説明

事前計量されるDPIのための乾燥粉末調合剤

乾燥粉末薬物調合剤が開示される。さらに、乾燥粉末吸入器中に挿入することを対象とする調合剤の計量された投与量を形成し、かつ投与量コンテナ中にそれをロードする方法が開示される。その投与量は、吸入によりユーザにデリバリされるように構成されており、それによって、デリバリされる微細粒子の高い投与量が得られる。調合剤は、その計量された投与量が、事前定義の寸法のマクロ構造に結合された粒子を共に保持する少なくとも1つの充填材料を有することにより、また意図された機械的強度を示すことにより特徴付けられるように、粉末粒子の容積測定による充填、または電気力学的蓄積に基づくことのできる投与量形成プロセスに適合される。薬理学的に活性な成分は、1から5μmの典型的な空気力学的直径範囲中に、粒子質量で少なくとも50%を示す。さらに、このように形成された投与量は、次いで、高いバリアのコンテナ中にロードされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調合剤に関し、さらに、事前計量される乾燥粉末吸入器(DPI)を対象とする、改善された性能を有する計量された薬物投与量を生産することができる新規の充填方法に適合される乾燥粉末薬物の形成およびローディングに関する。
【0002】
(背景)
今日の医療サービスでは、薬の投与はいくつかの異なる方法で行われる。健康管理においては、吸入器により患者の気道および肺に直接、治療薬を粉末として投与する可能性に関心が急速に高まっているが、それは、有効で迅速に、さらに使い勝手よくこのような物質をデリバリするためである。吸入された投与量の効果は、例えば、経口投与されたカプセルよりはるかに高くなることがしばしばあるので、吸入投与量は、経口カプセルの薬物粉末質量のうちの少量を必要とするだけである。したがって、よりよい薬物配合物、および低い相対標準偏差(RSD)を有する少量で正確な吸入投与量を作製するための充填方法を求める要求が増加している。
【0003】
容積測定による充填は、治療薬の投与量を生産するための最も一般的な方法である。通常、第1ステップで、ピストンなどの機械的デバイスによってある量の粉末が指定された容積の容器中に導かれ、あるいは重力および/または吸引力により容器を充填することができる。第2ステップで、次いで、容器が排出位置に移動され、例えば、ピストンまたは加えられた過圧により、粉末充填材料は、容器外に押し出されてブリスタもしくはカプセルなどのコンテナ中に入る。粉末の投与量をコンテナ中にロードできるように、複数のコンテナ、例えば、ブリスタもしくはカプセルを、対応する容器と一致するように移動させる機構に適合された投与量形成ツール中に、複数の容器を配置することができる。ほぼ、連続する周期的な形で容器が充填され排出され得るように、投与量形成容器ツールを充填マシンに統合することもできる。従来技術の諸例は、例えば、発行物EP0319131B1、WO95/21768、US5826633、US6267155B1、US6581650B2、DE20209156U1、WO03/026965A1、WO03/66436A1、およびWO03/66437A1で学ぶことができる。
【0004】
吸入に適切な乾燥粉末形態における活性物質は、粉末中における粒子の質量で大部分のものが、空気力学的直径(AD)で1と5μmの間にあるように微細化する必要がある。5μmより大きい粉末粒子は、吸入されたとき肺に蓄積せず、口および上気道に付着される傾向があり、その場合、薬物が無駄になり、また悪い副作用を引き起こすこともあり得る。しかし、吸入に適する微細化された粉末はほとんど自由に流れることがなく、接触したすべての表面に付着する傾向があり、また小さい粒子は凝集して塊になりやすい。それは、10μm以下の直径を有する小さな粒子に作用する一般に重力より強いファンデルワールス力による。したがって、乾燥した吸入可能な粉末配合物の正しい量を計量し、例えば、ブリスタなどの投与量コンテナ中にロードすることは、公称の投与質量が小さくなればなるほど一層困難になる。大部分の活性薬は、非常に効力があるので、多くの場合、投与量中にほんのわずかなミリグラムを必要とするだけである。したがって、薬の投与量の製造を開始する前に、適切な、生理学的に不活性な賦形剤、例えば、乳糖を用いて、その薬を薄める必要がある。今日では、公称の吸入投与量が1mg未満、さらには0.5mg未満のものも珍しいことではない。このようなわずかな投与量を、従来技術の方法を用いて計量し、充填することは非常に困難である。例えば、発行物US5865012およびWO03/026965A1を参照のこと。粉末の流動性の悪さの問題は、薬よりも大きい粒子、すなわち、賦形剤の空気力学的粒子直径が10μmより大きい粒子を含む賦形剤を希釈剤として選択することにより対処されることが多い。しかし、活性薬粒子と希釈剤の間に相互作用があり、したがって、希釈剤粒子のサイズが、流動性に影響するだけでなく、DPIのユーザにデリバリする活性薬の細粒分にも影響を与える役割を果たす。したがって、矛盾する目的相互間のバランスを取らねばならない。例えば、発行物WO02/30389を参照のこと。製薬業界では、最適な充填方法により処理できるレベルまで公称の投与質量を増加するために、さらに活性物質を希釈することが慣行となっている。通常、従来技術の容積測定による投与量は、5から50mgの範囲の質量を有する。それは、活性物質が1000倍以上に希釈されていることをしばしば意味する。活性物質と希釈剤の混合物が均一であることを確認するのは困難であり、また投与量充填中に、計量された投与量のうちの1つ1つにおける活性物質の量が正しいことを保証するのは困難である。配合物が、例えば、流動性を改善するために大きな粒子を含む場合、粉末の移送および取扱い中に容易に生ずる粒子の分離を回避するために、粉末の取扱いには注意する必要がある。大きな粒子は、最上部に留まる傾向があり、小さな粒子は、保管キャビティの底に落ちる傾向があり、それにより、保管された粉末中で、微細化された薬と大粒子の賦形剤の間で、一貫性のない混合比が得られることになる。
【0005】
次に薬の製法について考えると、投与量の高い割合に対して正しく肺に蓄積させる適切な初期の粒子サイズ分布を得るためのいくつかのよく知られた技法がある。このような技法は、ジェットミリング、噴霧乾燥、および超臨界の結晶化を含む。粒子相互間の力を変更するためのよく知られたいくつかの技法があり、それにより、適切な付着力を有する粉末を得ることができる。このような方法は、例えば、多孔性粒子および粉末ペレットの制御された形成、ならびにより大きな平均粒子サイズを有する不活性担持体の追加(いわゆる、オーダードミクスチャ)など粒子の形状および表面特性の変更を含む。微細化された粉末を生産するためのより簡単な方法は、結晶質の粒子を生成するミリングであり、一方、噴霧乾燥などは非晶質の粒子を生成する。局所的および全身的なデリバリ用の新規な薬は、しばしば、生物学的な高分子を含み、それは、製法に対して全く新しい要求を提示する。我々の発行物WO02/11803(US6696090)では、電気力学方法により投与量を形成するのに適切な、いわゆるエレクトロパウダ(electro−powder)を調製する方法およびプロセスが開示される。その開示は、薬物粉末の電気的特性を制御する重要性を述べており、また粉末中の湿気の問題、および投与量生成中の環境で低い相対湿度が必要であることを示している。
【0006】
従来技術の充填方法の他の態様では、選択された希釈剤の粒子サイズが、10から200μmの範囲となるように選択される。すなわち、賦形剤がより小さい活性粒子の担持体としても働く。こうすると、配合された粉末混合物は、はるかに流動性がよくなり、それにより、カプセルもしくはブリスタの充填をかなり簡単化することができる。一般的な容積測定による充填方法は、投与量供給デバイス、または、例えば、WO03/066437A1で使用される「投与装置(dosator)」を使用することであり、あるいは、極めて簡単に、計量キャビティとして働く多数のキャビティで型押しされている担持体フォイル上に粉末を落下させることである。投与装置は、例えば、カプセルもしくはブリスタなどの受取りカップ中に投与量を押し入れる前に事前定義の程度まで粉末を詰め込むことができる。しかし、受取りカップへの移送中に、投与装置の開放端部で何らかの粉末が落下する可能性があり、あるいは粉末が投与装置の他の表面に付着する可能性があり、したがって、投与装置から落下する粒子が粉塵を生成し、清浄であるべき重要な領域および表面に付着し得る。粉末の余剰は、しばしば、キャビティ中に落下しまたは充填するように構成されており、その場合、担持体フォイル上に接着もしくは融着される別のフォイルがそのキャビティをシールする前に、余剰粉末は、例えば、ドクターブレードにより、担持体のフォイルから拭き取られる。そのプロセスは、2つの固有の問題を有する。第1に、落下する薬物粉末が粉塵を放出するが、その場合、塵の粒子がフォイルのシーリング領域を含む近傍の他の表面上に留まることであり、第2の問題は、ドクターブレードによる拭取り動作は、非常に微妙な操作であり、シーリング領域上に粉末粒子を残す可能性があり、したがって、いくつかのブリスタでシーリングが不完全になる。不良のシーリングによって、投与量が保管中に早期に劣化することになり、したがって、ユーザにより吸入されたとき、影響を受けた投与量の効果は意図しないものとなり、治療を必要とする重大な問題をユーザに与える可能性がある。
【0007】
さらに、前述した従来技術の投与量製造方法のユーザが直面する他の問題は、乾燥粉末吸入器(DPI)で投与量利用可能になった際に粉末配合物を非凝集化させる問題である。
【0008】
製造上の最優先事項は、投与量間での一貫性を達成し、また粉末バッチ間の変動を小さくするために、ほとんど自由に流れる粉末配合物の投与量を作製することであるため、DPI投与における投与量を非凝集化させる能力には、同様の注意が向けられていない。したがって、その投与量の効果は平凡なものであり、デリバリされた薬の細粒分はしばしば25%に満たない。
【0009】
計量された投与量を形成するより最近の従来技術の方法は、薬物粉末の電気的に帯電した粒子を、静電チャックまたは投与部材など、基板部材上に蓄積するための、静電気もしくは電気力学場蓄積プロセスまたはその組合せを利用する。電界技術を用いて乾燥粉末のマイクログラムおよびミリグラムの量を蓄積する方法は、我々の米国特許第6592930B2号に開示され、それを、参照によりその全体を本文書に組み込む。その方法は、質量で10mg未満の小さな投与量を形成するのに特に適している。基板部材上に形成される薬物粉末の適切な投与量の一例は、エレクトロドーズ(electro−dose)である。エレクトロドーズの用語は、参照により本明細書に組み込む、我々のスウェーデン特許第SE0003082−5号に示されており、乾燥粉末吸入器での使用を対象とする事前計量の薬物粉末の投与量を指す。エレクトロドーズは、活性粉末物質を含む、または1つまたは複数の賦形剤を有するもしくは有しない乾燥粉末薬物調合物を含むエレクトロパウダから形成され、また投与部材の一部分である基板部材上に形成される。そのように形成されたエレクトロドーズは、適切な乾燥粉末吸入デバイスを使用することにより容易に非凝集化されて空気中に分散するように、占有面積、粉末の輪郭、粒子サイズ、質量、多孔性、付着性などの点で適切な特性を示す。
【0010】
しかし、改善された薬物調合剤と、吸入用に微細化された乾燥粉末の薬物投与量を正確に計量し形成するために充填プロセスを正確で信頼性のあるものにする、さらによく適合された投与量形成方法とが、なお求められている。
【0011】
(概要)
本発明は、乾燥粉末薬物調合剤と、その調合剤の粒子が結合された、計量され塵の出ない多孔性の充填材料を形成し、かつ乾燥粉末吸入器中への挿入を対象とする投与量コンテナ中にそれをロードする方法とを開示する。投与量は、吸入による長いデリバリを行うように構成されており、それにより、デリバリされる微細粒子の高い投与量が吸入器から放出される。
【0012】
開示の調合剤は、0.5μm以上で6μmを超えない平均粒子直径を有する少なくとも1つの微細化した薬理学的に活性な成分と、任意選択で、少なくとも1つの生理学的に受容可能な、乾燥し微細化した賦形剤とを含む。調合剤は、粉末粒子の容積測定による充填または電気力学的な蓄積に基づくことができる形成プロセスおよびローディングプロセスに適合されており、したがって、調合剤の計量された投与量は、事前定義の寸法のマクロ構造における結合された粒子の1つまたは複数の塵のでない多孔性の充填材料を含むことにより、また意図した機械的強度を有することにより特徴付けられる。
【0013】
本発明の他の態様では、投与量のオンラインもしくはオフライン検査が、1つまたは複数の測定システム、例えば、光学的視覚システム、レーザシステム、近赤外線システム、電界システム、および電気容量システムを適用することにより可能となる。品質管理はこのような方法で簡単化される。
【0014】
薬理学的に活性な成分は、1から10μm、より好ましくは、1から5μm、最も好ましくは、1から3μmの空気力学的直径範囲中に、粒子質量で少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を示し、後者の直径範囲が全身に作用する活性成分として特に好ましい。
【0015】
さらに、投与量を構成する計量された充填材料は、選択されたタイプの投与量コンテナ中に、好ましくは、通常の室温を有し、かつ30%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満の相対湿度を示す周囲条件中で、湿気に対して働く高いバリアを有するコンテナ中に形成されロードされると有利である。
【0016】
通常、調合剤は、0.1から50mgの範囲、好ましくは0.5から25mgの範囲の事前計量の投与量を生成する。
【0017】
計量された投与量の形成およびローディングの特定の方法は、適切に適合された、容積測定による充填/計量、および電気力学的投与、および開示の乾燥粉末調合剤の計量を使用する。粉末調合剤およびその多孔性の充填材料は、乾燥粉末吸入器(DPI)による長いデリバリのために特に調整されている。様々の従来技術のDPIを使用することもできる。例えば、長い投与量デリバリを行うことにより特徴付けられるタイプ、エアレザー(air−razor)デバイスを組み込むタイプ、剥がすことのできるシーリングテープを有する細長いテープ中に複数の投与量コンテナを有するタイプである。
【0018】
本発明の調合剤は、独立請求項1および従属請求項2から14に記載され、またローディング方法は、独立請求項15と25、従属請求項16から24、および26から33にそれぞれ記載される。
【0019】
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することにより、そのさらなる目的および利点も合わせて最もよく理解することができる。
【0020】
(発明の説明)
本発明は、乾燥粉末薬物調合剤と、その調合剤の事前計量の投与量を構成する結合された粒子の、塵の出ない多孔性の充填材料を形成し、投与量コンテナ中にロードする方法とを開示する。その投与量は、呼吸疾患に対する局所的な肺への蓄積のために、または深く肺に蓄積し全身に作用させるために吸入することを対象としている。本発明の目的は、以下の品質を有する調合剤および計量された投与量を提供することである。
・調合剤の粉末粒子相互間における制御された凝集化
・多孔性の充填材料の無視できる粉塵化傾向
・比較的少量の投与量であっても、容積測定による計量および充填のために調合剤を詰め込むことが容易であること
・結合された粒子の凝集性充填材料が、吸入により空気中に分散されて非凝集化が容易であること
・長いデリバリに適しており、また徐々に噴霧化するのに適した調合剤および計量された投与量
本文書の文脈において、パーセンテージ数で与えられる比率も含め、比率に対する参照はすべて、そうでないことを明示的に言わない限り質量に関連するものである。
【0021】
驚くことには、任意選択で、少なくとも1つの生理学的に受容可能な乾燥し微細化された賦形剤と混合された、微細化され乾燥した粉末であり薬理学的に活性な成分を含む薬物調合剤が、有利には、その薬物調合剤の一貫性のある計量された投与量を生産するための、容積測定による計量および充填プロセス中で使用できることを我々は実験により見出した。薬理学的に活性な成分は、1から10μm、好ましくは1から5μm、最も好ましくは1から3μmの空気力学的直径範囲の粒子が、少なくとも質量で80%、好ましくは、少なくとも質量で90%を示すべきであり、後者の直径は、特に、全身の吸収を対象とする成分に望ましい。局所的に作用する薬に関しては、肺中の薬の好ましい蓄積は、特定の疾患の位置に依存するものであり、したがって、上部および下部の気道の蓄積が関心の対象となる。薬物の全身へのデリバリに関しては、薬の深い肺への蓄積が好ましく、通常、最大の有効性のために必要である。「深い肺(deep lung)」の表現は、活性成分の血液に対する移送を直接行うことができる肺末梢部および肺胞を意味するものと理解されたい。
【0022】
任意選択の微細化された賦形剤は、10μmより小さい平均粒子直径を有するべきである。乾燥粉末薬物調合剤の流動性が低くなるかもしれないが、調製された粉末を取り扱うことができ、また充填動作のための中間的な保管場所で利用可能にすることができる。調合剤の事前測定の投与量を生産する特定の方法は、以下で開示され、それにより、0.1から50mg、より好ましくは0.5から25mgの範囲の投与量を生産できるので有利である。
【0023】
多かれ少なかれ効能のあり得る薬理学的に活性な成分(API)と賦形剤の間で選択される比率は、その活性成分の効能に応じて、また好ましい目標とする全体の、すなわち、選択される賦形剤を含めた投与質量を考慮にいれて、通常、10:1から1:200の範囲である。例えば、ユーザへの投与量が通常10μgであるチオトロピウムなどの非常に有効な成分の場合、1:99の比率により、合計1mgの投与量を生成することになる。この例の場合、選択された賦形剤は、希釈する観点から論じられているが、賦形剤はまた、他の方法で、薬物調合剤を成功させるのに貢献することができる。この点から、用語「賦形剤(excipient)」は、目的が何であれ、純粋な活性作用薬と混合される任意の化学的もしくは生物学的な物質を記述するのに使用される。調合剤は、その調合剤に所望の特性を与えるための、エンハンサ、担持体、および希釈剤など、いくつかの異なる生理学的に受容可能な乾燥賦形剤を含むことができる。他方では、普通の投与量中に数十ミリグラムの純粋な薬理学的に活性な作用薬を必要とする薬物が存在する。このような場合、薬を希釈するために活性作用薬に賦形剤を加えることは必要ではないが、そのようにする他の理由もあり得る。
【0024】
本発明は、有利には、薬の大部分のタイプに適用することができ、それはまた、複数の薬理学的に活性な成分を含む可能性を開示する。2つ以上の異なる薬物を組み合わせた投与量は、今日の多くの治療領域、特に、例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療および疼痛管理において関心を呼んでいる。しかし、乾燥薬物調合剤は、特に、最新技術の乾燥粉末吸入器(DPI)に適合されて、やがて利用可能になるはずであり、その場合、新しい調合剤と新しいDPIの組合せは、通常、計量された投与量の質量で最高50%を超えてデリバリされる微細粉末投与量を使用することになろう。したがって、DPIに基づく全身の治療を求める要求は、近い将来、多くの医療分野で劇的に増加することが予想される。
【0025】
事前計量の投与量に対して好ましい乾燥粉末吸入器は、発行物US6622723B1でその利点を学ぶことができる長い投与量デリバリを提供するタイプ、発行物US2003/0192538A1に開示のエアレザーデバイスを組み込むタイプ、および発行物US6536427に記載の、剥がすことのできるシールフォイルを有するブリスタパックのコンテナを用いるタイプであり、それらの発行物は、参照として本文書中にその全体を含む。
【0026】
適切な薬理学的に活性な成分の本発明の範囲を限定しない、典型的で、他を排除しない例示の諸例は、バソプレシン、バソプレシン類似体、デスモプレシン、グルカゴン様ペプチド(GLP−1、GLP−2)、コルチコトロピン、ゴナドトロピン、カルシトニン、インシュリンのCペプチド、副甲状腺ホルモン、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、オキシトシン、コルチコトロピン放出ホルモン、ソマトスタチン類似体、ゴナドトロピンアゴニスト類似体、心房性ナトリウムペプチド、チロキシン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチン、インターロイキン、成長因子、ポリペプチドワクチン、酵素、エンドルフィン、糖タンパク質、リポタンパク質、キナーゼ、細胞内受容体、転写因子、遺伝子転写活性因子/抑制因子、神経伝達物質、プロテオグリカン、全身にその薬理学的効果を及ぼす血液凝固カスケードに含まれるポリペプチド、最高200kDaタンパク質の分子重量(ダルトン)を有する他の任意のポリペプチド、多糖類、脂質、核酸、およびその組合せを含む群から選択され、またはロイプロリドおよびアルブテロール、アヘン剤、ニコチン、ニコチン誘導体、スコポラミン、モルヒネ、アポモルヒネ類似体、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、呼吸疾患のための薬学的に活性な化学物質およびその塩類、例えば、ホルモテロール、ブデゾニド、イプラトロピウム、フルチカゾン、チオトロピウム、サルブタモール、モメタゾンからなる群から選択される。
【0027】
少なくとも1つの生理学的に受容可能な賦形剤は、グルコース、アラビノース、乳糖、乳糖一水和物、乳糖非含水物、サッカロース、マルトース、デキストラン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、またはその混合物を含む物質の群から、通常、選択される。
【0028】
従来技術では、流動性の良さに焦点が当てられていたが、それは、通常、重力による充填に適した薬物配合物を作ることが必要なためであり、その場合、粉末は、重力によって計量キャビティ中に、またはブリスタおよびカプセル中に直接注入される。従来技術では、活性薬と希釈剤の間の比率が高いものと推定して、通常、投与量当たりの粉末量はかなり多い。一方、本発明は、選択された乾燥粉末吸入デバイスからデリバリされる微細粒子が非常に高い投与量であることを達成するのに焦点を当てている。したがって、計量される投与量の質量は吸入器からの最適性能が予測できる範囲内とすべきであるという観点から、公称の計量される投与質量の目標が決められる。事前計量の投与量のための最近の乾燥粉末吸入器は、約10mg以下の質量を有する投与量に対してその最良の性能を示す。
【0029】
選択された公称投与質量および選択された薬理学的に活性な成分、およびその公称投与量に含まれるその各投与量により、次いで、活性成分と任意選択の生理学的に受容可能な賦形剤の間の質量比率が設定される。したがって、薬物調合剤は、それらの制約に従って調製される必要があり、また同時に、それは、計量された投与量を形成し、コンテナ中にロードする好ましい方法に良好に適合させるための必要な品質を提供すべきである。乾燥粉末調合物は、例えば、粒子の静電気の帯電および関連する粉末の付着、詰まりの危険や、塊を作り粉末顆粒を形成する粒子の傾向、容積による計量および充填を信頼できないものにする配合物中の変動する原料密度などに関する多くの問題が生ずることなく、充填プロセスで取り扱うことが可能でなくてはならない。平均の粉末粒子サイズが小さくなればなるほど、粉末の取扱いが困難になる。その困難さは、様々の粉末配合剤間でかなり変化し、また実際の粉末およびその特性に依存する。大きな賦形剤粒子、すなわち、少なくともサイズが15から20μmのものが、微細化された薬理学的に活性な薬および大きな賦形剤粒子からなる均質な乾燥粉末混合物に最小限の流動性を与えるために、しばしば、必要とされる。小粒子は大粒子に付着し、粉末は大粒子からなる粉末の特性を保持する。
【0030】
静電気は、乾燥粉末、特に、微細化された粉末を取扱う場合にしばしば問題がある。微細粒子は、移送の際、移送システムのオブジェクトに接触することによるだけではなく、気流によっても容易に摩擦帯電する。粉末の品質および特性に影響を与えないために、少なくとも30%未満、好ましくは20%未満の相対湿度の乾燥雰囲気中で粉末を扱う必要性により問題はさらに悪くなる。例えば、米国ニューヨーク州グランドアイランドのNRD LLCの静電気除去装置を適用することによって、粉末粒子を電気的に放電させることができる。このような静電気除去装置は、投与プロセスの様々のステップで必要な場合に適用することができ、粉末、計量キャビティ、および関連する機器の静電気帯電を投与工程全体を通して最小に保つことができる。静電気帯電を除去することにより、粒子の付着、および投与プロセスにおける静電気からの他の妨害に起因する粒子の損失を最小に保つ。
【0031】
本発明の他の態様では、我々は、驚くことに、薬理学的に活性な呼吸に適した薬と任意選択の賦形剤の混合物を、子供の砂上の楼閣と異なりマクロの集塊構造へと粒子を結合できる薬物調合剤に調製できることを見出した。その調合剤は、特に、適合された容積測定による充填方法に適しているが、その調合剤の特性はまた、電気的投与法に対しても有利であり得る。特定の一実施形態では、選択された活性な薬理学的成分がジェットミリングにより超微粉砕され、それは任意選択で、少なくとも1回繰り返すことができる。得られた粉末は、狭い粒子サイズ分布で生産することができ、また0.5から6μmの範囲のいずれかに所望のピークを示すことができる。通常、レーザ散乱法、例えば、Malvern Mastersizerにより測定すると、90%直径(D(v、0.9))および10%直径(D(v、0.1))の間の比は約3である。
【0032】
様々のAPIは、多かれ少なかれ湿気に影響を受けやすく、湿気があると小さな粒子は容易に凝集を形成し、凝集を非凝集化させることはかなり困難であり得る。安定性の観点から、乾燥条件の下に保管された固体の粉末調合剤は、通常最良の選択であり、さらに、温度上昇を回避する。一般に、吸入に適した乾燥粉末の形のAPIは、湿気に影響を受けやすく、また計量される薬物投与量を、充填、シーリング、移送および保管の諸ステップ全体を通して湿気から保護することは、本発明の重要な側面である。
【0033】
このように、特別に形成された計量キャビティ中に、調製された粉末が充填されかつ軽く詰め込まれたとき、ある量の薬物調合剤は、凝集性があるが多孔性のマクロ構造を形成することができる。所定の容積を有することに加えて、充填材料のマクロ構造を形成するようなキャビティ形状であり、したがって、得られた充填材料の輪郭の幾何形状は、選択された投与量コンテナの形状およびサイズに適合する。切頭角錐や楕円など円錐の、縦長キャビティが好ましいが、円錐形(cylindrical cone)も同様に可能である。計量された充填材料は、計量キャビティから押し出されたとき、崩壊することなく元の形状を保って共に保持されることを特徴とする。充填材料が、押し出された後に投与量コンテナの投与量ベッド上に落とされたとき、その輪郭が元のままであることが好ましい。こうすると、選択されたコンテナに計量キャビティから充填材料を移送する間に、充填材料中の粒子が行方不明になるリスクがなくなる。さらに、充填材料がコンテナ中に落とされたとき、粒子の塵が放出されることがない。それにより、浮遊する塵粒子による投与量コンテナ周りの微妙なシーリング領域の汚染を除くことができる。例えば、細長いフォイルテープなどのコンテナ担持体システム、充填デバイス、および関連機器を高い頻度でクリーニングする必要性がはるかに低減される。さらに、非集塊化するのに高レベルのエネルギを必要とするような塊を粒子が形成する程には詰め込むことなく、例えば、投与量コンテナをDPI中に導入する前にコンテナを激しく動かすことにより、または充填材料それ自体にエネルギを加えることにより、充填材料の構造を容易に崩すことができるのに十分な程度に行う。しかし、充填材料のマクロ構造を構成する粒子の凝集を非凝集化することは、吸入するユーザに投与量がデリバリされるとき、選択され適合されたDPI中で行われることが最も好ましい。その場合、計量された投与量中における活性薬のデリバリされた微細粒子投与量は、計量された活性薬投与量の30%を超える、より好ましくは40%を超える、最も好ましくは50%を超えて維持される。
【0034】
驚くことには、開示の調合剤のデリバリされた微細粒子投与量、FPDは、吸入サイクル内のデリバリのタイミングに強く依存していることを我々は実験により見出した。理想的には、ユーザにより行われる吸引が約2kPaを超えるまでデリバリを開始すべきではない。調合剤の充填材料が位置する正確な領域に対して吸引エネルギを集中することにより、充填材料の完全な噴霧化および非凝集化に適した速い局所空気流速度を提供する。長いインターバルで投与量の充填材料を放出するように適合されたDPIを使用すること、すなわち、調合剤を徐々に放出し、一度にすべての充填材料を放出しないように投与量を構成することが特に有利である。投与量は、0.1秒以上で5秒を超えない時間枠内で、好ましくは0.2〜2秒の範囲の時間枠内の長いデリバリに適合されていることが好ましい。適切な吸入器の一例は、我々の米国特許第6422236B1号に開示され、また吸入器設計の原理は、我々の米国特許第6571793B1号に開示される。
【0035】
薬物粉末の電気的に帯電した粒子を直接コンテナ中に投与するための、電界技術を用いた電気力学的方法を、容積測定による充填方法に対する代替とすることができる。このような場合、調合剤は、前に論じた化学的、生物学的、および物理的基準に加えて電気的基準を満たす必要がある。好ましい電気力学的方法は、粉末保管部から粉末粒子の移送に関連する電界を有する電気的アイリス絞りおよびシャッタを形成するように構成された少なくとも1つの粒子移送電極を使用する。粒子は、適切な手段、例えば、ブラシで保管部からピックアップされ、例えば、摩擦電気により電荷が与えられ、次いで、粒子が蓄積される選択されたコンテナの投与量ベッドへと粒子を移送する電界中に導入される。コンテナは、計量された粉末投与量を受け入れるように構成され、また投与量形成プロセスもしくはローディングプロセス中で粒子の蓄積を制御する電気力学的な方法により直接蓄積される。粒子の電荷、電界強度、粒子の流れ、および粒子の空間的な蓄積を制御することにより、投与量本体のマクロ構造が、意図する物理的輪郭および正しい機械的強度を得るように、投与量の質量密度、すなわち、多孔性を制御することが可能になる。
【0036】
投与量コンテナの好ましい一実施形態は、高いバリアのコンテナ、すなわち、湿気に対して高いバリアのシールを提示するコンテナである。投与量ベッドは、通常、高いバリアのコンテナと一体の部分である。高いバリアのコンテナは、好ましくは、薬物製品と直接接触することが許容された一種のアルミニウムフォイルから作製されるべきである。それらの諸態様において適正に働くアルミニウムフォイルは、一般にアルミニウムフォイルでラミネートされたテクニカルポリマからなり、形成中にアルミニウムが割れるのを回避する適正な機械的特性をフォイルに与える。形成されたコンテナのシーリングは、通常、純粋のアルミニウムの薄いカバーフォイルを用いて、またはラミネートされたアルミニウムおよびポリマを用いて行われる。コンテナおよびカバーフォイルは、次いで、いくつかの可能な方法のうちの少なくとも1つを用いて共にシールされる。例えば、
・圧力および熱を介するヒートシーリングラッカーを用いること、
・熱および圧力を用いて材料を共に融着すること、
・接触する材料を超音波溶接すること。
【0037】
シーリング表面の粒子によるどのような汚染も、高いバリアのシール品質を危険にさらすことになるので、それは回避されねばならない。本発明によるマクロ構造に保持される調合剤の計量された充填材料により、その目的を達成できるようになる。
【0038】
本発明の他の態様では、コンテナ中にロードされる投与量を構成する充填材料が測定対象を示している。充填材料の輪郭は、対応する計量キャビティの形状およびサイズ、または電気力学的蓄積プロセスからの所与の形状およびサイズを有する。それは、例えば、レーザのような、視覚システム、またはNIRシステムなどの光システムを適用することにより、シーリング前にコンテナ中の計量された投与量の測定を可能にするが、超音波、電界または静電容量の原理で動作するプロファイリングシステムも同様に可能である。オンラインまたはオフラインで、投与量の計量質量を測定することによって、投与量相互間の相対標準偏差(RSD)を検証し、平均投与量がターゲットに近いかどうか、またバッチ中で設定した限界外にある投与量の数が許容できるかどうかを検査することが可能になる。測定システムはまた、何らかの理由で仕様外である投与量を除くことも可能にする。
【0039】
容積測定による充填の特許請求する方法の諸ステップを示す流れ図を図1に示し、また電気力学的投与の特許請求する方法の流れ図を図2に示す。
【0040】
図3は、容積測定による充填材料の計量のための充填ツールの一例の断面A−Aを3(a)に、断面B−Bを3(b)に示す。さらに、容器10の拡大した断面Aを3(d)に、Bを3(c)に示す。
【0041】
図4は、充填ツール100の好ましい一実施形態の様式化された主要な図を、充填ツールの上で、かつその近傍に配置された典型的な保管チャンバ110、およびその保管チャンバから粉末1を、セット101中の計量キャビティを示す各独立した容器10に放出するため簡単なシュート構成111と共に長手方向断面で示す。多数のコンテナ130が、セット103の容器10の下に配置され、ちょうど押し出された充填材料131が、空中にあってその各コンテナに向かっている。さらに、可撓性のあるシール105、織られたフィルタ106、空気ノズル13、および充填中に吸引114するための、また排出中の空気圧115のための接続用空気管路112、113が、それぞれ示されている。本原理を読者が簡単に理解できるようにするために、この実施形態では別々の空気管路が示されているが、実際は、充填および排出の完全なシーケンス中で、同じ空気管路を吸引と圧迫を交互に行うように使用することもできる。
【0042】
それぞれが、4.5mgの質量を有する2つの容積測定により計量された充填材料131が図5で示されている。充填材料は、コンテナの一部である共通の投与量ベッド132の上にロードされており、その充填材料は、なお、元の幾何的な本体構造を有する。
【0043】
この例で、コンテナおよび充填材料の物理的なサイズを理解してもらうために、図中に、ミリメートルごとに目盛りを有する定規が含まれている。充填容器10によって与えられた本体形状を有する、共通の投与量ベッド132上にロードされた、図5と同様の2つの計量された充填材料131の拡大写真が図6に示されている。計量された充填材料131、および計量された投与量と同じ質量を示しているが詰め込まれていない同じ調合剤粉末の堆積物を図7で示す。図は、寸法に関する何らかの情報を与えるために前述の定規を含む。
【0044】
投与量ベッド132上への投与粒子の電気力学的方法が図8に示されている。電界を構成するために異なる電圧U1〜U4が使用され、その電界により、粉末保管部に対して移動できる投与量ベッドの上への粒子の移送が制御され、それにより、選択された投与量の輪郭、投与量本体を構成し、任意選択で、複数のレイヤに構成することが可能になる。
【0045】
容積測定による充填方法の好ましい一実施形態では、細長い充填ツールが、少なくとも1つの、好ましくは複数の、計量キャビティまたはカップとして機能する正確な容器を備える。各容器は、第1の端部と第2の端部を有する。より小さい第2の端部は、ノズルと整列して接続され、次に、少なくとも1つの高速で作動するオンオフバルブを介して真空および圧縮空気の供給部に接続される。簡単のために、バルブは、すべてのノズルに共通でもよい。容器の充填は、例えば、トラフまたはホッパなどの保管チャンバからシュート構成を介して、粉末を容器に適用可能にすることにより達成される。通常、粉末は、重力により供給されるが、任意選択で、エネルギを追加することにより、例えば、トラフを振動させることにより支援される。容器を含むツールが、充填される定位置に少なくとも1つの容器を運んだとき、各空気ノズルに真空供給源から吸引が加えられ、空気ノズルは、次に、シュートから粉末を吸引して容器中に落下させ、粉末充填材料を容器中にある程度詰め込む。その吸引力は、粉末充填材料を軽く詰め込んで、容器を完全に満たし凝集性はあるが多孔性の投与量本体となるように設定される。特別に織られたフィルタは、粉末がノズルに入らないようにする。充填ツールのいくつかのまたはすべての容器の充填が完了した後、ツールは、余剰粉末がクリーニングされ、さらに、投与量本体を、少なくとも1つの容器から選択されたコンテナ中に排出するために、下向き姿勢に移動する。バルブが開くと、圧縮空気のパルスが少なくとも1つのノズルおよびフィルタを介して少なくとも1つの容器中に導かれ、容器中で空気が粉末本体に対して力を加える。それにより、投与量が容器から押し出され、選択されたコンテナが投与量を受け取るための正しい位置にあれば、その中に落下する。ツールが複数の容器を含む場合、圧縮空気のチャネリングを制御して、交互に1個ずつ容器に送ると有利であるが、投与量の押出しが不均一となる可能性のある、排出中に瞬間的に空気圧が止まる危険は、厳密に空気圧を制御することにより解消することができる。
【0046】
前述した内容は例としてだけのものであり、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、開示の諸実施形態に対する多くの変形形態が当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】特許請求する容積測定による充填方法の諸ステップを示す流れ図である。
【図2】特許請求する電気力学的投与方法の諸ステップを示す流れ図である。
【図3】充填ツールおよび関連する細部の好ましい実施形態の様式化された主要な図である。
【図4】空気ノズル、空気供給管路、およびツールの相対位置を合わせた充填ツール、粉末放出シュートを有する保管チャンバ中の粉末、および充填される容器の実施形態の長手方向断面を原理的に示す図である。
【図5】本発明による、投与量コンテナの共通の投与量ベッド上にロードされた2つの典型的な容積測定による充填材料の実施形態の写真を示す図である。
【図6】本発明による、結合された粒子の元のままの充填材料を有し、投与量コンテナの投与量ベッド上にロードされた2つの典型的な容積測定による投与量のクローズアップを写真で示す図である。
【図8】電気力学的な投与量形成方法の実施形態の様式化された主要な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥粉末吸入器により噴霧化されるように意図された、少なくとも1つの微細化された薬理学的に活性な成分を含む乾燥粉末薬物の調合剤であって、
前記少なくとも1つの活性成分が、0.5μm以上で6μmを超えない平均粒子直径を有するものとして示され、
前記調合剤が、計量されて、粒子が結合され塵を生じない多孔性の充填材料へと適切に詰め込まれる形成プロセスで使用するのに適合されており、
投与量コンテナ中にロードされる、前記調合剤の1つまたは複数の多孔性の充填材料が、前記乾燥粉末吸入器を用いた投与量の長いデリバリに適合された、計量された薬物投与量を構成することを特徴とする調合剤。
【請求項2】
少なくとも1つの生物学的に受容可能な賦形剤が前記調合剤中に含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項3】
前記計量された投与量を構成する前記1つまたは複数の多孔性の充填材料が、前記乾燥粉末吸入器を使用することにより行われる吸入行為により、吸入空気流中に徐々に非凝集化され、分散されるように調整されることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項4】
前記少なくとも1つの活性成分が、0.1から10μm、より好ましくは、0.1から5μm、最も好ましくは、0.1から3μmの空気力学的直径範囲中に、粒子質量で少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を示し、その後者の直径範囲が、特に、全身に作用する活性成分に望ましいことを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項5】
ターゲットとする公称の活性な薬理学的成分が、0.1から50mgの範囲、好ましくは0.5から25mgの範囲の、調合剤の事前計量の投与量を生成することを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項6】
前記投与量コンテナが、湿気および他の異物質を通さないようにする高いバリアのシール特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項7】
前記調合剤の投与量が、30%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満の相対湿度を有する周囲条件中で計量され、高いバリアのコンテナの一部分である投与量ベッド上にロードされることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項8】
前記形成プロセスを、投与量コンテナの選択されたタイプの一部分である投与量ベッド上に事前計量の投与量を直接形成するために、電界と、前記薬物調合剤の電気的に帯電した薬物粒子を用いる方法を使用する電界投与プロセス(ELFID)とするように選択することを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項9】
前記形成プロセスを、前記薬物調合剤の充填材料を計量し充填するために、重力、および任意選択で電気、機械、または空気エネルギを用いる容積測定による方法とするように選択し、それにより、事前計量の投与量を、選択されたタイプの投与量コンテナ中に形成することを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項10】
前記少なくとも1つの活性な薬理学的成分が、バソプレシン、バソプレシン類似体、デスモプレシン、グルカゴン様のペプチド、コルチコトロピン、ゴナドトロピン、カルシトニン、インシュリンのCペプチド、副甲状腺ホルモン、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、オキシトシン、コルチコトロピン放出ホルモン、ソマトスタチン類似体、ゴナドトロピンアゴニスト類似体、心房性ナトリウムペプチド、チロキシン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチン、インターロイキン、成長因子、ポリペプチドワクチン、酵素、エンドルフィン、糖タンパク質、リポタンパク質、キナーゼ、細胞内受容体、転写因子、遺伝子転写活性因子/抑制因子、神経伝達物質、プロテオグリカン、全身にその薬理学的効果を及ぼす血液凝固カスケード中に含まれるポリペプチド、最高200kDaタンパク質の分子重量(ダルトン)を有する他の任意のポリペプチド、多糖類、脂質、核酸、およびその組合せを含む物質の群から選択され、またはロイプロリドおよびアルブテロール、アヘン剤、ニコチン、ニコチン誘導体、スコポラミン、モルヒネ、アポモルヒネ類似体、スマトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、呼吸疾患のために活性な化学物質およびその塩類、例えば、ホルモテロール、ブデゾニド、イプラトロピウム、フルチカゾン、チオトロピウム、サルブタモール、モメタゾンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項11】
少なくとも1つの生理学的に受容可能な、乾燥し微細化された賦形剤が、グルコース、アラビノース、乳糖、乳糖一水和物、乳糖非含水物、サッカロース、マルトース、デキストラン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、またはその混合物を含む物質の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項12】
20μmより大きい中心空気力学的直径の粒子質量を有する、少なくとも1つの生理学的に受容可能な固体の賦形剤が、混合ステップに任意選択で追加され、またグルコース、アラビノース、乳糖、乳糖一水和物、乳糖非含水物、サッカロース、マルトース、デキストラン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、またはその混合物を含む物質の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項13】
エアレザーデバイスを組み込んだ乾燥粉末吸入器が、選択され計量された投与量を放出するために選択されることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項14】
乾燥粉末吸入デバイスが、選択され計量された投与量を放出するために選択され、かつ前記吸入デバイスを介して吸入するユーザに前記投与量を投与する前に剥がされる、剥がし可能フォイルによりシールされたブリスタの形の投与量コンテナに適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の調合剤。
【請求項15】
容積測定により計量された乾燥粉末調合剤の投与量を形成し、選択されたタイプの投与量コンテナ中にロードする方法であって、前記投与量が、選択された乾燥粉末吸入器を対象としており、
0.5μm以上で6μmを超えない平均粒子直径を有する少なくとも1つの薬理学的に活性な、乾燥し、微細化された成分を含むように前記調合剤を選択するステップと、
計量された投与量を形成しロードする間、相対湿度を30%未満、好ましくは20%未満、また最も好ましくは10%未満に保つように、前記調合剤に対する周囲条件を制御するステップと、
前記調合剤を、原料粉末保管部から計量キャビティとして働く少なくとも1つの粉末容器中に充填するステップと、
粉末粒子を共に結合させるために、エネルギを加えることにより前記充填材料を軽く詰め込んで、前記計量キャビティ中で粒子が結合された多孔性の充填材料にするステップと、
定義された幾何形状をその輪郭が示す前記充填材料を、前記投与量の本体が堆積物へと崩壊しないように前記選択されたタイプのコンテナ中に押し出すステップとにより特徴付けられる方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの活性成分が、0.1から10μm、より好ましくは0.1から5μm、および最も好ましくは0.1から3μmの空気力学的直径範囲中に、粒子質量で、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を示すことを要求するステップであって、その後者の直径範囲が全身に作用する活性成分に特に望ましいさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記充填材料が押し出されたとき、前記充填材料の粒子が前記コンテナの外側に拡散できないように、粉末粒子を前記投与量の計量キャビティ中に軽く詰め込んで、多孔性であるが結合された投与量充填材料にするステップであって、それにより、シーリングステップの前に前記コンテナのシーリング表面を粒子が汚染しないようにするさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
0.1から50mgの範囲、好ましくは0.5から25mgの範囲の質量を有する前記調合剤の計量された投与量を生産するさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ユーザに選択され計量された投与量を投与するためのエアレザーデバイスを組み込んだ乾燥粉末吸入器を選択するステップであって、それにより、デリバリされた微細粒子投与量が、薬理学的に活性な成分全体の、質量で、少なくとも30%、好ましくは40%を超えて、最も好ましくは50%を構成するさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
選択され計量された投与量の長いデリバリをユーザに提供する乾燥粉末吸入デバイスを選択するさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記吸入デバイスを介して吸入するユーザに、選択され計量された投与量を投与する前に剥がされる、剥がし可能フォイルによりシールされたブリスタの形の投与量コンテナに適合された乾燥粉末吸入デバイスを選択するさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
使用前の保管状態における指定された時間、および使用中の指定された時間の間、前記投与量を周囲条件の通常の変化に影響されないように保つ前記投与量コンテナの高いバリアのシーリングを用いるさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記投与量を詰め込むとき、追加のエネルギとして、吸引パワーおよび加圧空気を用いるさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
充填ツールおよび関連の機器上の静電荷、および保管部における粉末粒子の静電荷を、充填プロセスが悪影響を受けないように電気的に中性化するために、電荷の供給源、好ましくはイオン供給源を、投与量容器に対する作動距離に配置し、また任意選択で、前記原料粉末保管部中の前記粉末に対する作動距離に配置するさらなるステップにより特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
選択されたタイプのコンテナ中への、乾燥粉末薬物調合剤の計量された投与量の電気力学的なローディングであって、前記投与量が選択された乾燥粉末吸入器を対象としており、
ロードされる前記調合剤を、0.5μm以上で6μmを超えない平均粒子直径を有する少なくとも1つの薬理学的に活性で、乾燥し、微細化された成分、および任意選択で、少なくとも1つの生理学的に受容可能な、乾燥し、微細化された賦形剤を含むように選択するステップと、
相対湿度を30%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満に保つように、前記計量された投与量のロード中に、前記調合剤に対する周囲条件を制御するステップと、
意図した事前計量の質量および前記投与量の正しい多孔性が達成されるまで、電界投与方法を用いて、前記選択されたコンテナの一部分である投与量ベッド上に前記調合剤の粒子を蓄積するステップと、
前記投与量の輪郭が、前記選択された乾燥粉末吸入器を用いることによる投与量の長いデリバリに適切な、事前定義の幾何形状を示すように前記ローディングを構成するステップとにより特徴付けられる電気力学的なローディング。
【請求項26】
前記少なくとも1つの活性成分が、0.1から10μm、より好ましくは0.1から5μm、最も好ましくは0.1から3μmの空気力学的直径範囲中に、粒子質量で、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を示し、その後者の直径範囲が、特に、全身に作用する活性成分に望ましいことにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。
【請求項27】
前記投与量コンテナを高いバリアのシールコンテナであるように選択するステップと、
前記投与量コンテナを高いバリアのシールフォイルでシールし、したがって、指定された時間の間、周囲条件の通常の変化により前記投与量が影響されないように、隙間なくシールしたパッケージ中に前記投与量を密封するステップとにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。
【請求項28】
前記電界投与プロセスに含まれる粒子が、前記高いバリアのコンテナの外側に拡散できないように粉末粒子の蓄積を制御するステップであって、それにより、シーリングステップの前に、粒子が前記コンテナのシーリング表面を汚染しないようにするステップにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。
【請求項29】
0.1から50mgの範囲、また好ましくは0.5から25mgの範囲の質量を有する前記調合剤の計量された投与量を生産するステップにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。
【請求項30】
選択され事前計量された投与量をデリバリするためのエアレザーデバイスを組み込んだ乾燥粉末吸入器を選択するステップであって、それにより、放出される微細粒子投与量が、前記計量された投与量の薬理学的に活性な成分全体の、質量で、少なくとも30%、好ましくは40%を超えて、最も好ましくは50%を超えて構成するステップにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。
【請求項31】
前記吸入デバイスを介して吸入するユーザに、選択され計量された投与量を投与する前に剥がされる、剥がし可能フォイルによりシールされたブリスタの形の投与量コンテナに適合された乾燥粉末吸入デバイスを選択するステップにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。
【請求項32】
前記投与プロセスに関連する機器上の静電荷および前記保管部中の粉末粒子の静電荷を、前記投与プロセスが悪影響を受けないように電気的に中性化するために、電荷の供給源、好ましくはイオン供給源を、前記投与量ベッドに対する作動距離に配置し、また任意選択で、前記原料粉末保管部中の前記粉末に対する作動距離に配置するステップにより特徴付けられる、請求項25に記載のローディング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−530671(P2007−530671A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506106(P2007−506106)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000418
【国際公開番号】WO2005/092289
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(506013678)メデリオ アーゲー (8)
【氏名又は名称原語表記】MEDERIO AG
【Fターム(参考)】