両面印刷物の作製方法および両面印刷装置
【課題】表面の第1の印刷情報の印刷範囲に合わせた長さの単票紙状の印刷物の他方の面に、適切なレイアウトで第2の印刷情報を印刷する。
【解決手段】第1の印刷情報が入力されると、その印刷長さを計算し最終的に作製される両面印刷物1の長さを計算する。次に、記録媒体の裏面に印刷する印刷情報ブロック2を選択する。印刷情報ブロック2を各々の優先度に基づいて選択するが、最後に選択される1つの印刷情報ブロック2は、両面印刷物の長さに基づいて、裏面に、選択された印刷情報ブロック2が順番に並んで印刷された時に、全ての余白部分が、所定の許容範囲内に入る均一な長さになるように選択する。こうして、第2の印刷情報を確定させたら、記録媒体の表面に第1の印刷情報を印刷し、カッター部によって切断し、裏面に第2の印刷情報を印刷する。
【解決手段】第1の印刷情報が入力されると、その印刷長さを計算し最終的に作製される両面印刷物1の長さを計算する。次に、記録媒体の裏面に印刷する印刷情報ブロック2を選択する。印刷情報ブロック2を各々の優先度に基づいて選択するが、最後に選択される1つの印刷情報ブロック2は、両面印刷物の長さに基づいて、裏面に、選択された印刷情報ブロック2が順番に並んで印刷された時に、全ての余白部分が、所定の許容範囲内に入る均一な長さになるように選択する。こうして、第2の印刷情報を確定させたら、記録媒体の表面に第1の印刷情報を印刷し、カッター部によって切断し、裏面に第2の印刷情報を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は両面印刷物の作製方法と両面印刷装置に関し、特に、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷し、第1の印刷情報が印刷された部分を切断し、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する、単票紙状の両面印刷物の作製方法と両面印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、連続紙状の記録媒体の両面に印刷して、単票紙状の両面印刷物を作製する両面印字装置が開示されている。この装置は、ロール体から連続紙状の記録媒体を順次繰り出しつつ、その一方の面に第1印字機構によって印刷を行い、第1印字機構により印刷された部分をカッターによって切断して単票紙状にした後に、第2の印字機構によって、単票紙状の記録媒体の他方の面に印刷するものである。このような両面印字装置では、記録媒体の両面に同種の印刷情報を印刷するのではなく、記録媒体の一方の面に印刷される印刷情報と他方の面に印刷される印刷情報は、互いに異なる内容である場合がある。
【0003】
一例としては、記録媒体の一方の面(表面)にはその都度入力された内容を印刷し、他方の面(裏面)には、予め用意された印刷情報を印刷するものがある。具体的には、この両面印字装置を金銭登録機(レジスター)に応用し、記録媒体の表面に、購入物品およびその単価と合計金額等を印刷し、裏面に、広告やクーポン券や消費者向けの情報を印刷することが考えられる。そして、表面の印刷情報(購入物品およびその価格と合計金額等)の印刷終了点に適切な余白を加えた位置で切断して、消費者に渡すための単票紙状のレシート(両面印刷物)を作製する。
【特許文献1】特開平6−262785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような両面印字装置を、金銭登録機に応用する場合など、表面に印刷される内容がその都度変わる場合には、最終的に作製される単票紙状の印刷物の長さがその都度変わる可能性がある。その場合、この印刷物の長さに、裏面に印刷される印刷情報のサイズが適合しないことが考えられる。例えば、図示しない表面には必要な印刷情報が適切なレイアウトで印刷されていても、図10(a),10(b)に示すように、裏面には、予め用意された広告等の印刷情報30が不自然なレイアウトで印刷される可能性がある。すなわち、図10(a)に示す例では、裏面の広告等の印刷情報30の後に非常に広い空白が生じ、図10(b)に示す例では、裏面の広告等の印刷情報30の途中で切断されている。
【0005】
裏面に印刷する印刷情報を1つずつのブロックとして、いわば印刷情報ブロック30aとして考えると、記録媒体の裏面に、広告等の印刷情報ブロック30aを繰り返して印刷することによって、単票紙の裏面全体を無駄なく利用することが考えられる。しかし、印刷情報ブロック30aを単純に間断なく繰り返すだけでは、図11(a)に示すように、完成した単票紙状の印刷物の裏面において、印刷情報ブロック30aの途中から始まって、印刷情報ブロック30aの途中で終了するおそれがある。図11(b),11(c)に示すように、裏面の印刷情報ブロック30aの印刷開始点を単票紙状の記録媒体の先頭と位置合わせすることによって、印刷物の裏面の適切な位置から印刷情報ブロック30aを印刷することは可能であるが、その場合でも、印刷情報ブロック30aの途中で切断されるおそれや、印刷情報ブロック30aの印刷終了点の下に広い無駄な空白が生じるおそれがある。
【0006】
ところで、記録媒体の裏面に、単一の印刷情報ブロック30aを繰り返して印刷するのではなく、複数の印刷情報ブロック30aを予め記憶しておき、異なる印刷情報ブロックを順番に並べて印刷することも考えられる。その場合、図11(a),(b)に示すのと同様に、印刷情報ブロック30aの途中から印刷される場合や、印刷情報ブロック30aの途中で中断される場合には、その印刷情報ブロック30aの内容を全て表示することができず、表示としての必要な機能を達成できないことになる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、連続紙状の記録媒体を、一方の面の第1の印刷情報の印刷範囲に合わせて切断して単票紙状の印刷物を作製する際に、他方の面に適切なレイアウトで第2の印刷情報を印刷することができる、両面印刷物の作製方法と両面印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、各印刷情報ブロックは、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内にデータベース化されて記憶されており、中央処理装置が、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、印刷情報ブロックを選択するステップは、各印刷情報ブロックの優先度に従って選択するが、1つの印刷情報ブロックに関しては、中央処理装置が第1の印刷情報の印刷長さを求め、その印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択するものであるところにある。
【0009】
この構成によると、例えば複数の印刷情報ブロックを印刷する場合に、1つの印刷情報ブロックを除いては、予め決められている優先度に従って選択するが、1つの印刷情報ブロックに関しては、この面の全ての余白部分を均等にするとともに、適切な大きさにするように選択される。その結果、各印刷情報ブロックの前後に適切な大きさの余白部分が介在し、印刷情報ブロックが中断されることもなく、非常に見易い両面印刷物を作製することができる。もちろん、1つの印刷情報ブロックのみを印刷する場合にも、その印刷情報ブロックの前後に適切な大きさの余白部分が介在し、印刷情報ブロックが中断されることもなく、見易い両面印刷物にすることができる。
【0010】
中央処理装置が印刷情報ブロックを選択するステップは、未選択の印刷情報ブロックのうち、優先度の高い印刷情報ブロックから順番に選択することを繰り返し、選択された印刷情報ブロックを両面印刷物内に配置可能であるか否かを判定し、配置不可能と判定された時点で、1つの印刷情報ブロックの選択を取り消し、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックを両面印刷物内に配置した際に生じる印刷長さ方向の余白を、印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが許容範囲内に入るか否かを判定し、余白部分の長さが許容範囲に入らないと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる印刷情報ブロックに差し替えてもよい。
【0011】
その場合、余白部分の長さが許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの最後に選択された1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い印刷情報ブロックに差し替え、余白部分の長さが許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが長い印刷情報ブロックに差し替えてもよい。
【0012】
あるいは、中央処理装置が前記印刷情報ブロックを選択するステップは、未選択の印刷情報ブロックのうち、優先度の高い印刷情報ブロックから順番に選択し、選択された印刷情報ブロックを両面印刷物内に配置した際に生じる印刷長さ方向の余白を、印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが許容範囲内に入るか否かを判定し、余白部分の長さが許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる印刷情報ブロックに差し替えるか、または、未選択の印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択してもよい。
【0013】
その場合、余白部分の長さが許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い印刷情報ブロックに差し替え、余白部分の長さが許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、未選択の印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択してもよい。
【0014】
余白部分の長さが許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる印刷情報ブロックに差し替えること、または、未選択の印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択することを繰り返し、余白部分の長さが許容範囲に入ると判定された時、または、記憶されている全ての印刷情報ブロックに関して余白部分が許容範囲内に入るか否かの判定が完了した時、または、印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返し回数が、予め決められた回数に到達した時点で、印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返しを終了してもよい。これによって、印刷情報ブロックの印刷長さのバリエーションが少なかったり、余白部分の許容範囲が狭かったりする場合に、適切なレイアウトが容易に見つからない時に対処することができる。
【0015】
各印刷情報ブロックは、印刷長さおよび優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、パラメータは当該印刷情報ブロックの情報の種類であり、複数の印刷情報ブロックが選択される場合には、互いに異なる種類の前記印刷情報ブロックを優先的に選択してもよい。その場合、例えば、広告とクーポン券と消費者向けの情報などの属性に応じて、まんべんなく印刷情報ブロックを選択することができる。
【0016】
各印刷情報ブロックは、印刷長さおよび優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、印刷情報ブロックは、選択条件が満たされる場合にのみ選択可能であってもよい。例えば、選択条件は、両面印刷物を渡す相手の性別と、両面印刷物を渡す時間帯と、両面印刷物を渡す地域と、両面印刷物を渡す際の天気と、他の印刷情報ブロックとの並記の可否のうちの少なくとも1つであってもよい。これによって、印刷情報ブロックの選択を、各々の情報内容に応じてよりきめ細かく制御することができる。
【0017】
本発明の他の特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、印刷情報ブロックは、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内にデータベース化されて記憶されている複数の主ブロックと、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内に主ブロックとは別のデータベースとして記憶されている複数の余白調整用ブロックとからなり、別のデータベースには、主ブロックに比べて印刷長さが短いものを含めて、印刷長さが異なる複数の余白調整用ブロックが記憶されており、中央処理装置が、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、印刷情報ブロックを選択するステップでは、1つの余白調整用ブロックが必ず含まれるように選択し、1つの余白調整用ブロックとともに1つまたは複数の主ブロックが選択される場合には主ブロックは優先度に従って選択し、1つの余白調整用ブロックは、中央処理装置が第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、印刷長さに従って選択するところにある。
【0018】
本発明の他の特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、各印刷情報ブロックは、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内にデータベース化されて記憶されており、記憶部内に印刷長さが同じ印刷情報ブロックが複数記憶されている場合には、それぞれに異なる優先度が付与されており、中央処理装置が、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、印刷情報ブロックを選択するステップは、中央処理装置が第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、選択すべき1つまたは複数の印刷情報ブロックの各々の印刷長さを決定し、決定された印刷長さを有する印刷情報ブロックのうち、優先度の高いものを選択するものであるところにある。
【0019】
本発明のもう1つの特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、各印刷情報ブロックを、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせて、記憶部内にデータベース化されて記憶する記憶部と、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択する中央処理装置であって、印刷情報ブロックを優先度に従って選択するが、1つの印刷情報ブロックに関しては、第1の印刷情報の印刷長さを求め、その印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択する中央処理装置と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、記録媒体の一方の面に印刷した第1の印刷情報に合わせて切断して両面印刷物を作製する際に、他方の面に、適切な余白部分を設けて、見易いレイアウトで印刷情報ブロックを印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
まず、本発明の実施形態である両面印刷物の作製方法について、図1〜8を参照して説明する。本実施形態は、本発明を金銭登録機に適用した例であり、両面印刷装置が金銭登録機に内蔵され、両面印刷物としていわゆるレシートを作製するものである。このように、本発明によって作製される両面印刷物1の一例であるレシートは、図1(a)に示すように、一方の面(表面)に第1の印刷情報として、消費者が購入した物品およびその価格と合計金額等が印刷され、図1(b)に示すように、他方の面(裏面)に第2の印刷情報として、複数の印刷情報ブロック2が両面印刷物1の長手方向に並べて印刷されたものである。そして、本実施形態によると、両面印刷物1の裏面において、各印刷情報ブロック2の前後の余白部分Sが適切な大きさになるようにレイアウトされる。
【0023】
なお、ここで言う印刷情報ブロック2とは、各種の広告などを、その内容ごとに独立した個別のデータとしたものである。例えば、1つの製品に関する広告が数行の文章といくつかの画像で構成されている場合には、それらをまとめて1つの印刷情報ブロック2とみなし、他の製品に関する文章や画像等とは全く別個に独立して取り扱えるようにしたものである。なお、本明細書中では印刷情報ブロック全般を符号2で示すが、個々の印刷情報ブロックを区別して説明する場合には、英字を付して符号2A,2B,2C,2D・・・にて示す。
【0024】
[第1の実施形態]
本実施形態において両面印刷物1を作製する準備段階として、複数の印刷情報ブロック2を記憶部3(図2参照)に記憶させておく。この際、図3に示すように、各印刷情報ブロック2ごとに、その印刷情報ブロック2の内容を表すデータと、その印刷情報ブロックを記録媒体に印刷するために要する印刷長さと、内容の優先度とをデータとして持たせて、データベース化してそれぞれ記憶させておく。この優先度とは、印刷情報ブロック2同士を比較した際に、両面印刷物1への印刷を望まれる度合いを数値化またはランク付けしたものである。例えばスポンサーの広告料金(契約料金)等により決定されることが考えられる。
【0025】
入力部4から、両面印刷物1の一方の面(表面)に印刷すべき第1の印刷情報が入力されることによって、両面印刷物1の作製が始まる(ステップS1)。このステップS1は、例えば、操作者が金銭登録機のキーボード(入力部4)を操作すること、またはバーコードリーダー(入力部4)によってバーコードを読み取ることによって行われる。
【0026】
そこで、中央処理装置5が、入力された第1の印刷情報を確認し、その第1の印刷情報を記録媒体に印刷するのに要する印刷長さを計算し、さらに、その印刷長さに上下の余白部分を見込むことによって、最終的に作製される両面印刷物1の長さL1を計算する(ステップS2)。
【0027】
次に、中央処理装置5が、計算された両面印刷物の長さL1に基づいて、記録媒体の裏面に印刷する印刷情報ブロック2を選択して、第2の印刷情報を決定する(ステップS3)。この時、図1(b)に示すように、最終的に作製された両面印刷物1の裏面に、選択された印刷情報ブロック2が順番に並んで印刷された時に、最前部の印刷情報ブロック2の前方(記録媒体の先端部側)の余白部分Sと、各印刷情報ブロック2の間の余白部分Sと、最後部の印刷情報ブロック2の後方(記録媒体の後端部側)の余白部分Sとが、いずれも等しい長さになっており、かつ、それらの長さが所定の許容範囲内に入るように、印刷情報ブロック2を選択する。なお、1つの印刷情報ブロック2のみが選択された場合には、その印刷情報ブロック2の前後の余白部分Sの長さが、所定の許容範囲内に入るようになっている。
【0028】
このステップS3の具体例について詳細に説明する。まず、記憶部3に記憶されている複数の印刷情報ブロック2のうち、優先度が最も高い印刷情報ブロック2(例えば2A)を選択する(ステップS3a)。続いて、未選択の印刷情報ブロック2のうちで最も優先度が高い印刷情報ブロック2、すなわち、既に選択された印刷情報ブロックの次に優先度が高い印刷情報ブロック2(例えば2B)を追加選択する(ステップS3b)。そして、ここまでに選択された印刷情報ブロック2(例えば2A+2B)の印刷長さの合計L2を求め、これを両面印刷物の長さL1と比較する(ステップS3c)。
【0029】
ここで、選択された印刷情報ブロック2(2A+2B)の印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも長い場合、すなわち、選択された印刷情報ブロック2が両面印刷物1内に入る場合には、ステップS3b〜S3cを繰り返す。すなわち、既に選択された印刷情報ブロック2(2A,2B)の次に優先度が高い印刷情報ブロック2(例えば2C)を追加選択し、選択された印刷情報ブロック2(2A+2B+2C)の印刷長さの合計L2を求め、これを両面印刷物の長さL1と比較する。こうして、選択された印刷情報ブロック2の印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも短くなる、すなわち、選択された印刷情報ブロック2が両面印刷物1内に入りきれなくなるまで、印刷情報ブロック2を、優先順位が高い順番に追加選択し続ける。
【0030】
ステップS3cにおいて、選択された印刷情報ブロック2(2A+2B+2C)の印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも短いと判定されると、選択された印刷情報ブロック2(2A,2B,2C)の全ては両面印刷物1内に入りきれないため、直前のステップS3cで選択された1つの印刷情報ブロック2(2C)の選択を取り消す(ステップS3d)。
【0031】
この時点で、選択された全ての印刷情報ブロック2(2A,2B)の印刷が可能になる。しかし、印刷情報ブロック2の前後に生じる余白部分が長すぎたり短すぎたりして、見
にくくなったり、見栄えが悪くなったりするおそれがある。そこで、次に、余白部分を適切な長さにするための制御を行う。
【0032】
その場合、まず、ステップS3dにおいて選択を取り消された印刷情報ブロック2(2C)を除いて、取り消されずに残った印刷情報ブロック2(2A+2B)の長さL2を、ステップS2で求めた両面印刷物の長さL1から引いて、記録媒体全体における余白の、記録媒体の長手方向の長さを求める。そして、その余白を印刷情報ブロック2(2A,2B)の前後に均等に分散配置した場合に生じる各余白部分の長さL3を計算する(ステップS3e)。この余白部分の長さL3が、予め設定されている許容範囲内に入るか否かを判定する(ステップS3f)。この時に、余白部分の長さが許容範囲内であると判定された場合には、その時点で既に選択されている印刷情報ブロック2(2A,2B)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。
【0033】
余白部分の長さL3が許容範囲外であると判定された場合には、それらの印刷情報ブロック2(2A,2B)のうちの最後のもの(2B)に代えて、未選択の印刷情報ブロック2のうちのいずれかに差し替える(ステップS3h)。この際に、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値よりも小さい場合には、印刷長さがより短い印刷情報ブロック(例えば2D)に差し替え、余白部分の長さL3が許容範囲の最大値よりも大きい場合には、印刷長さがより長い印刷情報ブロック(例えば2E)に差し替える。もしも、未選択の印刷情報ブロックの中に印刷長さが等しいものが複数存在したら、それらのうちの優先度がより高いものを選択する。
【0034】
そして、前記したステップS3e〜S3fを繰り返して、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定された場合には、それらの印刷情報ブロック2(2A,2D)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。しかし、再度のステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が依然として許容範囲外であると判定された場合には、余白部分の長さL3が許容範囲内に入ると判定されるまで、代わりの印刷情報ブロック2への差し替え(ステップS3h)と、余白部分の長さL3の計算(ステップS3e)と、それと許容範囲との比較判定(ステップS3f)を繰り返す。
【0035】
このようにして、ステップS3によって印刷情報ブロック2の選択が完了し、裏面に印刷する第2の印刷情報を決定したら、第1の記録部6が、連続紙状の記録媒体の表面に第1の記録情報、この例では図1(a)に示すように消費者が購入した物品およびその価格と合計金額等を印刷する(ステップS4)。
【0036】
カッター部7が、連続紙状の記録媒体の、第1の記録情報の印刷終了点から微小かつ適切な余白をおいた位置で切断し、単票紙状にする(ステップS5)。
【0037】
次に、第2の記録部8が、単票紙状になった記録媒体の裏面に第2の記録情報、この例では図1(b)に示すように、ステップS3gで確定された、広告等の印刷情報ブロック2を印刷する(ステップS6)。この時、各印刷情報ブロック2の前後の余白部分が全て、ステップS3eにて求めてステップS3hにて許容範囲内に入っていることが確認された長さL3になるように、印刷情報ブロック2をレイアウトする。
【0038】
最後に、両面の印刷が完了した両面印刷物1が外部に排出される(ステップS7)。この両面印刷物がレシートである場合には、消費者に手渡される。
【0039】
このような両面印刷物1は、例えば購入物品の数が変わることによって表面に印刷する第1の印刷情報の量が変わるため、両面印刷物1の長さは一定ではなく、1枚ごとに変わると考えられる。それでも、本発明では、適切な1つまたは複数の印刷情報ブロック2を選択することによって、裏面には適切な余白部分をおいてレイアウトされた印刷情報ブロック2が印刷される。従って、従来のように印刷情報ブロックの途中から印刷されたり、印刷情報ブロックの途中で切断されたり(図10,11参照)することはなく、また、余白部分が長すぎたり短すぎたりすることもなく、見易い両面印刷物1を作製することができる。しかも、最後に選択された1つの印刷情報ブロック以外の印刷情報ブロックは、それぞれの優先度に従って並べられている。従って、優先度のパラメータを自動的に考慮して印刷情報ブロックを選択するという、従来は適切なレイアウトの設定と両立させることが不可能であった効果を実現できる。
【0040】
なお、カッター部7による切断(ステップS5)と、第2の記録部8による記録媒体の他方の面への印刷(ステップS6)の順番を入れ替えてもよい。また、第1の印刷情報の印刷(ステップS4)と、印刷情報ブロック2の選択(ステップS3)の順番を入れ替えてもよい。
【0041】
[第2の実施形態]
次に、この両面印刷物の作製方法の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、記録媒体の裏面に印刷する印刷情報ブロック2を中央処理装置5が選択するステップのみが第1の実施形態と異なるため、このステップS3のみについて、図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態のステップと実質的に同じ内容のステップには、同一の符号を付与している。
【0042】
本実施形態では、まず、記憶部3に記憶されている複数の印刷情報ブロック2のうち、優先度が最も高い印刷情報ブロック2(例えば2A)を選択する(ステップS3a)。続いて、この時点で選択されている印刷情報ブロック2(2A)の長さを、ステップS2で求めた両面印刷物の長さL1から引いて、記録媒体全体における余白の、記録媒体の長手方向の長さを求める。そして、その余白を印刷情報ブロック2(2A)の前後に均等に分散配置した場合に生じる各余白部分の長さL3を計算する(ステップS3e)。この余白部分の長さL3が、予め設定されている許容範囲内に入るか否かを判定する(ステップS3f)。この時に、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定された場合には、その時点で既に選択されている印刷情報ブロック2(2A)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。
【0043】
ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲の最大値Maxよりも大きいと判定された場合には、未選択の印刷情報ブロック2のうちで最も優先度が高い印刷情報ブロック2、すなわち、既に選択された印刷情報ブロック(2A)の次に優先度が高い印刷情報ブロック2(例えば2B)を追加選択する(ステップS3b)。そして、ステップS3e〜S3fを繰り返す。すなわち、ここまでに選択された印刷情報ブロック2(2A+2B)の印刷長さの合計を、ステップS2で求めた両面印刷物の長さL1から引くことにより、記録媒体全体における余白の長さを求める。そして、その余白を各印刷情報ブロック2(2A,2B)の前後に均等に分散配置した場合に生じる各余白部分の長さL3を計算する(ステップS3e)。この余白部分の長さL3が許容範囲内に入るか否かを判定する(ステップS3f)。こうして、ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定されるか、または、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定されるまで、印刷情報ブロック2の追加選択から、余白部分の長さL3と許容範囲との対比までのステップS3b,S3e,S3fを繰り返す。
【0044】
ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロック2(2A,2B)のうちの最後に選択されたもの(2B)に代えて、未選択の印刷情報ブロック2のうちの印刷長さがより短い印刷情報ブロック(例えば2D)に差し替える(ステップS3h)。そして、前記したステップS3e〜S3fを繰り返して、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定された場合には、その印刷情報ブロック2(2A,2D)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。しかし、再度のステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が依然として許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定された場合には、余白部分の長さL3が許容範囲内に入ると判定されるまで、代わりの印刷情報ブロック2への差し替え(ステップS3h)と、余白部分の長さL3の計算(ステップS3e)と、それと許容範囲との比較判定(ステップS3f)を繰り返す。
【0045】
なお、この説明は、追加選択された2つめの印刷情報ブロック2Bを差し替える例に関するものであるが、1つめの印刷情報ブロック2Aのみを選択した時点で、ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定される可能性もある。その場合には、選択されている印刷情報ブロック2Aに代えて、未選択の印刷情報ブロック2のうちの印刷長さがより短い印刷情報ブロック2Dに差し替えればよい(ステップS3h)。
【0046】
[補足説明]
以上説明した第1および第2の実施形態では、記憶部3に記憶されている複数の印刷情報ブロックの印刷長さが多様であり、特に、非常に短い印刷情報ブロックが含まれており、余白部分の許容範囲が比較的広めに設定されていれば、図4に示す方法または図5に示す方法によって、記録媒体の裏面に印刷される印刷情報ブロックの適切なレイアウトがほぼ見つけられると考えられる。しかし、記憶部3に記憶されている印刷情報ブロックの印刷長さのバリエーションが乏しく、特に、あまり短い印刷情報ブロックが存在しない場合や、余白部分の許容範囲が狭く設定されている場合などには、図4に示す方法や図5に示す方法によって、記録媒体の裏面に印刷される印刷情報ブロックの適切なレイアウトが見つけらない可能性も無いとは言えない。その場合には、図示しないが、例えば、記憶部内に記憶されている全ての印刷情報ブロックに関して余白部分L3の許容範囲との対比判定(ステップS3h)が終了した時点で、あるいは、印刷情報ブロックの差し替え回数が、予め決められている回数に到達した時点で、記録媒体の裏面への第2の印刷情報の印刷を中止するか、または、最後に余白部分L3の許容範囲との対比判定(ステップS3h)が終了した状態の印刷情報ブロックを、レイアウトは適切ではないが印刷するように選択確定させる。
【0047】
[第3の実施形態]
前記した実施形態では、記憶部に記憶されている印刷情報ブロック2は、印刷長さと優先度のみを考慮して選択していたが、本実施形態では、各印刷情報ブロック2の種類(属性)や、様々な選択条件をさらに考慮して選択する。
【0048】
例えば、図6に示すように、本実施形態の各印刷情報ブロック2は広告のみではなく、クーポン券や消費者向けの情報を示す印刷情報ブロックもある。そこで、これらの印刷情報ブロック2を、広告、クーポン券、情報の3種類の属性に分類し、各印刷情報ブロック2に、各々の属性を関連づけてデータベース化して記憶部3に記憶させる。また、選択条件として、性別の禁止条件や、時間、天気、地域の限定条件や、他の特定の印刷情報ブロックとの並記の可否を記憶させる。これらの選択条件は、必要に応じて付与されるものであって、これらの選択条件が存在しない印刷情報ブロックは空欄になっている。
【0049】
なお、図6に示す例の印刷情報ブロック2A〜2Eは、図3に示す例の印刷情報ブロック2A〜2Eと同じではないが、便宜上、同一の符号を付与している。
【0050】
本実施形態では、第1および第2の実施形態の方法において、これらの属性および選択条件による制御が行われる。すなわち、中央処理装置5が、図4,5の方法の、印刷情報ブロックを選択するステップS3aと、印刷情報ブロックを追加選択するステップS3bと、印刷情報ブロックを差し替えるステップS3hにおいて、まず、属性によって選択対象を絞り込んでから、選択を行う。すなわち、例えば各属性の印刷情報ブロックを均等に混在させたい場合には、これらのステップにおいて、既に選択済みの印刷情報ブロックと異なる属性を有する印刷情報ブロックのみを選択対象として選択を行う。もしも、全種類の属性の印刷情報ブロックが既に選択済みである場合には、直前に選択された印刷情報ブロックと異なる属性を有する印刷情報ブロックのみを選択対象として選択を行う。こうして、属性をパラメータとした、印刷情報ブロックの選択の制御が行える。
【0051】
また、図4,5の方法の、最初の印刷情報ブロックを選択するステップS3aの前の時点、例えば、入力部4から表面に印刷する第1の印刷情報を入力する際に、操作者が消費者の性別や天気や地域を入力し、図示しないが中央処理装置5に付属している時計が時刻を入力する。そして、それらに適合しない選択条件を有する印刷情報ブロックは、中央処理装置5によって選択対象から除外される。例えば、入力部4から性別が男性と入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Aを選択対象から除外する。入力部4から天気が曇り、雨、または雪と入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Fを選択対象から除外する。入力部4から千葉市以外の地域が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Cを選択対象から除外し、入力部4から世田谷区以外の地域が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Gを選択対象から除外する。さらに、時計から22時〜6時の間の時刻が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Eを選択対象から除外し、時計から0時〜10時の間の時刻が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Jを選択対象から除外する。
【0052】
なお、通常、性別の入力は消費者1人ごとに、すなわち両面印刷物1を1枚作製する度に行う必要があるが、天気の入力は、1日の金銭登録機の使用開始時と天気の変化が生じた時のみに行えばよい。また、地域の入力はその金銭登録機を設置した時に一旦入力しておけば、その後に再度入力する必要はない。
【0053】
さらに、本実施形態では、属性による絞り込みと同時に、他の特定の印刷情報ブロックとの並記が不可である印刷情報ブロック(例えば2F,2H)が既に選択されているか否かを確認する。仮に、それらのいずれか(例えば2F)が選択されている場合には、それと並記不可の印刷情報ブロック(例えば2H)を中央処理装置5が選択対象から除外する。これは、図4,5の方法の、印刷情報ブロックを選択するステップS3aと、印刷情報ブロックを追加選択するステップS3bと、印刷情報ブロックを差し替えるステップS3hの前、または後に行えばよい。
【0054】
以上の説明では、条件に適合しない印刷情報ブロックを選択対象から除外しているが、選択対象からの除外に代えて、優先度を低くすることもできる。例えば、中央処理装置5が、条件に適合しない印刷情報ブロック2の優先度を0に変更する処理を行ってもよい。その場合、他の全ての印刷情報ブロックが既に選択された後に追加選択を行う必要がある場合にのみ、優先度が0に変更された印刷情報ブロックが選択される。もちろん、適合しない印刷情報ブロック2を選択対象から除外する条件と、適合しない印刷情報ブロック2の優先度を低くする条件とを混在させてもよい。
【0055】
また、複数の印刷情報ブロックの長さをできるだけ統一することが望まれる場合には、1つめの印刷情報ブロックの選択が確定したら、その印刷情報ブロックの印刷長さと同じ印刷長さを有する全ての印刷情報ブロックの優先度を高くしてもよい。優先度を高くすることは、例えば、該当する印刷情報ブロックに一律に100を加えることによって行ってもよい。ただし、この場合にも、少なくとも最後に選択される印刷情報ブロックは、第1および第2の実施形態と同様に、余白部分の長さL3が許容範囲内に入るように、異なる印刷長さを有するものが選択される可能性がある。
【0056】
このように、印刷情報ブロック2を属性ごとに分類して、異なる分類のものが並ぶようにすると、単に広告のみが並ぶことに比べて、消費者の興味や関心を引きやすくなる。各属性の印刷情報ブロック2をそれぞれ1つずつ選択し終わった後に、さらに印刷情報ブロックを追加選択する場合には、どの属性の印刷情報ブロック2を選択しても良いが、同じ属性の印刷情報ブロック2の連続を回避するように制御することが望ましい。
【0057】
また、各印刷情報ブロック2に様々な選択条件を付加すると、よりきめ細かく効率の良いいサービスおよび宣伝広告が可能になる。
【0058】
[第4の実施形態]
図7に示す本実施形態では、印刷情報ブロック2を主ブロック2’と余白調整用ブロック2”との2種類に分け、記憶部3に2つのデータベースを構築している。一例としては、主ブロック2’は、図3に例示されている印刷情報ブロック2A〜2E、または図6に例示されている印刷情報ブロック2A〜2Jと同じであってよい。一方、余白調整用ブロック2”は、広告、クーポン券、消費者向けの情報に加えて「毎度ありがとうございました」などの挨拶文等であってもよく、主ブロック2’よりも印刷長さが短く、しかも余白Sの許容範囲の最小値Minよりも短いものを含む。例えば、主ブロック2’の印刷長さが、図3,6の例と同様に20〜40mmであり、余白Sの許容範囲が3〜5mmである場合に、印刷長さが2〜20mmである余白調整用ブロック2”を用意しておくことが考えられる。
【0059】
本実施形態における印刷情報ブロック2を選択するステップS3では、印刷情報ブロック2のうちの主ブロック2’を、第1の実施形態と同様に選択(ステップS3a’)および追加選択し(ステップS3b’)、印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも短いと判断されたら(ステップS3c’)、最後に選択された主ブロック2’の選択を取り消す(ステップS3e’)。そして、選択を取り消されていない主ブロック2’の長さの合計L2(以前の判定ステップS3c’の前に計算済みである)と、両面印刷物の長さL1とから、均等に分散配置した余白部分の長さL3が許容範囲(例えば3〜5mm)に入るようにするために追加すべき余白調整用ブロック2”の印刷長さを計算し、その印刷長さを有する余白調整用ブロック2”をデータベースの中から選択する(ステップS3i)。なお、このとき、余白調整用ブロック2”は、情報内容には無関係に印刷長さのみに従って選択される。ただし、仮に、同じ印刷長さの余白調整用ブロック2”が複数記憶されている場合には、優先度の高い余白調整用ブロック2”が選択される。これによって、余白部分の長さL3が許容範囲内に入るようになるので、第2の印刷情報を確定する(ステップS3g)。
【0060】
このように、本実施形態では、第2の記録情報を構成する複数の印刷情報ブロックのうち、主ブロック2’は優先度に従って選択されるが、第2の記録情報に1つだけ含まれる余白調整用ブロック2”は印刷長さに従って選択される。特に、この余白調整用ブロック2”として、前記したように余白Sの許容範囲の最小値Minよりも短いものを含まれている場合には、余白Sが許容範囲内に入っている適切なレイアウトを見つけ出しやすい。
【0061】
なお、以上の説明では、追加すべき余白調整用ブロック2”の印刷長さを計算した後に余白調整用ブロック2”を選択しているが、前もって余白調整用ブロック2”の長さを計算せず、第1の実施形態のステップS3e,S3f,S3hと同様に、試行錯誤的に、追加すべき余白調整用ブロック2”を見つけ出すこともできる。
【0062】
また、最後に選択された主ブロック2’の選択の取り消し(ステップS3e’)を行った時点で、選択を取り消されていない主ブロック2’のみによって適切な余白の長さが達成できる場合には、余白調整用ブロック2”を追加することなく第2の記録情報を確定させてもよい。
【0063】
以上説明した以外の点については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
[第5の実施形態]
図8に示す本実施形態では、印刷情報ブロック2を選択する前に、両面印刷物の長さL1に基づいて、第2の記録情報として選択すべき印刷情報ブロック2の数と、それぞれの印刷長さを算出する(ステップS3j)。例えば、記憶部に記憶されている印刷情報ブロック2の長さが、20mm,25mm,30mmの3通りであった場合に、長さL1内に並べて配置して余白Sの長さが許容範囲内に入るようにするためには、20mmの印刷情報ブロックと、25mmの印刷情報ブロックと、30mmの印刷情報ブロックを、それぞれ何個配置すればよいかを計算する。そして、この計算結果に従った個数だけ、それぞれの長さの印刷情報ブロックを選択する(ステップS3k)。この際に、記憶部3に、同じ印刷長さの複数の印刷情報ブロック2が記憶されている場合には、優先度の高いものから選択する。
【0065】
本実施形態によると、印刷情報ブロック2を印刷長さに従って選択しているが、同じ印刷長さの印刷情報ブロック2が複数存在する場合には、優先度に従って選択する。この方法によると、印刷長さを重視して印刷情報ブロック2”を選択しており、優先度は2次的な判断要素としているため、余白Sが許容範囲内に入っている適切なレイアウトを容易かつ確実に見つけ出せる信頼性が高い。
【0066】
以上説明した以外の点については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
[両面印刷装置の構成]
以上説明した本発明の方法を実施して両面印刷物1を作製するための両面印刷装置11の一例を、図9に模式的に示している。この両面印刷装置11は、筐体12内に、ロール体収納部13と第1の記録部6とカッター部7と第2の記録部8が設けられている。なお、以下の説明では、単票紙状に切断する前の連続紙状の記録媒体も符号1で示している。
【0068】
ロール体収納部13は、連続紙状の記録媒体1のロール体1aを回転可能に保持している。
【0069】
第1の記録部6は、記録媒体1に印刷を行う記録ヘッド14aと、記録ヘッド14aに圧接される搬送機構であるプラテンローラ15aとから構成されている。第1の記録部6の記録ヘッド14aは、ロール体収納部13から送られて来た記録媒体1の一方の面(表面)に接するように位置している。
【0070】
カッター部7は、第1の記録部6によって一方の面に印刷が行われた連続紙状の記録媒体1を切断して単票紙状にするためのものであり、1対のカッター部材7a,7b等から構成されている。なお、カッター部材7a,7bは、図示されていない支持部材によって支持されている。
【0071】
第2の記録部8は、第1の記録部6と実質的に同一の構成であってよく、記録媒体1に記録を行う記録ヘッド14bと、記録ヘッド14bに圧接される搬送機構であるプラテンローラ15bとから構成されている。記録ヘッド14aと14bは同じものであってよく、プラテンローラ15aと15bは同じものであってよい。第2の記録部8は、第1の記録部6およびカッター部7を通る記録媒体1の進路から屈曲した位置にある。記録ヘッド14bは、ロール体収納部13から繰り出され、第1の記録部6によって一方の面に記録され、カッター部7によって切断された単票紙状の記録媒体1の他方の面(裏面)に接するように位置している。
【0072】
カッター部7の下流側に第1の排出口16が設けられ、カッター部7と第1の排出口16の間に1対の搬送ローラ18が配置されている。したがって、第1の記録部6、カッター部7、1対の搬送ローラ18、第1の排出口16が、直線的に1列に配置されている。また、第2の記録部8の上方には、1対の排出ローラ19と、第2の排出口20が設けられている。
【0073】
このような構成の両面印刷装置11を用いた両面印刷物の作製方法の概略について説明すると、まず、ロール体収納部13内に収容されたロール体1aから連続紙状の記録媒体1を引き出して、第1の記録部6にセットする。そして、記録ヘッド14aに記録信号を供給して記録媒体1の一方の面に第1の印刷情報を印刷する(図4のステップS4)。この記録ヘッド14aの駆動と同期してプラテンローラ15aを回転させ、記録媒体1を搬送する。
【0074】
このようにして一方の面に第1の印刷情報が印刷された連続紙状の記録媒体1は、カッター部7のカッター部材7a,7bの間を通る。記録媒体1の切断すべき位置、すなわち第1の印刷情報の印刷終了点の後に余白を加えた位置がカッター部材7a,7bに対向する位置に到達したら、記録媒体1の搬送を一旦停止して、カッター部材7a,7bにより記録媒体1を切断して単票紙状にする(ステップS5)。切断が完了したら、表面の記録と切断が行われた単票紙状の記録媒体1をさらに搬送する。やがて、記録媒体1の先端部は、第1の排出口16から外部に突出する。
【0075】
記録媒体1の後端部が1対の搬送ローラ18から脱出する前に、搬送ローラ18が逆回転し、単票紙状の記録媒体1は、進路が変更され、後端部を先頭にして第2の記録部8に送られる。そして、第2の記録部8において、記録ヘッド14bが記録媒体1の裏面に印刷を行う(ステップS6)。同時に、プラテンローラ15bおよび排出ローラ19が回転して単票紙状の両面印刷物1を第2の排出口20から外部に排出する(ステップS7)。
【0076】
この両面印刷装置11に、図2に示す中央処理装置5、記憶部3、入力部4などの制御部が付属しており、各種のローラやヘッドやカッター部は全て中央処理装置によって制御される。そして、この両面印刷装置によって、図4または図5に示されているような方法で決定された第1および第2の記録情報が印刷され、良好な両面印刷物が作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】(a)は本発明によって作製された両面印刷物の一方の面を示す概略図、(b)は他方の面を示す概略図である。
【図2】本発明の両面印刷物の作製方法に用いられる両面印刷装置の要部を示すブロック図である。
【図3】図2に示す両面印刷装置の記憶部に記憶されるデータの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の、両面印刷物の作製方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態の、両面印刷物の作製方法の要部を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態の両面印刷装置の記憶部に記憶されるデータの例を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の、両面印刷物の作製方法の要部を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第5の実施形態の、両面印刷物の作製方法の要部を示すフローチャートである。
【図9】本発明の両面印刷物の作製方法に用いられる両面印刷装置の内部機構を示す概略図である。
【図10】(a),(b)は従来の方法で作製された両面印刷物の例を示す概略図である。
【図11】(a)〜(c)は従来の方法で作製された両面印刷物の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1 両面印刷物(記録媒体)
2,2A〜2J 印刷情報ブロック
3 記憶部
4 入力部
5 中央処理装置
6 第1の記録部
7 カッター部
7a,7b カッター部材
8 第2の記録部
12 筐体
13 ロール体収納部
14a,14b 記録ヘッド
15a,15b プラテンローラ
16 第1の排出口
18 搬送ローラ
19 排出ローラ
20 第2の排出口
L1 両面印刷物1の長さ
L2 選択された印刷情報ブロックの印刷長さの合計
L3 余白部分の長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は両面印刷物の作製方法と両面印刷装置に関し、特に、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷し、第1の印刷情報が印刷された部分を切断し、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する、単票紙状の両面印刷物の作製方法と両面印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、連続紙状の記録媒体の両面に印刷して、単票紙状の両面印刷物を作製する両面印字装置が開示されている。この装置は、ロール体から連続紙状の記録媒体を順次繰り出しつつ、その一方の面に第1印字機構によって印刷を行い、第1印字機構により印刷された部分をカッターによって切断して単票紙状にした後に、第2の印字機構によって、単票紙状の記録媒体の他方の面に印刷するものである。このような両面印字装置では、記録媒体の両面に同種の印刷情報を印刷するのではなく、記録媒体の一方の面に印刷される印刷情報と他方の面に印刷される印刷情報は、互いに異なる内容である場合がある。
【0003】
一例としては、記録媒体の一方の面(表面)にはその都度入力された内容を印刷し、他方の面(裏面)には、予め用意された印刷情報を印刷するものがある。具体的には、この両面印字装置を金銭登録機(レジスター)に応用し、記録媒体の表面に、購入物品およびその単価と合計金額等を印刷し、裏面に、広告やクーポン券や消費者向けの情報を印刷することが考えられる。そして、表面の印刷情報(購入物品およびその価格と合計金額等)の印刷終了点に適切な余白を加えた位置で切断して、消費者に渡すための単票紙状のレシート(両面印刷物)を作製する。
【特許文献1】特開平6−262785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような両面印字装置を、金銭登録機に応用する場合など、表面に印刷される内容がその都度変わる場合には、最終的に作製される単票紙状の印刷物の長さがその都度変わる可能性がある。その場合、この印刷物の長さに、裏面に印刷される印刷情報のサイズが適合しないことが考えられる。例えば、図示しない表面には必要な印刷情報が適切なレイアウトで印刷されていても、図10(a),10(b)に示すように、裏面には、予め用意された広告等の印刷情報30が不自然なレイアウトで印刷される可能性がある。すなわち、図10(a)に示す例では、裏面の広告等の印刷情報30の後に非常に広い空白が生じ、図10(b)に示す例では、裏面の広告等の印刷情報30の途中で切断されている。
【0005】
裏面に印刷する印刷情報を1つずつのブロックとして、いわば印刷情報ブロック30aとして考えると、記録媒体の裏面に、広告等の印刷情報ブロック30aを繰り返して印刷することによって、単票紙の裏面全体を無駄なく利用することが考えられる。しかし、印刷情報ブロック30aを単純に間断なく繰り返すだけでは、図11(a)に示すように、完成した単票紙状の印刷物の裏面において、印刷情報ブロック30aの途中から始まって、印刷情報ブロック30aの途中で終了するおそれがある。図11(b),11(c)に示すように、裏面の印刷情報ブロック30aの印刷開始点を単票紙状の記録媒体の先頭と位置合わせすることによって、印刷物の裏面の適切な位置から印刷情報ブロック30aを印刷することは可能であるが、その場合でも、印刷情報ブロック30aの途中で切断されるおそれや、印刷情報ブロック30aの印刷終了点の下に広い無駄な空白が生じるおそれがある。
【0006】
ところで、記録媒体の裏面に、単一の印刷情報ブロック30aを繰り返して印刷するのではなく、複数の印刷情報ブロック30aを予め記憶しておき、異なる印刷情報ブロックを順番に並べて印刷することも考えられる。その場合、図11(a),(b)に示すのと同様に、印刷情報ブロック30aの途中から印刷される場合や、印刷情報ブロック30aの途中で中断される場合には、その印刷情報ブロック30aの内容を全て表示することができず、表示としての必要な機能を達成できないことになる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、連続紙状の記録媒体を、一方の面の第1の印刷情報の印刷範囲に合わせて切断して単票紙状の印刷物を作製する際に、他方の面に適切なレイアウトで第2の印刷情報を印刷することができる、両面印刷物の作製方法と両面印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、各印刷情報ブロックは、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内にデータベース化されて記憶されており、中央処理装置が、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、印刷情報ブロックを選択するステップは、各印刷情報ブロックの優先度に従って選択するが、1つの印刷情報ブロックに関しては、中央処理装置が第1の印刷情報の印刷長さを求め、その印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択するものであるところにある。
【0009】
この構成によると、例えば複数の印刷情報ブロックを印刷する場合に、1つの印刷情報ブロックを除いては、予め決められている優先度に従って選択するが、1つの印刷情報ブロックに関しては、この面の全ての余白部分を均等にするとともに、適切な大きさにするように選択される。その結果、各印刷情報ブロックの前後に適切な大きさの余白部分が介在し、印刷情報ブロックが中断されることもなく、非常に見易い両面印刷物を作製することができる。もちろん、1つの印刷情報ブロックのみを印刷する場合にも、その印刷情報ブロックの前後に適切な大きさの余白部分が介在し、印刷情報ブロックが中断されることもなく、見易い両面印刷物にすることができる。
【0010】
中央処理装置が印刷情報ブロックを選択するステップは、未選択の印刷情報ブロックのうち、優先度の高い印刷情報ブロックから順番に選択することを繰り返し、選択された印刷情報ブロックを両面印刷物内に配置可能であるか否かを判定し、配置不可能と判定された時点で、1つの印刷情報ブロックの選択を取り消し、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックを両面印刷物内に配置した際に生じる印刷長さ方向の余白を、印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが許容範囲内に入るか否かを判定し、余白部分の長さが許容範囲に入らないと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる印刷情報ブロックに差し替えてもよい。
【0011】
その場合、余白部分の長さが許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの最後に選択された1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い印刷情報ブロックに差し替え、余白部分の長さが許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが長い印刷情報ブロックに差し替えてもよい。
【0012】
あるいは、中央処理装置が前記印刷情報ブロックを選択するステップは、未選択の印刷情報ブロックのうち、優先度の高い印刷情報ブロックから順番に選択し、選択された印刷情報ブロックを両面印刷物内に配置した際に生じる印刷長さ方向の余白を、印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが許容範囲内に入るか否かを判定し、余白部分の長さが許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる印刷情報ブロックに差し替えるか、または、未選択の印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択してもよい。
【0013】
その場合、余白部分の長さが許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い印刷情報ブロックに差し替え、余白部分の長さが許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、未選択の印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択してもよい。
【0014】
余白部分の長さが許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる印刷情報ブロックに差し替えること、または、未選択の印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択することを繰り返し、余白部分の長さが許容範囲に入ると判定された時、または、記憶されている全ての印刷情報ブロックに関して余白部分が許容範囲内に入るか否かの判定が完了した時、または、印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返し回数が、予め決められた回数に到達した時点で、印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返しを終了してもよい。これによって、印刷情報ブロックの印刷長さのバリエーションが少なかったり、余白部分の許容範囲が狭かったりする場合に、適切なレイアウトが容易に見つからない時に対処することができる。
【0015】
各印刷情報ブロックは、印刷長さおよび優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、パラメータは当該印刷情報ブロックの情報の種類であり、複数の印刷情報ブロックが選択される場合には、互いに異なる種類の前記印刷情報ブロックを優先的に選択してもよい。その場合、例えば、広告とクーポン券と消費者向けの情報などの属性に応じて、まんべんなく印刷情報ブロックを選択することができる。
【0016】
各印刷情報ブロックは、印刷長さおよび優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、印刷情報ブロックは、選択条件が満たされる場合にのみ選択可能であってもよい。例えば、選択条件は、両面印刷物を渡す相手の性別と、両面印刷物を渡す時間帯と、両面印刷物を渡す地域と、両面印刷物を渡す際の天気と、他の印刷情報ブロックとの並記の可否のうちの少なくとも1つであってもよい。これによって、印刷情報ブロックの選択を、各々の情報内容に応じてよりきめ細かく制御することができる。
【0017】
本発明の他の特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、印刷情報ブロックは、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内にデータベース化されて記憶されている複数の主ブロックと、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内に主ブロックとは別のデータベースとして記憶されている複数の余白調整用ブロックとからなり、別のデータベースには、主ブロックに比べて印刷長さが短いものを含めて、印刷長さが異なる複数の余白調整用ブロックが記憶されており、中央処理装置が、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、印刷情報ブロックを選択するステップでは、1つの余白調整用ブロックが必ず含まれるように選択し、1つの余白調整用ブロックとともに1つまたは複数の主ブロックが選択される場合には主ブロックは優先度に従って選択し、1つの余白調整用ブロックは、中央処理装置が第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、印刷長さに従って選択するところにある。
【0018】
本発明の他の特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、各印刷情報ブロックは、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、記憶部内にデータベース化されて記憶されており、記憶部内に印刷長さが同じ印刷情報ブロックが複数記憶されている場合には、それぞれに異なる優先度が付与されており、中央処理装置が、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、印刷情報ブロックを選択するステップは、中央処理装置が第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、選択すべき1つまたは複数の印刷情報ブロックの各々の印刷長さを決定し、決定された印刷長さを有する印刷情報ブロックのうち、優先度の高いものを選択するものであるところにある。
【0019】
本発明のもう1つの特徴は、連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、各印刷情報ブロックを、記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせて、記憶部内にデータベース化されて記憶する記憶部と、記録媒体の他方の面への印刷の前に、第2の印刷情報を構成する印刷情報ブロックを選択する中央処理装置であって、印刷情報ブロックを優先度に従って選択するが、1つの印刷情報ブロックに関しては、第1の印刷情報の印刷長さを求め、その印刷長さに基づいて両面印刷物の長さを求め、求められた両面印刷物の長さに基づいて、他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択する中央処理装置と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、記録媒体の一方の面に印刷した第1の印刷情報に合わせて切断して両面印刷物を作製する際に、他方の面に、適切な余白部分を設けて、見易いレイアウトで印刷情報ブロックを印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
まず、本発明の実施形態である両面印刷物の作製方法について、図1〜8を参照して説明する。本実施形態は、本発明を金銭登録機に適用した例であり、両面印刷装置が金銭登録機に内蔵され、両面印刷物としていわゆるレシートを作製するものである。このように、本発明によって作製される両面印刷物1の一例であるレシートは、図1(a)に示すように、一方の面(表面)に第1の印刷情報として、消費者が購入した物品およびその価格と合計金額等が印刷され、図1(b)に示すように、他方の面(裏面)に第2の印刷情報として、複数の印刷情報ブロック2が両面印刷物1の長手方向に並べて印刷されたものである。そして、本実施形態によると、両面印刷物1の裏面において、各印刷情報ブロック2の前後の余白部分Sが適切な大きさになるようにレイアウトされる。
【0023】
なお、ここで言う印刷情報ブロック2とは、各種の広告などを、その内容ごとに独立した個別のデータとしたものである。例えば、1つの製品に関する広告が数行の文章といくつかの画像で構成されている場合には、それらをまとめて1つの印刷情報ブロック2とみなし、他の製品に関する文章や画像等とは全く別個に独立して取り扱えるようにしたものである。なお、本明細書中では印刷情報ブロック全般を符号2で示すが、個々の印刷情報ブロックを区別して説明する場合には、英字を付して符号2A,2B,2C,2D・・・にて示す。
【0024】
[第1の実施形態]
本実施形態において両面印刷物1を作製する準備段階として、複数の印刷情報ブロック2を記憶部3(図2参照)に記憶させておく。この際、図3に示すように、各印刷情報ブロック2ごとに、その印刷情報ブロック2の内容を表すデータと、その印刷情報ブロックを記録媒体に印刷するために要する印刷長さと、内容の優先度とをデータとして持たせて、データベース化してそれぞれ記憶させておく。この優先度とは、印刷情報ブロック2同士を比較した際に、両面印刷物1への印刷を望まれる度合いを数値化またはランク付けしたものである。例えばスポンサーの広告料金(契約料金)等により決定されることが考えられる。
【0025】
入力部4から、両面印刷物1の一方の面(表面)に印刷すべき第1の印刷情報が入力されることによって、両面印刷物1の作製が始まる(ステップS1)。このステップS1は、例えば、操作者が金銭登録機のキーボード(入力部4)を操作すること、またはバーコードリーダー(入力部4)によってバーコードを読み取ることによって行われる。
【0026】
そこで、中央処理装置5が、入力された第1の印刷情報を確認し、その第1の印刷情報を記録媒体に印刷するのに要する印刷長さを計算し、さらに、その印刷長さに上下の余白部分を見込むことによって、最終的に作製される両面印刷物1の長さL1を計算する(ステップS2)。
【0027】
次に、中央処理装置5が、計算された両面印刷物の長さL1に基づいて、記録媒体の裏面に印刷する印刷情報ブロック2を選択して、第2の印刷情報を決定する(ステップS3)。この時、図1(b)に示すように、最終的に作製された両面印刷物1の裏面に、選択された印刷情報ブロック2が順番に並んで印刷された時に、最前部の印刷情報ブロック2の前方(記録媒体の先端部側)の余白部分Sと、各印刷情報ブロック2の間の余白部分Sと、最後部の印刷情報ブロック2の後方(記録媒体の後端部側)の余白部分Sとが、いずれも等しい長さになっており、かつ、それらの長さが所定の許容範囲内に入るように、印刷情報ブロック2を選択する。なお、1つの印刷情報ブロック2のみが選択された場合には、その印刷情報ブロック2の前後の余白部分Sの長さが、所定の許容範囲内に入るようになっている。
【0028】
このステップS3の具体例について詳細に説明する。まず、記憶部3に記憶されている複数の印刷情報ブロック2のうち、優先度が最も高い印刷情報ブロック2(例えば2A)を選択する(ステップS3a)。続いて、未選択の印刷情報ブロック2のうちで最も優先度が高い印刷情報ブロック2、すなわち、既に選択された印刷情報ブロックの次に優先度が高い印刷情報ブロック2(例えば2B)を追加選択する(ステップS3b)。そして、ここまでに選択された印刷情報ブロック2(例えば2A+2B)の印刷長さの合計L2を求め、これを両面印刷物の長さL1と比較する(ステップS3c)。
【0029】
ここで、選択された印刷情報ブロック2(2A+2B)の印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも長い場合、すなわち、選択された印刷情報ブロック2が両面印刷物1内に入る場合には、ステップS3b〜S3cを繰り返す。すなわち、既に選択された印刷情報ブロック2(2A,2B)の次に優先度が高い印刷情報ブロック2(例えば2C)を追加選択し、選択された印刷情報ブロック2(2A+2B+2C)の印刷長さの合計L2を求め、これを両面印刷物の長さL1と比較する。こうして、選択された印刷情報ブロック2の印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも短くなる、すなわち、選択された印刷情報ブロック2が両面印刷物1内に入りきれなくなるまで、印刷情報ブロック2を、優先順位が高い順番に追加選択し続ける。
【0030】
ステップS3cにおいて、選択された印刷情報ブロック2(2A+2B+2C)の印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも短いと判定されると、選択された印刷情報ブロック2(2A,2B,2C)の全ては両面印刷物1内に入りきれないため、直前のステップS3cで選択された1つの印刷情報ブロック2(2C)の選択を取り消す(ステップS3d)。
【0031】
この時点で、選択された全ての印刷情報ブロック2(2A,2B)の印刷が可能になる。しかし、印刷情報ブロック2の前後に生じる余白部分が長すぎたり短すぎたりして、見
にくくなったり、見栄えが悪くなったりするおそれがある。そこで、次に、余白部分を適切な長さにするための制御を行う。
【0032】
その場合、まず、ステップS3dにおいて選択を取り消された印刷情報ブロック2(2C)を除いて、取り消されずに残った印刷情報ブロック2(2A+2B)の長さL2を、ステップS2で求めた両面印刷物の長さL1から引いて、記録媒体全体における余白の、記録媒体の長手方向の長さを求める。そして、その余白を印刷情報ブロック2(2A,2B)の前後に均等に分散配置した場合に生じる各余白部分の長さL3を計算する(ステップS3e)。この余白部分の長さL3が、予め設定されている許容範囲内に入るか否かを判定する(ステップS3f)。この時に、余白部分の長さが許容範囲内であると判定された場合には、その時点で既に選択されている印刷情報ブロック2(2A,2B)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。
【0033】
余白部分の長さL3が許容範囲外であると判定された場合には、それらの印刷情報ブロック2(2A,2B)のうちの最後のもの(2B)に代えて、未選択の印刷情報ブロック2のうちのいずれかに差し替える(ステップS3h)。この際に、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値よりも小さい場合には、印刷長さがより短い印刷情報ブロック(例えば2D)に差し替え、余白部分の長さL3が許容範囲の最大値よりも大きい場合には、印刷長さがより長い印刷情報ブロック(例えば2E)に差し替える。もしも、未選択の印刷情報ブロックの中に印刷長さが等しいものが複数存在したら、それらのうちの優先度がより高いものを選択する。
【0034】
そして、前記したステップS3e〜S3fを繰り返して、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定された場合には、それらの印刷情報ブロック2(2A,2D)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。しかし、再度のステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が依然として許容範囲外であると判定された場合には、余白部分の長さL3が許容範囲内に入ると判定されるまで、代わりの印刷情報ブロック2への差し替え(ステップS3h)と、余白部分の長さL3の計算(ステップS3e)と、それと許容範囲との比較判定(ステップS3f)を繰り返す。
【0035】
このようにして、ステップS3によって印刷情報ブロック2の選択が完了し、裏面に印刷する第2の印刷情報を決定したら、第1の記録部6が、連続紙状の記録媒体の表面に第1の記録情報、この例では図1(a)に示すように消費者が購入した物品およびその価格と合計金額等を印刷する(ステップS4)。
【0036】
カッター部7が、連続紙状の記録媒体の、第1の記録情報の印刷終了点から微小かつ適切な余白をおいた位置で切断し、単票紙状にする(ステップS5)。
【0037】
次に、第2の記録部8が、単票紙状になった記録媒体の裏面に第2の記録情報、この例では図1(b)に示すように、ステップS3gで確定された、広告等の印刷情報ブロック2を印刷する(ステップS6)。この時、各印刷情報ブロック2の前後の余白部分が全て、ステップS3eにて求めてステップS3hにて許容範囲内に入っていることが確認された長さL3になるように、印刷情報ブロック2をレイアウトする。
【0038】
最後に、両面の印刷が完了した両面印刷物1が外部に排出される(ステップS7)。この両面印刷物がレシートである場合には、消費者に手渡される。
【0039】
このような両面印刷物1は、例えば購入物品の数が変わることによって表面に印刷する第1の印刷情報の量が変わるため、両面印刷物1の長さは一定ではなく、1枚ごとに変わると考えられる。それでも、本発明では、適切な1つまたは複数の印刷情報ブロック2を選択することによって、裏面には適切な余白部分をおいてレイアウトされた印刷情報ブロック2が印刷される。従って、従来のように印刷情報ブロックの途中から印刷されたり、印刷情報ブロックの途中で切断されたり(図10,11参照)することはなく、また、余白部分が長すぎたり短すぎたりすることもなく、見易い両面印刷物1を作製することができる。しかも、最後に選択された1つの印刷情報ブロック以外の印刷情報ブロックは、それぞれの優先度に従って並べられている。従って、優先度のパラメータを自動的に考慮して印刷情報ブロックを選択するという、従来は適切なレイアウトの設定と両立させることが不可能であった効果を実現できる。
【0040】
なお、カッター部7による切断(ステップS5)と、第2の記録部8による記録媒体の他方の面への印刷(ステップS6)の順番を入れ替えてもよい。また、第1の印刷情報の印刷(ステップS4)と、印刷情報ブロック2の選択(ステップS3)の順番を入れ替えてもよい。
【0041】
[第2の実施形態]
次に、この両面印刷物の作製方法の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、記録媒体の裏面に印刷する印刷情報ブロック2を中央処理装置5が選択するステップのみが第1の実施形態と異なるため、このステップS3のみについて、図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態のステップと実質的に同じ内容のステップには、同一の符号を付与している。
【0042】
本実施形態では、まず、記憶部3に記憶されている複数の印刷情報ブロック2のうち、優先度が最も高い印刷情報ブロック2(例えば2A)を選択する(ステップS3a)。続いて、この時点で選択されている印刷情報ブロック2(2A)の長さを、ステップS2で求めた両面印刷物の長さL1から引いて、記録媒体全体における余白の、記録媒体の長手方向の長さを求める。そして、その余白を印刷情報ブロック2(2A)の前後に均等に分散配置した場合に生じる各余白部分の長さL3を計算する(ステップS3e)。この余白部分の長さL3が、予め設定されている許容範囲内に入るか否かを判定する(ステップS3f)。この時に、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定された場合には、その時点で既に選択されている印刷情報ブロック2(2A)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。
【0043】
ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲の最大値Maxよりも大きいと判定された場合には、未選択の印刷情報ブロック2のうちで最も優先度が高い印刷情報ブロック2、すなわち、既に選択された印刷情報ブロック(2A)の次に優先度が高い印刷情報ブロック2(例えば2B)を追加選択する(ステップS3b)。そして、ステップS3e〜S3fを繰り返す。すなわち、ここまでに選択された印刷情報ブロック2(2A+2B)の印刷長さの合計を、ステップS2で求めた両面印刷物の長さL1から引くことにより、記録媒体全体における余白の長さを求める。そして、その余白を各印刷情報ブロック2(2A,2B)の前後に均等に分散配置した場合に生じる各余白部分の長さL3を計算する(ステップS3e)。この余白部分の長さL3が許容範囲内に入るか否かを判定する(ステップS3f)。こうして、ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定されるか、または、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定されるまで、印刷情報ブロック2の追加選択から、余白部分の長さL3と許容範囲との対比までのステップS3b,S3e,S3fを繰り返す。
【0044】
ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定された場合には、選択されている印刷情報ブロック2(2A,2B)のうちの最後に選択されたもの(2B)に代えて、未選択の印刷情報ブロック2のうちの印刷長さがより短い印刷情報ブロック(例えば2D)に差し替える(ステップS3h)。そして、前記したステップS3e〜S3fを繰り返して、余白部分の長さL3が許容範囲内であると判定された場合には、その印刷情報ブロック2(2A,2D)を第2の印刷情報として確定し、印刷情報ブロック2の選択を終了する(ステップS3g)。しかし、再度のステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が依然として許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定された場合には、余白部分の長さL3が許容範囲内に入ると判定されるまで、代わりの印刷情報ブロック2への差し替え(ステップS3h)と、余白部分の長さL3の計算(ステップS3e)と、それと許容範囲との比較判定(ステップS3f)を繰り返す。
【0045】
なお、この説明は、追加選択された2つめの印刷情報ブロック2Bを差し替える例に関するものであるが、1つめの印刷情報ブロック2Aのみを選択した時点で、ステップS3fにおいて、余白部分の長さL3が許容範囲の最小値Minよりも小さいと判定される可能性もある。その場合には、選択されている印刷情報ブロック2Aに代えて、未選択の印刷情報ブロック2のうちの印刷長さがより短い印刷情報ブロック2Dに差し替えればよい(ステップS3h)。
【0046】
[補足説明]
以上説明した第1および第2の実施形態では、記憶部3に記憶されている複数の印刷情報ブロックの印刷長さが多様であり、特に、非常に短い印刷情報ブロックが含まれており、余白部分の許容範囲が比較的広めに設定されていれば、図4に示す方法または図5に示す方法によって、記録媒体の裏面に印刷される印刷情報ブロックの適切なレイアウトがほぼ見つけられると考えられる。しかし、記憶部3に記憶されている印刷情報ブロックの印刷長さのバリエーションが乏しく、特に、あまり短い印刷情報ブロックが存在しない場合や、余白部分の許容範囲が狭く設定されている場合などには、図4に示す方法や図5に示す方法によって、記録媒体の裏面に印刷される印刷情報ブロックの適切なレイアウトが見つけらない可能性も無いとは言えない。その場合には、図示しないが、例えば、記憶部内に記憶されている全ての印刷情報ブロックに関して余白部分L3の許容範囲との対比判定(ステップS3h)が終了した時点で、あるいは、印刷情報ブロックの差し替え回数が、予め決められている回数に到達した時点で、記録媒体の裏面への第2の印刷情報の印刷を中止するか、または、最後に余白部分L3の許容範囲との対比判定(ステップS3h)が終了した状態の印刷情報ブロックを、レイアウトは適切ではないが印刷するように選択確定させる。
【0047】
[第3の実施形態]
前記した実施形態では、記憶部に記憶されている印刷情報ブロック2は、印刷長さと優先度のみを考慮して選択していたが、本実施形態では、各印刷情報ブロック2の種類(属性)や、様々な選択条件をさらに考慮して選択する。
【0048】
例えば、図6に示すように、本実施形態の各印刷情報ブロック2は広告のみではなく、クーポン券や消費者向けの情報を示す印刷情報ブロックもある。そこで、これらの印刷情報ブロック2を、広告、クーポン券、情報の3種類の属性に分類し、各印刷情報ブロック2に、各々の属性を関連づけてデータベース化して記憶部3に記憶させる。また、選択条件として、性別の禁止条件や、時間、天気、地域の限定条件や、他の特定の印刷情報ブロックとの並記の可否を記憶させる。これらの選択条件は、必要に応じて付与されるものであって、これらの選択条件が存在しない印刷情報ブロックは空欄になっている。
【0049】
なお、図6に示す例の印刷情報ブロック2A〜2Eは、図3に示す例の印刷情報ブロック2A〜2Eと同じではないが、便宜上、同一の符号を付与している。
【0050】
本実施形態では、第1および第2の実施形態の方法において、これらの属性および選択条件による制御が行われる。すなわち、中央処理装置5が、図4,5の方法の、印刷情報ブロックを選択するステップS3aと、印刷情報ブロックを追加選択するステップS3bと、印刷情報ブロックを差し替えるステップS3hにおいて、まず、属性によって選択対象を絞り込んでから、選択を行う。すなわち、例えば各属性の印刷情報ブロックを均等に混在させたい場合には、これらのステップにおいて、既に選択済みの印刷情報ブロックと異なる属性を有する印刷情報ブロックのみを選択対象として選択を行う。もしも、全種類の属性の印刷情報ブロックが既に選択済みである場合には、直前に選択された印刷情報ブロックと異なる属性を有する印刷情報ブロックのみを選択対象として選択を行う。こうして、属性をパラメータとした、印刷情報ブロックの選択の制御が行える。
【0051】
また、図4,5の方法の、最初の印刷情報ブロックを選択するステップS3aの前の時点、例えば、入力部4から表面に印刷する第1の印刷情報を入力する際に、操作者が消費者の性別や天気や地域を入力し、図示しないが中央処理装置5に付属している時計が時刻を入力する。そして、それらに適合しない選択条件を有する印刷情報ブロックは、中央処理装置5によって選択対象から除外される。例えば、入力部4から性別が男性と入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Aを選択対象から除外する。入力部4から天気が曇り、雨、または雪と入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Fを選択対象から除外する。入力部4から千葉市以外の地域が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Cを選択対象から除外し、入力部4から世田谷区以外の地域が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Gを選択対象から除外する。さらに、時計から22時〜6時の間の時刻が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Eを選択対象から除外し、時計から0時〜10時の間の時刻が入力されると、中央処理装置5は印刷情報ブロック2Jを選択対象から除外する。
【0052】
なお、通常、性別の入力は消費者1人ごとに、すなわち両面印刷物1を1枚作製する度に行う必要があるが、天気の入力は、1日の金銭登録機の使用開始時と天気の変化が生じた時のみに行えばよい。また、地域の入力はその金銭登録機を設置した時に一旦入力しておけば、その後に再度入力する必要はない。
【0053】
さらに、本実施形態では、属性による絞り込みと同時に、他の特定の印刷情報ブロックとの並記が不可である印刷情報ブロック(例えば2F,2H)が既に選択されているか否かを確認する。仮に、それらのいずれか(例えば2F)が選択されている場合には、それと並記不可の印刷情報ブロック(例えば2H)を中央処理装置5が選択対象から除外する。これは、図4,5の方法の、印刷情報ブロックを選択するステップS3aと、印刷情報ブロックを追加選択するステップS3bと、印刷情報ブロックを差し替えるステップS3hの前、または後に行えばよい。
【0054】
以上の説明では、条件に適合しない印刷情報ブロックを選択対象から除外しているが、選択対象からの除外に代えて、優先度を低くすることもできる。例えば、中央処理装置5が、条件に適合しない印刷情報ブロック2の優先度を0に変更する処理を行ってもよい。その場合、他の全ての印刷情報ブロックが既に選択された後に追加選択を行う必要がある場合にのみ、優先度が0に変更された印刷情報ブロックが選択される。もちろん、適合しない印刷情報ブロック2を選択対象から除外する条件と、適合しない印刷情報ブロック2の優先度を低くする条件とを混在させてもよい。
【0055】
また、複数の印刷情報ブロックの長さをできるだけ統一することが望まれる場合には、1つめの印刷情報ブロックの選択が確定したら、その印刷情報ブロックの印刷長さと同じ印刷長さを有する全ての印刷情報ブロックの優先度を高くしてもよい。優先度を高くすることは、例えば、該当する印刷情報ブロックに一律に100を加えることによって行ってもよい。ただし、この場合にも、少なくとも最後に選択される印刷情報ブロックは、第1および第2の実施形態と同様に、余白部分の長さL3が許容範囲内に入るように、異なる印刷長さを有するものが選択される可能性がある。
【0056】
このように、印刷情報ブロック2を属性ごとに分類して、異なる分類のものが並ぶようにすると、単に広告のみが並ぶことに比べて、消費者の興味や関心を引きやすくなる。各属性の印刷情報ブロック2をそれぞれ1つずつ選択し終わった後に、さらに印刷情報ブロックを追加選択する場合には、どの属性の印刷情報ブロック2を選択しても良いが、同じ属性の印刷情報ブロック2の連続を回避するように制御することが望ましい。
【0057】
また、各印刷情報ブロック2に様々な選択条件を付加すると、よりきめ細かく効率の良いいサービスおよび宣伝広告が可能になる。
【0058】
[第4の実施形態]
図7に示す本実施形態では、印刷情報ブロック2を主ブロック2’と余白調整用ブロック2”との2種類に分け、記憶部3に2つのデータベースを構築している。一例としては、主ブロック2’は、図3に例示されている印刷情報ブロック2A〜2E、または図6に例示されている印刷情報ブロック2A〜2Jと同じであってよい。一方、余白調整用ブロック2”は、広告、クーポン券、消費者向けの情報に加えて「毎度ありがとうございました」などの挨拶文等であってもよく、主ブロック2’よりも印刷長さが短く、しかも余白Sの許容範囲の最小値Minよりも短いものを含む。例えば、主ブロック2’の印刷長さが、図3,6の例と同様に20〜40mmであり、余白Sの許容範囲が3〜5mmである場合に、印刷長さが2〜20mmである余白調整用ブロック2”を用意しておくことが考えられる。
【0059】
本実施形態における印刷情報ブロック2を選択するステップS3では、印刷情報ブロック2のうちの主ブロック2’を、第1の実施形態と同様に選択(ステップS3a’)および追加選択し(ステップS3b’)、印刷長さの合計L2が両面印刷物の長さL1よりも短いと判断されたら(ステップS3c’)、最後に選択された主ブロック2’の選択を取り消す(ステップS3e’)。そして、選択を取り消されていない主ブロック2’の長さの合計L2(以前の判定ステップS3c’の前に計算済みである)と、両面印刷物の長さL1とから、均等に分散配置した余白部分の長さL3が許容範囲(例えば3〜5mm)に入るようにするために追加すべき余白調整用ブロック2”の印刷長さを計算し、その印刷長さを有する余白調整用ブロック2”をデータベースの中から選択する(ステップS3i)。なお、このとき、余白調整用ブロック2”は、情報内容には無関係に印刷長さのみに従って選択される。ただし、仮に、同じ印刷長さの余白調整用ブロック2”が複数記憶されている場合には、優先度の高い余白調整用ブロック2”が選択される。これによって、余白部分の長さL3が許容範囲内に入るようになるので、第2の印刷情報を確定する(ステップS3g)。
【0060】
このように、本実施形態では、第2の記録情報を構成する複数の印刷情報ブロックのうち、主ブロック2’は優先度に従って選択されるが、第2の記録情報に1つだけ含まれる余白調整用ブロック2”は印刷長さに従って選択される。特に、この余白調整用ブロック2”として、前記したように余白Sの許容範囲の最小値Minよりも短いものを含まれている場合には、余白Sが許容範囲内に入っている適切なレイアウトを見つけ出しやすい。
【0061】
なお、以上の説明では、追加すべき余白調整用ブロック2”の印刷長さを計算した後に余白調整用ブロック2”を選択しているが、前もって余白調整用ブロック2”の長さを計算せず、第1の実施形態のステップS3e,S3f,S3hと同様に、試行錯誤的に、追加すべき余白調整用ブロック2”を見つけ出すこともできる。
【0062】
また、最後に選択された主ブロック2’の選択の取り消し(ステップS3e’)を行った時点で、選択を取り消されていない主ブロック2’のみによって適切な余白の長さが達成できる場合には、余白調整用ブロック2”を追加することなく第2の記録情報を確定させてもよい。
【0063】
以上説明した以外の点については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
[第5の実施形態]
図8に示す本実施形態では、印刷情報ブロック2を選択する前に、両面印刷物の長さL1に基づいて、第2の記録情報として選択すべき印刷情報ブロック2の数と、それぞれの印刷長さを算出する(ステップS3j)。例えば、記憶部に記憶されている印刷情報ブロック2の長さが、20mm,25mm,30mmの3通りであった場合に、長さL1内に並べて配置して余白Sの長さが許容範囲内に入るようにするためには、20mmの印刷情報ブロックと、25mmの印刷情報ブロックと、30mmの印刷情報ブロックを、それぞれ何個配置すればよいかを計算する。そして、この計算結果に従った個数だけ、それぞれの長さの印刷情報ブロックを選択する(ステップS3k)。この際に、記憶部3に、同じ印刷長さの複数の印刷情報ブロック2が記憶されている場合には、優先度の高いものから選択する。
【0065】
本実施形態によると、印刷情報ブロック2を印刷長さに従って選択しているが、同じ印刷長さの印刷情報ブロック2が複数存在する場合には、優先度に従って選択する。この方法によると、印刷長さを重視して印刷情報ブロック2”を選択しており、優先度は2次的な判断要素としているため、余白Sが許容範囲内に入っている適切なレイアウトを容易かつ確実に見つけ出せる信頼性が高い。
【0066】
以上説明した以外の点については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
[両面印刷装置の構成]
以上説明した本発明の方法を実施して両面印刷物1を作製するための両面印刷装置11の一例を、図9に模式的に示している。この両面印刷装置11は、筐体12内に、ロール体収納部13と第1の記録部6とカッター部7と第2の記録部8が設けられている。なお、以下の説明では、単票紙状に切断する前の連続紙状の記録媒体も符号1で示している。
【0068】
ロール体収納部13は、連続紙状の記録媒体1のロール体1aを回転可能に保持している。
【0069】
第1の記録部6は、記録媒体1に印刷を行う記録ヘッド14aと、記録ヘッド14aに圧接される搬送機構であるプラテンローラ15aとから構成されている。第1の記録部6の記録ヘッド14aは、ロール体収納部13から送られて来た記録媒体1の一方の面(表面)に接するように位置している。
【0070】
カッター部7は、第1の記録部6によって一方の面に印刷が行われた連続紙状の記録媒体1を切断して単票紙状にするためのものであり、1対のカッター部材7a,7b等から構成されている。なお、カッター部材7a,7bは、図示されていない支持部材によって支持されている。
【0071】
第2の記録部8は、第1の記録部6と実質的に同一の構成であってよく、記録媒体1に記録を行う記録ヘッド14bと、記録ヘッド14bに圧接される搬送機構であるプラテンローラ15bとから構成されている。記録ヘッド14aと14bは同じものであってよく、プラテンローラ15aと15bは同じものであってよい。第2の記録部8は、第1の記録部6およびカッター部7を通る記録媒体1の進路から屈曲した位置にある。記録ヘッド14bは、ロール体収納部13から繰り出され、第1の記録部6によって一方の面に記録され、カッター部7によって切断された単票紙状の記録媒体1の他方の面(裏面)に接するように位置している。
【0072】
カッター部7の下流側に第1の排出口16が設けられ、カッター部7と第1の排出口16の間に1対の搬送ローラ18が配置されている。したがって、第1の記録部6、カッター部7、1対の搬送ローラ18、第1の排出口16が、直線的に1列に配置されている。また、第2の記録部8の上方には、1対の排出ローラ19と、第2の排出口20が設けられている。
【0073】
このような構成の両面印刷装置11を用いた両面印刷物の作製方法の概略について説明すると、まず、ロール体収納部13内に収容されたロール体1aから連続紙状の記録媒体1を引き出して、第1の記録部6にセットする。そして、記録ヘッド14aに記録信号を供給して記録媒体1の一方の面に第1の印刷情報を印刷する(図4のステップS4)。この記録ヘッド14aの駆動と同期してプラテンローラ15aを回転させ、記録媒体1を搬送する。
【0074】
このようにして一方の面に第1の印刷情報が印刷された連続紙状の記録媒体1は、カッター部7のカッター部材7a,7bの間を通る。記録媒体1の切断すべき位置、すなわち第1の印刷情報の印刷終了点の後に余白を加えた位置がカッター部材7a,7bに対向する位置に到達したら、記録媒体1の搬送を一旦停止して、カッター部材7a,7bにより記録媒体1を切断して単票紙状にする(ステップS5)。切断が完了したら、表面の記録と切断が行われた単票紙状の記録媒体1をさらに搬送する。やがて、記録媒体1の先端部は、第1の排出口16から外部に突出する。
【0075】
記録媒体1の後端部が1対の搬送ローラ18から脱出する前に、搬送ローラ18が逆回転し、単票紙状の記録媒体1は、進路が変更され、後端部を先頭にして第2の記録部8に送られる。そして、第2の記録部8において、記録ヘッド14bが記録媒体1の裏面に印刷を行う(ステップS6)。同時に、プラテンローラ15bおよび排出ローラ19が回転して単票紙状の両面印刷物1を第2の排出口20から外部に排出する(ステップS7)。
【0076】
この両面印刷装置11に、図2に示す中央処理装置5、記憶部3、入力部4などの制御部が付属しており、各種のローラやヘッドやカッター部は全て中央処理装置によって制御される。そして、この両面印刷装置によって、図4または図5に示されているような方法で決定された第1および第2の記録情報が印刷され、良好な両面印刷物が作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】(a)は本発明によって作製された両面印刷物の一方の面を示す概略図、(b)は他方の面を示す概略図である。
【図2】本発明の両面印刷物の作製方法に用いられる両面印刷装置の要部を示すブロック図である。
【図3】図2に示す両面印刷装置の記憶部に記憶されるデータの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の、両面印刷物の作製方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態の、両面印刷物の作製方法の要部を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態の両面印刷装置の記憶部に記憶されるデータの例を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の、両面印刷物の作製方法の要部を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第5の実施形態の、両面印刷物の作製方法の要部を示すフローチャートである。
【図9】本発明の両面印刷物の作製方法に用いられる両面印刷装置の内部機構を示す概略図である。
【図10】(a),(b)は従来の方法で作製された両面印刷物の例を示す概略図である。
【図11】(a)〜(c)は従来の方法で作製された両面印刷物の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1 両面印刷物(記録媒体)
2,2A〜2J 印刷情報ブロック
3 記憶部
4 入力部
5 中央処理装置
6 第1の記録部
7 カッター部
7a,7b カッター部材
8 第2の記録部
12 筐体
13 ロール体収納部
14a,14b 記録ヘッド
15a,15b プラテンローラ
16 第1の排出口
18 搬送ローラ
19 排出ローラ
20 第2の排出口
L1 両面印刷物1の長さ
L2 選択された印刷情報ブロックの印刷長さの合計
L3 余白部分の長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックは、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内にデータベース化されて記憶されており、
中央処理装置が、前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、
前記印刷情報ブロックを選択するステップは、前記各印刷情報ブロックの前記優先度に従って選択するが、1つの前記印刷情報ブロックに関しては、前記中央処理装置が前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択するものである
ことを特徴とする両面印刷物の作製方法。
【請求項2】
前記中央処理装置が前記印刷情報ブロックを選択するステップは、
未選択の前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高い前記印刷情報ブロックから順番に選択することを繰り返し、
選択された前記印刷情報ブロックを前記両面印刷物内に配置可能であるか否かを判定し、配置不可能と判定された時点で、1つの前記印刷情報ブロックの選択を取り消し、
選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックを前記両面印刷物内に配置した際に生じる前記印刷長さ方向の余白を、前記印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが前記許容範囲内に入るか否かを判定し、
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入らないと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる前記印刷情報ブロックに差し替える
請求項1に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項3】
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの最後に選択された1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い前記印刷情報ブロックに差し替え、
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが長い前記印刷情報ブロックに差し替える、
請求項2に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項4】
前記中央処理装置が前記印刷情報ブロックを選択するステップは、
未選択の前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高い前記印刷情報ブロックから順番に選択し、
選択された前記印刷情報ブロックを前記両面印刷物内に配置した際に生じる前記印刷長さ方向の余白を、前記印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが前記許容範囲内に入るか否かを判定し、
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている前記印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる前記印刷情報ブロックに差し替えるか、または、未選択の前記印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択する、
請求項1に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項5】
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択されている前記印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い前記印刷情報ブロックに差し替え、
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、未選択の前記印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択する、
請求項4に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項6】
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている前記印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる前記印刷情報ブロックに差し替えること、または、未選択の前記印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択することを繰り返し、
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入ると判定された時、または、前記記憶されている全ての前記印刷情報ブロックに関して前記余白部分が前記許容範囲内に入るか否かの判定が完了した時、または、前記印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返し回数が、予め決められた回数に到達した時に、前記印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返しを終了する、
請求項2から5のいずれか1項に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項7】
前記各印刷情報ブロックは、前記印刷長さおよび前記優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、
前記パラメータは当該印刷情報ブロックの情報の種類であり、複数の前記印刷情報ブロックが選択される場合には、互いに異なる種類の前記印刷情報ブロックを優先的に選択する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項8】
前記各印刷情報ブロックは、前記印刷長さおよび前記優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、該印刷情報ブロックは、前記選択条件が満たされる場合にのみ選択可能である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項9】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記印刷情報ブロックは、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内にデータベース化されて記憶されている複数の主ブロックと、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内に前記主ブロックとは別のデータベースとして記憶されている複数の余白調整用ブロックとからなり、
前記別のデータベースには、前記主ブロックに比べて前記印刷長さが短いものを含めて、前記印刷長さが異なる複数の前記余白調整用ブロックが記憶されており、
中央処理装置が、前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、
前記印刷情報ブロックを選択するステップでは、1つの前記余白調整用ブロックが必ず含まれるように選択し、前記1つの余白調整用ブロックとともに1つまたは複数の前記主ブロックが選択される場合には前記主ブロックは前記優先度に従って選択し、
前記1つの前記余白調整用ブロックは、前記中央処理装置が前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、前記印刷長さに従って選択する
ことを特徴とする両面印刷物の作製方法。
【請求項10】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックは、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内にデータベース化されて記憶されており、
前記記憶部内に前記印刷長さが同じ前記印刷情報ブロックが複数記憶されている場合には、それぞれに異なる前記優先度が付与されており、
中央処理装置が、前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、
前記印刷情報ブロックを選択するステップは、前記中央処理装置が前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、選択すべき1つまたは複数の前記印刷情報ブロックの各々の前記印刷長さを決定し、決定された前記印刷長さを有する前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高いものを選択するものである
ことを特徴とする両面印刷物の作製方法。
【請求項11】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせて、前記記憶部内にデータベース化して記憶する記憶部と、
前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択する中央処理装置であって、前記印刷情報ブロックを前記優先度に従って選択するが、1つの前記印刷情報ブロックに関しては、前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択する中央処理装置と
をさらに含むことを特徴とする両面印刷装置。
【請求項12】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックを、複数の主ブロックと、前記主ブロックに比べて前記印刷長さが短いものを含み前記印刷長さが異なる複数の余白調整用ブロックとに分けて、複数の前記主ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせてデータベース化して記憶するとともに、複数の前記余白調整用ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さをデータとしてそれぞれ持たせて前記主ブロックとは別のデータベースとして記憶する記憶部と、
前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択する中央処理装置と、
をさらに含み、
前記中央処理装置は、前記印刷情報ブロックを選択する際には、1つの前記余白調整用ブロックが必ず含まれるように選択し、前記1つの余白調整用ブロックとともに1つまたは複数の前記主ブロックが選択される場合には前記主ブロックは前記優先度に従って選択し、
前記中央処理装置は、前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、前記印刷長さに従って前記1つの前記余白調整用ブロックを選択する
ことを特徴とする両面印刷装置。
【請求項13】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせてデータベース化して記憶する記憶部であって、前記印刷長さが同じ前記印刷情報ブロックが複数存在する場合には、それぞれに異なる前記優先度を持たせて記憶する記憶部と、
前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択する中央処理装置であって、前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、選択すべき1つまたは複数の前記印刷情報ブロックの各々の前記印刷長さを決定し、決定された前記印刷長さを有する前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高いものを選択する中央処理装置と
をさらに含むことを特徴とする両面印刷装置。
【請求項1】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックは、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内にデータベース化されて記憶されており、
中央処理装置が、前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、
前記印刷情報ブロックを選択するステップは、前記各印刷情報ブロックの前記優先度に従って選択するが、1つの前記印刷情報ブロックに関しては、前記中央処理装置が前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択するものである
ことを特徴とする両面印刷物の作製方法。
【請求項2】
前記中央処理装置が前記印刷情報ブロックを選択するステップは、
未選択の前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高い前記印刷情報ブロックから順番に選択することを繰り返し、
選択された前記印刷情報ブロックを前記両面印刷物内に配置可能であるか否かを判定し、配置不可能と判定された時点で、1つの前記印刷情報ブロックの選択を取り消し、
選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックを前記両面印刷物内に配置した際に生じる前記印刷長さ方向の余白を、前記印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが前記許容範囲内に入るか否かを判定し、
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入らないと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる前記印刷情報ブロックに差し替える
請求項1に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項3】
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの最後に選択された1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い前記印刷情報ブロックに差し替え、
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、選択を取り消されずに残った印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが長い前記印刷情報ブロックに差し替える、
請求項2に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項4】
前記中央処理装置が前記印刷情報ブロックを選択するステップは、
未選択の前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高い前記印刷情報ブロックから順番に選択し、
選択された前記印刷情報ブロックを前記両面印刷物内に配置した際に生じる前記印刷長さ方向の余白を、前記印刷情報ブロックの前後に均等に分散配置した場合に、均等に分散配置された個々の余白部分の長さが前記許容範囲内に入るか否かを判定し、
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている前記印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる前記印刷情報ブロックに差し替えるか、または、未選択の前記印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択する、
請求項1に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項5】
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最小値よりも小さいと判定された場合には、選択されている前記印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックよりも印刷長さが短い前記印刷情報ブロックに差し替え、
前記余白部分の長さが前記許容範囲の最大値よりも大きいと判定された場合には、未選択の前記印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択する、
請求項4に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項6】
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入らないと判定された場合には、選択されている前記印刷情報ブロックのうちの1つを、当該印刷情報ブロックとは印刷長さが異なる前記印刷情報ブロックに差し替えること、または、未選択の前記印刷情報ブロックのうちのいずれかを追加選択することを繰り返し、
前記余白部分の長さが前記許容範囲に入ると判定された時、または、前記記憶されている全ての前記印刷情報ブロックに関して前記余白部分が前記許容範囲内に入るか否かの判定が完了した時、または、前記印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返し回数が、予め決められた回数に到達した時に、前記印刷情報ブロックの差し替えまたは追加選択の繰り返しを終了する、
請求項2から5のいずれか1項に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項7】
前記各印刷情報ブロックは、前記印刷長さおよび前記優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、
前記パラメータは当該印刷情報ブロックの情報の種類であり、複数の前記印刷情報ブロックが選択される場合には、互いに異なる種類の前記印刷情報ブロックを優先的に選択する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項8】
前記各印刷情報ブロックは、前記印刷長さおよび前記優先度に加えて、選択条件のパラメータを有し、該印刷情報ブロックは、前記選択条件が満たされる場合にのみ選択可能である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の両面印刷物の作製方法。
【請求項9】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記印刷情報ブロックは、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内にデータベース化されて記憶されている複数の主ブロックと、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内に前記主ブロックとは別のデータベースとして記憶されている複数の余白調整用ブロックとからなり、
前記別のデータベースには、前記主ブロックに比べて前記印刷長さが短いものを含めて、前記印刷長さが異なる複数の前記余白調整用ブロックが記憶されており、
中央処理装置が、前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、
前記印刷情報ブロックを選択するステップでは、1つの前記余白調整用ブロックが必ず含まれるように選択し、前記1つの余白調整用ブロックとともに1つまたは複数の前記主ブロックが選択される場合には前記主ブロックは前記優先度に従って選択し、
前記1つの前記余白調整用ブロックは、前記中央処理装置が前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、前記印刷長さに従って選択する
ことを特徴とする両面印刷物の作製方法。
【請求項10】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷するステップと、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するステップと、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷するステップとを含む、単票紙状の両面印刷物の作製方法において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックは、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ有し、前記記憶部内にデータベース化されて記憶されており、
前記記憶部内に前記印刷長さが同じ前記印刷情報ブロックが複数記憶されている場合には、それぞれに異なる前記優先度が付与されており、
中央処理装置が、前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択するステップをさらに含み、
前記印刷情報ブロックを選択するステップは、前記中央処理装置が前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、選択すべき1つまたは複数の前記印刷情報ブロックの各々の前記印刷長さを決定し、決定された前記印刷長さを有する前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高いものを選択するものである
ことを特徴とする両面印刷物の作製方法。
【請求項11】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせて、前記記憶部内にデータベース化して記憶する記憶部と、
前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択する中央処理装置であって、前記印刷情報ブロックを前記優先度に従って選択するが、1つの前記印刷情報ブロックに関しては、前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように選択する中央処理装置と
をさらに含むことを特徴とする両面印刷装置。
【請求項12】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックを、複数の主ブロックと、前記主ブロックに比べて前記印刷長さが短いものを含み前記印刷長さが異なる複数の余白調整用ブロックとに分けて、複数の前記主ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせてデータベース化して記憶するとともに、複数の前記余白調整用ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さをデータとしてそれぞれ持たせて前記主ブロックとは別のデータベースとして記憶する記憶部と、
前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択する中央処理装置と、
をさらに含み、
前記中央処理装置は、前記印刷情報ブロックを選択する際には、1つの前記余白調整用ブロックが必ず含まれるように選択し、前記1つの余白調整用ブロックとともに1つまたは複数の前記主ブロックが選択される場合には前記主ブロックは前記優先度に従って選択し、
前記中央処理装置は、前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、前記印刷長さに従って前記1つの前記余白調整用ブロックを選択する
ことを特徴とする両面印刷装置。
【請求項13】
連続紙状の記録媒体の一方の面に第1の印刷情報を印刷する第1の記録部と、前記第1の印刷情報が印刷された部分を切断するカッター部と、前記記録媒体の他方の面に第2の印刷情報を印刷する第2の記録部とを含む、両面印刷装置において、
前記第1の印刷情報は、1枚の両面印刷物ごとに印刷長さが異なる可能性のある情報であり、
前記第2の印刷情報は、記憶部に予め記憶されている互いに独立した複数の印刷情報ブロックの中から選択された、1つまたは複数の印刷情報ブロックからなり、
前記各印刷情報ブロックを、前記記録媒体に印刷する際に要する印刷長さと、情報内容の優先度とをデータとしてそれぞれ持たせてデータベース化して記憶する記憶部であって、前記印刷長さが同じ前記印刷情報ブロックが複数存在する場合には、それぞれに異なる前記優先度を持たせて記憶する記憶部と、
前記記録媒体の前記他方の面への印刷の前に、前記第2の印刷情報を構成する前記印刷情報ブロックを選択する中央処理装置であって、前記第1の印刷情報の印刷長さを求め、該印刷長さに基づいて前記両面印刷物の長さを求め、求められた前記両面印刷物の長さに基づいて、前記他方の面における複数の余白部分が均等になり、かつ予め決められた許容範囲内に入るように、選択すべき1つまたは複数の前記印刷情報ブロックの各々の前記印刷長さを決定し、決定された前記印刷長さを有する前記印刷情報ブロックのうち、前記優先度の高いものを選択する中央処理装置と
をさらに含むことを特徴とする両面印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−188874(P2008−188874A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25635(P2007−25635)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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