説明

予測的温度制御機能を備えた分析炉

【課題】
【解決手段】
分析炉(12)、1対の温度センサを使用することによって分析中のるつぼ(24)温度をモデル化するようにトレーニングされる予測的温度制御を含み、一方のセンサ(130)は、炉内に固定関係で取り付けられ、他方のセンサ(140)は、るつぼ温度プロファイルをトレーニングし調整するようにるつぼ内に位置決めされ、その結果、試料を入れるるつぼ温度をモデル化することができ、炉の動的熱特性に従った炉(12)へのエネルギー投入への応答が分かる。るつぼ(24)の中の温度プロファイルをモデル化することによって、より高速でより正確な分析を可能にし、所望の温度プラトーに近づいたときの温度の過剰なオーバーシュートを防ぐように炉を制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、ピーター・エム・ウィリス(Peter M. Willis)により2003年3月6日に出願された「ANALYTICAL FURNACE WITH PREDICTIVE TEMPERATURE CONTROL」と題する米国仮出願第60/452,594号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0002】
本発明は分析炉に関し、詳細には予測的に温度を制御する機能を備えた分析炉に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの実験室用分析器は、試料を加熱し及び/又は燃焼させる燃焼炉や他のタイプの炉を使用して試料中の化学元素を決定する。炉を使用する熱重量分析器もそのような分析器の一例であり、その温度は、注意深く制御されなければならない。材料の熱重量分析は、水分や揮発物、灰、固定炭素、更には燃焼時の重量損失や重量増加に関する重要な情報を提供する。石炭、コークス、グラファイト、小麦粉、パン生地、植物組織、飼料、肥料、食品、化学薬品、ゴム、プラスチック、セラミックス、鉱物、土、堆積物、紙等の材料は全て、ASTM規格を利用して熱重量分析することができる。ASTM規格とは、水分、揮発物、固定炭素、灰分、及び燃料材料成分を決定するための要件を詳細に記載したものである。測定はまず、分析する試料を秤量し、次にその試料を制御雰囲気下、よく制御された時間/温度プロファイルに付し、制御期間中に試料を秤量して様々な温度での重量損失を決定することによって行われる。次に、周知の数式を使用して、材料の水分、揮発物、固定炭素、灰及び燃焼成分を計算する。最も重要なことは、温度プロファイルが正確に分かっており精密に制御されることであり、これは特に、試料材料が温度によって重量損失の割合を異にする場合に重要である。
【0004】
試料分析用の従来技術の分析器や複数試料の熱重量分析用の分析器に用いられる炉においては、通常、単一の温度センサが使用されており、この温度センサは、分析情報の提供においては適切であるが、動作が遅くまた性能面で所望の精度に到らないことがある。従って、試料保持るつぼの内の温度を正確に決定し精密に制御できる、熱重量分析器用分析炉等の分析炉が必要とされている。更に、分析速度を改善し、繰り返し分析可能で、異なる機器に用いても再現性を示し、それにより正確で高速の分析を実現できる分析炉が必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシステムは、分析炉に予測的な温度制御機能を提供する。一実施形態においては、炉内に置かれた少なくとも1対の温度センサを利用する予測的温度制御機能を設けることによって、複数の試料を迅速かつ正確に分析できるバッチ型マクロ熱重量分析器が提供される。1個のセンサが炉内に固定関係で取り付けられ、第2のセンサが、温度プロファイルをトレーニングし調整する(training and tuning)ためにるつぼ内に取付けられ、その結果、試料を入れるるつぼ温度をモデル化することができ、炉の既知の動的熱特性に従う、炉へのエネルギー投入に対する応答が予測可能且つ制御可能である。るつぼ内の温度プロファイルをモデル化する際に1対の温度センサを使用し、その内の1個の温度センサをるつぼ内に配置することによって、より迅速でより正確な分析を実現し、所望の温度プラトーにより迅速に近づくように温度の過度のオーバーシュート(即ち上がり過ぎや下がり過ぎ)を防ぐように炉を制御することができる。
【0006】
本発明の熱重量分析器は、炉と、秤量台が炉内に位置決めされている秤と、秤量台上にるつぼを順次位置決めする、複数のるつぼの為の支持体と、炉を加熱するヒータと、1対の温度センサとを含む。第1の温度センサは炉内に固定関係で位置決めされ、第2の温度センサは、支持体上のるつぼ内に位置決めされるように移動可能である。制御回路がセンサに結合され、該回路は、炉温上昇の際のるつぼ温度をモデル化する温度データをトレーニングモード及び調整モードにおいて取得すると共に動作モードで炉温を制御するようにプログラムされたマイクロプロセッサを含む。この結果得られる炉温制御は正確であり、試料のより高速でより正確で繰り返し可能な分析を可能にする。
【0007】
本発明のこれら及びその他の特徴や目的、利点は、添付図面を参照しつつ下の説明を読み進むことにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
まず図1を参照する。図1は、米国特許第4,522,788号が開示する分析器等の従来技術のマクロバッチ式熱重量分析器での、例えば10グラムの試料の典型的な分析サイクルを示す。このグラフは、試料の分析中に炉温が周囲温度から最高約1000℃まで上昇するときの様々な温度レベルにおける重量損失の割合(%)を示す。様々な温度傾斜率(即ち、6℃/分対24℃/分)で分かるように、報告されたるつぼの内の試料の重量損失対温度のプロファイルは著しく異なる。
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,522,788号
【0010】
図2のグラフは、るつぼモデル化モードにおいて1個が炉内に固定され他の1個がるつぼ内にある2個のセンサを使用する予測的温度制御を利用して本発明の熱重量分析器によって達成された改善された性能を示す。図2で分かるように、重量損失割合(%)と温度の関係は、6℃/分〜12℃/分の間の炉温傾斜率の曲線が比較的よく重なり、その結果、温度傾斜率に依存しない試料分析ができる。温度の予測的な制御を図3のグラフに示すが、このグラフにおいて、曲線T1は、炉内で第1の温度センサ130(図5、図6及び図8に示した)によって検出された温度に対応し、温度曲線T2は、るつぼ(やはり図5、図6及び図8に示した)内に配置された第2の温度センサ140のものであり、予測モデル化るつぼ温度は、図9〜図11の流れ図と関連して後で説明するソフトウェアを利用して生成された点線曲線Tpによって示されている。るつぼ温度の応答をモデル化して、様々な温度プラトーに達したときのるつぼ温度を予測することによって、温度のオーバーシュート(上がり過ぎ・下がり過ぎ)が実質的に回避され、実際のるつぼ内の温度T2の推定熱遅延をフィードバック経路から除去して、より応答性の高い制御を可能とすることができる。本発明の熱重量分析器によって達成できる改善された結果について簡単に説明したが、次に、まず図4〜図6を参照しつつ、そのような結果を達成する分析器、その制御回路、及びコンピュータ・プログラミングについて説明する。
【0011】
本発明の好ましい実施形態による熱重量分析器を図4に示し、全体を10で示す。図4で分かるように、分析器10は、炉12、秤量台16を炉内に配置して有する電子ばかり14、炉内に配置された試料プラッタ18、及び炉内にプラッタ18を支持するプラッタ操作機構20を有する。試料ラック18は、プラッタの周囲に均一に位置決めされた複数のアパーチャ22を有する円盤である(図5と図6も参照)。試料が入っている複数のるつぼ24は、その1個が各アパーチャ22とほぼ位置合わせされアパーチャの周縁によって支持された状態でプラッタ18上に位置決めされる。次に、機構20が作動され、アパーチャ群22の内の一アパーチャが秤量台16と位置が合うようにプラッタ18を回転し、次いでプラッタ18を下降させて対応するるつぼを前記秤量台に載せることによって、秤量台16にるつぼ24を順次1個ずつ載せる。秤量が完了したら、プラッタ18は上昇して秤量済みのるつぼを秤量台16から持ち上げ、次の隣りのるつぼが同じように秤量される。この結果、るつぼ24は、炉を開放することなく炉12内で連続的に秤量される。
【0012】
炉12の構造をより具体的に述べると、炉は、下側収容部材26とカバー28とを有し、これらが一緒になって約3リットルの容積を有するチャンバ34を画定している。下側部材26は、ほぼ水平で平坦な炉床32と一体的に接合されたほぼ円筒形の側壁30を有する。部材26の上端は開口しており、開口端では壁30が環状上面33を形成している。カバー28は、円形状のほぼ平らな部材であり、閉じられたときに壁30の上面33に乗る。抵抗発熱体104(図6と図7)が炉12内に配置され、温度制御回路110(図7)によって制御され、炉の温度を約50℃〜約1000℃の所望の温度で調整するよう、後述のように動作する。下側部材26とカバー28は両方とも、アルミナ等の周知の耐熱性セラミック材料から作製される。
【0013】
カバー28は、図4に示すように下側部材26の上面33に乗る閉位置と、28’に仮想線で示した装填位置と、28”として仮想線で示した開位置との間で動くように、ヒンジ36によって部材26に枢動可能に固定されている。1対の従来の空気圧シリンダ38が、炉12の両側に取り付けられており、部材26とカバー28の間にそれぞれ枢動点40と42で枢動可能に取り付けられている。各シリンダ38は、シリンダ本体に伸縮自在に収容されたロッド44を有し、このロッド44は、カバー28を閉位置と装填位置28’と開位置28”の間で動かすためにシリンダに空気圧が印加されたときにシリンダから外方に伸長する。カバー28がその完全に開いた位置28”にあるとき、シリンダ38は、図1に38”で示すように配置される。
【0014】
電子ばかり14は、シャフト46上に支持された秤量台16を有する。シャフト46は、垂直方向に延在し、炉の床32に形成されたほぼ円筒状の内腔48内に配置される。内腔48の内径がシャフト46の外径よりも多少大きいので、軸は内腔内を自由に動くことができる。
【0015】
試料プラッタ18(図4〜図6)は、少なくとも1000℃の温度に耐えることができるほぼ平らな円盤形プレート50を含む。プレート50は、プラッタの外周近くに貫通する20個の均一に離間された円形アパーチャ22を有する。1個のアパーチャがゼロ位置アパーチャとして指定される。個々のアパーチャ22はほぼ同じ直径を有する。アパーチャ22とプレート50の円形構造は共通の縦軸54(図4)を有し、その軸のまわりを試料プラッタ18が回転する。各アパーチャの中心が軸54から同じ距離にあるので、プラッタ18を回転させることによって、どのアパーチャ22も秤量台16と垂直方向に位置合わせすることができる。
【0016】
プラッタ18を選択的に上昇させ、プラッタを回転させ、続いてプラッタを下降させ、試料保持るつぼ24を秤量台16の上に順次配置するために上昇・回転構造20が提供される。構造20(図4)は、プラッタ18を支持するシャフト56と、モータ58から延在する下側シャフト62とを有し、下側シャフト62は、板64に取り付けられており、プラッタ18を回転させてアパーチャ22のどれかの垂直位置と水平位置を秤量台16と合わせるように操作することができる。シャフト56は、部材26の床32の内腔56’を垂直方向に貫通し、支持板50の中心に固定された上端を有する。
【0017】
構造20は更に、水平支持板64、支持板64の下面に固定されたロッドブロック66、及びブロック66に固定された軸70を有する空気圧シリンダ68を含むリフト60を含む。従って、シリンダ68に空気圧が印加されたとき、軸70は、シリンダから延在して、ロッドブロック66とモータ58を含むプラッタ回転手段が取り付けられた支持板64を上昇させる。シリンダ68から空気圧が解除されると、シャフト70、ブロック66、及び支持板64が下降する。ガイドブロック75は、ロッドブロック66の脚部77に固定され、分析器10の底面76から上方に延在するガイド74を受ける穴78を有する。第2のガイドロッド72が支持板64の穴内を摺動し、その結果、回転可能に結合された支持板64とプラッタ18は、プラッタがシリンダ68の動作によって上昇下降する際に正確な回転位置に保持される。
【0018】
空気圧シリンダ68を制御することによって、支持板64を、図4に実線で示す高い装填位置と、それよりも多少低い回転位置64’と、最も低い秤量位置64”の間で、垂直方向に移動させることができる。また、回転装置即ちモータ58が支持板64と一緒に垂直方向に移動するので、回転装置58は、図4に示した装填位置と回転位置58’と秤量位置58”の間で垂直方向に移動する。最後に、シャフト56が回転装置58と一緒に垂直方向に動くので、プラッタ18は、図4に示した装填位置と回転位置18’と秤量位置18”の間で垂直方向に移動可能である。装填位置では、ラック18は、アパーチャ22内のるつぼ24の位置決めが容易となるように、炉12の上側開口端の近くにある。
【0019】
ラッチ94は、支持ブラケット98に96で枢動可能に取り付けられており、図4に示すロック解除位置と仮想線の形で示すロック位置94’の間で枢動可能である。ラッチ94は、ラッチ94がそのロック解除位置にあるときに支持板64の動きを妨げないロックエッジ95を有する。しかしながら、プラッタ18が回転位置18’と秤量位置18”のどちらかにあるとき、ラッチ94はそのロック位置まで下方に枢動され縁100が支持板64の真上にくる。そこでプラッタ18は、ラッチ94がロック解除されるまで装填位置18’に上昇することができない。分析器10の機械的動作は、米国特許第4,522,788号に詳細に説明されており、その開示を本明細書の一部分を構成するものとしてここに援用する。
【0020】
次に図5と図6に移ると、炉の平面斜視図が示されており、この図において、温度センサ130が、プラッタ18を取り囲む炉室100内に、前述のように抵抗ヒータ104(図6と図8)が埋め込まれた適切なセラミック材料からなる炉壁102と一定関係で位置決めされている。温度センサ130は、炉室100内のこの一定位置での炉の温度を表す信号を制御回路に提供する。図2と図3に示す改善された予測的温度制御を可能にする制御回路のトレーニング用に実際のるつぼ温度情報を提供するために、熱電対等の第2の温度センサ140が、従来の方式で炉壁を貫通する可撓性導体106によって結合され、るつぼ24内で固定温度センサ130から約90°で挿入可能である。導体106は、熱電対140を130から離れた位置に配置するよう、一実施形態において長さが約20インチであり、分析中のるつぼ温度を表す。これにより、るつぼ内の実際の温度を測定し、それをセンサ130によって検出された炉温と比較することによって補足的な温度情報を使用することになるが、これにより、後でより詳しく説明するように、改善された分析結果が提供されることになる。
【0021】
温度センサ130と140は、最高約1000℃に達する炉温に耐えることができる熱電対や他の適切な温度センサとすることができる。温度センサは、図7に示す全制御システム200の一部分である温度制御回路110(図8)に結合されている。制御システム200は、適切なインタフェース回路によって、炉ヒータ104、酸素弁204、制御された窒素弁206、カバー操作ピストン38、入力キーボード208、シリンダ94を含むラッチ機構、電子ばかり14、プラッタ移動アセンブリ60、及び回転装置58に結合されたマイクロプロセッサ202を含む。温度制御回路110は、熱電対130と140からの信号入力情報をそれぞれ、図8に見られる前置増幅器108、109とアナログ−ディジタル変換器111、113を介して、データバス125によってコンピュータ202に結合されたマイクロプロセッサ120の入力に提供する。マイクロプロセッサ120は、Intel8051でもよい。コンピュータ202は、マイクロプロセッサ120から提供される温度情報に応答して、後述するプログラム流れ図に関連して説明する炉内のるつぼ温度のトレーニング(training)と調整(tuning)及びそれによるモデル化を実現する。その結果得られるコンピュータ202からマイクロプロセッサ120への制御信号は、出力122(図8)において、炉12の発熱体104にリレー124を介して動作電力を供給する動作電力源126に結合された固体リレー124にパルス幅変調信号を提供する。コンピュータ202は、また、例えば図2に示した類のグラフや、分析している各試料の具体的なデータを含むことがある分析結果の印刷出力をオペレータに提供するプリンタ210に結合されている。
【0022】
炉制御部200のトレーニングと調整の背景にある思想は、炉温度ダイナミクスのモデルを導き出すことであり、このモデルは、幾つかの試料の分析中にるつぼが載ったプラッタ18が動的に動いている間には測定できないが、固定センサ130によって検出された温度によって、前のるつぼ温度のトレーニングと調整及びそれにより記憶されたモデル化データに基づいて予測できる実際のるつぼ温度を表す。るつぼ温度センサ140が、センサ130よりも発熱体104から遠くにあるので、140での測定は輸送遅延を含み、このため正確な制御が困難になることがある。従って、るつぼモデルは、2つの部分に分けられ、第1はモデル化ダイナミクスであり、第2は輸送遅延である。モデル化ダイナミクスと輸送遅延は両方とも温度に依存し、従って、周囲温度から最高炉動作温度1000℃までの様々な温度で決定されなければならない。そうすることにより、周囲温度から1000℃までの全ての温度で、モデルパラメータと遅延パラメータを連続的に補間することができる。
【0023】
トレーニングモードでは、温度は、熱電対130と140の温度応答を示す図3に記載のように最初の増分TR100℃で、周囲温度から1000℃まで10段階で増分100℃で段階的に上昇される。この情報は、両方の熱電対130と140によって温度段階ごとに記録される。所定の炉の温度Tと記録され処理されたデータが分かると、所望の温度目標をより迅速かつ正確に達成することができる。ソフトウェアは、後述のアルゴリズム流れ図に関連して説明するように、比例、積分、微分(PID)アルゴリズムを利用して炉制御回路110(図8に示した)に温度制御信号を提供する。
【0024】
図9Aと図9Bに基礎トレーニングモード、調整モード、及び動作モードを流れ図300(図9A)で示す。トレーニングモードは、図10に関連して詳細に説明され、調整モードは、図11aと図11bに関連して詳細に説明される。トレーニングモードと調整モードに続く動作モードは、図9Bに示される。
【0025】
次に図9Aを参照すると、トレーニングモードと調整モードの操作300が概略的に示されており、ブロック302によって示すように、炉温の100℃の増分段階を含むトレーニング温度プロファイルに入る。アルゴリズムは、加算ノード303に進んでトレーニングコントローラ304を作動させ、トレーニングコントローラ304は、炉104に制御信号を提供する。温度センサ130は、第1の温度プラトーに対する応答を制御するために、線301によって示したような温度フィードバック信号をトレーニングコントローラ304の入力に提供する。更に、試料るつぼ24内の温度が、温度センサ140によって検出され、両方の温度センサ130と140からの入力が、ブロック306によって示され後でより詳しく説明するように、図10と図11のトレーニング及び調整アルゴリズムに印加される。トレーニング及び調整アルゴリズム306によって、ブロック308で示す予測コントローラが図11Aと図11Bの調整アルゴリズムによって決定され、るつぼ温度モデル310が図10のトレーニングプログラムによって決定され、温度遅延モデル312がやはり図10にトレーニングプログラムによって決定される。次に、図10と関連してトレーニングモードアルゴリズムを説明し、更に図11Aと図11Bの調整アルゴリズムを説明する。
【0026】
図10に示し、段階400によって示すトレーニングモードの最初の段階は、ブロック400に示したように、周囲温度から1000℃までの炉の動作範囲全体に亘りるつぼ応答の特徴付けを行える適切な一連の目標温度、開始温度、目標保持時間、及び必要なオーバーシュートを決定することである。例として、一連の開始温度、目標温度、及び保持時間を次の表に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
経験的に決定される保持時間は、定常状態の応答を観察しモデル化できるよう、振動が落ち着くのに十分な長さでなければならない。オーバーシュートを5〜20℃にするためにトレーニング応答が必要とされる。更に、適切な未知のモデルパラメータを決定できるよう、モデル構造とサンプリングレート及びパラメータ推定アルゴリズムを事前に定義しなければならない。好ましい実施形態の場合、サンプリングレートは0.5Hzであり、モデルは次の構造を有する。
【0029】
【数1】

【0030】
最小二乗法等の多くの回帰的又はブロック処理式のパラメータ推定アルゴリズムのいずれかを使用して、パラメータd、a1、a2、及びb1を決定することができる。パラメータ推定ルーチンは、一般に、センサ140によって測定されたるつぼ応答と観察された応答における推定るつぼ応答との間で加算自乗誤差を最小にするようにパラメータの値を繰り返す。
【0031】
次に、段階402で示すように温度センサ140を参照るつぼに入れ、それにより実際のるつぼ応答を測定することができる。段階404で示すように炉が室温まで冷却される。段階406で示すように、最初の目標温度(即ち、100℃)100℃と経験的に決定された1組のデフォルトのPID定数からトレーニングが開始される。段階408で設定点が最初の目標温度に段階的に高められ、段階410で示すように事前に定義した保持時間期間の間、温度センサ130と140からデータを収集する。るつぼ温度の目標からのオーバーシュート値が少なくとも数度となるようにるつぼの応答を僅かに不足減衰させる必要があり、一例では、オーバーシュートは5〜20℃でなければならない。その目標温度に適切な炉立上り時間基準を決定し適切なモデルパラメータを決定し易くするためには、わずかな温度オーバーシュートが必要である。応答が、段階412の判断「NO」によって示したように適度なオーバーシュートを含まない場合は、段階414に示したようにPID係数が調整される。応答の減衰を小さくするときは、Pを大きくしIを大きくし及び/又はDを小さくすることができる。応答の減衰を大きくするときは、Pを小さくしIを大きくし及び/又はDを大きくすることができる。安定性や応答の問題のために更に複雑なコントローラが必要にならない限り、多くの場合、トレーニングにはPだけのコントローラを有することが適切である。次に、炉は、段階416に示したように、目標の開始温度まで冷却され、段階408から412を含むループが繰り返される。
【0032】
センサ140によって、るつぼ温度が目標温度をオーバーシュートしたと決定された後、段階412の判断が「YES」になり、段階415で、システムは、(好ましい実施形態では)10段階全てがトレーニングされたかどうかを判断する。全てがトレーニングされていない場合、プログラムは、1000℃のレベルに達するまで、段階416で示すように次の温度目標(即ち、最初のサイクルから200℃まで)へ、更に次へと増分し始める。そのような間隔のそれぞれの間に、炉内温度とるつぼ温度の温度T1とT2が、段階410で示すようにそれぞれ収集され記憶され、センサ140によって検出された温度のオーバーダンピングを防ぐようにPID係数が調整される。なお、冷却プロセスが約1時間かかり、以上説明したトレーニング段階が数時間かかることがあるが、一旦これが達成されさえすれば、将来の炉操作のために記憶され使用されることができる。
【0033】
全ての目標がトレーニングされた後で、アルゴリズムはブロック418に進み、調整部で使用されるるつぼモデルパラメータ、るつぼ遅延パラメータ、及び初期PID制御パラメータが全て計算され、ブロック420に示したように表1に追加の列として記憶される。投入電力に対するセンサ130の応答は非線形の場合があるので、初期PID制御パラメータは単なる推測であり、炉の厳密な性能基準を満たすためには繰り返し調整プロセスが必要なことがある。
【0034】
次に、プログラムは段階424で示すように、図10のトレーニングモードから図11Aと図11Bに示した調整モードに進む。調整モードは、1組の性能基準を満たすよう、トレーニングモードからのPID係数と、るつぼモデルパラメータと遅延パラメータを微調整する。好ましい実施形態の場合、性能基準には、立上り時間、誤差範囲、及び制御効果がある。立上り時間は、トレーニング段階で各目標に関して計算される。誤差範囲は、るつぼ応答が常に立上り時間基準以上に留まらなければならない目標温度の温度範囲である。誤差範囲は、全ての目標に関してプラスマイナス2℃である。制御効果は、PID制御ブロックから出力される制御信号の出現を示す。制御信号の振動が短時間で落ち着くように制御信号が十分に減衰されることが望ましい。経験的条件は、連続減衰振動が進行振動の振幅の3分の1であることを必要とする場合がある。
【0035】
段階426で、信号Tpは、温度制御用のフィードバック信号として使用され、段階428で分かるように、最初に炉は室温まで冷却される。段階430で示すように、最初の目標温度(即ち、100℃)が、図10の段階418で計算されたPID係数と共に導入される。次に、ブロック432で示すように、プログラムは、炉を最初の温度目標(即ち、100℃の場合はI=1)に進め、炉ヒータ104にエネルギーを投入し、同時に、段階434で示すように、目標保持時間になるまでセンサ130と140からのデータを収集する。段階450で示すように、炉の性能を性能基準と比較して炉応答が十分かどうかを判断する。十分な性能は、誤差範囲内にあるオーバーシュートとして定義され、温度を基準立上り時間から保持時間の終わりまで誤差範囲内に維持する。更に、制御信号は、十分に減衰されなければならない。段階450に判断「NO」で示したように目標応答が十分でない場合は、プログラムは段階446に進み、るつぼモデルが更新され、制御パラメータは、限界に減衰された応答を達成するように調整される。新しいパラメータは、段階448に示した係数テーブルに記憶される。炉は再び段階442に示した目標の開始温度まで冷却され、段階450の判断「YES」で示すように十分な応答が達成されるまで調整プロセスが繰り返される。この時点で、プログラムは段階452に進み、全ての目標温度が調整されたかどうかがテストされる。段階452で判断が「NO」の場合、段階454で次の目標が選択され、その目標温度ごとに調整プロセスが繰り返される。段階452で判断「YES」によって示すように全ての目標が調整された後、プログラムは、段階456に示し図9Bの流れ図に示す動作モードに進む。動作においては、センサ140がるつぼから取り出され、プラッタ18の外に配置され、その結果、試料を含むるつぼを炉に入れることができ、炉は、試料の任意の所望の温度プロファイルに連続して操作され、同時にるつぼは、プログラムされた温度プロファイルの持続時間を通して個別に秤量される。
【0036】
図9B中、段階314で、オペレータは、目下分析している試料タイプに関して、所定の試料のASTMや他の温度プロファイルを入力する。従って、データ入力は、試料を様々な異なる時間に様々な温度で保持することを含むことがある。しかしながら、コンピュータ202は、この時までに既に目標温度にできるだけ素早くかつ正確に達するようにプログラムされており、この予測温度情報は、段階314でオペレータによって入力された温度プロファイルデータに依存しない。次に、入力された温度プロファイルは、段階316に示したように加算結合部に印加され、予測るつぼモデル温度と比較される。次に、エラー信号が、プログラムコンピュータ202(図7と図8)とブロック318を含む予測コントローラに印加され、ブロック318は、パルス幅変調信号を炉発熱体104に印加する。炉を加熱する際に、入力131で示す予測るつぼ温度は、ブロック318で適切な予測制御パラメータを、ブロック310で適切な炉モデルを、ブロック312で適切な遅延モデルを補間によって決定するために使用される。ブロック320に示すように、るつぼモデルによって予測され遅延モデルによって遅延された推定るつぼ温度は、温度プロファイル全体の持続時間の間オペレータに表示される。図2に示したような重量データと温度データは、各温度プラトーの間にコンピュータ202によって収集され、コンピュータは、分析している様々な試料のASTM規格による標準アルゴリズムを利用して、分析の結果の出力をプリンタ210に提供する。
【0037】
従って、本発明のシステムにより、測定された炉温に応じて実際のるつぼ温度をモデル化して、温度のオーバーシュートなしに所望のるつぼ温度に迅速かつ正確に達することができるようにする炉制御が実現される。るつぼ内に配置した個別の温度センサを提供することによって、個々の炉の動的温度応答を決定することができ、このデータは、正確で繰り返し可能な炉温制御システムを提供するために、前述のアルゴリズムに関して説明したように記憶され操作される。
【0038】
本発明の好ましい実施形態においては、試料サイズは0.5グラム〜5グラムの範囲であり、周囲温度〜100℃までが約15℃/分、100℃〜1000℃までが40℃/分の傾斜率が達成される。温度精度は、任意の所定の設定点でプラス/マイナス2℃以内であった。各炉は固有のPID係数を有するであろうが、このPID係数を決定するため、製造された各個々の炉が前述のようにトレーニングされる。
【0039】
添付の特許請求の範囲によって定義した本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書に記載する本発明の好ましい実施形態に対し様々な修正を行えることは当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来技術の熱重量分析器の重量損失と温度の関係を示すグラフである。
【図2】本発明のシステムが達成した、重量損失と温度の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の熱重量炉内の温度と時間の関係を示すグラフであり、分析の初期段階における炉内の測定温度と予測温度を示す。
【図4】本発明を体現した熱重量分析器の一部を除去し一部を仮想線で描いた側立面図である。
【図5】図4の炉室の上面図である。
【図6】図4の炉室の部分破断斜視図である。
【図7】熱重量分析器の制御回路のブロック電気回路図である。
【図8】図7に示した温度制御の詳細なブロック図である。
【図9A】本発明分析器の為の、予測温度による炉制御の概要を示す流れ図である。
【図9B】本発明分析器の為の、予測温度による炉制御の概要を示す流れ図である。
【図10】温度制御のアルゴリズムのトレーニング部分の流れ図である。
【図11A】熱重量分析器の予測的温度制御を調整する為のプログラムの流れ図である。
【図11B】熱重量分析器の予測的温度制御を調整する為のプログラムの流れ図である。
【符号の説明】
【0041】
18 プラッタ
22 アパーチャ
24 るつぼ
100 炉室
102 炉壁
104 抵抗ヒータ
106 可撓性導体
130 固定温度センサ
140 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析炉であって、
加熱要素を有する炉と、
前記加熱要素への電力の投入を制御する制御回路と、
前記炉内に固定関係で位置決めされ、前記固定位置で炉温を検出する第1の温度センサと、
前記炉内に動作関係で位置決めされたるつぼ内で取り外し可能に位置決め可能な第2の温度センサとを含み、
前記制御回路が、炉温段階のサイクル中に前記第1と第2の温度センサの間で温度を関連付け、それに応じて、るつぼ温度を所望の温度レベルに上昇させるための最適温度制御信号を発生させる温度モデル化サイクルを含む分析炉。
【請求項2】
前記制御回路が、前記第1の温度センサと前記第2の温度センサから温度を測定し、前記センサから得た温度データに適用される比例、積分、微分(PID)プロセスを使用して、検出温度の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化するようにプログラムされたプロセッサを含む、請求項1に記載の炉。
【請求項3】
前記コンピュータが、順次、複数の温度プラトーに亘って炉の温度を上昇させて各プラトーのPIDデータを決定する、請求項2に記載の炉。
【請求項4】
前記モデル化データが、更に、自己回帰移動平均近似を使用して決定される、請求項3に記載の炉。
【請求項5】
熱重量分析器であって、
加熱要素を有する炉と、
第1と第2の温度センサと、
前記加熱要素への電力の投入を制御する制御回路とを含み、
前記制御回路は、前記固定位置における炉温を検出するために前記炉内に固定関係で位置決めされた第1の温度センサと、前記炉内に動作関係で位置決めされたるつぼ内に取り外し可能に位置決め可能な第2の温度センサとから温度を測定し、それにより得られた温度データに適用される比例、積分、微分(PID)プロセスを使用して、検出した炉温の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化するようにプログラムされたプロセッサを含む、熱重量分析器。
【請求項6】
前記コンピュータが、順次、複数の温度プラトーに亘って炉の温度を上昇させて各プラトーのPIDデータを決定する、請求項5に記載の炉。
【請求項7】
モデル化データが、更に、自己回帰移動平均近似を使用して決定される、請求項6に記載の炉。
【請求項8】
熱重量分析器であって、
炉と、
秤量台が前記炉内に位置決めされている秤と、
秤量台にるつぼを順次配置する複数のるつぼ用の支持体と、
炉を加熱するヒータと、
前記炉内に固定関係で位置決めされた第1の温度センサと、前記支持体上のるつぼ内に位置決めされるように移動可能な第2の温度センサとを有する1対の温度センサと、
前記温度センサに結合されており、炉温が変化しているときにるつぼ温度をモデル化する炉温を取得し、動作中に炉温を順次制御するようにプログラムされたプロセッサを含む制御回路とを含む熱重量分析器。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記第1の温度センサと前記第2の温度センサから温度を測定し、前記センサから得られた温度データに適用される比例、積分、微分(PID)プロセスを使用して、検出した温度の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化するようにプログラムされた、請求項8に記載の分析器。
【請求項10】
前記コンピュータが、複数の温度プラトーに亘って炉の温度を順次上昇させて各プラトーごとのPIDデータを決定する、請求項9に記載の分析器。
【請求項11】
モデル化データが、更に、自己回帰移動平均近似を使用して決定される、請求項10に記載の分析器。
【請求項12】
分析炉内のるつぼの温度をモデル化する方法であって、
炉内に固定された温度センサから炉温を検出する段階と、
るつぼ内に配置された移動可能な温度センサからるつぼ温度を検出する段階と、
検出した炉温とるつぼ温度を監視しながら炉温を目標レベルまで上昇させる段階と、
検出した温度を比例、積分、微分技法を使用して関連付け、るつぼ温度がいつ目標レベルに達するかを予測する段階と、
データを記憶し利用して炉温の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化して分析中の炉を制御する段階とを含む方法。
【請求項13】
関連付ける段階が、るつぼ温度が目標温度を超えるまで繰り返される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
炉温が、複数の目標レベルまで高められる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
熱重量分析器であって、
加熱要素を有する炉と、
前記加熱要素への電力の投入を制御する制御回路と、
前記炉内に固定関係で位置決めされ、前記固定位置で炉温を検出する第1の温度センサと、
前記炉内に動作関係で位置決めされたるつぼ内に取り外し可能に位置決め可能な第2の温度センサとを含み、
前記制御回路が、炉温段階のサイクル中に前記第1と第2の温度センサの間で温度を関連付け、それに応じて、るつぼ温度を所望の温度レベルまで上昇させるための最適温度制御信号を発生させる温度モデル化サイクルを含む熱重量分析器。
【請求項16】
前記制御回路が、前記第1の温度センサと前記第2の温度センサから温度を測定し、前記センサから得られた温度データに適用される比例、積分、微分(PID)プロセスを使用して、検出した温度の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化するようにプログラムされたプロセッサを含む、請求項15に記載の分析器。
【請求項17】
前記コンピュータが、複数の温度プラトーに亘って炉の温度を順次上昇させて各プラトーのPIDデータを決定する、請求項16に記載の分析器。
【請求項18】
モデル化データが、更に、自己回帰移動平均近似を使用して決定される、請求項17に記載の分析器。
【請求項19】
熱重量分析器であって、
加熱要素を有する炉と、
前記加熱要素への電力の投入を制御する制御回路とを含み、
前記制御回路は、前記炉内に固定関係で位置決めされ前記固定位置における炉温を検出する第1の温度センサと、前記炉内に動作関係で位置決めされたるつぼ内の取り外し可能に位置決め可能な第2の温度センサとから温度を測定し、それから得られた温度データに適用される比例、積分、微分(PID)プロセスを使用して、検出した炉温の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化するようにプログラムされたプロセッサを含む、熱重量分析器。
【請求項20】
前記コンピュータが、複数の温度プラトーに亘って炉の温度を順次上昇させて各プラトーのPIDデータを決定する、請求項19に記載の分析器。
【請求項21】
前記モデル化データが、更に、自己回帰移動平均近似を使用することによって決定される、請求項20に記載の分析器。
【請求項22】
熱重量分析器内のるつぼの温度をモデル化する方法であって、
熱重量分析器と関連付けられた炉内に固定された温度センサの温度を検出する段階と、
炉内に位置決めされたるつぼに入れられた移動可能な温度センサを使用して温度を検出する段階と、
検出した炉とるつぼの温度を監視しながら炉温を第1の目標レベルまで上昇させる段階と、
検出して温度を比例、積分及び微分技法を使用して関連付け、るつぼ温度がいつ目標レベルに達するかを予測する段階と、
るつぼ温度プロファイルを炉温の関数としてモデル化するデータを記憶し利用して分析中に炉を制御する段階とを含む方法。
【請求項23】
関連付ける段階が、るつぼ温度が目標温度を超えるまで繰り返される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
炉温が、複数の目標レベルまで高められる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
分析炉であって、
加熱要素を有する炉と、
前記加熱要素への電力の投入を制御する制御回路と、
前記炉内に固定関係で位置決めされ、前記固定位置で炉温を検出する第1の温度センサと、
前記炉内に動作関係で位置決めされたるつぼ内に取り外し可能に位置決め可能な第2の温度センサとを含み、
前記制御回路が、温度を上昇させる段階の間中前記炉の動作サイクル中に前記第1と第2の温度センサ間の温度を関連付けて、前記加熱要素への電力の投入を制御する温度制御信号を発生させ記憶する分析炉。
【請求項26】
前記制御回路が、前記第1の温度センサと前記第2の温度センサから温度を測定し、前記センサから得られた温度データに適用される比例、積分、微分(PID)プロセスを使用して、検出された温度の関数としてるつぼ温度プロファイルをモデル化するようにプログラムされたプロセッサを含む、請求項25に記載の炉。
【請求項27】
前記コンピュータが、複数の温度プラトーに亘って順次炉の温度を上昇させ、各プラトーごとのPIDデータを決定する、請求項26に記載の炉。
【請求項28】
前記るつぼ温度プロファイルが、更に、自己回帰移動平均近似を使用して決定される、請求項27に記載の炉。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−524812(P2007−524812A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508994(P2006−508994)
【出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/006336
【国際公開番号】WO2004/081477
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(592071853)レコ コーポレイション (19)
【氏名又は名称原語表記】LECO CORPORATION
【Fターム(参考)】