説明

中空シリカ粒子とその製造方法

中空シリカ粒子を生成する方法が開示されており、その粒子は、テトラアルコキシシラン、トリアルキロキシシランとその派生物、ダイアルコキシシランとその派生物、アルコキシシランとその派生物、シリコーンオリゴマー、オリゴマーシルセスキオキサン、および粒子から排除されたポリマー鋳型上に分布するシリコーンポリマー、から選ばれたシリコン含有化合物からなる構成から作られている。本発明の粒子は実質的に均一な粒子サイズを有し、液体に対して低い浸透性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリカ粒子の合成分野に関する。さらに具体的に言うと、本発明はパーソナルケア製品に使用される中空内部を含んだ実質的に均一なシリカ系粒子の合成分野に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア業界では、特に肌用のパーソナルケア製品に関して、しみ、そばかす、変色などをカバーすることができると同時に、自然な肌の色に見せることができる原料に需要がある。強いカバー力のある化粧品は、マスクのように不自然な外見にしてしまうというのは良く知られている問題である。これは化粧品によく使用される乳白剤種類である二酸化チタン系の材料においてとりわけ事実である。多くの化粧品組成物が、ある程度の“自然性”のある高いカバー力を提供することができると報告されている。しかしながら、どの化粧品も、要求されているカバー力を犠牲せずに、消費者に強く求められている程度の自然性を提供してはいない。
【特許文献1】米国特許6,060,546
【特許文献2】米国特許6,271,295
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中空粒子の用例は前述で説明されている。しかしながら、上述された材料は、化粧品処方中の潜在的な乳白剤として重要な欠点を有している。塩化ビニリデンとアクリロニトリルから、または塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレートから作られる共重合体と三元重合体系が報告されている(例:エクスパンシル(商標))。残念ながら、これらの種類の材料は、化粧品使用において最大の視覚性能効果を実現するのに必要と信じられていたサイズを超える粒径のみ容易に得ることができる。スチレン/アクリレートの中空粒子(例:ロペーク(商標),ロム&ハース)も良く知られているが、これらの粒子は化粧品処方において望ましい視覚効果を提供しない。
【0004】
ポリマーシェルの中空粒子は、塩基に対して浸透性のある、加水分解型酸性官能基のコアとシースまたはシェルを含有しているコア/シェル粒子を生成することで作ることができる。鋳型上で各層静電気析出法を使用して合成されたシリカシェルを有する中空粒子もよく知られている。加えて、中空粒子は、鋳型粒子上でアルコキシシランから生成されたナノ粒子の蒸着により、または、鋳型粒子上でケイ酸ナトリウムを凝縮した後、鋳型を除去することにより合成される。しかしながら、そのような粒子は粒子表面において連続性の欠如を示すことが多く、そのため満足できないシェル浸透性を示すことも多い。さらに、周知され及び報告がなされている粒子のいずれも、所望の実質的に均一で、狭い粒径分布の狭い範囲且つ満足できる浸透性を有する粒子の生成を可能にする方法に従って生成されておらず、或いは、その他の点で、それらは、パーソナルケア用途へのそれらの製品の使用が不可能になる複数の合成ステップを増加した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
確かに狭い粒径分布を有する所定された粒径範囲にあり、且つ低浸透性を示すように製造された中空粒子は、化粧品処方において、周知の化粧品処方と比較して高いカバー力とより自然な外見を同時に提供する能力があることが発見された。
【0006】
本発明は、シリコン含有化合物を含む組成物から製造された中空シリカ粒子に関し、上記シリコン含有化合物は、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、アルコキシシラン、シリコーンオリゴマー、シルセスキオキサンオリゴマー、シリコーンポリマー、及びそれらの派生物と混合物中の一つまたはそれ以上のシリコン化合物から生じたシリコン原子が組み合わせている。これらのシリコン化合物は、それらの基が粒子の製造を妨げないという条件で、任意の有機基または混合基で随意に官能化されてもよい。本発明の粒子は、実質的に均一な粒径を有する。
【0007】
本発明は、さらに中空シリカ含有粒子の製造方法に関する。例えばポリマー鋳型粒子であるがこれに限定されないような鋳型粒子が、狭い粒径分布を有するように生成されることに特徴がある。シランカップリング剤が鋳型混合物に供給される。その後、シリコン含有化合物または化合物の混合物が添加され、且つシリカ含有シェルが鋳型粒子上で蒸着する条件の下で反応されて、鋳型粒子上で実質的に均一なコーティングを生じる。その後、鋳型粒子コアは、加熱、溶解、または抽出することにより得られた粒子から除去され、より好ましくは二段階の加熱プロセスを経て除去されて、実質的に一定する厚みを有するシェル、溶液に対する望ましい低い浸透性、白色、及び全体に狭い粒径分布範囲を有する中空シリカ粒子を残す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の中空粒子の製造プロセスには、鋳型粒子の作成、粒子へのシリカ含有シェルの蒸着、そして鋳型材料の除去、所定の実質的に相同する寸法及び満足できる溶液に対する低い浸透性を有した中空シリカ含有シェルの残留が含まれる。
【0009】
満足できる浸透性は、十分な期間の間それらの光学的性質を維持できる化粧品またはその他の組成物の製造を可能にするものである。特定な所定された粒径及び所定された実質的に狭い粒径分布範囲を有する鋳型粒子は、乳化、分散、または懸濁重合条件で製造されることが好ましい。鋳型粒子は、シェル蒸着の後、加熱、溶解、または抽出することにより除去されることができる材料から成ってもよい。この鋳型粒子は、例えばポリスチレンまたは他のスチレンポリマーのようなポリマーラテックス粒子であることが好ましい。
【0010】
図1に示すように、本発明の好ましい実施形態の一つによると、鋳型ポリスチレン粒子3は特定の条件においてスチレン1を重合することにより生成される。そのような反応条件には、加熱処理と特定の反応物質の添加を含んでいる。適切な反応物質、濃度、温度、および例えば撹拌速度や撹拌器の構造のようなプロセス条件を選択することにより、約200nmから約700nmの平均粒子直径を有する鋳型粒子3が生成される。一旦鋳型粒子3が生成されると、それらをカップリング剤で処理した後、特定のpHと温度条件で、シリコン含有化合物または化合物の混合物で処理して、上記鋳型粒子に実質的に均一なシリカ含有コーティング6を蒸着し、コーティング6とポリスチレンコア7を有するコーティングされた粒子5を生成する。その後、コーティングされた粒子5は、特定の条件で、分離、加熱されて、コア7が除去されて、所望された最終生成物である実質的に均一な中空シリカ粒子9と副産物であるスチレンとスチレン酸化物(図示なし)を得る。
【0011】
図2は、本発明の実施形態の1つに従って生成された平均直径が約500nmで狭い粒径分布を有するポリスチレン鋳型粒子の顕微鏡写真である。最後に、図3は、本発明の最終生成物である平均粒径が約500nmで狭い粒径分布を有する実質的に均一な中空シリカ粒子の顕微鏡写真である。
【0012】
本発明の好ましい実施形態の一つに従って、乳化、分散、または懸濁重合条件によりコントロールされる平均鋳型粒径は、好ましくは約200nmから約700nmの直径であり、より好ましいのは約250nmから約600nmである。画像解析によりきめられた通りに、理想の粒径分布は、少なくとも25%の粒子が約200nmから約700nmの範囲にあり、好ましくは少なくとも50%である。従って、理想の分布は平均粒径次第である。鋳型粒子は、シェル蒸着の後にポリマーコアを除去することができるいかなるモノマーまたはポリマー材料を含んでいてもよい。最適な鋳型材料として、スチレンポリマー、アクリレートポリマーおよび類似する共重合体系が含まれる。好ましくは、乳化、分散または懸濁重合反応の中で、スチレン、アルファメチルスチレンのようなスチレン派生物、またはスチレンとスチレン派生物の混合物がモノマーとして使用される。より好ましくは、スチレンは単体モノマーまたはスチレン/アルファメチスチレン混合物として使用され、さらに好ましくはスチレンが単独で使用されることである。
【0013】
図1に示したように、望ましい鋳型ラテックスは、界面活性剤の非存在下で選択的に合成されるが、鋳型の合成は、乳化、分散または懸濁重合反応を妨げない何れの界面活性剤あるいはその混合物の存在下で実施されてもよい。好ましくは、界面活性剤あるいはその混合物は天然アニオンである。より好ましくは、アルキル硫酸塩、スルホン酸アルキル、リニアアルキルアリールスルホン酸塩またはこれらの混合物から選ばれた界面活性剤あるいはその混合物である。さらに好ましくは、当該界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムまたはこれらの混合物である。鋳型粒子合成反応に開始剤が添加されることが望ましい。特に好まれる開始剤には、過硫酸塩、有機ヒドロペルオキシドまたはアゾ開始剤が含まれるが、これに限定されるわけではない。
【0014】
乳化、分散または懸濁重合反応は、約25°Cから約150°Cの温度範囲内で実行されるのが望ましく、より好ましくは、約50°Cから約100°Cの間、さらに好ましくは約70°Cである。一つの実施形態では、界面活性剤が鋳型粒子の生成に使用される。界面活性剤が使用される場合、その自身と濃度は、その後のシェル蒸着ステップを著しく妨げないように選ばれ、したがってラテックスがシェル蒸着ステップで生成されたように使用される。選択的に、シェル蒸着ステップが行われる前に、鋳型粒子を分離及び洗浄し、或いは、反応混合物が適当なイオン交換樹脂を通過することによって界面活性剤を除去することができるが、これは必ずしも好まれる方法ではない。もしこの方法が選択されれば、洗浄が終了した後、ラテックス鋳型は水の中で再懸濁される。他の実施形態では、ポリスチレンラテックスは、界面活性剤の非存在下で生成され、シェル蒸着ステップで生成されたように使用される。
【0015】
シェル蒸着ステップのために、ポリスチレンラテックス混合物は、シェル蒸着ステップに適切する濃度に一般的に希釈される。現在固形体中の濃度は通常約0.1から約50%の範囲であり、好ましくは約2から約30%である。ポリスチレンラテックスの混合物は、一般的に温度を上昇させるために加熱される。例えば、テトラエトキシシランがシリコン含有化合物として使用される場合、その温度は約20°Cから約150°Cの範囲であるのが望ましく、より好ましくは約45°Cから約90°Cの間であり、最も好ましいのは約50°Cである。
【0016】
理想的なpHがシェル蒸着ステップで添加されるシリコン含有化合物または化合物の混合物の特性に依存することに従って、pHを調整することが好ましい。例えば、テトラエトキシシランの場合、反応混合物のpHは約8から約12の範囲にあるのが好ましく、より好ましいのは、約9から約11であり、最も好ましいのは約10から約10.5である。pHの調整は、当業者に知られているあらゆる適切な酸(特定のシリコン含有化合物に好まれる低pHを得ることができる)または塩基により得ることができる。例えば、水酸化アンモニウムは、テトラエトキシシランのようなテトラアルコキシシランが使用されるときに好まれる選択である。
【0017】
pHを調節した後、シェルを蒸着させるためにシリカ含有化合物を添加する前に、シランカップリング剤のような相溶化剤を添加することが有利である。ポリスチレン鋳型粒子に対して適切な相溶化剤としては、フェニルトリメトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、またはこれら二つの混合物が含まれる。シリカ含有シェルの鋳型粒子表面への蒸着を促進する能力のある何れのカップリング剤でも使用することができる。
【0018】
カップリング剤をポリスチレンラテックス混合物に添加した後、シェル前駆体であるシリコン含有化合物が攪拌されながら添加されて、シリカ含有シェルを蒸着する。好まれるシリコン含有材料は、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランまたはテトラメトキシシランのようなテトラアルコキシシランであり、その中、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランが好ましい。例えば部分的に重合されたエトキシシラン及びその他のアルコキシ含有オリゴマーまたはポリマーのような部分的に重合されたアルコキシシランも、本発明の範囲において使用することが考慮されている。シリコン含有化合物の好ましい添加速度は、その化合物の特性による。例えばテトラエトキシシランである場合、3時間から48時間をかけてゆっくり添加することが好ましく、24時間以内で添加することがより好ましい。シリコン含有化合物がテトラメトキシシランである場合、その添加は30分から16時間の間に完了されることが好まれる。これは必須ではないが、シリコン含有化合物は添加する前に溶液で希釈されてもよい、例えばテトラエトキシシランである場合、エタノールで希釈される。シリコン含有化合物は、アルコールまたはアルコール混合物で希釈されることが好ましいかも知らないが、テトラプロポキシシランのようなテトラアルコキシシランで希釈されても良い。
【0019】
鋳型粒子分散に添加されるシリコン含有化合物の量は、鋳型粒子の重さに対する重量パーセントとして、シリコン含有化合物の化学特性と蒸着の効率性次第である。その理想的な量は、コア/シェル粒子を所望のシェル厚みに分離し、且つ所望の作用の十分な純度に特徴付けられることが必要である最低量である。“所望のシェル厚み”とは、所望の最終粒子性能により定義される。本発明を活用するには、シェルは、コアが除去できるように十分に細かなければならなく、また構造的完全性を消失することなく機械的な操作及びその結果生じた形成に持ちこたえることができるように十分な厚みを有することが望まれている。本発明により生成されたシェルは、通常約10から約30nm厚であり、より一般的には約15から約25nm厚である。シリコン含有化合物の添加が完了した後、粒子分離の前に、その反応は、随意に攪拌を継続されてもよい。
【0020】
コア/シェル粒子は、遠心分離またはろ過によって分離される。本発明の一つの実施形態によれば、コロイドSiOである固形体を有していないより純粋な生成物を分離するのに優れた能力を持つ遠心分離方法が好まれる。実際に、本発明の一つの実施形態によれば、遠心分離機の管理は厳しく監視されることが望ましい。二重分離は必要でなく、約5,000から約20,000gの力を約5分から1時間、より好ましくは約15,000gの力を約10分から15分の間加えるように設定した遠心分離機において、光学的に透明な母液中に存在するコロイドSiOは、分離された生成物を汚染することはない。反応混合物中の粒子を上記遠心分離パラメータにさらせて、懸濁液中にかなりの量のコロイドSiOが残留され、流し出すことにより、沈殿物の中により純粋な生成物を残すという結果をもたらす。最終的に、所望の効果を提供する粒子の分離を可能にする方法という条件で、ろ過法ももう一つの手段である。コア/シェル粒子は選択的に洗浄され再分離されることができるが、これは必須ではない。
【0021】
コーティングされた粒子の分離の後、コア材料は除去される。好ましくは、コア/シェル粒子を2段階で加熱処理することにより除去されることが望ましい。第一段階は、鋳型の解重合と気化が好まれる温度まで加熱することと、最終的に加熱制御が完了された時に、白色で所望の光学的性質を有する粒子を生成するために十分である一定時間の間、上記温度を実質的に保持し続けることが含まれる。第一の温度を“保持”した後、シェルを圧縮するのに十分な時間、粒子を高温に加熱することは有利である。得られた白色の中空粒子は、その粒子が化粧品に組み込まれた場合、本発明の好ましい実施の形態である。満足できる白色さを有する粒子のTAPPI 輝度値(T−452 Brightness(1987) method)は、好ましくは0.5もしくはそれ以上、より好ましくは0.55もしくはそれ以上、最も好ましいのは0.6もしくはそれ以上であることを特徴とする。また、本発明の中空粒子は、使用条件下で、溶液がシェルを浸透して透過することに対して実質的に不浸透であることが望ましい。本発明のコア分離加熱制御に従うシェルの圧縮は所望の不浸透性を有した中空粒子を提供する。
【0022】
段階1と段階2の間で、材料を冷却する必要はない。段階1の適切な温度は、モノマーあるいはモノマー混合物の特性、及び鋳型粒子の生成用の得られたポリマーの特性、またオーブンの構造と物質輸送特性による。ポリスチレンラテックスが鋳型粒子の材料として使用された場合、段階1は、好ましくは約325°Cから約525°Cの範囲の温度、より好ましくは、約375°Cから約475°C、最も好ましいのは約425°Cまで加熱することを含む。サンプルは第一段階の温度に、好ましくは約1時間から約8時間、より好ましくは約2時間から6時間、最も好ましくは4時間保持される。鋳型粒子がスチレンまたはその派生物の混合物から生成されたかどうかに関らず、段階2の温度は好ましくは約525°Cから約900°Cの範囲で、好ましくは約550°Cから約700°Cで、より好ましくは約600°Cである。段階2の温度は約1から8時間の間保持され、好ましくは約2から6時間である。温度段階が保持されるための所望される時間は、オーブン内のガス流量とその他の物質移動に影響するパラメータによって決まるので、前記提案された保持時間は用例として提示されたものであり、限定されるものではない。最終生成物の色の導入に対して、変化速度は何ら寄与しないことを条件に、温度変化と減少速度は最終生成物の性能に対して重大ではない。温度変化と減少速度は、一般的に約0.1°C/分から約25°C/分の範囲であり、好ましくは約1°C/分から約10°C/分の範囲である。加熱ステップは、酸素含有雰囲気または不活性雰囲気で行われることができる。熱処理の間に、希望しない色を導入してしまう可能性のある鋳型分解生成物が粒子上に蒸着されることを実質的に防ぐことができれば、雰囲気の流量は重大ではない。交替コア/シェル粒子加熱システムは、コア分離の好ましい手段にもなり得る流動床炉である。ガス流量は、コア分離時間を改善するために変更されてもよいことはさらに理解されているが、実際的な粒子流量限度は、中空粒子生成物が軽量という事実による生成物の無駄を回避するためだということが当事者により容易に理解されるであろう。もう一つの方法として、コアは溶解または溶媒抽出法で分離されてもよい。もしコアの分離に溶解方法が使用された場合、段階2の加熱手順で粒子を分離した後にシェルを圧縮することに利点になる場合がある。
【0023】
化粧品使用に所望されている特性を持った中空シリカ粒子の生成を可能にする本発明の一つの実施形態において、鋳型粒子として乳化、分散、または懸濁重合により合成されたポリスチレンラテックスの使用が含まれることが断定されてきている。この好まれる方法は、本発明の粒子を組み合わせて得られた化粧品の所望する視覚効果を得るために重要である粒径と粒径分布に対して厳しく制御する。このポリスチレンラテックスの使用は、加熱によりシリカコーティングされたコア/シェル生成物から鋳型を最終的に分離することをさらに提供する。その他の有利な特性は、コア表面へのシリカの蒸着を促進するようにシランカップリング剤を使用することと、また特定の調整されたpHと温度でシリコン含有化合物を制御的に添加することが含む。相溶化剤の使用とアルコキシシランの添加速度、反応物のpHと温度の制御は、粒子表面へのシリカの凝縮と蒸着がバルク溶液中の凝縮/粒子構成に対して十分になることを可能にさせる。
【0024】
これは、バルク溶液の中で固形体粒子を生成するシリカの凝縮は、シリカコーティングされた鋳型、すなわち最終的には中空シリカを生成しないので重要である。バルク溶液の中で生成されたシリカ粒子は、本発明の一方法に従って所望の生成物から分離される。さらに、本発明で定義されている加熱手順は、望まれない色の導入なしに鋳型材料から効果的に除去することを可能にする。特に本発明の方法は、化粧品やその他の組成に使用されるという状況下において、下記の液体に限定されるわけではないが、水やデカメチルシクロペンタシロキサン(工業的にSF1202としてニューヨークのGeneral Electric Companyにより販売されている)のような液体に対して低い浸透性を示す中空シリカを分離することを可能にする。中空粒子の合成の観点から、化粧品処方のような特定の媒体で処方された場合、改良されたカバー力と目に見える程に優れた自然性を提供する材料を供給する。本発明の粒子の液体浸透性は、特定の液体浸透性テストにより満足できると断定されている。化粧品に使用されるようにするためには、本発明で完成した中空粒子は極めて低い液体浸透性を有してなければならず、また、言い換えれば、デカメチルシクロペンタシロキサンに対して実質的に不浸透でなければならない。その粒子は、粒子サンプルが約90から約100%である約50から100mgのものを10〜15mLのデカメチルシクロペンタシロキサンのサンプルに、少なくとも30日間浮かせた時、デカメチルシクロペンタシロキサンに対して、実質的に不浸透でなければならないと言われている。ここに使用されている“中空粒子”とは、液体に放置また接触した際に実質的にまたは部分的に中空を有しており、すなわち、液体に放置または接触した際に実質的なサイズの連続中空隙間を維持する。粒子の中空部内部は、香料、オイル、放出制御用材料、水またはその処方に存在可能の他の流体のような流体や液体により実質的に満たしたり詰めたりしない。この浮遊テストに満たす生成物は、化粧品に取り入れられた時、少なくとも約7ヶ月間の有用な保存期間を示すことが知られている。
【0025】
分離した後、中空粒子は、中空粒子の表面と実質的に反応または相互作用する能力がある単量体、オリゴマーまたはポリマー材料、またはそれらの混合物と反応することにより官能化されてもよい。例えば、官能性シラン、シラザンまたはシリコーンオリゴマーまたはポリマーは、粒子表面に存在する表面シラノールと反応することができる。そのような適当な材料としては、トリアルコキシ/トリアリールオキシシラン、ジアルコキシ/ジアリールオキシシラン、アルコキシ/アリールオキシシランまたはそれらの派生物(例:オリゴマーやポリマー)、またはそれらの混合物、同じくしてヘキサメチルジシラザンのような反応性シリコン含有材料が含まれている。上記反応性シラン、オリゴマーまたはポリマーに存在する機能性は、粒子分散性の改善、処方内の安定性の改善、その他の処方原料との相溶性の改善、または視覚や他の感覚効果(ソフトさ)などの消費者に喜ばれるほかの効果を付加する機能性を提供するために選ばれてもよい。アルコキシシランまたはアリールオキシシランの場合、付加された機能は、アルキル、アリール、オレフィン、エステル、アイン(aine)、酸、エポキシド、アルコールなどで取り入れられてもよい。一つの好ましい機能化反応は、中空シリカ粒子がヘキサメチルジシラザンと反応することにより起こることである。この反応は、液体反応混合物の中か、または無溶剤の乾燥材料と気相状態のへキサメチルジシラザンで行われてもよい。
【0026】
ここに説明されている合成方法の利点としては、予測できる粒径の制御、シェル厚みの制御、表面を官能化する能力、また実質的に均一な厚みを有する連続的なシェルを生成することが含まれている。本発明の粒子により与えられたパーソナルケア製品の性能効果としては、例えば、化粧品として処方された場合、高いカバー力と自然な外見が含まれる。粒子の表面を官能化する能力は、粒子の分散性、処方され及び処方されない時の安定性、相溶性および視覚効果のような消費者に求められる付加的な効果を追加する能力において利点を提供する。
【0027】
本発明の中空シリカ粒子または“シェル”は、シリコーン成分の乳剤において充填剤として使用されることが好ましく、特に化粧品処方において使用されることが好ましい。一般的に知られているように、乳剤は、連続相と不連続相である少なくとも二つの不混和相からなる。さらに、乳剤は、様々な粘度を有する液体でもよい、固形体でもよい。また、乳剤の粒径は、それらをマイクロエマルジョンにし、十分に小さいマイクロエマルジョンは透明であってもよい。さらに、乳剤の乳剤を精製することも可能であり、これらは一般的に多重エマルジョンとして知られている。これらのエマルジョンとしては、下記のものがある。
不連続相が水を含有しており、連続相がシリコーンを含有している水性乳剤;
連続相が水を含有しており、不連続相がシリコーンを含有している水性乳剤;
不連続相が非水性ヒドロキシル基溶剤を含有しており、連続相がシリコーンを含有している非水性乳剤;および
連続相が非水性ヒドロキシル基有機溶剤を含有しており、不連続相がシリコーンを含有している非水性乳剤。
【0028】
シリコーン相を含んだ非水性乳剤は、米国特許6,060,546と6,271,295に記載されており、その開示内容を本願に引用して援用する。
本発明において使用されている“非水性ヒドロキシル基有機化合物”とは、例えばアルコール、グリコール、多価アルコールおよび重合グリコールやその混合物などの、室温(例:約25°C)且つ1大気圧において液体であるヒドロキシル基を有する有機化合物を意味する。非水性ヒドロキシル基有機溶液は、アルコール、グリコール、多価アルコールおよび重合グリコールとその混合物などの、室温(例:約25°C)且つ1大気圧で液体であるものを含むヒドロキシル基を有する有機化合物からなる組から選ばれる。その非水性ヒドロキシル基有機溶液は、エチレングリコール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコール、メチルプロパンジオール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール・モノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン共重合体とその混合物からなる組から選ばれたものが好ましい。
【0029】
パーソナルケア製品に使用されることができる本発明の中空シリカ粒子または“シェル”及びそれらから派生するシリコーン組成物は、消臭剤、制汗剤、制汗消臭剤、髭剃り製品、スキンローション、保湿剤、化粧水、バス用品、洗浄製品、シャンプーやコンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、白髪染め、ヘアカラー製品、脱色剤、パーマ剤、直毛剤などのヘアケア製品、ネイルポリッシュ、除光液、爪用クリームとローション、キューティクルケア剤などの爪用品、日焼け止め、虫除けや抗加齢製品などの保護クリーム、口紅、ファンデーション、フェースパウダー、アイライナー、アイシャドー、頬紅、マスカラなどの染色化粧品、およびシリコーン混合物が従来の方法で添加されたその他のパーソナルケア処方と、肌に使用される薬用組成の局所使用のための薬物送達システムに利用されることができるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の中空シリカ粒子又は“シェル”は、また、濃度、熱挙動、光学特性、粘度、処理性、または他の物質的特性を改善させる目的で、様々なポリマーの充填剤としての使用されることができる。シェルは、また金属シェルのような他の材料のシェルの成長用の鋳型或いは支持体として使用されることもできる。その金属シェルは、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)などからなり、その特性は金属シェルの厚みによる。蒸着/グラフト/反応されたシェルは、自然的に重合することができる。従って、本発明は、さらに粒子鋳型全体にわたって複数個のコーティングを配置することを意図する。鋳型は、第一のコーティングでシングル・コーティングが蒸着された後で除去されてもよい。さらに、複数個のコーティングは、コアの除去を妨げないという前提の下、コアを除去する前に粒子鋳型コア全体にわたって蒸着されてもよい。金属層が用いられた場合もあり、本発明は得られようとする効果に従って有用な順序で金属または非金属層の蒸着を意図することは当然のことである。
【実施例1】
【0031】
ポリスチレンラテックスの製造
(50Lスケール)
Milli−Q(登録商標)システムで浄化された29.3Lアリコートの水は、オーバーヘッドコンデンサーとオーバーヘッドメカニカル攪拌器を装備した50Lのガラスライニング反応装置に蒸着されて入られる。水は窒素と共に40分間噴霧された。4.97グラムの過硫酸カリウム(Aldrich,St.Louis,MO)が50mLの水に事前に溶解されたものが添加され、反応混合物は窒素雰囲気生成装置の下、250RPMで攪拌されながら70°Cまで加熱された。その後140RPMで攪拌されながら、中性アルミナカラムの中を通されて阻害物質を除去するための4.0Lのスチレン(Aldrich,St.Louis,MO)サンプルが添加された。これは、窒素雰囲気生成装置の下、140RPMで攪拌されながら、70°Cで24時間反応させた。反応が完了した後、反応混合物は熱から離れ、固形体の量は重量測定法で測定される。生成物の粒径分布は、動的光散乱で測定される。
【実施例2】
【0032】
ポリスチレンラテックスのコーティング
(50Lスケール)
9.5%の固形体を含んだ6.75Kg量のポリスチレンラテックスは、26.0LのMilli−Q(登録商標)システムで浄化された水を含む50Lのガラスライニング反応装置に添加されて、2質量%のポリスチレンを含んだ反応混合物を生成する。pHは、578mLの28〜30%の含水水酸化アンモ二ウムを使用して調整された。その後反応混合物は、オーバーヘッドメカニカルミキサーにより141RPMで攪拌されながら、50°Cまで加熱された。反応炉が50°Cに達した時、70mLのフェニルトリメトキシシラン(94%、Aldrich,St.Louis,MO)が、14mL/分の速度で反応物に添加され、45分間反応させた。6.87Lのテトラエトキシシランと8.12Lの無水エタノールを含んだ溶液が用意され、141RPMの速度で攪拌され且つ70°Cの温度を保ちながら、641mL/時間の速度で添加された。反応混合物は反応炉から離れて、テトラエトキシシラン/エタノール混合物の添加が開始された時点から粗い布地のフィルターを24時間通された。生成物は遠心分離機で分離され、水とエタノールを除去するように風乾された。
【実施例3】
【0033】
コアの除去
ポリスチレンのコアを除去するのに、実施例2で生成された粒子を蒸発皿に拡散し、プログラマブル炉で1.9°C/分の速度で425°Cまで加熱して、その温度で4時間保持された。その後、温度は1.7°C/分の速度で580°Cまで上昇されて、5時間加熱された。そして、炉は、最高速度で室温まで冷却された。
【実施例4】
【0034】
HMDZ処理
124gの中空球形シリカは、6つのほぼ均等な約20gずつのポーションに分割された。それぞれのポーションは、100mLのテトラヒドロフラン(THF)の中に浮遊され、5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDZ)により処理された。250mlの三角フラスコの中で、各ポーションは、10mmのステンレススチールの回転固定子チップを装備したオムニホモゲナイザーで約9000RPMで10分間均質化された。結合したポーションは、水冷式還流冷却器、大型磁気攪拌棒、テフロン(登録商標)被覆された熱電対、温度モニタされた加熱マントル、および窒素の流入を装備した2リットルの丸底フラスコに添加された。混合物は加熱され、激しく攪拌されながら穏やかな還流に1時間保持された。1時間後、500mLのIsopar−G(Exxon−Mobil)と50mLの脱イオン水が混合物に添加される。還流冷却器は、温度計と500mLの受液フラスコを装備した小型の真空被膜された蒸留ヘッドに代替された。混合物は再び加熱され、THFは少しずつ蒸留された。ゆっくり蒸留されることにより、混合物の温度は定速を維持しながら上昇された。蒸留受液器は定期的に空にされた。容器の温度は、その温度が徐々に165°Cまで上昇されてその温度を約12時間維持される前に、約30分の間100°Cに保たれた。温度は、Isopar−Gが蒸留する(170°Cから180°C)まで再び上昇される。100mLのIsopar−Gが得られた後、反応混合物は熱から離れて、まとまったまま四角アルミナるつぼに静かに移された。揮発物は、100°Cの真空オーブンの中で、48時間間、材料がほとんど固形体になるまで、上記材料から揮散される。結集した材料は、少しずつ粉状にされ、大型のパイレックス(登録商標)皿に入れられて真空オーブンに170から180°Cで72時間の間入れられる。回収される材料の合計量は120.1gであった。
【実施例5】
【0035】
油中水化粧品
本発明の材料は、優れた肌への感触と共に物質的に安定し、また高い“カバー力”を提供することができる化粧品を構成するのに使用されてもよい。高いカバー力は、通常処方へ乳白剤を混合することにより得られる。二酸化チタンは、化粧品使用において効果的な乳白剤として広く考慮されている。
【0036】
(a)組成
原料
【表1】

【0037】
(b)製造プロセス
説明された組成物は、二つの異なったプロセス(プロセスXとプロセスY)により製造された。詳細は以下である。
【0038】
プロセスX
1. 60°Cに保たれたビーカーの中に、パートAの原料を、示された順に混合し、オーバーヘッド攪拌/混合ブレードを使用して700rpmで、次の材料を添加する前に均質化するまでそれぞれの原料を十分に混合する。
2. 他の容器に、パートBの原料を示された順に混合する。60°Cまで加熱し、700rpmで均質化するまで混合する。
3. 混合しながらパートBをパートAにゆっくりと添加する。温度を60°Cに保ち、混合速度を1000rpmまで上昇させて、30分混合する。
4. 適当な容器に注ぎ入れる。

プロセスY
1. パートAの一つ目と二つ目の原料を混合し、スピードミキサー(DAC150FVZ型、ex Flack−Tek Inc)で、2000rpmの速度で5分間混合する。
2. パートAの三つ目と四つ目の原料を上記混合物と同じ容器に加え、スピードミキサーで2000rpmの速度で5分間混合する。
3. 同じ容器に、顔料とオレイン酸ソルビタンを加え、スピードミキサーで2000rpmの速度で5分間混合する。
4. パートBをプラスチックビーカーの中で混合させる。
5. パートBを、パートAを含有する容器に加える。容器を閉めて手で振る。スピードミキサーで2000rpmの速度で5分間混合させ、その後3000rpmの速度で5分間混合させる。サンプルが完全に混合されるまで、3000rpmの速度で5分間のインターバルをおいて連続的に混合させる。
【0039】
(c)隠ペい力の評価
レネタオパシティーチャート(Leneta Opacity charts)で測定されたコントラスト比は、肌用化粧品組成物の「隠ペい力」の目安として使用されてもよい。本発明組成物(II)のコントラスト比は、比較組成物(I)のコントラスト比と比較し、これらのコントラストは、8経路の湿潤膜のアプリケーターにより形成された7MIL(205.7965μm)の厚さのフィルムを、真空テーブルにおいて、レネタオパシティーチャート(2A型 ex Paul Gardner Co.)を使用して測定されたものである。処方(I)と(II)は上記のプロセスYに従って生成される。
【0040】
コントラスト比はハンターラブ測色器(Hunterlab ColorQuest−XE)スペクトロ光度計により測定でき、それは黒い背景で測定された“L”値を白い背景で測定された“L”値で割ったものにより与えられた比率として定義される。
表1.化粧品組成物のコントラスト比
【表2】

本発明の組成物(II)は、比較組成物(I)のからみられるように著しく高いコントラスト比(0.44と比べて0.83である)を有する。従って、本発明の組成物の隠ペい力は、二酸化チタンを配合した比較組成物の隠ペい力より著しく大きい。
【実施例6】
【0041】
油中水化粧用ファンデーション製品
本発明の材料は、物質的に安定し、且つ優れた肌感触を有し、化粧品使用において高い“カバー力”を提供することができる化粧用ファンデーション製品の配合に使用されてもよい。
(a)組成
原料
【表3】

【0042】
(b)製造プロセス
組成物(IIIからVIII)は、実施例1に説明されたようにプロセスYに従って製造される。
【0043】
(c)隠ペい力の評価
これらの肌用化粧ファンデーション配合の隠ペい力の評価は、1(c)に説明されたようにコントラスト比を測定することで得られた。結果は表2に報告される。
表2.肌用化粧ファンデーション配合のコントラスト比
【表4】

本発明の配合(VI−VIII)は、比較配合(III−V)から見られるように、例えば0.83−0.92に比べて0.91−1.0であるように、著しく高いコントラスト比を有している。従って、これらの配合において初期の乳白剤のレベルが一定である場合、本発明の材料を配合した組成物の隠ペい力は、二酸化チタンを配合した比較組成物より著しく大きい。
【0044】
本発明の好ましい実施形態はここに記載されているが、当事者であれば容易に改良や変更することができ、従って、添付の請求の範囲でそのような変化と同等のものを補うと解釈されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の好ましい方法の化学反応の概略図である。
【図2】本発明の実施形態により生成された鋳型粒子を示した顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施形態の中空シリカ粒子を示した顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0046】
1 スチレン
3 鋳型粒子
5 粒子
6 コーティング
7 ポリスチレンコア
9 中空シリカ粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型粒子を生成するステップと、
前記鋳型粒子の表面にカップリング剤を供給するステップと、
シリコン含有化合物を供給して、前記鋳型粒子上にシリカ含有シェルを蒸着して、前記鋳型粒子上で実質的に均一なコーティングを生成するステップと、
約325°Cから525°Cの第一温度において、第一期間の間前記鋳型粒子を加熱し、その後、約525°Cから900°Cの第二温度において、第二期間の間前記粒子を加熱することにより、前記鋳型粒子を除去して、中空シリカ粒子を製造するステップと
を含むことを特徴とする中空シリカ含有粒子を製造する方法。
【請求項2】
前記鋳型粒子が高分子材料からなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記鋳型粒子が、スチレン、アルファメチルスチレン及びそれらの混合物からなる組から選ばれたモノマーで構成されている高分子材料からなる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記鋳型粒子がポリスチレンである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記鋳型材料が、pH範囲が約8から12に調整されたpHを有する水性懸濁液である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
過硫酸塩、有機ヒドロペルオキシドおよびアゾ開始剤からなる組から選ばれた開始剤を供給するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記鋳型粒子が界面活性剤の非存在下で生成される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記鋳型粒子の生成ステップに、アルキル硫酸塩、スルホン酸アルキルおよびリニアアルキルアリールスルホン酸塩及びそれらの混合物からなる組から選ばれた界面活性剤を提供するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フェニルトリアルコキシシランと(3−アミノプロピル)トリアルコキシシランからなる組から選ばれた相溶化剤を鋳型に供給するステップをさらに備えている請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記鋳型粒子上で凝縮された前記シリコン含有化合物が、テトラアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、アルコキシシラン、ケイ酸塩、コロイドシリカ、シリコーンオリゴマー、シルセスキオキサンオリゴマーおよびシリコーンポリマーからなる組から選ばれた請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記シリコン含有化合物が、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラメトキシシランからなる組から選ばれた請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記鋳型粒子の平均粒径が約200nmから約700nmの範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記鋳型粒子の平均粒径が約250nmから約600nmの範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
約375°Cから475°Cの第一温度において、約2時間から約6時間の第一期間の間前記鋳型粒子を加熱し、その後、約550°Cから700°Cの第二温度において、約2時間から約6時間の第二期間の間前記粒子を加熱して前期鋳型粒子を除去する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第一、第二温度が、約1°C/分から約10°C/分の温度変化速度を用いて得られた請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記鋳型粒子が除去された後、得られた中空シリカ含有粒子が白色である請求項に1に記載の方法。
【請求項17】
請求項1の方法に従って作られた粒子。
【請求項18】
化粧品材料ではなく、請求項1に記載の方法で作られたデカメチルシクロペンタシロキサンに対して実質的に不浸透である粒子からなる材料。
【請求項19】
約250nmから約600nmの平均粒径を有する鋳型粒子を生成するステップと、
前記鋳型粒子の表面にカップリング剤を供給するステップと、
シリコン含有化合物を供給して、前記鋳型粒子上にシリカ含有シェルを蒸着して、前記鋳型粒子上で実質的に均一なコーティングを生成するステップと、
約375°Cから約475°Cの第一温度において、約2時間から約6時間の第一期間の間前記鋳型粒子を加熱し、その後、約550°Cから700°Cの第二温度において、約2時間から6時間の第二期間の間前記粒子を加熱して前記鋳型粒子を除去して、中空シリカ粒子を製造するステップと、
を含むことを特徴とする中空シリカ含有粒子を製造する方法
【請求項20】
中空シリカ粒子であって、
前記中空シリカ粒子が、テトラアルコキシシラン、トリアルキロキシシランとその派生物、ジアルコキシシランとその派生物、アルコキシシランとその派生物、シリコーンオリゴマー、シルセスキオキサンオリゴマーおよびシリコーンポリマーからなる組から選ばれたシリコン含有化合物を含む組成物から製造され、
前記粒子は、実質的に均一な粒径を有し、白色で且つデカメチルシクロペンタシロキサンに対して実質的に不浸透である中空シリカ粒子。
【請求項21】
前記粒子が、約200nmから約700nmの平均粒径を有する請求項20に記載の粒子。
【請求項22】
前記粒子が、約250nmから約600nmの平均粒径を有する請求項20に記載の粒子。
【請求項23】
前記粒子が実質的に球状である請求項20に記載の粒子。
【請求項24】
少なくとも一つのコーティングから作られたシェルを含んで、前記シェルが約10nmから30nmの実質的に一定の厚さを有する請求項20に記載の粒子。
【請求項25】
複数のコーティングをさらに含んで、それぞれのコーティングが実質的に一定の厚さを有する請求項20に記載の粒子。
【請求項26】
前記粒子が、有機シリル基からなる材料で官能化された外表面を含む請求項20に記載の粒子。
【請求項27】
前記粒子が、表面をヘキサメチルジシラザンと反応させることで官能化された外表面を含む請求項20の粒子。
【請求項28】
前記中空シリカ粒子が、オレフィン類、エステル類、アミン類、酸類、エポキシド類、アルコール類およびその混合物からなる組から選ばれた化学官能性をさらに含む請求項20に記載の粒子。
【請求項29】
少なくとも一つのコーティングが金属製剤からなる請求項24に記載の粒子。
【請求項30】
前記金属製剤が、銅含有、銀含有、金含有の混合物および銅含有、銀含有、金含有の組から選ばれた材料からなる請求項29に記載の粒子。
【請求項31】
化粧品材料ではなく、デカメチルシクロペンタシロキサンに対して実質的に不浸透である請求項20に記載の粒子からなる材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−504552(P2009−504552A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526057(P2008−526057)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029561
【国際公開番号】WO2007/021508
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】