説明

乳癌の徴候

本発明は、異なる生存転帰をもつ乳癌患者集団の識別に好適な遺伝子発現特性、またはパターンの同定および使用に関する。遺伝子発現特性は、核酸発現、タンパク質発現、または他の発現フォーマットに具体化されることができ、そして乳癌生存率を含む患者の予後の研究および/または測定に使用されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
当該出願は、2003年3月7日に出願された、米国仮特許出願第60/453、006号からの優先権の利益を主張し、あたかも完全に説明したかのように上記文献の全体を本明細書中に援用する。
本発明の分野
本発明は、乳癌への臨床的関連による遺伝子発現特性またはパターンの同定および使用に関する。特に、本発明は、乳癌の再発、癌の転移、および患者の生存率に関連する遺伝子の正体を提供する。核酸発現、タンパク質発現、または他の発現フォーマットに具現化されるかにかかわらず、遺伝子発現特性は、乳癌を患った患者の乳癌再発および生存率を予測するために使われうる。前記特性は、同様に乳癌細胞および組織の研究および/または診断において、ならびに患者の予後の研究および/または判定のために使われうる。診断または予後に使われる場合、前記特性は、再発、転移、および平均余命の見込みに基づいた乳癌の治療を判定するために使われる。
【背景技術】
【0002】
乳癌は、女性の間で群を抜いて最も頻度の高い癌である。毎年、米国および世界で、それぞれ180、000人以上および100万人以上の女性が乳癌と診断される。乳癌は50〜55歳の女性の主要な死因であり、そして西半球の女性における最も頻度の高い予防不可能な悪性腫瘍である。米国の推定2、167、000人の女性が、現在、その病気を患いながら生活している(National Cancer Institute、 Surveillance Epidemiology and End Results (NCI SEER) program、 Cancer Statistics Review (CSR)、 www-seer. ims. nci. nih. gov/Publications/CSR1973 (1998))。1995年から1997年までの癌率に基づいた、国立がん研究所(NCI)からの報告は、米国の女性の約8人に1人(約12.8%)が、彼女らの一生の間に乳癌を発症すると推測している(NCI's Surveillance、 Epidemiology、 and End Results Program (SEER) publication SEER Cancer Statistics Review 1973-1997)。乳癌は、米国の女性の間で、皮膚癌についで、2番目に最も頻度の高い癌の形態である。乳癌の推定250、100の新しい症例が、2001年に米国中で診断されることが見込まれる。これらの中で、より進行した(侵襲性)乳癌の192、200の新しい症例が女性に発生することが見込まれ(去年を5%上回る増加)、46、400の新しい症例の初期(in situ)の癌が女性に発生することが見込まれ(去年から9%増加)、そして約1、500の乳癌の新しい症例が男性で診断されることが見込まれる(Cancer Facts & Figures 2001 American Cancer Society)。2001年に、乳癌によって推定40、600人(女性40、300人、男性400人)の死亡が予想される。乳癌は、女性の癌の死因の中で肺癌についで第2位にランク付けされる。乳癌と診断された女性のほぼ86%が、5年後にまだ生きている可能性が高いが、彼女らの24%が10年後乳癌で死んで、ほぼ半分(47%)が20年後に乳癌で死ぬ。
【0003】
全ての女性が乳癌の危険にさらされている。乳癌の70%超が、年齢以外の特定可能なリスク因子を持っていない女性で生じる(U.S. General Accounting Office. Breast Cancer、 1971-1991: Prevention、 Treatment and Research. GAO/PEMD- 92-12; 1991)。乳癌の5〜10%しか乳癌の家族歴と結び付けられない(Henderson 1C、 Breast Cancer. In: Murphy GP、 Lawrence WL、 Lenhard RE (eds). Clinical Oncology. Atlanta、. GA: American Cancer Society; 1995:198-219)。
【0004】
各々の乳房には葉と呼ばれる15〜20個の部分が存在する。各々の葉の中に多くのより小さい小葉がある。小葉は、乳汁を産生することができるたくさんの小さな腺房に至る。葉、小葉、および腺房の全てが管と呼ばれる細管によってつながれる。これらの管は、乳輪と呼ばれる皮膚の黒い領域の中心の乳首に通じる。脂肪が小葉および管を囲む。乳房の中には筋肉は存在しないが、しかし、筋肉が各々の乳房の下に存在して肋骨を覆っている。各々の乳房が、同様に血管とリンパ管を含んでいる。リンパ管はリンパと呼ばれる無色透明の流体を運び、そしてリンパ節に導く。リンパ節の群れは、脇の下(腕の下)、鎖骨の上、および胸の乳房の近くで見つかる。
【0005】
乳房の腫瘍は、良性であるかまたは悪性であるかもしれない。良性腫瘍は癌ではなくて、それらは体の他の部分に広がらないで生命への脅威ではない。それらは、通常取り除かれることができ、そしてほとんどの症例で再発しない。悪性腫瘍は、癌であり、近くの組織および臓器に浸潤して、損傷を与えることができる。悪性腫瘍細胞は転移するかもしれず、血流またはリンパ系に入る。乳癌細胞が乳房の外側に転移する時、それらは多くの場合腕の下のリンパ節(脇の下のリンパ節)で見つかる。癌がこれらの節に到達した場合、癌細胞が他のリンパ節または他の臓器、例えば骨、肝臓、または肺、に広がったかもしれないことを意味する。
【0006】
広範囲にわたる、および集中的な調査研究が、素早い検出、治療、および予防に関心を集めさせた。これは、前癌性または癌性乳管上皮細胞の存在を判断することに重きを置くことを含んでいた。これらの細胞は、例えば細胞形態について、タンパク質マーカーについて、核酸マーカーについて、染色体異常について、生化学的マーカーについて、および癌性または前癌性細胞の存在を示す他の特徴的な変化について分析される。これが乳癌で報告された様々な分子の変化をもたらし、そのいくつかがヒトの臨床乳房検体において十分に特徴づけられた。分子の変化は、エストロゲンおよびプロゲステロン・ステロイド・レセプターの存在/不存在、HER-2発現/増幅(Mark HF、 et al. HER-2/neu gene amplification in stages I-IV breast cancer detected by fluorescent in situ hybridization. Genet Med; 1(3):98-103 1999)、Ki-67(G0を除いて細胞周期の全てのステージに存在し、そして腫瘍細胞の増殖のマーカーとして使用される抗原)、そして(オンコジーン、腫瘍抑制遺伝子、および血管形成マーカーを含む)p53、p27、カテプシンD、pS2、多剤耐性(MDR)遺伝子のような予後マーカーを含んでいる。
【0007】
van 't Veerら(Nature 415:530-536、 2002)は、乳癌において臨床の転帰の遺伝子発現プロファイリングを説明する。彼らは、その発現レベルが5年以内に遠隔転移を患った患者、または少なくとも5年後に転移がないままだった患者のいずれかと相関性がある乳癌腫瘍で発現された遺伝子を同定した。
【0008】
Ramaswamyら(Nature Genetics 33:49-54、 2003)は、原発固形腫瘍における転移の分子痕跡の同定を説明している。痕跡遺伝子は、異なる個体からの同じ範囲の腫瘍型を示す64の原発腺癌の発現特性と比較した、様々な起源(肺、乳房、前立腺、結腸、子宮)の12の転移性腺癌小節の遺伝子発現特性に基づいて同定された。128の遺伝子セットが同定された。
【0009】
しかし、前記アプローチのいずれもが、遺伝子発現パターンの情報を得るために腫瘍サンプル中に見出される異種集団の細胞を利用する。そのような集団の使用は、異なって癌細胞において発現される同義遺伝子の包含または排除をもたらすかもしれない。よって、前記アプローチによって観察される遺伝子発現パターンは、遺伝子発現の相違が乳癌再発または生存率に意味ありげに関係するというわずかな確信しか提供しないかもしれない。
【0010】
本明細書中の文書の引用は、どれも適切な先行技術であるという自認のつもりではない。日付に関しての全ての文書または文献の内容に関して表現は、出願人に入手可能な情報に基づいて、そして日付または文書の内容の正しさに関してはあらゆる自認も構成しない。
【発明の開示】
【0011】
本発明の概要
本発明は、乳癌と臨床的に関連している遺伝子発現パターン(または特徴または「痕跡」)の同定および使用に関する。特に、乳癌再発、癌の転移、および患者の生存率と関連する遺伝子の正体が提供される。核酸発現、タンパク質発現、または他の発現フォーマットに含まれるかどうかにかかわらず、遺伝子発現特性は、乳癌再発と乳癌を患う患者の生存率を予測するために使われうる。
よって、本発明は、良好または乏しい生存率転帰の患者に関連する(そして、それによりそれらを識別することができる)遺伝子発現パターン(または特徴または「痕跡」)の同定および使用を提供する。1つの態様において、本発明は、より良好な生存転帰のER陰性乳房腫瘍の患者のそれに似た、乏しい生存転帰のエストロゲン・レセプター(ER)陽性乳房腫瘍の患者を見分けることができるパターンを提供する。よって、これらのパターンは、少なくとも2つのサブタイプにER陽性乳房腫瘍の患者を見分けることができる。他のパターンは、ER陰性腫瘍患者、およびそれに関連した生存転帰、ならびにそれらの腫瘍のER状態とは無関係であるいくつかの乳癌患者に関する生存転帰を同定することができる。
【0012】
同様に、本発明は、転移形態の乳癌の再発と関連する遺伝子発現パターンの同定および使用を提供する。前記パターンは、少なくとも良好または乏しい生存転帰のそれに乳癌の患者を見分けることができる。
【0013】
本発明は、ここに開示される発現パターンについてアッセイすることによって良好なまたは乏しい生存転帰を有しそうな乳癌の患者の同定のための非主観的な手段を提供する。このように、主観的な解釈が乳癌患者の予後および/または治療を判断するために以前に使用されていた場合には、本発明は、単独でまたは主観的な基準との組み合わせで乳癌患者転帰のより正確なアセスメントを提供することに使われる客観的な遺伝子発現パターンを提供する。よって、本発明の発現パターンは、乳癌の予後を判断する手段を提供する。さらに、発現パターンは、同様に他の手段によって容易にアッセイされない小さい節陰性腫瘍をアッセイする手段として使われることができる。
遺伝子発現パターンは、有意な正確度で乳癌生存転帰を識別することができる1または1以上の遺伝子を含む。前記遺伝子は、それらの発現レベルが乳癌患者の生存率の判定と、それによる好ましい治療プロトコルと関連するような様々な乳癌生存転帰と関連するものとして同定される。このように、1つの側面において、本発明は、乳癌生存転帰と関連する本明細書中に開示される1または1以上の遺伝子の発現に関してその患者からの細胞含有サンプルをアッセイすることによって乳癌を患った、または有すると疑われる患者の生存転帰を判断するための方法を提供する。
【0014】
本発明の遺伝子発現パターンは以下に記載のとおり同定される。一般的に、多くの遺伝子に相当するmRNAの発現レベルの定量をとおして、サンプルの遺伝子発現特性の多数のサンプリングが得られる。そして、この特性は、その発現が乳癌生存転帰と正または負に関連する遺伝子を同定するために分析される。そして、ヒト遺伝子サブセットの発現特性は、特定の乳癌生存転帰と関連するとして本発明の方法によって同定される。複数のサンプルの使用が、遺伝子が特定の生存転帰と関連すると考える確信を高める。十分な確信なしに、特定の遺伝子が実際に乳癌生存転帰と関連するかどうか予測不能なままであり、そして同様に特定の遺伝子が乳癌患者の生存転帰を同定するために首尾よく使われうるかどうか予測不能である。
他のものと比較してある生存転帰に高度に関連する遺伝子特性が、サンプルが得られた対象の生存転帰を予測するために乳癌を患った、またはそれが疑われる患者からのサンプルの分析に使われる。そのようなアッセイが、同定された乳癌生存転帰に基づいて前記患者の治療上の処置を判断するための方法の一部として使われうる。
【0015】
関連遺伝子は、有意な正確度を有して単独で、または組み合わせて使用され、乳癌の様々なステージおよび/またはグレードの間で正確に識別する能力を高める。よって、本発明は、分子発現表現型を乳癌生存転帰と関連させる手段を提供する。この相関関係は、本明細書中に開示した生存転帰を判断する分子的に提供する方法である。関連遺伝子のさらなる使用は、細胞および組織の分類;診断および/または予後の判定;そして治療の決定および/または変更においてである。
【0016】
本発明のアッセイは、そのアッセイが上記配列の発現を量的にまたは質的に反映する限り、本明細書中に開示された配列の発現レベルに関連する手段を利用するかもしれない。しかし、好ましくは、量的なアッセイ手段が好ましい。識別する能力は、発現の実際のレベルを測定するために使われるアッセイの形態によってではなく、関連する個々の遺伝子の発現の同定によって与えられる。アッセイは、そのアッセイがその遺伝子の発現を量的にまたは質的に反映する限り、本明細書中に開示される同定された個々の遺伝子のいずれかの識別特徴を利用するかもしれない。識別特徴は、これだけに制限されることなく、コード(DNA)または発現(RNA)に使用される特有の核酸、上記遺伝子によってコードされるタンパク質に特異的である上記遺伝子またはエピトープ、あるいは上記タンパク質の活性を含む。代替手段は、高い発現レベルの指標である核酸増幅、ならびに低い発現レベルの指標である核酸不活化、欠失、またはメチル化、の検出を含んでいる。言い方を変えれば、本発明は、開示された配列の発現の根底にあるDNA鋳型、前記配列の発現するための介在物として使用されるRNA配列、または上記配列によって発現されるタンパク質産物、ならびにそのような産物のタンパク質分解の断片の1つ以上の側面をアッセイすることによって実施されうる。そのように、そういったDNA、RNA、およびタンパク質分子の存在、量、安定性、または(速度を含む)分解の検出が、本発明の実施において使われうる。そのように、必要とされるのは、乳癌生存転帰、および発現アッセイに使用するための適当な細胞含有サンプルを識別するのに必要な遺伝子の同一性だけである。
【0017】
1つの側面において、本発明は、単一細胞、あるいは簡単なバイオプシーによって可能なものを越える夾雑細胞から解剖されたか、または別の方法で単離させたか、もしくは精製された均質細胞集団からの全体的、またはほぼ全体的な遺伝子発現を分析することによる遺伝子発現パターンの同定を提供する。
【0018】
多数の遺伝子の発現が異なる患者からの細胞の間、ならびに同じ患者サンプルからの細胞の間で変動するので、個々の遺伝子の発現および遺伝子発現パターンからの複数のデータが、その発現が特定の乳癌生存転帰と最も高度に関連する個々の遺伝子の同定を次々に可能にするモデルを作製する参照データとして使われる。
【0019】
さらなる側面において、細胞または組織サンプルに基づいた乳癌生存転帰の間の識別を可能にする遺伝子配列は、サンプルが得られた患者の見込みがある予後を判断するために使われうる。好ましくは、サンプルは、非侵襲性の手段によって単離される。前記サンプル中の前記遺伝子の発現は、測定され、そして本明細書中に開示された遺伝子発現パターンの参照データ中の上記遺伝子の発現と比較される。あるいは、発現レベルは、標準または非癌細胞、例えばこれだけに制限されることなく、同じサンプルまたは対象からのもの、の発現レベルと比較される。定量的PCRを利用する本発明の態様において、発現レベルは、同じサンプルにおける参照遺伝子の発現レベル、または発現レベルの比と比較されうる。本発明は、過小発現される配列の発現レベル対、生存転帰または転移癌を含めた癌再発の指標として、過剰発現される配列の発現レベルの比を提供する。比率の使用は、正常または非癌細胞との比較を減らすことができる。
【0020】
本発明によって提供された1つの利点は、夾雑した非乳房細胞(例えば、浸潤性リンパ球または他の免疫系細胞)が、同定された遺伝子、または乳癌の患者の生存転帰を識別するための遺伝子発現に関する続く分析に場合により影響するように存在することはない。バイオプシーが遺伝子発現特性を作製するために使われる場合、そのような汚染がある。
【0021】
本発明がヒト乳癌の文脈中で主に説明された一方で、乳癌を患うことが知られているいずれかの動物において上記文脈中で実施されうる。本発明の適用のために好ましい動物は、哺乳動物、特に農業利用(例えば、これだけに制限されることなく、ウシ、ヒツジ、ウマ、および他の「家畜」)、ならびにヒトとの親交のための哺乳動物(例えば、これだけに制限されることなく、イヌおよびネコ)にとって重要なものである。
特定の態様の詳細な説明
本明細書中に使われる用語の規定:
遺伝子発現「パターン」または「特徴」または「痕跡」は、上記転帰を識別できるようにするのに関連する2以上の乳癌生存転帰の間の遺伝子の相対的な発現を表す。
【0022】
「遺伝子」は、天然のRNAまたはタンパク質であるかどうかにかかわらず、別個の産物をコードするポリヌクレオチドである。1以上のポリヌクレオチドが別個の産物をコードすることができるかもしれないことが理解される。前記用語は、染色体上の位置と正常な有糸分裂中の再結合する能力に基づく、同じ産物をコードするか、そのアナログに機能上関連する(機能の増加、喪失、または変調を含む)、対立遺伝子および遺伝子多型を含んでいる。
【0023】
本明細書中において、「配列」または「遺伝子配列」は、ヌクレオチド塩基の別個の順序から成る核酸分子またはポリヌクレオチドである。前記用語は、天然のRNAかタンパク質であるかどうかにかかわらず、別個の産物をコードする塩基順位(すなわち、「コード領域」)、ならびに「コーディング領域」に先行するかまたはそれに続く配列した塩基を含む。後者の制限されることのない例は、遺伝子の5’および3’非翻訳部位を含む。1以上のポリヌクレオチドが、別個の産物をコードできることが理解される。開示された配列の対立遺伝子と多型が存在するかもしれなくて、そして本発明の実施において開示された配列または対立遺伝子または多型の発現レベルを同定するために使われうることが同様に認識されている。対立遺伝子または多型の同定は、染色体位置および有糸分裂中の再結合能力に部分的に依存する。
【0024】
用語「関連する」または「相関関係」あるいはその同等物は、乳癌細胞または組織サンプル中の1以上の遺伝子の発現と、サンプルを得た対象の生存転帰との関係を表す。より高いレベルで発現され、そして本明細書中に開示された生存転帰と関連する遺伝子が提供される。本発明は、遺伝子配列の発現の増加と減少と、患者の生存転帰および癌転移を含む癌再発の間の相関関係を提供する。比の1(1)が相違を示さないのに対し、比の2(2)および1/2は非正常細胞と正常細胞の発現の間の比においてそれぞれ2倍多いおよび1/2多い発現を示すように、増加と減少が非正常細胞対、正常細胞の発現の比の形で簡単に表される。発現レベルは、以下に述べられる定量的手法によって容易に測定されることができる。
【0025】
例えば、遺伝子発現の増加は、1.1または約1.1、1.2または約1.2、1.3または約1.3、1.4または約1.4、1.5または約1.5、1.6または約1.6、1.7または約1.7、1.8または約1.8、1.9または約1.9、2または約2、2.5または約2.5、3または約3、3.5または約3.5、4または約4、4.5または約4.5、5または約5、5.5または約5.5、6または約6、6.5または約6.5、7または約7、7.5または約7.5、8または約8、8.5または約8.5、9または約9、9.5または約9.5、10または約10、15または約15、20または約20、30または約30、40または約40、50または約50、60または約60、70または約70、80または約80、90または約90、100または約100、150または約150、200または約200、300または約300、400または約400、500または約500、600または約600、700または約700、800または約800、900または約900、あるいは1000または約1000の比によって示されることができる。比率2は、発現の100%(または2倍)の増加である。遺伝子発現の減少は、0.9または約0.9、0.8または約0.8、0.7または約0.7、0.6または約0.6、0.5または約0.5、0.4または約0.4、0.3または約0.3、0.2または約0.2、0.1または約0.1、0.05または約0.05、0.01または約0.01、0.005または約0.005、0.001または約0.001、0.0005または約0.0005、0.0001または約0.0001、0.00005または約0.00005、0.00001または約0.00001、0.000005または約0.000005、あるいは、0.000001または約0.000001の比によって示されることができる。
【0026】
本発明のいくつかの態様において、例えば、可能性のある転帰表現型としての生存率、癌再発、または転移に関連するものとして、転帰との相関性で高いレベルで発現された遺伝子配列の発現対、転帰との相関性で低いレベルで発現された遺伝子配列の発現の比率が同様に表現型の指標として使われうる。制限されることのない例として、ある癌生存転帰が、癌細胞のサンプルで過剰発現された遺伝子配列の高い発現、ならびにその細胞で過小発現された他の遺伝子配列の低い発現と関連させうる。従って、過小発現配列の発現レベル対、過剰発現配列の発現レベルの比率が、転帰の指標または予測の材料として使われうる。
【0027】
「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドいずれかの、あらゆる長さのヌクレオチドの重合体形態である。この用語は、分子の1次構造だけを表す。よって、この用語は、二本鎖、そして一本鎖DNAおよびRNAを含む。それは、同様に、当該技術分野で知られているラベル、メチル化、「caps」、アナログによる天然のヌクレオチドの1以上の置換、およびヌクレオチド間修飾、例えば非荷電結合(例えば、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアートなど)、ならびにポリヌクレオチドの非修飾形態を含めたいくつものタイプの修飾を含んでいる。
【0028】
用語「増幅」は、DNAまたはRNAポリメラーゼを用いて酵素的に作製されうる増幅産物を作り出すことを意味するように広い意味で使われる。本明細書中において、「増幅」は、所望の配列、特にサンプルのそれら、の複数のコピーを作製する方法を一般に表す。「複数のコピー」は、少なくとも2つのコピーを意味する。「コピー」は、鋳型配列に対して完全な配列相補性または同一性を必ずしも意味するわけではない。
【0029】
一致するは、核酸分子がかなりの量の配列同一性を他の核酸分子と共有することを意味する。かなりの量は、少なくとも95%、通常少なくとも98%、そしてより通常少なくとも99%を意味し、そして配列同一性は、Altschulら(1990)J. Mol. Biol. 215:403-410で述べられるようにBLASTアルゴリズムを使って判断される(開示されたデフォルト・セッティング、すなわち、パラメーターw=4、t=17を使う)。mRNAを増幅する方法は、当該技術分野で一般に知られていて、逆転写PCR(RT-PCR)を含み、そして米国特許出願第10/062、857号(2001年10月25日出願)、ならびに米国特許仮出願第60/298、847号(2001年6月15日出願)および同第60/257、801号(2000年12月22日出願)に記載されるものであり、完全に述べられるかのように上記文献の全体を本明細書中に援用する。使用されうる他の方法は定量的なPCR(またはQ-PCR)である。あるいは、RNAは、当該技術分野で知られている方法によって対応するcDNAとして直接ラベルされる。
【0030】
「マイクロアレイ」は、固形支持体サポート、例えばこれだけに制限されることなく、ガラス、プラスチックまたは合成膜の表面上に形成された各々が規定された区域を持つ、好ましくは別個の領域の線状または二次元アレイである。マイクロアレイ上の別個の領域の密度は、単一の固相支持体の表面上で検出される固定化されたポリヌクレオチドの総数によって決定され、好ましくは少なくとも約50 cm2、より好ましくは少なくとも約100 cm2、より更に好ましくは少なくとも約500 cm2、しかし、好ましくは約1、000 cm2以下である。好ましくは、アレイは、合計で約500、約1000、約1500、約2000、約2500、または約3000未満の固定化されたポリヌクレオチドを含む。本明細書中において、DNAマイクロアレイは、サンプルから増幅されたか、またはクローン化されたポリヌクレオチドにハイブリダイズするのに使われたチップまたは他の表面上に配置されたオリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドのアレイである。アレイ中の各々の特定のグループのプライマーの位置が知られているので、サンプル・ポリヌクレオチドの同一性は、そのマイクロアレイでの特定の位置へのそれらの結合に基づいて判断されることができる。
【0031】
本発明は過剰または過小発現される遺伝子の同定に依存しているので、本発明の1つの態様は、サンプル細胞のmRNA、またはその増幅もしくはクローン化バージョンの、特定の遺伝子配列に特有であるポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって発現を判断することを伴う。好ましいこのタイプのポリヌクレオチドは、他の遺伝子配列に見られない少なくとも約20、少なくとも約22、少なくとも約24、少なくとも約26、少なくとも約28、少なくとも約30、または少なくとも約32の遺伝子配列の連続した塩基対を含む。前文で使われる用語「約」は、述べられた数値からの1の増加または減少を表す。
【0032】
よりさらに好ましいものは、他の遺伝子配列で見つからない少なくとも50または約50の、少なくとも100または約100の、少なくとも150または約150の、少なくとも200または約200の、少なくとも250または約250の、少なくとも300または約300の、少なくとも350または約350の、あるいは少なくとも400または約400の遺伝子配列の塩基対のポリヌクレオチドである。前文で使われる用語「約」は、述べられた数値からの10%の増加または減少を表す。同様に、そのようなポリヌクレオチドは、本明細書中に述べられている遺伝子配列、その独特の部分にハイブリダイズすることができ、ポリヌクレオチド・プローブと呼ばれる。好ましくは、前記配列は、遺伝子によってコードされたmRNA、そのようなmRNAに対応するcDNA、および/またはそのような配列の増幅バージョンのそれである。本発明の好ましい態様において、ポリヌクレオチド・プローブは、アレイ、他のデバイス、またはプローブを一部に局限化する個々のスポット中に固定化される。
【0033】
本発明の他の態様において、開示された配列の全部または一部が増幅され、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびその変法、例えば、これだけに制限されることなく、定量的PCR(Q-PCR)、逆転写PCR(RT-PCR)、および(サンプルの各々の配列に関するmRNAのコピーの最初の量を計測する手段を含む)リアルタイムPCR、場合により、リアルタイムRT-PCRまたはリアルタイムQ-PCR、といった方法によって検出されうる。そのような方法は、開示された配列の一部に相補的である1つまたは2つのプライマーを利用すし、ここで、上記プライマーは核酸合成を開始するために使われる。新しく合成された核酸は、場合によりラベルされ、そして直接的に、または本発明のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって検出されうる。新しく合成された核酸を、それらのハイブリダイゼーションを許容する条件下で本発明の(配列を含む)ポリヌクレオチドと接触させる。発現された核酸の発現を検出するための追加の方法は、液相ハイブリダイゼーションおよび細胞のin situハイブリダイゼーションを含むRNAseプロテクション・アッセイを含んでいる。
【0034】
あるいは、そして本発明のさらに別の態様において、遺伝子発現は、上記細胞サンプルまたは患者の体液中の個々の遺伝子産物(タンパク質)の1以上のエピトープ、またはそのタンパク質分解フラグメントに特異的な1以上の抗体の使用によって着目の細胞サンプル中の発現されたタンパク質の分析によって測定されうる。前記細胞サンプルは、例えば細胞表面マーカーに対する標識抗体の使用、続く蛍光標示式細胞分取器(FACS)によって患者の血液から濃縮された乳癌上皮細胞の1つであるかもしれない。そのような抗体は、遺伝子産物への結合後のそれらの容易な検出を可能にするために好ましくはラベルされる。本発明の実施における使用に好適な検出方法は、これだけに制限されることなく、細胞含有サンプルもしくは組織の免疫組織化学、細胞含有組織または血液サンプルの抗体サンドイッチ・アッセイを含む酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、質量分光検査法、およびイムノPCRを含む。
【0035】
用語「標識」は、標識分子の存在を示す検出シグナルを生じることができる組成物を表す。好適な標識は、放射性同位元素、ヌクレオチド発色団、酵素、基質、蛍光分子、化学発光部分、磁性粒子、生物発光部分などを含む。そのように、標識は、分光的、光化学的、生化学的、光学的、免疫化学的、電気的、または化学的手段によって検出可能なあらゆる組成物である。
【0036】
用語「支持体」は、伝統的な支持体、例えばビーズ、粒子、ディップスティック、繊維、フィルター、膜、およびシラン、またはケイ酸塩支持体、例えばスライド・ガラスを表す。
【0037】
本明細書中において、「乳房組織サンプル」または「乳房細胞サンプル」は、乳癌を患っているか、または発症の危険性が疑われている個体から単離された乳房組織または体液のサンプルを表す。そのようなサンプルは、(培養細胞とは対照的に)予備単離させて、これだけに制限されることなく、乳管洗浄、微細針吸引、針生検、米国特許第6、328、709号に記載のデバイスおよび方法を含むいずれかの非侵襲性手段、あるいは当該技術分野で認められたいずれかの他の好適な手段によって収集されうる。あるいは、「サンプル」は、これだけに制限されることなく、外科的バイオプシーを含む、侵襲性の方法によって収集されうる。本発明のサンプルは、同様にホルマリン固定された、パラフィン包埋された(FFPE)、または新鮮に冷凍されたものであるかもしれない。
【0038】
「発現」および「遺伝子発現」は、核酸材料の転写および/または翻訳を含んでいる。
【0039】
本明細書中において、用語「含む(comprising)」およびその同系言語は、それらの包括的な意味で使われる;すなわち、「含む(including)」およびその対応する同系言語に相当する。
【0040】
事件、例えばハイブリダイゼーション、鎖の伸長など、が生じることを「可能にする」条件、または事件が生じることに「好適な」条件、あるいはは、「好適な」条件は、そのような事件が生じるのを妨げない条件である。よって、これらの条件は、事件を可能にして、高めて、容易にして、および/または、それに寄与する。当該技術分野で知られて、および本明細書中に述べられている条件は、例えばヌクレオチド配列の性質、温度、およびバッファー条件に依存する。これらの条件は、例えばハイブリダイゼーション、分割、鎖の伸長、または転写のどのような事件が望まれるかに同様に依存する。
【0041】
本明細書中において、配列「突然変異」は、参照配列との比較に着目の本明細書中に開示された遺伝子の配列内のあらゆる配列変更を表す。配列突然変異は、置換、欠失、または挿入のような機構による、1つのヌクレオチド変化か、1つ以上のヌクレオチドの変更を配列内に含んでいる。一塩基多型(SNP)は、本明細書中において、配列突然変異でもある。本発明は、遺伝子発現の相対レベルに基づくので、本明細書中に開示された遺伝子の非コーディング領域の突然変異が、本発明の実施において同様にアッセイされうる。
【0042】
「検出」は、遺伝子発現およびその変化の直接的および間接的な検出を含むあらゆる検出手段を含んでいる。例えば、「検出可能な程度により少ない」産物は、直接的にまたは間接的に観察されえて、上記用語は(検出可能なシグナルの不存在を含む)いずれかの減少を示す。同じように、「検出可能な程度により多い」産物は、直接的にまたは間接的に観察されるかどうかにかかわらず、いずれかの増加を意味する。
【0043】
開示された配列の発現の増加と減少は、パーセントまたは正常な細胞の発現を上回る倍変化に基づいた以下の用語で規定される。増加は、正常細胞の発現レベルに対して10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、または200%であるかも知れない。倍数増加は、正常細胞における発現レベルを1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10倍上回るかもしれない。減少は、正常細胞における発現レベルに対して10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、99、または100であるかもしれない。
【0044】
別段の規定のない限り、本明細書中に使用される全ての技術的および科学的用語は、当該発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているのと同じ意味をもつ。
特定の態様
本発明は、患者の乳癌生存転帰を識別する(またはそれに関連する)遺伝子発現パターン(または特徴もしくは「痕跡」)の同定および使用に関する。そのようなパターンは、例えば正常または他の非癌細胞に対立するものとしての乳癌細胞を反映する、乳癌病理学の通常の技術を有する病理学者によって検討されるものといった、多数の比較細胞または組織サンプルの使用による本発明の方法によって判断されうる。全般的な遺伝子発現特性は人ごとに、癌ごとに、そして癌細胞ごとに異なるので、特定の細胞と過剰発現遺伝子の間の相関関係が、乳癌生存転帰を識別することができる遺伝子を同定するためにここに開示されるように成されうる。
【0045】
本発明は、乳癌生存転帰に関して差別的に発現されると考えられるか、または見込まれるあらゆる遺伝子を用いて実施されうる。同定は、顕微解剖、例えばこれだけに制限されることなく、100〜1000個の細胞のレーザー・キャプチャー・マイクロダイセクション(LCM)によって単離された様々な均質な乳癌細胞集団の発現特性を使うことによって作製される。発現特性の各々の遺伝子の発現レベルは、特定の生存転帰と関連がある。または、同義遺伝子の発現レベルは、特定の生存転帰との相関を同定するために集められうる。
【0046】
乳癌生存転帰に対して顕著な相関関係をもつ遺伝子は、生存転帰を最大限に識別する遺伝子発現モデルを作製するのに使われうる。または、顕著な相関関係をもつ遺伝子は、生存転帰を識別する能力の顕著な減少のないより低い相関関係をもつ遺伝子との組み合わせで使われうる。そのようなモデルは、これだけに制限されることなく、クラスター分析、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、または当該技術分野で知られている他のアルゴリズムを含む、当該技術分野で認められた好適な手段によって作製されるかもしれない。前記モデルは、モデルの識別のために使われた遺伝子の発現に基づいて、知られていないサンプルの類別を予測することができる。「1つ取っておく」相互検証法(”Leave one out” cross-validation)が、様々なモデルの性能をテストして、モデルの予測した能力に情報価値がないかまたは有害であるウエイト(遺伝子)を同定するのを助けるために使用されうる。相互検証が、モデルの予測能力を高める遺伝子を同定するのに同様に使用されうる。
【0047】
上述のモデルによって特定の乳癌生存転帰と関連するように同定される遺伝子は、他と比べて特定の生存転帰を有することが見込まれる患者を同定する能力に寄与するそれらの遺伝子だけに遺伝子発現分析の焦点を合わせる能力を提供する。乳癌細胞における他の遺伝子の発現は、乳癌生存転帰中に関する情報を提供し、それによりその識別を助けることが比較的にできないであろう。
【0048】
当業者によって理解されるとおり、前記モデルは、参照遺伝子発現データのわずかなセットでさえ高度に有用であり、そして正確度の漸増的な増加が各々の追加のデータによって減少するが、より多くの参照データの包含によってますます正確になることができる。乳癌の異なる生存転帰を識別するために本明細書中で同定および開示した遺伝子を使った追加の参照遺伝子発現データの準備は、日常的であり、そしてそれらの遺伝子の発現レベルに基づいて未知のサンプルの状態を予測するために先に述べたモデルの作製を可能にする当業者によって実施されうる。
【0049】
本発明の実施において遺伝子の(高いまたは低い)発現レベルを測定するために、当該技術分野で知られているあらゆる方法も利用されうる。本発明の1つの好ましい態様において、本明細書中で同定されて、そして開示されている遺伝子にハイブリダイズするRNAの検出に基づいた発現が使用される。これは、当該技術分野で同等であると知られているおよび認められるあらゆるRNA検出、あるいは増幅+検出方法、例えば、これだけに制限されることなく、逆転写PCR、(2001年10月25日に出願された)米国特許出願第10/062、857号、ならびに(2001年6月15日に出願された)米国特許仮出願第60/298、847号および(2000年12月22日に出願された)同第60/257、801号で開示された方法、そして安定化または不安定化RNA配列の存在、または不在を検出する方法によって容易に実施される。
【0050】
または、DNA状態の検出に基づいた発現が使用されうる。メチル化されるかまたは欠失されているものとして同定された遺伝子のDNAの検出が、生存転帰と相関性の低い発現を有する遺伝子に関して使用されうる。これは、これだけに制限されることなく、定量的PCR(Q-PCR)を含む、当該技術分野で知られているPCRベースの方法によって容易に実施されうる。逆に、増幅されたものとして同定された遺伝子のDNAの検出が、生存転帰との相関性をもつ高い発現を有する遺伝子に関して使用されうる。これは、PCRベースの当該技術分野で知られている蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)およびクロモソームin situハイブリダイゼーション(CISH)法によって容易に実施されうる。
【0051】
タンパク質レベルまたは活性の存在、増加、または減少の検出に基づいた発現が、同様に使用されうる。検出は、当該技術分野で知られ、かつ、タンパク質の検出に適切であると認められた免疫組織化学(IHC)ベースの、(特に分泌タンパク質についての)血液ベースの、(タンパク質に対する自己抗体を含む)抗体ベースの、(癌からの)葉状細胞ベースの、質量分光検査法ベースの、および(標識リガンドの使用を含む)画像ベースの方法によって実施されうる。抗体および画像ベースの方法は、癌細胞の起源が知られていない場合に、(例えば、乳管洗浄または微細針吸引のような)非浸潤性の手法によって得られた細胞の使用による癌のアッセイ後の腫瘍の位置の特定にさらに有用である。患者内に、標識抗体またはリガンドが癌の位置を特定するのに使用されうる。
【0052】
発現を測定するための核酸ベースのアッセイを使った好ましい態様は、これだけに制限されることなく、当該技術分野で知られているアレイとしての固形基質、またはビーズもしくはビーズ・ベースの技術を含む固形支持体上の本明細書中において同定された1以上の遺伝子配列の固定を含む。または、本技術分野で知られる溶液ベースの発現アッセイが同様に使用されうる。固定化された遺伝子は、ポリヌクレオチドが遺伝子に対応するDNAまたはRNAにハイブリダイズができるように独特であるかまたはそれ以外に遺伝子に特有なポリヌクレオチドの形態にあるかもしれない。
【0053】
これらのポリヌクレオチドは、遺伝子で完全長または遺伝子の短い配列であるかもしれない(当該技術分野で5'または3'配列の末端から削除によって識別された完全長の配列より短い1つのヌクレオチド)場合によりDNAか遺伝子と一致しているRNAでのハイブリダイゼーションが影響を受けないように(例えば不好適な組み合わせか挿入された非相補的な塩基対で)最小に遮られる。
好ましくは、使用されたポリヌクレオチドが、遺伝子か表された配列の3'ポリアデニル化シグナルまたはポリアデニル化サイトから約350以内、約300、約250、約200、約150、約100、または約50ヌクレオチドの遺伝子の末端突然変異の存在が、まだハイブリダイゼーションが検出可能なシグナルを産生することを許容する限り、開示された遺伝子の配列と関係がある突然変異を含んでいるポリヌクレオチドが同様に使用されうる。
【0054】
または、例えば定量的なPCRが配列の発現レベルを判断することに使用されるかもしれない方法での遺伝子の3'末端からのそのような配列の増幅である。そのような方法によって産まれたCt値は発現レベルの指標として使用されうる。
【0055】
固定化された遺伝子はサンプルの患者(例えばサンプルが得られる患者)の生存転帰が知られていないサンプル乳房セルからまたは転帰の同定のために、すなわちすでに用意されたサンプルが、サンプルの患者に割り当てた核酸の状態を判断することに使用されうる。本発明を制限しないで、そのような細胞が、発症、乳癌の危険でまたはそれで苦しめられると疑われている患者からであるかもしれない。固定化されたポリヌクレオチドは特にサンプル由来の対応する核酸分子にハイブリダイズするのに十分でなければならない。しばらくの間、2つの乳癌生存転帰を識別した遺伝子配列と関連させたここに同定される遺伝子の1つ、2つまたはそれ以上、3つまたはそれ以上、4つまたはそれ以上、5つまたはそれ以上、6つまたはそれ以上、7つまたはそれ以上、8つまたはそれ以上、9つまたはそれ以上、10またはそれ以上、または、11またはそれ以上でさえ十分な正確度を提供することができ、識別することができるサブセットとして使用されうる結合方法の正確度を増やすことに使用されうる。本発明が特に生存転帰の選択を考慮する遺伝子の1以上、2つまたはそれ以上、3つまたはそれ以上、4つまたはそれ以上、5つまたはそれ以上、6つまたはそれ以上、7つまたはそれ以上、8つまたはそれ以上、9つまたはそれ以上、10またはそれ以上、または11またはそれ以上が表および図面で乳癌の同定のサブセットとしての使用のためにここに開示される。
【0056】
当然、表2、3および/または4に提供される15以上、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、150以上、200以上、250以上、300以上、350以上、400以上、450以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、1000以上、1100以上、1200以上、または全ての遺伝子が使用されうる。ここに表の文脈で本発明品と共に使用されるように「ClonelD」は、各々の遺伝子の配列の画像協会クローン識別番号を表す。それらが協会から入手可能な時、当該出願の特許出願日にimage.lhil.gov/にアクセスされるようにそれらの完全を本明細書中に援用する。「GeneED」として、ここに表の文脈で本発明が表す現在と共に使用されて、その各々の遺伝子の配列のGenBank受領番号は、それらがGenBankから入手可能な時配列がこれによる参照によって現在の出願の特許出願日にアクセスされるようにそれらの完全に組み入れられる。
【0057】
P値は、下の例で述べられているように割り当てられた値を表す。「exx」がlO、「**」の所に「xx」が2桁の数の「exx」の兆候は、指数の数字のための代わりの表示法を表す。このように「exx」の左の数との組み合わせで値が表されて、左のlO「1」の場合まで数である。染色体特徴決めが、遺伝子が割り当てられたヒトの染色体を参照して、上記記述が遺伝子がコードする短い識別子を提供する。
【0058】
同様に、本発明が全部でかまたは表6、7、8、および9でここに開示された遺伝子配列の部分で実施されうる。これらの表の各々の遺伝子配列は図3で特定の生存転帰との相関性の増やされた発現に基づいた4つの乳癌サブタイプの1つを示されていると規定する。そのため、高い遺伝子の発現は、各表の2以上、4以上、6以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、18以上、20以上、22以上、24以上、26以上、28以上、30以上、32以上、34以上、36以上、38以上、40以上、42以上、44以上、46以上、48以上、またはll50の遺伝子が、乳癌転帰の指標として本願発明の実施に使用することができる。もちろんこれらの遺伝子の25の可能な奇数の配列が同様に使用されうる。
【0059】
約0.02未満、約0.01未満、約0.005未満、約0.001未満、約1x10"4未満、約1x10"5未満、約1x10"6未満、約1x10"7未満、約1.x10"8未満、約1x10"9未満、約1x10"10未満、約1x10"11未満、約1x10"12未満、約1x10"13未満、約1x10"14未満、約1x10"15未満、約1x10"16未満、約1x10"17未満、約1x10"18未満、約1x10"19、または約1x10"20未満の検出可能な減少に関連する遺伝子は、本願発明の実施における使用に好ましい。本発明が異なるERoc(エストロゲンレセプターアルファ)を同定する遺伝子の使用を含んでおり、陽性であるサブタイプと乳癌再発/転移とともに、患者の乳癌サンプルをアッセイするすることに基づいた上記患者の乳癌生存転帰の同時に起こる同定を許容する。
【0060】
本発明のいくつかの態様において、使用された遺伝子は、van't Veerほか(上記)で開示されるHRAS様サプレッサー(UNIGENEIDHs.36761;ClonelD950667;GenBank登録番号NM_020386;そしてGene Symbol HRASLS)および/または起点認識複合サブユニット6(酵母同族体)様(UNIGENEIDHs.49760)ClonelD306318;GenBank登録番号NM_014321;そしてGene Symbol ORC6L)を含まない。
【0061】
態様において、1つまたは数個の遺伝子が分析されることになっていて、情報が乳房細胞で表された他の遺伝子から伝える共雑を減らすために分析される遺伝子だけが増幅されるようにサンプル乳癌細胞由来の核酸が優先的に好適なプライマーの使用によって増幅されうる。または、分析のために同義遺伝子が1つの細胞または非常にわずかの細胞でしか存在しない、またはそう使用される、サンプルからの核酸が全体的にハイブリダイゼーションの前に固定化されたポリヌクレオチドに増幅されうる。もちろん、当該技術分野で知られている方法による増幅なしで、RNAか、そのcDNA対の片方は直接的に標識され、使用されうる。
【0062】
遺伝子配列の範囲内で当該独特な配列がここに開示されて、本発明は好ましくは実施される。配列が部分に参照する開示された遺伝子または各々の遺伝子配列の完全に唯一の他の遺伝子の排除に見られる。そのような独特な配列が、遺伝子の翻訳されていない部分で見つかったものを含んでいる。独特な配列が何人かの個体の多型の存在のために明確であるよりむしろ種々の個体の発現を見つけることに役立つように、各々の遺伝子のために共通塩基配列に寄与するものが本発明の実施のための独特な配列として好まれる。または、個体に特有な配列、または亜分画が使用されうる。好ましい独特な配列はここに議論されるように、好ましくは本発明のポリヌクレオチドの長さである。
【0063】
特に本発明品、3’にある配列があるポリヌクレオチドの好ましい態様において、開示された遺伝子配列の翻訳されていない、および/または非コーディング領域が乳房細胞の発現レベルを見つけることに使用される。そのようなポリヌクレオチドが場合により開示された配列のコーディング領域の3’部分で見つかった配列を含んでいるかもしれない。ポリヌクレオチドがコーディングからの配列の組み合わせを含み、そして3'間に入っている異種の配列なしで、非コーディング領域には好ましくは接して配列された配列がある。
【0064】
または、本発明は、5’にある配列を持つポリヌクレオチドで実施されえて、ここで、遺伝子配列部位が細胞に対立する非コーディングおよび/または翻訳されていない発現のそれらのレベルを検出する。そのようなポリヌクレオチドが場合により5’コーディング領域の部分で見つかった配列を含んでいるかもしれない。ポリヌクレオチドが、コーディングからの配列の組み合わせを含む、そして5'間に入っている異種の配列なしで、好ましくは非コーディング領域に接して配列された配列が存在する配列が開示された、配列コーディング領域にあるように本発明は同様に実施されうる。
【0065】
ポリヌクレオチドが配列を含んでいることが好ましく、3'または5'から翻訳されていない、および/または非コーディング領域の少なくとも約16、少なくとも約18、少なくとも約20、少なくとも約22、少なくとも約24、少なくとも約26、少なくとも約28、少なくとも約30、少なくとも約32、少なくとも約34、少なくとも約36、少なくとも約38、少なくとも約40、少なくとも約42、少なくとも約44、または少なくとも約46の配列したヌクレオチドである。前の文で使用されるように用語「約」は、述べられた数値からの1の増加か減少を表す。より好ましくは、配列少なくとも最も少なくは約50、約100未満、約150未満、約200未満、約250未満、約300未満、約350未満、または約400未満のポリヌクレオチドを含んでいる同等またはより多くが配列したヌクレオチドについてである。前の文で使用されるように用語「約」は、述べられた数値からの10%の増加か減少を表す。
【0066】
3’または5'の配列は、それらが当然コーディング領域の長さで限定されている以外、本発明のポリヌクレオチドに見られるように部位がその上でそう述べたのと同じ長さである、上述のコーディングの3’末端、コーディング領域の末端が3’コーディング領域の部分に至るまでの配列を含んでいるかもしれない。逆に、5'コーディング領域の末端が5'コーディング領域の部分の上への配列を含んでいるかもしれない。もちろん、上述の述べられた配列か、コーディング領域およびそれについて部分を含んでいるポリヌクレオチドはそれらの完全で使用されうる。
【0067】
3’からの配列を結合しているポリヌクレオチドは、翻訳されていないおよび/または非コーディング領域と結合させられた3'コーディング領域の末端、好ましくは約100未満、約150未満、約200未満、約250未満、約300未満、約350未満またはで最少で400が配列したヌクレオチドについてである。好ましくは、使用されたポリヌクレオチドは、遺伝子か発現された配列のその3'から約350、約300、約250、約200、約150、約100、または約50以内のポリアデニル化シグナルまたはポリアデニル化サイトからのヌクレオチドであり、そのように遺伝子の末端突然変異の存在がまだハイブリダイゼーションが検出可能なシグナルを産生することを許容する限り開示された遺伝子の配列と関係がある突然変異を含んでいるポリヌクレオチドが同様に使用されうる。
【0068】
本発明の他の態様において、ポリヌクレオチドが5'および/または3'からのヌクレオチドの削除を含む、上述の開示された配列の末端が使用されうる。前記削除は、好ましくは5'および/または3'末端の1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜125、125〜150、150〜175、または175〜200のヌクレオチドであるが、削除の拡大は、通常開示された配列の長さ、および発現レベルの検出に必要とされる長さに制限される。
【0069】
本発明の他のポリヌクレオチドは、上述のものの3’末端配列がプライマーと定量的なPCRのための任意のプローブのそれを含んでいることを開示した。好ましくは、プライマーとプローブがそれらの約350、約300、約250、約200、約150、約100、または約50のヌクレオチドではなく、遺伝子か、そのポリアデニル化部位から発現された配列のシグナルまたはポリアデニル化サイトを増幅する。
【0070】
本発明の上述の開示された配列を含んでいるポリヌクレオチド部分を含むさらに別の態様において、3’末端は本発明の実施で使用されうる。少なくともポリヌクレオチドは、または約50未満、約100未満、約150未満、約200未満、約250未満、約300未満、または最も少なく350、最も少なく400の配列したヌクレオチドの3'末端からのその開示された配列を含むようである。
【0071】
態様は、相当数の異なる方法で使用されうる上述のアッセイである。もしあれば、見込みがありそうな生存転帰と共に乳癌ステージおよび/またはグレードを同定するかまたは見つけるための患者からの乳癌細胞サンプルである。多くのケースで、これは(すでに原発性乳房造影または選別としての物理的な試験を経験したかもしれない)患者のための二次的な選別を反映する。もし肯定的ならば、引き続く針生検、乳管洗浄、微細針吸引、または他の類似した方法は、サンプルを上述のアッセイ態様の使用に提供するかもしれない。本発明は乳房細胞サンプルを用意するために乳管洗浄か微細針吸引のような非浸潤性の調書で結合に特に役立つ。
【0072】
本発明が遺伝子の別個のセットの遺伝子発現特性の形態を識別する、特徴を示す、乳癌生存転帰の間の基準のより客観的なセットを提供する。特に本発明の好ましい態様において、アッセイは、乳癌腫瘍を摘出する外科の介入後の5または約5年以内の良性と、乳癌腫瘍を摘出する外科の介入から約95ヶ月以内を乏しい転帰を識別することに使用される。同様に、実施された後、約150、約140、約130、約120、約110、約100、約90、約80、約70、約60、約50、約40、約30、約20、または約10ヶ月後の転帰を識別する比較をしうる。
【0073】
外科以後の介入後約60ヶ月のより良好な50%の生存率と考えられる「良好な」転帰が乳癌腫瘍を取り除くために良好なおよび乏しい生存転帰が比較でお互いに比較的に規定されうる。同様に、外科の介入後約60ヶ月以後の80%または約90%生存率についての約70%で、より良好な約60%である、「良好な」転帰かもしれない。乳癌腫瘍を取り除くために外科の介入を約40、または約50、または60ヶ月後生存率が示す「乏しい」転帰が、約60%かそれ以下として、または50%かそれ以下について見られえて、「乏しい」転帰が同様に70%か、より少しの生存率についてのものであるかもしれなくて、約20ヶ月に評価した後に約80%より少しの生存率が、外科以後の介入の後約40ヶ月に評価すること。
【0074】
本発明の1つの態様において、乳癌細胞サンプルの隔離および分析は以下の通り実施されうる:
(1)乳管洗浄か他の非浸潤性の手法がサンプルを得るために患者に実施される。
(2)サンプルは用意されて、顕微鏡スライド上へ表面を覆われる。乳管洗浄が上で述べられているように組織学的に検査される細胞の群れをもたらすことに気を付けること。
(3)病理学者または画像解析ソフトウェアが、異常で、および/または変則的な細胞の存在のためのサンプルを走査する。
(4)もし異常な、および/または異型細胞が観察されれば、それらの細胞が採取される(例えばLCMのような顕微解剖によって)。
(5)RNAが採取された細胞から取り出される。
(6)RNAが精製されて、増幅されて、標識される。
(7)マイクロアレイが、ハイブリダイゼーション条件下の乳癌生存転帰の間の識別と関連するように、ここに同定された遺伝子のポリヌクレオチドを含む標識核酸を接触させ、そして処理されていて(細胞の一般的な遺伝子発現のための制御と関係がある)各々の点の強度のパターンを得るが、それが細胞の遺伝子の発現のレベルを判断するために調べられる。
(8)強度のパターンが発現パターンに比較によって分析される場合、乳癌細胞の知られているサンプルの遺伝子は(同じコントロールと関係がある)生存転帰と関連した。
【0075】
上述の方法の特定の例が原発および集まっている非垂直線の選別、観察、および/または分析のための異型細胞に続いての乳管洗浄を実施している。知られている発現パターン、その作られたアルゴリズムによって産まれたモデルによって可能であることとしてそのようであることへの比較により、最も近くで隣接すべき限定されていることタイプの分析、SVMまたはニューラルネットワークのように、異なる乳癌生存転帰のための参照遺伝子発現データで、患者と関連することとしての細胞を良好な転帰と同一視する。他の例は、アッセイ/同定のために外科の介入、隔離、および乳癌細胞の準備の後の患者から取り除かれた乳房腫瘍を取っている、変則的、非標準または癌細胞と隔離細胞が上のステップ5〜8で後に続く。
【0076】
または、サンプルは分析のための癌細胞と共に正常なものの両方の収集を許容するかもしれない。垂直線対そこに比較対照が参照データに基づかせた個体がセットするお互いと比べてのモデルと共にこれらの2つのサンプルの各々の遺伝子発現パターンがある。このアプローチがよりはるかに強力であるかもしれない正常な細胞と(サンプルも参照データセットも)癌変則的であるまたは標準と非標準の間の相違からのよりはるかに多くの情報を利用するので癌細胞サンプルからの癌細胞の遺伝子発現に基づいた患者の見込みがありそうな生存転帰を判断する。
【0077】
本発明の使用で、熟練した内科医がそれらが処方しただろう非侵襲性サンプルによって判断された予後に基づいた治療を前に固形組織バイオプシーによる診断を受けた患者に処方するかもしれない。
【0078】
認識できる病変が検出される場合に、上述の論議が同様に適用できて乳房からの微細針吸引か細胞の針生検が続く。細胞は処理されて、病理学者または上で述べられているように細胞を分析に選ぶ自動化された撮像システムによって検討される。
【0079】
しかし、固形組織バイオプシーで、本発明は同様に使用されうる。例えば、固形バイオプシーが集められ、乳癌生存転帰を判断したいというここに同定された1つ、またはそれ以上の遺伝子の発現の決断によって続かれている映像化がなされる。1つの好ましい手段は、上記遺伝子のポリヌクレオチドかタンパク質でのハイブリダイゼーションが、発現をアッセイするためのプローブを同定してin situにおける使用による。
【0080】
別の方法で、固形組織バイオプシーは1つ以上の遺伝子の発現のための分析によって続く分子を取り出すために使用されうる。これは癌細胞か癌であると疑われている細胞だけの映像化と直接受領の必要をなくす見込みを提供する。この方法はもちろん明確に選ばれていた細胞だけが集められるように、修飾され、分析のための分子を取り出すことに使用されうる。これは映像化と遺伝子発現分析への必要条件としての選択を必要とする。
【0081】
上述のもののさらなる修飾で、正常な細胞も癌細胞も集められて、遺伝子発現の分析のための分子を取り出すことに使用される。アプローチ、利益、および結果は非浸潤性サンプル採取を使い、先に述べられている。
【0082】
ここに同定された遺伝子は、サンプルの同定された遺伝子の発現に基づく知られていない乳房細胞サンプルによる乳癌生存転帰を予測することができるモデルを作製することに使用されうる。そのようなモデルがここに述べられたアルゴリズムのどれによって作製されるかまたはそれ以外に当該技術分野で同等であると認められたものと共に(およびそれについてのサブセット)が乳癌転帰の同定のために、ここに開示した遺伝子を使っていることは、当該技術分野で理解される。モデルは、モデルを構築することに使用された参照データの特性に対するサンプルからのサブセットの遺伝子の発現特性を比較する手段を提供する。モデルは、参照特性の各々に対するまたは作られた規定している図解が参照特性に基づかせたモデルに対するサンプル特性を比較することができる。その上、サンプル特性からの相対的値がモデルまたは参照特性に比べて使用されうる。
【0083】
本発明の好ましい態様において、同じ患者から正常、および癌であると同定された乳房細胞サンプルが、モデルを作製するために使用された遺伝子のそれらの発現特性のために分析されうる。これは正常なサンプルの特性としての発現の相対的な相違に基づいた生存転帰を同定する有利な手段を提供する。これらの相違は、同様にモデルを作製することに使用された正常で、個々の癌の参照データの間の相違の比較に使用されることができる。
【0084】
サンプルからの遺伝子発現の検出は、便宜と正確度のためにここに開示された一部または全部の遺伝子からの遺伝子発現をアッセイすることができる単一のマイクロアレイの使用によるかもしれない。
【0085】
本発明の他の使用がより深い調査研究のための特定の乳癌生存転帰と関連するように、乳癌細胞サンプルを同定するかまたは調査する能力を提供することを含んでいる。これは同定を客観的な遺伝子であるかまたは分子の基準に基づいた細胞に要求している多くの内容物の特定の利点を提供する。
【実施例】
【0086】
実施例I:材料および方法
臨床的兆候の収集および病理学的パラメーター
86人の患者を発現特徴づけし、そのなかの57人を臨床的に、特に全般的な生存率を追跡した。生物マーカー状態は、全86人の患者に関して以下の表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
実施例II:異なる生存転帰を有するER陽性サブタイプの同定
実施例Iからの86人の患者のセット内の41人が、生物マーカー試験によるER陽性だった乳房腫瘍を持っていた。41人のこのセット内において、顕微解剖が識別的にERを分類(すなわち、遺伝子発現の分子痕跡)の同定のために、乳癌細胞を採取することに使用された、2つのサブグループに分類する。監督されていない階層的クラスター分割を、(その差異的な式が調節された)2つのサブタイプp<0.05(正しくない発見率手法を使うこと)にあった(i)それらの遺伝子を引き出して、(ii)あらゆる遺伝子と(iii)t検定を完了によって続かれる同定に使ってされた。
【0089】
864個の遺伝子が抽出されて、表2および3に載せられる。臨床転帰(全般的な生存率)を使って、それが強いこれらの2つのサブタイプ(ERaとERb、またはERの陽性のサブタイプと同定されるaそしてb)が、そう示されるのと同じように、図1に2つの異なる生存率曲線中にER+患者たちを分けた。遺伝子は、明確にERaサブタイプ(過剰発現が中にいる)と関連するか、陰性的にERbサブタイプ(過小発現が中にいる)とに関連する。逆に、遺伝子は、明確にERbサブタイプ(過剰発現が中にいる)と関連するか、陰性的にERaサブタイプ(過小発現が中にいる)と関連する。
【0090】
ERbサブタイプにはその腫瘍がER陰性だったそれらの患者たちと類似した生存率があることに興味深い。そのように、本発明の1つの側面が、患者の乳癌細胞の治療のやり方が細胞でのERbサブタイプにおけるER陰性表現型を有する患者の治療を含んでいる。
【0091】
【表2】

【0092】
【表3】

【0093】
【表4】

【0094】
【表5】

【0095】
【表6】

【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
【表9】

【0099】
【表10】

【0100】
【表11】

【0101】
【表12】

【0102】
【表13】

【0103】
【表14】

【0104】
【表15】

【0105】
【表16】

【0106】
【表17】

【0107】
【表18】

【0108】
【表19】

【0109】
【表20】

【0110】
【表21】

【0111】
【表22】

【0112】
【表23】

【0113】
【表24】

【0114】
【表25】

【0115】
【表26】

【0116】
【表27】

【0117】
【表28】

【0118】
【表29】

【0119】
【表30】

【0120】
【表31】

【0121】
【表32】

【0122】
実施例III:乳癌の再発と関連する分子痕跡
手術による癌の摘出の後の乳癌の再発と関連する分子痕跡が以下の通り同定された。手術によって取り除かれた乳癌組織が乳癌細胞を単離させるためにマイクロダイセクションされた(「レーザー獲得」)。細胞の同義遺伝子の発現レベルは、関連するものを癌再発と同一視することに使用された。その相互関係のあるものが同定された遺伝子のセットを使った一度に共変量として単一の遺伝子のcox均衡危険回帰モデルを使っている。遺伝子が回帰モデルから出ていたp<0.01によって選ばれた。396個の遺伝子が選ばれて、それは再発と関連して、それらは表4に載せられる。遺伝子が明確にまたは陰性的に生存転帰と関連するかどうかにかかわらず、表4の値が係数の痕跡に一致する。良好なまたはより良い(より長い)生存転帰の患者で陽性の係数の遺伝子が、明確に乏しい(より短い)生存転帰の患者で関連する(過剰発現されて)、陰性的に関連した(過小発現した)ことを意味する。乏しい(より短い)生存転帰の患者で、陰性係数が遺伝子が明確に良好かまたはより良くて(より長い)生存転帰の患者で関連する(過剰発現されて)、陰性的に関連した(過小発現した)ことを意味する。
【0123】
この痕跡を有効にする遺伝子発現の独立したデータセット(van't Veer et al.,上記)は、臨床転帰で(生存率)がこの痕跡で強化された。表4の396個の遺伝子で、297個の遺伝子がvan't Veerほかで検査されたものと重なり、そしてこのようにこの297個の遺伝子のセットが全般的な生存率に相関的だったのかどうかを判断することに使用された。297個の遺伝子痕跡(遺伝子の識別がそれらのクローンID、GenBank ID、およびUnigene識別番号によって表5で示される)が、図2での「AAG−長」、「AAG−短」のラインによって示されるように、はるかに異なる全般的な生存率曲線を持つ「長」、「短」グループの中にvan’t Veerほかが同定した類似の生存率データ(患者集団)を分離する、図1の横軸(1.0がグループの患者の100%の生存率で、0.5がグループの患者の50%の生存率)、図2が月数で、縦軸が生存率の蓋然性の中である。「AAG−短」と同定されたラインは、時間に約60ヶ月、そしてより高いもののポイントにおいて最も低いラインである。
【0124】
図2が同様に1組の17個の遺伝子のそれとの、この297個の遺伝子セットの比較が、Ramaswamyほかで述べられた転移と関連したことを示す(上記、表1を参照のこと)。曲線は、amaswamyほかと一致して、痕跡「Golub−長」と「Golub−短」と同定される。図2は、その297個の遺伝子の痕跡がRamaswamyほかの17個の遺伝子セットより広い範囲で生存率曲線を分けたことを示す。297個の遺伝子の痕跡が、0.00106のp値でデータと同様に関連し、Ramaswamyほかの17個の遺伝子セットに関する0.0171のp値より約10倍優れていた。
【0125】
【表33】

【0126】
【表34】

【0127】
【表35】

【0128】
【表36】

【0129】
【表37】

【0130】
【表38】

【0131】
【表39】

【0132】
【表40】

【0133】
【表41】

【0134】
【表42】

【0135】
【表43】

【0136】
【表44】

【0137】
【表45】

【0138】
【表46】

【0139】
【表47】

【0140】
【表48】

【0141】
【表49】

【0142】
【表50】

【0143】
【表51】

【0144】
実施例IV:4つの追加の乳癌サブタイプの分子痕跡
247人の患者からの凍った乳癌サンプルは、発現特徴づけされて、サンプルが得られた患者たちの生存転帰との相関性の遺伝子配列の発現に基づいていて4つのサブタイプ(A、B、C、およびD)の中に分類されている。
【0145】
247のサンプルのセット内に、143は、さらなる生物マーカー試験によりER+だった。41のこのセット内に、AとBサブタイプに分類されるER+を識別的に分類した(すなわち、遺伝子の発現)の分子痕跡の同定のために乳癌細胞を取ることに顕微解剖が使用された。サブタイプCとDの同定のための細胞を取るために、残りのサンプルがマイクロダイセクションされた。
【0146】
サブタイプ、A、B、C、およびDの各々に関して過剰発現される50の遺伝子は、それぞれ表6、7、8、および9で示される。サブタイプ、A、B、C、およびDに分類されたサンプルの数は、それぞれ86、57、70、および34である。
【0147】
AとBのどちらのサブタイプも図3に示されるように、はるかに異なる生存転帰のER+サンプルのサブタイプを表す。サブタイプCサンプルがER-であり、そして過剰発現がER状態を表わした遺伝子配列の使用が考えられうる。サブタイプCサンプルを持つ患者の生存転帰は図3で示される。そのサブタイプBサンプルが、サブタイプCの患者(その腫瘍がER陰性だった患者)のそれとそっくりな生存率であることは興味深い。そのように、本発明の追加の側面は、乳癌細胞にERの陰性表現型細胞での患者を処置するやり方があって、サブタイプBの患者の治療である。
【0148】
サブタイプDサンプルは、ER状態から独立していて、このようにER+かER-であるかもしれないサンプルを含んでいる。サブタイプCサンプルを持つ患者の生存転帰は、同様に図3で示される。先に議論されるように、本発明は、サブタイプBとそっくりな患者の治療のために細胞がERの陰性表現型を持っている患者を処置するやり方をサブタイプDの乳癌細胞に提供する。
【0149】
【表52】

【0150】
【表53】

【0151】
【表54】

【0152】
【表55】

【0153】
【表56】

【0154】
【表57】

【0155】
【表58】

【0156】
【表59】

【0157】
【表60】

【0158】
先に特別に取り入れられるかどうかにかかわらず、特許、特許出願、および刊行物を含み、ここに引用された全ての参照がこれによってそれらが完全に援用される。
【0159】
本明細書中に完全に本願発明について述べていて、同じものが広範囲の同等の指標、集合、および精神から逸脱、そして本発明の範囲にない、そして法外な実験にない条件の範囲内で実施されることができることが当業者によって認識される。
【0160】
この本発明が特定の態様に関連してそれについて述べられた間、さらなる修飾ができると知られる。この出願は使用か、本発明の改良が後に続いて、全ての変更を網羅するように意図される。一般に、当該開示からのそのような逸脱を含む、本発明の原理として知られているか、または習慣的な実施の範囲内で本発明が、付随する当該技術分野に至り、そして上文に述べられた本質的特徴に利用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】表2および3にリストアップした864個の遺伝子の発現に基づく2つのサブタイプの臨床転帰(全般的な生存率)プロットである。
【図2】顕著に異なる全般的な生存率曲線を有する「長」および「短」グループに患者集団の生存率データを分けた297個の遺伝子の痕跡(遺伝子の同一性は表5で示される)である。同様に、図2は、この297個の遺伝子のセットと、Ramaswamyら(上記、その中の表1を参照のこと)によって説明された転移に関連する1セットの17個の遺伝子のそれとの比較を示す。
【図3】当該発明によって提供された4つの乳癌サブタイプに関する臨床転帰のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表2、3、4、6、7、8、または9に挙げた遺伝子の1個以上の核酸分子にハイブリダイズすることができ、かつ、上記遺伝子のポリアデニル化部位の350ヌクレオチドの中の配列を含むポリヌクレオチド・プローブを含むアレイであって、上記プローブが乳癌を患ったか、または乳癌にかかっていると疑われる患者の細胞由来の核酸にハイブリダイズした前記アレイ。
【請求項2】
表2、3、4、6、7、8、または9の遺伝子を11個以上含む、請求項1に記載のアレイ。
【請求項3】
表2、3、4、6、7、8、または9の全ての遺伝子を含む、請求項2に記載のアレイ。
【請求項4】
前記細胞が、ヒト患者から、または乳癌を患ったそのような患者からである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアレイ。
【請求項5】
前記1以上の乳癌細胞由来の核酸が、mRNA増幅によって準備される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアレイ。
【請求項6】
前記1以上の乳癌細胞由来の核酸がcDNAである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアレイ。
【請求項7】
前記細胞が、患者からの組織の切片中に存在するか、または上記切片からマイクロダイセクションされる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアレイ。
【請求項8】
患者からの乳癌細胞サンプルからの表2、3、4、6、7、8、または9の遺伝子の1以上の発現レベルについてアッセイするステップを含む、患者の乳癌の予後、または臨床経過、および攻撃性を判断する方法。
【請求項9】
前記アッセイが、前記サンプルからの、場合により標識されたRNA準備すること、そして場合により標識された、上記RNAをcDNAに場合により変換することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記RNAが標識されておらず、かつ、定量的なPCRに使用されない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アッセイがアレイを使用するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプルが、乳管洗浄または微細針吸引であるか、あるいはFFPE乳房組織サンプルである、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプルが、乳癌細胞であるか、または乳癌細胞であると疑われる1以上の細胞を単離するためにマイクロダイセクションされる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記表4からの遺伝子が使用されて、かつ、前記患者の乳癌の予後または臨床経過、および攻撃性の指標として過小発現遺伝子の発現対、過剰発現遺伝子の発現の比の測定をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
以下のステップ:
その患者からの乳癌細胞サンプルからの表2、3、4、6、7、8、または9の遺伝子の1以上の発現レベルをアッセイする、
を含む、乳癌にかかった患者の予後を判断する方法。
【請求項16】
前記アッセイが、前記サンプルからの、場合により標識されたRNA準備すること、そして場合により標識された、上記RNAをcDNAに場合により変換することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記RNAが標識されておらず、かつ、定量的なPCRに使用されない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アッセイがアレイを使用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記サンプルが、乳管洗浄または微細針吸引であるか、あるいはFFPE乳房組織サンプルである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記サンプルが、乳癌細胞であるか、または乳癌細胞であると疑われる1以上の細胞を単離するためにマイクロダイセクションされる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記表4からの遺伝子が使用されて、かつ、前記患者の予後の指標として過小発現遺伝子の発現対、過剰発現遺伝子の発現の比の測定をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
表2、3、4、6、7、8、または9に挙げた遺伝子の1以上の発現レベルについてその患者の乳癌細胞サンプルをアッセイするステップを含む、乳癌を患った患者の生存転帰の決定方法。
【請求項23】
その患者の期待される生存率に基づく乳癌患者の治療処置の決定方法であって、以下のステップ:
表2、3、4、6、7、8、または9、に挙げた遺伝子の1以上の発現レベルについてその患者からの乳癌細胞のサンプルをアッセイすることによって、その患者について生存転帰を判断し、
そのような生存転帰をもつ患者に対する好適な治療を選ぶ、
を含む前記方法。
【請求項24】
前記アッセイが、前記サンプルからの、場合により標識されたRNA準備すること、そして場合により標識された、上記RNAをcDNAに場合により変換することを含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記RNAが標識されておらず、かつ、定量的なPCRに使用されない、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記アッセイがアレイを使用するステップを含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項27】
前記サンプルが、乳管洗浄または微細針吸引であるか、あるいはFFPE乳房組織サンプルである、請求項22または23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記サンプルが、乳癌細胞であるか、または乳癌細胞であると疑われる1以上の細胞を単離するためにマイクロダイセクションされる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記表4からの遺伝子が使用されて、かつ、前記患者の予後の指標として過小発現遺伝子の発現対、過剰発現遺伝子の発現の比の測定をさらに含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−516692(P2007−516692A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532313(P2006−532313)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/006760
【国際公開番号】WO2005/098037
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(505333366)アビアラデックス,インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】