説明

乗客コンベアの乗客検出装置及び乗客コンベア

【課題】簡単な構成によって乗客コンベアの乗客を確実に検出することができ、据付工期も大幅に短縮させることができる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】乗客コンベアには、踏段4を駆動する駆動部8と、駆動部8を制御する制御部10と、乗降口に設けられた乗客検出装置13とが備えられている。乗客検出装置13は、圧電素子19と出力信号増幅部20とを備える。圧電素子19は、乗降口を通過する乗客に踏まれることによって圧力を受けると、その受けた圧力を電気信号に変換し、制御部10に対して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗客コンベアの乗客を検出するための乗客検出装置と、乗客検出装置を備えた乗客コンベアとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
乗客の運搬を目的とするコンベア(以下、「乗客コンベア」という)には、連続運転方式を採用するものと、自動運転方式を採用するものとがある。
連続運転方式とは、乗客の有無に関わらず、乗客が乗る踏段を常に定格速度で走行させる運転方式のことをいう。
【0003】
一方、自動運転方式とは、乗客がいない状態が一定時間継続した場合に、踏段を定格速度で走行させる通常運転から、所定の待機運転に切り換える運転方式のことをいう。待機運転では、例えば、踏段を停止させたり、踏段を定格速度よりも遅い速度(低速度)で走行させたりする。自動運転方式を採用した乗客コンベアでは、省エネルギー(以下、単に「省エネ」ともいう)化を図ることができる。
【0004】
自動運転方式を採用した乗客コンベアの従来技術として、例えば、下記特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のものでは、乗降口に設置したポールに光の送受信器を設置して、乗客の検出を行っている。
また、他の従来技術として、乗客の検出を行うために、光の送受信器を乗降口付近のデッキボードに設置したものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2569192号公報
【特許文献2】特開平10−182050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載のものでは、光の送受信によって乗客の検出を行うため、乗客の検出漏れを防止するためには、送受信器の取付位置(設置のための板金部材等)や検出範囲の調整に高い精度が必要になってしまう。
また、特許文献1及び2に記載のものでは、送受信器に必要な電力を乗客コンベア側で用意しなければならない。このため、配線の手間等が大きく、特に、乗降口にポールを設置する場合には、据付の工期が大幅に延びてしまうといった問題があった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、簡単な構成によって乗客コンベアの乗客を確実に検出することができ、据付工期も大幅に短縮させることができる乗客検出装置と、そのような乗客検出装置を備えた乗客コンベアとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る乗客コンベアの乗客検出装置は、乗客コンベアの乗降口に設けられ、乗降口を通過する乗客に踏まれることによって電気信号を出力する圧電素子を備えたものである。
【0009】
また、この発明に係る乗客コンベアの乗客検出装置は、乗客コンベアの乗降口に設けられ、受けた圧力を電気信号に変換して、踏段の走行を制御するための制御部に対して出力する圧電素子を備えたものである。
【0010】
この発明に係る乗客コンベアは、乗客コンベアの踏段を駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部と、乗客コンベアの乗降口に設けられ、受けた圧力を電気信号に変換して、制御部に対して出力する圧電素子と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、簡単な構成によって乗客コンベアの乗客を確実に検出することができる。また、据付の工期を大幅に短縮させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1における乗客コンベアを示す断面図である。
【図2】図1に示す乗客コンベアの要部平面図である。
【図3】乗客検出装置の機能を説明するための図である。
【図4】制御部の機能を説明するための図である。
【図5】停止待機自動運転方式を採用した乗客コンベアの回路構成を示す図である。
【図6】低速待機自動運転方式を採用した乗客コンベアの回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0014】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における乗客コンベアを示す断面図、図2は図1に示す乗客コンベアの要部平面図である。
以下においては、乗客コンベアの一例として、下階から上階への移動の際に利用される上りのエスカレーターについて具体的に説明する。下りのエスカレーターや動く歩道といった他の例については、その説明を省略する。
【0015】
図1において、1は上階及び下階に掛け渡されたエスカレーターの主枠である。主枠1はエスカレーターの自重及び積載荷重を支持する。2はエスカレーターの乗り口(下部乗降口)、3はエスカレーターの降り口(上部乗降口)である。
【0016】
4は乗客が乗り口2から降り口3に移動する際に乗る踏段である。踏段4の両側には、欄干5が設けられている。6は踏段4に乗降する乗客や踏段4上の乗客が掴むための移動手摺である。移動手摺6は、踏段4と同期するように駆動される。移動手摺6の移動は、欄干5に設置されたレールによって案内されている。
【0017】
7は乗客に対し、音声によって所定の情報を提供するためのスピーカである。スピーカ7は、例えば、乗り口2近傍のデッキボードや降り口3近傍のデッキボードに設置される。なお、スピーカ7はエスカレーターの乗客に対して注意喚起や警告を行う手段の一例として示したものである。乗客に対して注意喚起や警告を行うことができれば、スピーカ7以外の警告手段が備えられていても構わない。
【0018】
8は降り口3下方の主枠1内に設置された駆動部である。駆動部8は、例えば、駆動用モータ9や減速機、スプロケット等によって構成される。踏段4や移動手摺6は、駆動部8によって駆動される。
【0019】
10はエスカレーターの運転を制御する制御部である。制御部10も、駆動部8と同様に、降り口3下方の主枠1内に設置されている。制御部10は、種々の入力情報に基づいて、スピーカ7や駆動部8の制御を行う。なお、制御部10の具体的な機能については後述する。
【0020】
次に、図2も参照し、乗り口2及び降り口3の構成について説明する。
11は乗り口2に設置された床板である。床板11は、主枠1の下端内部に通じる開口を上方から塞ぐように主枠1に取り付けられており、その上面は、乗り口2の床面(の全体、或いはその一部)を形成する。床板11の一端部(エスカレーター中央側の端部)には、踏段4に形成されたクリートと噛み合う櫛歯12が設けられている。降り口3側から主枠1内を移動してきた踏段4は、櫛歯12を通過して床板11の下方から現れる。
【0021】
13は乗り口2に設けられた乗客検出装置である。乗客検出装置13は、乗り口2を通過する乗客を検出するためのものである。乗客検出装置13は、例えば、櫛歯12から距離Lの間隔を空けて床板11の他端部側に設けられる。或いは、床板11に近接する施設側の床部に設けられる。上記Lとしては、例えば、1.7乃至2.0m程度の距離が設定される。乗客検出装置13は、その上面が、床板11(或いは、施設側床部)の上面と面一となるように配置されている。また、乗り口2から踏段4に乗り込む乗客が乗客検出装置13上を必ず通過するように、床板11の両側には、乗客を誘導するための柵14が設置されている。
【0022】
降り口3は、乗り口2と同様の構成を有している。15は降り口3に設置された床板である。床板15は、主枠1の上端内部(機械室内部)に通じる開口を上方から塞ぐように主枠1に取り付けられており、その上面は、降り口3の床面(の全体、或いはその一部)を形成する。床板15の一端部(エスカレーター中央側の端部)には、踏段4に形成されたクリートと噛み合う櫛歯16が設けられている。乗り口2側から移動してきた踏段4は、櫛歯16を通過して床板15の下方に進入する。
【0023】
17は降り口3に設けられた乗客検出装置である。乗客検出装置17は、降り口3を通過する乗客を検出するためのものである。乗客検出装置17は、例えば、櫛歯16から距離L(例えば、1.7乃至2.0m程度)の間隔を空けて床板15の他端部側に設けられる。或いは、床板15に近接する施設側の床部に設けられる。乗客検出装置17は、その上面が、床板15(或いは、施設側床部)の上面と面一となるように配置されている。また、踏段4から降り口3(の床板15)に降りた乗客が乗客検出装置17上を必ず通過するように、床板15の両側には、乗客を誘導するための柵18が設置されている。
【0024】
次に、図3及び図4も参照し、乗客検出装置13及び17と制御部10との構成について具体的に説明する。図3は乗客検出装置の機能を説明するための図、図4は制御部の機能を説明するための図である。
【0025】
乗客検出装置13には、圧電素子19と出力信号増幅部20とが備えられている。
圧電素子19は、床板11(或いは、床板11に近接する施設側床部)に設けられている。圧電素子19は、圧力を受けると、その受けた圧力を電気信号に変換して出力する機能を有している。即ち、圧電素子19は、乗り口2を通過する乗客によって踏まれることにより、踏まれた際の圧力を電気信号に変換し、その電気信号を制御部10に対して出力する。
【0026】
圧電素子19は、例えば、発電機能を有する圧電セラミック材料等からなる。圧電素子19は、外部からの電力供給を必要としない。即ち、圧電素子19は、制御部10から電力が供給されていなくても、圧力を受けることによってその圧力に応じた電気信号を出力する。
【0027】
出力信号増幅部20は、圧電素子19から出力された電気信号を増幅して、制御部10に送信する機能を有している。この出力信号増幅部20の機能により、乗客の圧電素子19を踏む力が弱い場合であっても、所定の大きさの電気信号を制御部10に入力させることができる。
【0028】
乗客検出装置17の基本構成は、乗客検出装置13の構成と同じである。即ち、乗客検出装置17には、圧電素子21と出力信号増幅部22とが備えられている。圧電素子21は、床板15(或いは、床板15に近接する施設側床部)に設けられている。圧電素子21は、圧力を受けると、その受けた圧力を電気信号に変換して出力する機能を有している。即ち、圧電素子21は、降り口3を通過する乗客によって踏まれることにより、踏まれた際の圧力を電気信号に変換し、その電気信号を制御部10に対して出力する。
【0029】
圧電素子21は、例えば、発電機能を有する圧電セラミック材料等からなる。圧電素子21は、外部からの電力供給を必要としない。即ち、圧電素子21は、制御部10から電力が供給されていなくても、圧力を受けることによってその圧力に応じた電気信号を出力する。
出力信号増幅部22は、圧電素子21から出力された電気信号を増幅して、制御部10に送信する機能を有している。
【0030】
制御部10は、出力信号増幅部20及び22を介して圧電素子19及び21から電気信号を受信すると、受信した電気信号に応じて駆動部8等に動作指令を出力し、踏段4の走行等の各種動作を適切に制御する。具体的に、制御部10には、乗客通過検出手段23、運転制御手段24、入出力信号制御手段25が備えられている。
【0031】
乗客通過検出手段23は、圧電素子19及び21からの電気信号に基づいて、乗客が乗降口を通過したことを検出する。例えば、乗客通過検出手段23は、圧電素子19からの電気信号を受信することにより、乗客が乗り口2を通過したことを検出する。また、乗客通過検出手段23は、圧電素子21からの電気信号を受信することにより、乗客が降り口3を通過したことを検出する。
【0032】
なお、乗客通過検出手段23に、乗客の移動方向の検出を行わせても良い。例えば、圧電素子21を床板15の広い範囲に設置したり、床板15の複数の領域に設置したりすることにより、電気信号の入力順に基づいて、乗客が降り口3から施設側に出ようとしているのか、降り口3から踏段4に乗り込もうとしているのかを判定することができる。また、圧電素子21からの電気信号を受信した際に、圧電素子19からの電気信号を、直前の所定時間(例えば、乗客の予想移動時間+余裕時間)内に受信していなければ、乗客が降り口3から踏段4に乗り込もうとしていることを推定(検出)することができる。
乗り口2側についても同様の検出が可能である。
【0033】
運転制御手段24は、乗客通過検出手段23の検出結果に基づいて、エスカレーターの運転を制御する。運転制御手段24からの動作指令は、入出力信号制御手段25によって制御され、駆動用モータ9やスピーカ7に送信される。
【0034】
例えば、乗客が乗り口2を通過したこと(乗り口2から踏段4に乗り込もうとしていることを含む)が乗客通過検出手段23によって検出されると、運転制御手段24は、所定の通常運転を行う。即ち、運転制御手段24は、駆動用モータ9に対して動作指令を出力し、踏段4(及び、移動手摺6)を定格速度で走行させる。
【0035】
一方、乗客が降り口3から踏段4に乗り込もうとしていることが乗客通過検出手段23によって検出されると、運転制御手段24は、所定の警告動作を行う。例えば、運転制御手段24は、所定の動作指令を出力することにより、スピーカ7から警告音や警告放送を出力させる。また、運転制御手段24は、駆動用モータ9に対して動作指令を出力し、所定の短い時間(例えば、数秒間)だけ、踏段4を定格速度で走行させる。
このような警告動作を実施することにより、乗客に対して乗り込み方向が違うことを認識させることができる。
【0036】
また、エスカレーターが自動運転方式を採用している場合は、乗客通過検出手段23の検出結果に基づいて、運転の切り換えを行うことができる。かかる場合、運転制御手段24は、乗客が乗り口2を通過したことが乗客通過検出手段23によって検出されると、踏段4を定格速度で走行させる通常運転を行う。また、運転制御手段24は、乗客が乗り口2を通過したことが乗客通過検出手段23によって検出されない状態が所定時間継続すると、所定の待機運転を行う。
以下に、図5及び図6も参照し、かかる機能について具体的に説明する。
【0037】
図5は停止待機自動運転方式を採用した乗客コンベアの回路構成を示す図である。即ち、図5に示すエスカレーターでは、乗客がいない状態が所定時間継続すると、踏段4を停止させて待機する。
【0038】
図5において、26はエスカレーターを自動運転に切り換えるための切換スイッチである。切換スイッチ26がONになると、リレー27が励磁され、その接点27aが閉じられる。この状態の時に乗客が乗り口2を通過し、乗客検出装置13(の圧電素子19)が踏まれると、圧電素子19から電気信号が出力され、接点13aが閉じられる。接点27a及び13aが共に閉じることにより、タイマリレー28が励磁され、その接点28aが計時終了まで閉じられる。接点28aが閉じることにより、リレー29が励磁され、その接点29aが閉じられる。接点29aが閉じることにより、運転指令リレー30が励磁され、エスカレーターが起動する。
【0039】
31は安全スイッチ群、32は停止スイッチ、33は連続運転用の切換スイッチ、34はDOWN方向の運転指令リレーである。
なお、タイマリレー28は、乗客が乗り口2から降り口3に移動するまでの時間を十分に見越した時間設定がなされている。また、エスカレーターが起動中(タイマリレー28の計時中)に新たな乗客が乗り口2を通過して圧電素子19から電気信号が出力されると、運転継続時間が再設定される。即ち、タイマリレー28は、0から再び計時し直す。
【0040】
エスカレーターが起動した後、乗客の通過が乗客検出装置13によって検出されない状態が所定時間継続すると、タイマリレー28の励磁がOFFし、接点28aが開く。このため、リレー29の励磁がOFFし、接点29aが開いてエスカレーターは停止する。
【0041】
かかる構成であれば、エスカレーターの運転時間を必要最小限に抑えることができ、装置の省エネ化を図ることが可能となる。
【0042】
図6は低速待機自動運転方式を採用した乗客コンベアの回路構成を示す図である。即ち、図6に示すエスカレーターでは、乗客がいない状態が所定時間継続すると、踏段4を定格速度よりも遅い速度(低速度)で走行させて待機する。
【0043】
図6において、切換スイッチ26がONになると、リレー27が励磁され、その接点27a及び27bが閉じられる。接点27bが閉じることにより、リレー35が励磁され、その接点35aが閉じられる。接点29bはリレー29の励磁がOFFの時は閉じられている。このため、接点35aが閉じることにより、制御部10が低速度での運転指令を出力する。即ち、運転指令リレー30が励磁され、エスカレーターでは、低速度の運転を開始する。
なお、エスカレーターでは、一般的な定格速度が30[m/分]であれば、低速度は、10[m/分]程度に設定される。
【0044】
この状態の時に乗客が乗り口2を通過し、乗客検出装置13(の圧電素子19)が踏まれると、圧電素子19から電気信号が出力され、接点13aが閉じられる。接点27a及び13aが共に閉じることにより、タイマリレー28が励磁され、その接点28aが計時終了まで閉じられる。接点28aが閉じることにより、リレー29が励磁され、接点29aが閉じられ、接点29bが開かれる。これにより、制御部10が定格速度での運転指令を出力する。即ち、エスカレーターでは、低速度から徐々に速度が上げられ、定格速度での走行に移行する。
【0045】
なお、定格速度での運転中(タイマリレー28の計時中)に新たな乗客が乗り口2を通過して圧電素子19から電気信号が出力されると、運転継続時間が再設定される。即ち、タイマリレー28は、0から再び計時し直す。
【0046】
エスカレーターが定格速度での運転を開始した後、乗客の通過が乗客検出装置13によって検出されない状態が所定時間継続すると、タイマリレー28の励磁がOFFし、接点28aが開く。接点28aが開くことにより、リレー29の励磁がOFFし、接点29aが開いて、接点29bが閉じられる。切換スイッチ26がONであればリレー35の接点35aは閉じている。このため、接点29aが開き、接点29bが閉じることによって、制御部10が低速度での運転指令を出力する。即ち、エスカレーターでは、定格速度から徐々に速度が下げられ、低速度での走行に移行する。
【0047】
かかる構成であれば、エスカレーターの乗客に対して運転方向を知らせるように構成した上で、装置の省エネ化を図ることができる。
【0048】
この発明の実施の形態1によれば、圧電素子19を備えた乗客検出装置13により、乗り口2を通過する乗客を確実に検出することができる。乗客検出装置13(の圧電素子19)は、乗り口2を通過する乗客によって踏まれる位置に設置しておけば良く、その設置や検出範囲の調整等に高度な技術は必要としない。また、乗り口2にポール等を設置する必要もない。更に、圧電素子19に電力を供給する必要がなく、その配線も簡素化できる。このため、設置を容易に行うことができ、据付工期を大幅に短縮させることが可能となる。
【0049】
また、乗客検出装置13を施設側の床部に設置した場合は、床板11を軽量化でき、主枠1に対する床板11の着脱が容易になるといった効果が期待できる。
【0050】
降り口3側の乗客検出装置17についても、同様の効果が期待できる。
【符号の説明】
【0051】
1 主枠
2 乗り口
3 降り口
4 踏段
5 欄干
6 移動手摺
7 スピーカ
8 駆動部
9 駆動用モータ
10 制御部
11、15 床板
12、16 櫛歯
13、17 乗客検出装置
13a、27a、27b、28a、29a、29b、30a、34a、35a 接点
14、18 柵
19、21 圧電素子
20、22 出力信号増幅部
23 乗客通過検出手段
24 運転制御手段
25 入出力信号制御手段
26、33 切換スイッチ
27、29、35 リレー
28 タイマリレー
30、34 運転指令リレー
31 安全スイッチ群
32 停止スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアの乗降口に設けられ、前記乗降口を通過する乗客に踏まれることによって電気信号を出力する圧電素子
を備えた乗客コンベアの乗客検出装置。
【請求項2】
乗客コンベアの乗降口に設けられ、受けた圧力を電気信号に変換して、踏段の走行を制御するための制御部に対して出力する圧電素子
を備えた乗客コンベアの乗客検出装置。
【請求項3】
前記圧電素子は、主枠の内部に通じる開口を塞ぐ床板に設けられた請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの乗客検出装置。
【請求項4】
前記乗降口に、主枠の内部に通じる開口を塞ぐ床板が設けられ、
前記圧電素子は、前記床板に近接する施設側床部に設けられた
請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの乗客検出装置。
【請求項5】
前記圧電素子から出力された電気信号を増幅して、踏段の走行を制御するための制御部に送信する増幅部と、
を更に備えた請求項1から請求項4の何れかに記載の乗客コンベアの乗客検出装置。
【請求項6】
乗客コンベアの踏段を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
乗客コンベアの乗降口に設けられ、受けた圧力を電気信号に変換して、前記制御部に対して出力する圧電素子と、
を備えた乗客コンベア。
【請求項7】
前記制御部は、
前記圧電素子からの信号に基づいて、乗客が前記乗降口を通過したことを検出する乗客通過検出手段と、
前記乗客通過検出手段の検出結果に基づいて、運転を制御する運転制御手段と、
を備えた請求項6に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
前記運転制御手段は、前記乗客通過検出手段によって乗客の通過が検出されると、前記踏段を定格速度で走行させる通常運転を行い、前記乗客通過検出手段によって乗客の通過が検出されない状態が所定時間継続すると、所定の待機運転を行う請求項7に記載の乗客コンベア。
【請求項9】
前記圧電素子は、乗客コンベアの一方の乗降口と他方の乗降口との双方に設けられ、
前記運転制御手段は、前記乗客通過検出手段によって乗客が前記一方の乗降口から乗り込もうとしていることが検出されると、前記踏段を定格速度で走行させる通常運転を行い、前記乗客通過検出手段によって乗客が前記他方の乗降口から乗り込もうとしていることが検出されると、所定の警告動作を行う
請求項7又は請求項8に記載の乗客コンベア。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−197164(P2012−197164A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63928(P2011−63928)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】