説明

乳酸菌を含む食品

【課題】ラクトバチルス・プランタラムOG1−3株(TUA5053L)(NITE/P−931)を含む食品の提供。
【解決手段】食品の製造において、ラクトバチルス・プランタラムOG1−3株(TUA5053L)(NITE・P−931)を添加した食品、さらには、ラクトバチルス・プランタラムOG1−3株(TUA5053L)(NITE/P−931)に乳酸醗酵させた原料を含む食品。乳酸醗酵させる原料が果汁、野菜汁または豆乳から選ばれるいずれか一つ以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(Lactobacillus plantarum OG1−3株)(TUA5053L)(NITE P−931)(以下、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)と示す)を含む食品の提供に関する。更に詳しくは、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させた原料を含む食品の提供に関する。さらには、これらの食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌は、整腸作用を有することが知られており、乳酸菌飲料、ヨーグルト等、様々な食品に利用されている。近年では、植物由来の乳酸菌にも注目が集まっており、整腸作用に加えて、免疫的な機能についての研究等がなされている。
このような植物由来の乳酸菌のひとつとして、ラクトバチルス プランタラムが知られている。ラクトバチルス プランタラムには複数の株が存在し、例えば、摂取することによりヒトの唾液のIgA量を増加させ、粘膜免疫を活性化させるラクトバチルス プランタラム ONRIC b0239株(Lactobacillus plantarum ONRIC b0239株)(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
【0003】
ラクトバチルス プランタラムを含む食品として、ラクトバチルス プランタラム ONRIC b0239株を含む果汁飲料、ラクトバチルス プランタラム I−2845菌株懸濁液をリンゴ果汁、ブドウ果汁等に加えた高プロバイオティクス低有機酸のリンゴジュース、ブドウジュース(例えば、特許文献2参照)、ラクトバチルス プランタラム L−051株を人参汁に加えて乳酸醗酵させた醗酵人参ジュース(例えば、特許文献3参照)やラクトバチルス・プランタラム・ヴィニフローラをアセロラピューレに加えて乳酸醗酵させたアセロラ醗酵液(例えば、特許文献4参照)等が開発されている。また、豆乳を乳酸醗酵させたヨーグルト等の製造において、使用する乳酸菌のひとつにラクトバチルス プランタラムが示唆されている(例えば、特許文献5参照)。
【0004】
しかし、これらのラクトバチルス プランタラムを含む食品は、多くの種類において製品化されていない。これは、製品化にあたり使用する原料に含まれるポリフェノール等の抗酸化機能や、栄養源不足等の問題によって、ラクトバチルス プランタラムが順調に作用できないからと考えられている。従って、ラクトバチルス プランタラムを含む食品の種類は制限され、消費者の飽きや好みの多様化に対応できないという問題があった。
【0005】
この嗜好性の問題を改善する方法として、例えば果汁飲料等を提供する場合には、果汁含有率を低く抑え、フレーバーを使用したり、甘味、酸味の調整を砂糖や酸味料で調整したりする方法が従来とられていた。しかしながら、いずれも表面上の香りの改善等にとどまり、本来の果汁のおいしさは得られず、必ずしも満足のいくものではなかった。
【0006】
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)は、マウスにおいてTh1型免疫反応を増強することが確認されており、Th1/Th2バランスを改善し、IgE産生を有意に抑制することから、アレルギー発症の抑制に有用であることが示唆されている株である(例えば、非特許文献1参照)。本発明者らはこの株に着目し、消費者の嗜好性の問題を改善し得るラクトバチルス プランタラムを含む食品の提供を試みた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3818319号公報
【特許文献2】特表2008−541774号公報
【特許文献3】特公平7−100025号公報
【特許文献4】特開2005−253463号公報
【特許文献5】特開2001−258470号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】平成20年度 社団法人日本農芸化学会 大会講演要旨集p.288(3B03a13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の提供を課題とする。更に詳しくはラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させた原料を含む食品の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、食品の製造において、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を添加することで、消費者の嗜好性の問題を改善し得るラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の提供において、原料として果汁、野菜汁または豆乳から選ばれるいずれか一つ以上を使用する場合には、これらの原料をラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)で乳酸醗酵させることで、消費者の嗜好性の問題を改善し得るラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の提供が可能となる。さらに、原料にラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)の乳酸醗酵を妨げる物質が存在する場合には、これらの原料からこの物質を含む醗酵阻害画分を除去し、除去後の原料をラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)に乳酸醗酵させた後、これに改めて除去した醗酵阻害画分を加える等の工夫をすることにより、同様の効果を有する食品の提供が可能となる。
【0011】
即ち、本発明は、次の(1)〜(9)に示されるラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品や、その製造方法等に関する。
(1)ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品。
(2)ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させた原料を含む上記(1)に記載の食品。
(3)乳酸醗酵させる原料が果汁、野菜汁または豆乳から選ばれるいずれか一つ以上である上記(1)または(2)に記載の食品。
(4)果汁がリンゴ、ブドウ、バナナ、アンズ、パッションフルーツ、イチゴ、パイナップル、マンゴ、プルーン、オレンジ、ミカン、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、ザクロまたはパパイヤから得られる果汁のいずれか一つ以上であり、野菜汁がトマト、ニンジン、セロリ、パプリカ、カボチャ、ユズ、ジャガイモから得られる野菜汁のいずれか一つ以上である上記(3)に記載の食品。
(5)ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させた原料を10%以上含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の食品。
(6)ダイアセチル含量が50ppb以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の食品。
(7)ヒトのNK細胞活性能を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の食品。
(8)ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に原料を乳酸醗酵させる工程を含む上記(1)〜(7)のいずれかに記載の食品の製造方法。
(9)次の1)〜3)の工程を含む上記(1)〜(7)のいずれかに記載の食品の製造方法。
1)原料に含まれる醗酵阻害画分を除去する工程
2)上記1)の醗酵阻害画分を除去した原料について醗酵阻害画分を除去したラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させる工程
3)上記2)で乳酸醗酵させた原料に、上記1)で除去した最後に醗酵阻害画分を加える工程
【発明の効果】
【0012】
本発明によって、消費者の嗜好性の問題を改善し得るラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品を提供することが可能となる。本発明のラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の製造において、抗酸化機能を有することから生活習慣病に効果の期待できる果汁を原料とする場合には、この果汁をラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)で乳酸醗酵させることにより、さらに、抗アレルギー、免疫力が高められた食品の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の第1回試験における摂取によるヒトのNK細胞活性の変化を示した図である[試験例2]。
【図2】ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の第2回試験における摂取によるヒトのNK細胞活性の変化を示した図である[試験例2]。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含み、食品として摂取できるものであればいずれのものも含まれる。例えば、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む乳酸発酵飲料や、ヨーグルト様の食品等が挙げられ、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させた原料を含む食品であることが特に好ましい。
【0015】
本発明のラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させる原料は、食品の原料として使用できるものであればいずれのものであっても良く、例えば果汁、野菜汁または豆乳が挙げられ、これらを単一または組み合わせて原料としても良い。
具体的には、リンゴ、ブドウ、バナナ、アンズ、パッションフルーツ、イチゴ、パイナップル、マンゴ、プルーン、オレンジ、ミカン、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、ザクロまたはパパイヤから得られる果汁、トマト、ニンジン、セロリ、パプリカ、カボチャ、ユズ、ジャガイモから得られる野菜汁、これらの野菜を組み合わせた野菜ミックス汁等が挙げられる。また、成分無調整豆乳、調製豆乳等の豆乳が挙げられる。
【0016】
本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、食品としてバランスが良く、好ましい味になれば、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させた原料のみからなる食品でも、乳酸醗酵させた原料と乳酸醗酵させていない原料とを組み合わせて製造した食品であっても良い。
乳酸醗酵させた原料と乳酸醗酵させていない原料とを組み合わせる場合には、乳酸醗酵させた原料が10%以上含まれていることが好ましい。特に、「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」として、果汁や野菜汁の乳酸醗酵飲料を製造する場合には、果汁や野菜汁を乳酸醗酵させた原料を10〜30%含むようにすることが望ましく、バランスが良く、好ましい味になるようであれば、30%以上、さらには60%以上含むようにしても良い。このように果汁や野菜汁を乳酸醗酵させた原料と、乳酸醗酵させない果汁や野菜汁とを組み合わせることにより、果汁や野菜汁の自然な味を有し、美味しさが保たれた飲料を提供することができる。
【0017】
なお、本発明において「乳酸発酵させた原料」とは、食品の原料として使用できるものを乳酸発酵させたものからなる原料のことをいい、例えば1)リンゴ果汁等の単一のものを乳酸発酵させたもの、2)リンゴ果汁とブドウ果汁というように、複数の果汁、野菜汁または豆乳等を組み合わせて乳酸発酵させたもの、3)1)および2)のように、それぞれ乳酸発酵させた原料を複数組み合わせたもの等が挙げられる。
【0018】
これらの「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)が生菌のまま含まれている食品であっても良く、90℃以上、30分等の条件で殺菌された食品であっても良い。本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、殺菌済みの食品であっても、未殺菌の食品であっても良いが、摂取によって軟便や下痢等の異常を引き起こさず、肝機能・胆道機能、血中脂質、腎機能、ミネラル吸収等に影響を与えず、貧血、炎症等の現象も起こさない、長期摂取が可能で安全性の高い食品であることが好ましい。
【0019】
本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含むように製造する方法であれば、従来知られているいずれの食品の製造方法によっても製造することができる。
例えば、原料として果汁、野菜汁または豆乳等を用い、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させる工程を含む製造方法等が挙げられる。ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に果汁、野菜汁または豆乳等の原料を乳酸醗酵させる条件は、従来知られているいずれの条件であっても良いが、例えば24時間〜48時間、より好ましくは24時間〜30時間程度、温度は35℃〜37℃、培養後の菌数が10の8乗個以上、より好ましくは10の11乗個程度となる条件で培養することが望ましい。
また、原料にラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)の乳酸醗酵を妨げる物質が含まれている場合には、次の1)〜3)の工程を含む製造方法等によって、本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」を製造することもできる。次の1)〜3)の工程のいずれか一つ以上を含む製造方法であっても良く、次の1)〜3)の工程をすべて含む製造方法であっても良い。
1)原料から醗酵阻害画分を除去する工程
2)上記1)の醗酵阻害画分を除去した原料をラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)に乳酸醗酵させる工程
3)上記2)で乳酸醗酵させた原料に、上記1)で除去した醗酵阻害画分を加える工程
【0020】
ここで、「醗酵阻害画分」とは、原料に含まれるラクトバチルス プランタラム OG1−3株の乳酸醗酵を妨げる物質を含む画分のことをいう。例えば原料として果汁、野菜汁または豆乳等を用いる場合は、これらに含まれるフラボノイド、ポリフェノール類等が該当する。これらを含む「醗酵阻害画分」は、酢酸エチル、メタノール等を溶媒として原料から溶出することができる。
原料から、これらの醗酵阻害画分を除去する方法としては、従来知られているいずれの方法も使用することができ、多孔性樹脂に吸着させて除去する方法等が挙げられる。多孔性樹脂としては、例えば、アンバーライトXADシリーズ(オルガノ社製)、HPシリーズ(日本錬水社製)等の市販のものを用いることができる。
【0021】
本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、さらに、ダイアセチル含量が50ppb以下の飲料であることが望ましく、30ppb以下の飲料であることが特に望ましい。ダイアセチルは乳酸醗酵によって生じる物質であり、乳製品においては多く含まれると不快臭になり、特に果汁を原料とする製品においては不要な異臭とされることが多い。
本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」では、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)によって乳酸醗酵された原料を含むものであっても、ダイアセチル含量が50ppb以下に抑えられており、望ましい。
さらに、本発明の「ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品」は、ヒトのNK細胞活性能を有する食品であることが望ましい。
【0022】
以下に実施例および試験例を示し、さらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【実施例1】
【0023】
[ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の製造]
次に記載の試料を用い、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品を製造した。
[試料]
1.ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)
−20℃でマイクロチューブ(1ml)に冷凍されたラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)(東京農業大学より分譲を受けた)の豆乳懸濁液を解凍し、100μl(菌数:10の4乗CFU)を滅菌したMRS液体培地(メルク社製)500mlに加え、37℃の恒温槽にて24時間静地培養を行った。培養24時間後は菌数が11乗CFU/ml程度に増殖していることがMRS寒天培地(メルク社製)による培養にて確認できた。この24時間培養後の菌液を2500rpmで25分間遠心分離した。上澄みを除去した後、精製水を加えて同条件で2回遠心分離して洗浄し、ペースト化した菌体2.5gを得た。
得られたペースト化した菌体を無調整豆乳(紀文食品社製)10mlに入れ、グルタミン酸ナトリウムを0.2g加え、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む豆乳懸濁液(菌数:10の2乗CFU/μl)を得た。
2.多孔性樹脂
アンバーライトXAD−1180(オルガノ株式会社製)をガラス製カラム管に1L充填し、n−ペンタン2L、エタノール2L、メタノール2Lおよびイオン交換水4Lを順次用いて洗浄したものを用いた。
【0024】
[乳酸発酵飲料の製造]
1)リンゴ乳酸醗酵飲料
100%ストレートリンゴ果汁1L(あずみアップル社製)を多孔性樹脂1Lに吸着させ、非吸着物果汁840ml(pH3.93)を得た。次いで多孔性樹脂をイオン交換水2Lで洗浄し、次いで、酢酸エチル2L、メタノール2Lで順次溶出させ、溶出液を20mmHgの減圧下、40℃で濃縮して、褐色粉末として酢酸エチル溶出画分濃縮物を400mg、メタノール溶出画分濃縮物を800mg得た。
非吸着物果汁840mlをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、4.2gクエン酸およびメタノール溶出画分濃縮物800mgを加え、pH3.00の果汁とした。これに試料として上記で調整したラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む豆乳懸濁液を10μl(菌数:10の3乗CFU)加え、36℃で24時間培養した。24時間後のpHは3.23となり、菌数は10の7〜10の8乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後のリンゴ果汁は、乳酸醗酵前のものに比べてクエン酸の刺激が強い酸味が抑えられており、まろやかな酸味が付与されたものであった。このリンゴ果汁に、さらに、醗酵阻害画分である酢酸エチル溶出画分濃縮物を加えることで、リンゴらしい、まろやかな酸味のあるリンゴ乳酸醗酵飲料を得た。
【0025】
2)ブドウ乳酸醗酵飲料
100%ストレート黒葡萄果汁1L(あずみアップル社製)を多孔性樹脂1Lに吸着させ、非吸着物果汁840ml(pH3.59)を得た。次いで多孔性樹脂をイオン交換水2Lで洗浄し、次いで、酢酸エチル2L、メタノール2Lで順次溶出させ、溶出液を20mmHgの減圧下、40℃で濃縮して、紫色粉末として酢酸エチル溶出画分濃縮物を3.2g、メタノール溶出画分濃縮物を1.6g得た。
非吸着物果汁840mlをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、試料として上記で調整したラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で24時間培養した。24時間後のpHは3.41となり、菌数は10の7乗〜10の8乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後のブドウ果汁に醗酵阻害画分である酢酸エチル溶出画分濃縮物およびメタノール溶出画分濃縮物を加えることで、ブドウの特徴を十分に残したブドウジュースらしいブドウ乳酸醗酵飲料を得た。
【0026】
3)ブルーベリー乳酸醗酵飲料
濃縮還元ブルーベリー果汁1L(雄山社製の濃縮果汁をストレートに還元したもの)を多孔性樹脂1Lに吸着させ、非吸着物果汁を840ml(pH3.19)得た。次いで多孔性樹脂をイオン交換水2Lで洗浄し、次いで、エタノールで溶出させ、溶出液を20mmHgの減圧下、40℃で濃縮して、紫色粉末としてエタノール溶出画分濃縮物8gを得た。
非吸着物果汁860mlをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、醗酵阻害画分であるが栄養分も含まれるエタノール画分濃縮物1.7gを加え、阻害画分0.2%含有とした。これに試料として上記で調整したラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で48時間培養した。48時間後のpHは2.96となり、菌数は10の7乗〜10の8乗CFU/mlであった。
これの乳酸醗酵後のブルーベリー果汁に残りの醗酵阻害画分であるエタノール画分濃縮物を加えることで、ブルーベリーの特徴を十分に残したブルーベリージュースらしいブルーベリー乳酸醗酵飲料を得た。
【0027】
4)マンゴ乳酸醗酵飲料
濃縮マンゴピューレ300g(雄山社製)に精製水300gを加え、マンゴ果汁(pH3.6)とした。これをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、試料として上記で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で30時間培養した。30時間後のpHは3.4となり、菌数は3.7×10の11乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後のマンゴ果汁は、乳酸醗酵前のものに比べてまろやかな酸味が付与されており、そのままでマンゴジュースらしい、マンゴ乳酸醗酵飲料となった。
【0028】
5)バナナ乳酸醗酵飲料
濃縮バナナ果汁300g(雄山社製)に精製水600g加え、バナナ果汁(pH4.52)とした。これをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、試料として上記で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で24時間培養した。24時間後のpHは4.3となり、菌数は5×10の11乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後のバナナ果汁は、乳酸醗酵前の物に比べて酸味が加わり、味が引き締まった。そのままでバナナジュースらしい、バナナ乳酸醗酵飲料となった。
【0029】
6)セロリ乳酸醗酵飲料
セロリ汁(Brix.3°)(長野サンヨーフーズ社製)300gにグラニュー糖30gを加え、Brix13°のセロリ汁とした。これをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、試料として上記で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で30時間培養した。30時間後のpHは3.41となり、菌数は2.5×10の7乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後のセロリ汁は、乳酸醗酵前の物に比べて濃くにごって、やや酸味を増しており、セロリの旨みが増強されたセロリ乳酸醗酵飲料となった。
【0030】
7)トマト乳酸醗酵飲料
トマト濃縮果汁(長野サンヨーフーズ社製)300gに精製水300mlを加え、Brix15°のトマト汁とした。これをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、試料として上記で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で30時間培養した。30時間後のpHは3.74となり、菌数は2×10の9乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後のトマト汁は、乳酸醗酵前の物に比べて濃くにごって、酸味を増しており、トマトの旨味が増強されたトマト乳酸醗酵飲料となった。
【0031】
8)パプリカ乳酸醗酵飲料
パプリカ搾汁液(未殺菌)300g(長野サンヨーフーズ社製)を90℃達温で殺菌した後、グラニュー糖30gを加え、Brix.14°とし、パプリカ汁とした。これに試料として上記で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で30時間培養した。30時間後のpHは3.45となり、菌数は5×10の9乗CFU/mlあった。
この乳酸醗酵後のパプリカ汁は、乳酸醗酵前の物に比べて濃くにごって、程良い酸味が現れた。パプリカの旨味が増強されたパプリカ乳酸醗酵飲料となった。
【0032】
9)野菜ミックス乳酸醗酵飲料
野菜ミックス(セロリ、パセリ、水がらし、キャベツ、ラディッシュ、ほうれん草、みつば、レモン果汁入り)(Brix.4°)600g(長野サンヨーフーズ社製)にグラニュー糖60gを加え、Brix14°とし、野菜ミックス汁とした。これをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、試料として上記で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を100μl(菌数:10の4乗CFU)加え、36℃で30時間培養した。30時間後のpHは3.34となり、菌数は3×10の11乗CFU/mlであった。
この乳酸醗酵後の野菜ミックス汁は、乳酸醗酵前の物に比べて濃くにごっており、官能上、程良い酸味があり、そのままで野菜ミックスジュースらしい、野菜ミックス乳酸醗酵飲料となった。
【0033】
[試験例1]
1.ダイアセチル、アセトアルデヒドの分析
実施例1で作成した1)〜5)の乳酸醗酵飲料について、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HP6890GC+HP5973MSD(Agrent社製))により、含まれるダイアセチル、アセトアルデヒドの定量を行った。
比較として市販のヨーグルトについても定量した。これらの結果を表1に示した。
<ヘッドスペースガスクロマトグラフィー条件>
カラム:HP−WAX
昇温:40℃(5min)→(5℃/min)up→240℃(4min)
【0034】
【表1】

【0035】
2.官能評価
実施例1作成した1)〜9)の乳酸醗酵飲料について官能評価を6人のパネラーで実施したところ、表2に示した結果が得られた。
【0036】
【表2】

【実施例2】
【0037】
[マンゴ乳酸醗酵果汁含有飲料の製造]
1.マンゴ乳酸醗酵果汁の調製
濃縮マンゴピューレ300g(雄山社製)に精製水300gを加え、マンゴ果汁(pH3.96)とした。これをオートクレーブで殺菌し(120℃、20分)、冷却後、上記実施例で調整したラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を10μl(菌数:10の3乗CFU)加え、37℃で24時間培養した。24時間後のpHは3.6となり、菌数は10の11乗CFU/mlであった。これをそのままマンゴ乳酸醗酵果汁とした。
【0038】
2.マンゴ乳酸醗酵果汁含有飲料の製造
上記1.で得られたマンゴ乳酸醗酵果汁を、表3のブレンド比率(%)となるように、次の1)〜10)の各果汁(いずれも乳酸発酵していない)に加え、マンゴ乳酸醗酵果汁含有飲料を製造した。
1)ブルーベリー果汁(雄山社製の濃縮果汁をストレートに還元したもの)、
2)黒ブドウ果汁(あづみアップル社製)ストレート、
3)パッションフルーツ濃縮果汁(雄山社製)を4倍に水で希釈したもの、
4)クランベリー果汁(雄山社製)濃縮果汁を4倍の水で希釈したもの、
5)ザクロ果汁(あづみアップル社製)濃縮果汁を4倍の水で希釈したもの、
6)リンゴ果汁(あづみアップル社製)ストレート、
7)モモ果汁(あづみアップル社製)ストレート、
8)ウンシュウミカン果汁(あづみアップル社製)ストレート、
9)アンズ果汁(雄山社製)濃縮果汁を2倍の水で希釈したもの、
10)オレンジ果汁(雄山社製)濃縮果汁を2倍の水で希釈したもの
各マンゴ乳酸醗酵果汁含有飲料について官能評価をパネラー10名で実施したところ、表3に示した結果が得られた。また、マンゴ乳酸醗酵果汁のブレンド比率が10〜30%となるように1)〜10)の各果汁に加えたマンゴ乳酸醗酵果汁含有飲料においては、いずれも表3と同様の結果が得られた。
<官能評価基準>
おいしい:ブレンドしたことにより、飲料としての美味しさが増強された。
普通:ブレンドしないものと変わらない味だった。
おいしくない:ブレンドしたことにより、飲料として違和感が生じた。
【0039】
【表3】

【実施例3】
【0040】
[豆乳ヨーグルト様食品の製造]
無調整豆乳(紀文食品社製)100mlに、上記実施例で調整したラクトバチラス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を50μl(菌数:5×10の3乗CFU)加え、36℃で24時間培養した。24時間後のpHは4.55となり、菌数は5×10の9乗CFU/mlあった。ゲル化した豆乳ヨーグルト様食品は癖のない食べやすい食品であった。
【0041】
[試験例2]
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品のヒトのNK細胞活性能
1.試料
1)試験飲料
実施例2で製造した、ウンシュウミカン果汁にマンゴ乳酸醗酵果汁を10%加えたマンゴ乳酸醗酵果汁含有飲料を用いた。
2)プラセボ飲料
実施例2で用いたウンシュウミカン果汁に、実施例2で用いた乳酸発酵前のマンゴ果汁を10%加えたものを用いた。
【0042】
2.方法
健康な被験者8人(30〜40代、男性4人、女性4人)を、被験者ナンバー1〜4のグループAと被験者ナンバー5〜8のグループBの2グループに分け、試験飲料またはプラセボ飲料を1日1本、2週間毎日飲用させた。
第1回飲用試験では、グループAは試験飲料を、グループBはプラセボ飲料を飲用させ、第2回飲用試験では、グループでの飲料を入れ替えて飲用させた。それぞれ2週間の飲用試験の前後で、末梢血中のNK細胞活性を測定し、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の摂取によるヒトのNK細胞活性の変化を調べた。
【0043】
NK細胞活性は、標的細胞としてK562を用いて、通法に従い51Crを用いた4時間assayによりEffector/Target ratio(E/T)=20,10,5または2.5(単核球とK562の混合比が20,10,5,または2.5)で測定した。
【0044】
3.結果
第1回飲用試験および第2回飲用試験の結果をそれぞれ図1および図2に示した。図1および図2は、飲用試験開始時(□)と2週間の飲用期間終了時(○)の末梢血のNK細胞活性を、被験者毎に示したものである。
これらの結果をまとめた表4に示されるように、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品(試験飲料)の飲用によって、被験者の37.5%(8人中3人)で末梢血のNK細胞活性を増強したが、プラセボ飲料飲用群ではNK細胞活性の増強が認められた被験者はいなかった。また、プラセボ飲料飲用群では25.0%(8人中2人)でNK細胞活性の低下が認められた。一方で、試験飲料飲用群の37.5%(8人中3人)、およびプラセボ飲用群の25.0%(8人中2人)で、末梢血のNK細胞の増加が認められた。従って、この結果より、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品が、ヒトのNK細胞活性を増強するNK細胞活性能を有することが示唆された。
【0045】
【表4】

【0046】
[試験例3]
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品のヒトへの安全性評価
1.試験飲料
実施例1で製造した4)マンゴ乳酸醗酵飲料をそのまま(未殺菌の試験飲料)または90℃、30分の殺菌条件で殺菌したもの(殺菌済みの試験飲料)を用いた。
【0047】
2.方法
試験実施2日前からアルコールの摂取を避けた20歳以上の健康な被験者28人(表5)を2グループに分け、未殺菌の試験飲料または殺菌済みの試験飲料(50ml)を1日1本、12週間毎日飲用させた。試験飲料摂取中は、血糖値、コレステロール、整腸作用に関連する特定保健用食品や健康食品の摂取を禁止した。
試験飲料摂取日から便通日誌を付けることで、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品(未殺菌・殺菌済み)の摂取による便通への影響を調べた。また、試験開始2週間前、摂取開始後4週、8週、12週、摂取終了後2週目にそれぞれ、医療機関にて採血を行い、これを試料として血液学検査(白血球数、赤血球数、決死基礎(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球色素量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、血小板数の測定、赤血球形状の観察)、血液生化学検査(尿酸、尿素窒素、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ−GTP、ALP、LDH、総ビリルビン、総蛋白(TP)、アルブミン、クレアチニン、コリンエステラーゼ、CPK、総コレステロール(Total−Cho)、善玉コレステロール(HDL−Cho)、悪玉コレステロール(LDL−Cho)、中性脂肪、グルコース、Na、Cl、K、Mg、Ca、Fe、無機P、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の測定)を行い、肝機能・胆道機能、血中脂質、腎機能、ミネラル吸収、貧血、炎症等について、ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品の摂取による影響を調べた。
【0048】
【表5】

【0049】
3.結果
未殺菌の試験飲料および殺菌済みの試験飲料のいずれを摂取した場合でも、便通回数は摂取開始時と大きな変化がなく、下痢・軟便の発生も継続的でなく、因果関係のある変化が見られなかった。また、未殺菌の試験飲料および殺菌済みの試験飲料のいずれを摂取した場合でも、中性脂肪の値が低下する傾向が観察された以外は摂取前と比べて血液学検査、血液生化学検査の各指標において、大きな変動は見られなかった。
従って、試験飲料(未殺菌・殺菌済み)の摂取によって、軟便や下痢等の異常を引き起こさず、肝機能・胆道機能、血中脂質、腎機能、ミネラル吸収等に影響を与えず、貧血、炎症等の現象も起きなかったことから、本発明のラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品(未殺菌・殺菌済み)は、長期摂取が可能で安全性の高い食品であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)を含む食品として、抗酸化機能を有することから生活習慣病に効果の期待できる果汁を原料とする場合には、この果汁をラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)で乳酸醗酵させることにより、さらに、抗アレルギー、免疫力が高められた食品の提供が可能となる。さらに調製によって、このような作用を有する果実含有率の90%以上の消費者の嗜好性を改善し得るおいしい飲料の提供も可能となる。
【受託番号】
【0051】
NITE P−931

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)を含む食品。
【請求項2】
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)に乳酸醗酵させた原料を含む請求項1に記載の食品。
【請求項3】
乳酸醗酵させる原料が果汁、野菜汁または豆乳から選ばれるいずれか一つ以上である請求項1または2に記載の食品。
【請求項4】
果汁がリンゴ、ブドウ、バナナ、アンズ、パッションフルーツ、イチゴ、パイナップル、マンゴ、プルーン、オレンジ、ミカン、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、ザクロまたはパパイヤから得られる果汁のいずれか一つ以上であり、野菜汁がトマト、ニンジン、セロリ、パプリカ、カボチャ、ユズ、ジャガイモから得られる野菜汁のいずれか一つ以上である請求項3に記載の食品。
【請求項5】
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)に乳酸醗酵させた原料を10%以上含む請求項1〜4のいずれかに記載の食品。
【請求項6】
ダイアセチル含量が50ppb以下である請求項1〜5のいずれかに記載の食品。
【請求項7】
ヒトのNK細胞活性能を有する請求項1〜6のいずれかに記載の食品。
【請求項8】
ラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)に原料を乳酸醗酵させる工程を含む請求項1〜7のいずれかに記載の食品の製造方法。
【請求項9】
次の1)〜3)の工程を含む請求項1〜7のいずれかに記載の食品の製造方法。
1)原料に含まれる醗酵阻害画分を除去する工程
2)上記1)の醗酵阻害画分を除去した原料をラクトバチルス プランタラム OG1−3株(TUA5053L)(NITE P−931)に乳酸醗酵させる工程
3)上記2)で乳酸醗酵させた原料に、上記1)で除去した最後に醗酵阻害画分を加える工程

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−250719(P2011−250719A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125473(P2010−125473)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【出願人】(598096991)学校法人東京農業大学 (85)
【出願人】(399002425)株式会社サンクゼール (1)
【Fターム(参考)】