二次元コード及び二次元コード読取装置
【課題】 複数言語の文字情報を同時にコード化でき、指定された言語の文字情報のみを読み出し可能にする二次元コードを提供する。
【解決手段】 QRコードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記憶する複数の記録領域E1・・・ENを設け、複数の記憶領域E1・・・ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、該複数のそれぞれの記憶領域の識別域eiに、当該記憶領域に記録した言語を識別する言語識別子を記録してある。このため、QRコードQには、複数言語の文字情報を複数の記録領域E1・・・ENにコード化しておき、2次元コードリーダ10側で、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出すことが可能となる。
【解決手段】 QRコードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記憶する複数の記録領域E1・・・ENを設け、複数の記憶領域E1・・・ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、該複数のそれぞれの記憶領域の識別域eiに、当該記憶領域に記録した言語を識別する言語識別子を記録してある。このため、QRコードQには、複数言語の文字情報を複数の記録領域E1・・・ENにコード化しておき、2次元コードリーダ10側で、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出すことが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する二次元コード、該二次元コードを読み取る二次元コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次元コードは大容量のデータが扱えることから、商品の取り扱い方法等の説明文章がコード化されることがある。単一の言語では無く、複数の言語で取り扱い方法の説明文章が書かれる場合には、図11に示すように、各言語毎に二次元コードを生成し、操作者が必要な二次元コードを選択して二次元コード読取装置で読ませていた。具体的には、日本の操作者は、Japaneseと表示された二次元コードを読み取りることで、日本語の説明文章を得て、韓国の操作者はKoreanと表示された二次元コードを読み取りることで、韓国語の説明文章を得ていた。複数の言語に対応する二次元コードをそれぞれ設ける技術に関して、特許文献1に開示がある。
【特許文献1】特開2005−20727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、複数の言語を扱う際には、各言語毎に二次元コードを設ける必要があるため、印刷面積が大きくなり、効率が悪かった。さらに、例えば、日本の操作者が誤ってChineseと表示された二次元コードを読み取ると、文字化けが生じて、内容の判読できない説明文章のが表示されることになる。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数言語の文字情報を同時にコード化でき、指定された言語の文字情報のみを読み出し可能にする二次元コード、及び、複数言語の文字情報がコード化された当該二次元コードから指定された言語の文字情報のみを読み出し可能な二次元コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する二次元コードQであって、
当該二次元コードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENを設け、
前記複数の記録領域E1〜ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、
該複数のそれぞれの記録領域E1〜ENの一部eiに、当該記録領域E1〜ENに記録した言語を識別する言語識別子を記録したことを技術的特徴とする。
【0006】
請求項1では、二次元コードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENを設け、複数の記録領域E1〜ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、該複数のそれぞれの記録領域E1〜ENの一部eiに、当該記録領域E1〜ENに記録した言語を識別する言語識別子を記録してある。このため、二次元コードQには、複数言語の文字情報を複数の記録領域E1〜ENにコード化しておき、二次元コード読取装置10側で、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域E1〜EN内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出すことが可能となる。
【0007】
請求項2では、言語識別子は、それぞれ記録領域E1〜ENの先頭に配置されているため、当該言語識別子で識別される記録領域E1〜ENを容易に特定することができる。
【0008】
請求項3では、記録領域E1〜ENには、記録された文字数の情報が記録されるため、記録領域E1〜ENを容易に特定することができる。
【0009】
請求項4では、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENと共に、全ての二次元コード読取装置10で文字情報として読み出される共通文字の情報を記録する共通記録領域E7、E8が設けられている。このため、全ての二次元コード読取装置10で文字情報として読み出される共通文字の情報を重複してコード化(記録)する必要がなくなり、二次元コードQの情報量、即ち、大きさを小さくすることができる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードQを読み取る二次元コード読取装置10であって、
前記二次元コードQの画像を撮像する撮像手段28と、
撮像された前記二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段S24と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENを特定する記録領域特定手段S30、S32と、
前記記録領域特定手段S30、S32により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENの情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段S36と、
前記データ出力手段から出力された文字情報を表示する表示手段46と、を備えることを技術的特徴とする。
【0011】
請求項5では、撮像手段28が二次元コードQの画像を撮像し、解読手段S24が撮像された二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する。そして、記録領域特定手段S30、S32が、出力されたビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された言語識別子を検出し、複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENを特定する。読み取りデータ出力手段S36が、記録領域特定手段S30、S32により特定された、予め読み出し言語として指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENの情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する。そして、表示手段46が、データ出力手段から出力された文字情報を表示する。即ち、複数言語の文字情報が複数の記録領域E1〜ENにコード化された二次元コードQから、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域E1〜EN内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出し、表示するこことが可能となる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードQを読み取る二次元コード読取装置10であって、
前記二次元コードQの画像を撮像する撮像手段28と、
撮像された前記二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段S24と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENを特定する記録領域特定手段S44、S46と、
前記記録領域特定手段S44、S46により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENの情報を読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段S48と、
読み取りデータ出力手段S48からの読み取りデータを、表示器52を備える外部装置50へ送信する通信手段48と、を備えることを技術的特徴とする。
【0013】
請求項6では、撮像手段28が二次元コードQの画像を撮像し、解読手段S24が撮像された二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する。そして、記録領域特定手段S44、S46が、出力されたビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された言語識別子を検出し、複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENを特定する。読み取りデータ出力手段S48が、記録領域特定手段S44、S46により特定された、予め読み出し言語として指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENの情報を、読み取りデータとして出力する。そして、通信手段48が、読み取りデータ出力手段S48からの読み取りデータを、表示器52を備える外部装置50へ送信し、当該外部装置50の表示器52で二次元コード読取装置10から出力された文字情報を表示する。即ち、複数言語の文字情報が複数の記録領域E1〜ENにコード化された二次元コードQから、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域E1〜EN内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出し、表示するこことが可能となる。
【0014】
請求項7では、読み出し言語の指定が、当該指定を行う制御情報の含まれる二次元コードQCを読み取ることにより行われるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。
【0015】
請求項7では、読み出し言語の指定を行うための言語指定手段42を備えるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。
【0016】
請求項9では、読み取りデータ出力手段が、記録領域E1〜ENの情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する際に、文字情報が表示手段52で表示可能であるかを判断し(S62)、表示できる文字情報のみを出力する。このため、表示手段52で表示可能な文字情報のみを表示させるため、文字化け等の現象が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の二次元コードをQRコード(登録商標)に適用し、2次元コード読取装置を2次元コードリーダに適用した第1実施形態について図を参照して説明する。まず、本実施形態に係る2次元コードリーダ10の構成概要を図1、図2に基づいて説明する。
図1に示すように2次元コードリーダ10は、ケース12内に回路部20が収容されてなる。ケース12の前方部の下部には、読取口12aが設けられている。なお、図1には、回路部20を構成するプリント配線板16や、このプリント配線板16に実装される受光センサ28、結像レンズ27等が図示されている。
【0018】
図2に示すように、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されており、前述したプリント配線板16に実装あるいはケース12に装着されている。
【0019】
光学系は、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLED22とこのLED22の出射側に設けられる拡散・集光レンズ23等とから構成されている。本実施形態では、ケース12の読取口12aを介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。なお、この読取対象物Rには、情報コードとしての2次元コードQが貼付されている。
【0020】
受光センサ28は、読取対象物Rや2次元コードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を100万個オーダでm行n列の2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板16に実装されている。
【0021】
結像レンズ27は、外部から読取口12aを介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するもので、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとにより構成されている。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが、2次元コードQに反射した後、反射鏡25fで反射され、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、更に、反射鏡25sで反射させ、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0022】
次に、図2に戻ってマイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像されたコード像等の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該2次元コードリーダ10の全体システムに関する制御も行っている。
【0023】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、所定のコード像画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0024】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述したコード像画像情報格納領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域も確保可能に構成されている。またROMには、画像蓄積処理、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0025】
制御回路40は、2次元コードリーダ10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等を接続されている。これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った2次元コードQによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部機器とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0026】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0027】
引き続き、第1実施形態のQRコードの構成について図3〜図5を参照して説明する。
図5(A)は、第1実施形態の多言語QRコードQを示している。当該多言語QRコードでは、図11を参照して上述した日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字中国語)、中国語(繁体字中国語)、ベトナム語の6個のQRコードに保持されたデータが一つの多言語QRコードQ内に記録されている。
【0028】
図3(A)は、当該多言語QRコードQ内の情報データの構成を示す説明図である。情報データは、複数の記録領域E1、E2・・・ENから構成されてなる。それぞれの記録領域E1〜ENは、記録領域の言語を識別するための識別子から成る識別域eiと、文字数を示すための文字数域enと、言語データから成るデータ域edとから構成されている。そして、最後記録領域の後には、情報データが終わりであることを示すターミネータTが付けられている。
【0029】
図4は、識別子の内容を表すコードページを示す図表である。識別子として932(コードページ)がS−JISに準拠した日本語であり、識別子として1252(コードページ)がISO−8859に準拠した英語であり、識別子として949(コードページ)がKSX−1001に準拠した韓国語であり、識別子として936(コードページ)がBG2312に準拠した簡体字中国語であり、識別子として950(コードページ)がBig5に準拠した繁体字中国語であり、識別子として1258(コードページ)がベトナム語である。ここでは、MS−DOS(登録商標)、Windows(登録商標)に準拠したコードページを用いたが、例えば、単に日本語に1、英語に2,中国語に3というような更に簡略化した識別子を用いることもできる。
【0030】
第1実施形態では、識別子として01を用いると、データの内容が数字モード(アラビア数字)であることを示し、識別子として02を用いると、データの内容が英字記号(アルファベット文字)であることを示すように設定されている。ここで、アラビア数字、アルファベット文字は世界共通(共通文字)であるため、第1実施形態では、指定された言語によらず、いずれの言語が指定されている際にも、識別子01、02が用いられている記録領域は、デコードされるように構成されている。
【0031】
図3(B)は、記録領域E1、E2・・・の内容を具体的に例示する説明図である。
ここでは、まず、日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字中国語)、中国語(繁体字中国語)、ベトナム語の各言語で「東京都千代田区」に相当する文字データが記録されている。即ち、記録領域E1において、識別域eiには、日本語であることを示す識別子「932」が、文字数域enには、7文字であることを示す「7」が、データ域edには、「東京都千代田区」の文字データが記録される。ここで、「東」の漢字はS−JISで[938C]に相当する二進データが、「京」の漢字はS−JISで[8B9E]に相当する二進データが記録される。なお、QRコードでは、実際にはS−JISよりも圧縮した独自のデータ形式を用いているが、ここでは、説明の便宜上、S−JIS準拠でデータが記録されているものとして説明を行う。
【0032】
次の記録領域E2において、識別域eiには、英語であることを示す識別子「1252」が、文字数域enには、16文字であることを示す「16」が、データ域edには、「東京都千代田区」の英字表記の相当する[CHIYODA−KU、TOKYO]の文字データが記録されている。以下、記録領域E3には韓国語で「東京都千代田区」の韓国語表記の文字データが、記録領域E4には中国語で「東京都千代田区」の簡体字中国語表記の文字データが、記録領域E5には繁体字中国語表記の文字データが、記録領域E6にはベトナム語表記の文字データが記録されている。
【0033】
更に、記録領域E7において、識別域eiには数字モードであることを示す識別子01が、文字数域enには、3文字であることを示す「3」が、データ域edには、「135」が記録されている。また、記録領域E8において、識別域eiには英字記号モードであることを示す識別子02が、文字数域enには、2文字であることを示す「2」が、データ域edには、「BD」が記録されている。記録領域E7、E8は、全ての言語で共通で用いる共通記録領域を構成している。
【0034】
図3(B)を参照して上述した記録領域が図5(A)に示す多言語QRコードQ中に記録されている。2次元コードリーダ10で、操作スイッチ42(図2参照)の操作によって、日本語の読み出しが設定されている場合には、図3(C)に示すように、「東京都千代区 135 BD」の文字が読み出され、液晶表示器46に表示される。また、英語の読み出しが設定されている場合には、[CHIYODA−KU、TOKYO 135 BD]が読み出され、表示される。同様に設定された各言語に応じて読み出し、表示がなされる。
【0035】
上述した2次元コードリーダ10による読み出し、表示処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。ここでは、上述したように2次元コードリーダ10に日本語の読み出しが設定されているものとする。
多言語QRコードQの画像を取得し(S22)、取得したセル毎の明暗に基づき二進情報にデコードする(S24)。デコードが出来るまでは(S26:No)、S22に戻り画像の取得を続ける。デコードが出来ると(S26:Yes)、記録領域の最後を示すターミネータTかを判断する(S28)。ターミネータTが読み出されるまでは(S28:No)、対応言語識別子、即ち、日本語を示す「932」、数字モード(共通文字)であることを示す識別子「01」、英字記号モード(共通文字)であることを示す識別子「02」が読み出されたかを判断する(S30)。ここで、例えば、図3(B)を参照して上述した記録領域E1が読み出され、識別域eiに日本語を示す識別子[932]が含まれている際には(S30:Yes)、当該記録領域E1を特定する(S32)。そして、上述したようにS−JIS準拠して文字データへのデコードを行い(S34)、液晶表示器46にて当該記録領域E1の文字データである「東京都千代田区」の文字表示を行う。この各記録領域毎のデコード処理をターミネータTが読み出されるまで続ける。
【0036】
第1実施形態の2次元コードリーダ10では、複数言語の文字情報が複数の記録領域E1〜ENにコード化された多言語QRコードQから、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出し、表示するこことが可能となる。また、読み出し言語の指定を操作スイッチ42で行えるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。
【0037】
第1実施形態では、多言語QRコードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENを設け、複数の記録領域E1〜ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、該複数のそれぞれの記録領域の先頭の識別域eiに、当該記録領域に記録した言語を識別する言語識別子を記録してある。このため、多言語QRコードQには、複数言語の文字情報を複数の記録領域E1〜ENにコード化しておき、2次元コードリーダ10側で、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出すことが可能となる。
【0038】
言語識別子は、それぞれ記録領域E1・・・ENの先頭の識別域eiに配置されているため、当該言語識別子で識別される記録領域を容易に特定することができる。更に、記録領域の文字数域enには、記録された文字数の情報が記録されるため、記録領域を容易に特定することができる。
【0039】
第1実施形態の多言語QRコードでは、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜E6と共に、全ての2次元コードリーダ10で文字情報として読み出される共通文字の情報を記録する共通記録領域E7、E8が設けられている。このため、全ての2次元コードリーダ10で文字情報として読み出される共通文字(アラビア数字、英字記号)の情報を重複してコード化(記録)する必要がなくなり、多言語QRコードの情報量、即ち、大きさを小さくすることができる。
【0040】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係る2次元コードリーダ10について説明する。
図1、図2を参照して上述した第1実施形態では、2次元コードリーダ10が液晶表示器46を備え、多言語QRコードから読み出した文字データを当該液晶表示器46に表示した。これに対して、第2実施形態では、図7に示すように、2次元コードリーダ10はケーブル18を介してコンピュータ50に接続され、該コンピュータ50の表示器52に2次元コードリーダ10で読み出された文字データが表示される。このため、第2実施形態の2次元コードリーダ10は、図8に示すように、液晶表示器を備えず、通信インタフェース48により、ケーブル18を介してデータがコンピュータ50側へ送信される。
【0041】
なお、多言語QRコードの構成に関しては、第1実施形態と同じである。だだ、第1実施形態では、読み出し言語の指定が、操作スイッチ42により設定されたが、第2実施形態では、制御用ソフトウエアー書き込み用のQRコードを読むことにより、言語指定がなされる。具体的には、図5(B)に示す制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCを一度読み取ることで、以降、多言語QRコードQ中から指定された言語の文字情報の読み出しが行えるようになる。
【0042】
第2実施形態の2次元コードリーダ10による図5(B)中に示す制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQC、及び、多言語QRコードQの読み込み処理について、図9を参照して説明する。
ここでは、先ず、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCが読み取られた際の処理について説明する。制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCの画像を取得し(S22)、取得したセル毎の明暗に基づき二進情報にデコードする(S24)。デコードが出来ると(S26:Yes)、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)を読み出しているか判断するが(S38)、ここでは、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCを読み出しているので(S38:Yes)、まず、対応言語情報、即ち、上述した日本語を示す「932」、数字モード(共通文字)であることを示す識別子「01」、英字記号モード(共通文字)であることを示す識別子「02」を含む記録領域を読み出すための制御情報(制御用ソフトウエアー)をメモリ35に書き込む(S40)。そして、コンピュータ50側で行う対応言語情報(制御用ソフトウエアー)をコンピュータ50側へ送信する。この後、S44でのホスト(コンピュータ)対応言語が有るかの判断がNoとなり、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCに設けられたターミネータの読み出しで(S50:Yes)、処理を終了する。
【0043】
引き続き、多言語QRコードQが読み取られた際の処理について説明する。多言語QRコードQの画像を取得し(S22)、取得したセル毎の明暗に基づき二進情報にデコードする(S24)。デコードが出来ると(S26:Yes)、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)を読み出しているか判断するが(S38)、ここでは、多言語QRコードQを読み取っているので(S38:No)、S44に移行し、ホスト(コンピュータ50)の対応言語識別子、即ち、日本語を示す「932」、数字モード(共通文字)であることを示す識別子「01」、英字記号モード(共通文字)であることを示す識別子「02」が読み出されたかを判断する(S44)。ここで、例えば、図3(B)を参照して上述した記録領域E1が読み出され、識別域eiに日本語を示す識別子[932]が含まれている際には(S44:Yes)、当該記録領域E1を特定する(S46)。そして、当該記録領域E1のデータをホスト(コンピュータ50)側へ送信する(S48)。この処理を、ターミネータが読み出しされるまで継続し(S50:No)、ターミネータの読み出しで(S50:Yes)、処理を終了する。
【0044】
次に、2次元コードリーダ10で制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCが読み取られた際のコンピュータ50側での処理について図10を参照して説明する。
データの受信がなされ(S52)、2次元コードリーダ10側からコンピュータ50側で行う対応言語情報(制御用ソフトウエアー)が送信されたかを判断する(S54)。ここでは、2次元コードリーダ10側からコンピュータ50側で行う制御用ソフトウエアーが送信されているので(S54:Yes)、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)を当該コンピュータ50の図示しないメモリーにインストールする(S56)。そして、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCに設けられたターミネータの読み出しデータの受信で(S58:Yes)、処理を終了する。
【0045】
最後に、2次元コードリーダ10で多言語QRコードQが読み取られた際のコンピュータ50側での処理について説明する。なお、コンピュータ50のアプリケーションソフトウエアーで、コードページを読み出すには、例えば、Win32APIのGetACP()、GetOEMCP()等を用いることでできる。先ず、データの受信が開始される(S52)。ここで、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)が送信されたかのS54の判断がNo、また、ターミネータが読み出されたかのS58の判断がNoとなり、ホスト(コンピュータ50)の対応言語識別子に対応する記録領域のデータが送られたかを判断する(S60)。ここで、対応言語識別子に対応する記録領域のデータが送られると(S60:Yes)、送られたデータの文字が表示可能な文字かを判断し(S62)、表示可能な文字である際には(S62:Yes)、文字にデコードして、表示器52に文字表示する(S66)。一方、表示不可能な文字である際には(S62:No)、当該文字を飛ばす処理を行う(スペースとして処理する)。そして、多言語QRコードQに設けられたターミネータTを読み出したデータの受信で(S58:Yes)、処理を終了する。
【0046】
第2実施形態では、読み出し言語の指定が、当該指定を行う制御情報の含まれる制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCを読み取ることにより行われるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様にスイッチ操作で言語指定を行うようにもできる。
【0047】
また、第2実施形態では、コンピュータ50側で、記録領域の情報を読み取りデータとして表示する際に、文字情報が表示器52で表示可能であるかを判断し、表示できる文字情報のみをデコードして表示する。このため、文字化け等の現象が生じない。
【0048】
なお、上述した第2実施形態では、読み出し言語の指定をQRコードにより行ったが、コンピュータに直接、制御ソフトをインストールし、必要な制御情報をコンピュータ側から2次元コードリーダ10へ転送することでも対応可能である。また、第2実施形態では、2次元コードリーダ10が、予め設定された対応言語の記録領域の情報のみをコンピュータ50側へ送信したが、2次元コードリーダ10から全ての情報をコンピュータ50側へ送信し、コンピュータ50にいて、設定対応言語の記録領域を特定して、文字データへデコードするようにも構成可能である。但し、2次元コードリーダ10で送信データを選別する構成の方が、データの送信量が軽減できる利点があり、一方、全てのデータを送信する方法では、2次元コードリーダ10側での処理負担が低い利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2次元コードリーダの断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る2次元コードリーダの回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は多言語QRコード内の情報データの構成を示す説明図であり、図3(B)は記録領域の内容を具体的に例示する説明図であり、図3(C)は情報データの表示内容を示す説明図である。
【図4】識別子の内容を表すコードページを示す図表である。
【図5】図5(A)は第1実施形態の多言語QRコードを示し、図5(B)は第2実施形態の制御用ソフトウエアー書き込み用QRコード及び多言語QRコードを示す平面図である。
【図6】第1実施形態に係る2次元コードリーダによるQRコードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る2次元コードリーダ及びコンピュータを示す説明図である。
【図8】第2実施形態に係る2次元コードリーダの回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態の2次元コードリーダによるQRコードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【図10】コンピュータによるQRコードの読み取り表示処理を示すフローチャートである。
【図11】従来技術での多言語対応用のQRコードを示す図である。
【符号の説明】
【0050】
10…2次元コードリーダ(二次元コード読取装置)
20…回路部
28…受光センサ(撮像手段)
35…メモリ
40…制御回路
42…操作スイッチ(言語指定手段)
46…液晶表示器(表示手段)
48…通信インターフェース(通信手段)
50…コンピュータ(外部装置)
52…表示器
Q…多言語QRコード(二次元コード)
E1、E2…記録領域
ei…識別域
en…文字数域
ed…データ域
【技術分野】
【0001】
本発明は、データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する二次元コード、該二次元コードを読み取る二次元コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次元コードは大容量のデータが扱えることから、商品の取り扱い方法等の説明文章がコード化されることがある。単一の言語では無く、複数の言語で取り扱い方法の説明文章が書かれる場合には、図11に示すように、各言語毎に二次元コードを生成し、操作者が必要な二次元コードを選択して二次元コード読取装置で読ませていた。具体的には、日本の操作者は、Japaneseと表示された二次元コードを読み取りることで、日本語の説明文章を得て、韓国の操作者はKoreanと表示された二次元コードを読み取りることで、韓国語の説明文章を得ていた。複数の言語に対応する二次元コードをそれぞれ設ける技術に関して、特許文献1に開示がある。
【特許文献1】特開2005−20727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、複数の言語を扱う際には、各言語毎に二次元コードを設ける必要があるため、印刷面積が大きくなり、効率が悪かった。さらに、例えば、日本の操作者が誤ってChineseと表示された二次元コードを読み取ると、文字化けが生じて、内容の判読できない説明文章のが表示されることになる。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数言語の文字情報を同時にコード化でき、指定された言語の文字情報のみを読み出し可能にする二次元コード、及び、複数言語の文字情報がコード化された当該二次元コードから指定された言語の文字情報のみを読み出し可能な二次元コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する二次元コードQであって、
当該二次元コードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENを設け、
前記複数の記録領域E1〜ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、
該複数のそれぞれの記録領域E1〜ENの一部eiに、当該記録領域E1〜ENに記録した言語を識別する言語識別子を記録したことを技術的特徴とする。
【0006】
請求項1では、二次元コードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENを設け、複数の記録領域E1〜ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、該複数のそれぞれの記録領域E1〜ENの一部eiに、当該記録領域E1〜ENに記録した言語を識別する言語識別子を記録してある。このため、二次元コードQには、複数言語の文字情報を複数の記録領域E1〜ENにコード化しておき、二次元コード読取装置10側で、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域E1〜EN内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出すことが可能となる。
【0007】
請求項2では、言語識別子は、それぞれ記録領域E1〜ENの先頭に配置されているため、当該言語識別子で識別される記録領域E1〜ENを容易に特定することができる。
【0008】
請求項3では、記録領域E1〜ENには、記録された文字数の情報が記録されるため、記録領域E1〜ENを容易に特定することができる。
【0009】
請求項4では、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENと共に、全ての二次元コード読取装置10で文字情報として読み出される共通文字の情報を記録する共通記録領域E7、E8が設けられている。このため、全ての二次元コード読取装置10で文字情報として読み出される共通文字の情報を重複してコード化(記録)する必要がなくなり、二次元コードQの情報量、即ち、大きさを小さくすることができる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードQを読み取る二次元コード読取装置10であって、
前記二次元コードQの画像を撮像する撮像手段28と、
撮像された前記二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段S24と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENを特定する記録領域特定手段S30、S32と、
前記記録領域特定手段S30、S32により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENの情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段S36と、
前記データ出力手段から出力された文字情報を表示する表示手段46と、を備えることを技術的特徴とする。
【0011】
請求項5では、撮像手段28が二次元コードQの画像を撮像し、解読手段S24が撮像された二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する。そして、記録領域特定手段S30、S32が、出力されたビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された言語識別子を検出し、複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENを特定する。読み取りデータ出力手段S36が、記録領域特定手段S30、S32により特定された、予め読み出し言語として指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENの情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する。そして、表示手段46が、データ出力手段から出力された文字情報を表示する。即ち、複数言語の文字情報が複数の記録領域E1〜ENにコード化された二次元コードQから、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域E1〜EN内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出し、表示するこことが可能となる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードQを読み取る二次元コード読取装置10であって、
前記二次元コードQの画像を撮像する撮像手段28と、
撮像された前記二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段S24と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENを特定する記録領域特定手段S44、S46と、
前記記録領域特定手段S44、S46により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域E1〜ENの情報を読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段S48と、
読み取りデータ出力手段S48からの読み取りデータを、表示器52を備える外部装置50へ送信する通信手段48と、を備えることを技術的特徴とする。
【0013】
請求項6では、撮像手段28が二次元コードQの画像を撮像し、解読手段S24が撮像された二次元コードQの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する。そして、記録領域特定手段S44、S46が、出力されたビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された言語識別子を検出し、複数の記録領域E1〜ENに記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENを特定する。読み取りデータ出力手段S48が、記録領域特定手段S44、S46により特定された、予め読み出し言語として指定された言語識別子の記録された記録領域E1〜ENの情報を、読み取りデータとして出力する。そして、通信手段48が、読み取りデータ出力手段S48からの読み取りデータを、表示器52を備える外部装置50へ送信し、当該外部装置50の表示器52で二次元コード読取装置10から出力された文字情報を表示する。即ち、複数言語の文字情報が複数の記録領域E1〜ENにコード化された二次元コードQから、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域E1〜EN内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出し、表示するこことが可能となる。
【0014】
請求項7では、読み出し言語の指定が、当該指定を行う制御情報の含まれる二次元コードQCを読み取ることにより行われるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。
【0015】
請求項7では、読み出し言語の指定を行うための言語指定手段42を備えるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。
【0016】
請求項9では、読み取りデータ出力手段が、記録領域E1〜ENの情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する際に、文字情報が表示手段52で表示可能であるかを判断し(S62)、表示できる文字情報のみを出力する。このため、表示手段52で表示可能な文字情報のみを表示させるため、文字化け等の現象が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の二次元コードをQRコード(登録商標)に適用し、2次元コード読取装置を2次元コードリーダに適用した第1実施形態について図を参照して説明する。まず、本実施形態に係る2次元コードリーダ10の構成概要を図1、図2に基づいて説明する。
図1に示すように2次元コードリーダ10は、ケース12内に回路部20が収容されてなる。ケース12の前方部の下部には、読取口12aが設けられている。なお、図1には、回路部20を構成するプリント配線板16や、このプリント配線板16に実装される受光センサ28、結像レンズ27等が図示されている。
【0018】
図2に示すように、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されており、前述したプリント配線板16に実装あるいはケース12に装着されている。
【0019】
光学系は、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLED22とこのLED22の出射側に設けられる拡散・集光レンズ23等とから構成されている。本実施形態では、ケース12の読取口12aを介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。なお、この読取対象物Rには、情報コードとしての2次元コードQが貼付されている。
【0020】
受光センサ28は、読取対象物Rや2次元コードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を100万個オーダでm行n列の2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板16に実装されている。
【0021】
結像レンズ27は、外部から読取口12aを介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するもので、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとにより構成されている。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが、2次元コードQに反射した後、反射鏡25fで反射され、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、更に、反射鏡25sで反射させ、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0022】
次に、図2に戻ってマイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像されたコード像等の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該2次元コードリーダ10の全体システムに関する制御も行っている。
【0023】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、所定のコード像画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0024】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述したコード像画像情報格納領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域も確保可能に構成されている。またROMには、画像蓄積処理、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0025】
制御回路40は、2次元コードリーダ10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等を接続されている。これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った2次元コードQによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部機器とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0026】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0027】
引き続き、第1実施形態のQRコードの構成について図3〜図5を参照して説明する。
図5(A)は、第1実施形態の多言語QRコードQを示している。当該多言語QRコードでは、図11を参照して上述した日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字中国語)、中国語(繁体字中国語)、ベトナム語の6個のQRコードに保持されたデータが一つの多言語QRコードQ内に記録されている。
【0028】
図3(A)は、当該多言語QRコードQ内の情報データの構成を示す説明図である。情報データは、複数の記録領域E1、E2・・・ENから構成されてなる。それぞれの記録領域E1〜ENは、記録領域の言語を識別するための識別子から成る識別域eiと、文字数を示すための文字数域enと、言語データから成るデータ域edとから構成されている。そして、最後記録領域の後には、情報データが終わりであることを示すターミネータTが付けられている。
【0029】
図4は、識別子の内容を表すコードページを示す図表である。識別子として932(コードページ)がS−JISに準拠した日本語であり、識別子として1252(コードページ)がISO−8859に準拠した英語であり、識別子として949(コードページ)がKSX−1001に準拠した韓国語であり、識別子として936(コードページ)がBG2312に準拠した簡体字中国語であり、識別子として950(コードページ)がBig5に準拠した繁体字中国語であり、識別子として1258(コードページ)がベトナム語である。ここでは、MS−DOS(登録商標)、Windows(登録商標)に準拠したコードページを用いたが、例えば、単に日本語に1、英語に2,中国語に3というような更に簡略化した識別子を用いることもできる。
【0030】
第1実施形態では、識別子として01を用いると、データの内容が数字モード(アラビア数字)であることを示し、識別子として02を用いると、データの内容が英字記号(アルファベット文字)であることを示すように設定されている。ここで、アラビア数字、アルファベット文字は世界共通(共通文字)であるため、第1実施形態では、指定された言語によらず、いずれの言語が指定されている際にも、識別子01、02が用いられている記録領域は、デコードされるように構成されている。
【0031】
図3(B)は、記録領域E1、E2・・・の内容を具体的に例示する説明図である。
ここでは、まず、日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字中国語)、中国語(繁体字中国語)、ベトナム語の各言語で「東京都千代田区」に相当する文字データが記録されている。即ち、記録領域E1において、識別域eiには、日本語であることを示す識別子「932」が、文字数域enには、7文字であることを示す「7」が、データ域edには、「東京都千代田区」の文字データが記録される。ここで、「東」の漢字はS−JISで[938C]に相当する二進データが、「京」の漢字はS−JISで[8B9E]に相当する二進データが記録される。なお、QRコードでは、実際にはS−JISよりも圧縮した独自のデータ形式を用いているが、ここでは、説明の便宜上、S−JIS準拠でデータが記録されているものとして説明を行う。
【0032】
次の記録領域E2において、識別域eiには、英語であることを示す識別子「1252」が、文字数域enには、16文字であることを示す「16」が、データ域edには、「東京都千代田区」の英字表記の相当する[CHIYODA−KU、TOKYO]の文字データが記録されている。以下、記録領域E3には韓国語で「東京都千代田区」の韓国語表記の文字データが、記録領域E4には中国語で「東京都千代田区」の簡体字中国語表記の文字データが、記録領域E5には繁体字中国語表記の文字データが、記録領域E6にはベトナム語表記の文字データが記録されている。
【0033】
更に、記録領域E7において、識別域eiには数字モードであることを示す識別子01が、文字数域enには、3文字であることを示す「3」が、データ域edには、「135」が記録されている。また、記録領域E8において、識別域eiには英字記号モードであることを示す識別子02が、文字数域enには、2文字であることを示す「2」が、データ域edには、「BD」が記録されている。記録領域E7、E8は、全ての言語で共通で用いる共通記録領域を構成している。
【0034】
図3(B)を参照して上述した記録領域が図5(A)に示す多言語QRコードQ中に記録されている。2次元コードリーダ10で、操作スイッチ42(図2参照)の操作によって、日本語の読み出しが設定されている場合には、図3(C)に示すように、「東京都千代区 135 BD」の文字が読み出され、液晶表示器46に表示される。また、英語の読み出しが設定されている場合には、[CHIYODA−KU、TOKYO 135 BD]が読み出され、表示される。同様に設定された各言語に応じて読み出し、表示がなされる。
【0035】
上述した2次元コードリーダ10による読み出し、表示処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。ここでは、上述したように2次元コードリーダ10に日本語の読み出しが設定されているものとする。
多言語QRコードQの画像を取得し(S22)、取得したセル毎の明暗に基づき二進情報にデコードする(S24)。デコードが出来るまでは(S26:No)、S22に戻り画像の取得を続ける。デコードが出来ると(S26:Yes)、記録領域の最後を示すターミネータTかを判断する(S28)。ターミネータTが読み出されるまでは(S28:No)、対応言語識別子、即ち、日本語を示す「932」、数字モード(共通文字)であることを示す識別子「01」、英字記号モード(共通文字)であることを示す識別子「02」が読み出されたかを判断する(S30)。ここで、例えば、図3(B)を参照して上述した記録領域E1が読み出され、識別域eiに日本語を示す識別子[932]が含まれている際には(S30:Yes)、当該記録領域E1を特定する(S32)。そして、上述したようにS−JIS準拠して文字データへのデコードを行い(S34)、液晶表示器46にて当該記録領域E1の文字データである「東京都千代田区」の文字表示を行う。この各記録領域毎のデコード処理をターミネータTが読み出されるまで続ける。
【0036】
第1実施形態の2次元コードリーダ10では、複数言語の文字情報が複数の記録領域E1〜ENにコード化された多言語QRコードQから、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出し、表示するこことが可能となる。また、読み出し言語の指定を操作スイッチ42で行えるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。
【0037】
第1実施形態では、多言語QRコードQの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜ENを設け、複数の記録領域E1〜ENのそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、該複数のそれぞれの記録領域の先頭の識別域eiに、当該記録領域に記録した言語を識別する言語識別子を記録してある。このため、多言語QRコードQには、複数言語の文字情報を複数の記録領域E1〜ENにコード化しておき、2次元コードリーダ10側で、指定された言語に対応する言語識別子の含まれる記録領域内の文字情報を読み出すことで、指定された言語の文字情報のみを読み出すことが可能となる。
【0038】
言語識別子は、それぞれ記録領域E1・・・ENの先頭の識別域eiに配置されているため、当該言語識別子で識別される記録領域を容易に特定することができる。更に、記録領域の文字数域enには、記録された文字数の情報が記録されるため、記録領域を容易に特定することができる。
【0039】
第1実施形態の多言語QRコードでは、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域E1〜E6と共に、全ての2次元コードリーダ10で文字情報として読み出される共通文字の情報を記録する共通記録領域E7、E8が設けられている。このため、全ての2次元コードリーダ10で文字情報として読み出される共通文字(アラビア数字、英字記号)の情報を重複してコード化(記録)する必要がなくなり、多言語QRコードの情報量、即ち、大きさを小さくすることができる。
【0040】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係る2次元コードリーダ10について説明する。
図1、図2を参照して上述した第1実施形態では、2次元コードリーダ10が液晶表示器46を備え、多言語QRコードから読み出した文字データを当該液晶表示器46に表示した。これに対して、第2実施形態では、図7に示すように、2次元コードリーダ10はケーブル18を介してコンピュータ50に接続され、該コンピュータ50の表示器52に2次元コードリーダ10で読み出された文字データが表示される。このため、第2実施形態の2次元コードリーダ10は、図8に示すように、液晶表示器を備えず、通信インタフェース48により、ケーブル18を介してデータがコンピュータ50側へ送信される。
【0041】
なお、多言語QRコードの構成に関しては、第1実施形態と同じである。だだ、第1実施形態では、読み出し言語の指定が、操作スイッチ42により設定されたが、第2実施形態では、制御用ソフトウエアー書き込み用のQRコードを読むことにより、言語指定がなされる。具体的には、図5(B)に示す制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCを一度読み取ることで、以降、多言語QRコードQ中から指定された言語の文字情報の読み出しが行えるようになる。
【0042】
第2実施形態の2次元コードリーダ10による図5(B)中に示す制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQC、及び、多言語QRコードQの読み込み処理について、図9を参照して説明する。
ここでは、先ず、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCが読み取られた際の処理について説明する。制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCの画像を取得し(S22)、取得したセル毎の明暗に基づき二進情報にデコードする(S24)。デコードが出来ると(S26:Yes)、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)を読み出しているか判断するが(S38)、ここでは、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCを読み出しているので(S38:Yes)、まず、対応言語情報、即ち、上述した日本語を示す「932」、数字モード(共通文字)であることを示す識別子「01」、英字記号モード(共通文字)であることを示す識別子「02」を含む記録領域を読み出すための制御情報(制御用ソフトウエアー)をメモリ35に書き込む(S40)。そして、コンピュータ50側で行う対応言語情報(制御用ソフトウエアー)をコンピュータ50側へ送信する。この後、S44でのホスト(コンピュータ)対応言語が有るかの判断がNoとなり、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCに設けられたターミネータの読み出しで(S50:Yes)、処理を終了する。
【0043】
引き続き、多言語QRコードQが読み取られた際の処理について説明する。多言語QRコードQの画像を取得し(S22)、取得したセル毎の明暗に基づき二進情報にデコードする(S24)。デコードが出来ると(S26:Yes)、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)を読み出しているか判断するが(S38)、ここでは、多言語QRコードQを読み取っているので(S38:No)、S44に移行し、ホスト(コンピュータ50)の対応言語識別子、即ち、日本語を示す「932」、数字モード(共通文字)であることを示す識別子「01」、英字記号モード(共通文字)であることを示す識別子「02」が読み出されたかを判断する(S44)。ここで、例えば、図3(B)を参照して上述した記録領域E1が読み出され、識別域eiに日本語を示す識別子[932]が含まれている際には(S44:Yes)、当該記録領域E1を特定する(S46)。そして、当該記録領域E1のデータをホスト(コンピュータ50)側へ送信する(S48)。この処理を、ターミネータが読み出しされるまで継続し(S50:No)、ターミネータの読み出しで(S50:Yes)、処理を終了する。
【0044】
次に、2次元コードリーダ10で制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCが読み取られた際のコンピュータ50側での処理について図10を参照して説明する。
データの受信がなされ(S52)、2次元コードリーダ10側からコンピュータ50側で行う対応言語情報(制御用ソフトウエアー)が送信されたかを判断する(S54)。ここでは、2次元コードリーダ10側からコンピュータ50側で行う制御用ソフトウエアーが送信されているので(S54:Yes)、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)を当該コンピュータ50の図示しないメモリーにインストールする(S56)。そして、制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCに設けられたターミネータの読み出しデータの受信で(S58:Yes)、処理を終了する。
【0045】
最後に、2次元コードリーダ10で多言語QRコードQが読み取られた際のコンピュータ50側での処理について説明する。なお、コンピュータ50のアプリケーションソフトウエアーで、コードページを読み出すには、例えば、Win32APIのGetACP()、GetOEMCP()等を用いることでできる。先ず、データの受信が開始される(S52)。ここで、対応言語情報(制御用ソフトウエアー)が送信されたかのS54の判断がNo、また、ターミネータが読み出されたかのS58の判断がNoとなり、ホスト(コンピュータ50)の対応言語識別子に対応する記録領域のデータが送られたかを判断する(S60)。ここで、対応言語識別子に対応する記録領域のデータが送られると(S60:Yes)、送られたデータの文字が表示可能な文字かを判断し(S62)、表示可能な文字である際には(S62:Yes)、文字にデコードして、表示器52に文字表示する(S66)。一方、表示不可能な文字である際には(S62:No)、当該文字を飛ばす処理を行う(スペースとして処理する)。そして、多言語QRコードQに設けられたターミネータTを読み出したデータの受信で(S58:Yes)、処理を終了する。
【0046】
第2実施形態では、読み出し言語の指定が、当該指定を行う制御情報の含まれる制御用ソフトウエアー書き込み用QRコードQCを読み取ることにより行われるため、容易に読み出し言語の指定が行い得る。なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様にスイッチ操作で言語指定を行うようにもできる。
【0047】
また、第2実施形態では、コンピュータ50側で、記録領域の情報を読み取りデータとして表示する際に、文字情報が表示器52で表示可能であるかを判断し、表示できる文字情報のみをデコードして表示する。このため、文字化け等の現象が生じない。
【0048】
なお、上述した第2実施形態では、読み出し言語の指定をQRコードにより行ったが、コンピュータに直接、制御ソフトをインストールし、必要な制御情報をコンピュータ側から2次元コードリーダ10へ転送することでも対応可能である。また、第2実施形態では、2次元コードリーダ10が、予め設定された対応言語の記録領域の情報のみをコンピュータ50側へ送信したが、2次元コードリーダ10から全ての情報をコンピュータ50側へ送信し、コンピュータ50にいて、設定対応言語の記録領域を特定して、文字データへデコードするようにも構成可能である。但し、2次元コードリーダ10で送信データを選別する構成の方が、データの送信量が軽減できる利点があり、一方、全てのデータを送信する方法では、2次元コードリーダ10側での処理負担が低い利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2次元コードリーダの断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る2次元コードリーダの回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は多言語QRコード内の情報データの構成を示す説明図であり、図3(B)は記録領域の内容を具体的に例示する説明図であり、図3(C)は情報データの表示内容を示す説明図である。
【図4】識別子の内容を表すコードページを示す図表である。
【図5】図5(A)は第1実施形態の多言語QRコードを示し、図5(B)は第2実施形態の制御用ソフトウエアー書き込み用QRコード及び多言語QRコードを示す平面図である。
【図6】第1実施形態に係る2次元コードリーダによるQRコードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る2次元コードリーダ及びコンピュータを示す説明図である。
【図8】第2実施形態に係る2次元コードリーダの回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態の2次元コードリーダによるQRコードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【図10】コンピュータによるQRコードの読み取り表示処理を示すフローチャートである。
【図11】従来技術での多言語対応用のQRコードを示す図である。
【符号の説明】
【0050】
10…2次元コードリーダ(二次元コード読取装置)
20…回路部
28…受光センサ(撮像手段)
35…メモリ
40…制御回路
42…操作スイッチ(言語指定手段)
46…液晶表示器(表示手段)
48…通信インターフェース(通信手段)
50…コンピュータ(外部装置)
52…表示器
Q…多言語QRコード(二次元コード)
E1、E2…記録領域
ei…識別域
en…文字数域
ed…データ域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する二次元コードであって、
当該二次元コードの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域を設け、
前記複数の記録領域のそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、
該複数のそれぞれの記録領域の一部に、当該記録領域に記録した言語を識別する言語識別子を記録したことを特徴とする二次元コード。
【請求項2】
前記言語識別子は、それぞれ前記記録領域の先頭に配置されることを特徴とする請求項1の二次元コード。
【請求項3】
前記記録領域には、記録された文字数の情報が記録されることを特徴とする請求項1又は請求項2の二次元コード。
【請求項4】
前記異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域と共に、全ての二次元コード読取装置で文字情報として読み出される共通文字の情報を記録する共通記録領域を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の二次元コード。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードを読み取る二次元コード読取装置であって、
前記二次元コードの画像を撮像する撮像手段と、
撮像された前記二次元コードの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域に記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域を特定する記録領域特定手段と、
前記記録領域特定手段により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域の情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段と、
前記データ出力手段から出力された文字情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする二次元コード読取装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードを読み取る二次元コード読取装置であって、
前記二次元コードの画像を撮像する撮像手段と、
撮像された前記二次元コードの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域に記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域を特定する記録領域特定手段と、
前記記録領域特定手段により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域の情報を読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段と、
読み取りデータ出力手段からの読み取りデータを、表示器を備える外部装置へ送信する通信手段と、を備えることを特徴とする二次元コード読取装置。
【請求項7】
前記読み出し言語の指定が、当該指定を行う制御情報の含まれる二次元コードを読み取ることにより行われることを特徴とする請求項5又は請求項6の二次元コード読取装置。
【請求項8】
前記読み出し言語の指定を行うための言語指定手段を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6の二次元コード読取装置。
【請求項9】
前記読み取りデータ出力手段が、前記記録領域の情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する際に、文字情報が前記表示手段で表示可能であるかを判断し、表示できる文字情報のみを出力することを特徴とする請求項5の二次元コード読取装置。
【請求項1】
データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する二次元コードであって、
当該二次元コードの情報記録領域内に、異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域を設け、
前記複数の記録領域のそれぞれに複数言語で文字情報を記録すると共に、
該複数のそれぞれの記録領域の一部に、当該記録領域に記録した言語を識別する言語識別子を記録したことを特徴とする二次元コード。
【請求項2】
前記言語識別子は、それぞれ前記記録領域の先頭に配置されることを特徴とする請求項1の二次元コード。
【請求項3】
前記記録領域には、記録された文字数の情報が記録されることを特徴とする請求項1又は請求項2の二次元コード。
【請求項4】
前記異なる複数言語の文字情報を記録する複数の記録領域と共に、全ての二次元コード読取装置で文字情報として読み出される共通文字の情報を記録する共通記録領域を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の二次元コード。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードを読み取る二次元コード読取装置であって、
前記二次元コードの画像を撮像する撮像手段と、
撮像された前記二次元コードの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域に記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域を特定する記録領域特定手段と、
前記記録領域特定手段により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域の情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段と、
前記データ出力手段から出力された文字情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする二次元コード読取装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか1の二次元コードを読み取る二次元コード読取装置であって、
前記二次元コードの画像を撮像する撮像手段と、
撮像された前記二次元コードの画像を取り込み、解読して記録されている二進情報をビットパターンとして出力する解読手段と、
出力された前記ビットパターンの中から、予め読み出し言語として指定された前記言語識別子を検出し、前記複数の記録領域に記録された情報のうち、該指定された言語識別子の記録された前記記録領域を特定する記録領域特定手段と、
前記記録領域特定手段により特定された、前記予め読み出し言語として指定された前記言語識別子の記録された前記記録領域の情報を読み取りデータとして出力する読み取りデータ出力手段と、
読み取りデータ出力手段からの読み取りデータを、表示器を備える外部装置へ送信する通信手段と、を備えることを特徴とする二次元コード読取装置。
【請求項7】
前記読み出し言語の指定が、当該指定を行う制御情報の含まれる二次元コードを読み取ることにより行われることを特徴とする請求項5又は請求項6の二次元コード読取装置。
【請求項8】
前記読み出し言語の指定を行うための言語指定手段を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6の二次元コード読取装置。
【請求項9】
前記読み取りデータ出力手段が、前記記録領域の情報を、当該言語識別子で識別された言語の文字情報に変換し、読み取りデータとして出力する際に、文字情報が前記表示手段で表示可能であるかを判断し、表示できる文字情報のみを出力することを特徴とする請求項5の二次元コード読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−128314(P2007−128314A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320879(P2005−320879)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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