説明

二官能性マクロライド複素環化合物ならびにこれらを製造する方法およびこれらを使用する方法

本発明は、一般的に、抗感染剤、抗増殖剤、抗炎症剤、およびプロキネティック因子の分野に関する。より具体的には、本発明は、治療用薬剤として有用な二官能性因子の系統に関する。これらの化合物は、マクロライド環および少なくとも一つの複素環式部分の両方を有する。本発明は、さらに、このような化合物の調製、これらの調製において有用な中間体、治療用薬剤として有用な化合物の使用、およびこれらを含有する薬学的組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国特許仮出願番号第60/523,207号(これは、2003年11月18日に出願された)の利益を主張し、そしてこれから優先権を主張している。この開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、抗感染因子、抗増殖因子、抗炎症因子およびプロキネチック(prokinetic)因子の分野に関し、さらに特定すると、本発明は、このような薬剤として有用な系統の二官能性マクロライド複素環式化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
1920年代のペニシリンの発見および1940年代のストレプトマイシンの発見以来、多くの新規の化合物が発見されているか、または具体的に抗生物質としての使用が計画されている。かつて、感染性疾患は、このような治療剤の使用により、完全に制御または撲滅され得ると考えられていた。しかし、このような意見は、現在有効な治療剤に対して耐性の微生物の株が進化し続けるという事実により異議が唱えられている。臨床的な用途のために開発されたほぼすべての抗生剤は、耐性菌の出現という問題に直面している。例えば、グラム陽性菌の耐性菌(例えば、メチシリン耐性のstaphylocci、ペニシリン耐性のstreptococci、およびバンコマイシン耐性のenterococci)が進化し、そしてこのような耐性菌に感染した患者にとって深刻で、かつしばしば致命的な結果を招き得る。マクロライド系抗生物質に耐性の細菌が進化した。また、グラム陰性菌の株(例えば、H.influenzaeおよびM.catarrhalis)が、同定されている。例えば、非特許文献1;および非特許文献2を参照のこと。
【0004】
この耐性の問題は、抗感染因子の領域に限定されない。なぜなら、耐性はまた、癌の化学療法において使用される抗増殖因子に直面(encounter)するからである。従って、耐性菌および細胞株、ならびに耐性を発展させる可能性の低い、耐性菌および細胞株、の両方に対して、新規の抗感染因子および抗増殖因子を開発する必要性が存在する。
【0005】
抗生物質の耐性を増強するこの問題にも関わらず、臨床的な使用のための新規の主要なクラスの抗生物質は、オキサゾリジノン環を含む抗生物質、N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチルアセタミド(構造Aを参照のこと)(これは、リンゾリド(linezolid)として公知であり、そして商標Zyvox(登録商標)の下で販売されている)が2000年に米国で認可されて以来、まだ開発されていない。非特許文献3を参照のこと。
【0006】
【化42】

【0007】
リンゾリドは、グラム陽性の生物に対して活性な抗菌因子として使用が認可された。しかし、リンゾリド耐性株の生物がすでに報告されている。非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6を参照のこと。しかし、研究者らは、他の有効なリンゾリド誘導体を開発しようと取り組んでいる。研究は、オキサゾリジノン環が、リンゾリドの活性に重要であり得ることを示唆している。上記文献は、C−5にて低分子の基が置換されたオキサゾリジノン環の分子を記載し、そして初期(early)の構造−活性関係が、C−5位大きな基を有すれば有するほど、抗菌因子としての活性は低減することを示唆した。結果として、研究者らは、新規の抗菌因子を開発する際に、オキサゾリジノン環のC−5位に、大きな置換基を配置することを嫌っている。
【0008】
別のクラスの抗生物質は、マクロライド系抗生物質であり、これは、このクラスの化合物の主要な構造的特徴である14員〜16員の環にちなんで命名されている。開発された最初のマクロライド系抗生物質は、エリスロマイシンであった。これは、1952年にフィリピンの土壌のサンプルから単離された。エリスロマイシンは、最も広範に処方された抗生物質の一つであっても、エリスロマイシンには、バイオアベイラビリティーが比較的低く、胃腸管副作用が存在し、そして活性のスペクトルが限定されているという短所がある。非特許文献7、ならびに、非特許文献8を参照のこと。
【0009】
新規の治療因子についての研究において、薬学研究者らは、抗生物質分子の種々の部分を合わせること(combining)もしくは結合すること(linking)を試みた。しかし、このアプローチは、限定された成功しか経験していない。
【0010】
1997年12月2日に発行されたTruettの特許文献1は、式:
A−L−B
の抗生物質を記載し、ここで、AおよびBは、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、キノロン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン(すなわち、マクロライド系抗生物質)、メトロニダゾール(metronidzole)、テトラサイクリン、アミノ配糖体からなる群より選択され、そしてLは、二官能性結合因子から形成されるリンカーである。
【0011】
1999年12月16日に公開されたPCT出願の特許文献2は、以下の式:
(L)(X)
の抗生物質として有用なマルチ結合化合物を記載し、
ここで、Lは、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または、細菌内で細菌のリボソ−ムRNAに結合し、および/もしくはリボソームタンパク質合成に関与する1種以上のタンパク質に結合する別の化合物からなる群より選択される。式中、pは、2〜10の整数であり、qは、1〜20の整数であり、そしてXは、リンカーである。
【0012】
2000年3月7日に公開された特許文献3は、3’−N−修飾された一連の6−O−置換エリスロマイシンケトリド誘導体(例えば、以下に示される誘導体):
【0013】
【化43】

【0014】
を記載し、ここで、R、R、およびRは、種々の基(アリール基、アルコキシ基、ヘテロアリール基、アルキレン基が挙げられる)からなる群より選択され、Rは、Hまたはヒドロキシ保護基であり、Wは、存在しないか、またはO、NH、もしくはNCHであり、そしてRは、Hまたは必要に応じて置換されたアルキル基である。
【0015】
前述の事項にも関わらず、新規の抗感染因子および抗増殖因子が継続して必要とされている。さらに、多くの抗感染性因子および抗増殖因子は、抗炎症性因子として有用性を有し、そしてまたプロキネチック(胃腸管調節)因子としてもまた有用性を有するので、抗炎症因子およびプロキネティック因子として有用な新規の化合物が継続して必要とされている。本発明は、これらの必要性を満たす化合物を提供する。
【特許文献1】米国特許第5,693,791号明細書
【特許文献2】国際公開第99/63937号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6,034,069号明細書
【非特許文献1】F.D.Lowry、Antimicrobial resistance:the example of Staphylococcus aureus,J.Clin.Invest.,第111巻、第9号、pp.1265〜1273(2003)
【非特許文献2】Gold,H.S.およびMoellering、R.C.Jr.Antimicrobial−drug resistance.N.Engl.J.Med.第335巻、pp.1445−53(1996)
【非特許文献3】R.C.Moellering,Jr.,Linezolid:The First Oxazolidinone Antimicrobial,Annuals of Internal Medicine、第138巻、第2号、pp.135〜142(2003)
【非特許文献4】Tsiodrasら、Lancet、第358巻、p207(2001)
【非特許文献5】Gonzalesら、Lancet、第357巻、p1179(2001)
【非特許文献6】Zurenkoら、Proceedings Of The 39th Annual Interscience Conference On Antibacterial Agents And Chemotherapy(ICAAC)、San Francisco、CA,USA(1999年9月26日〜29日)
【非特許文献7】Yong−Ji Wu、Highlights of Semi−synthetic Developments from Erythromycin A、Current Pharm.Design、第6巻、pp181−223(2000)
【非特許文献8】Yong−Ji WuおよびWei−uo Su、Recent Development on Ketolides and Macrolides,Curr.Med.Chem,第8巻、第14号、pp1727−1758(2001)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要旨)
本発明は、抗感染因子および/または抗増殖因子(例えば、抗微生物因子、抗菌因子、抗生因子(anti−biotic agent)、抗真菌因子、抗寄生生物因子、抗ウイルス因子、および化学療法剤)として有用な化合物を提供する。本発明はまた、抗炎症因子、および/またはプロキネティック(すなわち、胃腸管調節)因子として有用な化合物を提供する。本発明はまた、これらの薬学的に受容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを提供する。
【0017】
本発明はまた、マクロライド環および以下:
【0018】
【化44】

【0019】
の式を有する少なくとも一つの複素環式部分、またはこれらの立体異性体、またはこれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグの両方を有する化合物を提供し、ここで、D−Hetは、
【0020】
【化45】

【0021】
からなる群より選択され、
Bは、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環もしくは複素環からなる群より選択され得、そして可変体A、D、E、M、R、R、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、およびR10は、詳細な説明において後に規定される、それぞれの化学部分からなる群より選択され得る。
【0022】
さらに、本発明は、前述の化合物および有用な化学中間体を合成する方法を提供し、上記化学中間体は、前述の化合物を合成するためのものである。合成に続いて、治療上有効な量の、1種以上の化合物が、抗癌因子、抗微生物因子、抗生因子、抗菌因子、抗寄生生物因子、もしくは抗ウイルス因子として使用するために、哺乳動物に投与する目的で、または、増殖性疾患、炎症性疾患、もしくは胃腸管運動障害を治療するために、薬学的に受容可能なキャリアと一緒に処方され得る。従って、化合物または処方物は、有効量の化合物を上記哺乳動物に提供するために、例えば、経口経路、非経口経路、もしくは局所経路を介して、投与され得る。
【0023】
本発明のこれらおよび他の局面および実施形態は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲を参照することにより、より十分に理解され得る。
【0024】
(発明の詳細な説明)
本発明は、抗増殖因子および/または抗感染因子として使用され得る化合物の系統を提供する。この化合物は、例えば、抗癌因子、抗微生物因子、抗菌因子、抗真菌因子、抗寄生生物因子、および/または抗ウイルス因子として、限定されずに使用され得る。さらに、本発明は、抗炎症因子(例えば、慢性の炎症性気道疾患を処置するために使用する抗炎症因子)として、そして/またはプロキネテック因子(例えば、胃腸管運動障害(例えば、胃食道逆流性疾患、胃不全麻痺(糖尿病性のものと手術後のもの)、過敏性腸症候群、および便秘症)を処置する際に使用するプロキネティック因子)として、限定されずに使用され得る化合物の系統を提供する。
【0025】
本明細書中に記載される化合物は、不斉中心を有し得る。非対称に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学的に活性な形態、またはラセミ形態で単離され得る。光学的に活性な形態の調製の仕方(例えば、ラセミ形態の分割による、または光学的に活性な出発物質からの合成による、光学的に活性な形態の調製の仕方)が当該分野において周知である。オレフィン、C=N二重結合の多くの幾何異性体などはまた、本明細書中に記載される化合物に存在し得、そしてこのようなすべての安定な異性体が、本発明中に企図される。本発明の化合物のシスおよびトランスの幾何異性体が記載され、そして異性体の混合物としてか、または分離された異性体形態として単離され得る。特定の立体化学的特徴もしくは異性体形態が具体的に示されない限り、構造のすべてのキラル形態、ジアステレオマー形態、ラセミ形態、および幾何異性体形態が意図される。本発明の化合物および本明細書中で作製される中間体を調製するために使用されるすべてのプロセスは、本発明の一部であるとみなされる。示されるかまたは記載される化合物のすべての互変体もまた、本発明の一部であるとみなされる。
【0026】
(1.定義)
本明細書中で使用される場合、用語「置換された」は、表記された原子の正常な価数が超過していない条件、およびこの置換物が、安定な化合物をもたらす条件で、表記された原子の1個以上の任意の水素が、上記示された基からの選択物で置き換えられていることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、この原子上の2個の水素が置換される。本明細書中で使用される場合、環の二重結合は、二個の隣接する環原子(例えば、C=C、C=N、もしくはN=N)間に形成される二重結合である。
【0027】
本発明は、本発明の化合物において生じる原子のすべての同位元素を包含することが意図される。同位元素は、同一の原子番号を有するが、質量数の異なる原子を包含する。一般的な例により、水素の異性体としては、トリチウムおよびデュートリウムが挙げられるが、これらに限定されない。炭素の同位元素としては、C−13およびC−14が挙げられる。
【0028】
任意の可変基(例えば、R)が、化合物の任意の構成物質(constituent)または式において1回以上生じる場合、各出現例におけるこれの定義は、他のすべての出現例における定義とは無関係である。従って、例えば、基が1個以上のR部分で置換されることが示される場合、この基は、必要に応じて、1個、2個、3個、4個、5個もしくはそれ以上のR部分で置換され得、そして各出現例におけるRは、Rの定義から無関係に選択される。また、置換基および/または可変基の組み合わせも、許容可能ではあるが、これは、このような組み合わせにより安定な化合物が生じる場合に限られる。
【0029】
置換基に対する結合が、環における2個の原子を結びつける結合と交差することが示される場合、このような置換基は、環上の任意の原子に結合され得る。置換基が、原子(この原子を介して、このような置換基が所定の式の化合物の残部に結合される)を示さずに列挙される場合、このような置換基は、このような置換基における任意の原子を介して結合され得る。このような置換基および/または可変基の組み合わせが許容可能であるが、これは、このような組み合わせにより安定な化合物が生じる場合に限られる。
【0030】
本発明の化合物中に、窒素が存在する場合、これらは、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)を用いた処理によりN−オキシドへと転換され得、本発明の他の化合物が得られる。従って、示され、そして特許請求されるすべての窒素は、上記示された窒素およびそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方を網羅するとみなされる。
【0031】
本明細書中に使用される場合、「アルキル」は、特定数の炭素原子を有する、分枝型および直鎖型の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図される。C1−6アルキルは、C、C、C、C、CおよびCのアルキル基を包含することが意図される。C1−8アルキルは、C、C、C、C、C、C、C、およびCのアルキル基を包含することが意図される。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−へキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖型または分枝型のいずれかの立体配置の炭化水素鎖、およびこの鎖に沿った安定な点で生じ得る1個以上の不飽和の炭素−炭素結合(例えば、エテニルおよびプロペニル)を含むことが意図される。C2−6アルケニルは、C、C、C、CおよびCのアルケニルの基を包含することが意図される。C2−8アルケニルは、C、C、C、C、C、CおよびCのアルケニル基を包含することが意図される。
【0033】
本明細書中で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖型または分枝型のいずれかの立体配置の炭化水素鎖、およびこの鎖に沿った任意の安定な点で生じ得る1個以上の不飽和の炭素−炭素三重結合(例えば、エチニルおよびプロピニル)を含むことが意図される。C2−6アルキニルは、C、C、C、CおよびCのアルキニルの基を包含することが意図される。C2−8アルキニルは、C、C、C、C、C、CおよびCのアルキニル基を包含することが意図される。
【0034】
さらに、「アルキル」「アルケニル」および「アルキニル」は、ジラジカル(すなわち、2の結合点を有する)である部分を含むことが意図され、本発明におけるこの例は、Lがこれらの化学基から選択される場合である。このようなアルキル部分の非限定的な例としては、ジラジカルが−CHCH−(すなわち、各末端炭素原子を介して、この分子の残部に共有結合されるCアルキル基)である。
【0035】
本明細書中に用いられる場合、「シクロアルキル」は、飽和環基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、もしくはシクロペンチル)を包含することが意図される。C3−8シクロアルキルは、C、C、C、C、CおよびCのシクロアルキル基を包含することが意図される。
【0036】
本明細書中で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードをいう。
「対イオン」は、低分子の、負に帯電した種(例えば、クロライド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、およびスルフェート)を表すために使用される。
【0037】
本明細書中で使用される場合、「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲンで置換された、特定数の炭素原子を有する、分枝型および直鎖型の、飽和脂肪族炭化水素基(例えば、−Cでは、v=1〜3であり、そしてw=1〜(2v+1)である)の両方を包含することが意図される。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ぺンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書中に使用される場合、「アルコキシ」とは、上に定義されたように、酸素ブリッジを介して指定された数の炭素原子が結合されたアルキル基をいう。C1−6アルコキシは、C、C、C、C、CおよびCのアルコキシ基を包含することが意図される。C1−8アルコキシは、C、C、C、C、C、C、CおよびCのアルコキシ基を包含することが意図される。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、s−ペントキシ、n−ヘプトキシ、およびn−オクトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書中で使用される場合、「アルキルチオ」とは、上に定義されたように、指定された数の炭素原子が硫黄ブリッジを介して結合されたアルキル基をいう。C1−6アルキルチオは、C、C、C、C、CおよびCのアルキルチオ基を包含することが意図される。C1−8アルキルチオは、C、C、C、C、C、C、CおよびCのアルキルチオ基を包含することが意図される。
【0040】
本明細書中に定義される場合、「炭素環」または「炭素環式環」は、他に明記されない限り、任意の安定な、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員または12員の、単環式、二環式、または三環式の環を意味することが意図され、これらのうちいずれもが、飽和であっても、不飽和であっても、芳香族であってもよく、特定数のメンバーを有する環が2環式でも3環式でもあり得ないことを認識する(例えば、3員環は、単環式の環でしかあり得ない)。このような炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロへキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。上に示されるように、ブリッジされた環(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)はまた、炭素環の定義に包含される。ブリッジされた環は、1個以上の炭素原子が、2個の非隣接炭素原子を結合する場合に生じる。好ましいブリッジは、1個または2個の炭素原子である。ブリッジは、常に単環式の環を三環式の環へと転換することに注目される。環がブリッジされた場合、この環に関して列挙された置換基はまた、ブリッジ上に存在し得る。縮合環(例えば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)およびスピロ環もまた包含される。また、この可変基「B」が炭素環または炭素環式環から選択される場合、この可変基は、5員環を包含せず、そしてこの環の員数の上限は10である。
【0041】
また、本明細書中に使用される場合、用語「複素環」は、他に述べられなければ、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、安定な、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員、または12員の、単環式、二環式、または三環式の環(特定数のメンバーを有する環は、2環式でも3環式でもあり得ない(例えば、3員環は、単環式でしかあり得ない)ことが認識される)であって、そして「複素環」は、炭素原子および1個以上の環ヘテロ原子(例えば、1個もしくは1〜2個もしくは1〜3個もしくは1〜4個もしくは1〜5個もしくは1〜6個のヘテロ原子)からなり、これらの環へテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄からなる群より独立して選択される。この複素環としては、任意の二環式基が挙げられ、この二環式基においては、上に定義された複素環式環のいずれかが、第二の環(例えば、ベンゼン環)に縮合される。上記窒素および硫黄のヘテロ原子は、必要に応じて、酸化(すなわち、N→OおよびS(O)、ここで、p=1または2)され得る。窒素原子が環の中に含まれる場合、これは、NもしくはNHのいずれかであり、これは、窒素原子が環中の二重結合に結合されるかいなかに依存する(すなわち、3価の窒素原子を維持するために必要とされる場合には、水素が存在する)。この窒素原子は、置換されていても置換されていなくてもよい(すなわち、RがHまたは別の置換基である場合、NもしくはNR)。上記複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子にて、安定な構造を生じるペンダント基に結合され得る。本明細書中に記載された複素環式環は、生じた化合物が安定である場合、炭素原子上または窒素原子上で置換され得る。複素環における窒素は、必要に応じて、四級化(quaternize)される。複素環におけるS原子およびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は、お互いに隣接しないことが望ましい。複素環におけるS原子およびO原子の全部の数が1以下であることが好ましい。架橋された環もまた、複素環の定義に包含される。架橋された環は、1個以上の原子(すなわち、C、O、NもしくはS)が、2個の非隣接炭素原子もしくは窒素原子を連結する場合に生じる。好ましいブリッジとしては、1個の炭素原子、2個の炭素原子、および1個の窒素原子、2個の窒素原子、および1個の炭素−窒素基が挙げられるが、これらに限定されない。ブリッジが、常に単環式の環を三環式の環へと転換されることが注目される。環がブリッジされた場合、この環に関して列挙された置換基はまた、ブリッジ上に存在し得る。スピロ環および縮合環もまた包含される。また、上記可変基「B」が複素環より選択される場合、この可変基は、5員環を含まず、そしてこの環の員数の上限は、10である。
【0042】
本明細書中で使用される場合、用語「芳香族複素環」または「ヘテロアリール」は、安定な、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員または12員の、単環式または二環式の、芳香族の環を意味することが意図される(特定の員数を有する環は、二環式の芳香族ではあり得ず(例えば、5員環は、単環式の芳香族の環でしかあり得ない)ことが認識される)、上記単環式または二環式の、芳香族の環は、炭素原子、ならびに独立して、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される、1個もしくは1〜2個もしくは1〜3個もしくは1〜4個もしくは1〜5個もしくは1〜6個のへテロ原子からなる。二環式の複素環式芳香族環の場合、2個の環のうち、1個のみが芳香族(例えば、2,3−ジヒドロインドール)である必要があり、両方が芳香族であってもよい(例えば、キノリン)。複素環に関しては、第二の環はまた、上に定義されたように、縮合されるか、またはブリッジされ得る。窒素原子は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい(すなわち、NまたはNR(ここで、Rは、Hもしくは上に定義されたような別の置換基である))。窒素および硫黄のヘテロ原子は、必要に応じて、酸化され得る((すなわち、N→OおよびS(O)、ここで、p=1または2)。芳香族複素環におけるS原子およびO原子の総数は、1以下であることに注意されるべきである。また、可変基「B」が芳香族複素環またはヘテロアリールから選択される場合、可変基「B」は、5員環を含まず、そしてこの環における員数の上限は、10である。
【0043】
複素環の例としては、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジオゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナンチリジニル、フェナントリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾール、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チオジアゾリル、1,3,4−チオジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−チアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書中で用いられる場合、種々の炭素含有部分(例えば、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」「フェニル」およびこれらの任意のバリエーションが挙げられる)を記載するために使用される用語は、1価、2価または多価の種を包含することが意図される。例えば、「C1−6アルキル−R」は、R基で置換された1価のC1−6アルキル基を表すことが意図され、そして「O−C1−6アルキル−R」は、酸素原子およびR基で置換された2価のC1−6アルキル基(すなわち、「アルキレン」基)を表すことが意図される。
【0045】
本明細書中で使用される場合、句「薬学的に受容可能な」とは、ヒトおよび動物の組織と接触する使用に適し、確かな医学的判断の範囲内では過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わない、妥当な利点/リスク比の、化合物、物質および組成物、ならびに/または投薬形態をいう。
【0046】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能な塩」とは、開示された化合物の誘導体をいい、ここで、この親化合物は、酸性塩もしくは塩基性塩を作製することにより修正される。薬学的に受容可能な塩の例としては、塩基性残基の鉱酸または有機酸塩(例えば、アミン類);酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
薬学的に受容可能な塩としては、例えば、無毒性の無機酸もしくは有機酸から形成された親化合物の、従来の無毒性の塩もしくは4級アンモニウム塩を包含する。例えば、このような従来の無毒性の塩としては、以下から選択される無機酸および有機酸から形成されるものが挙げられるが、これらに限定されない:2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコールリアサニィック酸(glycollyarsanilic acid)、ヘキシルレゾシン酸、ヒドラバミック(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸(napsylic acid)、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、塩基性酢酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸。
【0047】
本発明の薬学的に受容可能な塩は、従来の化学的方法による塩基性部分もしくは酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般的に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態もしくは遊離塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中またはこれらの混合物中で適切な塩基もしくは酸の化学量論と、反応させることにより調製され得る;一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、もしくはアセトニトリルのような非水性溶媒が好ましい。適切な塩の一覧表は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版、Mack Publishing Company、Easton,PA、USA、p1445(1990)に見出される。
【0048】
プロドラッグは、医薬品の多くの品質(例えば、溶解度、バイオアベイラビレティー、製造など)を増強することが公知であるので、本発明の化合物は、プロドラッグの形態で送達され得る。従って、本発明は、現在特許請求される化合物、この化合物を送達する方法、およびこの組成物を含有する組成物を網羅することが意図される。「プロドラッグ」とは、このようなプロドラッグが哺乳類の被験体に投与される場合に、本発明の活性な親薬物をインビボで放出する任意の共有結合されたキャリアを包含することが意図される。本発明のプロドラッグは、化合物中に存在する官能基を修飾することにより、調製され、この改変は、慣用的な操作またはインビボのいずれかで親化合物と切断される。
【0049】

プロドラッグとしては、ヒドロキシ基、アミノ基、もしくはスルフヒドリル基が任意の基に結合される本発明の化合物を包含し、ここで、
本発明のプロドラッグが哺乳類の被験体に投与される場合、遊離のヒドロキシル基、遊離のアミノ基、または遊離のスハフヒドリル基をそれぞれ形成するように切断する。プロドラッグの例としては、本発明の化合物のアルコールおよびアミン官能基の、アセテート誘導体、フォルメート誘導体、およびベンゾエート誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの純度が有用な程度にまでの単離および有効な治療材への処方に対して十分に強固な化合物を意図することが意味される。現在列挙された化合物は、N−ハロ、S(O)H、もしくはS(O)H基を含まないことが好まれる。
【0051】
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「処置」は、哺乳動物(特にヒト)における疾患状態の処置を意味し、これとしては:(a)哺乳動物において、上記疾患状態が生じるのを防止する工程(特に、このような哺乳動物が疾患状態に罹患しやすくなるが、これを有するとは診断されていない場合);(b)この疾患状態を阻害する工程(すなわち、これの発展を停止させる工程);ならびに/または(c)この疾患状態を緩解する工程(すなわち、疾患状態の回帰を引き起こす工程)、が挙げられる。
【0052】
本明細書中で用いられる場合、「哺乳動物」とは、ヒトの患者およびヒト以外の患者をいう。
【0053】
本明細書中で用いられる場合、用語「治療上有効な量」とは、単独でかもしくは抗増殖因子および/もしくは抗感染因子と組み合わせて投与される場合に有効な、本発明の化合物の量、または化合物の組み合わせの量をいう。化合物の組み合わせは、好ましくは、相乗の組み合わせである。本明細書中に記載された場合、相乗作用は、例えば、ChouおよびTalalay,Adv.Enzyme Regul.第22巻、pp.27−55(1984)に記載されるように、この化合物の効果が、組み合わされて投与された場合に、単剤として単独で投与された場合の化合物の相加効果よりも大きい場合に生じる。一般的に、相乗作用は、化合物の最適下の濃度で、最も明確に実証される。相乗作用は、個々の成分と比較して、細胞毒性が低下し、抗増殖作用および/または抗感染作用がより増強され、または他のいくつかの有益な作用の組み合わせという観点からであり得る。
【0054】
本明細書中に使用されるすべての百分率および比率は、他に示されない限り、重量が基準である。
【0055】
この記載全体を通して、組成物が特定の成分を、有するか、含有する(include or comprise)場合、またはプロセスが、特定のプロセスの工程を、有するか、含む(include or comprise)する場合、本発明の組成物もまた、列挙された成分から本質的になるか、または列挙された成分からなることが企図される。そして本発明のプロセスはまた、本質的に、列挙されたプロセシング工程からなるかまたは列挙されたプロセシング工程からなることが企図される。さらに、特定の作用を遂行するための、工程の順序または特定の作用を実行するための順序は、本発明が実施可能のままである限り、重要でないことが理解されるべきである。さらに、2以上の工程または作用は、同時に行われ得る。
【0056】
(2.本発明の化合物)
一つの局面では、本発明は、以下の式:
【0057】
【化46】

【0058】
を有する化合物、または薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはこれらのプロドラッグを提供し、
ここで:
D−Hetは、以下:
【0059】
【化47】

【0060】
からなる群より選択され、
Aは、以下:
a)C1−6アシル、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、およびd)−C(O)−C2−6アルケニル
からなる群より選択され、
ここで、
i)a)〜d)のいずれかの1個以上の炭素原子は、O、S(O)、およびNR11からなる群より選択される部分により置き換えられ、そして
ii)a)〜d)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
Bは、以下:
a)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される、1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜4員の、飽和または不飽和の、複素環、
b)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される、1個以上のヘテロ原子を含む、6員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族複素環、
c)3員〜4員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の炭素環、
d)6員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、
からなる群より選択され、ここで、a)〜d)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
B−Dは、以下:
a)B−C1−6アルキル、b)B−C2−6アルケニル、c)B−C1−6アルキニル、d)B−O−C1−6アルキル、e)B−O−C1−6アルケニル、f)B−O−C1−6アルキニル、g)B−NR11−C1−6アルキル、h)B−NR11−C1−6アルケニル、i)B−NR11−C1−6アルキニル、j)B−S(O)−C1−6アルキル、k)B−S(O)−C1−6アルケニル、およびl)B−S(O)−C1−6アルキニル、からなる群より選択され
ここで、a)〜l)のいずれかは、必要に応じて、=O、=S、=NOR11、およびR12からなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
Eは、以下:
【0061】
【化48】

【0062】
d)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含み、そして、必要に応じて、1個以上のR12基で置換された、5員〜10員の、飽和、不飽和もしくは芳香族の、複素環、
e)必要に応じて1個以上のR12基で置換された、C5〜10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、
f)C1−8アルキル、
g)C2−8アルケニル、
h)C2−8アルキニル、
i)C1−8アルコキシ、
j)C1−8アルキルチオ、
k)C1−8アシル、
l)S(O)11、ならびに
m)水素、
からなる群より選択され;
ここで、f)〜k)のいずれかは、必要に応じて、以下:
i)1個以上のR12
ii)窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含み、そして必要に応じて、1個以上のR12基で置換された、5員〜6員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、または
iii)必要に応じて1個以上のR12基で置換された、C5〜10の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、
で置換され;
Mは、以下:
a)−C(O)−、b)−C(=NOR11)−、c)−CH(−OR11)−、d)−NR11−CH−、e)−CH−NR11−、f)−CH(NR1111)−、g)−C(=NNR1111)−、h)−NR11−C(O)−、i)−C(O)NR11−、およびj)−C(=NR11)−
からなる群より選択され;
Rは、HおよびC1−6アルキルからなる群より選択され;
は、以下:
a)H、b)Cl、c)F、d)Br、e)I、f)−NR1111、g)−NR11C(O)R11、h)−OR11、i)−OC(O)R11、j)−OC(O)OR11、k)−OC(O)NR1111、l)−O−C1−6アルキル、m)−OC(O)−C1−6アルキル、n)−OC(O)O−C1−6アルキル、o)−OC(O)NR11−C1−6アルキル、p)C1−6アルキル、q)C1−6アルケニル、r)C1−6アルキニル、
からなる群より選択され、
ここで、l)〜r)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
は、Hであり;
は、以下:
a)H、b)−OR11、c)−O−C1−6アルキル−R12、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)−C1−6アルキル−R12、f)−OC(O)OR11、g)−OC(O)O−C1−6アルキル−R12、h)−OC(O)NR1111、i)−OC(O)NR11−C1−6アルキル−R12、および
j)
【0063】
【化49】

【0064】
からなる群より選択され、
あるいは、RおよびRは、一緒になって、カルボニル基を形成し;
は、以下:
a)H、b)−R11、c)−C(O)R11、d)−C(O)OR11、e)−C(O)NR1111、f)−C1−6アルキル−G−R11、g)−C2−6アルケニル−G−R11、およびh)C2−6アルキニル−G−R11
からなる群より選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、
【0065】
【化50】

【0066】
を形成し;
Gは、以下:
【0067】
【化51】

【0068】
からなる群より選択され;
は、以下:
【0069】
【化52】

【0070】
からなる群より選択され;
あるいは、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、以下:
【0071】
【化53】

【0072】
を形成し、
ここで、
Qは、CHまたはNであり、そして
23は、−OR11、もしくはR11であり;
は、以下:
a)−OR11、b)−C1−6アルコキシ−R12、c)−C(O)R11、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)OR11、f)−OC(O)NR1111、およびg)−NR1111からなる群より選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、以下:
【0073】
【化54】

【0074】
からなる群より選択されるリンカーを介したお互いへの結合により、5員環を形成し、
あるいは、M、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、以下:
【0075】
【化55】

【0076】
を形成し、
ここで、Jは、OおよびNR11からなる群より選択され;
6’は、以下:
a)H、b)−C1−4アルキル、c)C1−12アルキルもしくは1個以上のハロゲンでさらに置換され得る−C2−4アルケニル、d)C1−12アルキルもしくは1個以上のハロゲンでさらに置換され得る−C2−4アルキニル、e)C1−12アルキルもしくは1個以上のハロゲンでさらに置換され得る、アリールまたはヘテロアリール、f)−C(O)H、g)−COOH、h)−CN、i)−COOR11、j)−C(O)NR1111、k)−C(O)R11、およびl)−C(O)SR11、およびl)−C(O)SR11、からなる群より選択され、ここで、b)は、aa)−OR11、bb)ハロゲン、cc)−SR11、dd)ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ、もしくはアミノでさらに置換され得る、C1−12アルキル、ee)−OR11、ff)−SR11、gg)−NR1111、hh)−CN、ii)−NO、jj)−NC(O)R11、kk)−COOR11、ll)−N、mm)=N−O−R11、nn)=NR11、oo)=N−NR1111、pp)=N−NH−C(O)R11、およびqq)=N−NH−C(O)NR1111からなる群より選択され得る1個以上の置換基でさらに置換され、
あるいは、RおよびR6’は、これらが結合する原子と一緒になって、エポキシド、カルボニル、オレフィン、もしくは置換されたオレフィン、もしくはC〜C炭素環式、カーボネート、またはカーバメートを形成し、ここで、上記カーバメートの窒素は、C〜Cアルキルでさらに置換され得;
は、以下:
a)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニル、およびc)C2−6アルキニル、からなる群より選択され、
ここで、a)〜c)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
は、Hおよび−C(O)R11からなる群より選択され;
は、H、OH、およびOR11からなる群より選択され;
10は、以下:
a)H、b)R11、c)−C1−6アルキル−G−R11、d)−C2−6アルケニル−G−R11、およびe)−C2−6アルキニル−G−R11からなる群より選択され、
ここで、c)〜e)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
11は、各出現例で、以下:
a)H、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C6−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、g)−C(O)−C1−6アルキル、h)−C(O)−C2−6アルケニル、i)−C(O)−C2−6アルキニル、j)−C(O)−C6−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、l)−C(O)O−C1−6アルキル、m)−C(O)O−C2−6アルケニル、n)−C(O)O−C2−6アルキニル、o)−C(O)O−C6−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、p)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)O−3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、ならびにq)−C(O)NR1313
からなる群より独立して選択され、ここで、b)〜p)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され、
あるいは、NR1111は、窒素原子を含む、3員〜7員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の環を形成し、この環は、上記窒素原子に、R11基が結合される窒素原子、ならびに必要に応じて、O、S(O)、NおよびNR15からなる群より選択される一つ以上の部分を含み;
12は、以下:
a)R14、b)C1−8アルキル、c)C2−8アルケニル、d)C2−8アルキニル、e)C3−12の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、ならびにg)−NR15C(O)OR15
からなる基より選択され、ここで、b)〜f)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR14基で置換され;
13は、各出現例で、独立して、以下:
a)H、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、
ここで、b)〜f)のいずれかは、必要に応じて、以下:
【0077】
【化56】

【0078】
an)C1−8アルキル、ao)C1−8アシル、ap)飽和、不飽和、もしくは芳香族の、C3−10炭素環、ならびにaq)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、3員〜10員の複素環、
からなる群より選択される1個以上の部分で置換され、
あるいは、NR1313は、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の環を形成し、この環は、上記R13基が結合される窒素原子、および必要に応じて、O、S(O)、N、およびNR15からなる群より選択される1個以上の部分を含み;
あるいは、CR1313は、カルボニル基を形成し;
14は、各出現例で、以下:
【0079】
【化57】

【0080】
dd)C1−6アルキル、ee)C2−6アルケニル、ff)C2−6アルキニル、gg)(CR1313−C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにhh)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、
ここで、dd)〜hh)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR16基で置換され;
あるいは、2個のR14基は、−O(CHO−を形成し得;
15は、以下:
a)H、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、g)−C(O)−C1−6アルキル、h)−C(O)−C1−6アルケニル、g)−C(O)−C1−6アルキニル、i)−C(O)−C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の炭素環、ならびにj)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、からなる群より選択され、
ここで、b)〜j)のいずれかは、必要に応じて、aa)H、bb)F、cc)Cl、dd)Br、ee)I、ff)CN、gg)NO、hh)OH、ii)NH、jj)NH(C1−6アルキル)、kk)N(C1−6アルキル)、ll)C1−6アルコキシ、mm)アリール、nn)置換されたアリール、oo)ヘテロアリール、pp)置換されたヘテロアリール、ならびにqq)アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、NO、およびOHからなる群より選択される1個以上の部分で必要に応じて置換されたC1−6アルキル、
からなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
16は、各出現例で、独立して、以下;
a)R17、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C3−10の飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、ここで、b)〜f)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR17基で置換され;
17は、各出現例で、独立して、以下:
【0081】
【化58】

【0082】
x)C2−6アルケニル、y)C2−6アルキニル、z)(CR1313−C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにaa)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、
ここで、w)〜aa)のいずれかは、必要に応じて、R13、F、Cl、Br、I、CN、NO、−OR13、−NH、−NH(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、およびC1−6アシル、
からなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
18は、各出現例で、独立して、以下:
【0083】
【化59】

【0084】
からなる群より選択され;
あるいは、2個のR18の基は、一緒になって、=O、=NOR15、もしくは=NNR1515を形成し;
19は、R12であり;
20は、以下:
a)R13、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)NO、およびh)−OR11
からなる群より選択され;
あるいは、R19およびR20は、一緒に、−O(CHO−であり;
21は、各出現例で、独立して、以下:
a)H、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)−OR11、h)−NO、i)−NR1111、j)C1−6アルキル、k)C1−6アシル、およびl)C1−6アルコキシ、
からなる群より選択され;
22は、以下:
a)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニル、c)C2−6アルキニル、d)C1−6アシル、e)C1−6アルコキシ、f)C1−6アルキルチオ、g)飽和、不飽和、もしくは芳香族の、C5−10炭素環、h)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、5員〜10員の複素環、i)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−O−C1−6アルキル−飽和、不飽和、もしくは芳香族の5員〜10員の複素環、j)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−NR11−C1−6アルキル−飽和、不飽和、もしくは芳香族5員〜10員の複素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、10員の二環式環系、l)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族13員の3環式環系、m)−OR11、n)−NR1111、o)−S(O)11、およびp)−R21
からなる群より選択され、ここで、a)〜l)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
あるいは、R22および一つのR21基は、これらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5員〜7員の飽和もしくは不飽和の炭素環を形成するか;または、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて、1個以上のR12基で置換された、5員〜7員の、飽和もしくは不飽和の複素環を形成し;
23は、各出現例で、独立して、以下:
a)水素、b)電子求引基、c)アリール、d)置換されたアリール、e)ヘテロアリール、f)置換されたヘテロアリール、およびg)1個以上のR12基で必要に応じて置換されたC1−6アルキル、
からなる群より選択され;
あるいは、任意のR23および任意のR20は、これらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換された、5員〜7員の、飽和もしくは不飽和の炭素環を形成するか;または、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換された、5員〜7員の、飽和もしくは不飽和の複素環を形成し;
pは、各出現例で、0、1、および2からなる群より選択され;
rは、各出現例で、0、1、および2からなる群より選択され;
tは、各出現例で、0、1、および2からなる群より選択され;そして
uは、各出現例で、1、2、3および4からなる群より選択される。
【0085】
前述の化合物の実施形態としては、以下の式:本質的に
【0086】
【化60】

【0087】
を有する化合物、この薬学的に受容可能な塩、エステル、プロドラッグが挙げられ、ここで、A、B、D、E、M、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、R10は、上文に規定される通りである。
【0088】
前述の化合物の他の実施形態としては、以下の式:
【0089】
【化61】

【0090】
【化62】

【0091】
を有する化合物、この薬学的に受容可能な塩、エステル、プロドラッグが挙げられ、ここで、A、B、E、M、R、R10は、上文に規定される通りである。
【0092】
前述の化合物のさらに他の実施形態としては、以下の式:
【0093】
【化63】

【0094】
【化64】

【0095】
からなる群から選択される式を有する化合物、この薬学的に受容可能な塩、エステル、プロドラッグが挙げられ、ここで、A、B、E、R10は、上文に規定される通りである。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態では、Bは、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜4員の、飽和または不飽和の、複素環、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される、1個以上のヘテロ原子を含む、6員〜7員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、ならびに3員〜4員もしくは6員〜7員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、からなる群より選択され、ここで、上記複素環または炭素環は、必要に応じて、上文に規定されるように1個以上のR12基で置換され得る。
【0097】
他の実施形態では、Bは、以下:
【0098】
【化65】

【0099】
からなる群より選択される。
【0100】
本発明の特定の実施形態であって、A−B−Dは、以下の式:
【0101】
【化66】

【0102】
を有する。
【0103】
本発明の他の実施形態としては、以下の式:
【0104】
【化67】

【0105】
を有する化合物、もしくはこれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグが挙げられる。
【0106】
別の局面では、本発明は、治療上有効な量の1種以上の前述の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物を提供する。なお別の局面では、本発明は、哺乳動物において、本発明の有効量の化合物または本発明の有効量の薬学的組成物を投与することにより、微生物の感染、真菌の感染、寄生生物病、増殖性疾患、ウイルス感染、炎症疾患、または胃腸運動障害を処置するための方法を提供する。この局面の実施形態において、化合物は、経口投与されるか、非経口投与されるか、または局所投与される。さらに別の局面では、本発明は、前述の化合物のいずれか1種を合成するための方法を提供する。別の局面では、本発明は、1種以上の前述の化合物を含むか、これらに被覆された、医学的デバイス(例えば、医学的ステント)を提供する。
【0107】
本発明は、環式のリンカーを介してマクロライドに結合される複素環式側鎖の少なくとも一部を含むハイブリッド抗生物質の系統をさらに提供する。この抗生物質の合成において有用な、例示的なマクロライド、リンカー、および複素環式の側鎖としては、以下に示される化学部分
【0108】
【化68】

【0109】
【化69】

【0110】
【化70】

【0111】
【化71】

【0112】
【化72】

【0113】
【化73】

【0114】
【化74】

【0115】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
上記リンカー基としては、マクロライドおよび複素環式側鎖は、環原子の価数が超過していない条件で、この環内で、個々に任意の原子へと結合され得ることが理解されるべきである。例えば、リンカーB1に関して、上記マクロライドは、環内の炭素原子または窒素原子へと結合され得る。このマクロライドが炭素原子に結合される場合、複素環式の側鎖は、このマクロライドが結合される炭素原子を含む、この環内の任意の炭素原子または窒素原子に結合され得る。このマクロライドが窒素原子に結合される場合、複素環式の側鎖は、任意の炭素原子または窒素原子へと結合され得、これらの原子には、マクロライドが結合されない(すなわち、上記マクロライドおよび側鎖は、同一の窒素原子へと結合され得ない)。
【0117】
【化75】

【0118】
【化76】

【0119】
マクロライドと複素環式側鎖とのリンカーを介した結合を示す例示的なスキームは、以下に記載され、ここで、mは、1、2、3、または4であり得る:
【0120】
【化77】

【0121】
上記例示的なスキームは、以下の化学的な説明へと集約され得る。
【0122】
【化78】

【0123】
ここで、Mは、上に示されるように、M1〜M22からなる群より選択されるマクロライドであり、Bは、上に示されるようなB1〜B83からなる群より選択されるリンカーであり、Oは、上に示されるようなO1〜O16からなる群より選択される複素環式側鎖であり、そしてmは、1〜4の整数である。
【0124】
上記種々のマクロライド系抗生物質は、当該分野で公知の従来の化学的性質(例えば、本明細書中に議論されるもの)を用いて、リンカーを介して、種々の複素環式側鎖に連結され得る。提供された化学部分の種々の組み合わせを用いることにより、当業者は、本発明の例示的な化合物の1個以上を合成し得る。これらの例示的な部分に基づいて製造され得る化合物の非限定的な例は、このマクロライド部分がM1から選択される場合、これらのリンカー部分は、B1より選択され、このB1は、長さが可変の鎖部分がm=1より選択され、有し、そして複素環式鎖部分は、O1より選択される。当業者は、これらの例示された部分のみが、116,864(すなわち[22マクロライド]×[83リンカー]×[各リンカーに対して4鎖長]×[16複素環式側鎖]=116,864)のユニークな化合物を記載するために組み合わせられ得る。
【0125】
(3.本発明の化合物の合成)
別の局面では、本発明は、本発明の化合物を作製するための方法を提供する。以下のスキーム1−4は、本発明の化合物を合成するために利用可能ないくつかの例示的な化学的性質を描写する。しかし、所望の化合物が、当該分野において公知の他の代替的な化学的性質を用いて合成され得ることが理解される。
【0126】
マクロライド系抗生物質のデキサミン糖(desosamine sugar)のジメチルアミノ基は、モノデメチル化され、対応する第二級アミンを生成し得る(米国特許第3,725,385号、Flynnら(1954)、J.Am.Chem.Soc.76:3121;Kuら(1997)、Bioorg.Med.Chem.Lett.,7:1203;Stenmarkら(2000)、J.Org.Chem.,65:3875)。例えば、デキサミン誘導体1は、エリスロマイシンの分解から入手可能である。類似の化学物質が、使用され、アミン2をアジスロマイシンから生成し得る。
【0127】
【化79】

【0128】
モノデメチル化マクロライド系抗生物質(例えば、アミン1およびアミン2)は、当業者に公知の化学反応を用いて、例えば、適切な求電子試薬でアルキル化され、リンカーおよび複素環式側鎖基(例えば、上に例示されたようなものおよび本明細書中で特許請求されるもの)を含む本発明の化合物を生成する。
【0129】
【化80】

【0130】
スキーム1は、C−5にてフェニル誘導体へ置換されたオキサゾリジノンの合成を図示する。型101のアリールブロマイド(aryl bromide)は、アルキルリチウム試薬で処理され、アリールリチウム種を形成し、そしてこれに続いて、銅(I)の塩を用いた処理により、アリール銅塩が形成される。シリル保護基の脱保護の後、このような銅塩をオキサゾリジノン誘導体18a−cに添加することで、型102の誘導体が得られる。102の第1級アルコールは、アルキルスルホン酸誘導体またはハライドに転換され、その後、マクロライド誘導体1により置換(displace)され得、型103の標的化合物を得た。
【0131】
【化81】

【0132】
スキーム2は、型104のブロモピリジンがスキーム1と類似の様式でどのように処理され、型105のC−5ピリジン誘導体を生じ得るかを図示する。
【0133】
【化82】

【0134】
スキーム3は、アミド結合されたC−5ベンゾイル誘導体の合成を図示する。アジド19が還元され、対応するC−5アミノオキサゾリジノンを得る。このようなアミンは、106に類似した置換された安息香酸誘導体を用いて、アミドへと容易に転換され得る。次いで、生じたカップリング生成物107は、マクロライド誘導体1をアルキル化し、型108の標的化合物を生成し得る。
【0135】
【化83】

【0136】
スキーム4は、型111のC−5アニリン誘導体の合成を図示する。置換されたアニリン誘導体109は、オキサゾリジノン18a−cを用いてアルキル化され、型110の化合物を生成する。次いで、生じた第1級アルコールが、スキーム1に記載されるものと類似の手順を用いて、脱離基へと転換され、次いで、マクロライド誘導体1を用いてアルキル化され、標的化合物111を生成し得る。
【0137】
上記スキーム1〜4に記載の化合物に加えて、当業者は、当該分野で公知の化学反応を用いて、種々の他のマクロライド、リンカー、および側鎖部分を含む化合物(表1に列挙される化合物が挙げられるが、これらに限定されない)を合成し得る。
【0138】
(4.本発明の化合物の特徴)
上に記載された方法により、設計され、選択され、そして/または最適化された化合物は、一度生成されれば、当業者に公知の種々のアッセイを用いて特徴付けられ、この化合物が生物学的活性を有するかが決定され得る。例えば、この分子は、従来のアッセイ(以下に記載のアッセイが挙げられるが、これらに限定されない)により、特徴付けられ、これらが予想された活性、結合活性および/または結合特異性を有するか否かが決定され得る。
【0139】
さらに、高処理能力のスクリーニングは、このようなアッセイを用いた分析をスピードアップするために使用され得る。結果として、本明細書中に記載される分子(例えば、抗癌因子、抗細菌因子、抗真菌因子、抗寄生生物因子、または抗ウイルス因子)を、活性について迅速にスクリーニングし得る。また、当該分野で公知の技術を用いて、この化合物とリボソームまたはリボソームサブユニットとの相互作用の仕方をアッセイし得、そして/またはこの化合物は、タンパク質合成のモジュレーター(例えば、インヒビター)として有効であるか否かをアッセイし得る。高処理能力スクリーニングを遂行するための一般的な方法論が、例えば、Devlin(1998)High Throughput Screening,Marcel Dekker;および米国特許第5,763,263号において記載されている。高処理能力アッセイは、1種以上の異なるアッセイ技術(例えば、以下に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない)が使用され得る。
【0140】
(1)表面結合研究:種々の結合アッセイは、新規の分子を結合活性に関してスクリーニングする際に有用であり得る。一つのアプローチとしては、表面プラズモン共鳴(SPR)が挙げられ、この表面プラズモン共鳴は、目的の分子の、リボソーム、リボソームサブユニット、またはこのフラグメントに対する結合特性を評価するために使用され得る。
【0141】
SPR方法論は、2以上の巨大分子間の相互作用を、量子力学表面プラズモンの生成を介してリアルタイムで測定する。一つのデバイス、(BIAcore Biosensor RTM Pharmacia Biosensor,Piscatawy,N.J.)は、デソザミンの光の集束ビームを、金フィルム(これは、使い捨てのバイオセンサー「チップ」として提供される)と、使用者により調節され得る緩衝液分画(buffer compartment)との間の界面に提供する。目的の検体の共有結合性の固定化のためのマトリックスを提供する、カルボキシル化されたデキストランからなる、100nmの厚さの「ヒドロゲル」は、上記金フィルムに結合される。焦点当てされた光が、金フィルムの自由電子雲(free−electron cloud)と相互作用する場合、プラズモン共鳴が増強される。生じた反射光は、最適に共鳴を発する波長でスペクトルが減少される。この反射多色光を(プリズムにより)成分波長に分離し、そして減少された周波数を決定することにより、このBIAcoreは、生成された表面プラズモン共鳴の挙動を正確に報告する光学界面を達成する。上記のように設計された場合、上記プラズモン共鳴(従って、減少スペクトル)は、エバセント場(evanescent field)(これは、大まかに言えば、ヒドロゲルの厚さに対応する)における質量に敏感である。相互作用対の一つの成分がヒドロゲルに固定化される場合、相互作用のパートナーが、緩衝液画分(buffer compartment)を通して提供され、2つの成分間の相互作用は、減少したスペクトルにより測定される場合、エバセント場における質量の累積および表面プラズモン共鳴の対応する効果に基づいて、リアルタイムで測定され得る。この系は、上記分子の相互作用の迅速でかつ高感度のリアルタイム測定を可能にし、その際、いずれの成分を標識する必要もない。
【0142】
(2)蛍光偏光(Fluorescence Polarization)
蛍光偏光(FP)は、2個の分子間の会合反応のIC50およびKを導き出すために、タンパク質−タンパク質、タンパク質−リガンド、またはRNA−リガンドの相互作用に容易に適用され得る測定技術である。この技術では、目的の分子の一つが、フルオロフォアと接合され得る。これは、一般的に、この系におけるより小さい分子(この場合、目的の化合物)である。このサンプル混合物(リガンド−プローブ接合体およびリボソーム、リボソームサブユニットまたはこれらのフラグメントの両方を含む)は、垂直に偏光した光で励起される。光は、プローブのフルオロフォアにより吸収され、そして短時間後に再度放出される。この放出光の偏光の程度が測定される。放出光の偏光は、いくつかの因子に依存するが、最も重要なことには、溶液の粘度およびこのフルオロフォアの見かけ上の分子量に依存する。適切なコントロールを用いれば、放出された光の偏光の変化の度合は、このフルオロフォアの見かけ上の分子量の変化にのみ依存し、それは、今度は、このプローブ−リガンド接合体が、溶液中で遊離しているか、またはレセプターに結合されているかに依存する。FPに基づく結合アッセイは、多くの重要な利点(これとしては、真正の均質な平衡条件下でのIC50およびKの測定、自動化に対する分析の速度および特典、ならびに曇った懸濁液および色付溶液中でスクリーニングをする能力が挙げられる)を有する。
【0143】
(3) タンパク質合成
前述の生化学的アッセイによる特徴付けに加えて、目的の化合物もまた、リボソームまたはリボソームサブユニットの機能的活性のモジュレーター(例えば、タンパク質合成のインヒビター)として特徴付けられることが企図される。
【0144】
さらに、より特異的なタンパク質の合成阻害アッセイは、この化合物を、生物、組織、器官、オルガネラ、細胞、細胞性抽出物、細胞下抽出物(subcellular extract)もしくは精製リボソーム調製物に投与する工程、ならびに、例えば、タンパク質合成を阻害するための阻害定数(IC50)を決定することによりこの薬理学的特性および阻害的特性を観察する工程により遂行され得る。Hロイシンもしくは35Sメチオニンの取り込み、または同様の実験は、タンパク質合成の活性を調査するために実行され得る。目的の分子の存在下での、細胞中のタンパク質合成の量および速度の変化は、この分子がタンパク質合成のモジュレーターであることを示唆する。タンパク質合成の速度および量の減少は、この分子がタンパク質合成のインヒビターであることを示唆する。
【0145】
さらに、上記化合物は、細胞レベルで、抗増殖特性または抗感染特性に関してアッセイされ得る。例えば、この標的の生物が微生物である場合、目的の化合物の活性は、目的の微生物を、この化合物を含有する培地またはこの化合物を含有しない培地のいずれかの中で増殖させることにより、アッセイされ得る。増殖の阻害は、この分子がタンパク質合成インヒビターとして作用し得ることを示唆し得る。より具体的には、目的の化合物の細菌病原体に対する活性は、ヒト病原体の規定株の増殖を阻害するために、この化合物の能力により実証され得る。この目的のために、細菌株(これは、種々の標的病原体種を包含する)が組み立てられ、いくつかは、特徴付けられた耐性メカニズムを含む。このような生物の使用によって、潜在能力およびスペクトルに関してのみならず、耐性のメカニズムを除去する目的でもまた、構造−活性の関係の決定により可能になる。このアッセイは、The National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS) guidelines(NCCLS.M7−A5−Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard−Fifth Edition.NCCLS Document M100−S12/M7(ISBN 1−56238−394−9))により公開された通りに、従来の方法論に従って、ミクロタイタートレー中で遂行され得る。
【0146】
(5. 処方および投与)
本発明の化合物は、ヒトまたは他の動物の種々の障害(例えば、細菌感染、真菌感染、ウイルス感染、寄生生物病、およびがんが挙げられる)の予防または処置において有用であり得る。一度同定されれば、本発明の活性分子は、使用前に、任意の適切なキャリア中に組み込まれ得ることが企図される。活性分子の用量、投与様式、および適切なキャリアの使用は、意図されたレシピエントおよび標的生物に依存する。獣医学的使用および医学的使用の両方に関して、本発明に従う、この化合物の処方物は、代表的には、このような化合物を、薬学的に受容可能なキャリアと関連して含有する。
【0147】
上記キャリアは、この処方物の他の成分と適合性であり、そしてレシピエントにとって有害ではないという意味で、「受容可能」であるべきである。この点に関して、薬学的に受容可能なキャリアは、溶剤、分散媒、被覆物、抗細菌因子および抗真菌因子、等張剤および吸収遅延剤などのいずれかまたはすべてを含有し、そして薬学的投与に適合性であることが意図される。薬学的に活性な物質に適したこのような媒体および因子の使用が、当該分野で公知である。従来の媒体および因子が活性な化合物と不適合性である場合を除き、組成物中におけるこれらの使用が企図される。(本発明に従って同定もしくは設計され、そして/または当該分野で公知である)補充性の活性な化合物もまた、この組成物中に組み込まれ得る。この処方物は、便宜上、投薬単位形態で与えられ、そして薬学/微生物学の分野で周知のいずれかの方法により、調製され得る。一般に、いくつかの処方物が、この化合物を液体キャリアもしくは細かく分割された固形キャリアまたはその両方と会合させることにより、次いで、必要な場合には、この生成物を所望の処方物へと成形することにより、調製される。
【0148】
本発明の薬学的組成物は、意図された投与経路と適合性であるように処方されるべきである。投与経路の例としては、経口投与もしくは非経口投与(例えば、静脈内投与、皮内投与、吸入投与、経皮性投与(局所投与)、経粘膜投与および直腸投与)が挙げられる。非経口適用、皮内適用、または皮下適用のために用いられる溶液または懸濁液としては、以下:無菌希釈液(例えば、注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレン、グリコールもしくは他の合成溶媒);抗菌因子(例えば、ベンジルアルコールもしくはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸もしくは重硫酸ナトリウム);キレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝液(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、もしくはリン酸塩)ならびに張度の調整のための因子(例えば、塩化ナトリウムもしくはデキストロース)が挙げられ得るが、これらに限定されない。pHは、酸または塩基(例えば、塩酸もしくは水酸化ナトリウム)を用いて調節され得る。
【0149】
経口投与もしくは非経口投与に適した有用な溶液は、薬学的分野において周知の任意の方法(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,(Gennaro,A.編),Mack Pub.,(1990)に記載されている)により調製され得る。非経口投与に適した処方物としてはまた、グリココール酸塩(口腔投与)、メトキシサリチル酸塩(直腸投与)、またはクエン酸(膣投与)が挙げられ得る。非経口投与は、ガラス製もしくはプラスチック製の、アンプル、使い捨てのシリンジ、または複数用量のバイアル中に封入され得る。直腸投与のための坐剤はまた、この薬物と、非刺激性の賦形剤(例えば、ココアバター、他のグリセリド、または室温で固体であり、かつ体温で液体である他の組成物)とを混合することにより調製され得る。処方物としてはまた、例えば、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、野菜由来の油状物、ならびに水素化されたナフタレンが挙げられる。直接投与の処方物としては、グリコールおよび粘度の高い他の組成物が挙げられ得る。これらの薬物のための潜在的に有用な他の非経口キャリアとしては、エチレン−ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、移植可能な注入系、およびリポソームが挙げられる。吸入投与に適した処方物は、賦形剤(例えば、ラクトース)を含有し得るか、または(例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコレートを含有する)水性溶液であり得るか、または点鼻液の形態での投与のための油状溶液であり得るか、またはゲルとして鼻内に適用され得る。
保持浣腸液(retention enemas)はまた、直腸送達のために使用され得る。
【0150】
経口投与に適した本発明の処方物は、以下の形態:各々が既定量の薬物を含有する個々の単位(例えば、カプセル剤、ゼラチンカプセル剤、におい袋、錠剤、トローチ剤、もしくは口内錠);粉末または顆粒状組成物;水性液体もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;または水中油滴型エマルジョンもしくは油中水滴エマルジョンの形態であり得る。上記薬物はまた、ボーラス、舐剤、またはパスタの形態で投与され得る。錠剤は、上記薬物を、必要に応じて、1種以上の補助的な成分とともに圧搾するか、もしくは成形することにより、作製され得る。圧搾された錠剤は、適切な機械において、必要に応じて、結合剤、潤滑剤、不活性な希釈剤、界面活性剤もしくは分散剤により混合されながら、この薬物を流動性形態(free flowing form)(例えば、粉末もしくは顆粒剤)へ圧縮されることにより、調製され得る。鋳型された錠剤は、粉末化された薬物と不活性な液体希釈剤で湿った適切なキャリアとの混合物を、適切な機械において、鋳型することにより作製され得る。
【0151】
経口組成物は、一般に、不活性な希釈剤または食用可能なキャリアを含有する。経口の治療上の投与を目的として、活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得る。うがい薬として使用するための流体キャリアを使用して調製される経口組成物は、流体キャリア中に上記化合物を含有し、そして経口で適用され、そしてうがいして咳をして吐き出されるかまたは飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント物質は、この組成物の一部として包含され得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分のうちいずれか、または同様の性質の化合物:結合剤(例えば、微小質セルロース、ガムトラガカンタ、もしくはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンもしくはラクトース);崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、もしくはトウモロコシデンプン);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはSterote);潤沢剤(例えば、コロイド状シリコンジオキシド);甘味剤(例えば、スクロースもしくはサッカリン);または矯味矯臭剤(例えば、ぺパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジの矯味矯臭)を含有し得る。
【0152】
注射可能な使用に適した薬学的組成物としては、無菌の注射可能な溶液または分散剤の即時調製のための、無菌の水性溶剤(水溶性の場合)または分散剤および無菌の散剤が挙げられる。静脈内投与に関して、適切なキャリアは、生理食塩水、静菌性の水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含有する。製造および貯蔵の条件下で、これは安定であるべきであり、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対抗して保存されるべきである。このキャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)およびこれらの適切な混合物を含有する、溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動率が、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用により、崩壊の際に必要とされる粒子の大きさの維持により、そして界面活性剤の使用により、維持され得る。多くの場合、等張性因子(例えば、糖類、ポリアルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール)、塩化ナトリウム)をこの組成物中に含有することが好ましい。この注射可能な組成物の吸収の遅延は、吸収を遅らせる因子(例えば、モノステアリン酸マグネシウムおよびゼラチン)をこの組成物中に含有することによりもたらされ得る。多くの場合、この組成物には、等張剤(例えば、ショ糖、多価アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム))を含有させることが好ましい。これらの注射可能組成物は、その組成物中にて吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することにより、吸収が延長できる。
【0153】
滅菌注射可能溶液は、必要な場合には、上で列挙した種々の他の成分と共に、適当な溶媒中にて、必要な量で、これらの活性化合物を混合すること、続いて、フィルター滅菌することにより、調製される。一般に、分散剤は、この活性化合物を滅菌ビヒクル(これは、塩基性分散媒体と、上で枚挙したものに由来の必要な他の成分とを含有する)に取り込むことにより、調製される。滅菌注射可能溶液の調製用の滅菌粉末の場合には、調製の方法としては、真空乾燥および凍結乾燥が挙げられ、これらは、この活性成分+追加の所望成分(これは、先に滅菌フィルターした溶液中に存在している)の粉末を生じる。
【0154】
関節内投与に適した処方は、その薬物(これは、微結晶形態(例えば、水性微結晶懸濁液の形態)であり得る)の無菌水性製剤の形態であり得る。リポソーム処方または生分解性重合体系もまた、関節内投与および眼科用投与の両方のための薬物を提供するのに使用され得る。
【0155】
局所投与に適した処方(目の治療を含む)としては、液状あるいは半固形の製剤(例えば、リニメント剤、ローション、ゲル、アプリカント、水中油型または油中水型のエマルジョン(例えば、クリーム、軟膏もしくはパスタ));あるいは水剤または懸濁液(例えば、点滴薬)が挙げられる。皮膚表面に局所投与するための処方は、その薬剤を皮膚科学的に受容可能なキャリア(例えば、ローション、クリーム、軟膏または石鹸)で分散させることにより、調製され得る。塗布を局在化させ剥がれを防ぐために皮膚に膜または層を形成し得るキャリアは、特に有用である。内部組織表面に局所投与するためには、その薬剤は、液状組織接着剤、または組織表面への吸着を増強することが公知の他の物質に分散され得る。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビン溶液は、有利に使用され得る。あるいは、組織被覆溶液(例えば、ペクチン含有処方)が使用され得る。
【0156】
吸入治療には、スプレー缶、噴霧器またはアトマイザーで調剤された粉末(自己推進または噴霧処方)の吸入が使用され得る。このような処方は、粉剤吸入デバイスまたは自己推進粉剤分散処方から肺に投与する微細粉剤の形態であり得る。自己推進溶液およびスプレー処方の場合、その効果は、所望のスプレー特性(すなわち、所望の粒径を有する噴霧を生じることができる)を有する弁を選択すること、またはその活性成分の粒径を制御した懸濁粉剤として取り込むことのいずれかにより、達成され得る。吸入により投与するために、これらの化合物はまた、適当な推進剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む加圧容器またはディスペンサー、または噴霧器から、エアロゾル噴霧の形態で、送達され得る。
【0157】
全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段によるものであり得る。経粘膜投与または経皮投与には、この処方には、その障壁を浸透するのに適切な浸透剤が使用される。このような浸透剤は、一般に、当該技術分野で公知であり、例えば、経粘膜投与には、清浄剤および胆汁酸塩が挙げられる。経粘膜投与は、鼻内スプレーまたは座剤を使用することにより、達成され得る。経皮投与については、これらの活性化合物は、典型的には、当該技術分野で一般に公知であるように、軟膏(ointmentもしくはsalve)、ゲルまたはクリームに処方される。
【0158】
これらの活性化合物は、その化合物が体内から急速に排出されることから保護するキャリア(例えば、徐放処方)と共に調製され得、これらには、移植片およびマイクロカプセル化送達系が挙げられる。生分解性で生体適合性の重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸)が使用され得る。このような処方を調製する方法は、当業者に明らかである。リポソーム懸濁液はまた、薬学的に受容可能なキャリアとして、使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号で記述されているように、当業者に公知の方法に従って、調製され得る。
【0159】
経口または非経口の組成物は、投与し易く投薬量を均一にする投薬単位形態で、処方され得る。投薬単位形態とは、処置されるべき被験体に単位投薬量として適する物理的に別個の単位をいい;各単位は、必要な薬学的キャリアと共同して所望の治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定量を含有する。本発明の投薬単位形態の仕様は、その活性化合物の独特の特性および達成すべき特定の治療効果、および個体を治療するためにこのような活性化合物を配合する当該技術分野で固有の制限に支配され、そして直接的に依存している。さらに、投与は、ボーラスの定期的な注射によりなされ得、または外部レザバ(例えば、静脈内バッグ)からの静脈内、筋肉内または腹腔内投与により、さらに連続的になされ得る。
【0160】
組織表面への接着が望ましい場合、この組成物は、フィブリノーゲン−トロンビン組成物または他の生体接着剤に分散された薬剤を含有し得る。この化合物は、次いで、所望の組織面に塗布、噴霧またはそれ以外で適用され得る。あるいは、上記薬物は、例えば、治療上有効な量(例えば、所望の効果を誘発するのに十分な時間にわたって、適当な濃度の上記薬物を標的組織に供給する量)で、ヒトまたは他の哺乳動物への非経口投与または経口投与のために処方され得る。
【0161】
この活性化合物を移植手順の一部として使用する場合、この活性化合物は、移植する生組織または器官をドナーから取り出す前に、その組織または器官に供給できる。この化合物は、ドナーホストに供給され得る。あるいは、またはそれに加えて、一度ドナーから取り出されると、その器官または生組織は、この活性化合物を含有する防腐液に入れられ得る。全ての場合、この活性化合物は、本明細書中で記述した方法および処方ならびに/または当該技術分野で公知の方法および処方のいずれかを使用して、所望の組織に注射することにより、その組織に直接投与され得るか、または経口投与もしくは非経口投与のいずれかにより、全身的に供給され得る。この薬物が組織または臓器防腐液の一部を構成する場合、有利には、任意の市販の防腐液が使用され得る。例えば、当該技術分野で公知の有用な溶液には、Collins液、Wisconsin液、Belzer液、Eurocollins液および乳酸化リンガー液が挙げられる。
【0162】
本明細書中で記述された方法により同定または設計された活性化合物は、障害を(予防的または治療的に)治療するために、個体に投与され得る。このような治療に関連して、遺伝子薬理学(すなわち、個体の遺伝子型と異物または薬物に対する個体の応答との関係の研究)が考慮され得る。治療の代謝の差は、薬理学的に活性な薬物の用量と血液濃度との間の関係を変えることにより、激しい毒性または治療の失敗を引き起こし得る。それゆえ、医師または臨床家は、薬物を投与するかどうかを決定する際だけでなく、その薬物の投薬量および/または治療レジメンを改造する際に、関連した遺伝子薬理学研究で得られた知見を適用することを考慮し得る。
【0163】
哺乳動物の細菌感染を治療するかそれと戦う治療用途では、これらの化合物またはそれらの医薬組成物は、治療を受ける動物において、活性成分の抗菌的に有効な濃度(すなわち、量または血中濃度または組織濃度)を得、そしてこれを維持する投薬量で、経口的、非経口的および/または局所的に投与される。用語「有効量」は、本発明の化合物が、レシピエントにおいて、生体活性(例えば、抗菌活性、抗真菌活性、抗ウイルス活性、抗寄生生物活性、および/または抗増殖活性)を惹起するのに十分な量で存在していることを意味すると理解される。一般に、活性成分の投薬有効量は、約0.1〜約100mg/体重1kg/日、より好ましくは、約1.0〜約50mg/体重1kg/日の範囲である。投与する量はまた、可変因子(variable)(例えば、治療する疾患または適応症の類型および程度、特定の患者の全体的な健康状態、送達する化合物の相対的な生体有効性、その薬物の処方、その処方内の賦形剤の存在および類型、ならびに投与経路)に依存している可能性がある。また、投与される初期投薬量は、所望の血中レベルもしくは組織レベルを急速に達成するために、上記の上限レベルを超えて増強され得るか、またはこの初期投薬量は、その最適量よりも少なくされ得、その毎日投薬量は、特定の状況に依存して、治療の過程で漸次増加され得る。望ましい場合、この毎日用量はまた、投与のために複数回用量(例えば、1日2回〜1日4回)に分割され得る。
【実施例】
【0164】
以下の実施例では、核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker Avance 300またはAvance 500分光器、またはある場合には、GE−Nicolet 300分光器で得た。共通の反応溶媒は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等級またはAmerican Chemical Society(ACS)等級のいずれかであり、そして特に明記しない限り、業者から得た無水物であった。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルで精製」とは、特に明記しない限り、シリカゲル(EM Merck、Silica Gel 60、230−400メッシュ)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーをいう。
【0165】
(実施例1−例示的な化合物)
本発明に従って合成された例示的な化合物は、表1で列挙する。
【0166】
【表1】

【0167】
(実施例2−化合物40の合成)
スキーム5は、化合物40の合成を図示している。メシラート48が、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンのアルキル化剤として役立ち、アルコール49を得た。49のメシル化により、メシラート50が生じ、これを、アミン2をアルキル化するために使用し、化合物40を得た。
【0168】
【化84】

【0169】
(アルコール49の合成)
N−メチルピロリドン(5mL)中のメシラート48(500mg、1.72mmol;これは、文献(Brickner,S.J.ら、J.Med.Chem.,1996,39,673)中に報告される化学的性質を用いて、3−フルオロアニリンから合成した)の溶液を、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(225mg、1.73mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(Hunig塩基またはi−PrNEt、0.3mL、1.73mmol)で処理し、そしてこの混合物を、95℃に3時間(hr)加熱した。この反応混合物を、室温にまで冷却し、酢酸エチル(EtOAc、30mL)および水(HO、3mL)で抽出した。この水層を、2gの塩化ナトリウム(NaCl)で処理し、次いで、20mLのクロロホルムを添加し、そしてこの混合物を室温で30分間攪拌した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、シリカゲルで精製し(90%メチレンクロライド(CHCl)、10% メタノール(MeOH)、0.1% 水酸化アンモニウムで溶離した)、アルコール49(400mg、収率80%)を白色固形物として得た。
【0170】
【化85】

【0171】
(メシラート50の合成)
アルコール49(0.150g,0.46mmol)を、2mLのCHClに溶解し、そしてこの混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン(EtN、3.0mL、21.37mmol)を添加し、これに続いて、メタンスルホニルクロライド(MsCl)(0.04mL、0.55mmol)を添加した。この混合物を、室温にまで温め、そして2時間攪拌した。CHCl(20mL)を添加し、そしてこの混合物を、1Nの塩酸(HCl)で二回、10%の炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液で二回、次いでブラインで洗浄した。有機層を、NaSOで乾燥し、そしてエバポレートして、メシラート50(0.170g、収率91%)を白色固形物として得た。LCMS(ESI) m/z 402(M+H)
【0172】
(化合物40の合成)
アセトニトリル(CHCN、10mL)中のアミン2の溶液(0.200g,0.270mmol)を、メシラート50(0.210mg、0.54mmol)およびHunig塩基(0.07mL、0.41mmol)で処理した。この反応混合物を80℃にして3時間加熱し、そして室温に冷却した。CHCNを、真空で除去し、そしてこの残渣を、分取薄層クロマトグラフィーにより精製し(90% CHCl、10% MeOH、0.1% NHOHで溶離した)、化合物40を白色固形物として得た。
【0173】
【化86】

【0174】
(実施例3 化合物41の合成)
スキーム6は、化合物41の合成を例示する。公知のアミン3(合成に関しては、Bricknerら、J.Med.Chem.,第39巻、p673(1996)を参照のこと)を、trans−2−ホルミル−1−シクロプロパンカルボン酸52(これは、市販されているエチルエステルのサポニン化から調製した)と縮合し、アルデヒド51を得、これを使用して、アミン2をアルキル化し、化合物41を得た。
【0175】
【化87】

【0176】
(カルボン酸52の合成)
MeOH(30mL)中のエチルtrans−2−ホルミル−1−シクロプロパンカルボキシレート(2.0mL、14mmol)の溶液を、1.0MのNaOH水溶液(30mL、30mmol)で処理し、30分間23℃で攪拌した。反応混合物を、6MのHCl(10mL、60mmol)の添加によりクエンチし、そしてCHCl(3×50mL)で抽出した。乾燥(NaSO)およびエバポレーションにより、trans−2−ホルミル−1−シクロプロパンカルボン酸(カルボン酸52)を白色結晶固形物(1.5g、88%)として得た。
【0177】
(アルデヒド51の合成)
CHCl(5mL)中のカルボン酸52の溶液(0.68g,0.60mmol)を、アミン3(0.14g,0.42mmol)、Hunig塩基(0.22mL、1.3mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ干すフェート(HATU、0.19g,0.50mmol)で処理し、そして23℃で2時間攪拌した。この反応混合物を、HO(30mL)で希釈し、そしてCHCl(3×30mL)で抽出し、乾燥し(NaSO)、そしてエバポレートした。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、10% MeOH、45% CHCl、45% EtOAc)により、アルデヒド51(100mg,61%)を、ジアステレオマーの1:1の混合物として得た:LCMS(ESI) m/e 392(M+H)
【0178】
(化合物41の合成)
ジメチルホルムアミド(0.25mL)中のアルデヒド51(8.0mg,0.020mmol)の溶液を、アミン2(4.5mg、0.0067mmol)、酢酸(0.006mL)およびトリアセトキシホウ素化水素ナトリウム(NaBH(OAc),5.6mg,0.027mmol)で処理し、そして23℃で2時間攪拌した。この反応混合物を白色固形物になるまでエバポレートし、この白色固形物を、分取薄層クロマトグラフィー(SiO、1% アンモニア、10% MeOH、89% CHCl)により精製し、化合物41(3.5mg,46%)を無色のフィルムとして得た:
【0179】
【化88】

【0180】
(参考文献の援用)
本明細書中に参照される、特許文献の各開示全体および科学的論文は、すべての目的のために、参考として援用される。
【0181】
(等価物)
本発明は、これらの精神または不可欠な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態において具体化され得る。従って、前述の実施形態が、すべての局面において、例示であるとみなされ、本明細書中に記載される発明を限定するものではない。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により指定されるのであって、前述の記述により指定されるのではない。そして、特許請求の均等物の意味および範囲内に生じるすべての変更は、本発明の範囲に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式:
【化1】

または
【化2】

を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、ここで:
D−Hetは、以下:
【化3】

からなる群より選択され;
Aは、以下:
a) C1−6アシル、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、およびd)−C(O)−C2−6アルケニル、
からなる群より選択され、
ここで、
i) a)〜d)のいずれかの、一個以上の炭素原子は、必要に応じて、O、S(O)、およびNR11からなる群より選択される部分により置き換えられ、そして
ii) a)〜d)のいずれかは、必要に応じて、1以上のR12基で置換され;
Bは、以下:
a)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜4員の、飽和または不飽和の複素環、b)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、6員〜10員の、飽和、不飽和もしくは芳香族の、複素環、c)3員〜4員の、飽和、不飽和もしくは芳香族の、炭素環、d)6員〜10員の、飽和、不飽和もしくは芳香族の、炭素環、
からなる群より選択され、
ここで、a)〜d)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
B−Dは、以下:
a)B−C1−6アルキル、b)B−C2−6アルケニル、c)B−C1−6アルキニル、d)B−O−C1−6アルキル、e)B−O−C1−6アルケニル、f)B−O−C1−6アルキニル、g)B−NR11−C1−6アルキル、h)B−NR11−C1−6アルケニル、i)B−NR11−C1−6アルキニル、j)B−S(O)−C1−6アルキル、k)B−S(O)−C1−6アルキニル、およびl)B−S(O)−C1−6アルキル、からなる群より選択され;
ここで、a)−l)のいずれかは、必要に応じて、=O、=S、=NOR11、およびR12より選択される1以上の部分で置換され;
Eは、以下:
【化4】

【化5】

d)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含み、そして、必要に応じて、1個以上のR12基で置換された、5員〜10員の、飽和、不飽和もしくは芳香族の、複素環、
e)必要に応じて1個以上のR12基で置換された、C5〜10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、
f)C1−8アルキル、
g)C2−8アルケニル、
h)C2−8アルキニル、
i)C1−8アルコキシ、
j)C1−8アルキルチオ、
k)C1−8アシル、
l)S(O)11、ならびに
m)水素、
からなる群より選択され;
ここで、f)〜k)のいずれかは、必要に応じて、以下:
i)1個以上のR12
ii)窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含み、そして必要に応じて、1個以上のR12基で置換された、5員〜6員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、または
iii)必要に応じて1個以上のR12基で置換された、C5〜10の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、
で置換され;
Mは、以下:
a)−C(O)−、b)−C(=NOR11)−、c)−CH(−OR11)−、d)−NR11−CH−、e)−CH−NR11−、f)−CH(NR1111)−、g)−C(=NNR1111)−、h)−NR11−C(O)−、i)−C(O)NR11−、およびj)−C(=NR11)−
からなる群より選択され;
Rは、HおよびC1−6アルキルからなる群より選択され;
は、以下:
a)H、b)Cl、c)F、d)Br、e)I、f)−NR1111、g)−NR11C(O)R11、h)−OR11、i)−OC(O)R11、j)−OC(O)OR11、k)−OC(O)NR1111、l)−O−C1−6アルキル、m)−OC(O)−C1−6アルキル、n)−OC(O)O−C1−6アルキル、o)−OC(O)NR11−C1−6アルキル、p)C1−6アルキル、q)C1−6アルケニル、r)C1−6アルキニル、
からなる群より選択され、
ここで、l)〜r)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
は、Hであり;
は、以下:
a)H、b)−OR11、c)−O−C1−6アルキル−R12、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)−C1−6アルキル−R12、f)−OC(O)OR11、g)−OC(O)O−C1−6アルキル−R12、h)−OC(O)NR1111、i)−OC(O)NR11−C1−6アルキル−R12、および
j)
【化6】

からなる群より選択され、
あるいは、RおよびRは、一緒になって、カルボニル基を形成し;
は、以下:
a)H、b)R11、c)−C(O)R11、d)−C(O)OR11、e)−C(O)NR1111、f)−C1−6アルキル−G−R11、g)−C2−6アルケニル−G−R11、およびh)−C2−6アルキニル−G−R11
からなる群より選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、
【化7】

を形成し;
Gは、以下:
【化8】

からなる群より選択され;
は、以下:
【化9】

からなる群より選択され;
あるいは、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、以下:
【化10】

を形成し、
ここで、
Qは、CHまたはNであり、そして
23は、−OR11、もしくはR11であり;
は、以下:
a)−OR11、b)−C1−6アルコキシ−R12、c)−C(O)R11、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)OR11、f)−OC(O)NR1111、およびg)−NR1111からなる群より選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、以下:
【化11】

からなる群より選択されるリンカーを介したお互いへの結合により、5員環を形成し、
あるいは、M、RおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、以下:
【化12】

を形成し、
ここで、Jは、OおよびNR11からなる群より選択され;
6’は、以下:
a)H、b)−C1−4アルキル、c)C1−12アルキルもしくは1個以上のハロゲンでさらに置換され得る−C2−4アルケニル、d)C1−12アルキルもしくは1個以上のハロゲンでさらに置換され得る−C2−4アルキニル、e)C1−12アルキルもしくは1個以上のハロゲンでさらに置換され得る、アリールまたはヘテロアリール、f)−C(O)H、g)−COOH、h)−CN、i)−COOR11、j)−C(O)NR1111、k)−C(O)R11、およびl)−C(O)SR11、およびl)−C(O)SR11、からなる群より選択され、ここで、b)は、aa)−OR11、bb)ハロゲン、cc)−SR11、dd)ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ、もしくはアミノでさらに置換され得る、C1−12アルキル、ee)−OR11、ff)−SR11、gg)−NR1111、hh)−CN、ii)−NO、jj)−NC(O)R11、kk)−COOR11、ll)−N、mm)=N−O−R11、nn)=NR11、oo)=N−NR1111、pp)=N−NH−C(O)R11、およびqq)=N−NH−C(O)NR1111からなる群より選択され得る1個以上の置換基でさらに置換され、
あるいは、RおよびR6’は、これらが結合する原子と一緒になって、エポキシド、カルボニル、オレフィン、もしくは置換されたオレフィン、もしくはC〜C炭素環式、カーボネート、またはカーバメートを形成し、ここで、該カーバメートの窒素は、C〜Cアルキルでさらに置換され得;
は、以下:
a)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニル、およびc)C2−6アルキニル、からなる群より選択され、
ここで、a)〜c)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
は、Hおよび−C(O)R11からなる群より選択され;
は、H、OH、およびOR11からなる群より選択され;
10は、以下:
a)H、b)R11、c)−C1−6アルキル−G−R11、d)−C2−6アルケニル−G−R11、およびe)−C2−6アルキニル−G−R11からなる群より選択され、
ここで、c)〜e)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
11は、各出現例で、以下:
a)H、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C6−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、g)−C(O)−C1−6アルキル、h)−C(O)−C2−6アルケニル、i)−C(O)−C2−6アルキニル、j)−C(O)−C6−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、l)−C(O)O−C1−6アルキル、m)−C(O)O−C2−6アルケニル、n)−C(O)O−C2−6アルキニル、o)−C(O)O−C6−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、p)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)O−3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、ならびにq)−C(O)NR1313
からなる群より独立して選択され、ここで、b)〜p)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され、
あるいは、NR1111は、該窒素原子を含む、3員〜7員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の環を形成し、該環は、該窒素原子に、該R11基が結合される窒素原子、ならびに必要に応じて、O、S(O)、NおよびNR15からなる群より選択される一つ以上の部分を含み;
12は、以下:
a)R14、b)C1−8アルキル、c)C2−8アルケニル、d)C2−8アルキニル、e)C3−12の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜12員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、ならびにg)−NR15C(O)OR15
からなる基より選択され、ここで、b)〜f)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR14基で置換され;
13は、各出現例で、独立して、以下:
a)H、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、
ここで、b)〜f)のいずれかは、必要に応じて、以下:
【化13】

an)C1−8アルキル、ao)C1−8アシル、ap)飽和、不飽和、もしくは芳香族の、C3−10炭素環、ならびにaq)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、3員〜10員の複素環、
からなる群より選択される1個以上の部分で置換され、
あるいは、NR1313は、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の環を形成し、該環は、該R13基が結合される窒素原子、および必要に応じて、O、S(O)、N、およびNR15からなる群より選択される1個以上の部分を含み;
あるいは、CR1313は、カルボニル基を形成し;
14は、各出現例で、以下:
【化14】

dd)C1−6アルキル、ee)C2−6アルケニル、ff)C2−6アルキニル、gg)(CR1313−C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにhh)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、
ここで、dd)〜hh)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR16基で置換され;
あるいは、2個のR14基は、−O(CHO−を形成し得;
15は、以下:
a)H、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、g)−C(O)−C1−6アルキル、h)−C(O)−C1−6アルケニル、g)−C(O)−C1−6アルキニル、i)−C(O)−C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の炭素環、ならびにj)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、からなる群より選択され、
ここで、b)−j)のいずれかは、必要に応じて、aa)H、bb)F、cc)Cl、dd)Br、ee)I、ff)CN、gg)NO、hh)OH、ii)NH、jj)NH(C1−6アルキル)、kk)N(C1−6アルキル)、ll)C1−6アルコキシ、mm)アリール、nn)置換されたアリール、oo)ヘテロアリール、pp)置換されたヘテロアリール、ならびにqq)アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、NO、およびOHからなる群より選択される1個以上の部分で必要に応じて置換されたC1−6アルキル、
からなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
16は、各出現例で、独立して、以下;
a)R17、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)C2−6アルキニル、e)C3−10の飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、ここで、b)〜f)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR17基で置換され;
17は、各出現例で、独立して、以下:
【化15】

x)C2−6アルケニル、y)C2−6アルキニル、z)(CR1313−C3−10の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、ならびにaa)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3員〜10員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、複素環、
からなる群より選択され、
ここで、w)〜aa)のいずれかは、必要に応じて、R13、F、Cl、Br、I、CN、NO、−OR13、−NH、−NH(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、およびC1−6アシル、
からなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
18は、各出現例で、独立して、以下:
【化16】

からなる群より選択され;
あるいは、2個のR18の基は、一緒になって、=O、=NOR15、もしくは=NNR1515を形成し;
19は、R12であり;
20は、以下:
a)R13、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)NO、およびh)−OR11
からなる群より選択され;
あるいは、R19およびR20は、一緒に、−O(CHO−であり;
21は、各出現例で、独立して、以下:
a)H、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)−OR11、h)−NO、i)−NR1111、j)C1−6アルキル、k)C1−6アシル、およびl)C1−6アルコキシ、
からなる群より選択され;
22は、以下:
a)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニル、c)C2−6アルキニル、d)C1−6アシル、e)C1−6アルコキシ、f)C1−6アルキルチオ、g)飽和、不飽和、もしくは芳香族の、C5−10炭素環、h)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、5員〜10員の複素環、i)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−O−C1−6アルキル−飽和、不飽和、もしくは芳香族の5員〜10員の複素環、j)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−NR11−C1−6アルキル−飽和、不飽和、もしくは芳香族5員〜10員の複素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、10員の二環式環系、l)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、もしくは芳香族13員の3環式環系、m)−OR11、n)−NR1111、o)−S(O)11、およびp)−R21
からなる群より選択され、ここで、a)〜l)のいずれかは、必要に応じて、1個以上のR12基で置換され;
あるいは、R22および一つのR21基は、これらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5員〜7員の飽和もしくは不飽和の炭素環を形成するか;または、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて、1個以上のR12基で置換された、5員〜7員の、飽和もしくは不飽和の複素環を形成し;
23は、各出現例で、独立して、以下:
a)水素、b)電子求引基、c)アリール、d)置換されたアリール、e)ヘテロアリール、f)置換されたヘテロアリール、およびg)1個以上のR12基で必要に応じて置換されたC1−6アルキル、
からなる群より選択され;
あるいは、任意のR23および任意のR20は、これらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換された、5員〜7員の、飽和もしくは不飽和の炭素環を形成するか;または、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換された、5員〜7員の、飽和もしくは不飽和の複素環を形成し;
pは、各出現例で、0、1、および2からなる群より選択され;
rは、各出現例で、0、1、および2からなる群より選択され;
tは、各出現例で、0、1、および2からなる群より選択され;そして
uは、各出現例で、1、2、3および4からなる群より選択される、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
以下:
【化17】

【化18】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはこれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、D、E、M、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、R10は、請求項1に規定される通りである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項3】
以下:
【化19】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、D、E、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、R10は、請求項1に規定される通りである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項4】
以下:
【化20】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、E、M、R、およびR10は、請求項1に規定される通りである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項5】
以下:
【化21】

【化22】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、E、M、R、およびR10は、請求項1に規定される通りである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項6】
以下:
【化23】

【化24】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、E、およびR10は、請求項1に規定される通りである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項7】
以下:
【化25】

【化26】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、E、およびR10は、請求項1に規定される通りである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の化合物であって、ここで、Bは、以下:
a)窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3員〜4員の、飽和もしくは不飽和の複素環、b)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、6員〜7員の、飽和、不飽和または芳香族の、複素環、およびc)3員〜4員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、d)6員〜7員の、飽和、不飽和、もしくは芳香族の、炭素環、
からなる群より選択され、
ここで、a)〜d)のいずれかが、必要に応じて、1個以上のR12基で置換される、化合物。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Bは、以下:
【化27】

からなる群より選択される、化合物。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、A−B−Dは、以下:
【化28】

である、化合物。
【請求項11】
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、A−B−Dは、以下:
【化29】

である、化合物。
【請求項12】
以下の式
【化30】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、ここで、Mは、以下:
【化31】

【化32】

【化33】

からなる群より選択され;
Bは、以下:
【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

からなる群より選択されるリンカーであり;
Oは、以下:
【化38】

【化39】

からなる群より選択される複素環式の側鎖であり;
そしてmが、1〜4の整数である、化合物。
【請求項13】
以下の式:
【化40】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項14】
以下の式:
【化41】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項15】
請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物。
【請求項16】
哺乳動物における微生物の感染を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項17】
哺乳動物における真菌類の感染を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
哺乳動物における寄生生物病を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項19】
哺乳動物における増殖性疾患を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項20】
哺乳動物におけるウイルス感染を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項21】
哺乳動物における炎症性疾患を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
哺乳動物における胃腸運動性障害を処置する方法であって、該方法は、該哺乳動物に、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の、有効量の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項23】
請求項16〜請求項22のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、該化合物は、経口投与、非経口投与、または局所投与される、方法。
【請求項24】
請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の化合物を合成する方法。
【請求項25】
請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の化合物を含有する医学的デバイス。
【請求項26】
請求項25に記載の医学的デバイスであって、該デバイスが、ステントである、医学的デバイス。

【公表番号】特表2007−512256(P2007−512256A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540036(P2006−540036)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/038777
【国際公開番号】WO2005/049632
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】