説明

乗客/物品の移動用の搬送システム

【課題】移動無端ベルトが形成する乗客/物品を移動する低速部、遷移速度部、及び高速部を有する搬送システムを提供すること。
【解決手段】一連のパレットアセンブリ100,101と、無端ベルトの搭載/移載域に位置する低速部において、起動器具からパレットベルト100,101へ駆動運動を伝達する駆動器具300と、無端ベルトの中間域に位置する高速部において起動器具からパレットベルト100,101へ駆動運動を伝達する駆動器具300’と、無端ベルトの搭載/移載域と中間域との間に位置する過渡速度域において起動器具からパレットベルト100,101へ駆動運動を伝達する駆動器具とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗客/物品を輸送するための搬送システムに係り、より具体的には、搭載/移載領域に位置する低速区域と、中間領域に位置する高速区域と、搭載/移載領域と中間領域との間に位置する遷移速度区域と、を有するシステムに関する。
【0002】
本発明は機械歩道、例えば空港や駅、及び、一般に使用者が多少長い区間を歩かねばならない公共の場所において使用される機械歩道に適用され、この場合には、この種の移動を一層容易にすることを目的とする。
【背景技術】
【0003】
低速を有する第1の搭載域、加速領域、最大速度中間域、減速領域、低速移載領域、が動作方向に沿って通路内に設置されているような、異なる速度で動作する様々な区域が設けられた前記と同様の機械歩道を見出すのはありふれたことである。
【0004】
加速領域と減速領域において必要となる可変速度を得るためには、特許文献1に提示されたものを含み、様々な解決策が存在する。特許文献1には、プレートアセンブリにより形成する移動面を備えた加速歩道が記載されており、各アセンブリは、動作方向に垂直な軸に沿って互いに蝶番結合した前部プレートと後部プレートとにより形成されている。各アセンブリの後部プレートは側方ガイドとチェーン上に取り付けられているのに対し、前部プレートはその直前に配置したプレートアセンブリの後部プレートに接続されている。チェーンは屈曲リンクと直線リンクとにより形成されており、側方ガイド間で駆動されてリンクを傾斜させる。この歩道は、プレートが低速で循環する搭載域及び移載域と、プレートが高速で循環する中間域と、側方チェーンを折り畳み、または折り畳みを解除することによってプレートが加減速する二か所の遷移領域と、を含んでいる。
【特許文献1】スペイン特許第2179720号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本発明に最も近い従来技術の水準よりもパレットの駆動要素の動作が簡単化された搬送システムを提供するものである。異なる速度分布を有する区域、すなわち搭載域及び移載域における低速と、中央域及び高速領域と低速領域との間の対応する過渡域における高速と、を提供する高度の機械的複雑さを伴う単一の駆動要素を用いる代りに、根本的に異なる設計を選択する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では異なる速度分布を有する各領域ごとに異なる駆動手段を用いており、これらの領域のそれぞれについてシステムの必要条件に合致するように最も単純にできる設計を選択してある。すなわち、搭載低速域用チェーンと、移載低速域用チェーンと、中央最速域用チェーンと、搭載低速域から中央最速域までの加速域用可変ピッチ螺子と、中央最速域から移載低速域までの減速域用可変ピッチ螺子とが配置されている。
【0007】
この構成によって、システムの各速度域を部分組立品として処した場合にシステム構成要素のいずれもがより柔軟に選択できて交換できるため、より大幅に規格化部品を使用することが可能となる。
【0008】
本発明のパレットアセンブリを組み込んだこの搬送システムは、本発明に最も近い従来技術水準よりも、構成要素が従来からあるものであるため、製造がより複雑でないという別の利点がある。それゆえ、初期システムコスト及びそのあらゆる構成要素の交換コストがかなり小さいものとなる。
【0009】
機械的により簡潔であることは、システム構成要素の寿命にも別の結果をもたらす。すなわち、システム構成要素があまり劣化しないために有効寿命がより長くなり、このことによって、保守停止期間と期間の間のシステム動作期間がより長期になり、より大きな信頼性に転化する。
【0010】
本発明は、複数のパレットアセンブリ(100,101)と、少なくとも一つのモータ(410,410’,410”)から起動運動を伝達する起動手段(400,400’,400”)と、を備える移動無端ベルトにより形成された乗客/物品を移動させる搬送システムであり、前記パレットアセンブリ(100,101)のそれぞれが、乗客/物品を支持するよう構成されかつ可変長を有する支持面(160)を有し、駆動パレット(100)により駆動する被駆動パレット(101)を含み、両パレット(100,101)が前記ベルトの移動方向Dに垂直な軸に沿って互いに蝶番結合されている。
前記搬送システムは、
前記無端ベルトの搭載/移載域内に位置する低速部内で第1の起動手段(400)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第1の駆動手段(300,320,321,310,311)を備えており、
前記無端ベルトの中間域内に位置する高速部内で第2の起動手段(400’)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第2の駆動手段(300’,310’,311’)を備えており、
前記無端ベルトの前記搭載/移載域と前記中間域との間に位置する遷移速度部内で前記第3の起動手段(400”)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第3の駆動手段(300”)を備えている。
前記パレット(100,101)は、
前記支持面(160)に対向し、第1の噛合手段(130,131)を有する機能面を備えており、
前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)と前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)と前記第3の駆動手段(300”)とが、前記第1の噛合手段(130,131)に接合する形状を有する第2の噛合手段(330,331)を備え、前記駆動パレット(100)を前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)により駆動し、前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)と前記第3の駆動手段(300”)を前記第1の噛合手段(130,131)と前記第2の噛合手段(330,331)との間の噛合により駆動し、前記パレットベルト(100,101)を前記移動方向Dに駆動するようにしたものである。
【0011】
駆動手段は単一モータにより駆動することができ、このモータが第1の駆動手段すなわち低速搭載/移載チェーンと第2の駆動手段すなわち高速チェーンの両方を駆動することができ、第3の駆動手段すなわち可変ピッチ螺子を含む。他端において、各駆動手段にはその固有のモータを持たせることができる。駆動手段の異なる組み合わせがモータを共有する中間的解決策もまた、可能である。
【0012】
第1の駆動手段は、移動方向Dに沿って平行な二対の第1のチェーンで、搭載域内の第1の対と移載域内の第2の対で、その前方移動部と復帰部がベルトの前方移動部と復帰部との間を走る第1のチェーンで構成することができる。
【0013】
第2の駆動手段は、無端ベルトの中間域内で移動方向Dに平行で、その前方移動部と復帰部がベルトの前方移動部と復帰部との間を走る二つの第2のチェーンで構成することができる。
【0014】
第3の駆動手段は、二つの可変ピッチ螺子、すなわち、
無端ベルトの搭載域と中間域との間に配置した増速部内の第1の螺子と、
無端ベルトの搭載域と中間域との間に配置した減速部内の第2の螺子と、から構成することができる。
【0015】
それゆえ、第1の駆動手段は第1の駆動レベルIに配置することができ、
第2の駆動手段は第2の駆動レベルIIに配置することができ、
第3の駆動手段には、第1の駆動レベルI内に第1の部分と、第2の駆動レベルII内に第2の部分とを持たせることができる。
【0016】
本発明の一つの構成では、第1の駆動レベルIは第2の駆動レベルIIの上方とすることができる。
【0017】
本発明のシステムでは、
第1の噛合手段は揺動ビームで構成することができ、揺動ビームは、
移動方向Dに垂直な軸に沿って機能面へ蝶番結合した第1の端部と、
第1の端部に対向し、長手移動方向Dに垂直に爪の形をした少なくとも一つの凹弧を有する第2の端部とを有し、
第2の噛合手段が、
第1の駆動手段と第2の駆動手段内の長手移動方向Dに垂直な駆動ブッシュを備え、
駆動ブッシュを凹弧内に収容したときに、第1の駆動手段/第2の駆動手段と駆動パレットとの間に、長手移動方向Dに垂直な方向に、第1/第2の噛合が形成されることができる。
【0018】
本発明の一つの構成では、第2の端部は第1の駆動手段と噛合する第1の弧と第2の駆動手段に噛合する第2の弧の二つの凹弧を備える。
【0019】
本発明にあっては、
第1の噛合手段は揺動ビームを備え、この揺動ビームが
移動方向Dに垂直な軸に沿って機能面に蝶番結合した第1の端部と、
第1の端部に対向し、長手移動方向Dに垂直な駆動ローラを有する第2の端部とを有し、
第2の噛合手段は、
第3の駆動手段内の可変ピッチ螺旋状露出部で構成し、
駆動ローラを螺旋状露出部により駆動したときに、第3の駆動手段と駆動パレットとの間に、長手移動方向Dに垂直な方向に、第3の噛合を形成することができる。
【0020】
揺動ビームには、第2の端部内にあってベルトに沿って走るガイド上を転動し、揺動ビームを第1/第2の噛合位置と第3の噛合位置との間で傾斜駆動するカムとして機能する構成とした少なくとも一つのホイールを持たせることができる。
【0021】
揺動ビームには、駆動ローラを配置した第2の端部間に2本のアームを持たせることができる。
【0022】
揺動ビームが2本のアームを有するときは、そこにその外面のそれぞれにホイールを組み込むことができる。これらホイールは、ベルトに沿って走るガイド間を転動し、下方側方爪がチェーンにロックするベルトの高速移動部に沿う下側位置と、横断ローラが可変ピッチ螺子の一つと噛合する場合に、前記爪をチェーンから分離させるベルトの変速及び低速移動部に沿う上側位置との間で、ベルトの前方移動部に沿って揺動ビームを傾斜させるカムとして機能させる構成としてある。
【0023】
これら2本のアームは、平行であってもよい。
【0024】
本発明システムでは、
駆動パレットは各側に二つの第1の下部プーリホイールを具備させることができ、
被駆動パレットは各側に第2の下部プーリホイールを具備させることができ、
両パレット各側のプーリホイールは、
パレットの表面から異なる距離の平面に配置することができ、
ベルトの走路に沿って走る移動方向Dに平行なレールを介して移動する構成とすることができる。
【0025】
両パレット各側のプーリホイールは、パレットに隣接するエッジから異なる距離の平面上に配置することができる。
【0026】
第2のプーリホイールは駆動パレットの第1のプーリホイールよりも被駆動パレットにより近接させて配置することができる。
両側のプーリホイールはベルトの長手方向中間面に関し対称な位置に配置することができる。
【0027】
本発明のシステムでは、レールがU形状断面を有していてもよい。
【0028】
本発明のシステムでは、第1のチェーンと第2のチェーン及びそれらの組み合わせから選択する構成要素であって、前記チェーンがリンクとブッシュに基づいて形成される前記構成要素が複数の駆動ブッシュを備えており、前記駆動ブッシュの軸をブッシュの軸と共線とし、前記駆動ブッシュをリンクの少なくとも一側に向け突出させる。
【0029】
駆動ブッシュは自由端にガイドホイールを有していてもよく、このガイドホイールはベルトの走路に沿って走る移動方向Dと平行に、ガイドにより駆動されるよう構成される。
【0030】
駆動ブッシュは、凹弧の幅にほぼ等しい長さを有していてもよい。
【0031】
本発明のシステムは、各駆動パレットごとに駆動ブッシュを具備していてもよい。
【0032】
本発明のシステムでは、ガイドがU形状断面を有していてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
一連の図面が以下にごく簡潔に示され、本発明をより良く理解することを助けるだろう。これらは前記発明の一実施形態に特に関係するものであるが、限定的な例として提示されるものではない。
【0034】
本発明の一実施形態は、複数のパレットアセンブリ(100,101)と、少なくとも一つのモータ(410,410’,410”)から起動運動を伝達する起動手段(400,400’,400”)と、を備える移動無端ベルトにより形成された乗客/物品を移動させる搬送システムであり、前記パレットアセンブリ(100,101)のそれぞれが、乗客/物品を支持するよう構成されかつ可変長を有する支持面(160)を有し、駆動パレット(100)により駆動する被駆動パレット(101)を含み、前記パレット(100,101)が前記ベルトの移動方向Dに垂直な軸に沿って互いに蝶番結合されている。
前記搬送システムは、
前記無端ベルトの搭載/移載域内に位置する低速部内で第1の起動手段(400)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第1の駆動手段(300,320,321,310,311)を備えており、
前記無端ベルトの中間域内に位置する高速部内で第2の起動手段(400’)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第2の駆動手段(300’,310’,311’)を備えており、
前記無端ベルトの前記搭載/移載域と前記中間域との間に位置する遷移速度部内で前記第3の起動手段(400”)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第3の駆動手段(300”)を備えている。
前記パレット(100,101)は、
前記支持面(160)に対向し、第1の噛合手段(130,131)を有する機能面を備えており、
前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)と前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)と前記第3の駆動手段(300”)とが、前記第1の噛合手段(130,131)に接合する形状を有する第2の噛合手段(330,331)を備え、前記駆動パレット(100)を前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)により駆動し、前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)と前記第3の駆動手段(300”)を前記第1の噛合手段(130,131)と前記第2の噛合手段(330,331)との間の噛合により駆動し、前記パレットベルト(100,101)を前記移動方向Dに駆動する。
【0035】
駆動手段は単一モータにより駆動することができ、このモータは第1の駆動手段(300)すなわち低速搭載/移載チェーンと第2の駆動手段(300’)すなわち高速チェーンの両方と、さらに第3の駆動手段(300”)すなわち可変ピッチ螺子までも駆動することができる。他端部において、各駆動手段(300,300’,300”)にはその固有モータを持たせることができる。駆動手段(300,300’,300”)の異なる組み合わせがモータを共有するという中間的解決策もまた可能である。
【0036】
第1の駆動手段(300,320,321,310,311)は移動方向Dに沿って平行な二対の第1のチェーン(300)を備え、そのうち搭載域の第1の対と移載域の第2の対と前方移動部と復帰部がベルトの前方移動部と復帰部の間を走る。
【0037】
第1の駆動チェーン(300)は第1の駆動ギアホイール(310,320)と先導ホイールと第1の先導駆動ホイール(310)と従動ホイールと第1の従動駆動ホイール(320)とにより駆動し、それらは駆動軸(311,321)とモータ軸と第1のモータ駆動軸(311)と従動軸と第1の柔動駆動軸(321)により支持してある。第1のモータ駆動軸(311)は、モータ(410)により起動される複数のプーリとベルトとを備える変速装置により形成した第1の起動手段(400)により起動する。
【0038】
第2の駆動チェーン(300’)は第2の駆動ギアホイールと先導ホイールと第2の先導駆動ホイール(310’)と従動ホイールと第2の従動駆動ホイール(図示せず)により駆動し、それらは駆動軸とモータ軸と第2のモータ駆動軸(311’)と従動ホイールと第2の従動駆動軸(図示せず)により支持してある。第2のモータ駆動軸(311’)は、モータ(410’)により起動される複数のプーリとベルトとを備える変速装置により形成した第2の起動手段(400’)により起動する。
【0039】
図2は、第1のモータ駆動軸(311)からそれらの動きを取り込む複数の軸とギアホイールとからなる変速装置により形成される第3の起動手段(400”)によって、いかにして駆動螺子(300”)を起動するかを示すものである。
【0040】
図3Aは、第2のモータ駆動軸(311’)からそれらの動きを取り込む複数の軸とギアホイールとプーリとからなる変速装置により形成される第3の起動手段(400”)によって、いかにして駆動螺子(300’)を起動するかを示すものである。
【0041】
第2の駆動手段(300’,310’,311’)は無端ベルトの中間域に移動方向Dに沿って平行な二つの第2のチェーン(300’)を備え、その前方移動部と復帰部がベルトの前方移動部と復帰部との間を走っている。
【0042】
第3の駆動手段(300”)は二つの可変ピッチ螺子を含み、
第1の螺子は無端ベルトの搭載域と中間域との間に位置する増速部内にあり、
第2の螺子は無端ベルトの搭載域と中間域との間に位置する減速部内にある。
第1の駆動手段(300,320,321,310,311)は第1の駆動レベルIに配置されており、
第2の駆動手段(300’,310’,311’)は第2の駆動レベルIIに配置されており、
第3の駆動手段(300”)は第1の駆動レベルI内に第1の部分と、第2の駆動レベルII内に第2の部分とを有する。
【0043】
本発明の一実施形態にあっては、第1の駆動レベルIは第2の駆動レベルIIの上方にある。
【0044】
本発明のシステムにあっては、
第1の噛合手段(130,131)が揺動ビーム(13)を備え、この揺動ビーム(13)が、
移動方向Dに垂直な軸に沿って機能面に蝶番結合した第1の端部と、第1の端部に対向する第2の端部で、長手移動方向Dに爪の形をなす垂直な少なくとも一つの凹弧(130)を有する第2の端部とを備える。
第2の噛合手段(330,331)が、
第1の駆動手段(300)内と第2の駆動手段(300’)内に長手軸方向Dに垂直な駆動ブッシュ(330)を備え
駆動ブッシュ(330)を凹弧(130)内に収容したときに、第1の駆動手段(300)/第2の駆動手段(300’)と駆動パレット(100)との間に、長手方向移動方向Dに垂直に、第1/第2の噛合(130〜330)を形成する。
【0045】
本発明の一実施形態では、第2の端部は第1の駆動手段(300)に噛合する第1の弧(130)と第2の駆動手段(300’)に噛合する第2の弧(130’)の二つの凹弧を備える。
【0046】
本発明では、
第1の噛合手段(130,131)は揺動ビーム(13)を備え、この揺動ビーム(13)が、
移動方向Dに垂直な軸に沿って機能面に蝶番結合した第1の端部と、
第1の端部に対向し、長手移動方向Dに垂直な駆動ローラ(131)を有する第2の端部と、を備え、
第2の噛合手段(330,331)が、
第3の駆動手段(300”)内に螺旋露出部(331)を備え、
駆動ローラ(131)を螺旋露出部(331)により駆動するときに第3の駆動手段(300”)と駆動パレット(100)との間に、長手移動方向Dに垂直な方向に、第3の噛合(131〜331)を形成する。
【0047】
揺動ビーム(13)は、第2の端部内にベルトに沿って走るガイド(13b)上を転動し、第1/第2の噛合(130〜330)位置と第3の噛合(131〜331)位置との間で揺動ビームを傾斜駆動するカムとして機能する少なくとも一つのホイール(13a)を有する。
【0048】
揺動ビーム(13)は、駆動ローラ(131)を配置する第2の端部間に2本のアームを有する。
【0049】
揺動ビーム(13)が2本のアームを有するときは、そこにその外面のそれぞれにホイールを組み込むことができる。これらのホイールは、ベルトに沿って走るガイド間を転動し、下方側方爪がチェーンにロックするベルトの高速移動部に沿う下側位置と、横断ローラが可変ピッチ螺子の一方と噛合する場合に、爪をチェーンから分離させるベルトの可変速及び低速部に沿う上側位置との間で、揺動ビーム(13)の傾斜を引き起こすカムとして機能させる構成としてある。
【0050】
これら2本のアームは、平行である。
【0051】
本発明のシステムにあっては、駆動パレット(100)は各側に二つの第1の下部プーリホイール(110)を備え、
被駆動パレット(101)は各側に第2の下部プーリホイール(111)を備え、
パレット(100,101)各側のプーリホイール(110,111)は、
パレット(100,101)の表面から異なる距離の平面上に配置してあり、
ベルトの走路に沿って走る移動方向Dに平行なレール(115)を介して移動させる構成としてある。
【0052】
両パレット(100,101)各側のプーリホイール(110,111)は、パレット(100,101)の隣接エッジから異なる距離の平面上に配置されている。
【0053】
第2のプーリホイール(111)は、駆動パレット(100)の第1のプーリホイール(110)よりも、被駆動パレット(101)により近接させて配置される。
【0054】
両側のプーリホイール(110,111)は、ベルトの長手方向中間平面に対して対称な位置に配置されている。
【0055】
本発明のシステムにあっては、レール(115)はU形状断面を有する。
【0056】
本発明のシステムにあっては、第1のチェーン(300)と第2のチェーン(300’)及びそれらの組み合わせで、リンク(360)とブッシュ(350)に基づき形成されるチェーンから選択される構成要素が、
その軸(5)をブッシュ(350)の軸と共線とし、リンク(360)の少なくとも一面に向け突出する複数の駆動ブッシュ(330)を備える。
【0057】
駆動ブッシュ(330)は自由端にガイドホイール(333)を有しており、該ガイドホイール(333)はベルトの走路に沿って走る移動方向Dに平行なガイド(332)によって駆動されるよう構成されている。
【0058】
駆動ブッシュ(330)は、凹弧(130)の幅にほぼ等しい長さを有する。
【0059】
本発明のシステムにあっては、各駆動パレット(100)ごとに駆動ブッシュ(330)を備える。
【0060】
本発明のシステムにあっては、ガイド(332)がU形状断面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】パレットアセンブリと第1及び第2の駆動手段とを示す本発明のシステムの線図である。
【図2】本発明の第1のモータ構造と第1及び第3の起動手段とを示す斜視図である。
【図3A】本発明の第2のモータ構造と起動手段とを示す第1の側から見た斜視図であり、本発明のモータと第1及び第3の起動手段とを示す図である。
【図3B】本発明の第2のモータ構造と起動手段とを示す第2の側から見た斜視図であり、本発明のモータと第1及び第2の起動手段を示す図である。
【図4】第3の駆動手段に噛合するプレートアセンブリを示す斜視図である。
【図5】第1の凹弧が第1の駆動手段に噛合するプレートアセンブリの揺動ビームを示す詳細図である。
【図6】本発明の搬送システムの断面図である。
【符号の説明】
【0062】
13 揺動ビーム
13a ホイール
13b ガイド
100 駆動パレット
101 被駆動パレット
111 プーリホイール
115 レール
130 第1の凹弧
130’ 第2の凹弧
131 駆動ローラ
160 支持面
300,320,321,310,311 第1の駆動手段
300’ 第2のチェーン
330 駆動ブッシュ,第2の噛合手段
331 第2の噛合手段
332 ガイド
333 ガイドホイール
350 ブッシュ
360 リンク
400,400’,400” 駆動手段
410,410’,410” モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパレットアセンブリ(100,101)と、少なくとも一つのモータ(410,410’,410”)から起動運動を伝達する起動手段(400,400’,400”)と、を備えており、
前記パレットアセンブリ(100,101)のそれぞれが、乗客/物品を支持するよう構成されかつ可変長を有する支持面(160)を有し、駆動パレット(100)により駆動される被駆動パレット(101)を含み、両パレット(100,101)が前記ベルトの移動方向Dに垂直な軸に沿って互いに蝶番結合されている、移動無端ベルトにより形成された乗客/物品を移動させる搬送システムであって、
前記搬送システムが、
前記無端ベルトの搭載/移載域内に位置する低速部内で第1の起動手段(400)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第1の駆動手段(300,320,321,310,311)を備えており、
前記無端ベルトの中間域内に位置する高速部内で第2の起動手段(400’)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第2の駆動手段(300’,310’,311’)を備えており、
前記無端ベルトの前記搭載/移載域と前記中間域との間に位置する遷移速度部内で前記第3の起動手段(400”)から前記パレットベルト(100,101)へ駆動運動を伝達するよう構成された第3の駆動手段(300”)を備えており、
前記パレット(100,101)が、
前記支持面(160)に対向し、第1の噛合手段(130,131)を有する機能面を備えており、
前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)と前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)と前記第3の駆動手段(300”)とが、前記第1の噛合手段(130,131)に接合する形状を有する第2の噛合手段(330,331)を備え、前記駆動パレット(100)を前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)により駆動し、前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)と前記第3の駆動手段(300”)とを前記第1の噛合手段(130,131)と前記第2の噛合手段(330,331)との間の噛合により駆動し、前記パレットベルト(100,101)を前記移動方向Dに駆動する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)が前記駆動方向Dに沿って平行な第1のチェーン(300)を二対備えており、搭載域内の第1の対と、移載域内の第2の対と前方移動部と復帰部とが前記ベルトの前方移動部と復帰部との間を走る、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)が前記無端ベルトの中間域内に前記移動方向Dに沿う平行な2つの第2のチェーン(300’)を備え、その前方移動部と復帰部が前記ベルトの前方移動部と復帰部との間を走る、ことを特徴とする請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
前記第3の駆動手段(300”)が二つの可変ピッチ螺子を備えており、
第1の螺子が、前記無端ベルトの搭載域と中間域との間に配置された増速部内にあり、
第2の螺子が、前記無端ベルトの前記搭載域と前記中間域との間に配置された減速部内にある、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の駆動手段(300,320,321,310,311)が第1の駆動レベルIに配置されており、
前記第2の駆動手段(300’,310’,311’)が第2の駆動レベルII内に配置されており、
前記第3の駆動手段(300”)が、前記第1の駆動レベルI内に第1の部分と、前記第2の駆動レベルII内に第2の部分と、を有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の駆動レベルIが、前記第2の駆動レベルIIの上方にある、ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の噛合手段(130,131)が、
移動方向Dに垂直な軸に沿って機能面に蝶番結合された第1の端部と、
前記第1の端部に対向し、前記長手移動方向Dに垂直な爪の形をした少なくとも一つの凹弧(130)を含む第2の端部と、を有する揺動ビーム(13)を備えており、
前記第2の噛合手段(330,331)が、前記第1の駆動手段(300)と前記第2の駆動手段(300’)内で前記長手移動方向Dに垂直な駆動ブッシュ(330)を備えており、
前記駆動ブッシュ(330)を前記凹弧(130)内に収容したとき、前記第1の駆動手段(300)/第2の駆動手段(300’)と前記駆動パレット(100)との間に、前記長手移動方向Dに垂直な方向に第1/第2の噛合(130〜330)を形成する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の端部が二つの凹弧を備えており、第1の凹弧(130)が前記第1の駆動手段(300)に噛合し、第2の凹弧(130’)が前記第2の駆動手段(300’)に噛合する、ことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の噛合手段(130,131)が、
前記移動方向Dに垂直な軸に従う機能面に対し蝶番結合した第1の端部と、
前記第1の端部に対向し、前記長手移動方向Dに垂直な駆動ローラ(131)を含む第2の端部と、を有する揺動ビーム(13)を備えており、
前記第2の噛合手段(330,331)が、前記第3の駆動手段(300”)内に可変ピッチ螺旋状露出部(331)を備えており、
前記駆動ローラ(131)を前記螺旋状露出部(331)により駆動したときに、前記第3の駆動手段(300”)と前記駆動パレット(100)との間に、前記長手移動方向Dに垂直な方向に、第3の噛合(131〜331)が形成される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記揺動ビーム(13)が前記第2の端部に前記ベルトに沿って走るガイド(13b)上を転動し、第1/第2噛合(130〜330)位置と第3の噛合(131〜331)位置との間で前記揺動ビーム(13)の傾斜を駆動するカムとして機能する少なくとも一つのホイール(13a)を有する、ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記揺動ビーム(13)が、前記駆動ローラ(131)が配置される前記第2の端部間に2本のアームを有する、ことを特徴とする請求項9又は10記載のシステム。
【請求項12】
前記アームが平行である、ことを特徴とする請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記駆動パレット(100)が、前記駆動パレット(100)各側の支持面(160)よりも下側にある位置に配置された移動方向Dに垂直な軸を有する二つの第1のプーリホイール(110)を備え、
前記被駆動パレット(101)が、前記被駆動パレット(101)各側の支持面(160)よりも下側にある位置に配置された移動方向Dに垂直な軸を有する第2のプーリホイール(111)を備え、
前記両パレット(100,101)各側の前記プーリホイール(110,111)が、前記支持面(160)から異なる距離の平行な面に配置されて、前記ベルトの走路に沿って走る移動方向Dに平行なレール(115)を介して移動させるよう構成された、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記両パレット(100,101)各側の前記プーリホイール(110,111)が、前記移動方向Dと平行な平面に、前記パレット(100,101)の隣接エッジから異なる距離に配置された、ことを特徴とする請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のプーリホイール(111)が、前記駆動パレット(100)の前記第1のプーリホイール(110)よりも、前記被駆動パレット(101)により近接して配置された、ことを特徴とする請求項13又は14記載のシステム。
【請求項16】
両側の前記プーリホイール(110,111)が、前記ベルトの長手方向中間面に関して対称な位置に配置された、ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記レール(115)がU形状断面を有する、ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のチェーン(300)と前記第2のチェーン(300’)及びそれらの組み合わせから選択され、前記チェーンがリンク(360)とブッシュ(350)に基づき形成されている構成要素が、複数の駆動ブッシュ(330)を備えており、前記駆動ブッシュ(330)の軸(5)が前記ブッシュ(350)の軸と共線をなし、前記駆動ブッシュ(330)が前記リンク(360)の少なくとも一側に向けて突出している、ことを特徴とする請求項3〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記駆動ブッシュ(330)が自由端にガイドホイール(333)を有し、前記ガイドホイール(333)が前記ベルトの走路に沿って走る移動方向Dに平行なガイド(332)により駆動されるよう構成された、ことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記駆動ブッシュ(330)が前記凹弧(130)の幅にほぼ等しい長さを有する、ことを特徴とする請求項18又は19記載のシステム。
【請求項21】
各駆動パレット(100)ごとに前記駆動ブッシュ(330)を備える、ことを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガイド(332)がU形状断面を有する、ことを特徴とする請求項18〜21のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−201584(P2008−201584A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−332755(P2007−332755)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(507421496)
【出願人】(507421500)ティッセンクルップ エレベーター (イーエス ピービービー) リミテッド (7)
【Fターム(参考)】