説明

乾燥器、特に流動乾燥器の効率を改善する方法

【課題】絶対圧力として測定された5kPaから10MPaの動作圧力下でガス状乾燥剤、好ましくは過熱蒸気である乾燥剤で動作する乾燥器の効率、特に脆い可燃性材料、特に刻みタバコのための流動乾燥器の効率を改善する方法を提供する。
【解決手段】加圧処理ガスが、好ましくは特に乾燥器の内部から来る廃棄蒸気が、投薬分離弁を通して、好ましくは流動乾燥器2の背後に取り付けられた回転翼供給器1’を通して、特に乾燥器から空にされた乾燥原料を有する供給器の可動セクションを通して送られ、この蒸気は空気を希釈するプロセスで蒸気を再利用するために放出弁10から戻され、この蒸気は技術廃棄物と見做される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥器の、特に乾燥した脆い可燃性材料のために使用される流動乾燥器の効率を改善する方法に関する。本発明は特に、ガス状乾燥剤の使用、特に過熱蒸気の使用で動作する刻みタバコのための乾燥器に関する。
【背景技術】
【0002】
当分野では多くのタイプの乾燥器が既知であり、特に乾燥される原料の発火温度に近いか、それより高い温度の処理ガスとして過熱蒸気が使用されるガス状乾燥剤で動作する流動乾燥器が知られている。このような条件は、空気と共に乾燥器に入る酸化ガス、特に酸素を除去する必要を作り出す。乾燥器に送り込まれる空気に含まれる酸素は、爆発または火災を引き起こす可能性があり、またこれは原料の特性に影響を与える化学プロセスにおける試薬である。これらの動作原理により、今まで使用されてきた投薬分離弁は空気(酸素)を乾燥器に導入し、処理ガスの組成に不都合な変化をもたらす。その再生は、乾燥器に含まれる処理ガスの全体積から酸素を除去するプロセスのために、かなりのエネルギー消費を必要とする。
【0003】
EP0528227A1は、好ましくは乾燥剤として過熱蒸気が使用される流動乾燥器でタバコの原料を乾燥させる方法を記載している。タバコ原料を乾燥器に供給する経路において、流動乾燥器を周囲から隔離してタバコ原料を乾燥器に供給することを可能にする二重回転翼供給器が使用される。乾燥器内に配置されたガス分離器からの出力導管に、もう1つの単一供給器が配置される。
【0004】
米国特許第4,791,942号は、タバコ原料をもう1つの装置に供給する前に、このタバコ原料を処理するための自立型装置として回転翼供給器の設計を開示している。供給器のハウジングには、タバコ原料を処理するための処理ガスとして過熱蒸気または二酸化炭素を供給する導管と、真空アセンブリに取り付けられた導管とに接続された圧力チャンバに通じる開口部が存在する。
【発明の開示】
【0005】
本発明の主題は、乾燥器の効率、特に絶対圧力として測定された5kPaから10MPaの動作圧力下でガス状乾燥剤で働く乾燥器、特に脆いまたは可燃性の原料、特に刻みタバコのための流動乾燥器の効率を改善する方法である。
【0006】
好ましくは乾燥剤として過熱蒸気が使用される。
【0007】
本発明によれば、加圧処理ガス、好ましくは特に乾燥器の内部から来る過熱蒸気は、投薬分離弁を通して、好ましくは流動乾燥器の背後に取り付けられた回転翼供給器を通して、特に乾燥器から空にされた乾燥した原料を有する供給器の可動セクションを通して送られ、この蒸気は空気を希釈するプロセスで蒸気を再利用するために放出弁から戻され、この蒸気は技術廃棄物と見做される。
【0008】
本発明による方法は、連続するプロセスであって、絶対圧力として測定された5kPaから10MPaの範囲内の動作圧力を乾燥器内で使用することを可能にする。
【0009】
本発明は付属図面に示される実施形態によって説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示すように刻みタバコ6は、供給器1に送り込まれ、次いで混合領域0を経由して流動乾燥器(stream drier)2に供給される。乾燥後、タバコはタバコ分離器3と供給器1’とを経由して装置から流出する。処理ガス、特に蒸気は、再循環ポンプ4によって蒸気過熱器5に再循環させられる。蒸気過熱器5を出た処理ガスは、混合領域0から乾燥した原料を収集する。乾燥した物質と混合された、特に蒸気と混合された処理ガスは、流動乾燥器2に流入する。乾燥した原料は、供給器1’の排気口8を経由してシステムから除去される。再循環ポンプ4の背後には、番号12で示された処理ガスの流れの方向を考慮して、排気口9を有する放出弁10と、さらに乾燥器内部を循環する空気によって汚染された処理ガス内の空気濃度を減少させるために空気のない新鮮な処理ガスを入れるための吸気口11とが設置される。
【0011】
図2は、流動乾燥器2の排気口に取り付けられた供給器1’の横断面図を概略的に示す。本発明の解決策では両供給器1、1’が投薬分離弁(dosing−separating valve)として機能し、またそれらの設計と動作原理とにより有害な空気が、図2において番号7で示される乾燥器に連続的に流入することは留意されるべきである。システムに導入された空気は、本実施形態では処理ガスである過熱蒸気の流れの中の酸素濃度を増加させる。乾燥プロセスのために推奨される、処理ガス中の酸素濃度を体積で4%未満にするために、処理ガスの新鮮な部分が吸気口11を経由して導入される。新鮮な、すなわち空気のない処理ガス、ここでは蒸気を使用すると、乾燥器の循環システム内に存在する処理ガスの全量は希釈されて酸素濃度を低下させる。酸素と乾燥器の導管から来る廃棄ガスとで汚染された処理ガスを希釈するために使用されたガスは、排気口9と放出弁10と排気口9’とを介して除去される。
【0012】
図2は、本発明による乾燥剤の個別の流れの表示を有する供給器1’の横断面図を概略的に示す。流動乾燥器2から供給器1’に到着した乾燥原料は、そのセクションを流れて排気口8を経由して除去される。図面に示されているように供給器1’の翼は、矢印15によって示された方向に回転する。処理ガスの過剰分は、排気口9”を経由して除去される。排気口9から収集された乾燥器の内部からの過熱蒸気は、吸気口13を経由して、乾燥した原料の空になった供給器1’のセクションに導入される。すなわちこのセクションは流動乾燥器2に向かって回転し、次いで蒸気は処理廃棄物として排気口14を経由して排出される。
【0013】
このようにして供給器1’において、処理ガスのための洗浄器が得られる。この装置の動作原理により供給器1’に入った空気(参照番号7によって示される)は、供給器のこのセクションで著しい希釈を受ける。従って空気から十分に洗浄されたガスが乾燥器の内部に入る。
【0014】
供給器1’のこのセクションを通る流れを保証するために、所与の熱力学的条件のために蒸気の形の乾燥した原料から除去された水の体積より僅かに大きな体積の流れのコンパクトなポンプが使用され得る。供給器1’のこのセクションを流れる処理ガスは、酸素を有する空気を洗い落とし、処理ガスの不必要な量を、排気口14を介して外部に除去する。
【0015】
本発明の利点は、供給器1’のセクション内の空気が著しく希釈されることである。空気従ってまた酸素の流入の著しい減少は、乾燥器2に清浄な過熱蒸気を送り込む必要を著しく、あるいは完全に除去する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による方法を実施するためのシステムを概略的に示す。
【図2】供給器の横断面図を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶対圧力として測定された5kPaから10MPaの動作圧力下でガス状乾燥剤、好ましくは過熱蒸気である乾燥剤で動作する乾燥器の効率、特に脆い可燃性材料、特に刻みタバコのための流動乾燥器の効率を改善する方法であって、加圧処理ガスが、好ましくは特に乾燥器の内部から来る廃棄蒸気が、投薬分離弁を通して、好ましくは流動乾燥器(2)の背後に取り付けられた回転翼供給器(1’)を通して、特に乾燥器から空にされた乾燥した原料を有する供給器の可動セクションを通して送られ、前記蒸気は空気を希釈するプロセスで蒸気を再利用するために放出弁(10)から戻され、前記蒸気は技術廃棄物と見做されることを特徴とする、乾燥器の効率を改善する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−60889(P2009−60889A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−142874(P2008−142874)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(508161931)インターナショナル・タバコ・マシナリー・ポーランド・エスピー・ズィーオーオー (3)
【Fターム(参考)】