二枚貝の閉殻力測定器
【課題】アコヤ貝などの二枚貝の口を簡易な作業で設定した寸法に開けると同時にその開殻させる際に必要となる荷重である閉殻力も測定することができる二枚貝の閉殻力測定器を提供する。
【解決手段】二枚貝の口を所定寸法に開けると同時に該貝の閉殻力を測定するために、支点により回転自在に連結された一対の握り手を備えた閉殻力測定器であって、上記握り手は支点を中心にして握り部とへら部とで構成され、上記一対の握り手は、一方の握り部に固定された指針と他方の握り部に固定された目盛板との相対位置によって貝の口に挿入したへら部の開口寸法を表す開口寸法表示器と、一方の握り部に局所的に撓み剛性の小さい部分を有して、貝の閉殻力によりへら部に加わる負荷によって生じる握り手の撓み変形量を拡大表示する荷重表示器とを2つの握り部側とその回転支点との面内部分に備える。
【解決手段】二枚貝の口を所定寸法に開けると同時に該貝の閉殻力を測定するために、支点により回転自在に連結された一対の握り手を備えた閉殻力測定器であって、上記握り手は支点を中心にして握り部とへら部とで構成され、上記一対の握り手は、一方の握り部に固定された指針と他方の握り部に固定された目盛板との相対位置によって貝の口に挿入したへら部の開口寸法を表す開口寸法表示器と、一方の握り部に局所的に撓み剛性の小さい部分を有して、貝の閉殻力によりへら部に加わる負荷によって生じる握り手の撓み変形量を拡大表示する荷重表示器とを2つの握り部側とその回転支点との面内部分に備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真珠養殖に用いるアコヤ貝などの二枚貝に核入れするときの閉殻力を測定する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
国内において養殖真珠の生産はおもにアコヤ貝などを用い、人為的に製造した核を貝の生殖巣内に挿入して、そこに真珠袋を生成させ、上記核に外套膜から分泌される真珠質を巻かせることによって行なっている。
【0003】
核入れをする場合にはアコヤ貝の口を一定の寸法に強制的に開けた後に貝の開殻器の開度保持片を移動させて貝が閉じるのを防いだり、あるいは木製の栓(以後、「木栓」と略称する)などを差し込んで貝の口が閉じるのを防いだりした後に挿核手術を行なう。現状では養殖対象とするアコヤ貝全数に対して挿核手術を行なっている。
【0004】
ところで、現在の養殖技術では挿核後のアコヤ貝から商品として利用できる真珠の採取率は40%程度と言われており、形状や光沢不良の真珠が20%程度になって、残りの40%程度は養殖期間中にへい死すると言われている。
【0005】
最近の研究によれば、貝の口を開けるときに貝が抵抗する力すなわち閉殻力が貝のへい死率と関係があって、閉殻力の小さいアコヤ貝はへい死率が高いと報告されており(非特許文献1)、へい死した貝の腐敗肉が養殖海域を汚染する問題が大きくなっている。
【0006】
また、閉殻力が大きすぎるアコヤ貝は挿入された核を異物として吐き出すことがあるため、適度な閉殻力を持つアコヤ貝のみを養殖対象の貝として選抜することが望ましい。
【0007】
このようなことから、貝の閉殻力を知るために、従来、開殻器を貝の口に差込み、貝を開口させる際に必要とする力を荷重計により測定する方法(特許文献1)や、一対の開閉可能に結合されて閉じる方向に弾性力が付与された挟み片の前端部にロードセルを取り付けて閉じ力表示器に電気的に接続し、挟み片には上記弾性力に抗して挟み片の開度を所定値に保持して二枚貝の閉じ力を測定する測定器が開示されている(特許文献2)。しかしながら、上記のような測定器や方法では、電源を必要としたり装置が大きいものであるなど、使用が容易でなくまた測定器が高価であるという問題があった。
【0008】
適切な閉殻力を持つアコヤ貝だけに挿核手術をしてその集団のみを養殖すれば、挿核手術の作業コストを下げることができるとともに養殖海域の有効利用になり、商品として利用できる真珠の採取率の向上できる。さらに、へい死するアコヤ貝も少なくなって海域の汚染対策になる。これらのことから、作業現場において簡易な作業で閉殻力を直読できる閉殻力測定器のさらなる開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2007−135532号公報
【特許文献2】実開平04−53532号公報
【非特許文献1】水産増殖 54(4)(2006)525−529ページ、「家系間におけるアコヤガイの閉殻力の差違」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、養殖後のアコヤ貝などの二枚貝から商品として利用できる真珠の採取率の向上を図るとともに、養殖時の養殖海域の有効利用と海域の汚染を防ぐことを目的として、作業現場において挿核作業時に適切な閉殻力を持つアコヤ貝のみに挿核手術をするために、簡易な作業で二枚貝の口を設定した寸法に開けると同時にその開殻させる際に必要となる荷重である貝の閉殻力も測定することができる二枚貝の閉殻力測定器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の二枚貝の閉殻力測定器は、二枚貝の口を所定寸法に開けると同時に該貝の閉殻力を測定するために、支点により回転自在に連結された一対の握り手を備えた閉殻力測定器であって、上記握り手は上記支点を中心にして握り部とへら部とで構成され、上記一対の握り手は、一方の握り部に固定された指針と他方の握り部に固定された目盛板との相対位置によって貝の口に挿入した上記へら部の開口寸法を表す開口寸法表示器と、一方の握り部に局所的に撓み剛性の小さい部分を有して、貝の閉殻力により上記へら部に加わる負荷によって生じる上記握り手の撓み変形量を拡大表示する荷重表示器とを上記2つの握り部側とその回転支点との面内部分に備えたことを特徴とする。
また、上記一対の握り手は、上記握り部に備えられた戻しばねにより上記へら部が閉じる方向に付勢されることを特徴とする。
【0011】
上記荷重表示器は、片方の上記握り部に生じる変形量を回転ピンで拡大する機構を有し、その回転ピンの外径は略V字状の螺旋溝を持つとともに、引っ張りばねに一端を固定された引き糸が上記螺旋溝に複数回以上巻きつけられて他端を上記握り部の局所的に撓み剛性の小さい部分に固定される構造を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記開口寸法表示器は、一方の握り部に固定された上記目盛板の一部に突起部または凹み部を設け、上記へら部の開口寸法が設定値になった時点で該突起部または凹み部が他方の握り部に固定された指針と、または直接該握り部と干渉して握り部を掴む人の手に荷重変化の感触を伝える構造を有することを特徴とする。
【0013】
上記荷重表示器は置き針機構を有し、置き針を保持する置き針板は磁石または磁石を内包する円盤状であり、上記置き針を保持する上記置き針板に相対する上プレートを強磁性体の薄板で構成するとともに、上記置き針を駆動する駆動針を保持する駆動針板の外側寸法が上記置き針を保持する上記置き針板の外側寸法よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による閉殻力測定器は、支点を中心にして握り部とへら部とで構成される一対の握り手を備え、一方の握り部に指針を固定し、他方の握り部に目盛板を固定してこの指針が目盛板の指示する位置と一致することによりアコヤ貝など二枚貝の口を所定寸法に開けることができる。またそれと同時に、握り部に負荷を加えたときに片方の握り部に撓みが集中して発生する構造を持たせてその撓み量を機械的に拡大して表示し、該貝の最大の閉殻力も知ることができるとともに、握り部に加わる力が除荷されても該閉殻力の表示を保持する置き針機構を具備する。このため、電源を必要とせず、片手で把持できて使用が容易であり、作業現場において挿核作業時に適切な閉殻力を持つアコヤ貝のみに挿核手術をして、へい死したり挿入した核を吐き出したりする確率の高いアコヤ貝に対する施術を省くことができる。この結果、養殖時において養殖海域の占有面積を少なくするとともに、その海域の汚染を未然に防ぐことができ、養殖後のアコヤ貝から商品として利用できる真珠の採取率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の閉殻力測定器の一例について図に基づき説明する。図1は、本発明の閉殻力測定器1の(a)平面図および(b)測定器1の側面から見た図である。図1に示すように、本閉殻力測定器1は、支点6により回転自在に連結された一対の握り手2、3を備え、この握り手2、3は、それぞれ支点6を中心にして使用者の手で握る側である握り部21、31と、アコヤ貝などの二枚貝の口を開けるへら部4、4とで構成されている。また、握り部21、31には、自然状態で閉殻力測定器1のへら部4が閉じる方向に付勢する戻しばね5と、へら部4の開口寸法を表す開口寸法表示器7と、握り部21が2部材に切断された握り部21aおよび21bを連結する連結ばね8と、貝を開殻させる際に必要となる荷重、すなわち貝の閉殻力の大きさを表す荷重表示器である閉殻力表示器9を基本部品として構成している。
【0016】
握り部21と31とは手で握る部分が弓なりであって両者は互いに支点6で回転自在に固定され、へら部4はアコヤ貝の口に挿入可能なように先端は平らで広く薄く加工されている。
【0017】
戻しばね5は2つの握り部21と31の端部付近に支点2aと3aを持つ捻りばねで構成され、自然状態ではへら部4を閉じる方向の力を握り手2と3に加えている。
【0018】
図1に示す閉殻力測定器1の閉殻力表示器9の上プレート9aを取り除いた図を図2に示す。また、図3は図2における閉殻力表示器9付近の一部拡大図であり、説明を容易にするため一部を切り欠いて図示する。
【0019】
開口寸法表示器7は図2に示すように握り部21bに指針7aをねじまたはリベット7bで固定するとともに、他方の握り部31に目盛板7cをねじまたはリベット7dで固定して、握り部21と31を握ることによりへら部4の開口寸法を示す指針7aと目盛板7cの一部に設けた突起部7eが一致することで、へら部4があらかじめ所定の値に設定された開口寸法に達したことを知ることができる。なお、目盛板7cの一部に設けた突起部7eは凸形状のものに限らず凹形状のものであってもよい。
【0020】
なお、目的とするへら部4の開口寸法を容易に知るために指針7aと突起部7eが一致するときに弾性力をもって干渉する寸法にすると、へら部4が目的の寸法に開口した時点で握り部21と31を掴んでいる手に微少な荷重変化の感触である軽いショックが伝わるので、目盛板7cを見なくても開口寸法に達したことを知ることができる。
また、開口寸法表示器7の他の例としては、上記握り部31の目盛板7cの先端部が握り部21と干渉してストッパとして機能することによりへら部4の開口寸法を一定値に保つ構造であってもよい。
【0021】
連結ばね8は、握り部21を支点6に近い部分で切断し、支点6側の握り部21bと使用者が握る側の握り部21aをねじまたはリベット7bなどで連結するものであり、握り部21に加わる力の大きさを撓み量に変換するものである。
【0022】
握り部21と31とに力を加えると連結ばね8の板ばね部分8aに力が集中して、図3のように板ばね部分8aが撓んで使用者が握る側の握り部21aは支点6側の握り部21bの延長線上よりも握り部31の側に近づく。
上記構造で撓みが集中する部分の構造は一方の握り部を切断してそれを板ばねなどで再連結する構造に限らず、握り部の一部を細くするなど応力を集中させる構造とするなど、その握り手の撓み剛性が小さくなる構造であれば良い。
【0023】
ここで図3に示すように閉殻力表示器9は、図1に示す上プレート9aと図3に示す下プレート9bを適当な間隔を保って支点6側の握り部21bにねじまたはリベット7bなどで固定する。上プレート9aと下プレート9bの間に固定ピン9cと回転ピン9dを装着し、固定ピン9cに引張りばね9eのフック9fを引っ掛け、他方のフックに引き糸9gを連結してその引き糸9gを回転ピン9dに複数回巻き付けた後にその引き糸9gの終端を使用者が握る側の握り部21aに設けた穴21cを通して連結ばね8に設けた止めねじ8bで固定する。
【0024】
引き糸9gを止めねじ8bに固定する場合、引張りばね9eに張力を与えておけば握り部21と31に加わる力に対応して回転ピン9dが回転する。また、上記閉殻力測定器の置き針機構の詳細図である図4に示すように、この回転ピン9dに対して先端を曲げた駆動針9hを備えた駆動針板9iを圧入や接着またはねじ止めなどで固定するとともに、置き針9jを備えた置き針板9kを回転ピン9dに対してすきま嵌めする。
【0025】
この場合、引き糸9gの動きで回転ピン9dが滑ることなく確実に回転するように、回転ピン9dの外径は螺旋状に加工された略V字状の溝すなわちねじ状の溝を持った形状にすると良い。
【0026】
この構成によれば、握り部21と31とに力を加えると、連結ばね8の板ばね部分8aが撓むことで止めねじ8bに固定された引き糸9gも移動するので回転ピン9dは引張りばね9e側(図3において時計回り方向)に回転する。これに伴い、この回転ピン9dに固定された駆動針9hが置き針9jを押しながら回転して、置き針9jの先端部が上プレート9aに記された目盛を指してアコヤ貝の閉殻力を示す(図5参照)。握り部21と31とに加える力を除いた後も挿核対象とするアコヤ貝の最大の閉殻力を表示した状態を確実に保持する。
【0027】
ここで、置き針9jに対して確実にその位置を保持させるために、置き針板9kは円盤状の磁石板または磁石板を内蔵した複合部品とし、上プレート9aの材質は強磁性体の薄板で構成して、置き針板9kと上プレート9aの吸着力で閉殻力の表示を保持する。
【0028】
連結ばね8は、このばねにかかる力の大きさにより板ばね部分8aの撓み量が変化する。このため、開口させる貝の閉殻力が大きい場合、使用者がへら部4を所定寸法に開けるために握り部21、31を掴んだときに、板ばね部分8aが大きく撓んで、使用者が握る側の握り部21aと握り部31が近づく。これにより、引き糸9gが移動して上記回転ピン9dが大きく回り、置き針9jが上プレート9a上の目盛において大きな値を示す。一方、貝の閉殻力が小さい場合では、板ばね部分8aの撓みが小さい状態でへら部4が開口するため、回転ピン9dの回転が小さく、置き針9jが上プレート9a上の目盛において小さい値を示す。
連結ばね8は、戻しばね5および開口寸法表示器7の接触時のショックに比べて、はるかに大きい剛性を備えており、戻しばね5および開口寸法表示器7の剛性に及ぼす影響は、実用精度上、無視できるものである。
【0029】
次のアコヤ貝の挿核作業に対しては置き針9jをゼロ位置に戻す必要があるので、作業性向上のために図4に示す置き針板9kの外側寸法は駆動針板9iの外側寸法よりも大きくし、置き針9jがゼロ位置から戻りすぎないようにストッパ9mを上プレート9aに設置すると良い(図1(a)参照)。
【実施例】
【0030】
図5に本発明の閉殻力測定器の実施形態を説明する図を示す。いま、本発明の閉殻力測定器1の握り部21と31とを手で掴み、図5のようにへら部4をアコヤ貝10などの二枚貝の口に差し込んで握り部21と31に力を加えると、貝の閉殻力に対応して手には力が加わりへら部4の先端開き量が設定した寸法Wになった時点で指針7aと目盛板7cの突起部7eの干渉によって手に軽いショックが伝わるので、設定した開口寸法Wでの閉殻力を知ることができる。
【0031】
このとき、アコヤ貝10には木栓などを入れて本閉殻力測定器1をアコヤ貝10の口から抜き、置き針9jの値を読んで木栓を入れたアコヤ貝の閉殻力が合格範囲であれば養殖対象のアコヤ貝として挿核手術する次の工程に送り、不合格であれば次の工程に移らない。これにより、真珠が採取できない可能性の高いアコヤ貝に対して無駄な作業を省くことができるとともに、養殖海域の有効利用と海域の汚染を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の閉殻力測定器は、二枚貝の口を設定した寸法に開けると同時に貝の閉殻力も測定することができるので、真珠養殖に用いるアコヤ貝などの二枚貝に核入れするときの貝の開口および閉殻力の測定のための機器として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の閉殻力測定器の(a)平面図および(b)測定器を側面から見た図である。
【図2】図1における閉殻力測定器の部品の一部を取り除いた図である。
【図3】図2における一部拡大図である。
【図4】閉殻力測定器の置き針機構の詳細図である。
【図5】本発明の閉殻力測定器の実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1 閉殻力測定器
2 握り手
2a 支点
21a、21b 握り部
21c 握り部の穴
3 握り手
3a 支点
31 握り部
4 へら部
5 戻しばね
6 支点
7 開口寸法表示器
7a 指針
7b ねじまたはリベット
7c 目盛板
7d ねじまたはリベット
7e 突起部
8 連結ばね
8a 板ばね部分
8b 止めねじ
9 閉殻力表示器(荷重表示器)
9a 上プレート
9b 下プレート
9c 固定ピン
9d 回転ピン
9e 引張りばね
9f フック
9g 引き糸
9h 駆動針
9i 駆動針板
9j 置き針
9k 置き針板
9m ストッパ
10 アコヤ貝
【技術分野】
【0001】
本発明は、真珠養殖に用いるアコヤ貝などの二枚貝に核入れするときの閉殻力を測定する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
国内において養殖真珠の生産はおもにアコヤ貝などを用い、人為的に製造した核を貝の生殖巣内に挿入して、そこに真珠袋を生成させ、上記核に外套膜から分泌される真珠質を巻かせることによって行なっている。
【0003】
核入れをする場合にはアコヤ貝の口を一定の寸法に強制的に開けた後に貝の開殻器の開度保持片を移動させて貝が閉じるのを防いだり、あるいは木製の栓(以後、「木栓」と略称する)などを差し込んで貝の口が閉じるのを防いだりした後に挿核手術を行なう。現状では養殖対象とするアコヤ貝全数に対して挿核手術を行なっている。
【0004】
ところで、現在の養殖技術では挿核後のアコヤ貝から商品として利用できる真珠の採取率は40%程度と言われており、形状や光沢不良の真珠が20%程度になって、残りの40%程度は養殖期間中にへい死すると言われている。
【0005】
最近の研究によれば、貝の口を開けるときに貝が抵抗する力すなわち閉殻力が貝のへい死率と関係があって、閉殻力の小さいアコヤ貝はへい死率が高いと報告されており(非特許文献1)、へい死した貝の腐敗肉が養殖海域を汚染する問題が大きくなっている。
【0006】
また、閉殻力が大きすぎるアコヤ貝は挿入された核を異物として吐き出すことがあるため、適度な閉殻力を持つアコヤ貝のみを養殖対象の貝として選抜することが望ましい。
【0007】
このようなことから、貝の閉殻力を知るために、従来、開殻器を貝の口に差込み、貝を開口させる際に必要とする力を荷重計により測定する方法(特許文献1)や、一対の開閉可能に結合されて閉じる方向に弾性力が付与された挟み片の前端部にロードセルを取り付けて閉じ力表示器に電気的に接続し、挟み片には上記弾性力に抗して挟み片の開度を所定値に保持して二枚貝の閉じ力を測定する測定器が開示されている(特許文献2)。しかしながら、上記のような測定器や方法では、電源を必要としたり装置が大きいものであるなど、使用が容易でなくまた測定器が高価であるという問題があった。
【0008】
適切な閉殻力を持つアコヤ貝だけに挿核手術をしてその集団のみを養殖すれば、挿核手術の作業コストを下げることができるとともに養殖海域の有効利用になり、商品として利用できる真珠の採取率の向上できる。さらに、へい死するアコヤ貝も少なくなって海域の汚染対策になる。これらのことから、作業現場において簡易な作業で閉殻力を直読できる閉殻力測定器のさらなる開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2007−135532号公報
【特許文献2】実開平04−53532号公報
【非特許文献1】水産増殖 54(4)(2006)525−529ページ、「家系間におけるアコヤガイの閉殻力の差違」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、養殖後のアコヤ貝などの二枚貝から商品として利用できる真珠の採取率の向上を図るとともに、養殖時の養殖海域の有効利用と海域の汚染を防ぐことを目的として、作業現場において挿核作業時に適切な閉殻力を持つアコヤ貝のみに挿核手術をするために、簡易な作業で二枚貝の口を設定した寸法に開けると同時にその開殻させる際に必要となる荷重である貝の閉殻力も測定することができる二枚貝の閉殻力測定器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の二枚貝の閉殻力測定器は、二枚貝の口を所定寸法に開けると同時に該貝の閉殻力を測定するために、支点により回転自在に連結された一対の握り手を備えた閉殻力測定器であって、上記握り手は上記支点を中心にして握り部とへら部とで構成され、上記一対の握り手は、一方の握り部に固定された指針と他方の握り部に固定された目盛板との相対位置によって貝の口に挿入した上記へら部の開口寸法を表す開口寸法表示器と、一方の握り部に局所的に撓み剛性の小さい部分を有して、貝の閉殻力により上記へら部に加わる負荷によって生じる上記握り手の撓み変形量を拡大表示する荷重表示器とを上記2つの握り部側とその回転支点との面内部分に備えたことを特徴とする。
また、上記一対の握り手は、上記握り部に備えられた戻しばねにより上記へら部が閉じる方向に付勢されることを特徴とする。
【0011】
上記荷重表示器は、片方の上記握り部に生じる変形量を回転ピンで拡大する機構を有し、その回転ピンの外径は略V字状の螺旋溝を持つとともに、引っ張りばねに一端を固定された引き糸が上記螺旋溝に複数回以上巻きつけられて他端を上記握り部の局所的に撓み剛性の小さい部分に固定される構造を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記開口寸法表示器は、一方の握り部に固定された上記目盛板の一部に突起部または凹み部を設け、上記へら部の開口寸法が設定値になった時点で該突起部または凹み部が他方の握り部に固定された指針と、または直接該握り部と干渉して握り部を掴む人の手に荷重変化の感触を伝える構造を有することを特徴とする。
【0013】
上記荷重表示器は置き針機構を有し、置き針を保持する置き針板は磁石または磁石を内包する円盤状であり、上記置き針を保持する上記置き針板に相対する上プレートを強磁性体の薄板で構成するとともに、上記置き針を駆動する駆動針を保持する駆動針板の外側寸法が上記置き針を保持する上記置き針板の外側寸法よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による閉殻力測定器は、支点を中心にして握り部とへら部とで構成される一対の握り手を備え、一方の握り部に指針を固定し、他方の握り部に目盛板を固定してこの指針が目盛板の指示する位置と一致することによりアコヤ貝など二枚貝の口を所定寸法に開けることができる。またそれと同時に、握り部に負荷を加えたときに片方の握り部に撓みが集中して発生する構造を持たせてその撓み量を機械的に拡大して表示し、該貝の最大の閉殻力も知ることができるとともに、握り部に加わる力が除荷されても該閉殻力の表示を保持する置き針機構を具備する。このため、電源を必要とせず、片手で把持できて使用が容易であり、作業現場において挿核作業時に適切な閉殻力を持つアコヤ貝のみに挿核手術をして、へい死したり挿入した核を吐き出したりする確率の高いアコヤ貝に対する施術を省くことができる。この結果、養殖時において養殖海域の占有面積を少なくするとともに、その海域の汚染を未然に防ぐことができ、養殖後のアコヤ貝から商品として利用できる真珠の採取率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の閉殻力測定器の一例について図に基づき説明する。図1は、本発明の閉殻力測定器1の(a)平面図および(b)測定器1の側面から見た図である。図1に示すように、本閉殻力測定器1は、支点6により回転自在に連結された一対の握り手2、3を備え、この握り手2、3は、それぞれ支点6を中心にして使用者の手で握る側である握り部21、31と、アコヤ貝などの二枚貝の口を開けるへら部4、4とで構成されている。また、握り部21、31には、自然状態で閉殻力測定器1のへら部4が閉じる方向に付勢する戻しばね5と、へら部4の開口寸法を表す開口寸法表示器7と、握り部21が2部材に切断された握り部21aおよび21bを連結する連結ばね8と、貝を開殻させる際に必要となる荷重、すなわち貝の閉殻力の大きさを表す荷重表示器である閉殻力表示器9を基本部品として構成している。
【0016】
握り部21と31とは手で握る部分が弓なりであって両者は互いに支点6で回転自在に固定され、へら部4はアコヤ貝の口に挿入可能なように先端は平らで広く薄く加工されている。
【0017】
戻しばね5は2つの握り部21と31の端部付近に支点2aと3aを持つ捻りばねで構成され、自然状態ではへら部4を閉じる方向の力を握り手2と3に加えている。
【0018】
図1に示す閉殻力測定器1の閉殻力表示器9の上プレート9aを取り除いた図を図2に示す。また、図3は図2における閉殻力表示器9付近の一部拡大図であり、説明を容易にするため一部を切り欠いて図示する。
【0019】
開口寸法表示器7は図2に示すように握り部21bに指針7aをねじまたはリベット7bで固定するとともに、他方の握り部31に目盛板7cをねじまたはリベット7dで固定して、握り部21と31を握ることによりへら部4の開口寸法を示す指針7aと目盛板7cの一部に設けた突起部7eが一致することで、へら部4があらかじめ所定の値に設定された開口寸法に達したことを知ることができる。なお、目盛板7cの一部に設けた突起部7eは凸形状のものに限らず凹形状のものであってもよい。
【0020】
なお、目的とするへら部4の開口寸法を容易に知るために指針7aと突起部7eが一致するときに弾性力をもって干渉する寸法にすると、へら部4が目的の寸法に開口した時点で握り部21と31を掴んでいる手に微少な荷重変化の感触である軽いショックが伝わるので、目盛板7cを見なくても開口寸法に達したことを知ることができる。
また、開口寸法表示器7の他の例としては、上記握り部31の目盛板7cの先端部が握り部21と干渉してストッパとして機能することによりへら部4の開口寸法を一定値に保つ構造であってもよい。
【0021】
連結ばね8は、握り部21を支点6に近い部分で切断し、支点6側の握り部21bと使用者が握る側の握り部21aをねじまたはリベット7bなどで連結するものであり、握り部21に加わる力の大きさを撓み量に変換するものである。
【0022】
握り部21と31とに力を加えると連結ばね8の板ばね部分8aに力が集中して、図3のように板ばね部分8aが撓んで使用者が握る側の握り部21aは支点6側の握り部21bの延長線上よりも握り部31の側に近づく。
上記構造で撓みが集中する部分の構造は一方の握り部を切断してそれを板ばねなどで再連結する構造に限らず、握り部の一部を細くするなど応力を集中させる構造とするなど、その握り手の撓み剛性が小さくなる構造であれば良い。
【0023】
ここで図3に示すように閉殻力表示器9は、図1に示す上プレート9aと図3に示す下プレート9bを適当な間隔を保って支点6側の握り部21bにねじまたはリベット7bなどで固定する。上プレート9aと下プレート9bの間に固定ピン9cと回転ピン9dを装着し、固定ピン9cに引張りばね9eのフック9fを引っ掛け、他方のフックに引き糸9gを連結してその引き糸9gを回転ピン9dに複数回巻き付けた後にその引き糸9gの終端を使用者が握る側の握り部21aに設けた穴21cを通して連結ばね8に設けた止めねじ8bで固定する。
【0024】
引き糸9gを止めねじ8bに固定する場合、引張りばね9eに張力を与えておけば握り部21と31に加わる力に対応して回転ピン9dが回転する。また、上記閉殻力測定器の置き針機構の詳細図である図4に示すように、この回転ピン9dに対して先端を曲げた駆動針9hを備えた駆動針板9iを圧入や接着またはねじ止めなどで固定するとともに、置き針9jを備えた置き針板9kを回転ピン9dに対してすきま嵌めする。
【0025】
この場合、引き糸9gの動きで回転ピン9dが滑ることなく確実に回転するように、回転ピン9dの外径は螺旋状に加工された略V字状の溝すなわちねじ状の溝を持った形状にすると良い。
【0026】
この構成によれば、握り部21と31とに力を加えると、連結ばね8の板ばね部分8aが撓むことで止めねじ8bに固定された引き糸9gも移動するので回転ピン9dは引張りばね9e側(図3において時計回り方向)に回転する。これに伴い、この回転ピン9dに固定された駆動針9hが置き針9jを押しながら回転して、置き針9jの先端部が上プレート9aに記された目盛を指してアコヤ貝の閉殻力を示す(図5参照)。握り部21と31とに加える力を除いた後も挿核対象とするアコヤ貝の最大の閉殻力を表示した状態を確実に保持する。
【0027】
ここで、置き針9jに対して確実にその位置を保持させるために、置き針板9kは円盤状の磁石板または磁石板を内蔵した複合部品とし、上プレート9aの材質は強磁性体の薄板で構成して、置き針板9kと上プレート9aの吸着力で閉殻力の表示を保持する。
【0028】
連結ばね8は、このばねにかかる力の大きさにより板ばね部分8aの撓み量が変化する。このため、開口させる貝の閉殻力が大きい場合、使用者がへら部4を所定寸法に開けるために握り部21、31を掴んだときに、板ばね部分8aが大きく撓んで、使用者が握る側の握り部21aと握り部31が近づく。これにより、引き糸9gが移動して上記回転ピン9dが大きく回り、置き針9jが上プレート9a上の目盛において大きな値を示す。一方、貝の閉殻力が小さい場合では、板ばね部分8aの撓みが小さい状態でへら部4が開口するため、回転ピン9dの回転が小さく、置き針9jが上プレート9a上の目盛において小さい値を示す。
連結ばね8は、戻しばね5および開口寸法表示器7の接触時のショックに比べて、はるかに大きい剛性を備えており、戻しばね5および開口寸法表示器7の剛性に及ぼす影響は、実用精度上、無視できるものである。
【0029】
次のアコヤ貝の挿核作業に対しては置き針9jをゼロ位置に戻す必要があるので、作業性向上のために図4に示す置き針板9kの外側寸法は駆動針板9iの外側寸法よりも大きくし、置き針9jがゼロ位置から戻りすぎないようにストッパ9mを上プレート9aに設置すると良い(図1(a)参照)。
【実施例】
【0030】
図5に本発明の閉殻力測定器の実施形態を説明する図を示す。いま、本発明の閉殻力測定器1の握り部21と31とを手で掴み、図5のようにへら部4をアコヤ貝10などの二枚貝の口に差し込んで握り部21と31に力を加えると、貝の閉殻力に対応して手には力が加わりへら部4の先端開き量が設定した寸法Wになった時点で指針7aと目盛板7cの突起部7eの干渉によって手に軽いショックが伝わるので、設定した開口寸法Wでの閉殻力を知ることができる。
【0031】
このとき、アコヤ貝10には木栓などを入れて本閉殻力測定器1をアコヤ貝10の口から抜き、置き針9jの値を読んで木栓を入れたアコヤ貝の閉殻力が合格範囲であれば養殖対象のアコヤ貝として挿核手術する次の工程に送り、不合格であれば次の工程に移らない。これにより、真珠が採取できない可能性の高いアコヤ貝に対して無駄な作業を省くことができるとともに、養殖海域の有効利用と海域の汚染を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の閉殻力測定器は、二枚貝の口を設定した寸法に開けると同時に貝の閉殻力も測定することができるので、真珠養殖に用いるアコヤ貝などの二枚貝に核入れするときの貝の開口および閉殻力の測定のための機器として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の閉殻力測定器の(a)平面図および(b)測定器を側面から見た図である。
【図2】図1における閉殻力測定器の部品の一部を取り除いた図である。
【図3】図2における一部拡大図である。
【図4】閉殻力測定器の置き針機構の詳細図である。
【図5】本発明の閉殻力測定器の実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1 閉殻力測定器
2 握り手
2a 支点
21a、21b 握り部
21c 握り部の穴
3 握り手
3a 支点
31 握り部
4 へら部
5 戻しばね
6 支点
7 開口寸法表示器
7a 指針
7b ねじまたはリベット
7c 目盛板
7d ねじまたはリベット
7e 突起部
8 連結ばね
8a 板ばね部分
8b 止めねじ
9 閉殻力表示器(荷重表示器)
9a 上プレート
9b 下プレート
9c 固定ピン
9d 回転ピン
9e 引張りばね
9f フック
9g 引き糸
9h 駆動針
9i 駆動針板
9j 置き針
9k 置き針板
9m ストッパ
10 アコヤ貝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚貝の口を所定寸法に開けると同時に該貝の閉殻力を測定するために、支点により回転自在に連結された一対の握り手を備えた閉殻力測定器であって、
前記握り手は前記支点を中心にして握り部とへら部とで構成され、
前記一対の握り手は、一方の握り部に固定された指針と他方の握り部に固定された目盛板との相対位置によって貝の口に挿入した前記へら部の開口寸法を表す開口寸法表示器と、一方の握り部に局所的に撓み剛性の小さい部分を有して、貝の閉殻力により前記へら部に加わる負荷によって生じる前記握り手の撓み変形量を拡大表示する荷重表示器とを前記2つの握り部側とその回転支点との面内部分に備えたことを特徴とする二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項2】
前記一対の握り手は、前記握り部に備えられた戻しばねにより前記へら部が閉じる方向に付勢されることを特徴とする請求項1記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項3】
前記荷重表示器は、片方の前記握り部に生じる変形量を回転ピンで拡大する機構を有し、その回転ピンの外径は略V字状の螺旋溝を持つとともに、引っ張りばねに一端を固定された引き糸が前記螺旋溝に複数回以上巻きつけられて他端を前記握り部の局所的に撓み剛性の小さい部分に固定される構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項4】
前記開口寸法表示器は、一方の握り部に固定された前記目盛板の一部に突起部または凹み部を設け、前記へら部の開口寸法が設定値になった時点で該突起部または凹み部が他方の握り部に固定された指針と、または直接該握り部と干渉して握り部を掴む人の手に荷重変化の感触を伝える構造を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項5】
前記荷重表示器は置き針機構を有し、置き針を保持する置き針板は磁石または磁石を内包する円盤状であり、前記置き針を保持する前記置き針板に相対する上プレートを強磁性体の薄板で構成するとともに、前記置き針を駆動する駆動針を保持する駆動針板の外側寸法が前記置き針を保持する前記置き針板の外側寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項1】
二枚貝の口を所定寸法に開けると同時に該貝の閉殻力を測定するために、支点により回転自在に連結された一対の握り手を備えた閉殻力測定器であって、
前記握り手は前記支点を中心にして握り部とへら部とで構成され、
前記一対の握り手は、一方の握り部に固定された指針と他方の握り部に固定された目盛板との相対位置によって貝の口に挿入した前記へら部の開口寸法を表す開口寸法表示器と、一方の握り部に局所的に撓み剛性の小さい部分を有して、貝の閉殻力により前記へら部に加わる負荷によって生じる前記握り手の撓み変形量を拡大表示する荷重表示器とを前記2つの握り部側とその回転支点との面内部分に備えたことを特徴とする二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項2】
前記一対の握り手は、前記握り部に備えられた戻しばねにより前記へら部が閉じる方向に付勢されることを特徴とする請求項1記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項3】
前記荷重表示器は、片方の前記握り部に生じる変形量を回転ピンで拡大する機構を有し、その回転ピンの外径は略V字状の螺旋溝を持つとともに、引っ張りばねに一端を固定された引き糸が前記螺旋溝に複数回以上巻きつけられて他端を前記握り部の局所的に撓み剛性の小さい部分に固定される構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項4】
前記開口寸法表示器は、一方の握り部に固定された前記目盛板の一部に突起部または凹み部を設け、前記へら部の開口寸法が設定値になった時点で該突起部または凹み部が他方の握り部に固定された指針と、または直接該握り部と干渉して握り部を掴む人の手に荷重変化の感触を伝える構造を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【請求項5】
前記荷重表示器は置き針機構を有し、置き針を保持する置き針板は磁石または磁石を内包する円盤状であり、前記置き針を保持する前記置き針板に相対する上プレートを強磁性体の薄板で構成するとともに、前記置き針を駆動する駆動針を保持する駆動針板の外側寸法が前記置き針を保持する前記置き針板の外側寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の二枚貝の閉殻力測定器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2009−198227(P2009−198227A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38099(P2008−38099)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(594156880)三重県 (58)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(594156880)三重県 (58)
【Fターム(参考)】
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