中仕切り部材付き折り畳みコンテナー
【解決手段】中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される一方の側壁c3側に位置する側壁側雌ヒンジ部材H4と、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とをヒンジ連結するとともに、中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と、中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とをヒンジ連結するようにした中仕切り部材付き折り畳みコンテナーに関するものである。
【効果】中仕切り部材に触れることなく、箱型に組み立てられた状態から先に倒される側壁を、底部方向に倒すことができ、従って、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【効果】中仕切り部材に触れることなく、箱型に組み立てられた状態から先に倒される側壁を、底部方向に倒すことができ、従って、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部と、底部の相対する一方の土手部にヒンジ連結された相対する一方の側壁と、底部の相対するもう一方の土手部にヒンジ連結された相対するもう一方の側壁とからなり、箱型に組み立てられた状態から、相対する一方の側壁を、底部に重なるように倒し、次いで、もう一方の側壁を、先に倒された前記相対する一方の側壁に重なるように倒すことにより、折り畳むように構成された折り畳みコンテナーの内部を仕切る中仕切り部材が配設された中仕切り部材付き折り畳みコンテナーに関するものである。このような形式の折り畳みコンテナーは、所謂、内倒れ式折り畳みコンテナーと称されている。
【背景技術】
【0002】
従来、上部枠の相対する一方の短辺枠に、上端部がヒンジ連結されているはね上げ側壁と、上部枠の相対するもう一方の長辺枠に、配設された上部分割側壁部と下部分割側壁部とからなる分割側壁とを有する折り畳みコンテナー内に、中仕切り部材を取り付けた折り畳みコンテナーが、特許文献1に開示されている。箱型に組み立てられた状態から、このような折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、はね上げ側壁を、略水平状態となるように上方にはね上げ、次いで、分割側壁を構成する上部分割側壁部と下部分割側壁部とが、互いに重なるように折り畳むことにより、折り畳みコンテナーを折り畳むように構成されており、このような形式の折り畳みコンテナーは、所謂、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーと称されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平02−31828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のはね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先ず最初に、上下動自在な中仕切り部材を、上部枠付近まで上動させた後、分割側壁を構成する上部分割側壁部と下部分割側壁部とが、互いに重なるように折り畳むように構成されており、従って、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーを折り畳む際には、中仕切り部材の上動工程と分割側壁の折り畳み工程との2工程が必要であり、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーの折り畳む作業の作業性が悪いという問題があった。
【0005】
また、上述した従来のはね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーにおいては、上下動自在な中仕切り部材の上動は、上部枠の相対する長辺枠に突設されたストッパにより、その上動が制限されるように構成されているが、箱型に組み立てられた状態の分割側壁は、外側に膨出変形しやすく、従って、中仕切り部材が、ストッパを越えて、上方に移動し、中仕切り部材としての機能が果たせなくなるという問題があった。更に、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態においては、中仕切り部材と上部枠の相対する長辺枠に突設されたストッパとの間の空間が広いために、中仕切り部材のガタツキが大きく、中仕切り部材が上方に大きく移動するという問題があった。
【0006】
更に、中仕切り部材の上動を制限しているのは、ストッパだけであるので、中仕切り部材が、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーから外れ易く、中仕切り部材が、紛失するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と該底部の相対する一方の土手部にヒンジ連結された相対する一方の側壁と前記底部の相対するもう一方の土手部にヒンジ連結された相対するもう一方の側壁と折り畳みコンテナー本体と中仕切り部材とからなり、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、相対する一方の側壁を、底部方向に倒し、次いで、もう一方の側壁を、底部方向に倒すことにより、折り畳むように構成された中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、第1には、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と、前記先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とをヒンジ連結するとともに、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材と、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材とをヒンジ連結したものであり、第2には、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と前記中仕切り部材を構成する連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と前記箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とのヒンジ連結部より、下方に位置するように構成したものであり、第3には、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された側壁側雌ヒンジ部材の略円筒状部のスリットに、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材の雄杆を、下方から嵌入するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と、前記先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とをヒンジ連結するとともに、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材と、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材とをヒンジ連結したので、中仕切り部材に触れることなく、箱型に組み立てられた状態から先に倒される側壁を、底部方向に倒すことができ、従って、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【0010】
前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と前記中仕切り部材を構成する連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と前記箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とのヒンジ連結部より、下方に位置するように構成したので、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先に倒される側壁が、底部方向に倒されても、中仕切り部材の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、確実に、下方に移動することになるので、中仕切り部材の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ点の上動により、中仕切り部材が上動し、先に倒される側壁の底部方向への折り畳みが阻害されるようなことを防止することができる。
【0011】
前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された側壁側雌ヒンジ部材の略円筒状部のスリットに、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材の雄杆を、下方から嵌入するようにしたので、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが、折り畳まれた状態においても、また、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態において、中仕切り部材が、上方に移動し、折り畳みコンテナー本体から外れるようなことを、確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの中仕切り部材が配設されていない状態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁の部分拡大斜視図である。
【図3】図3は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する中仕切り部材の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する中仕切り部材の分解斜視図である。
【図5】図5は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する中仕切り部材の部分拡大分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁と中仕切り部材の部分拡大分解斜視図である。
【図7】図7は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの斜視図である。
【図8】図8は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁と中仕切り部材とのヒンジ連結状態を示す部分拡大垂直断面図である。
【図9】図9は、図8と同様の、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁と中仕切り部材とのヒンジ連結状態を示す部分拡大垂直断面図である。
【図10】図10は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の垂直断面図である。
【図11】図11は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み途中の垂直断面図である。
【図12】図12は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の垂直断面図である。
【実施例】
【0013】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実施例に限定されるものではない。
【0014】
図1において、Cは、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する折り畳みコンテナー本体であり、折り畳みコンテナー本体Cは、底部c1と、底部c1の相対する一方の土手部c1aにヒンジ連結された相対する長側壁c2と、底部の相対するもう一方の土手部c1bにヒンジ連結された相対する短側壁c3とからなり、本実施例においては、長側壁c2がヒンジ連結されている底部c1の土手部c1aの高さが、短側壁c3がヒンジ連結されている底部c1の土手部c1bの高さより高く構成されている。
【0015】
箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナー本体Cを、折り畳むには、先ず最初に、略垂直状態の短側壁c3を、底部c1に重なるように倒し、次いで、略垂直状態の長側壁c2を、先に倒された短側壁c3に重なるように倒すことにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナー本体Cを、折り畳むことができるように構成されている。また、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナー本体Cを、箱型に組み立てるには、先ず最初に、長側壁c2を、略垂直に立て、その後、短側壁c3を、略垂直に立てることにより、箱型に組み立てることができるように構成されている。
【0016】
また、図2に示されているように、相対する短側壁c3の適当な高さ、例えば、中程には、水平方向に、複数の横長のスリットc3aが穿設されている。なお、本実施例には、2個のスリットc3aが穿設されている例が示されている。また、スリットc3aの相対する垂直縁に位置する短側壁c3の内面(折り畳みコンテナーCを箱型に組み立てた際に、内側に位置する面)c3’には、内面c3’に垂直に相対する突片h1aが突設されており、相対する突片h1aには、水平な棒状の雄杆h1bが架橋されている。相対する突片h1aと水平な棒状の雄杆h1bとにより、中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1が構成されている。
【0017】
次に、図3〜図5を用いて、1個の板状の中仕切り本体1と、該中仕切り本体1にヒンジ連結される一対の板状の連結体2とから構成されている中仕切り部材Pについて説明する。
【0018】
中仕切り本体1は、平面形状が長方形状の中央梁部1aと、中央梁部1aの相対する短辺に、中央梁部1aの長辺1a1に垂直に、且つ、その中央部が連接された側端梁部1bと、中央梁部1aの相対する長辺1a1に、それぞれ、垂直に、且つ、その端部が、側部梁部1bの端部と一致するように延在する、適当数の中間梁部1cとから構成されている。本実施例においては、中央梁部1aの一方の長辺1a1から2本の中間梁部1cが延在しており、また、中央梁部1aのもう一方の長辺1a1から2本の中間梁部1cが延在しており、平面的に見て、中央梁部1aを挟んで、線対称状に位置する中間梁部1cが、直線状に配置されている例が示されている。
【0019】
側端梁部1bの両端部及び中間梁部1cの各端部には、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が形成されている。側端梁部1bの両端部及び中間梁部1cの各端部に形成されている中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2は、全て同じであるので、以下においては、側端梁部1bの一方の端部に形成されている中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2について説明する。
【0020】
側端梁部1bの端部には、凹部1b1が形成されており、凹部1b1を形成することにより、側端梁部1bの端部には、相対する突出部1b2が形成されている。突出部1b2の上面(中仕切り部材Pを、折り畳みコンテナー本体Cに配設した際に、上方に位置する面)1b2’には、それぞれ、突片h2aが立設されており、相対する突片h2aには、水平な棒状の雄杆h2bが架橋されている。相対する突片h2aと水平な棒状の雄杆h2bとにより、上述した中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が構成されている。
【0021】
連結体2は、中仕切り本体1の中央梁部1aと平行に延在するように配置される、平面形状が長方形状の連結体本体部2aを有している。また、連結体本体部2aの相対する長辺2a1、2a2の一方の長辺2a1(中仕切り本体1に、連結体2がヒンジ連結された際に、中仕切り本体1側に位置する長辺)には、中仕切り本体1に、連結体2がヒンジ連結された際に、中仕切り本体1を構成する側端梁部1bの端部及び中間梁部1cの端部と対向するように、且つ、連結体本体部2aを延在することにより、中仕切り本体側水平支持突片2bが、水平方向に突設されている。
【0022】
上述した中仕切り本体側水平支持突片2bの上面(中仕切り部材Pを、折り畳みコンテナー本体Cに配設した際に、上方に位置する面)2b1には、それぞれ、連結体側雌ヒンジ部材H3が形成されている。
【0023】
連結体側雌ヒンジ部材H3は、中仕切り本体側水平支持突片2bの上面2b1から、上方に延在するように連接された略円筒状部h3を有しており、略円筒状部h3の下方(連結体2が、略水平状態に位置する場合の下方)には、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2を構成する雄杆h2bが、嵌入可能な、略円筒状部h3の母線方向に延在するスリットh3aが形成されている。このように、連結体側雌ヒンジ部材H3は、スリットh3aが形成された略円筒状部h3により構成されている。
【0024】
連結体2の連結体本体部2aの相対する長辺2a1、2a2のもう一方の長辺2a2(中仕切り本体1に、連結体2がヒンジ連結された際に、短側壁c3側に位置する長辺)には、短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1と対向するように、且つ、連結体本体部2aを延在することにより、短側壁側(箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁側)水平支持突片2cが、水平方向に突設されている。
【0025】
上述した短側壁側水平支持突片2cの上面(中仕切り部材Pを、折り畳みコンテナー本体Cに配設した際に、上方に位置する面)2c1には、短側壁側(箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁側)雌ヒンジ部材H4が、それぞれ形成されている。
【0026】
短側壁側雌ヒンジ部材H4は、短側壁側水平支持突片2cの上面2c1から、上方に延在するように連接された略円筒状部h4を有しており、略円筒状部h4の下方(連結体2が、略水平状態に位置する場合の下方)には、上述した短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1を構成する雄杆h1bが、嵌入可能な、略円筒状部h4の母線方向に延在するスリットh4aが形成されている。このように、短側壁側雌ヒンジ部材H4は、スリットh4aが形成された略円筒状部h4により構成されている。
【0027】
次に、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1と連結体2とのヒンジ連結について説明する。
【0028】
中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1の側端梁部1bの端部及び中間梁部1cの端部に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が、中仕切り部材Pを構成する連結体2の一方の長辺2a1に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3と対向するように、且つ、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が、連結体側雌ヒンジ部材H3の下方に位置するように配置する。その後、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2を上昇させて、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1の側端梁部1bの端部及び中間梁部1cの端部に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2の雄杆h2bを、中仕切り部材Pを構成する連結体2の一方の長辺2a1に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3の略円筒状部h3の下方に形成されたスリットh3aに嵌入することにより、中仕切り本体1と連結体2とをヒンジ連結する。このようにして、図3に示されているように、中仕切り本体1と連結体2とがヒンジ連結され、中仕切り部材Pが組み付けられることになる。
【0029】
次に、中仕切り部材Pの折り畳みコンテナー本体Cを構成する短側壁c3への取り付けについて説明する。
【0030】
図6に示されているように、中仕切り部材Pを構成する連結体2のもう一方の長辺2a2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3の内面c3’に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とが、対向するように、且つ、短側壁側雌ヒンジ部材H4が、中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1の上方に位置するように配置する。その後、短側壁側雌ヒンジ部材H4を下降させて、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4の略円筒状部h4の下方に形成されたスリットh4aに、短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1の雄杆h1bを嵌入することにより、中仕切り部材Pを構成する連結体2が、短側壁c3にヒンジ連結され、中仕切り部材Pが、短側壁c3にヒンジ連結されることになる。
【0031】
上述したように、折り畳みコンテナー本体Cの相対する短側壁c3に、中仕切り部材Pをヒンジ連結することにより、図7に示されているように、中仕切り部材付き折り畳みコンテナー本体Cが構成されることになるが、中仕切り部材Pには、中仕切り本体1を構成する中央梁部1aと側端梁部1bと該側端梁部1bと相対する中間梁部1cと連結体2とにより囲まれた、或いは、中央梁部1aと相対する中間梁部1cと連結体2とにより囲まれた、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナー本体Cに収容される物品Bが嵌合される物品嵌合窓部A1が形成されている。なお、Dは、折り畳みコンテナー本体Cの底部c1に載置される、発泡樹脂等で成形された下部仕切り板であり、下部仕切り板Dには、上記の物品嵌合窓部A1に対応して、物品Bの下端部が嵌合される凹部d1が形成されている。従って、物品Bの中程は、中仕切り部材Pにより保持され、また、物品Bの下端部は、下部仕切り板Dにより保持されるので、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの移送中や搬送中や運搬中等に、物品Bが移動するようなことを確実に防止することができる。
【0032】
折り畳みコンテナー本体Cの相対する短側壁c3に、中仕切り部材Pをヒンジ連結することにより、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが構成されることになるが、図8及び図9に示されているように、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1が、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とのヒンジ連結部X2より、下方に位置するように構成されている。
【0033】
上述したように、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4の略円筒状部h4のスリットh4aに、短側壁c3に形成された側壁側雄ヒンジ部材H1の雄杆h1bが、下方から、嵌入されているので、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態において、中仕切り部材Pが、上方に移動し、折り畳みコンテナー本体Cから外れるようなことを、確実に防止することができる。
【0034】
また、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1が、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とのヒンジ連結部X2より、下方に位置するように構成されているので、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先に倒される短側壁c3が、底部c1方向に倒されても、中仕切り部材Pの中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と連結体2の連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1が、確実に、下方に移動することになるので、中仕切り部材Pの中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と連結体2の連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1の上動により、中仕切り部材Pが上動し、短側壁c3の底部c1方向への折り畳みが阻害されるようなことを防止することができる。
【0035】
次に、図10〜図12を用いて、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを、折り畳む工程について説明する。
【0036】
物品Bが収容されていない、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、図10に示されているように、中仕切り部材Pが略水平状態から、先ず最初に、先に倒される短側壁c3を、底部c1方向に倒すと、図11に示されているように、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とのヒンジ連結部X2を中心に、中仕切り部材Pを構成する連結体2と短側壁c3とが、互いに、接近する方向に移動するとともに、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1を中心に、連結体2と中仕切り本体1とが、互いに、接近する方向に移動するとともに、中仕切り本体1と連結体2とからなる中仕切り部材Pが、折り畳みコンテナー本体Cの底部c1方向に垂直移動することになる。そして、図12に示されているように、短側壁c3が、略水平状態に倒された際には、連結体2が、中仕切り本体1に、略重ねられるとともに、中仕切り本体1が、折り畳みコンテナー本体Cの底部c1に載置された下部仕切り板Dの上面に載置、或いは、接近して配置されて、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが折り畳まれることになる。
【0037】
上述したように、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、中仕切り部材Pを構成する連結体2の短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3の中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とをヒンジ連結するとともに、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1の中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2の連結体側雌ヒンジ部材H3とをヒンジ連結したので、中仕切り部材Pに触れることなく、箱型に組み立てられた状態から先に倒される短側壁c3を、底部c1方向に倒すことができ、従って、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【符号の説明】
【0038】
C・・・・・・・・・・・折り畳みコンテナー本体
c1・・・・・・・・・・底部
c2・・・・・・・・・・長側壁
c3・・・・・・・・・・短側壁
H1・・・・・・・・・・中仕切り部材側雄ヒンジ部材
H2・・・・・・・・・・中仕切り本体側雄ヒンジ部材
H3・・・・・・・・・・連結体側雌ヒンジ部材
H4・・・・・・・・・・短側壁側雌ヒンジ部材
P・・・・・・・・・・・中仕切り部材
1・・・・・・・・・・・中仕切り本体
2・・・・・・・・・・・連結体
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部と、底部の相対する一方の土手部にヒンジ連結された相対する一方の側壁と、底部の相対するもう一方の土手部にヒンジ連結された相対するもう一方の側壁とからなり、箱型に組み立てられた状態から、相対する一方の側壁を、底部に重なるように倒し、次いで、もう一方の側壁を、先に倒された前記相対する一方の側壁に重なるように倒すことにより、折り畳むように構成された折り畳みコンテナーの内部を仕切る中仕切り部材が配設された中仕切り部材付き折り畳みコンテナーに関するものである。このような形式の折り畳みコンテナーは、所謂、内倒れ式折り畳みコンテナーと称されている。
【背景技術】
【0002】
従来、上部枠の相対する一方の短辺枠に、上端部がヒンジ連結されているはね上げ側壁と、上部枠の相対するもう一方の長辺枠に、配設された上部分割側壁部と下部分割側壁部とからなる分割側壁とを有する折り畳みコンテナー内に、中仕切り部材を取り付けた折り畳みコンテナーが、特許文献1に開示されている。箱型に組み立てられた状態から、このような折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、はね上げ側壁を、略水平状態となるように上方にはね上げ、次いで、分割側壁を構成する上部分割側壁部と下部分割側壁部とが、互いに重なるように折り畳むことにより、折り畳みコンテナーを折り畳むように構成されており、このような形式の折り畳みコンテナーは、所謂、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーと称されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平02−31828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のはね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先ず最初に、上下動自在な中仕切り部材を、上部枠付近まで上動させた後、分割側壁を構成する上部分割側壁部と下部分割側壁部とが、互いに重なるように折り畳むように構成されており、従って、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーを折り畳む際には、中仕切り部材の上動工程と分割側壁の折り畳み工程との2工程が必要であり、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーの折り畳む作業の作業性が悪いという問題があった。
【0005】
また、上述した従来のはね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーにおいては、上下動自在な中仕切り部材の上動は、上部枠の相対する長辺枠に突設されたストッパにより、その上動が制限されるように構成されているが、箱型に組み立てられた状態の分割側壁は、外側に膨出変形しやすく、従って、中仕切り部材が、ストッパを越えて、上方に移動し、中仕切り部材としての機能が果たせなくなるという問題があった。更に、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態においては、中仕切り部材と上部枠の相対する長辺枠に突設されたストッパとの間の空間が広いために、中仕切り部材のガタツキが大きく、中仕切り部材が上方に大きく移動するという問題があった。
【0006】
更に、中仕切り部材の上動を制限しているのは、ストッパだけであるので、中仕切り部材が、はね上げ側壁・分割側壁式折り畳みコンテナーから外れ易く、中仕切り部材が、紛失するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と該底部の相対する一方の土手部にヒンジ連結された相対する一方の側壁と前記底部の相対するもう一方の土手部にヒンジ連結された相対するもう一方の側壁と折り畳みコンテナー本体と中仕切り部材とからなり、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、相対する一方の側壁を、底部方向に倒し、次いで、もう一方の側壁を、底部方向に倒すことにより、折り畳むように構成された中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、第1には、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と、前記先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とをヒンジ連結するとともに、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材と、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材とをヒンジ連結したものであり、第2には、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と前記中仕切り部材を構成する連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と前記箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とのヒンジ連結部より、下方に位置するように構成したものであり、第3には、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された側壁側雌ヒンジ部材の略円筒状部のスリットに、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材の雄杆を、下方から嵌入するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と、前記先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とをヒンジ連結するとともに、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材と、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材とをヒンジ連結したので、中仕切り部材に触れることなく、箱型に組み立てられた状態から先に倒される側壁を、底部方向に倒すことができ、従って、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【0010】
前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と前記中仕切り部材を構成する連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と前記箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とのヒンジ連結部より、下方に位置するように構成したので、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先に倒される側壁が、底部方向に倒されても、中仕切り部材の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、確実に、下方に移動することになるので、中仕切り部材の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ点の上動により、中仕切り部材が上動し、先に倒される側壁の底部方向への折り畳みが阻害されるようなことを防止することができる。
【0011】
前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された側壁側雌ヒンジ部材の略円筒状部のスリットに、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材の雄杆を、下方から嵌入するようにしたので、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが、折り畳まれた状態においても、また、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態において、中仕切り部材が、上方に移動し、折り畳みコンテナー本体から外れるようなことを、確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの中仕切り部材が配設されていない状態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁の部分拡大斜視図である。
【図3】図3は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する中仕切り部材の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する中仕切り部材の分解斜視図である。
【図5】図5は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する中仕切り部材の部分拡大分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁と中仕切り部材の部分拡大分解斜視図である。
【図7】図7は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの斜視図である。
【図8】図8は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁と中仕切り部材とのヒンジ連結状態を示す部分拡大垂直断面図である。
【図9】図9は、図8と同様の、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する短側壁と中仕切り部材とのヒンジ連結状態を示す部分拡大垂直断面図である。
【図10】図10は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の垂直断面図である。
【図11】図11は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み途中の垂直断面図である。
【図12】図12は、本発明の中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の垂直断面図である。
【実施例】
【0013】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実施例に限定されるものではない。
【0014】
図1において、Cは、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを構成する折り畳みコンテナー本体であり、折り畳みコンテナー本体Cは、底部c1と、底部c1の相対する一方の土手部c1aにヒンジ連結された相対する長側壁c2と、底部の相対するもう一方の土手部c1bにヒンジ連結された相対する短側壁c3とからなり、本実施例においては、長側壁c2がヒンジ連結されている底部c1の土手部c1aの高さが、短側壁c3がヒンジ連結されている底部c1の土手部c1bの高さより高く構成されている。
【0015】
箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナー本体Cを、折り畳むには、先ず最初に、略垂直状態の短側壁c3を、底部c1に重なるように倒し、次いで、略垂直状態の長側壁c2を、先に倒された短側壁c3に重なるように倒すことにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナー本体Cを、折り畳むことができるように構成されている。また、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナー本体Cを、箱型に組み立てるには、先ず最初に、長側壁c2を、略垂直に立て、その後、短側壁c3を、略垂直に立てることにより、箱型に組み立てることができるように構成されている。
【0016】
また、図2に示されているように、相対する短側壁c3の適当な高さ、例えば、中程には、水平方向に、複数の横長のスリットc3aが穿設されている。なお、本実施例には、2個のスリットc3aが穿設されている例が示されている。また、スリットc3aの相対する垂直縁に位置する短側壁c3の内面(折り畳みコンテナーCを箱型に組み立てた際に、内側に位置する面)c3’には、内面c3’に垂直に相対する突片h1aが突設されており、相対する突片h1aには、水平な棒状の雄杆h1bが架橋されている。相対する突片h1aと水平な棒状の雄杆h1bとにより、中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1が構成されている。
【0017】
次に、図3〜図5を用いて、1個の板状の中仕切り本体1と、該中仕切り本体1にヒンジ連結される一対の板状の連結体2とから構成されている中仕切り部材Pについて説明する。
【0018】
中仕切り本体1は、平面形状が長方形状の中央梁部1aと、中央梁部1aの相対する短辺に、中央梁部1aの長辺1a1に垂直に、且つ、その中央部が連接された側端梁部1bと、中央梁部1aの相対する長辺1a1に、それぞれ、垂直に、且つ、その端部が、側部梁部1bの端部と一致するように延在する、適当数の中間梁部1cとから構成されている。本実施例においては、中央梁部1aの一方の長辺1a1から2本の中間梁部1cが延在しており、また、中央梁部1aのもう一方の長辺1a1から2本の中間梁部1cが延在しており、平面的に見て、中央梁部1aを挟んで、線対称状に位置する中間梁部1cが、直線状に配置されている例が示されている。
【0019】
側端梁部1bの両端部及び中間梁部1cの各端部には、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が形成されている。側端梁部1bの両端部及び中間梁部1cの各端部に形成されている中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2は、全て同じであるので、以下においては、側端梁部1bの一方の端部に形成されている中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2について説明する。
【0020】
側端梁部1bの端部には、凹部1b1が形成されており、凹部1b1を形成することにより、側端梁部1bの端部には、相対する突出部1b2が形成されている。突出部1b2の上面(中仕切り部材Pを、折り畳みコンテナー本体Cに配設した際に、上方に位置する面)1b2’には、それぞれ、突片h2aが立設されており、相対する突片h2aには、水平な棒状の雄杆h2bが架橋されている。相対する突片h2aと水平な棒状の雄杆h2bとにより、上述した中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が構成されている。
【0021】
連結体2は、中仕切り本体1の中央梁部1aと平行に延在するように配置される、平面形状が長方形状の連結体本体部2aを有している。また、連結体本体部2aの相対する長辺2a1、2a2の一方の長辺2a1(中仕切り本体1に、連結体2がヒンジ連結された際に、中仕切り本体1側に位置する長辺)には、中仕切り本体1に、連結体2がヒンジ連結された際に、中仕切り本体1を構成する側端梁部1bの端部及び中間梁部1cの端部と対向するように、且つ、連結体本体部2aを延在することにより、中仕切り本体側水平支持突片2bが、水平方向に突設されている。
【0022】
上述した中仕切り本体側水平支持突片2bの上面(中仕切り部材Pを、折り畳みコンテナー本体Cに配設した際に、上方に位置する面)2b1には、それぞれ、連結体側雌ヒンジ部材H3が形成されている。
【0023】
連結体側雌ヒンジ部材H3は、中仕切り本体側水平支持突片2bの上面2b1から、上方に延在するように連接された略円筒状部h3を有しており、略円筒状部h3の下方(連結体2が、略水平状態に位置する場合の下方)には、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2を構成する雄杆h2bが、嵌入可能な、略円筒状部h3の母線方向に延在するスリットh3aが形成されている。このように、連結体側雌ヒンジ部材H3は、スリットh3aが形成された略円筒状部h3により構成されている。
【0024】
連結体2の連結体本体部2aの相対する長辺2a1、2a2のもう一方の長辺2a2(中仕切り本体1に、連結体2がヒンジ連結された際に、短側壁c3側に位置する長辺)には、短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1と対向するように、且つ、連結体本体部2aを延在することにより、短側壁側(箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁側)水平支持突片2cが、水平方向に突設されている。
【0025】
上述した短側壁側水平支持突片2cの上面(中仕切り部材Pを、折り畳みコンテナー本体Cに配設した際に、上方に位置する面)2c1には、短側壁側(箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁側)雌ヒンジ部材H4が、それぞれ形成されている。
【0026】
短側壁側雌ヒンジ部材H4は、短側壁側水平支持突片2cの上面2c1から、上方に延在するように連接された略円筒状部h4を有しており、略円筒状部h4の下方(連結体2が、略水平状態に位置する場合の下方)には、上述した短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1を構成する雄杆h1bが、嵌入可能な、略円筒状部h4の母線方向に延在するスリットh4aが形成されている。このように、短側壁側雌ヒンジ部材H4は、スリットh4aが形成された略円筒状部h4により構成されている。
【0027】
次に、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1と連結体2とのヒンジ連結について説明する。
【0028】
中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1の側端梁部1bの端部及び中間梁部1cの端部に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が、中仕切り部材Pを構成する連結体2の一方の長辺2a1に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3と対向するように、且つ、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2が、連結体側雌ヒンジ部材H3の下方に位置するように配置する。その後、中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2を上昇させて、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1の側端梁部1bの端部及び中間梁部1cの端部に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2の雄杆h2bを、中仕切り部材Pを構成する連結体2の一方の長辺2a1に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3の略円筒状部h3の下方に形成されたスリットh3aに嵌入することにより、中仕切り本体1と連結体2とをヒンジ連結する。このようにして、図3に示されているように、中仕切り本体1と連結体2とがヒンジ連結され、中仕切り部材Pが組み付けられることになる。
【0029】
次に、中仕切り部材Pの折り畳みコンテナー本体Cを構成する短側壁c3への取り付けについて説明する。
【0030】
図6に示されているように、中仕切り部材Pを構成する連結体2のもう一方の長辺2a2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3の内面c3’に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とが、対向するように、且つ、短側壁側雌ヒンジ部材H4が、中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1の上方に位置するように配置する。その後、短側壁側雌ヒンジ部材H4を下降させて、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4の略円筒状部h4の下方に形成されたスリットh4aに、短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1の雄杆h1bを嵌入することにより、中仕切り部材Pを構成する連結体2が、短側壁c3にヒンジ連結され、中仕切り部材Pが、短側壁c3にヒンジ連結されることになる。
【0031】
上述したように、折り畳みコンテナー本体Cの相対する短側壁c3に、中仕切り部材Pをヒンジ連結することにより、図7に示されているように、中仕切り部材付き折り畳みコンテナー本体Cが構成されることになるが、中仕切り部材Pには、中仕切り本体1を構成する中央梁部1aと側端梁部1bと該側端梁部1bと相対する中間梁部1cと連結体2とにより囲まれた、或いは、中央梁部1aと相対する中間梁部1cと連結体2とにより囲まれた、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナー本体Cに収容される物品Bが嵌合される物品嵌合窓部A1が形成されている。なお、Dは、折り畳みコンテナー本体Cの底部c1に載置される、発泡樹脂等で成形された下部仕切り板であり、下部仕切り板Dには、上記の物品嵌合窓部A1に対応して、物品Bの下端部が嵌合される凹部d1が形成されている。従って、物品Bの中程は、中仕切り部材Pにより保持され、また、物品Bの下端部は、下部仕切り板Dにより保持されるので、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの移送中や搬送中や運搬中等に、物品Bが移動するようなことを確実に防止することができる。
【0032】
折り畳みコンテナー本体Cの相対する短側壁c3に、中仕切り部材Pをヒンジ連結することにより、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが構成されることになるが、図8及び図9に示されているように、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1が、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とのヒンジ連結部X2より、下方に位置するように構成されている。
【0033】
上述したように、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4の略円筒状部h4のスリットh4aに、短側壁c3に形成された側壁側雄ヒンジ部材H1の雄杆h1bが、下方から、嵌入されているので、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態において、中仕切り部材Pが、上方に移動し、折り畳みコンテナー本体Cから外れるようなことを、確実に防止することができる。
【0034】
また、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1が、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とのヒンジ連結部X2より、下方に位置するように構成されているので、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先に倒される短側壁c3が、底部c1方向に倒されても、中仕切り部材Pの中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と連結体2の連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1が、確実に、下方に移動することになるので、中仕切り部材Pの中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と連結体2の連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1の上動により、中仕切り部材Pが上動し、短側壁c3の底部c1方向への折り畳みが阻害されるようなことを防止することができる。
【0035】
次に、図10〜図12を用いて、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーを、折り畳む工程について説明する。
【0036】
物品Bが収容されていない、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、図10に示されているように、中仕切り部材Pが略水平状態から、先ず最初に、先に倒される短側壁c3を、底部c1方向に倒すと、図11に示されているように、中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とのヒンジ連結部X2を中心に、中仕切り部材Pを構成する連結体2と短側壁c3とが、互いに、接近する方向に移動するとともに、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2に形成された連結体側雌ヒンジ部材H3とのヒンジ連結部X1を中心に、連結体2と中仕切り本体1とが、互いに、接近する方向に移動するとともに、中仕切り本体1と連結体2とからなる中仕切り部材Pが、折り畳みコンテナー本体Cの底部c1方向に垂直移動することになる。そして、図12に示されているように、短側壁c3が、略水平状態に倒された際には、連結体2が、中仕切り本体1に、略重ねられるとともに、中仕切り本体1が、折り畳みコンテナー本体Cの底部c1に載置された下部仕切り板Dの上面に載置、或いは、接近して配置されて、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーが折り畳まれることになる。
【0037】
上述したように、箱型に組み立てられた中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、中仕切り部材Pを構成する連結体2の短側壁側雌ヒンジ部材H4と短側壁c3の中仕切り部材側雄ヒンジ部材H1とをヒンジ連結するとともに、中仕切り部材Pを構成する中仕切り本体1の中仕切り本体側雄ヒンジ部材H2と中仕切り部材Pを構成する連結体2の連結体側雌ヒンジ部材H3とをヒンジ連結したので、中仕切り部材Pに触れることなく、箱型に組み立てられた状態から先に倒される短側壁c3を、底部c1方向に倒すことができ、従って、中仕切り部材付き折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【符号の説明】
【0038】
C・・・・・・・・・・・折り畳みコンテナー本体
c1・・・・・・・・・・底部
c2・・・・・・・・・・長側壁
c3・・・・・・・・・・短側壁
H1・・・・・・・・・・中仕切り部材側雄ヒンジ部材
H2・・・・・・・・・・中仕切り本体側雄ヒンジ部材
H3・・・・・・・・・・連結体側雌ヒンジ部材
H4・・・・・・・・・・短側壁側雌ヒンジ部材
P・・・・・・・・・・・中仕切り部材
1・・・・・・・・・・・中仕切り本体
2・・・・・・・・・・・連結体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と該底部の相対する一方の土手部にヒンジ連結された相対する一方の側壁と前記底部の相対するもう一方の土手部にヒンジ連結された相対するもう一方の側壁と折り畳みコンテナー本体と中仕切り部材とからなり、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、相対する一方の側壁を、底部方向に倒し、次いで、もう一方の側壁を、底部方向に倒すことにより、折り畳むように構成された中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と、前記先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とがヒンジ連結されているとともに、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材と、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材とがヒンジ連結されていることを特徴とする中仕切り部材付き折り畳みコンテナー。
【請求項2】
前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と前記中仕切り部材を構成する連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と前記箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とのヒンジ連結部より、下方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の中仕切り部材付き折り畳みコンテナー。
【請求項3】
前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された側壁側雌ヒンジ部材の略円筒状部のスリットに、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材の雄杆を、下方から嵌入するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中仕切り部材付き折り畳みコンテナー。
【請求項1】
底部と該底部の相対する一方の土手部にヒンジ連結された相対する一方の側壁と前記底部の相対するもう一方の土手部にヒンジ連結された相対するもう一方の側壁と折り畳みコンテナー本体と中仕切り部材とからなり、箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、相対する一方の側壁を、底部方向に倒し、次いで、もう一方の側壁を、底部方向に倒すことにより、折り畳むように構成された中仕切り部材付き折り畳みコンテナーにおいて、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と、前記先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とがヒンジ連結されているとともに、前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体に形成された中仕切り本体側雄ヒンジ部材と、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された連結体側雌ヒンジ部材とがヒンジ連結されていることを特徴とする中仕切り部材付き折り畳みコンテナー。
【請求項2】
前記中仕切り部材を構成する中仕切り本体の中仕切り本体側雄ヒンジ部材と前記中仕切り部材を構成する連結体の連結体側雌ヒンジ部材とのヒンジ連結部が、前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された、箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁側に位置する側壁側雌ヒンジ部材と前記箱型に組み立てられた状態から先に倒される前記一方の側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材とのヒンジ連結部より、下方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の中仕切り部材付き折り畳みコンテナー。
【請求項3】
前記中仕切り部材を構成する連結体に形成された側壁側雌ヒンジ部材の略円筒状部のスリットに、先に倒される側壁に形成された中仕切り部材側雄ヒンジ部材の雄杆を、下方から嵌入するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中仕切り部材付き折り畳みコンテナー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−116416(P2011−116416A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276009(P2009−276009)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
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