも含むことができる、フッタ情報(図示せず)、および/また追加の取引および/またはグラフィック情報(図示せず)を含むことができる。
【0028】
動作中、レシート200を生成する両面プリンタ10は、例えば、関連するホスト・コンピュータまたは端末(図示せず)上で稼働しているアプリケーション・プログラムから、ヘッダ情報210および/または取引情報220を示すデータを受信することができる。このようなヘッダ情報および/または取引データは、テキスト(例えば、文字)および/またはグラフィック(例えば、ラスタ、ビットマップ、および/またはベクトル等)の形で、プリンタ10に供給することができる。さらに、または別の方法としては、ヘッダ情報210、取引情報220、フッタ情報(図示せず)および/または他の供給されたテキストおよび/またはグラフィック情報(例えば、ロゴ、クーポン、広告等)を表すデータの一部または全部を、任意の外部から受信したデータと一緒に、または別々に印刷するためのプリンタ10に関連する1つまたは複数のメモリまたはバッファ要素80から検索することができる。
【0029】
データをどこからまたはどんな形で入手したにせよ、このようなデータが表す1つまたは複数の隣接するテキストおよび/またはグラフィック要素の境界内で印刷データを分割するのは避けることが望ましい。例えば、一実施形態においては、このようなデータが表す結果としてのテキストおよび/またはグラフィック情報のほぼ半分が両面媒体40の第1の面に印刷され、結果としてのテキストおよび/またはグラフィック情報の残りのほぼ半分が両面媒体40の第2の面に印刷されるように、図2のレシート200の第1の面202上に示すヘッダ情報210および取引情報220を表すデータのような印刷データを分割することが望ましい。図2の場合には、このような均等な分割位置は、一点鎖線の中点ライン240で示してある。
【0030】
図2を見れば、一点鎖線の中点ライン240が表す位置のところのレシート200の下に位置するデータの分割のように、印刷文書の下に位置する印刷データの均等な分割または他の分割を行うと、カスタード購入ライン・アイテムの頂部のような隣接する文字列またはグラフィック画像の第1の部分が、例えば、両面媒体40の第1の面に望ましくない方法で印刷され、カスタード購入ライン・アイテムの底部のような隣接する印刷ラインまたは画像の第2の部分が、例えば、両面媒体40の第2の面に望ましくない方法で印刷される場合が起こることを理解することができるだろう。
【0031】
上記望ましくない分割を避ける1つの解決方法は、受信したキャリッジ・リターンまたは他の行末表示に従って印刷データを分割する方法である。この解決方法は、テキスト(例えば、文字)の形でデータが提供される場合に適している。しかし、すでに説明したように、1つまたは複数の空白および/またはほぼ空白の領域(例えば、最小量の印刷データを含んでいるかまたは全然印刷データを含んでいない領域)のところでのまたはその領域内での印刷データの分割を含むもう1つの解決方法は、結果としての印刷情報の不適切なまたは不用意な分割を避けるために、データがグラフィックの形(例えば、ラスタ、ビットマップおよび/またはベクトル)で、およびテキストの形(例えば、文字)で供給されるような状況に適している。
【0032】
このようなデータが表す情報のほぼ等しい部分が、例えば、両面プリンタ10の第1および第2のプリント・ヘッド20、30により両面媒体40の第1および第2の面に印刷されるように、印刷データを分割するのが望ましい一実施形態においては、このようなデータを、中点240自身のところではなく、識別した中点240に近接した図2のレシート200の領域260のような空白の領域を表す位置のところでまたはその位置内で分割し、それにより結果としての印刷情報210、220のインテグリティを維持することができる。
【0033】
図3Aおよび図3Bは、図2の中点ライン240の直後の空白の領域260の頂部および底部それぞれに沿って分割したレシート200からのヘッダ情報210および取引情報220を含む両面レシート300の第1および第2の面302、304それぞれを示す。図3Aに示すように、図の両面レシート300は、図1の両面プリンタ10のようなプリンタによりその第1の面302に印刷されている図2のレシート200からの取引情報220の第1の部分と一緒にヘッダ情報210を含む。同様に、図3Bに示すように、図の両面レシート300は、さらに、その第2の面304に印刷されている図2のレシート200からの取引情報220の第2の部分を含む。図2のレシート200の第1の面に印刷されている情報を表す印刷データのこのような分割は、図2のレシート200の第1の面202の印刷済みのヘッダ情報210および取引情報220の物理中点240のような所望の分割位置を示すデータ内のある点の後の空白の領域260のためのデータを走査することにより行うことができる。
【0034】
さらに、図3Aのレシート300の第1の面302は、さらに、頂部マージン330、底部マージン332、左マージン334および右マージン336を含む。これらのマージンの一部または全部は、図2の片面レシート200の各マージン230、232、234、236に関して、同じサイズであってもよいし、または個々に異なるサイズであってもよい。同様に、図3Bのレシート300の第2の面304は、さらに、頂部マージン340、底部マージン342、左マージン344および右マージン346を含む。これらのマージンの一部または全部は、図2の片面レシート200の各マージン230、232、234、236、および図3Aの両面レシート300の第1の面302の各マージン330、332、334、336に関して、同じサイズであってもよいし、または個々に異なるサイズであってもよい。図3Aおよび図3Bのレシート300の第1の面302および/または第2の面304それぞれの頂部マージン330、340および底部マージン332、342の一方または両方を、識別した分割位置260に従って変えることができることに留意されたい。
【0035】
均等またはほぼ均等な分割の他に、ある実施形態においては、均等でない方法で、両面媒体40上に印刷する情報の一部または全部を表すデータを分割したい場合または分割しなければならない場合もある。このような実施形態は、例えば、1つまたは複数の感熱色素等のような必要な表面の準備またはコーティングができていない、印刷済みの情報を含む1つまたは複数の領域のような印刷するのが望ましくないまたはできない媒体40のいくつかの領域内での実際または試行印刷を避けるのに役に立つ場合がある。同様に、また、図2のヘッダ情報210および/または取引情報220を表すデータのような印刷データの均等でない分割が、例えば、ヘッダ情報210および取引情報220と一緒に、両面媒体40の片面または両面上に、1つまたは複数のロゴ、クーポン、割引、保証、コンテスト情報等のような追加の予め定義した情報を印刷するために望ましい場合もあるし、または必要な場合もある。
【0036】
図4Aおよび図4Bに示すこのような一実施形態においては、両面レシート400の第2の面404に、クーポン450およびヘッダ情報210の追加の例のような、追加の予め定義した情報を印刷するために、均等でない方法で、図2のヘッダ情報210および取引情報220を表すデータを分割するのが望ましい場合もある。このような場合、図2の取引情報220の下に位置するデータを、例えば、図2のパスタおよびチーズ購入ライン・アイテムの間の領域280に対応する位置のところで、均等でない方法で分割することができる。このようにして、レシート400の第2の面404にヘッダ情報210およびクーポン450を印刷するのに必要な追加スペースが保たれる。実施形態により、クーポン情報450および/または追加のヘッダ情報210を表すデータを、プリンタ10の1つまたは複数のメモリ80から検索することもできるし、または関連する通信コントローラ70を通してPOS端末(図示せず)のようなプリンタ10に関連する1つまたは複数のコンピュータから元のヘッダ情報210および/または取引情報220と一緒に受信することもできる。
【0037】
印刷データの分割は、図2のレシート200上のヘッダ情報210および取引情報220を表すデータの一部または全部、および1つまたは複数のロゴ、連載漫画、販売条件、グラフィックまたは他の画像、広告、セキュリティ機能、割引またはコンテスト情報、チケット情報、放棄または保証などの法的情報等のような、しかし、これらに限定されない、文書の片面または両面に印刷したいまたは印刷する必要がある任意の追加情報を含むが、これらに限定されない両面媒体の片面または両面に印刷したい情報を表すデータの一部または全部の分割を含むことができることに留意されたい。さらに、印刷される情報を表すデータの全部より少ないデータを分割したい場合または分割する必要がある場合には、分割のために識別しなかったデータの一部を、すでに説明したように、両面レシート400の第1および第2の面に印刷するために、図2からの取引情報220を分割する位置を決定する際に、図4Bのクーポン情報450を表すデータでの分割のような、分割のために識別したデータの一部に対する許容することができる分割位置を識別するプロセスに分割することができる。
【0038】
同様に、印刷できないまたは印刷することが望ましくない媒体40の片面または両面上の領域内でデータを分割することができる。例えば、他の実施形態においては、図4Aおよび図4Bのレシート400のヘッダ情報210および/またはクーポン情報450の一方または両方を、その片面または両面402、404に予め印刷することができる。追加的にまたは代替的に、印刷データの分割は、図4Aおよび図4Bのレシート400を含む両面媒体のような両面媒体40の第1および/または第2の各面の所望のまたは必要な頂部マージン430、440、底部マージン432、442、左マージン434、444および/または右マージン436、446の相対的および/または絶対的サイズ、および分割位置の決定を行う際の媒体自体のサイズ(例えば、長さ、幅、等)を考慮に入れることができる。
【0039】
図5は、図1のプリンタ10のような両面プリンタにより両面媒体40の、例えば、第1および第2の面に印刷するための印刷データを分割するための第1の方法500を示す。実施形態により、図5の方法の一部または全部を、プリンタ10に関連するPOS端末のようなホスト・コンピュータ上で稼働しているアプリケーション・プログラム、および/または印刷ドライバにより、および/または、例えば、図1のプリンタ10に関連するプロセッサ90および/または印刷機能スイッチ100により実行されるファームウェアおよび/またはソフトウェアにより実施することができる。
【0040】
最初に、図5の方法500のステップ510において、印刷データが印刷のために受信される。方法500がアプリケーション・プログラムにより実行される場合には、このようなデータを、それにより生成することもできるし、そのためにこのようなプログラムが分割のために直接使用することができる。図5の方法500が、両面プリンタ10に関連するホスト・コンピュータ上で稼働中の印刷ドライバにより実行される場合には、このようなデータをデータを生成しているアプリケーション・プログラムによりドライバに供給することができる。最後に、図5の方法500がプリンタにより実施される場合には、図1の両面プリンタ10の通信コントローラ70のようなこのようなプリンタに関連する通信インタフェースを介して、POS端末のようなホスト・コンピュータ上で稼働しているアプリケーション・プログラムおよび/または印刷ドライバから印刷データを受信することができる。
【0041】
方法500がどこで実施されようとも、所望のまたは必要な分割位置は、ステップ520のところで受信した印刷データ内で識別することができる。一実施形態においては、所望のまたは必要な分割位置は、図2の片面レシート200の第1の面202に印刷されているヘッダ情報210および取引情報220の中点240に対応する位置のような、印刷方向を横切ってデータが表示する印刷情報の中点に対応する印刷データ内の位置を含むことができる。このような所望のまたは必要な分割位置は、媒体の消費を最小限度に低減するために、図3Aおよび図3Bの両面レシート300の第1の面302および第2の面304のような、両面文書の第1および第2の面上のほぼ同じ量の印刷情報を供給するための要望または要件によるものである。
【0042】
他の実施形態においては、所望のまたは必要な分割位置の識別は、媒体40の第1の面に印刷するための印刷データの第1の部分、および媒体40の第2の面に印刷するための印刷データの第2の部分の識別を含むことができる。この場合、第1のデータ部分が表す情報により占有される媒体40の部分は、第2のデータ部分が表す情報により占有される媒体40の部分とは異なる。第1および第2のデータ部分が表す情報により占有される媒体40の各部分の違いは、とりわけ、1つまたは複数の必要な感熱コーティング、および/または図4Bのクーポン情報450のような追加の予め定義した情報を印刷するために、予約する必要がある媒体40の第1および/または第2の面の量のような1つまたは複数の必要な印刷特性および/または特徴を含んでいない予め印刷した情報を含む媒体40の第1および/または第2の面の一部を含むことができる。他の方法も使用することができる。
【0043】
所望の分割位置が識別されると、ステップ530において、その領域のところでまたはその領域内で印刷のためのデータを分割することができる個別の印刷要素内またはその要素間の1つまたは複数の空白またはほぼ空白の領域(例えば、印刷のために許容することができる最小量を含む領域)を表すデータの1つまたは複数の部分を識別するために、データを走査することができる。印刷データが、数行のテキストまたは他の文字データで供給される場合には、印刷データを分割するための適切な空白またはほぼ空白の領域は、最後の印刷情報内の切れ目を示す、例えば、1つまたは複数のキャリッジ・リターンまたは他の行末コマンドのためにこのようなデータを走査することにより発見することができる。印刷データがグラフィック・データの形(例えば、ラスタ、ビットマップ、ベクトル等)で供給される場合には、印刷データを分割するための適切な空白またはほぼ空白の領域は、例えば、個別グラフィック要素内または要素間に位置していて、印刷データを含んでいないかまたは許容することができる最小量の印刷データを含んでいる印刷方向を横切る1つまたは複数の領域を表すデータの部分のようなデータを走査することにより発見することができる。
【0044】
印刷するためのデータの分割を受け入れることができる印刷データの一部またはブロックは、例えば、図2のレシート200の第1の面202に印刷されている取引情報220の購入ライン・アイテム間の空白および/またはほぼ空白の領域250、260、270、280、290に対応することができるか、またはその内部でまたはそこで適切な切れ目を発見することができるこのようなデータが表す情報内の任意の他の1つまたは複数の領域に対応することができる。
【0045】
適切な空白またはほぼ空白の領域が識別されると、そのような領域は、ステップ540において、このような領域に対応するデータの一部のところのまたはデータの一部内のデータの分割の前の状態のような1つまたは複数の所定の基準と比較することができる。このような予め定義した基準は、下記のものを含むことができるが、含むことができるものはこれらに限定されない。(1)所望の分割位置(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ等)から予め定義した距離に位置する識別したデータ部分および/または対応する印刷領域、(2)所定の量またはサイズ(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ、平方ミリメートル、平方インチ等)を含む識別したデータ部分および/または対応する印刷領域、(3)それぞれが、所定の量またはサイズ(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ、平方ミリメートル、平方インチ等)を含む識別した分割位置の前および後の印刷データおよび/またはその印刷データに対応する情報、(4)所定の量だけ、量またはサイズ(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ、平方ミリメートル、平方インチ等)が異なる識別した分割位置の前および後の印刷データおよび/またはその印刷データに対応する情報。適宜、上記識別した所定の基準のうちの任意のものを、全印刷データまたは印刷情報量に関連して、または個々の印刷データまたは印刷情報量(例えば、分割位置の上および/または下のデータの一部に関連する)に関連して考慮に入れた所定の百分率として表すことができることに留意されたい。
【0046】
識別した空白またはほぼ空白の領域が、1つまたは複数の所定の基準に適合する場合には、ステップ560において、データをそれに応じて分割することができる。しかし、識別した空白またはほぼ空白の領域が、1つまたは複数の所定の基準に適合しない場合には、ステップ550において、データを分割することはできない。一実施形態においては、印刷データを分割するための決定は、両面媒体40の第1の面に、第1のプリント・ヘッド20により印刷するためのデータの第1の部分を指定する決定、および媒体40の第2の面に第2のプリント・ヘッド30により印刷するための印刷データの第2の部分を指定する決定を含むことができる。同様に、一実施形態においては、印刷データを分割しないという決定は、両面媒体40の第1または第2の各面に第1または第2のプリント・ヘッド20または30により印刷するためのすべての印刷データを指定する決定(例えば、片面印刷のための決定)を含むことができる。
【0047】
他の実施形態においては、第1の識別した空白またはほぼ空白の領域に従って分割するためのデータを識別できない場合には、他の、すなわち、第2の空白またはほぼ空白の領域を識別することができ、分割の決定がサポートされるまで、またはそれ以上の適切な空白またはほぼ空白の領域が発見されないことがわかるまで、このプロセスが反復して行われる。このようなプロセスについては、図6のところで説明する。
【0048】
図6は、図1のプリンタ10のような両面プリンタにより、例えば、両面媒体40の第1および第2の面に印刷するための印刷データを分割するための第2の方法600を示す。実施形態により、図6の方法600の一部または全部を、アプリケーション・プログラム、および/またはプリンタ10に関連するPOS端末のようなホスト・コンピュータ上で稼働している印刷ドライバにより、および/または例えば、プリンタ10に関連するプロセッサ90が実行するファームウェアおよび/またはソフトウェアにより実施することができる。
【0049】
最初に、図6の方法600のステップ610において、印刷のためのデータが受信される。アプリケーション・プログラムにより方法600が実行される場合には、それによりこのようなデータを生成することができ、そのためにこのようなプログラムはそれを直接利用することができる。方法600が印刷ドライバにより実行される場合には、このようなデータを生成しているアプリケーション・プログラムによりこのようなデータをドライバに供給することができる。最後に、方法600が図1のプリンタ10のようなプリンタにより実施される場合には、印刷データを、このようなプリンタに関連する通信コントローラ70を介して受信することができる。
【0050】
図6の方法600のステップ620において、必要なまたは所望の分割位置を受信印刷データ内で識別することができる。一実施形態においては、必要なまたは所望の分割位置は、印刷データの均等でない分割を実行するための要求または要件から知ることができる。例えば、印刷データ内の所望のまたは必要な分割位置は、印刷方向を横切るこのようなデータにより表される印刷情報を横切るラインに対応することができ、そのため所望の分割位置の前に印刷される情報は、所望の分割位置の後に印刷される情報よりも印刷方向に沿って一定の量(例えば、6mm)だけ大きい媒体を占有することになる。このような分割位置は、とりわけ、両面媒体40の片面または両面上に、印刷済みの情報の存在、両面媒体40の片面または両面上の1つまたは複数の感熱色素のような1つまたは複数の必要な表面の準備がしてないこと、および/または図4のレシート400の第2の面404上のクーポン情報450のような両面媒体40の片面または両面上の追加の予め定義した情報を印刷するための要求または要件に対応するように選択することができる。
【0051】
所望のまたは必要な分割位置が識別されると、次の空白またはほぼ空白の領域をステップ630において識別することができる。このような次の空白またはほぼ空白の領域の識別は、例えば、図2のレシート200の第1の面202に印刷されている取引情報220の個々の購入ライン・アイテム間の領域250、260、270、280、290のうちの1つに対応するデータの一部のための印刷データ、またはその内部でまたはそこでテキストおよび/またはグラフィック情報内の適切な切れ目を発見することができるこのようなデータが表す印刷した情報の任意の他の領域またはエリアを順次走査するステップを含むことができる。
【0052】
次の空白またはほぼ空白の領域が識別されると、ステップ640において、それをこのような領域に対応するデータの一部のところでのまたはデータの一部内のデータの分割の前の状態のような1つまたは複数の所定の基準と比較することができる。図5の方法500の場合には、このような所定の基準は、下記のものを含むことができるが、含むことができるものはこれらに限定されない。(1)所望の分割位置(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ等)から予め定義した距離内に位置する識別データ部分および/または対応する印刷領域、(2)所定の量またはサイズ(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ、平方ミリメートル、平方インチ等)を含む識別データ部分および/または対応する印刷領域、(3)それぞれが、所定の量またはサイズ(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ、平方ミリメートル、平方インチ等)を含む識別した分割位置の前および後の印刷データおよび/またはその印刷データに対応する情報、(4)所定の量だけ、量またはサイズ(例えば、バイト、文字列、ドット行、mm、インチ、平方ミリメートル、平方インチ等)が異なる識別した分割位置の前および後の印刷データおよび/またはその印刷データに対応する情報、それにより表される全印刷データまたは情報の百分率として上記のもののうちの任意のもの等。
【0053】
次に識別した空白またはほぼ空白の領域が、1つまたは複数の所定の基準に適合する場合には、ステップ670において、データをそこでまたはその内部で分割することができる。しかし、次に識別した空白またはほぼ空白の領域が、1つまたは複数の所定の基準に適合しない場合には、ステップ650において、分割のためのデータ内に1つまたは複数の追加の空白またはほぼ空白の領域が存在するか否かが判定される。このような追加の空白またはほぼ空白の領域は、印刷データの少なくとも一部を同時に走査することにより、またはすべての印刷データの前の走査の結果等により識別することができる。
【0054】
1つまたは複数の追加の空白またはほぼ空白の領域が存在することが分かった場合には、ステップ630において、残りの領域のうちの次の領域を、ステップ640のところの1つまたは複数の所定の基準と比較して評価するために選択することができ、空白またはほぼ空白の領域が1つまたは複数の所定の基準に適合することが分かり、ステップ670においてそれに従って印刷のために分割されるか、または残りの領域が発見されず、ステップ660においてデータが印刷のために分割されないことが分かるまで上記プロセスが続行される。
【0055】
図5の方法500のところですでに説明したように、印刷データを分割する決定が行われた場合には、一実施形態においては、このような決定は、許容できる空白またはほぼ空白の領域の前に印刷する情報に対応するデータが、両面プリンタ10の第1のプリント・ヘッド20により印刷するために指定され、許容できる空白またはほぼ空白の領域の後に印刷する情報に対応するデータが、両面プリンタ10の第2のプリント・ヘッド30により印刷するために指定されるように印刷データが分割されることになる。同様に、一実施形態においては、印刷データを分割しない決定が行われると、すべての印刷データが、両面プリンタ10の第1のプリント・ヘッド20および第2のプリント・ヘッド30のうちの一方だけで印刷するように指定される(例えば、この決定は、印刷データの片面印刷のための決定を表すことができる)。
【0056】
そこでまたはその内部で印刷データを分割することができる所望の分割位置に近接した最終印刷情報内の空白またはほぼ空白の領域を表すその一部またはブロックに対する印刷データの走査は、所望の分割位置を表すある点から始まる印刷データを走査し、このようなデータが表す情報がこのようなデータの終わりに向かって印刷される方向に進むことにより行うことができる。図5および図6のところですでに説明したように、その後で、識別した候補の空白またはほぼ空白の領域を、それが1つまたは複数の予め定義した基準に適合するか否かを判定するために分析することができる。適合する場合には、データを識別した空白またはほぼ空白の領域に対応する位置のところで分割することができる。適合しない場合には、前に失敗した領域に対応するデータ内のある点から始まる他の空白またはほぼ空白の領域を表すデータの一部に対してデータを反復して走査することができ、適切な領域(もしある場合)が発見されるまで、このようなデータが表す情報が、このようなデータの終わりに向かって印刷される方向に進むことができる。
【0057】
他の実施形態においては、印刷データは、所望の分割位置および/または前に失敗した領域に対応するデータ内の一点から始まる所望の分割位置に近接した空白またはほぼ空白の領域を表すデータの一部を反復して走査し、このようなデータが表す情報が印刷される方向とは反対方向に進むことができる(例えば、図2のレシートのところで説明したように、中点ライン240からヘッダ情報210の頂部の方向)。
【0058】
他の実施形態においては、所望の印刷位置に近接したこのようなデータが表す1つまたは複数の空白またはほぼ空白の印刷領域を識別するための印刷データの走査は、データ内のすべての空白またはほぼ空白の領域を識別するための印刷データの走査、および所望の分割位置に近接した1つまたは複数の領域のための識別した領域のその後の走査を含むことができる。一実施形態においては、識別した領域の走査は、所望の分割位置への近接による識別領域の分類を含むことができる。このような分類は、最小二乗、絶対値または他の正規化法を使用することができる。候補の空白またはほぼ空白の領域が識別され、近接により分類されると、これらの領域は、データを分割するための適切な領域を識別する目的で、いずれかが1つまたは複数の所定の基準に適合するか否かを判定するために、所望の分割位置からの距離により分析することができる。
【0059】
1つまたは複数の候補の空白またはほぼ空白の領域のためにデータを走査し、同時に1つまたは複数の所定の基準に適合するか否かを判定するための任意のこのような識別領域の分析のような他の方法も使用することができる。このような場合、1つまたは複数の所定の基準に適合する識別領域は、データの分割のために選択した最も近い所望の分割位置までの距離により分類することができる。別の方法としては、1つまたは複数の所定の基準に適合する第1の識別領域を、データの分割のために選択することができる。この方法は、所定の基準のうちの1つが、所望の分割位置から所定の距離内に位置する識別した空白またはほぼ空白の領域を含んでいる場合に特に望ましい方法である。
【0060】
上記走査方法は、組み合わせたり、および/または修正することもできる。
【0061】
印刷データがビットマップの形で供給される場合には、そこでまたはその内部でデータを印刷のために分割することができる1つまたは複数の空白またはほぼ空白のドット・ライン又はその領域に対してビットマップを走査することにより、1つまたは複数の空白またはほぼ空白の領域を、そのようなデータ内で識別することができる。
【0062】
図7は、識別した一点鎖線の中点ライン240の周囲の、図2のレシート200の取引情報220の一部を示すビットマップ700を示す。図7の直交(x−y)格子線は、参照としてだけのもので、ビットマップ700の一部ではないことに留意されたい。
【0063】
図7のビットマップ700は、112のドット列(例えば、x=1〜112)、および56のドット・ラインまたは行(例えば、y=1〜56)を含む個々のドット710、715、716、717、718、719のマトリクスを含む。個々の各ドットは、さらに、mm、インチ、画素等で測定した特定のドット高さ712およびドット幅714を特徴とすることができる。
【0064】
用途により、図7のビットマップ700のようなビットマップの下に位置するデータは、各単色または多色媒体40上の単色または多色プリンタ10により印刷するための単色(例えば、黒)または多色(例えば、CMYK)色画像データを含むことができる。一実施形態においては、図7のビットマップ700のようなビットマップの下に位置するデータは、0および1の2値マトリクスを含む。この場合、各0は、図7のビットマップ700の白のドット710のうちの任意のドットのようなビットマップの白のドット(例えば、画像形成されていないドット)に対応し、各1は、図7のビットマップ700の黒のドット715、716、717、718および719のうちの任意のドットのようなビットマップの黒のドット(例えば、画像形成されているドット)に対応する。
【0065】
ある実施形態においては、図7のビットマップ700のようなビットマップを含む個々のドット行を、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド20および30により両面感熱媒体40の各面に印刷することができる。この場合、各プリント・ヘッド20、30は、第1および第2の面上の媒体40の幅、またはその少なくとも印刷できる部分(例えば、印刷されていないマージンまたは境界領域を除く)を横切る。他の実施形態においては、第1および第2の各サーマル・プリント・ヘッド20、30は、一連の個々の印刷要素を備えることができる。この場合、各印刷要素は、ビットマップの所与のドット行の個々のドットに対応する。
【0066】
すでに説明したように、例えば、両面印刷のための印刷データを分割する場所を決定する際に、1つまたは複数の隣接する文字(例えば、テキスト)および/またはグラフィック印刷要素の中央でこのようなデータを分割するのは避けることが望ましい場合がある。例えば、図7を参照すると、それぞれ、y=8から15、25〜32および42〜49のドット行を含む図7の領域740、750、760内に位置するカスタード、ミルクおよびジュースの購入のためのエントリのような1つまたは複数の取引エントリを表す領域内のビットマップ700の下に位置するデータを分割するのは避けることが望ましい。それ故、推論により、y=16〜24および33〜41のドット行を含む図7の領域260、270のような1つまたは複数の取引エントリ間のスペースを表す領域内のビットマップ700の下に位置するデータを分割するのが望ましい場合もある。
【0067】
取引エントリを含む各領域740、750、760内に位置するドット行の数、および図7のビットマップ700の取引エントリ間のスペースを含む各領域260、270内に位置するドット行の数は、領域の各タイプ(例えば、その間のスペースに対する取引エントリ)に対して同じであるが、実際には、印刷された領域740、750、760および印刷されていない領域260、270の任意のものを含むドット行の数は異なる場合があることに留意されたい。
【0068】
図7のビットマップ700のようなビットマップの下に位置するデータを分割する場合には、そこでまたはその間でデータを分割することができる1つまたは複数の所定の基準に適合する1つまたは複数のドット行またはその一部を識別するためにデータを走査することにより、このようなデータの望ましくない分割を避けることができる。例えば、図7のビットマップ700を表すデータの場合には、一点鎖線の中点ライン240に対応する、y=11のところのドット行の開始のような所望の分割位置に対応するデータ内のある点から走査を開始し、y=16〜24ドット行の任意のもののような空白またはほぼ空白のドット行、またはその適切な隣接するグループが識別されるまで、y=12、13、14および15のところのドット行を表すデータを通る正のy方向に順次進むことができる。
【0069】
ビットマップの下に位置するデータを走査する場合には、それが表す各ドット行を、これらのドット行が、個々に、または1つまたは複数の追加の隣接するドット行に合わせて、任意の行のところで、または1つまたは複数の隣接するそのグループが定義する任意の領域内でのデータの分割の前の状態としての1つまたは複数の所定の基準に適合するか否かを判定するために分析することができる。第1の場合、1つまたは複数の所定の基準は、そこでまたはその内部で、所与のドット行が、単独でまたは他の空白またはほぼ空白のドット行と一緒に、印刷データを分割することができる空白またはほぼ空白のドット行を含んでいるか否かを判定する際の助けになる。
【0070】
ある実施形態においては、所与のビットマップ・ドット行の下に位置するデータを、所定数のドット(例えば、0、1、2、3等)だけが、データがこのようなドット行のところでまたはドット行内で分割することができる前に、所与のドット行内に印刷するために識別されるように制限することができる。例えば、図7のビットマップ700を参照すると、所与のドット行内に印刷するためのドットを識別することができない場合には、ビットマップ700の下に位置するデータを、それぞれカスタード、ミルクおよびジュースに対する購入ライン・アイテム・エントリを表す、y=8〜15、25〜32および42〜49のところのドット行以外のドット行のうちの任意のドット行のところでまたはドット行内で、およびこの例の場合には、印刷するために識別した1つまたは複数のストレー・ドットを備えるように示してある、y=40、52および54のところのドット行の任意のドット行のところでまたはドット行内で分割することができる。同様に、所与のドット行内に印刷するためのドットを1つだけしか識別することができない場合には、y=1〜7、16〜24、33〜41、50〜53および55〜56のところのドット行を、図7のビットマップ700の下に位置するデータを分割するために許可された行のブロック内に含ませることができる。一方、y=8〜15、25〜32、42〜49および54のところのドット行はそうではない。
【0071】
他の実施形態においては、所与のドット行の下に位置するデータを、上記の許容できる数まで、所与の行内に印刷するために識別した任意のドットを、ビットマップ700の下に位置する印刷データを分割するために許容されたドット行のカウントにこのようなドット行を含める前に、隣接しないように、または最小数の白のドット(例えば、10、20、30等)により分離しなければならないように制限することができる。実施形態により、所与のドット行内に印刷するために識別することができるドットの数は、ドット間のスペースにより変えることもできるし、その逆を行うこともできる。
【0072】
さらに他の実施形態においては、所与のドット行の下に位置するデータを、印刷データを分割するために許容されたドット行のカウント内にそのドット行を含める前に、所与のドット行またはその関連部分を含むドットの最小百分率(例えば、1%、2%、3%等)より小さいかまたはそれに等しいデータが、印刷(例えば、黒として印刷される)のために識別され、または所与のドット行またはその関連部分を含むドットの最小百分率(例えば、99%、98%、97%等)より大きいかまたはそれに等しいデータが、印刷(例えば、黒として印刷される)のために識別されないように制限することができる。例えば、所定の基準は、所与のドット行内のドットの1パーセント(1%)未満のドットを、このようなドット行をデータを分割するために許容されたドット行のカウントに入れる前に、印刷のために識別するように指定することができる。このような場合、図7のビットマップ700のy=23および52のところの99%を超える(例えば、112のうちの111)白のドットを含むドット行の下に位置するデータは、このような基準に適合するが、一方、99%未満(例えば、112のうちの110)の白のドットを含む、y=54のところのドット行の下に位置するデータ、およびそれぞれカスタード、ミルクおよびジュースの購入のためのライン・アイテムを表す、y=8〜15、25〜32、および42〜49のところのドット行のうちの任意のものはこのような基準に適合しない。
【0073】
他の実施形態においては、隣接するドット行、または所定数程度の隣接するドット行が、印刷のために指定された1つまたは複数のドットを含まないように、候補のドット行の下に位置するデータを制限することができる。同様に、さらに他の実施形態においては、印刷のために指定された1つまたは複数のドットを含むドット行を、右のマージン領域736内に印刷のために表示されている、図7のビットマップ700のy=40のところのドット行の1つの印刷ドット716のような最終印刷文書の1つまたは複数のターゲット・エリア内にこのようなドットが印刷されるデータを分割するための許容されたドット行のカウント内だけに入れることができる。
【0074】
所与のドット行の下に位置するデータを制限するばかりでなく、1つまたは複数の所定の基準は、印刷データを分割することができる空白またはほぼ空白の領域を含む隣接するドット行のグループも制限することができる。例えば、一実施形態においては、図7のビットマップ700内のカスタードおよびミルクに対するライン・アイテム・エントリ間のy=16〜24のドット行の領域260のようなドット行の隣接する領域を含む所定数(例えば、通常、4〜16、好適には、8〜10)の隣接する空白またはほぼ空白のドット行(例えば、その中に印刷するために指定されたドットの数および位置に関する1つまたは複数の予め定義した基準に適合するドット行)を、下に位置する印刷データをそこでまたはその内部で分割を許可する前に発見しなければならない場合がある。同様に、他の実施形態においては、空白またはほぼ空白のドット行の隣接する数は、そこでまたはその内部で分割を行うことができる前に、最小の印刷した物理領域または空間(例えば、通常、0.5〜2mm、好適には、1〜1.25mmの媒体の長さ)を表さなければならない場合がある。このような任意の所定の基準は、とりわけ、印刷解像度(インチ当たりの垂直方向および/または水平方向のドット)のような、しかし、これに限定されない1つまたは複数のプリンタの設計または動作属性により変えることができることに留意されたい。この場合、例えば、それが表すドット行および/または物理領域/空間の必要な所定数を、プリンタの解像度が低くなった場合に増大したり、その逆を行うこともできる。
【0075】
例えば、両面プリンタ10による両面媒体40の第1の面および第2の面に印刷するための印刷データを分割するための許容できるドット行を識別するための上記基準のうちの任意のものを修正したり、および/または組み合わせたりすることもできる。
【0076】
図7のビットマップ700のようなビットマップを表す印刷データを分割するための1つまたは複数の許容することができる領域を識別しようとする場合、上記開示されているように、走査を図7の中点ライン240に対応する、y=11のところのドット行のような所望の分割位置に対応するドット行からスタートし、下方に(例えば、正のy)、または上方に(例えば、負のy)進むことができる。他の実施形態においては、図7のビットマップ700のようなビットマップを表す印刷データの走査を、図7のビットマップ700のy=1のところのドット行のx=1のところのドットのような第1のドット行の第1のドットに対応するデータ位置からスタートして、データを通して、ドット行毎に、1つまたは複数の走査済みドット行が1つまたは複数の所定の基準に適合するまで、図7のビットマップ700のy=56のところのx=112のところのドットのような最後のドット行の最後のドットまで進めることができる。
【0077】
他の実施形態においては、図7のビットマップ700のようなビットマップの下に位置する印刷データを、印刷のためのデータ(例えば、先入れ先出し、先入れ後出しなど)を格納し、検索するために使用する方法により走査または他の方法で横切らせることができる。同様に、他の実施形態においては、例えば、印刷データの始めを表す物理および/または論理データ・アドレスからスタートして、印刷データの終わり等を表す物理および/または論理データ・アドレスを通して進み、データを格納するために使用する物理または論理構造体またはアドレスにより、1つまたは複数の許可された領域を識別するために、印刷データを走査または他の方法で横切らせることができる。
【0078】
図7のビットマップ700のようなビットマップを表すデータを走査するために上記方法を組み合わせたり、および/または修正することもできる。
【0079】
すでに説明したように、例えば、両面媒体の第1および第2の面に印刷するための印刷データを分割するための方法は、データを生成するアプリケーション・プログラム、生成したデータ上で動作する印刷ドライバ、および/またはデータを印刷するために識別したプリンタにより行うことができる。アプリケーション・プログラム・レベルで印刷データを分割する場合には、生成した印刷データを、生成したデータを印刷するために、内部で生成したおよび/または外部から受信したコマンドにより、例えば、両面媒体の第1および第2の面に印刷するために分割することができる。例えば、一実施形態においては、POS端末にオペレータが入力した取引終了コマンドを受信した場合に、両面感熱レシート・プリンタにより両面感熱レシート媒体の第1および第2の面に印刷するために、ホストPOS端末上で稼働している小売アプリケーション・プログラムにより印刷するために、小売取引情報の形をしている印刷データを生成し、分割することができる。他の方法も使用することができる。
【0080】
他の実施形態においては、例えば、両面感熱レシートのような両面媒体40の第1および第2の面に印刷するためのデータを分割するための方法は、両面感熱レシート・プリンタのような両面プリンタ10に関連するPOS端末のような、ホスト・コンピュータ上で稼働している1つまたは複数の印刷ドライバを使用することにより行うことができる。動作中、印刷ドライバは、印刷のために関連する両面サーマル・プリンタに送信する前に、POS端末上で稼働している印刷スプーラから送信した印刷データをインターセプトすることができる。アプリケーション・ドライバ、および/またはプリンタ要件により、このようなデータを1つまたは複数のページの印刷データの形で印刷ドライバに供給することができる。これらのページは、両面媒体の第1および/または第2の面に印刷するために、個々にまたはまとめて分割することができる。受信した印刷データを印刷ドライバにより分割する場合に、この印刷データを、後での送信のためにさらにスプールすることもできるし、および/または印刷のためにプリンタに直接送信することもできる。
【0081】
一実施形態においては、受信した印刷データを、ホスト・コンピュータ上で稼働しているアプリケーション・プログラムおよび/または印刷ドライバにより、例えば、両面プリンタ10により印刷媒体40の第1の面上に第1のプリント・ヘッド20により印刷するための第1のデータ部分、および例えば、両面プリンタ10により印刷媒体40の第2の面上に第2のプリント・ヘッド30により印刷するための第2のデータ部分に分割することができる。分割した場合、第1のデータ部分を、第1のデータ部分をプリンタの第1の印刷バッファまたはメモリ格納領域80内に格納することを示す適切なコマンドと一緒に両面プリンタ10に送信することができる。同様に、分割した場合、第2のデータ部分を、第2のデータ部分をプリンタの第2の印刷バッファまたはメモリ格納領域80内に格納することを示す適切なコマンドと一緒に両面プリンタ10に送信することができる。次に、第1の印刷バッファまたはメモリ格納領域80からのデータを、両面プリンタ10の第1のプリント・ヘッド20により印刷媒体40の第1の面に印刷するために選択することもできるし、または他の方法で識別することができる。一方、その後で、第2の印刷バッファまたはメモリ格納領域80からのデータを、例えば、両面プリンタ10の印刷機能スイッチ100により、両面プリンタ10の第2のプリント・ヘッド30により印刷媒体40の第2の面に印刷するために選択することもできるし、または他の方法で識別することもできるし、その逆を行うこともできる。また、他の方法も使用することができる。
【0082】
他の実施形態においては、ビットマップまたは他のグラフィック・データを含む受信印刷データを、例えば、図1の両面プリンタ10のようなプリンタにより両面媒体40の第1および第2の面に印刷するために分割することができる。このような場合、図7のビットマップ700を表すデータのような受信グラフィック・データを、プリンタ10の1つまたは複数の受信データ・バッファまたはメモリ格納位置80内に格納することができる。その後で、このようなデータを、例えば、図5および図6の方法により1つまたは複数の適切な分割位置を識別するために、印刷メモリまたはバッファ80から検索し、プロセッサ90により処理することができる。適切な分割位置が識別されると、印刷媒体40(例えば、識別した分割位置の前および/またはその位置を含むデータ)の第1の面に印刷するために識別したデータを、第1のプリント・ヘッド20により印刷するために、第1の印刷バッファまたはメモリ格納位置80内に格納することもできるし、印刷媒体40(例えば、識別した分割位置の後および/またはその位置を含むデータ)の第2の面に印刷するために識別したデータを、第2のプリント・ヘッド30により印刷するために、第2の印刷バッファまたはメモリ格納位置80内に格納することもできる。受け入れることができる分割位置の識別、およびプリンタ10に関連する第1および第2のプリント・ヘッド20、30による両面印刷媒体の第1および第2の面上のこのような分割位置の前および後のデータの交互の印刷を含む他の方法も使用することができる。
【0083】
今までデータ特にグラフィックまたはビットマップ・データを、両面媒体の第1および第2の各面に印刷するための第1および第2の部分への分割に関連して本発明を説明してきたが、本発明は、また、このような媒体が連続しているロール、個々のシートおよび/または扇状に折り畳んだ形で供給されていてもいなくても、片面媒体の1つまたは複数のページおよび/またはこれらの組合せに印刷するためのデータを分割するためにも適用することができることに留意されたい。例えば、一実施形態においては、本発明は、図7のビットマップ700を表すデータのような印刷データを、シート媒体の第1のシートの第1の面に印刷するための第1の部分と、シート媒体の第2のシートの第1の面に印刷するための第2の部分とに分割するために使用することができる。第2の実施形態においては、図7のビットマップ700を表すデータのような印刷データを、このような分割がグラフィックおよび/またはテキスト印刷要素の中央で決して行われないようにしながら、最初にシート媒体の第1のシートの第1および第2の各面に印刷するための第1および第2のデータ部分、および次に、シート媒体の第2のシートの第1および第2の各面に印刷するために第1および第2のデータ部分に分割するのが望ましい場合もある。これらの組合せを含む種々の方法も使用することができる。
【0084】
上記説明は、例示としてのものであって、本発明を制限するものではない。もっと詳細に説明すると、第1および第2のプリント・ヘッド、プラテン、歯車等、および第1および第2の媒体面等の指定は、実施形態毎に変えることができる。
【0085】
さらに、上記説明を読めば、当業者であれば多くの他の実施形態を思い付くことができるだろう。それ故、これら実施形態の範囲は、特許請求の範囲と同じ等価物の全範囲と一緒に、添付の特許請求の範囲を参照して決めるべきである。
【0086】
米国特許法施行規則第1.72条第(b)項の規定に従って要約を添付してあるので、読者は、技術的説明の性質および要旨をすぐに理解することができるだろう。この要約は、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈したり、制限したりするために使用しないという了承のもとに添付してある。
【0087】
実施形態の上記説明においては、説明を分かり易くするために種々の機能を1つの実施形態内でグループ分けしてある。同様に、不必要な反復を避けるために、1つの実施形態についてだけ種々の機能について記載してある。この開示方法を、特許請求の範囲に記載する実施形態は、各請求項に明示してあるよりも多くのまたは少ない機能を有することができないと解釈すべきではない。それどころか、添付の特許請求の範囲に記載するように、本発明の主題は、1つの開示の実施形態のすべての機能よりも多くのまたは少ない機能内に含まれている。それ故、添付の特許請求の範囲は、実施形態を説明するためのものであり、各請求項は、それ自身、別々の例示としての実施形態として独立している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面プリンタの第1および第2の各プリント・ヘッドにより、印刷媒体の第1および第2の面に印刷するための情報を含むデータを分割するための方法であって、
前記情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応する前記データの一部を識別するステップと、
前記情報が印刷されない前記領域に対応する前記部分の前の前記データの一部を第1のデータ部分として識別するステップと、
前記情報が印刷されない前記領域に対応する前記部分の後の前記データの一部を第2のデータ部分として識別するステップと、
前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第1のデータ部分を指定するステップと、
前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第2のデータ部分を指定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応する前記データのある部分を識別するステップが、前記情報が印刷されない印刷方向を横切る印刷媒体のある領域に対応する前記データの一部を識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データを分割するための所望の位置を識別するステップを含み、
所望の位置を識別するステップが、1つまたは複数の所定の基準に適合する前記データ内のある位置を識別するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の所定の基準のうちの少なくとも1つが、前記第2のデータ部分が表す情報量にほぼ等しい前記第1のデータ部分が表す情報量を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応する前記データの一部を識別するステップが、前記所望の位置に近接した前記情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応する前記データの一部を識別するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記情報が印刷されない印刷媒体の前記領域が、前記所望の位置に対応する印刷媒体のある領域から所定の距離内に位置する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の距離が、媒体フィード・パスに沿った媒体の所定の長さに対応する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データが、1つまたは複数のドット行を含むビットマップを表し、前記所定の距離が、前記ビットマップのドット行の所定数に対応する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記情報が印刷されない印刷媒体のある領域に対応する前記データの前記一部が、1つまたは複数の所定の基準に適合するか否かを判定するステップと、
前記1つまたは複数の所定の基準に適合した場合に、前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第1のデータ部分、および前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第2のデータ部分を指定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の所定の基準のうちの少なくとも1つが、所定の物理サイズを含むように、前記情報が印刷されない印刷媒体の前記領域を要求する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の物理サイズが、媒体フィード・パスに沿った印刷媒体の所定の長さに対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の長さが、約0.5〜2.0mmの範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記所定の長さが、約1.0〜1.25mmの範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記データが、1つまたは複数のドット行を含むビットマップを表し、前記所定の物理サイズが、前記ビットマップのドット行の所定数に対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ドット行の前記所定数が、約4〜16の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ドット行の前記所定数が、約8〜10の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のデータ部分を印刷するために必要な印刷媒体の印刷媒体の部分、および前記第2のデータ部分を印刷するために必要な印刷媒体の部分が、1つまたは複数の所定の基準に適合するか否かを判定するステップと、
前記1つまたは複数の所定の基準に適合した場合に、前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第1のデータ部分、および前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための前記第2のデータ部分を指定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数の所定の基準のうちの少なくとも1つが、所定の量だけサイズを異なるものにするように、前記第1のデータ部分を印刷するために必要な印刷媒体の前記部分、および前記第2のデータ部分を印刷するために必要な印刷媒体の前記部分を要求する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所定の量が、媒体フィード・パスに沿った印刷媒体の所定の長さに対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記データが、1つまたは複数のドット行を含むビットマップを表し、前記所定の量が、前記ビットマップのドット行の所定数に対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記所定の量が、予め定義した印刷データを印刷するのに必要な印刷媒体の部分に対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記予め定義した印刷データが、クーポン、ロゴ、連載漫画、販売条件、グラフィック、広告、セキュリティ機能、割引情報、コンテスト情報、チケット情報および法的情報のうちの1つまたは複数を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
両面プリンタの第1および第2のプリント・ヘッドにより印刷するためのデータを分割するための方法であって、
印刷するための情報を含んでいない印刷方向を横切る前記データの部分を識別するステップと、
前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための前記識別部分の前の前記データの一部を指定するステップと、
前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための前記識別部分の後の前記データの一部を指定するステップと、
を含む方法。
【請求項24】
両面プリンタの第1および第2のプリント・ヘッドにより印刷するための1つまたは複数の個別グラフィック印刷要素を表すデータを分割するための方法であって、
印刷方向を横切る前記個別グラフィック印刷要素内または要素間の1つまたは複数の領域を表すデータを識別するステップと、
前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための第1のデータ部分と、1つまたは複数の前記識別領域のところのまたは識別領域内の前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための第2のデータ部分とに前記データを分割するステップと、
を含む方法。
【請求項25】
両面プリンタの第1および第2のプリント・ヘッドにより両面媒体の第1および第2の面に印刷するためのビットマップを表すデータを分割するための方法であって、前記ビットマップが、複数のドット行を含み、各ドット行が、印刷および/または印刷しないように指定した複数のドットを含み、前記方法が、
1つまたは複数の所定の基準に適合する1つまたは複数の隣接するドット行を識別するステップと、
前記データを、前記識別したドット行の少なくとも1つ前または後で、前記第1のプリント・ヘッドにより印刷するための第1のデータ部分と、前記第2のプリント・ヘッドにより印刷するための第2のデータ部分とに分割するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記1つまたは複数の所定の基準のうちの少なくとも1つが、前記隣接する各ドット行が、印刷のために指定された所定数のドットより少ないかまたは等しいドットを有するように要求する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記所定数のドットが、0または1に等しい、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたは複数の所定の基準のうちの少なくとも1つが、前記隣接する各ドット行が、印刷のために指定した所定の百分率のドットより少ないかまたは等しいドットを有するように要求する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記所定の百分率のドットが、0、1または2パーセントに等しい、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記1つまたは複数の所定の基準のうちの少なくとも1つが、前記1つまたは複数の隣接するドット行が、媒体フィード・パスに沿った媒体の所定の長さを表すように要求する、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記所定の長さが、約0.5〜2.0mmの範囲である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記所定の長さが、約1.0〜1.25mmの範囲である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
1つまたは複数の所定の基準に適合する1つまたは複数の隣接するドット行を識別するステップが、1つまたは複数の所定の基準に適合する所定数の隣接するドット行を識別するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
隣接するドット行の前記所定数が、約4〜16の範囲である、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
隣接するドット行の前記所定数が、約8〜10の範囲である、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタであって、
媒体フィード・パスの第1の面上の第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
前記第1の面に対向する前記媒体フィード・パスの第2の面上の第2のサーマル・プリント・ヘッドと、
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタにより印刷するためのデータを受信することができる通信コントローラと、
印刷のための情報を含んでいない印刷方向を横切る前記データの一部を識別することができ、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドにより印刷するための前記印刷方向の前記識別部分の前の前記データの一部を指定することができ、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドにより印刷するための前記印刷方向の前記識別部分の後の前記データの一部を指定することができるプロセッサと、
を備える両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項37】
前記受信データを格納することができる印刷バッファをさらに備える、請求項36に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項38】
第1のメモリと、
第2のメモリと、
をさらに備え、
前記第1のメモリが、前記データの前記第1の部分を格納することができ、前記第2のメモリが、前記データの前記第2の部分を格納することができる、請求項37に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−531245(P2010−531245A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513175(P2010−513175)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/021391
【国際公開番号】WO2008/156466
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】