乗車車両情報提供サーバ、乗車車両情報提供システム、乗車車両情報提供方法およびプログラム
【課題】ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供できる乗車車両情報提供システム等を提供する。
【解決手段】サーバ3は、携帯端末5から現在位置、現在進行方位、現在時刻を受信すると(S106)、路線図データベース43を参照し、受信した現在位置に近い基準地点である最寄地点の一覧を取得し(S107)、最寄地点の進行方位と受信した現在進行方位に基づいて最寄地点の一覧から路線・方面の絞り込みを行い、乗車路線、乗車方面を特定し(S108)、直前通過駅を特定する(S109)。次に、サーバ3は、運行情報データベース45を参照し、乗車路線、乗車方面、直前通過駅に対応する運行情報を取得し(S110)、時刻表データベース44を参照し、S110で取得した運行情報を考慮して、乗車車両の車両情報を取得し(S111)、携帯端末5に乗車車両の車両情報、運行情報、付随情報を送信する(S112)。
【解決手段】サーバ3は、携帯端末5から現在位置、現在進行方位、現在時刻を受信すると(S106)、路線図データベース43を参照し、受信した現在位置に近い基準地点である最寄地点の一覧を取得し(S107)、最寄地点の進行方位と受信した現在進行方位に基づいて最寄地点の一覧から路線・方面の絞り込みを行い、乗車路線、乗車方面を特定し(S108)、直前通過駅を特定する(S109)。次に、サーバ3は、運行情報データベース45を参照し、乗車路線、乗車方面、直前通過駅に対応する運行情報を取得し(S110)、時刻表データベース44を参照し、S110で取得した運行情報を考慮して、乗車車両の車両情報を取得し(S111)、携帯端末5に乗車車両の車両情報、運行情報、付随情報を送信する(S112)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗車車両の情報を提供する乗車車両情報提供サーバ、乗車車両情報提供システム、乗車車両情報提供方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話等の携帯端末を利用して、電車等の乗換情報を提供するシステムがある。このようなシステムでは、ユーザが入力した乗車駅と降車駅に基づいて、乗車駅から降車駅までの乗換情報を提供することが一般的である。更に、近年では、ユーザの様々なニーズに応えるために技術開発が盛んに行われている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、急いでいるから急行で行きたい、または疲れているから各駅停車で座って行きたいなどのニーズに合った検索を行う仕組みが記載されている。特許文献1に記載の仕組みでは、ユーザ端末は、時刻表サーバに、所定の路線に対応する時刻表データを時刻表データベース31から検索させて取得する時刻表受信部と、取得した時刻表データの中から、所定の乗車駅の発車時刻表を表示し、ユーザに乗車する列車の選択を促す表示部と、発車時刻表からユーザに選択された列車を受け付ける操作部とを含み、選択された列車の停車駅毎の到着時刻一覧を表示部に表示する。所定の路線、所定の乗車駅は、定期券情報や改札機から取得する乗車駅情報に基づいて特定する。この仕組みによって、ユーザは、所定の乗車駅の時刻表から列車を選択して、その列車の停車駅毎の到着時刻一覧を参照することができるので、列車の種類を考慮しながら列車を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−97427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の仕組みでは、ユーザが現在乗車している車両の行き先、次の停車駅、急行待合せ駅などを即座に知りたいというニーズに応えることができない。
特許文献1に記載の仕組みでは、路線、乗車駅を特定するために、定期券情報や改札機から取得する乗車駅情報を用いる。しかし、定期券情報では、定期券を購入した乗車駅、降車駅と異なる駅で乗降車する場合に対応できない。また、改札機から取得する乗車駅情報では、乗車する方面が特定できず、また複数路線が乗り入れている駅では路線を特定することができず、対応できない。ユーザに路線、方面を入力させることもできるが、即座に知りたいというニーズに応えることができない。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供できる乗車車両情報提供システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、携帯端末とネットワークを介して接続される乗車車両情報提供サーバであって、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、前記路線図データベースを参照し、前記携帯端末から受信する乗車車両の現在位置に近い前記基準地点を最寄地点として取得する最寄地点取得手段と、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点の前記進行方位と前記携帯端末から受信する乗車車両の現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、を具備することを特徴とする乗車車両情報提供サーバである。第1の発明によって、ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供できる乗車車両情報提供システムを提供することができる。
【0008】
また、第1の発明は、運行に支障がある車両の運行情報を保持する運行情報データベース、を更に具備し、前記車両情報取得手段は、前記運行情報データベースを参照し、前記運行情報を考慮して前記車両情報を取得することが望ましい。これによって、車両の運行に支障が生じている場合でも、誤りのない情報を提供することができる。
【0009】
また、第1の発明は、前記携帯端末から受信する前記現在位置、前記現在進行方位、前記現在時刻を保持する履歴情報データベースと、前記履歴情報データベースを解析し、運行に支障がある車両の運行情報を生成して前記運行情報データベースに記憶する運行情報収集手段と、を更に具備することが望ましい。これによって、ユーザが自発的に運行情報を投稿しなくても、運行情報の収集を行うことができる。
【0010】
また、第1の発明における前記路線方面特定手段は、例えば、前記最寄時点の前記進行方位と前記現在進行方位との差を算出し、差が所定の範囲内である全ての前記最寄時点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定する。これによって、間違いの可能性がある情報を確定情報として提供せず、不確定情報として複数の候補をユーザに提供し、間違いのない情報を提供することができる。
【0011】
また、第1の発明における前記路線図データベースは、例えば、前記乗車路線、前記乗車方面を特定するための前記進行方位の所定の範囲を保持し、前記路線方面特定手段は、前記現在進行方位が前記進行方位の所定の範囲に入る全ての前記最寄地点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定する。これによって、基準地点の進行方位ごとに所定の範囲を定めることができる。
【0012】
また、第1の発明における前記車両情報は、例えば、行先、種別、次停車駅、急行待ち合わせ駅を含む。
【0013】
第2の発明は、携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される乗車車両情報提供システムであって、前記携帯端末は、乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信する手段、を具備し、前記サーバは、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得する最寄地点一覧取得手段と、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、を具備することを特徴とする乗車車両情報提供システムである。
【0014】
第3の発明は、携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続されるシステムで実行される乗車車両情報提供方法あって、前記サーバは、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、を具備するものであり、前記携帯端末が、乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信するステップと、前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得するステップと、前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定するステップと、前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定するステップと、前記サーバが、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得するステップと、前記サーバが、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信するステップと、を含むことを特徴とする乗車車両情報提供方法である。
【0015】
第4の発明は、コンピュータを第1の発明の乗車車両情報提供サーバとして機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の乗車車両情報提供システム等により、ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の乗車車両情報提供システム1の概要を示す図
【図2】サーバ3のハードウェア構成図
【図3】携帯端末5のハードウェア構成図
【図4】サーバ3の記憶部22に記憶されるプログラム、データを示す図
【図5】路線図データベース43を説明する第1の図
【図6】路線図データベース43を説明する第2の図
【図7】時刻表データベース44の一例を示す図
【図8】運行情報データベース45の一例を示す図
【図9】乗車車両情報の取得処理の流れを示すフローチャート
【図10】乗車車両情報を一意に特定できる場合の一例を示す図
【図11】乗車車両情報を一意に特定できない場合の一例を示す図
【図12】乗車車両情報を一意に特定できる場合の表示例を示す図
【図13】乗車車両情報を一意に特定できない場合の表示例を示す図
【図14】履歴情報データベース46の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態の乗車車両情報提供システム1の概要を示す図である。図1に示すように、乗車車両情報提供システム1は、車両13に乗車しているユーザ11が携帯端末5を有する。携帯端末5は、基地局7、ネットワーク9を介してサーバ3と接続される。携帯端末5は、例えば携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、ノート型PC(Personal Computer)などである。
以下では、ユーザ11が現在乗車している車両13を乗車車両と呼ぶこととする。また、ユーザ11が現在乗車している路線を乗車路線、ユーザ11が現在乗車している路線の方面を乗車方面と呼ぶこととする。また、乗車車両が直前に通過した駅を直前通過駅と呼ぶこととする。
【0020】
図2は、サーバ3のハードウェア構成図である。尚、図2のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0021】
サーバ3は、制御部21、記憶部22、メディア入出力部23、通信制御部24、入力部25、表示部26、周辺機器I/F部27等が、バス28を介して接続される。
【0022】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、記憶部22、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス28を介して接続された各装置を駆動制御し、サーバ3が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部22、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0023】
記憶部22は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部21が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部21により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0024】
メディア入出力部23(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部24は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク9間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク9を介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
【0025】
入力部25は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部25を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部26は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F(インタフェース)部27は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部27を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部27は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
バス28は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0026】
図3は、携帯端末5のハードウェア構成図である。尚、図3のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0027】
携帯端末5は、制御部31、記憶部32、入力部33、表示部34、通信部35、時刻管理部36、現在位置検出部37、現在進行方位検出部38等が、バス39を介して接続される。
【0028】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、記憶部32、ROM等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス39を介して接続された各装置を駆動制御し、携帯端末5が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、プログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部32、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部31が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0029】
記憶部32は、フラッシュメモリ等であり、制御部31が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ等が格納される。プログラムに関しては、後述する処理を携帯端末5に実行させるためのアプリケーションプログラム等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部31により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0030】
入力部33は、入力ボタンやタッチパネル等の入力装置を有し、データの入力を行う。ユーザ11は、入力部33を介して、携帯端末5に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部34は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置を有し、データの表示を行う。ユーザ11は、表示部34によって各種の情報を確認する。
通信部35は、アンテナを有し、基地局7と通信を行う。尚、通信部35は、駅や線路沿いに設置される中継装置(不図示)と通信を行い、中継装置がネットワーク9を介してサーバ3と通信を行う構成であっても良い。これによって、地下鉄の車両13内でも、携帯端末5はサーバ3と通信を行うことができる。
【0031】
時刻管理部36は、時間を計測し、現在時刻を出力する。
現在位置検出部37は、GPS(Global Psitioning System:全地球測位システム)を利用して、移動体(本発明の実施の形態では、携帯端末5を持つユーザ11が乗車している車両13)の現在位置を検出する。現在位置は、緯度と経度で表される。
現在進行方位検出部38は、ジャイロセンサ、加速度センサを有し、現在進行方位を検出する。進行方位とは、真北(地球の自転軸の方向)に対して移動体がどちらの方向に進行しているかという移動体の進行方向の方位角度である。現在進行方位検出部38は、ジャイロセンサ、加速度センサによって移動体の角速度、加速度を測定し、地球の重力や自転角速度をモデル化することによりその影響を除去し、地球の重力方向を基準にした現在進行方位を検出する。尚、現在進行方位検出部38は、移動体の速度が所定の値よりも小さく移動体が停止していると思われる場合、進行方位を検出不可とし、現在進行方位の値をNULLに設定する。
【0032】
図4は、サーバ3の記憶部22に記憶されるプログラム、データを示す図である。図4に示すように、サーバ3の記憶部22には、経路検索エンジン41、乗車車両情報提供プログラム42、路線図データベース43、時刻表データベース44、運行情報データベース45等が記憶される。
【0033】
経路検索エンジン41は、様々な経路検索の機能を実現するための基本的なアプリケーションプログラムである。経路検索エンジン41は、ユーザ管理機能、接続・認証機能、経路検索機能、路線・駅名取得機能、運行情報取得機能等を含む。ユーザ管理機能は、本システムを利用するユーザ11のユーザ情報の登録、更新、削除、取得等を行う機能である。接続・認証機能は、携帯端末5とサーバ3との通信の接続、切断、携帯端末5の認証等を行う機能である。経路検索機能は、経路検索、時刻表取得、運賃取得等を行う。路線・駅名取得機能は、キーワード、位置情報からの路線・駅名取得等を行う機能である。運行情報取得機能は、車両の運行情報を取得する機能である。
【0034】
乗車車両情報提供プログラム42は、経路検索エンジン41を呼び出し、必要なデータベースを参照して、乗車車両情報を提供する機能を実現するためのアプリケーションプログラムである。乗車車両情報提供プログラム42がサーバ3にインストールされることによって、サーバ3は後述する図9に示す処理を実行する。
【0035】
図5は、路線図データベース43を説明する第1の図である。路線図データベース43は、各路線の駅51、線路52の位置情報(緯度、経度)を保持する。また、路線図データベース43は、駅51ごとに車両13の進行方位53(方位角度)を保持する。始発駅または終着駅を除く駅については、上りと下りの二つの方面の進行方位53を保持する。例えば、「A−2」駅については、「A−3」駅に向かう方面の進行方位53aと「A−1」駅に向かう方面の進行方位53bを保持する。
路線図データベース43は、駅名が同じであっても、路線ごとに区別して車両13の進行方位53を保持する。
【0036】
図6は、路線図データベース43を説明する第2の図である。駅51と離れている地点、または線路52が大きく曲がるカーブを有する地点が現在位置になった場合、後述する図9に示す処理の精度が悪くなることが考えられる。そこで、路線図データベース43は、駅51における進行方位53だけでなく、駅51の間の線路52上の中間地点54における進行方位53も保持することが望ましい。中間地点54は、例えば、一定の距離ごとに設定しても良いし、所定の値以上の曲率を有するカーブに設定しても良い。
以下では、駅51と中間地点54を合わせて基準地点と呼ぶこととする。
路線図データベース43は、基準地点ごとに、基準地点の位置情報(緯度、経度)、基準地点を通過する路線、基準地点を通過するときの進行方位(方位角)を保持する。
【0037】
図7は、時刻表データベース44の一例を示す図である。図7に示す例は、路線「A」、方面「A−20」、駅「A−2」の時刻表に関する。時刻表データベース44は、路線、方面、駅、発車予定時刻(時61、分62)ごとに車両情報を保持する。車両情報は、行先63、種別64、次停車駅65、急行待合せ駅66等である。行先63は終着駅を示す情報、種別64は急行や普通等の車両の種別を示す情報、次停車駅65は次に停車する駅を示す情報、急行待合せ駅66は急行の通過待ちのために停車する駅を示す情報である。尚、車両情報はこれらに限定されるものではなく、車両ごとに異なる様々な情報を含むものとする。
【0038】
図8は、運行情報データベース45の一例を示す図である。運行情報データベース45は、運行に支障のあった路線72、方面73について、時間71、駅74、種別75、状況76を保持する。状況76は、駅74における遅延時間や運転状況等である。運行情報データベース45が保持するデータは、例えば、鉄道事業者が提供する公式情報、ユーザ11が携帯端末5等を利用して自発的に投稿する非公式情報等である。
【0039】
図9は、乗車車両情報の取得処理の流れを示すフローチャートである。図10は、乗車車両情報を一意に特定できる場合の一例を示す図である。図11は、乗車車両情報を一意に特定できない場合の一例を示す図である。図12は、乗車車両情報を一意に特定できる場合の表示例を示す図である。図13は、乗車車両情報を一意に特定できない場合の表示例を示す図である。
以下では、図7から図13を参照しながら、乗車車両情報の取得処理の詳細を説明する。尚、図10、図11では、例を簡単にするために基準地点を駅51のみとして図示している。
【0040】
図9に示すように、携帯端末5の制御部31は、ユーザ11からの乗車車両情報の取得の指示を入力する(S101)。ユーザ11は、例えば、経路探索アプリケーションのメニュー画面(不図示)において「乗車車両情報の取得」ボタン(不図示)を選択する。本発明の実施の形態では、ユーザ11は、以後、乗車車両情報が携帯端末5の表示部34に表示されるまで何らボタン操作を行う必要はない。
【0041】
次に、携帯端末5の制御部31は、現在位置検出部37によって現在位置を検出し(S102)、現在進行方位検出部38によって現在進行方位を検出し(S103)、時刻管理部36から現在時刻を取得し(S104)、通信部35によって基地局7を介してサーバ3に現在位置、現在進行方位、現在時刻を送信する(S105)。
【0042】
次に、サーバ3の制御部21は、通信制御部24によって携帯端末5からデータを受信する(S106)。サーバ3の制御部21は、路線図データベース43を参照し、受信した現在位置に近い基準地点である最寄地点の一覧を取得する(S107)。サーバ3の制御部21は、現在位置の緯度と経度、処理対象の基準地点の緯度と経度を指定し、経路検索エンジン41によって現在位置から基準地点までの距離を算出する。算出した距離が所定の範囲内である場合、処理対象の基準地点を最寄地点とする。所定の範囲は、GPSの測定誤差を考慮して予め決めておく。
【0043】
図10に示す例では、現在位置81に近い基準地点が駅「A−2」、駅「C−2」の2箇所である。サーバ3の制御部21は、駅「A−2」、駅「C−2」を最寄地点の一覧として取得する。
図11に示す例では、現在位置81に近い基準地点が駅「A−2」、駅「B−2」、駅「C−2」の3箇所である。サーバ3の制御部21は、駅「A−2」、駅「B−2」、駅「C−2」を最寄地点の一覧として取得する。
【0044】
次に、サーバ3の制御部21は、路線図データベース43を参照し、最寄地点の進行方位と受信した現在進行方位に基づいて最寄地点の一覧から路線・方面の絞り込みを行い、乗車路線、乗車方面を特定する(S108)。サーバ3の制御部21は、S107で取得した最寄地点の進行方位53と、受信した現在進行方位との差が所定の範囲内である全ての最寄地点の進行方位53に対応する路線、方面を乗車路線、乗車方面として特定する。所定の範囲は、ジャイロセンサ、加速度センサの測定誤差等を考慮して予め決めておく。複数の路線が近距離で並行して走っている基準地点では、乗車路線、乗車方面が複数特定される。
【0045】
また、路線図データベース43が、乗車路線、乗車方面を特定するための進行方位53の所定の範囲を保持するようにしても良い。例えば、図10に示す例では、駅「A−2」の進行方位53aの所定の範囲として、80°〜90°(真北を基準として時計回りの値)のように保持する。所定の範囲は、ジャイロセンサ、加速度センサの測定誤差等を考慮して予め決めておく。この場合、サーバ3の制御部21は、S107で取得した最寄地点の中で、受信した現在進行方位が進行方位53の所定の範囲に入る全ての最寄地点の進行方位53に対応する路線、方面を乗車路線、乗車方面として特定する。これによって、進行方位53ごとに異なる範囲を定めることができ、複数の路線が近距離で走っていない基準地点の進行方位53については範囲を広く設定することで、現在位置、現在進行方位の測定誤差を吸収することができる。
【0046】
図10に示す例では、駅「A−2」、駅「C−2」が最寄地点である。駅「A−2」では、車両13は進行方位53aと進行方位53bのいずれかに進行する。駅「C−2」では、車両13は進行方位53cと進行方位53dのいずれかに進行する。サーバ3の制御部21は、これら4つの進行方位53a〜53dと現在進行方位82との差をそれぞれ算出する。この例では、進行方位53aとの差のみが所定の範囲内であるため、進行方位53aに対応する路線、方面のみが乗車路線、乗車方面として特定される。
【0047】
図11に示す例では、駅「A−2」、駅「B−2」、駅「C−2」が最寄地点である。駅「A−2」では、車両13は進行方位53aと進行方位53bのいずれかに進行する。駅「B−2」では、車両13は進行方位53eと進行方位53fのいずれかに進行する。駅「C−2」では、車両13は進行方位53cと進行方位53dのいずれかに進行する。サーバ3の制御部21は、6つの進行方位53a〜53fと現在進行方位82との差をそれぞれ算出する。この例では、進行方位53b、53dとの差が所定の範囲内であるため、進行方位53b、53dに対応する2つの路線、方面が乗車路線、乗車方面として特定される。
【0048】
次に、サーバ3の制御部21は、路線図データベース43を参照し、直前通過駅を特定する(S109)。S108で絞り込みされた最寄地点が駅51の場合、最寄地点が直前通過駅となる。一方、中間地点54の場合、最寄地点から乗車方面と逆方向に乗車路線を遡ったときの最初の駅51が直前通過駅となる。
【0049】
図10に示す例では、S108で絞り込みされた最寄地点は駅「A−2」であるから、駅「A−2」が直前通過駅となる。
また、図11に示す例では、S108で絞り込みされた最寄地点は駅「A−2」、駅「C−2」であるから、駅「A−2」、駅「C−2」がそれぞれ直前通過駅となる。
【0050】
次に、サーバ3の制御部21は、運行情報データベース45を参照し、乗車路線、乗車方面、直前通過駅に対応する運行情報を取得する(S110)。取得対象は、例えば、現在時刻から所定時間内の最新データである。また、取得対象は、例えば、直前通過駅に対応する運行情報だけでなく、直前通過駅から乗車方面に向かって次の駅に対応する運行情報を含めても良い。
【0051】
図8をデータ例とし、図10に示す例にて、S110の処理を具体的に説明する。図10に示す例では、S108、S109の処理によって、乗車路線「A」、乗車方面「A−20」、直前通過駅「A−2」と特定されている。この場合、サーバ3の制御部21は、乗車路線「A」、乗車方面「A−20」、直前通過駅「A−2」に対応する運行情報として、図8のNo「1」のデータを取得する。また、直前通過駅「A−2」から乗車方面「A−20」に向かって次の駅「A−3」に対応する運行情報として、図8のNo「2」のデータを取得する。サーバ3の制御部21は、取得した2件の状況76に基づいて、例えば2件の遅延時間の平均を算出し、乗車車両が5分遅れで運行していると推定する。
【0052】
次に、サーバ3の制御部21は、時刻表データベース44を参照し、S110で取得した運行情報を考慮して、乗車車両の車両情報を取得する(S111)。S110にて運行情報を取得しなかった場合、サーバ3の制御部21は、乗車車両の運行に支障がないと判断し、現在時刻から直前通過駅における出発時刻を推定して乗車車両の車両情報を取得する。一方、S110にて運行情報を取得した場合、サーバ3の制御部21は、乗車車両の運行に支障があると判断し、現在時刻とS110にて推定した遅延時間から直前通過駅における発車時刻を推定して乗車車両の車両情報を取得する。例えば、現在時刻から遅延時間を引いた時刻に最も近い発車予定時刻の車両を乗車車両と特定する。尚、運行情報データベース45の精度等を考慮して、現在時刻から遅延時間を引いた時刻に近い発車予定時刻の車両順に、複数の車両を乗車車両候補として特定しても良い。
【0053】
図7、図8をデータ例とし、図10に示す例にて、S111の処理を具体的に説明する。図10に示す例では、S108、S109の処理によって、乗車路線「A」、乗車方面「A−20」、直前通過駅「A−2」と特定されている。また、S110の処理によって、乗車車両の直前通過駅「A−2」における遅延時間が5分と推定されている。ここで、現在時刻を「18:15」とすると、サーバ3の制御部21は、現在時刻「18:15」から遅延時間「5分」を引いた時刻「18:10」に最も近い発車予定時刻の車両を乗車車両と特定する。図7に示す例では、サーバ3の制御部21は、発車予定時刻「18:11」の車両を乗車車両と特定する。そして、サーバ3の制御部21は、乗車車両の車両情報として、行先「A−15」、種別「快速」、次停車駅「A−4」、急行待合せ駅「A−10」を取得する。
【0054】
次に、サーバ3の制御部21は、携帯端末5に乗車車両の車両情報、運行情報、付随情報を送信する(S112)。付随情報は、例えば、次停車駅の駅周辺のおすすめ情報へのリンク、次停車駅をキーとした広告情報などである。
携帯端末5の制御部31は、サーバ3からデータを受信し(S113)、乗車車両の車両情報を表示部34に表示する(S114)。
【0055】
図12は、図10に示す例に対する表示例である。図12に示すように、携帯端末5の表示部34には、乗車車両情報として、路線・方面「A線A−20方面」、最寄駅出発時刻「A−2駅 18:15発」、行先「A−20駅行」、種別「快速」、次停車駅「A−4駅」、急行待合せ駅「A−10駅」等が表示されている。路線・方面「A線A−20方面」等の下線は、時刻表、駅情報へのリンクである。また、付随情報として、次停車駅「A−4駅」周辺のおすすめ情報のリンクも表示されている。また、図10に示す例では乗車車両が遅延していることから、遅延情報も表示されている。
このように、本発明の実施の形態では、ユーザ11による情報の入力がなくても、携帯端末5の表示部34に乗車車両の情報を表示させることができる。また、運行情報を考慮して乗車車両を特定することから、車両の運行に支障が生じている場合でも、誤りのない情報を提供することができる。
【0056】
図13は、図11に示す例に対する表示例である。図11に示す例では、現在位置81の周辺において、現在進行方位82の方向に複数の路線が並行して走っていることから、乗車車両を1つに特定せずに、2つの候補を特定している。図13に示すように、携帯端末5の表示部34には、乗車車両情報として2つの乗車車両候補が表示されている。ユーザ11は、表示部34に表示された情報から、自らが乗車している車両を判断する。
【0057】
このように、本発明の実施の形態では、GPS等の機器の測定誤差、現在位置の路線状況等を考慮して、乗車車両を充分な精度で1つに特定できない場合には複数の乗車車両候補をユーザ11に提供する。すなわち、間違いの可能性がある情報を確定情報として提供せず、不確定情報として複数の候補をユーザ11に提供する。これによって、ユーザ11による情報の入力がなくても、間違いのない情報を提供することができる。
尚、図11に示す例では、2つの乗車車両候補は路線・方面が異なる場合であったが、路線・方面が同じ車両を乗車車両候補とする場合もある。例えば、乗車車両の運行に支障があり、運行情報データベース45の情報を考慮したときに乗車車両を1つに特定できない場合などである。
【0058】
次に、本発明の実施の形態の変形例として、運行情報の収集処理について説明する。
図14は、履歴情報データベース46の一例を示す図である。履歴情報データベース46は、サーバ3の記憶部22に記憶される。履歴情報データベース46は、携帯端末5から受信したユーザID91、現在時刻92、現在位置93、現在進行方位94等を保持する。
【0059】
運行情報の収集処理では、携帯端末5が所定の時間間隔(図14の例では1分ごと)でサーバ3に現在時刻、現在位置、現在進行方位を送信する。サーバ3は、受信したデータを履歴情報データベース46に蓄積し、ユーザID91ごとにデータを解析し、運行に支障がある車両を検出する。図14に示すNULLは、現在進行方位検出部38の説明にて前述した通り、車両13の速度が所定の値よりも小さく車両13が停止していると思われるときの値である。
図14に示す例では、No「1」の現在進行方位94はNULLでないことから、ユーザID「AAA」のユーザ11が乗車した車両が18:10に走行していることが分かる。また、No「2」〜「4」の現在進行方位94はNULLであることから、18:11〜18:14の間は駅51に停止していることが分かる。更に、No「5」の現在進行方位94はNULLでないことから、18:15に走行を再開していることが分かる。この場合、サーバ3は、ユーザID「AAA」のユーザ11が乗車した車両の運行に支障があると判断し、運行情報データベース45のデータを生成する。
【0060】
サーバ3の制御部21は、No「1」のデータに対して図9の処理を行うことで、乗車路線、乗車方面、乗車車両、停止駅等を特定する。次に、サーバ3の制御部21は、停止駅における乗車車両の出発時刻を取得し、出発時刻と走行再開時刻とを比較し、遅延時間を算出する。遅延時間が所定の時間よりも大きい場合、サーバ3の制御部21は、運行情報データベース45にデータを記憶する。このように、本発明の実施の形態の変形例では、ユーザ11が自発的に運行情報を投稿しなくても、運行情報の収集を行うことができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る乗車車両情報提供システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0062】
1………乗車車両情報提供システム
3………サーバ
5………携帯端末
7………基地局
9………ネットワーク
11………ユーザ
13………車両
41………経路検索エンジン
42………乗車車両情報提供プログラム
43………路線図データベース
44………時刻表データベース
45………運行情報データベース
46………履歴情報データベース
51………駅
52………線路
53………進行方位
54………中間地点
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗車車両の情報を提供する乗車車両情報提供サーバ、乗車車両情報提供システム、乗車車両情報提供方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話等の携帯端末を利用して、電車等の乗換情報を提供するシステムがある。このようなシステムでは、ユーザが入力した乗車駅と降車駅に基づいて、乗車駅から降車駅までの乗換情報を提供することが一般的である。更に、近年では、ユーザの様々なニーズに応えるために技術開発が盛んに行われている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、急いでいるから急行で行きたい、または疲れているから各駅停車で座って行きたいなどのニーズに合った検索を行う仕組みが記載されている。特許文献1に記載の仕組みでは、ユーザ端末は、時刻表サーバに、所定の路線に対応する時刻表データを時刻表データベース31から検索させて取得する時刻表受信部と、取得した時刻表データの中から、所定の乗車駅の発車時刻表を表示し、ユーザに乗車する列車の選択を促す表示部と、発車時刻表からユーザに選択された列車を受け付ける操作部とを含み、選択された列車の停車駅毎の到着時刻一覧を表示部に表示する。所定の路線、所定の乗車駅は、定期券情報や改札機から取得する乗車駅情報に基づいて特定する。この仕組みによって、ユーザは、所定の乗車駅の時刻表から列車を選択して、その列車の停車駅毎の到着時刻一覧を参照することができるので、列車の種類を考慮しながら列車を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−97427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の仕組みでは、ユーザが現在乗車している車両の行き先、次の停車駅、急行待合せ駅などを即座に知りたいというニーズに応えることができない。
特許文献1に記載の仕組みでは、路線、乗車駅を特定するために、定期券情報や改札機から取得する乗車駅情報を用いる。しかし、定期券情報では、定期券を購入した乗車駅、降車駅と異なる駅で乗降車する場合に対応できない。また、改札機から取得する乗車駅情報では、乗車する方面が特定できず、また複数路線が乗り入れている駅では路線を特定することができず、対応できない。ユーザに路線、方面を入力させることもできるが、即座に知りたいというニーズに応えることができない。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供できる乗車車両情報提供システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、携帯端末とネットワークを介して接続される乗車車両情報提供サーバであって、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、前記路線図データベースを参照し、前記携帯端末から受信する乗車車両の現在位置に近い前記基準地点を最寄地点として取得する最寄地点取得手段と、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点の前記進行方位と前記携帯端末から受信する乗車車両の現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、を具備することを特徴とする乗車車両情報提供サーバである。第1の発明によって、ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供できる乗車車両情報提供システムを提供することができる。
【0008】
また、第1の発明は、運行に支障がある車両の運行情報を保持する運行情報データベース、を更に具備し、前記車両情報取得手段は、前記運行情報データベースを参照し、前記運行情報を考慮して前記車両情報を取得することが望ましい。これによって、車両の運行に支障が生じている場合でも、誤りのない情報を提供することができる。
【0009】
また、第1の発明は、前記携帯端末から受信する前記現在位置、前記現在進行方位、前記現在時刻を保持する履歴情報データベースと、前記履歴情報データベースを解析し、運行に支障がある車両の運行情報を生成して前記運行情報データベースに記憶する運行情報収集手段と、を更に具備することが望ましい。これによって、ユーザが自発的に運行情報を投稿しなくても、運行情報の収集を行うことができる。
【0010】
また、第1の発明における前記路線方面特定手段は、例えば、前記最寄時点の前記進行方位と前記現在進行方位との差を算出し、差が所定の範囲内である全ての前記最寄時点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定する。これによって、間違いの可能性がある情報を確定情報として提供せず、不確定情報として複数の候補をユーザに提供し、間違いのない情報を提供することができる。
【0011】
また、第1の発明における前記路線図データベースは、例えば、前記乗車路線、前記乗車方面を特定するための前記進行方位の所定の範囲を保持し、前記路線方面特定手段は、前記現在進行方位が前記進行方位の所定の範囲に入る全ての前記最寄地点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定する。これによって、基準地点の進行方位ごとに所定の範囲を定めることができる。
【0012】
また、第1の発明における前記車両情報は、例えば、行先、種別、次停車駅、急行待ち合わせ駅を含む。
【0013】
第2の発明は、携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される乗車車両情報提供システムであって、前記携帯端末は、乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信する手段、を具備し、前記サーバは、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得する最寄地点一覧取得手段と、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、を具備することを特徴とする乗車車両情報提供システムである。
【0014】
第3の発明は、携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続されるシステムで実行される乗車車両情報提供方法あって、前記サーバは、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、を具備するものであり、前記携帯端末が、乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信するステップと、前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得するステップと、前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定するステップと、前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定するステップと、前記サーバが、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得するステップと、前記サーバが、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信するステップと、を含むことを特徴とする乗車車両情報提供方法である。
【0015】
第4の発明は、コンピュータを第1の発明の乗車車両情報提供サーバとして機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の乗車車両情報提供システム等により、ユーザによる情報の入力がなくても、乗車車両の車両情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の乗車車両情報提供システム1の概要を示す図
【図2】サーバ3のハードウェア構成図
【図3】携帯端末5のハードウェア構成図
【図4】サーバ3の記憶部22に記憶されるプログラム、データを示す図
【図5】路線図データベース43を説明する第1の図
【図6】路線図データベース43を説明する第2の図
【図7】時刻表データベース44の一例を示す図
【図8】運行情報データベース45の一例を示す図
【図9】乗車車両情報の取得処理の流れを示すフローチャート
【図10】乗車車両情報を一意に特定できる場合の一例を示す図
【図11】乗車車両情報を一意に特定できない場合の一例を示す図
【図12】乗車車両情報を一意に特定できる場合の表示例を示す図
【図13】乗車車両情報を一意に特定できない場合の表示例を示す図
【図14】履歴情報データベース46の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態の乗車車両情報提供システム1の概要を示す図である。図1に示すように、乗車車両情報提供システム1は、車両13に乗車しているユーザ11が携帯端末5を有する。携帯端末5は、基地局7、ネットワーク9を介してサーバ3と接続される。携帯端末5は、例えば携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、ノート型PC(Personal Computer)などである。
以下では、ユーザ11が現在乗車している車両13を乗車車両と呼ぶこととする。また、ユーザ11が現在乗車している路線を乗車路線、ユーザ11が現在乗車している路線の方面を乗車方面と呼ぶこととする。また、乗車車両が直前に通過した駅を直前通過駅と呼ぶこととする。
【0020】
図2は、サーバ3のハードウェア構成図である。尚、図2のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0021】
サーバ3は、制御部21、記憶部22、メディア入出力部23、通信制御部24、入力部25、表示部26、周辺機器I/F部27等が、バス28を介して接続される。
【0022】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、記憶部22、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス28を介して接続された各装置を駆動制御し、サーバ3が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部22、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0023】
記憶部22は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部21が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部21により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0024】
メディア入出力部23(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部24は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク9間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク9を介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
【0025】
入力部25は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部25を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部26は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F(インタフェース)部27は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部27を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部27は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
バス28は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0026】
図3は、携帯端末5のハードウェア構成図である。尚、図3のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0027】
携帯端末5は、制御部31、記憶部32、入力部33、表示部34、通信部35、時刻管理部36、現在位置検出部37、現在進行方位検出部38等が、バス39を介して接続される。
【0028】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、記憶部32、ROM等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス39を介して接続された各装置を駆動制御し、携帯端末5が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、プログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部32、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部31が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0029】
記憶部32は、フラッシュメモリ等であり、制御部31が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ等が格納される。プログラムに関しては、後述する処理を携帯端末5に実行させるためのアプリケーションプログラム等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部31により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0030】
入力部33は、入力ボタンやタッチパネル等の入力装置を有し、データの入力を行う。ユーザ11は、入力部33を介して、携帯端末5に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部34は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置を有し、データの表示を行う。ユーザ11は、表示部34によって各種の情報を確認する。
通信部35は、アンテナを有し、基地局7と通信を行う。尚、通信部35は、駅や線路沿いに設置される中継装置(不図示)と通信を行い、中継装置がネットワーク9を介してサーバ3と通信を行う構成であっても良い。これによって、地下鉄の車両13内でも、携帯端末5はサーバ3と通信を行うことができる。
【0031】
時刻管理部36は、時間を計測し、現在時刻を出力する。
現在位置検出部37は、GPS(Global Psitioning System:全地球測位システム)を利用して、移動体(本発明の実施の形態では、携帯端末5を持つユーザ11が乗車している車両13)の現在位置を検出する。現在位置は、緯度と経度で表される。
現在進行方位検出部38は、ジャイロセンサ、加速度センサを有し、現在進行方位を検出する。進行方位とは、真北(地球の自転軸の方向)に対して移動体がどちらの方向に進行しているかという移動体の進行方向の方位角度である。現在進行方位検出部38は、ジャイロセンサ、加速度センサによって移動体の角速度、加速度を測定し、地球の重力や自転角速度をモデル化することによりその影響を除去し、地球の重力方向を基準にした現在進行方位を検出する。尚、現在進行方位検出部38は、移動体の速度が所定の値よりも小さく移動体が停止していると思われる場合、進行方位を検出不可とし、現在進行方位の値をNULLに設定する。
【0032】
図4は、サーバ3の記憶部22に記憶されるプログラム、データを示す図である。図4に示すように、サーバ3の記憶部22には、経路検索エンジン41、乗車車両情報提供プログラム42、路線図データベース43、時刻表データベース44、運行情報データベース45等が記憶される。
【0033】
経路検索エンジン41は、様々な経路検索の機能を実現するための基本的なアプリケーションプログラムである。経路検索エンジン41は、ユーザ管理機能、接続・認証機能、経路検索機能、路線・駅名取得機能、運行情報取得機能等を含む。ユーザ管理機能は、本システムを利用するユーザ11のユーザ情報の登録、更新、削除、取得等を行う機能である。接続・認証機能は、携帯端末5とサーバ3との通信の接続、切断、携帯端末5の認証等を行う機能である。経路検索機能は、経路検索、時刻表取得、運賃取得等を行う。路線・駅名取得機能は、キーワード、位置情報からの路線・駅名取得等を行う機能である。運行情報取得機能は、車両の運行情報を取得する機能である。
【0034】
乗車車両情報提供プログラム42は、経路検索エンジン41を呼び出し、必要なデータベースを参照して、乗車車両情報を提供する機能を実現するためのアプリケーションプログラムである。乗車車両情報提供プログラム42がサーバ3にインストールされることによって、サーバ3は後述する図9に示す処理を実行する。
【0035】
図5は、路線図データベース43を説明する第1の図である。路線図データベース43は、各路線の駅51、線路52の位置情報(緯度、経度)を保持する。また、路線図データベース43は、駅51ごとに車両13の進行方位53(方位角度)を保持する。始発駅または終着駅を除く駅については、上りと下りの二つの方面の進行方位53を保持する。例えば、「A−2」駅については、「A−3」駅に向かう方面の進行方位53aと「A−1」駅に向かう方面の進行方位53bを保持する。
路線図データベース43は、駅名が同じであっても、路線ごとに区別して車両13の進行方位53を保持する。
【0036】
図6は、路線図データベース43を説明する第2の図である。駅51と離れている地点、または線路52が大きく曲がるカーブを有する地点が現在位置になった場合、後述する図9に示す処理の精度が悪くなることが考えられる。そこで、路線図データベース43は、駅51における進行方位53だけでなく、駅51の間の線路52上の中間地点54における進行方位53も保持することが望ましい。中間地点54は、例えば、一定の距離ごとに設定しても良いし、所定の値以上の曲率を有するカーブに設定しても良い。
以下では、駅51と中間地点54を合わせて基準地点と呼ぶこととする。
路線図データベース43は、基準地点ごとに、基準地点の位置情報(緯度、経度)、基準地点を通過する路線、基準地点を通過するときの進行方位(方位角)を保持する。
【0037】
図7は、時刻表データベース44の一例を示す図である。図7に示す例は、路線「A」、方面「A−20」、駅「A−2」の時刻表に関する。時刻表データベース44は、路線、方面、駅、発車予定時刻(時61、分62)ごとに車両情報を保持する。車両情報は、行先63、種別64、次停車駅65、急行待合せ駅66等である。行先63は終着駅を示す情報、種別64は急行や普通等の車両の種別を示す情報、次停車駅65は次に停車する駅を示す情報、急行待合せ駅66は急行の通過待ちのために停車する駅を示す情報である。尚、車両情報はこれらに限定されるものではなく、車両ごとに異なる様々な情報を含むものとする。
【0038】
図8は、運行情報データベース45の一例を示す図である。運行情報データベース45は、運行に支障のあった路線72、方面73について、時間71、駅74、種別75、状況76を保持する。状況76は、駅74における遅延時間や運転状況等である。運行情報データベース45が保持するデータは、例えば、鉄道事業者が提供する公式情報、ユーザ11が携帯端末5等を利用して自発的に投稿する非公式情報等である。
【0039】
図9は、乗車車両情報の取得処理の流れを示すフローチャートである。図10は、乗車車両情報を一意に特定できる場合の一例を示す図である。図11は、乗車車両情報を一意に特定できない場合の一例を示す図である。図12は、乗車車両情報を一意に特定できる場合の表示例を示す図である。図13は、乗車車両情報を一意に特定できない場合の表示例を示す図である。
以下では、図7から図13を参照しながら、乗車車両情報の取得処理の詳細を説明する。尚、図10、図11では、例を簡単にするために基準地点を駅51のみとして図示している。
【0040】
図9に示すように、携帯端末5の制御部31は、ユーザ11からの乗車車両情報の取得の指示を入力する(S101)。ユーザ11は、例えば、経路探索アプリケーションのメニュー画面(不図示)において「乗車車両情報の取得」ボタン(不図示)を選択する。本発明の実施の形態では、ユーザ11は、以後、乗車車両情報が携帯端末5の表示部34に表示されるまで何らボタン操作を行う必要はない。
【0041】
次に、携帯端末5の制御部31は、現在位置検出部37によって現在位置を検出し(S102)、現在進行方位検出部38によって現在進行方位を検出し(S103)、時刻管理部36から現在時刻を取得し(S104)、通信部35によって基地局7を介してサーバ3に現在位置、現在進行方位、現在時刻を送信する(S105)。
【0042】
次に、サーバ3の制御部21は、通信制御部24によって携帯端末5からデータを受信する(S106)。サーバ3の制御部21は、路線図データベース43を参照し、受信した現在位置に近い基準地点である最寄地点の一覧を取得する(S107)。サーバ3の制御部21は、現在位置の緯度と経度、処理対象の基準地点の緯度と経度を指定し、経路検索エンジン41によって現在位置から基準地点までの距離を算出する。算出した距離が所定の範囲内である場合、処理対象の基準地点を最寄地点とする。所定の範囲は、GPSの測定誤差を考慮して予め決めておく。
【0043】
図10に示す例では、現在位置81に近い基準地点が駅「A−2」、駅「C−2」の2箇所である。サーバ3の制御部21は、駅「A−2」、駅「C−2」を最寄地点の一覧として取得する。
図11に示す例では、現在位置81に近い基準地点が駅「A−2」、駅「B−2」、駅「C−2」の3箇所である。サーバ3の制御部21は、駅「A−2」、駅「B−2」、駅「C−2」を最寄地点の一覧として取得する。
【0044】
次に、サーバ3の制御部21は、路線図データベース43を参照し、最寄地点の進行方位と受信した現在進行方位に基づいて最寄地点の一覧から路線・方面の絞り込みを行い、乗車路線、乗車方面を特定する(S108)。サーバ3の制御部21は、S107で取得した最寄地点の進行方位53と、受信した現在進行方位との差が所定の範囲内である全ての最寄地点の進行方位53に対応する路線、方面を乗車路線、乗車方面として特定する。所定の範囲は、ジャイロセンサ、加速度センサの測定誤差等を考慮して予め決めておく。複数の路線が近距離で並行して走っている基準地点では、乗車路線、乗車方面が複数特定される。
【0045】
また、路線図データベース43が、乗車路線、乗車方面を特定するための進行方位53の所定の範囲を保持するようにしても良い。例えば、図10に示す例では、駅「A−2」の進行方位53aの所定の範囲として、80°〜90°(真北を基準として時計回りの値)のように保持する。所定の範囲は、ジャイロセンサ、加速度センサの測定誤差等を考慮して予め決めておく。この場合、サーバ3の制御部21は、S107で取得した最寄地点の中で、受信した現在進行方位が進行方位53の所定の範囲に入る全ての最寄地点の進行方位53に対応する路線、方面を乗車路線、乗車方面として特定する。これによって、進行方位53ごとに異なる範囲を定めることができ、複数の路線が近距離で走っていない基準地点の進行方位53については範囲を広く設定することで、現在位置、現在進行方位の測定誤差を吸収することができる。
【0046】
図10に示す例では、駅「A−2」、駅「C−2」が最寄地点である。駅「A−2」では、車両13は進行方位53aと進行方位53bのいずれかに進行する。駅「C−2」では、車両13は進行方位53cと進行方位53dのいずれかに進行する。サーバ3の制御部21は、これら4つの進行方位53a〜53dと現在進行方位82との差をそれぞれ算出する。この例では、進行方位53aとの差のみが所定の範囲内であるため、進行方位53aに対応する路線、方面のみが乗車路線、乗車方面として特定される。
【0047】
図11に示す例では、駅「A−2」、駅「B−2」、駅「C−2」が最寄地点である。駅「A−2」では、車両13は進行方位53aと進行方位53bのいずれかに進行する。駅「B−2」では、車両13は進行方位53eと進行方位53fのいずれかに進行する。駅「C−2」では、車両13は進行方位53cと進行方位53dのいずれかに進行する。サーバ3の制御部21は、6つの進行方位53a〜53fと現在進行方位82との差をそれぞれ算出する。この例では、進行方位53b、53dとの差が所定の範囲内であるため、進行方位53b、53dに対応する2つの路線、方面が乗車路線、乗車方面として特定される。
【0048】
次に、サーバ3の制御部21は、路線図データベース43を参照し、直前通過駅を特定する(S109)。S108で絞り込みされた最寄地点が駅51の場合、最寄地点が直前通過駅となる。一方、中間地点54の場合、最寄地点から乗車方面と逆方向に乗車路線を遡ったときの最初の駅51が直前通過駅となる。
【0049】
図10に示す例では、S108で絞り込みされた最寄地点は駅「A−2」であるから、駅「A−2」が直前通過駅となる。
また、図11に示す例では、S108で絞り込みされた最寄地点は駅「A−2」、駅「C−2」であるから、駅「A−2」、駅「C−2」がそれぞれ直前通過駅となる。
【0050】
次に、サーバ3の制御部21は、運行情報データベース45を参照し、乗車路線、乗車方面、直前通過駅に対応する運行情報を取得する(S110)。取得対象は、例えば、現在時刻から所定時間内の最新データである。また、取得対象は、例えば、直前通過駅に対応する運行情報だけでなく、直前通過駅から乗車方面に向かって次の駅に対応する運行情報を含めても良い。
【0051】
図8をデータ例とし、図10に示す例にて、S110の処理を具体的に説明する。図10に示す例では、S108、S109の処理によって、乗車路線「A」、乗車方面「A−20」、直前通過駅「A−2」と特定されている。この場合、サーバ3の制御部21は、乗車路線「A」、乗車方面「A−20」、直前通過駅「A−2」に対応する運行情報として、図8のNo「1」のデータを取得する。また、直前通過駅「A−2」から乗車方面「A−20」に向かって次の駅「A−3」に対応する運行情報として、図8のNo「2」のデータを取得する。サーバ3の制御部21は、取得した2件の状況76に基づいて、例えば2件の遅延時間の平均を算出し、乗車車両が5分遅れで運行していると推定する。
【0052】
次に、サーバ3の制御部21は、時刻表データベース44を参照し、S110で取得した運行情報を考慮して、乗車車両の車両情報を取得する(S111)。S110にて運行情報を取得しなかった場合、サーバ3の制御部21は、乗車車両の運行に支障がないと判断し、現在時刻から直前通過駅における出発時刻を推定して乗車車両の車両情報を取得する。一方、S110にて運行情報を取得した場合、サーバ3の制御部21は、乗車車両の運行に支障があると判断し、現在時刻とS110にて推定した遅延時間から直前通過駅における発車時刻を推定して乗車車両の車両情報を取得する。例えば、現在時刻から遅延時間を引いた時刻に最も近い発車予定時刻の車両を乗車車両と特定する。尚、運行情報データベース45の精度等を考慮して、現在時刻から遅延時間を引いた時刻に近い発車予定時刻の車両順に、複数の車両を乗車車両候補として特定しても良い。
【0053】
図7、図8をデータ例とし、図10に示す例にて、S111の処理を具体的に説明する。図10に示す例では、S108、S109の処理によって、乗車路線「A」、乗車方面「A−20」、直前通過駅「A−2」と特定されている。また、S110の処理によって、乗車車両の直前通過駅「A−2」における遅延時間が5分と推定されている。ここで、現在時刻を「18:15」とすると、サーバ3の制御部21は、現在時刻「18:15」から遅延時間「5分」を引いた時刻「18:10」に最も近い発車予定時刻の車両を乗車車両と特定する。図7に示す例では、サーバ3の制御部21は、発車予定時刻「18:11」の車両を乗車車両と特定する。そして、サーバ3の制御部21は、乗車車両の車両情報として、行先「A−15」、種別「快速」、次停車駅「A−4」、急行待合せ駅「A−10」を取得する。
【0054】
次に、サーバ3の制御部21は、携帯端末5に乗車車両の車両情報、運行情報、付随情報を送信する(S112)。付随情報は、例えば、次停車駅の駅周辺のおすすめ情報へのリンク、次停車駅をキーとした広告情報などである。
携帯端末5の制御部31は、サーバ3からデータを受信し(S113)、乗車車両の車両情報を表示部34に表示する(S114)。
【0055】
図12は、図10に示す例に対する表示例である。図12に示すように、携帯端末5の表示部34には、乗車車両情報として、路線・方面「A線A−20方面」、最寄駅出発時刻「A−2駅 18:15発」、行先「A−20駅行」、種別「快速」、次停車駅「A−4駅」、急行待合せ駅「A−10駅」等が表示されている。路線・方面「A線A−20方面」等の下線は、時刻表、駅情報へのリンクである。また、付随情報として、次停車駅「A−4駅」周辺のおすすめ情報のリンクも表示されている。また、図10に示す例では乗車車両が遅延していることから、遅延情報も表示されている。
このように、本発明の実施の形態では、ユーザ11による情報の入力がなくても、携帯端末5の表示部34に乗車車両の情報を表示させることができる。また、運行情報を考慮して乗車車両を特定することから、車両の運行に支障が生じている場合でも、誤りのない情報を提供することができる。
【0056】
図13は、図11に示す例に対する表示例である。図11に示す例では、現在位置81の周辺において、現在進行方位82の方向に複数の路線が並行して走っていることから、乗車車両を1つに特定せずに、2つの候補を特定している。図13に示すように、携帯端末5の表示部34には、乗車車両情報として2つの乗車車両候補が表示されている。ユーザ11は、表示部34に表示された情報から、自らが乗車している車両を判断する。
【0057】
このように、本発明の実施の形態では、GPS等の機器の測定誤差、現在位置の路線状況等を考慮して、乗車車両を充分な精度で1つに特定できない場合には複数の乗車車両候補をユーザ11に提供する。すなわち、間違いの可能性がある情報を確定情報として提供せず、不確定情報として複数の候補をユーザ11に提供する。これによって、ユーザ11による情報の入力がなくても、間違いのない情報を提供することができる。
尚、図11に示す例では、2つの乗車車両候補は路線・方面が異なる場合であったが、路線・方面が同じ車両を乗車車両候補とする場合もある。例えば、乗車車両の運行に支障があり、運行情報データベース45の情報を考慮したときに乗車車両を1つに特定できない場合などである。
【0058】
次に、本発明の実施の形態の変形例として、運行情報の収集処理について説明する。
図14は、履歴情報データベース46の一例を示す図である。履歴情報データベース46は、サーバ3の記憶部22に記憶される。履歴情報データベース46は、携帯端末5から受信したユーザID91、現在時刻92、現在位置93、現在進行方位94等を保持する。
【0059】
運行情報の収集処理では、携帯端末5が所定の時間間隔(図14の例では1分ごと)でサーバ3に現在時刻、現在位置、現在進行方位を送信する。サーバ3は、受信したデータを履歴情報データベース46に蓄積し、ユーザID91ごとにデータを解析し、運行に支障がある車両を検出する。図14に示すNULLは、現在進行方位検出部38の説明にて前述した通り、車両13の速度が所定の値よりも小さく車両13が停止していると思われるときの値である。
図14に示す例では、No「1」の現在進行方位94はNULLでないことから、ユーザID「AAA」のユーザ11が乗車した車両が18:10に走行していることが分かる。また、No「2」〜「4」の現在進行方位94はNULLであることから、18:11〜18:14の間は駅51に停止していることが分かる。更に、No「5」の現在進行方位94はNULLでないことから、18:15に走行を再開していることが分かる。この場合、サーバ3は、ユーザID「AAA」のユーザ11が乗車した車両の運行に支障があると判断し、運行情報データベース45のデータを生成する。
【0060】
サーバ3の制御部21は、No「1」のデータに対して図9の処理を行うことで、乗車路線、乗車方面、乗車車両、停止駅等を特定する。次に、サーバ3の制御部21は、停止駅における乗車車両の出発時刻を取得し、出発時刻と走行再開時刻とを比較し、遅延時間を算出する。遅延時間が所定の時間よりも大きい場合、サーバ3の制御部21は、運行情報データベース45にデータを記憶する。このように、本発明の実施の形態の変形例では、ユーザ11が自発的に運行情報を投稿しなくても、運行情報の収集を行うことができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る乗車車両情報提供システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0062】
1………乗車車両情報提供システム
3………サーバ
5………携帯端末
7………基地局
9………ネットワーク
11………ユーザ
13………車両
41………経路検索エンジン
42………乗車車両情報提供プログラム
43………路線図データベース
44………時刻表データベース
45………運行情報データベース
46………履歴情報データベース
51………駅
52………線路
53………進行方位
54………中間地点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末とネットワークを介して接続される乗車車両情報提供サーバであって、
駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、
路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、
前記路線図データベースを参照し、前記携帯端末から受信する乗車車両の現在位置に近い前記基準地点を最寄地点として取得する最寄地点取得手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点の前記進行方位と前記携帯端末から受信する乗車車両の現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、
前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする乗車車両情報提供サーバ。
【請求項2】
運行に支障がある車両の運行情報を保持する運行情報データベース、
を更に具備し、
前記車両情報取得手段は、前記運行情報データベースを参照し、前記運行情報を考慮して前記車両情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項3】
前記携帯端末から受信する前記現在位置、前記現在進行方位、前記現在時刻を保持する履歴情報データベースと、
前記履歴情報データベースを解析し、運行に支障がある車両の運行情報を生成して前記運行情報データベースに記憶する運行情報収集手段と、
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項4】
前記路線方面特定手段は、前記最寄時点の前記進行方位と前記現在進行方位との差を算出し、差が所定の範囲内である全ての前記最寄時点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項5】
前記路線図データベースは、前記乗車路線、前記乗車方面を特定するための前記進行方位の所定の範囲を保持し、
前記路線方面特定手段は、前記現在進行方位が前記進行方位の所定の範囲に入る全ての前記最寄地点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項6】
前記車両情報は、行先、種別、次停車駅、急行待ち合わせ駅を含むことを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項7】
携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される乗車車両情報提供システムであって、
前記携帯端末は、
乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信する手段、
を具備し、
前記サーバは、
駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、
路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、
前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得する最寄地点一覧取得手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、
前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする乗車車両情報提供システム。
【請求項8】
携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続されるシステムで実行される乗車車両情報提供方法あって、
前記サーバは、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、を具備するものであり、
前記携帯端末が、乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得するステップと、
前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定するステップと、
前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定するステップと、
前記サーバが、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得するステップと、
前記サーバが、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信するステップと、
を含むことを特徴とする乗車車両情報提供方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から請求項6のいずれかに記載の乗車車両情報提供サーバとして機能させるプログラム。
【請求項1】
携帯端末とネットワークを介して接続される乗車車両情報提供サーバであって、
駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、
路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、
前記路線図データベースを参照し、前記携帯端末から受信する乗車車両の現在位置に近い前記基準地点を最寄地点として取得する最寄地点取得手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点の前記進行方位と前記携帯端末から受信する乗車車両の現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、
前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする乗車車両情報提供サーバ。
【請求項2】
運行に支障がある車両の運行情報を保持する運行情報データベース、
を更に具備し、
前記車両情報取得手段は、前記運行情報データベースを参照し、前記運行情報を考慮して前記車両情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項3】
前記携帯端末から受信する前記現在位置、前記現在進行方位、前記現在時刻を保持する履歴情報データベースと、
前記履歴情報データベースを解析し、運行に支障がある車両の運行情報を生成して前記運行情報データベースに記憶する運行情報収集手段と、
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項4】
前記路線方面特定手段は、前記最寄時点の前記進行方位と前記現在進行方位との差を算出し、差が所定の範囲内である全ての前記最寄時点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項5】
前記路線図データベースは、前記乗車路線、前記乗車方面を特定するための前記進行方位の所定の範囲を保持し、
前記路線方面特定手段は、前記現在進行方位が前記進行方位の所定の範囲に入る全ての前記最寄地点の前記進行方位に対応する路線、方面を前記乗車路線、前記乗車方面として特定することを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項6】
前記車両情報は、行先、種別、次停車駅、急行待ち合わせ駅を含むことを特徴とする請求項1に記載の乗車車両情報提供サーバ。
【請求項7】
携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される乗車車両情報提供システムであって、
前記携帯端末は、
乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信する手段、
を具備し、
前記サーバは、
駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、
路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、
前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得する最寄地点一覧取得手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定する路線方面特定手段と、
前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定する直前通過駅特定手段と、
前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする乗車車両情報提供システム。
【請求項8】
携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続されるシステムで実行される乗車車両情報提供方法あって、
前記サーバは、駅または駅間の中間地点を示す基準地点の位置、前記基準地点を車両が通過するときの進行方位を保持する路線図データベースと、路線、方面、駅、発車予定時刻ごとに車両情報を保持する時刻表データベースと、を具備するものであり、
前記携帯端末が、乗車車両の現在位置、現在進行方位を検出し、現在時刻とともに前記サーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置に基づいて最寄地点の一覧を取得するステップと、
前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記最寄時点と前記現在進行方位に基づいて前記乗車車両の路線である乗車路線と前記乗車車両の方面である乗車方面を特定するステップと、
前記サーバが、前記路線図データベースを参照し、前記現在位置、前記乗車路線、前記乗車方面に基づいて前記乗車車両が直前に通過した駅である直前通過駅を特定するステップと、
前記サーバが、前記乗車路線、前記乗車方面、前記直前通過駅、前記携帯端末から受信する現在時刻に基づいて、前記時刻表データベースから前記乗車車両の車両情報を取得するステップと、
前記サーバが、前記車両情報取得手段によって取得した前記車両情報を前記携帯端末に送信するステップと、
を含むことを特徴とする乗車車両情報提供方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から請求項6のいずれかに記載の乗車車両情報提供サーバとして機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−264937(P2010−264937A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119579(P2009−119579)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(595045370)ジョルダン株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(595045370)ジョルダン株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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