説明

中継ノード装置、アドホックネットワーク及びそれらに用いる無線中継方法

【課題】 アドホック通信の多段中継接続において、通信環境に応じて通信速度の低下を抑えることが可能な中継ノード装置を提供する。
【解決手段】 中継ノード装置(無線基地局1)は、複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる。中継ノード装置(無線基地局1)は、複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出手段(111)と、複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出手段(112)と、第2の検出手段にて第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に第1の検出手段の検出結果を基に第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御手段(113)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中継ノード装置、アドホックネットワーク及びそれらに用いる無線中継方法に関し、特にそれぞれの端末が互いに直接無線通信を行うアドホックネットワークの構築に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の端末がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う場合、その通信をバケツリレー方式でつないでいくと、複数の端末を介して無線の到達範囲を超えた通信を行うことができる。これがマルチホップ通信である。
【0003】
上記のアドホックネットワークでは、省電力の経路を探索することができず、各端末が必要以上の無線出力にてデータ通信を行っている。この問題を解決するために、下記の特許文献1では、無線出力の設定において、リアルタイム性が要求されるデータ通信については通常電力、リアルタイム性が要求されないデータ通信については省電力としている。
【0004】
また、上記のアドホックネットワークでは、中継ノードの重複時に通信速度の低下が発生している。この問題を解決するために、下記の特許文献2では、無線チャネル予約を行い、経路ノードの周辺ノードのうちの一部のノードの送信を一時停止して通信速度低下を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4531683号公報
【特許文献2】特許4168152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したアドホックモードでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークの構築には、環境により、効率がよく安定した経路を選択することができるか、経路が重なる場合の通信速度の低下を防げるか、無線出力の最適化を行うことができるかという問題がある。
【0007】
特許文献1では、リアルタイム性が要求されないデータ通信について省電力としているが、細かい省電力設定を行うことができない。また、特許文献2では、経路ノードの周辺ノードのうちの一部のノードの送信を一時停止して通信速度の低下を防いでいるが、ネットワーク全体のスループット向上を考慮していない。
【0008】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、アドホック通信の多段中継接続において、通信環境に応じて通信速度の低下を抑えることができる中継ノード装置、アドホックネットワーク及びそれらに用いる無線中継方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による中継ノード装置は、複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる中継ノード装置であって、
前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出手段と、
前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出手段の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御手段とを備えている。
【0010】
本発明によるアドホックネットワークは、上記の中継ノード装置を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明による無線中継方法は、複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる無線中継方法であって、
前記中継ノード装置が、前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出処理と、前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出処理と、前記第2の検出処理にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出処理の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御処理とを実行している。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、アドホック通信の多段中継接続において、通信環境に応じて通信速度の低下を抑えることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態による無線基地局(中継ノード装置)の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による無線基地局1の通信経路が重なった場合の通信経路の切替え動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態による無線基地局1の無線出力を下げる手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明によるアドホックネットワークの概要について説明する。本発明によるアドホックネットワークでは、アドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでいくマルチホップ通信を行っている。
【0015】
アドホックネットワークにおいては、端末aから端末bへ通信する経路と、端末cから端末dへ通信する経路とが重なる場合、通信速度の低下が発生する。そのため、本発明では、各中継ノード(無線基地局)内の機能を使用し、各中継ノードの優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出し、通信の優先度と帯域とにより、端末aと端末bとの間の通信、端末cと端末dとの間の通信のうち優先度の低い通信を他の経路に変更することにより通信速度の低下を防いでいる。
【0016】
また、本発明では、各中継ノードの使用帯域が中継ノード間のリンク速度以内であれば、同じ経路でも問題ないため、経路変更を行わない。
【0017】
さらに、本発明では、端末aから端末bへ通信する経路で、第1の中継ノードから次の第2の中継ノードへ通信する場合、第2の中継ノード周辺の電波環境が悪ければ、電波環境が悪くない第3の中継ノード周辺の第4の中継リードから第3の中継ノードへの通信及び第3の中継ノードから第5の中継ノードへの通信より、第4の中継ノードから第2の中継ノードへの通信及び第2の中継ノードから第5の中継ノードへの通信の通信速度が低くなる。
【0018】
その際、本発明では、第1の中継ノードから次の第2の中継ノードへ通信する場合、事前に周辺の中継ノードのビーコンのレベルを監視し、その監視結果を経路選択に活用することにより、安定した経路を選択している。
【0019】
本発明では、選択した経路を使用する中継ノードの使用帯域が中継ノード間のリンク速度より低い場合、中継ノードの無線出力を下げて、リンク速度を使用帯域近くまで下げることにより、省電力化することができる。
【0020】
このように、本発明では、中継ノードの省電力を図り、通信環境に応じて通信速度の低下を抑えることにより、中継ノードの無線出力及び通信経路の最適化を図ることができる。
【0021】
つまり、本発明では、アドホックモードでマルチホップ通信を行う多段中継接続における、中継ノードの省電力と通信環境に応じて通信速度の低下を抑えることを特徴としている。言い換えると、本発明では、アドホックモードでマルチホップ通信を行うアドホック通信の多段中継接続において、中継ノードの電波状況や通信データの優先度等により、中継ノードを選択することによって、快適な通信を提供することを特徴としている。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態による無線基地局(中継ノード装置)の構成例を示すブロック図である。図1において、無線基地局1は、制御部11と、無線部12と、記憶部13とを備え、制御部11に、通信情報検出部111と、重複検出部112と、経路制御部113と、出力制御部114とを備えている。
【0023】
通信情報検出部111は、各無線基地局の優先度、使用通信帯域、無線基地局間のリンク速度を検出する。重複検出部112は、例えば、自局における端末aから端末bへ通信する経路と端末cから端末dへ通信する経路との重複を検出する。
【0024】
経路制御部113は、通信情報検出部111及び重複検出部112の検出結果を基に、例えば、端末aから端末bへ通信する経路及び端末cから端末dへ通信する経路における経路の変更等を制御する。出力制御部114は、通信情報検出部111の検出結果を基に、自局の無線部12からの無線出力を制御する。
【0025】
図2〜図4は本発明の第1の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例を示す図である。これら図1〜図4を参照して本発明の第1の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例について説明する。尚、図2〜図4においては、A〜Iが無線基地局を示し、a〜dが端末を示している。
【0026】
図2に示すように、端末aと端末bとの間の通信と、端末cと端末dとの間の通信とにおいて、無線基地局の重複(無線基地局Dと無線基地局Eとの間)が発生した場合、通信経路が重複した無線基地局Dでは、無線部12で受信した各無線基地局C,I,Eのデータから、制御部11(通信情報検出部111)で各無線基地局C,I,Eの優先順位を検出して記憶部13に保存する。同様に、制御部11(通信情報検出部111)では、無線基地局C,I,Eの使用帯域も記憶部13に保存する。
【0027】
また、制御部11は、通信情報検出部111で検出した無線基地局Dと無線基地局Eとの間のリンク速度と、各無線基地局C,I,Eの使用帯域を比較し、通信の優先順位が端末aと端末bとの間の通信より端末cと端末dとの間の通信のほうが低く、各無線基地局C,I,Eの使用帯域が無線基地局間のリンク速度を超えている場合、制御部11から端末cと端末dとの間の通信ノードが無線基地局Dと無線基地局Eとの間を経由しないルートに(図4の無線基地局G,H,I)に変更される。
【0028】
制御部11は、通信情報検出部111で検出した無線基地局B−C−D,B−F−Dの使用帯域と無線基地局B−C−D,B−F−Dのリンク速度を比較し、使用帯域が低い場合、記憶部13に保存されている無線出力及びリンク速度のデータから、該当するリンク速度で接続できるレベルまで無線部12の出力を下げる(図3参照)。
【0029】
図5は本発明の第1の実施の形態による無線基地局1の通信経路が重なった場合の通信経路の切替え動作を示すフローチャートであり、図6は本発明の第1の実施の形態による無線基地局1の無線出力を下げる手順を示すフローチャートである。これら図1〜図6を参照して本発明の第1の実施の形態による無線基地局1の動作について説明する。尚、図5及び図6に示す処理動作は、無線基地局1の制御部11が記憶部13に格納されたプログラムを実行することで実現可能である。
【0030】
まず、無線基地局Dと無線基地局Eとの間で通信経路が重なった場合(図2参照)の切替え動作について図5を参照して説明する。以下は無線基地局Dの制御部11の処理である。
【0031】
制御部11は、中継ノード重複発生時(図2に示す無線基地局Dにおいて、3つの無線基地局と通信状態にあることで検出)に、それぞれの通信量が無線基地局の通信可能量を上まわっている場合(図5ステップS1のYES)、通信の優先順位を確認する(図5ステップS3)。制御部11は、それぞれの通信量が無線基地局の通信可能量を上まわっていない場合(図5ステップS1のNO)、中継ノード重複が問題ないため、無線基地局の変更を行わない(図5ステップS2)。
【0032】
制御部11は、それぞれの通信量が無線基地局の通信可能量を上まわっていて(図5ステップS1のYES)、優先順位に差がある場合(図5ステップS3のYES)、優先順位の低い無線基地局を重複しない経路(図4の無線基地局G,H,I)に変更するよう無線基地局Iに指示する(図5ステップS4)。
【0033】
制御部11は、優先順位に差がない場合(図5ステップS3のNO)、後から重複した無線基地局の経路(この場合も図4の無線基地局G,H,Iの経路)を変更するよう無線基地局Iに指示する(図5ステップS5)。
【0034】
無線基地局の経路を変更する場合、無線基地局Iでは、無線基地局Dからの指示[通信(接続)できない旨の通知]を受けると、他の無線基地局Hと通信し、端末cから端末dまでの通信経路を形成する。
【0035】
次に、無線基地局Bの無線出力を下げる手順について図6を参照して説明する。以下は無線基地局Bの制御部11の処理である。
【0036】
無線基地局B−C間で通信開始後、制御部11は、無線基地局Bの使用帯域と無線基地局B−C間のリンク速度を比較し、リンク速度が使用帯域より高くなければ(図6ステップS11のNO)、無線基地局Bの無線出力を変更しない(図6ステップS12)。
【0037】
制御部11は、リンク速度が使用帯域より高ければ(図6ステップS11のYES)、無線基地局B−C間同士の受信レベル、ノイズレベルを計測する(図6ステップS13)。この場合、制御部11は、無線部12を介して無線基地局Cの受信レベル、ノイズレベルの計測結果を取得する。
【0038】
制御部11は、測定レベルから無線基地局Bの使用帯域までリンク速度を落とせない場合(図6ステップS14のNO)、無線基地局Bの無線出力を変更しない(図6ステップS15)。
【0039】
制御部11は、測定レベルから無線基地局Bの使用帯域までリンク速度を落とせる場合(図6ステップS14のYES)、無線基地局Bの無線出力を下げる(図6ステップS14)。
【0040】
このように、本実施の形態では、上記のように処理することで、通信の優先順位から中継ノード(無線基地局)の無線出力及び通信経路を最適化することにより、通信環境に応じて通信速度の低下を抑えることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、上記のように処理することで、接続先との通信速度から中継ノード(無線基地局)の無線出力及び通信経路を最適化することにより、無線基地局の無線出力を抑えて省電力とすることができる。
【0042】
本発明の第2の実施の形態としては、通信の優先度、使用帯域の情報から中継ノード(無線基地局)を複数使用する点で工夫している。図7は本発明の第2の実施の形態によるアドホックネットワークの構築例を示す図である。
【0043】
図7において、ストリーミングデータ等の大容量でリアルタイム性のあるデータは、複数の無線基地局の通信経路(無線基地局A−B−C−D−Eの通信経路、無線基地局A−G−H−Iの通信経路)でデータを送ることにより、コマ落ち等の発生を防ぐ。
【0044】
この場合、本実施の形態では、端末a−b間の通信経路において、通信速度が低い箇所があり、端末aと無線基地局Aとの間の通信速度が高いと、コマ落ち等が発生することがある。そこで、本実施の形態では、端末aからのデータを無線基地局A−B−C−D−Eの通信経路と無線基地局A−G−H−Iの通信経路とに分けて転送している。
【0045】
無線基地局Aでは、無線基地局B−C間で通信が行われている場合、端末aからのデータを無線基地局Gに送る。また、無線基地局Aでは、無線基地局G−H間で通信が行われている場合、端末aからのデータを無線基地局Bに送る。このように、端末aと無線基地局Aとの間の通信速度が高い場合でも、無線基地局Aにて2つの通信経路に時分割でそれぞれ送ることで、コマ落ち等の発生を防ぐことができる。
【0046】
尚、本発明では、無線基地局で信号受信強度を監視し、無線基地局間の状況(受信強度)を対向の無線基地局に通知することで、無線出力の最適化に活用することができる。
【0047】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下の記載に限定されない。
【0048】
[付記1]
複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる無線中継方法であって、
前記中継ノード装置が、前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出処理と、前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出処理と、前記第2の検出処理にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出処理の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御処理とを実行し、
前記制御処理において、前記第1及び第2の通信経路のうちの優先度の低い通信経路を他の経路に変更させることを特徴とする無線中継方法。
【0049】
[付記2]
前記制御処理において、前記第1及び第2の通信経路のうちの後から重複した通信経路を他の経路に変更させることを特徴とする付記1に記載の無線中継方法。
【0050】
[付記3]
前記中継ノード装置が、自装置の使用帯域を自装置と次段の装置との間のリンク速度と比較する処理と、その比較結果に応じて自装置の無線出力の変更を制御する処理とを実行することを特徴とする付記1または付記2に記載の無線中継方法。
【0051】
[付記4]
前記自装置の無線出力の変更を制御する処理において、前記リンク速度を前記使用帯域近傍まで下げることを特徴とする付記3に記載の無線中継方法。
【0052】
[付記5]
前記中継ノード装置が、通信量に応じて、入力データを複数の通信経路に分けて転送することを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の無線中継方法。
【0053】
[付記6]
前記中継ノード装置が、前記入力データが高速に入力され、かつ通信速度が低い箇所がある通信経路を用いて当該入力データを転送する場合、当該通信経路と他の通信経路とを用いて当該入力データを転送することを特徴とする付記5に記載の無線中継方法。
【0054】
[付記7]
複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる無線中継方法であって、
前記中継ノード装置が、前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出処理と、前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出処理と、前記第2の検出処理にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出処理の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御処理とを実行し、
前記制御処理において、前記第1及び第2の通信経路のうちの後から重複した通信経路を他の経路に変更させることを特徴とする無線中継方法。
【0055】
[付記8]
複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる無線中継方法であって、
前記中継ノード装置が、前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出処理と、前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出処理と、前記第2の検出処理にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出処理の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御処理とを実行し、
前記中継ノード装置が、自装置の使用帯域を自装置と次段の装置との間のリンク速度と比較する処理と、その比較結果に応じて自装置の無線出力の変更を制御する処理とを実行することを特徴とする無線中継方法。
【0056】
[付記9]
前記自装置の無線出力の変更を制御する処理において、前記リンク速度を前記使用帯域近傍まで下げることを特徴とする付記8に記載の無線中継方法。
【0057】
[付記10]
複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる無線中継方法であって、
前記中継ノード装置が、前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出処理と、前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出処理と、前記第2の検出処理にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出処理の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御処理とを実行と、
前記中継ノード装置が、通信量に応じて、入力データを複数の通信経路に分けて転送することを特徴とする無線中継方法。
【0058】
[付記11]
前記中継ノード装置が、前記入力データが高速に入力され、かつ通信速度が低い箇所がある通信経路を用いて当該入力データを転送する場合、当該通信経路と他の通信経路とを用いて当該入力データを転送することを特徴とする付記10に記載の無線中継方法。
【符号の説明】
【0059】
1,A〜I 無線基地局
11 制御部
12 無線部
13 記憶部
111 通信情報検出部
112 重複検出部
113 経路制御部
114 出力制御部
a,b 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる中継ノード装置であって、
前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出手段と、
前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出手段の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御手段とを有することを特徴とする中継ノード装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1及び第2の通信経路のうちの優先度の低い通信経路を他の経路に変更させることを特徴とする請求項1記載の中継ノード装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1及び第2の通信経路のうちの後から重複した通信経路を他の経路に変更させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の中継ノード装置。
【請求項4】
自装置の使用帯域を自装置と次段の装置との間のリンク速度と比較する手段と、その比較結果に応じて自装置の無線出力の変更を制御する手段とを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の中継ノード装置。
【請求項5】
前記自装置の無線出力の変更を制御する手段は、前記リンク速度を前記使用帯域近傍まで下げることを特徴とする請求項4記載の中継ノード装置。
【請求項6】
通信量に応じて、入力データを複数の通信経路に分けて転送することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の中継ノード装置。
【請求項7】
前記入力データが高速に入力され、かつ通信速度が低い箇所がある通信経路を用いて当該入力データを転送する場合、当該通信経路と他の通信経路とを用いて当該入力データを転送することを特徴とする請求項6記載の中継ノード装置。
【請求項8】
上記の請求項1から請求項7のいずれかに記載の中継ノード装置を含むことを特徴とするアドホックネットワーク。
【請求項9】
複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる無線中継方法であって、
前記中継ノード装置が、前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出処理と、前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出処理と、前記第2の検出処理にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出処理の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御処理とを実行することを特徴とする無線中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−12864(P2013−12864A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143665(P2011−143665)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】