説明

二次元コード、二次元コードの読取方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】充分な位置決め精度を確保できる大容量・小サイズの二次元コード、その読取方法、プログラムおよびコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】データ部2の周辺に、小領域のサイズに応じたピッチで配置された線分LS11〜LS14、LS31〜LS34、LS51〜LS54、LS71〜LS74と、これらの線分のほぼ中央部からそれぞれ垂直に延設した見出し線R21〜R24、R41〜R44、R61〜R64、R81〜R84とを含む第1の図形と、両端がLS54とLS74の端部に連続するL字の第2の図形LCとを配置する。見出し線R21〜R24,R41〜R44をデータ部2の外側へ向けて配置し、見出し線R61〜R64、R81〜R84をデータ部2へ向けて配置する。これらの見出し線に基づいてデータ密度の情報と位置決め情報をデコード時に取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードおよびその読取方法に関し、特に、データ密度の向上を可能にする二次元コード、その読取方法、この読取方法をコンピュータに実行させるプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
二次元コードは、複数種類の文字をエンコードでき、誤り訂正機能を有することから、流通や商品管理等の分野で利用されてきており、様々な形態の二次元コードが開発されてきた。
【0003】
従来の二次元コードは、一次元のバーコードに代替する用途への利用にとどまっており、このため、例えば管理コードやこれに付随する情報のように、その要求仕様は、小容量の情報を格納できれば充分であった。
【0004】
近年、各種の障害者の自立を支援し、社会参加を積極的に促進する機運が高まっている。このような動きの中で、本願発明者は、視聴覚障害者向けの文章読上げ装置の開発にあたり、二次元コードの利用を検討した。実用性の観点からその仕様として、1ページの文章の情報、具体的には、日本語で800文字程度を例えば2cmの記号で格納でき、かつ、市販のレーザプリンタで印刷できることが要求された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の要求仕様を従来の二次元コードで実現しようとすると、所望の密度で印刷すれば充分な読取り率が得られず、この一方、読取れる密度で印刷するとサイズが大きくなりすぎる、という問題が発生した。
【0006】
このような問題の原因として、一つには、従来の二次元コードが上述の大容量の情報を格納するように設計されていないために、容量を増やすとデータセル以外の印刷領域のオーバヘッドが大きくなってしまう、ということが挙げられる。
【0007】
また、読取り率の問題は、データセルをサンプリングするときに位置決めの精度が十分に確保できないことである。従来、データセルの印刷ピッチを示す一方法として、データセルと同じサイズの明暗図形を1セル毎に交互に並べる試みもあった。しかしながら、この方法では、現状のレーザプリンタで高密度で印刷すると、トナーの粒子が飛散ったり、かすれるなど、プリンタ特有の特性により精度を高めることが困難であった。この一方、位置決めを充分な精度で実行できれば、データの読み取りについては、印刷に多少のトナー飛散やかすれがあっても、画像処理またはエラー訂正符号処理により、充分に複合化できることが判明した。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、汎用のレーザプリンタで印刷でき、充分な位置決め精度を確保できる大容量・小サイズの二次元コード、その読取方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の手段により上記課題の解決を図る。
【0010】
即ち、本発明によれば、
二進化されたデータのビットが明部または暗部の正方形データセルとして記号化されて二次元マトリクスをなすように配置されたデータ部と、上記データ部の周囲部に配置され、上記セルの印刷ピッチの情報を与える第1の図形と、上記データ部の周囲部に配置され、上記セルの回転方向の情報を与える第2の図形と、
を備える二次元コードであって、上記データ部は、互いに直行する第1および第2の方向に上記データセルが互いに隣接してそれぞれN個(Nは自然数)配置された正方形の小領域が、上記第1の方向にL個(Lは自然数)、上記2の方向にM個(Mは自然数)だけ互いに隣接して配置されて構成され、上記データ部の周縁の形状は、上記第2の方向の第1の辺と、この第1の辺に直交する第2の辺と、互いに直交し上記第1および第2の辺にそれぞれ対向する第3および第4の辺と、を有する矩形であり、上記第1の図形は、上記第1の辺に沿って上記データ部に近接して配置され、上記第1の辺と上記第2の辺との交点の近傍を起点として上記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(M+1)個の第1の線分と、上記第1の方向であって上記データ部の外側へ向けて上記第1の線分のほぼ中央からそれぞれ突出するように設けられた(M+1)個の第2の線分と、上記第2の辺に沿って上記データ部に近接して配置され、第1個目の上記第2の線分の頂点を起点として上記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(L+1)個の第3の線分と、上記第2の方向であって上記データ部の外側へ向けて上記第2の線分のほぼ中央からそれぞれ突出するように設けられた(L+1)個の第4の線分と、上記第3の辺に平行な線に沿って上記データ部に離隔して配置され、上記第4の線分の頂点を結ぶ線上の一点を起点として上記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(M+1)個の第5の線分と、対応する上記第2の線分の延長線上にそれぞれ配置され、上記第5の線分のほぼ中央から上記データ部の側へ向けて延出するように設けられた(M+1)個の第6の線分と、上記第4の辺に平行な線に沿って上記データ部に離隔して配置され、上記第2の線分の頂点を結ぶ線上の一点を起点として上記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(L+1)個の第7の線分と、対応する上記第4の線分の延長線上にそれぞれ配置され、上記第7の線分のほぼ中央から上記データ部へ向けて突出するように設けられた第8の線分と、を含み、上記第2の図形は、その両端が上記(M+1)個目の第5の線分と上記(L+1)個目の第7の線分に連続するように設けられるL字の図形であり、上記第5の線分と上記第7の線分は、上記第6の線分の頂点と上記第8の線分の頂点がそれぞれ上記第3の辺と上記第4の辺から離隔するように上記データ部から離隔して配置される、二次元コードが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
上述した本発明にかかる二次元コードの読取方法であって、上記二次元コードの画像を取得する手順と、取得された上記画像内で、周縁が上記第2の図形のコーナ部に接するとともに、第1個目の上記第5の線分の少なくとも一部と第1個目の第7の線分の少なくとも一部とを含むように、上記パターンを取囲む矩形領域を切り出す手順と、上記コーナ部との接点、上記第1個目の第7の線分と上記矩形領域の周縁との接点および上記第1個目の上記第5の線分と上記矩形領域の周縁との接点をそれぞれ第1の接点、第2の接点および第3の接点として特定し、第1個目の上記第1の線分または第1個目の上記第3の線分と上記矩形領域の周縁との接点を第4の接点として認識する手順と、上記第1の接点と上記第2の接点とを結ぶ第9の線分を設定し、上記第1の接点と上記第3の接点とを結ぶ第10の線分を設定する手順と、上記第9の線分に平行な第1の仮想線を設定して上記第2の接点から上記第4の接点の方向へ移動させることにより、上記第7の線分と上記第2の線分と上記第6の線分と上記第3の線分とを認識する手順と、上記第10の線分に平行な第2の仮想線を設定して上記第3の接点から上記第4の接点の方向へ移動させることにより、上記第5の線分と上記第4の線分と上記第8の線分と上記第1の線分とを認識する手順と、認識された第2、第4、第6、および第8の線分の数量に基づいて上記データ部における上記データの容量を算出する手順と、上記矩形領域の周縁をなす辺のうち互いに直交する2辺をX軸またはY軸とする座標系を設定して上記データ部内の各セルの座標を特定する手順と、上記セル座標に基づいて上記記号化されたデータをビット列データに変換する手順と、を備える二次元コードの読取方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
上述した本発明にかかる二次元コードの読取方法をコンピュータに実行させるプログラム、およびこのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、汎用のレーザプリンタで印刷でき、充分な位置決め精度を確保できる大容量・小サイズの二次元コード、その読取方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる二次元コードの実施の一形態を示す概略図である。
【図2】本発明にかかる二次元コードの読取方法の実施の一形態の説明図である。
【図3】図2に示す読取方法の概略手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。
【0016】
(1)二次元コードの実施形態
図1は、本発明にかかる二次元コードの実施の一形態を示す概略図である。同図に示すように、本実施形態の二次元コード1は、二進化されたデータが明暗の正方形のセルの形態で格納されたマトリクスデータ部2と、マトリクスデータ部2を囲むように配置された線分LS11〜LS14(第1の線分)、LS31〜LS34(第3の線分)、LS51〜LS54(第5の線分)、LS71〜LS74(第7の線分)と、これらの線分のほぼ中央部からそれぞれ垂直に延設した見出し線R21〜R24(第2の線分)、R41〜R44(第4の線分)、R61〜R64(第6の線分)、R81〜R84(第8の線分)と、両端がLS54とLS74の端部に連続するL字の図形LCとを備える。
【0017】
マトリクスデータ部1は、x方向およびy方向ともにそれぞれ3個(L=M=3)隣接して並べられた9つの小領域(図2参照)で構成される。小領域には、x方向およびy方向ともにそれぞれN個(Nは自然数)のデータセルが互いに隣接して配置されて構成される。本実施形態では、小領域の個数をx方向およびy方向ともに同一としたが、小領域の個数はこれに限ることなく、x方向とy方向とで互いに独立に変更可能である。
【0018】
上述した線分は、本実施形態において第1の図形を構成し、また、図形LCは、本実施形態において第2の図形を構成する。これらにより、後述する読み取り方法を用いてデータ密度情報(印刷ピッチ)とマトリクスデータ部の回転角が与えられる。各線分の幅は、データセルの一辺の長さと同じであり、また、各線分の長さは、データセルの一辺の長さを基本単位として決定される。
【0019】
線分LS11〜LS14は、マトリクスデータ部2の周縁をなす四角形の辺aに沿って上記小領域のサイズに一致したピッチでそれぞれ配置される。同様に、線分LS31〜LS34は、辺bに沿って上記小領域のサイズに一致したピッチでそれぞれ配置される。この一方、線分LS51〜LS54は、辺cに離隔して辺cに平行な線に沿って上記小領域のサイズに一致したピッチでそれぞれ配置される。同様に、線分LS71〜LS74も辺dに離隔して辺dに平行な線に沿って上記小領域のサイズに一致したピッチでそれぞれ配置される。
【0020】
見出し線R21〜R24は、それぞれ特定のデータセルの行方向または列方向の位置を指す。見出し線R21〜R24は、線分LS11〜LS14からマトリクスデータ部2の外側向きに延在するようにそれぞれ配置される。同様に、見出し線R41〜R44は、線分LS31〜LS34からマトリクスデータ部2の外側向きに延在するようにそれぞれ配置される。この一方、見出し線R61〜R64は、線分LS51〜LS54からマトリクスデータ部2へ向けて延在するようそれぞれに配置される。同様に、見出し線R81〜R84は、線分LS71〜LS74からマトリクスデータ部2へ向けて延在するようにそれぞれ配置される。
【0021】
本実施形態において各見出し線の長さは全て同一であるが、内側向きの見出し線R61〜R64,R81〜R84がマトリクスデータ部2に重なることがないよう、線分LS51〜LS54、線分LS71〜LS74は、マトリクスデータ部2の周縁から離隔されて配置される。
【0022】
見出し線の数は、マトリクスデータ部2に含まれる小領域の数およびその配置態様に応じて水平方向、垂直方向の各方向で独立に増減可能である。従って、データの容量や印刷する場所等の用途によって様々なサイズや形状の二次元コードを構成することが可能である。
【0023】
L字の図形LCは、線分LS54と線分LS74の端部に連続する直交部分を有するので、後述する読み取り時の画像処理において、そのコーナAと接するように切り出し用の矩形エリアARを設定することにより、データセルの回転角度を取得することができ、また、コーナAは、後述するように、各セルの位置座標を特定するために二次元コード1の原点として利用することができる。
【0024】
このように、本実施形態の二次元コード1においては、マトリクスデータ部2の中に切り出しや位置決め等のための特別な印刷パターンが存在しないので、その分小面積でより多くのデータを搭載することができる。また、データ容量を増大させても、マトリクスデータ部2を囲む第1および第2の図形だけで切り出しと位置決めを行なうことができるので、二次元コード全体の占有面積は、データ容量の増大に比例する大きさよりもはるかに小さい。これにより、大容量の情報を高密度で格納する二次元コードが提供される。
【0025】
(2)二次元コードの読取方法の実施形態
次に、図1に示す二次元コードの読取方法について本発明にかかる二次元コードの読取方法の実施の一形態として説明する。ここでは、本発明にかかる二次元コードに特有の読み取り手順のみを示し、読み取り処理上一般的に必要となる詳細な手順や調整に関する説明は省略する。
【0026】
図2は、本実施形態の読取方法の説明図であり、また、図3は図2に示す読取方法の概略手順を示すフローチャートである。
【0027】
1)まず、CCD等の撮像素子を用いて二次元コード1のデジタル画像データを取り込む(ステップS1)。
【0028】
2)次に、この画像データの縦横の暗セルが存在する分布(ヒストグラム)を調べ、図2に示すように、二次元コード1を取囲む矩形エリアARを画定する(ステップS2)。
【0029】
3)次に、この矩形エリアARの周縁の各辺に接する点を探す(ステップS3)。図2の場合は、点A,E、F,Hが求まる。
【0030】
4)続いて、これらの点A,E、F,Hの相互に隣り合った点同士を結ぶ直線上のドットを調べ、暗い線分でコーナが構成されている点が何処にあるかを判定する(ステップS4)。図2に示す場合は、直線AEと直線AFとの交点およびその近傍にこのような線分が存在することが分る。この一方、直線EHと直線FH上にはコーナを構成する暗部が存在しない。直線AEと直線AFとの交点Aを二次元コード1の原点として選択する(ステップS5)。これにより、直線AEと矩形アリアARの辺との間の角度θを求めることで各データセルの回転角度を取得することができる。
【0031】
5)次に、直線AFと平行でかつ直線AF上の線分LS54と長さがほぼ同一である線分を点Aから点Eに向かって調べ、線分LS14を特定してその端点から点Bを特定し、さらにこの線分LS14の延長線上に点Hを特定する。同様にして、点Aから点Fに向かって直線AEと平行でかつ直線AE上の線分LS74および線分LS71と長さがそれぞれほぼ同一である線分LS61および線分LS31を調べ、これから点Cと点Gを求め、さらに直線BHと直線CGとの交点Dを特定する(ステップS6)。
【0032】
6)次いで、線分AFに平行でかつ長さが同一である仮想破線(見出し破線)を設定し、点Aから出発して点Eの方向へbd1、bd2…と走査することにより、見出し線R44とR84,R43とR83,R42とR82を探索してゆく(ステップS7)。このとき、見出し線R44とR84とを結ぶ見出し破線bd1から点Aまでの距離と、各見出し線の長さとピッチとはデータセルのサイズを単位として既知の定数であるため、上述した手順で既に特定した各点A〜Dの間の位置関係に基づいて各見出し線の位置が予測できる。同様にして、線分AEに平行でかつ長さが同一である仮想破線を設定し、点Aから出発して点Fの方向へac1、ac2…と走査することにより、見出し線R24とR64,R23とR63,R22とR62を探索する(ステップS7)。ここで、線分ACからマトリクスデータ部2へ向って垂直に延在するものと認識された見出し線の数(本実施形態においてはR61〜R64の4本)と線分BDからマトリクスデータ部2の外側へ向って垂直に延在するものと認識された各見出し線の数(本実施形態においてR21〜R24の4本)とは同一であり、また同様に、線分ABからマトリクスデータ部2へ向って垂直に延在するものと認識された見出し線の数(本実施形態においてはR81〜R84の4本)と線分CDからマトリクスデータ部2の外側に垂直に延在すると認識された見出し線の数(本実施形態においてはR41〜R44の4本)とが同一であれば、正常に各見出し線の探索が行われたことを確認できる。また、上述したとおり、見出し線の数は、マトリクスデータ部2のデータ数に応じて水平方向、垂直方向の各方向で独立して決定されているので、各線分で認識された見出し線の数に応じて、マトリクスデータの容量を決定する。
【0033】
7)続いて、図2の破線に示すように、4角形ABCDのそれぞれ平行する二辺で認識された見出し線の線上の点同士を順に結んで格子形状を構成する線分bd1〜bd3,ac1〜ac3を再度想定し、これらの線分の交点n11〜n33の座標を算出する(ステップS8)。これらの座標は、マトリクスデータ部2内のデータセルの座標を等間隔に抜き出したものに相当する。
【0034】
8)さらに、上記7)で求めた交点の座標から、既知である見出し線間のセル数により各セルの座標値を求め、各セルの二進数の値をサンプリングしてビット列のデータとする(ステップS9)。
【0035】
9)最後に、二次元コード1のビット列データには誤り訂正符号が予め付加されているので、これを用いて誤り訂正を行う。これにより、元のデータが復元される(ステップS10)。
【0036】
このように、本実施形態の二次元コードの読取方法によれば、データセルの一辺の長さを基本単位として決定される長さの見出し線分を所定ピッチでマトリクスデータ部2の周囲に配置し、これを用いてマトリクスデータ部2内のデータセルを等分割してその位置座標を求めるので、簡易な画像処理により、2進化されたデータを高精度で復元できるとともに、データ容量をも迅速に取得することができる。
【0037】
(3)プログラムおよび記録媒体
上述した二次元コードの読取方法の一連の手順は、プログラムに組み込んで画像データ処理可能なコンピュータに読込ませて実行させても良い。これにより、本発明にかかる二次元コードの読取方法を汎用コンピュータを用いて実現することができる。また、上述した二次元コードの読取方法の一連の手順を画像データ処理可能なコンピュータに実行させるプログラムとしてフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。また、上述した二次元コードの読取方法の一連の手順を組込んだプログラムをインターネット等の通信回線(無線通信を含む)を介して頒布しても良い。さらに、上述した二次元コードの読取方法の一連の手順を組込んだプログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0038】
以上、本発明の実施の形態のいくつかについて説明したが、本発明は上記形態にかぎることなく、その技術的範囲内で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 二次元コード
2 マトリクスデータ部
bd1〜bd3,ac1〜ac3 仮想破線
LS11〜LS14 第1の線分
LS31〜LS34 第3の線分
LS51〜LS54 第5の線分)
LS71〜LS74 第7の線分
LC L字図形(第2の図形)
R21〜R24,R41〜R44,R61〜R64,R81〜R84 見出し線(第2、第4、第6、第8の線分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイナリーのデータをセル化して、二次元マトリクス状に記号を構成配置した二次元コードであって、
二次元マトリクス領域はデータ要素のみにより構成され、該二次元マトリクスの周辺部を破線にて囲み、隣接する周辺部二辺の破線内側に見出し線を一定間隔に配置し、他の2辺には周辺部の破線の外側に見出し線を配置して、位置情報を取得できることを特徴とする二次元コード。
【請求項2】
前記他の2辺に配置された見出し線は、辺毎に4本であり、データ密度を得る手段をなすことを特徴とする請求項1記載の二次元コード。
【請求項3】
前記二次元マトリクスの領域内には、データ密度と位置決め情報を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載の二次元コード。
【請求項4】
前記見出し線の数および記号のサイズは、前記二次元マトリクスの記録情報量の増減に依存して変化することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二次元コード。
【請求項5】
二進化されたデータのビットが明部または暗部の正方形データセルとして記号
化されて二次元マトリクスをなすように配置されたデータ部と、前記データ部の周囲部に配置され、前記セルの印刷ピッチの情報を与える第1の図形と、前記データ部の周囲部に配置され、前記セルの回転方向の情報を与える第2の図形と、を備える二次元コードであって、
前記データ部は、互いに直行する第1および第2の方向に前記データセルが互いに隣接してそれぞれN個(Nは自然数)配置された正方形の小領域が、前記第1の方向にL個(Lは自然数)、前記2の方向にM個(Mは自然数)だけ互いに隣接して配置されて構成され、前記データ部の周縁の形状は、前記第2の方向の第1の辺と、この第1の辺に直交する第2の辺と、互いに直交し前記第1および第2の辺にそれぞれ対向する第3および第4の辺と、を有する矩形であり、
前記第1の図形は、
前記第1の辺に沿って前記データ部に近接して配置され、前記第1の辺と前記第2の辺との交点の近傍を起点として前記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(M+1)個の第1の線分と、
前記第1の方向であって前記データ部の外側へ向けて前記第1の線分のほぼ中央からそれぞれ突出するように設けられた(M+1)個の第2の線分と、
前記第2の辺に沿って前記データ部に近接して配置され、第1個目の前記第2の線分の頂点を起点として前記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(L+1)個の第3の線分と、
前記第2の方向であって前記データ部の外側へ向けて前記第2の線分のほぼ中央からそれぞれ突出するように設けられた(L+1)個の第4の線分と、
前記第3の辺に平行な線に沿って前記データ部に離隔して配置され、前記第4の線分の頂点を結ぶ線上の一点を起点として前記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(M+1)個の第5の線分と、
対応する前記第2の線分の延長線上にそれぞれ配置され、前記第5の線分のほぼ中央から前記データ部の側へ向けて延出するように設けられた(M+1)個の第6の線分と、
前記第4の辺に平行な線に沿って前記データ部に離隔して配置され、前記第2の線分の頂点を結ぶ線上の一点を起点として前記小領域のサイズに応じたピッチで互いに離隔して配置された(L+1)個の第7の線分と、
対応する前記第4の線分の延長線上にそれぞれ配置され、前記第7の線分のほぼ中央から前記データ部へ向けて突出するように設けられた第8の線分と、を含み、
前記第2の図形は、その両端が前記(M+1)個目の第5の線分と前記(L+1)個目の第7の線分に連続するように設けられるL字の図形であり、
前記第5の線分と前記第7の線分は、前記第6の線分の頂点と前記第8の線分の頂点がそれぞれ前記第3の辺と前記第4の辺から離隔するように前記データ部から離隔して配置される、二次元コードの読取方法であって、
前記二次元コードの画像を取得する手順と、
取得された前記画像内で、周縁が前記第2の図形のコーナ部に接するとともに、第1個目の前記第5の線分の少なくとも一部と第1個目の第7の線分の少なくとも一部とを含むように、前記パターンを取囲む矩形領域を切り出す手順と、
前記コーナ部との接点、前記第1個目の第7の線分と前記矩形領域の周縁との接点および前記第1個目の前記第5の線分と前記矩形領域の周縁との接点をそれぞれ第1の接点、第2の接点および第3の接点として特定し、第1個目の前記第1の線分または第1個目の前記第3の線分と前記矩形領域の周縁との接点を第4の接点として認識する手順と、
前記第1の接点と前記第2の接点とを結ぶ第9の線分を設定し、前記第1の接点と前記第3の接点とを結ぶ第10の線分を設定する手順と、
前記第9の線分に平行な第1の仮想線を設定して前記第2の接点から前記第4の接点の方向へ移動させることにより、前記第7の線分と前記第2の線分と前記第6の線分と前記第3の線分とを認識する手順と、
前記第10の線分に平行な第2の仮想線を設定して前記第3の接点から前記第4の接点の方向へ移動させることにより、前記第5の線分と前記第4の線分と前記第8の線分と前記第1の線分とを認識する手順と、
認識された第2、第4、第6、および第8の線分の数量に基づいて前記データ部における前記データの容量を算出する手順と、
前記矩形領域の周縁をなす辺のうち互いに直交する2辺をX軸またはY軸とする座標系を設定して前記データ部内の各セルの座標を特定する手順と、
前記セル座標に基づいて前記記号化されたデータをビット列データに変換する手順と、
を備える二次元コードの読取方法。
【請求項6】
前記第1の線分乃至前記第8の線分の長さは、前記データセルの一辺の長さを基本単位としてそれぞれ決定されることを特徴とする請求項5に記載の二次元コードの読取方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の二次元コードの読取方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−198371(P2011−198371A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83051(P2011−83051)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【分割の表示】特願2001−268078(P2001−268078)の分割
【原出願日】平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願人】(500192702)株式会社 廣済堂 (3)
【出願人】(594158220)株式会社オリジナルデザイン (2)
【Fターム(参考)】