説明

中間転写装置、画像形成装置および画像形成方法

【課題】中間転写装置のメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】本発明に係る中間転写装置では、中間転写ベルトは、中間転写ベルト駆動ローラ62を挿んで対向する蛇行防止部材67の間に配置されており、蛇行防止部材67は、中間転写ベルト駆動ローラ62の端部に嵌合可能な凹部67aを有し、凹部67aに中間転写ベルト駆動ローラ62の端部を挿入することにより中間転写ベルト駆動ローラ62の端部に嵌合しており、蛇行防止部材67とシャフト66とは導電性を有し、少なくとも蛇行防止部材67とシャフト66とは電圧を印加することによって被接着物との間で剥離が生じる通電剥離性接着剤層68によって接着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に備えられる中間転写装置に関するものであり、より詳細には、中間転写ベルトの蛇行を防止する蛇行防止部材を備えた中間転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置のプロセス速度の向上に伴い、中間転写ベルトの高速回転化が図られている。このため、高速回転による中間転写ベルトの位置ズレや蛇行を防止する各種の蛇行防止部材が提案されている。
【0003】
蛇行防止部材に関して、例えば、特許文献1には、蛇行防止部材の片面に設けられた粘着面を中間転写ベルトの内周面に当接させて当該内周面の周方向に沿って貼り付け、ガイド溝に当該蛇行防止部材を走らせることで、中間転写ベルトの蛇行を防止する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、中間転写ベルトを回転可能に懸架する駆動ローラ及び従動ローラの両端に蛇行防止部材を設けることで、中間転写ベルトの蛇行を防止する技術が開示されている。
【0005】
図10は、特許文献2に開示された従来の中間転写ベルト駆動ローラ162の構成を示す断面図である。図10に示されるように、中間転写ベルト駆動ローラ162の両端部にカラー167が設けられており、カラー167の蛇行規制面167aに中間転写ベルトの両端部に貼着されたガイドリブを当接させることで、中間転写ベルトの蛇行を防止している。また、中間転写ベルト駆動ローラ162は、芯金168の表面が弾性材169で被覆されており、カラー167のキャップ部167bが芯金168の両端部を覆うことで、カラー167による中間転写ベルトの蛇行防止を効果的に維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−118044(2004年4月15日公開)
【特許文献2】特開2006−337814(2005年6月3日公開)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】太陽金網株式会社、「製品案内 通電剥離性接着剤 エレクトリリース」、[オンライン]、平成22年7月21日検索、インターネット<URL:http://www.twc-net.co.jp/catalog/genre/g060/061/post-13.html>
【非特許文献2】「板金加工eye」、[オンライン]、平成22年8月25日検索、インターネット<URL:http://www.bkeye.com/mach/mach06.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、蛇行防止部材の片面に設けられた剥離紙を剥離して粘着面を露出させた後、当該粘着面を中間転写ベルトの内周面に貼り付ける必要がある。このため、使用後の剥離紙が廃棄物となり、近年の温暖化防止(CO排出量削減)に逆行する。従って、環境保護の観点から好ましくない。さらに、中間転写ベルトの内周面に貼り付けられた蛇行防止部材は容易に剥がすことができないため、中間転写ベルト、或いは、蛇行防止部材に不具合が生じた場合、部品単位の交換が困難でありメンテナンス性が低いという問題を有している。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術では、カラー167は、支軸166に回転自在に取り付けられているため、カラー167と支軸166とが摺動することによって磨耗が生じる。特に、高速機(例えば、毎分60枚/A4サイズ通紙)に用いた場合、ポリアセタール樹脂から構成されるカラー167の内周面の摺動磨耗は著しく、摺動磨耗によってカラー167の内周面が大径化することで、カラー167と支軸166との間に隙間が生じる。このため、カラー167のガタツキが大きくなり、その結果、中間転写ベルトの蛇行を防止することができなくなるという問題を有している。
【0010】
また、カラー167と支軸166との間にトナーや紙粉などが侵入することを完全に防止することができないため、当該トナーや紙粉などの侵入によってカラー167の内周面の摺動磨耗は促進される。このため、カラー167と支軸166との間に侵入したトナーや紙粉などを定期的に除去する必要があるという問題を有している。
【0011】
このように、特許文献2に開示された技術では、カラー167と支軸166とが摺動磨耗し、また、カラー167と支軸166との間にトナーや紙粉などが侵入することを完全に防止することができないため、部品の交換周期が早まり、メンテナンスコストが増大するという問題を有している。
【0012】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、不用な廃棄物の排出を抑制しつつ、メンテナンス性に優れた中間転写装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る中間転写装置は、上記課題を解決するために、少なくとも2つの支持ローラと、前記支持ローラに回転可能に懸架された中間転写ベルトと、前記支持ローラの回転軸に設けられ、それぞれが当該支持ローラの端部を覆うことにより、前記中間転写ベルトの蛇行を防止する蛇行防止部材とを備え、前記中間転写ベルトの表面に形成されたトナー像を、記録用紙へ転写する中間転写装置において、前記中間転写ベルトは、前記支持ローラを挿んで対向する前記蛇行防止部材の間に配置されており、前記蛇行防止部材は、前記支持ローラの端部に嵌合可能な凹部を有し、当該凹部に当該前支持ローラの端部を挿入することにより当該支持ローラの端部に嵌合しており、前記蛇行防止部材と前記回転軸とは導電性を有し、少なくとも当該蛇行防止部材と当該回転軸とは電圧を印加することによって被接着物との間で剥離が生じる通電剥離性接着剤によって接着されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、中間転写ベルトは、支持ローラの両端部に嵌合する蛇行防止部材の間に配置されている。このため、蛇行防止部材によって、中間転写ベルトを支持ローラの外周面の所定領域内に保持することが可能である。これにより、中間転写ベルトの蛇行を防止して、安定してトナー像を記録用紙に転写することができる。
【0015】
また、上記構成によれば、蛇行防止部材と回転軸とは導電性を有し、これらは電圧を印加することによって被接着物との間で剥離が生じる通電剥離性接着剤によって接着されている。このため、蛇行防止部材と回転軸とを等速回転させることが可能であり、従来のように、蛇行防止部材と回転軸とが摺動磨耗することによって、蛇行防止部材にガタツキが生じることを抑制することができる。さらに、従来のように、剥離紙などの廃棄物を排出することもない。
【0016】
また、蛇行防止部材と回転軸とを通電剥離性接着剤によって接着することで、蛇行防止部材と回転軸との間にトナーや紙粉などが侵入することを完全に防止することができるため、従来のように、蛇行防止部材と回転軸との間に侵入したトナーや紙粉などを定期的に除去する必要がない。
【0017】
また、通電剥離性接着剤は、電圧を印加することによって簡単に剥離可能であるため、部品単位の交換、或いは、清掃などのメンテナンスが容易となる。
【0018】
以上のように、上記構成によれば、不用な廃棄物の排出を抑制しつつ、メンテナンス性に優れた中間転写装置を実現することができる。
【0019】
また、本発明に係る中間転写装置では、前記回転軸は、第1の導電性材料からなり、前記蛇行防止部材は、第2の導電性材料からなることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、回転軸は第1の導電性材料からなり、蛇行防止部材は第2の導電性材料からなる。このため、回転軸および蛇行防止部材に最適な導電性材料を適宜選択して、通電剥離性接着剤による接着性および剥離性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係る中間転写装置では、前記支持ローラは、前記第1の導電性材料からなり、上記凹部と上記支持ローラの端部とは、上記通電剥離性接着剤によって接着されていることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、支持ローラは、回転軸と同じ第1の導電性材料からなり、凹部と支持ローラの端部との当接面が、通電剥離性接着剤によって接着されている。このため、支持ローラの端部に蛇行防止部材を確実に取り付けることが可能である。また、支持ローラは導電性を有するため、電圧を印加することによって簡単に剥離可能であるため、メンテナンス性が低下することはない。
【0023】
また、例えば、支持ローラと回転軸とを1つの部材として構成することが可能であり、これにより、支持ローラおよび回転軸の製造工程を削減することができる。
【0024】
また、本発明に係る中間転写装置では、前記第1の導電性材料は、ステンレス鋼であり、前記第2の導電性材料は、真鋳、ステンレス鋼、アルミ、または、表面コーティングされた鉄であることが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、支持ローラまたは回転軸はステンレス鋼からなる。このため、支持ローラまたは回転軸の耐腐食性(錆)を向上させることができる。また、支持ローラの中間転写ベルトに対する耐摩耗性を向上させることができる。さらに、通電剥離性接着剤による接着性および剥離性を向上させることができる。
【0026】
また、上記構成によれば、蛇行防止部材は、真鋳、ステンレス鋼、アルミ、または、表面コーティングされた鉄からなる。特に、安価な真鋳または表面コーティング(例えば、無電界ニッケルメッキやユニクロメッキ)された鉄により蛇行防止部材を構成することが好ましい。これにより、コストを低減することができ、また、通電剥離性接着剤による接着性および剥離性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明に係る中間転写装置では、前記支持ローラは、前記中間転写ベルトに回転駆動を付与する駆動ローラと、前記中間転写ベルトの回転に伴って従動回転する従動ローラをと含み、前記駆動ローラの外周面は、ローレット加工が施されていることが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、駆動ローラの外周面は、ローレット加工が施されている。このため、駆動ローラが中間転写ベルトを回転駆動させる際のスリップを抑制して、駆動ローラと中間転写ベルトとを等速回転させることができる。また、中間転写ベルトの蛇行をより効果的に防止することができる。
【0029】
また、本発明に係る中間転写装置では、前記凹部の内周面は、前記駆動ローラの外周面に対応するローレット加工が施されていることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、蛇行防止部材に形成された凹部の内周面は、駆動ローラの外周面に対応するローレット加工が施されている。このため、駆動ローラ、中間転写ベルトおよびと蛇行防止部材を等速回転させることができる。これにより、中間転写ベルトと蛇行防止部材との摺動磨耗が抑制されるため、中間転写ベルトおよび蛇行防止部材の交換周期を長期化することができる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。
【0031】
また、本発明に係る中間転写装置では、前記支持ローラの外周面を覆う前記蛇行防止部材の周面の厚みは、前記中間転写ベルトの厚みよりも大きいことが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、支持ローラの外周面を覆う蛇行防止部材の周面の厚みは、中間転写ベルトの厚みよりも大きくなっている。このため、中間転写ベルトが蛇行防止部材を乗り上げることを抑制し、中間転写ベルトの蛇行を効果的に防止することができる。
【0033】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記中間転写装置を備えることが好ましい。これにより、不用な廃棄物の排出を抑制しつつ、メンテナンス性に優れた画像形成装置を実現することができる。
【0034】
本発明に係る画像形成方法は、上記課題を解決するために、上記画像形成装置を用いて画像形成を行うことが好ましい。これにより、長期に亘って安定した画像形成が可能な画像形成方法を実現することができる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明に係る中間転写装置は、少なくとも2つの支持ローラと、前記支持ローラに回転可能に懸架された中間転写ベルトと、前記支持ローラの回転軸にそれぞれ設けられ、当該支持ローラの両端部を覆うことにより前記無端ベルトの蛇行を防止する蛇行防止部材とを備え、前記中間転写ベルトの表面に形成されたトナー像を、記録用紙へ転写する中間転写装置において、前記蛇行防止部材は、前記支持ローラの端部に嵌合可能な凹部を有し、当該凹部に当該前支持ローラの端部を挿入することにより当該支持ローラの端部に嵌合しており、前記蛇行防止部材と前記回転軸とは導電性を有し、少なくとも当該蛇行防止部材と当該回転軸とは電圧を印加することによって被接着物との間で剥離が生じる通電剥離性接着剤によって接着されている。
【0036】
それゆえ、不用な廃棄物の排出を抑制して、当該廃棄物の焼却を不要にして(CO排出量の低減)地球温暖化防止を図ると伴に、メンテナンス性に優れた中間転写装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る中間転写装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示される中間転写ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示される中間転写ベルト駆動ローラの概略構成を示す正面図である。
【図4】図3に示される中間転写ベルト駆動ローラと蛇行防止部材との嵌合部分を示す斜視図である。
【図5】図5(a)は中間転写ベルト駆動ローラを示す側面図であり、図5(b)は蛇行防止部材を示す側面図である。
【図6】図6(a)は中間転写ベルト駆動ローラの外周面に形成されたローレット目を示す正面図であり、図6(b)はローレット目の変形例を示す正面図である。
【図7】通電剥離性接着剤層の剥離方法を示す模式図である。
【図8】実施例で用いた中間転写ベルト駆動ローラの概略構成を示す正面図である。
【図9】図9(a)は、本発明に係る中間転写ユニットを備えた画像形成装置で形成した画像サンプルであり、図9(b)は、従来の中間転写ユニットを備えた画像形成装置で形成した画像サンプルである。
【図10】従来の中間転写ベルト駆動ローラの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る中間転写装置の実施形態の一例について、図1〜図7を参照して説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る中間転写装置を画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0039】
〔画像形成装置の構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る中間転写ユニット6を備えた画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。図1に示されるように、画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録シートに対して多色または単色の画像を形成するものであり、装置本体110と自動原稿処理装置120とにより構成されている。
【0040】
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、および、排紙トレイ91などを有して構成されている。
【0041】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。
【0042】
自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、自動原稿処理装置120は、矢印Mの方向に回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上部を開放することにより原稿を手置きすることができるように構成されている。
【0043】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けらており、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの何れかに設定されて4つの画像ステーションが構成されている。
【0044】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示されるようなチャージャ型のほか、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0045】
露光ユニット1は、レーザ出射部および反射ミラーなどを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1には、レーザ光を走査するポリゴンミラーと、当該ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラーなどの光学要素が配置されている。なお、露光ユニット1としては、このほかにも、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用することができる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。
【0046】
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。
【0047】
また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
【0048】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ(支持ローラ・駆動ローラ)62、中間転写ベルト従動ローラ(支持ローラ・従動ローラ)63、中間転写ローラ64、および、中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0049】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、および、中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を懸架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを中間転写ベルト61に与える。
【0050】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を順次的に重ねて転写されることで、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。
【0051】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8mm以上、10mm以下の金属(例えば、ステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM,発泡ウレタンなど)により覆われているローラ部材である。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では、転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0052】
上述したように、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト61の回転によって、記録シートと中間転写ベルト61との接触位置に配置される転写ローラ10によって記録シート上に転写される。
【0053】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10とは所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを記録シートに転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属など)とし、他方を弾性ローラなどの軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラなど)とされる。本実施形態では、中間転写ベルト駆動ローラ62を硬質材料で構成している。
【0054】
また、感光体ドラム3に接触することによって中間転写ベルト61に付着したトナー、或いは、転写ローラ10によって記録シート上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように構成されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられている。また、当該クリーニングブレードと中間転写ベルト61とが接触する位置において、中間転写ベルト61は裏側から中間転写ベルト従動ローラ63に懸架されている。なお、中間転写ユニット6の詳細については後述する。
【0055】
給紙カセット81は、画像形成に使用する記録シートを蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する記録シートを置くことができる。一方、装置本体110の上部に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みの記録シートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0056】
また、装置本体110には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82の記録シートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81或いは手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7などが配されている。
【0057】
搬送ローラ12a〜12dは、記録シートの搬送を促進・補助するための小型のローラ部材であり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から記録シートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から記録シートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0058】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている記録シートを一旦保持するものである。そして、中間転写ベルト61上のトナー像の先端と記録シートの先端とを合わせるタイミングで記録シートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0059】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71および加圧ローラ72は、記録シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ71は、温度検出器(図示省略)からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ72と共にトナーを記録シートに熱圧着することにより、記録シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、記録シートに対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0060】
次に、記録シート搬送経路について詳細に説明する。上述したように、画像形成装置100には予め記録シートを収納する給紙カセット81および手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81および手差し給紙カセット82から記録シートを給紙するために、各ピックアップローラ11a,11bが配置され、記録シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに導くようになっている。
【0061】
給紙カセット81および手差し給紙カセット82から搬送される記録シートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端とを整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、記録シート上に画像情報が書き込まれる。その後、記録シートは定着ユニット7を通過することによって記録シート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0062】
上記の記録シート搬送経路は、記録シートに対する片面印字が要求されたときのものであるが、これに対して両面印字が要求されたときは、上述したように片面印字が終了し定着ユニット7を通過した記録シートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録シートを搬送ローラ12c,12dに導く。そして、その後レジストローラ13を経て記録シート裏面に印字が行われた後、記録シートが排紙トレイ91に排出される。
【0063】
〔中間転写ユニットの構成〕
次に、図2〜図7を参照して、画像形成装置100が備える中間転写ユニット6の構成について説明する。図2は、中間転写ユニット6の概略構成を示す斜視図である。なお、図2では、中間転写ローラ64および中間転写ベルトクリーニングユニット65を便宜上省略している。
【0064】
図2に示されるように、中間転写ユニット6は、中間転写ベルト駆動ローラ62および中間転写ベルト従動ローラ63に中間転写ベルト61が回転可能に懸架されており、中間転写ベルト駆動ローラ62と中間転写ベルト従動ローラ63とは略平行に配置されている。
【0065】
中間転写ベルト61は、ポリイミド樹脂やポリアミド樹脂からなる無端状のベルトである。本実施形態では、中間転写ベルト61は、ポリイミド樹脂を基体として用いており、ポリイミド樹脂の厚さが80μm、体積抵抗率が1010Ω・cm、表面抵抗率が1010Ω・cmである。また、中間転写ベルト61は、ポリイミド樹脂の外周面に弾性層が設けられており、さらに弾性層の外周面にフッソ樹脂がコーティングされてPTFE(テフロン(登録商標))コート層が設けられている。
【0066】
弾性層には、CRゴム、ウレタンゴムなどを使用し、その厚みは、100μm以上、300μm以下である。弾性層の厚みが100μm未満では、変形し易く弾性に劣り、記録シート表面の凹凸を吸収できなくなるため、転写性が低下する。一方、弾性層の厚みが300μm超では、中間転写ベルト61の周速に影響を及ぼし、直線走行時と、中間転写ベルト駆動ローラ62および中間転写ベルト従動ローラ63の曲率部分とにおいて周速バランスが悪くなるため、結果的に画像の転写ズレや記録シートの搬送不良を起こす。従って、弾性層の厚みは、100μm以上、300μm以下であることが好ましい。
【0067】
また、弾性層の表面に設けられたPTFE(テフロン)コート層は、約10μmの厚みで設けられており、これにより、トナーや紙粉の融着を低減することができる。
【0068】
中間転写ベルト駆動ローラ62は、円筒形状のローラ部材であり、回転駆動を行うことで、中間転写ベルト61を従動回転させる。中間転写ベルト駆動ローラ62は、金属などの導電性材料(第1の導電性材料)から構成されており、本実施形態では、SUS(ステンレス鋼)を用いている。これにより、中間転写ベルト駆動ローラ62の中間転写ベルト61に対する耐摩耗性および耐腐食性(錆)を向上させることができる。
【0069】
中間転写ベルト従動ローラ63は、中間転写ベルト駆動ローラ62と略同一の長さを有する円筒形状のローラ部材である。中間転写ベルト従動ローラ63は、中間転写ベルト駆動ローラ62と同様に、導電性材料(第1の導電性材料)から構成されており、本実施形態では、SUSを用いている。これにより、中間転写ベルト従動ローラ63の中間転写ベルト61に対する耐摩耗性や耐腐食性(錆)を向上させることができる。
【0070】
図3は、中間転写ベルト駆動ローラ62の概略構成を示す正面図である。図3に示されるように、中間転写ベルト駆動ローラ62には、中間転写ベルト駆動ローラ62を軸方向に貫通するシャフト(回転軸)66が挿入され、また、中間転写ベルト駆動ローラ62の軸方向両端部には、中間転写ベルト61の蛇行を防止する蛇行防止部材67がそれぞれ設けられている。
【0071】
シャフト66は、中間転写ベルト駆動ローラ62を軸方向に貫通する棒状部材であり、モータなどから構成される駆動手段(図示省略)によって回転駆動を行うことで、中間転写ベルト駆動ローラ62を回転駆動させる。シャフト66は、中間転写ベルト駆動ローラ62と同様に、導電性材料(第1の導電性材料)から構成されており、本実施形態では、SUSを用いている。
【0072】
蛇行防止部材67は、一方の端面に中間転写ベルト駆動ローラ62の端部と嵌合可能な凹部67aが形成された断面コの字型の円柱部材であり、凹部67aに中間転写ベルト駆動ローラ62の端部を挿入することにより中間転写ベルト駆動ローラ62の端部に嵌合している。各蛇行防止部材67は、中間転写ベルト駆動ローラ62の端面及び外周面62aの縁部を覆って中間転写ベルト駆動ローラ62に嵌合しており、中間転写ベルト61は、中間転写ベルト駆動ローラ62を挿んで対向する蛇行防止部材67の間に配置される。これにより、蛇行防止部材67によって、中間転写ベルト61を中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aの所定領域内に保持することが可能となるため、中間転写ベルト61の蛇行を防止することができる。
【0073】
ここで、外周面62aを覆う蛇行防止部材67の周面の厚みは、中間転写ベルトの厚みよりも大きいことが好ましい。これにより、中間転写ベルト61が蛇行防止部材67を乗り上げることを抑制し、中間転写ベルト61の蛇行を効果的に防止することができる。
【0074】
また、蛇行防止部材67は、金属などの導電部材(第2の導電部材)から構成されており、例えば、真鋳、SUS、アルミ、または、表面コーティング(例えば、無電界ニッケルメッキやユニクロメッキ)された鉄などを用いることができる。これにより、後述する通電剥離性接着剤による接着性および剥離性を向上させることができる。特に、真鋳または表面コーティング(例えば、無電界ニッケルメッキやユニクロメッキ)された鉄により蛇行防止部材を構成することが好ましく、コストを低減することができる。なお、図示されていないが、中間転写ベルト駆動ローラ62と同様に、中間転写ベルト従動ローラ63にも、中間転写ベルト従動ローラ63を軸方向に貫通するシャフト66が挿入され、また、中間転写ベルト従動ローラ63の軸方向両端部には、蛇行防止部材67がそれぞれ設けられている。
【0075】
また、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aには、ローレット加工が施されている。これにより、中間転写ベルト駆動ローラ62が中間転写ベルト61を回転駆動させる際のスリップを抑制して、中間転写ベルト駆動ローラ62と中間転写ベルト61とを等速回転させることができる。また、中間転写ベルト61の蛇行をより効果的に防止することができる。
【0076】
図4は、中間転写ベルト駆動ローラ62と蛇行防止部材67との嵌合部分を示す斜視図である。図4に示されるように、蛇行防止部材67の他方の端面には、シャフト66を挿入可能な貫通孔67bが形成されており、貫通孔67bは一方の端面に形成された凹部67aに連通している。蛇行防止部材67は、貫通孔67bにシャフト66を貫通させた状態で設けられ、中間転写ベルト駆動ローラ62の端部に嵌合している。
【0077】
ここで、本実施形態では、貫通孔67bの内周面とシャフト66の外周面との間に、通電剥離性接着剤からなる通電剥離性接着剤層(通電剥離性接着剤)68が設けられており、通電剥離性接着剤層68によって、蛇行防止部材67とシャフト66とが接着されている。通電剥離性接着剤とは、電流を流すことによって接着強度が低下して被着体(被接着物)と接着剤との界面が剥離する特性を有する接着剤である。本実施形態では、通電剥離性接着剤として、太陽金網株式会社製のエレクトリリースE4(非特許文献1参照)を用いた。この通電剥離性接着剤は、接着剤を介して接着された第1被着体と第2被着体との間に5V以上、50V以下の直流電圧を10秒から数分程度印加すると、陽極側の被着体と接着剤との界面で電気化学反応が生じて接着強度が低下し、陽極側の被着体と接着剤との界面が剥離する性質を有している。この際、第1被着体と第2被着体との間に流れる電流は、常温環境下においては、電圧印加開始直後の5mA/cm以上の状態から数秒程度で1mA/cm程度に減少し、数分経過後には0.1mA/cm程度で略一定になる。また、両被着体に印加する電圧の極性を入れ替えて同様の処理を行うことにより、接着剤の両面、すなわち第1被着体と接着剤との界面および第2被着体と接着剤との界面の両方を剥離させることができる。また、剥離後の母材表面に接着層が残らず、剥離時の発ガスや発熱も生じないという特性を有している。
【0078】
このように、蛇行防止部材67とシャフト66とを、通電剥離性接着剤層68によって強固に接着することにより、シャフト66と蛇行防止部材67とを等速回転させることができる。このため、従来のような、シャフト66と蛇行防止部材67との摺動磨耗による蛇行防止部材67のガタツキの発生を抑制することができるので、中間転写ベルト61の蛇行を長期に亘って安定して防止することができる。
【0079】
また、貫通孔67bの内周面とシャフト66の外周面との間に、通電剥離性接着剤層68を設けることにより、貫通孔67bの内周面とシャフト66の外周面との間に、トナーや紙粉などが侵入することを完全に防止することができる。このため、従来のように、蛇行防止部材67とシャフト66との間に侵入したトナーや紙粉などを定期的に除去する必要がなく、メンテナンス性を向上させることができる。さらに、従来のように、剥離紙などの廃棄物を排出することもない。
【0080】
なお、本実施形態では、通電剥離性接着剤層68を、貫通孔67bの内周面とシャフト66の外周面との間に設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト駆動ローラ62と蛇行防止部材67の凹部67aとの当接面に通電剥離性接着剤層68を設けてもよい。これにより、中間転写ベルト駆動ローラ62の端部に蛇行防止部材67を確実に取り付けることが可能である。また、電圧を印加することによって簡単に剥離可能であるため、メンテナンス性が低下することもない。
【0081】
図5(a)は中間転写ベルト駆動ローラ62を示す側面図であり、図5(b)は蛇行防止部材67を示す側面図である。図5(a)に示されるように、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aには、ローレット加工が施されている。これにより、中間転写ベルト61のスリップを効果的に抑制することができるため、中間転写ベルト駆動ローラ62と中間転写ベルト61とを等速回転させることが可能となる。
【0082】
また、図5(b)に示されるように、蛇行防止部材67の凹部67aの内周面には、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aに対応したローレット加工が施されている。なお、本実施形態では、ローレット目は平目状に軽視されており、位置合わせを行うことで、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aに蛇行防止部材67の凹部の内周面を嵌合可能なように構成されている。
【0083】
これにより、中間転写ベルト駆動ローラ62と、蛇行防止部材67と、中間転写ベルト61とを等速回転させることが可能となり、中間転写ベルト61と蛇行防止部材67との摺動磨耗が抑制されるため、中間転写ベルト61および蛇行防止部材67の交換周期を長期化することができる。
【0084】
図6(a)は中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aに形成されたローレット目を示す正面図であり、図6(b)はローレット目の変形例を示す正面図である。図6(a)に示されるように、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aには、平目状のローレット目が形成されている。ここで、ローレットとは、主に、円柱形などの丸物の外周面にギザギザのローレット目を付けることであり、滑り止めの役割として用いられることが一般的に知られている。
【0085】
ローレット加工には、主に、切削加工によってローレット目を形成する切削式と、専用のローレット工具(ナーリング工具)を被加工物の表面に強く押し当てて表面を押し潰し、塑性変形させることによってローレット目に仕上る転造式との二通りの加工方法を用いることができる。
【0086】
中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aに施されるローレット加工は、JISB0951にて規定されているものを好適に用いることができる。すなわち、図6(a)に示されるような平目状のローレット目に加工されてもよく、或いは、図6(b)に示されるようなアヤ目状のローレット目に加工されてもよい。なお、ローレット加工についてはは、非特許文献2に詳細に説明されている。
【0087】
図7は、通電剥離性接着剤層68の剥離方法を示す模式図である。図7に示されるように、通電剥離性接着剤層68を剥離する場合、電源装置Pを用いて、シャフト66と蛇行防止部材67との間に、例えば、50Vの直流電圧を10秒から数分程度印加する。これにより、プラス端子側の蛇行防止部材67と通電剥離性接着剤層68との界面で電気化学反応が生じて接着強度が低下し、蛇行防止部材67と通電剥離性接着剤層68との界面を剥離することができる。なお、印加する電圧の極性を入れ替えて同様の処理を行うことにより、蛇行防止部材67と通電剥離性接着剤層68との界面、および、シャフト66と通電剥離性接着剤層68との界面の両方を剥離させることができる。なお、本実施形態では、電源装置Pとしては、例えば、ワイドレンジ直流電源(kikusui electronics corp製 PWR400L)を用いることができる。
【0088】
このように、通電剥離性接着剤層68は、電圧を印加することによって簡単に剥離することができるため、部品単位の交換、或いは、清掃などのメンテナンスが容易となる。
【0089】
〔キャリアの特性〕
次に、本実施形態に係る画像形成装置100に好適に使用することができるキャリアの特性について説明する。
【0090】
本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアの体積基準の50%粒径(D50)は、好ましくは15μm以上、70μm以下であり、より好ましくは25μm以上、60μm以下であり、さらに好ましくは30μm以上、55μm以下である。
【0091】
キャリアの体積基準の50%粒径が15μm未満の場合、現像器2内部の現像スリーブ上での穂立ちが均一で密になる反面、磁気ブラシチェーンが短く、感光体ドラム3と現像スリーブとの間隙を微小(例えば、0.1mm以上、0.3mm以下)に設定する必要があるため、非常に高価な現像器2を必要とする。さらに、現像剤の流動性が悪化し、補給トナーの帯電の立ち上がりが悪化する傾向にある。また、キャリアの体積基準の50%粒径が15μm未満の場合、感光体ドラム3とキャリアとの鏡像電荷によりキャリアが付着しやすく、現像スリーブ上への安定的なトナー層形成を阻害したり、感光体ドラム3に微小なキズをつける場合がある。
【0092】
一方、キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が70μm超である場合、磁性による現像剤の穂立ちが長く、この穂による現像剤の掃きムラ(均一な磁気ブラシチェーンが形成されにくく、表面が粗になる)が生じるため画質が悪化する傾向にある。また、キャリアの比表面積が小さく、トナーに十分な帯電を付与することができなくなり、磁気ブラシチェーンも剛直になりやすくなるために、現像スリーブ上の現像剤層でムラが生じたり、良好な画像が得られない場合もある。
【0093】
従って、本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアの体積基準の50%粒径(D50)は、15μm以上、70μm以下であることが好ましい。
【0094】
また、本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアの真比重は、3.0g/cm以上、3.8g/cm以下であることが好ましい。この範囲の真比重を有するキャリアを含む二成分系現像剤は、撹拌混合されてもトナーにかかる負荷が少なく、キャリアのトナースペントが抑制される。さらに、該キャリアは現像スリーブ上に良好なトナー層を形成するとともに、現像スリーブや感光体ドラム3に付着した場合でも、感光体ドラム3への傷をつけにくくなるため好ましい。また、補給用現像剤として、トナーとキャリアとを混合して補給使用する場合に、現像剤の補給安定性を良好にすることができる。
【0095】
なお、キャリアの真比重は、材料種、材料組成比、コア製造時の焼成温度などの製造条件を調整することによって調製することができる。
【0096】
従って、本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアの真比重は、3.0g/cm以上、3.8g/cm以下であることが好ましい。
【0097】
また、本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアは、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さは、好ましくは40Am/kg以上、70Am/kg以下であり、より好ましくは50Am/kg以上、70Am/kg以下であり、さらに好ましくは55Am/kg以上、65Am/kg以下である。
【0098】
このような範囲の磁化の強さ(σ1000)を有するキャリアでは、現像スリーブや感光体ドラム3への付着が抑制されるので、当該キャリアを含む二成分系現像剤の耐久使用性を高めることができる。
【0099】
磁化の強さ(σ1000)が70Am/kg超の場合、現像剤磁気ブラシチェーン中でトナーへ与えるストレスが大きく、トナーを劣化させやく、また、トナースペントを受けやすいことがある。
【0100】
一方、磁化の強さ(σ1000)が40Am/kg未満である場合、現像スリーブへの磁気的拘束力が弱いため、略球形キャリアであっても現像スリーブや感光体ドラム3に付着しやすく、地肌かぶり取りの電圧のラティチュードを狭めることがある。
【0101】
従って、本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアは、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さは、40Am/kg以上、70Am以下であることが好ましい。
【0102】
なお、キャリアの磁化の強さは、含有される磁性体の種類および量を適宜選択することにより、調整され得る。また、キャリアの磁化の強さは、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて、以下の手順で測定することができる。円筒状のプラスチック容器にキャリアを十分に密に充填し、一方で1000/4π(kA/m)(1000エルステッド)の外部磁場を作り、この状態で容器に充填されたキャリアの磁化モーメントを測定する。さらに、該容器に充填したキャリアの実際の質量を測定して、キャリアの磁化の強さ(Am/kg)を求める。
【0103】
また、本実施形態に係る画像形成装置100に使用するキャリアのキャリアコアとしては、ポーラス形状であり、フェライトを含有するものが生産性に優れることから好ましい。フェライトを含有するキャリアコアは樹脂含有量を多くし低比重化しても、ポーラス形状であるキャリアコアの孔に樹脂が含浸されるので、添加した樹脂層とを用いたキャリアコアの密着性が高まり好ましい。ここでいうポーラス形状を有するキャリアコアとはコアの内部もしくは表層に空孔を有するコアを意味する。その製法としては、焼成時の温度を下げて結晶の成長をおさえること、或いは発泡剤などの空孔形成剤を添加しコアに空孔を発生させることなどが挙げられる。
【0104】
〔トナーの特性〕
次に、本実施形態に係る画像形成装置100に好適に使用することができるトナーの特性について説明する。
【0105】
本実施形態に係る画像形成装置100に使用するトナーは透明トナーを含んでもよい。記録シート表面の凹凸の影響を少なくして、より少ない有色トナー量で色再現性や光沢性を向上させる目的で、記録シート表面に透明トナーを担持させ、その上に有色トナーを重ね合わせることで、より光精細な有色トナー画像を得ることができる。透明トナーで先に記録シートをラミネートして、記録シート表面の凹凸を除去するものである。
【0106】
透明トナーとしては、光透過性が高く、着色剤が実質的に入らない樹脂からなる、個数平均粒径1μm以上、25μm以下のもので、実質的に無色であり、少なくとも可視光を実質的に散乱することなく透過する粒子を好適に用いることができる。
【0107】
また、必要に応じて、任意の成分を添加することができる。例えば、ワックス類、脂肪酸、または脂肪酸の金属塩を添加すると、透明トナーが定着時に熱溶融する際、均一被膜が形成され易い。このため、透明性が向上し、表面光沢に優れたカラー画像が得られる。また、熱ロールによる定着時には、オフセットを防止する効果を発揮することもできる。それ以外にも、トナーの流動性や帯電付与性を確保する目的で、シリカ、アルミナ、チタニア、または有機樹脂粒子などを外添剤として添加することができる。
【0108】
また、本実施形態に係る画像形成装置100に使用する有色トナーは、ブラック、シアン、マゼンタ、および、イエローの4色の画像を形成するものであるが、特にこれら4色に限定せず、例えば、シアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより薄い特性をもつライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(Lm)を加えた6色であってもよい。個数平均粒径が1μm以上、25μm以下のものを好適に用いることができる。
【0109】
本実施形態に係る画像形成装置100に使用する有色トナーの、転写画像の画像面積率100%の画像領域におけるトナー重量は、0.20mg/cm以上、0.40mg/cm以下であることが好ましく、プロセスブラック(イエロー、シアン、マゼンタの3色重ね合わせた状態をいう)の転写画像である場合には、転写画像の画像面積率100%の画像領域におけるトナー重量が、0.6mg/cm以上、1.2mg/cm以下であることが好ましい。
【0110】
トナー重量が0.20mg/cm未満の場合、充分な画像濃度が得られない。一方、トナー重量が0.40mg/cm超の場合、感光体ドラム3への現像トナー量が多量に必要となり、トナー消費量が多くなって感光体ドラム3から中間転写ベルト61へトナーを転写する際に転写効率が低下する場合があり、余分なトナーを必要とする場合がある。
【0111】
本実施形態に係る画像形成装置100に使用する有色トナーの、転写画像の画像面積率100%の画像領域におけるトナー重量は、0.20mg/cm以上、0.40mg/cm以下であることが好ましい。
【0112】
なお、トナーは通常の製造方法、例えば、粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、エステル伸張重合法などを用いることができる。
【0113】
以上のような特性を有するキャリアおよびトナーを使用することにより、画像形成装置100により形成される画像の画質を向上させ、また、画像形成装置100のメンテナンス性を向上させることができる。なお、上述した説明は、画像形成装置100に好適に使用することができるキャリアおよびトナーの特性の一例について説明したものであり、画像形成装置100に使用可能なキャリアおよびトナーを限定するものではない。
【0114】
以上のように、本実施形態に係る中間転写ユニット6では、中間転写ベルト61は、中間転写ベルト駆動ローラ62および中間転写ベルト従動ローラ63の両端部にそれぞれ設けられた蛇行防止部材67の間に配置されており、蛇行防止部材67は、中間転写ベルト駆動ローラ62或いは中間転写ベルト従動ローラ63の端部に嵌合可能な凹部67aを有し、凹部67aに中間転写ベルト駆動ローラ62或いは中間転写ベルト従動ローラ63の端部を挿入することにより嵌合している。また、蛇行防止部材67とシャフト66とは導電性材料からなり、蛇行防止部材67とシャフトとは電圧を印加することによって被接着物との間で剥離が生じる通電剥離性接着剤層68によって接着されている。
【0115】
このため、蛇行防止部材67によって、中間転写ベルト61を中間転写ベルト駆動ローラ62および中間転写ベルト従動ローラ63の外周面の所定領域内に保持することが可能である。これにより、中間転写ベルト61の蛇行を防止して、安定してトナー像を記録シートに転写することができる。
【0116】
また、蛇行防止部材67とシャフト66とを等速回転させることが可能であり、従来のように、蛇行防止部材67とシャフト66とが摺動磨耗することによって、蛇行防止部材67にガタツキが生じることを抑制することができる。さらに、従来のように、剥離紙などの廃棄物を排出することもない。
【0117】
また、蛇行防止部材67とシャフト66との間にトナーや紙粉などが侵入することを完全に防止することができるため、従来のように、蛇行防止部材67とシャフト66との間に侵入したトナーや紙粉などを定期的に除去する必要がない。
【0118】
また、通電剥離性接着剤層68は、電圧を印加することによって簡単に剥離可能であるため、部品単位の交換、或いは、清掃などのメンテナンスが容易となる。
【0119】
以上のように、本実施形他によれば、不用な廃棄物の排出を抑制しつつ、メンテナンス性に優れた中間転写ユニット6を実現することができる。
【0120】
〔変形例〕
本実施態では、中間転写ベルト駆動ローラ62をSUSで構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト駆動ローラ62を、金属芯金とスポンジ層とソリッド層との3層で構成してもよい。
【0121】
スポンジ層は、例えば、ニトリルゴム(NBR)とヒドリンゴム(ECO)とを用いて厚さ4mm以上、5mm以下に形成されたスポンジ組織の弾性層である。
【0122】
ソリッド層は、例えば、ニトリルゴム(NBR)とヒドリンゴム(ECO)とを用いて厚さ1mm以上、2mm以下に形成された固体組織の弾性層である。
【0123】
なお、3層で構成された中間転写ベルト駆動ローラ62の場合、2000Vを印加して電流計により電流を検知したときの金属芯金からソリッド層までの抵抗は、1E6Ω以上、1E9Ω以下であることが好ましい。また、硬度は、荷重9.8N下にて測定したアスカーC硬度で30度以上、45度以下であることが好ましい。
【0124】
これにより、中間転写ベルト61に適度な張力を与えることができ、中間転写ベルト61とのスリップを抑制して、円滑な回転駆動を中間転写ベルト61に与えることができる。
【0125】
また、中間転写ベルト駆動ローラ62とシャフト66とを1つの部材として構成してもよい。これにより、中間転写ベルト駆動ローラ62およびシャフト66の製造工程を削減することができ、また、中間転写ベルト駆動ローラ62とシャフト66とを確実に等速回転させることができる。
【0126】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0127】
本発明の中間転写装置に関する実施例について、図8および図9を参照して説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0128】
〔中間転写ユニットの構成〕
図8は、本実施例で用いた中間転写ベルト駆動ローラ62の概略構成を示す正面図である。図8に示されるように、本実施例では、中間転写ベルト駆動ローラ62および中間転写ベルト従動ローラ63には、直径φ20mmのものを使用し、シャフトには、直径φ8mmのものを使用した。また、中間転写ベルト駆動ローラ62の両端部に取り付けられた蛇行防止部材67には外周面の直径φ28mm、幅10mm、その嵌め込み寸法は5mmのものを使用した。対向する蛇行防止部材67の間隔は315mmであり、中間転写ベルト従動ローラ63も同様の寸法ものを使用した。
【0129】
また、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aには、図6(a)に示される平目状のローレット目を形成し、蛇行防止部材の凹部67aの内周面にも、対応する平目状のローレット目を形成した。
【0130】
中間転写ベルト61には、幅313mm、厚さ約390μmのものを使用した。このため、蛇行防止部材67と中間転写ベルトの端面との間隔は各1mmずつであり、中間転写ベルト61の画像領域の幅は297mmである。また、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aを覆う蛇行防止部材67の外周面と、中間転写ベルト61の外周面との高さの差は約1.6mmである。このように、中間転写ベルト駆動ローラ62の外周面62aを覆う蛇行防止部材67の外周面の高さを、中間転写ベルト61の外周面の高さに対して充分に大きくすることにより、蛇行防止部材67への中間転写ベルト61の乗り上げを抑制し、中間転写ベルト61の蛇行を防止することができる。
【0131】
図9(a)は、本実施例に係る中間転写ユニット6を備えた画像形成装置で形成した画像サンプルであり、図9(b)は、従来の中間転写ユニットを備えた画像形成装置で形成した画像サンプルである。なお、本実施例では、画像形成装置に、シャープ製複合機MX−5001FN(毎分50枚/A4横通紙)を毎分60枚/A4横通紙(プロセス速度360mm/sec)に改良したものを用いた。図9(a)および図9は、それぞれ、1万枚の複写試験を行った後のコピーサンプルである。
【0132】
図9(a)に示されるように、本実施例の中間転写ユニット6を備えた画像形成装置で形成した画像サンプルでは、画像両端部においても異常はなく、良好な画像を得ることができた。
【0133】
一方、本実施例の中間転写ユニット6に代えて、特許文献1に開示されているように、蛇行防止部材を中間転写ベルトの裏面に貼付け、中間転写ベルト駆動ローラと中間転写ベルト従動ローラとに設けられたガイド溝に当該蛇行防止部材を走らせる構成の中間転写ユニットを備えた画像形成装置で形成した画像サンプルでは、図9(b)に示されるように、画像右側に画像欠けが発生した。
【0134】
以上により、本実施例に係る中間転写ユニット6では、従来の中間転写ユニットに比べて、中間転写ベルト61の蛇行が長期に亘り安定して防止されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、画像形成装置に備えられる中間転写装置に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0136】
6 中間転写ユニット(中間転写装置)
61 中間転写ベルト
62 中間転写ベルト駆動ローラ(支持ローラ・駆動ローラ)
62a 外周面
63 中間転写ベルト従動ローラ(支持ローラ・従動ローラ)
66 シャフト(回転軸)
67 蛇行防止部材
67a 凹部
67b 貫通孔
68 通電剥離性接着剤層(通電剥離性接着剤)
100 画像形成装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの支持ローラと、
前記支持ローラに回転可能に懸架された中間転写ベルトと、
前記支持ローラの回転軸に設けられ、それぞれが当該支持ローラの端部を覆うことにより、前記中間転写ベルトの蛇行を防止する蛇行防止部材とを備え、
前記中間転写ベルトの表面に形成されたトナー像を、記録用紙へ転写する中間転写装置において、
前記中間転写ベルトは、前記支持ローラを挿んで対向する前記蛇行防止部材の間に配置されており、
前記蛇行防止部材は、前記支持ローラの端部に嵌合可能な凹部を有し、当該凹部に当該前支持ローラの端部を挿入することにより当該支持ローラの端部に嵌合しており、
前記蛇行防止部材と前記回転軸とは導電性を有し、少なくとも当該蛇行防止部材と当該回転軸とは電圧を印加することによって被接着物との間で剥離が生じる通電剥離性接着剤によって接着されていることを特徴とする中間転写装置。
【請求項2】
前記回転軸は、第1の導電性材料からなり、
前記蛇行防止部材は、第2の導電性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の中間転写装置。
【請求項3】
前記支持ローラは、前記第1の導電性材料からなり、
上記凹部と上記支持ローラの端部とは、上記通電剥離性接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項2に記載の中間転写装置。
【請求項4】
前記第1の導電性材料は、ステンレス鋼であり、
前記第2の導電性材料は、真鋳、ステンレス鋼、アルミ、または、表面コーティングされた鉄であることを特徴とする請求項2または3に記載の中間転写装置。
【請求項5】
前記支持ローラは、前記中間転写ベルトに回転駆動を付与する駆動ローラと、前記中間転写ベルトの回転に伴って従動回転する従動ローラとを含み、
前記駆動ローラの外周面は、ローレット加工が施されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の中間転写装置。
【請求項6】
前記凹部の内周面は、前記駆動ローラの外周面に対応するローレット加工が施されていることを特徴とする請求項5に記載の中間転写装置。
【請求項7】
前記支持ローラの外周面を覆う前記蛇行防止部材の周面の厚みは、前記中間転写ベルトの厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の中間転写装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の中間転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−53212(P2012−53212A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194790(P2010−194790)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】