説明

主として自動車用の電気制御モジュール

【課題】改良された電気制御モジュールを提案することによって、妨害電磁環境の影響を減らす。
【解決手段】電気回路のための基板(1)と、基板(1)の一面(2a)に設けられる第1電気接触端子(3、5)であって、各接触端子(3、5)が基板の位置に対応するように、各接触端子(3、5)は、基板(1)の関連電気トラック(7、9)に接続している第1電気接触端子とを備える電気制御モジュールに関し、接地部に接続している金属グリッドの形をした面接触素子(23)も備え、面接触素子(23)に加わる押圧力により、押圧点の接触パッド(3、5)を接地に接続して、押圧点の位置を決定しうるように、この素子(23)は、接触パッド(3、5)を含む基板の面(2a)を覆っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車用の電気制御モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のモジュールは、例えば、空調機器、オーディオシステム、電話システム、またはナビゲーションシステム等を制御するために、自動車の2つのフロントシート間のコンソールに設けられている制御盤に取り付けることが望ましい。
【0003】
本発明はまた、例えば、室内灯、中央ロッキング、開閉式サンルーフ、非常灯、または車内の周辺灯を制御するために、通常の室内後写鏡の高さにおけるルーフまたは天井と呼ばれる領域に適用することもできる。
【0004】
さらに、このモジュールは、ウインドウ制御装置、電動式車外後写鏡の位置決め制御装置、または電動式シート調整制御装置にも適用することができる。
【0005】
自動車の分野では、各種の電気ユニットの制御装置は、通常コミュテータ/スイッチによって処理される。しかし、制御するべき電気ユニットが増加しているために、多機能制御装置の使用が、人間工学的利点の故に増えている。表示画面と関連して、例えばジョイスティックの形の単一制御ノブを用いて、ポップアップ・メニュー内を移動させて、例えば、空調、オーディオシステム、またはナビゲーションシステムさえも制御することが可能である。
【0006】
人間工学的な便宜性を向上させるために、タッチセンサ技術を、単独で、あるいは多機能ノブを補完させるように応用することは、興味ある開発と考えられる。
【0007】
実際、特に自動車用のタッチセンサは著しく進歩した。圧力感応抵抗器(「力検出抵抗器」を示すFSRとしても知られている)を用いる技術は、その実施の容易さと健全性の故に、他の同等の技術、例えば容量性技術または光学技術を著しく凌駕している。
【0008】
この種のセンサは、例えば「デジタイザーパッド」として知られており、その先行技術に関する文献として、特許文献1〜4を挙げることができる。
【0009】
これらのセンサは、例えば導電層と抵抗層の間に挟まれた可撓性半導体層を備えている。押圧をFSRに加えると、そのオーム抵抗が減少して、適切な電圧が印加され、加えられた圧力、および/または圧力が加えられた位置を測定することができる。
【0010】
FSR技術の各種の設計においては、タッチセンサは、弾性スペーサによって隔てられている2枚の可撓性基板シートと、相互に向い合う面に、センサが圧縮されるとき、電気的接触を可能にするベアリング要素とを備えている(例えば、特許文献5および特許文献6参照)。
【0011】
しかしながら、タッチ技術を自動車へ応用する際、公知のセンサは、相当に高価となるので、普及の妨げとなっている。
【0012】
さらに、特許文献7には、簡易化され、費用のかからない技術によるタッチパッドが開示されている。
【0013】
第1誘電体基板には、デカルト基準系の列を形成する平行な導電性トラックが設けられている。このトラックの出力側は、関連する抵抗ストリップに接続している。平行なトラックは、これらの列と平行に、同じ基板上に配置され、接地している。この基板は、第2誘電体基板によって覆われ、この第2誘電体基板の上に、デカルト基準系の行を形成する平行な導電性トラックが配置され、これらのトラックは、列を形成するトラックと直交している。行を形成するこれらのトラックの出力も、関連する抵抗ストリップに接続している。2つの基板の間に、静止状態で、いろいろなトラック間のいかなる接触も防止するスペーサがある。
【0014】
この公知のパッドを押圧すると、ある列の導電性トラックと、ある行の導電性トラックは、加圧点で接地トラックに接続している。したがって、2つの抵抗ストリップのための分割ブリッジ方式の電気回路を用いて、抵抗の変化を測定し、それに基いて、加圧点のxおよびy座標の位置を推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第4810992号公報
【特許文献2】米国特許第5008497号公報
【特許文献3】仏国特許第2683649号公報
【特許文献4】欧州特許第0541102号公報
【特許文献5】欧州特許第1429344号公報
【特許文献6】欧州特許第1429356号公報
【特許文献7】米国特許第5283558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、本出願人は、この公知のパッドには、多くの欠点があることに気付いた。
【0017】
自動車の分野では、電気部品は、動作時の部品(例えば、動作しているオルタネータまたは電気エンジン)のため、あるいはその環境(例えば、車両が高圧線の下、または携帯電話中継アンテナの近くを通過するとき)のために、車両がさらされることがある電磁干渉力に対して、極めて鈍感であることが重要である。しかし、公知のタッチパッドでは、xおよびyトラックは、ほとんど防護がなされておらず、アンテナと同様に、あらゆる電磁干渉を受ける。このことは、ある状況においては、誤作動の原因になる。
【0018】
さらに、行と列が交差する導電性トラックの重なりが非常に弱いので、信頼性は保証されない。実際には、上に説明した構成のパッドにおいては、往々にして、加圧により、行トラックと列トラックの両方ともが同時に接地しないので、加圧の位置を決定することができないことがある。運転者がいくつかの制御装置を見ないで運転する自動車では、このタイプの誤作動があると、運転者の注意はそらされ、運転者は、運転状況に応じて、非常に危険になり得る制御動作を繰り返さなければならないので、この不確実性は許容することができないものとなる。
【0019】
最後に、抵抗ストリップの一端に接続している列トラックおよび行トラックに関して、2つの隣接するトラック間の出力の電圧差は、反対側の端の2つの行トラック間の出力の電圧差と比較して非常に小さい。そのため、許容することのできない誤作動をもたらすことがあり、導電性トラックの出力に抵抗ストリップを使用すると、分解レベルにおける検出は困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、改良された電気制御モジュールを提供することを目的としている。
【0021】
本発明の第1の態様は、アンテナ効果の影響、したがって妨害電磁環境の影響を減らすことを目的としている。
【0022】
本発明の第2の態様は、電気制御モジュールの信頼性を向上させることを目的としている。
【0023】
本発明の第3の態様は、モジュールのタッチ面全体にわたって、一様に分布している分解能を有する電気制御モジュールを提供することを目的としている。
【0024】
上記の目的を達成するために、本発明は、
− 電気回路のための基板と、
− 基板の一面に設けられ、各接触端子が基板の位置に対応するように、各接触端子は基板の関連する電気トラックに接続している第1電気接触端子、
とを備える電気制御モジュールであって、
− 接地部に接続されている弾性的に変形可能な面接触素子をも備え、面接触素子に加わる圧力により、押圧点の接触端子を接地部に接続して、押圧点の位置を決定しうるように、この素子は、接触端子を含む基板の面を覆っていることを特徴としている。
【0025】
接地部に接続することによって、面接触素子は、電磁干渉に対する保護シールドの機能を果たすので有利である。
【0026】
さらに、その保護シールドの役割とは無関係に、この面接触素子は、接触端子と面接触素子とを良好に電気的に接触させ、これによって、信頼性は確実に向上する。
【0027】
最後に、電気トラックの出力が接続している分割ブリッジの抵抗は、デカルト基準系の2つの行、および/または2つの列から、ほぼ等距離にある出力電圧レベルを規定する再帰的シリーズによって選ばれる。したがって、モジュール全体にわたって一様に分布している分解能が得られる。
【0028】
本発明の他の特徴および利点は、図面に示す非限定的な実施例に関する以下の説明により明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による電気制御モジュールの印刷回路基板の平面図。
【図2】図1の印刷回路基板の底面図。
【図3】図1の印刷回路基板に貼るようになっている絶縁層の線図。
【図4】図3の絶縁層に貼るようになっている金属グリッドの例を示す図。
【図5】図3の絶縁層、および図4の金属グリッドが配置されている図1の印刷回路基板の平面図。
【図5a】図5の拡大詳細図。
【図6】本発明による電気制御モジュールの断面図。
【図7】本発明による制御モジュールの接続および動作を説明する印刷回路基板の平面図であって、この制御モジュールのサイズが、図1〜図6のモジュールに比べて小さいもの。
【図8】本発明による制御モジュールの第1応用例の斜視図。
【図9】本発明による制御モジュールの第2応用例の斜視図。
【図10】本発明による制御モジュールの第3応用例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、電気制御モジュール、より詳細には、ユーザが指で押すことにより動作するタッチ制御モジュールに関する。
【0031】
この種のモジュールは、任意の「面」タイプ制御、すなわち、指が、例えば制御面の上を動くか、または指で、制御面を単に押すことにより制御されるために、自動車の分野で有利に使用することができる。
【0032】
その応用例には、電動式シート制御装置、ドアウインドウ制御装置、電動式車外鏡制御装置、室内照明制御装置のような天井制御装置、サンルーフ開閉制御装置、空調制御装置、多機能電話機、ナビゲーション、さらにはオーディオシステム制御装置などが含まれる。
【0033】
まず、図1〜7を参照して、本発明による電気制御モジュールの構成および動作について詳細に説明する。次に、図8〜10を参照して、本発明によるモジュールの可能な応用例を、非限定的なものとして説明する。
【0034】
図1で分かるように、電気制御モジュールは、例えば印刷回路基板(PCB)のような電気回路用の基板1を備えている。
【0035】
変形として、可撓性電気回路(または「フレックス回路」)を、平坦な面、または湾曲した面を有する基部に配置することもある。したがって、平坦でないタッチ面を製造することが可能であり、このことは設計する際に有利である。この種の可撓性回路を用いることによって、例えば、丸みを帯びたダッシュボードの形状と完全に合うタッチ面を製造することが可能である。
【0036】
図1に示す印刷回路基板1の面2aは、デカルト基準系によって、行と列の形で配置されている第1接触端子3および第2接触端子5を支えている。
【0037】
このデカルト基準系による行と列の形をした配置は、1つの例示的な実施形態にすぎない。使用される電気制御装置に応じて、接触端子が例えば回転ノブの制御を再現するために、円状の断片で配置されている角基準系のような、他の基準系を提供することが可能である。
【0038】
各接触端子3および5は、おおむねU字形であることが好ましい。
【0039】
図1は、10行の接触端子3を示し、その各行は、関連する電気トラック7に接続している10個の個別接触端子を備えている。
【0040】
同様に、モジュールは、10列の接触端子5を有し、その各列は、印刷回路基板1の底面2b(図2参照)、すなわち、接触端子を支える面の反対側の面に位置する関連する電気トラック9に接続している10個の個別接触端子を備えている。
【0041】
その結果、基板1の同じ面2aによって支えられ、デカルト基準系によって配置されている100対の隣接接触端子が得られ、対の第1接触端子3は行を形成し、対の第2接触端子5は列を形成している。押圧の位置を決定するために、列は、例えば、X座標位置を定めるのに対して、行は、Y座標位置を定める。したがって、本発明によるモジュールに加えられる圧迫の正確な位置は、対(X、Y)によって決定される。
【0042】
対をなす隣接電気接触端子3および5は、例えば、図1および図5aに示すように、1対のU字形接触端子が、頭尾配置となるように挿し込まれて、第1接触端子3の分岐11が第2隣接接触端子5の分岐13によって囲まれるように、互い違いに配列されていることが好ましい。
【0043】
さらに、基板1は、隣接する接触端子の対のフィールドの両側に配置された2つの接地接触ストリップ5も備えている。
【0044】
印刷回路基板1の背面を示す図2において、トラック7がスルーコンタクトを経由して接続領域19で終端しているのと同様に、各トラック9は、接続領域17で終端している。
【0045】
これらの接続領域17および19は、分割ブリッジを形成するために、サイズが小さいが同じ動作をする(5×6、換言すれば30個の隣接接触端子)制御モジュールのために、図7に示すように、抵抗によって接続されている。
【0046】
電気的絶縁部材21(図3参照)が、図1に示す印刷回路基板1の面2aに貼られている。この部材21は、スペーサを形成し、静止位置で、接触端子3および5と、以下に詳細に説明する図4に示す面接触素子23の間に、所定の間隔を維持するために使用されている。
【0047】
スペーサ形成部材は、隣接電気接触端子の対の位置を除いて印刷回路基板上に付着された、50μm〜100μmの厚さであることが望ましいラッカーのような絶縁層によって形成されることが好ましい。図3において、これは隣接する接触端子を中心とする孔24によって示されている。
【0048】
本発明によれば、電気制御モジュールは、弾性的に変形可能であり、かつ接地部に接続している面接触素子23(図4)を備えている。この接触素子は、どんな干渉電磁放射に対してもシールドを形成し、本発明による制御モジュールの信頼性を著しく向上させている。
【0049】
図5で分かるように、この面接触素子23は、接触端子3、5を備える基板1の面を覆い、面接触素子23に加わる押圧力により、押圧点の接触端子3、5を接地させて、押圧点の位置を決定することを可能にしている。
【0050】
この目的を達成するために、面接触素子23は、例えば、ストリップ15(図1参照)の位置で接地部に接続している金属グリッド(図4)の形をした金属から作られている。このグリッドは、例えば、型打ちによって製造される。
【0051】
グリッド23は、隣接接触端子の各対に関して、押圧が加えられるとき対の隣接接触端子の各々と接触するようになっている少なくとも1つの電気接触子27付きの個別セル25(図5aは4つの個別セルを示す)を備えていることが好ましい。
【0052】
各個別セル25は、スペーサ形成絶縁部材21、および少なくとも1つの電気接触子27の上に載った、タブ31の形をしたフレーム29によって形成され、これの自由端は、高くなっている静止位置と、例えば押圧によって作動させられて、隣接接触端子3、5と電気接触して、後者を接地に接続する動作位置との間を移動すると有利である(図5参照)。
【0053】
好ましくは正方形である各セルは、個別セル25の両側から始まり、千鳥状に配置され、かつ個別セル25の対角線と平行な2つのタブ31を備えているのが望ましい。
【0054】
変形例として、接地に接続している導電体の層、例えば、導電性粒子で充填された、エラストマー、好ましくはシリコーンからなる皮膜、または導電性ポリマーを含む面接触素子を設けることが可能である。
【0055】
図6は、個別セル25のレベルの制御モジュールの横断面図である。
【0056】
さらに、押圧による力を伝達する皮膜32は、前記面接触素子23を覆っている。接触素子に面する皮膜32の面は、滑らかであることが好ましい。
【0057】
示しない変形として、面接触素子23に面する皮膜32の面における隣接接触端子の各対の位置に、ブリスター効果を得ることを可能にする凹面を設けることがある。
【0058】
押圧の位置を決定しうるように、列および行と関連付けられた電気トラック7および9は、図7の回路図に示すように、分割ブリッジを形成する抵抗の関連セットによって、それぞれ電気的に接続している。
【0059】
明確化のために、接触端子3および5の数は、上に説明したように、この図では減らされている。
【0060】
分割ブリッジの抵抗は、デカルト基準系の2つの行、または2つの列から、ほぼ等距離にある出力電圧レベルを規定する再帰的シリーズによって選ぶのが有利である。
【0061】
行または列の位置の数N(Nは自然数)に対して、N+2の抵抗が設けられ、R1の値は物理的に設定される。
【0062】
次に、電圧の均一分布を確実にするために、各抵抗nは、次の再帰式によって計算される。

【0063】
したがって、モジュールに対する押圧により、XおよびY座標は確実に出力される。
【0064】
さらに、制御モジュールは、電気トラックから生じる信号を解析するマイクロコントローラを備えている。この解析は、静的であって、押圧の位置だけが決定されるか、あるいは動的であって、押圧位置の向きは、それから電気または電子部材の制御を推定するために追求されるようになっている。
【0065】
したがって、この制御モジュールは、次のように動作する。
【0066】
静止位置において、グリッド23のすべてのタブ31は高い位置にある。グリッドは、接地に接続しているので、電磁放射に対する有効な保護スクリーンとしての機能を果たす。図7の例示的回路において、「X」信号は、分割ブリッジによって出力される電圧に相当する。


pwr supは電源電圧であり、例えば5Vである。
【0067】
静止位置の出力電圧「Y」は、同様に計算される。

【0068】
ここで、本発明による制御モジュール、例えば図7に39によって示す隣接接触端子に対する押圧を考察すると、「X」信号は、分割ブリッジによって出力される電圧に相当する。


pwr supは電源電圧であり、例えば5Vである。
【0069】
静止位置の出力電圧「Y」は、同様に計算される。

【0070】
タッチ面を2回押圧した場合に分かる、本発明による制御モジュールの別の利点もある。実際には、本発明による電気制御モジュールは、装置の電源電位に最も近い位置に相当する単一位置を常に出力するので、その挙動は完全に予測可能である。
【0071】
図8は、自動車、好ましくは2つのフロントシート間のセンターコンソールに装着することを目的としている、本発明による平行六面体の電気制御モジュール1を示している。
【0072】
明らかに、他の形状および他の位置も、所望の制御装置、およびその通常の配置に応じて採用することができる。
【0073】
モジュールは、破線によって示すタッチ制御面41と、所望により、例えばジョイスティックのような多機能ノブを収容する筐体43とを備えている。
【0074】
タッチ制御面41内に、6つのタッチ領域が、電気または電子ユニット45(例えば、「GENERAL MENU」、「RADIO」、「CD」、「NAVIGATION」、「TELEPHONE」、および「AIR CONDITIONING」)、および12のタッチキー(数字「0」〜「9」および記号「#」と「*」)付きの通常のアルファベットキーボード47を選択するために定められている。各領域またはキーには、制御される機能に関する記号、文字、または数字の表示が設けられている。
【0075】
本発明によれば、タッチ領域は、図1〜図7に関して説明したように、本発明による電気制御モジュールによって設けられている。
【0076】
制御モジュールについて、2次元「X」および「Y」の行および列を用いて説明したが、簡易化したモジュールとして、接地部に接続している弾性的に変形可能である面接触素子に覆われている1行だけの電気接触端子を備えるものとすることがある。行はどんな形でもよく、直線、波線、または円のような形とすることができる。したがって、面接触素子に加わる圧力により、押圧点の接触端子を接地部に接続して、押圧点の位置を決定しうるように、面接触素子は、図1〜図7に関して説明したように、接触端子を備える基板の面を覆っている。
【0077】
図9は、電話機能を処理することを目的としている円形のタッチ領域53を備える電気制御モジュール1の斜視図である。
【0078】
この目的を達成するために、タッチ領域53は、数字「0」〜「9」、および記号「*」と「#」付きの絵文字を備えている。
【0079】
このタッチ領域53は、例えば本発明による電気制御モジュールを用いて、接触端子を円状に配置することによって形成することができる。
【0080】
物理的応用の別の例が、電気ドアウインドウ制御装置を処理することを目的とする制御モジュールを示す図10に示されている。
【0081】
本発明におけるよって実現されるタッチ領域53は、単一押圧によってウインドウを下げるためのフィールド65と、スライディング型制御装置を使用する(すなわち、指の位置の経時変化の方向および傾向が決定され、対応する電気制御装置が適用される)ことを可能にするためのフィールド67と、単一押圧によってウインドウを上げるためのフィールド69とを備えている。
【0082】
実際には、制御モジュールは、押圧位置、すなわち場所を簡単に決定しうるばかりでなく、例えば指の経時的動きに応じて、対応する制御装置は、それから推定することができる。
【0083】
上記説明により、本発明による制御モジュールは、動作に関して信頼性があり、しかも安価なタッチセンサ、すなわち干渉電磁波に対して保護されるタッチセンサを提供するものであることが分かると思う。
【符号の説明】
【0084】
1 印刷回路基板
2a 印刷回路基板の面
2b 印刷回路基板の底面
3 第1接触端子
5 第2接触端子
7 電気トラック
9 電気トラック
11 分岐
13 分岐
15 ストリップ
17 接続領域
19 接続領域
21 電気的絶縁部材
23 面接触素子
24 孔
25 個別セル
27 電気接触子
29 フレーム
31 タブ
32 皮膜
41 タッチ制御面
43 筐体
45 電気または電子ユニット
47 キーボード
53 タッチ領域
63 タッチ領域
65 フィールド
67 フィールド
69 フィールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 電気回路のための基板(1)と、
− 前記基板(1)の一面(2a)に設けられている第1電気接触端子(3、5)であって、
各接触端子(3、5)は、前記基板の位置に対応するように、前記基板(1)の関連電気トラック(7、9)に接続されている第1電気接触端子、
とを備える電気制御モジュールであって、接地部に接続されている金属グリッドの形をした面接触素子(23)も備え、前記面接触素子(23)に加わる押圧が、押圧点の接触端子(3、5)を接地部に接続して、前記押圧点の前記位置を決定するのを可能にするように、この素子(23)は、前記接触端子(3、5)を含む前記基板の前記一面(2a)を覆っていることを特徴とする電気制御モジュール。
【請求項2】
前記基板の一面に設けられている電気接触端子(3、5)は、予め定めたライン上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気制御モジュール。
【請求項3】
前記ラインは、真っすぐ、波状、または円形であることを特徴とする請求項2に記載の電気制御モジュール。
【請求項4】
該電気制御モジュールは、前記基板(1)の前記同じ一面(2a)上に、前記第1電気接触端子(3)と対を形成する第2電気接触端子(5)を含み、前記面接触素子が、押圧点で、対の2つの接触端子(3、5)を接地部に接続するとき、隣接接触端子(3、5)の各対は、所定の基準系の1対の座標に対応して、前記基板(1)の位置を決めることを可能にするように、対をなす各接触端子は、前記基板(1)の関連電気トラックに接続していることを特徴とする請求項1に記載の電気制御モジュール。
【請求項5】
電気回路用の前記基板(1)は、印刷回路基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気制御モジュール。
【請求項6】
前記基板は、平坦または湾曲した面を有する基部に配置した可撓性電気回路を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気制御モジュール。
【請求項7】
対をなす前記第1電気接触端子(3)は、前記同じ面(2a)に配置した関連電気トラック(7)に接続し、かつ対をなす前記第2電気接触端子(5)は、前記接触端子(3、5)を支持する面と反対側の面(2b)に配置した関連する電気トラック(9)に接続していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気制御モジュール。
【請求項8】
対をなす前記隣接電気接触端子(3、5)が挿し込まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気制御モジュール。
【請求項9】
各接触端子(3、5)が、概ねU字形であることを特徴とする請求項8に記載の制御モジュール。
【請求項10】
対をなす前記U字形接触端子(3、5)は、頭尾配置されるように挿し込まれて、第1接触端子(3)の分岐(11)が、前記第2隣接接触端子(5)の分岐(13)によって囲まれるように互い違いに配列されていることを特徴とする請求項9に記載の制御モジュール。
【請求項11】
前記隣接電気接触端子(3、5)は、デカルト基準系によって配置され、対の前記第1接触端子(3)が行を形成し、対の前記第2接触端子(5)は、列を形成していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御モジュール。
【請求項12】
前記第2接触端子(5)の列と関連する前記電気トラック、および前記第1接触端子(3)の行と関連する前記電気トラックは、分割ブリッジ回路を形成する抵抗(R1、R2、R3、R4、R5、R6)の関連セットによって、それぞれ電気的に相互接続していることを特徴とする請求項11に記載の制御モジュール。
【請求項13】
前記分割ブリッジの前記抵抗(R1、R2、R3、R4、R5、R6)は、前記デカルト基準系の2つの行または2つの列からほぼ等距離にある出力電圧レベルを規定する再帰的シリーズによって選ばれることを特徴とする請求項12に記載の制御モジュール。
【請求項14】
電気的絶縁性のスペーサ形成部材(21)が、前記静止位置で、前記接触端子(3、5)と前記面接触素子(23)の間に所定の間隔を維持するために使用されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の制御モジュール。
【請求項15】
前記スペーサ形成部材(21)は、隣接電気接触端子(3、5)の前記対の前記位置(24)を除いて前記印刷回路基板上に付着された絶縁層によって形成されていることを特徴とする請求項14に記載の制御モジュール。
【請求項16】
前記絶縁層(21)は、ラッカーであることを特徴とする請求項15に記載の制御モジュール。
【請求項17】
前記絶縁層(21)は、50μm〜100μmの厚さを有することを特徴とする請求項15または16に記載の制御モジュール。
【請求項18】
前記面接触素子は、接地部に接続している導電体の層を備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の制御モジュール。
【請求項19】
導電体の前記層は、導電性粒子で充填された、エラストマー皮膜、好ましくはシリコーンであることを特徴とする請求項18に記載の制御モジュール。
【請求項20】
導電体の前記層は、導電性ポリマーからなっていることを特徴とする請求項19に記載の制御モジュール。
【請求項21】
前記グリッドは、隣接接触端子(3、5)の各対に関して、対の前記隣接接触端子(3、5)の各々と接触するように意図されている少なくとも1つの電気接触子(27)付きの個別セル(25)を備えていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の制御モジュール。
【請求項22】
各個別セル(25)は、前記スペーサ形成絶縁部材(21)、および少なくとも1つの電気接触子(27)の上に載った、タブ(31)の形をしたフレーム(29)によって形成され、これの自由端は、それが高くなっている静止位置と、例えば押圧によって作動され、それが前記隣接接触端子(3、5)と電気接触して、後者を接地部に接続する動作位置の間を移動させるようになっていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項、または請求項21に記載の制御モジュール。
【請求項23】
好ましくは正方形である各個別セル(25)が、互い違いに配置され、かつ前記個別セル(25)の対角線と平行である2つのタブ(31)を備えていることを特徴とする請求項22に記載の制御モジュール。
【請求項24】
前記面接触素子(23)は、型打ちによって製造されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の制御モジュール。
【請求項25】
押圧による力を伝達するための前記面接触素子(23)を覆っている皮膜(32)をも備えていることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の制御モジュール。
【請求項26】
前記接触素子に面する前記皮膜(32)の面が滑らかであることを特徴とする請求項25に記載の制御モジュール。
【請求項27】
前記面接触素子に面する皮膜(32)の前記面は、隣接接触端子の各対の位置に、押圧が加えられたとき、ブリスター効果を発揮しうる凹面を有していることを特徴とする請求項26に記載の制御モジュール。
【請求項28】
前記電気トラックから生じる前記信号を解析するマイクロコントローラを備えていることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の制御モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−514036(P2010−514036A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542021(P2009−542021)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064043
【国際公開番号】WO2008/080812
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(505140568)
【Fターム(参考)】