乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造
【課題】従来、搬送コンベア間の隙間を、ロール群や、又は小型のコンベアを設ける構造（閉塞構造）では、主として、部品を、落下することなく、また整然と搬送するようにしている。しかし、この構造（装置、又は方法）では、元々、構造的に無理があること、また余分のスペース及び／又は新たな設備投資を要すること等の改良点がある。
【構成】本発明は、搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造で、この構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、側板に差渡し設け、かつ前記搬送コンベアのロールに懸架したベルトに接触する駆動伝達プーリーと、駆動伝達プーリーに接触し、側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、乗継ぎ用ローラーコンベアと、搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向に回転する構造である。従って、搬送コンベア間からの落下防止が図れる。
【構成】本発明は、搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造で、この構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、側板に差渡し設け、かつ前記搬送コンベアのロールに懸架したベルトに接触する駆動伝達プーリーと、駆動伝達プーリーに接触し、側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、乗継ぎ用ローラーコンベアと、搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向に回転する構造である。従って、搬送コンベア間からの落下防止が図れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、搬送コンベア間の隙間を少なくする乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造に関し、従来の搬送コンベアに、容易、かつ低コストで設置できる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、搬送コンベア間の隙間を、ロール群や、又は小型のコンベアを設ける構造（閉塞する構造）として、主として、品物（小型の部品、パーツ、ワーク等の物であり、以下、部品とする）が、落下することなく、また整然と搬送するようにしている。しかし、この構造（装置、又は方法）では、元々、構造的に無理があること、また余分のスペース及び／又は新たな設備投資を要すること等の改良点がある。
【０００３】
上記に鑑み、この種のスペースを埋めることが可能な先行文献としては、次のような発明が挙げられる。
【０００４】
文献（１）は、特開平６−３３６３２０号の「伸縮ローラコンベア装置」である。この発明は、固定長コンベアと可変長コンベア及び補助コンベアとの組み合わせ構造であり、この可変長コンベア及び補助コンベアを移動可能とする構造であり、搬送ローラ間の間隔を保ちながら、搬送路の長さを調整可能としたことで、搬送対象荷物の制限を受けない搬送装置を提供する。
【０００５】
また文献（２）は、特開２０００−１４２９６８の「列独立搬送部を備えた個別送り装置」である。この発明は、搬入コンベアと排出コンベアとの間に、個別送り装置（個別コンベア）を設けた構造であり、搬入コンベアで送られる複数列の部品を、個別コンベアで選別し、排出コンベアに個別に（一個ずつ）搬出することを特徴とする。
【０００６】
尚、文献（３）は、実開平７−３０２２５号の「移送部品排除装置」である。この考案は、（正規ルート）ベルトコンベア間に、シュート板を設け、このシュート板に開口を形成し、この開口の下方に、空気噴射機構を配し、このシュート板に搬送された部品の中で姿勢の不具合な部品を、噴射空気を介して、別のベルトコンベアに移送することを特徴とし、姿勢の正しい部品のみを、正規ルートに移送することを特徴とする。
【０００７】
【特許文献１】特開平６−３３６３２０号
【特許文献２】特開２０００−１４２９６８
【特許文献３】実開平７−３０２２５号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
文献（１）は、可変長コンベアを介して、搬送コンベアの長さを補助し、搬送対象荷物の制限を受けない搬送装置を提供する。従って、搬送コンベア間に発生する隙間で発生する弊害解除を意図する構造でない。またこの文献（１）の構造において、可変長コンベアを介して、搬送コンベア間の隙間調整に採用することも可能であるが、この可変長コンベアを蝶対するには、この明細書で開示するように、基台と、この基台を移動する車輪及び／又はフレームを装置しなければならず、到底採用できないものである。
【０００９】
また文献（２）は、搬入・搬出コンベア間を、個別コンベアで閉塞する構造であるが、この個別コンベアを装置するには、前記文献（１）と同様に、個別なフレーム及び／又はコンベア装置等を設備する必要性があり、経済的な負担と、その為のスペース及び／又は特別な機構・駆動源が要求される問題点を抱えている。
【００１０】
さらに文献（３）は、ベルトコンベア間に設けた開口を備えたシュート板と、開口の下方に設けた空気噴射機構を介して、ベルトコンベアからシュート板に搬送されてくる姿勢の不具合な部品を、噴射空気を介して、別のベルトコンベアに、移送する構造であり、ベルトコンベア間を閉塞する構造であるが、前述の文献（２）と同様な問題点を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
請求項１の発明は、搬送コンベア間を、簡易に、かつ組付け機構を利用して閉塞できる構造を提供し、この搬送コンベア間の隙間で発生する前述した弊害の解消、在来の搬送コンベアにも容易に取付けできる乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。また請求項１の発明は、駆動源を必要とせず、経済的で、かつ駆動力を要しない構造とし、地球環境の維持及び／又は騒音・振動がなく、職場環境に役立つ機構、即ち、接触回転によるフリーロール機構を採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００１２】
請求項１は、搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造において、
この乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、この側板に差渡し設け、かつ前記搬送コンベアのロールに懸架したベルト（ロールもあり得る）に接触する駆動伝達プーリーと、この駆動伝達プーリーに接触し、前記側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、この乗継ぎ用ローラーコンベアの回転と、前記搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向となることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１３】
請求項２の発明は、請求項１の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００１４】
請求項２は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部を、側板に開設した水平方向の第一長孔に挿入し、この軸部に、この側板のブラケットに設けた取付け具に懸架したスプリングを係止し、この軸部を、前記第一長孔に移動可能に設けることで、前記搬送コンベアのベルト（ロールもあり得る）と、この駆動伝達プーリーの接触圧を調整可能とすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１５】
請求項３の発明は、請求項１の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００１６】
請求項３は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記乗継ぎ用ローラーコンベアの軸部を、側板に開設した上下方向の第二長孔に挿入し、この軸部及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベアは、第二長孔に倣って上下動可能とするとともに、この下動は、この乗継ぎ用ローラーコンベアの自重で、またその上動は、前記駆動伝達プーリーの押上げで達成し、またこの乗継ぎ用ローラーコンベアの回転は、前記搬送コンベアのベルト（ロールもあり得る）の回転と、同じ方向の回転をすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１７】
請求項４の発明は、請求項１の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の第一・乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。また、このリングによって、乗継ぎ用ローラーコンベアと乗継ぎ用ローラーコンベアとの接触が、リングによる間接接触となり、ベルト同士の面接触による面変動を防ぐ構造とし、また使用による劣化に対しても、ほぼリングの交換だけでよく、保守を安価にかつ簡易に行うことを意図する。
【００１８】
請求項４は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部にリングを嵌着し、このリングは、前記乗継ぎ用ローラーコンベアに接触することを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１９】
請求項５の発明は、請求項４の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００２０】
請求項５は、請求項４に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーにリングを嵌着するに際し、この駆動伝達プーリーに、リングを止めるための凸部、溝を繞設、又は間欠式に設けるか、又は突起を適宜設けることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【発明の効果】
【００２１】
請求項１の発明は、搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造において、
乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、側板に差渡し設け、かつ搬送コンベアのロールに懸架したベルトに接触する駆動伝達プーリーと、駆動伝達プーリーに接触し、側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、乗継ぎ用ローラーコンベアの回転と、搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向となる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２２】
従って、請求項１は、搬送コンベア間を、簡易に、かつ組付け機構を利用して閉塞できる構造を提供し、この搬送コンベア間の隙間で発生する前述した弊害の解消、在来の搬送コンベアにも容易に取付けできる乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できる特徴と、また請求項１は、駆動源を必要とせず、経済的で、かつ駆動力を要しない構造とし、地球環境の維持及び／又は騒音・振動がなく、職場環境に役立つ機構、即ち、接触回転によるフリーロール機構を採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できる特徴とを有する。
【００２３】
請求項２の発明は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
駆動伝達プーリーの軸部を、側板に開設した水平方向の第一長孔に挿入し、軸部に、側板のブラケットに設けた取付け具に懸架したスプリングを係止し、軸部を、第一長孔に移動可能に設けることで、搬送コンベアのベルトと、駆動伝達プーリーの接触圧を調整可能とする乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２４】
従って、請求項２は、請求項１の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。
【００２５】
請求項３の発明は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
乗継ぎ用ローラーコンベアの軸部を、側板に開設した上下方向の第二長孔に挿入し、軸部及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベアは、第二長孔に倣って上下動可能とするとともに、下動は、乗継ぎ用ローラーコンベアの自重で、また上動は、駆動伝達プーリーの押上げで達成し、また乗継ぎ用ローラーコンベアの回転は、前記搬送コンベアのベルトの回転と、同じ方向の回転をする乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２６】
従って、請求項３は、請求項１の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。
【００２７】
請求項４の発明は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
駆動伝達プーリーの軸部にリングを嵌着し、リングは、乗継ぎ用ローラーコンベアに接触する乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２８】
従って、請求項４は、請求項１の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の第一・乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。また、このリングによって、乗継ぎ用ローラーコンベアと乗継ぎ用ローラーコンベアとの接触が、リングによる間接接触となり、ベルト同士の面接触による面変動を防ぐ構造の提供を可能とし、また使用による劣化に対しても、ほぼリングの交換だけでよく、保守を安価にかつ簡易に行えること等を特徴する。
【００２９】
請求項５の発明は、請求項４に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
駆動伝達プーリーにリングを嵌着するに際し、駆動伝達プーリーに、リングを止めるための凸部、溝を繞設、又は間欠式に設けるか、又は突起を適宜設ける乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００３０】
従って、請求項５は、請求項４の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３１】
本発明の一例を説明する。
【００３２】
以下、本発明の一実施例を説明すると、１は搬送コンベア（ベルトコンベア、又はローラコンベア等の搬送手段）で、この搬送コンベア１は、フレームを構成する対のコンベア側板１００（側板）と、このコンベア側板１００間に軸止した複数の駆動ロール１０１（回転ロール、ロール）と、この駆動ロール１０１間に懸架したベルト１０２と、図示しない駆動源、複数の軸受け等を主構成とする。従って、この搬送ベルト１は、駆動源の回転を介して、図面上で、矢印「イ」方向に可動する。
【００３３】
２は乗継ぎ用補助ローラーコンベアで、乗継ぎ用補助ローラーコンベア２の主要構造は、搬送コンベアのフレーム（コンベア側板１００）に取付けられる側面視して略Ｌ字型の側板２００と、側板２００に差渡し設け、かつ前記搬送コンベア１のベルト１０２、又は駆動ロール１０１に懸架したベルト１０２（ベルト１０２で説明する）に接触する駆動伝達プーリー３と、この駆動伝達プーリー３に接触し、側板２００に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベア５とで構成し、乗継ぎ用補助ローラーコンベア２の乗継ぎ用ローラーコンベア５の回転（矢印「ハ」方向）と、搬送コンベア１のベルト１０２の回転（矢印「イ」方向）とが、同じ方向及び／又はスピードで回転をする（搬送の効率化、安定性等を考慮し、同じスピードが理想である）。尚、側板２００は、コンベア側板１００に移動可能に取付けるために、長孔２００ａを備えた下段側板部２００−１と、この下段側板部２００−１より短い、駆動伝達プーリー３を支持し、かつベルト１０２に接触を図るための中間側板部２００−２と、この中間側板部２００−２の取付け端部に設けたブラケット２００ｂと、コンベア側板１００に衝止しない上段側板部２００−３と、軽量化、材料の節約化、安全性等を考慮して、前記下段側板部２００−１の自由端側に設けた切欠き部２００−４（この切欠き部２００−４は、必要により設ける）とで構成する。そして、この側板２００は、対の構造であるので、一方側を説明した（尚、対の構造では、同様な説明となる）。
【００３４】
次に、駆動伝達プーリー３の構造を説明すると、この駆動伝達プーリー３は、側板２００の中間側板部２００−２の左右方向（矢印Ａ方向）の長孔２００−５に嵌合される軸部３００と、この軸部３００に差渡し設けた回転ロール３０１と、前記軸部３００と前記ブラケット２００ｂに取付けた取付け具３０５との間に懸架したスプリング３０２とで構成されており、前述の如く、搬送コンベア１のベルト１０２（図示しないが、ロール等も可能である）との接触を介して、従動する構造である。そして、その駆動伝達プーリー３の回転は、図示の如く、ベルト１０２の回転（矢印「イ」方向）と逆方向である（時計方向への矢印「ロ」方向）。そして、この取付け具３０５は、ブラケット２００ｂの鉛直方向を基点として、図３において、左右方向（矢印Ａ方向）に移動する。例えば、向って、左方向に移動することで、スプリング３０２を弛緩し、ベルト１０２との接触を緩くし、逆に、右方向に移動することで、スプリング３０２を緊張させ、ベルト１０２との接触を強くする等（接触圧の調整）の操作をする。この操作は、取付け具３０５の螺軸に設けた対のナット３０３を利用する。尚、前記スプリング３０２の弛緩及び／又は緊張時に、軸部３００が長孔２００−５内を移動する（図３において、左右方向（矢印Ａ方向）である）。また長孔２００−５を利用して、駆動伝達プーリー３への衝撃緩和に有効である。
【００３５】
尚、乗継ぎ用ローラーコンベア５の構造を説明すると、この乗継ぎ用ローラーコンベア５は、側板２００の上段側板部２００−３の上下方法（矢印Ｂ方向）の長孔２００−６に嵌合される軸部５００と、この軸部５００に差渡し設けた回転ロール５０１と、前記軸部５００に設けた抜け防止用のピン５０２とで構成されており、この乗継ぎ用ローラーコンベア５は、自重及び／又は他の機構による強制的な手段を介して、駆動伝達プーリー３と接触し、この接触を介して、従動する構造である。この構造を採用することで、この乗継ぎ用ローラーコンベア５は、搬送コンベア１のベルト１０２の回転（矢印「イ」方向）と、同じ方向に回転をする（反時計方向への矢印「ハ」方向）。またこの乗継ぎ用ローラーコンベア５は、自重及び／又は他の機構による強制的な手段を介して、駆動伝達プーリー３と接触し、かつ長孔２００−６内を、適宜、上下動（矢印Ｂ方向）することで、搬送コンベア１のベルト１０２の回転スピードと、略同じスピードで回転する。この略同じスピードの回転を介して、部品を滞りなく、かつ傷めることなく搬送できる特徴がある。また長孔２００−６を利用して、乗継ぎ用ローラーコンベア５への衝撃緩和に有効である。
【００３６】
図中７はリングで、このリング７を、対で駆動伝達プーリー３に嵌着する。このリング７を、対で設けることで、駆動伝達プーリー３の回転を、確実かつスムーズに、乗継ぎ用ローラーコンベア５に伝達する。そして、このリング７の特徴は、駆動伝達プーリー３及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベア５が撓むこと、変形すること等の如く、異常事態になっても、このリング７が変わらない限り、駆動伝達プーリー３の回転を乗継ぎ用ローラーコンベア５に伝達することを特徴とする。そして、また、このリング７を、駆動伝達プーリー３の所定位置に、確実かつ容易に固止するために、図示しないが、リング７及び／又は駆動伝達プーリー３に、凸部、溝を繞設、又は間欠式に設ける構造、又は突起を適宜設ける構造を採用することが望ましい。
【００３７】
以上で説明した本発明の乗継ぎ用補助ローラーコンベア２によって、たとえ搬送コンベア１のベルト１０２と乗継ぎ用補助ローラーコンベア２の乗継ぎ用ローラーコンベア５との間に隙間が空いていても、乗継ぎ用ローラーコンベア５の回転力によって、被搬送物（品物）の流れ方向（矢印「ニ」方向）への搬送が促される。
【００３８】
尚、本発明は、搬送コンベア１との間に隙間があっても、乗継ぎ用ローラーコンベア５の回転力によって搬送が可能となるため、望ましくは、被搬送物は、下面が平坦なものがよい。その理由は、被搬送物の下面に突起や凸部があると、搬送コンベア１と乗継ぎ用ローラーコンベア５との隙間に引っ掛かる可能性があるからである。
【００３９】
そして、駆動伝達プーリー３及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベア５は、フリーロール機構とすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明の正面図
【図２】本発明の平面断面図
【図３】本発明の側面図
【符号の説明】
【００４１】
１ 搬送コンベア
１００ コンベア側板
１０１ 駆動ロール
１０２ ベルト
２ 乗継ぎ用補助ローラーコンベア
２００ 側板
２００ａ 長孔
２００ｂ ブラケット
２００−１ 下段側板部
２００−２ 中間側板部
２００―３ 上段側板部
２００−４ 切欠き部
２００−５ 長孔
２００−６ 長孔
３ 駆動伝達プーリー
３００ 軸部
３０１ 回転ロール
３０２ スプリング
３０３ ナット
３０５ 取付け具
５ 乗継ぎ用ローラーコンベア
５００ 軸部
５０１ 回転ロール
５０２ ピン
７ リング
【技術分野】
【０００１】
本発明は、搬送コンベア間の隙間を少なくする乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造に関し、従来の搬送コンベアに、容易、かつ低コストで設置できる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、搬送コンベア間の隙間を、ロール群や、又は小型のコンベアを設ける構造（閉塞する構造）として、主として、品物（小型の部品、パーツ、ワーク等の物であり、以下、部品とする）が、落下することなく、また整然と搬送するようにしている。しかし、この構造（装置、又は方法）では、元々、構造的に無理があること、また余分のスペース及び／又は新たな設備投資を要すること等の改良点がある。
【０００３】
上記に鑑み、この種のスペースを埋めることが可能な先行文献としては、次のような発明が挙げられる。
【０００４】
文献（１）は、特開平６−３３６３２０号の「伸縮ローラコンベア装置」である。この発明は、固定長コンベアと可変長コンベア及び補助コンベアとの組み合わせ構造であり、この可変長コンベア及び補助コンベアを移動可能とする構造であり、搬送ローラ間の間隔を保ちながら、搬送路の長さを調整可能としたことで、搬送対象荷物の制限を受けない搬送装置を提供する。
【０００５】
また文献（２）は、特開２０００−１４２９６８の「列独立搬送部を備えた個別送り装置」である。この発明は、搬入コンベアと排出コンベアとの間に、個別送り装置（個別コンベア）を設けた構造であり、搬入コンベアで送られる複数列の部品を、個別コンベアで選別し、排出コンベアに個別に（一個ずつ）搬出することを特徴とする。
【０００６】
尚、文献（３）は、実開平７−３０２２５号の「移送部品排除装置」である。この考案は、（正規ルート）ベルトコンベア間に、シュート板を設け、このシュート板に開口を形成し、この開口の下方に、空気噴射機構を配し、このシュート板に搬送された部品の中で姿勢の不具合な部品を、噴射空気を介して、別のベルトコンベアに移送することを特徴とし、姿勢の正しい部品のみを、正規ルートに移送することを特徴とする。
【０００７】
【特許文献１】特開平６−３３６３２０号
【特許文献２】特開２０００−１４２９６８
【特許文献３】実開平７−３０２２５号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
文献（１）は、可変長コンベアを介して、搬送コンベアの長さを補助し、搬送対象荷物の制限を受けない搬送装置を提供する。従って、搬送コンベア間に発生する隙間で発生する弊害解除を意図する構造でない。またこの文献（１）の構造において、可変長コンベアを介して、搬送コンベア間の隙間調整に採用することも可能であるが、この可変長コンベアを蝶対するには、この明細書で開示するように、基台と、この基台を移動する車輪及び／又はフレームを装置しなければならず、到底採用できないものである。
【０００９】
また文献（２）は、搬入・搬出コンベア間を、個別コンベアで閉塞する構造であるが、この個別コンベアを装置するには、前記文献（１）と同様に、個別なフレーム及び／又はコンベア装置等を設備する必要性があり、経済的な負担と、その為のスペース及び／又は特別な機構・駆動源が要求される問題点を抱えている。
【００１０】
さらに文献（３）は、ベルトコンベア間に設けた開口を備えたシュート板と、開口の下方に設けた空気噴射機構を介して、ベルトコンベアからシュート板に搬送されてくる姿勢の不具合な部品を、噴射空気を介して、別のベルトコンベアに、移送する構造であり、ベルトコンベア間を閉塞する構造であるが、前述の文献（２）と同様な問題点を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
請求項１の発明は、搬送コンベア間を、簡易に、かつ組付け機構を利用して閉塞できる構造を提供し、この搬送コンベア間の隙間で発生する前述した弊害の解消、在来の搬送コンベアにも容易に取付けできる乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。また請求項１の発明は、駆動源を必要とせず、経済的で、かつ駆動力を要しない構造とし、地球環境の維持及び／又は騒音・振動がなく、職場環境に役立つ機構、即ち、接触回転によるフリーロール機構を採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００１２】
請求項１は、搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造において、
この乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、この側板に差渡し設け、かつ前記搬送コンベアのロールに懸架したベルト（ロールもあり得る）に接触する駆動伝達プーリーと、この駆動伝達プーリーに接触し、前記側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、この乗継ぎ用ローラーコンベアの回転と、前記搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向となることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１３】
請求項２の発明は、請求項１の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００１４】
請求項２は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部を、側板に開設した水平方向の第一長孔に挿入し、この軸部に、この側板のブラケットに設けた取付け具に懸架したスプリングを係止し、この軸部を、前記第一長孔に移動可能に設けることで、前記搬送コンベアのベルト（ロールもあり得る）と、この駆動伝達プーリーの接触圧を調整可能とすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１５】
請求項３の発明は、請求項１の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００１６】
請求項３は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記乗継ぎ用ローラーコンベアの軸部を、側板に開設した上下方向の第二長孔に挿入し、この軸部及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベアは、第二長孔に倣って上下動可能とするとともに、この下動は、この乗継ぎ用ローラーコンベアの自重で、またその上動は、前記駆動伝達プーリーの押上げで達成し、またこの乗継ぎ用ローラーコンベアの回転は、前記搬送コンベアのベルト（ロールもあり得る）の回転と、同じ方向の回転をすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１７】
請求項４の発明は、請求項１の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の第一・乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。また、このリングによって、乗継ぎ用ローラーコンベアと乗継ぎ用ローラーコンベアとの接触が、リングによる間接接触となり、ベルト同士の面接触による面変動を防ぐ構造とし、また使用による劣化に対しても、ほぼリングの交換だけでよく、保守を安価にかつ簡易に行うことを意図する。
【００１８】
請求項４は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部にリングを嵌着し、このリングは、前記乗継ぎ用ローラーコンベアに接触することを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００１９】
請求項５の発明は、請求項４の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供することを意図する。
【００２０】
請求項５は、請求項４に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーにリングを嵌着するに際し、この駆動伝達プーリーに、リングを止めるための凸部、溝を繞設、又は間欠式に設けるか、又は突起を適宜設けることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【発明の効果】
【００２１】
請求項１の発明は、搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造において、
乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、側板に差渡し設け、かつ搬送コンベアのロールに懸架したベルトに接触する駆動伝達プーリーと、駆動伝達プーリーに接触し、側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、乗継ぎ用ローラーコンベアの回転と、搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向となる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２２】
従って、請求項１は、搬送コンベア間を、簡易に、かつ組付け機構を利用して閉塞できる構造を提供し、この搬送コンベア間の隙間で発生する前述した弊害の解消、在来の搬送コンベアにも容易に取付けできる乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できる特徴と、また請求項１は、駆動源を必要とせず、経済的で、かつ駆動力を要しない構造とし、地球環境の維持及び／又は騒音・振動がなく、職場環境に役立つ機構、即ち、接触回転によるフリーロール機構を採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できる特徴とを有する。
【００２３】
請求項２の発明は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
駆動伝達プーリーの軸部を、側板に開設した水平方向の第一長孔に挿入し、軸部に、側板のブラケットに設けた取付け具に懸架したスプリングを係止し、軸部を、第一長孔に移動可能に設けることで、搬送コンベアのベルトと、駆動伝達プーリーの接触圧を調整可能とする乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２４】
従って、請求項２は、請求項１の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。
【００２５】
請求項３の発明は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
乗継ぎ用ローラーコンベアの軸部を、側板に開設した上下方向の第二長孔に挿入し、軸部及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベアは、第二長孔に倣って上下動可能とするとともに、下動は、乗継ぎ用ローラーコンベアの自重で、また上動は、駆動伝達プーリーの押上げで達成し、また乗継ぎ用ローラーコンベアの回転は、前記搬送コンベアのベルトの回転と、同じ方向の回転をする乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２６】
従って、請求項３は、請求項１の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。
【００２７】
請求項４の発明は、請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
駆動伝達プーリーの軸部にリングを嵌着し、リングは、乗継ぎ用ローラーコンベアに接触する乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００２８】
従って、請求項４は、請求項１の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の第一・乗継ぎ用ローラーコンベアを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。また、このリングによって、乗継ぎ用ローラーコンベアと乗継ぎ用ローラーコンベアとの接触が、リングによる間接接触となり、ベルト同士の面接触による面変動を防ぐ構造の提供を可能とし、また使用による劣化に対しても、ほぼリングの交換だけでよく、保守を安価にかつ簡易に行えること等を特徴する。
【００２９】
請求項５の発明は、請求項４に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
駆動伝達プーリーにリングを嵌着するに際し、駆動伝達プーリーに、リングを止めるための凸部、溝を繞設、又は間欠式に設けるか、又は突起を適宜設ける乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造である。
【００３０】
従って、請求項５は、請求項４の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適で、かつ接触回転によるフリーロール機構の駆動伝達プーリーを採用した乗継ぎ用補助ローラーコンベアを提供できること等の特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３１】
本発明の一例を説明する。
【００３２】
以下、本発明の一実施例を説明すると、１は搬送コンベア（ベルトコンベア、又はローラコンベア等の搬送手段）で、この搬送コンベア１は、フレームを構成する対のコンベア側板１００（側板）と、このコンベア側板１００間に軸止した複数の駆動ロール１０１（回転ロール、ロール）と、この駆動ロール１０１間に懸架したベルト１０２と、図示しない駆動源、複数の軸受け等を主構成とする。従って、この搬送ベルト１は、駆動源の回転を介して、図面上で、矢印「イ」方向に可動する。
【００３３】
２は乗継ぎ用補助ローラーコンベアで、乗継ぎ用補助ローラーコンベア２の主要構造は、搬送コンベアのフレーム（コンベア側板１００）に取付けられる側面視して略Ｌ字型の側板２００と、側板２００に差渡し設け、かつ前記搬送コンベア１のベルト１０２、又は駆動ロール１０１に懸架したベルト１０２（ベルト１０２で説明する）に接触する駆動伝達プーリー３と、この駆動伝達プーリー３に接触し、側板２００に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベア５とで構成し、乗継ぎ用補助ローラーコンベア２の乗継ぎ用ローラーコンベア５の回転（矢印「ハ」方向）と、搬送コンベア１のベルト１０２の回転（矢印「イ」方向）とが、同じ方向及び／又はスピードで回転をする（搬送の効率化、安定性等を考慮し、同じスピードが理想である）。尚、側板２００は、コンベア側板１００に移動可能に取付けるために、長孔２００ａを備えた下段側板部２００−１と、この下段側板部２００−１より短い、駆動伝達プーリー３を支持し、かつベルト１０２に接触を図るための中間側板部２００−２と、この中間側板部２００−２の取付け端部に設けたブラケット２００ｂと、コンベア側板１００に衝止しない上段側板部２００−３と、軽量化、材料の節約化、安全性等を考慮して、前記下段側板部２００−１の自由端側に設けた切欠き部２００−４（この切欠き部２００−４は、必要により設ける）とで構成する。そして、この側板２００は、対の構造であるので、一方側を説明した（尚、対の構造では、同様な説明となる）。
【００３４】
次に、駆動伝達プーリー３の構造を説明すると、この駆動伝達プーリー３は、側板２００の中間側板部２００−２の左右方向（矢印Ａ方向）の長孔２００−５に嵌合される軸部３００と、この軸部３００に差渡し設けた回転ロール３０１と、前記軸部３００と前記ブラケット２００ｂに取付けた取付け具３０５との間に懸架したスプリング３０２とで構成されており、前述の如く、搬送コンベア１のベルト１０２（図示しないが、ロール等も可能である）との接触を介して、従動する構造である。そして、その駆動伝達プーリー３の回転は、図示の如く、ベルト１０２の回転（矢印「イ」方向）と逆方向である（時計方向への矢印「ロ」方向）。そして、この取付け具３０５は、ブラケット２００ｂの鉛直方向を基点として、図３において、左右方向（矢印Ａ方向）に移動する。例えば、向って、左方向に移動することで、スプリング３０２を弛緩し、ベルト１０２との接触を緩くし、逆に、右方向に移動することで、スプリング３０２を緊張させ、ベルト１０２との接触を強くする等（接触圧の調整）の操作をする。この操作は、取付け具３０５の螺軸に設けた対のナット３０３を利用する。尚、前記スプリング３０２の弛緩及び／又は緊張時に、軸部３００が長孔２００−５内を移動する（図３において、左右方向（矢印Ａ方向）である）。また長孔２００−５を利用して、駆動伝達プーリー３への衝撃緩和に有効である。
【００３５】
尚、乗継ぎ用ローラーコンベア５の構造を説明すると、この乗継ぎ用ローラーコンベア５は、側板２００の上段側板部２００−３の上下方法（矢印Ｂ方向）の長孔２００−６に嵌合される軸部５００と、この軸部５００に差渡し設けた回転ロール５０１と、前記軸部５００に設けた抜け防止用のピン５０２とで構成されており、この乗継ぎ用ローラーコンベア５は、自重及び／又は他の機構による強制的な手段を介して、駆動伝達プーリー３と接触し、この接触を介して、従動する構造である。この構造を採用することで、この乗継ぎ用ローラーコンベア５は、搬送コンベア１のベルト１０２の回転（矢印「イ」方向）と、同じ方向に回転をする（反時計方向への矢印「ハ」方向）。またこの乗継ぎ用ローラーコンベア５は、自重及び／又は他の機構による強制的な手段を介して、駆動伝達プーリー３と接触し、かつ長孔２００−６内を、適宜、上下動（矢印Ｂ方向）することで、搬送コンベア１のベルト１０２の回転スピードと、略同じスピードで回転する。この略同じスピードの回転を介して、部品を滞りなく、かつ傷めることなく搬送できる特徴がある。また長孔２００−６を利用して、乗継ぎ用ローラーコンベア５への衝撃緩和に有効である。
【００３６】
図中７はリングで、このリング７を、対で駆動伝達プーリー３に嵌着する。このリング７を、対で設けることで、駆動伝達プーリー３の回転を、確実かつスムーズに、乗継ぎ用ローラーコンベア５に伝達する。そして、このリング７の特徴は、駆動伝達プーリー３及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベア５が撓むこと、変形すること等の如く、異常事態になっても、このリング７が変わらない限り、駆動伝達プーリー３の回転を乗継ぎ用ローラーコンベア５に伝達することを特徴とする。そして、また、このリング７を、駆動伝達プーリー３の所定位置に、確実かつ容易に固止するために、図示しないが、リング７及び／又は駆動伝達プーリー３に、凸部、溝を繞設、又は間欠式に設ける構造、又は突起を適宜設ける構造を採用することが望ましい。
【００３７】
以上で説明した本発明の乗継ぎ用補助ローラーコンベア２によって、たとえ搬送コンベア１のベルト１０２と乗継ぎ用補助ローラーコンベア２の乗継ぎ用ローラーコンベア５との間に隙間が空いていても、乗継ぎ用ローラーコンベア５の回転力によって、被搬送物（品物）の流れ方向（矢印「ニ」方向）への搬送が促される。
【００３８】
尚、本発明は、搬送コンベア１との間に隙間があっても、乗継ぎ用ローラーコンベア５の回転力によって搬送が可能となるため、望ましくは、被搬送物は、下面が平坦なものがよい。その理由は、被搬送物の下面に突起や凸部があると、搬送コンベア１と乗継ぎ用ローラーコンベア５との隙間に引っ掛かる可能性があるからである。
【００３９】
そして、駆動伝達プーリー３及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベア５は、フリーロール機構とすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明の正面図
【図２】本発明の平面断面図
【図３】本発明の側面図
【符号の説明】
【００４１】
１ 搬送コンベア
１００ コンベア側板
１０１ 駆動ロール
１０２ ベルト
２ 乗継ぎ用補助ローラーコンベア
２００ 側板
２００ａ 長孔
２００ｂ ブラケット
２００−１ 下段側板部
２００−２ 中間側板部
２００―３ 上段側板部
２００−４ 切欠き部
２００−５ 長孔
２００−６ 長孔
３ 駆動伝達プーリー
３００ 軸部
３０１ 回転ロール
３０２ スプリング
３０３ ナット
３０５ 取付け具
５ 乗継ぎ用ローラーコンベア
５００ 軸部
５０１ 回転ロール
５０２ ピン
７ リング
【特許請求の範囲】
【請求項１】
搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造において、
この乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、この側板に差渡し設け、かつ前記搬送コンベアのロールに懸架したベルトに接触する駆動伝達プーリーと、この駆動伝達プーリーに接触し、前記側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、この乗継ぎ用ローラーコンベアの回転と、前記搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向となることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項２】
請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部を、側板に開設した水平方向の第一長孔に挿入し、この軸部に、この側板のブラケットに設けた取付け具に懸架したスプリングを係止し、この軸部を、前記第一長孔に移動可能に設けることで、前記搬送コンベアのベルトと、この駆動伝達プーリーの接触圧を調整可能とすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項３】
請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記乗継ぎ用ローラーコンベアの軸部を、側板に開設した上下方向の第二長孔に挿入し、この軸部及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベアは、第二長孔に倣って上下動可能とするとともに、この下動は、この乗継ぎ用ローラーコンベアの自重で、またその上動は、前記駆動伝達プーリーの押上げで達成し、またこの乗継ぎ用ローラーコンベアの回転は、前記搬送コンベアのベルトの回転と、同じ方向の回転をすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項４】
請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部にリングを嵌着し、このリングは、搬送コンベアのベルトに接触させ、またこのリングを、前記乗継ぎ用ローラーコンベアに接触させて、搬送コンベアの動力を、前記駆動伝達プーリーを介して、前記乗継ぎ用ローラーコンベアに伝達させることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項５】
請求項４に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーにリングを嵌着するに際し、この駆動伝達プーリーに、リングを止めるための凸部、溝を繞設、又は間欠式に設けるか、又は突起を適宜設けることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項１】
搬送コンベアの端に取付けられる乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造において、
この乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造は、搬送コンベアのフレームに取付けられる側板と、この側板に差渡し設け、かつ前記搬送コンベアのロールに懸架したベルトに接触する駆動伝達プーリーと、この駆動伝達プーリーに接触し、前記側板に差渡し設けた乗継ぎ用ローラーコンベアとで構成し、この乗継ぎ用ローラーコンベアの回転と、前記搬送コンベアのベルトの回転とが、同じ方向となることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項２】
請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部を、側板に開設した水平方向の第一長孔に挿入し、この軸部に、この側板のブラケットに設けた取付け具に懸架したスプリングを係止し、この軸部を、前記第一長孔に移動可能に設けることで、前記搬送コンベアのベルトと、この駆動伝達プーリーの接触圧を調整可能とすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項３】
請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記乗継ぎ用ローラーコンベアの軸部を、側板に開設した上下方向の第二長孔に挿入し、この軸部及び／又は乗継ぎ用ローラーコンベアは、第二長孔に倣って上下動可能とするとともに、この下動は、この乗継ぎ用ローラーコンベアの自重で、またその上動は、前記駆動伝達プーリーの押上げで達成し、またこの乗継ぎ用ローラーコンベアの回転は、前記搬送コンベアのベルトの回転と、同じ方向の回転をすることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項４】
請求項１に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーの軸部にリングを嵌着し、このリングは、搬送コンベアのベルトに接触させ、またこのリングを、前記乗継ぎ用ローラーコンベアに接触させて、搬送コンベアの動力を、前記駆動伝達プーリーを介して、前記乗継ぎ用ローラーコンベアに伝達させることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【請求項５】
請求項４に記載の乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造であって、
前記駆動伝達プーリーにリングを嵌着するに際し、この駆動伝達プーリーに、リングを止めるための凸部、溝を繞設、又は間欠式に設けるか、又は突起を適宜設けることを特徴とした乗継ぎ用補助ローラーコンベアの構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００８−３０８２７０（Ｐ２００８−３０８２７０Ａ）
【公開日】平成２０年１２月２５日（２００８．１２．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１５６５６４（Ｐ２００７−１５６５６４）
【出願日】平成１９年６月１３日（２００７．６．１３）
【出願人】（５９４１４８６６７）株式会社石亀工業 (27)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１２月２５日（２００８．１２．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年６月１３日（２００７．６．１３）
【出願人】（５９４１４８６６７）株式会社石亀工業 (27)
【Ｆターム（参考）】
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