説明

丸編地および繊維製品

【課題】優れた染色堅牢性を有する丸編地および繊維製品を提供すること。
【解決手段】特定の共重合ポリエステル繊維からなる糸条を用いて丸編地を得た後、必要に応じてカチオン染料を用いて染色加工を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた染色堅牢性を有する丸編地および繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、丸編地はストレッチ性、フィット性に優れるため、インナーウエアー、アウターウエアー、スポーツウエアーなど巾広い分野で使用されている(例えば、特許文献1参照)。また、丸編地を構成する繊維としてはポリエチレンテレフタレート繊維などが広く用いられている。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる丸編地はストレッチ性に優れるものの、染色堅牢性の点で充分とはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−328567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた染色堅牢性を有する丸編地および繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の共重合ポリエステル繊維を用いて丸編地を得た後、カチオン染料を用いて染色加工を施すと、優れた染色堅牢性を有する丸編地が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして、本発明によれば「共重合ポリエステル繊維からなる糸条を含む丸編地であって、前記共重合ポリエステル繊維が、共重合成分として、酸成分中にスルホイソフタル酸の金属塩(A)および下記式(I)で表される化合物(B)を下記数式(1)および(2)を同時に満足するよう含有し、共重合ポリエステルのガラス転移温度が70〜85℃の範囲内にあり、かつ共重合ポリエステルの固有粘度が0.55〜1.00dL/gの範囲内にある共重合ポリエステルからなる共重合ポリエステル繊維であることを特徴とする丸編地。」が提供される。
【0007】
【化1】

[上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10個のアルキル基を表し、Xは4級ホスホニ
ウムイオン又は4級アンモニウムイオンを表す。]
3.0≦A+B≦5.0 (1)
0.2≦B/(A+B)≦0.7 (2)
[上記数式中、Aは共重合ポリエステルを構成する全酸成分を基準とするスルホイソフタ
ル酸の金属塩(A)の共重合量(モル%)、Bは共重合ポリエステルを構成する全酸成分
を基準とする上記式(I)で表される化合物(B)の共重合量(モル%)を表す。]
【0008】
その際、前記共重合ポリエステル中のジエチレングリコール含有量が2.5重量%以下であることが好ましい。また、前記スルホイソフタル酸の金属塩(A)が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸または5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルであることが好ましい。また、上記式(I)で表される化合物(B)が、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウムまたは5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラブチルホスホニウムであることが好ましい。また、前記糸条の引張り強度が3.0cN/dtex以上であることが好ましい。また、前記糸条の単繊維繊度が0.1〜2.0dtexの範囲内であり、かつ総繊度が5〜50dtexの範囲内であることが好ましい。また、丸編地が、厚みが0.4mm以下の単層丸編地であることが好ましい。また、編地のニードルループ数が5000個/(2.54cm)以上であることが好ましい。
【0009】
ただし、編地のニードルループ数とは、2.54cmあたりのコース数(コース/2.54cm)と、2.54cmあたりのウエール数(ウエール/2.54cm)とをかけ算した値である。
【0010】
本発明の丸編地において、カチオン染料を用いて常圧で染色加工を施していることが好ましい。また、よこ方向のストレッチ回復性が80%以上であることが好ましい。また、抗スナッギング性が3級以上であることが好ましい。
【0011】
また、本発明によれば、前記の丸編地を用いてなる、インナーウエアー、アウターウエアー、およびスポーツウエアーからなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、優れた染色堅牢性を有する丸編地および繊維製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の丸編地において、採用することのできる天竺組織の編組織を示す図である。
【図2】ストレッチ回復性を測定する際に描かれる荷重−伸長曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される共重合ポリエステルとは、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール成分とを重縮合反応せしめて得られるエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とする共重合ポリエステルであり、共重合成分としてスルホイソフタル酸の金属塩(A)及び下記式(I)で表される化合物(B)を下記数式(1)及び(2)を同時に満足する状態で含有する共重合ポリエステルであり、該共重合ポリエステルのガラス転移温度が70〜85℃の範囲にあり、かつ得られる共重合ポリエステルの固有粘度が0.55〜1.00dL/gの範囲にあることを特徴とするポリエステルである。
【0015】
【化2】

[上記式中、Rは水素又は炭素数1〜10個のアルキル基を表し、Xは4級ホスホニウム
塩又は4級アンモニウム塩を表す。]
3.0≦A+B≦5.0 (1)
0.2≦B/(A+B)≦0.7 (2)
[上記数式中、Aは共重合ポリエステルを構成する全酸成分を基準とするスルホイソフタル酸の金属塩(A)の共重合量(モル%)、Bは共重合ポリエステルを構成する全酸成分を基準とする上記式(I)で表される化合物(B)の共重合量(モル%)を表す。]
【0016】
ここでテレフタル酸のエステル形成性誘導体とは、テレフタル酸の、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジヘキシルエステル、ジオクチルエステル、ジデシルエステル、若しくはジフェニルエステル又はテレフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジブロマイドを挙げる事ができるが、これらの中でもテレフタル酸ジメチルエステルが好ましい。
【0017】
(ポリエステルについて)
本発明におけるポリエステルとはエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルであり、主たる繰り返し単位とはポリエステルを構成する全繰り返し単位あたり80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることを指している。他の20モル%以下の範囲内で他の成分が共重合されていても良い。好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることである。その他の共重合成分としては、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸を挙げる事ができ、グリコール成分として1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビス(トリメチレングリコール)、ビス(テトラメチレングリコール)、トリエチレングリコール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げる事ができ、これらの1種以上のジカルボン酸と1種以上のグリコール成分を反応させて得られる成分を繰り返し単位として共重合されていても良い。
【0018】
(スルホイソフタル酸の金属塩(A)について)
本発明で使用されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)としては、5−スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩)が例示される。必要に応じてこれら化合物のマグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類塩を併用しても良い。また、これらのエステル形成性誘導体も好ましく例示される。エステル形成性誘導体としてはジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジヘキシルエステル、ジオクチルエステル、ジデシルエステル、ジフェニルエステル、5−スルホイソフタル酸金属塩のジハロゲン化物を挙げる事ができるが、これらの中でもジメチルエステルが好ましい。これらの化合物群の中では、熱安定性、コストなどの面から、5−スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩が好ましく例示され、特に5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジメチルエステルである5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルが特に好ましく例示される。これらの条件を満たす化合物である場合に、ポリエステル繊維とした場合の充分なカチオン可染性と充分な繊維強度の両立が可能となる。
【0019】
(化合物(B)について)
また、上記式(I)で表される化合物(B)としては、5−スルホイソフタル酸又はその低級アルキルエステルの4級ホスホニウム塩又は4級アンモニウム塩である。4級ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩としては、リン原子又は窒素原子にアルキル基、ベンジル基又はフェニル基が結合した4級ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩が好ましく、特に4級ホスホニウム塩であることが好ましい。また、4つある置換基は同一であっても異なっていても良い。上記式(I)で表される化合物の具体例としては、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸エチルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラメチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラエチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラブチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラフェニルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩、あるいはこれらイソフタル酸誘導体のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロプルエステル、ジブチルエステル、ジへキシルエステル、ジオクチルエステル、ジデシルエステルが好ましく例示される。これらのイソフタル酸誘導体の中でも、5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ジメチルベンジルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラメチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラエチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラブチルアンモニウム塩、5−スルホイソフタル酸ジメチルベンジルトリメチルアンモニウム塩がより好ましく例示される。これらの条件を満たす化合物である場合に、ポリエステル繊維とした場合の充分なカチオン可染性と充分な繊維強度の両立が可能となる。
【0020】
(数式(1)について)
本発明において、ポリエステルに共重合させる上記のスルホイソフタル酸の金属塩(A)と上記の化合物(B)の合計は共重合ポリエステルを構成する全酸成分を基準として、(A)成分と(B)成分の和A+Bが3.0〜5.0モル%の範囲である必要がある。3.0モル%より少ないと、常圧下でのカチオン染色では十分な染着を得ることができない。一方、5.0モル%より多くなると、得られるポリエステル糸の強度が低下するため実用に適さない。さらに染料を過剰に消費するため、コスト面でも不利である。好ましくは3.2〜4.8モル%であり、より好ましくは3.3〜4.7モル%である。
【0021】
(数式(2)について)
また、スルホイソフタル酸の金属塩(A)と化合物(B)の成分比は上記のモル%の値にて、B/(A+B)が0.2〜0.7の範囲にある必要がある。0.2以下、つまり成分Aの割合が多い状態では、スルホイソフタル酸金属塩による増粘効果により、得られる共重合ポリエステルの重合度を上げることが困難になる。一方、0.7以上、つまり化合物(B)の割合が多い状態では、重縮合反応が遅くなり、さらに化合物(B)の比率が多くなると熱分解反応が進むため重合度を上げることが困難となる。さらに、化合物(B)の比率多くなると共重合ポリエステルの熱安定性が悪化し、溶融紡糸段階で再溶融した際の熱分解反応による分子量の低下が大きくなるため、得られるポリエステル糸の強度が低下するため、好ましくない。好ましくは0.23〜0.65であり、より好ましくは0.
25〜0.60である。
【0022】
スルホイソフタル酸の金属塩(A)をポリエステルに共重合することによりカチオン可染性は付与する事ができるが、スルホン酸金属塩基間のイオン結合に由来すると思われる共重合ポリエステルの溶融粘度の増粘効果のため共重合ポリエステルを高重合度化することが困難であった。そのため十分に高い重合度、高い固有粘度を有する共重合ポリエステルが得られず、その高い固有粘度でない共重合ポリエステルから得られるポリエステル繊維は、繊維強度が著しく低下する問題があった。一方その問題を解消するためにスルホイソフタル酸のテトラアルキルアンモニウム塩又はスルホイソフタル酸のテトラアルキルホスホニウム塩、即ち化合物(B)をポリエステルに共重合することが開示されているが、当該化合物は重合反応中に熱分解を起こしやすいため、共重合量を上げようとすると熱分解反応が進みやすい問題があり、繊維強度を高い値にすることが依然として困難であった。本発明の共重合ポリエステルにおいては、これらのスルホイソフタル酸の金属塩(A)と化合物(B)を併用し、双方の化合物の共重合量、共重合比率、共重合ポリエステルのガラス転移温度及び固有粘度を特定の範囲に設定することによって、充分なカチオン染料による染色性と高い繊維強度を両立させ、且つ熱セット性が良好で捲縮を固定しやすいと言った物性をも同時に有する。この熱セット性が良好で捲縮を固定しやすいという物性をも有することは驚くべき事である。
【0023】
(ガラス転移温度について)
本発明の共重合ポリエステルは、DSC(示差走査熱量測定)法による測定方法(昇温
速度=20℃/min)でのガラス転移温度(Tg)が70〜85℃の範囲であることが肝要である。Tgが70℃以下の場合、溶融紡糸による得られたポリエステル繊維の熱セット性が悪化し、仮撚捲縮加工性が悪化し、撚りがかからない状態となるため、該共重合ポリエステルからなるポリエステル繊維から得られる布帛の風合いが悪化するおそれがある。ガラス転移温度を下げる方法としては、アジピン酸、セバシン酸、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどを共重合することで成されるが、本発明においてはこれら共重合成分が、上記のガラス転移温度の条件を満足する範囲であれば微量共重合されていても良い。Tgの好ましい値の範囲は71〜80℃である。
【0024】
通常、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度は70〜80℃くらいであることが知られているので、本発明において、共重合ポリエステルは、上述のように他の共重合成分が共重合されていても良いが、共重合した結果ガラス転移温度を著しく降下させる成分については共重合させることは好ましくない。ガラス転移温度を上記の値の範囲にするには、例えば上述の共重合ポリエステルの説明の項で挙げた共重合されても良い化合物の種類・共重合率を適宜調整して共重合させることを挙げる事ができる。
【0025】
(固有粘度について)
本発明の共重合ポリエステルの固有粘度(溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:35℃)は0.55〜1.00dL/gの範囲であることが肝要である。固有粘度が0.55dL/g以下である場合、得られるポリエステル繊維の強度が不足し、一方、1.00dL/g以上とする場合、溶融粘度が高くなりすぎて溶融成型が困難になるため好ましくなく、また、溶融重合法に引続いて固相重合法により共重合ポリエステルの重縮合工程での生産コストが大幅に増大するため好ましくない。共重合ポリエステルの固有粘度としては、0.60〜0.90dL/gの範囲がさらに好ましい。共重合ポリエステルの固有粘度を0.55〜1.00dL/gの範囲にするためには、溶融重合を行う際の最終の重合温度、重合時間を調整したり、溶融重合法のみでは困難な場合には固相重合を行って適宜調整することができる。本発明においては、スルホイソフタル酸の金属塩(A)及び化合物(B)を上記数式(1)及び(2)を満たすようにポリエチレンテレフタレートに対して共重合を行うことで上述のような手法により固有粘度を0.55〜1.00dL/gにすることが可能となる。
【0026】
(DEG含有量について)
本発明における共重合ポリエステルに含有されるジエチレングリコールは、2.5重量%以下であることが好ましい。より好ましくは2.2重量%以下、さらにより好ましくは1.85〜2.2重量%である。一般にカチオン可染性ポリエステルを製造する際には、ポリエステルの製造工程において副生するジエチレングリコール(DEG)量を抑制するために、DEG抑制剤として少量のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、水酸化テトラアルキルホスホニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアミンなどの少なくとも1種類を、使用するカチオン可染性モノマー(本発明の場合はスルホイソフタル酸の金属塩(A)及び化合物(B)の全モル量)に対して、1〜20モル%程度を添加することが好ましい。
【0027】
(共重合ポリエステルの製造方法について)
本発明における共重合ポリエステルの製造は特に限定されず、スルホイソフタル酸の金属塩(A)(以下化合物Aと略称することがある。)及び化合物(B)を請求項1に記載の条件を満たすように留意する他は、通常知られているポリエステルの製造方法が用いられる。すなわち、テレフタル酸とエチレングリコールの直接エステル化反応させる、あるいはテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸のエステル形成性誘導体とエチレングリコールとをエステル交換反応させて低重合体を製造する。次いでこの反応生成物を重縮合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることにより製造される。スルホイソフタル酸を含有する芳香族ジカルボン酸及び/又はそのエステル誘導体(スルホイソフタル酸の金属塩(A)及び化合物(B))を共重合する方法についても通常知られている製造方法を用いる事ができる。これらの化合物の反応工程への添加時期は、エステル交換反応又はエステル化反応の開始当初から重縮合反応の開始までの任意の時期に添加することができる。
【0028】
またエステル交換反応時の触媒についても通常のエステル交換反応を行う際に用いられる触媒化合物を用いる事ができる。重縮合触媒についても通常用いられるアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物を用いる事ができる。またチタン化合物と芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応生成物、チタン化合物とリン化合物の反応生成物を用いても良い。
【0029】
(その他添加剤について)
また、本発明における共重合ポリエステルは、必要に応じて少量の添加剤、例えば酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤又は艶消し剤などを含んでいても良い。特に酸化防止剤、艶消し剤などは特に好ましく添加される。
【0030】
(溶融紡糸について)
本発明における共重合ポリエステルの製糸方法は、特に制限は無く、従来公知の方法が採用される。すなわち、乾燥した共重合ポリエステルを270〜300℃の範囲で溶融紡糸して製造することが好ましく、溶融紡糸の引取り速度は300〜5000m/分で紡糸することが好ましい。紡糸速度がこの範囲にあると、得られるポリエステル繊維の強度も十分なものであると共に、安定して巻取りを行うこともできる。また、紡糸時に使用する口金の形状についても特に制限はなく、円形、扁平、くびれ付扁平、三角形・四角形等の多角形、3以上の多葉形、C型断面、H型断面、X型断面、中空断面のいずれであってもよい。
【0031】
溶融紡糸により得られた糸条において、糸条の引張り強度が3.0cN/dtex以上(好ましくは3.0〜5.0cN/dtex)であることが好ましい。なお、このような繊維強度を有する糸条は、前記のように共重合ポリエステルを紡糸、延伸することにより得られる。また、前記糸条の単繊維繊度が0.1〜2.0dtex(より好ましくは0.1〜0.9dtex)の範囲内であり、かつ総繊度が5〜50dtex(より好ましくは5〜40dtex)の範囲内であると、薄地の丸編地が得られ好ましい。
【0032】
前記糸条において、仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。仮撚捲縮加工の条件としては、糸条を第1ローラ、セット温度が90〜220℃(より好ましくは100〜190℃)の熱処理ヒータを経由して撚り掛け装置によって施撚し、必要に応じてさらに第2ヒーター域に導入して弛緩熱処理する方法が例示される。仮撚加工時の延伸倍率は、0.8〜1.5の範囲が好ましく、仮撚数は、仮撚数(T/m)=(32500/√Dtex)×αの式においてα=0.5〜1.5が好ましく、通常は0.8〜1.2位とするのがよい。用いる撚り掛け装置としては、デイスク式あるいはベルト式の摩擦式撚り掛け装置が糸掛けしやすく、糸切れも少なくて適当であるが、ピン方式の撚り掛け装置であってもよい。仮撚捲縮加工糸において、ストレッチ性の点で捲縮率が3%以上(好ましくは10〜45%)であることが好ましい。
【0033】
(丸編地の製造について)
前記の共重合ポリエステル繊維を用いて丸編地を製造する。その際、前記の共重合ポリエステル繊維だけで丸編地を構成してもよいが、他の繊維が丸編地に含まれていてもよい。かかる他の繊維としては、綿、麻、絹等の天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸などに代表されるポリエステル系繊維、ポリエーテルエステル系繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維が例示される。なかでも、ポリウレタン繊維やポリエーテルエステル系繊維などからなる弾性繊維糸条が丸編地に含まれていると、丸編地のストレッチ性がさらに向上し好ましい。
【0034】
また、丸編地の編組織は限定されないが天竺や、天竺の編組織で2種の糸条で複合ループを形成したプレーテイング天竺、その際、一種の糸条を弾性繊維糸条としたベア天竺などが好適に例示される。なかでも厚みが0.4mm以下の単層丸編地であることが好ましい。
【0035】
また、編地のニードルループ数が5000個/(2.54cm)以上であると、丸編地が伸張された際に組織ズレが発生しにくくなり、十分なストレッチ回復性が得られ好ましい。また、このように高密度にすることにより後記のような抗スナッギング性も得られる。
【0036】
ただし、編地のニードルループ数とは、2.54cmあたりのコース数(コース/2.54cm)と、2.54cmあたりのウエール数(ウエール/2.54cm)とをかけ算した値である。
【0037】
使用する丸編機としては、46ゲージ以上のハイゲージの丸編機(例えば、福原精機(株)製VXAC−3S 46G30インチなど)を使用すると、高密度の丸編物を得ることができ好ましい。
【0038】
(染色加工について)
染色加工はカチオン染料を用いて行うことが好ましい。カチオン染料を用いて染色を行うと、カチオン染料がイオン結合により繊維にしっかりと吸着されるため、優れた染色堅牢性が得られる。分散染料を用いた染色では、十分な染色堅牢性が得られないおそれがある。かかるカチオン染料は市販されている通常のカチオン染料でよい。また、染色加工の条件としては、高圧で染色してもよいが、前記共重合ポリエステル繊維構造体は常圧(100℃)で染色可能であるので、常圧(100℃)で染色することが地球環境にやさしく、また染色コストを低減することができ好ましい。なお、染色の際に、染色助剤等を用いることは何らさしつかえない。
【0039】
(他の加工)
なお、かかる布帛には、必要に応じて通常のアルカリ減量加工が施されてもよい。さらには、常法の吸水加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
【0040】
例えば、前記吸水加工を施す方法としては、編地にPEGジアクリレートおよびその誘導体やポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの親水化剤を染色時に同浴加工することが好適に例示される。
【0041】
かくして得られた丸編地は、ストレッチ性だけでなく優れた染色堅牢性をも有する。また、かかる丸編地が前記のような高密度を有する場合、優れたストレッチ回復性と抗スナッギング性を有する。ここで、下記の試験方法で試験したよこ方向のストレッチ回復性が80%以上であることが好ましい。
【0042】
まず、よこ方向に巾5cm、長さ20cmの試験片を2枚採集し、中央に試験長10cmのところに正確に印をつけ、試験片を調製する。次いで、自記記録装置付き引張試験機を用い初荷重196.1mN(20gf)をかけてつかみ間隔が10cmになるように試験片をつかみ、引張速度30cm/minで14.7N(1.5kgf)定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとに位置にもどし、図2のような荷重−伸長曲線を描く。試験後、直ちに試験片をチャックからとりはずし、スケールで残留伸び(0.01cmまで)を測定する。
【0043】
描かれた曲線からつぎの式でストレッチ回復性(%)を求め、2回の平均値で表す。
ストレッチ回復性(%)=(OB(cm)−残留伸び(cm))/OB(cm)×100
また、抗スナッギング性としては、JIS L 1058−1998 7.4 ICI形ピリング試験機法により測定して、3級以上であることが好ましい。
【0044】
次に、本発明の繊維製品は前記の丸編地を用いてなる、インナーウエアー、アウターウエアー、およびスポーツウエアーからなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は、前記の丸編地を用いているので、ストレッチ性を有するだけでなく、優れた染色堅牢性をも有する。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を、実施例を用いて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は下記の方法により測定した。
【0046】
(1)固有粘度:
ポリエステル試料を100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。なお、チップの固有粘度をηC、紡糸後の未延伸糸の固有粘度をηFと称する。
【0047】
(2)ジエチレングリコール(DEG)含有量:
ヒドラジンヒドラート(抱水ヒドラジン)を用いてポリエステル試料チップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード社製(HP6850型))を用いて測定した。
【0048】
(3)ポリマーのガラス転移温度(Tg):
示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製DSC:Q10型)を用いて、昇温速度=20℃/minで測定した。
【0049】
(4)ポリエステル繊維の引張強度(破断強度)、引張伸度(破断伸度)
JIS L1013:1999 8.5に記載の方法により測定を行った。引張強度(破断強度)を繊維強度とする。
【0050】
(5)目付
JIS L 1096の単位面積当たりの質量により目付を測定した。
【0051】
(6)カチオン可染性:
CATHILON BLUE CD−FRLH)0.2g/L、CD−FBLH0.2
g/L(いずれも保土ヶ谷化学株式会社製のカチオン可染性染料)、硫酸ナトリウム3g
/L、酢酸0.3g/Lの染色液中にて100℃(常圧)で1時間、浴比1:50で染色を行い、次式により染着率を求めた。
染着率=(OD−OD)/OD×100
OD:染色前の染液の576nmの吸光度
OD:染色後の染液の576nmの吸光度
本発明の実施例では、染着率98%以上のものを可染性良好と判断した。
【0052】
(7)染料移行汚染堅牢性
試験片(5cm×5cm)と、該試験片と同一の白布に検討布帛と添付片(5cm×5cm)とが接触するようにアルミ板2枚の間に挟み込んだ後、そのアルミ板の上に44.1N(4.5kgf)の荷重をかけ、恒温加熱処理機で120℃×80分の熱処理を行い、試験片から添付白布への染料移行状態を汚染用グレースケールで1〜5級に等級判定を行った。等級が高いほど、堅牢度が良好である。
【0053】
(8)厚み
JIS L 1018−1998 6.5により編地の厚みを測定した。
【0054】
(9)ニードルループ数
編地の2.54cmあたりのコース数(コース/2.54cm)とウエール数(ウエール/2.54cm)とをかけ算することにより算出した。
【0055】
(10)試験片の調製
よこ方向に巾5cm、長さ20cmの試験片を2枚採集し、中央に試験長10cmのところに正確に印をつけ、試験片を調製した。
【0056】
(11)ストレッチ回復性
自記記録装置付き引張試験機を用い初荷重196.1mN(20gf)をかけてつかみ間隔が10cmになるように試験片をつかみ、引張速度30cm/minで14.7N(1.5kgf)定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとに位置にもどし、図2のような荷重−伸長曲線を描いた。試験後、直ちに試験片をチャックからとりはずし、スケールで残留伸び(0.01cmまで)を測定した。
描かれた曲線からつぎの式でストレッチ回復性(%)を求め、2回の平均値で表した。
ストレッチ回復性(%)=(OB(cm)−残留伸び(cm))/OB(cm)×100
【0057】
(12)抗スナッギング性
JIS L 1058−1998 7.4 ICI形ピリング試験機法により抗スナッギング性を評価した。
【0058】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4.1重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン0.03重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.12重量部を添加し、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行った。その後、正リン酸0.03重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後、反応生成物に三酸化アンチモン0.05重量部と5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホネート2.8重量部と水酸化テトラエチルアンモニウム0.3重量部とトリエチルアミン0.003重量部を添加して重縮合槽に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行い、重縮合槽の攪拌機電力の値が所定電力に到達した段階若しくは所定時間を経過した段階で反応を終了させ、常法に従いチップ化した。
このようにして得られた共重合ポリエステルチップを140℃、5時間乾燥後、紡糸温度285℃で紡糸し延伸して32dtex/72フィラメントの延伸糸を得た。
【0059】
次いで、46G、30インチの丸編機(福原精機(株)製VXAC−3S)を使用し、前記仮撚加工糸を用いて天竺組織の単層丸編地を編成し、得られた編地をCATHILON BLUE CD−FRLH)0.2g/L、CD−FBLH0.2g/L(いずれも保土ヶ谷化学株式会社製のカチオン可染性染料)、硫酸ナトリウム3g/L、酢酸0.3g/Lの染色液中にて100℃(常圧)で1時間、浴比1:50で染色を行い、最終セットとして170℃の乾熱セット行った。
得られた編地において、厚みは0.15mm、目付けは54g/m、密度は83コース/2.54cm、85ウェール/2.54cm、ニードルループ数は7055個/(2.54cm)、よこ方向のストレッチ回復性82%と、薄地の丸編地にもかかわらず、ストレッチ回復性に優れたものであった。また、カチオン染料が繊維にイオン結合されている為、染料移行汚染堅牢度が4−5級と良好であった。共重合ポリエステルの製造条件と評価結果の詳細を表1に示した。抗スナッギング性は3−4級であった。
また、該編地を用いてスポーツ衣料(Tシャツ)を得て着用したところ優れた染色堅牢性を有するものであった。
【0060】
【表1】

【0061】
[実施例2]
46G、30インチの丸編機(福原精機(株)製VXAC−3S)を使用し、実施例1と同じ延伸糸とポリウレタンモノフィラメント(オペロンテックス(株)製、総繊度11dtex/1fil)とを用いて、ベア天竺組織の単層丸編地を編成し、得られた編地を実施例1と同様に染色加工した。
得られた編地において、厚みは0.31mm、目付けは175g/m、密度は99コース/2.54cm、106ウェール/2.54cm、ニードルループ数は10494個/(2.54cm)、よこ方向のストレッチ回復性88%と、薄地の丸編地にもかかわらず、ストレッチ回復性に優れたものであった。また、カチオン染料が繊維にイオン結合されている為、染料移行汚染堅牢度が4−5級と良好であった。
【0062】
[比較例1]
実施例1において、共重合ポリエステルチップにかえてポリエチレンテレフタレートチップを用いた。また、染色加工の際、分散染料(日本化薬(株)製、Kayalon Polyester Blue2R-SF)を用いて130℃で高圧染色すること以外は実施例1と同様にした。
得られた編地は、分散染料が繊維にイオン結合されていない為、染料移行汚染堅牢度が1−2級と不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、優れた染色堅牢性を有する丸編地および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合ポリエステル繊維からなる糸条を含む丸編地であって、
前記共重合ポリエステル繊維が、共重合成分として、酸成分中にスルホイソフタル酸の金属塩(A)および下記式(I)で表される化合物(B)を下記数式(1)および(2)を同時に満足するよう含有し、共重合ポリエステルのガラス転移温度が70〜85℃の範囲内にあり、かつ共重合ポリエステルの固有粘度が0.55〜1.00dL/gの範囲内にある共重合ポリエステルからなる共重合ポリエステル繊維であることを特徴とする丸編地。
【化1】

[上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10個のアルキル基を表し、Xは4級ホスホニ
ウムイオン又は4級アンモニウムイオンを表す。]
3.0≦A+B≦5.0 (1)
0.2≦B/(A+B)≦0.7 (2)
[上記数式中、Aは共重合ポリエステルを構成する全酸成分を基準とするスルホイソフタ
ル酸の金属塩(A)の共重合量(モル%)、Bは共重合ポリエステルを構成する全酸成分
を基準とする上記式(I)で表される化合物(B)の共重合量(モル%)を表す。]
【請求項2】
前記共重合ポリエステル中のジエチレングリコール含有量が2.5重量%以下である、請求項1に記載の丸編地。
【請求項3】
前記スルホイソフタル酸の金属塩(A)が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸または5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルである、請求項1または請求項2に記載の丸編地。
【請求項4】
上記式(I)で表される化合物(B)が、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウムまたは5−スルホイソフタル酸ジメチルテトラブチルホスホニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の丸編地。
【請求項5】
前記糸条の引張り強度が3.0cN/dtex以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の丸編地。
【請求項6】
前記糸条の単繊維繊度が0.1〜2.0dtexの範囲内であり、かつ総繊度が5〜50dtexの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の丸編地。
【請求項7】
丸編地が、厚みが0.4mm以下の単層丸編地である、請求項1〜6のいずれかに記載の丸編地。
【請求項8】
編地のニードルループ数が5000個/(2.54cm)以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の丸編地。
ただし、編地のニードルループ数とは、2.54cmあたりのコース数(コース/2.54cm)と、2.54cmあたりのウエール数(ウエール/2.54cm)とをかけ算した値である。
【請求項9】
カチオン染料を用いて常圧で染色加工を施してなる、請求項1〜8のいずれかに記載の丸編地。
【請求項10】
よこ方向のストレッチ回復性が80%以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の丸編地。
【請求項11】
抗スナッギング性が3級以上である、請求項1〜10のいずれかに記載の丸編地。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の丸編地を用いてなる、インナーウエアー、アウターウエアー、およびスポーツウエアーからなる群より選択されるいずれかの繊維製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−255128(P2010−255128A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104116(P2009−104116)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】