説明

中継システム及び中継網のコーディック選択方法

【課題】 発着信事業者が利用するコーディックから無駄なコーディック変換を行わない。
【解決手段】 本発明は、予めコーディックのポリシとして、接続性を保証、発着信事業者間で同じ場合のみ接続、接続しない、の3つのカテゴリを設定しておき、発側のSBC(SBC)では接続性を保証、発着信事業者間で同じ場合のみ接続、のコーディックをオファーし、着側のSBC(SBC)では着側のネットワークのコーディックと比較することで中継コーディックを決定する。コーディックを決定する際には、優先順位の高いカテゴリに含まれるコーディックを優先順位に従って設定し、オファーとアンサーにコーディックの差分がある場合には、コーディックを変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継システム及び中継網のコーディック選択方法に係り、特に、複数のネットワーク事業者をまたがる場合の中継網のコーディック選択方法および装置に関する。
【0002】
詳しくは、事業者間相互接続ネットワークにおける端末とネットワーク間のセッション確立過程の能力情報交換の仕組みを利用した中継システム及び中継網のコーディック選択方法に関する。
【背景技術】
【0003】
まず、従来の固定・移動通信キャリアのネットワークのIP(Internet Protocol)化技術について説明する。
【0004】
固定通信、移動通信に関する使用を策定するITU-Tで議論している次世代ネットワーク(NGN: Next Generation Network)は、サービスがIPネットワークを経て提供されるネットワークアーキテクチャを想定している。NGNでは第三世代の移動通信ネットワークの標準化団体である3GPPで策定されたIPマルチメディアサブシステム(IMS: IP Multimedia Subsystem)の採用を決めており、このIMSを用いたネットワークサービスが提供されている。IMSはSIP(Session Initiation Protocol)(非特許文献1参照)を用いることで、サービスの実行制御、端末間のセッション制御、登録処理及び課金処理を行うサブシステムである(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
IMSでは、SIPによる制御の過程で、SDP(Session Description Protocol)を利用したオファーアンサーモデルによりセッションを確立する。オファー/アンサーモデルはセッション確立/更新のための一般的モデルとして、非特許文献3で規定されている。
【0006】
次に、通信事業者ネットワーク間の相互接続について説明する。
【0007】
非特許文献2では、事業者間通信の相互接続性確保のための信号仕様であるNNI(Network Network Interface)を規定している。NNIでは異なる事業者間で信号仕様差分を変換する機能として、IBCF(Interconnection Border Control Function)を規定している。また、非特許文献4では、事業者間の音声通信において、コーディックなど音声メディアの仕様差分を変換するIBGF(Interconnection Border Gateway Function)を規定している。
【0008】
次に、通信事業者の接続コーディックについて説明する。
【0009】
事業者毎に利用するコーディックが異なるため、事業者間相互接続では事前に接続に利用するコーディックを規定する必要がある。
【0010】
一方で、海外の通信事業者との接続では、各対地との通信量が少なく、接続仕様を取り決め、接続に必要な装置を個別に用意することに見合う収益が見込めない。そこで、複数の事業者に対する接続を一括して提供する事業者(中継事業者)が中継ネットワークに集約する接続が行われている。これにより、各事業者は海外との接続装置を設置する必要がなく、中継事業者は各事業者と海外との接続を集約するため、大群化効果が得られて、設備を効率的に利用できる。ここでは、G.711を中継に用いるコーディックに統一することで、複数の事業者の接続性を保証している。
【0011】
次に、IPを用いた中継ネットワークについて説明する。
【0012】
移動体通信キャリアやベンダの業界団体であるGSMAでは、IPによるGSM、3Gのデータ通信サービスのインターワークのため、GPRSローミングのトラフィックを交換するexchange point(GRX)を規定している。GRXはサービス事業者間の接続性、ローミングと相互接続のためのend-end間QoS、相互接続課金を提供する。
【0013】
また、GRX上にサービス毎のQoS保証や従量課金、セキュリティ機能を重畳したIPX(IP eXchange)として、以下の機能要件が規定されている。
【0014】
・サービスベース課金モデル(サービスに応じた課金モデルの選択)による相互接続;
・特定IPサービスのための、相互インターワーキング;
・多拠点間のインターワーキング;
上記の非特許文献3に示すRFC3264は、図1に示すように、オファー/アンサーモデルというセッションを確立する2つのエンドポイントがそれぞれオファー側とアンサー側となり、オファー側から2者間で確立するセッションの提案となるセッション/メディア情報を含むSDP記述文書を送信し、その提案を受けてアンサー側が回答となるセッション/メディア情報を含むSDP記述文書を返信する一連のメッセージ交換によって、セッションを確立するフレームワークである。RFC3264では、SIPを用いてオファー/アンサーの交換を行うための規定が定義されている。図1の例では、オファーには、発信端末及び発側ネットワークがサポートする能力が記述されており、複数のコーディック情報が記載される。また、発信事業者から見た各コーディックの優先度はコーディックの並ぶ順序により表現される。また、アンサーには、着信端末及び着側ネットワークが発信側の能力情報から着信端末及び着側ネットワークがサポートするコーディックでセッションを確立する。
【0015】
他事業者間の相互接続には、信号やメディアの仕様に以下のような違いがある。
【0016】
信号の違いとしては、利用するSIP信号のシーケンス、メソッド、ヘッダの利用方法、オプションの利用有無等の違いが挙げられる。
【0017】
また、メディアの違いとしては、音声メディアのコーディック、パケット化周期、ビットレート、品質仕様(パケットロス率、遅延、ジッダ)、DTMF方式等の違いがあげられる。
【0018】
このため、通信事業者間の相互接続では、信号・メディア仕様の違いを解釈して、相互に仕様を変換して接続する仕組みが必要であり、SBC(Session Border Controller)と呼ばれる、図2に示すようなSIP信号とメディア信号を変換する装置が用いられる。
【0019】
SBCを利用することで、各通信事業者はネットワークの仕様を変更することなく、接続相手の仕様に合わせて、信号・メディアを変換することにより、互いの仕様を維持したままサービスを相互接続することができる。
【0020】
固定網と携帯網は、それぞれG.711とAMRという異なる音声コーディックを利用している。AMR-WB等の新たな音声コーディックも登場している。従来、異なるコーディックを用いる事業者間の中継では、図3に示すように、コーディックをG.711に統一することで、相互接続性を確保している。
【0021】
しかし、図4に示すように事業者間または発着信事業者間で同一コーディックを使用する場合、本来はコーディック変換が必要なく事業者間通信が実現できる場合も存在する。また、携帯電話が普及することでAMRを利用する端末が普及し、発着信事業者が共にAMRを用いるケースが増加してきている。このため、従来方式ではコーディック変換不要な通信に対してもコーディックを変換して接続する無駄があり、しかもその無駄な変換量は、携帯電話の普及により増加する傾向にあるといえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】RFC. 3261 SIP: Session Initiation Protocol http://www.left.ora/rfc/rfc3261.txt
【非特許文献2】3GPP TS 24.229, IP multimedia call control protocol based on Session Initiation Protocol (SIP) and Session Description Protocol (SDP) : Stage 3 http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/24229.htm
【非特許文献3】RFC 32264 An Offer/Answer Model with the Session Description Protocol (SDP) http://www.letf.org/rfc/rfc3264.txt
【非特許文献4】ETSI ES 282 001 V3.4.1. "Telecommunications and Internet converged Services and Protocols for Advanced Networking (TISPAN): NGN Functional Architecture", Sep. 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
前述のように、無駄なコーディック変換を減らし、設備量の最適化による、設備コスト低減、中継ネットワークを介した音声接続品質の改善することが、本発明で対象とする課題である。そこで、発着信事業者間でコーディック変換不要な通信については、コーディックを変換しないで接続可能とし、コーディック変換が必要な通信に対しても、最低限のコーディック変換回数で通信が可能とする必要がある。
【0024】
通信で使用するコーディックの決定には、SIP/SDPオファーアンサーモデルが用いられる。オファーアンサー方式は、二者間(発着信端末)で通信に使うコーディックをエンドエンドで決定する仕組みのため、図5に示すように、オファー時に発側端末及び発側ネットワークがサポートするコーディック(A,B)を指定し、かつ、着側において、発側で指定されたコーディックをサポートできる場合は、通信が成立するが、着側でサポートするコーディックがない場合には、アンサーではコーディック情報がなくなり通信が成立しない。つまり、発信端末/事業者がサポートするコーディックの範囲内しか選択できない。このため、発着信事業者が異なるコーディックを用いる場合、コーディック条件が一致しないため通信できない。
【0025】
これに対処するため、SBCでは、発信端末が生成するSDPオファーを改変し、SBCが変換可能なコーディックBを追加したり、SBCでは変換できないコーディックCを削除した、別のオファーを着側ネットワークに送信する。これを受けた着側ネットワーク及び端末は、自ネットワークが利用するコーディックBを含むアンサーをSBCに送信する。例えば、図6に示すように、SBCは発側のオファーコーディック(A,C)と照らし合わせて、アンサーコーディック(B)が一致しないため、発側に対してコーディックAをアンサーとして送信する。これにより、発端末及び発側ネットワーク〜発側SBC(コーディックA)、着側SBC〜着端末及び着側ネットワーク(コーディックB)でそれぞれの通信が成立し、結果として発着端末の通信が成立する。
【0026】
従来技術では、図7に示すように以下の2つの課題がある。
【0027】
課題1)IPXでは、複数の事業者が接続するため、オファー信号をSBCが受信した時点では、着側ネットワークでどのコーディックが用いられているのかを判定できないため、中継ネットワークで利用可能なコーディックの中で通信を成立させるために必要なコーディックをSBCが選択できない。
【0028】
課題2)中継ネットワークでは複数のコーディックによる中継を可能としながらも、中継コーディックの選択は中継事業者が制御・管理できる必要がある。
【0029】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、発着信事業者が利用するコーディックから無駄なコーディック変換を行わないように、中継コーディックを選択するために、SIPのオファーアンサーモデルの過程で、発側ゲートウェイ(以下、「SBC」と記す)と着側SBCにおいてSIP信号内のSDPに記載されたコーディック情報から発着のコーディック情報を比較し、中継ネットワークでの中継ポリシを適用するように適宜SDPにコーディックの追加、削除を行うことが可能なSIP/SDPを用いた中継システム及び中継網のコーディック選択方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記の課題を解決するため、本発明(請求項1)は、発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置を有する中継システムであって、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記発側ネットワークの発信事業者が利用するコーディックの組合せを格納した発信者コーディック対応表記憶手段と、
前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する発側コーディック設定手段を有し、
前記着側のコーディック選択装置は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記着側ネットワークの着信事業者が利用するコーディックの組合せを格納した着信者コーディック対応表記憶手段と、
前記着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、必要に応じてオファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する着側コーディック設定手段を、を有する。
【0031】
本発明(請求項2)は、発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置を有する中継システムであって、
前記中継ネットワークは、
前記発側端末及び前記着側端末の番号に対応するドメインを格納したルーティング情報記憶手段を有し、前記発側のコーディック選択装置からの問い合わせに対して応答するENUMサーバを有し、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記ENUMサーバに着信端末のドメインを問い合わせる手段と、
前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記発側ネットワークの発信事業者が利用するコーディックを接続保証のレベル毎に設定した発信者コーディック対応表記憶手段と、
前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する発側コーディック設定手段と、
前記オファー信号を前記ENUMサーバから取得した前記着信端末のドメインに送信する手段と、
を有し、
前記着側のコーディック選択装置は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記着側ネットワークの着信事業者が利用するコーディックを接続保証のレベル毎に設定した着信者コーディック対応表記憶手段と、
前記着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、必要に応じてオファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する着側コーディック設定手段と、を有する。
【0032】
また、本発明(請求項3)は、請求項1,2の中継システムにおいて、
前記発信者コーディック対応表記憶手段及び前記着信者コーディック対応表記憶手段は、
前記中継ネットワーク事業者が全ての発着ネットワークとの接続性を保証するコーディックを含む最上位の第1のカテゴリと、
前記発信事業者及び前記着信事業者間で同じ場合のみ接続するコーディックを含む前記第1のカテゴリより下位の第2のカテゴリと、
前記第1のカテゴリ、前記第2のカテゴリに属さず、接続しないコーディックを含む最下位の第3のカテゴリと、を格納し、
前記発側のコーディック選択装置の前記発側コーディック設定手段は、
前記第1のカテゴリのコーディックを含むオファー信号を前記中継ネットワークに送信するものとし、前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、前記発側ネットワークから受信したオファー信号のコーディックが第3のカテゴリに含まれない場合には、該受信したオファー信号のコーディックの優先度を上げる手段と、
前記中継ネットワークから受信したアンサー信号と保持している前記発側ネットワークから受信したオファー信号に差分がある場合はコーディックを変換する手段と、
を含み、
前記着側のコーディック選択装置の前記着側コーディック順位決定手段は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに着側ネットワークのコーディックが含まれていない場合には、該着側ネットワークのコーディックを該オファー信号の末尾に追加して該着側ネットワークに送信する手段と、
前記着側ネットワークから受信したアンサー信号のコーディックと保持している前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに基づいて、前記着信者コーディック対応表記憶手段から設定するコーディックを選択し、アンサー信号を生成し、該中継ネットワークに送信する手段と、を含む。
【0033】
本発明(請求項4)は、発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置を有する中継システムにおける中継網のコーディック選択方法であって、
前記発側のコーディック選択装置は、
第1のオファー情報記憶手段が、前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
発側コーディック設定手段が、前記発側ネットワークの発信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、必要に応じてオファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更し、
前記着側のコーディック選択装置は、
第2のオファー情報記憶手段が、前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
着側コーディック設定手段が、前記着側ネットワークの着信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する。
【0034】
本発明(請求項5)は、発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置及びENUMサーバと、を有する中継システムにおけるコーディック選択方法であって、
前記ENUMサーバは、
前記発側端末及び前記着側端末の番号に対応するドメインを格納したルーティング情報記憶手段を有し、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記ENUMサーバに対して着信端末のドメインを問い合わせ、
前記ENUMサーバは、
前記発側のコーディック装置からの問い合わせに対応する着信端末のドメインを応答し、
前記発側のコーディック選択装置は、
第1のオファー情報記憶手段が、前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
発側コーディック設定手段が、前記発側ネットワークの発信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更し、
前記ENUMサーバから取得した前記着信端末のドメインに対してオファー信号を送信し、
前記着側のコーディック選択装置は、
第2のオファー情報記憶手段が、前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
着側コーディック設定手段が、前記着側ネットワークの着信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する。
【0035】
また、本発明(請求項6)は、請求項4,5の中継網のコーディック選択方法において、
前記発信者コーディック対応表記憶手段及び前記着信者コーディック対応表記憶手段は、
前記中継ネットワーク事業者が全ての発着ネットワークとの接続性を保証するコーディックを含む最上位の第1のカテゴリと、
前記中継ネットワークとの接続に必須ではないが、入力可能なコーディックを含む前記第1のカテゴリより下位の第2のカテゴリと、
前記第1のカテゴリ、前記第2のカテゴリに属さないコーディックを含み、最下位の第3のカテゴリと、を格納し、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記第1のカテゴリのコーディックを含むオファー信号を前記中継ネットワークに送信するものとし、前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、前記発側ネットワークから受信したオファー信号のコーディックが第3のカテゴリに含まれない場合には、該受信したオファー信号のコーディックの優先度を上げて送信し、
前記中継ネットワークから受信したアンサー信号と保持している前記発側ネットワークから受信したオファー信号に差分がある場合はコーディックを変換して該発側ネットワークに送信し、
前記着側のコーディック選択装置は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに着側ネットワークのコーディックが含まれていない場合には、該着側ネットワークのコーディックを該オファー信号の末尾に追加して該着側ネットワークに送信し、
前記着側ネットワークから受信したアンサー信号のコーディックと保持している前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに基づいて、前記着信者コーディック対応表記憶手段から設定するコーディックを選択し、アンサー信号を生成し、該中継ネットワークに送信する。
【発明の効果】
【0036】
上記のように本発明によれば、複数のコーディックで運用されるネットワークにおいて適切なコーディックを選択できるため、従来方式のようにコーディック変換が不要な通信に対するコーディック変換を行う必要がなく、無駄なコーディック変換処理を削減することができる。これにより、設備量の最適化による設備コストの削減、中継ネットワークを介した音声接続品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】SDPオファーアンサーの概要を示す図である。
【図2】通信事業者間野SBCの使用差分吸収の仕組みである。
【図3】従来の中継ネットワークの例である。
【図4】コーディック変換が不要な接続例である。
【図5】オファーアンサーモデルと通信が成立しない例である。
【図6】SBCを用いたコーディック差分の吸収を示す図である。
【図7】既存技術の課題を示す図である。
【図8】本発明の概要を説明するための図である。
【図9】本発明の特徴を示す図である。
【図10】一般的な事業者間のSIPを利用した中継ネットワーク接続の流れを示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態におけるSBCの機能ブロック図である。
【図12】本発明の一実施の形態における処理の流れを示す図である。
【図13】本発明の一実施の形態における中継事業者のコーディック選択ポリシを加味した処理の流れの例である。
【図14】本発明の第1の実施例の処理の流れを示す図である。
【図15】本発明の第2の実施例の処理の流れを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施例の処理の流れを示す図である。
【図17】本発明の第4の実施例の処理の流れを示す図である。
【図18】本発明の第5の実施例の処理の流れを示す図である。
【図19】本発明の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下図面と共に、本発明の実施の形態を説明する。
【0039】
図8は、本発明の概要を示し、図9は、本発明の特徴を示す。
【0040】
本発明は、SIPのオファーアンサーモデルの過程で、発側SBCと着側SBCにおいてSIP信号内のSDPに記載されたコーディック情報から発着のコーディック情報を比較し、中継ネットワークでの中継ポリシを適用するように適宜SDPにコーディックの追加、削除を行うSIP/SDPを用いた信号方式である。
【0041】
図8、図9に基づいて本発明の概要を説明する。
【0042】
1.発側端末100からオファー信号が送出されると、発側SBCでは、中継ネットワークのポリシに合わせてオファー信号を変換する。中継ネットワークでは、IPXで利用するコーディックを複数設定する。このとき、IPX内で交換するオファーは、IPX内で利用を中継事業者が利用を規定した範囲のコーディックを優先順位付けして送る。図8の例では、発側のコーディック"A"のオファーを発側SBCで中継ネットワークのポリシ(コーディックA,Bは接続保証)に合わせてコーディック"B"を追加する。このとき、コーディックの優先順位に沿って追加する。
【0043】
2.着側SBCでは、発側ネットワークと中継ネットワークの指定コーディックに着側ネットワークのコーディックを必要に応じて付加する。図8の例では、着側ネットワークのコーディックとして"C"を追加する。
【0044】
3.着側SBCは、中継コーディックを決定する。図8の例では、コーディック"A"に決定する。
【0045】
4.着側SBCは、着側ネットワークからアンサーを取得すると、中継コーディックに合わせてコーディック変換する。図8の例では、着側ネットワークのコーディック"C"から発側ネットワークのコーディック"A"に変換して、発側ネットワークに送出する。
【0046】
図9に示すように、中継ネットワークの発側SBCでは、IPX内で交換するオファーは、IPX内で利用を中継事業者が規定した範囲の複数のコーディックを優先順位付けて送り、着側SBCでは、着側ネットワーク及び端末がサポートするコーディックを必要に応じて追加する。
【0047】
図10は、一般的な事業者間のSIPを利用した中継ネットワーク接続の流れを示す。以下では、発信端末100、発側SBC300、ENUMサーバ400、中継事業者SIPプロキシサーバ500、着側SBC600、着信端末200から構成されるシステムを前提に説明する。ENUMサーバ400は着側の番号帯に対応付けられるドメインを格納したルーティング情報記憶部410を有する。なお、発側ネットワークはPCMAのみを利用し、着側ネットワークはAMR-WBのみを使用する。
【0048】
なお、中継ネットワークで管理するカテゴリ−コーディックの対応は以下の通りである。
【0049】
・カテゴリ1(接続性保証)
PCMU, AMR
・カテゴリ2(発着信事業者間で同じ場合のみ接続)
AMR-WB, PCMA, G.729, G.726, EVRC, GSM
・カテゴリ3(接続しない)
iLBC
ステップ101) 発信端末100から発側SBC300に発信端末100のコーディック情報を含むINVITE信号(オファー)を送信する。このとき、当該オファーには、コーディックとしてカテゴリ2の"PCMA"が対応付けられている。
【0050】
ステップ102) 発側SBC300がRequest URIの情報に基づいて着信ドメインをENUMサーバ400に問い合わせる。
【0051】
ステップ103) ENUMサーバ400は、ルーティング記憶部410を参照し、発側SBC300に着側SBC500のアドレス情報を応答する。
【0052】
ステップ104) 発側SBC300は、ENUMサーバ400が回答したドメインのSBCに信号(オファー)を送信する。このとき、指定コーディックをPCMUに変換する。
【0053】
ステップ105) 着側SBC500は、PCMUで指定された信号を着側端末200がサポートするコーディックに変更する。ここでは、カテゴリ2のAMR-WBに設定し、着側ネットワークにINVITE信号(オファー)を送信する。
【0054】
ステップ106) 着側端末200は、オファーされたコーディック(AMR-WB)を着信端末200がサポートしていれば、当該コーディックを記載したアンサーを着側SBC600に送信する。
【0055】
ステップ107) 着側SBC600は、アンサーに記載されたコーディック(AMR-WB)をPCMUに変換して発側SBC300に送信する。
【0056】
ステップ108) 発側SBC300は、アンサーに記載されたコーディック(PCMU)を発側ネットワークで利用するPCMAに変換して発側ネットワークに送信する。
【0057】
本発明は、上記のステップ101〜108のうち、ステップ102,103以外のSIP/SDPを使ったセッション確立処理に適用して、発着信処理の過程に沿って中継ネットワークで利用するコーディック選択を行うものである。
【0058】
次に、発側及び受信側のSBC300、600について説明する。
【0059】
図11は、本発明の一実施の形態におけるSBCの機能ブロック図である。
【0060】
SBC300,600は、共に同じ構成を有する。また、中継ネットワークのSIPサーバ500は、電話番号帯とドメインを対応付けて保持したルーティング情報記憶部410を有する。当該ルーティング情報記憶部410の内容を電話番号とドメインは随時更新が可能である。
【0061】
各SBC300,600は、信号ルーティング情報参照部310,610、信号処理部320,620、中継コーディック選択部330,630、信号送受信部340,640、メディア制御部350,650、メディア送受信部360,660から構成される。
【0062】
信号ルーティング情報参照部310は、信号処理部320からのルーティング先解決要求に基づいて、ENUMサーバ400のルーティング情報記憶部410を参照して、宛先となる対象事業者のドメインを取得する。取得したENUMサーバ400からの応答に基づいて、信号処理部320にルーティング先事業者とSIP URIを送信する。信号ルーティング情報参照部310は、発信時のみ用いられるため、上記では受信側の信号ルーティング情報参照部610については記載しない。
【0063】
信号処理部340,640は、以下のような機能を有する。
【0064】
・SIP信号に記載された情報から呼制御に必要なダイアログ情報を呼制御情報記憶部321,621に保存し、呼制御を行う。
【0065】
・発着事業者間で信号仕様に差分がある場合の変換を行う。
【0066】
・中継コーディック選択部330,630からの情報に従って、SIP信号内のSDP部の情報を編集する。
【0067】
・発側ネットワークから受信したSDPと着側SBCから受信したSDPに差分がある場合、メディア制御部350に対して変換処理を行うよう指示する。
【0068】
中継コーディック選択部330,630は、中継ネットワーク上のカテゴリ−コーディック形式のコーディックテーブル331,631を有し、当該テーブルを参照して、発側ネットワーク、着側ネットワークの利用コーディックから中継に適切なコーディックを選択する。なお、本実施の形態は、発側SBC300、着側SBC600内の中継コーディック選択部330,630内にコーディックテーブルを有するものとして説明するが、当該SBC内部、または、中継ネットワーク内のサーバに保持し、参照するようにしてもよい。
【0069】
メディア制御部350,450は、信号処理部320,620からコーディック、パケット化周期等のメディアの変換処理を制御する。
【0070】
メディア送受信部360,460は、メディア制御350,650からの命令によるメディア変換処理、メディアパケットの送受信を行う。
【0071】
次に、上記の中継コーディック330,630の処理を説明する。
【0072】
図12は、本発明の一実施の形態における処理の流れを示す図である。
【0073】
なお、発側SBC300及び着側SBC600は、発信端末100及び着信端末200で利用可能なコーディックが格納されたメモリを有するものとする。
【0074】
1)まず、発側のSBC300の中継コーディック選択部330は、信号処理部320を介して発側ネットワークからのSDP(オファー)"O1"を受信すると、当該オファー"O1"をメモリ(図示せず)に格納し、中継ネットワーク上のカテゴリ−コーディックの対応表を参照して、SDPにIPX内で利用可能なコーディックを全て追加設定して、新しいオファー"O2"を生成し、着側SBC600に送信する。
【0075】
2)次に、着側SBC600は、信号処理部620においてオファー"O2"をメモリ(図示せず)に格納すると共に、中継コーディック選択部630において、カテゴリ−コーディックの対応表を参照して、着側ネットワークがサポートするコーディックを"O2"に追加設定して、着側SBC600に送信する。
【0076】
3)その後、着側SBC600は、着側ネットワークを介して着側端末200からのアンサー"A1"を受信すると、メモリ(図示せず)に格納されている受信したオファー"O2"にアンサー"A1"のコーディックが含まれるかどうかを確認し、含まれればアンサー"A1"のコーディックをIPX内で交換するアンサー"A2"に設定し、アンサー"A2"を信号処理部620を介して発側SBC300に送信する。オファー"O2"にアンサー"A1"のコーディックが含まれなければ、"O2"内の最上位(カテゴリ1)のコーディックをアンサー"A2"のコーディックに設定し、アンサー"A2"を信号処理部620を介して発側SBC300に送信すると共に、当該コーディックとアンサー"A2"のコーディックの変換をメディア制御部650に命令する。これにより、メディア送受信部360がメディア制御部350の指示によりコーディックの変換を行う。
【0077】
4)アンサー"A2"を受信した発側SBC300は、メモリ(図示せず)に格納されているオファー"O1"とアンサー"A2"のコーディックが一致するかを確認し、一致しない場合は、メディア制御部350に対してアンサー"A2"のコーディックからオファー"O1"のコーディックへの変換を命令すると共に、オファー"O1"をアンサー"A3"として発側のネットワークに送信する。
【0078】
以上の処理に、発側SBC300で中継事業者がIPX内での利用を規定した複数のコーディックをSDP(オファー・アンサー)に追加することで、中継事業者が中継コーディックを管理制御しながら、着側コーディックが不明な状態でも、通信の事業者間中継が可能となる。
【0079】
次に、上記の図12において、発側SBC300でのオファー生成に含まれるコーディック設定の方法についての詳細を示す。
【0080】
発側SBC300で中継事業者が指定した中継コーディックを追加設定する際、カテゴリ分けを行うコーディック選択ポリシを加味した例を説明する。
【0081】
図13は、本発明の一実施の形態における中継事業者のコーディック選択ポリシを加味した処理の流れの例である。
【0082】
例えば、コーディックを以下のカテゴリ1〜3のグループに分けて、図13に示す太線枠内の処理フローにコーディックを追加設定することで、コーディック毎の中継による接続性保証レベル、中継ポリシを反映することができる。なお、優先度はカテゴリ1>カテゴリ2>カテゴリ3である。
【0083】
・カテゴリ1:中継ネットワーク事業者が全ての発着ネットワークとの接続性を保証するコーディック:(このため、発着ネットワークのSBCは本カテゴリに属するコーディックへの変換能力を具備しなければならない。)
・カテゴリ2:発着信事業者間で同じ場合のみ接続するコーディック:(このため、発着ネットワークのSBCは本カテゴリに属するコーディックへの変換能力は必須ではない)
・カテゴリ3:接続しないコーディック:(発着SBCは本カテゴリに属するコーディックは中継接続に使用しない)
上記のカテゴリは、中継ネットワークの事業者が予め協議し、本システムを一意に決定しておく。
【0084】
各発着ネットワークSBC300,600は、カテゴリ1に属するコーディックの通信について中継ネットワークと接続できるために、少なくとも、自ネットワーク内でサポートするコーディックとカテゴリ1に属するコーディックとのメディア変換機能をメディア送受信部360,660に有している。
【0085】
図13の例において、
・カテゴリ1(C1):PCMU、AMR;
・カテゴリ2(C2):AMR-WB,PCMA,G.729,G.725,EVRC,GSM;
・カテゴリ3(C3):その他;
とする。
【0086】
発側SBC300の中継コーディック選択部330は、発側ネットワークからオファー"O1"を受信すると、当該オファー"O1"をメモリ等の記憶手段に格納すると共に、当該オファー"O1"のコーディックがカテゴリ"C1"に含まれるかを判定し、含まれる場合は"O1"のコーディックを先頭とし、次に、カテゴリ"C1"の残りのコーディックを全て"O2"に設定し、中継ネットワークに送信する。また、オファー"O1"のコーディックがカテゴリ"C1"に含まれない場合は、当該"O1"のコーディックがカテゴリ"C2"に含まれるかを判定し、含まれる場合は、カテゴリ"C1"のコーディック、次に、オファー"O1"に含まれるコーディックの順に設定したオファー"O2"を中継ネットワークに送信する。また、含まれない場合は、カテゴリ"C1"の全てのコーディックを設定したオファー"O2"を送信する。なお、オファー"O1"に複数のコーディック(O1-A,O1-B)が含まれている場合は、"O1-A"と"O1-B"のそれぞれに選択ロジックを適用し、その論理和をオファー"O2"とする。以降の処理は図12と同様である。
【0087】
これにより、より細かく中継ネットワーク事業者が中継コーディックを管理・制御することができる。
【実施例】
【0088】
以下の実施例では、
・カテゴリ1:PCMU,AMR
・カテゴリ2:AMR-WB,PCMA,G.729,G726
・カテゴリ3:iLBC
とするコーディックテーブルが、発側SBC300及び着側SBC600の中継コーディック選択部330、630に格納されているものとして説明する。上記の例に示すような、接続性の保証に関するコーディックのカテゴリに属するコーディックによる接続を義務付けるというルール設定を行うことで、SDPオファーアンサーで当該カテゴリに属するコーディックによるセッションを確立することができる。
【0089】
[第1の実施例]
本実施例では、発側コーディックが「カテゴリ1」に属し、着側コーディックが「カテゴリ2」に属す場合について説明する。
【0090】
図14は、本発明の第1の実施例の処理の流れを示す図である。
【0091】
発側ネットワークは、PCMU(カテゴリ1)のみ利用し、着側ネットワークがAMR-WB(カテゴリ2)のみを利用するものとする。
【0092】
発側SBC300は、発側ネットワークからオファー"a=rtpmap:0 PCMU/8000"を受信すると、当該オファーを発側SBC300内のメモリに格納し、当該コーディックのカテゴリはカテゴリ1であり、中継ネットワークのカテゴリ−コーディックのコーディックテーブル331を参照し、カテゴリ1に含まれる他のコーディック"a=arpmap:97 AMR/8000"をオファーに追加する。
【0093】
中継事業者のSIPプロキシサーバ500を介して着側SBC600が上記のオファーを受信すると、当該オファーをメモリに格納し、当該オファーに着側事業者のコーディック(AMR-WB)が含まれていないので、メディア制御部650を介してメディア送受信部660で着側事業者のコーディックを設定した"a=rtpmap:97 AMR-WB/16000"を着側ネットワークに送信する。
【0094】
また、着側SBC600が着側ネットワークを介してアンサー"a=rtpmap:97AMR-WB/16000"を受信すると、メモリに格納されている発側から受信したオファー"a=arpmap:97 AMR/8000"とコーディックが一致しないので、メディア制御部650を介してメディア送受信部660でコーディックを"a=RTPMAP:97PCMU/8000"に変換し、SIPプロキシサーバ500を介して発側SBC300に送信する。
【0095】
発側SBC300は、内部のメモリに格納されているオファーとアンサーの間でコーディックが一致するのでコーディック(PCMU)を変換せずに発側ネットワークに送信する。
【0096】
このように、接続上必須のコーディック(カテゴリ1)を最優先として設定し、着側利用者のコーディックをカテゴリ1に変換することで、接続が保証される。
【0097】
[第2の実施例]
本実施例では、「カテゴリ1」に属すコーディックを発信事業者が一致して利用する場合の例を示す。
【0098】
図15は、本発明の第2の実施例の処理の流れを示す図である。
【0099】
発側ネットワーク及び着側ネットワーク共に、カテゴリ1のコーディック「AMR-WB」のみを利用する場合について説明する。
【0100】
発側SBC300は、コーディックテーブル331を参照して、発側コーディック(AMR-MB)のカテゴリが"2"であるので、当該オファー"a=rtpmap:0AMR-WB/16000"を末尾(最下位)に設定し、カテゴリ1に属するコーディック"a=rtpmap:0 PCMU/8000"、"a=rtpmap:96 AMR/8000"を受信したオファーより上位に追加して、当該オファーをSIPプロキシサーバ500を介して着側SBC600に送信する。着側SBC600では、当該オファーをメモリに格納すると共に、着側ネットワークに送出する。
【0101】
着側のSBC600が着側ネットワークからアンサー"a=rtpmap:97 AMR-WB/16000"を取得すると、オファーと当該アンサーが一致するのでコーディックを変換せずに、SIPプロキシサーバ500を介して発側SBC300に送信する。
【0102】
発側のSBC300が当該アンサーを受信すると、オファーとアンサーの間でコーディックが一致するのでコーディックを変換しない。
【0103】
このように、発側及び着側のコーディックが同じである場合には、発側SBC300、着側SBC600共に変換しない。
【0104】
[第3の実施例]
本実施例では、「カテゴリ2」に属すコーディックで発着信事業者のコーディックが一致しない場合の例を示す。
【0105】
図16は、本発明の第3の実施例の処理の流れを示す図である。
【0106】
発側ネットワークではEVRC(カテゴリ2)のみを利用し、着側ネットワークではAMR-WB(カテゴリ2)のみを利用する場合について説明する。つまり、カテゴリは一致しているが、コーディックは一致しない場合の例である。
【0107】
発側SBC300が発側ネットワークから "a=rtpmap:96 EVRC/8000"を含むオファー受信すると、コーディックテーブル331を参照して、カテゴリ1に属するコーディック"a=rtpmap:0PCMU/8000"と"a=rtpmap:96 AMR/8000"を追加し、発側コーディックの中継カテゴリが"2"であれば末尾に上記の"a=rtpmap:96 EVRC/8000"を設定する。
【0108】
着側SBC600がオファーを受信すると、当該オファーをメモリに格納し、着信事業者のコーディック"a=rtpmap:98 AMR-WB/16000"を設定し、着側ネットワークに送出する。
【0109】
次に、着側SBC600が着側ネットワークから受信したアンサー"a=rtpmap:98 AMR-WB/16000"とメモリに格納されているオファー"a=rtpmap:0PCMU/8000", "a=rtpmap:96 AMR/8000","a=rtpmap:96 EVRC/8000"のいずれのコーディックとも一致しないので、コーディックテーブル631を参照して、最上位のカテゴリ1のコーディック "a=rtpmap:0 PCMU/8000"に変換し、当該アンサーを発側SBC300に送出する。
【0110】
発側SBC300は、上記の発側ネットワークから受信したオファー"a=rtpmap:96 EVRC/8000"と受信したアンサー"a=rtpmap:0 PCMU/8000"の間でコーディックが一致しないのでコーディックを"a=rtpmap:96 EVRC/8000"に変換して発側ネットワークに送出する。
【0111】
上記のように、発側SBC300が発側ネットワークで生成されたオファーで指定されたコーディック情報のカテゴリから、コーディック優先順位を変更し、カテゴリ1のコーディックを付加して並べ替えて、着側SBCに送信する。次に、着側SBCも更に着側ネットワークのコーディックを加えて再度優先順位を付けたオファーを着側端末200に送信する。上記の優先付けにより、各カテゴリに即したコーディック選択が行われ、最終的に無駄なコーディック変換が生じるのを回避することができる。
【0112】
[第4の実施例]
本実施例では、発着信事業者の双方がカテゴリ1に属すコーディック(AMR)を利用する場合について説明する。
【0113】
図17は、本発明の第4の実施例の処理の流れを示す図である。
【0114】
発側SBC300が発側ネットワークから "a=rtpmap:96 AMR/8000"を含むオファーを受信すると、コーディックテーブル331を参照して、カテゴリ1に属する他のコーディック"a=rtpmap:0 PCMU/8000"を末尾に追加し、着側ネットワークに送出する。着側SBC600は、オファーを受信すると、当該オファーをメモリに格納した上で、コーディックを変換せずに、当該オファー"a=rtpmap:96 AMR/8000"、"a=rtpmap:0 PCMU/8000"を着側ネットワークに送出する。
【0115】
着信端末200は、アンサーとして"a=rtpmap:96 AMR/8000"を着側 SBC600に送信する。着側SBC600は、メモリに格納されているオファーと受信したアンサーの間でコーディックが一致するので、コーディック変換は行わず、SIPプロキシサーバ500に送出する。SIPプロキシサーバ500からアンサーを受信した発側SBC300は、オファーとアンサーが一致するので、コーディック変換を行わず、着側のネットワークに送出する。
【0116】
このようにアンサー送信時において無駄なコーディック変換を行う必要がなくなる。
【0117】
[第5の実施例]
本実施例では、カテゴリ3に属するコーディックを発信事業者が入力した場合について説明する。
【0118】
発側のネットワークではカテゴリ3のiLBCのみを利用し、着側のネットワークではカテゴリ1のAMRのみを利用するものとする。なお、当該iLBCは中継ネットワーク事業者が提供しないサービスであるものとする。
【0119】
発側SBC300が、発側のネットワークからカテゴリ3の"a=rtpmap:96 iLBC/8000"を含むオファーを受信すると、コーディックテーブル331を参照して、カテゴリ3のコーディックiLBCを削除し、カテゴリ1に属するコーディック "a=rtpmap:96 AMR/8000"、"a=rtpmap:0 PCMU/8000"を追加し、着側ネットワークに送出する。着側SBC600は、当該オファーを受信すると、当該オファーをメモリに格納すると共に、着側事業者のコーディックAMRを設定した"a=trpmap:96: AMR/8000"をオファーとして着側ネットワークに送出する。
【0120】
着信端末200は、"a=rtpmap:96 AMR/8000"を含むアンサーを着側SBC600に送出する。着側SBC600はメモリに格納されているオファーと受信したアンサーのコーディックが一致するためコーディック変換は行わず、SIPプロキシサーバ500に送出する。SIPプロキシサーバ500からアンサーを受信した発側SBC300は、オファーとアンサーが一致しないので、コーディックを変換し、発側ネットワークに送出する.
上記のように、カテゴリ3のコーディックは発側SBC300及び着側SBC600におけるオファー/アンサー情報の変換ロジックにおいて、SDPに記載しないように制御される。
このため、発着事業者間でカテゴリ3のコーディックでセッション確立が可能でも、中継事業者のカテゴリを適用して、両側でのコーディックを変換するように制御することができる。
図19に本発明の効果を示す。同図(a)は従来の中継ネットワークを示し、同図(b)は本発明の中継ネットワークを示す。従来は同図(a)に示すように、同じコーディックであってもコーディック変換を行っていたが、同じコーディックであれば変換が不要となる。また、コーディック変換が必要な通信については、コーディック変換を最小回数に留めることが可能となる。
【0121】
上記の実施の形態、実施例に示すように、発側SBC300において、中継事業者が設定したコーディックのカテゴリに対する接続ルールに沿って、SDPに中継ネットワークで利用する複数のコーディックのカテゴリ毎に設定された接続ルールに従ってSDP内のコーディック記述の優先度付けと付加または削除する。これにより、中継事業者が新たな機器設置や、設備増強することなしに、最適なコーディックを利用した中継コーディックを選択することができる。
【0122】
また、電話番号とコーディックの関係の変化に対する迅速なサポートを実現するという課題に対し、発信端末、着信端末間で実際にSIP/SDPによるオファー・アンサーと連動して中継コーディックを選択するため、発着信端末及びネットワークが実際にサポートするコーディック情報を元にして中継コーディックが決定される。これにより、番号ポータビリティ、端末変更が生じても、変更後の発着信端末及びネットワークのコーディックと一致するように中継コーディックを適用させることが可能となる。
【0123】
さらに、音声通信の事業者間中継において発生する無駄なコーディック変換を削減するという課題に対し、カテゴリ分けに沿った中継コーディック選択のため、本発明では、発側着側両側のSBCのコーディック順位の並べ替え、交換することによる連携を提案している。これにより、中継ネットワークとそれに接続する各通信事業者の間のゲートウェイ装置に必要となるコーディック変換機能を削減することが可能となる。
【0124】
また、中継ネットワークに接続する全ての事業者間の音声通信の接続性を保証するという課題に対し、カテゴリ分類の例に示すような、持続性の保証に関するコーディックのカテゴリに属するコーディックによる接続を義務付けるというルール設定を行うことで、SDPオファーアンサーで当該カテゴリに属するコーディックによるセッションを確立することができる。これにより、中継ネットワークとの接続により多くの通信事業者と接続可能なため、信頼性の高い音声中継を提供することができる。
【0125】
中継ネットワーク事業者が提供するサービスに対してのみネットワークを利用できるように制限するという課題に対し、カテゴリ3の接続を許容しないコーディックを定義することにより、中継ネットワーク事業者が提供しないサービスの接続を制限することができる。これにより、ネットワーク設計及び管理が行いやすくなる。また、本来提供しないサービスが利用されることによる中継ネットワークの土管化を防ぐことができる。
【0126】
なお、上記のSBC300,600の動作をプログラムとして構築し、SBCとして利用されるコンピュータにインストールして実行させる、または、ネットワークを介して流通させることが可能である。
【0127】
本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0128】
100 発信端末
200 着信端末
300 発側SBC
310 信号ルーティング情報参照部
320 信号処理部
321 鼓制御情報記憶部
330 中継コーディック選択部
331 コーディックテーブル
340 信号送受信部
350 メディア制御部
360 メディア送受信部
400 ENUMサーバ
500 中継事業者SIPプロキシサーバ
600 着側SBC
610 信号ルーティング情報参照部
620 信号処理部
621 鼓制御情報記憶部
630 中継コーディック選択部
631 コーディックテーブル
640 信号送受信部
650 メディア制御部
660 メディア送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置を有する中継システムであって、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記発側ネットワークの発信事業者が利用するコーディックの組合せを格納した発信者コーディック対応表記憶手段と、
前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する発側コーディック設定手段を有し、
前記着側のコーディック選択装置は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記着側ネットワークの着信事業者が利用するコーディックの組合せを格納した着信者コーディック対応表記憶手段と、
前記着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、必要に応じてオファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する着側コーディック設定手段を、
を有することを特徴とする中継システム。
【請求項2】
発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置を有する中継システムであって、
前記中継ネットワークは、
前記発側端末及び前記着側端末の番号に対応するドメインを格納したルーティング情報記憶手段を有し、前記発側のコーディック選択装置からの問い合わせに対して応答するENUMサーバを有し、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記ENUMサーバに着信端末のドメインを問い合わせる手段と、
前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記発側ネットワークの発信事業者が利用するコーディックを接続保証のレベル毎に設定した発信者コーディック対応表記憶手段と、
前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する発側コーディック設定手段と、
前記オファー信号を前記ENUMサーバから取得した前記着信端末のドメインに送信する手段と、
を有し、
前記着側のコーディック選択装置は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持する手段と、
前記着側ネットワークの着信事業者が利用するコーディックを接続保証のレベル毎に設定した着信者コーディック対応表記憶手段と、
前記着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、必要に応じてオファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する着側コーディック設定手段と、
を有することを特徴とする中継システム。
【請求項3】
前記発信者コーディック対応表記憶手段及び前記着信者コーディック対応表記憶手段は、
前記中継ネットワーク事業者が全ての発着ネットワークとの接続性を保証するコーディックを含む最上位の第1のカテゴリと、
前記発信事業者及び前記着信事業者間で同じ場合のみ接続するコーディックを含む前記第1のカテゴリより下位の第2のカテゴリと、
前記第1のカテゴリ、前記第2のカテゴリに属さず、接続しないコーディックを含む最下位の第3のカテゴリと、を格納し、
前記発側のコーディック選択装置の前記発側コーディック設定手段は、
前記第1のカテゴリのコーディックを含むオファー信号を前記中継ネットワークに送信するものとし、前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、前記発側ネットワークから受信したオファー信号のコーディックが第3のカテゴリに含まれない場合には、該受信したオファー信号のコーディックの優先度を上げる手段と、
前記中継ネットワークから受信したアンサー信号と保持している前記発側ネットワークから受信したオファー信号に差分がある場合はコーディックを変換する手段と、
を含み、
前記着側のコーディック選択装置の前記着側コーディック順位決定手段は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに着側ネットワークのコーディックが含まれていない場合には、該着側ネットワークのコーディックを該オファー信号の末尾に追加して該着側ネットワークに送信する手段と、
前記着側ネットワークから受信したアンサー信号のコーディックと保持している前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに基づいて、前記着信者コーディック対応表記憶手段から設定するコーディックを選択し、アンサー信号を生成し、該中継ネットワークに送信する手段と、
を含む請求項1または2記載の中継システム。
【請求項4】
発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置を有する中継システムにおける中継網のコーディック選択方法であって、
前記発側のコーディック選択装置は、
第1のオファー情報記憶手段が、前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
発側コーディック設定手段が、前記発側ネットワークの発信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、必要に応じてオファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更し、
前記着側のコーディック選択装置は、
第2のオファー情報記憶手段が、前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
着側コーディック設定手段が、前記着側ネットワークの着信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する
ことを特徴とする中継網のコーディック選択方法。
【請求項5】
発側端末に接続される発側ネットワーク、着側端末に接続される着側ネットワーク、該発側ネットワークと該着側ネットワークに接続される中継ネットワークと、該中継ネットワーク内において、該中継ネットワークに接続される発側ネットワーク及び着側ネットワークで送受信されるオファー信号及びアンサー信号に、当該中継ネットワークで利用可能なコーディックを設定する発側のコーディック選択装置と着側のコーディック選択装置及びENUMサーバと、を有する中継システムにおけるコーディック選択方法であって、
前記ENUMサーバは、
前記発側端末及び前記着側端末の番号に対応するドメインを格納したルーティング情報記憶手段を有し、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記ENUMサーバに対して着信端末のドメインを問い合わせ、
前記ENUMサーバは、
前記発側のコーディック装置からの問い合わせに対応する着信端末のドメインを応答し、
前記発側のコーディック選択装置は、
第1のオファー情報記憶手段が、前記発側ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
発側コーディック設定手段が、前記発側ネットワークの発信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更し、
前記ENUMサーバから取得した前記着信端末のドメインに対してオファー信号を送信し、
前記着側のコーディック選択装置は、
第2のオファー情報記憶手段が、前記中継ネットワークから受信したオファー信号を保持し、
着側コーディック設定手段が、前記着側ネットワークの着信事業者が利用する複数のコーディックの組合せが接続保証のレベル毎に格納された着信者コーディック対応表記憶手段を参照して、オファー信号及びアンサー信号に記載するコーディックを選択し、設定すると共に、該コーディックのカテゴリの接続保証のレベルに応じて該コーディックの優先順位を変更する、
ことを特徴とする中継網のコーディック選択方法。
【請求項6】
前記発信者コーディック対応表記憶手段及び前記着信者コーディック対応表記憶手段は、
前記中継ネットワーク事業者が全ての発着ネットワークとの接続性を保証するコーディックを含む最上位の第1のカテゴリと、
前記中継ネットワークとの接続に必須ではないが、入力可能なコーディックを含む前記第1のカテゴリより下位の第2のカテゴリと、
前記第1のカテゴリ、前記第2のカテゴリに属さないコーディックを含み、最下位の第3のカテゴリと、を格納し、
前記発側のコーディック選択装置は、
前記第1のカテゴリのコーディックを含むオファー信号を前記中継ネットワークに送信するものとし、前記発信者コーディック対応表記憶手段を参照して、前記発側ネットワークから受信したオファー信号のコーディックが第3のカテゴリに含まれない場合には、該受信したオファー信号のコーディックの優先度を上げて送信し、
前記中継ネットワークから受信したアンサー信号と保持している前記発側ネットワークから受信したオファー信号に差分がある場合はコーディックを変換して該発側ネットワークに送信し、
前記着側のコーディック選択装置は、
前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに着側ネットワークのコーディックが含まれていない場合には、該着側ネットワークのコーディックを該オファー信号の末尾に追加して該着側ネットワークに送信し、
前記着側ネットワークから受信したアンサー信号のコーディックと保持している前記中継ネットワークから受信したオファー信号のコーディックに基づいて、前記着信者コーディック対応表記憶手段から設定するコーディックを選択し、アンサー信号を生成し、該中継ネットワークに送信する
請求項4または5記載の中継網のコーディック選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−12855(P2013−12855A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143436(P2011−143436)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年2月28日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会 2011年総合大会講演論文集(DVD−ROM)」に発表
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】