説明

中継装置、記憶装置及び記憶システム

【課題】記憶システムを構成する中継装置或いは記憶装置において、端末装置がメモリカードにデータを書き込んだ後も、このメモリカードに対する無線装置からのデータの読み書きを常に正常に行なえるようにすること。
【解決手段】中継装置1は端末装置3からのメモリカード6へのデータの書き込み(ステップ502)が終了すると、これを検出する。その後無線装置2からメモリライト要求があると(ステップ412)、メモリカード6のデータが端末装置3により書き替えられたことを示す通知を無線装置2に送る(ステップ423)。これにより無線装置3はメモリデータリード要求(ステップ411)を出してメモリカード6からFAT情報を取得して最新のファイル管理データを取得し、以降、メモリカード6に対するデータの読み書きを常に正常に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードを端末装置に有線回線で接続すると共に無線装置に無線回線で接続するための中継装置或いは、端末装置に有線回線で接続される共に無線装置に無線回線で接続される記憶装置のいずれか一方を有する記憶システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フラッシュメモリを内蔵するメモリカード(例えばメモリースティック(商標)、SDカード(商標)等)を、端末装置に有線回線で接続するか、或いは無線装置に無線回線で接続した後、端末装置或いは無線装置とメモリカード間でファイルデータの読み書きを行う中継装置が開発され、それを用いた「アダプタ装置及びメモリ装置」という発明名称の公知例がある(特許文献1)。
【0003】
図8は上記した公知例で示された中継装置を用いた記憶システムの簡略構成を示したブロック図である。この記憶システムは、メモリカード6を着脱自在に装着する中継装置1、無線装置2及び端末装置3を有して構成され、中継装置1と端末装置3は有線インターフェース5により接続され、中継装置1と無線装置2は無線回線8で接続されている。
【0004】
中継装置1のRF機能部11と通信制御機能部12は、無線装置2と無線通信を行うためのRF機能、及びベースバンド機能を有する。装置機能部13は、通信制御機能部12を制御して無線装置2との間で接続、切断処理を行う。また、装置機能部13は、無線装置2から受信されたメモリカードに対する要求41に対してメモリカード制御機能部14を制御してメモリカード6からメモリデータを取得し、応答42を構築して無線装置2に送信する。メモリカード制御機能部14は、端末装置3と中継装置1との間における有線インターフェース5と同様のメモリカードインターフェース7を有し、端末装置3とメモリカード6との間でファイルデータを中継する。
【0005】
無線装置2のRF機能部21と通信制御機能部22は、中継装置1と無線通信を行うためのRF機能、及びベースバンド機能を有する。ホスト機能部23は、通信制御機能部22を制御し、中継装置1に対して接続、切断処理を行う。また、ホスト機能部23は、中継装置1との間でメモリデータに対する要求41の送信、及び応答42の受信を行い、送受信されたファイルデータに対してファイルの構築処理(ファイルシステム処理)を行う。またファイルを用いたアプリケーション処理を行う。
【0006】
端末装置3は、メモリカード制御機能部32から中継装置1を介してメモリカード6に対してファイルデータの読み書きを行う。端末機能部31は、読み書きされたメモリデータに対してファイルシステム処理を行い、また、ファイルを用いたアプリケーション処理を行う。以上の動作により、端末装置3から中継装置1に対して書き込まれたファイルデータが、無線装置2によって非接触、または遠隔的に読み出し可能になる。また、無線装置2から中継装置1に対して非接触、または遠隔的に書き込まれたファイルデータが端末装置3によって読み出し可能になる。
【0007】
図9は上記した公知例で示された記憶装置を用いた記憶システムの簡略構成を示したブロック図である。本例では、記憶装置4内にメモリデバイス(フラッシュメモリ)16が固定的に装備されている点以外の構成は、図8に示したシステムと同様であり、同様の動作を行う。
【特許文献1】特開2004−334005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような従来の中継装置1及び記憶装置4では、端末装置3が中継装置1に装着されたメモリカード6、或いは記憶装置4内部のメモリデバイス16に対してファイルの読み込みを行う際に、端末装置3は、まず、ファイルシステムの初期処理として、ファイルのディレクトリ配置を示すテーブル情報(Fail Allocation Table: FAT情報)を読み出す。さらに端末装置3からファイルを書き込む場合は、ファイルデータを書き込むとともにFAT情報を更新し、端末装置3とメモリカード6、或いはメモリデバイス16との間でFAT情報の整合を保つ。
【0009】
然るに、端末装置3によって前記メモリカード6、或いはメモリデバイス16内のファイルデータ及びFAT情報が書き換えられた場合には、無線装置2はそのことを知ることができない。従って、無線装置2が持つFAT情報と、メモリカード6或いはメモリデバイス16が持つFAT情報との整合が取れず、以降、無線装置2はメモリカード6或いはメモリデバイス16に対してファイルデータを正しく読み書きできなくなるという問題がある。このような状況でファイルを正しく読み書きするために、無線装置2はファイルシステム処理を再起動し、FAT情報を再取得する必要がある。
【0010】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、端末装置がメモリカード又はメモリデバイスにファイルデータを書き込んだ後も、無線装置からのメモリカード又はメモリデバイスに対するファイルデータの読み書きを常に正常に行うことができる中継装置及び記憶装置を提供すると共に、これら中継装置或いは記憶装置のいずれか一方を有する記憶システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、着脱自在のメモリカードを装着し、このメモリカードに端末装置より有線インターフェースを介してファイルデータを読み書きする際の中継、或いは同メモリカードに無線装置より無線回線を介してファイルデータを読み書きする際の中継を行う中継装置であって、前記端末装置の前記メモリカードへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に伝送する通知手段とを具備し、前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリカードから前記無線回線を介してファイル管理データを取得する。
【0012】
また、本発明は、メモリデバイスを内蔵し、このメモリデバイスに端末装置より有線インターフェースを介してファイルデータが読み書きされ、或いは同メモリデバイスに無線装置より無線回線を介してファイルデータが読み書きされる記憶装置であって、前記端末装置の前記メモリデバイスへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に送信する通知手段とを具備し、前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリデバイスから前記無線回線を介してファイル管理データを取得する。
【0013】
また、本発明は、着脱自在のメモリカードを装着する中継装置、前記メモリカードに有線インターフェース及び前記中継装置を介してファイルデータを読み書きする端末装置、前記メモリカードに無線回線及び前記中継装置を介してファイルデータを読み書きする無線装置を備える記憶システムであって、前記中継装置は、前記端末装置の前記メモリカードへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に伝送する通知手段とを具備し、前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリカードから前記無線回線を介してファイル管理データを取得する。
【0014】
また、本発明は、メモリデバイスを内蔵する記憶装置、前記メモリデバイスに有線インターフェース介してファイルデータを読み書きする端末装置、前記メモリデバイスに無線回線を介してファイルデータを読み書きする無線装置を備える記憶システムであって、前記記憶装置は、前記端末装置の前記メモリデバイスへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に送信する通知手段とを具備し、前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリデバイスから前記無線回線を介してファイル管理データを取得する。
【0015】
このように本発明では、中継装置或いは記憶装置において、端末装置がメモリカードやメモリデバイスにファイルデータを書き込むことを終了したら、これを検出して無線装置に通知(通知信号)し、この通知を受けた無線装置はメモリカードやメモリデバイスからファイル管理データ(例えばFAT情報)を取得して、常に最新のファイル管理データを持つようにすることにより、無線装置とメモリカードやメモリデバイスとの間のファイル管理データの整合性を常に維持するようにする。これにより、端末装置からのメモリカードやメモリデバイスに対するファイルデータの書き込み後も、メモリカードやメモリデバイスに対する無線装置のデータの読み書きを常に正常に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中継装置或いは記憶装置において、端末装置がメモリカードやメモリデバイスにファイルデータを書き込むことを終了したら、これを検出して無線装置に通知(通知信号)し、この通知を受けた無線装置はメモリカードやメモリデバイスからファイル管理データ(例えばFAT情報)を取得して、常に最新のファイル管理データを持つようにすることにより、端末装置とメモリカードやメモリデバイスとの間のファイル管理データの整合性を常に維持することができるため、無線装置からのメモリカードやメモリデバイスに対するアクセス後も、メモリカードやメモリデバイスに対する端末装置のデータの読み書きを常に正常に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る記憶システムの構成を示したブロック図である。但し、従来例と同様の部分は同一符号を付して説明する。記憶システムは、メモリカードを着脱自在に装着する中継装置1、無線装置2及び端末装置3を有して構成され、中継装置1と端末装置3は有線インターフェース5により接続され、中継装置1と無線装置2は無線回線8で接続されている。尚、中継装置1は例えば端末装置3に装着するメモリカードのアダプタの形態を採るものとする。
【0018】
中継装置1は、無線装置2と無線通信を行うためのRF機能を持つRF機能部11、無線装置2と無線通信を行うためのベースバンド機能を持つ通信制御機能部12、通信制御機能部12を制御して無線装置2との間で接続及び切断処理を行う装置機能部13、無線装置2や端末装置3の要求に応じてメモリカード6に対してファイルデータの読み書きを行うメモリカード制御機能部14を有している。
【0019】
無線装置2は、中継装置1と無線通信を行うためのRF機能を持つRF機能部21、中継装置1と無線通信を行うためのベースバンド機能を持つ通信制御機能部22、この通信制御機能部22を制御して中継装置1に対して接続及び切断処理を行ない、また、中継装置1との間でメモリデータ要求41の送信及び応答42の受信を行い、さらに送受信されたメモリデータに対してファイルの構築処理(ファイルシステム処理)を行うと共に、ファイルを用いたアプリケーション処理を行うホスト機能部23を有している。
【0020】
端末装置3は、メモリカード6に対して中継装置1を介してメモリデータの読み書きを行うメモリカード制御機能部32、読み書きされたメモリデータに対してファイルシステム処理を行うと共に、ファイルを用いたアプリケーション処理を行う端末機能部31を有している。
【0021】
図2は、図1で説明される中継装置1内部のメモリカード制御機能部14の詳細構成を説明するブロック図である。メモリカード制御機能部14はデータリード/ライト機能部141、データ書き込み検知機能部142、スイッチ143を備えている。
【0022】
データリード/ライト機能部141は、無線装置2からメモリカード6に対するデータのリード/ライト要求に対して、装置機能部13とのインターフェース100を介して、メモリカード6との間でデータのリード/ライト制御を行う。
【0023】
データ書き込み検知機能部142は、無線装置2からメモリカード6に対するデータ書き込み検知機能が提供される機能部であり、端末装置3とメモリカード6との間でアクセスされるデータを取得し、データの書き込みを検知する。データ書き込みが検知された場合には、データリード/ライト機能部141に対し、通知1403を与える。
【0024】
スイッチ143は、データリード/ライト機能部141からメモリカード6に対するインターフェース1401と、端末装置3からメモリカード6に対するインターフェース1402とを切り換え、メモリカード6と直結するインターフェース7と接続する。
【0025】
以上の構成によって、データ書き込み検知機能部142は、データの書き込みを検知した場合に、データリード/ライト機能部141に対して通知1403を与える。データリード/ライト機能部141は、装置機能部13とのインターフェース100を介して装置機能部13からデータのリード/ライト要求があった場合に、メモリカード6に対してデータのリード/ライトを行わず、上記したデータの書き込みを検知したことを装置機能部13に応答する。これを受けた装置機能部13は、所定の方式によって無線装置2に対し、データの書き込みを検知したことを通知する。
【0026】
データの書き込み検知の方法については、端末装置3からメモリカード6に対するインターフェース5のディジタル制御信号を解析することによって行われる。通常、端末装置3からメモリカード6に対してデータのリード/ライトを行う場合には、コマンドによる制御が行われる。従って制御信号を解析し、データ書き込みを実行するコマンドを取得することによって、書き込み検知が行われる。
【0027】
次に本実施形態の動作について説明する。上記構成の記憶システムでは、端末装置3から中継装置1に対して書き込まれたファイルデータが、無線装置2によって非接触、または遠隔的に読み出される。また、無線装置2から中継装置1に対して非接触、または遠隔的に書き込まれたファイルデータが端末装置3によって読み出される。その際に、端末装置3によりメモリカード6に対してファイルデータが書き込まれた後も、無線装置2がメモリカード6対してファイルデータの読み書きを常に正常に行えるようにするための機能を中継装置1のメモリカード制御機能部14に備えている。
【0028】
次に本実施形態の記憶システムの全体的な動作について図3のシーケンス図を参照して説明する。端末装置3はステップ500で、自身、及び中継装置2に電源を投入する。電源投入後、端末装置3はステップ501で、ファイルシステム処理の初期処理としてメモリカード6からFAT情報を取得する。FAT情報の番地はあらかじめ端末装置3側で把握されており、メモリカード6に対して番地を指定し、所定の単位でメモリデータの読み出しを行う。このとき中継装置2は、端末装置3とメモリカード6との間でメモリデータの読み出し中継をする。
【0029】
FAT情報を取得した端末装置3は、メモリカード6内のディレクトリ構成、ファイルの配置を把握する。ファイルを読み出す際は、FAT情報を参照し、ファイルを構成するメモリデータを順次取得してファイルを構築する。メモリカード6にファイルを書き込む際には、ファイルを構成するメモリデータを順次書き込むと共に、更新されたFAT情報を構成するメモリデータをメモリカード6内に書き込む。
【0030】
無線装置2から中継装置1を経由してメモリカード6にアクセスするためには、まず無線装置2と中継装置1との間で無線通信の接続処理を行う。本実施形態においては、無線通信方式については特に限定しないが、コネクション型の無線通信方式を前提とする。無線装置2はステップ401で、中継装置1に対して接続要求する。中継装置1はステップ402で、無線装置2に対して接続応答する。
【0031】
無線装置2においてもファイルシステム処理の初期処理として中継装置1を介してメモリカード6からFAT情報を取得する。中継装置1と無線装置2との間では、メモリカード6内のメモリデータをリード/ライトするための要求及び応答の書式が規定されている。本件については、無線装置2はステップ411で、FAT情報の番地を指定して中継装置1に対してメモリデータリード要求をする。中継装置2はステップ701で、要求を受け、メモリカード2から所定の番地のメモリデータを読み出す。そして中継装置2はステップ421で、メモリデータリード応答として読み出したメモリデータを無線装置2に送信する。
【0032】
無線装置2はFAT情報を取得してメモリカード6内のディレクトリを構成することでファイルの配置を把握する。無線装置2によるファイルのメモリカード6への書き込みは、ステップ412でメモリデータライト要求を中継装置2にした後、ファイルを構成するメモリデータとFAT情報を構成するメモリデータとを順次中継装置1に転送することで行われる。中継装置1は無線装置2から発行されたメモリデータライト要求に対して、ステップ702でメモリカード6にメモリデータの書き込みを行い、ステップ422でその成否を応答する。
【0033】
本シーケンス例においては、ステップ502にて、端末装置3が割り込みでメモリカード6に対するファイルデータ書き込みを中継装置1を介して行う。これに対して、中継装置1のメモリカード制御機能部14は前述の如く端末装置3のメモリカード6へのデータ書き込みを検知し、これを装置機能部13に知らせる。その後、中継装置2はステップ412にて無線装置2からのメモリデータライト要求412を受け取ると、ステップ423にて装置機能部13からデータ書き換え通知を中継装置2に応答する。中継装置2はこのデータ書き換え通知を受け取ると、ステップ411で、メモリデータリード要求を中継装置1に送信し、中継装置1を介してメモリカード6からFAT情報を読み出して取得する。これにより、中継装置1とメモリカード6とのFAT情報の整合性が保持され、以降も、中継装置1はメモリカード6に対するファイルデータの読み書きを正常に行うことができる。尚、上記したメモリデータライト要求とデータ書き換え通知のフレーム構成例は図4に示す如くである。
【0034】
本実施形態によれば、端末装置3が中継装置1を介してメモリカード6にデータを書き込むと、中継装置1はこれを検出して無線装置2に通知する。これを受けた無線装置2は中継装置1を介してメモリカード6から最新のFAT情報を再取得することにより、端末装置3のメモリカード6に対するデータ書き込み後も、メモリカード6に対するファイルデータの読み書きを常に正常に行うことができる。
【0035】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る記憶システムの全体的な動作を説明するシーケンス図である。本シーケンスのステップ500からステップ502までの動作は図3に示した第1の実施形態のそれと同様である。しかし、本記憶システムの中継装置1の装置機能部13は、端末装置3のメモリカード6に対するデータ書き込み(ステップ502)の検知がなされた場合に、ステップ423で即座に無線装置2にデータ書き換えの通知を送信するところが異なる。
【0036】
本実施形態によれば、第1の実施形態のシーケンス例では、無線装置2が中継装置1に対してデータリード/ライトの制御を行う際に、端末装置3のメモリカード6に対するデータ書き込み検知通知が送信されるのに対して、無線装置2が中継装置1に対してデータリード/ライト制御を行っていない場合にも、前記検知通知を直ちに送信するため、無線装置2はファイルシステムの再起動処理をデータリード/ライト制御中に行わなくて済むため、無線装置2のメモリカード6に対するデータリード/ライト動作の再起動処理による遅延を避けることができる。他の効果は第1の実施形態と同様である。
【0037】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る記憶システムの構成を示したブロック図である。本実施形態の記憶システムは、記憶装置4が端末装置3に有線接続されると共に、無線装置2に無線接続されている。記憶装置4はメモリデバイス16を内蔵し、このメモリデバイス16へのファイルデータの読み書きを制御するメモリカード制御機能15を有している以外は、第1の実施形態で説明した中継装置と同様の構成を有している。
【0038】
図7は、記憶装置4のメモリデバイス制御機能部15の詳細構成例を示したブロック図である。メモリデバイス制御機能部15はデータリード/ライト機能部151、インターフェース機能部152、スイッチ153を有している。
【0039】
データリード/ライト機能部151は、メモリデバイス16に対してデータのリード/ライトの制御を行う機能部である。一般的な記憶装置(メモリカード)においては、メモリデバイス16はフラッシュメモリである。したがって、メモリデバイス16とデータリード/ライト機能部151とのインターフェース101は、フラッシュメモリにアクセスするための物理インターフェースである。またスイッチ153とデータリード/ライト機能部151のインターフェース機能部1502は、データリード/ライトを行う論理的な制御インターフェースである。
【0040】
インターフェース制御部152は、端末装置3から記憶装置1に対するメモリカードインターフェース5のディジタル制御信号を解析し、データリード/ライト機能部151へデータリード/ライトを行う論理的な制御インターフェース1501に変換する機能部である。本構成においてデータの書き込み検知は、このインターフェース制御部152において行われ、データ書き込みが検知された場合には装置機能部13に対して通知102を与える。
【0041】
スイッチ153は、装置機能部13からデータリード/ライト機能部151に対する論理的な制御インターフェース100と制御インターフェース1501とを切り換え、データリード/ライト機能部151と直結する論理制御インターフェース1502と接続する。
【0042】
以上の構成によって、メモリデバイス制御機能部15のインターフェース制御部152は、端末装置3からメモリデバイス16へのデータの書き込みを検知した場合に、装置機能部13にデータの書き込み通知102を送出する。これにより、装置機能部13はデータ書き換え通知を通信制御部12、RF機能部11を介して無線装置2に送信する。
【0043】
本実施例もその動作は、第1又は第2の実施形態で示した図3又は図5に示したシーケンス動作のいずれかと同様であり、同様の効果がある。
【0044】
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。例えば中継装置1又は記憶装置4と無線装置2間の無線通信方式はBluetoothなどの各種方式が適用でき、また、赤外線などを用いた無線通信でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る記憶システムの構成を示したブロック図である。
【図2】図1で示したメモリカード制御機能部の詳細構成例を示したブロック図である。
【図3】図1に示した記憶システムの動作手順を示したシーケンス図である。
【図4】メモリデータライト要求とデータ書き換えを通知するフレームの構成例を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る記憶システムの動作手順を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る記憶システムの構成を示したブロック図である。
【図7】図6に示した記憶装置のメモリデバイス制御機能部の詳細構成例を示したブロック図である。
【図8】従来の中継装置を用いた記憶システムの簡略構成を示したブロック図である。
【図9】従来の記憶装置を用いた記憶システムの簡略構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0046】
1……中継装置、2……無線装置、3……端末装置、4……記憶装置、5……有線インターフェース、6……メモリカード、8……無線回線、11、21……RF機能部、12、22……通信制御機能部、13……装置機能部、14、15、32……メモリカード制御機能部、16……メモリデバイス、23……ホスト機能部、31……端末機能部、141、151……データリード/ライト機能部、142……データ書き込み検知機能部、143、153……スイッチ、152……インターフェース制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱自在のメモリカードを装着し、このメモリカードに端末装置より有線インターフェースを介してファイルデータを読み書きする際の中継、或いは同メモリカードに無線装置より無線回線を介してファイルデータを読み書きする際の中継を行う中継装置であって、
前記端末装置の前記メモリカードへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、
前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に伝送する通知手段とを具備し、
前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリカードから前記無線回線を介してファイル管理データを取得することを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると、前記無線装置の前記メモリカードに対するアクセスとは拘りなく、直ちに前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項1記載の中継装置。
【請求項3】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出された後、前記無線装置の前記メモリカードに対するアクセス要求があると、前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項1記載の中継装置。
【請求項4】
メモリデバイスを内蔵し、このメモリデバイスに端末装置より有線インターフェースを介してファイルデータが読み書きされ、或いは同メモリデバイスに無線装置より無線回線を介してファイルデータが読み書きされる記憶装置であって、
前記端末装置の前記メモリデバイスへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、
前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に送信する通知手段とを具備し、
前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリデバイスから前記無線回線を介してファイル管理データを取得することを特徴とする記憶装置。
【請求項5】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると、前記無線装置の前記メモリデバイスに対するアクセスとは拘りなく、直ちに前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項4記載の記憶装置。
【請求項6】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出された後、前記無線装置の前記メモリデバイスに対するアクセス要求があると、前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項4記載の記憶装置。
【請求項7】
着脱自在のメモリカードを装着する中継装置、前記メモリカードに有線インターフェース及び前記中継装置を介してファイルデータを読み書きする端末装置、前記メモリカードに無線回線及び前記中継装置を介してファイルデータを読み書きする無線装置を備える記憶システムであって、
前記中継装置は、前記端末装置の前記メモリカードへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、
前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に伝送する通知手段とを具備し、
前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリカードから前記無線回線を介してファイル管理データを取得することを特徴とする記憶システム。
【請求項8】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると、前記無線装置の前記メモリカードに対するアクセスとは拘りなく、直ちに前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項7記載の記憶システム。
【請求項9】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出された後、前記無線装置の前記メモリカードに対するアクセス要求があると、前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項7記載の記憶システム。
【請求項10】
メモリデバイスを内蔵する記憶装置、前記メモリデバイスに有線インターフェース介してファイルデータを読み書きする端末装置、前記メモリデバイスに無線回線を介してファイルデータを読み書きする無線装置を備える記憶システムであって、
前記記憶装置は、前記端末装置の前記メモリデバイスへのファイルデータの書き込み終了を検出する検出手段と、
前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると通知信号を発生し、これを前記無線回線を介して前記無線装置に送信する通知手段とを具備し、
前記無線装置は前記通知信号を受信すると、前記メモリデバイスから前記無線回線を介してファイル管理データを取得することを特徴とする記憶システム。
【請求項11】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出されると、前記無線装置の前記メモリデバイスに対するアクセスとは拘りなく、直ちに前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項10記載の記憶システム。
【請求項12】
前記通知手段は、前記ファイルデータの書き込み終了が検出された後、前記無線装置の前記メモリデバイスに対するアクセス要求があると、前記通知信号を前記無線装置に送信することを特徴とする請求項10記載の記憶システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−114998(P2007−114998A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305394(P2005−305394)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】