説明

予防介護健康維持情報システム

システムは、ユーザの生涯にわたって予防介護健康維持情報をユーザに対して提供する。記憶された医療記録は特定のユーザに関連付けられる。健康維持ガイドラインおよび関連する時間情報のリポジトリは、年齢、性別、健康状態を含む特徴に基づいて特定のユーザのためにカスタマイズされる。プロセッサは、ガイドライン、関連する時間情報、特定のユーザの検索された医療記録情報を使用して、特定の時間にメッセージ生成を開始する。メッセージは、特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように特定のユーザに対して指示する。通信プロセッサは、出力通信のためにメッセージを処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年3月10日にJoseph R.Cseh等により提出された出願番号60/453,436の仮出願の非仮出願である。
【0002】
本発明は、一般に、ヘルスケア管理のための情報システムに関する。特に、本発明は、予防介護健康維持情報システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヘルスケアを提供する複雑度およびコストが高まるにつれて、益々、ヘルスケアプロセスの管理に重点が置かれるようになっている。そのプロセスは、健康不安をかかえる個人から、ヘルスケアプロバイダへと広がるとともに、診断、治療選択、リソース選択、治療、フォローアップにわたって延びている。このプロセスは、健康不安の積極的な特定或いは予防、プロセスの一端における予期されるリソース要求のための計画、プロセスの他端における毎日の看護管理および障害管理を含むように更に広がる可能性がある。
【0004】
健康不安を積極的に特定し或いは予防するプロセス、および、予期されるリソース要求のために計画するプロセスは、ヘルスケア供給のコスト低減を促進させる。課題は、病気の発見および予防措置に積極的となるように人の行動様式を変えることである。例えば、人は、歯痛が無くても、現在の医学的知識に基づいて、年に2回歯科医院を訪れるべきであり、40歳を超える女性は、乳房を定期的に検査する必要があり、50歳を超える男性は、前立腺を定期的に検査しなければならないなどである。人が自分の健康管理に積極的に取り組まない理由としては、適切な医者を見つけたり必要な時間を費やす利点、不都合に関する知識が少ない、健康状態全体に満足しているため切迫感が無い、支払人からの真の動機が無い(時として、積極的な動機が積極的な予防行為に関連しているが)といったことを挙げることができる。
【0005】
ヘルスケアを管理するためのこれまでの試みとしては、一般的な介護カテゴリーの統計値を集めるために、あるいは、与えられたケースにおける適合性を調べるために、提供される実際の治療を記録する個人ファイルが手作業で調べられる手動式履歴システムを挙げることができる。そのような方法は、大きな労力を要するとともに非効率的である。ヘルスケアデータを更に効率的に収集して評価するために、データ収集形式、症状の記述、治療の記述、治療を規格化する試みがなされてきた。特定の健康管理状態を有する人のための履歴的なヘルスケアデータの解析を自動化する他の試みもなされてきた。これらの試みは、主に財務データの収集に重点を置いているとともに、会計機能および管理機能を果たす。
【0006】
従来の自動ヘルスケア管理システムは、選択された治療で始めるとともに、ユーザによって提供された患者情報に基づいて治療が適切であるか否かを評価することによる治療選択を扱っていた。そのようなシステムでは、人の生涯にわたる健康ガイドの記述、維持管理、自動実行によって、前述した問題を解決することができない。また、これらのシステムは、個人の健康状態の変化に基づいて治療またはスケジュールを変更し或いは加えるという柔軟性を有していない。本発明の原理に係るシステムは、これらの欠陥および関連する問題に取り組む。
【0007】
発明の要約
患者、医者、看護士、ヘルスケア管理者、支払管理者、雇用者及びヘルスケアプロセスの複数の段階における評価者を含む様々なヘルスケア関係者によって使用されるヘルスケア管理情報システムを有することは、従来技術を超える向上である。また、そのようなシステムが健康に不安を有する個人の情報を収集することにより、当該収集情報に基づいてシステムが選択した治療へとユーザを導くことは、更なる向上である。また、従来のシステムは、病気の確認および予防措置に積極的となるように人の行動様式を変えるシステムを提供することに関し、満たされない要求を残している。従来技術を超える更なる改良点は、各ケース毎にプロセスに情報を入力することにより、そのようなシステムが経験に基づいて更新および変更を連続的に行えるという点である。
【0008】
前記プロセスを実行するシステムは、理想的には、幾つかの特質を有していなければならない。それは、費用効率が高いということであり、すなわち、ヘルスケアの総費用の削減に繋がるということである。システムは、リアルタイムで使用できなければならない。すなわち、システムへの情報入力が直ちに処理されて更なる利用に応じ得るものでなければならない。システムは、様々なヘルスケア関係者がシステムを理解でき且つ効果的に使用できるようにインタラクティブでなければならない。システムは、ヘルスケア専門知識およびヘルスケア治療方法の変化および発展に十分に適応できる柔軟性を有する必要がある。したがって、これらの欠点および他の欠点を解消する予防介護健康維持情報システム及びその方法が必要である。
【0009】
本発明の一態様において、システムは、ユーザの生涯にわたって予防介護健康維持情報をユーザに対して提供する。記憶された医療記録は特定のユーザに関連付けられる。健康維持ガイドラインおよび関連する時間情報のリポジトリは、年齢、性別、健康状態を含む特徴に基づいて特定のユーザのためにカスタマイズされる。プロセッサは、ガイドライン、関連する時間情報及び特定のユーザの検索された医療記録情報を使用して、特定の時間にメッセージ生成を開始する。メッセージは、特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように特定のユーザに対して指示する。通信プロセッサは、出力通信のためにメッセージを処理する。
【0010】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る予防処置健康維持情報システム100(以下、「システム」と呼ぶ)を示す。システム100は、人々の健康や介護厚生を監視する責任があるヘルスケアプロバイダによるサービスを受ける人が使用できるようになっている。したがって、ヘルスケアプロバイダは、患者の精神的、情緒的、あるいは、身体的な安らぎ(健康)に関するサービスを提供しても良い。ヘルスケアプロバイダの例としては、病院、老人ホーム、介護組織、在宅医療組織、ホスピス組織、救命救急組織、健康管理クリニック、理学療法クリニック、カイロプラクティッククリニック、歯科医院を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施形態においては、ヘルスケアプロバイダが病院である。ヘルスケアプロバイダは、健康状態または病気を診断するとともに、その健康状態を治す治療が存在する場合にはそのような治療の過程を推奨し、あるいは、予防するヘルスケアサービスを提供する。ヘルスケアプロバイダによるサービスを受ける人の例としては、患者、居住者、顧客(ここでは、それぞれのタイプの人を「ユーザ」または「個人」とも称する)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0011】
システム100は、一般に、電子医療記録(EMR)システム102と、通信経路104と、ユーザインタフェース106とを有する。また、図1は、ヘルスケアプロバイダ108およびリモートロケーション110を例示しており、これらはそれぞれ通信経路104を介してEMRシステム102と接続されていても良い。また、EMRシステム102は、メモリ112と、リポジトリ114と、プロセッサ116と、通信プロセッサ118とを更に有する。メモリ112は、医療記録(カルテ)124およびプロセス(「方法」とも呼ばれる)126を更に有する。リポジトリは、健康維持ガイドライン128およびスケジュール(「時間情報」とも呼ばれる)130を更に有する。プロセッサ116は、モデラ132と、アクティブモディファイア(適応プロセッサとも呼ばれる)134と、イグゼキュータ136とを更に有する。イグゼキュータ136(「モニタ」とも呼ばれる)は、クォリティマネージャ137を更に有する。
【0012】
プロセッサ116は、プロセス126に応じてEMRシステム102の機能を管理する。また、プロセッサ116は、通信プロセッサ118を介して、EMRシステム102と、ユーザインタフェース106、ヘルスケアプロバイダ108、及び/又はリモートロケーション110との間の通信を管理する。プロセッサ116は、双方向経路にわたってメモリ112、リポジトリ114、通信プロセッサ118に対して電気的に結合されている。プロセッサ116と通信プロセッサ118との間の双方向経路はさらに、入力経路120および出力経路122を有する。入力経路120は、情報を通信プロセッサ118からプロセッサ116へと伝える。出力経路は、情報をプロセッサ116から通信プロセッサ118へと伝える。EMRシステム102は、通信経路104を介して、ユーザインタフェース106、ヘルスケアプロバイダ108、リモートロケーション110のうちの1つ又は複数と通信を行う。
【0013】
システム100は、生涯にわたる電子的な健康ツールおよびガイドを有利に提供し、人の生涯にわたるヘルスケアの積極的な予防の必要性や治療の必要性を人に促すよう導く。システム100は、ヘルスケアプロバイダのサイト(例えば、在宅保健機関)で、或いは個人の自宅で維持されても良い。システムは、特定の個人のための生涯にわたる介護行為および予防行為をモデリングするプロセス126と共に、電子医療記録(EMR)システム102(好ましくは小型)を有する。介護行為および予防行為は、個人の年齢、性別、健康状態に合わせられる。プロセス記述は、生涯にわたる電子的な健康ガイドを提供する。
【0014】
システム100は、一人の特定の患者のために使用されることが好ましいが、例えば家族関係にある患者または任意の他のグループに関係がある患者等の患者群のために使用されても良い。システム100は、固定されていても良く、あるいは、移動可能(すなわち携帯可能)であっても良く、また、図5〜図7を参照して更に説明するようなデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、ネットワーク基盤の装置、携帯情報端末(PDA)、スマートカード、携帯電話、ポケベル、腕時計を含むがこれらに限定されない様々な形式で実施されても良い。システム100は、図5を参照して説明するように集中型構造で実施されても良く、あるいは、図6を参照して説明するように分散型構造で実施されても良い。システム100における引用された要素のそれぞれ及び図示しない他の周知の要素は、情報システムの当業者に公知の方法で互いに接続されている。
【0015】
メモリ112およびリポジトリ114は、同一の記憶装置であっても良く、あるいは、異なる記憶装置であっても良い。好ましくは、図1は、システム100の様々な態様および機能を強調するため、2つの別個の記憶装置としてメモリ112およびリポジトリ114を示す。要素132、134、136を含むプロセッサ116の各要素は、同じ処理要素であっても異なる処理要素であっても良い。好ましくは、図1は、システム100の様々な態様および機能を強調するため、3つの別個の要素132、134、136として処理要素132、134、136を示す。また、プロセッサ116および通信プロセッサ118は、同じ処理要素であっても異なる処理要素であっても良い。好ましくは、図1は、システム100の様々な態様および機能を強調するため、2つの別個の要素としてプロセッサ116および通信プロセッサ118を示す。EMRシステム102において、メモリ112、リポジトリ114、プロセッサ116、通信プロセッサ118の様々な組み合わせは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせとして実施されても良い。
【0016】
メモリ112において、医療記録124(患者データファイルとも呼ばれる)は、ヘルスケアプロバイダによるサービスを受ける人に関するヘルスケア情報を表わしている。医療記録124は、ヘルスケアプロバイダによって提供されるヘルスケアと一人の患者との関係に関する臨床情報の系統的な集まりである。ヘルスケアは、オーダーセットおよびドキュメントテンプレートを使用して記録されることが好ましい。したがって、患者の医療記録124は、1または複数のヘルスケアプロバイダによる患者の介護履歴を表わしている。
【0017】
ヘルスケア情報は一般に、患者のヘルスケアに関するケースマネジメント情報及び/又はクレーム処理情報を含む。例えば、ヘルスケア情報は、患者コンセンサス情報、臨床報告書、画像、患者記録に関連する文書およびデータ、患者記録走査文書、特定の患者に関する詳細な情報、患者の医療適性決定関連情報、患者の入院、退院、転院に関する情報、患者の臨床情報、患者の介護計画情報、ワークフロー情報、患者の書誌的情報、患者人口統計情報、患者の生存徴候、患者の経済的な情報、患者の会計・支払い情報を単独で、或いは組み合わせた状態で含んでいても良いが、これらに限定されない。特定のヘルスケア情報は、人の年齢、性別、健康状態を含むがこれらに限定されない人の特徴を含む。
【0018】
医療記録124は、システム100内で1または複数の様々なヘルスケアソースにより生成され、作り出され、供給されることが好ましい。ヘルスケアソースの例としては、病院システム、医療システム、医師システム、記録システム、放射線システム、会計システム、請求システム、システム100内で必要とされ或いは望まれる他の任意のシステムを挙げることができるが、これらに限定されない。病院システムは更に、実験室システム、薬局システム、財務システム、看護システムを含むが、これらに限定されない。医療システムは、エンタープライズとも呼ばれており、ヘルスケアクリニックまたは他の病院システムを表わしている。医師システムは、医師のオフィスを表わしている。
【0019】
医療記録124は、数値ファイル、テキストファイル、グラフィックファイル、ビデオファイル、オーディオファイル、ビジュアルファルを含む様々なファイル形式で表わされても良いが、これらの形式に限定されるものではなく、また、これらの形式を組み合わせた状態で表わされても良い。グラフィックファイルは、例えば、心電図(EKG)トレース、心電図(ECG)トレース、脳電図(EEG)トレースを含むグラフィックトレースを含む。ビデオファイルは、スチルビデオ画像またはビデオ画像シーケンスを含む。オーディオファイルは、オーディオサウンドまたはオーディオセグメントを含む。ビジュアルファイルは、例えば、磁気共鳴画像(MRI)、X線、陽電子放出断層撮影(PET)走査またはソノグラムを含む診断画像を含む。
【0020】
メモリ112は、ランダムアクセスメモリ(RAM)内またはEMRシステム102の使用中にリフレッシュでき、キャッシュでき、あるいは更新できる他の適切な不揮発性メモリユニット内に、医療記録124を記憶することが好ましい。
【0021】
図2、3、4で説明するように、メモリ112は、予防介護健康維持のためにプロセス126を記憶する。プロセス126を実施するためにソフトウェアを保持するメモリ120は、EMRシステム102の使用中に所定のソフトウェアプログラムを実行する読み出し専用メモリ(ROM)または他の適切なメモリユニットの状態で実施される。
【0022】
リポジトリ114において、健康維持ガイドライン128(ここでは、「ガイドライン」と称する)は、ヘルスケアの最新の知識および最も信頼できる意見を反映する予防計画及び/又は治療計画、提案、基準等を表わしている。ガイドラインは、予め決められても良く、あるいは、変えることができても良い。
【0023】
リポジトリ114において、スケジュール130は、プロセス126に応じて人の医療記録124をガイドライン128に合わせるのに役立つ時間情報を表わしている。スケジュールは、カレンダー、リスト、日にち、日付、時間、年、フローチャート、プロジェクトまたはプログラム管理図等として表わされても良い。スケジュール130は、例えば一日のうちの何分といったように非常に詳細であっても良く、一生のうちの何年といったように非常に概略的であっても構わない。
【0024】
プロセッサ116においては、モデラ132により、健康ガイドを定める者が、プロセス126の記述を図式的に編集することができる。編集は、ワークフロー管理システムの市販のプロセスエディター等のツールを用いて行うことができる。また、モデラ132は、プロセス記述の変更が、求められている人により受動的にプロセス記述を変更するべく使用される。他の実施形態において、システム100は、人的介在なくしてプロセス記述を自動的に変更する。そのような変更により、生涯電子健康ガイドを、新たな医学的見識、環境の変化、あるいは、他の複雑な事象に適合させることができる。また、モデラ132は、プロセス126のステップに付随する役割および権利の定義付けをサポートするとともに、ヘルスケアプロバイダのデータベース等の外部データシステムに接続する。
【0025】
プロセッサ116において、アクティブモディファイア134は、入力要素によって収集された情報あるいは個人のEMRシステム102における新たな情報によって引き起こされた情報に基づいて、プロセス126の記述の変更を自動的に行う。アクティブモディファイア134は、個人のヘルスケア要求必要性を自動的に変更するようになっているクローズドループ電子健康ガイドを可能にする。
【0026】
プロセッサ116において、イグゼキュータ136は、生涯電子健康ガイドを監視し且つ時間情報130にしたがって全てのステップを実行するソフトウェアインタープリタとしての機能を果たす。例えば、イグゼキュータ136は、行為(アクティビティ)を解析して、当該行為からパラメータ値を引き出し、それらのパラメータ値を出力要素のパラメータに結び付けるとともに、通信プロセッサをトリガすることにより、ユーザインタフェース106、ヘルスケアプロバイダ108、リモートロケーション110のうちの1つまたは複数に対してメッセージを送信する。
【0027】
イグゼキュータ136は、収集し解析し且つ予防及び/又は治療プロセスに関するデータを表示するクォリティマネージャ137によって強化されても良い。クォリティマネージャ137のコンポーネントは、予防及び/又は治療プロセスに関与する全ての当事者の行為を測定する。例えば、クォリティマネージャ137は、予約があったかどうか、予約が延期されたかどうか、予約が再設定されたかどうか等を追跡する。また、クォリティマネージャ137は、予約をしたにもかかわらずキャンセルもせず当日やってこない人をチェックするとともに、動作、例えば予約をしたにもかかわらずキャンセルもせず当日やってこない状況に基づく動作を引き起こす。クォリティマネージャ137は、例えば一般的な開業医の業務における時間帯が要求され且つ拒否または受け入れられる頻度を測定することにより、サービスの拒否および受け入れの比率を測定することが好ましい。
【0028】
通信プロセッサ118は、生涯電子健康ガイドサービスの1つまたは複数のプロバイダと、生涯電子健康ガイドによって保護される個人と、必要とされる介護プロバイダとの間の経路120、122を介した情報のやりとりに関与している。システム100は、任意の方法を使用することによって能動的に或いは受動的に通信を管理する。能動的な通信方法は、例えば、電子メールメッセージ、ポケベルメッセージ、自動電話呼び出し、ファックスメッセージ、郵便を送信することを含む。受動的な通信方法は、ウェブ機構、例えば生涯電子健康ガイドサービスプロバイダのウェブサイトにおける個人的ホームページによって確立されても良い。この場合、電子健康ガイドによって保護される個人は、(好ましくは、安全な機構を介して)ログインして自分の生涯電子健康ガイドを調べることができるとともに、出力要素等からの要求によりデータを入力することなどができる。通信プロセッサ118により、当事者は、システム100が常に最新式となるように、自分の通信方法(例えば、電話、ファックス、電子メール、テレビ会議、ショートメッセージサービス(SMS)等)を容易に変更することができても良い。また、通信プロセッサ118は、通信方法の質について知っていることが好ましく、また、選択された通信方法(例えば、ユニファイド・メッセージングサービス)にしたがってメッセージを変更することができる。また、通信プロセッサ118は、例えば電子メールまたはショートメッセージサービス(SMS)の受信機構および関連するエラー処理システムまたは他のエラー処理システム等を使用することにより、通信エラーを検出して報告できることが好ましい。受信機構は、異なる方法、例えばファックスを送信することを含んでいても良く、また、同時に、ファックスの受信を承認するよう求める要求を伴うSMSを含んでいても良い。
【0029】
システム100は、電子ヘルスケアプロバイダサイトで実行するソフトウェアアプリケーションであり、あるいは、生涯電子健康ガイドによって保護され且つヘルスケアプロバイダと通信する個人のパーソナルコンピュータ(PC)にインストールされる個人的なソフトウェアパッケージである。そのような構成は、人の個人的なPCで実行し且つ銀行と通信する個人クイッケン(Quicken)(登録商標)ソフトウェアパッケージに類似していると見なすことができる。
【0030】
好ましくは、生涯電子健康ガイドの個人的なPC版において、モデラ132およびアクティブモディファイア134は、マイクロソフト(登録商標)アウトルック(登録商標)等のデスクトップカレンダープログラムまたはパーム(登録商標)系装置等の携帯情報端末(PDA)装置に取り込むことができるフォーマットでアクティビティを生成する。この構成を用いると、デスクトップカレンダープログラムまたはPDA装置は、イグゼキュータ136および通信プロセッサ118の機能を果たす。
【0031】
通信経路104は、EMRシステム102と、ユーザインタフェース106、ヘルスケアプロバイダ108、リモートロケーション110のうちの1つまたは複数との間で通信を行う。用語「経路」は、ネットワーク、リンク、チャネル、または接続部と呼ばれても良い。通信経路104は、特定のシステム100に応じて、ユーザインタフェース106、ヘルスケアプロバイダ108、リモートロケーション110のそれぞれにおいて同じ経路であっても良く、あるいは異なる経路であっても構わない。
【0032】
通信経路104は、インターネットプロトコル(IP)、転送制御プロトコルインターネットプロトコル(TCPIP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、RS232プロトコル、イーサネット(登録商標)プロトコル、医療インタフェースバス(MIB)互換プロトコル、ローカルエリアネットワーク(LAN)プロトコル、広域ネットワーク(WAN)プロトコル、電気電子技術者協会(IEEE)バス互換プロトコル、ヘルスレベルセブン(HL7)プロトコルを含むが、これらに限定されないデータフォーマットとも呼ばれる任意のタイプのプロトコルを使用しても良い。
【0033】
通信経路104は、前述したプロトコルのタイプに対応するアドレスや、ウェブページアドレスとも呼ばれるユニバーサルリソースロケータ(URL)を含むがこれらに限定されない任意のタイプのアドレス方式を使用しても良い。通信経路104は、静止画像、ストリーミングビデオ、音声、電話メッセージ、コンピュータプログラム、メッセージ、命令、電子メールを含むがこれらに限定されない任意のタイプの用途における任意のタイプのデータを通信しても良い。
【0034】
通信経路104は、有線及び/又は無線(W/WL)接続として形成されても良い。無線接続によれば、有線接続によって可能な距離を越えてシステム100を移動させることができるため有益である。通信経路104は、有線接続として形成されることが好ましい。有線接続としては、シリアルバスまたはパラレルバスとして形成された物理的なワイヤを挙げることができる。好ましくは、有線接続の場合、ワイヤの終結点の物理的な位置に対してIPアドレスが割り当てられても良い。無線接続の場合には、プロバイダシステム101を移動できるため、プロバイダシステム101に対してIPアドレスが割り当てられても良い。
【0035】
通信経路104は、例えばイントラネット等のローカルエリアネットワーク(LAN)や例えばインターネット等の広域ネットワーク(WAN)を含むがこれらに限定されない任意のタイプのネットワークとして形成されても良い。通信経路104は、インターネット等のWANとして形成されることが好ましい。インターネットは、TCP/IPを介して互いに通信するコンピュータの分散的ネットワークである。インターネットの使用における爆発的な成長は、部分的には、インターネット上で提供される幾つかのサービスのうちの1つであるワールドワイドウェブ(WWW)の1990年代前半における発展に起因している。他のサービスとしては、電子メール、ファイル転送プロトコル(FTP)、テルネット、ニュースグループ、インターネットリレーチャット(IRC)、インスタントメッセージ等の通信サービス、グーグル(商標)やアルタビスタ(商標)等の情報サーチサービス、ファイル転送プロトコル(FTP)等の情報検索サービスを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0036】
好ましくは、ヘルスケアプロバイダ108及び/又はリモートロケーション110に対する有線接続の場合には、システム100がサーバと見なされるとともに、ヘルスケアプロバイダ108及び/又はリモートロケーション110がクライアントと見なされても良い。エクスプローラ(商標)(マイクロソフト社)やナビゲータ(商標)(ネットスケープ・コミュニケーションズ社)等のウェブブラウザは、ユニフォームリソースロケータ(URL)によって特定されたウェブページを要求するサーバに対しWWWにわたってリクエストを送信し、これにより、ウェブページが存在するサーバおよびウェブページを構成する前記サーバの1つまたは複数のファイルの両方に気付く。サーバは、要求されたファイルのコピーをウェブブラウザに対して送信し、これにより、ウェブページがユーザに対して表示される。WWW上のウェブページは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)と呼ばれる規格言語で書かれたハイパーメディアドキュメントであっても良い。典型的なウェブページは、フォントサイズやフォントスタイル等を制御するために使用できるタグと称される埋め込みフォーマットコマンドと共にテキストを含む。
【0037】
システム100のユーザインタフェース106は、ユーザがEMRシステム102に対して情報を入力できるようにする入力装置(図示せず)と、ユーザがEMRシステム102から情報を受信できるようにする出力装置(図示せず)とを有する。入力装置は、キーボードであることが好ましいが、例えばタッチスクリーンであっても良く、あるいは、音声認識プログラムを有するマイクロフォンであっても良い。出力装置は、ディスプレイであることが好ましいが、例えばスピーカであっても良い。出力装置は、ユーザからの情報を受ける入力装置に応答して、あるいは、EMRシステム102による他のアクティビティに応答して、ユーザに対して情報を提供する。例えば、ディスプレイは、キーボードを介してEMRシステム102に情報を入力するユーザに応答して、情報を与える。
【0038】
メモリ112内に記憶されたブラウザソフトウェア(図示せず)は、ブラウザソフトウェアに入力される情報を許容することにより、またブラウザソフトウェアによって表示される情報を許容することにより、ユーザインタフェース106と協働することが好ましい。ユーザインタフェース106は、図3および図4に示される情報を含むディスプレイ画像を表わすデータを提供するユーザインタフェース生成器を有することが好ましい。
【0039】
ユーザインタフェース106は、入力装置の少なくとも一部と出力装置の少なくとも一部とが一体となってユーザフレンドリな装置を形成するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)であることが好ましい。例えば、ウェブブラウザは、ウェブブラウザに入力される情報を許容することにより、またウェブブラウザにより表示される情報を許容することにより、入力装置および出力装置のそれぞれの一部を形成する。データを入出力し、好ましくはブラウザインタフェースを使用する多くの様々なGUI技術は、選択リスト、選択アイコン、選択インジケータ、ドロップダウンメニュー、エントリボックス、スライドバー、サーチクエリー(検索問い合わせ)、ハイパーテキストリンク、ブール論理、テンプレートフィールド、自然言語、記憶された所定の問い合わせ、システムフィードバック、システムプロンプトを含むがこれらに限定されない使用を効率的に且つ容易にするために、実施されても良い。また、ヘルスケアプロバイダ108及び/又はリモートロケーション110は、ユーザインタフェース106と同じ方法あるいは異なる方法で動作する入力装置および出力装置を有するユーザインタフェース(図示せず)を備えていても良い。
【0040】
本発明の好ましい実施形態において、システム100は、ユーザの生涯にわたって、予防介護健康維持情報をユーザに対して供給する。メモリ112は、特定のユーザの医療記録124を記憶する。リポジトリ114は、年齢、性別、健康状態を含む特徴に応じて特定のユーザのためにカスタマイズされた健康維持ガイドライン128および関連する時間情報130を記憶する。プロセッサ116は、ガイドライン128、関連する時間情報130、特定のユーザの検索された医療記録情報124を使用して、特定の時間に経路122を通じたメッセージの生成を開始する。経路122によるメッセージは、特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように特定のユーザに対して指示する。通信プロセッサ118は、ユーザインタフェース106、ヘルスケアプロバイダ108、リモートロケーション110のうちの1または複数に対する出力通信のためのメッセージを処理する。
【0041】
経路122上のメッセージは、特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するようにヘルスケアプロバイダ108に対して指示することが好ましい。通信プロセッサ118は、ヘルスケアプロバイダ108に対する出力通信のために経路122を通じたメッセージを処理する。経路122上のメッセージは、以下のうちの1つまたは複数、すなわち、(a)ヘルスケア関連の訪問の予約をとること、(b)新たな処方の準備を開始すること、(c)ヘルスケアに関連する財務記録を得ること、のうちの1つまたは複数を行うようにヘルスケアプロバイダ108に対して指示しても良い。
【0042】
これに代えて、あるいは、組み合わせて、経路122上のメッセージは、以下の、すなわち、(a)ヘルスケア関連の訪問の予約をとること、(b)ヘルスケア関連の訪問のためにとった予約の承認を確かめること、(c)ヘルスケアプロバイダ108からのメッセージにアクセスすること、(d)特定のサービスを提供するヘルスケアプロバイダを選択すること、(e)とった予約に注意するよう催促すること、(f)薬剤投与を受けるように催促すること、(g)処方を更新するよう催促すること、(h)ヘルスケア関連の訪問に関連付けられた財務記録を得るように催促すること、(i)食事関連の催促をすること、(j)運動関連の催促をすること、のうちの1つまたは複数を行うように特定のユーザに対して指示する。
【0043】
プロセッサ116は、所定の順序付けられたシーケンス、例えば図3および図4に示されるシーケンスで複数の動作を開始するように特定のユーザに対して指示する経路122上のメッセージの生成を開始することが好ましい。プロセッサ116は、所定の順序付けられたシーケンスで複数の動作を開始するように特定のユーザに対して指示する、対応した複数の異なる時間に、経路122を介して複数のメッセージの生成を開始することが好ましい。
【0044】
プロセッサは、検索された医療記録情報124の特徴をガイドライン128の基準に照らして検査するとともに、当該検査の結果に応じて経路122によるメッセージの生成を開始することにより、ガイドライン128および関連する時間情報130を使用することが好ましい。プロセッサ116は、(a)特定のユーザ、(b)ヘルスケアプロバイダ108、のうちの1つまたは複数から受信されたデータを検査することにより、ガイドライン128および関連する時間情報130を使用することが好ましい。
【0045】
健康維持ガイドライン128のリポジトリ114は、特定のユーザの1つまたは複数の現在の医学的状態(病状)を含む健康状態の特徴に基づいて、特定のユーザのためにカスタマイズされても良い。プロセッサ116は、1または複数の現在の医学的状態に関連付けられた治療方式に応じて特定の時間に経路122によるメッセージの生成を開始する。また、健康維持ガイドライン128のリポジトリ114は、以下の、すなわち、(a)特異的疾患、(b)特異的病状、(c)特定の解剖学的器官、(d)特定の解剖学的機能、のうちの1つまたは複数に関連付けられた1つまたは複数のモジュール決定ガイドラインに基づいて、特定のユーザのためにカスタマイズされても良い。好ましくは健康維持ガイドライン128のリポジトリ114を含む情報は、以下の、すなわち、(a)ユーザコマンドに応じてリモートロケーション110から暗号化された通信を介して受信されたもの、(b)システム100を受け入れる装置、のうちの1つまたは複数のファイルに予め記憶されたもの、のうちの1つまたは複数である。
【0046】
リポジトリ114は、特定のユーザの健康を維持する及び/又は扱うためにユーザの残りの寿命の全体にわたって特定の時間に特定のユーザによる動作に関する予防介護行為を特定すするためのガイドライン128および関連する時間情報130を含むことが好ましい。
【0047】
適応プロセッサ134は(a)ガイドライン128で使用される予防介護医療情報に対する更新を特定する経路120上の受信メッセージ、(b)ガイドライン128のユーザ編集、のうちの1つまたは複数に応じてガイドライン128を変更することが好ましい。
【0048】
クォリティマネージャ137は、予防介護健康維持の実施を監視するとともに、以下の、すなわち、(a)予約を守らなかった記録(b)データエントリプロンプトに応答し損なった記録、のうちの1つまたは複数をメッセージを介してユーザに対して特定することが好ましい。
【0049】
システム100は、個人の予防介護健康維持を積極的にサポートするために必要な行為および行為のタイミングを規定する個人のための生涯健康ガイドを有利に提供する。また、システム100は、新たな或いは係属中の予約、例えば、何時健康チェックを行うべきか、何時食生活を変更すべきか、何時歯垢を取り除きに歯科医院に行くべきかといったことを個人に思い出させる。システム100は、簡単な方法で且つ最大限の自動化を成して、健康ガイドによって保護される個人にとってできる限り便利となるように構成されている。
【0050】
また、システム100は、新たな医学的見識、保護される個人の必要性の変化、あるいは、環境の変化によって生じる更なる必要性に応じて、生涯健康ガイドの変更を有利に可能にする。例えば、新たな病気の特定または新たなワクチンの形成によって、既に行われている予防行為が変更されても良い。これらの変更は、生涯健康ガイドのプロバイダによって行われても良いが、例えば血圧、心拍数、体重等の個人の健康パラメータの連続的な監視に基づいてフィードバックループにより自動的に引き起こすこともできる。全ての予防行為が事前に計画されるとは限らないため、システム100は、個人のための催促機能を手で加えることができるオプションも提供する。
【0051】
システム100は、一次、二次、三次予防行為を有利にサポートする。一次予防は、病気の発現を防止するための測定に主眼を置いている。二次予防は、病気特有の合併症の回避、早期認定、早期治療に重点を置いている。三次予防は、病気の合併症の再発防止に重点を置いている。したがって、個人の高血圧、糖尿病、喘息、または、癌が進行している場合には、病気固有の健康ガイドにより、人は必要な予防措置へと仕向けられる。
【0052】
健康な個人のための生涯健康ガイドと同様な方法で、システム100は、家を離れた長期にわたるリハビリを経験するアクシデントの犠牲者のためのエピソードから成る健康ガイド、糖尿病、喘息、あるいは、他の生涯にわたる健康問題をかかえる人のための慢性病健康ガイドを規定し、提供し、維持する。重点が生涯健康ガイドに置かれているため、システム100は、関与する当事者の住所、名前、電話番号、サービスプロファイル等の変更を可能にする。
【0053】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係る図1に示される予防介護健康維持情報システム100のための一般的プロセス126を示す。この方法は、ユーザの生涯にわたってユーザ固有の予防介護健康維持情報をユーザに対して提供する。図1に示されるメモリ112が一般的プロセス126を記憶することが好ましい。一般的プロセス126は、一般に、後述する5つのステップ201〜205を有する。
【0054】
一般的プロセス126はステップ201から始まる。
【0055】
ステップ202においては、EMRシステム102が入力情報を受信する。また、ステップ202は、ステップ206、207を更に含む。ステップ206において、EMRシステム102は、特定のユーザの図1に示される医療記録情報124を受信して記憶する。ステップ207において、EMRシステム102は、年齢、性別、健康(すなわち、医学的な)状態を含むがこれらに限定されない特徴に基づいて特定のユーザのためにカスタマイズされた図1に示される健康維持ガイドライン128と図1に示される関連する時間情報(例えばスケジュール)130とを受信して記憶する。
【0056】
ステップ203において、EMRシステム102は入力情報を処理する。EMRシステム102は、ガイドライン128、関連する時間情報130、特定のユーザの検索された医療記録情報124を使用することにより入力情報を処理して、情報の生成を開始することが好ましい。生成された情報は、特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように特定の時間に特定のユーザに対して指示することが好ましい。情報はメッセージであることが好ましい。あるいは、情報は、インターネット適合ウェブページ代表データである。
【0057】
ステップ204において、EMRシステム102は出力情報を生成する。EMRシステム102は、ユーザ、ヘルスケアプロバイダ、リモートロケーションのうちの1つまたは複数に対して情報を通信することにより、出力情報を生成することが好ましい。メッセージは、ユーザに対して通信されることが好ましい。あるいは、ユーザコマンドに応じてインターネット適合ウェブページ代表データがユーザに対して通信される。
【0058】
ステップ205において、一般的プロセス126が終了する。
【0059】
図3は、本発明の好ましい実施形態に係る図1に示される予防介護健康維持情報システム100のための特別プロセス300を示す。特別プロセス300は、一般に、図2のステップ201〜204を含むとともに、ステップ202〜204の詳細な説明を更に含む。ステップ202は、入力情報の受信について説明しているとともに、ステップ301〜303を更に含む。ステップ203は、情報処理について説明しているとともに、ステップ304〜307を更に含む。ステップ204は、出力情報の生成について説明しているとともに、ステップ308〜310を更に含む。
【0060】
一般に、図3および図4に示される記述的形式(例えば、移行グラフ、ペトリネット、同様の図式的に表わされたアクティビティ計画モデル)は、コンピュータサイエンスの当業者に公知のように、システム100内のプロセスをモデリングするために使用されても良い。特別プロセス300は、後述する以下のステップ(「記述的形式」の「要素」とも呼ばれる)を有する。
【0061】
ステップ203は、アクティビティ要素304〜307を含む。例えば、ステップ304は、「歯科医院に行く」というアクティビティ要素について記載している。ステップ304は、スケジューリング情報、プロバイダ情報、状態情報を含むがこれらに限定されない更なる情報フィールドを有する。他の領域および更に多くの情報フィールドも可能である。スケジューリング情報は、一般に、アクティビティに関連する頻度、予定された時間、確認内容、催促内容等を含む。スケジューリング情報は、例えば、「頻度=年に2回」、「次の案=2003年4月」、「予定日=2003年4月20日」を含む。プロバイダ情報は、一般にアクティビティに関連した、ヘルスケアプロバイダ氏名、住所、連絡先等を含む。プロバイダ情報は、例えば、「プロバイダ=ミラー医師」、「住所=パオリ、PA、xxx」、「電話=xxx」を含む。状態情報は、一般に、アクティビティ(行為)が起こり得る前に満たされる必要がある必要条件(全く無くても良い)を含む。状態情報は、例えば、「承認済み=無し」および「感染病無し=不明」を含む。また、ステップ203は、ステップ305におけるアクティビティ要素B(「ストレスECG」に行く)と、ステップ307におけるアクティビティ要素C(「マンモグラフィに行く」)とを示す。
【0062】
ステップ内またはステップ間の矢印は、アクティビティの順序を示す。例えば、ステップ304(アクティビティ要素A)は、ステップ305(アクティビティ要素B)の前に実行される。
【0063】
決定要素は、パラメータの値を検査し、あるいは、他のアクティビティ要素から受けた入力情報に関連する決定を行う。検査結果または決定に応じて、引き起こされる次のアクティビティ要素は、「yes矢印」の後のアクティビティ要素または「no矢印」の後のアクティビティ要素のいずれかである。例えば、ステップ306(決定要素D1)によって肯定的な決定が成されると、ステップ307(アクティビィティ要素C)が開始され、また、ステップ306によって否定的な決定が成されると、新たなアクティビティが開始されない。これにより、プロセス300を利用して、ステップ201の最初から再スタートすることができる。
【0064】
ステップ202は入力要素301〜303を含む。入力要素は、システム101のための情報を受ける。例えば、応答等の情報は、入力「無し」および「患者」を含むステップ301(入力要素l1)の「confirmed by」フィールド等のパラメータフィールドにロードされるEMRシステム102に接続された当事者から受信されても良い。
【0065】
ステップ204は出力要素308〜310を含む。出力要素は、情報、例えばEMRシステム102から接続された当事者へと送られるメッセージを、システム100から生成する。例えば、ステップ308(出力要素O1)において、メッセージは、「あなたの次の歯科医院の予約を、2003年4月20日のミラー医師の診療に提案する....;承認する場合は「a」で応答し、拒否する場合は「d」で応答し、dd.mm.yyy.に変更する場合は「c」で応答してください」である。
【0066】
図4は、本発明の好ましい実施形態に係る図1に示される予防介護健康維持情報システム100のためのサブプロセス400を示す。一般的プロセス126は、特別プロセス300およびサブプロセス400の定義付けと、サブプロセスエンティティを互いにリンクさせることによる複雑なプロセスの形成とを可能にする。サブプロセス400は、一般に、図2のステップ201〜204を含むとともに、ステップ202〜204の詳細な説明を更に含む。ステップ202は、入力情報の受信について説明しているとともに、ステップ401を更に含む。ステップ203は、情報処理について説明しているとともに、ステップ402〜404を更に含む。ステップ204は、出力情報の生成について説明しているとともに、ステップ405、406を更に含む。
【0067】
図4は、糖尿病を持つ人のためのサブプロセス400を示す。ステップ402は、糖尿病に関する様々な合併症の治療に関連付けられたモジュールを含む。そのようなモジュールとしては、眼モジュール、腎臓モジュール、足モジュールを挙げることができるが、これらに限定されない。サブプロセス400は、糖尿病を有する個人の医療記録に関するステップ401から受けたリスク階層を処理するステップ402における様々なモジュールに応じて、ステップ403における病気のための特定の予防及び/又は治療計画を生成する(すなわち、トリガする)。予防及び/又は治療行為に関与する当事者は、システム100に対する入力情報を生成しても良い。例えば、そのような入力情報は、例えば緊急の処置をとらなければならないといった場合には、患者が診察に来たかどうかの記録を含んでいても良い。ステップ403は、ステップ405(出力要素O1)における出力情報の生成を開始する。例えば、特定の予防及び/又は治療計画が、ステップ405における出力情報、すなわち、「あなたの次の網膜症診察の予約を、2003年4月20日のミラー医師の診療に提案する....;承認する場合は「a」で応答し、拒否する場合は「d」で応答し、dd.Mm.yyy.に変更する場合は「c」で応答してください」を生成する。ステップ404において、品質管理モジュールは、予防及び/又は治療計画の進行状況や効果等を監視するとともに、適切な修正及び/又は提案を行う。ステップ404は、ステップ406(出力要素O2)における出力情報を生成する。例えば、ステップ404における品質管理モジュールは、ステップ406における出力情報、すなわち、「2003年4月20日のミラー医師によるSB網膜症診察、承認する場合は「a」で応答し、拒否する場合は「d」で応答し、dd.Mm.yyy.に変更する場合は「c」で応答してください」を生成しても良い。
【0068】
図5は、本発明の好ましい実施形態にしたがって集中型構造500でパーソナルコンピュータ(「PC」)として実施された図1に示される予防介護健康維持情報システム100を示す。集中型構造500は、一般にEMRシステム102と、パーソナルコンピュータ502と、携帯情報端末504とを有する。パーソナルコンピュータ502は、ダウンロードファイル506と、カレンダープログラム508とを更に有する。また集中型構造500は、後述する4つのステップ509〜512をサポートする。
【0069】
ステップ509において、EMRシステム102は、特定の個人のためのアクティビティを生成する。EMRシステム102の図1に示される集中型モデラ132および図1に示されるアクティブモディファイア134はアクティビティを生成する。
【0070】
ステップ510において、EMRシステム102は、好ましくは安全な暗号化された接続を介して、人の年齢、性別、健康状態に適合されるアクティビティを含むファイルをパーソナルコンピュータ502に対してダウンロードする。
【0071】
ステップ511において、パーソナルコンピュータ502は、ダウンロードファイル506をデスクトップカレンダープログラム508にインポートする。
【0072】
ステップ512において、PDAが利用可能である場合には、パーソナルコンピュータ502は、インポートされたダウンロードファイル506を有するカレンダープログラム508をPDA504に対して送信しても良い。
【0073】
図6は、本発明の好ましい実施形態にしたがって分散型構造600でパーソナルコンピュータとして実施された図1に示される予防介護健康維持情報システム100を示す。分散型構造600は、一般にEMRシステム102と、パーソナルコンピュータ502と、携帯情報端末504とを有する。パーソナルコンピュータ502は、インポートファイル506とカレンダープログラム508とを更に有する。また分散型構造600は、後述する4つのステップ509〜512を含む。
【0074】
ステップ509においては、EMRシステム102がパーソナルコンピュータ502に組み込まれている。ユーザは、自分のヘルスケアプロバイダによって指示されたアクティビティに基づいて、EMRシステム102において図1に示されるモデラ132と図1に示されるアクティブモディファイア134とを構成することが好ましい。
【0075】
ステップ510において、EMRシステム102は、人の年齢、性別、健康状態に適合されるアクティビティを含むインポートファイルをパーソナルコンピュータ502上で生成する。
【0076】
ステップ511において、パーソナルコンピュータ502は、ファイル506をデスクトップカレンダープログラム508にインポートする。
【0077】
ステップ512において、PDAが利用可能である場合には、パーソナルコンピュータ502は、インポートファイル506を有するカレンダープログラム508をPDA504に対して送信しても良い。
【0078】
図7は、本発明の好ましい実施形態にしたがって携帯型構造700で実施された図1に示される予防介護健康維持情報システム100を示す。EMRシステム102は、携帯型構造700内に設けられても良い。携帯型構造700によれば、EMRシステム102を、PDA601、携帯電話602、腕時計603、ポケベル、または、他の携帯装置604等の内部またはこれらの装置上に直接に組み込むことができる。EMRシステム102は、スマートカード等の特定の機械的および電気的構造の形態で実施されても良い。
【0079】
このように、その様々な例示的実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明はこれらの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者であれば分かるように、添付の請求項に記載された発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された主題の変形、改良、組み合わせを成すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る予防介護健康維持情報システムを示す。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係る図1に示される予防介護健康維持情報システムのための一般的プロセスを示す。
【図3】本発明の好ましい実施形態に係る図1に示される予防介護健康維持情報システムのための特別プロセスを示す。
【図4】本発明の好ましい実施形態に係る図1に示される予防介護健康維持情報システムのためのサブプロセスを示す。
【図5】本発明の好ましい実施形態に係る集中型構造のパーソナルコンピュータとして実施される図1に示される予防介護健康維持情報システムを示す。
【図6】本発明の好ましい実施形態に係る分散型構造のパーソナルコンピュータとして実施される図1に示される予防介護健康維持情報システムを示す。
【図7】本発明の好ましい実施形態に係る携帯型構造で実施される図1に示される予防介護健康維持情報システムを示す。
【符号の説明】
【0081】
100 予防介護健康維持情報システム
102 電子医療記録
104 通信経路
106 ユーザインタフェース
108 ヘルスケアプロバイダ
110 リモートロケーション
112 メモリ
114 リポジトリ
116 プロセッサ
118 通信プロセッサ
120 入力(情報)
122 出力(情報)
124 医療記録
126 プロセス(方法)
128 健康維持ガイドライン
130 スケジュール(時間情報)
132 モデラ
134 アクティブモディファイア(適応プロセッサ)
136 イグゼキュータ
137 クォリティマネージャ
201〜205 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生涯にわたって予防介護健康維持情報をユーザに対して提供するシステムにおいて、
特定のユーザの記憶された医療記録と、
年齢、性別、健康状態を含む特徴に基づいて前記特定のユーザのためにカスタマイズされた健康維持ガイドラインおよび関連する時間情報のリポジトリと、
前記ガイドラインおよび関連する時間情報と前記特定のユーザの検索された医療記録情報とを使用して、特定の時間にメッセージ生成を開始するプロセッサであって、前記メッセージが、前記特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように前記特定のユーザに対して指示するプロセッサと、
出力通信のために前記メッセージを処理する通信プロセッサと
を備える予防介護健康維持情報システム。
【請求項2】
前記メッセージは、前記特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するようにヘルスケアプロバイダに対して指示し、
前記通信プロセッサは、前記ヘルスケアプロバイダに対する出力通信のために前記メッセージを処理し、
前記メッセージは、(a)ヘルスケア関連の訪問の予約をとること、(b)新たな処方の準備を開始すること、(c)ヘルスケアに関連する財務記録を得ること、のうちの少なくとも1つを行うようにヘルスケアプロバイダに対して指示する
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メッセージは、(a)ヘルスケア関連の訪問の予約をとること、(b)ヘルスケア関連の訪問のためにとった予約の承認を確かめること、(c)ヘルスケアプロバイダからのメッセージにアクセスすること、(d)特定のサービスを提供するヘルスケアプロバイダを選択すること、(e)とった予約に注意するよう催促すること、(f)薬剤投与を受けるように催促すること、(g)処方を更新するよう催促すること、(h)ヘルスケア関連の訪問に関連付けられた財務記録を得るように催促すること、(i)ダイエット関連の催促をすること、(j)運動関連の催促をすること、のうちの少なくとも1つを行うように前記特定のユーザに対して指示する請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、順序付けられたシーケンスで複数の行為を開始するように前記特定のユーザに対して指示する前記メッセージの生成を開始する請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、順序付けられたシーケンスで複数の行為を開始するように前記特定のユーザに対して指示する複数のメッセージの生成を、対応する複数の異なる時間に開始する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
健康維持ガイドラインの前記リポジトリは、前記特定のユーザの少なくとも1つの現在の医学的状態を含む健康状態の特徴に基づいて、前記特定のユーザのためにカスタマイズされ、
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの現在の医学的状態に関連付けられた治療方式に応じて特定の時間にメッセージの生成を開始し、
健康維持ガイドラインの前記リポジトリは、(a)特異的疾患、(b)特異的病状、(c)特定の解剖学的器官、(d)特定の解剖学的機能、のうちの1つまたは複数に関連付けられた少なくとも1つのモジュール決定ガイドラインに基づいて、前記特定のユーザのためにカスタマイズされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
健康維持ガイドラインの前記リポジトリを含む情報は、(a)ユーザコマンドに応じてリモートロケーションから暗号化された通信を介して受信されたもの、(b)前記システムを受け入れる装置の1つまたは複数のファイルに予め記憶されたもの、のうちの少なくとも1つであり、
前記リポジトリは、前記特定のユーザの健康を維持するためにユーザの残りの寿命の全体にわたって特定の時間に前記特定のユーザによる動作に関する予防介護行為を特定するガイドラインおよび関連する時間情報を含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記検索された医療記録情報の特徴を前記ガイドラインの基準に照らして検査するとともに、前記検査の結果に応じてメッセージの生成を開始することにより、前記ガイドラインおよび関連する時間情報を使用し、
前記プロセッサは、(a)前記特定のユーザ、(b)ヘルスケアプロバイダのうちの少なくとも一方から受信されたデータを検査することにより、前記ガイドラインおよび関連する時間情報を使用する
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
(a)前記ガイドラインで使用される予防介護医療情報に対する更新を特定する受信メッセージ、(b)前記ガイドラインのユーザ編集、のうちの少なくとも1つに応じて前記ガイドラインを変更するための適応プロセッサを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
予防介護健康維持の実施を監視するとともに、(a)予約を守らなかった記録、(b)データエントリプロンプトに応答し損なった記録、のうちの少なくとも1つをメッセージを介してユーザに対して特定するモニタを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ユーザの生涯にわたってユーザ固有の予防介護健康維持情報をユーザに対して提供するウェブサイト表示画像を与えるための方法において、
特定のユーザの医療記録情報を記憶するアクティビティと、
年齢、性別、健康状態を含む特徴に基づいて前記特定のユーザのためにカスタマイズされた健康維持ガイドラインおよび関連する時間情報を記憶するアクティビティと、
前記ガイドラインおよび関連する時間情報と前記特定のユーザの検索された医療記録情報とを使用して、前記特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように特定の時間に前記特定のユーザに対して指示するインターネット適合ウェブページ代表データの生成を開始するアクティビティと、
ユーザコマンドに応じて、前記ウェブページ代表データをユーザに対して通信するアクティビティと
を含む予防介護健康維持情報を提供するウェブサイト表示画像を与えるための方法。
【請求項12】
ユーザの生涯にわたって予防介護健康維持情報をユーザに対して提供するシステムにおいて、
特定のユーザの記憶された医療記録と、
年齢、性別、特定のユーザの医学的状態を含む特徴に基づいて前記特定のユーザのためにカスタマイズされた健康維持ガイドラインおよび関連する時間情報のリポジトリと、
前記ガイドラインおよび関連する時間情報と前記特定のユーザの検索された医療記録情報とを使用して、特定の時間にメッセージ生成を開始するプロセッサであって、前記メッセージが、前記特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように前記特定のユーザに対して指示するプロセッサと、
(a)ユーザディスプレイ、(b)ヘルスケアプロバイダ、(c)リモートロケーション、のうちの少なくとも1つに対する出力通信のために前記メッセージを処理する通信プロセッサと
を備える予防介護健康維持情報システム。
【請求項13】
健康維持ガイドラインの前記リポジトリは、(a)特異的疾患、(b)特定の解剖学的器官、(c)特定の解剖学的機能、のうちの少なくとも1つまたは複数に関連する情報を用いて前記特定のユーザのためにカスタマイズされる請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ユーザの生涯にわたって予防介護健康維持情報をユーザに対して提供する方法において、
特定のユーザの医療記録を記憶するステップと、
年齢、性別、特定のユーザの医学的状態を含む特徴に基づいて前記特定のユーザのためにカスタマイズされた健康維持ガイドラインおよび関連する時間情報を記憶するステップと、
前記ガイドラインおよび関連する時間情報と前記特定のユーザの検索された医療記録情報とを使用して、特定の時間にメッセージ生成を開始し、前記メッセージが、前記特定のユーザの予防介護健康維持を支援する行為を開始するように前記特定のユーザに対して指示するステップと、
(a)ユーザディスプレイ、(b)ヘルスケアプロバイダ、(c)リモートロケーション、のうちの少なくとも1つに対する出力通信のために前記メッセージを処理するステップと、を含む予防介護健康維持情報の提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−520030(P2006−520030A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501227(P2006−501227)
【出願日】平成16年3月10日(2004.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/007275
【国際公開番号】WO2004/081842
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505341073)シーメンス メディカル ソリューションズ ヘルス サーヴィシーズ コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】